バトル・オブ・オリンピア⑤〜人がカードになる遺跡で
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「何か予知した。」
レイシア・アクエリアス(戦闘雪兎れいしあ・f41239)がグリモアベースに猟兵達を集め、ぶっきらぼうにそう言った。
その予知は現在アスリートアースで開催中の運動会、バトル・オブ・オリンピアにまつわるものだ。
「皆には今からカードゲームの遺跡に入ってもらうの。」
カードデュエリストの聖地、超古代より存在するという謎の超ハイテクデュエルバトル場「古代デュエルバトル遺跡」。
その中の最奥部の一角で猟兵が「人のカード」と呼ばれる、カードデュエリスト眉唾の超凄いカードを手に入れるという予知だ。
「その『人のカード』とかいうのを手に入れたらこの先の戦いが有利になるみたい。だから、回収してきて。」
でも、とレイシアは付け足す。
「古代デュエルバトル遺跡の「人のカード」の噂はもうダークリーガー達にも伝わってるみたい。恐らく取り合いになると思う。それも、ちょっと意地悪なトラップの中で」
レイシアが映像装置を起動する。
それは予知で見たという古代デュエルバトル遺跡の数々のトラップだ。
ガスや謎の光る宝石、落とし穴に、飛来するカードの雨、迫る壁、釣り天井プレス機など。
それらのトラップにかかった者は、「デュエルバトルのカード」と化してしまうらしい。
「カード化の効果は一日。効果が切れると遺跡の外に転移されるみたい。その間は猟兵にもダークリーガーにも使われ放題。コレクションされ放題。あぶない。」
追ってくるダークリーガーにでも使われたらたまったものではないだろう。
「どうにかして切り抜けて「人のカード」を手に入れて欲しい。頼んだの。」
そう言ってレイシアはグリモアを展開した。
恐らくはカードとカードで戦う事となるであろう、古代デュエルバトル遺跡の中へと、猟兵達を転送していったのだった。
古塔
古塔です。
今回は古い遺跡です。
●概要
古代デュエルバトル遺跡に転送されました。
あなた達猟兵は遺跡最奥にあるという「人のカード」を手に入れてください。
ですが、遺跡には「人をデュエルバトルのカードに変えてしまうトラップ」が敷き詰められています。
それと同時に競争っぽくやってくるダークリーガー達も跳ねのけないといけません。
【ダークリーガーとトラップをいなし、「人のカード」を手に入れ、「人のカード」を試し切り気味に発動しその場のダークリーガーを一掃する】というのが今回の成功条件となっています。
プレイングボーナス……「人のカード」の名称と効果を自分で考案し、遺跡探索に成功してそれを発見し、使用する。
●ダークリーガーについて
【https://cdn.tw6.jp/i/tw6/basic/0159/n354_f01591_rival_illust.jpg】。
こんな感じのデュエリストがわんさか出てきて。
POW : 装備カード『断罪の首刈り刀』
【断罪の意志】を籠めた【首刈り刀】による一撃で、肉体を傷つけずに対象の【戦意】のみを攻撃する。
SPD : 制限カード『猛攻の狂戦士』
【召喚した狂戦士集団による包囲攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ : 召喚カード『ブラックヴァイパーズ』
対象の周りにレベル×1体の【巨大な毒蛇】を召喚する。[巨大な毒蛇]は対象の思念に従い忠実に戦うが、一撃で消滅する。
こんな感じの攻撃を行ってきますが、適当に気にせず処理しても構いません。
ノリでやればモブみたいな感じに倒せます。
●トラップについて
ガスや落とし穴、飛来するカードの雨、迫る壁など。
その他トラップありましたら自プレイングで指定してください。
敵も味方も、喰らうと「デュエルバトルのカードに変えられてしまいます」。
●カード化について
カードにされると『その日一日、手にした者が、カード化した者がそのプレイングで行おうとしていたユーベルコードを発動できる』感じです。
一日経つか、シナリオ終了時に元に戻ります。
●「人のカード」について
プレイングボーナスの通り、名称や効果はプレイングで自由に指定してください。
猟兵毎に異なる「人のカード」を1枚得ます。
その場の敵を一掃できるくらいには凄いカードの様です。
第1章 冒険
『超古代の「人のカード」』
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POW : 遺跡をくまなく歩き回り、カードの在処を探す
SPD : 罠を敏感に察知し、無効化する
WIZ : 第六感でカードの声を聴く
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カーバンクル・スカルン
カードにされた人はどこかに転移する、って情報はないからたぶん罠があるところに転がってると思うんだよね。私は使われたくないので、紐でカードを引っかけ手繰り寄せて回収するとしましょう。
そんでのこのこと遅れてやってきたデュエリストと勝負。
トラップカード発動!「自動拷問装置!」
このカードは発動時に相手のモンスターに強制的に装備させ、装備したモンスターは攻撃も守備も効果の発動も不能にする。さらにターンが来るたびに装備させられたモンスターの攻撃力の半分を喰らうおまけつき!
欲深き者の末路、その身で味わうといいわ!
