●新皇塚にて
「……ここにかの大叛逆者が封印されているのですね」
帝都大手町の一角、『新皇塚』に一人の少女の姿があった。狐耳と尻尾を持つ彼女は、帝都転覆を狙う影朧であった。
「かつて一時的にも帝都を征服したその力、再び振るってもらいましょうか」
彼女はそのために、この塚に封印された『ソウマコジロウ』を復活させようとしているようだ。
「……私はこれから魂魄解放のために集中します。邪魔されぬ様、近づく者は全て斬りなさい」
彼女の指示に従い、妖気を纏う刀たちが新皇塚周辺に散っていった。
●大叛逆者『ソウマコジロウ』
「大変だ! 我が予知によれば、新皇塚より大叛逆者の解放を狙って影朧共が暗躍しているぞ!」
グリモア猟兵の天御鏡・百々(その身に映すは真実と未来・f01640)は、集まった猟兵達にそう告げると、予知の内容を説明し始めた。
「敵の首魁は『鈴鹿姫』なる影朧だ。彼女は帝都転覆のための一手として、塚に封印されたソウマコジロウの魂魄の解放を目論んでいる」
ソウマコジロウは、僅か7日間とはいえ帝都制圧に成功したほどの恐るべき大叛逆者だ。彼は帝都を奪還した『不死の帝』によって処刑され、『ソノ魂幻朧桜ニ還ルコト能ハズ』の号令と共に、魂魄をこの塚に封印されている。
「もしも封印の解放が成れば一大事だ。疾く新皇塚へと向かい、鈴鹿姫を撃破してくれ」
魂魄が活性して怨念が漏れ出し始めているようだが、今ならまだ阻止は間に合うとのことだ。
「しかし、鈴鹿姫は封印解放の邪魔をされぬように、周囲に配下を配置しているようだな」
その配下とは『紅き妖刀』という宿主を操る妖刀だ。それらは本来新皇塚の監視をする帝都軍の兵士を操り、塚を防衛している。
「操られる兵士に罪は無い。なるべく刀だけを攻撃して、紅き妖刀を倒してほしい」
紅き妖刀が倒れれば、宿主はその時点で解放されるそうだ。そして紅き妖刀を突破すれば、鈴鹿姫との決戦となる。
「帝都を守るため、貴殿らの力を貸してほしい」
百々は猟兵達にそう頼むと、グリモアによる転移の準備に入るのであった。
夢幻
●マスターの夢幻です。
●章構成
1章:集団戦『紅き妖刀』
2章:ボス戦『鈴鹿姫』
3章:日常『猟兵達の願い』
第1章 集団戦
『紅き妖刀』
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POW : 人を喰らい、人を斬る
自身の【宿主の生命力】を代償に、【妖刀を装備し、身体能力を強化した宿主】を戦わせる。それは代償に比例した戦闘力を持ち、【達人級の剣術】で戦う。
SPD : 心を喰らう呪い
自身に【忌まわしき呪いのオーラ】をまとい、高速移動と【精神を蝕む呪いの刃】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ : 奥義:紅刃十連撃
【宿主を操り、必殺の奥義】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
👑11
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フィーナ・シェフィールド
アドリブ連携歓迎です
新皇塚の封印が解かれたら帝都も大騒ぎですが…鈴鹿姫、放っておけない名前ですね。
まずはその前に、捕らわれた帝都軍の兵士を救い出しましょう。
「誰も傷つけさせません!」
白い翼で空より舞い降りつつ、周囲にドローンを展開。
モーントシャインを纏わせたシュッツエンゲルのオーラ防御&盾受けで妖刀の攻撃を防ぎつつ、ツウィリングス・モーントから破魔と浄化の力を込めた演奏と歌声を放ちます。
「響け、聖なる旋律!」
『天秤の女神』の力で捕らわれた兵士の身体と魂を癒しつつ、妖刀に破魔の旋律を放ち、その存在そのものを浄化しましょう。
解放された兵士の方には無理せず後退していただき、鈴鹿姫の元へ急ぎましょう。
「新皇塚の封印が解かれたら帝都も大騒ぎですが……鈴鹿姫、放っておけない名前ですね」
事件の詳細を聞いたフィーナ・シェフィールド(天上の演奏家・f22932)は、すぐにグリモア猟兵によって新皇塚の付近へと転移した。そこで彼女は、塚を守るように帝都兵たちが布陣しているのを確認する。彼らは皆一様に目が虚ろで、禍々しい紅いオーラを放つ刀を手にしていた。鈴鹿姫と戦う前に、妖刀に操られる彼らの救出をせねばなるまい。
「誰も傷つけさせません!」
そしてフィーナは白き翼を羽ばたいて宙を舞うと、『シュッツエンゲル』を展開しつつ敵集団へと突っ込んでいった。
「アアアアアッ!!」
この侵入者に対して、妖刀は帝都兵を操り強力な連撃を放ってきた。それをフィーナは、月光の如きオーラを纏うシュッツエンゲルが展開するバリアによって防ぎ切った。もっとも、それでいつまでも守り切れるものではない。フィーナはすぐに交響詩『天秤の女神』を発動する。
