バトル・オブ・オリンピア⑬〜キャバリアリング開幕!
●中継:デスリング総統ジャイアント!
「グロロロロ、遂に相見えたな、猟兵共よ!」
バトリンピア遺跡に設営されたプロレスリングの上で高らかに笑い声をあげるのは、四本腕の覆面レスラー。
『新生フィールド・オブ・ナイン』の一人、ダークレスラーを支配する『デスリング総統』である。
「そう、ワガハイこそがダークレスラーの総統、その名も『デスリング総統』である!
幾度となくワガハイの『プロレスによる世界征服』を阻んだ貴様ら、もう許してはおけぬ!
この総統自ら、四本の腕から繰り出す『四次元殺法』で、貴様ら猟兵を一人残らず骸の海に放り出してくれるわ!! グロロロロ!!」
口では許さないと豪語するが、その眼は爛々と赤く輝き、熱気に昂った笑顔を見せている。
恨みつらみではなく、マイクパフォーマンスなのだろう。その証左に、デスリング総統の様子から猟兵に対する悪意は感じられず、戦いの説明をしてくれる。
「……だが、まずは貴様らが先に仕掛けてくるが良い!
プロレスの真髄とは『受け』である。ワガハイを叩きのめせるというのなら、如何なる手段でも使うが良い。
そう……貴様らの扱うキャバリアとやらもな!」
そう告げると、デスリング総統は懐(どこ?)から美味しそうなニンニクを取り出して、食べる。
すると、何ということでしょう。見る見るうちにデスリング総統の巨体が、さらに大きく……5mにまで到達したではありませんか。
リングも謎の変形機構によって戦闘に支障が無いよう拡大しております。
「グロロロロ! ニンニクエネルギーが効いてきたな!
これで大きな相手であろうとぶつかり合うことができるという訳だ!
無理にプロレス勝負を強いるつもりはない。貴様らの持つ児戯に等しき最高の全力攻撃を全て受けきった後に、堂々と反撃させてもらおう!」
凶器や反則も、術も道具も何であろうと気にしない。
いかなるユーベルコードであろうとそのすべてを受けて立つと、デスリング総統は胸を張って猟兵たちを待ち受ける。
技の発動に必要な姿勢や配置があるならば、協力もしてくれる心意気だ。
「さあ、かかってくるがいい! もちろんキャバリアでなくてもちゃんと相手はしてやるぞ!
グロロロロロロ……!」
●招集:ブックなんてないよ?
「という訳で、プロレス・フォーミュラ『デスリング総統』とのマッチングなのじゃ!」
李・玉明がプロジェクターによってリングにいる『デスリング総統』と中継を繋げ、猟兵たちに声をかける。
映像の向こうでは筋肉を誇示するようにポーズを決めるデスリング総統が猟兵たちに視線を向けている。
「デスリング総統はプロレスの名手ではあるが、妾たち猟兵にはキャバリアやマシンなど巨大武器の数々があることを知ってのぅ。
そうした機動兵器の威力も知りたい、確かめてみたいということで案内させてもらったのじゃ!」
李・玉明も、大きなキャバリア型の宝貝を有する猟兵である。
それ故に、体格差のせいでリングに上がれないと不安視する猟兵を危惧してデスリング総統と相談の上、大きいリングを用意したのだ。
無論談合ではない。猟兵が油断すれば蹂躙されることも十分あり得る、真剣勝負である。
「此度の戦いに難しいギミックや条件は一切ない!
デスリング総統はプロレスのルールに縛られることなく、猟兵の最高の全力を、至高の攻撃を望んでおる!
先制攻撃で倒すつもりで叩き込まないと負けてしまうかもしれんのじゃ!」
デスリング総統は非常に頑丈で、猟兵の全力攻撃を受けても死ぬことはない。
その上、四本の腕による異次元の怪力から繰り出す『四次元殺法』を駆使して、相手を一瞬にして『骸の海』に放り出すという恐るべき悪夢的な最強レスラーなのだ。
油断すれば、猟兵といえども『骸の海』に送り込まれてしまうだろう。
……『骸の海』に送られた猟兵がどうなるのか? 知らん。
「相手は数多の挑戦者を退けて来たチャンピオン! 妾たちはチャレンジャーなのじゃ!
『骸の海』に投げ飛ばされないよう、みんな! 気を付けて挑んで欲しいのじゃ!」
負けた猟兵がどうなるかは皆目見当がつかないが……負けなければ良いのである。
幸い、デスリング総統は猟兵が準備を済ませるまでじっくりと待ってくれる。
入念に備え、渾身の攻撃を繰り出して彼の魂をねじ伏せることができれば、勝機はあるだろう。
「ファイトー、猟兵! レッツゴー、猟兵! レディ、ゴー!」
玉明が声援を送りながら転移のためのゲートを開く。
デスリング総統との激闘が、始まるのであった。
リバーソン
こんにちは。リバーソンです。
マスターとして皆様に喜んでいただけるよう、つとめさせていただきます。
今回のシナリオは一章構成です。アスリートアースの戦争シナリオとなります。
バトリンピア遺跡の特設リングにて、プロレス・フォーミュラ『デスリング総統』を倒すことが目的です。
こちらのデスリング総統はニンニクを食べて巨大化していますが、大柄の方やキャバリアなどの兵器を利用しやすいよう配慮したサイズになっているだけで、ほかのデスリング総統と能力面の差異はありません。
戦い方はプロレスに限定しませんが、デスリング総統は殺し合いでも死なないぐらい頑丈です。つまり殺せません。
必ず、猟兵側からの攻撃を受けきってからユーベルコードによる反撃を行いますので、反撃ができないほどの攻撃を叩き込むか、攻撃の後の反撃への対策を講じることをお勧めします。
デスリング総統は死にませんが、倒すことは可能です。負ければ潔く猟兵を称賛します。
プレイングボーナスは、『「最高の全力」を出し切り、デスリング総統に叩きつける』ことです。
オープニング公開後の断章はなく、すぐにプレイング受付開始となります。
プレイングの受付期間はタグにてお知らせいたします。
皆様、よろしくお願いいたします。
第1章 ボス戦
『デスリング総統』
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POW : デスリングスープレックス
掴んだ対象を【四次元】属性の【骸の海送りのデスリングスープレックス】で投げ飛ばす。敵の攻撃時等、いかなる状態でも掴めば発動可能。
SPD : デスリングスイング
自身の【四本腕で相手の体を掴んで】から極大威力の【骸の海送りのジャイアントスイング】を放つ。使用後は【マイクパフォーマンス】状態となり、一定時間行動できない。
WIZ : デスリングラリアット
【四本腕を伸ばしての高速回転】からレベルmまでの直線上に「神殺しの【骸の海送りの四次元竜巻】」を放つ。自身よりレベルが高い敵には2倍ダメージ。
👑11
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雨飾・樒
凄いね、ニンニクエネルギー
私の"眠り薬の魔弾"は今使ってる拳銃じゃないと発動できなくて、キャバリアじゃダメなんだ
代わりに全力を撃ち込んであげるから許してほしい
デスリング総統が私を掴める間合いまで近付く、銃が撃てる状態なら別に掴んでくれてたって良い
ここまでしてくれてるんだから、それくらいは当然
普段は全力を1発に込めることなんて出来ないんだ
戦闘中にそんな暇なんてないし、やろうとしても集中しないと暴発するかもだし
でも充分な時間をくれるなら、それが試せる
まだやったことのない、他に何も気にしなくて良い状態での、全力の射撃を
先に謝っておく、永遠の眠りになっちゃったらゴメンね
●致命的! ヒプノティク!
