バトル・オブ・オリンピア⑥〜呼び覚ませ、その正義
●押し寄せる悪の手
『クックック……どいつもこいつも情けないもんだぜ』
アスリート対ダークリーガーの、これまでの野球対決を締めくくる『ベースボール・ファイナルリーグ』。バトル・オブ・オリンピアが開幕してからというもの、凄腕アスリートこと猟兵たちを擁したアスリートチームが破竹の快進撃を続け、ダークリーガーチームを圧倒するという展開になっていた。
『相手が助っ人を呼ぶなら、こっちも呼べばいいだけじゃねえか――
どんな手を使ってでもよぉ』
ダークリーガーチームの、愛らしいマスコットであったはずの存在が、邪悪そのものの発言をぶちかます。何ということだろう、そういうのは本来フロント側が考えることでは?
『俺はやるぜ、勝ってみせるぜ! 何せ俺のチームのバックは歴史ある大企業だからな!』
不穏! 果てしなく不穏!
果たして、猟兵たちは金の力という暴力に打ち勝つことができるのか――!?
●それさえも打ち倒して
グリモアベースの一角で、ニコ・ベルクシュタイン(時計卿・f00324)が野球のレプリカユニフォームを着た姿で素振りをしていた。危ないから止めなさい。
「おお、皆。待っていたぞ、早速で申し訳ないのだが、野球の時間だ」
また!? という顔になる猟兵たちを差し置いて、ニコはキリリとした表情になると、毎度のごとく一枚のホロビジョンを中空に展開して映像を表示させた。
「ベースボール・ファイナルリーグの余興――であったはずなのだが、どちらかと言えばこちらの方が有名になってしまった『ホームランダービー』に向かって貰いたい、という頼みなのだが……」
ホロビジョンに映る対戦相手の姿を見て、幾人かの猟兵が訝しむような表情をした。
そうだろう、そうだろうとニコも難しい顔で説明を再開した。
「今回勝負を挑んで来たのは、元々はチームのマスコットであった『邪悪ラビット』くんだ。自分が所属するチームのホームグラウンドで、有り余る資金力と空調設備の操作などによる様々な妨害行為を魔球と称して、此度のホームランダービーに強引に勝利しようとしている」
元々は可愛らしいウサギのマスコットだったのだろうが、今となってはその面影がむしろ恐ろしさを際立たせているという皮肉さを醸し出している、邪悪ラビットくん。
そんなマスコットが、手段を選ばず乱獲してきた名選手を召喚したり、ドーム球場の空調設備を操作して投球を魔球にしたり、ホームラン判定さえも覆そうとするのだからとんでもない。
「そんなの……野球じゃない!」
「ああ、とても野球とは言えないな」
その言葉を待っていた、とばかりに、ニコは猟兵たちに向き直って、改めて一礼した。
「俺達猟兵――凄腕アスリートに出来るのは、正々堂々と立ち向かって正面から邪悪ラビットの目論見を打ち砕く事しかない」
幸い、ホームランダービーのルールは単純明快、最終的にはスタンドにボールを叩き込めば良いだけだ。相手がルール無用だというのならば、こちらもそうさせてもらうまで。
「苦戦を強いられるかも知れないが、重要なのは心意気だ。邪悪ラビットくんのやり方では決して勝利など得られないと、そのバットを以て教えてやって欲しい」
そう言うと、ニコは虹色の星形のグリモアを輝かせる。
転移先は、歴史と伝統のある完全ドーム型球場だった。
決戦の舞台となるこのドームで、見事ホームランを量産してきて欲しい……!
かやぬま
えっ!? この宿敵よく通りましたね! という心地のかやぬまです。
折角なので、対戦よろしくお願いしますということで登場していただきました。
明らかに邪悪なので、正々堂々と立ち向かって行きましょう!
●プレイングボーナス
『敵の魔球をホームランする』
POWで召喚されるのはピッチャー一人です、ご安心下さい。魔球の種類に指定があれば、プレイングに記載していただければ、多分その球種で勝負してくれると思います。
SPDは、投球の行方が見極めづらくなると認識していただければ良いかなと思います。ただ「見切る」だけではちょっとダメかも知れません。ユーベルコードも活用して、頑張って下さい!
WIZは、口プロレスを挑んで「今のは絶対ホームランだった!」と納得させるか、ぐうの音も出ない程にホームランだったと見せつけるかすれば大体どうにかなります。
●プレイング受付について
断章はありません、オープニングが公開され次第受付を開始します。
なるべく書けるだけ書かせていただければとは考えておりますが、プレイングの集まり次第では早期に受付を終了する可能性もあることだけ、申し訳ありませんがご容赦下さい。
技能につきましては、ただ羅列するよりも、その技能で何がしたいかを明記いただいた方がカッコ良く活躍できるかと思います!
