バトル・オブ・オリンピア⑱〜迷宮キャンプ
●キャンプ・オブ・オリンピア
タビタビ・マタタビ(猫勇者一歩手前・f10770)は、『バトル・オブ・オリンピア』の新たな戦いに、猟兵達を導こうとしていた。
「今度の敵は、『キャンビーくん』だよ」
キャンピーくん。
一見、ただの謎のテントのようだが、『自由に異世界を移動できる』という恐るべき能力を有する、キャンプフォーミュラである。
「しかもキャンピーくんは、全部の戦闘行動を無効化しちゃうユーベルコード『どこでもキャンプ』をいつも発動してるんだ。オソロシイ……」
不幸中の幸いは、キャンピーくんには戦う意思が一切ない、ということ。ただ「いっしょにキャンプしようよ〜僕の中に入ってきて〜」と誘ってくるだけだ。
「そんなキャンピーくんを倒す……追い払う?方法は1つだけ。『めいっぱいキャンプを楽しむ事』だよ」
そうすると、キャンピーくんは満足していなくなる。どこかに。
さて、キャンピーくんの中に入ると、謎の力によって、既に確認された世界のどれかに転移させられるという。
しかもその場所は、もれなくキャンプをするのにうってつけらしい。
「今回のキャンプ地は『アルダワ魔法学園』の地下迷宮みたい。それって、キャンプ地に相応しいのかな……?」
まあ、テントを張ったり、アクティビティ……という名のトラップ回避……を楽しんだりするのにはいいかもしれない。適度に人里から離れているし。
もし現地っぽい食材が欲しければ、食べられそうな災魔や、植物を見つけるという手もある。食べて大丈夫かどうかは、キャンピーくんが判定してくれるだろう。
「それって迷宮飯、ってコト……?」
キャンプ飯&迷宮飯。何か新しい料理が生まれそうな気がする。
なお、迷宮の隠し通路を抜けると、きれいな星空の見える森に出るらしいので、大自然成分もカバーされている。さすがはキャンピーくん、といったところか。
ちなみに、キャンピーくんに乗らなくても、グリモア猟兵であるタビタビの転移能力を使えば、後から合流する事は可能なので安心していいようだ。
「迷宮で飲むコーヒーはまた違った風味なのかも……? まあ、戦わなくてもフォーミュラを何とかできるならいいかもね、キャンプ!」
キャンピーくんはかわいくて戦いづらいし、とタビタビは、むしろ安心したようにうなずくのだった。
七尾マサムネ
これもまた、『バトル・オブ・オリンピア』の戦争シナリオです。一章で完結します。
今回の舞台となる世界は、『アルダワ魔法学園』の地下迷宮です。
割と植物の自生するタイプの迷宮で、災魔が襲ってきてもキャンピーくんが無力化してくれますので、キャンプを楽しむことに専念できます。
●プレイングボーナス
キャンピーくんとキャンプを楽しむ。
それでは、レッツ・エンジョイ!
第1章 ボス戦
『キャンピーくん』
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POW : ここをキャンプ地にするよ〜
レベルm半径内を【キャンプ地】とする。敵味方全て、範囲内にいる間は【ダメージを伴わない全ての行動】が強化され、【ダメージを与える全ての行動】が弱体化される。
SPD : ここをキャンプ地にするよ〜
レベルm半径内を【キャンプ地】とする。敵味方全て、範囲内にいる間は【ダメージを伴わない全ての行動】が強化され、【ダメージを与える全ての行動】が弱体化される。
WIZ : ここをキャンプ地にするよ〜
レベルm半径内を【キャンプ地】とする。敵味方全て、範囲内にいる間は【ダメージを伴わない全ての行動】が強化され、【ダメージを与える全ての行動】が弱体化される。
👑11
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馬県・義透
四人で一人の複合型悪霊。生前は戦友
第二『静かなる者』霊力使いの武士
一人称:私 冷静沈着
陰海月がキャンプブームなんですよね。
加えて、アルダワの地下迷宮に来た覚えがないので…よい機会だと思いまして。
ええ、迷路大好き陰海月の機嫌がよいことで。足取りに迷いがありませんね。
私はすっかり保護者ですが…まあ、いつものことでしょう。
隠し通路を探して、抜けた先にある森で星空を楽しむのもいいでしょうし。
ああ、温かい飲み物であるお茶も用意してありますよ。
※
陰海月「ぷっきゅ!」
ここが地下迷宮なんだね!迷路大好き!キャンピーくんありがとう!
