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ボウケンシャはじめました!

#アルダワ魔法学園


 季節はもうすぐ春。それは出会いと別れの季節。
 柔らかな陽射しの下、アルダワ魔法学園の正門前に立つ若者がひとり。
 門を見上げる紅顔に浮かぶのは、ほんのちょっとの緊張と、溢れんばかりの期待感。
 意を決して踏み出す先は、浪漫に満ちた冒険の世界。
 魔法学園に、新入生がやってきました!

「今回の仕事はアルダワ魔法学園からの依頼だよ」
 グリモアベースの一角で京奈院・伏籠(K9.2960・f03707)が猟兵たちを出迎えた。
 日頃から柔らかい表情の伏籠だが、今日はいつにも増して相好を崩している。
「『迷宮新歓コンパ』っていう伝統が学園にはあってね。要は、新入生の歓迎として、先輩たちと迷宮探索に繰り出すんだ」
 いやぁ、若いころを思い出すねぇ。と感慨にふける伏籠。この男、今年で32歳。オジサンムーヴが板に付きつつある。
「とはいえ、そこは迷宮。深層まで降りないにしても危険はある。
 昨今は災魔が増えつつあるし、付き添い要員として猟兵にも白羽の矢が立った、ってわけさ」
 アルダワ魔法学園における猟兵の立場は『転校生』だ。学園の先輩として新入生と交流を深めるのも一興だろう。
 猟兵たちには及ばないとはいえ学生たちも立派な戦闘要員。新入生たちが成長すれば迷宮踏破にも一歩近づくはずだ。
「そんなわけで、みんなに担当してもらいたいのは……、この子!」
 差し出される一枚の写真。写っていたのはブラウンヘアーを短く刈り込んだ人間。浅く日に焼けた、ズバリ、健康優良児といった男の子が緊張した表情ではにかんでいた。
「アルフレッドくん、16歳。出身は農家の三男坊。
 才能アリ、ってことで入学が認められたけど、技量的にはまだまだ未熟な感じだね」
 逆に言えば、彼にどんな才能が眠っているのかも未知数ということ。
 もしかしたら、猟兵たちと触れ合うことで想像もしなかった能力が芽生える……かもしれない。
「彼との顔合わせが済んだら、まずは自己紹介と親睦がてら軽くトレーニングしてみるといいんじゃないかな。
 戦闘技術なり、心構えなり、みんなが大事にしているポイントを教えてあげればきっと彼の成長に繋がるよ」
 もちろん、アルフレッドくんの抱負や目標、趣味を聞くといった、新歓お馴染みの交流を図るのもいいだろう。
 胸襟を開いて自分たちのことを語るのもいいかもしれない。
 どんな些細なことでも彼の経験には違いないのだから。
「トレーニングが済んだらいよいよ迷宮探索だ。アルフレッドくんは迷宮ビギナーだからみんなでうまくフォローしてあげてね」
 初挑戦ともなれば緊張するのは仕方ないこと。彼に『迷宮慣れ』してもらうのも新歓の目的のひとつ。
 また、迷宮に入る以上、災魔(オブリビオン)と遭遇する可能性も当然ある。油断は禁物だ。

「後輩に恰好良いトコロ、見せちゃおう?」
 そう悪戯っぽく笑って伏籠は猟兵たちを送り出すのであった。


灰色梟
 こんにちは、灰色梟です。
 春、入学式の季節です。緊張気味な入学生を歓迎してあげましょう。

 第1章ではアルフレッドくんとトレーニングを行います。
 彼の能力は未知数。
 トレーニングの内容(とダイス)で彼の素質が変化します。
 みなさん思い思いの訓練や会話を交わしてみてください。

 第2章以降は実際の迷宮に赴くことになります。
 アルフレッドくんの戦闘スタイルは第1章の結果によって変動します。
 ただ、彼も頑張って協力してくれますが、新米ということもあり空回りしてしまうかもしれません。
 また、災魔を相手にするのにはさすがに経験が足りません。
 上手くフォローしながら攻略を目指しましょう。
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第1章 日常 『猟兵達の戦闘訓練』

POW   :    肉体を鍛える訓練をする。

SPD   :    速さや技量を鍛える訓練をする。

WIZ   :    魔力や知識を高める訓練をする。

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「は、はじめまして! アルフレッド、16歳ッス!」
 魔法学園に入学して数日。アルフレッドはある噂話を学生たちから聞いていた。
 曰く、『転校生』たちはその実力を見込まれてやってきた一流の戦士で、皆、学園上位の実力者である、と。
 はじめてのダンジョンアタックに、噂の『転校生』が同行してくれる。
 これで緊張しないわけがない。
「故郷じゃ野犬とか猪の退治をしてました! 今日はよろしくお願いするッス!」
 彼の表情はやや固い。だが、威勢は良いし、その声にやる気は十分に感じられる。
 さて、気力の充実した新入生と共に、猟兵たちが行うトレーニングとは……。
阿紫花・スミコ
「あー、あー、ボクが阿紫花である。ボクのことは、気軽に先輩と読んでいいぞ。」
えらそうに自己紹介を始めるスミコ。

「ボクが教えるのはずばり!・・・スピードさ!」
戦闘時、非戦闘時、スピードは大きく状況を変える。

「とりあえず、組手でもしとく?」
アルフレッド君の攻撃をかわす、かわす。ワイヤーギアからワイヤーを射出し、天井や壁にフックをかけて、巻き取りつつ蒸気を噴射し、飛び回る。
(フェイント、ダッシュ、ジャンプ、空中戦、コミュ力)

「もしかして、速く走ろうとしてるんじゃない?・・・いいかい?スピードは一朝一夕に伸びるものじゃない。速めるのは、思考と判断さ。敵の動きをよみ、その先に自分の行動を決めるんだ。」


アーサー・ツヴァイク
※協力改変大歓迎
【POW】で身体の適性を調べてみるか。
農家の三男坊だろ? 手伝いとかで体力ついてそうだしな。
ウェポン・アーカイブで木刀を二つ召喚して、軽く練習してみよう。もちろん、俺は手加減するぜ?
ルーンナイトは剣も使うし、もしかしたらそういう才能が見つかる…かもしれないぜ!

そういやアルフレッドはどうしてこの学園に来たんだ? 何か目標とかあるのかな…休憩時間とかにでも聞いてみたいな。
ちなみに俺は「困っている誰かの助けになりたい」…そのために色々学ぶことが出来るここに厄介になってるんだ!
やっぱただ強くなるんじゃなく、何か目標がないとな!


トール・テスカコアトル
「走ろっか。ついてきて」
アルフレッドさん、最初は張り切ると思う
そのペースを維持して延々走るよ
トール、体力には自信あるよ……彼が吐くまで走る

「食べよっか」
最近、ここの食堂の使い方、分かって来たんだ
三人分頼んで、食べれるだけ食べてもらう……残したらトールが食べる

「お話ししよ」
これまで戦ってきた、色んな敵の事を話す
華々しい事なんて話さない
痛くって怖くって泥と血の匂いの話し
「怖いよ、怖い。……当たり前だよ」
トールは、勇気の戦士
……恐怖に打つ勝つには
「なんで、なんのために戦うかを、よく考えて。大切なモノは?護りたいモノは?……それを思えば」
勇気が湧くよ

「寝よっか」
どっか、静かで暖かいところでお昼頃しよう


弁柄堂・平吉
こんにちは、あるふれっどくん。俺は弁柄堂平吉、魔法学園で学ぶ転校生です。よろしく。

■SPD
俺は力にも体格にも自信はない。あるふれっどくんの得意分野ではないかもですが、純粋な力勝負が出来ないときのために搦め手を覚えてもいいかと。
自分で使うだけでなく、相手が使ってきたときの対処や心構えにもなるしね。じゃ、体感しようか。(にっこり)

《咎力封じ》の拘束ロープであるふれっどくんを【追跡】、【地形の利用】しつつロープで囲んで動きを制限。ついでに死角から傘を出して追い込みましょう。あえて用意した逃げ場へ行ってくれれば、そこで袖に隠した手枷で拘束。猿轡も欲しいですか?