……自分のターンが来るたびにカードになった人の悲鳴が聞こえてくるって? 気のせいじゃない?
●
「よっと!」
迫るカード型の壁の通路を素早く縫うように突破する。
「次はガスに、釣り天井かっ。いいねいいね。」
ガスを吸わない様即席で作ったガスマスクで発生源に攻撃を加え、ガス噴出機をぐいっと摘出。
更に釣り天井はその辺の柱を引っ張ってきてつっかえさせ、一部分を破壊。
鎖と天井をパーツ毎に分解して自身の武器に変える。
『はい、出来上がり!』
カード化トラップで出来た恐るべきジャンクウェポンを、トラップを切り抜けながら作成し続けていた。
「それにしてもまあ、まだ私は見てないけど」
きょろきょろと辺りを見回す。さっきまで切り抜けたトラップの跡に関してもだ。
「カードにされた人はどこかに転移する、って情報はないからたぶん罠があるところに転がってると思うんだよね。」
カードにされて1日経てば外に放り出されて元に戻るが、そうなるまでは1日中遺跡の何処かに落ちている状態となるわけである。
トラップを切り抜けて一息つきながら先へ進む女性。彼女の名はカーバンクル・スカルン(クリスタリアンの懲罰騎士・f12355)。
紅い宝石の髪をした丸い短髪にオレンジを中心にした軽装を着こなすスクラップビルダーのお嬢様だ。
クリスタリアン由来か、その肌もどこか赤みがかっている。
「私は使われたくないので、その辺工夫しないとね。例えば」
自身の衣服に、咄嗟に長い紐が噴出するギミックを入れている。
カードになった瞬間紐を出して紐付きのカードとなり、他の人に見つけられやすくなる工夫だ。
「後は他の人がカードになっていたら……ん?あった!あれかな!?」
古代デュエリスト遺跡の最奥、定期的に光る宝石の下に何か偉大そうなカードが祀られていた。
そして偉大そうなカードの台座の下には、何やらデュエリストっぽいイラストの描かれたカード。
恐らくはカード化された、先行していたダークリーガーのデュエリストか。
「というわけで他の人のは、紐でカードを引っかけ手繰り寄せて回収するとしましょう。」
カーバンクルは服に着けたギミックを発動。吸引フック付き紐を射出して、ぴとりと遠方のカードに付着。
巻き引き機構で回収していく。
「何々、このカードは……制限カード『猛攻の狂戦士』」
「【召喚した狂戦士集団による包囲攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。」
「か……よし、召喚!あの宝石を取り囲んで!」
カーバンクルは狂戦士達を召喚し、仕向けて、トラップの宝石を取り囲み、カード化フラッシュを遮っていく。
こうしてカーバンクルは「人のカード」を手に入れたのだった。
「……先にダークリーガーが来てたみたいだけど全滅してたのは……「人のカード」を前に仲間割れでもしてたのかな?」
「「「そこまでよ
!!」」」
女の声。否、ダークリーガーか。
「私達が追いついたからには」「その伝説の「人のカード」」「置いていってもらおうか!」
次々にダークリーガーがカーバンクルを包囲してカードを構える。
「「「
決闘!出でよ『猛攻の狂戦士
』!!」」」
期せずして集団デュエルに引っかかってしまったカーバンクルだが、余裕の笑みを見せカードを構える。
「のこのこと遅れてやってきたね。もう手に入れたよ。これが「人のカード」。」
カードを構えるカーバンクル。それは紫色の毒々しいトラップカードだった。
「トラップカード発動!「自動拷問装置!」」
「なっ」「にっ」「ぐっ」
デュエリスト達が次々と口や四肢に痛そうな拘束具を強制装備させられる。
「このカードは発動時に相手のモンスターに強制的に装備させ、装備したモンスターは攻撃も守備も効果の発動も不能にする。さらにターンが来るたびに装備させられたモンスターの攻撃力の半分を喰らうおまけつき!」
「なっ、なにぃ!?」
デュエリスト達、及び、出していた大量の狂戦士達は拷問拘束具に締め付けられ、ギリギリと針で指すような痛みを喰らう。
「「「ンギギギギギィー
!!??」」」
拷問具による全身を巡る痛みがプレイヤーとモンスター達、同時に襲い掛かり、締め付けられる。
攻撃も防御もできないまま彼らはのたうち苦しみ周り、ライフポイントが0になるまで倒れ続けたのであった。
「さてと、雑魚の相手をしていられないし、さっさと出よ……ん?」
気が付くと今戦っていた者達がカードと化していた。
そう、先程回収したカード化のガスがまだ漏れて、地面に漂っていたのだ。
どこかで屈んでいたら恐らくカーバンクル自身もカードになっていた事だろう。
カーバンクルはカード化した者達に目もくれず、悠々と古代デュエリスト遺跡を出ていった。
「……なんかカードになった人の悲鳴があちこちから聞こえてくるような……ま、気のせいよね?」
カード化した者の回収はもうしなかった。
付着しているカード化ガスが万一かかると危ない事と、その、カードのイラスト内容が目も当てられない……見るだけで悲鳴が聞こえるかのような、拷問器具を全身にセットされ苦しみ続けているデュエリストの絵柄だったからである。
大成功
🔵🔵🔵

四王天・燦
第六感・罠使いで盗賊らしく突っ切るぜ