ふんふんふーん♪今日はいい日だなー♪
霹靂「クエッ」
友が上機嫌だ…。
キャンプの妖精・キャンピーくんに搭乗し、キャンプ地へとやってきた馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057達)。
迷宮キャンプに一番わくわくしているのは、今回の件を任された『静かなる者』よりも、巨大ミズクラゲの方だった。
「ぷっきゅ!(ここが地下迷宮なんだね!)」
「そうだよ~ちょっと変化球で楽しいキャンプが出来そうなところにしてみたよ~」
「ぷきゅきゅ!(迷路大好き! キャンピーくんありがとう!)」
「そう言ってもらえると嬉しいな~」
陰海月とキャンピーくんを起点に、仲良しオーラが広がる。とことこ、ふよふよ、迷宮内をお散歩モード。
「ぷきゅっきゅー♪(ふんふんふーん♪ 今日はいい日だなー♪)」
普段以上にリズミカルに発光しまくりの陰海月を見て、霹靂が鳴いた。
「クエッ(友が上機嫌だ……)」
「ええ、迷路大好き陰海月の機嫌がよいことで」
足取りに全く迷いがない。
今まさに、陰海月にはキャンプブームが訪れている。
加えて、アルダワの地下迷宮には来た覚えがないので、これも良い機会だと思ったのだが、義透の予想以上だった。
「私はすっかり保護者ですが……まあ、いつものことでしょう」
霹靂と顔を見合わせ、足取り軽いキャンピーくん&陰海月の後をついていく義透。
人里離れた場所へと赴き、のんびりと過ごす。それもキャンプの醍醐味だろう。
いつの間にかキャンピーくんと陰海月は、壁をあちこち眺めている。
「なるほど隠し通路。私達も探してみましょうか」
「クエッ」
たまに陰海月がトラップにひっかかって困ったことになりかけたが、キャンピーくんが体を張ってガードしてくれたり、慰めたりしてくれたので事なきを得た。
「すっかり仲良しですね……おや」
霹靂が、壁の一か所を示している。義透がその部分を押し込むと、隠し通路が現れた。
「では行ってみましょうか」
「わ~みんな待って~」
義透達が振り返ると、キャンピーくんが通路に挟まっていた。
みんなで引っ張りだして、そのまま通路を抜けた先。森が待っていた。
ちょうど時刻は夜。空には無数の星が瞬き、義透達を迎えてくれた。
「どう~? キャンプっぽいよね~」
「ぷきゅ!(キャンプっぽい!)」
陰海月がはしゃいだ。星に負けじと1680万色に輝いて。
「ああ、温かい飲み物であるお茶も用意してありますよ」
「いただきま~す。コーヒーもいいけどお茶もね~」
ズズッ。
星空の下、ちょっと不思議なキャンプを楽しむ陰海月達を見て、義透と霹靂も和んだのだった。
大成功
🔵🔵🔵

三上・くぬぎ
地下迷宮でキャンプですか! あたらしいですね!
くぬぎも行くですー♪
テントを張ったり、キャンプごはん作るのも楽しいですけど、せっかくの迷宮、やっぱりたんけんですよね!
よーし、さっそくたんけんに出発です
見たことない虫さんとか、植物がいっぱいにちがいないです!
あっ、トラップには注意ですね
つかれたらちょっと休憩です
持ってきた小型バーナーでお湯をわかして、コーヒータイムですー♪(お手軽スティックカフェオレ)
キャンピーくんも、よかったらどうぞです!
ビスケットもあるですよ!
異世界キャンプへGO!
アルダワ迷宮に転移した三上・くぬぎ(アウトドア派・f35607)を待っていたのは、愛らしい三角形……キャンピーくんだ。
「わ~い。また新しい仲間だ~」
「地下迷宮でキャンプですか! あたらしいですね! くぬぎも行くですー♪」
お互いテンション上がってハイタッチ!
