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🎄Xmas限定クエスト その後も変わらない4人

#ゴッドゲームオンライン #ノベル #猟兵達のクリスマス2023 #挿絵

日野・尚人



ポーラリア・ベル
なおなお(f01298)あいあい(f06524)、しぇいしぇい(f00895)
と一緒に
https://tw6.jp/gallery/?id=192899
のイラストのアフターなクリスマスシナリオのお話をお願いします!

●概要
なおなおの概要通り。
あのイラスト(クリスマス限定スライム討伐依頼)でポーラはね、皆が倒したスライムのクリスマスアイテムな戦利品をひたすら回収してたの!どっさり!

●キャラ
無邪気な冬の妖精。
なおなおが大好きで、あいあいもしぇいしぇいも好き!
今日はクリスマスなのでクリスマスツリーモチーフの妖精衣装着てました。
【怪力】で重いものも持てるので、戦利品詰めた白いサンタ袋はポーラが運んだんだー。

●心情
お宝(ドロップ品)がっぽがっぽだったねー!
ギルドで引き換えてくれたお姉さんびっくりしてたよ!
ポーラ、クリスマスベルちょっと欲しかったけど、何か一番価値高かった。しょうがないの。
白いサンタ髭とか折角だし持って帰ってなおなお、着けちゃう?

クエストお疲れ様ー!
家族風呂一番最後に入るの(戦利品仕分けしてた分遅れた)
べっちょりされてたスライムさんからも色んなクリスマスアイテムが出て来るんだから不思議だよね。
あんまりお体スライムになってないけれどー
(タオルをご持参。冷水で体を洗う。ゲームだからお湯だけとかあるかな?)

ふぇあー!溶けるー!(湯船に潜水)
いつもより敵が強かったのは、クリスマス限定のスライムさんだったから「ちょーせー」がされてあったのかもしれないわ。
なのよ。なのよ。沢山溜まった報酬で、今日は豪勢な晩御飯を宿の人に頼んでもらったよ!

どしたのなおなお?フェアリーのいやんな姿なんていつも見てるじゃないー?なんてー。
顔が赤いなら冬の力で冷まそっか……って言いたいけど、お風呂で暖まって今力が弱いから、今日は見逃すの……

ふぇあー!とっても楽しかったね!
メリークリスマース!
(乾杯し)
雪入りのジュースとか注ぐよ、注ぐよー!


アイシャ・ソルラフィス



シェイミー・ソルラフィス




 かぽーん。
 どこか遠くの方から、湯桶が落ちたような、でもよく考えると不思議な程に綺麗に反響したお風呂っぽい音が聞こえてくる。それをぼんやりと聞きながら、ゆったりとお湯に浸かり、日野・尚人(f01298)はふぅ~と大きく息を吐き出した。程よい疲労感が湯に溶けていくようで心地良い。
 何の気なしにゆっくり視線を巡らせれば、快活な茶色の瞳に石造りの風呂場が映る。現代的な自宅の風呂場やスーパー銭湯なんて呼ばれる最新の施設とは真逆の、年代を感じさせる古びた浴室。一言で言うなら中世ファンタジー風、だろうか。
 それもそのはず。ここは『ゴッドゲームオンライン』の宿屋のお風呂。ゲーム世界に文字通りどっぷり浸かって、ファンタジーな世界を楽しんでいるところなのだから。
 そしてゲーム世界であるがゆえに。洗い場でわいわいやっているアイシャ・ソルラフィス(f06524)とシェイミー・ソルラフィス(f00895)の義姉妹が使っているのは、肌に優しいナノバブル機能付きのシャワー。お湯は気兼ねなく使えるし、アメニティ用品も充実していて、中世ゆえの不便さは欠片もなくなっている。
 だから尚人は、ゆっくりゆったり、湯船の中で手足を伸ばして。
「半分ノリで来てみたけど、楽しかったな♪」
 満足そうに呟きながら、今日1日を振り返った。