「響け、聖なる旋律!」
フィーナの歌唱、そして『ツウィリングス・モーント』の奏でる演奏は、破魔の力を持って紅き妖刀達を浄化していく。
「グッ……ウオアアアッ!?」
その効果は抜群だ。妖刀達はその邪悪なる魂魄を浄化され、残るはただの刀のみ。帝都兵たちは精神操作に加えて無茶な動きを強要されたことでかなり疲労している様子だが、天秤の女神の力による慈愛の旋律が心身を癒しているため、大事にはならないだろう。
「これで大丈夫ですね……塚に急ぎましょう」
帝都兵たちを妖刀の支配より解放した彼女は、鈴鹿姫の元へと急ぐのであった。
大成功
🔵🔵🔵
水澤・怜
『ソノ魂幻朧桜ニ還ルコト能ハズ』…か
かつての己の愚行を思い出し一瞬苦々しい表情になるも
…帝都転覆という事態だけは絶対に避けなければ
生前がどうであれ、死者の墓暴きなどという暴挙もな
UCで発生させたメスは主に敵の奥義の妨害、回避の為に使用
避けきれぬ分は【見切り、第六感、咄嗟の一撃】で回避か【受け流す】
基本的に宿主への攻撃は避け刀を集中攻撃するが、上記対策でも劣勢を強いられると判断した場合のみ宿主の命に別状がない程度の【マヒ攻撃】を行い動きを鈍らせる
相手がUCを止められない隙に月白で【切り込み】妖刀をへし折る
解放した宿主が負傷していれば【救助活動】を
誰一人として死なせはしない…医者の端くれとして、な
「『ソノ魂幻朧桜ニ還ルコト能ハズ』……か」
新皇塚の近くに転移してきた水澤・怜(春宵花影・f27330)は、ソウマコジロウの封印された経緯と自身の過去と比べて苦々しい表情をする。怒りのまま癒し無く数多の影朧を斬った彼の行為は、果たして……。
しかし、それも一瞬のこと、彼はこの度の任務へと意識を向ける。
「……帝都転覆という事態だけは絶対に避けなければ。生前がどうであれ、死者の墓暴きなどという暴挙もな」
帝都転覆の企みは論外として、如何な大反逆者とて死後の安寧は守られるべきである。怜は鈴鹿姫を阻止するため、先ずはその周囲へ布陣する『紅き妖刀』との戦いに入る。
「さて、彼らは皆操られているだったか」
侵入者を排除すべく、帝都兵たちは怜に襲いかかってくる。その誰もが怪しげな刀を手にしている。これが彼らを操る妖刀だろう。そして怜は敵の連撃の機先を制し、『八千矛』によるメスを投擲する。
「グッ!?」
メスによる妨害で狙いがズレるも、『紅刃十連撃』途中で止められる技ではない。空ぶって大きな隙を晒す紅き妖刀に、怜は『月白』を手に切り込んでいく。
「狙うは妖刀のみだ!」
月白による攻撃で妖刀をへし折れば、すぐに帝都兵は正気に戻る。彼はそれを繰り返し、付近の紅き妖刀を全滅させた。
「誰一人として死なせはしない……医者の端くれとして、な」
帝都兵たちは消耗しているものの、命には別条なさそうだ。怜はそれを確認すると、ソウマコジロウの封印される塚へと足を進めたのであった。
大成功
🔵🔵🔵
比良坂・逢瀬
『紅き妖刀』に操られている帝都軍の兵士ですか
ふふ、正気でないというのが少し残念ではありますけれども
剣士としては、一度、帝都軍の方とは剣を交えて見たいと思っていました
新陰流剣士、比良坂逢瀬――参りますね
敵の高速移動は、此方も<残像>を生じさせるほどの高速移動――〈ダッシュ〉を用いて対抗いたしましょうか
放射される呪いの刃は、その全てを〈見切り〉、回避いたします
しかし、操られているとはいえ、流石は帝都軍の兵士ですね
なかなかの巧さ、そして速さです
それでは、私も少しだけ――本気を出しましょうか
刹那にして間合いを詰めて、微塵丸で、紅き妖刀を一閃いたします
これが縮地です
「あなたたちが『紅き妖刀』に操られている帝都軍の兵士ですか」
続いて比良坂・逢瀬(比良坂の剣姫・f18129)が敵集団との戦闘に入る。
「ふふ、正気でないというのが少し残念ではありますけれども、剣士としては、一度、帝都軍の方とは剣を交えて見たいと思っていました」
単純な戦闘力で言えば、妖刀に操られてる今の方が上だろうか。帝都兵たちは『心を喰らう呪い』によって、寿命を削る代わりに呪いのオーラを纏い、高速移動と呪いの刃の放射能力を得ているのだ。
「新陰流剣士、比良坂逢瀬――参りますね」
「アアアアアッ!!」
逢瀬と紅き妖刀が切り結ぶ。逢瀬は残像を生じさせるほどの動きで敵の速さに対抗しつつ、放射される呪いの刃の全てを回避してのける。
「なるほど、操られているとはいえ、流石は帝都軍の兵士ですね。なかなかの巧さ、そして速さです」
しかし、単純な技量のみでは、ユーベルコードを発動する敵になかなか攻撃の機会が得られない。
「それでは、私も少しだけ――本気を出しましょうか」
そして一瞬彼女の姿がブレたかと思えば、逢瀬は妖刀を一瞬にして切り捨てていた。
「これが縮地です」
ユーベルコード『地ヲ疾駆ル』、極められた歩法によって一瞬で距離を詰めた逢瀬は、『微塵丸』による一閃で紅き妖刀を両断したのであった。