戦闘はタロットデッキを使う
塔→雷属性攻撃による天誅サンダー
戦車→体当たりで吹き飛ばし
七色に輝くメタルカードのような壁面の玄室で人のカードを入手だ
立体的にも見える裸の美女のレリーフが描かれた『呪縛の静寂』カード効果は敵をオリハルコン像に換える光を放つものだぜ
これで一網打尽だ
勝利確定して油断したとこで壁から現れた触手に引き込まれる
狂乱状態で抵抗するも四肢が埋まり全身が壁と同化しオリハルコンのレリーフにされちまう
固い…動けない―
カードの
美女(性格おまかせ)と入れ替わりでカード化
曰くカードの悦楽を知り、より一体感を得ための試練だとか
戯れで出陣した彼女に濫用されるたび、体を駆け抜ける不気味な感触と
脱力感に晒されるぜ
き、きつい…気持ち、悪い…
一日後にカードの精とは悦楽への感性が一致しないまま入手に至るよ
付随効果でアタシのLPが0になったら【交代で】精霊が出るんだって。何それ嬉しくないぜ…
※単独希望
※カードとして使われる描写をお願いします
●
荘厳な佇まいを見せる古代デュエルバトル遺跡。
ここにスタイリッシュな人狐の体躯をした灰毛の妖狐の盗賊、四王天・燦(
月夜の翼・f04448)が侵入してきた。
彼女はいつもと違い、札でなくタロットカードを使ったデュエルバトルのデッキを組んでいる。
「盗賊らしく突っ切りながらタロットデッキで吹き飛ばすぜ。」
「見つけたわ!喰らえ!」
天井に垂れ下る鎖で振り子飛びをしながら前方にデュエルカードをかざすデュエリストが現れた。
「タロットカード『塔』!」
燦はタロットカードをかざすと、天井から天誅サンダーを落とす。
「ぐわあああ!」
デュエリストはカードを出す前に丸焦げになって落とし穴に落下。カードとなって飛び出て来る。
前方に大岩が落ちてきて、燦へと全力で転がって来る。
横に隠れる隙間は無い。一旦退くのがセオリーだが。
「タロットカード『戦車』!」
燦はタロットカードをかざすと戦車のオーラを纏い、高速で激突。
相手を取り込んでカードに換えて張り付き転がる手はずのトラップを粉々に打ち砕き、真正面から突破していった。
すると七色に輝くメタルカードの様なレリーフが壁面に敷き詰められた、荘厳なる玄室に辿り着いた。
その最奥、薄桃に七色がかった輝きを見せる裸の美女のレリーフの下に、「人のカード」は安置されていた。
「やったぜ!ちょろいもんだ。このカードの名前は……『呪縛の静寂』?ふぅん。」
こうして燦は人のカードを手に入れたのだった。
そのカードは立体的にも見える裸の美女のレリーフが描かれている。
「見つけたぞ!」
「後を追って正解だったようね!」
「そのカードを頂くわ!『制限カード『猛攻の狂戦士
』』!!」
女狂戦士の部隊を召喚しながら、後ろからデュエリスト達が迫って来る。
「おっと、じゃあ早速使わせてもらいますかね。魔法カード『呪縛の静寂』!」
「なっ」
「きゃ!?」
「うわー!あ……」
燦がカードをかざすと七色に輝くメタル美女のレリーフが召喚され、部屋全体に光が放たれる。
「このカードは自身のライフポイントを半分にする代わりにフィールドの全敵対象をオリハルコン像に換えるぜ!」
デュエリスト達は悲鳴も空しく、みんな揃って不思議な光を浴び、女狂戦士達ごと七色に輝く、硬いオリハルコンの像へと変えられてしまったのだった。
「よっし、勝利確定。このまま帰るとしますか」
そう言って部屋から出ようとした時、罠は作動した。
「えっ!?」
七色に輝くメタルカードのような壁面から突如触手が伸びてきて、燦の四肢を絡めとったのだ。
ぬらぬらとした金属の冷たい感触のする触手は、きつく締め付けながら、燦をメタルカードの様な壁面へと引き込んでいく。
「くっ……『呪縛の静寂』!『呪縛の静寂』!どうにかしやがれ!誰か止め――」
人のカードを乱用して発光するも、恐らく人のカードの効果で出来ているであろうオリハルコン金属の触手には効かない。
狂乱状態のまま抵抗も上手くいかず、遂に燦は壁の中に四肢が埋まっていく。
「(固い…動けない―)」
下着だけは残った、上半身が磔にされているかのような、オリハルコン金属で出来た燦の身体が、壁面に浮かび上がったのだった。
その時である。燦の懐に持っていたカードが光り輝く。
壁面に埋め込まれていた燦はそのままカードとなって床に落ちる。
それを拾い上げる者がいた。
裸の美女であった。
その身体はすぐに、虹色に輝く鮮やかなオリハルコンの下着でかろうじて隠されるが、そのしなやかな体躯は美女と呼ぶにふさわしい。
「やっと出られたわ……♪私を選んでくれてありがとう。燦っていうのね。」
彼女はこの「人のカード」に内包されていたカードの精霊であった。
精霊は燦が胸壁レリーフ像となったカードのイラストを指ですりすりと艶めかしく、ゆっくりこする。
「これは試練よ。カードの悦楽を知り、より一体感を得ために、所持者にも私を適応させるための試練……来るべき戦いの為に、お互いがお互いの事、もっと知るべきだと思わない?」
燦のカードの、唇に相当する部分に軽くキスをした精霊。
「こっこいつは!仲間がオリハルコン製のカードにされている!?」
「よくもやってくれたな!