「凄いね、ニンニクエネルギー」
「グロロロロ! 元気百倍という具合だ! さあ、最初のチャレンジャーは貴様だな!」
従来の獣呪術とは似て非なる能力を駆使して戦う黒鼠の少女。
雨飾・樒(Dormouse・f41764)は減音器を内蔵した自動拳銃『六式拳銃丙型』を握り締め、リングの上で雄々しく立つデスリング総統を見上げている。
二人の身長差は三倍以上となっているが、デスリング総統は如何なる猟兵の初撃であろうと受ける姿勢である。
普段の戦闘であれば、樒は呪符を駆使して弾丸を当てる算段を練る必要があるが……今回は正面から堂々と、じっくりと集中する猶予が与えられているのだ。
「私の"眠り薬の魔弾"は今使ってる拳銃じゃないと発動できなくて、キャバリアじゃダメなんだ。
代わりに全力を撃ち込んであげるから許してほしい」
「グロロロロ! 遠慮は無用だ! ワガハイは相手が誰であろうと侮ることはしないぞ!」
樒はデスリング総統の言葉にうなずき、彼が自らを掴める間合いまで近付いていく。
手を伸ばせばすぐに樒を握りつぶすことができる、それほどの至近距離に立つ。
「銃が撃てる状態なら別に掴んでくれてたって良い。
ここまでしてくれてるんだから、それくらいは当然」
「グロロロロ! いい度胸だ!
ワガハイの《デスリングスープレックス》も《デスリングスイング》も恐れぬか!
よかろう! ならば神殺しの骸の海送りの四次元竜巻、《デスリングラリアット》の高速回転で吹き飛ばせるようしっかりとホールドさせてもらおう!」
デスリング総統は樒の身体を器用に掴んで持ち上げると、『六式拳銃丙型』の銃口が自身の右胸に当たる位置に合わせてしっかりと固定する。
それは、樒の攻撃に対して回避はもちろん受け身も防御もしないという意思表示であった。
樒は緑色の目を一瞬大きく開けて、そして冷静に引き金に指を添える。
デスリング総統の期待に応えるべく、全力のユーベルコード放つために集中する。
「普段は、全力を1発に込めることなんて出来ないんだ。
戦闘中にそんな暇なんてないし、やろうとしても集中しないと暴発するかもだし。
でも充分な時間をくれるなら、それが試せる」
樒の視線が、まっすぐにデスリング総統の胸を見つめる。
周囲の音が遠ざかり、デスリング総統の手のぬくもりも感じられなくなる。
口の端からこぼれる独り言は、無意識のうちに吐き出しているものであろう。
視界に映るデスリング総統の輪郭すら覚束なくなるほどの集中力で、樒のユーベルコードが極限まで高められた。
「先に謝っておく、永遠の眠りになっちゃったらゴメンね」
「グロロロロ! ならば眠りに落ちる前に、貴様を骸の海へと吹き飛ばしてくれよう!」
まだやったことのない、他に何も気にしなくて良い状態での、全力の射撃。
樒は、至高の領域まで練り上げたユーベルコードのトリガーを引く。
「沈め、静寂の奥底に」
樒の使うユーベルコードはただ一つ。《眠り薬の魔弾(ヒプノティク)》。
愛用の拳銃から、物質を透過し敵に睡眠の状態異常を与えるペールブルーの魔力弾を放つというものだ。
標的の活動を強制休眠させるその弾丸は、生物以外にも効果を発揮する致死性の高い魔弾である。
それを、この上ないほどの密度で放ったのだ。如何なる存在であろうと、刹那のうちに永遠の眠りに落ちることになるだろう。
「グッ、……ロッ……!」
一瞬、あるいは一秒にも満たない時間。
樒を掴んでいたデスリング総統の手の力が、緩んだ。
その隙を活かせるほどの余力は樒に残されておらず、そのままするりとリングへと落ちていく。
野生の勘が働いて咄嗟に受け身を取った樒が視線を上げれば……そこには立ったまま笑うデスリング総統の顔があった。
「グ、ロロロロ……このワガハイが、一瞬も……耐えることが、でき、なかったとは……! グロロ、なんとも、凄ま、じい力よ……!」
「……もう、起きたなんて……」
樒は、デスリング総統が眠気を振り払って反撃をしてくる前に転がってリングから離脱する。
だがデスリング総統も《眠り薬の魔弾》の睡眠に抗うことで精いっぱいなようで、そのまま対決は樒の勝利として判定された。
開戦の一矢から、デスリング総統へと猟兵の実力を示すことができたのだ。
全力を振り絞ったことで心身の疲労が凄まじい様子の樒は、次にリングに上がる猟兵とすれ違い様に笑みを交わして観覧スペースへ移動するのだった。
成功
🔵🔵🔴
ビスマス・テルマール
『親分、あの人キン●マンっぽいのだ、ニンニク食べて巨大化とか』
ビスボランスさん、指差しちゃ駄目です
…話に聞いていましたが、プレジデントと似たタイプでしょうか?
●POW
【ビスボランス】さんに搭乗しUC発動
三種の鎧装装着『料理』への情熱上乗せ強化状態で『操縦』
『空中戦&推力移動』加速
ビスボランスさんの力でキャバリアサイズになった【なめろうフォースセイバー】で『斬撃波&切り込み』から『連続コンボ』で『属性攻撃(重力)』込め【全遠距離武装】で『砲撃&エネルギー弾&レーザー射撃&誘導弾』『一斉発射』
相手のUCを『第六感』で『見切り&早業&空中機動&残像』回避
※ビスボランスさんは湊ゆうきMS様のノベル参照
●炸裂! なめろうフルコンボ!
「親分、あの人キン●マンっぽいのだ、ニンニク食べて巨大化とか」
「ビスボランスさん、指差しちゃ駄目です。……話に聞いていましたが、プレジデントと似たタイプでしょうか?」
「グロロロロ! 大統領と大総統、語感は似ているな!」
ビスマス結晶型クリスタリアンの少女、ビスマス・テルマール(通りすがりのなめろう猟兵・f02021)はオハナ社が完成させたスーパーロボット『ビスボランス』を普段待機させている南国の気配漂うコロニー船から呼び寄せて、バトリンピア遺跡のリングへと赴いていた。
自我と人格持つ『とびうお座』型特機『ビスボランス』はビスマスを親分と慕い、一緒に戦うために力を振ってくれるのである。
デスリング総統は前の猟兵のユーベルコードで受けた状態異常を堪えつつ、笑顔でビスマスに対峙する。
「グロロロロ! さあ……いつでも、どこからでもかかって来るがいい!」
「わかりました。それでは行きますよ、ビスボランスさん」
『了解なの』『Namerou Hearts tuna! banana! Avocado!』
ビスマスが跳びあがって『ビスボランス』に搭乗すると共に、ユーベルコードが発動される。
機械音が鳴り響き『ビスボランス』の全身が『
鮪』『アボカド』『バナナ』で覆われる。
それらは最大時速144kmに達する飛行能力と、ビスマス自身の料理技能に情熱を上乗せして加えた意志の力に比例した戦闘力増強をもたらすハワイアンなめろう素材で構成された三種の鎧装だ。
「
生成! ナメローズマバア!」
『《トリニティ・ナメローズマバア》、換装なの』
《トリニティ・ナメローズマバア》により強化された『ビスボランス』が推力移動で空中を飛び、助走をつけて加速する。
そして『ビスボランス』の力により、ビスマスの持つなめろうの気を含んだエネルギー武器『なめろうフォースセイバー』がキャバリアサイズに巨大化する。
あまりにも美味しそうなビスマスたちの武装を前に、生唾を飲み込みながらデスリング総統が笑う。
「グロロロロ! それが貴様らの力か……! 何という料理だ!?」
「お教えいたしましょう……これが、『なめろう』です!」
併用したなめろうの種類により形状や色が変わる『なめろうフォースセイバー』がツナ・バナナ・アボガドの作用により魚型の黄色い脂肪たっぷりの刃となり、助走をつけた勢いのままデスリング総統へと攻撃を叩き込む。
重力を利用した高所からの重量攻撃に、斬撃波を放ちつつ切り込むという二段構えの連続攻撃。
同時に、装備している固定光学ミサイル砲台が照準を合わせる。
更には意思を持つ漆塗りのお椀型支援機『ウルシ』がスッポン型メカに変形してレーザーを放ち、海老の大地の力を含んだマイクロプラズマグレネードを射出する海老型アームドフォート『ジュリンプル・グレネドフォート』が砲撃する
近接攻撃を叩き込んでからの、ゼロ距離からのミサイル、レーザー、グレネード。全遠距離武装による一斉発射が炸裂する。
「グロロロローッ……!」
「これで……っ!」
デスリング総統がなめろうのフォースエネルギーの光と各種武装による砲煙に包まれ、見えなくなった次の瞬間、ビスマスは『ビスボランス』を操縦して飛び退いた。
煙の中から伸びた四本の腕が『ビスボランス』の残像を貫き、続いて満面の笑みを浮かべるデスリング総統が姿を見せる。
ビスマスがデスリング総統の反撃を、掴んだ対象を四次元属性の骸の海送りのデスリングスープレックスで投げ飛ばす《デスリングスープレックス》の挙動を第六感で見切ったことで、『ビスボランス』は難を逃れて空中に退避できたのだ。
「グロロロロ……! 見事だ、これが『なめろう』の力か!