大成功
🔵🔵🔵
御園・桜花
「今上帝が、封神台の様な事を処した方…?」
転生しても同じ事をするだろうと思わせる程今上帝と親しかった証の様で、ほんの少し羨ましくもある
「最前線で桜鋼扇を振り回すのが私の戦い方です。鍔迫りして叩き折って差し上げますとも!」
UC「精霊覚醒・戎」
時速750kmで飛行しつつ吶喊
接敵して桜鋼扇で紅き妖刀叩き折り女学生救出
敵の攻撃は第六感や見切りで躱すか、盾受けからカウンターに繋げて更に攻撃する
「叩き折られて道具としての道も失った貴方達ですけれど。真に剣の道を極めたいなら、次は刀でなく人に転生していらっしゃい。振るわせるのでなく、自ら振るう方が、貴方達の望みも叶いやすいと思います」
転生願い鎮魂歌歌い送る
「今上帝が、封神台の様な事を処した方……?」
新皇塚の付近へと転移した御園・桜花(桜の精のパーラーメイド・f23155)の呟きには、ソウマコジロウへの少々の嫉妬のような色が含まれていた。転生を認めず封印したことは、考えようによっては転生しても同じ事をするだろうと思わせる程今上帝と親しかった証とも言える。少なくとも桜花は、そう考えていた。
ともあれ、任務としてはそのソウマコジロウの封印解放の阻止だ。塚へと進む彼女は、その周囲に帝都兵が布陣しているの見つけた。その目は一様に虚ろで、紅き妖刀に操られていることが見て取れる。
「最前線で桜鋼扇を振り回すのが私の戦い方です。鍔迫りして叩き折って差し上げますとも!」
桜花は『精霊覚醒・戒』を発動してその身を精霊化すると、飛行して帝都兵に突貫する。
そしてその勢いのままに、『桜鋼扇』で紅き妖刀を叩き折った。
「ッ! アアッ!」
先制攻撃は上手くいったものの、残る敵が『心を喰らう呪い』を発動して襲い掛かってくる。そのスピードはかなりのものだが、相手が悪かったか。
「速攻で片付けましょう!」
精霊覚醒・戒には、触れた武装を破壊する効果がある。受けられただけでも破壊されるとなると、妖刀は迂闊に攻め込めない。仲間が破壊されたのを見て、呪いの刃の放射に切り替えようにももはや遅い。その場の紅き妖刀は桜花によってすべて破壊されたのであった。
「叩き折られて道具としての道も失った貴方達ですけれど。真に剣の道を極めたいなら、次は刀でなく人に転生していらっしゃい。振るわせるのでなく、自ら振るう方が、貴方達の望みも叶いやすいと思います」
妖刀達も影朧である以上、転生するはずだ。桜花は彼らに向けてそう言うと、転生を願って鎮魂歌を歌うのであった。
大成功
🔵🔵🔵
飛・千雨
SPD アドリブ連携歓迎
帝都転覆など、そのような凶行は見過ごせませんね。
無辜の人々を守るために……未熟ながら、この力をお貸ししましょう。
帝都の兵士の方を操るとは……人質のような形になりますね。
もちろん、彼らもこの帝都の民。救わなくてはなりません。
今、助けます。
『桃鉤縄』と『兀突刀』を加速形態に変形させ、高速飛翔で対応します。
忌まわしき呪いのオーラも、桃源郷の桃の花を摘み集めた『桃鉤縄』を用いれば拘束することは適うでしょう。
動きを留めることができたならば、『兀突刀』を振り上げて紅き妖刀の刀身に狙いを定めて複数回攻撃を叩き込みます。
大事はないようであれば何よりです。あとは、私たちにお任せください。
続いて飛・千雨(偽神宝貝の使い手・f32933)が、塚を狙う影朧を阻止するためにこの場へと転移してきた。
「帝都転覆など、そのような凶行は見過ごせませんね。
無辜の人々を守るために……未熟ながら、この力をお貸ししましょう」
そして塚へと向かう彼女であったが、その前に数人の帝都兵が立ち塞がる。呪いのオーラを纏う彼らは、手にする紅き妖刀によって操られているようだ。
「帝都の兵士の方を操るとは……もちろん、彼らもこの帝都の民。救わなくてはなりません」
人質兼戦力として、敵にとっては一石二鳥である。この悪辣な策を、千雨は正面から打ち破っていく。
「今、助けます……神器変形!」
「ウグッ!」
千雨は高速で移動する帝都兵を加速形態に変形させた『桃鉤縄』にて拘束する。多少速かろうとも、この桃源郷の桃の花を摘み集めて作られた宝貝からは逃れられない。
「忌まわしき刀よ、ここで滅びるのです!」
「ギァアアアアアッ!」
そうして動きが止まった相手、その妖刀の刀身に狙いを定めて、千雨は『兀突刀』の連続攻撃を叩き込む。紅き妖刀はそれに耐えきれず、悲鳴を上げてへし折られた。残りの敵も同様に片付ければ、帝都兵たちは全て解放された。多少憔悴はしているものの、全員無事だ。
「大事はないようであれば何よりです。あとは、私たちにお任せください」
千雨は帝都兵たちにそう告げると、塚へと急ぐのであった。
大成功
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第2章 ボス戦
