鬼教官の宇宙ブートキャンプ
「そこで俺が帝国兵の奴にこう、銃を向けてだな! バババーっと撃ち倒したわけだ!」
「まだまだだな、俺なんて最前線で暴れまくりだったからな! 5体は倒したね」
「はあ? オレなんて7体はやったっての!」
宇宙船の格納庫では、戦争が終結し気の緩んだ兵士達が多大に誇張した武勇伝を口にする。
「お前等気を緩めるな! これからパトロールだぞ!」
そこへ上官がやってきて怒鳴りつけた。慌てて兵士達は装備を身に着けていく。
「へーい」
「もう帝国は滅んだんだからそんな気ぃ張らなくったいいじゃん」
「おい、聴こえるぞ」
「何をもたもたしている! 急げ!」
上官が不平を漏らしている兵士達を怒鳴りつけると、ようやく二人一組で複座の小型戦闘機に乗り込む。
「宇宙では一瞬の油断が命取りになる! 些細なことでも確認を怠るな!」
「りょーかーい」
気の抜けた返答と共に戦闘機が外に飛び出していった。
「これからは我々の手で治安を守らねばならんというのに……」
送り出した上官は深い溜息をつく。兵士と言ってもまともな訓練を受けた者などいない。圧倒的戦力を誇る帝国を前に息を潜め逃げ回るばかりの生活だったからだ。そこから解放され浮足立つ気持ちが蔓延するのも理解できた。
「だがまだ帝国の残党も居る。このまま戦闘になるような事になれば何人生き残れるか……。誰か指導してくれる戦闘経験豊かな人物はいないものか」
深い深い溜息が格納庫に響いた。
「よく集まってくれた。諸君は戦闘訓練を受けた事があるだろうか?」
バルモア・グレンブレア(人間の戦場傭兵・f02136)が集まった猟兵に尋ねる。
「銀河帝国との戦いは終わったが、スペースシップワールドにはまだまだ帝国の残党が残っている。その敵と戦うのはそこに住まう人々になるのだが、彼らは今まで帝国の目を避け逃れる事で生きて来た。つまり圧倒的に経験不足だという事だ」
戦争で多少の戦いはあったが、それも猟兵の尽力があってのものだ。スペースシップの人々が帝国の残党と戦えば、手痛い反撃を受ける事になるだろう。
「このままでは近いうちに残党と遭遇し、多くの死傷者が出てしまう。そこでスペースシップを守る兵士を諸君に鍛え上げてもらいたい。短期間ではあるが、心得や心身を鍛えるといった各自の得意とする方法で訓練し、戦場での生存率を上げてやってほしい」
兵士といっても名ばかりの新兵ばかりだ。厳しく鍛えねば強くならないだろう。
「訓練が終われば、実戦経験を積ませる為に、近くに発見した銀河帝国の残党部隊への攻撃を手伝わせる作戦を行う。戦闘の主体は諸君に行ってもらうが、少しでも実戦の空気を感じられれば彼らには得難い経験になるだろう」
実戦でしか得られないものが多くある。そのことをこの場に集まっている者はよく知っていた。
「戦場では一瞬の油断が生死を別つ。厳しく鍛えてやる事が兵達の為になる。諸君には鬼と呼ばれる事を期待している」
厳しい口調でバルモアが告げると、新兵の命を預かる事になる猟兵達は真剣な顔で頷き、トレーニングメニューを考え徹底的にしごいてやろうとゲートを潜った。
天木一
こんにちは天木一です。今回は宇宙戦闘機乗りの新兵をビシバシ鍛える訓練となっております。
鍛える相手は複座式の宇宙戦闘機に乗るパイロットです。宇宙戦のイロハを叩き込んでやりましょう。
一日で特訓を施し、二日目に残党との実戦に連れ出し戦場のなんたるかを教えます。スパルタな厳しい訓練を施さなければ犠牲者が出てしまうかもしれません。愛ゆえに鬼の如く厳しく鍛え上げてあげましょう!
一章で兵士の訓練、二章で集団戦、三章でボス戦となります。
第1章 日常
『平和のための軍事訓練』
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POW : 肉体や気合いでどうにかする
SPD : 速さや技量でどうにかする
WIZ : 魔力や賢さでどうにかする
👑5
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レナータ・バルダーヌ
うーん……戦闘はほとんど能力頼りですし、心得といわれてもよくわかりません。
というわけで、経験あるのみです!
先の銀河帝国戦での負傷中に、窓の外を飛び交う戦闘機を眺めていて閃いた技があるので、それを使いましょう。
実は本物相手に通用するか試したいだけなのは内緒です。
パイロットさんには実際に戦闘機に乗ってもらい、わたしは【ブレイズソニックトレイル】で敵の戦闘機役になって模擬戦を行います。
自前の攻撃手段がないので、わたしでも扱える訓練用の銃器などがあればお借りしたいです。
……あら?これだと戦闘機というより鎧装騎兵っぽい気が…。
まあ、どちらも戦う可能性はあるでしょうし、些細な問題ですね!
蛇塚・レモン
勝利で気が大きくなって油断しちゃっているっぽい……?
ちょっと厳しくやっていかないとかな……?
此処からは勉強の時間だよっ!
肉体改造や技量も大切だけど、座学での戦闘知識がないと活用しにくいとあたいは思うよっ!
それに、あたいたち猟兵たちと違って、あなたたちは生身で帝国残党兵のユーベルコードに立ち向かわなくちゃならないんだよっ?
知識は武器、そして武器を最大限活用するには知識が必要っ!
敵に背後から襲われたら?
急上昇して宙返り、敵の背後を逆に突く!
そこ笑わない!(オーラガンの霊弾を掠めさせる)
基礎の基礎が戦場で命を救うんだよっ!
窮地に陥ると前後不覚になりやすいからね、今のあなたみたいに!
(恐怖を与える)
●宇宙ブートキャンプ
猟兵達が教官となって新兵を鍛えてくれる。そう連絡を受けたスペースシップの軍関係者は近くで都合の付く宇宙船を集め、新兵達への軍事教練の用意を整えた。帝国との戦争で勝利を得て慢心した新兵を鍛えようと、それぞれの宇宙船へ猟兵が赴任した。
●座学の時間
「でよ、オレはそん時、味方を助ける為に戦闘機で颯爽と駆けつけたわけ」
「まーた話し盛ってんじゃねえの」
これから訓練だというのに、集まった新兵はぎゃあぎゃあと五月蠅く雑談を交わしていた。
「勝利で気が大きくなって油断しちゃっているっぽい……? ちょっと厳しくやっていかないとかな……?」
兵士達の浮かれた様子を見て、蛇塚・レモン(叛逆する蛇神の器の娘・f05152)はどういう態度で接するかを決めて大きく息を吸った。
「此処からは勉強の時間だよっ! 肉体改造や技量も大切だけど、座学での戦闘知識がないと活用しにくいとあたいは思うよっ!」
格納庫全部に届くくらい大きな声でこれから勉強をしてもらうと告げる。
「それに、あたいたち猟兵たちと違って、あなたたちは生身で帝国残党兵のユーベルコードに立ち向かわなくちゃならないんだよっ? 知識は武器、そして武器を最大限活用するには知識が必要っ!」
反論される前に捲し立てるように言いたいことを言って勉強の必要性を説いて講義を始める。
「敵に背後から襲われたら? 急上昇して宙返り、敵の背後を逆に突く! そこ笑わない!」
それくらい誰でも知っていると笑う兵士に向かってレモンが指鉄砲を向けると、ブレスレットで増幅された霊力が弾となって放たれ、顔を掠めて壁を穿った。
「は、はい! すみませんでした!」
その痕を見てビビった兵士は直立不動で話を聞く。
「基礎の基礎が戦場で命を救うんだよっ! 窮地に陥ると前後不覚になりやすいからね、今のあなたみたいに!」
指鉄砲を今度は顔に向ける。するとひぃっと怖れて兵士は目を逸らし頭を抱えた。
「そんな風になったら戦うどころじゃないんだよっ! どんな時にも冷静になれるように、きっちり基礎知識を蓄えておかないといけない。解った?」
「はひ! わかりましたぁ!」
指鉄砲が逸らされると兵士は大きな声で返事をした。
「他のみんなも理解できたかな?」
「はい! 理解しました!」
レモンが指鉄砲を作ったまま視線を他の兵士に向けると、二つ返事で兵士達の元気な声が響いた。
「基礎ができるから応用もできる。戦場で生き残ってるベテランは基礎からきっちり身に着けてるんだよ! みんなも生き残りたかったらしっかり覚える! いいねっ!」
「「イエスマム!」」
「じゃあ続きを、基本は単機で戦わない事、2機以上で当たる。そうする事で背後を取られてもフォローしてもらえたり、攻撃の幅も広がって――」
兵士達の声が揃いレモンは満足そうに講義を続けた。
●実践の時間
「うーん……戦闘はほとんど能力頼りですし、心得といわれてもよくわかりません」
講義を見ていたレナータ・バルダーヌ(復讐の輪廻・f13031)は何を教えれば良いだろうかと首を傾げる。
「というわけで、経験あるのみです!」
考えても分からないなら実践あるのみとすぐに思考を切り替えた。
「ちょうど先の銀河帝国戦での負傷中に、窓の外を飛び交う戦闘機を眺めていて閃いた技があるので、それを使いましょう」
技を試す練習台にちょうど良いと内心思いながら兵士達の元に向かう。
「皆さん戦闘機に乗ってください。これから模擬戦を行います」
「はい!」
「了解しましたー!」
そうレナータが声をかけると、多少素直になった兵士達が戦闘機に乗り込んだ。
「わたしが敵の戦闘機役になりますので、皆さんは習ったことを実践して、わたしを撃墜するつもりで攻撃してください」
そう言ってレナータは訓練用のビームライフルを持ち、オーラを纏い炎の翼がロケット推進形態となって噴射し、宇宙に飛び出した。
「……あら? これだと戦闘機というより鎧装騎兵っぽい気が……。まあ、どちらも戦う可能性はあるでしょうし、些細な問題ですね!」
自分の恰好を見下ろして、レナータは戦闘機というには無理があるかと思ったが、すぐにまあいいやと流して戦いに集中する。するとその後ろを追うように戦闘機が飛び出してきた。
「来ましたね。模擬戦開始です」
レナータが開始の合図とビームを放ち、戦闘機の編隊の隙間を通す。
「散開! 攪乱して背後を突け!」
「牽制は任せろ!」
戦闘機はそれぞれ役割を持ってレナータに接近する。正面から撃ちまくって注意を引く役や、周囲を飛び回ってフォローする役。そして背後から撃墜しようと迫る役。
「きちんと教わった事を実践してるみたいですね。でも実践ではそう簡単に当たらないものなんですよ」
人型サイズの小さな的が動き回り、中々思うように当てられず戦闘機が追い越してしまう。そこへレナータが銃口を向けてビームを当てた。
「撃墜された!」
撃墜判定が出ると戦闘機の機能が停止する。
「近づくな! できるだけ離れて攻撃しろ!」
戦闘機は距離を保ち射程距離ギリギリで戦おうとする。
「近づいてこないならこっちから近づきますね!」
レナータは炎の翼を後方へ大きく噴射し、さらなる推進力を得て加速する。
「近づいてきたぞ!」
「避けろ!」
慌ただしく戦闘機が動こうとするが、レナータの方が速く間合を詰めすれ違いざまに引き金を引いた。放たれる光線が戦闘機に当たり撃墜判定が出る。
「敵は逃げるだけでなく攻めてくるものです。対処しないと全滅してしまいますよ」
小回りの利くレナータは戦闘機を翻弄し、次々と撃破して全滅させた。
「じゃあ第1戦は終わりですね。このまま第2戦に移りましょう」
全く疲れを見せぬレナータに、ひぃっと兵士達の悲鳴が上がった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
シル・ウィンディア
訓練かー
隊長さん困ってたみたいだし、ここは一肌脱ぎますかっ!
【Wiz】
さて、ここに集まってもらったのは…
これから、あなた達と訓練するためだよ?
実戦経験あるみたいだけど…
油断してたら足元すくわれるからね?
あなた達は、実戦経験少しあるみたいだけど
それだけじゃ、ダメ
中には、想像もつかないような攻撃方法をしてくるものもいるからね
…そう、こんな感じで
そこで、長く詠唱してから
エレメンタル・ファランクスを宙空に向かって撃ちます
もちろん、被害のないように場所を選んでだけどね
さて、わたしのこの攻撃、あなたなら、どうやって切り抜ける?