初撃の後の、連続攻撃が終わる前に反撃するつもりだったが……弾幕の圧に押されたか!」
「これがデスリング総統ですか。なるほど、頑丈ですね」
いまだ、デスリング総統は健在であった。
だが、真正面から撃ち込まれたなめろうによる攻撃は、その身にしっかりとダメージは刻みつけている。
そして何より、デスリング総統の心になめろうを刻むことができたのだ。
「ワガハイの反撃の手から逃れた以上、追撃はできん。良い攻撃であった!」
「こちらこそ。対戦ありがとうございました」
『親分、お疲れ様なの』
「ビスボランスさんもお疲れ様でした」
互いに笑顔で一礼するビスマスとデスリング総統。
次の猟兵がリングに上がるのを眼下に収めつつ、ビスマスは『ビスボランス』と共に観覧スペースへ移動するのだった。
成功
🔵🔵🔴

アリス・セカンドカラー
お任せプレ、汝が為したいように為すがよい。
化術で総統と同じサイズに。
ふむ、受け切る前提ならコレ創生神術・虚無も全部命中できそうねぇ。そして、全部命中するならユーベルコードを封じるので、四次元殺法も
封じれるわね。
エンドブレイクの力、想像から創造する力、そして強化された技能で繰り出す私の「最高の全力」はそれはまぁ
『夜』のプロレスなわけですが。技名は
アマゾンプレスよ❤
一応は骸の海に送られても時空間を
細かく刻んで再構築しての時空間ジャンプでカウント内に戻ってこれるから大丈夫だ、問題ない。
●必殺! アマゾンプレス!
「ふむ、受け切る前提なら
ユーベルコードも全部命中できそうねぇ」
続いてリングに上がったのは、界隈で有名なベテランの猟兵。
アリス・セカンドカラー(不可思議な腐敗の
混沌魔術師艶魔少女・f05202)である。
アリスは自らの化術を駆使してデスリング総統と同じサイズにまで巨大化し、ミステリアスに微笑みながらユーベルコードを展開する。
「グロロロロ! 貴様も巨大化するか! 面白い、かかって来るがいい!」
「人が想像しうることは必ず人の手で実現可能である。ならば成し遂げよう、
望む未来を紡ぐを齎す力の創造を」
「む……! これは……この力は……!」
アリスが選択したのは《創世神術・虚無(ワールドクリエイション・ヴァイド)》。
想像から創造する力、
望まぬ未来を覆す力、そして所持する技能の技能レベルを自身のレベル×10を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らすユーベルコードである。
アリスの身体を埒外の権能が包み込み、増幅された力をデスリング総統に叩きつけようと身構える。
「エンドブレイクの力、想像から創造する力、そして強化された技能で繰り出す私の最高の全力よ」
「グロロロロ! 何とも、壮大な力を使いこなすものだ! 来いっ!」
今回、アリスが選んだ技能は
『夜』のプロレス。
プロレス・フォーミュラであるデスリング総統と同じ土俵に立つという意思表示なのだろう。
アリスとデスリング総統は、互いに笑い合いながら見つめ合い、ぶつかる瞬間を待つ。
そして……アリスが跳び出した。
「技名は
アマゾンプレスよ❤」
「グロロロローッ!!」
アリスの放つ《創世神術・虚無》が、デスリング総統に直撃する。
プレスを受けて押し倒されたデスリング総統は、アリスの身体を掴み投げ飛ばそうとする。
だが開放された欲望のパワーに、デスリング総統の反撃という望まぬ未来を覆すエンドブレイク。
そして想像から創造する力で増幅されたアリスの質量が、攻撃力を減少させられたデスリング総統をリングの床に押え込んでいるのだ。
「これで《四次元殺法》も
封じれるわね♪」
「グ、ロロ……! 何という、『圧』……! ここまで、いったい、どれほどの……!」
《創世神術・虚無》の三つの力、その全て命中すれば対象のユーベルコードを封じることができる。
例えアリスを掴んだとしても、デスリング総統は《デスリングスイング》を放つことができない。
抵抗むなしく、デスリング総統にはタップをすることしか許されなかった。
ゴングが鳴り響き、アリスが勝鬨のポーズを見せつけた。
「グ……グロロロロ! 見事だ、少女よ! 貴様の勝ちだ!」
「どういたしまして♪ それじゃあわたしは下がってるわね」
立ち上がったデスリング総統と握手を済ませ、化術を解除して観覧スペースへ移動するアリス。
勝者の堂々とした背中を見送り、デスリング総統はストレッチをしてから
マイクパフォーマンス。
「さあ! ワガハイはまだ戦えるぞ! 次なる猟兵よ、リングに上がるといい!」
いまだ屈する様子のないデスリング総統に、次の猟兵が立ち向かうのであった。
成功
🔵🔵🔴

シャルロッテ・ヴェイロン
まあね、どうやって他世界に関する【情報収集】したかは知りませんが、それなりの【覚悟】があってのことでしょうね。だったら受けて立ちましょうか(で、ホワイトラビットを【操縦】してリング入り)。
まずは【ダッシュ】で懐に【切り込み】、ビームソードでの【切断】を狙いつつ相手を攪乱。掴みかかって来たなら【残像】を残し回避。そして頃合いを見てニューロンを【ハッキング】して焼き切る!(【精神攻撃・全力魔法】)悪いですね、これが私の戦い方でして!(【挑発・存在感・パフォーマンス】)
※アドリブ・連携歓迎
●灼熱! ブレインハッキング!
「まあね、どうやって他世界に関する情報収集をしたかは知りませんが、それなりの覚悟があってのことでしょうね」
「グロロロロ! なに、貴様ら猟兵のアスリートアースにおける活躍を見聞きしたに過ぎぬわ!
というかだね? あれだけさんざん暴れ回っておいて情報を隠蔽できると思うかね?」
「あー、そう言われればそうですね」
とあるエンタテイメント企業の社長令嬢にして、凄腕ゲーマーとしての顔を持つアリス適合者。
シャルロッテ・ヴェイロン(お嬢様ゲーマーAliceCV・f22917)は自分自身や他の猟兵たちのアスリートアースにおける活躍を回想する。
高速戦闘に特化させた高機動型カスタムキャバリア・RA-08CV『ホワイトラビット』を操縦してサーキットコースを走ったのも記憶に新しい。
……情報源の確認、ヨシッ!