『初心者歓迎! クリスマス限定クエスト!
 クリスマスカラーのスライムを倒して、限定アイテムをゲットしよう!』

 皆で参加したのは、こんな文言が添えられた期間限定クエスト。バグプロトコルが出るでもない、本当に普通で安全な冒険で。赤に緑に黄色にとカラフルなスライムは見ていて面白かったし、それを倒して手に入れたお宝ドロップ品はクリスマスらしいものも多くて、楽しく賑やかに過ごせた。
「スライム倒すの、楽しかった♪」
 洗い場のシェイミーからもそんな弾んだ声が聞こえてくる。
「でもスライムで全身べちょべちょだよ……」
 反面、少しうんざりしたような声色はアイシャ。シャワーを浴びながらも身体のあちこちを触ったり眺めたり、汚れが気になる様子。
「いつも倒すスライムと少し違ったの」
 それを見たシェイミーも、同じように自身を見下ろして不思議そうに首を傾げた。
 安全なゲームだからこそ、カラフルなスライムに毒などはなかったけれど。それではゲームが面白くないからか、水分量が多い上に倒しても消えたりしなかったから。返り血、ならぬ、返りスライムでの被害は、尚人にもそれなりにあったりする。
 うん、とシェイミーに頷いたアイシャは、それに、と続けて。
「まさかスライムが顔に直撃するなんてね。危うく窒息で死ぬところだったよ……」
 はぁ~とため息。それを聞いた尚人は、つつ、と視線を逸らした。
 ゲットしたイベント装備『ウォーハンマー』を意気揚々と使ってみたものの、慣れない武器に尚人は振り回されてしまって。倒したスライムをうっかりアイシャの方へ弾き飛ばしてしまったのだ。緑色のスライムは、狙ったかのようにアイシャの顔面へ。
(「あーちゃんには後でもう1回謝っとこ」)
 シャワーで顔を念入りに洗っているアイシャをちらりと横目で見ながら、尚人は口元を湯に沈めてぶくぶくした。
「クォタトゥクルもしっかり洗うの。スライムで切れ味が落ちたら大変なの」
 その間にシェイミーは魔剣を手にして。もこもこと石鹼を泡立て始める。
 どんどん増える泡の中で動いていた小さな手は、でもふと止まって。
「これ位じゃ錆びないから、自分の体を洗って、風呂にでも入ってゆっくり休め?」
 誰かに話しかけられた言葉を復唱するかのようにして、シェイミーはきょとんとした。
 しかしすぐに首を横に振ると。
「駄目。クォタトゥクルは私だから。私を洗うならクォタトゥクルも洗うの」
 あわあわの手を魔剣に伸ばし、時折その手が止まってもまた駄目と首を横に振って動き出し、黒い魔剣はどんどん白く覆われていく。
「クエストお疲れ様ー!」
 そこに遅れて飛び込んできたのは、ポーラリア・ベル(f06947)。アイシャとシェイミーの周囲をぐるっと一周してから、小さな冬の妖精は2人の間に降り立った。
「ポーラちゃんもお疲れ様。何か良さそうな戦利品、あった?」
 冷水を入れた手桶を差し出しながらアイシャが問いかける。クリスマスアイテムな戦利品をひたすら回収していた怪力のポーラリアは、それらを詰めた白いサンタ袋をギルドに持ち込んで、電子通貨トリリオンに換金していたのだ。
 皆で楽しく思い出作り!が目的で参加したゲームだから、そこまで執着はないけれど、やっぱりゲットしたならどんなだったのかは気になるわけで。
「お宝がっぽがっぽだったねー! ギルドのお姉さんびっくりしてたよ!
 ポーラ、クリスマスベルちょっと欲しかったけど、何か一番価値高かった。
 しょうがないの」
「そっかぁ。残念だね」
「あ、でもでも。
 その分、沢山溜まった報酬で、今日は豪勢な晩御飯を宿の人に頼んでもらったよ!」
「やった! 流石、ポーラちゃん!」
「こういうの、お財布も暖かいって言うのよね?
 クォタトゥクルが良く言ってるの♪」
「それと、なおなおに白いサンタ髭は持って帰ってきた!
 着けちゃう? 着けちゃう?」
「にーちゃ、サンタになるの?」
 わいわい会話を弾ませながら、何やかんやと洗いっこを始めた3人の女の子達を、尚人は湯船からまたぼんやり眺める。
 戦利品、で思い出すのは、早速装備していた皆の衣装。
 尚人は、トナカイを模したフードつきの茶色いコートだけだったけれども、ポーラリアはクリスマスツリーを思わせる緑色のワンピース。電飾のような黄色い飾りを散りばめ、幹をイメージした茶色いブーツと長手袋をつけた姿は、まるでツリーのぬいぐるみ。髪飾りにヒイラギとベルがついて、ツインテールに星が飾られていたのも可愛らしかった。
 そしてアイシャとシェイミーは、ミニスカサンタ服。元気なアイシャは赤いリボンで髪を纏めて覗かせた首元にチョーカーを巻いて、ストラップショルダーで肩を出し、ワンピースからはすらりと健康的な脚を魅せていて。大人しいシェイミーの方は、ケープで肩を覆い、ロングブーツとタイツで露出を抑えていても綺麗な曲線美が見えていた。そういえば、黒い魔剣も、シェイミーのブーツを飾るのと同じ金糸で縁取られた赤いリボンを巻かれていたっけ。