それでは、正々堂々と試合開始です! 君の正義を呼び覚ませ!
第1章 ボス戦
『邪悪ラビット』
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POW : 賛否両論! 金満チームの本気
自身の【所属チームが誇る潤沢な強化資金 】を代償に、1〜12体の【強奪した他チームの主力選手】を召喚する。戦闘力は高いが、召喚数に応じた量の代償が必要。
SPD : 都市伝説? ドームゲイル
戦場全体に【魔改造した空調設備から放たれる強風 】を発生させる。敵にはダメージを、味方には【風向き自由自在な強風の後押し】による攻撃力と防御力の強化を与える。
WIZ : 贔屓判定!? 邪悪アンパイア
戦場内の味方の、10秒以内の【自軍に不利な判定 】を無効化する。ただし、自身の幸福な記憶ひとつを心的外傷に改竄する。
👑11
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ティエン・ファン
邪悪ラビット、略してジャビ……
怒られそうだからやめとこうか!
まあそんなこと言っといて、去年はうちの贔屓と仲良くBクラスだったよね!
は?「うちは勝率五割超えてるから」?
はー?!虎の優勝に一番貢献したくせに!
これはもう野球で白黒つけるしかなさそうだね!
空調の噂は聞いてたけど、まさか投球の際にも関与してたとはね。
しかーし!除霊建築士は地脈から建物の構造を読み取るし、空調の動きだって読むんだよ!
更に「除霊建築学・霊脈走査」を使ってジャビ……の内面までも読み取れば、ボールの軌道なんて手に取るようにわかるってもんだよ!
あとは見極めた軌道にバットを振り入れて、バックスクリーンにボールを放り込むだけだよ!
●色々な意味で際どい攻防
オレンジと黒のカラーリングでデザインされた、ウサギのマスコット――邪悪ラビットくんは、スタジアムで猟兵という名の凄腕アスリートの登場を待ちわびていた。
『わざわざこちらのホームで戦ってくれるたぁありがてえ、うちのチームの恐ろしさをその身に味わわせて、二度と逆らえなくしてやるぜ』
邪悪! 邪悪極まりない! これがダーク化というものなのでしょうか!? だが猟兵は臆さない! ティエン・ファン(除霊建築学フィールドワーカー・f36098)の入場だ!
「邪悪ラビット、略してジャビ……」
『それ以上はいけねえ』
「そうだね、本気で怒られそうだからやめとこうか!」
開幕からデッドボールすれすれな会話のやり取りで始まりましたこのカード、色々な意味で期待できそうです!
「まあそんなこと言っといて、去年はうちの贔屓と仲良くBクラスだったよね!」
『は? BクラスはBクラスでも、うちは勝率五割超えてるから』
「はぁー!? 虎の
優勝に一番貢献したくせに!」
これは間違っていたら大変申し訳ないんですが、去年貧打にあえいだというティエンさんの贔屓って、令和の米騒動があったNAGOYAの球団……ですかね……?
それはさておき、今回は普通の木製バットを持ち込んだティエンは、邪悪ラビットくんに向けてバットを突きつけながら宣言した。
「これはもう、野球で白黒つけるしかなさそうだね!」
『望むところだ! ボロ雑巾みてぇにズタボロにしてやるぜ!』
こうして、白熱のホームランダービーは幕を開けたのだった。
(「空調の噂は聞いてたけど、まさか投球の際にも関与してたとはね」)
誰もそんな悪意がドーム内に働いているだなんて想像もしないだろうし、そもそも邪悪ラビットくんの介入さえなければ元々はそんなこと自体起こらなかっただろう。つまり、邪悪ラビットくんが悪い。健全な球界を取り戻すためにも、やっつけるしかない!
『クックック、我が軍が誇るドーム球場で戦うと決めた以上、付き合ってもらうぜ!』
「しかーし! 除霊建築士は地脈から建物の構造を読み取るし、空調の動きだって読むんだよ!」
そう、ティエンはいわば生まれながらの除霊建築士。その才覚は疑いようがなく、さらにユーベルコードの力が加われば、空調による操作を受けた『魔球』など、恐るるに足らずというもの。
(「【
除霊建築学・霊脈走査】、これでジャビ……おっと、邪悪ラビットの内面までも読み取れば……」)
敵を知り、己を知らば何とやら。邪悪ラビットくんの正体がティエンの予想通りならば、ある意味事前調査は完璧に完了していると言えた。故に、能力値や弱点、交友関係までまるっとお見通しになる!