『鈴鹿姫』
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POW : 大三元
霊力を帯びた【妖刀の太刀】で斬る。対象にこの斬撃を防ぐ装備や能力があれば、全て無効化し、更に威力を増大する。
SPD : 九蓮宝燈
自身の【尾】から、自身の技能どれかひとつを「100レベル」で使用できる、9体の【影朧(かげろう)】を召喚する。
WIZ : 国士無双
かつて喰らった「【幻朧桜(げんろうざくら)】」の魂を纏い、2倍ダメージ・2回攻撃・自動反撃を有した【桜の精のオブリビオン】を装備する。
👑11
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紅き妖刀を倒した猟兵達は、新皇塚へと辿り着いた。塚からは邪悪な気配が漏れ出しているが、未だ完全には解放されていないようだ。
「今少しの時間があれば、解放が成ったというのに……もうここまで辿り着いてしまいましたか」
かぶりを振った鈴鹿姫は、妖刀を抜いて猟兵達に向き直る。
「ソウマコジロウ様、封印解放の邪魔をする者どもを、共に消し去りましょう」
鈴鹿姫の呼びかけに答えるかのように、塚から強烈な怨念が放たれた。それは刃となりて猟兵へと振るわれる。猟兵達はこのソウマコジロウの怨念の刃に対処しつつ、鈴鹿姫との戦いに臨むことになる。
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・鈴鹿姫との戦いでは、塚から漏れ出す「ソウマコジロウの怨念」によって、『強制改心刀に似た、肉体を破壊せず【影朧や新皇への敵意】だけを破壊する攻撃』を受け続けることになります。
・これに対処するとプレイングボーナスです。
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比良坂・逢瀬
剣士の性でしょうか
強者との死合いは愉しいものですね
新陰流剣士、比良坂逢瀬――参ります
召喚される影朧は、そのどれもが素晴らしい技量を有していますね
単純な技量のみならば、私と互角と見ました――もっとも、一芸だけのようですけれども
〈ダッシュ〉と〈ジャンプ〉を織り交ぜた縦横無尽の高速起動をもって、常に足を止めずに、敵を翻弄するように立ち回ります
ソウマコジロウの怨念ですが、刃となるほどに強烈な怨念であれば、逆に攻撃を〈見切り〉易くなるというものですね
私は〈霊的防護〉にも長けていますので、それが実体のない刃であれば、仮に斬られたとしても被害は軽微で済みそうです
愛刀、微塵丸をもって、鈴鹿姫と影朧を斬ります
「『九蓮宝燈』……さあ、行きなさい」
『鈴鹿姫』は自身の尾より、9体の影朧を呼び出した。剣、槍、弓……様々な武器を手にするそれらが、一斉に逢瀬へと襲い掛かってくる。
「新陰流剣士、比良坂逢瀬――参ります」
多勢に無勢、さらには怨念の刃の存在もある。そんな状況だというのに、彼女の口元には笑みが浮かんでいた。それは剣士としての性か、逢瀬はこの強者との死合いを愉しんでいた。
「素晴らしい技量……単純な技量のみならば、私と互角と見ました――もっとも、一芸だけのようですけれども」
刀の影朧の放つ鋭い『居合』、それに合わせて放たれる槍の『急所突き』、更に後方から援護する弓の『牽制攻撃』と、9体それぞれが確かな技量で攻め立ててくる。しかし、技能は複合してその本領を見せる。少しも足を止めずに縦横無尽に戦場を駆け巡る逢瀬を、影朧たちの攻撃は捉えることができない。唯一素早い『ダッシュ』を見せる短剣の影朧が追い縋るも、その攻撃は軽すぎる。
『オオオオオッ!!』
「何と禍々しい……ですが、その分わかりやすいですね」
そして塚より放たれる怨念の刃、それだけ強烈なものであれば、逆にその予兆はわかりやすい。彼女は危なげなくそれを回避すると、『微塵丸』を抜いて反撃に出る。
「防御の技量が無ければ、攻められれば弱いものです」
「なっ!? こうもあっさりと……!」
霊力の込められた斬撃が影朧たちを切り捨てる。そして九蓮宝燈を破られた鈴鹿姫へと、逢瀬が迫る。
「くっ……きゃあああっ!」
「私の微塵丸が通らぬ物は、此の世に存在しません」
『刀デ斬撃ル』、その斬撃を防ぐ手立ては存在しない。咄嗟の防御も無効化され、微塵丸が鈴鹿姫を切り裂いたのであった。
大成功
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水澤・怜
かつての俺であれば怨念の格好の餌食でであっただろうな
だが、今は…
影朧を討つのは己の贖罪の為
新皇も…他人の力を借りて復活を遂げたとて所詮は御飾り
結局いいように祀り上げられて…利用されるだけだ
…とはいえ、いくら【呪詛耐性】があれど完全に新皇の怨念を抑え込むことは不可能だろう