決闘だ!」
追加で更にデュエリストがやってくると、カードの精は妖し気に微笑んだ。
「それでは戯れと行きましょう。魔法カード『呪縛の静寂』!」
精霊がカードをかざすと、七色に輝くオリハルコン・メタルの美女レリーフ……と化した燦が召喚され、部屋全体に光が放たれる。
「なっ」
「きゃ!?」
「うわー!あ……」
デュエリスト達は悲鳴も空しく、みんな揃って不思議な光を浴び、七色に輝く、硬いオリハルコンの像へと変えられてしまった。
「(き、きつい…気持ち、悪い…)」
カードの中、金属の硬く冷たいレリーフの意識の中で、自身から放たれた魔法の光に気分を悪くする。
体を駆け抜ける不気味な感触と脱力感。
しかしそれに抵抗する事も出来ない。許されない。
「こっこいつは!」「よくもやってくれたな!」
追加で更にデュエリストの増援がやってくる。
「うふふふふ。更に魔法カード『呪縛の静寂』!」
追加で燦は召喚され、気持ち悪いオリハルコン化の光を、呼び出される度に放つ道具となってしまったのだった。
「……ぅぇ?」
ふと気が付くと元に戻っていた。
「ぅ……ここは……」
まだ古代デュエルバトル遺跡の中である。
ふと自身の懐のカード『呪縛の静寂』を見やると、そこにはカードの精らしき女性のオリハルコン・レリーフのイラストが描かれている。
「まだ体がギシギシしてる感じがするぜ……夢だったのか……?」
自身の身体をさする。金属で出来たあの硬い感覚が今でも焼き付いている。今は柔らかく暖かいのに、心の底では冷たく感じるぞっとした状態。
「(うふふ、気に入ったかしら?)」
「うわっ!?」
人のカードから声がした。
「(『呪縛の静寂』は使う度に金属となった者の中から至上の悦楽と快楽を与え、そのリビドーで魔法の光を放つわ。)」
「あ、あの心の底から全身と脳みそに冷たくてスライムみたいな液体金属が駆け巡る感じが気持ちいいだって!?ふざけるな!」
どうやらカードの精と燦の間で悦楽の感性が一致しない様だ。
「(そして悦楽の余りライフポイントを半分消費するのだけれど。ライフポイント300以下の時に使うか何かの拍子にライフが0になると、カードの私と『交代』する事になるのよ。……消費した分のライフポイントを所持してね!)」
つまるところ、発動時のライフ消費は悦楽であり、同時にカードの精とライフを『分割共有』しているという事だ。
「(私達はもう、快楽も命さえも一心同体。一体感が生まれているわ……素晴らしいでしょう、気持ちいいでしょう)」
「そ、そんな……何それ嬉しくないぜ……」
「見つけたぞ!」「やけに静かな遺跡だと思っていたらあのレリーフ像は全部お前の仕業か!」「私とデュエルバトルしな!」
そう言ってる間にも次々とデュエリストの増援がやってきた。
「もうお前は使わねぇぜ。タロットデッキで「魔法カード『呪縛の静寂』!」」
え?と、燦が人のカードを見た。
今のカード宣言は人のカードから発せられた。
浮かび上がるレリーフ像。放たれる光。「う……あ!っ
……!?」何故か自身にも少し、金属が血管から体の芯まで駆け巡る不気味な脱力感を感じてしまう。
「(言ったでしょう。もう私とあなたは一心同体。ここを切り抜けるまでジャンジャン使ってもらうわよ!)」
「う、嘘だ、嘘だーっ!?」
叫ぶ悲鳴、その後訪れる静寂。
デュエリストがオリハルコンのレリーフ胸像と化して転がり、誰も声をあげなくなる。
再び増援が訪れて、『人のカード』が発動宣言を挙げるまで。
そのカードを破る事ももう出来ない。ライフを、命を共有されているからだ。
燦は強制的に、遺跡を出るまで、『呪縛の静寂』を使い続け、デュエリストを尽くオリハルコン像に変え、時にライフが尽きてカードの精と【交代】し、カードとしてこき使われる人生を送り続けたのだった……。
大成功
🔵🔵🔵
アトラ・アトル
*は技能
アレンジ歓迎
「狭いとこは苦手なんだけど」
そう不機嫌そうにぼやきながら遺跡に足を踏み入れる
ヘビージャベリンの長さを活かして先を探りながら慎重に行動
怪しいところには遠くから*槍投げで罠がないか確認
運悪くダークリーガーと鉢合わせて遭遇戦になってしまったら
「やば」と口では言いながら、*落ち着いてバックステップで距離を取る(*逃げ足)
そのまま相手が態勢を整える前に*力を溜めて*振り絞り*槍投げ【翼蛇の一投】!