(『見たところ、最下位チームのファンってトコじゃねえか』)
邪悪ラビットくんは、相当失礼なことを考えていた。
(『ストレートに見せかけたフォークになるようにちょちょいと操作すれば……』)
さながら『消える魔球』と勘違いさせて、空振りさせようという目論見だろうか。
だが、そこまで思考が読めれば十分だ。あとは、ティエンが気迫と負けん気を見せて、見極めた軌道目がけてバットを振り入れれば、ボールはあっという間にバックスクリーンへと放り込まれていった!
「よっしゃ! 見たかジャビ……っ!」
『何てこった……あんまりにも勝てないからって、胡散臭い術に頼りやがった……』
「除霊建築学は胡散臭くなんかないってば! 失礼すぎるでしょ!」
今シーズンこそは、必ずや贔屓がこいつごとチームを粉砕してくれることを願うティエンさんでした。どうなる、セ界!?
大成功
🔵🔵🔵
月夜・玲
うわ、何か変なマスコット出してきたわ
スポンサーの力でイキってるんじゃないよ!!
真っ向から打ち返してやる!
バットを担いでバッターボックスへ
目指すは全球ホームラン!
マスコットが投げるボール程度、完全に見切って打ち返してあげるよ!
【Code:C.S】起動
時間加速、空調でボールを弄るならこっちは時間を弄る!
投球が始まると同時に私の時間を加速させ、ボールの行方を探ろう
見付けたら更に念には念を
『念動力』でボールの軌道を操作
無理矢理ド真ん中ストレートに修正…そして後は、バットを当てるだけ
全力で振り切り、更に『斬撃波』を飛ばす!
バットも剣も…似たようなもん!
斬撃波で更にボールを『吹き飛ばし』ホームランだ!
●どうなる? ボールの行方
「うわ、何か変なマスコット出してきたわ」
『誰が変なマスコットだゴラァ!?』
「いや、誰がどう見ても変だから! スポンサーの力でイキってるんじゃないよ!!」
邪悪ラビットくんと月夜・玲(頂の探究者・f01605)さんのバトルは、舌戦から始まった。そうなんですよね、お前のようなマスコットが居るかという話なんですよね。
『ケッ、何とでも言うがいいさ! ホームランさえ打たれなければ俺の勝ちだからな!』
「面白いじゃないの、真っ向から打ち返してやる!」
どうやら、邪悪ラビットくんが直々に投げてくるらしい。マウンドに立った邪悪ラビットくんに堂々と言い放つと、玲もバットを担いでバッターボックスへと入っていった。
「目指すは全球ホームラン! どんな球でもかかってこーい!」
バットを高々とかざして、予告ホームランのポーズ。空いた腕をぐるんぐるんと回して、気合いはもう十分すぎるほどに高まっている。
「マスコットが投げるボール程度、完全に見切って打ち返してあげるよ!」
『フッ……俺を、俺のバックを侮った報いを受けるがいいさ……』
マスコット特有の貼り付いた笑顔のまま、下に向けた親指で首をかっ切るポーズをぶちかます邪悪ラビットくん。何という外道! スポーツマンシップが行方不明だ!
『地の利とスポンサーを味方につけた俺の魔球、とくと味わえ!』
何と、ガチのマジでマスコットが器用にボールを投げてきた。普通なら微笑ましい暴投で済むところが、ドーム球場でなら本来起きえない謎の風によって、怪しい動きをしながらストライクゾーンを目指してくるではないか。
(「【
Code:C.S】、起動」)
玲は玲で、邪悪ラビットくんが投球を始めると同時に、ユーベルコードを発動させていた。愛用の模造神器に施された時間加速の封印が徐々に解除され、玲の時間
だけが加速していく――!
(「空調でボールを弄るなら、こっちは時間を弄る!」)
実時間と体感時間にズレが生じ、玲にも少なからず影響を及ぼすが、今はそれを受け入れてでも勝ちたい勝負の真っ只中だ。
「見つけた!」
ゆっくりとした動きでフラフラとしながらも迫ってくる投球の行方を見いだした玲は、念には念をと迫るボールに向けて念動力を放ち、その軌道を操作する。
「めちゃくちゃ打ちやすいようにさせてもらうよ……!」
『な、何だって
……!?』
驚愕する邪悪ラビットくんの目の前で、操作したはずのボールは、逆に玲に操作されてド真ん中ストレートへと修正される。
こうなったら、あとはバットを当てるだけだった。
「バットも剣も……似たようなもん!」
全力で振り切ったバットに、会心の手応えがあった。自然と、声が出た。
「行っけえぇぇぇぇ!!!」
ダメ押しで打球に斬撃波を加えれば、みるみるうちにボールはバックスクリーンへと吸い込まれていった。見事な吹き飛ばしのホームランだ!