不利であることには変わりはない…長期戦を仕掛ければジリ貧になるのは確実
可能な限り【先制攻撃】を狙いUCを発動し【ダッシュで斬り込む】
【二回攻撃、急所付き】で近接戦での短期決戦を挑む
反撃は【第六感、見切り、受け流し】で回避するか、避けきれない分は【オーラ防御】
喰らわれた幻朧桜に滅んだ故郷の面影を重ねて
…同胞の魂は、返してもらうぞ
『オオオオオン!!』
塚より『ソウマコジロウ』の怨念が溢れる中、怜は塚の方へと語りかける。
「他人の力を借りて復活を遂げたとて、所詮は御飾りでしかない。結局いいように祀り上げられて……利用されるだけだ」
結局のところ、『鈴鹿姫』は帝都転覆のために封印されし新皇を利用しているだけだ。もっとも解放を望むソウマコジロウにとって、その辺りのことは関係ないようだ。怨念の刃が、解放の邪魔をする怜へと飛んで来た。
「かつての俺であれば怨念の格好の餌食でであっただろうな。だが、今なら……」
多少なりとも呪詛への耐性を獲得しているため、即座にやられるということは無いだろう。とはいえ、時間をかければジリ貧になるのは明らかか。
「何を言おうと無駄です。そして、あなたたちはここで死ぬのです」
そうしている間に、鈴鹿姫も『国士無双』を発動し万全の準備を整えていた。幻朧桜の魂を纏う彼女は、様々な効果で強化されている。
「魂を冒涜するような真似を……!」
ここで先に仕掛けたのは怜であった。元より長期戦が不利ならば、一気に決めに行くしかない。『月白』で斬りかかる彼を、自動反撃効果を得ている鈴鹿姫は、余裕の表情で迎撃する。
「なっ!?」
しかし、強化されているはずの鈴鹿姫の反撃は空を斬り、怜の攻撃が彼女を切り裂いた。このありえない状況に、鈴鹿姫の顔が驚愕と痛みに歪む。
「『布都御魂』……同胞の魂は、返してもらうぞ」
不利な状況での怜のユーベルコードによる強化は、鈴鹿姫のものを凌駕していた。喰らわれた幻朧桜に滅んだ故郷の面影を重ねた彼は、それを取り戻すために刃を振るうにであった。
大成功
🔵🔵🔵
御園・桜花
※妄言頓痴気節
「慕う方を蘇らせたいと言う気持ちは分かります。けれど、貴女の愛と今上帝の愛、何方が深いかと言えば、今上帝の愛だと思うのです」
微笑
「本質を失わなくても、転生すれば記憶は失われます。一欠片の記憶すら失うのを惜しむならば、死者を転生させず封じるしかありません。ならば新皇を1番愛し慈しんでいるのは今上帝です。新皇の封印を解くのは、貴女でも私でもなく、今上帝であるべきです。故に私は、貴女の望みを遮ります」
「当たれば斬られる。ならば全て避ければ良いのでしょう?」
吶喊
零距離で浄化と火炎属性乗せた桜鋼扇で乱打
敵の攻撃は第六感や見切りで躱す
「私は、今も深く今上帝に想われる新皇がとても羨ましいです」
「慕う方を蘇らせたいと言う気持ちは分かります。けれど、貴女の愛と今上帝の愛、何方が深いかと言えば、今上帝の愛だと思うのです」
「? 何を言って……?」
朗らかに微笑みつつも半ば妄想じみた自論を語る桜花に、『鈴鹿姫』は困惑気味だ。そもそも、ソウマコジロウの解放からして、鈴鹿姫にとっては帝都転覆のための手段に過ぎない。
「本質を失わなくても、転生すれば記憶は失われます。一欠片の記憶すら失うのを惜しむならば、死者を転生させず封じるしかありません。ならば新皇を一番愛し慈しんでいるのは今上帝です」
桜花は持論の根拠を並べるものの、正直なところそれは根拠に乏しいと言わざるを得ないか。
「新皇の封印を解くのは、貴女でも私でもなく、今上帝であるべきです。故に私は、貴女の望みを遮ります」
「……つまり、私の邪魔をするということですね」
頓痴気な言動はさておいて、敵対するならば容赦はしないと、鈴鹿姫は『大三元』の構えを見せる。しかし、防御を無視する凶悪なそのユーべルコードにも臆さず、桜花は鈴鹿姫へと『桜鋼扇』を手に吶喊する。
「当たれば斬られる。ならば当たらないようにすれば良いのでしょう?」
「くっ……!」
『桜鋼扇殴打・強』によって、炎を纏う鉄扇が殴打するたびに鈴鹿姫は吹き飛ばされて強制的に距離を取らされる。時折塚より放たれる怨念の刃も、桜花はしっかり見切って回避していた。
「ああ……私は、今も深く今上帝に想われる新皇がとても羨ましいです」
「この帝狂い……実力が伴うだけに、始末に負えませんね」
言動こそ何処かズレていても、桜花は着実に鈴鹿姫を追い詰めていた。
大成功
🔵🔵🔵
飛・千雨
SPD 諸々歓迎
ソウマコジロウの復活は阻ませてもらいましょう。
帝都もあなたの手に奪わせはしません。
あなたの配下に操られた兵士の方々の分も、応報させていただきます。
全霊をもって、挑みましょう。
刀の間合いに踏み込まれないよう空中を浮遊して攻撃準備を行います。
迫られたなら『藤甲盾』にてUC発動の猶予を稼ぎます。
もし敵意を攻撃されたとしても……無差別攻撃なら関係はないでしょう!