ですが敵に*集中するあまり罠への警戒が疎かに
うっかりトラップを起動させてしまい、カードに変えられてしまいます
そのままダークリーガーに使われてしまいますが……
重戦士(ヘビーウェイト)以外には持ち上げる事も難しいヘビージャベリンと、*槍投げの技能で威力を算出するという仕様のせいで
すぐに「使えない雑魚カード」呼ばわりされて捨てられ、踏みにじられてしまいます
こだわりのビルドをバカにされて文句を言いたくても手も足も口も出ず
そのまま元の姿に戻るまで、遺跡のゴミとして過ごすことになってしまいました
●
「狭いとこは苦手なんだけど」
そう不機嫌そうにぼやきながら古代デュエルバトル遺跡に足を踏み入れる少女がいた。
彼女の名はアトラ・アトル(ゲームプレイヤーの重戦士(ヘビーウェイト)・f42511)。
ヘビージャベリンを愛用する槍投げ特化のヘビーアスリートGGOゲームプレイヤーである。
アトラはヘビージャベリンを前方にかざし、その長さを活かしてフィート棒の如く先にトラップがありそうな所を手あたり次第叩きながら歩く。
その際、カチリと何か音がすると、天井から無数の光の槍が落ちて来るトラップに遭遇。
余裕を持った距離で後退し難を逃れる。
「あっぶな。やっぱこういうトラップ多いんだ」
次の部屋に入ると、遠くから光を放つ怪しげな宝石を見つけた。
「グリモア猟兵が言ってたカード化光を放つトラップか!」
アトラはヘビージャベリンを勢いつけて投擲。
投げたヘビージャベリンはガシャンと遠くの宝石に命中し、砕いた。
もし外れてもまだヘビージャベリンの替えはある。アトラには投擲の弾切れも心配がない。
次の部屋に入るとデュエリストと鉢合わせになった。
「やば」
焦りながらも落ち着いてバックステップして距離を取り、逃げる。
「あっ!?待て!デュエルバトルしないの!?」
「かかったな、プレイヤーにダイレクトアタックしてやる!」
追いかけて来たデュエリストにヘビージャベリンを構え、振り返りざまに捻り振り絞り槍投げを放つアトラ!
「きゃ、ぐあああああー!?」
胸に槍を喰らい、妙な吹っ飛び方をして気絶するデュエリスト。ヘビージャベリンと槍投げの乗算威力に更に助走をつけての捻り回転が加わったパワーにより、デュエリストのライフポイントは一撃で0になったのであった。
「よし、このまま――」
そう言った瞬間、カチリ、と。
逃げた先が見知らぬトラップのある部屋だったせいで。
「え?あっ!?」
警戒がおろそかになったアトラの頭上からカード型吊り天井が落下し、アトラを押しつぶす!
プシュウと蒸気の音がした後、吊り天井は上がっていき、後にはひらひらと舞って床に落ちる、両手を画面手前に押し込んだような潰された無様な表情とポーズをしたアトラのイラストが描かれたカードがあった……。
「あっ、これって猟兵?アスリート?なんにせよ戦力が増えたわ!」
そのまま通りすがりのダークリーガー・デュエリストの女子に拾われたアトラ。
カードの中で意識を保ったまま、やめてと声をあげる事も出来ず、静かにデュエルバトルカードのデッキの中に差し込まれた。
他の猟兵と出くわした後、彼女は召喚された。
「召喚!『槍投げの重戦士アトラ』!」
「いくよ!」
カードから召喚された今のアトラは自分が猟兵と思ってもいない。
ただの召喚獣として生を受けた戦士の如く、ダークリーガーに付き従う戦士として猟兵に挑み込んだ。
「きゃあああぁぁ!」
猟兵のユーベルコードによってあっさりとやられ、吹き飛ぶアトラ。
「な、何だこいつ!?撤退だ!『狂戦士』よ壁になれ!」
カードの効果をデュエリストが読むと、まず彼女はジョブが召喚獣となっていたので、『重戦士』という肩書に反してヘビージャベリンを上手く持ち上げる事が出来ない。
そしてカード効果として、アトラは槍投げで攻撃する召喚獣なのだが、まず助走し構えてからでないと攻撃ができない。
つまり「攻撃や効果を適用する為に1ターン待つ必要がある」という効果なのだ。
「ク、クソカードじゃんこいつ!1ターン相手に渡すとか普通に対策されるのがオチだし!」
アトラこだわりの槍投げや、重戦士を馬鹿にしたような愚痴の暴言を延々と吐かれる。
アトラはそれを聞いて涙を流す事も出来ず、カードのイラストとして潰れた姿をさらし続けるだけであった。
「もういい!別のカード探すわ!」
デッキからアトラのカードを引き出すと、デュエリストはそれをグシャグシャに丸め、その辺の床にポイ捨てして、去る。
…………………………………………。
彼女は一日経って外に転送されるまで、遺跡のゴミとして佇み続けるだけの存在となってしまった……。
大成功
🔵🔵🔵
ルナ・シュテル
人のカード回収任務。
了解致しました。
BloodyTearsにて周辺の地形情報や大気の状態を随時【情報収集】、空間情報への【ハッキング】にて無力化しつつ先に進んで参りましょう。
罠にかかってしまった場合はUCを使用しての回避を試みます。
人のカード発見時も、安全を確認した上にて回収を。
ダークリーガーとの対面時は、持参のデッキに(回収できていれば)人のカードを組み込み対戦を。
使用デッキは対戦相手の行動を適宜妨害しつつ場を整えていくコントロール系デッキ。
場を掌握しましたら、切り札としてLucyDollにての数の攻勢、或いは人のカードを行使し決着と致します。
メルクーア・シュヴェーフェル
超古代にハイテクカードバトル場?