『何で……何でボールが俺の思うように飛ばなかった……?』
呆然とする邪悪ラビットくんに、玲は不敵な笑みを浮かべながら言った。
「言ったじゃん、真っ向から打ち返す――って」
玲は、有言実行を成しただけだと。
それはもうクールに格好良く、バッターボックスを去っていく。
残された邪悪ラビットくんは、心底悔しそうにマウンドを殴りつけた。
大成功
🔵🔵🔵
御堂・茜
◎
FA…それは選手の権利!
ですが!
大切な選手達を蔑ろにするフロント!
球団やファンに対する不義理!
ましてやルール違反などあってはならないですわ
義によって助太刀致します!
あ、あの投手は!
いえ…もう赤の他人でしたわ
ええ…攻略法は心得ております
彼の弱点は立ち上がりの悪さ
カウントを整える暇など与えず
狙うは初回炎上のみ…ッ!!
一球目は恐らく外角低めのストレート!
怒れるファンの気合いを力にUCを放ち
初球本塁打で戒め!ますッ!
選手が米すら口にできぬ球団もあるのですよ!
贔屓は違えど我等の心は一つ
Angry(怒り)!
Rage(激怒)!
Embarrassment(困惑)!
わたくし達のA.R.Eをお受けなさいッッ!!
●ファンの気持ちを代弁して下さって有難うございます的なアレ
『ちっくしょうめ……そろそろ秘蔵の
アイツを披露する時か……?』
邪悪ラビットくんがぱちんと指を鳴らして、誰かを呼ぶ仕草をする。その時、ドーム球場内に凜々しい声が響き渡った! 誰あろう、御堂・茜(ジャスティスモンスター・f05315)だ!
「
FA……それは選手の権利! ですが!」
茜はズビシと邪悪ラビットくんを指差して、怒りのまなざしを向けた。
「大切な選手達を蔑ろにするフロント! 球団やファンに対する不義理! ましてやルール違反などあってはならないですわ!」
『あぁん? 何かと思えばそういう話かよ、そんな甘っちょろい考えでペナントレースを勝ち抜けるとでも思ってんのかぁ?』
「何たる外道の思考……! わたくし御堂、義によって助太刀致します!」
決して相容れない邪道と正義が、バチバチにぶつかり合う! 野球で勝負だ!
邪悪ラビットくんが満を持して召喚したのは、先日電撃トレードが発表された有名ピッチャー。元々は海風が強い球場でも巧みにボールを操る投手で、奪三振の多さと与四死球の少なさが特徴という優秀さが際立つが、何の因果か一発を浴びることも多く、いわゆる飛翔癖があるとも称される存在であった。
そのピッチャーの姿を見た茜はハッと息を呑むも、すぐに気を取り直す。
「あ、あの投手は……! いえ……もう赤の他人でしたわ」
余程の推しでない限り、FAした選手を追いかけて贔屓を変えるまではしないものだ。茜もそこは割り切って、邪悪ラビットくんが召喚したピッチャーに対峙した。
「ええ……攻略法は心得ております」
かつて味方だったが故に、強みも弱点もよく知っている。
「彼の弱点は立ち上がるの悪さ。カウントを整える暇など与えず、狙うは初回炎上のみ……ッ!」
茜は本気だった。気迫がオーラとなり、目に見える形で立ちのぼる! 対する邪悪ラビットくん側のピッチャーも、感情が読み取れぬ表情で第一球を――投げたっ!
(「一球目は、恐らく外角低めのストレート!」)
そうして茜の読み通り、若干甘めの投球が迫る。ピッチャーが「しまった」という顔をしていたのに、茜は気付いただろうか。
「一人は万民の為、万民は一人の為……わたくし達は悪には屈しませぬ!」
「「「おおおおおお
!!!」」」
おお、見よ! スタンドを埋め尽くす、御堂家家臣団の姿を! ユーベルコード【
大一大万大吉】の力を底上げしてくれる、頼もしき応援団を!
茜と家臣団の正義に燃える熱き魂が、今握りしめたバットに宿る!
「ご覧なさい、これが怒れるファンの気合いの力ですっ!」
『こ、これが球界トップクラスの応援団のチャントってのか
……!?』
邪悪ラビットくんも驚愕するほどの大声援と、茜の闘志。
バットを全力で振るいながら、茜は無意識のうちに叫んでいた。
「選手が米すら口にできぬ球団もあるのですよ! 贔屓は違えど我等の心は一つ!」
――
Angry!
――
Rage!
――
Embarrassment!