どうです。わりと俺、こういうの好きですよ。


柚々・奈七音
アドリブ・絡み歓迎

まぁ、素敵な習慣ですね!先輩後輩との絆が深まりそうです。
でも迷宮は危ない場所ですから…しっかり準備した方がいいですね。
わたしに協力できると良いのですけれど…よろしくお願いします。

わたしがアルフレッドさんに教えたいのは、『避けること』です!
どんな攻撃も避ければ当たりませんし、当たらなければ痛くないですし、死ぬこともありません。死なないのは良いことです!
ですので、わたし、これからこの棒でアルフレッドさんに思いっきり攻撃を仕掛けます。
しっかりと避けて下さいね…?当たると…痛いかも、ですよ。


村井・樹
いやぁ、私にもこんなキラキラしていた頃があったと思うと、懐かしいですねぇ
とにもかくにも、よろしくお願いします

私からは鋼糸や、ロープを用いた技術を伝授させていただきましょう
私自身も、『ロープワーク』には少々ですが、覚えがあります故。

……きっと地味だと思われるでしょうが、これもまた探索や戦闘などで大事な技術です

これの強度を知っていれば、どのようにして人や物を引き上げるかの一考になるでしょう
或いは、敵の出現を待ち受ける際に、『目立たない』罠を作る技術としても使える筈です
捕まえた敵は、そのまま仕留めるなり、『敵を盾にする』なりすれば、大いに楽に探索できるかと。

※プレ外の言動、他猟兵との絡み等大歓迎



 アルダワ魔法学園内に存在する訓練施設のひとつ、体育館程度の広さを持つ修練場にアルフレッドと猟兵たちは集合していた。
 この施設を利用するのは初めてなのだろうか、アルフレッドはキョロキョロと周囲を見回している。見る限り、不安よりも好奇心が勝っているようだ。
 探索者としては良い傾向だな、と猟兵の中からひとりの男が歩み出る。
「よぉ、アルフレッド! 俺はアーサー、アーサー・ツヴァイクだ。よろしくな!」
 アーサー・ツヴァイク(ドーンブレイカー・f03446)は張りの有る声で挨拶を交わし、手を差し出して握手を求める。
 自信に溢れたオトナの男性。アルフレッドが想像する『スゴ腕』にドンピシャだ。
「アルフレッドです、よろしくッス!」
「お、やっぱり身体はガッシリしてるもんだな」
 長身のアーサーを見上げるように握手に応じたアルフレッド。彼の手から伝わる握力や筋力はなかなかのものだ。
 村でも鍛えてましたから。とはにかむアルフレッド。それを見てアーサーはニッと笑みを浮かべ、手元に木刀を召喚する。
「まずはコイツで練習してみようぜ? 手加減するから、掛かってきな!」
「は、はい!」
 召喚した二本の木刀のうち片方を投げ渡すと、彼は子犬のように目を輝かせた。
 握り方を確かめるように腕を動かして、一振り二振り。よし、と頷くと、余裕の笑みでゆったりと構えるアーサーに思いっきり飛び掛かった。

 高い音を立ててぶつかり合う二本の木刀。攻めているのはアルフレッドだが、その攻撃はことごとくアーサーに防がれていた。
 少年の息が切れ始めているのに対して、アーサーのほうは彼を落ち着いて観察する余裕さえある。
(言っちゃ悪いが素人剣法だな。力任せに振り回してるだけだ)
 打ち込みを受け止めるたびに、確かにパワーを感じるものの、技量がまったく追い付いていない。これではアーサーに一撃入れることさえまず不可能だろう。
 ふむ、とひとつ頷き、アーサーは木刀を受け止めると、少し強めに弾き返した。
「よし、この辺にしとこう。アルフレッド、剣は初めてか?」
「ハァハァ……、はい、村では、農具とか、猟師の罠とか、使ってたッス」
 肩で息をするアルフレッド。残念ながら、すぐに実戦に持ち込めるほどの剣才は見つからなかったようだ。
 アルフレッド自身、さきほどの打ち合いは軽くあしらわれたということはわかるのだろう。握りこんだ木刀を見つめる視線は、やはり悔しそうだ。
 負けん気は悪くない。彼から木刀を受け取り、アーサーは軽く肩を叩く。
「ま、時間はあるんだ。他にもいろいろ試してみようぜ?」
「……はい! 頑張るッス!」
 見つめ返す瞳に、もう緊張の色はない。情熱に燃える瞳にアーサーも相好を崩す。
 膝に手をついていた彼の手を引っ張り上げれば、汗に濡れた顔には笑みさえ見えた。
「よし、それじゃ次は……」

「罠か。経験があるのはいいですね」
「ははーん、これはボクの出番かな?」
 アーサーに代わって前に出たのは二人の猟兵。傘を携えた和装の青年と学園制服に身を包んだボーイッシュな少女。
 弁柄堂・平吉(歪なヒト・f13885)と阿紫花・スミコ(人間の人形遣い・f02237)だ。
 アルフレッドが息を整えたのを見計らって、スミコは得意げに胸を張って宣言する。
「あー、あー、ボクが阿紫花である。ボクのことは、気軽に先輩と読んでいいぞ」
「え? あ、はい……?」
「ム、つれない反応だなー」
 身長150cm弱のスミコである。自分と同年代らしき(というか実はアルフレッドのほうが一つ年上だ!)の少女に尊大な態度を取られて、アルフレッドは困惑気味だ。
 もっとも、魔法学園の学生や猟兵たちにおいては、見た目と実力、さらには実年齢までもがまるきり比例していないケースも非常に多い。
 スミコもまた、幾度となく迷宮に挑んだ歴戦の猛者なのである。
 そんな二人の掛け合いを見て、平吉はにっこりと微笑む。
「あるふれっどくん。俺は弁柄堂平吉、魔法学園で学ぶ転校生です。よろしく」
「は、はい! ええっと……、平吉先輩!」
「ちょっ! ボクはー!?」
 スミコに話を振られていたからか、咄嗟に平吉を先輩と呼ぶアルフレッド。
 おやおや、と口元を緩める平吉と、反対に口を尖らせるスミコ。
 賑やかな空気になりつつあるがこの二人とて訓練とあれば手を抜きはしない。
 二人の選んだトレーニングとは……。

「ボクが教えるのはずばり! ……スピードさ!」
 改めてアルフレッドと相対するのはスミコ。軽装ながらいくつかのガジェットを装着しつつ、アルフレッドをビシリと指差す。
 一方のアルフレッド、今度は1m強の木の棒を手に持っている。アーサーといくつかの武器を試してみた結果、本人曰く、ピッチフォークの長さに近くて持ちやすかったとのことだ。
「スピードは大事だよ? これひとつで状況が大きく変わるからね」
「んーっと、つまり足の速さとかッスか?」
 一概にスピードと言われてもいまいちピンと来ないアルフレッド。
 自信なさげに首を傾げる彼に、チッチッチッ、とスミコは指を振る。
「それだけじゃないんだよなー。まずは習うより慣れろ、ボクとも組手してみよっか」
「……それはいいッスけど」
 ちょいちょい、と手招きするスミコだが、見る限りでは彼女は無手。棒を構えたはいいものの、いきなり打ち込んでいいものかアルフレッドは逡巡してしまう。
 となれば、当然。
「はい、気を抜かない!」
「イテッ」
 一足飛びに懐に飛び込んだスミコによるチョップの一閃。手加減された一撃とはいえ、頭に走った衝撃にアルフレッドも頭のスイッチが切り替わる。
 彼女の今の動作を、アルフレッドは目で追い切れていない。兎にも角にも、長柄の棒をコンパクトに振り、目の前のスミコに反撃するしかない。
「この!」
「遅い遅い! どんどんいくよー!」
 だが、その瞬間にはスミコはすでに間合いから離脱していた。
 空を切るアルフレッドの攻撃。その動作が終わるのを待つまでもなく、スミコは手元のガジェットを起動する。
 ガジェットからワイヤーが放たれ、天井に撃ち込まれる。間髪入れず、内燃機関が蒸気を吹き出し、スミコの身体は中空へと舞い上がった。
「な、えぇ!?」
「ほら、こっちこっち!」
 その軌道は、アルフレッドにとって未体験の代物だった。天井、壁、床と三次元を自在に飛び回る影。なんとか追いすがろうと足を動かすが、彼が動き出したときには、すでにスミコは別の方向に跳んでしまっている。
 幾度目かの跳躍の後、スミコは勢いのままアルフレッドの背後に降り立つ。そして、彼が振り向くよりも早く……。
「ていっ」
「アイタ!」
 再びのチョップ。もちろん、直後のバックステップは忘れずに。アルフレッドの反撃は再び空を切る。
 彼女は人差し指を立て、彼を諭す。
「もしかしなくても、動きを速くしようとしてるんじゃない?
 いいかい? 速めるのは、思考と判断さ。敵の動きを読み、その先に自分の行動を決めるんだ」
「……思考ッスか?」
 動作そのものは一朝一夕じゃ速くならないからね。としたり顔で語るスミコ。
 アルフレッドは少し考えこむ。何か、頭の中で形になりそうな……。
「ようし、もう一回いくよー」
「……はいっ、センパイ!」
「お、いい返事!」
 素直に教えを請う姿勢は嬉しいね、とスミコは再びワイヤーを天に放った。

 さて、再び始まった二人の組手。それを観察しているのは平吉だ。
 一見すると、飛び回るスミコをアルフレッドが追いきれない、という構図は先ほどと変わらないようだが。
「対応は考える、と。感心ですね」
 跳躍するスミコの着地ポイント。彼女を追えないなりに、アルフレッドはそこに向かって槍を突き付けて構えるよう努めている。
 俗にいう、槍衾の構えである。事実、スミコもまっすぐに彼へ向って飛び込むのはなかなかにやりにくそうだ。
 一方で、ならばとばかりにスミコがフェイントを交えた軌道を取ると、彼の反応には目に見えて戸惑う様子が見て取れる。
「なるほど、野生動物への対処方法ですか」
 納得したように頷く平吉。アルフレッドが語っていた、イノシシのような獣に対する戦い方がこれなのだろう。確かに、単純に突進してくるような獣が相手であれば、彼のスタイルは有効に働くはずだ。
 高速で動く敵に対して気後れしていないのも加点対象。
 長柄の得物と合わせて、意外とカウンター型の戦い方が向いているかもしれない。
「惜しむらくは搦め手に対応ができてない点ですね。そこのところ、経験を積めば……」
 形としては悪くないかも、と頭の中で方針を練る平吉。
 そうしている間に、スミコとの組手は三度目のチョップが入って決着したようだ。
「お疲れ! 後半はまぁまぁだったかな」
「ゼハァ、ハァ……、本当ッスか」
 まだまだボクには及ばないけどね! と、胸を張るスミコ。
 それでも、アルフレッドにも何か掴みかけたものがあるようだ。汗をぬぐう表情に気落ちした様子はない。
 それならば、と平吉はゆるりと進み出た。