人類がカードバトルに勝って文明を得た???
……よし、今は気にしないどくか。ツッコミ入れる相手も居ねえし。
えー、まあ実質的にダンジョン攻略だな。で、敵より早く攻略しろと。
それなら【ミニマップ表示】使って地形と罠と敵の位置見ればかなり楽になるな。
敵との戦闘が回避できないようなら、
召喚された毒蛇は『有翼の蛇』でスリップダメージ与える毒薬を撒いたら一撃受けた扱いになって消えるだろ。
後は適当に逃げるふりしてトラップに誘い込んで倒してくぞ。
で、これが人のカードか。
ドラゴン、いや
火蜥蜴 か。
文明の火ってわけか?まあいい。
出てこい!そんで全部焼き尽くせ!
カルメン・エストラダ
アドリブ/連携可
トラップ:迫る壁
ダークリーガーに追われるカルメン(ダッシュ)。と、前方の壁がどんどん接近していることに気づく
(舌打ち)「こんな古典的トラップにやられる訳にはいかないんだよ!」
UC発動。吹っ飛ぶダークリーガーと崩れる壁。と、壁の向こうに光り輝くカードが見える。
勝負勘が告げる。求めていたカードはこれだと。
人のカード『生命の循環』
効果:このカードが場に出た時、自分と相手の墓地にあるカードを全て山札に戻し、シャッフルする。
敵UCの狂戦士が瓦礫から這い出る。
「試しに使ってみるかね」
ダークリーガーのカード達が手元に集まってくる。その中から断罪の首狩り刀を装備して一閃。
●
古代デュエルバトル遺跡。
OPでは便宜の為端折り気味になってしまったが、今一度ここで詳しく説明しよう。
古代デュエルバトル遺跡とは、超古代より存在するという、絶対に破壊できない超物質で構築された謎の超ハイテクデュエルバトル場である。
かつて古代バトリンピア時代よりも遥かな昔、人類の黎明期に、このデュエルバトル遺跡で「人間のデュエリスト達」が「古代デュエル神族」とのカードバトルに勝利した事により、人類は最初の文明を得たと言う。
秩序の神マリガン、戦争の神トランプル、輪廻の神シンクロフュージョン、憎悪の神アンティ、混沌の神コイントス。
それらの神々が祀られしこの場所で、かつて神々に勝利したデュエリスト達がいた。
そんな偉大なるデュエリスト達は、神々に対抗する切り札「人のカード」を使っていたというのだ。
今ではその偉大さを保全する為にも、不思議な魔法やトラップに守りを固めたこの古代デュエルバトル遺跡の最奥に「人のカード」もまた、神の如く祀られているという。
「……うん
。…………うん。
超古代にハイテクカードバトル場で、
人類がカードバトルに勝って文明を得た、か……。
……よし、今は気にしないどくか。ツッコミ入れる相手も居ねえし。」
GGOの、銀の長髪に黄と水の色のヘッドアクセサリが走る、貧民出身錬金術NPCの女、メルクーア・シュヴェーフェル(NPCショップ『ザルツ』店主・f41973)がそう言って頷き、装備を構えた。
「そうですね」
「うわぁ!?」
メルクーアは秒で声の主に驚き飛び退いた。いるじゃねえか相手。
「委細は気にしません。人のカード回収任務。了解致しました。タイプ:ルナ、「LNA-1120」、強化人間バイオロイド『ルナ・シュテル(Resonate1120・f18044)』、任務を開始します。」
ツッコミは入らなかった。彼女もその辺りの設定は気にしないで行くらしい。
結わえ整えた明るい薄紫の長髪に片方だけ覗かせる赤い瞳が映える。
「えー、まあ実質的にダンジョン攻略だよな。で、敵より早く攻略しろと。」
「その様にございます。『BloodyTears』により周辺の地形情報や大気の状態を随時【情報収集】、空間情報への【ハッキング】にて無力化しつつ先に進んで参りましょう。」
「えっ、何だ?ブラッディ?」
「『BloodyTears』。私のサイバーアイのようなもの。それによる立体調査とお考え下さい。」
「お、おう!」
淡々と言って赤眼を光らせるルナにやや調子を崩されるメルクーア。
「じゃあその情報こっちの電脳機……インベントリ(頭のヘッドセット)にでも伝えてくれや。視界の右上くらいに【ミニマップ表示】入れて、お互い罠と敵の位置情報共有な。」
「かしこまりました。」
透視するように辺りを見回して詳細な情報を頭に叩き込み、メルクーアと共有するルナ。
「!」
解析してすぐの事である。二人のミニマップに猟兵側のアイコンが新規に1件表示。
と同時に、その猟兵がデュエリスト達に追いかけられている様子であるのを発見した。