一人じゃなくても、どんな手段でもいいよ
といって、考えさせるね
驚かれたらどーしよー
須藤・莉亜
「訓練ねぇ…。んじゃ、生体兵器役出しまーす。」
ということで、腐蝕竜さんお願いします。あ、食べないように気をつけてね。
眷属の腐蝕竜さんを召喚、彼に新兵たちの相手をしてもらおう。
腐蝕竜さんには、最初に【蝕む吐息】で攻撃してもらい、後は好き勝手に暴れてもらう。
「必死に戦わないと戦闘機ごと食べられちゃうかもよー。」
僕は逃げ腰になってる新兵に向けて複製した大鎌を放って攻撃、腐蝕竜さんの方へ追いやってみよう。
「いっぺん死にかけた方が強くなれる…、はず。たぶん、きっと。」
椙野・霧亜
「戦場で一秒でも長く生きたいか? ならば敵よりも早く先手を取れるように心がけよ。だからと言って闇雲に突っ込むな、まずは攻撃を避けつつ敵の動きをよく観察し、機を待つのだ」
・サイバーアイで宇宙戦闘機の機動性とパイロットの反応速度を計測。宇宙バイクに騎乗し、アサルトウェポン(アサルトライフル型)でフルオート射撃し、回避技術を鍛えさせる。セミオートでの偏差射撃も織り交ぜる。
「してこないと思いたいが、突撃を避けられるようにもしておけよ?」
・ゴッドスピードライドを発動させ、旋回時を狙ってフルオート射撃をしつつ、コクピット狙いで突撃する。
●考える力
「訓練かー。隊長さん困ってたみたいだし、ここは一肌脱ぎますかっ!」
ビシッと決めようとシル・ウィンディア(光刃の精霊術士・f03964)は背筋を伸ばし、集まった新兵の前へと歩み出る。
「さて、ここに集まってもらったのは……これから、あなた達と訓練するためだよ?」
じーっとシルは新兵達と視線を合わせる。ある者は目を逸らし、ある者は目を合わせようともせず、ある者はまだ小さな女の子の姿に侮る。
「あなた達は、実戦経験が少しあるみたいだけど、それだけじゃ、ダメ」
「いやいや、お嬢ちゃん。オレたちゃこの間の帝国との戦争に参加してたんだぜ、ダメってことはないだろ」
シルの言葉に生意気そうな兵士が言い返す。
「実戦経験あるみたいだけど……油断してたら足元すくわれるからね?」
その兵士にシルが強めの視線を向けると、ビクッと凄みを感じて口を閉じた。
「話を戻すけど、中には、想像もつかないような攻撃方法をしてくるものもいるからね……そう、こんな感じで」
シルはゆっくりと詠唱を始め、しっかりと兵達に見せつけるように魔力を高める。
「闇夜を照らす炎よ、命育む水よ、悠久を舞う風よ、母なる大地よ……。我が手に集いて、全てを撃ち抜きし光となれっ!」
手を宙空に向けると、そこへ火・水・風・土の4つの属性の魔力砲撃が色鮮やかに放たれた。
「うぉおおお!?」
「こ、これって戦艦の砲撃並じゃないか……?」
その光景に目を丸くして兵士達は驚き、口をぽかんと開けた。
「さて、わたしのこの攻撃、あなたなら、どうやって切り抜ける?」
「ど、どうやってって……」
「………無理じゃね?」
言葉に詰まる兵士の後ろで、別の兵がぼそっと呟いた。
「一人じゃなくても、どんな手段でもいいよ。相談してもいいから考えてみて」
シルが兵達に自由に考えさせえようと、相談する時間を与える。
「こっちから先制攻撃するのはどうだ?」
「いやいや、逃げるのがいいだろ。あんなん無理だって」
「散開して的を絞らせなけりゃいいんじゃね? そうすりゃ生存率上がるだろ」
色々な意見が出され、兵士達は次第に真剣に討論し始めていた。
「今の質問に答えはないよ。その時の状況によっても変わるからね。でもそうやって普段から考えておけば、いざという時に迷わずに動けるんだよ。素早く判断して動く。それが戦場で生き残るのに大切なことだから忘れないで」
力を示したシルの言葉に兵士達は素直に頷き、教訓として胸に刻む。
●演習訓練
「訓練ねぇ……。んじゃ、生体兵器役出しまーす」
次は自分の番だと、無表情のまま須藤・莉亜(メランコリッパー・f00277)が友達でも呼ぶ気軽さで腐蝕竜を呼び出す。
「は? ドラゴン?」
「これって立体映像とかそういう……」
「おい、なんか腐ったような臭いがしないか!?」
ドラゴンなんてものがこんな場所に居る訳がないと兵士達は現実逃避をしようとするが、腐蝕竜がぬうっと顔を近づけると、目だけでなく鼻や皮膚に感じる存在感が幻だと否定させてくれなかった。
「えーそれじゃあさっき教えてもらってたみたいな感じで戦ってください。ということで、腐蝕竜さんお願いします。あ、食べないように気をつけてね」
莉亜がお願いすると、任せておけとばかりに腐蝕竜が喉を鳴らす。それはまるで地の底で響く大地の轟きのように地面を揺らした。
「必死に戦わないと戦闘機ごと食べられちゃうかもよー」
ビビる兵士達をのんびりした口調で莉亜が煽る。
「ほ、本物だ!」
「逃げろ! 早く発進準備をするんだ!」
「ハッチ! すぐに開けろー!」
兵士達が戦闘機に飛び乗り、緊急発進を行う。開いたハッチから次々と戦闘機が飛び出し、それを追いかけるように腐蝕竜も宇宙へと飛び出した。
「みんな元気だねー」
そんな様子を暢気に眺めながら莉亜も宇宙へ出て見物を始める。
「うわーブレスが!?」
「回り込め! 正面はダメだ!」
「畜生! ドラゴンと戦う事なんて想定してないぞ!」
戦闘機が飛び回り、それに対して腐蝕竜がブレスを吐いて追い払う。戦闘機は必死に腐蝕竜に対抗しようとするが、小回りで負ける戦闘機はなかなか後ろを取れずにいた。
「がんばってるねー。腐蝕竜さんも広い場所で暴れられて機嫌がいいみたいだよ。よかったねー」
「全然よくねー!」
「ふざけんなコラー!」
宇宙服のマイクから莉亜ののんびりと観戦する実況が聴こえ、必死に逃げ惑い戦う兵士達から叫びとも怒りとも取れる声が漏れ聞こえる。
「こんなんやってられっか!」
一機の戦闘機が腐蝕竜から離れ母船に機首を向け戦線離脱しようとする。「逃げたらダメだよ。訓練にならないからね」
そこへ莉亜が複製した大鎌を投げ、機体に掠めさせた。
「うわぁあ!?」
「ほら、敵前逃亡は斬殺だよー」
次々と大鎌を投げ、戦闘機を腐蝕竜の方へと追いやる。
「鬼か!?」
「こいつを倒すまで俺達は戻れないってことか……」
「くそっやってやる、やってやるぁ!」
その様子を見ていた兵士達は、破れかぶれで腐蝕竜への攻撃を敢行していく。
「いっぺん死にかけた方が強くなれる……、はず。たぶん、きっと」
その様子を成長への一歩だと思う事にして、莉亜はマイペースに声援を送った。
●回避訓練
「苦戦しているようだな。これから俺が指示を出す。ドラゴンにやられなくないなら聞き逃すな」
「了解!」
宇宙に出た椙野・霧亜(黒鋼の傭兵・f05486)がマイク越しに戦闘機を駆る兵士達に声をかけると、藁にもすがりたい気持ちで兵士達がすぐに返事をする。
「戦場で一秒でも長く生きたいか? ならば敵よりも早く先手を取れるように心がけよ。だからと言って闇雲に突っ込むな、まずは攻撃を避けつつ敵の動きをよく観察し、機を待つのだ」
霧亜の指示に従い戦闘機が回避運動を取り、何とか兵士達は腐蝕竜の攻撃から逃れる。
「よし、その調子でまずは回避に専念しろ」
「了解であります!」
その機動をサイバーアイで分析し、それぞれの特性を霧亜は計測する。
「敵が1体なら回避も簡単だ。だが戦場で敵が1体しか居ないなどという思い込みは死に繋がるぞ」
霧亜は宇宙バイクに跨り発進させる。そしてアサルトライフルを構え戦闘機の飛ぶ方向へ向けてフルオートで掃射した。
「うわああっ!?」
「攻撃を受けている! 回避運動!」
無警戒な方向から突然の射撃に、慌てて戦闘機が回避しようと方向転換する。
「宇宙では常に全方向に警戒を向けておけ、後部乗員はしっかりとフォローしろ、何のための複座だ」
「は、はい!」
霧亜から注意を受け後部兵士がキョロキョロと視線を向け、周囲の視認確認を行う。
「攻撃も単調なだけじゃない。相手も撃ち落とす為にさまざまに手を変え攻撃してくると思え」
霧亜はフルオートからセミオートに変え、偏差射撃を織り交ぜてタイミングをずらす。それを避けようと戦闘機が左に曲がる。するとそちらには腐蝕竜が待ち構えていた。
「ダメだ! ドラゴンが居る!」
「下に回避しろ!」
慌てて機首を傾けて飛行機はギリギリのところを飛んで行き、旋回して背後を取ろうとする。
「してこないと思いたいが、突撃を避けられるようにもしておけよ?」
そう言いながら霧亜は宇宙バイクを変形させ、スピードを加速させるとフルオートで弾をばら撒きながら一気に距離を詰め、旋回を終えてこちらに向いた戦闘機の目前に迫る。
「突っ込んで来るぞ!」
「回避を! 間に合わない!?」
ぶつかると兵士が目を閉じるが何も起きない。目を開けると目の前からバイクが消えていた。
「どれだけ危険に陥ろうと目を閉じるな。最後まで自分で状況をコントロールする事を諦めるなよ」
通り過ぎた霧亜がバイクをターンさせて並走しながら指導する。
「わ、わかりました!」
「よし、では回避訓練を続けておけ」
兵士が返事をすると、霧亜は次の戦闘機にも同じように教える為、加速してあっという間に視界から消え去った。
大成功
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セゲル・スヴェアボルグ
見た限りだと、技術取得以前の問題か?
まぁ、気の緩んだひよっこ兵士ならそんなもんだろう。
さて、俺は宇宙船の操縦に関しちゃ門外漢だ。
なので、新兵の体そのものを鍛えるぐらいしか出来んな。
宇宙戦闘機の操縦に関係ないとかいう輩もいるだろうが、問題はそこじゃない。今の自分たちに何が足りていないのか考えるんだな。はっはっは!
というわけで、剛勇ナル手勢にて我が軍が相手をしよう。
加減はする。だが、手は抜かせない。
この軍勢を止めたければ、俺に一撃加える以外に方法はない。
二人一組で我が兵を突破し、その経験値を己が糧とするがいい。
トルメンタ・アンゲルス
んー……俺は、教えるのはあまり得意じゃないんですがねぇ。
まぁ、やれと言われたら、やりますが……。
【SPD】
なら、飛行訓練と行きましょう。
俺が先行して飛びますので、見失わないようについてきてください。
戦場で敵を見失ったら、良くて逃走を許し、最悪殺されますからね?
……ああ、当てられると思ったら、撃ってもいいですよ。
C’mon!NoChaser!
変身!
『MaximumEngine――Mode:HotHatch』
相棒を防御力重視の装甲として、変身合体!
彼らが何とか捕捉出来る速さと出鱈目な軌道で飛びます。
狙いを定めて俺を撃とうとした瞬間、残像を残すほどの超速度でダッシュ!
戦闘機の上に乗ってあげましょう。
●体で覚えるもの
「見た限りだと、技術取得以前の問題か?」
兵士を取り巻く弛んだ空気に、セゲル・スヴェアボルグ(豪放磊落・f00533)は根本的な部分が鍛えられていないと顔をしかめ兵士達の前に立った。
「まぁ、気の緩んだひよっこ兵士ならこんなもんだろう。さて、俺は宇宙船の操縦に関しちゃ門外漢だ。なので、新兵の体そのものを鍛えるぐらいしか出来んな」
「体って、俺達は戦闘機乗りだぜ? そんなことして意味あるのかよっ」
「そーだそーだ! そんな暇があったら飛ばしてた方が強くなれるだろ」
セゲルの言葉に兵士達が文句を返す。
「宇宙戦闘機の操縦に関係ないとかいう輩もいるようだが、問題はそこじゃない。今の自分たちに何が足りていないのか考えるんだな。はっはっは!」
鷹揚に笑いながらセゲルは指揮官と52人からなる小隊を召喚した。
「というわけで、我が軍が相手をしよう。加減はする。だが、手を抜くこともない」
突然現れた軍勢に兵士達は驚き身構える。
「この軍勢を止めたければ、俺に一撃加える以外に方法はない。二人一組で我が兵を突破し、その経験値を己が糧とするがいい」
セゲルの説明が終わると、軍勢が動き出す。怯んだ兵士達は後ろに下がり、壁際に追い込まれた。
「一発殴ってやりゃいいんだろ……やってやる!」
「お、おーし、じゃあ行くぜ!」
2人が飛び出し近くの敵にタックルを決めて突っ込む。強引に突破しようとするが、調子が良かったのは最初だけであっという間に数の暴力に負けて押さえ込まれた。
「真っ直ぐはダメだ、回り込もう」
「それでいこう!」
正面は無理だと見て大きく迂回して近づこうとする。だが軍勢はセゲルを囲むようにして守りを固めた。
「俺が囮になる」
「任せたぞ!」
別れ一人が走って回り込みながら突っ込み、掴まれ引き倒される。
「今がチャンス!」
そこへ迂回していたもう一人も突っ込み、軍勢の輪を突破し後少しでセゲルに届くというところで横からタックルを食らい倒れ込んだ。
「惜しかったな。普段から体を鍛えていれば届いたかもしれんぞ」
その様子を楽しそうにセゲルは観戦する。
「くそおお!」
「あ、先走るな!」
次の組が破れかぶれに突進し、あっさりと組み伏せられた。
「絶対に一発食らわしてやる!」
「ああ、気合いれていくぞ!」
「はっはっは、いいぞその気迫だけは買ってやろう」
一巡して最初の組が雪辱に燃え、片方が突っ込み、止められたところへ踏み台にして上を越えるというアクロバティックな方法でセゲルに迫るが、割り込まれ取り押さえられた。
「何が足りていないか少しは解ってきたようだな」
少しずつ動きのよくなってきた兵士達をセゲルが見渡す。弛んでいた空気は吹き飛ばされ、今は皆が真剣な顔で張りつめるような緊張感が漂っている。それを満足そうにセゲルは頷いた。
「そんなものか? だらしがないと他の訓練を受けてる連中に笑われるぞ。はっはっは!」
さらに発破を掛けるようにセゲルが挑発し、兵士達は絶対にやってやると駆け出した。
●吐くまで飛べ
「んー……俺は、教えるのはあまり得意じゃないんですがねぇ。まぁ、やれと言われたら、やりますが……」
何をどう教えたものかとトルメンタ・アンゲルス(流星ライダー・f02253)は慣れぬ教官役に悩む。
「そうですねぇ、なら、飛行訓練と行きましょう」
これなら兵士達も自分も得意な方法だと思いつく。
「これから訓練を行います。俺が先行して飛びますので、見失わないようについてきてください」
トルメンタが訓練内容を告げると、安堵の息が兵士達から出た。
「そのくらいなら楽勝だよな」
「そうそう、俺たち戦闘機乗りにとっちゃ散歩みたいなもんだからな」
その舐め切った態度にトルメンタはサングラスの下で目を細めた。
「戦場で敵を見失ったら、良くて逃走を許し、最悪殺されますからね? ……ああ、当てられると思ったら、撃ってもいいですよ」
「そんなこと言われたら本当に撃っちまうやつが出ちまいますよ?」
少しばかり緩んだ空気に喝を入れようと、トルメンタが挑発するとすぐに兵士達が乗ってきた。
「もちろん構いません。当てられたならの話ですが……C’mon! NoChaser! 変身! 『MaximumEngine――Mode:HotHatch』
変身ベルトを起動させ、トルメンタが相棒の宇宙バイクに呼びかけると、自動で姿を現したバイクが変形して全身に装着されていく。そしてパワードスーツの姿になると宇宙に飛び出した。
「さあ、訓練開始です」
来いとトルメンタが手招きする。
「そんなもんで俺らから逃げ切れるつもりかよ!」
「ぶっちぎってやる!」
わざわざバイクを人型にして舐められたと思った兵士達は戦闘機に乗り後に続く。
「逃げ切ってしまうと訓練になりませんからね」
トルメンタは兵達が捕捉出来る程度まで速度を調整し、出鱈目な軌道で振り切るように飛び回る。
「クソッなんて動きしやがる!」
「見えない! どこだ?」
「あそこだ、追いつけないなら撃ってやれ!」
戦闘機が模擬弾を発射しようと背後を取った。
「撃とうとしているのが見え見えですよ」
その瞬間、トルメンタが残像を残すほどの超速度でダッシュし、発射しようとしていた戦闘機の上に飛び乗った。
「うおぉっ!?」
「何が起きた!?」
驚いた戦闘機はコントロールを失いぐるぐる回転しながら飛んで行く。トルメンタは飛び降りてまた速度を落として宇宙を飛行する。
「攻撃する瞬間というのは、相手からも攻撃される可能性が高いと覚えておきなさい」
そう忠告してトルメンタは捕まえてみろとまた出鱈目に跳び回る。それを見ていた兵士達は攻撃を諦め、追いかけっこに集中をし始めた――。
「はあはあ……もうダメだ……」
「止めてくれ、ゲロ吐きそうだ」
それから長時間のアクロバットとも思える飛行に付いていこうとして兵士達はノックアウトされていた。
「もうギブアップですか? まぁ、これで少しは鍛えられましたかね」
いい運動をしたとトルメンタは息も乱さずに周囲に浮かぶ戦闘機に降り立った。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
伊藤・毅
「D01よりナゲッツ(新兵たち)、編隊飛行訓練を行う、相対速度合わせ、こちらに追従、編隊を崩すな」
自分はJSFにのって飛行訓練を行う、基本となる編隊飛行から始まって、戦闘機動訓練、射撃訓練、2チームでの模擬戦で終了
「間隔が広い、もっとぶつけるつもりでいい」
「勘に頼るな、HUDからマニューバを読み取れ」
「間合いが遠い、もっと近づいて目標のベクトルを読んで射撃しろ」
「まっすぐ移動し続けるな、10秒以上の直線機動はいい的だぞ」
「真剣にやれナゲッツ、いや、ひよこにもなってない卵野郎ども」
「この辺がナゲッツの限界か」
エドゥアルト・ルーデル
新兵教育でござるかぁ?楽しいよねデュフフフ…ビシバシ行くでござるよ❤
宇宙戦闘機に搭乗、新兵達に至って優しく懇切丁寧に、【戦闘知識】として【空中戦】のノウハウを解説し、
戦闘機を【操縦】して空戦機動の仕方を見せてあげますぞ!