「次は俺とやろう。こちらから攻めるから、うまく対処してくださいね」
「……はい!」
 一種の興奮状態だろうか。アルフレッドは疲労を気にせず次の特訓に気勢を上げる。
 その様子を目に収め、平吉は蛇の目傘を斜に構え、すすりと滑るように距離を取る。
「それでは搦め手の対処法、体感しようか」
「うおっ!?」
 にっこりと笑みを浮かべた平吉の懐から、唐突にロープが飛び出す。……敢えて、アルフレッドの反応が間に合う速度に調整されて。
 狙い通り、アルフレッドは寸でのところで襲い掛かるロープを回避する。
 しかし、一本、二本とロープは次第に数を増して彼を狙う。
 ……中・遠距離からの攻撃はアルフレッドの泣き所であった。なにせ、野生の動物は飛び道具なんて使わなかったのだから。
 対処に手いっぱいになれば、当然、自分の動きが誘導されていることにも気づけない。
「ええっと、こっちか!」
「いいえ、こちらも行き止まりです」
 要所要所で平吉自身も傘を使ってアルフレッドの進路を塞いでしまう。
 傘で視界ごと行く手を阻まれれば、回避の方向はさらに限定される。
 そうこうしているうちに、周囲に逃げ道がなくなり……。
「残念、ここまでですね」
「フ、モガァ!」
 音もなく死角から近づいた平吉がアルフレッドを拘束して王手となった。
 手枷が嵌められ、ロープが巻き付き、オマケに猿轡までいつの間にか噛まされている。
 地面に転がるアルフレッドに、屈みこんで視界を合わせ、彼はイイ笑顔で語りかける。
「搦め手の基本は相手の誘導。罠猟の経験があるなら伝わりますか?」
「……フゴフゴ」
 言葉を発せず、頷くばかりのアルフレッド。
 あれ、この先輩、結構ヤバい? とかいう考えが脳裏に浮かぶも、後の祭り。
「それは良かった。自分が使うにしても、相手が使ってくるにしても、心構えがあるに越したことはないからね。
 ……それじゃ、もう何回かやってみようか」
「フガー!」
 わりと俺、こういうの好きなんですよ。と笑みを崩さない先輩にアルフレッドの背筋は寒くなるばかりだった。

 ……しかし、彼は知らない。
 本当にキツイのはこれからだということを。

 しばらくの後。
 修練場には大の字になって仰向けに倒れるアルフレッドの姿があった。
 平吉の特訓により、心身ともに摩耗した彼。汗だくのままで息を荒げている。
「これ、水」
「大丈夫ですか?」
 そんな彼を覗き込むように声を掛ける二人の女性。学生服のドラゴニアンと柔らかい雰囲気の人狼。
 柚々・奈七音(終焉を忌む者・f14778)とトール・テスカコアトル(ブレイブトール・f13707)である。
「あ、ありがとッス……」
 トールの差し出した水を受け取り、むくりと体を起こすアルフレッド。
 よくよく見れば、この二人も自分とは同年代のようだ。それでいて、彼女たちは一流の『転校生』。
 その事実に少しへこむものの、同時に、俺だって! という気持ちがアルフレッドの胸で静かに燃える。
 ……だが、迷宮探索、ひいては災魔との戦いは、華々しいことばかりではない。
「お話しよ」
「え、ああ、いいッスけど?」
 トールと奈七音は一緒になって座り込み、アルフレッドと言葉を交わし始める。
 言葉少なに、しかし真剣にトールは語る。
 彼女の今まで経験した戦い。血を流し、痛みに耐え、泥にまみれた記憶。
 死の、恐怖。
「迷宮は危ない場所です。準備が万全であっても、ときには……」
「怖いよ、怖い。……当たり前だよ」
 死を突き付けられた者、奈七音も頷き、言葉を紡ぐ。
 いつしかアルフレッドも居住まいを正して神妙に耳を傾けていた。
 彼女たちは自分よりもずっと強い。その彼女たちが『怖い』という。それは彼にとって青天の霹靂だった。
 アルフレッドとて、獣を相手にしているときに「ヤバい!」と思ったことはある。思い返せば背筋が凍るようだ。
 ただの動物が相手でもそうなのだ。なら、迷宮に住まうという災魔が相手だったら?
「誰だって、死んでしまうのは怖いでしょう?」
「でも、それでも戦うなら」
 彼女たちは、強い。力だけでなく、心が。だって、怖いと言ってるのに、逃げずに立っているのだから。
「なんで、なんのために戦うかを、よく考えて」
「わたしたちも協力しますから」
「……うん」
 短く頷いたアルフレッド。彼の心中は如何ばかりか。
 いつの間にか、荒れていた息も整っている。
 それを確認して、トールと奈七音は立ち上がった。しんみりとした空気を切り替えるように奈七音がひとつと手をたたく。
「さて、アルフレッドさん、疲れは溜まっていますか?」
「う……、結構へとへとかもしれないッス」
「なるほど! では!」

「走ろっか」

 え、と言葉に詰まったアルフレッドを誰が責められようか。
 声の先を見やれば、トールが屈伸してランニングの準備を整えている。
 彼が思わず奈七音を振り返れば、こちらはこちらでいそいそと何やら木の棒を取り出していて。
「アルフレッドさん」
「ハイ」
「大事なのは『避ける』ことです。どんな攻撃も避ければ当たりません。当たらなければ死にません。死なないのは良いことです!」
 ぶんぶんと棒を素振りする奈七音。アルフレッドの背筋を冷や汗が流れ落ちる。
 いつの間にか、トールもアルフレッドの傍に佇んでいる。
「アルフレッドさん」
「ハイ」
「本当に危ないときは、逃げる。逃げなきゃいけないときは、きっと、疲れてる。だから、疲れてるときこそ、走る」
「アッ、ハイ……」
 逃げるときは背後からの攻撃に気を付けてくださいね! と棒を構える奈七音。
 みなぎる嫌な予感。
 頼みの綱のほかの先輩たちは……、ああ、いつの間にか向こうで猟兵同士のハイレベルな組手をしてる!
「それじゃ、ついてきて」
「当たると痛いかも、です! しっかり避けてくださいね?」
「ひ、ひぃ!」
 この二人、意外と容赦がない!
 この日一番の情けない声を上げつつ、それでもアルフレッドは走り出した。この、終わりの見えないマラソンへと。

 なお、アルフレッドの疲労困憊により、迷宮探索は後日に持ち越されることとなった。



 時間は流れ、今は夕食時。ところ変わってここはアルダワの学生食堂。
 訓練を終えた猟兵たちとアルフレッドは一緒に食卓を囲んでいた。
 すでに粗方の料理は彼らのお腹の中に入り、今はトールが黙々と残りの皿と格闘するのを、奈七音が甲斐甲斐しく世話を焼いている。
 お腹を満たしたほかのメンバーは、テーブルの一角で村井・樹(Iのために・f07125)のロープワーク講座を受講中だ。
「そうしたら、ここを、こうして、こう結ぶと。いかがですか?」
「えっと、ここを、こうやって……、あれ?」
 実物を手に、樹が見本を実演して見せるが、どうにも上手くいかない。
 もう一回、と諦めずに挑戦するアルフレッドの姿に、樹はどこか懐かしい気持ちを覚える。自分にもこんなキラキラした時期があったものだと。
 ……とはいえ、気合だけではどうにもならないのがこの手の技術。最終的に、アルフレッドの手元には謎の結び目ができたロープが残ることとなった。
「スンマセン、難しいッス……」
「大丈夫、すぐに出来ないのは仕方のないことですよ。
 まずは落ち着いて手順を覚えて、それから手に馴染ませていきましょう」
 がっくりと肩を落とすアルフレッドを樹が紳士的に宥める。
「地味に思えるかもしれませんが、これも大事な技術です。
 人や物を引っ張り上げたり、罠を作って敵を捕まえたり、色々応用が効きますから」
「そりゃ、もう。……あとで解き方も教えてもらえるッスか?」
 訓練のときに平吉に散々縛り上げられたアルフレッドである。ついつい脱出方法を探りたくなるのも当然のことだろう。
「勿論ですよ」と樹が応じれば、一方で、「そう簡単にいくかな?」と平吉が妖しく微笑む。
「いっそのことガジェットも使おう!」とスミコが誘えば、「もう頭が限界ッス!」とアルフレッドが悲鳴をあげる。
 和気藹々。今日一日で彼らは随分と仲を深められたようだ。