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「待てーっ!」
「さっきのアイツみたいに逃げて!」
「まともにデュエルしなさいよ!」
「(舌打ち)誰がするもんか!アタシはカード怪盗カルメン!(f42439)カルメン・エストラダ!人のカードを手に入れるまで相手にしていられない!」
カルメンと名乗る女性は人狼謹製の怪盗服に身を包んだデビルキングワールドの人狼デュエリストである。
どうやら今回は「人のカード」をコレクションする為に単身古代デュエルバトル遺跡に飛び込んだ様だ。
が、こうして今、紙一重でトラップを避けながら必死で追って来るデュエリスト達の相手をしているわけである。
戦うという意味でなく、逃走するという意味での相手で。
「バカめ!そこは行き止まりだよ!」
いつの間にかデュエリスト達に袋小路に誘導、追い詰められていたカルメン。
何ならその壁がどんどんカルメンに接近してくる。
壁はどうも粘性の強いカード化粘土壁の様である。
壁に背を向けてくっつく事も出来ない(そうした場合は壁に取り込まれてカードにされてしまう為)
「(舌打ち)こんな古典的トラップや、雑魚にやられる訳にはいかないんだよ!」
「ああ!?」「誰が雑魚だって!?」
挑発にキレるデュエリスト達は一斉にカード召喚をしようとし。
「お前らの事だろうが!」
突如、デュエリスト達の背後で爆発が巻き起こった。
投げ込まれた薬品爆弾の爆発に巻き込まれたデュエリスト達の一部がカルメンの後ろの壁に吹き飛び、取り込まれ、カードと化して排出され、折角だからとカルメンが回収する。
「こ、こいつ!」
「待ち伏せしてたって!?」
「してねえよ探索してたらたまたま見つけただけだ!アタシと!」
「タイプ:ルナ、LNA-1120ルナ・シュテル(Resonate1120・f18044)が。」
「助けに来た!」
「追加の猟兵!?い、いやいやアタシは怪盗。あんまりお世話になるわけには」
「旅は道連れだ。戦力は多い方がいいしな。」
ルナとメルクーアはデュエリスト達に割り込んですたすた歩いてカルメンの側に着く。
「え、挟撃とかしないの!?なんでわざわざこっちに来たんだよ!」
「うるせえ!攻撃に巻き込んで後ろの壁トラップに吹き飛ばしたらどうすんだ!」
「というわけです。さっきの「それ」を少々拝借します。」
ルナはカルメンが今回収したデュエリスト達のカードを少しスリ取った。
「か、怪盗のアタシに盗み!?なんてワルかっこい」
「後で返しますので。」
デュエリスト達がカードを展開する。
「召喚カード『ブラックヴァイパーズ』!」
巨大な毒蛇が3人を囲むように現れ、猛毒の牙で噛みつこうとする。
「まかせろ!『有翼の蛇』!」
メルクーアが猛毒薬品噴射装置を辺りにまき散らす。
毒蛇とは別種の猛毒がスリップダメージを引き起こし、1撃で消えるトークンタイプである毒蛇は召喚された毎から次々と消滅していく。
「制限カード『猛攻の狂戦士』に装備カード『断罪の首刈り刀』を装備!」
大量の狂戦士達が首狩り鎌を装備して一塊となり襲い掛かる。
「制限カード『猛攻の狂戦士』、及び『LucyDoll』を展開。それらに装備カード『断罪の首刈り刀』を装着します。」
それをルナが対抗。
狂戦士に加えた自身の量産型バイオロイドを召喚し、同じく戦意を刈り取る鎌を持って攻撃。
上回るかと思いきや、拮抗する。
ルナの召喚した大量のバイオロイドより、大量にいるデュエリスト達の狂戦士召喚は数で圧倒する。
「(舌打ち)アタシも何か、何かやれることをしなくちゃね。……みんな伏せて!」
「!?」
「了解しました」
二人が伏せたと同時、カルメンは大きく息を吸い、自身のルーツである人狼由来の激しい『人狼咆哮』を放つ。
辺り一面に凄まじい咆哮の衝撃波が鳴り響く。
「な、んっ……」
「耳が……割れ……」
苦しみ悶えながら吹き飛んでいく狂戦士とデュエリスト達。
それに加えて、咆哮の衝撃で後ろのトラップ壁にヒビが入ると、次の瞬間、轟音と共に崩れ出した。
「こいつは!」
視界に映るミニマップが更新される。
この迫る壁の向こうは隠し部屋であったのだ。
そしてその部屋の奥に輝いて表示されるのは。
「――人のカード!」
猟兵達を導いているのか、都合よく3枚のカードが展示されているのが、崩れていく壁越しに目視で確認できた。
●
「人のカード、確認、回収します。」
ルナが飛び込むように走る。