この場に庇護する民間人がおらず、敵たる鈴鹿姫しかいないのであれば。
躊躇する余地は一切ない。
神器変形。ストーム・ランページ!
巨大化した『木鹿振鈴』から巨大な嵐を生み出して、九蓮宝燈から召喚された影朧諸共薙ぎ払ってみせましょう!
「封印の解放さえ成れば、ソウマコジロウ様が帝都を蹂躙してくださるというのに……」
塚より魂魄の解放を企む鈴鹿姫を阻止すべく、猟兵達は全力を尽くす。続いて戦うのは、千雨だ。
「ソウマコジロウの復活は阻ませてもらいましょう。帝都もあなたの手に奪わせはしません」
羽衣人たる彼女は空中を浮遊しながら攻撃準備を整える。
「加えて、あなたの配下に操られた兵士の方々の分も、応報させていただきます」
帝都転覆の阻止はもちろんだが、先ほど使い捨ての如く帝都兵を操っていたことも許せない。その報いを受けさせる時である。
「帝都の犬がこちらを守る。いい余興だったでしょう? さあ、そろそろ消えてください。『九蓮宝燈』!」
鈴鹿姫は反省するどころか嘲笑すると、自身の尾より9体の影朧を呼び出した。それらはどれも一芸に秀でた厄介な敵だ。
「……容赦する意味も無いようですね。神器変形。『ストーム・ランページ』!」
非道極まる相手に、慈悲も容赦も必要無し。また、この場には庇護する一般人も存在しない。そこで千雨は『木鹿振鈴』を巨大化させると、敵へと向けて思いっきり薙ぎ払った。一撃、二撃、三撃、ハンドベル型の木鹿振鈴は大嵐を巻き起こし、影朧ごと鈴鹿姫を薙ぎ払った!
「っと、油断大敵ですね」
強烈な攻撃の隙をつくかのように、塚から怨念の刃が飛んできていた。千雨は上手く『藤甲盾』で防いだものの、これほど活性化しているとなれば、鈴鹿姫を倒した後の再封印も骨が折れそうだ。
大成功
🔵🔵🔵
フィーナ・シェフィールド
アドリブ連携歓迎です。
鈴鹿…わたしの大切な人と同じ名を持つ貴女。
わたしには、どうしても放ってはおけません。
これ以上罪を重ねることなく、せめて幻朧桜の元で生まれ変わってください!
オーラを纏ったドローンを味方も含めて守るように展開。結界を形成して攻撃を防ぎつつ、鈴鹿姫と喰われ囚われた幻朧桜の魂に向けて、【傷ついた魂に捧げる輪廻の唄】を歌います。
「もうこれ以上戦わないで…!」
影朧となった悲しい魂に向け、慈愛の想いをもって、浄化と破魔の力を込めた歌声で、相手の存在そのものに呼びかけます。
相手への敵意は元より無く。
ソウマコジロウの怨念の影響を受けることでむしろ、わずかな敵意も消され、ただ鎮め、癒され、転生して欲しいと言う想いのみを持って対峙します。
無事戦い終えたら、消えていく鈴鹿姫の姿を見送ります。
「…運命が微笑みかけてくれたら。いつかまた、きっと巡り合えるわ」
幻朧桜の元へ還った魂たちに向け、心を込めて祈りの唄を捧げます。
「このまま何も為せずに消えるわけには……」
猟兵達の攻撃を受け、鈴鹿姫の撃破まではあと一息といったところだ。だが、彼女は未だに諦めることなく、帝都を害するべく、企みの邪魔をする猟兵と戦い続ける。
「鈴鹿……わたしの大切な人と同じ名を持つ貴女。わたしには、どうしても放ってはおけません」
そんな鈴鹿姫との決着をつけるべく、フィーナがその前に進み出る。彼女はオーラを纏ったドローンを展開、結界を形成して防御を固める。
「『国士無双』……幻朧桜よ、私に従いなさい」
そこに、桜の精のオブリビオンを装備して自身を強化した鈴鹿姫は襲い掛かってくる。その火力の前に、結界も長くは持たないだろう。しかしその間に、フィーナは影朧となった悲しい魂に向け、慈愛の想いをもって、浄化と破魔の力を込めた歌声で、相手の存在そのものに呼びかけます。
「もうこれ以上戦わないで……!」
フィーナの『傷ついた魂に捧げる輪廻の唄』は、鈴鹿姫の影朧としての存在そのものを攻撃する。その効果は抜群で、纏う桜の精のオブリビオンは消失し、鈴鹿姫も苦しんでいる。
「うぐっ……やめてください。私は、帝都に災厄をもたらして……」
このままいけば、倒しきることができそうだ。しかし、それを良しとはしない塚より、怨念の刃が放たれる。
『オオオオオン!!』
しかし、それはフィーナに何ら影響を与えることもなく彼女を通過した。フィーナには元より敵意などないからだ。むしろこれで僅かな敵意すら消え失せて、鎮め、癒され、転生して欲しいと言う想いが、歌声をさらに強化する。
「あああっ……!」
「これ以上罪を重ねることなく、せめて幻朧桜の元で生まれ変わってください……」
そして遂に、消耗していた鈴鹿姫の体力が尽き果てた。帝都転覆を狙った影朧は倒され、これでこれ以上塚の封印が解放されることは止められた。