「なにからしようか~」
「ええと、テントを張ったり、キャンプごはん作るのも楽しいですけど、せっかくの迷宮、やっぱりたんけんですよね!」
「だよね~この世界を選んだキャンピーくんの目に間違いはなかったね~」
ほんわか空間。
くぬぎとキャンピーくんを包む和やか結界が、周囲の災魔を寄せ付けない。
「よーし、さっそくたんけんに出発です」
「れっつご~」
キャンピーくんがキャンプ地に選んだ迷宮は、魔法によるものか、多くの植物が自生するエリアだった。
そこには、独自の生態系が存在した。
飛びそうで飛ばないカブトムシに似た虫がいたり、めんどくさくて光合成をあきらめたタイプの慎ましやかな花が咲いていたりした。
どれもくぬぎの見たことのない虫や植物で、その好奇心を大いに刺激してくれた。
「あっ、あっちに大きなおはながあるです」
「あ、待って~そこに罠があるよ~」
「毒くらいならへいきなのです……わわっ!?」
ふらふらと花に引き寄せられるくぬぎを、キャンピーくんがソフトに突き飛ばした。
ぱかっ!
突然、床が抜けてキャンピーくんが落下した。
「だだ、だいじょうぶです!?」
「もんだいないよ~」
くぬぎがのぞいた落とし穴の中で、キャンピーくんが笑った。
短い手足を伸ばして、落下を免れていた。ぶわっとジャンプ、しゅたっと着地。
「助けてくれてありがとうですー!」
「気にしないで~あとなんか見つけたよ~」
キャンピーくんの手には、角度によって七色に光る、なんかかっこいいゲーミング虫がいた。
「ふう、ちょっとつかれたですね、休憩です」
「わ、いいもの持ってるね~」
キャンピーくんが目を輝かせたのは、くぬぎが取り出した小型バーナー。
お湯を沸かして、スティックカフェオレを入れれば、なんともお手軽、コーヒータイム!
「キャンピーくんも、よかったらどうぞです! ビスケットもあるですよ!」
「わ~いいただきま~す。さくさくだね~」
「さくさくですね!」
思わぬ冒険をすっかり楽しんだくぬぎ。
キャンプフォーミュラとのゆるゆるキャンプ……バトル・オブ・オリンピアにもそんな日があってもいいかもしれない。
大成功
🔵🔵🔵
エドゥアルト・ルーデル
まあ気にせずキャンプやっか!
まずはキャンピーくんさん氏の
飾りつけでござるな
バラキューダを被せるんでござるよ
リアル感あるキャンプの為にも…ネ!一応顔は避けとくから…
次は
迷宮飯の時間だァ!災魔を調理して食べるんだよ!
植物系が多いからとっ捕まえて…マヒ系を入れとけば災魔の肉の臭み消しにもなるのでは?仕上げの味付けはカレー粉ぶっかけて炒める!
災魔のカレーソテー、キャンピーくんさん氏も食うか?
因みに歩いてるキノコは食べちゃダメでござるよ、というか野に生えてるキノコは全部ダメでござる
毒ありかの判別がマジ難しいからな…拙者との約束だ!
異世界への
自由な転移!
常時発動型ユーベルコード!
恐るべし、キャンプフォーミュラ!
「まあ気にせずキャンプやっか!」
エドゥアルト・ルーデル(黒髭・f10354)は状況に適応した。
既に目の前にキャンピーくんがいる。後戻りはできねえ。
「一緒にキャンプしてくれるの~? 嬉しいな~」
「だろだろ! 死ぬほどキャンプを浴びな!」
エドゥアルトとキャンピーくんは、ご機嫌に迷宮キャンプに取り掛かった。
「ふむ、まずはキャンピーくんさん氏の
飾りつけでござるな」
飾り? とキャンピーくんが首を傾げた。三角形だけど。
「
バラキューダを被せるんでござるよ。リアル感あるキャンプの為にも……ネ! あ、一応顔は避けとくから……」
「わーい、キャンプコーデだ~」
エドゥアルトの厚意を無邪気に受け取ったキャンピーくんがにっこり笑顔。
ダークリーガーだかなんちゃらナインだかのわりに邪気がなさすぎて、エドゥアルトの良心が痛んだり痛まなかったりした。
「見て見て~」
ててーん!