「まっ、待ちな!それはカード怪盗カルメンものだよ!」
追う様にカルメンが飛び込んでいく。
「「「私達も続くよ!」」」
そう言って飛び込みに来たデュエリスト達にメルクーアが立ちはだかる。
「チームプレイってな。ここから先には行かせねぇよ!」
メルクーアは少し下がって何かのスイッチを踏む。
するとカードの刃がデュエリスト達の横から飛んできたり、巨大なカードの振り子が襲い掛かってきたりした。
メルクーアのミニマップ表示にはどこに罠があり、どう押せばどう罠が動くかも矢印で分かりやすく表示されているのだ。
「この」「小癪な」「手を!」
何人かトラップに直撃し煙と共にカードになっていく。
「手に入れたか!人のカード!」
カルメンがゆっくりと、自慢げに部屋の奥から現れた。
「今こそ反撃の時だね。勝負勘が告げるんだ。求めていたカードはこれだと。……人のカード『生命の循環』!」
人のカードを提示すると、今までカードになったデュエリスト達と、使われた技のカードが全てカルメンに吸い込まれていく。
「なっ」「あ、アンタ!」「人のカードを!」
「このカードが場に出た時、自分と相手の墓地にあるカードを全て山札に戻し、シャッフルする。アンタ達のカードは全部頂きさ!……そして試しに使ってみるかね。制限カード『猛攻の狂戦士』!」
辺り一面の瓦礫が崩れる音がする。
しかし、狂戦士達はカルメンの前には現れなかった。
「何?……こけおどしか何か?」
「もしかして回収するだけでそのカードは使えなかったりするのか?」
余裕を入れていくデュエリスト達。
だが次の瞬間、ドズン!と、巨大な剣が天井を突き破ってデュエリスト達に落ちて来た。
「「「な、なんだぁーっ
!?」」」
デュエリスト達が、猟兵達が、見上げる。
驚くべし。天井は一時的に消滅し、見上げた頭上は真っ暗な異空間となり、その中から巨大な狂戦士が、猟兵とデュエリストを囲む様に無数に見下ろしている。
「人のカード『箱庭闘技場』。……私的に申し上げますと『MiniatureArena』となります。」
ルナが言う。
「この戦場空間を一時的に『箱庭』として外界から切り離し、以降、私達の出す召喚カードは全て箱庭の外から見下ろす様にリサイジングされて召喚される。そうして召喚された『箱庭を見下ろす者』は、どんな効果や攻撃も無効化。効きません。」
つまり、戦場の外に現れる巨大化したモンスターが一方的にデュエリスト達を攻撃できる。そうルナは言うのだ。
「『猛攻の狂戦士』達、一斉攻撃です。」
天から狂戦士達の巨大な剣による攻撃が激しく降り注ぐ。
「「「こ、こんなの聞いていないー
!」」」「「逃げろ!この箱庭空間から出られれば行ける筈!」」
デュエリスト達は退却、逃げ惑う。
しかし空間から切り離された為にできた行き止まりへとすぐに到着。
逆に彼らが袋小路となった。
突如飛んできたカードをメルクーアがキャッチする。投げた主はカルメンだ。
「折角だから特別サービスだよ。その「人のカード」、アンタに使われたがってるみたいだからね。」
「こいつは……こいつが、人のカードか。」
その超古代的な威容のデザインをしたカードをまじまじと見るメルクーア。
巨大に荒れ狂う火の爬虫類がそのカードに描かれている。
「ドラゴン、いや
火蜥蜴か。文明の火ってわけか?まあいい。」
メルクーアはカードをかざし、とどめといわんばかりに宣言する。
「出てこい!そんで全部焼き尽くせ!人のカード『荒れ狂う
Aサラマンダー!』」
爆音と爆炎が巻き起こる。
様々な破壊の機械で武装した巨大なドラゴンの如き赤いトカゲが、戦場の外からずわりとその顔を覗かせた。
無数の大砲、爆撃火薬。口からも絶えず火を吹いて、赤い眼をマグマのように光らせる。
その体躯は先程の狂戦士より何倍も巨大なものだった。
「
文明焼滅・ブラスター!」
「うわあああぁあぁぁーーーっ!!!」
口や周りの火薬、砲台、全てが一斉に、袋小路にいるデュエリスト達に放たれ。
文字通り異空間ごと、全てを焼き尽くしたのだった。
こうして猟兵達は「人のカード」を手に入れ、遺跡を後にする。
強烈なこの力がどこでどう役に立つかは分からないが、きっとこの先を進むに良き代物となる事だろう。
アスリートアースの戦いは未だ続くが、大いなる古代デュエルバトルの力を胸に、戦え、猟兵。
大成功
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