「……運命が微笑みかけてくれたら。いつかまた、きっと巡り合えるわ」
鈴鹿姫の姿を見送るフィーナは、幻朧桜の元へ還った魂たちに向け、心を込めて祈りの唄を捧げるのであった。
大成功
🔵🔵🔵
第3章 日常
『猟兵達の願い』
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POW : 健康などを願う
SPD : 恋愛などを願う
WIZ : 平和などを願う
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鈴鹿姫を倒し、これで一件落着……ともいかない。彼女が倒れたことで攻撃までには至らぬものの、塚からは未だにソウマコジロウの怨念が溢れ出している。これを鎮めて、ようやく事件は完全に収束するだろう。
この荒ぶる魂を鎮めるためには、周囲に咲き乱れる幻朧桜の力を借り、『儀式』を執り行う必要がある。儀式といってもそれは簡単だ。ただ幻朧桜の花びらを握って、塚へと鎮魂の祈りを捧げれば良い。数人がそれを行えば、魂魄は鎮められ、再封印が叶うだろう。
フィーナ・シェフィールド
アドリブ歓迎です。
消えていく鈴鹿姫を見送った後、幻朧桜の花びらを手にとって、塚に向き合います。
「これほどの怨念…強い想いがあるのですね…」
先ほど歌った輪廻の唄は転生を願う歌ですが、幻朧桜の元へ逝くことを禁じられているソウマコジロウに向けて歌うのは心苦しいものがありますし、攻撃としてのユーベルコードの力は込めず、ただ祈りの歌として『散りゆく者への子守唄』を歌い、溢れている怨念を浄化していきます。
「今はまだ、許されないとしても、いつか…」
永き時の先に、世界に還ることができると良いのですけど…。
静かに心を込めて、鎮めの歌を歌い続けます。
いつまでも平和な時代が続きますように、と。
フィーナは消えゆく鈴鹿姫を見送った後、幻朧桜の花びらを手に取ると、未だに怨念を溢れさせている塚へと向き合った。
「これほどの怨念……強い想いがあるのですね……」
一体何を考えてソウマコジロウが反逆を為したのかは不明である。しかし、それを再びこの時代に再現されるというのは看過できない。この塚の怨念を鎮めるため、幻朧桜を通じての儀式行う必要がある。
先ほど鈴鹿姫との決着に使った輪廻の唄でもこの場は収められるかもしれないが、転生を願うその唄を幻朧桜の元へ逝くことを禁じられているソウマコジロウに向けて歌うのは心苦しいものがある。そこでフィーナは別の唄、『散りゆく者への子守唄』を歌うことにした。
「今はまだ、許されないとしても、いつか……」
永き時の先に、彼が世界に還ることができることを願い、フィーナは怨念を浄化していく。本来は破魔と浄化で攻撃を行うユーベルコードではあるが、いま彼女は単に祈りの歌としてそれを歌っていた。
「いつまでも平和な時代が続きますように……」
その祈りは幻朧桜を通じて届いたようだ。塚から溢れる怨念は、幾許かだが弱くなった様子だ。
大成功
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水澤・怜
………(幻朧桜の花弁を握り、ゆっくりと塚へと歩を進める)
俺の故郷は影朧によって滅ぼされた
当時、医大への進学で故郷を離れていた俺は助かった
故郷も、友人も家族も失い…ただ一人、俺だけが
俺は怒りのまま影朧を斬り続けた。何もかもを奪った影朧が憎かった
貴殿がかつて何を思い、帝都を制圧したのかは俺には分からん
だが俺と同じような悲劇を、愚行を…繰り返して欲しくはない
目の前で同じ過ちを犯そうとする者を…無視することはできない
帝都の為にも…貴殿の為にも
桜の精であるにもかかわらず、かつて愚行を犯した俺が鎮魂を祈るのはおかしなことかもしれない
…それでも
どうしても…ほおってはおけないんだ(目を閉じ、祈りを捧げる)
「………」
続いて幻朧桜の花弁を握った怜が、ゆっくりと塚へと歩を進めていく。その表情は彼が複雑な気持ちを抱えていることを物語っていた。
ここで怜の経歴を振り返ろう。彼の故郷は影朧によって滅ぼされてしまった。しかし、当時、医大への進学で故郷を離れていた怜はそれに巻き込まれることなく助かった。だが故郷も、友人も家族も失い、ただ一人生き残ってしまった彼は、何もかもを奪った影朧へとその憎しみを向ける。そして怜はただ怒りのまま影朧を斬り続けたのである。
「貴殿がかつて何を思い、帝都を制圧したのかは俺には分からん
だが俺と同じような悲劇を、愚行を……繰り返して欲しくはない