キャンピーくんが一回転してみせた。
そしてキャンプ地を定めると、本格的にキャンプ開始。
「お待ちかねッ!
迷宮飯の時間だァ!」
「シェフ・エドゥアルト、今日の食材はなあに~?」
「知れたことッ! 災魔を調理して食べるんだよ!」
言ったそばから、エドゥアルト達の前の通路を、お肉が通った。
お肉型災魔だ。
「なんだこの食材にしてくださいと言わんばかりの雑なデザインの災魔は! いただきます!」
メイン食材ゲットだぜ!
「キャンピーくんもなんか捕まえたよ~」
エドゥアルトが振り返ると、キャンピーくんが、植物系災魔を両の小脇に抱えていた。にんじんとごぼうのあいの子みたいなやつ。
「仕事がはええなブラザー! おっとこいつはマヒ系? 入れとけば災魔の肉の臭み消しにもなるのでは?」
お肉に諸々ぶちこんで、仕上げの味付けはカレー粉どばー! あとは炒める! だけ!
「災魔のカレーソテー! キャンピーくんさん氏も食うか?」
「わ~い、いただきま~す」
もぐもぐ。
「美味しいね~あのキノコも入れよ~」
キャンピーくんの手が伸びた。
自生していたキノコを収穫しようとしたので、エドゥアルトがメッてした。
「キノコは食べちゃダメでござるよ、というか野に生えてるキノコは全部ダメでござる。毒ありかの判別がマジ難しいからな……拙者との約束だ!」
「約束なら仕方ないね~」
もしかしてキャンピーくんなら何食わせても死ななくねぇ?
エドゥアルトは思った。思っただけだ。
大成功
🔵🔵🔵
栗花落・澪
地下迷宮で取れる食材かぁ…どんなのがあるんだろう
一般的な野草の見分け知識はあるから
勉強も兼ねて山菜的なもの探し、挑戦してみたいな
一応天ぷらに出来る道具や材料、調味料は持参
凝ろうと思えばいくらでも凝れるけど
山菜系は天ぷらが1番無難だよね
キャンピーくん、地下迷宮の食材にも詳しいの?
それとも見分ける共通のコツを知ってる感じ?
持っている知識も総動員して
食べれそうか否かをまずは自力で分類
食べれそうと思ったものを最終確認も兼ねて聞いてみる
ふふ、なんだか正解をドキドキして待つクイズ大会みたい
折角ここまで来たなら、綺麗な星空も見て帰りたいな
キャンピーくんは星座知ってる?
僕結構お星様詳しいんだよ
※UCは判定用
てこてこ歩く、愛すべき三角形。
栗花落・澪(泡沫の花・f03165)は、キャンピーくんと一緒に、アルダワ迷宮の大自然(?)を散策していた。
「地下迷宮で取れる食材かぁ……どんなのがあるんだろう」
一応、澪も、一般的な野草の見分け知識は持っている。後学の為にも、山菜的なもの探しに挑戦してみよう。
「キャンピーくん、地下迷宮の食材にも詳しいの? それとも見分ける共通のコツを知ってる感じ?」
「勘だよ~」
言い切った。
「たとえばこの草は~」
キャンピーくんが、生えていた葉を無造作に収穫した。
葉の形状は、呪いの剣のように禍々しい。敵意むき出しだ。
「えっ、それってなんか……大丈夫なのかな?」
「おっかない葉っぱの形だけど~煮ると苦味が抜けて美味しい気がするよ~」
キャンピーくんがそう言うのなら、そうなのかもしれない。
「あとね~そっちのは~」
「待って、自分でも判断してみるから」
キャンピーくんの解説にストップをかける澪。
澪も、持っている知識も総動員。食べられそうか否かを、自力で分類に挑戦。
「こっちのは、確か毒があるもので……そっちは大丈夫だった、はず。……どうかなキャンピーくん?」
最終確認も兼ねて、澪は、キャンピーくんに尋ねてみる。
「むむっ」
キャンピーくんが険しい顔をした。精いっぱい。
「これはね~」
どこからかドラムロールが聞こえてきそうな、溜めの時間。
「うん~美味しい草だよ~」
ぐっ、と親指でサインを出すキャンピーくん。澪は、ほっと胸をなでおろす。
「ふふ、なんだか正解をドキドキして待つクイズ大会みたい」
「キャンピーくんも面白かったよ~。いっぱい採れたし~キャンプ飯にしようね~」
澪は、天ぷら作り用の道具や材料、調味料を取り出した。
「凝ろうと思えばいくらでも凝れるけど、山菜系は天ぷらが1番無難だよね」
キャンピーくん提供のコンロで、火力を確保。からっ、と揚げれば、キャンプ飯の完成だ。