『……っ』
投球を完全に読まれたことにか、それとも茜の魂の叫びにか、ピッチャーは既に呆然としていた。
「わたくし達のA.R.Eをお受けなさいッッ!!!」
かっきーーーん!!! 快音が響き、打球は見事飛翔し、初球本塁打となる。
「謎の怪文書ではない、これこそが真の戒めです!」
『う、ううっ……』
ピッチャーが、マウンドに膝を突いて項垂れる。邪悪ラビットくんはそれを見て舌打ちをした。
『チッ、ちったぁ使えるかと思って引き抜いたってのに、これじゃあな』
「そういう! 所が! 許せませんと申し上げておりますのよ!!」
ああっと御堂選手、バットを振りかざして邪悪ラビットくんに襲いかかりました! 乱闘です! スタンドから家臣団の皆さんが飛び出してきてその輪に加わります! もう収集がつきません! でも正義は勝つのでこれでいいと思います!
大成功
🔵🔵🔵

水鏡・多摘
引き抜き…ふぁーむ…環境を変えて一から勝負…うっ頭が。
その決断にあれこれ言えぬがともかく相手は超一流…なれば全力を出さねばなるまい…!
狙いは変化球。消える魔球等もあってもおかしくなかろう。
物理的に消失していないのなら…真芯で捉えればやれる筈。
UC起動、バットに呪力と霊力を通し引力を働かせ…龍の長い身体を活かししならせバットをぶん回し魔球に叩きつける!
バットからの引力でボールを引き寄せる魔打法、剛球で押し切られれば厳しかったが…
強奪した名選手は既にベテラン、生え抜きの若手を使わず、大切にせずに勝てる筈もなかろう。
…しかしまだ我も未熟、精神修養の為に護摩行でもしてくるかのう。
◎アドリブ絡み等お任せ
●鯉の波動を感じる……龍なのに……
「引き抜き……ふぁーむ……環境を変えて一から勝負……うっ頭が」
『さてはオメー……他球団のマスコットだな?』
「断じて否!!!」
胴の長い、いわゆる東洋の龍の姿をした水鏡・多摘(今は何もなく・f28349)を見た邪悪ラビットくんがしれっと言えば、絶妙に理解できそうなトラウマに頭を痛める多摘がすかさず反駁する。
マスコット扱いは、まあ、決して罵倒の類ではないからまだ許容範囲だとしてもだ。何となく知っている選手がほとんど強奪に近い形で己と敵対することになったのには、さすがに嘆かざるを得ない。
『お? アイツ、お前のこと知ってるみたいだぜ? 見せてやらなきゃなぁ、うちのチームに来て生まれ変わった姿をよぉ』
うわあ! めっちゃねっとり言うこの邪悪ラビット! バットを握る多摘さんの手に自然と力がこもる!
「その決断にあれこれとは言えぬが、ともかく相手は超一流……」
『……』
対戦相手として召喚された超一流ピッチャーは、何だか居心地が悪そうにマウンド上で多摘がバッターボックスに入るのを待っていた。
「こうなれば、全力を出さねばなるまい……!」
意を決し、長い身体をどこまで収めたものかと悩みつつも、多摘はバッターボックスにその身を何とかねじ込んだ。竜神様も大変だ。
準備が整ったのを確認したピッチャーが、複雑な表情を隠すかの如く帽子を深々とかぶり、投球モーションに入る。選手歴が相当長いのだろうか、独特のフォームから繰り出される魔球は、一見球種の見極めが難しそうに思えたが――。
(「狙いは、変化球。消える魔球等もあってもおかしくなかろう」)
手元で突然軌道が変わって『消えた』かのように見える『魔球』も、突き詰めれば変化球という一言にまとめられる。
(「物理的に消失していないのなら……真芯で捉えれば、やれる筈」)
そう、マウンド上の名ピッチャーの輝かしい戦歴は多摘も(何故か)知っている。それは、自分たちが使うユーベルコードのようなものではない、純然たる野球の投法だ!
野球の歴で言えば、多摘は素人も同然かも知れない。だからといって、それがこの勝負を避ける理由にはならない。竜神には、絶対に避けられない正念場というものがあるのだ! 多分!
「追い込まれる程に振り絞る……! 【
龍神の引力】!」
確率で言えば、名ピッチャーが多摘を三振に取る方がはるかに高かった。だが、その逆境こそが今ばかりは多摘に味方した。発動したユーベルコードは、手にしたバットに呪力と霊力をまとわせ、物体を引き寄せる引力を発生させたのだ。
『何……だと
……!?』
ピッチャーが驚愕の表情を浮かべたのも無理はない、ボールが意図した軌道を描かないどころか、明らかに多摘のバットへと導かれるかのように吸い込まれていくからだ。
多摘は一瞬、不敵に笑んだかのように見えただろう。
龍の長い身体を活かし、思い切りしならせながらバットをぶん回せば、引き寄せられたボールが自らバットにジャストミートだ!