 その流れの中で、アーサーがアルフレッドに問いかける。
「なぁ、アルフレッドはどうしてこの学園に来たんだ? なにか目標とかはあるのか?」
「目標……、ッスか?」
 おう、と頷くアーサー。
「何を隠そう、俺は『困っている誰かの助けになりたい』、そう考えて色々学ぶことが出来るここに厄介になってるんだ!
 やっぱただ強くなるんじゃなく、何か目標がないとな!」
 まさに快男児。白い歯を見せて笑顔を見せるアーサー。
 その問いに、アルフレッドは少し困惑して、手元のロープを見つめた。
「えっと、俺の実家ってどこにでもあるような農家なんスけど……、俺は三男なんで、村にいても畑を継げるってわけじゃなかったんス。
 獣を狩れるっていっても、それだけで一生食っていけるほどじゃないし。
 ……だから、この学園に入れるって決まったときはマジで嬉しかったッス」
 自分のことを語るのは、恥ずかしい。それでもアルフレッドは頬を染めながら、まっすぐに猟兵たちを見つめて自分の気持ちを語ってくれた。
「目標っていうか、俺も先輩たちみたいに強くなって、学園で頑張っていきたいッス!」
 勢いよく夢を語るアルフレッドだが、そこで少し言葉を濁す。
「でも、トール先輩にも言われたけど、それ以上のことは、まだよくわかんないんスよ。
 だって、誰かを守るとか言われても、家族とか知り合いはみんな村にいるんだし……」
 最後の言葉は消え入りそうだった。
 アルダワ魔法学園。この世界の災魔は、学園の地下迷宮にまとめて封じられている。
 つまり、学園から離れた村では、彼らの脅威を感じることもまずないのだろう。
 もちろんオブリビオンが増え続ければ、どんなに遠くの村であっても、やがては世界と共に押しつぶされてしまう。
 だが、そんなスケールの話を聞いてもアルフレッドにはピンと来ない。『彼の世界』は猟兵たちに比べて、まだまだ狭いのだ。
 ……それでも。
「私は『自分のため』がスタートでも良いと思いますよ。そうやってるうちに後から付いてくるものもありますとも」
 樹はその在り方を肯定し、
「なら友達作りだね! 学園の知り合いだってこれからどんどん増えるさ!」
 スミコはこれからの学生生活を語る。
「考えることは、やめないで。思いがあれば、勇気が湧くから」
 トールが変わらぬ口調で励まし、
「俺たちだって、仲間だろ? 俺たちが困ってたら、助けてくれるか?」
 そして、アーサーがそう問えば、アルフレッドの瞳に再び光が射す。
「も、もちろんッス! 先輩!」

 ……それでも、この日、『彼の世界』はちょっとだけ大きくなった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『迷宮ミュージアム』

POW   :    重い物を動かしてみる。精神力で鑑定する。

SPD   :    細かな点を調査する。感知力で鑑定する。

WIZ   :    魔法での分析を試みる。知識力で鑑定する。

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 日を改めて、ダンジョン探索の実施日。
 アルフレッドは軽量の皮鎧を着こみ、長柄の両手槍を携えて集合場所にやってきた。装備は学園からの貸与品だが、それなりに様になっている。
 慣れた間合いでの反撃重視の戦い方で挑戦してみよう、というのが先日のトレーニングの果てに猟兵たちと彼とで出した結論だった。

「や、やっぱ緊張するけど、頑張るッス!」

 独特の威圧感を放つ地下迷宮に、アルフレッドは緊張を隠し切れない。
 それでも、彼は意を決し、猟兵たちと共に迷宮へと足を踏み入れた。



 いくつかの回廊を抜け、猟兵たちは進む。
 今のところは災魔との遭遇もなく、道程は順調そのものだ。
 そうして辿り着いた迷宮内の一室。
 猟兵たちが足を踏み入れると、それまでの通路とは違ったまばゆい光が天井から注がれ、部屋を照らしていることに気づく。
 そこは、まるで美術館のように整えられた空間だった。
 部屋の形は正方形。
 中央には宝石をあしらわれた豪奢なティアラがガラスケースに入れて収められており、また四方の壁にも年代物の鎧や、絵画、宝飾品が陳列されている。
 その一方で、次の道へ進むための扉はどこにも見当たらない。

『さきにすすみたいの?』
『いちばんたかいオタカラに、カギがあるよ?』

 ふと、どこからともなく誰かの声が響いた。扉を探すためのヒントだろうか?
「一番高いお宝ッスか? なら、怪しいのは真ん中の……」
 猟兵たちと共に頭を捻ってみるアルフレッド。
 彼は中央のケースを調べようとしているが……?
トール・テスカコアトル
「そのまんまじゃ、リドルの意味がないよ」
トールもおバカだから、苦手だけどね
「高い……高価って意味とは、限らないかも」
……ビビりだから、慎重さには自信があるんだ
「もしかして、あれじゃないの?ほら、高いオタカラ」
天井輝く、部屋を照らす光を指差す
一番、高い所に有るのはあれだし
この答えも大概そのまんまって言われたら、返す言葉もないんだけど、他にヒントも無いしね
「……トールが調べてみる」
身体が丈夫なトールは、立候補するよ
変身したら安全だけど、切り札は取っておかないといけない
こういうのは、適材適所が大事だよね
……足が震えてるのは、ご愛嬌だよ見なかったことにしてよ
「うん、ない頭でも、使えば上手くいくもの」


村井・樹
ちょっと待ってください、アルフレッドさん。
……先程の問い。
『高い』とは、果たして『この中で最も高価なもの』、という意味でしょうか

その可能性もありますが、この場合、『上にも』視点を向けてみては如何でしょう

言い換えて問いましょう。
「この中で、一番高いところに飾ってあるお宝は、どれでしょう?」

とはいえ、あまりにも高い位置に有るものは、私達が背伸びしても届かないかもしれません
メメ君に見てもらっても良いですが……もしかしたら、『ロープワーク』の出番かもしれませんね?

ロープを引っ掻けて、よじ登るのか、ロープで引っ張って落とすのかはお任せしましょう

さあ、実践の時間です

※プレ外の言動、他猟兵との絡み等大歓迎


阿紫花・スミコ
「君はピュアボーイかな。」
素直でいい子だけどね。とりあえず止めておく。

こういう、いかにもわかりやすいものは、罠の可能性が高い。ていうか、これで迷宮を突破できるなら、こんな部屋必要ない。
第一、「タカイ」が値段が高いのか、位置が高いのか、そもそも高い低いの高いかどうかもわからない。

「なら、よく観察することさ。」

ここは魔法蒸気の世界。

「魔法の力で開閉することもありえるけど、ここのダンジョンならまず熱の流れを追えってね。」

ワイヤーギアで移動しながら(スリーディメンジョンモビリティ)、サーマルスキャナで、部屋の隅々の熱源を観察し、その開閉機構を探る。

ドアを開ける機構は?
鍵穴は?
そして、カギ・・・とは?


柚々・奈七音
アドリブ・絡み歓迎

あら…行き止まり、ですか。何かの仕掛けで隠し扉が現れるんでしょうか…それとも、この宝物の中に隠されているんでしょうか…?

それに、中央にあたかも『高値です』というものがあるのは不自然な気がしますね。
罠でも仕掛けてあったら大変です…!もし罠で怪我をしたときの為にUC【生まれながらの光】を準備しておきます。死なない程度の怪我は経験と思えば、うん、大丈夫ですから、頑張って死なないでくださいね!

高い…値段の他にも場所や地位、色々なニュアンスがありそうですけれど。
とりあえず重くて大きいものを動かしてみましょう、えいっ。


弁柄堂・平吉
あるふれっどくんの方針も決まってなによりです。がんばったかいがありましたね。
少し休みつつ考えてみませんか?急がば回れと言いますし、ね。

■SPD
たかい、ですか。"たかい"という言葉自体に価値が高いや、高い位置にある等、いろんな意味が考えられるので決め手に欠けますね。
複数の可能性を考えつつ調べるのも、いいかもしれません。
【掃除】をするように部屋を隅々まで確認しましょう。部屋を把握することで皆さんの考えの助けになれるかもですし、【地形の利用】による仕掛けがあったり、なんて考えすぎですかね。
値打ちものかの目利きは出来ないので、後は皆さんのお手伝いに専念しますよ。好きに使ってください。

アドリブ絡みOK



「それじゃ、俺、あのティアラを調べてみるッス!」
 新米学生アルフレッド、16歳。初迷宮での初謎解き。
 頑張って頭を捻ってみたものの、思いつくのはシンプルな解釈ばかり。……すなわち、『高価なお宝が怪しい』という考え方。
 ならば、兎にも角にも実際に調べてみよう、と結論付けたアルフレッド。
 気合十分、調査を宣言した彼であったが……。