「だったら受けて立ちましょうか」
「グロロロロ! かかってくるがいい!」
気を取り直して、『ホワイトラビット』を操縦してリング入りするシャルロッテ。
四本の腕を上下に広げて受けの構えを見せるデスリング総統に向かって、開戦早々にダッシュして懐へと切り込んだ。
機体前腕部に収納していたビームの刃を持つキャバリア用ビームソード『BXシャイニングセイバー』を展開して、デスリング総統の腕を斬り落とそうとと狙いを付ける。
だが、ユーベルコードを伴わない斬撃は、デスリング総統の皮膚を温めるだけであった。
「グロロロロ……ぬるいっ! その程度の攪乱ではワガハイに傷を負わせることなどできんわっ!」
「まあね、切断できれば儲けものでしたが……っと」
「初撃は済んだ、ならば! 容赦なく反撃させてもらおう!」
デスリング総統が切り込まれた『BXシャイニングセイバー』のビームの刃を掴み、その勢いで『ホワイトラビット』を握ろうと手を伸ばす。
シャルロッテは咄嗟にビームソードを収納し、残像が出るほどの速度でバックステップすることでデスリング総統の手を回避する。
掴まれれば、四次元属性の《デスリングスープレックス》で骸の海まで投げ飛ばれてしまうだろう。
回避し続けるシャルロッテだが、『ホワイトラビット』の高性能を駆使してもリングの中では限界があった。
ついに、コーナーポストに追い詰められた『ホワイトラビット』が、デスリング総統の腕に捕まる。
「さあ、観念するといい! 骸の海に頬り出してくれるわ! 《デスリングスープレ』
「―――今です」
そして『ホワイトラビット』が四次元属性の投げを受けると思われた、その瞬間。
シャルロッテのユーベルコードがデスリング総統を襲った。
「ック、グ!? グ、グロロロロォォォ!?」
デスリング総統が苦悶の声を上げて、マスクに覆われた顔に汗を滲ませていく。
しっかりと握っていたはずの『ホワイトラビット』が、ノイズと共にスライド移動してデスリング総統の横に立つ。
これこそ、シャルロッテの恐るべきユーベルコード。
《BRAIN HACKING:BOOSTED(ブレインハッキング・ブーステッド)》である。
「グ、グロロロロ……! 頭が……震える……!」
「さあ! まとめて、焼き切ってやりましょうか!」
全身に実体化した電子データを帯び、戦場内全ての敵の行動を生体脳および制御装置への強制ハッキングで妨害可能になるユーベルコード。
デスリング総統が掴んだのは、電子データ。
このユーベルコードにより『ホワイトラビット』は身を守ると同時に、デスリング総統へのハッキングを行ったのである。
「なる、ほど……! 精神、いや頭脳への直接攻撃か……! 何という、発想か……!」
「悪いですね、これが私の戦い方でして!」
存在感をアピールして、挑発するシャルロッテ。
絶え間ない激痛に脳を傷つけられているデスリング総統はまともに応答することもできず、その場に膝を着き動くことすらままならない。
このままニューロンをハックして焼き切れるかと思ったが……脳まで頑丈なのだろう。
デスリング総統は、シャルロッテの《BRAIN HACKING:BOOSTED》を耐え切った。
「はぁ、はぁ、はぁ……貴様の勝ちだ……グロロロロ、もっと脳も鍛えねばならんな」
「なんで生きてるんですか。本当にすごいですね」
だが、消耗は流石に激しく、デスリング総統は潔く負けを認めシャルロッテを称賛する。
デスリング総統に膝を着かせたシャルロッテは、『ホワイトラビット』の中で感嘆とも戦慄とも取れる声を溢しつつ、観覧スペースへ移動するのだった。
これでもまだ戦えるというのだから、デスリング総統の頑丈さは尋常ではない。
それでも、確実に、着実に。ダメージや疲労は蓄積しているのだ。
続いてデスリング総統に挑む猟兵たちが、リングへと上がるのであった。
成功
🔵🔵🔴
クロム・チタノ
傾国参戦
成る程、ならば我等も最早手加減は無用ですね
傾国の持てる最強の攻撃を全て叩き込んで差し上げます
ルイナはキャバリアを最大稼働させて全ての武装を叩き込んで
ミクは狂化を最大にして突っ込みなさい、狂戦士の矜持を魅せよ
朱鳥は渾身の力で鬼の一撃を!
全リミッター解除、これより殲滅します
属性を融合して際限無い氷結の大津波を解放します
大ダメージを負った上全身を氷付けにすればその筋肉でもトドメの一撃は防げませんよ
さあ傾国の真打ち登場ですよ?タカシ、貴女の出番です
星見の大魔術を、滅びの彗星を叩き込んであげなさい
これが我等の最大の一撃、傾国個人戦最大戦力の全てです!
ルイナ・ラヴ
傾国参戦
なんという巨体、しかし我々もここで退く訳には参りません
では遠慮なく、我が至高のキャバリアの全武装を使わせてもらいます!
全リミッター解除コードルイナ、キャバリア超攻撃モード起動
全武装を五倍の威力に上昇、限界値突破
全武装をフルバーストで一斉射です、機体の限界まで、砲身が焼けつくとも撃ちまくる
総統(カミ)を討つべく進軍しよう、荘厳な地獄の果て、やがて訪れる平和(セカイ)の為に!
山岡・朱鳥
傾国参戦
また無茶苦茶な奴を相手取る事になったわね?
でもいいわ、鬼の進軍魅せようぞ!
鬼の血の【封印を解く】ことで鬼の【怪力】を【限界突破】させて皆が攻撃している間に【力溜め】で鬼の戦鎚を振りかぶるわ
さあ我等が一族に眠る鬼の血よ、目覚めろ
皆の攻撃が途切れた所に鬼の戦鎚を【急所突き】でくらわせてやるわ
鬼の力を最大最高まで引き出した高威力の全身全霊の一撃よ!
私はオニ、鬼の山岡よ!!
ミク・ナナナ
傾国参戦
参戦:傾国の戦士の一人として、骸の海から這い出た猟兵として、この決戦場(バショ)に赴いた
命令受諾:狂戦士の矜持を魅せよ
最大狂化:Fuuuー
暴走攻撃:全ての身体能力を6倍に【限界突破】した【怪力】を発揮して敵(アナタ)に襲い掛かる
己は今は暴力の化身、全ての理性を棄て去って全力を以て全ての武装を、拳を、肉体から繰り出す全てを、暴力の嵐に変えて襲い掛かる
静止:全ての力(ボウリョク)を使い果たし、壊れた人形のように静止する
目撃:薄れる景色の央(ナカ)で滅びを籠めた彗星が視える
感情:意識が途切れて結果は解らない
しかし一つ讃えるならば、只、我等に赦しを、そして総統(アナタ)にもまた掛け値ない赦しを
タカシ・セイヒ
傾国参戦
最近傾国に参加した新人として、この戦場で僕の真価を見せるとしましょうか
皆さんが攻撃してくれている間に、魔術の発動に必要な魔法陣を展開して【エネルギー充填】をさせて頂きましょう
さあ、星降りの魔術を
そのボロボロで更に凍りついた筋肉であらゆる【属性攻撃】の魔力を籠めた滅びの彗星を受けきれますか!
僕の持つ全ての魔力をこの大魔術に出し惜しみ無しで注ぎ込んでいますよ
流石に立てないようですね、ですがこれでも五体満足とは恐れ入る
貴方は僕が闘った中では最高の好敵手でしたよ
●傾国の五姫、参戦!
これまで幾人もの猟兵たちの繰り出した数々のユーベルコードを受けてなお、リングの上で不敵に笑うデスリング総統。
続けて彼に挑むのは、五人組の美姫であった。
「成る程、ならば我等も最早手加減は無用ですね。
傾国の持てる最強の攻撃を全て叩き込んで差し上げます」
先頭に立つのは、戦場で倒れた後に封神武侠界にある傾国へと運び込まれ、邪仙に改造を施された兵士の成れの果て。
クロム・チタノ(傾国狂戦士・f32170)だ。
「なんという巨体、しかし我々もここで退く訳には参りません」
歴史ある魔術師の家系に生まれ育ち、母の一族に伝わる妖刀を振るうダンピールの妖剣士。
ルイナ・ラヴ(戦う魔術研究者・f38750)はデスリング総統を見上げながらも、臆する様子なく立っている。
「また無茶苦茶な奴を相手取る事になったわね? でも、いいわ。鬼の進軍魅せようぞ!」
禁断の鬼の力に手を出した先祖の怨念や無念に呪われ蝕まれているサムライエンパイア出身の滅んだ武士の末裔。
山岡・朱鳥(呪われた鬼の血・f41465)は強敵と相対することに嬉しさを抱き、攻撃的な表情を見せている。
「参戦:傾国の戦士の一人として、骸の海から這い出た猟兵として、この
決戦場に赴いた」
愛する人の為にかつて戦い、愛する人に裏切られて、愛憎に狂ったビハインド。
狂化され、理性を喪失しているミク・ナナナ(赦しを求める狂戦士・f41647)はたどたどしい言語能力で戦闘意志を表明して、左右の腰部に装備されている『二丈鞭』を握り締める。
「最近傾国に参加した新人として、この戦場で僕の真価を見せるとしましょうか」
そして、自らが発掘した魔術人形に自身の魂を写した魔術研究者。
タカシ・セイヒ(探究者の成れの果て・f37132)はオブリビオン・フォーミュラとの戦いという晴れ舞台で己の価値を知らしめようと意気込んでいる。
「グロロロロ! 次は五人がかりか。相手にとって不足なし! 全力でかかって来るがいい!」
彼女たちこそ、傾国に集いし仲間であり、同類であり、サーヴァント。
血に依らない魂で結ばれた絆の下、プロレス・フォーミュラ『デスリング総統』に挑戦するのであった。
●見よ! 傾国フォーメーション!