教育終了と同時にやる気がねぇ舐めた態度のクソ新兵の機には【恐怖を与える】ようにコクピットスレスレにレーザーをぶち込んでやる
ああ…こっからは俺と貴様ら全員纏めて模擬戦だ、教えた空戦機動ができるようになるまで執拗に、殺意と罵声を込めて一機ずつ模擬弾で狙ってやる
もちろん全員ができるようになるまでやらせるからな、覚悟しておけよ
アドリブ絡み歓迎
フィーア・ストリッツ
「おはようございます、クソザコナメクジの皆様
アナタ方の教練を担当しますフィーアです
私の名前は覚えなくてもいいですが、教えた内容は死んでも覚えて帰って頂きます」
(予想通り気が抜けまくっています。言うことを聞かないようなら腕力で力関係を叩き込むのも考慮すべきですね)
「さて、まずはナメクジ諸氏の実力を見させて頂きます。具体的には私の宇宙バイクと皆様の戦闘機で鬼ごっこです。訓練システムで撃墜判定を出せたら訓練完了ということで帰って良いですよ」
…捕まる気など毛頭ありませんが
全員翻弄して撃墜判定食らわせたら
基地に戻り訓練地獄です
やることは唯一つ
「見て、避けて、撃つ」
基礎中の基礎を反復練習で思い出せます
●特訓! 特訓! 特訓!
「新兵教育でござるかぁ? 楽しいよねデュフフフ……ビシバシ行くでござるよ❤」
どうやってしごいてやろうかとエドゥアルト・ルーデル(黒ヒゲ・f10354)は楽しそうに笑い、戦闘機に乗って新兵に合流する。
「ではこれより拙者が空中戦のノウハウを解説いたしますぞ。拙者について飛ぶとよいでござるよ」
新兵を先導するエドゥアルトが優しく懇切丁寧に教え始める。
「おお、こっちの教官は優しそうな人だ」
「ああ、向こうは地獄みたいだからな。俺達はラッキーだぜ」
手取り足取り教える方法に、先に訓練を行っている連中を見て青ざめていた新兵達の顔に色が戻る。
「空中戦は最高速度と旋回力の2つが大事でござる! この基本をしっかり体に叩き込み、敵の背後を取る為の戦術を考えるのがドッグファイトのコツですぞ!」
実際にエドゥアルトは新兵の背後を取って見せ、手本を示して教える。
「なるほど、敵の後ろを取るのには機動力が重要ってことだな」
「まあそりゃそうだよな。そのくらい俺でも知ってるぜ」
「はぁ、あんだよ、退屈な教育だな。こんなん聞かなくてもわかってるっつーの」
真面目に聞く者から、態度悪く聞き流す者まで、いろいろな新兵が混じっているが、終始和やかなペースで説明を終え、基本的な教育が終わる。
「これで教育終了でござる………」
にこやかだったエドゥアルトの笑みが不吉な嗤いに変わっていく。
「ああ……こっからは俺と貴様ら全員纏めて模擬戦だ、教えた空戦機動ができるようになるまで執拗に、殺意と罵声を込めて一機ずつ模擬弾で狙ってやる。もちろん全員ができるようになるまでやらせるからな、覚悟しておけよ」
「は? 何言ってんだおっさん。俺らは10機いるんだぜ? ちょっと腕に自信があるからって――」
生意気そうに新兵が最後まで口を動かす前に、コックピットスレスレにレーザーが飛んでいって黙らせた。
「誰が無駄口を叩けと言った? 貴様らに許されるのはクソみたいに死に物狂いで戦う事だけだ! 口を動かす暇があったら手を動かせ! クソのように死にたくなければ全神経を集中させろ!」
エドゥアルトの殺意を籠めた罵倒が新兵達を震え上がらせ、急ぎ戦闘機が散開する。
「さっき教えただろうがクソ新兵が! 旋回力を把握しろと!」
旋回中の戦闘機にエドゥアルトは模擬弾を放ち、撃墜判定を出した。
「くそったれ! 絶対落としてやる!」
エドゥアルトの背後に回り込み新兵が模擬弾を撃つ。それをエドゥアルトは機体を上昇させて回避した。そしてそのまま宙返りして新兵の背後を奪う。
「攻撃してきたクソガッツは認めてやるが、攻め方がクソだな! 攻撃はこうやるんだクソ新兵!」
引き付けて模擬弾を放ち、避けようと機体を振る尻に直撃した。
「うわああああっ」
「次に尻を掘られたいクソ野郎は誰だ!」
エドゥアルトは逃げようとする新兵を徹底的にしごいていった。
●鬼ごっこ
「おはようございます、クソザコナメクジの皆様。アナタ方の教練を担当しますフィーアです」
フィーア・ストリッツ(サキエルの眼差し・f05578)が挨拶しても、兵士達は黙らず雑談をしたままだった。
「私の名前は覚えなくてもいいですが、教えた内容は死んでも覚えて帰って頂きます」
厳しい口調でフィーアは鋭い視線を向ける。するとうっと怯みながらも一部の兵士は強がってお喋りを止めない。
「少し静かにしてもらいましょうか」
無表情のままフィーアが一番五月蠅い兵士の首根っこを掴んで引き倒し押さえつける。
「うげっは、はなせ、ぎえぇ……」
「話を聞く準備は整いましたか?」
その突然の凶行にピタッと騒音が止まった。
「さて、まずはナメクジ諸氏の実力を見させて頂きます。具体的には私の宇宙バイクと皆様の戦闘機で鬼ごっこです。訓練システムで撃墜判定を出せたら訓練完了ということで帰って良いですよ」
何事もなかったようにフィーアは訓練の説明を続ける。その目はどうせ捕まえる事などできないだろうがと、兵士達に冷たい視線を向けていた。
「では鬼ごっこを始めましょう」
フィーアはホバーバイクに跨り浮遊すると、ハッチにまで移動し、解放されるとロケット噴射で外に飛び出した。
「ちくしょう! 絶対やり返してやる! 早く後ろに乗れ!」
先ほど痛めつけられた兵士が戦闘機に乗り、相方を後部に乗せて発進する。それに続いて他の兵士達も戦闘機を駆り宇宙に飛び出す。
「食らえ!」
兵士の戦闘機から模擬弾が発射されると、それを予測していたようにフィーアのバイクが避ける。他の戦闘機も攻撃を放つが、全て簡単に避けられていく。
「単調ですね。そしてクソザコナメクジらしくノロマです」
フィーアはある程度引き付けると、車体を傾けカーブを曲がるように旋回して戦闘機の背後に回り込んだ。
「まずは一機」
そして後ろから模擬弾を発砲し撃墜判定を食らわせた。
「やられた!?」
出力がカットされた戦闘機はそのまま飛び去り、それを見送りすぐにフィーアは次の目標に向けて接近し撃墜していく。そうして短い時間に模擬線は終わり、全機宇宙船に帰投した。
「自分の実力が解りましたか、クソザコナメクジの皆様」
フィーアの罵倒を受けても、圧倒的戦闘力を見せつけられた兵士達は消沈して聴き入るだけだった。
「これから基礎訓練を始めます。見て、避けて、撃つ。この当たり前の行動が身につくまで反復練習の繰り返しです。出来るようになったら休憩しても良いですよ」
先ほども同じような事を言われたと思い出し兵士達は顔を白くする。
「では始めましょう」
疲れ果て立つことも出来なくなるまで続く特訓が開始された。
●飛行訓練
「D01よりナゲッツ(新兵たち)、編隊飛行訓練を行う、相対速度合わせ、こちらに追従、編隊を崩すな」
自ら戦闘爆撃機『JSFライトニング』を駆る伊藤・毅(Nemo・f06702)が先頭に立ち、後方の新兵どもに指示を飛ばす。
「「了解」」
その後ろに続いて戦闘機が編隊を組んで宇宙を駆ける。右に左にと毅が方向を変えるが、何とか遅れずに新兵達もその後尾に続く。
「間隔が広い、もっとぶつけるつもりでいい」
毅は崩れそうになる編隊を整える為にもっと近づくように指示を出す。新兵は安全マージンを取り過ぎる事を良く知っていた。少しずつ編隊が纏まり始めるのを確認して次の訓練に移る。
「よし、編隊飛行は出来るようだな。なら次のステップだ。ここから戦闘機動に移る。遅れるな」
毅は戦闘機の速度を上げ、新兵の戦闘機を置いていくように加速した。それを慌てて新兵達も追い、何とか見失わないように食らいつく。
「この程度で振り落とされた奴はいないな? 続けて隕石に向けて射撃訓練を行う。戦闘機動を維持しつつ一撃離脱しろ」
まずは手本とばかりに加速させたまま射撃し、すぐに機首を上げて隕石から離れる。それと同時に着弾し隕石が破壊される。
「よーし、オレもやってやるぜ!」
「おう! 教官に続け!」
意気込み新兵達が次々と射撃し隕石を破壊していく。
「ここまでは基礎訓練だナゲッツ。2チームに別れろ、模擬戦を始める」
「この時を待ってたぜ、俺の腕を見せてやる!」
「はっ、口だけやろうが、こっちが撃墜してやるぜ!」
闘争心を燃やし2チームに別れた戦闘機が模擬弾を撃ち合う。するとすぐに編隊が崩れ乱戦模様になってしまう。
「勘に頼るな、HUDからマニューバを読み取れ」
そんな乱戦の中、毅は的確にアドバイスを送って動きを矯正していく。
「間合いが遠い、もっと近づいて目標のベクトルを読んで射撃しろ」
毅も戦いに加わり第三勢力として戦っている戦闘機の背後を取る。そして決して外さない位置にまで近づいてトリガーを引き撃破判定を出す。
「まっすぐ移動し続けるな、10秒以上の直線機動はいい的だぞ」
すぐに次の機体の背後を取ると、機体を振って煽る。
「くそっ!」
新兵は逃れよと機体を振り回すが、毅の機体はピタリと貼り付いたように離れない。
「真剣にやれナゲッツ、いや、ひよこにもなってない卵野郎ども」
そして毅は罵倒しながら一人で次々と撃破判定を出し、新兵の乗る戦闘機は全機出力を停止して宇宙に浮かんでいた。
「この辺がナゲッツの限界か……どんな乱戦になろうとも僚機と協力することを忘れるな。ナゲッツが単機で飛べばいい的だぞ」
「「了解!」」
今の一戦で身に染みてその事が解ったのか、新兵達の声が揃っていた。
「ではもう一戦だ。今度は手は出さん、反省点を踏まえて模擬戦を始めろ」
「「了解!!」」
先程よりもチームとしてフォローし合い、少しは見れる戦いを始めた。
●ひと時の休息
「本日の訓練はここまで。明日は帝国軍残党を相手に実戦を行う。よく休み英気を養っておくように」
そう通告されると、何とか立っていた新兵達は崩れ落ちるように倒れた。
「こ、こんな疲れ切ってるのに明日には戦闘とかマジか……」
「頭おかしいんじゃねえのか?」
「死ぬ……絶対死ぬ……」
死に体の新兵達から呪詛のような呻き声が聴こえる。
「絶対生き残ってやる……」
「ああ、こんな目に遭ったんだ。いつかやり返すまで死ねねぇ!」
「飯だ、飯食って寝るぞ!」
「……おう!」
今日の訓練で一皮剥けた連中が身体を引き摺るように歩いていくと、それに他の仲間達も続く。その姿には特訓の成果が確かに現れていた。
大成功
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第2章 集団戦
『デルタ・ファイター』
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POW : 増援要請
自身が戦闘で瀕死になると【増援飛行隊 】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。
SPD : 帝国軍の栄光のために!