「うまくできてよかった。キャンピーくんが採った葉っぱ、ホントに苦味も薄くて美味しい」
「迷宮で食べる天ぷらは最高だね~」
あまり聞かないタイプの感想が、キャンピーくんからこぼれた。
その後、澪達は隠し通路を通って、アルダワの森を訪れた。
「わあ……星がたくさん」
天に瞬く星々の輝きが、澪の瞳に吸い込まれる。
「キャンピーくんは星座知ってる?」
「星は~専門外かも~」
「そっか。僕ね、結構お星様詳しいんだよ」
星の連なりが描くかたちを、キャンピーくんに教える澪。
キャンピーくんはその都度うんうんうなずいて、星座の1つ1つを、つぶらな瞳に焼き付けていったようだった。
大成功
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日輪・黒玉
相手がなんであれ、私はやることをやるだけです、勝利のために
(気合いを入れた初心者感溢れるアウトドア衣装に身を包み、過剰なキャンプグッズを詰め込んだ大きなリュックを背負って真面目な顔で)
ふっ、誇り高き人狼はキャンプの予習も完璧です
しっかりと映像(アニメ)と書籍(マンガ)も読み込んできましたからね
キャンピーくんも私の完璧なキャンプ姿から楽しみを感じ取れることでしょう……
……
………
…………上手く、いかない……! なぜ……!
形から入るキャンプ初心者あるあるの苦戦をしつつ、キャンピーくんからの助言も受けつつ、なんとかキャンプを進めていきます
上手くいかないことも味わいつつ、初キャンプを楽しんでいきましょう
迷宮で見つめ合う2人がいる。
日輪・黒玉(日輪の子・f03556)と、キャンピーくんだ。
「キャンピーくんだよ~」
三角の謎存在が、自己紹介した。
「存じ上げています。その正体がなんであれ、私はやることをやるだけです、勝利のために」
黒玉は言った。
気合いを入れたアウトドア衣装に身を包み、過剰なキャンプグッズを詰め込んだ大きなリュックを背負って真面目な顔で。
全体から溢れ出す、初心者感。
「もしかして~キャンプ初めて~?」
「ふっ、ご明察。ですが、誇り高き人狼はキャンプの予習も完璧です」
呑気な口調で尋ねてくるキャンピーくんに、黒玉は自信たっぷりに答えた。
「問題ありません。しっかりと
映像と
書籍も読み込んできましたからね。キャンピーくんも私の完璧なキャンプ姿から楽しみを感じ取れることでしょう……」
対抗心めいたものをほのめかしながら、宣言する黒玉。
手始めに、迷宮内で見つけた植物を採取し、食材にしようとする。
「それはダメ~。食べたら5秒で死ぬよ~」
「い、いやわかっていました。ただ観察していただけです」
「こっちならだいじょうぶ~」
てきぱきと採集を進めていくキャンピーくん。
「よ~し結構食材も集まったし~ここをキャンプ地にして~焚火しよ~」
「簡単です。私の手にかかれば、ものの数分で……」
……。
…………。
「………………上手く、いかない……! なぜ……!」
とりあえず形から入るという、キャンプ初心者あるある。想定外の苦戦に陥る黒玉にも、キャンピーくんは優しかった。
「こんなふうにやるといいんだよ~」
ぼっ。
「ほらね~」
「くっ、あっさりと火が……」
ちょっぴり敗北感。
「いよいよキャンプ飯だね~まずはご飯を飯ごうで焚いてみよ~」
「それくらいなら問題ありません。道具も用意してきました」
新品のキャンプギアを取り出し、得意げに米と水を注ぐ黒玉。
「あとは火にかければ……何も難しいことはありません」
何も難しいことは……。
「あれっ」
フタを開けると、そこには黒い塊があった。
「ううっ……」
「こんなこともあろうかと~美味しくできたご飯があるから大丈夫だよ~」
気落ちする黒玉の肩に、ぽむんと手を置いて、つやつやふっくらご飯を差し出すキャンピーくん。
「慣れてないと上手くいかないのは当たり前だよ~うんうん、それもまたキャンプだね~」
妙に達観した風格でうなずくキャンピーくん。
それから、キャンピーくんと一緒になって、挑戦を続ける黒玉。
上手くいかなくったって、それも味のうち。
なんだかんだで、初キャンプを楽しんだ黒玉だった。
大成功
🔵🔵🔵
千代川・七尾
キャンプといえば!