「ルイナはキャバリアを最大稼働させて全ての武装を叩き込んで。
ミクは狂化を最大にして突っ込みなさい、狂戦士の矜持を魅せよ。
朱鳥は渾身の力で鬼の一撃を!」
「わかったわ」
「命令受諾:狂戦士の矜持を魅せよ」
「では遠慮なく、我が至高のキャバリアの全武装を使わせてもらいます!」
「僕は皆さんが攻撃してくれている間に、魔術の発動に必要な魔法陣を展開してエネルギー充填をさせて頂きましょう」
クロムが仲間たちに指示を飛ばす中、タカシは一人足を忍ばせ、攻撃の為に必要な準備に取り掛かる。
デスリング総統が待ってくれるとはいえ、攻撃を効果的に叩き込むタイミングを計らねばならないためだ。
五人がそれぞれお互いの攻撃の邪魔にならないよう射線を考慮し散開したところで、ルイナが一連の攻撃の先陣を切って出る。
「出でよ、我が鋼鉄の機兵よ!」
ルイナが行使するのは、《其は貴女を守護する鋼鉄の機兵(ルイナキャバリア)》。
起動の詠唱によって、ルイナの装備する『ルイナ専用キャバリア』を遠隔操作することができるユーベルコードだ。
搭乗することなく行動させることで、ルイナ自身も行動できるほか……パイロットの負荷を考慮しない、限界値を超えた最大出力を稼働させることができる。
剣術と魔術だけでない、キャバリアという強力な力をも使いこなす。
どんな相手にも対処可能な、万能型のルイナの修行の成果の一端である。
「全リミッター解除! コードルイナ、キャバリア超攻撃モード起動!」
ルイナは続け様に、『ルイナ専用キャバリア』に秘められた真の性能を解放する。
その名は、《観よ鋼鉄の機兵に秘められた其の力を(キャバリアルイナモード)》。
超攻撃モードに変形させた『ルイナ専用キャバリア』の、全武装を五倍の威力に上昇させるのだ。
代償として、装甲や移動力など何らかのパラメータが通常時の半分になってしまうことがあり、さらに増大した攻撃の過熱により砲身が焼け尽きてしまうだろう。
だが、一切の余力を必要としない最大火力は、この場ではこの上ない威力を発揮する。
「
総統を討つべく進軍しよう、荘厳な地獄の果て、やがて訪れる
平和の為に!」
「グロロロローッ!」
『ルイナ専用キャバリア』に搭載した全武装を一斉射する。
機体の限界まで、砲身が焼け尽きてもなお撃ちまくり、弾丸、ミサイル、レーザーの雨あられがデスリング総統を飲み込んだ。
その時間は数秒か、数十秒か。圧倒的な火力に『ルイナ専用キャバリア』が耐えきれずに崩れ落ちた瞬間。
デスリング総統が動き出す前に、ミクが駆け出して襲い掛かる。
「最大狂化:Fuuuー」
「むぅ
……!?」
《最大狂化(クライングオーバーフロー)》。
それは、狂化によってミクの身体能力の全てを一時的に増強し、全ての能力を6倍にするユーベルコードである。
その活動限界は今の時点でおよそ2分。限界が来ると、1分間のクールタイムに入ってしまう切り札だ。
だが……初撃にすべてを叩き込むこのリングであれば、それは問題にならないリスクである。
最大まで向上させたその暴力を振るい、ミクがデスリング総統を連打する。
「暴走攻撃:全ての身体能力を6倍に。限界突破した怪力を発揮して
敵に襲い掛かる」
「グロロッ……初撃は受けきったが……この猟兵の技は初見。面白い、受けてたとう!」
一瞬反撃するか悩んだ末、受けることを選んだデスリング総統。
その顔を、胴体を、手や脚をミクは遠慮も容赦もなく叩き続ける。
ミクの今の姿は、暴力の化身。
全ての理性を棄て去って全力を以て全ての武装を、拳を、肉体から繰り出す全てを、暴力の嵐に変えて襲い掛かる
そして、……2分が過ぎた。
「静止:―――」
「グロロロロ……! 強力な、実に強力な暴力だ。では、次はワガハイの―――」
全ての
力を使い果たしたミクは、壊れた人形のように静止する。
無防備となったその姿に、デスリング総統が笑いかけながら四本の腕を振り上げる。
四本腕を伸ばしての高速回転を始めようと、デスリング総統が《デスリングラリアット》を放つ寸前に。
次なる傾国の姫、朱鳥が最高の全力を叩き込むべく接近した。
ミクが殴り続けた2分の間に、朱鳥は力を溜めていた。
刀が通じない頑丈な相手に対抗するためのウォーハンマー『鬼の戦鎚』を振りかぶり、全身全霊の一撃を打ち込むべくエネルギーを充填させていた。
鬼の血の封印を解くことで鬼の怪力を限界突破させて、鬼の力を最大最高まで引き出している。
ミクの攻撃が途切れた直後、デスリング総統が反撃を繰り出そうとするその始点に狙いを定め、踏み込んだ。
「さあ……我等が一族に眠る鬼の血よ、目覚めろ!」
「グロロッ!?」
デスリング総統の鳩尾という急所目掛けてフルスイング。
《剛力戦鎚打ち(オニノカイリキ)》。
『鬼の戦鎚』による超高速かつ大威力の一撃を放つユーベルコードである。
ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えないため、朱鳥はデスリング総統がユーベルコードを使用しようとして隙が生じたタイミングで、渾身の一撃を叩き込んだのだ。
鬼の血を目覚めさせたことで瞬間的に増大した凄まじい怪力を発揮して、『鬼の戦鎚』がデスリング総統にめり込んだ。
「グ、グロ、グロロロロ……! 何という怪力……! 見た目以上の何かが……!」
「私はオニ、鬼の山岡よ!!」
急所を突かれたデスリング総統が、激痛に悶絶するもその場に踏み止まり、震えるように手を伸ばす。
《剛力戦鎚打ち》を受けてなお立ち続けるデスリング総統は、朱鳥へと反撃のユーベルコード、骸の海送りの《デスリングスープレックス》を繰り出そうとしているのだ。
大ダメージを負ったデスリング総統の動きは非常に緩慢だが、攻撃にすべてを注いだ朱鳥に避ける余力はなく、そのままでは掴まってしまうだろう。
そこで。気を見計らっていたクロムが、動いた。
「全リミッター解除、これより殲滅します」
クロムの行使するユーベルコードは、《最終殲滅手段(オーバーテンペスト)》。
クロムの胸に埋め込まれている動力炉『チタノドライブ』に組み込んでいる広域殲滅プログラムにより、属性を融合させして際限無い氷結の大津波を具現化する。
ミクと朱鳥に手を伸ばした姿勢のまま、デスリング総統が氷漬けにされる。
ギョロリと動く眼球が、そしてひび割れていく氷が、デスリング総統がなおも戦えることを表している。
だが、動きを止めることがクロムの目的であった。
「大ダメージを負った上全身を氷付けにすれば、その筋肉でもトドメの一撃は防げませんよ。さあ、傾国の真打ち登場ですよ?」
「お待たせしました。僕の持つ全ての魔力をこの大魔術に……出し惜しみ無しで注ぎ込んでいますよ」
最後に叩き込むのは、傾国の最大火力。
ここまでの仲間たちの攻撃の間に、リングの周囲に入念に仕掛けておいた、タカシの複数の魔方陣が輝き出す。
それに囲まれた内部へと極大ダメージを与える滅びの彗星を落とすユーベルコードが、魔術発動の合図を待っている。
「タカシ、貴女の出番です。星見の大魔術を、滅びの彗星を叩き込んであげなさい」
「さあ、星降りの魔術を」
《星見の大魔術(スターゲイザー)》。
タカシの放った滅びの彗星が、バトリンピア遺跡の天井を突き破ってリングに降ってきた。
一瞬で氷が砕け散り、デスリング総統に直撃する
「目撃:薄れる景色の央(ナカ)で滅びを籠めた彗星が視える」
「これが我等の最大の一撃、傾国個人戦最大戦力の全てです! そのボロボロで更に凍りついた筋肉であらゆる【属性攻撃】の魔力を籠めた滅びの彗星を受けきれますか!」
「グロロロローッ!」
タカシとデスリング総統の叫びが重なり、そして滅びの彗星の衝撃波が辺りを包み込んだ。
凄まじい勢いに、ルイナは『ルイナ専用キャバリア』の機体の陰で耐え忍び、朱鳥とミクは転がるようにリング外へと吹き飛んでいく。
大地を揺るがす振動と辺りを覆い尽くす粉塵が立ち込める中、確かな手ごたえを感じ取ったタカシが笑みを浮かべる。
「流石、ですね。立てないようですが」
「グロロロロ……! 見事……! ワガハイの反撃の挙動を突き、一度も掴ませることなく、技を出させずに完封するとは!