 それに対する猟兵たちの反応は、満場一致の「ちょっと待て」であった。

「いやいや、君はピュアボーイかな」
 ティアラに向って歩を進めようとするアルフレッドの肩を阿紫花・スミコ(人間の人形遣い・f02237)が掴んで引き留める。
 振り返ったアルフレッドといえば、見るからによくわかっていないという表情で小首を傾げている。
「ぴゅあ……、えっと、ありがとうございます?」
「褒めてないからね!?」
 思わず眉間に手を当てて天を仰ぐスミコ。いや、素直でいい子だとは思うけどさぁ、と純朴な少年の今後がちょっと心配になる。
 腕を組んで口を尖らせるスミコに、キョトンとした顔をしているアルフレッド。
 そこに弁柄堂・平吉(歪なヒト・f13885)が「まぁまぁ」と声を掛けた。
「ここまで歩き詰めです。少し休みつつ考えてみませんか?」
 急がば回れと言いますし、ね。と微笑む平吉。
 今回の探索に明確な時間制限はない。ここで一息入れるのも悪くないだろう。
 猟兵たちも彼の提案に頷き、じっくりと問題について考えてみることとなった。

 改めて部屋を見渡すと、ミュージアムには長椅子がひとつ設えてあった。
 せっかくだからと、猟兵たちは長椅子に並んで腰かける。
 このミュージアムは、正方形の部屋の中央にティアラのケースを配し、四辺の壁際に美術品を陳列した構造だ。
 長椅子は、ある一つの辺の壁際とティアラとの間に配置されている。部屋を横切るほどに長く、がっしりとした作りの重厚な逸品だ。
「ひょっとして、あのティアラよりも高価なお宝があるんスか?」
 座りながら収蔵品を眺めたアルフレッドが疑問の声をあげる。この手の美術品に触れる機会がなかった彼である。値段の多寡にはとんと見当がつかない。
「残念ながら、俺も目利きは出来ないですよ」
 その問いに平吉は苦笑しながら応える。収蔵品は大きく分けて甲冑、絵画、宝飾品の三種類があるようだが、素人目にもっとも高価そうなのはやはり中央のティアラだ。
「なら、やっぱり……」
「ううん」
 気が逸るアルフレッドに対して、静かに首を振るのはトール・テスカコアトル(ブレイブトール・f13707)だ。
「そのまんまじゃ、リドルの意味がないよ」
「リドル?」
 なぞなぞのこと。と短く教えるトール。そこに、村井・樹(Iのために・f07125)も助け船を出す。
「先程の問い、もう一度思い出してください。あの声は『たかい』とだけ言いました。
……果たしてそれは『高価な』という意味なのでしょうか?」
 今集まっている猟兵の中では年長者にあたる樹。紳士的に問いかける姿は、学園というシチュエーションもあってか、どこか先生のようにも感じられる。 
 その問いに柚々・奈七音(終焉を忌む者・f14778)が「はい!」と挙手をする。
「『高価な』という意味だとしたら」
 彼女はそこで言葉を切り、部屋の中央を指差す。
「あんなに目立つ中央に『高値です』というものがあるのは不自然な気がします」
 その推理に「な、なるほど」と感心するアルフレッド。謎解きには出題者の意図が隠れているものだが、彼にはやはりそれを推測するための取っ掛かり、経験が不足しているのだ。
 補足として、彼女の推理を平吉が引き継ぐ。
「訓練のときと同じですよ。相手の思考を誘導して、その先に待っているのは」
「……罠ッスか」
 ぶるりと震え上がるアルフレッド。気の持ちようひとつで、綺麗なはずのティアラが恐ろしくも見えてしまう。思わず距離を取りたくなってしまうが……。
「あ、でも」
「……奈七音先輩?」
「多少の怪我なら私が治療できますから、それも経験だと思えば」
「奈七音先輩!?」
 この先輩、やっぱりところどころで容赦がない気がする!
 治療の準備をしつつ「頑張って死なないでくださいね!」とエールを送る奈七音。
 これにはさしものアルフレッドも「もう少し考えるッス」と応えるしかなかった。

「えー、一応『高価な』という可能性もまだありますが」
 こほん、と咳払いをひとつして樹がディスカッションを仕切り直す。
 彼は人差し指を立て、アルフレッドに思考を促した。
「ここは『お宝』という連想から離れて、『たかい』の意味を考えては如何でしょう」
「えっと、ただ『たかい』っていうなら……、あっ!」
 僅かに考え込んだアルフレッドだが、樹の人差し指を見て声をあげる。
 彼の視線は樹の指に沿ってそのまま上に向かっていき……。
「高い低いの『高い』ってことッスか!?」
「ええ、そう考えるのであれば『一番高い場所のお宝』になりますね」
 それならば、ティアラのケースよりも高い位置にある展示品が気に掛かってくる。
 パッと見て一番高いのは、直立している甲冑の頭部だろうか。
 だが、何も考えずに答えに飛びつくのも危険だ。樹は彼に慎重になることを諭す。
「いいですか、まだ、これも可能性のひとつというだけです」
「そうそう、また別の『タカイ』があるかもしれないしね」
 その言葉にスミコも首肯する。ひとつの考え方に囚われては、迷宮の思う壺だ。
「……でも、そしたら堂々巡りじゃないッスか?」
 再び出鼻をくじかれて少々不満げなアルフレッド。確かに、こうやって考えているだけではずっと答えは出ないのかもしれない。
 そんな彼に、スミコはいつぞやと同じく、チッチッチッ、と指を振ってみせる。
 彼女はウィンクと共にこう言うのだ。
「まずは、よく観察することさ」

 椅子に腰かけ、頭を捻るばかりが謎解きではない。
 答えがひとつに絞れないのであれば、周囲を観察して新たな情報を入手するのも大事な選択肢だ。
 スミコの言葉により、猟兵たちは散り散りに美術室の各所を調べ始めた。
 こういったときにものを言うのは、ちょっとしたことに気付ける注意力だ。
「掃除をするように、隅々まで」
 最初にソレに気づいたのは平吉だった。
 床の汚れと埃の積もり方に注目した彼は僅かな痕跡を辿って部屋の一角に辿り着く。
 彼の目に映るのは、一見すると何の変哲もない床だが。
「おや、これは……、皆さん!」
 床に指をなぞらせた平吉が仲間たちを呼ぶ。
 その声に仲間の猟兵たちも集まるが、彼らの目にもやはりただの床があるようにしか見えない。「何かあったのか?」と平吉に問いかける。
「目では見えないですが、指を這わせると……、僅かに隙間があるのが感じられます」
 そう言って床の一部を指差す平吉。その言葉に従い仲間たちも床をなぞってみると、なるほど、確かに目に見えないほど小さな継ぎ目があるようだった。
 床に屈みこむ猟兵たち。その傍らでスミコがゴーグル型のガジェット、サーマルスキャナーを装着して問題のポイントの熱情報を走査し始めた。
「ふむふむ、そこの一角だけ他の床と比べて冷たいみたいだね。多分、床下が空洞になってるんだと思う」
「……隠し階段、ですか」
 これだけ騒いでも平気なんだから落とし穴ってことはないでしょ。とスミコは肩をすくめる。ここが次の部屋に向かうための出口なのだろうか?
 そうなるとやはり問題なのは仕掛けの動かし方……、『カギ』の行方だ。
「スミコさん、ほかの場所は?」
 首を傾げながらトールが問う。手掛かりになる熱源が見つければ話は早いのだが。
「うーん、さすがは『美術館風』というか、温度湿度は一定になるように調整されてるみたい。目立った熱源は見当たらないな」
 ゴーグルを介して部屋をぐるりと見渡すスミコ。ガジェットに映る走査結果に、特筆すべき情報は見当たらない。
 だが、だからこそ、トールの頭には引っかかるものがあった。
「それって、アレも……?」
 スッと彼女が指差したのは部屋の天井。見上げれば、猟兵たちが入室したときから変わらず、まばゆい光が降り注いでいる。
 スミコはハッとしたようにもう一度、ゴーグルで天井を調べてみる。
「……確かに、あんなに光っているのに熱は発していないね」
 今まで意識の外にあった天井の光源。猟兵たちは揃って天井に目を向ける。
 光の広がり方を見るに、どうやら天井の中心部になにかしらの光源が設置されているようだ。それは強い光を放っているのだが、不思議なことに、見つめていても目が痛くなることはない。
「魔法の光、一番高い、オタカラ……」
「調べる価値はありそうですね」
 ぽつりと呟いたトールに頷く樹。とはいえ、あの高所を調べるとなるとなにか工夫が必要そうだ。たとえば……。
「スミコさん、いけそうですか?」
「おっけー、試してみるよ」
 言葉を掛けられる前からすでにワイヤーギアをスタンバイしていたスミコ。待っていましたとばかりにワイヤーを光源を避けつつ天井に撃ち込む。
 ……しかし。
「あれ?」
 放ったはずのワイヤーが接触する手応えがいつまで経っても訪れない。光に呑まれ、ワイヤーの先端も視認できない状態だ。
 ムム、とスミコが巻き取り機構を起動させると、今度はすぐに光の中からワイヤーが戻ってくる。放っていた時間と戻ってきた時間を比較すると、どうにも通常の物理法則とは違った感触がする。
「なんかおかしくないッスか?」
「魔法による防御でしょうか」
 アルフレッドも疑問を感じたようで首を傾げている。詳細は不明だが、天井に接触するのは妨害されてしまうようだ。
 となると、中央の光源に下から近づいて調査するしかない。猟兵が全力でジャンプすれば届くかもしれないが、それでは接近できるのは一瞬だけ。
 じっくり調べるのであれば梯子のようなもので近づいていきたいところだ。
「それなら、あれを使ってはどうでしょう?」
 そう言って奈七音が指差したのは、さっきまでみんなで座っていた長椅子。長く、重厚。いかにも頑丈そうなこれを利用するのであれば……。
「なるほど、ここは『これ』の出番のようですね」
 我が意を得たりとばかりに樹が懐からロープを取り出した。彼は慣れた手つきで長椅子の足のひとつにロープを結わえ付けていく。さらにはロープに特定の手順で結び目を作っていき、あっという間に即席の縄梯子を作成してしまった。
 そうやって結ばれたロープを引っ張りぐらつきがないことを確認すると、彼は奈七音に手をあげて合図する。
「それではいきますよぅ。……えいっ!」
 長椅子に手を掛けた奈七音が可愛らしい声で気合を入れる。すると、可憐な風貌からは想像もできない怪力により、長椅子が垂直方向へ立ち上がった。
 もちろん、床側にするのはロープの結わえられた足の反対側。自然、高所に持ち上がった足からロープが垂れてくる形になる。
「すっげ……」
 ぽかんと口を開けて圧倒されるアルフレッド。立ち上がった長椅子を猟兵たちが揃って支えれば、光源に至る梯子が見事に完成したのだった。