目の前で同じ過ちを犯そうとする者を……無視することはできない
帝都の為にも……貴殿の為にも」
桜の精であるにもかかわらず、かつて愚行を犯した怜が鎮魂を祈るのはおかしなことかもしれない。だが……それでも、どうしても。自らに重なる部分のあるソウマコジロウのことを、怜は放っておけなかった。
「………」
そして目を瞑った怜は、幻朧桜を通じてその祈りを塚に届けるのであった。
大成功
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御園・桜花
※妄言頓痴気節再び
「今上帝の想い人…何て羨ましい」
だって貴方は
今上帝の御尊顔を知っているではないですか
「貴方を目覚めさせるのは、貴方を眠らせた今上帝であるべきです。貴方が目覚めるには、必要とされるべき方が未だ此の地に居りません。どうか今暫くのお眠りを」
そして其の時は、どうか私も今上帝に
見える機会を得られますよう
UC「魂の歌劇」
幻朧桜の花弁握り締め儀式へ
新皇の故郷が確認出来れば其の地の民謡や子守唄含め春の歌、童歌、民謡、子守唄、国家、鎮魂歌を繋げて歌い続ける
鎮まる迄1日は歌い続ける覚悟で臨む
貴方が本当に目覚めるべき時が来たら
どうか私にも立ち会う機会を下さい
其れ迄
どうか此の地でお眠りを
「今上帝の想い人……何て羨ましい」
ソウマコジロウを鎮め封じる段に至っても、桜花はこれまでと同じ調子で、彼に少々の嫉妬心を滲ませていた。彼女はこれまでの因縁からそう判断したようだが、些か妄想が激しいか。そして何より、ソウマコジロウが桜花も知らぬ帝の顔を知っているであろうことが、羨む重要なポイントらしい。
「貴方を目覚めさせるのは、貴方を眠らせた今上帝であるべきです。貴方が目覚めるには、必要とされるべき方が未だ此の地に居りません。どうか今暫くのお眠りを」
ともあれ、ここで帝によらず勝手に復活することは許されざることであると、桜花は儀式を始めるのであった。
「~~~♪」
幻朧桜の花を握りしめた桜花は、『魂の歌劇』を歌いつつ鎮魂の祈りを捧げる。その歌詞は民謡や子守唄、鎮魂歌と、怨念を鎮め眠らせるためのものであった。理由はともかくとして、祈りは幻朧桜を通じて怨念を鎮めていく。
「貴方が本当に目覚めるべき時が来たら、どうか私にも立ち会う機会を下さい。
其れ迄、どうか此の地でお眠りを……」
桜花の本心は前半部な気はするが、再封印が成ればこの場は収まる。怨念も大分弱まってきたので、あと一息といったところだろう。
大成功
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飛・千雨
WIZ アドリブ連携歓迎
争い事はこれにて仕舞いですね。お疲れ様でした。
あとは、荒ぶる怨念を鎮めるだけですね。
完全に復活していない状態でも、これほどの圧を発する相手……ええ、最後までお付き合いいたします。
微力ながら、助力させていただきます。
幻朧桜の花びらを握り、風に舞いながら祈りを捧げます。
どうか、穏やかな時を過ごせるように。
この帝都で生きる方々に、平和がありますように、と……。
……しかし、ソウマコジロウとは、如何なる存在なのでしょうか。
何故反逆を起こしたのか、なぜ幻朧桜に還ることを許されないのか。
七百年前に何があったのか……。
「あとは、荒ぶる怨念を鎮めるだけですね。最後まで、微力ながら、助力させていただきます」
争い事は終わり、残るはソウマコジロウの怨念を鎮めて再封印するだけだ。他の猟兵に続いて、千雨も儀式に参加する。彼女はふわふわと風に舞いながら、幻朧桜の花びらを握って祈りを捧げる。
「どうか、穏やかな時を過ごせるように。
この帝都で生きる方々に、平和がありますように……」
彼女の祈りを受け、遂にソウマコジロウの怨念もおさまった様子だ。塚は元の静かな様子を取り戻した。これにて一件落着である。
「……しかし、ソウマコジロウとは、如何なる存在なのでしょうか?
何故反逆を起こしたのか、なぜ幻朧桜に還ることを許されないのか。七百年前に何があったのか……」
事件は解決したものの、いろいろと謎が残る結果となった。完全に復活していない状態でも、これほどの圧を発する相手である。それだけの力を持ちながら、いかなる理由で帝へと逆らったのであろうか……。
サクラミラージュにはソウマコジロウの件以外にも、様々な謎がまだ残っている。今後の任務を通じて、それを解き明かしていきたいものだ。
大成功
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