傾国の娘たち、貴様らの勝利を認めよう!」
煙が晴れて見えるようになったデスリング総統は、リングに座り込み満身創痍に見えるものの五体満足であった。
プロレス・フォーミュラのマスクも損傷こそあれ、しっかりと彼の素顔を隠し続けている。
それでも、デスリング総統はしばらく立ち上がることもできないほどのダメージを負っている。
傾国の乙女たちの怒涛の連携攻撃は、デスリング総統に痛烈な深手を与えることに成功したのだった。
「これでも五体満足とは恐れ入る。貴方は僕が闘った中では最高の好敵手でしたよ」
「感情:意識が途切れて結果は解らない」
「鬼の力、奴の腹にしっかりと残すことはできた。お前のおかげでもある」
そして、クールタイムを終えたミクが意識を取り戻し、戦いの結末を知る。
彼女を支える朱鳥の言葉を聞き、ミクも自分たちが勝利したことを認識した。
「重畳。……しかし、一つ讃えるならば、只、我等に赦しを。そして総統(アナタ)にもまた掛け値ない赦しを」
「グロロロロ! 勝ったというのに謙虚な奴だ……赦そう。そして貴様らの強さ、ワガハイが認めよう!」
「ほんとうに、凄い相手で、凄い戦いだったわね……」
高笑いするデスリング総統を見上げ、ルイナは大きく息を吐く。
限界を超えた『ルイナ専用キャバリア』を回収して、リングから降りる。
傾国の仲間たちが全員無事であることを確認したクロムは、デスリング総統に軽くお辞儀をしてリングを後にする。
「ですが、これで今回の任務はこなしました。傾国の威は披露しました。あとは、この戦いの顛末を見届けるだけです」
残る猟兵は、五人。いずれも歴戦の強者揃い。
消耗が激しいデスリング総統が相手ならば、きっと勝利するだろうと思いながら。
傾国の五人の姫たちは、他の猟兵たちと共に結末を見届けるべく観覧スペースへ移動するのだった。
大成功
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夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎
■行動
成程、凄まじい方ですねぇ。
仰る通り、周辺被害が出ない範囲での全力で参りましょう。
『FAS』により飛行し【珎華】を発動、『祭礼の女神紋』により『祭器』全てを含む全身を『ストレンジ
物質』に変換しますねぇ。
此方は『中性子星の内部に有ると言われる未確認存在』で『亜粒子より小さな一欠片が触れたら惑星崩壊』と言われる程の物質、その対象を制御可能にした存在ですぅ。
一応プロレスらしく、変化したこの状態で鳩尾を狙った跳び蹴りを行いますねぇ。
流石に耐えるのは難しいでしょうが、耐える様なら『FIS』で転移し掴まれるのを避け『ストレンジ物質』化した『祭器』各種を直接ぶつけましょう。
●爆ぜろ! ストレンジマター!
「成程、凄まじい方ですねぇ」
並み居る猟兵たちの猛攻を受けてなお立ち上がる、プロレス・フォーミュラ『デスリング総統』。
その威容を目の当たりにして、小柄ながら大きな少女である夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)は感心して息を吐く。
デスリング総統は、るこるが攻撃しやすいようにリングの中央で四本の腕を広げて受けの構えをみせている。
「グロロロロ! このデスリング総統、貴様ら全員の実力を受けるまで倒れることはないと思ってもらおう!
さあ、貴様の最高の全力を見せてみろ! 流石にもう一回隕石とかされるとリングの方が耐えられなくなるが!」
「仰る通りですねぇ。それでは、周辺被害が出ない範囲での全力で参りましょう」
るこるは、高速飛行可能な三対のオーラの翼型祭器『フローティング・エアロフォイル・システム』を装備して飛行を開始し、高度を取る。
るこるの身長の三倍以上の巨体と化したデスリング総統を見下ろしながら、ユーベルコードを発動させる。
「大いなる豊饒の女神、その象徴せし欠片の一つを我が身へ」
るこるの身体が、謎の物質に覆われていく。
《豊乳女神の加護・珎華(チチガミサマノカゴ・ケタイナルハナ)》。
それは、るこるの全身を『ストレンジ
物質』に変異させるユーベルコードだ。
骨に刻まれた神印『祭礼の女神紋』の恩恵により『祭器』全てをるこるの身体の一部とすることで、持ち込んだ『フローティング・システム』のすべてもまた制御可能なストレンジマターへと変化していく。
デスリング総統はその異様な雰囲気に生唾を飲み、問いを投げかける。
「ほう、ストレンジマター……! それはいったい何なのだ!」
「此方は、中性子星の内部に有ると言われる未確認存在ですぅ。
亜粒子より小さな一欠片が触れたら、惑星すらも崩壊すると言われる程の物質……その対象を制御可能にした存在ですぅ」
「惑星崩壊、だと……!? リングが崩壊してしまうのではないか!?」
制御ができなければ大惨事だが、制御可能なので問題はない。
惑星を崩壊させるほどの力を秘めたるこるが、上空からデスリング総統へと攻撃を仕掛ける。
プロレスを意識してか、攻撃手段は跳び蹴りだ。
「行きますよぉ」
「グ、こ、来いっ! 猟兵!!」
急降下するるこるの狙いは、デスリング総統の鳩尾だ。
重力の操作を行う浮遊する16本の錫型祭器『フローティング・グラビトン・システム』により重量を高めた攻撃が、デスリング総統の腹部に深く突き刺さる。
衝突の際に凄まじい衝撃波が起こり、リングが波立つ。
「っっっ!!」
「―――流石ですねぇ」
何と、デスリング総統はるこるの跳び蹴りを受けてなお、原形を保っていた。
ストレンジマターと化したるこるの脚が深くめり込み、口から吐血しながらも意識を保っているのだ。
デスリング総統は歯を食いしばり、腹筋を強く締めてるこるの脚が抜けないように抑えると、敵の攻撃時などいかなる状態でも掴めば発動可能なユーベルコード《デスリングスープレックス》を繰り出すべく、四つの手を伸ばす。
自らの攻撃が突き立っている今、るこるに逃れるすべは……ある。
「耐えることができるとは。ですが、避ける余裕はありますねぇ」
「っ! グ、ロ、ロ……! 瞬間、移動、か……!」
るこるは一瞬のうちに、デスリング総統の懐から離れコーナーポストの上に移った。
16本の浮遊する水晶柱型祭器『フローティング・インタディクト・システム』の有する機能により、転移してデスリング総統の攻撃を回避したのだ。
そして、『フローティング・レイ・システム』や『フローティング・ミラーコート・システム』、『フローティング・シールド・システム』といった砲撃・射撃・レーザー攻撃を可能とする『祭器』を展開して、攻撃の準備を万端に整える。
圧倒的な火力を纏い、るこるはストレンジマターと化した『フローティング・ブレイド・システム』のビームの刃の先端をデスリング総統に突きつける。
「さて。第二ラウンドも続けますかぁ?」
「ふぅ、ふぅ……グロロロロ! いや、十分だ!