【制御不能の高速航行モード 】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
WIZ : 対宙銃撃
レベル×5本の【貫通 】属性の【機銃弾】を放つ。
👑7
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●銀河帝国軍残党
一夜明けると、3隻の宇宙船がワープを行い隕石の多い宙域の近くへ飛んだ。この先に帝国の残党が隠れているという情報だった。すぐに広範囲レーダーに何十という帝国戦闘機『デルタ・ファイター』が映る。
『敵機発見。各隊準備完了次第発進せよ!』
戦闘警報が鳴り、兵士達は急ぎ戦闘機の発進準備を行う。
「やれる、俺達はやれる!」
「昨日あんだけしごかれたんだ、教えられた事をやりゃいいだけだ!」
「行くぞ! 俺達も戦うんだ!!」
宇宙船から猟兵によって鍛えられた30機の戦闘機が飛び出す。
猟兵達はその戦闘機に指示を出し、共に戦場へと飛んだ。
シル・ウィンディア
さ、新兵さん達も見ていることだし…
張り切っていきましょうっ!
相手が戦闘機なら
こっちも機動戦で対応だよっ!
【空中戦】【残像】【フェイント】を駆使して
ジグザグの三次元機動で翻弄しつつ
隙を見つけては両手に持った、光刃剣と精霊剣の二刀流で
すれ違いざまに、切りつけて行きます
攻撃時は、【二回攻撃】に【フェイント】で攻撃を仕掛けます
近接攻撃だけでも、こうやって対応はできるんだいっ!
敵の攻撃は【第六感】で感じて
【見切り】【残像】で回避を行うよ
さぁ、当てられるかな?
隙を見せたら、エレメンタル・ファランクスで
纏めて薙ぎ払いますっ!
もちろん【高速詠唱】と【全力魔法】の全開で
砲撃を撃ちますっ
椙野・霧亜
「鍛えはしたがそれでも実戦経験が浅い以上、複数の敵機の攻撃を受ければ撃墜されかねん。ならば…」
・サイバーアイでデルタ・ファイターの機動性や反応速度を計測、宇宙バイクに騎乗して先行しヴァリアブル・ウェポン(命中重視)を放ち、動きの良い敵機から撃墜する。
「増援を呼んだか、厄介な数になる前に撃滅する」
・増援に対してはアサルトウェポン(アサルトライフル型)による偏差射撃で対応し、可能な限り手早く排除する。
須藤・莉亜
「うん、元気があってよろしいねぇ。僕らが教えた甲斐があったもんだよ。」
いやまあ、あれで良かったのかという疑問は残るけど。
召喚した腐蝕竜さんに騎乗して戦う。
複製した大鎌を高速で動かして囮にし、敵さんをおびき寄せた所に腐蝕竜さんの【蝕む吐息】で攻撃。
ちっとは脆くなるんじゃないかなぁと。
僕はLadyに血をあげながら狙撃しときます。
新兵たちがピンチならそっちもフォロー出来れば良いかな。
「こいつらは好きに食べて良いからね?腐蝕竜さん」
●実戦訓練
「さ、新兵さん達も見ていることだし……張り切っていきましょうっ!」
いつも以上に気合を入れてシルは何もない宇宙空間を蹴って加速する。
『敵影確認。迎撃に向かうぞ!』
それを見つけたデルタ・ファイターが2機向かって来る。そして機銃を放った。
「相手が戦闘機なら、こっちも機動戦で対応だよっ!」
それに対してシルは残像を残して躱し、着弾したと油断させた敵とすれ違いざまに、手にした短い銀のロッドから光の刃を出して斬り裂いた。
『斬られ? 爆発す――』
後方まで飛んで行くとデルタ・ファイターは爆発し宇宙の塵となる。
『クソッ』
残ったもう一機は反転して機銃を撃ちまくる。
「空中戦は数を撃てば当たるってものでもないよっ!」
シルはその弾丸の雨をすり抜けるように突っ込み、光刃剣で両断した。
『敵は近接タイプだ。取り囲んで撃ち落とすぞ!』
味方があっさりと堕とされたのを見て、次は倍の4機のデルタ・ファイターが囲むように接近し四方から機銃を放ち弾幕を張る。
「増えたみたいだね、でも全部やっつけるよっ!」
シルはもう左手に精霊の霊力で生み出した剣を持ち、二刀流となって弾丸を斬り払いって接近する。そして二刀を振るい十字に分断して撃破した。
「近接攻撃だけでも、こうやって対応はできるんだいっ!」
シルが宇宙を跳ぶと、そこへ左右からデルタ・ファイターが機銃を撃ちながら挟撃してくる。するとシルは弾道を見切り残像を残して動き回る。
「さぁ、当てられるかな?」
シルの動きに付いていけず、機銃の連射はことごとく外れた。
「次はわたしの番だよ!」
通り過ぎる敵の後ろを取ったシルは、手に火・水・風・土の4つの精霊の力を集め魔力砲撃を放つ。宇宙を鮮やかに染める光線は2機のデルタ・ファイターを纏めて消し去った。
『3機があっという間に……援軍を――』
仲間を呼ぼうとした最後の一機にシルが宇宙を跳ぶように駆け、二刀で両翼を切り裂かれた。傷口から爆発が起こり消し飛んだ。
「おお、教官がやったぞ!」
「俺達も負けてられない!」
その戦いに勇気づけられた新兵達も、教えられた事を活かし、よく考えて戦闘機で敵を追い詰めていく。
「新兵さん達も頑張ってるみたいだし、わたしももっと張り切りましょう!」
その様子を見ていたシルは、新兵の背後に回ろうとしていた敵を斬り裂いて次の敵に跳んだ。
「鍛えはしたがそれでも実戦経験が浅い以上、複数の敵機の攻撃を受ければ撃墜されかねん。ならば……」
サイバーアイを使って新兵達の戦いを見ていた霧亜は、このままでは被害が出てしまうと計算する。
「こちらで編隊を組んだ敵を潰しておくとしよう」
霧亜はバイクで宇宙を疾走し、練度の高いデルタ・ファイター部隊へと近づく。
『接近する敵有り!』
『編隊を崩すな、迎撃する』
すぐにデルタ・ファイター部隊も対応して霧亜に向けて針路を変えた。
「やはり新兵には難し相手だったな。俺が相手をしてやろう」
霧亜は自らの機械の身体にある内蔵兵器のミサイルポッドを露出させ、敵機をロックオンして小型ミサイルを放つ。
『散開!』
デルタ・ファイターは散開して躱そうとしたが、ミサイルが誘導して追い直撃して爆発を起こしていく。
『誘導ミサイルだと!? 迎撃しろ撃ち落とせ!』
慌てて回避から機関銃による迎撃に移り、ミサイルを撃ち落としていく。
「いい反応だ。先の戦争を生き残った古参兵といったところか。だが……」
霧亜はアサルトライフルを構え偏差射撃を行う。敵が回避しようとした場所に銃弾が当たりデルタ・ファイターを撃墜した。
『こちら敵と戦闘中。既に半数以上が落とされた! 至急応援を求む!』
ミサイルに被弾していたデルタ・ファイターが増援要請を呼ぶと、近くの戦場から増援に数機が編隊を組みながらやって来る。
「増援を呼んだか、厄介な数になる前に撃滅する」
敵の動きを動きを確認した霧亜は、冷静にアサルトライフルを構え敵の動きを予測して射撃した。敵の回避運動の先に飛んだ弾丸が機体を穿ち爆発を起こす。
『動き回れ! 弾幕を張って敵に狙いをつける時間を与えるな!』
デルタ・ファイターは機体運動を激しくさせて機銃から弾をばら撒き、霧亜に回避を強いる。
「距離を詰めてきたか。好都合だ」
霧亜は迎撃にまたミサイルポッドから小型誘導ミサイルを発射する。デルタ・ファイターはすぐに回避運動に移るが、攻撃の手が止まり弾幕が止んだ。
「新兵を放ってはおけんのでな、手早く排除させてもらう」
そこへ霧亜が偏差射撃で撃ち抜き、無理してそれを避けようとした機体はミサイルに当たって爆発する。最後の敵が体当たりするように特攻してくると、霧亜はギリギリで避けながら拳を当てるようにパイルバンカーを撃ち込んで穴を穿った。勢いのまま飛んで行った敵機が炎上し吹き飛ぶ。
そうして周辺の敵部隊を全滅させ新兵部隊へと視線を向けると、数で押して何とか戦えている様子だった。
「まだまだ危なっかしいな。援護に向かうとするか」
放ってはおけんと霧亜はバイクを向けて走り出した。
「撃て! ドラゴンに比べたらこれくらい!」
「そうだ! 相手は同じ戦闘機だ! どうってことない!」
新兵達はとにかく攻撃を食らわぬように飛び回り、相手を翻弄するように動く。
「うん、元気があってよろしいねぇ。僕らが教えた甲斐があったもんだよ。」
特訓はあれで良かったのかなと莉亜は少々疑問に思いながらも、まあいいかと流し腐蝕竜さんに乗て宇宙を飛ぶ。
「手加減してた腐蝕竜さんがもっと暴れたいみたいだし、沢山来てもらおうかなぁ」
莉亜は複製した大鎌を高速で飛ばして囮にする。
『飛行物体有り!』
それに反応したデルタ・ファイターが集まって来る。
「出番だよ腐蝕竜さん」
腐蝕竜がブレスを吐き、蝕む吐息に包まれたデルタ・ファイターの機体が錆びて腐るように変色していく。
『何だ?! 反応が鈍くなっている』
『こちらもだ、運動性能が低下!』
デルタ・ファイター達の動きが鈍くなって速度や旋回力が落ちていく。
「脆くなったみたいだねぇ。ならこれで簡単に壊れるかな」
莉亜は白い対物ライフルに血を捧げ射程と威力を増して銃口を向ける。放たれる弾丸が動きの鈍ったデルタ・ファイターを貫き爆散させた。
「おお、昨日のドラゴンが今日は俺達の味方だ!」
「これは勝ったも同然だぜ! ドラゴンに気を取られた相手を撃墜してやる!」
新兵達も同じようにブレスを食らったデルタ・ファイターに攻撃を仕掛けて堕としていく。
「うんうん、どうやら腐蝕竜さんの特訓が利いてるみたいだねぇ。よかったよかった」
新兵の活躍に莉亜は昨日の特訓方法で正しかったのだと頷き、狙撃して次の敵を撃ち落とす。
「やってやれ! 昨日俺達が逃げたように動くのが丸見えだぜ!」
「はっはー! 俺達はそのドラゴンから生き延びたんだぜー!」
命を賭ける戦場でハイになってしまった新兵が攻め過ぎ、敵が囲むように動き出した。
「ちょっとテンションが上がり過ぎだねぇ、腐蝕竜さん行ってくれる?」
腐蝕竜がそこに割り込みブレスを放ってデルタ・ファイターの装甲を腐蝕させる。
「こいつらは好きに食べて良いからね? 腐蝕竜さん」
腐蝕竜が咆哮し、大きな口を開けてデルタ・ファイターに噛みついた。バリボリと金属を砕きパイロットが恐怖の顔を張りつけて押し潰された。
「その調子で元気に戦ってね、ちゃんと腐蝕竜さんがフォローしてくれるから」
「は、はいぃ!」
その食われてる姿にビビりながら新兵達はテンションを戻して戦いに飛んでいった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
フィーア・ストリッツ
御機嫌よう、ひよっこ兵士の皆様
今日も元気いっぱいなようで何よりです
今日は昨日と違い、社会見学のようなものです
前衛は我々猟兵部隊が受け持ちますので、皆様は後衛にて半分見学、半分バックアップです
無理して突撃等せず、軍隊の基本「整列と組陣」のおさらいです
まぁここは戦場で、敵は実弾を撃ってきますので油断していると死にますが
…さて、こうまで言った以上情けない戦いをしては良い笑いものですね
「それなりに本気で殲滅にかかりますのでご覚悟を、帝国の皆様」
宇宙バイクで機動戦を仕掛け、【クイックドロウ】で銃撃を繰り返します
ど真ん中をぶち抜けば敵を一撃で停止させることも可能です
恐れず突っ込んで百発百中を目指しましょう
エドゥアルト・ルーデル
二日目は実戦形式の訓練でござるよ!
しくったらケツは拭いてやるからせめて生き残れよ!
新兵達には以下の3つを守らせるように言いますぞ
・二機でエレメントを組ませ、互いにカバーし合う
・攻撃は一撃離脱戦法を心がけ、無理な攻撃をせずスピードを落とさない
・勝てないと思ったら全力で回避し、近くの猟兵の方に逃げる
敵軍が【高速航行モード】に入ったら新兵のケツについて攻撃態勢の敵機から優先的に【スナイパー】でエンジンや武器を狙撃して援護でござる
また落ち着かせる目的で新兵を叱咤しますぞ
戦場じゃビビったら負けだ!TIEモドキ共の動きを見ろ!理性のねぇ攻撃なんざ単調なもんだ!教えた通りやりゃ当たりゃしねぇよ!