攻撃力と吹き飛ばし力がめちゃくちゃマシマシになったバットは、多摘の渾身の一振りの力と相まって、そのまま魔球を粉砕し、ボールをスタンドまで一気に運んでいった。何という……何という、まるでこの時のためのユーベルコードのようだ……!
『ちょ、ちょっと待て! 今何かバットに細工しただろ!?』
「はて、何のことやら。選手の強奪ほど酷い真似はしておらんが」
『ぐぬぬ……!』
邪悪ラビットくんが何とかしていちゃもんをつけようとするも、多摘の老獪な躱しによって見事に封殺される。いいぞいいぞ。
「バットからの引力でボールを引き寄せる魔打法、剛球で押し切られれば厳しかったが……」
軽く痺れが残る手の感触を味わいながら、多摘は言う。
「強奪した名投手は既にベテラン、生え抜きの若手を使わず、大切にせずに勝てる筈もなかろう」
『こ、このドラゴンジジイ……! 言わせておけば……!』
『いえ、彼の言う通りです』
『な、何を言ってやがる!?』
なおも食い下がろうとする邪悪ラビットくんを、他ならぬ名ピッチャーが制止した。
『自分は全力で投げました、ですがこれが限界ということでしょう――どんな形であれ、チームの期待に添えなかったことは申し訳なく思います』
『……チッ』
舌打ちしてそっぽを向く邪悪ラビットくんを尻目に、名ピッチャーは多摘に向けて脱帽し、一礼する。それを見届けた多摘もまた、軽く会釈をするとバッターボックスを後にした。
(「ああは言われたが、我もまだ未熟」)
勝ってなお驕らず、まさしく正しい勝者の姿である。
(「精神修養の為に護摩行でもしてくるかのう」)
オフシーズンの恒例行事ですね、分かります!
大成功
🔵🔵🔵
小林・夏輝
空調設備には負けたくねぇなぁ
乗っ取り電波で空調設備の脳
つまり大元の管理システムをハッキング
逆に風向きを味方に都合良く操ってやる
打順待ちの時間があればジャミングしとくのも有りか
操作権奪い返されないように
自分の打順では敢えて初球は見送り
弾の軌道や速度の情報収集
こちとら音ゲー世界ランキング上位者だぜ
構えから打席に球が届くまでの流れを脳内でリズム計測
正確にタイミングを合わせ
芯で捉えて全力フルスイング
乗っ取った空調の力も借りて確実なホームラン狙い
打ったら元陸上部のダッシュ力で確実かつ素早く塁を通過
危なくなったらスライディング
仲間程馬鹿力じゃねぇけど、俺だって男だからな
そもそも主武器がバットだし
嘗めんなよ
●システムの穴を突いた巧妙な戦略
猟兵たちと邪悪ラビットくんが激闘を繰り広げている最中、小林・夏輝(お調子者の珍獣男子・f12219)は密かに【
乗っ取り電波】を飛ばして、空調設備の脳――つまり、大元の管理システムをハッキングしていた。
(「純粋な勝負で負けるならまだしも、空調設備には負けたくねぇなぁ」)
夏輝の腕にかかれば、文字通りちょちょいのちょい。空調設備は今や猟兵側の味方となり、風向きが完全にスタンド方面へと吹きつけるように都合良く操られる。
(「俺の出番まではあとちょっとあるか、じゃあダメ押しで……」)
せっかくのハッキングを見破られて操作権を奪い返されないように念には念を、ジャミングでさらに撹乱する夏輝。これで準備は整ったと言っても良いだろう。
「よーし、打つぜ打つぜ俺は打つぜ!」
『何だ、威勢のいいルーキーが来やがったな! プロの洗礼を浴びせてやるぜぇ』
愛用の金属バットを手にしながら、元気良くバッターボックスに入る夏輝を見て、邪悪ラビットくんはねっとりといやらしい台詞を吐く。表情は変わらないから余計に怖い。
(『クックック、俺が投げても空調が味方だからな、どう足掻いても俺の勝ちな訳だ』)
勝負の前から完全に勝った気でいる邪悪ラビットくん。この慢心で、よく今まで猟兵たちと互角に争って来られたものだ。そろそろ痛い目を見てもいいんじゃないかな?
そんなこんなで、第一球――投げた! ストライク!