ワガハイの攻撃を躱したその力がある限り、敵わん! 貴様の勝ちだ」
「はい。お疲れ様ですぅ」
るこるはおっとりとお辞儀をすると静かに床に降り立ち、敗北を認めたデスリング総統に向けていた『祭器』を解除して観覧スペースへ移動するのだった。
大成功
🔵🔵🔵
結城・有栖
要は全力を叩き込めば良いんですね?
「そうダネー。ただ、反撃には注意しなヨ」
なら、反撃が出来ない攻撃をするのです。
今回はトラウムに乗って出撃です。
まずはUCでオウムさんを14体召喚し、次に使うUCは【魔獣戦技・旋風破砕撃】です。
そして、トラウムのガイスト・クリンゲから、【全力魔法】を込めた破壊の風を放って攻撃。
オウムさん達にも破壊の風を模倣してもらい、同時に発射しましょう。
オウムさんの命中率は半減してますが、受ける気満々の動かない相手なら関係ないのです。
15の破壊の風が合わさった、破壊の大嵐で、外まで吹き飛ばしてあげます。
注意も忘れず、【野生の勘】で警戒し、反撃がきたら加速による【残像】で回避。
●かっ飛ばせ! 魔獣戦技・旋風破砕撃×15!
「要は全力を叩き込めば良いんですね?」
「そうダネー。ただ、反撃には注意しなヨ」
「なら、反撃が出来ない攻撃をするのです」
「ほう……どんな攻撃か楽しみだ! かかって来るがよい!」
フードの付いた赤い衣服に身を包み、魔女のような姿をしたキャバリア『トラウム』に乗ってリングに上がるのは、結城・有栖(狼の旅人・f34711)。
その身に宿る相棒のオウガ『オオカミさん』と共に、デスリング総統に全力を叩き込むべくユーベルコードを具現化させる。
「オウムさん達、出番ですよ」
「デバン!」「デバン!」「デバンデスヨ!」
「これは……真ん丸な、オウム……?」
有栖の想像から具現化するのは、14羽の真ん丸なオウム。
《想像具現・モノマネパロット(ソウゾウグゲン・モノマネパロット)》。
次に有栖が使用するユーベルコードを半分の威力と命中率で模倣して消える『モノマネパロット』たちである。
オウムたちがパタパタと羽ばたき、デスリング総統を取り囲む。
「グロロロロ! なるほど、そういう攻撃か……!」
「準備はできました。それでは」
そして有栖が《モノマネパロット》に組み合わせるユーベルコードは、《魔獣戦技・旋風破砕撃(センプウハサイゲキ)》。
有栖が体に宿る『オオカミさん』と同調して強化することで、使用する武器から風のオーラを込めた渦巻く破壊の風を放つ必殺技だ。
「行きますよ、オオカミさん」「あいよー! 破壊の風に耐えきれるカナ?」
「イキマスヨ!」「アイヨー!」「ハカイノカゼ!」
『トラウム』の持つキャバリア用の魔法の杖『ガイスト・クリンゲ』から全力魔法を込めた破壊の風を放つと、オウムたちも破壊の風を模倣して同時に発射していく。
オウムたちの《旋風破砕撃》は命中率が半減しているが、デスリング総統は受けるつもりでいるために回避することはない。
ゆえに、四方八方から有栖とオウムたちの合わせて15つの破壊の風―――破壊の大嵐がデスリング総統を飲み込んだ。
「グ、グロロロローッ!!」
「効いてはいますが、動いていますね」
大嵐の中、全身を風の刃で切り刻まれながらデスリング総統がじりじりと『トラウム』ににじり寄って来る。
激しい暴風でダメージを負いながらも、自身の四本腕で相手の体を掴んでから極大威力の骸の海送りのジャイアントスイングを放つ《デスリングスイング》で反撃しようと、すり足で接近してきている。
少しでも足を浮かせればリングの外へ、バトリンピア遺跡の天井に開いた穴から外まで吹き飛ばすことができるのだろうが、しっかりとマットを掴む足をすくうのは難しそうである。
「いつ跳びかかって来るかかわらないし、警戒を怠らないようにネ」
「はい」
有栖はユーベルコードによる攻撃を持続しながらも、デスリング総統の動きを注視する。
野生の勘は全力で警戒しており、踏み込まれた瞬間に加速して回避できるよう注意している。
《魔獣戦技・旋風破砕撃》の効果で風のオーラにより最大時速14100kmで飛翔できるため、反撃の瞬間を見落とさなければ避けることはできるはずだ。
そして、緊迫するリングの上で……15の破壊の嵐に、リングのマットが耐えられなくなった。
「グロロッ!?」
ビリビリと布が破れるが聞こえたかと思えば、足の指でシートの切れ端を掴んだまま、デスリング総統の巨体が浮かび上がる。
デスリング総統は慌てて身を捻らせて近くのロープに手を伸ばす。
ロープエスケープと呼ばれる状態に入り、デスリング総統は降参の声を上げた。
「グロロロロ! 参った! 恐るべき風であった……!
このワガハイが、触れるどころか近づくことすらできんとは……見事だ!」
「ふぅ。勝てましたか」「とんでもない相手ダッタネ。お疲れ様」
仕事を終えたオウムたちが消え、有栖は『トラウム』の中で緊張を解く。
魔法攻撃の直撃を受けても耐え続けるプロレス・フォーミュラは、油断できない強敵であった。
激闘に勝利した有栖は観覧スペースへ移動して、『トラウム』から降りて残る猟兵たちの戦いを見学するのだった。
大成功
🔵🔵🔵
アッティラ・ドラゴンロード
ニンニクを食べて巨大化だと?
待て、それはキン肉マ(ピー音声)
何、聞こえなかった? だからそれはキンに(ピー音声)
何処から聞こえて来るんだ、このピー音は!
拙いと思うなら最初からニンニクで巨大化などしなければいいだろう!
もういい総統の反撃を躱すのは至難、最初の一撃で反撃できない程の痛打を与えて魂を捻じ伏せろ、だな。
しかもせっかく巨大化した総統を活かした形がプロレスとしては望ましいか……よし。
「来い、ギガース」
【破壊の巨神】でメガロス・ギガース(装備アイテム参照)を召喚。
「薙ぎ払え」と超破壊光線でリングごと総統を蒸発させよう。(蒸発するとは言っていない)
●薙ぎ払えメガロス・ギガース! 放てスーパーデストラクションレイ!
激しい戦いによって損傷したリングを直した後、デスリング総統は次なる猟兵との戦いを待っている。
前に出て来たのは、赤い髪と瞳の美しい女性であった。
彼女は開口一番、呟く。
「ニンニクを食べて巨大化だと? 待て、それはキン肉マ(ピー音声)」
高難度ダンジョン『邪竜山脈』のクエストボスにして、城塞都市エツェルの冒険者ギルドのマスター兼受付嬢を担う、
ゴッドゲームオンライン・エツェル地方担当の
ゲーム管理者ドラゴンプロトコル。
アッティラ・ドラゴンロード(邪竜山脈の主・f41821)はデスリング総統が巨大化した理由に関して知見があるようだ。
それ以上は解き明かすといけないので遮る音が流れます。
「グロロロロ? なんのことかな?」
「何、聞こえなかった? だからそれはキンに(ピー音声)」
何処から聞こえて来るんだ、このピー音は!」
アッティラのキン●マン発言に関しては明言を避けさせていただきます。
「グロロロロ! ワガハイの独特な笑い方や四本腕であることや、四次元殺法が気になるのはよーくわかる! だが、世の中には抗えぬ権利というものがあるのだ……すまんな」
「拙いと思うなら最初からニンニクで巨大化などしなければいいだろう!」
「グロロロロ! それはまあ、お約束というものだ!」
ネタを理解してくださる方がおられること、大変ありがたく思います。
閑話休題。
「もういい!