「……トールが調べてみる」
 完成した梯子を利用できるのは一度にひとりだけ。では、誰が天井を調べるのか。立候補したのはトールだった。
 仲間たちが支える長椅子を見上げ、垂れさがる縄梯子に足を掛ける。体重を掛けると、縄梯子はみしりと撓む。
 一歩、二歩と上に向かって梯子を昇る。地に足がつかなくなると、縄梯子の不安定さが一層身に染みて感じられた。彼女が足を動かすたびに、みしみしと縄が鳴る。
(怖い……)
 足が震える。手の感覚が覚束なくなる。心が不安定になると、体も不安定になる。体が揺れ動けば、縄梯子も余計に揺れる。
(……でも、大丈夫)
 ほんの少し足を止めて、深呼吸をひとつ。
 樹のロープワーク技術は確かだ。ロープが途中で解けるようなことはない。
 椅子を支える奈七音は力持ちだ。いきなり椅子が倒れることもない。
 平吉も椅子を支えつつ、いざとなればトールを受け止めるよう準備してくれている。
 スミコはガジェットで周囲を観測していて、何かあればすぐに知らせてくれる。
 アルフレッドだって非力ながらも頑張って椅子を抑えている。
(行こう)
 止まっていた足を動かし始めたとき、トールの震えは落ち着いていた。
 梯子を昇るたび、天井の光源にどんどん近づいていく。調べた通り、近づいても熱くないし、目が痛くなることもない。
(きれい……)
 トールは、いつの間にか光の元に手が届く距離まで近づいていた。
 ここまで近づいてようやくその正体がわかる。光源は、天井に吊るされた魔法の水晶だった。
(これが、『カギ』なら)
 水晶に手を伸ばすトール。本当に触れても大丈夫だろうか、伸ばす手が震える。
 けれど、彼女の目に映る光に嫌な気配は感じられない。その直感を信じて、トールは水晶を掴んだ。
 彼女が力を入れると、水晶は驚くほどあっさりとその向きを90度回転させる。それはちょうど鍵を回したかのような塩梅だった。
 ガチャリ、とそんな音が部屋に響く。
(うまくいった……?)
 光に包まれている梯子からでは、下の様子はよくわからない。このまま降りていいものかとトールが逡巡していると。
「トールさーん! 成功ですよー!」
 響いてきたのは奈七音の声か。「降りてきて大丈夫ですよ」と平吉の声もする。
 ほっとして梯子を降り始めるトール。
 ……足元が見にくい分、降りるときのほうが怖い気がする。そのことに気づいて彼女の顔は青くなった。



 しばらくしてトールが梯子を降りきり、猟兵たちが一所に集う。
 美術室の一角を見れば、仕掛けが作動し、下層へと続く階段が口を開けている。
 彼らは見事、迷宮ミュージアムを突破したのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 集団戦 『モフィンクス』

POW   :    モフ~ン
完全な脱力状態でユーベルコードを受けると、それを無効化して【気の抜けた鳴き声 】から排出する。失敗すると被害は2倍。
SPD   :    モフ~zzz
【眠気を誘うアクビ 】を聞いて共感した対象全てを治療する。
WIZ   :    モフッ、モフッ(実は今欲しい物)
質問と共に【質問の解答が具現化する靄 】を放ち、命中した対象が真実を言えば解除、それ以外はダメージ。簡単な質問ほど威力上昇。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

 美術室を突破した猟兵一行。
 彼らはまたいくつかの回廊を抜け、大広間のような空間に到達した。
 そこで、ついに彼らはオブリビオンと遭遇する。



「もふ~ん」
 気の抜けた声が大広間にこだまする。その声を出しているのは、いかにも眠そうといった表情の生物。猫のような……、いややっぱりそうじゃないような。
「なんスか、あれ……?」
 アルフレッドも首を傾げる謎生物。それが大広間に何匹もたむろしている。
 だが、油断してはいけない。あんな見た目でもその正体はオブリビオン。人知を超えた存在なのだから。
「もふもふ、われらはモフィンクスなり~」
 オブリビオンの一匹が名乗りを上げる。災魔・モフィンクス。迷宮でごろごろして道を塞いだり、財宝を守って謎かけを仕掛けてくる怪物(?)だ。
「われらのお昼寝をじゃまするおろかものめ~。汝らにえいえんの眠りを~」
 気の抜けた声だが、言ってることは物騒である。
 いずれにせよ、オブリビオンを前にして放置するわけにはいかない。猟兵たち、そしてアルダワの学生であるアルフレッドにとっても戦いは避けられないのだ。

「ではもんだい。パンはパンでも食べられないパンは~」

 瞬間、猟兵たちの体に異様な重圧が掛かる。体重が何倍にもなったかのような感覚。
 体力の少ないアルフレッドに至っては立つことができずに膝を折ってしまっている。
 そして、ひとりの猟兵が「フライパン」と答えると、その重圧は嘘のように消えた。

「せいか~い。いまのは例題~。本番のもんだいは~」
『食べ物だけど、食べられないものはな~んだ』
「もふ~ん」

 再び襲い来る重圧。
 これを跳ね除けるには、猟兵たちがそれぞれ答えを返さなければいけないだろう。



「せん……ぱいっ!」
 モフィンクスの放つ重圧に膝をつくアルフレッド。彼は声を絞り出して猟兵たちに自分の意思を伝える。
「俺のことは、大丈夫、ッス! 自分で、なんとかするッス、から!」
 ……アルフレッドの戦闘スタイルは槍を用いたカウンター型だ。重圧から解放さえされれば、自分の身を守りながら戦いを切り抜けることは可能だろう。
 だが、彼には致命的な弱点、『リドルが苦手』が存在する。
 果てして、猟兵たちが取る選択は……。
トール・テスカコアトル
トール、なぞなぞ好き……

「『食べ物』って名前の食べ物はないから食べられない……答えは『食べ物』」
アルフレットさん、頑張ってね
答えを出せるまでは、トールが護るよ……先輩は、後輩の目標にならなくちゃ
「見せたげる、トールの変身!」
『説明しよう!勇気をもって護るべきものの前に立つとき!トールは勇気の戦士として覚醒するのだ!』
「トールの勇気は……防御力……トールの勇気は……機動力!」
重圧をはね除けて襲いかかる攻撃を防ぐ
アルフレットさんが謎を解いたら、反撃だ!
モフィンクスが脱力するタイミングをすかして攻撃
「トールの勇気は、洞察力!ブレイブ・パーーーンチ!」
必殺技を受けてみろ!
「勇気は勝つ……証明終了だね」


村井・樹
随分と単純な問ですが、だからこそ答えが広く取れてしまって難しい所、ですね
先程と違い、周囲に手掛かりが無く……アルフレッドさんには尚の事、厳しいでしょうね
けれど、彼を見捨てるのは『非紳士的』だ

修羅双樹を発動し、『不良』を召喚
彼が重圧から開放されるまで、『存在感、盾受け、オーラ防御』で守ってあげてください
私も必要であれば、Z・A・Pで火力支援をしましょう

その間にも、彼の答えを出す足掛かりを導き出せれば。

「『不良』?お前は今何が食べたいです?いえ、決して巫山戯てるのではなく」
「……でも、それが食べられなかったら悲しいですよね。なぜ、食べられないんでしょう?」

※プレ外の言動、他猟兵との絡み等大歓迎


柚々・奈七音
アドリブ・絡み歓迎

ふわあぁぁ!モフモフ、モフモフですねっ!
あぁ、思いっきり抱きしめたいです!
…と、それどころじゃありません、ね。
謎かけ、ですか…食べ物だけど食べられない物、糊(海苔)とか雨(飴)、そんな感じの答えでしょうか…?