『……ん? んん?』
「……ふーん、なるほどね」
あまりにも普通のストライクだったので、投げた側の邪悪ラビットくん自身が敢えて初球を見送った夏輝よりも首を傾げていた。
一方の夏輝は、投球の軌道や速度を瞬時に情報収集能力で脳内で処理する。
(「舐めんなよ、こちとら音ゲー世界ランキング上位者だぜ」)
投球モーションから、打席に球が届くまでの一連の流れを、音ゲーでそうするようにリズム計測をする。
(『おかしい……空調が明らかに俺の意図しない動きをしている……』)
「どしたー? 投げないのかー?」
異変に気付きつつも、理由までには思い至らない邪悪ラビットくんの思考を遮るように、夏輝が次の投球をいい感じに急かす。いいぞいいぞ。
『う、うるせぇ! 今投げてやるから震えて待て!』
およそマスコットの投球とは思えない、狙い澄ましたストレートが飛んでくる! だが、既に諸々を計算済みの夏輝の前では――無力!
「喰らえ、芯で捉えて全力フルスイング!!」
『バカめ、俺のホームでそう易々とホームランなど――え?』
ドームの空調が、思いっきり夏輝の打球をバックスクリーン方面へと運んでいった。
信じられないという声を上げる邪悪ラビットくんをまるで煽るかのように、わざわざ回らなくても良いホームを悠々と一周する夏輝。これがホームランダービーでなければ、全力疾走も必要だったかも知れないが、今回はその必要はなかった。
「仲間程馬鹿力じゃねぇけど、俺だって男だからな」
ダイヤモンドをぐるりと回って、ホームベースをしっかりと踏んだ夏輝が言う。
「そもそも主武器がバットだし、舐めんなよ」
『ちくしょう、何がどうなってやがる! 空調担当、すぐに調べろ!』
『そ、それが……いつの間にか操作を受け付けなくなっていて……!』
何でもっと早く気付かなかったんだとか、そもそも使えない連中だとか、罵声が飛び交う中を、夏輝はこっそりと抜け出した。ホームランさえ打てば、後は用はない。
「うっ、気圧の変化で耳がツンとする……!」
それもまた、ドーム球場の醍醐味である。
大成功
🔵🔵🔵
夏目・晴夜
◎
ホームランですね、楽勝です
ホームランバッターことニッキーくん、カモン
ボールを打つのも一種の【カウンター】です
ニッキーくんの【怪力】に加え、【力溜め】させてから打つ事で
恐竜が絶滅する勢いの球をスタンドへ叩き込ませたく
口プロレス時には【威厳】フル活用で堂々と言い負かします
おや?今のはホームランではないのですか?
スタンドにクレーター出来てるので間違いなく入ってますが
それでもホームランではない?
おかしいですねえ…ボールをバットで殴ってスタンドへぶち込むのがホームランでは?
違いましたっけ
ああ失礼、思い出しましたよ!
お前をバットでぐちゃぐちゃに殴ってからスタンドへぶち込むのが正しいホームランでしたね?
いやはや、これは申し訳ない!次こそキメましょう、ニッキーくん
だって今のはホームランではないらしいですから、手段を変えなくては!
はは、直ちに選んで下さい
今のはホームランだったと認めるか
共にホームランを目指してぐちゃぐちゃになるか
愚かしいですねえ
金の力という暴力より、ピュアな暴力の方が圧倒的に強いのですよ
●ニッキーくんのホームランで巨悪粉砕
「ホームランですね、楽勝です」
ずしーん、ずしーん。
グラウンドに姿を見せた夏目・晴夜(不夜狼・f00145)――の背後から、巨大な体躯を見せつけるかのように、歪な動物の頭部を持ったからくり人形が現れた。
「ホームランバッターことニッキーくん、カモン」
『な、何だ!? お前が打つんじゃねぇのかよ!?』
突然の大型(物理)助っ人の登場に、思わず自分を棚上げした発言をかましてしまう邪悪ラビットくん。お前だって他球団から選手強奪してくるじゃんか……。
「おや、ニッキーくんに打たれるのが怖いんですか? 止めておきますか? 勝負」
晴夜が煽りに煽っていく中、ガタイの割に心は優しいニッキーくん、バットを持ったまま事態をハラハラしながら見守っていた。
『誰がビビってるってんだこの野郎! いいぜ、打てるもんなら打ってみやがれ!』
「だ、そうですよニッキーくん。存分にアーチを描いて下さい」
何だか引くに引けなくなった感が否めないものの、とにかくニッキーくんが打つことを認めた邪悪ラビットくん。晴夜からの改めてのお達しも出たところで、ニッキーくんは巨躯を揺らしながらバッターボックスに入っていった。
「いいですか、ニッキーくん。ボールを打つのも一種のカウンターです」
ニッキーくんの脳裏には、晴夜の教えが蘇っていた。何という名指導。
「自慢の怪力に加え、力を溜めてから打つことで、ホームラン間違いなしです」
コツは、力をしっかりと溜めること――それを念頭に置きながら、ボールが飛来するのを待つニッキーくん。その構えは、超大型(物理)助っ人を彷彿とさせた。これは強い。
「――今です!」
晴夜の声が飛ぶと同時に、ニッキーくんがバットを全力でフルスイング! 芯で捉えられたボールは、誇張抜きに恐竜が絶滅する勢いで、レフトスタンドに叩き込まれた!