レナータ・バルダーヌ
ついに実戦ですね!
わたしの技も充分通用しそうですし、スピードで遅れはとりませんよ。
先程と同じく【ブレイズソニックトレイル】を使います。
宇宙空間では衝撃波での攻撃は期待できそうにありませんから、背中から噴射した炎を物質化し、彗星の尾のように軌跡を残して、敵を撹乱・妨害します。
訓練のときに気付いたのですが、戦闘機の戦いでは相手の背後をとることが重要なようなので、味方の戦闘機が背後をとられないよう注意します。
緊急時には加速して体当たりなども視野にいれておきましょう。
ちなみに両手が開いているので、どなたかお一人なら抱えて飛ぶこともできます。
ただし、安全運転は保証できませんけど。
テラ・ウィンディア
戦闘機と並走して現れる影(空中戦を使用
お前らがシルに鍛えられたって連中かっ
おれは見学させて貰うから鍛えた技を見せて貰うぞ
なんて言いながらも【戦闘知識・見切り】から戦闘機の陣形の隙や攻撃されやすい位置の把握
常に彼らの動きと陣形と立ち回りを見据え
その上で撃墜されそうな時は剣槍太刀やグラビティブラストで敵機を撃墜
危なかったじゃねーか…つーかおれにわざわざ手を出させるとは良い度胸だ…帰ったらたっぷりと再訓練してやるぞ!(悪魔美少女笑顔
基本殲滅は他の猟兵やシルに任せおれは見学気取りで新兵達のフォロー
戦闘後
よく生き延びたなっ!
だが…その様で次も生き延びられると思うか!?
なら…分かってるな?
「お前らがシルに鍛えられたって連中かっ」
テラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)がそう告げて戦闘機に乗る新兵達を見渡す。
「おれは見学させて貰うから鍛えた技を見せて貰うぞ」
「はい!」
「教えられたことを実践してみせます!」
テラに新兵達が元気よく返事をして敵に向かう。
「っても放っておくわけにもいかんからな」
テラはそれを追いながら周囲の位置関係を把握し、新兵の動きに気を配る。
「攻撃開始します!」
新兵がデルタ・ファイターの側面や背後を突きながら攻撃を仕掛ける。それに対して敵はスピードを上げて回避を試みる。数機にダメージを与えたが撃墜できたのは1機だけで、他の機体は旋回して反撃に移る。今度は新兵が回避行動を取り逃れようとするが、敵の方が上手で背後に張り付かれた。
「これは見てられねーな」
そこへテラが飛び込み、槍を突き刺してデルタ・ファイターを破壊した。
「危なかったじゃねーか……つーかおれにわざわざ手を出させるとは良い度胸だ……帰ったらたっぷりと再訓練してやるぞ!」
「は、はいぃ!!」
テラの美しくも悪魔的な笑みを見て新兵は縮み上がる。
「ぼさっとするな! すぐに次の敵に向かえ!」
「了解です!」
テラの叱咤に新兵が急ぎ仲間へと合流して戦闘に加わる。
「こりゃー大変そうだな。だからこそ鍛えがいがあるってことか」
新兵の様子を見ながらテラはフォローに動き回る。
「背後を取られないよう考えて動け! 何のために頭がついてるっ! 空っぽだっていうならかち割ってやる!」
テラの指示に新兵達は死に物狂いとなって戦い、敵を撃破していく。そして残った敵も追い詰めていく。
「このまま追い詰めるぞ!」
「俺が撃破してやる!」
優位に立った新兵が前のめりになって逃げる敵を追う。
「まだだ! 追い込まれた敵こそ牙を剥く! 仕留めるまで油断するな!」
テラが呼びかけると、新たなデルタ・ファイター部隊が側面から新兵を襲撃しようと迫る。
「大地の力……存在の維持を司る力……星の力……我が手に集いて我が敵を滅せよ……グラビティ・ブラスト……往けぇ!!」
テラが突き出した掌から重力波砲が放たれ、敵部隊を呑み込み捻じ曲げるように機体を纏めて粉砕した。
「た、助かりました!」
ほっとした新兵が感謝の言葉を伝える。
「そんな調子で生き残れると思うな! もっと気を引き締めろ!」
「はい!」
「申し訳ありません!」
テラの怒声に新兵達が気合を入れて集中力を高めて敵を追う。それをフォローしようとテラも後に続いた。
「おい、向こうで戦闘が始まったみだいだぞ」
「お、オレ達も実戦か……死なねえよな」
緊張に新兵が強く操縦桿を握る手が白くなっていた。
「御機嫌よう、ひよっこ兵士の皆様。今日も元気いっぱいなようで何よりです」
普段通りの冷静な声でフィーアが新兵に連絡を入れる。
「今日は昨日と違い、社会見学のようなものです。前衛は我々猟兵部隊が受け持ちますので、皆様は後衛にて半分見学、半分バックアップです。無理して突撃等せず、軍隊の基本『整列と組陣』のおさらいです。まぁここは戦場で、敵は実弾を撃ってきますので油断していると死にますが」
緊張をほぐし、されども油断せず適度に残すように説明を行い通信を切る。
「……さて、こうまで言った以上情けない戦いをしては良い笑いものですね」
口にした以上見本となる戦いを見せなくてはと、フィーアは宇宙バイクの速度を上げる。するとそれに続いて新兵達の戦闘機も進み始めた。その先にはこちらを迎撃しようと迫るデルタ・ファイター部隊の姿がある。
「それなりに本気で殲滅にかかりますのでご覚悟を、帝国の皆様」
射程に入ると右手をハンドルから離したフィーアはハンドガンを抜き撃ち、氷結光線を放って敵を凍結させ機銃を破壊した。敵はそれでも無理に機銃を撃とうとし、内部で爆発を起こし吹き飛ぶ。
「単発の火力はそこまで高くありませんが、部位を狙えば一撃で戦闘不能にするのは難しくありません」
フィーアはバイクを傾けて軌道を変える。するとそこへ敵の銃撃が走った。
『撃て撃て! バイクなぞ一発当たれば堕とせる!』
デルタ・ファイターがフィーアを狙い飛び回って機銃を放つ。それを躱しながらフィーアは早撃ちで次々と敵機のコックピットやエンジン部分を撃ち抜いて行動不能にしていく。
『高速航行モード開始。絶対に倒してやるぞ!』
変形した数機のデルタ・ファイターがフィーアに向かって突っ込んで来る。
「さあ皆様。この敵は私が対処しますので、油断せず破損した敵を撃破しておいてください」
「「了解!!」」
高速で疾走したフィーアが敵を引き連れて離れると、新兵達は数機がかりで一機ずつ弱った敵を撃破していく。
「向こうは上手くやってるようですね。ならばこちらも失敗するわけにはいきません」
振り向きながらフィーアは光線を放ち敵に撃ち込む。だが変形し全面装甲が硬くなって撃ち抜けない。
「装甲に身を固めての特攻ですか、それなら違う手でいきましょう」
すぐに切り替えたフィーアはバイクを反転させて敵に正面から突っ込む。そして敵の体当たりを紙一重で避け、振り向いて守りようのないロケットのノズルに光線を撃ち込み、爆発を起こさせた。
「二日目は実戦形式の訓練でござるよ! しくったらケツは拭いてやるからせめて生き残れよ!」
エドゥアルトがヘッドセットから大きな声で新兵に喝を入れる。
「いいかクソ新兵ども! 3つのことを必ず守れ! 一つ! 二機でエレメントを組ませ、互いにカバーし合う! 一つ! 攻撃は一撃離脱戦法を心がけよ、攻撃よりもスピードを保つことを考えろ! 一つ! 勝てないと思ったら全力で回避し、近くの猟兵の元に逃げろ! 以上だ!」
「「サー! イエッサー!!」」
心身を叩き上げられた新兵の声が揃う。
「よし、それでは出陣でござる!」
戦闘機で先頭を進むエドゥアルトに続いて新兵達も編成を組む。そして視界にデルタ・ファイター部隊を収めた。
「覚悟はできてるなクソども!」
「「サー! イエッサー
!!!」」
「なら戦争だ!」
新兵の戦闘機が2機ずつに分かれて敵を襲う。片方が引き付けている間にもう片方が撃っていく。だが敵も負けじと編成を組んで反撃しようとする。だが新兵の戦闘機は攻撃後すぐに離脱し距離を取っていた。
「教えた通りにできてるようだな!」
敵が追おうとしたところへエドゥアルトが急襲し横からエンジンを撃ち抜いた。そこへ反転してきた新兵が動けぬ敵を撃墜する。
「俺達でもできる! できるぞ!」
「もっと撃墜してやる!」
すぐに調子に乗った新兵が欲をかいて、他の敵を攻撃しようと速度を落として反転する。そこへ敵のデルタ・ファイターが接近し背後を取った。
「おいそこのクソ新兵、昨日の教育が足りてなかったようだな。帰ったらもう一度鍛え直してやる」
エドゥアルトはその敵に戦闘機を向けて射撃し、新兵を攻撃する前に撃ち堕とした。
「さ、サー! イエッサー!!」
声を震わせながら叱られた新兵が仲間の元に戻る。
「やはりまだまだ危なっかしいな」
エドゥアルトは他の新兵も見て、まだまだぎこちない動きで戦場を怖れているのを感じ取る。
「戦場じゃビビったら負けだ! 攻撃してくる敵の動きをよく見ろ! 理性のねぇ攻撃なんざ単調なもんだ! 教えた通りやりゃ当たりゃしねぇよ!」
エドゥアルトが叱咤して新兵に冷静さを取り戻させる。
「そうだ! 昨日教わった通りにやるんだ!」
「模擬戦を思い出せ! あれに比べたら大した相手じゃない!」
新兵達は訓練を思い出し、自らで励まし合いながら敵に立ち向かう。
「ようし、ちょっとは見られるようになってきたな」
エドゥアルトはニヤリと笑い、その背後を守るように飛んだ。
「ついに実戦ですね! わたしの技も充分通用しそうですし、スピードで遅れはとりませんよ」
昨日の訓練で技が宇宙戦で十分通じる事を確かめたレナータは、炎の翼をロケット推進形態に変えて飛び出す。
(「訓練のときに気付いたのですが、戦闘機の戦いでは相手の背後をとることが重要なようです」)
戦闘機は相手の後ろを取った方が圧倒的に有利になると、レナータは訓練を通して学んでいた。
「仲間の背後を守って、敵に背後を取られないように気をつけてください」
「わかりました!」
「やってみます!」
ヘッドセットから連絡を取ると、レナータと共に飛ぶ戦闘機達から返事が返る。
「それでは行きましょう!」
ロケット噴射を強くしてレナータはデルタ・ファイター部隊に向かって突っ込む。そしてすれ違いながら背中の炎を物質化させ、彗星の尾のように軌跡を残して視界を塞いだ。
『何だこれは?』
『視界が利かん!』
慌ててデルタ・ファイターは動こうとするが、混乱して仲間同士でぶつかる。
「みなさん、今がチャンスです!」
「はい! 行くぞ!」
「おお!」
レナータの作った隙に、新兵達が駆る戦闘機が襲撃し、攪乱された敵に弾を撃ち込んでいく。すると数機の敵が火の玉になって爆発した。
「その調子です! もう一度行きましょう!」
旋回したレナータがまた敵に突っ込むと、今度は敵も迎撃してくる。それを避けながらレナータは通り抜けた。続く新兵達が敵を攻撃し、敵を撃ち抜いて堕とした。
『調子に乗るなよ解放軍め!』
デルタ・ファイターがレナータの背後について銃撃する。それをレナータは躱すが、しつこくデルタ・ファイターが追ってくる。
「遠距離の攻撃手段は持っていませんが、これならどうですか!」
速度を落として敵を近づかせたレナータは、ロケット噴射を最大にして炎を背後に噴き出す。その直撃を受けてデルタ・ファイターが目を眩ませ、ふらふらと飛んで行く。そこへ新兵が射撃し撃墜した。
「上手くいきましたね。では続けて倒していきましょう!」
「了解であります!」
レナータに続いて新兵達も敵に向かい、攪乱からの襲撃で数を減らしていく。
『舐めるなよ!』
そこへ横手から新手のデルタ・ファイターが突っ込んで来た。新兵の戦闘機を狙い銃撃して、逃げようとする戦闘機を追いかける。そして放つ弾丸が新兵の戦闘機を捉えた。
「わたしに任せてください」
すぐにレナータが反応し、加速して迎撃に向かい体当たりで敵の軌道を変えた。そこに他の新兵が銃撃して撃ち堕とす。
「大丈夫ですか?」
攻撃を受けた新兵の戦闘機が被弾してエンジンが小さな爆発を起こしていた。このままでは大きな爆発を起こしてしまうように見える。
「戦闘機はダメみたいです。降りて帰還した方がいいみたいですね」
「わかりました」
「すみません!」
出て来た2人のパイロットをレナータが抱えて宇宙船に向けて飛ぶ。
「宇宙だと重さを感じないので楽ですね、では急いで戻りますよ!」
レナータが加速しそれを守るように戦闘機も並走した。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
トルメンタ・アンゲルス
鍛えたとはいえ、一夜漬けですからねぇ。
生き残ってもらうために、頑張りませんとね。
さぁ行くぞ相棒!
変身!
『MaximumEngine――Mode:Formula』(ベルトの音声)
ベルトを起動し、アクセルユニゾン始動!
相棒を攻撃力重視の装甲として、変身合体!
新兵や仲間が動けるよう、物理法則を無視した軌道で、最高速でダッシュして敵陣をかき乱し、時間稼ぎと行きましょう!
狙われても第六感や見切り、残像を生かして回避していきましょう!
出来れば、新兵に成功体験をさせてあげたいですが、墜ちては元も子もないですからねぇ。
数を減らしましょう。
動いて誘導し、敵を纏めた所で、襲撃のブリッツシュピーゲルで纏めて墜とす!