おいしいご飯なのです!!
インスタントラーメンを持ってきました!
バターとトマトジュースを使って、ウインナーも投入して、チーズとバジルをいれて洋風に仕上げる予定です!
そしてここにあるのは迷宮で狩ってきたキノコ!
キャンピーくん、このキノコは食用でしょうか?
判定お願いするのです!!
ふむふむ、そうですか!
それでは、調理開始なのです!
寝る前に星空の下、持参したカリンバを奏でて…あ!間違ってマリンバをもってきてました!!
テヘペロ(頭コツン☆)
キャンピーくんと即席パーティを結成。
アルダワの地下迷宮をひとしきり散策し、星の見える森へとたどりついた千代川・七尾(好奇心旺盛な狐・f18443)。
キャンピーくんの影響か、災魔の類は一切寄り付かなかった。野生の小動物のように、遠巻きに七尾達を眺めているだけ。
きゅるる~ん。
「お腹がすいたね~」
「はっ! 今のはキャンピーくんのお腹の音だったのですね! そうですキャンプといえば! おいしいご飯なのです!!」
七尾、断言。
「というわけでインスタントラーメンを持ってきました!」
「やった~キャンプ飯の時間だね~」
森の一角をキャンプ地とした。
主役であるインスタントラーメンをより美味しくするため、七尾が食材を取り出した。
バターとトマトジュース、それと、ウインナー。チーズとバジルも登場し、洋風に仕上げる予定である。
「わ~想像するだけで美味しいよ~」
キャンピーくんが、ぱちぱちと手を叩く。いつの間にか焚火の準備完了。さすがキャンプフォーミュラ、手際がよい。
しかし、七尾流ダンジョンラーメンは、それだけではまだ完成とはならない。
「ここにあるのはさっき迷宮で狩ってきたキノコ!」
じゃじゃーん!
七尾は採りたてキノコを掲げると、キャンピーくんに突き出した。
「キャンピーくん、このキノコは食用でしょうか? 判定お願いするのです!!」
「ええとね~」
キノコとにらめっこするキャンピーくん。
食欲をそそる色あいに、ふっくら肉厚。しかし、手足のようなものが生えているのがちょっぴり懸念材料か?
「セーフだよ~この手と足に栄養がたっぷりだよ~」
「ふむふむ、そうですか! それでは、調理開始なのです!」
先ほど並べた食材を、順番に鍋に投入。
キャンピーくんのアドバイスを受けて、迷宮キノコを食べやすく切って追加。
「味見は……良し! 完成です!」
キャンピーくんの分もよそって、一緒にイタダキマス!
「うん、大変よくできてます! やっぱりチーズとトマトの相性は抜群ですね! それとキノコ!」
「キノコの出汁がいい味出してる~これぞキャンプ飯だね~」
完食。
冒険も、キャンプ飯も、堪能した。
用意したシュラフで、すやぁ……とお休みの前に、一曲お聞き下さい。
「今日はカリンバを持ってきました……あ!」
「どうしたの~?」
「間違ってマリンバを持ってきてました!! テヘペロ☆」
頭コツン☆
「うっかりさんだね~でも綺麗な音が出るよ~聴いてみたいな~」
七尾の奏でるカリンバ……もといマリンバに耳を傾けながら、左右にゆったりと揺れるキャンピーくんだった。
大成功
🔵🔵🔵
ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード
なんだかよく分らない生き物?も居るものだねえ。
まあ、野営道具は持ってるしキャンプしたらいいって言うならするけど。
さて、何か適当に材料を探してキャンプ飯でも作ろうか。
あ、ニワトリ……じゃなくてコカトリスかな。まあいいや鶏肉ゲット。
マンドラゴラも生えてるね。キャンピーくんこれ毒ないやつ?