 3人ともよく似合っていて、そんな恰好を見れただけで、このクエストに参加してよかったと思ったものだけれど。
(「正直、周囲の視線が気になって仕方なかったぜ」)
 周りに見せびらかして自慢したいような、自分だけで独り占めしたいような、複雑だった胸中までも思い出し、思わず尚人は3人の姿をじーっと見てしまった。
 そのうちに、スライム汚れを落とした3人が湯船の方へとやってきて。
「尚くん、おまたせー」
「ふぇあー! 溶けるー!」
 家族風呂だしいいよね、とタオルを巻いたままお湯に浸かる3つの肢体。それぞれに心地よさそうに手足を伸ばし、冬の妖精は文字通り溶けそうな勢いでリラックス。
 いいお湯だねーなんて言っているところで、シェイミーがそれに気が付いた。
「にーちゃ、どうしたの? 何か変だった?」
「どしたのなおなお?」
 振り向いたポーラリアも首を傾げる。
 そこで尚人はようやく、3人を凝視していたことに気が付いて。
「あっ、いや、別に……」
「そうか! 尚くん、スライムをボクの方に飛ばしたのを気にしてるんだ」
 勘違いしたアイシャの言葉に、そういえばそれもあったと思い出した。
「あー、うん。それは、ごめん……」
「大丈夫だよ。怪我してないし。ボクもシェイもポーラちゃんもね」
 洗いっこで確かめた情報を伝えつつ、にっこり笑って見せるアイシャ。
 これで誤魔化せたかな、と思う尚人だけれども、思い出してしまっていた3人のクリスマスな姿は脳裏からなかなか消えてくれなくて。
「にーちゃ、顔が赤いの。大丈夫? のぼせた?」
 きょとんとしたシェイミーに指摘されれば、さらに紅潮するというもの。
「顔が赤いなら冬の力で冷まそっか?
 ……って、お風呂で暖まって今力が弱いから、また後でね」
 ぷかぷかお湯に浮かびながらの冬告精が、ちょっと遠慮したい提案をしてくるけれど。
 それに反論する余裕すら今の尚人にはない。
「……何でもない」
 3人から目を逸らしてそう返すのが精一杯。
 すると、シェイミーが誰かに話しかけられたかのように反応して。
「クォタトゥクルどうしたの?
 ……え? 思春期真っ盛りなだけだから放っておけ?」
「へ?」
 繰り返された言葉に尚人は素っ頓狂な声を上げていた。
 そっかー、と乗ってきたのはポーラリア。
「フェアリーのいやんな姿なんていつも見てるじゃないー? なんてー」
「ち、違う違うから!? 別に変な目で見てた訳じゃないって!?」
 慌てて両手をバタバタ振り、弁明する尚人の姿は、否定というより肯定しているみたいにも見えてしまうのですが。
 幼馴染のアイシャは、本当に違うと理解して、うーん、と考えて。
「あ! もしかして……ボクたちのサンタ衣装を思い出しちゃったとか?」
 冗談交じりな口調で、正解を言い当てた。
 尚人が右手で顔を覆い、言葉もなく俯く。
「え?! まさか本当に?」
「あいあい、せいかーい?」
 驚くアイシャの横で、ポーラリアもびっくりしつつ首を傾げる。
 さらにきょとんとしたまま純真にこちらを見ているシェイミーの視線も感じながら、尚人は何とか顔を上げ。
「その……あーちゃんもシェイもポーラもすっごく可愛かったなって……
 思い出してたっていうか、さ……」
 呟くような言葉に、今度はアイシャが赤面した。
「ふぇあー。ポーラもあの妖精衣装好きー」
「にーちゃに可愛いって言ってもらえて、嬉しいの」
 ポーラリアとシェイミーは、素直に喜んでにこにこ笑い合っている。
 アイシャは、まだ少し視線を逸らしている尚人を見て。義妹と妖精の屈託のない笑顔を見て。一緒にお風呂に入っているのよりも恥ずかしいと思う、その複雑な胸中を何とか押しやろうと、自身の赤い頬を両手でぱちんと挟むように叩いて。
「……あ~、じゃあまたあの衣装を着てパーティに参加する!
 シェイとポーラちゃんも着替えるよ! ほら早く!」
「えー? もう上がるの?」
「待って、ねーちゃ」
 照れ隠しのようにざばっと立ち上がったアイシャは、ポーラリアとシェイミーも巻き込んで、あはは、と嬉しそうに笑う尚人より先にお風呂を出ていく。

 というわけで。
 とある宿の一室で、ミニスカサンタな義姉妹と、クリスマスツリーのマスコットのような冬告精、そしてトナカイなフードを被ってサンタの白髭をつけた少年が、クエスト終わりの風呂上りに豪華な食事を囲んでシャンメリーの入ったグラスを掲げたのでした。
「今日はお疲れ♪ でもって、メリークリスマース♪」
「カンパーイ! メリークリスマス!」
「メリークリスマース! 雪入りのジュースとか注ぐよ、注ぐよー!」
「かんぱーい♪ メリークリスマスなの♪」
 

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2024年03月13日


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