アルフレッドさん、わたしもリドルは得意ではありませんが…この手の問題は同音異義語が鍵になってることが多いと思います。頑張って下さい。

そして無事重圧から逃れられたら思う存分戦って下さいね。
UC【生まれながらの光】で癒しはお任せ下さい。

…欲を言えば、モフモフしたいんですけどね?


阿紫花・スミコ
「生肉だね・・・生で食べると危ないからね・・・!」
とんちんかんな答えを自信満々で答えるスミコ。
「く・・・ぐぅ・・・間違ったんじゃない・・・け、見解の相違だ!」

重圧に耐えながらガンハイダー(ガンベルト)の迷彩を解除し、精霊銃「アヴェンジングフレイム」で援護射撃を行う。

仲間が問題に正解するなど、攻撃のチャンスを待つ。

「いまだ!」

早業で、弾倉の銃弾を地面に落とし、新しい弾を6発込める。
精霊銃を右手で腰当たりの高さに構え、引き金を引きながら撃鉄を左手ですばやくはじく。

弾倉の弾丸6発をすべて敵に叩き込んでやる!


弁柄堂・平吉
なぞなぞとはこれまたやっかいな。
あるふれっどくん、がんばです。俺も思いつかないので一緒に対策を考えましょう。
…食べれるけど食べれないものってなんだろうな…?

■SPD
答えは『蜘蛛』なんてどうです?食べれますが、食べられないという人もいるでしょう。え?無理やり?いいえこれも立派な答えです。きっと。

あくびもなぞなぞもやっかいですし、その口を閉ざすとしましょう。《咎力封じ》の拘束ロープなら、仮に重圧がとけてなくても操れるかもしれません。これでこっそり足払いを仕掛けます。皆さんの行動に合わせて使えると嬉しいですね。
短い足で転べば起き上がるのは難しいはず。その隙に猿轡でお口ちゃっく です。

アドリブ絡みOK



 極論すれば、この戦闘においてアルフレッドの戦力は必須のものではない。彼がモフィンクスからの重圧攻撃に耐えている間に、猟兵たちで災魔を倒しつくすことも不可能ではないだろう。
 しかし、その選択肢を取るのであれば、一時とはいえアルフレッドを無防備なままで戦場に放置することとなる。猟兵たちが攻勢に出るとはいえども、もし彼が災魔に狙われれば怪我では済まない事態となるかもしれない。
 で、あるならば。

「それは『非紳士的』ですね」
 自身に掛かる重圧に抗いつつ、村井・樹(Iのために・f07125)がユーベルコードを発動する。歯を食いしばり、意識を集中した彼の姿が、一瞬、二重にぶれて見えた。
「『不良』、彼を守ってください」
 樹が二重に見えたのは決して錯覚ではない。彼の言葉に従い、樹に重なって見えていたシルエットが彼本体とは独立して行動を始める。
 召喚された『不良』である『もうひとりの樹』は、『紳士』たる姿とは一線を画した威圧感を放ちながらアルフレッドの前に立ちはだかった。
「も、もふふ~……、こわい!」
「ああん!?」
 暴力的なオーラを纏いモフィンクスを睨みつける(あるいはガンつける)『不良』に災魔たちはしり込みする。災魔といえどもいまいち覇気が欠け気味のモフィンクス一味である。あそこに先陣を切って飛び掛かるのはちょっと怖い。
「これで時間は稼げます、が……」
「チッ、まどろっこしいな」
 災魔たちは猟兵たちを包囲するようにじりじりと移動しつつある。敵の重圧攻撃により猟兵たちの動きも鈍っている。状況を打破するのには、やはり『謎解き』が必要だ。

「ふふ……、まずはボクから答えようじゃないか」
 ならばとばかりに阿紫花・スミコ(人間の人形遣い・f02237)がふらふらと前に進み出る。樹が稼いだ時間で考えをまとめていた彼女は足を震わせながらも自信満々に口を開いた。
「答えは『生肉』だ……。生で食べると危ないからね……!」
 ビシリとモフィンクスに指を突き付けるスミコ。さぁ、判定は……?

「ぶぶー! 生肉だって食べられるでしょ~!」

「な、なんだって……! きゃふん!」
 大袈裟に目を見開くスミコ。その頭上で「PON!」と謎の生肉の幻影が出現し、自然落下により彼女の頭へと直撃した。痛みはそれほどなかったものの、衝撃を受けてうつ伏せにダウンしてしまう。
「ぐぐ……、間違ったんじゃない……、け、見解の相違だ!」
「まちがいって言ってるもふ! おしおき~!」
 モフィンクスの宣言によりスミコに掛かる重圧がさらに加算される。「やっちゃった!」と思うも後の祭り。うつ伏せにさせられていることもあり、彼女は起き上がることさえできなくなってしまった。

「『生肉』ではダメですか。それならば……」
 続いて歩み出たのは弁柄堂・平吉(歪なヒト・f13885)である。
 自信があるわけではないが、状況を打破するためには無理にでも答えをもぎ取らねばならない。
 幸い、スミコの尊い犠牲により僅かながらヒントも得られている。
 ならば、彼の出す答えは。
「答えは『蜘蛛』なんてどうです? 食べれますが、食べられないという人もいるでしょう」
 自身の半身たる傘をモフィンクスに向けて答える平吉。正解すればすぐにでも攻撃に移ってやろうと身構えるが……。

「ぶぶー! すききらいの問題じゃな~い!」

「これもダメですか……、おっと!」
 がくりと肩を落とす平吉。彼の頭上でも「PON!」と靄が発生したと思えば、今度は巨大な蜘蛛の幻影が彼に向かって落下してきた。彼は咄嗟に傘を開き、ペシャンコにされるのはだけは避けたが……。
「蜘蛛、食べるのですか?」
「……われらとて、ど~してもお腹が空けば、ってなにを言わせる! おしおき~!」
 ぷりぷりと怒ったモフィンクスの言葉により、平吉に掛かる重圧も加算される。「しまった!」と思うも時すでに遅し。傘で支えている蜘蛛の幻影から感じる重量まで増し、彼もまた動きを封じられてしまった。

「せ、先輩が二人やられた……! や、やばいッス!」
 まさかの猟兵二人の連続ダウン。これにはアルフレッドも動揺を隠せない。
「俺が、俺がはやく自由にならないと……」
 彼とて、実力の劣る自分が猟兵たちの枷になってしまっていることは理解している。
 この重圧から脱出することさえ出来れば、先輩たちも自由に戦えるはずなのに……。
 無力感と焦りが彼の頭を支配する。ただでさえ苦手な謎解き。混乱した思考では答えが浮かぶはずもない。
 だけど。
「アルフレッドさん、今、食べたいものはありますか?」
「え?」
 だけど、ここにいるのはひとりじゃない。アルフレッドを守るように身を寄せた樹が気軽な様子で尋ねる。
「この問題、答えはひとつではありません。思い浮かんだ食べ物から考えを進める、というのも方法のひとつですよ」
「思い浮かぶ、食べ物……」
 そう言われても、この状況じゃ。と考えかけたアルフレッドだが、ひとつだけ脳裏に浮かぶものがあった。『問題』の前の『例題』、そこで示されていた……。
「……パン、とか」
「では、そのパンはなぜ食べられないのでしょうか?」
 大事なのは順序立てて考えることだ。樹が疑問を投げかけることで、アルフレッドは徐々に考えの段階を積んでいくことができている。
 例題のときは『フライパンだから』食べられなかった。なら、他に食べられないパンと言えば……。

「もふふ!? なにやら答えを出されそ~な気配~!」
 この災魔、眠そうな顔をしているくせに意外と目ざとい。
 先ほどまでおろおろするだけだったアルフレッドが落ち着いて考え込む様子を発見し、モフィンクスは警戒を露にする。
 相変わらずアルフレッドを守るように『不良』の影が佇んでいるが……、ここは強行突破するべきなのでは、と彼らは距離を詰め始めた。
 しかし。
「邪魔は、させない……」
 それを看過する彼女ではない。トール・テスカコアトル(ブレイブトール・f13707)がモフィンクスたちを見据え、静かに立ち上がった。
 トールはなぞなぞが好きだ。うまく思いつかないこともあるけれど、ピタリと答えが見つかったときは胸があったかくなる。
 だから、答えを探すアルフレッドを護ってあげたい。そのためにも……。