おっと蒸気が噴き出すトラップ……これ、料理を蒸すのに使えそうだね。
よし、丸鶏ならぬ丸コカトリスに香草代わりのマンドラゴラを詰め込んで蒸し焼きにしようか。
うん、いい感じに出来たかな。
あ、キャンピーくんコーヒーは砂糖とミルク多めでよろしく。
んー、いい感じにのんびりできそうだね。
他の戦いも全部こんな感じならいいのにねえ。
ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード(混沌獣・f07620)は、アルダワ迷宮で、謎の三角形と対面していた。
キャンピーくんである。
「なんだかよく分らない生き物?も居るものだねえ」
「せっかくだし~キャンプしようよ~」
つぶらな瞳を潤ませ、ペトに訴えるキャンピーくん。
「まあ、野営道具は持ってるしキャンプしたらいいって言うならするけど」
「やった~キャンプ仲間が増えたよ~」
キャンピーくんが小躍りした。
「さて、じゃあ何か適当に材料を探してキャンプ飯でも作ろうか」
とてとて。
即席パーティを組んだペトとキャンピーくんは、迷宮を歩き出した。
曲がり角でエンカウント。
鳥だ。
「こけー!」
「あ、ニワトリ……じゃなくてコカトリスかな」
ペトの言う通り、雄鶏の体に尾は蛇、翼は竜に近い。石化の毒を振りまくという噂の、厄介なヤツだ。
「あ~危ないことはいけないよ~」
ずいっ。
キャンピーくんが前に出ると、コカトリスは大人しくなった。ダメージの発生は封じられている。
弱毒化されたコカトリスは、ほぼただのニワトリだった。
「鶏肉ゲット」
ペトは食材を手に入れた。
「あ、そっちにはマンドラゴラも生えてるね。キャンピーくんこれ毒ないやつ?」
ぺかっ。
キャンピーくん・アイがマンドラゴラをスキャンした。
「毒はないよ~」
ちょっと便利すぎないかなと思いながら、ペトはマンドラゴラを採集した。犬は連れていなかったので、丁寧に。
キャンピーくんはダメージを弱体化させ、戦闘行為を封じられるので、ピクニック感覚でダンジョンを進んでいく。
しかし、ペト達を待ち受けるのは、魔物の類だけではない。
ぷしゅーっ!
トラップ。それも、蒸気が吹き出すタイプの。
「これ、料理を蒸すのに使えそうだね」
「いいね~」
ペトの思考も、すっかりキャンプ飯視点。
というわけで、キャンプ地を定めると、料理開始。
ペトは、先ほど捕獲した丸鶏ならぬ丸コカトリスを丁寧に下処理。マンドラゴラを香草代わりに詰め込んで、トラップで蒸し焼きにする。
2人分盛り付けたら、いただきます。
「うん、いい感じに出来たかな」
「美味しかったね~。じゃあキャンピーくんはコーヒー用意するね~」
「あ、砂糖とミルク多めでよろしく」
「りょうかい~」
ふう、と一息つくペトとキャンピーくん。
「んー、いい感じにのんびりできそうだね。他の戦いも全部こんな感じならいいのにねえ」
ズズッ。
コーヒーを味わいながら、すっかり迷宮キャンプを満喫するペトニアロトゥシカだった。
「今日は楽しかったよ~。またキャンプしようね~。約束だよ~」
ひらひら。
手を振りながら、勝手にどこかへ消えていくキャンピーくん。
山だろうと迷宮だろうと、関係ない。
キャンプをする意志がありさえすれば、全てはキャンプ地となるのだと、キャンピーくんは教えてくれたのだった。
大成功
🔵🔵🔵