伊藤・毅
「ドラゴン01よりドラゴンオール、ひよっこたちにいい所見せるぞ、集中攻撃をかける」
UCで呼び出した味方部隊と連携し、敵を攻撃する
複数機で1機を追い詰め、新兵たちの前に誘導し、とどめを刺させる
「よし、追い詰めた、そのままとどめを刺せ」
蛇塚・レモン
よーし、暴れちゃうよっ!
新人のみんな、ここからは訓練ではなくて実戦だよっ!
リハーサルでもない、ガチだからねっ!?
手を抜いたらあたいが容赦しないよ、判ったら返事するっ!
対宙銃が厄介だね、しかも防御を貫通してくるなんてズルいっ!
そんなユーベルコードは禁止なんだよっ!
蛇神様、あいつらにお仕置きしちゃってっ!
視界内のデルタ・ファイターのユーベルコードを封じて仲間を援護するよ
(視力+範囲攻撃+念動力+衝撃波+鎧無視攻撃+呪詛)
蛇神様の破壊念動波自体も強力だし、あたい自身もオーラガン(指鉄砲)で応戦するよっ!
(スナイパー+援護射撃+念動力+空中戦)
数が多いときは接近戦!
蛇腹剣クサナギで一網打尽だよっ!
●一人前への一歩
「鍛えたとはいえ、一夜漬けですからねぇ。生き残ってもらうために、頑張りませんとね」
まだ頼りない新兵を見たトルメンタは自分が頑張って生存率を上げてやらなくてはと気合を入れる。
「さぁ行くぞ相棒! 変身!」
トルメンタはベルトを起動させアクセルユニゾンを始動する。
『MaximumEngine――Mode:Formula』
ベルトから音声が響くと、変形したバイクが蒼い装甲となって体を覆いヒーローの如く変身する。
「最高速度で駆け抜ける!」
加速したトルメンタは物理法則を無視したように宇宙を好きに駆け抜け、敵陣の中を流星のように突破した。
『何だ今の蒼い光は!』
『スペースノイドの戦闘機か?』
『とにかく追え! 撃墜しろ!』
急ぎ方向転換したデルタ・ファイター部隊がトルメンタを追う。
「出来れば、新兵に成功体験をさせてあげたいですが、墜ちては元も子もないですからねぇ」
トルメンタは折って来る敵の攻撃を右に左に上に下にと変幻自在に避けながら、敵を一纏めにした。
「少しばかり数を減らしましょう」
トルメンタはそこに突っ込み、敵の攻撃を避けながら縦横無尽に動き回り、腕から出した高出力超高温ブレードで斬り裂いていく。
『速い! 蒼い鎧装騎兵だ! 捉えられんっ増援を――』
通信の途中で離れようとしたデルタ・ファイターが真っ二つにされ爆散する。蒼い流星のようにトルメンタは次の敵に向かう。そこへ左右から銃撃される。それをトルメンタはジャンプするように避けた。
「増援ですか、集める手間が省けました」
トルメンタは敵の姿が重なった瞬間、胸部の動力炉を起点にビームを放ち、収束された高威力の光線が2機の敵を纏めて貫いた。
『散開しろ!』
強力な飛び道具があると知った敵は散ってトルメンタを狙おうとする。
「俺達も教官と一緒に戦うぞ!」
「ああ、教官殿が散らした敵を各個撃破する!」
そこへ遅れて到着した新兵の戦闘機がデルタ・ファイターを囲み、数の優位を利用して撃墜していく。
「どうやら昨日の訓練の成果が出ているようですねぇ。ですがまだまだ甘いところがあります」
新兵に反撃しようとしたデルタ・ファイターをトルメンタが背後から斬り捨てる。
「こちらが数を減らせば十分戦えるようですね。ではこの調子で敵を倒していきましょう」
トルメンタが先陣を切って敵を倒し、敵陣をかき乱し、そこへ新兵が攻撃を仕掛けて戦果を少しずつ上げていく。
『奴だ! あの蒼い奴を倒せば!』
「目の付け所はいいですが、速さが足りていませんね」
トルメンタが要とデルタ・ファイターが倒そうとするが、トルメンタは残像を残して動き回り、逆に混乱を呼んでデルタ・ファイターは力を発揮できずに真っ二つとなって堕ちていった。
「ドラゴン01よりドラゴンオール、ひよっこたちにいい所見せるぞ、集中攻撃をかける」
毅が航空部隊を召喚し、自分の機体を中心に編隊を組む。そしてデルタ・ファイターに攻撃を仕掛け、まるで狩りのように敵を新兵の近くへと追い詰めていく。そこで敵のエンジンを被弾させて動きを鈍らせた。
「よし、追い詰めた、そのままとどめを刺せ」
「了解であります!」
そこへ新兵の乗る戦闘機が攻撃し、デルタ・ファイターを爆発させる。
「よくやった。ひよっこども、狩りの仕方をよく見ておけ」
そう言って毅は次の敵に向かって飛ぶ。複数機での優位を活かした戦い方で敵を追い新兵に始末させていく。
『応戦する、続け!』
だが敵もただ攻撃されるだけでなく、反撃しようと編隊を組んで迎撃行動に移りドッグファイトが始まった。交差しては交戦し通り過ぎて旋回する。その度に減っていくのはデルタ・ファイターの方だった。毅の訓練された航空部隊は完全に制空権を握っていた。
『何という一糸乱れぬ動きだっ、ならば変形して一気に仕掛けるぞ!』
デルタ・ファイターが変形し加速して正面から突っ込んで来る。
「ドラゴン01よりドラゴンオール、インメルマンターンで後ろを取る」
対する毅の航空部隊はギリギリで躱しながら、すれ違った瞬間に上に機体を向け逆さ向きにUターンする。そして敵の後ろに回ると、敵が旋回する前に射撃を行いエンジンを撃ち抜いた。
「ひよっこども、とどめだ」
毅の指示に従い、新兵達が損傷した敵機を次々と撃墜していく。
「俺達も戦えてる!」
「教官に教えてもらったことが通じてるぞ!」
昨日受けた訓練が早速活きていると新兵達にやれるという自信が湧く。
『解放軍め、道連れにしてやる!』
傷ついたデルタ・ファイターが最大速度で新兵の戦闘機に上から突進してくる。だが衝突する前に毅が撃ち抜き爆散させた。
「油断するな、だが昨日よりはマシになっているぞナゲッツ。ここを生き残って一人前になってみせろ」
「「了解!!」」
新兵達は気合を入れなおし、油断せずにチーム行動で不意を突かれぬように飛行して敵と戦う。
「まだまだだが、ひよっこからは卒業させてやってもいいレベルにはなってきたな」
毅は新兵の動きを見て、敵に押されているところへ向かい援護する。そうして戦場の流れをコントロールしながら新兵の経験を積ませる。そうして近くのデルタ・ファイターを殲滅した。
「この辺りの敵は一層したな、次の戦場に移る。編隊を崩さず後に続け」
「「了解!!」」
毅の航空部隊に続いて、新兵達も編隊を組み次の戦いを求めて戦火の中へと飛び込んだ。
「よーし、暴れちゃうよっ! 新人のみんな、ここからは訓練ではなくて実戦だよっ!」
レモンが新兵達に声を元気な声と届ける。
「リハーサルでもない、ガチだからねっ!? 手を抜いたらあたいが容赦しないよ、判ったら返事するっ!」
「了解です!!」
「やってやりますよ!」
レモンの言葉に新兵達も高いテンションで返事を返す。
「それじゃあ行くよ! 付いて来て!」
「行くぞー野郎ども!」
「「応
!!!」」
レモンを中心にした戦闘機部隊が敵のデルタ・ファイター部隊へと接近する。互いの銃撃が交差し、すれ違って旋回をする。先に旋回を終えたのはデルタ・ファイターの方だった。
「対宙銃が厄介だね、しかも防御を貫通してくるなんてズルいっ! そんなユーベルコードは禁止なんだよっ!」
敵が射程距離に入ったところでレモンが宇宙空間に巨大な白き蛇神を召喚した。
「蛇神様、あいつらにお仕置きしちゃってっ!」
白き蛇神が大きく顎を開けて破壊念動波が放たれ、それに呑み込まれた敵機は急に銃撃を止めた。念動波によって銃の使用を封じられたのだ。
「みんな今のうちに攻撃しちゃうよっ!」
「おーし! やるぞ!」
「撃ちまくれ!」
レモンの指示に従いすぐさま新兵達が銃撃を放ち、突然の不利な事態に混乱する敵を撃墜していく。
『あの白蛇が怪しい! 体当たりでもなんでもいい、あれを堕とせ!』
するとこの状況を生み出したと予測される白き蛇神に向かって、新兵の銃撃をすり抜けた敵が特攻してくる。
「残念だけど、あたいもいるんだよっ!」
レモンは指鉄砲を作って敵に向ける。そこから放たれる霊力の弾丸が軌道を念動力で微調整しながら飛び、デルタ・ファイターのド真ん中を貫き爆散させた。すると残った敵は散開して四方から襲い掛かって来る。
「飛び道具が使えないなら、この蛇腹剣クサナギで一網打尽だよっ!」
レモンは蛇腹状の黒剣を振るい、接近する敵を避けながら次々と斬り裂いていく。そして踊るように周囲を薙ぎ払うと、敵の機体が纏めて爆発した。
「ほらっ、みんなも一気に攻撃して敵を仕留めてっ!」
銃を撃てない敵を新兵達が一方的に攻撃し、逃げる敵を倒し辺りを制圧した。
「蛇神様、ありがとうっ!」
レモンが手を振って感謝の気持ちを伝えると、白き蛇神は返事するようにチロリと舌を伸ばして消え去った。
●黒き影
「これで大体の敵は倒したかな?」
「周囲に動く敵はいないようです!」
レモンの疑問に周囲を索敵していた新兵が答える。見渡せば他の仲間達も敵を倒し終え、派手に光っていた戦場に静けさが戻っていた。
「ならこれで……待ってっ!」
レモンの視界に何かが映る。咄嗟にレモンが指鉄砲から霊力の輝きを撃ち出す。すると宇宙空間が照らされ人影が映る。それは暗い暗黒空間に溶け込むような黒い存在だった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『ジュリア・ナイトメア』
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POW : イライラするわね!
【液状化した自分の体で作った鞭】が命中した対象を切断する。
SPD : 宇宙の果ての暗黒世界
【手から放つダークマター】が命中した対象を捕縛し、ユーベルコードを封じる。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ : ジュリアのスペースコーディネート
【身だしなみを整えることで】、自身や対象の摩擦抵抗を極限まで減らす。
👑7
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●ジュリア・ナイトメア
『はぁ……手下どもを倒してくれちゃって、どうしてくれるのよ、また集めないといけないじゃない! イライラするわね!』
ダークマターの力を持つブラックタールのジュリア・ナイトメアが腕を振るう。液体のように伸びた腕が鞭となって振り回され、周囲の新兵の戦闘機に当たり翼が吹き飛ぶ。
「うわああああーー!?」
真っ直ぐ飛べなくなった戦闘機が回転しながら飛んで行く。
『いいわ、ムカつく奴は全員アタシがぶち殺してあげる!』
苛立つ気持ちをぶつけるように、破壊衝動のままジュリア・ナイトメアが襲い掛かってくる。猟兵達は新兵では危険なだけだと悟り、前に出て迎撃を開始した。
椙野・霧亜
・サイバーアイで鞭が振るわれる速度と範囲を計測後、ゴッドスピードライドを発動させ高速機動で攪乱する。
「部下をやられてイラつくのは分からんでも無いが、冷静さを欠いている点はいただけないな。当てられるものも無くなるぞ」
・敵の攻撃は【見切り】で回避し、【2回攻撃】で顔を狙ってアサルトウェポン(セミオートライフル型)による銃撃を、執拗に叩き込む。
「少しは冷静になったらどうだ、さもないと…」
・隙を見て高速で接近し、パイルバンカーを懐に打ち込む。
須藤・莉亜
「あれは新兵たちではちっとキツそうかな?」
腐蝕竜さんには新兵たちを守っといてもらおう。
眷属の黒紫蝶たちを召喚、僕の姿を敵さんから隠してもらいつつ攻撃してもらおう。
一応【動物と話す】で、黒紫蝶たちに攻撃対象を指示して、他の人の方に行かないように頼んどこうかな。
あの子達気まぐれだから、言うこと聞いてくれるかは微妙だけど…。
僕は【第六感】や【見切り】でダークマターに当たらないようにしながらLadyで狙撃していきます。
もしダークマターに捕縛されたら、悪魔の見えざる手での攻撃に切り替えよう。不意打ちにはもってこいだしね。
チャンスがあれば、【吸血】して【生命力吸収】も狙っとこう。
トルメンタ・アンゲルス
ルーキーは後退!
被弾した戦闘機の乗組員を回収し、艦まで戻れ!
ここからは、俺達の仕事だ!
先ずは被弾して堕ちそうな戦闘機に先回りし、新兵を救出。
何とか牽引させて戻らせましょう。
さて、奴を潰しましょうか!
第一リミッター解放!
真の力の一部をお見せしましょう!
最高速でダッシュ!
物理法則を無視した軌道で駆けまわり、撹乱し妨害し、仲間が有利に動く時間稼ぎをしましょう!
攻撃が飛んできても、第六感や見切り、残像で回避して見せましょう!
……にしても、ブラックタールだと物理はあまり効きそうにないですねぇ?
なら、それ以外で攻めるまで!
コアマシン、出力上昇!
隙を突いて一気に至近距離に肉薄し、グリッタービームで薙ぎ払う!