「『食べ物』って名前の食べ物はないから食べられない。……答えは『食べ物』」
「穿った答え!?」

 モフィンクスの進路に割り込んだトールからの回答。どうやらモフィンクス的には思ったよりもテクニカルな答えだったらしい。短い脚をぴょこぴょこと動かして、器用に後ずさりしている。
 そして回答と同時に、トールに付与されていた重圧も解除された。どうやらあの回答も正解には違いないようだ。
 軽くなった体を確認して、伸びをひとつ。それからトールは首だけ回してアルフレドを振り返った。
「アルフレッドさんも、頑張ってね」
「先輩……!」
 地面に手を付けつつも、決して顔を落とさず前を見ているアルフレッド。その視線を受け、彼女は決意を新たにする。
 ここは、絶対に通さない!
「見せたげる、トールの『変身』!」
 右手に握りしめた「ニギ=アラ」の結晶が光を放つ。眩い光の中で、トールの持つ勇気の力が形を成し、戦士の装束として装着されていく。
 一秒にも満たない閃光。光が収まったとき、現れるのは覚醒した『勇気の戦士』だ。
「勇気の力が答えを掴む! ブレイブ・トール!」
 神秘の腕輪を構え、トールが高らかに名乗りを上げた。
 モフィンクスは眠たげだった目を開いて驚き、アルフレッドもその雄姿に目が釘付けになる。この戦場で唯一、重圧攻撃から解放された彼女は、注目を一身に浴びつつ、闘気を高め始める。
「トールの勇気は、洞察力! 必殺技を受けてみろ!」
 弓を引くように右腕を絞って力を籠める。目に見えるほどの『勇気の力』が彼女のコブシに集まっていく。見据えるのは敵集団の先頭、モフィンクスの一体。
 空気が軋み、トールと災魔の間に緊張が奔る。左掌を照準のように前に突き出すトール。右腕は肘を引いて力を溜めたままに、彼女は敵に向かって駆け出した。

(……あの構えから繰り出される攻撃は)

 その光景が、アルフレッドにはなぜかスローに見えた。
 駆けるトール。力を込めた腕。……そして、なぞなぞ。
(食べ物、パン。『食べられないパン』は)
 トールの射程に、モフィンクスが入った。トールが右腕を大きく振りかぶる。
 対するモフィンクスは、なぜか脱力した姿勢のまま動かない。
 それに頓着もせず、トールが叫ぶ。
 その瞬間、アルフレッドの脳裏にもひとつの言葉が浮かび上がる。無意識に、アルフレッドもその言葉を叫んだ。
「いくよ! ブレイブ……!」

「「パンチ!!」」

「ゴファ!」
 突き刺さる『ふたつの』パンチ。トールのパンチと同時に、アルフレッドの『答え』により具現化したコブシがモフィンクスの顎を捉えていた。
 脱力状態からの反撃を狙っていたモフィンクスの目論見は、想定外の一撃により脆くも崩れ去る。パンチがふたつで二倍、さらに反撃の失敗で二倍、乗じて四倍の衝撃を受けた彼は錐揉みに吹き飛んで大広間の壁に突き刺さった。
「……そ~いう答えでいいのよ、そ~いうので。……ガクリ」
 最後まで謎解きの答えを気に掛けるのはナゾナゾ災魔の矜持か。ピクピクと壁に埋まったまま悶えたオブリビオンは、やがて光となって消えていったのだった。

「やった! やったッスよ、先輩!」
 アルフレッドが飛び上がって喜びの声をあげる。そう、彼は正答を掴み取り、見事に重圧から抜け出すことに成功していた。しかも、敵にクリティカル・ヒットをお見舞いするオマケつきだ。
 必殺の一撃を放ったトールも手を挙げてそれに応えている。
「もももふふふ、もちつけけけ」
 一方で落ち着かないのはモフィンクス軍団。仲間が派手に吹っ飛ばされ、一撃のもとに戦闘不能になった光景は衝撃的に過ぎた。
「わわ、われらの重圧結界は、いまだけんざいもふ~」
「じゆうになったのは、ふたりだけ~、いい、いまのうちに~」
 気が抜けたままなのか、焦っているのか、いまいちわかりにくいモフィンクス。傍から見れば右往左往している姿はどこかコメディタッチだ。
「……か、かわいい」
 そんな彼らに首ったけなのは柚々・奈七音(終焉を忌む者・f14778)。
 もふもふ大好き。叶うのなら、彼らを思いっきりもふもふしたい。今のおろおろしている姿だってたまらない。
 しかし悲しいかな、彼らはオブリビオン。猟兵たる自分たちとは敵同士。
 そして、戦うためにもまずは自分が自由にならなければならない。
「やっぱり鍵は同音異義語ですね」
 先ほどのアルフレッドの答えを耳にして、彼女は確信を深めている。
 ならば、この答えをあのモフモフたちに届けなければ。

「答えは『飴』と『雨』、それから『海苔』と『糊』なんてどうでしょう?」
「あっさり正解!?」

 驚愕するモフィンクス。「PON!」と音が響けば、奈七音の手元に可愛らしい飴玉と一辺の海苔が出現していた。気が付けば、彼女を覆っていた重圧はきれいさっぱり消え去っている。
 自由になった体に、聖女の笑みを浮かべる奈七音。彼女がおもむろに祈りの姿を取ると、生まれながらの光が彼女の内から発せられ周囲を照らし始めた。
「それではみなさん、思う存分戦って下さいね」
 癒しはお任せください。という言葉と共に、彼女の光が一層強くなる。
 穢れなき光は、スミコと平吉にのしかかる幻影をも包み込みその存在を掻き消した。
「やぁっと動ける! ありがと、奈七音!」
「どうも、こちらも助かりましたよ」
 地面から飛び起きて立ち上がる二人の猟兵。凝った体をほぐすように肩を回している。
 さらには……。
「では、私もそろそろ動くとしますか」
 アルフレッドを守っていた樹もハンドガンを懐から取り出して構えている。
「こっちはもう大丈夫ッス! やっちゃいましょう、先輩!」
 槍を拾い直したアルフレッドも上気した顔で気炎を上げる。
 ついに、猟兵たちの態勢が整ったのだった。

「も、もふ~ん……」
 その様子にモフィンクスたちは冷や汗を流す。アカン、これは不味いパターンだ。
 可及的速やかに次の手を打たなくてはならない。
「で、ではつぎのもんだいは~……」
「なぞなぞの時間はここまでです!」
 言い切る前に、平吉が拘束ロープを飛ばす。足元を薙ぎ払うように操られた縄が、モフィンクスの短い脚を弾き飛ばした。
「もきゃ!」
「さぁ、おくちにちゃっく、ですよ」
 この生物、横に転ぶと立ち上がるための足が地面に届かない。じたばたともがく彼らに続けて投げつけられたのは、猿轡。動けないところにすっぽりと嵌ってしまえば、もはや鳴き声を上げることさえ封じてしまった。
 その隙を逃さず、ガンベルトの迷彩を解いたスミコが追撃を仕掛ける。
「さっきはよくもやってくれたね!」
 自分が誤答したのもなんのその。不敵な笑みで精霊銃に素早く弾丸を装填する。
「いまだ!」
 右手で腰だめに構えた精霊銃のトリガーを引きっぱなしに、彼女の左掌がハンマーを連続でコッキングする。きっちり六回。連続した銃声が響き渡れば、放たれた銃弾はあやまたずモフィンクスの身体に突き刺さっていた。
「モガガガ……、バタリ」
 また一匹、オブリビオンが光となって消える。猿轡のおかげで、断末魔をあげることさえもない。
「これ、私は必要ですかね?」
 そう言いながら樹も拳銃で火力支援を続けている。動きの止まった相手をしっかり狙い、きっちりとダメージを稼ぐ。
「トールの勇気は……、攻撃力!」
「モフモフできないのは残念ですけど、……ええい!」
 近接戦では、変身したトールと愛用のロッドを振り回す奈七音がモフィンクスを蹴散らしている。短足鈍重なモフィンクス、単純な物理戦闘ではこの二人に勝ち目がない。
 あっという間にモフィンクスはその数を減らし、そして……。

「でやぁー!」
 アルフレッドの槍が弱っていたモフィンクスを貫く。光になって消えゆくその個体を肩で息をしながらも見送れば、いつの間にか周囲には静寂が満ちていた。
「お、終わったんスか?」
 槍をぎゅっと握りしめながら彼が周りを見渡せば、残っているのは猟兵たちのみ。
 仲間たちは気軽い様子でアルフレッドのもとに集まってくる。
 重い怪我を負った仲間は、誰一人としていない。
「……ぃやったー!」
 歓喜の叫びと共にガッツポーズ。流れる汗さえ、今は心地よい。
 見守る猟兵たちもみな笑顔を浮かべている。

 災魔の討伐は成功。
 迷宮新歓コンパはここにミッションコンプリートとなった。



「先輩、今日は本当にありがとうございました!」
 地上に戻った猟兵たち一行。
 アルフレッドが仲間たちに腰を折って礼を言う。
 ……もうすぐ別れの時間だ。

「もう一度言うよ。大事なのはスピード、判断速度さ」
「搦め手の存在も忘れないでくださいね」
「怖いときは、護りたいもののことを考えて」
「困ったらとにかく避けましょう! 死なないように!」
「地味な技術も大切です。少しずつでも学んでいきましょう」

 共に迷宮に挑んだ仲間たちが最後に激励を送る。アルフレッドの目元には、ほんのちょっぴり、涙が浮かんでいた。
 それを拭い、彼は力強く決意を語る。
「俺、これから強くなります! それから、仲間も作って! いつか、先輩たちを助けにいきます!」
 なんのために戦うのか。その答えは、まだはっきりと見出せない。
 それでも、彼はアルダワ魔法学園での一歩を踏み出した。
 この先に彼を待ち受けているのはどんな冒険なのか。それはまだ誰にもわからない。
 けれど、今日の経験がきっと彼の力になってくれるだろう。

「だから、だから、またいつか会いましょう! 先輩!」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年03月07日


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#アルダワ魔法学園


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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

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※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


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 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
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