――どっ、ごぉぉぉん!!!
球場が! 球場が壊れる! 何というかこれ無観客試合で本当に良かった! 外野席にファンが居たら間違いなく巻き込まれてた! これは完膚なきまでのホームラ……?
『アウトぉ!! ニッキーくん選手のボディが大きすぎてバッターボックスからはみ出ているため、アウトとみなしますっ!!』
おおっとここで疑惑の判定だ! 明らかに権力に屈したと思われる主審(いたんだ……)が、ニッキーくんのボディの大きさをいいことに、ケチを付け始めたぞ!
だ、ダメでしたか……? とばかりに自分の足元を確認するニッキーくんをかばうように、晴夜が毅然とした態度で言い返した。
「おや? 今のはホームランではないのですか?」
『で、ですからバッターボックスから足が』
「少しでもラインを踏んでいれば問題ないはずです、私の可愛いニッキーくんがそんな凡ミスを犯す訳がないでしょう」
『いや、でも』
「それに見て下さい、スタンドにクレーター出来てるので間違いなく入ってますが、それでもホームランではないと仰る?」
『う、ぐぐ……』
晴夜の威厳に裏打ちされた自信満々な論破を前にして、買収された程度の審判では敵う訳もない。審判は助けを求めるかのように、邪悪ラビットくんを見た。
そこで邪悪ラビットくんの援護が入る前に、晴夜が畳みかけた!
「おかしいですねえ……ボールをバットで殴ってスタンドへぶち込むのがホームランでは? 違いましたっけ」
『だ、大体は合ってるがなあ、審判の言うことは絶対なんだよ! この素人が!』
なおも強権を振りかざそうとする邪悪ラビットくんを、晴夜は無表情に見つめた。
そして――何かを心得たかのように、ポンと手を叩いて、にっこりと笑った。
「ああ失礼、思い出しましたよ!
お前をバットでぐちゃぐちゃに殴ってからスタンドへぶち込むのが、正しいホームランでしたね?」
『……えっ』
ニコニコ笑顔の晴夜は、キョトンとするニッキーくんの背中をぽふぽふ叩きながら、仕切り直しだとばかりに邪悪ラビットくんを指差した。
「いやはや、これは申し訳ない! 次こそキメましょう、ニッキーくん」
『え、ちょ、待って、おい』
「だって今のはホームランではないらしいですから、手段を変えなくては」
晴夜の言うことならばきっとそうなのだろうと、バットを手にしたニッキーくんがゆっくりと邪悪ラビットくんに向かって歩き出す。反射的に後ずさる邪悪ラビットくん。
『は、話し合おう! いきなりアウトにしたのは悪かった! り、リクエスト判定で』
「はは、直ちに選んで下さい。今のはホームランだったと認めるか、共にホームランを目指してぐちゃぐちゃになるか」
『どう足掻いてもその二択しかねえのかよぉ!?』
晴夜は、一切の妥協を許さなかった。当然だ、可愛いニッキーくんの渾身の一撃に疑惑の判定でケチをつけられたのだから、後から何を言われようが許す訳がない。
とりあえずいつでも殴れるようにと、ニッキーくんがバットの射程に邪悪ラビットくんを収める。すると――。
『や、やってられっか! やめやめ! お前らの勝ちでいいよもう!! じゃあな!!』
すっごい悪役らしい捨て台詞を残して、邪悪ラビットくんはグラウンドを後にしてしまった。敵前逃亡とみなして間違いないだろう。
とりあえずバットを下ろしたニッキーくんを労うように、再びその背中を軽く叩く。
「愚かしいですねえ」
嘆かわしい、といった顔で、晴夜が言った。
「金の力という暴力より、ピュアな暴力の方が圧倒的に強いのですよ」
それを、この場で証明してしまった晴夜とニッキーくんの勝利であった。安全圏で応援に回っていたえだまめチャンも大喜びだ! やったね! 猟兵たちの完全勝利だよ!
大成功
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