●イライラ
「ルーキーは後退! 被弾した戦闘機の乗組員を回収し、艦まで戻れ! ここからは、俺達の仕事だ!」
指示を飛ばしたトルメンタはすぐに敵に向かう。
「了解しました! 教官殿もご武運を!」
戦闘機の中で敬礼した新兵達がやられた仲間の救助に向かう。
「お前の相手は俺だ!」
敵を引き付けようと蒼い流星の如くトルメンタは真っ直ぐに接近する。
『アンタから死にたいわけ? いいわ、ストレス発散に殺してあげる!』
ニヤリと口に笑みを作ったジュリア・ナイトメアが腕を鞭にして振り回し、トルメンタを切り裂こうとする。
「なかなかのスピードだが、俺を捉えるには遅すぎる!」
挑発しながらトルメンタは宇宙を跳び回り、鞭を躱して敵を新兵から離れた場所へと誘導していく。
『ちょろちょろと! 逃げるばかりじゃない!』
イライラしながら鞭が襲い掛かり、躱すと周囲の隕石を両断した。
「さて、ここまで来れば味方を巻き込む心配もないな。奴を潰すとしましょうか! 第一リミッター解放! 真の力の一部をお見せしましょう!」
宙を蹴り先ほどよりも速く、最高速度のダッシュで駆け出す。
『まだ速くなるの? ならこれで落としてあげる!』
鞭を手に戻したジュリア・ナイトメアが掌を向けると、宇宙よりも深く暗いエネルギーであるダークマターが放たれる。
「落とせるものなら落としてみろ!」
宇宙空間を自由自在に駆け、トルメンタは攻撃を躱し続けた。
「ようやくボスのお出ましか」
霧亜がハンドルを切り敵にバイクの針路を向ける。
『このイライラをぶつけてあげる!』
射程範囲に入った瞬間にジュリア・ナイトメアが鞭のように伸びた腕を振るった。霧亜はそれを大きく躱しながらサイバーアイで速度と範囲を計測する。
「部下をやられてイラつくのは分からんでも無いが、冷静さを欠いている点はいただけないな。当てられるものも無くなるぞ」
怒りで振り回す鞭を霧亜は冷静に見切り、射程内でバイクを走らせながらアサルトライフルを構え、銃撃を頭に向かって叩き込む。敵はタールを撒くのように張って弾丸を防ぐが、霧亜は周囲を回りながら後頭部にも撃ち込む。
「何で避けるのよ! イライラするわね! ぶっ飛ばしてあげるから止まりなさい!」
執拗な頭部へと射撃にジュリア・ナイトメアは体から何本もの鞭状のタールを伸ばして霧亜のバイクを狙う。
「そんな真似もできるのか、だが頭に血が上っていては無意味だな」
簡単に読める攻撃を霧亜はバイクを変形させて速度を上げ、操縦に集中して躱す。
「あれは新兵たちではちっとキツそうかな?」
莉亜は敵のボスを見て新兵達では戦うのが難しそうだと腐蝕竜に視線を向けた。
「腐蝕竜さんは新兵たちを守ってあげて」
あれの相手は自分がするからと、莉亜は腐蝕竜を残しタールの姿をした敵に向かう。
「おいで黒紫蝶たち、僕の姿を敵さんから隠してくれるかな」
莉亜が黒柴蝶の群れを召喚し、体を覆うようにして迷彩色となって少しでも狙われにくくして近づく。
「あの黒いのが敵だよ、他の人を間違って攻撃しないようにね」
そう莉亜が頼むと、分かっているのかいないのか、黒柴蝶がひらひらと飛んで行く。
「大丈夫かな? あの子達気まぐれだから……」
心配の思いながらも、莉亜は自らも攻撃しようと白い対物ライフルを構える。血を捧げ性能を上げ、超遠距離から狙いを定める。
「あ、ちゃんと狙ってくれてるみたいだね」
スコープから覗く先で、黒紫蝶たちが敵に群がって全身を切り裂いていた。
『ちょっと何よこの蝶は! 鬱陶しいったら!』
ジュリア・ナイトメアは腕を網状にして蝶を捉え握り潰していく。その腕が突然吹き飛んだ。
『次から次に! 何なのよもう!』
怒りながらギョロリと頭を目だけが一周するように動いて周囲を探る。その視線の先に莉亜を見つけた。
「見つかっちゃったみたいだね」
もう一発対物ライフルを撃った莉亜はすぐに移動する。するとそこにダークマターが放たれ宇宙空間を飛んでいった。
「危ない危ない。じっとしてるのは危険だね」
莉亜が移動しながらライフルを撃つと、敵もまた移動して躱しながらダークマターを放っての射撃戦となる。
●冷静に
「……にしても、ブラックタールだと物理はあまり効きそうにないですねぇ? なら、それ以外で攻めるまで!」
敵のタフさを見ながらトルメンタは間合いを詰め始めた。
「コアマシン、出力上昇!」
胸部の動力炉がエネルギーを高めていく。
「このグリッタービームで消し飛ばしてやる!」
集まったエネルギーが胸部からビームとして放たれる。
『舐めないでよね! 消えるのはそっちよ!』
対してジュリア・ナイトメアがダークマターを放ち、両者の間で光と闇がぶつかり合う。エネルギーが渦巻き周囲の隕石が消滅する。僅かな拮抗の後、じりじりと闇が押してトルメンタへと迫ってきた。
「パワーが足りてないか……なら出力最大!」
そこでトルメンタはコアをフル稼働させてエネルギーを生み出し、ビームが太くなって闇を一気に押し戻した。
『ヤバ――』
ジュリア・ナイトメアはそれを逃れようとするが、躱しきれずに右腕が肩から吹き飛んだ。
「仕留めきれなかったか」
そこでエネルギーを使い切ったトルメンタのビームが途絶える。
『よくもやってくれたわね! ぜーったい許さない!』
睨みつけるジュリア・ナイトメアが反対の腕でダークマターを放とうとする。
「注意が逸れたな、隙だらけだぞ」
冷静な声が背後から響く。銃口の狙いを定めた霧亜が発砲し、ジュリア・ナイトメアの頭に穴を穿った。タールが飛び散り顔が変形する。目玉が後ろに回り霧亜を睨みつけた。
『邪魔しないで!』
ジュリア・ナイトメアの背中から伸びたタールがバイクに巻き付いた。そして縮めて急接近し霧亜に飛び掛かってくる。
「少しは冷静になったらどうだ、さもないと……」
敵の接近に合わせて霧亜はカウンターで拳を打ち込み、パイルバンカーを発射した。
「こうなる」
飛び出した杭が胸を貫き大きな穴を開け、タールが飛び散った。衝撃にジュリア・ナイトメアの身体が吹き飛ばされる。
『ムカつくムカつくムカつく!!』
勢いよく飛んだジュリア・ナイトメアが引っ張られるように止まる。よく見れば細い糸のようにタールが伸びて霧亜のバイクに張り付いていた。先ほど飛び散ったタールが付着していたのだ。
『ぶっ殺してやるわ!』
伸びきったゴムが縮むようにジュリア・ナイトメアが吹き飛ばされた時と同じようなスピードで急速に戻ってくる。
「その液体のような体のトリッキーな特性が一番の武器のようだな。だが動きが直線的過ぎる」
慌てずにだが迅速に霧亜はバイクを加速させ、追いつかれる時間を稼ぎながら銃撃でくっついたタールの糸を切断し、方向を変えてやり過ごし銃弾を頭目掛けて叩き込んだ。
『ああっもうっイラつくわね!』
それを腕を盾のように広げてガードしながらジュリア・ナイトメアは鞭を放つ。だがそこへ黒柴蝶が纏わりついて視界を塞いだ。
『もう! またなの!』
苛立ちながらジュリア・ナイトメアは腕を振るって黒柴蝶を薙ぎ払う。
「黒柴蝶さんが注意を引いてる隙に……」
その隙に莉亜は引き金を引き、放たれる弾丸が敵の胸に穴を開けた。
『いい加減にしてよね!』
伸びる腕が莉亜に掴み掛かる。それを回避したところへダークマターが放たれて莉亜の身体を包み込む。するとユーベルコードが解除され黒柴蝶が消えた。
『捕まえたわよ! よくもやってくれたわね!』
胸に穴を開けたままジュリア・ナイトメアが迫り、腕を刃のように変えて振り上げた。
「残念だけど、捕まえたのは僕のほうだよ」
見えない透明の悪魔の両腕がジュリア・ナイトメアを掴み腕を振るわせない。
『な、なによこれ!』
不可視の攻撃にジュリア・ナイトメアは驚き一瞬動きを止める。
「このチャンスを活かす!」
そこへトルメンタが突っ込み腕から出したブレードで胴を斬り裂く。
『どこよ!』
それを追うように背後に鞭を放つが、トルメンタは既に駆け抜けていた。
「冷静さを欠けばどれだけ力があっても持ち腐れだ」
続けて霧亜が追撃に銃撃し頭部を穿つ。敵は腕でガードするが、そのまま発砲を続け防御一辺倒にさせる。
「タフだねぇ、液体みたいな体だからかなー」
さらに莉亜も対物ライフルを発砲し足を吹き飛ばした。
『いい加減にしろっていってるのよ!』
細く伸びた体が飛び散った液体を回収し、怒り狂ったジュリア・ナイトメアは四肢から鞭を伸ばして周囲の全てを切り裂かんと振り回す。
暴れるのに巻き込まれまいと急ぎ猟兵達は間合いを開けた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
レナータ・バルダーヌ
被弾した戦闘機のパイロットさんたちも無事に宇宙船まで送り届けましたし、急いで戦場に戻らなければ……あら?
他の戦闘機も戻ってきました、どうしたのでしょう?
とりあえず状況を確認します。
なるほど、ブラックタールさんに攻撃された戦闘機が心配です。
聞いた様子ですと、自力で帰還できないかもしれません。
「位置はわかりますか?わたしが回収に向かいます」
パイロットさんだけでも無事だといいのですが……。
攻撃を受けた戦闘機を発見したら、機体とパイロットさんの状態を確認し、機体がまだ動くなら【念動力】で姿勢制御を補助しながら宇宙船まで護送します。
もし難しければ、パイロットさんだけでも回収しましょう。
●救助
「パイロットさんたちも無事に宇宙船まで送り届けましたし、急いで戦場に戻らなければ……あら?」
被弾して脱出したパイロットを宇宙船に運搬したレナータが、戦場から他の仲間と共に戦っていたはずの戦闘機が戻ってきたのに気付く。
「どうしたのでしょう? みなさん前線はどうなっているのですか?」
「はい! 敵戦闘機は撃破しましたが、帝国軍のリーダーらしき人型のタールのような存在が現れました! こちらは一機が戦闘不能にされ、我々は下がるように指示を受けて戻りました!」
レナータの問いにすぐさま新兵が答え、幾つかの質問と共に情報を得る。
「なるほど、ブラックタールさんに攻撃された戦闘機が心配です。聞いた様子ですと、自力で帰還できないかもしれません」
レナータは故障具合によっては救助では時間がかかってしまうだろうと想像する。
「位置はわかりますか? わたしが回収に向かいます」
「はい! お願いします!」
新兵から場所の情報を得ると、レナータはすぐに飛び立つ。
「パイロットさんだけでも無事だといいのですが……」
目の端で仲間がブラックタールと戦っている光を確認し、レナータは破損している戦闘機を探す。すると破損した戦闘機とそこに横づけするように戦闘機が並んでいる。その戦闘機から降りたパイロットが、破損した戦闘機から何とか救助しようと奮闘している姿が見えた。
「見つけました。どうやら出られなくなっているようですね」
すぐにレナータが急行し、傍に寄ると声をかけた。
「大丈夫ですか?」
「はい、教官。怪我はないようですがキャノピーが開かなくなってしまったようです」
何とか開けようとしていた新兵が答える。故障した戦闘機の中を覗いて見れば、怪我はしていないようだった。
「この戦闘機は爆発の可能性はありますか?」
「いえ、エンジンには問題はないようです!」
片方の翼がもげただけで、他の部分が傷ついている様子はなかった。
「ではこのまま運びましょう」
レナータは念動力を掛けて戦闘機の姿勢をコントロールする。
「ゆっくり速度を上げてください。わたしが姿勢制御を行って宇宙船までの舵を取ります」
「了解しました!」
レナータの指示通り故障した戦闘機が動き出す。片翼が無く普通ならば真っ直ぐ飛べない状態だが、レナータの念動力によって押さえつけられ、母船に向けて飛び始めた。
「大丈夫のようですね」
「ありがとうございます! これで愛機を見捨てずにすみました!」
レナータに向けてパイロットが感謝を告げる。それに微笑み返すと、ゆっくりと宇宙船へ帰還を果たした。
大成功
🔵🔵🔵
フィーア・ストリッツ
手下を集めたところでお前自身がより強大にならない限り、集めた数以上の数ですり潰されるのがオチでしょうに
それが分からないから、お前は敗残者で落伍者なのでしょうね
「フィーアは負けませんよ、お前のようなものには」
【氷雪龍砲】の直撃を狙って積極的に接近戦を仕掛けます
宇宙バイクで接近しつつ息をチャージ
必中距離まで近づいたら一気にぶっ放します
敵の斬撃は、切断力と低視認性が驚異ですが……
使い手がよくありませんね
「そう苛立って殺気を振りまいていれば、いつどこから攻撃が来るか丸わかりです。お前は暗殺者向きでは無いようです」
殺気を読んで回避すれば接近は容易でしょう
「さようなら。白銀の輝きの中に沈むが良いです」
シル・ウィンディア
これは、少し厄介かな?
新兵さん達は、後ろに下がってっ!
ここからは、わたし達、猟兵がお相手だよっ!
あ、下がるのはいいけど、ちゃーんと、見ておくよーにね?
見ることもお勉強だからっ!
伝えてから、高機動戦闘へ持ち込むよ
【残像】【フェイント】を交えた【空中戦】で敵の周りを
ぐるぐる回って撹乱っ!
隙を見つけては二刀流の光刃剣で少しずつ攻撃していくよ
焦れるまで、我慢勝負っ!
回避は【第六感】で感じて【見切り】で最小限の動きで回避
相手の鞭は光刃剣で切り払ったり受け止めたりするよ
相手の動きが止まった、もしくは、隙をさらしたら
エレメンタル・ファランクスをお見舞いするよっ!
【高速詠唱】【全力魔法】のフルパワーでねっ!
テラ・ウィンディア
どうやらそろそろおれが出張らないと行けなさそうだな
シルが居るならシルと行動を合わせ
居ない時は仲間
さて…此処からは適材適所だ
こういう指揮官…いわゆる大将首を狩るにはどうするか…あるいは大将首がどれほどか…見ておくがいい
(後は己の闘争の赴くままだな
属性攻撃
武装と脚に炎付与
残像を残しながら空中戦の起動でジュリアに襲い掛
安心しろ
もうお前はイライラせずにすむぜ
考える必要もなくなる
心静かに…散れっ!
戦闘知識を駆使しての観察
更に見切りと第六感で攻撃の回避と共に槍で串刺し
早業で剣と太刀による斬撃も交え
シルの攻撃と合わせて互いに死角を補い隙をなくす
距離を取り好機を見つければシルと合わせるようにメテオブラストぉ!
エドゥアルト・ルーデル
「新兵を教育する」、「強敵も倒す」、両方やらなくっちゃあならないのが「猟兵」の辛い所でござるね
新兵には脱出の実演をするので下がって見ているようにと言いますぞ!
敵にまっすぐ飛んでいき、【鞭】が飛んできた瞬間を見計らって機体から脱出装置を起動して脱出!
機体の爆炎と【迷彩】で隠れつつやられたフリをするでござるよ
その後はスキを見て背後に忍び寄より、そのまま爆薬を【スリ渡し】て敵を内部から爆破でござる
この場合敵はブラックタールだから身体の中にねじ込む感じでござるかね?
戦闘後に新兵に一言
脱出時はコクピットや機体の危険箇所に攻撃が当たらないように致命傷を避けつつ、する時は迷わずするんでござるよ!
●強者の戦い方
『アタシに近づくヤツはみんな切り裂いてやるわ!』
流れる隕石をバラバラに切り裂き、傷つき片腕になったジュリア・ナイトメアは近づくもの全てに敵意を向ける。
「これは、少し厄介かな? 新兵さん達は、後ろに下がってっ! ここからは、わたし達、猟兵がお相手だよっ!」
シルは新兵を後ろに下がるように指示を出す。
「あ、下がるのはいいけど、ちゃーんと、見ておくよーにね? 見ることもお勉強だからっ!」
「了解しました!」
「教官の戦いを目に焼き付けます!!」
返事をした新兵が下がるのを確認してシルは宙を蹴って敵に接近する。
「さあ、勝負です! わたしの動きを捉えられますか!」
シルは残像を残しながらぐるぐる敵の周囲を駆け攪乱する。
『何体いるのよ!』
ジュリア・ナイトメアの振るう鞭が残像を捉えて消し飛ばしていく。うねうねと動きシルの足を捕えようとする鞭を二刀の光刃剣で斬り払う。
「焦れるまで、我慢勝負っ!」
一気に攻めたくなる気持ちをシルは我慢して回避に専念し、敵が隙を作る瞬間を待つ。
「どうやらそろそろおれが出張らないと行けなさそうだな」
その戦いを目にしたテラが新兵達に振り返る。
「さて……此処からは適材適所だ。こういう指揮官……いわゆる大将首を狩るにはどうするか……。あるいは大将首がどれほどか……見ておくがいい」
「はい! 学ばせてもらいます!」
止まった新兵達に見送られ、テラは炎を武装と脚に纏って飛び出す。
「さあ……行くぞ」
シルに注意を向けている敵の背後に回り込んだテラが、宝剣と太刀の二刀による斬撃を繰り出し背中を斬りつけた。
『また新手? どんだけいるのよ! イライラするわね!』
ジュリア・ナイトメアはその傷を塞ぎ、背中から鞭を生み出し叩きつけようとする。
「安心しろ、もうお前はイライラせずにすむぜ」
その一撃をテラが剣で受け止め、反対の太刀で斬り飛ばした。
「考える必要もなくなる。心静かに……散れっ!」
そして接近すると剣で胴を貫き、太刀が肩から胸へと入って斬り裂いた。刃に纏う炎がタールを燃やしていく。
『何が心静かによ! 苦労して集めた部下をやられ、しかもこんな傷までつけられて! アタシの心は怒りに染まってるわよ!!』
切り裂かれた穴からジュリア・ナイトメアは鞭を何本も放ち、剣と太刀で受け止めるテラの身体を吹き飛ばす。
「手下を集めたところでお前自身がより強大にならない限り、集めた数以上の数ですり潰されるのがオチでしょうに……それが分からないから、お前は敗残者で落伍者なのでしょうね」
まるで我儘な子供のような愚かしい振る舞いをする敵を見てフィーアが呟く。
「フィーアは負けませんよ、お前のようなものには」
『また邪魔なのが現れた! 本当にイライラするわね!』
ジュリア・ナイトメアが鞭の腕を振り回すと、フィーアはバイクを走らせ躱しながら息を吸い込み、鋭い鞭の迎撃を掻い潜ってゆく。そして近づくと口を開けて吹雪のブレスを吐き出した。
『こんなもの!』
ジュリア・ナイトメアは片腕を壁のように広げて受け止め、腕が凍りつく。だが無事な方の腕を鞭にして振り抜きフィーアを両断しようとする。
「切断力と低視認性が驚異ですが……使い手がよくありませんね」
胴を薙ぐ一撃をフィーアはぐるっとバイクを逆さにして躱し、そのまま射程外まで走り抜けて追撃を逃れた。
『もう! もう! なんで真っ二つにされないのよ!』
イライラしながらジュリア・ナイトメアが追いかけて来る。それに対してフィーアは腕に内蔵されたマシンガンを展開して、フルオートでばら撒いて牽制した。
『もう! イラつく! 絶対に叩き斬ってやるから!』
それを弾きながらジュリア・ナイトメアは距離を詰めて来る。
「短気ですね。よくそれで手下が集まったものです」
呆れながらフィーアは大きく旋回して回避行動を取った。
「『新兵を教育する』、『強敵も倒す』、両方やらなくっちゃあならないのが『猟兵』の辛い所でござるね」
だがこれも仕事だと、エドゥアルトは行動に移る。
「これより脱出の実演をする! 下がって見ておけ!」
「了解です!」
自分に従う新人達に声をかけるとエドゥアルトは真っ直ぐに敵に突っ込む。
『今度は戦闘機? 大きいのはいい的よ!』
周囲を無差別に攻撃していたジュリア・ナイトメアは、軌道を変えて鞭を振り抜き、避けようとする戦闘機の翼を断ち、往復する鞭が戦闘機を両断した。戦闘機が爆発して吹き飛び宇宙に花火の如き光が咲く。だが直撃する前にエドゥアルトは緊急脱出装置を起動して外に飛び出していた。
(「やられたフリでござるよ……」)
爆炎に紛れて迷彩を施して宇宙と同化し、敵の背後へと忍び寄る。そして爆薬を素早くスリ渡し、タールの身体にねじ込んですぐに距離を取る。
『なによこれ!?』
遅れて腹に入った爆薬に気付くと、それを取り出そうと手で掴む。
「手遅れでござるよ」
エドゥアルトが起爆させ大爆発が起こる。敵の腹が吹き飛び胴が千切れ下半身が宙に漂う。
『アタシの美しいタールボディになんてことしてくれてるのよ!』
ジュリア・ナイトメアは上半身だけで鞭を振るいエドゥアルトを攻撃する
「おおっと、気づかれたでござるな」
慌ててエドゥアルトは攻撃を躱し、オートマチックライフルを撃って牽制する。
●消える闇
『こそこそと! 正面から戦いなさいよ! この意気地なし!』
不意打ちを受けたジュリア・ナイトメアは頭に血を上らせ、飛び散ったタールを集めて巨大な鞭を作って薙ぎ払おうとする。
「そう苛立って殺気を振りまいていれば、いつどこから攻撃が来るか丸わかりです。お前は暗殺者向きでは無いようです」
フィーアは殺気を読んで殆ど見えぬ攻撃を躱しながらバイクを走らせ、躱せぬ鞭はハンドガンの光線で凍らせて止める。
「さようなら。白銀の輝きの中に沈むが良いです」
そして目の前に迫ると吹雪を口からぶっ放す。ドラゴンの如きブレスが敵を包み込み全身を凍らせる。すると氷像の胸の部分が砕け、中でまだ凍っていなかったタールが槍のように飛び出した。
『ウザイ! お前が黒いタールの沼に沈めばいいのよ!』
フィーアの胸にタールが届く前にそれは砕かれる。
「おれが隙を作ってやる」
テラが鞭を斬り裂きながら飛び込んで肉薄し、刃を敵に突き立てようとする。すると敵はぐにゃりと体を曲げて躱した。
『その攻撃はさっき見たわよ! 何度もやられちゃたまらないわ!』
ジュリア・ナイトメアはそのままテラを捕まえようと鞭を剣と腕に絡ませる。するとテラは思い切り引っ張って敵を引き寄せ太刀で頭からばっさりと真っ二つに斬り裂く。その隙に身を離した。敵はまずは体をくっ付けようと動きを止めた。
「今だ!」
「隙ありだよっ!」
テラの作った隙を突き、高速詠唱しながらシルが突っ込み、火・水・風・土の精霊の力を集め魔力砲撃を放つ。眩い光が闇に溶けるようなタールを包み込み撃ち抜いた。
「やったかな?」
攻撃を放った体勢でシルが確認していると、光が過ぎ去ったところから黒いものが飛び出してくる。
『やられてないわよ! っていうかこっちがやる方でしょ!』
体をつるつるにして光線のダメージを減衰させたジュリア・ナイトメアが、一回り身体を減らしながらも飛び込んでくる。
「まだ動けるみたいだねっ」
シルは咄嗟に腕を動かして二刀を振るいジュリア・ナイトメアを斬り裂く。しかし斬られながらも敵は刃のような腕を振り上げた。だがそこで後頭部付近にある何かが手に当たった。
『なによ、まさかまた!?』
手を背中に伸ばしその何かを掴み手に取って見てみる。いつの間にかジュリア・ナイトメアの後頭部に爆薬が仕掛けられていた。
「また仕掛けさせてもらったでござるよ」
戦いのどさくさに紛れて爆薬を仕掛けたエドゥアルトがニヤリと笑ってスイッチを押すと爆発が起こり、ジュリア・ナイトメアの顔が破裂する。
『なんてことしてくれるのよーーー!』
もはや人の形を保っていないジュリア・ナイトメアが、周囲を鞭で薙ぎ払う。
「そのしぶとさが先の戦いを生き残った理由のようでござるな」
エドゥアルトは弾丸を叩き込んでその鞭を弾き飛ばす。
「でもこれで終わりです。砕け散りなさい」
そこへ突っ込みバイクをぶち当て撥ね飛ばしたフィーアが吹雪のブレスを吹きつけ、敵の全身を凍結させた。
『この、くらい――』
ピキピキと氷にひびが入り割れようとする。
「まだ抵抗しますか、その気力だけはひよっこたちにも見習わせたいところですが」
だがフィーアも吹雪を吐き続け氷を上から重ねていく。
「もう一度、今度はフルパワーだよっ!」
その隙にシルが闇を照らす魔力砲撃を撃ち出す。
『こんなことでぇ! やられるものか!』
氷から腕モドキが突き出てジュリア・ナイトメアは対抗してダークマターを放ち、エネルギーが激しくぶつかり合う。互いにエネルギーの放出に集中し動けぬ時間が生まれる。
「隙だらけだな。おれもとっておきを食らわせてやる――メテオブラストぉ!」
超重力を纏ったテラは急降下しながら、敵の脳天に踵落としを叩き込んだ。バキバキっと凍った頭らしき部位が砕け、放っていたダークマターが弱まる。
「いっくよーーっ!」
そこへシルがさらに力を込めて魔力を放出し、光が闇を呑み込んで貫いた。
『こんなああああぁ!!』
光が消えるとそこには塵一つ残ってはいなかった。
●兵士の顔
残党の掃討を終えた猟兵と新兵は宇宙船に帰投し、整列して並ぶ。
「よし、最後の教えでござる! 脱出時はコクピットや機体の危険箇所に攻撃が当たらないように致命傷を避けつつ、する時は迷わずするんでござるよ!」
エドゥアルトが最後に絶体絶命の場合の行動をレクチャーし、そしてこれで訓練は終わりだと告げる。
「はい! しっかりと覚えておきます!」
「ありがとうございました教官殿!」
新兵達が深々と頭を下げる。倒れるまでの訓練と、命の危険のある実戦。この二つが新兵達の顔つきを舐め切った新兵から、兵士のものへと変えていた。
「クソザコナメクジから多少は進化して見られる顔になったようですね。ですがそれでもまだ一人前とは呼べません。自分たちがひよっこだと自覚してこれからも鍛えなさい。いいですね」
「はっ! 了解であります! これからも我々は一人前の兵士になるべく鍛えます!」
フィーアの厳しい言葉に、すぐさま新兵達が返事をする。その姿はしっかりと教育の成果が表れているようだった。
「よく生き延びたなっ! だが……その様で次も生き延びられると思うか!?」
「はい! そうは思いません!!」
テラの言葉に疲れを見せていた新兵がビシッと背筋を伸ばして答える。
「なら……分かってるな?」
「はい! 一人前の兵士となるべく訓練に励みます!」
その言葉に満足そうにテラは頷いた。
「そうですよっ訓練を忘れずに、とくに慣れたころに油断しちゃダメだよっ!」
「はい!! 教官の言葉を忘れずに精進します!!」
続けてシルも増長しないように新兵に敢えて厳しい言葉をかける。その言葉には教え子を思いやる気持ちが籠っていた。それに応え新兵達も腹の底から返事をした。
他の猟兵達もしっかりと新兵達に教訓を述べ、聞く新兵は皆真剣な顔で誰一人だらけている者はいなかった。
「鍛えてくださった教官に敬礼!!」
一斉に新兵が敬礼し、立ち去る猟兵を見送る。その向けられた精悍な顔は鍛えられた兵士に相応しいものだった。
大成功
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