総統の反撃を躱すのは至難、最初の一撃で反撃できない程の痛打を与えて魂を捻じ伏せろ、だな」
「グロロロロ! やれるものであればな! さあ、貴様の最高の全力を振ってみせろ!」
「ああ。……せっかく巨大化した総統を活かした形が、プロレスとしては望ましいか……よし」
デスリング総統がリング中央で待ち受けている様子を見て、アッティラは自身の持ちうる手札の中から、この場に映える選択肢を繰り出した。
「来い、ギガース」
「■■■■!!」
虚空から出現したのは、体高30mほどのGGOの理不尽な戦闘力を持つ巨大人型ゴーレム。
アッティラに忠実なレイドボス、『メガロス・ギガース』だ。
135秒、およそ二分間は戦場に留まり、超質量物理攻撃と必殺技を駆使して暴れることのできるモンスターである。
リングが軋み、デスリング総統が笑みを深めて『メガロス・ギガース』を見上げている。
「グロロロロ! このワガハイよりも大きな相手とは……! 面白い!」
「■■■■!!」
『メガロス・ギガース』がこぶしを握り、勢いよくデスリング総統に殴り掛かる。
超質量物理攻撃のこぶしがデスリング総統の全身を打ち、その身体をロープまで弾き飛ばす。
初撃を受けたデスリング総統は歯を食いしばり、その攻撃を耐え抜いた。
そしてロープに打ち付けられた反動を利用して、『メガロス・ギガース』に向けて反撃のユーベルコードを放とうと、その四本腕を伸ばしての高速回転を開始する。
「グロロロロ! 見事な、パンチだ! では、次はワガハイの攻撃だ!
神殺しの骸の海送りの四次元竜巻! 味わうといい!」
「させるな。ギガース、薙ぎ払え」
「■■■■!!」
デスリング総統が《デスリングラリアット》を放つより先に、『メガロス・ギガース』が必殺技を放つ。
《破壊の巨神(メガロス・ギガース)》の必殺技……それは超広範囲破壊光線。
太く、そして強大なビームである。
高速回転するデスリング総統は『メガロス・ギガース』の放った二の矢を躱すことができずに、光に包まれる。
『メガロス・ギガース』の破壊光線が納まった時、ロープごとリングの半分が、蒸発していた。
「やったか。……なんてな」
「■■■■!!」
「……グ、ロロロロ! リングの強度不足も、今後の課題か……!」
そしてデスリング総統は破壊光線に吹き飛ばされ、リングの外に転がっていた。
身体中から湯気を立ち昇らせているが健在で、まだ戦う余力はあると見える。
アッティラはゆっくりと身を起こすデスリング総統を冷静に見つめて、再び『メガロス・ギガース』に攻撃する準備を行わせる。
「中々やるようだな、デスリング総統。……まだ戦うか?」
「いや……この戦いはワガハイのリングアウト負けだ!
素晴らしい一撃だったぞ、ギガース! そしてその主よ!」
「ああ、お前もよくぞ耐えた。……なあ、デスリング総統」
再び神殺しの骸の海送りの四次元竜巻を放つ《デスリングラリアット》を使えば、まだ反撃することはできるだろう。
だが、プロレス・フォーミュラはリングから落とされた時点で勝敗は決したのだと告げる。
ダウンしている間に追撃をされなかったことも心中にあるのかもしれない。
猟兵にプロレスは強いないが、自らはプロレスに殉じるというのだろう。
その様子を見つめて、アッティラは胸中の
想いを口に出す。
「この戦いが終わったらGOD.GAME//ONLINEに来てイベントボスとかしてくれないか?」
「グロロロロ! ふむ……。是非はともかく、考慮はしておこう!」
死亡フラグを感じさせる提案を笑顔で返し、送還される『メガロス・ギガース』を見送るデスリング総統。
そしてアッティラはプロレス・フォーミュラと配下の戦いを眺めて満悦した様子で、リングから去る。
観覧スペースへ移動して、次の猟兵たちの戦いを見届けるのであった。
大成功
🔵🔵🔵
ティエン・ファン
キャバリアでプロレスできるの!?
すごいじゃんデスリング総統!
やるやる!ぜひやらせてもらうんだよ!
最初の一撃は受けてくれるってことだから、その後がちゃんとプロレスになるような攻撃をしないとね!
そういうわけで、まずは私がオーバーロードで真の姿に!
そして『蚩尤』のグラビティコントローラーもリミッター解除するよ!
さあ、これが私の全力全開!「蚩尤超重陣」だよ!!
当然この一撃で決着するとは思わないけど、デスリング総統も超重力状態なら多少なりとも動きが鈍ってくれるはず!
対するこっちも、超重陣を展開してる間はグラビティコントローラーが他に使えないから、近距離格闘しかできなくなるんだよ!
これで『蚩尤』と総統でちょうどプロレスが成立するくらいのバランスになるんじゃないかな!?
というわけで、ここからはプロレスだよ!
『蚩尤』の太くて重い腕は、殴るだけじゃなくてラリアットにもヘッドロックにも適してるってところを味わってもらおうか!
もちろん、本来の使用法であるインパクトパイルの衝撃も、しっかり体験していってね!
久遠寺・遥翔
アドリブ連携歓迎
キャバリアを相手にするつもりってことは武器も含めて全部受けきるつもりってことだよな?
その意気やよし! なら俺も真っ向から挑ませてもらうぜ!
真の姿、イグニシオン・ソーリスに[騎乗]
UCで特設リング内を高速飛翔し、さらに[地形の利用]で周囲のロープの反動で加速
圧縮した焔をイグニシオンの拳に乗せて一気に叩き込む
奴はまず受けるといった
俺はその言葉を信じて最初の攻撃に全力を傾ける
奴の反撃に対応するのはこちらの攻撃が終わった瞬間からだ
奴の間合い、[心眼]と[第六感]を総動員してその四本の腕の掴み動作を[見切り]離脱する
「悪いな、真っ向から挑むとは言ったがうちの機体は回避型でね、そっちの攻撃は避けさせてもらうぜ!」
全力で避け[残像]を捉えさせ、胴を掴まれそうになったら上下フレームに分離しフェンリルでひき逃げアタックを顔面に叩き込みつつ再ドッキング
隙あらば何度でもUCを叩き込むぜ
それでも万策尽きて投げ飛ばされそうになったら機体から脱出だ
●ファイナルラウンド! キャバリアリング!
プロレス・フォーミュラ『デスリング総統』との激闘は、ついに千秋楽を迎える。
この場に駆け付けた十数名の猟兵たちのトリを務める二人が、各々のキャバリアと共にバトリンピア遺跡のリング前へと躍り出る。
「キャバリアでプロレスできるの!? すごいじゃんデスリング総統!
やるやる! ぜひやらせてもらうんだよ!」
日本生まれ日本育ちのベトナム人。シルバーレインの銀誓館学園を卒業した、らいふいずわんだほー。
潘氏天(ファン・チ・ティエン)ことティエン・ファン(除霊建築学フィールドワーカー・f36098)は、自身の駆る『蚩尤』と並び立って参上する。
「キャバリアを相手にするつもりってことは武器も含めて全部受けきるつもりってことだよな?」
そして、骸魂イグニスを宿した黒剣と融合し、
焔黒騎士となった正義の味方。
久遠寺・遥翔(焔の機神イグニシオン/『黒鋼』の騎士・f01190)は、異界の技術で作られた最新鋭の機体『イグニシオン』を伴って現れる。
二人の猟兵と愛機を前にして、デスリング総統はこれまで受けたダメージを無かったかのように振舞って、ボロボロの巨体に鞭を打ってリングの中央に仁王立ちする。
「グロロロロ! もちろんである! 遠慮も手加減も不要!
貴様らの持つ児戯に等しき最高の全力攻撃、堂々と全て受けきってみせよう!」
「その意気やよし! なら俺も真っ向から挑ませてもらうぜ!
せっかくだ。順番に行こうか、ティエン!」
「おっけーだよ、遥翔!」
厳正なるジャンケンの結果、先にデスリング総統に挑むのは遥翔と『イグニシオン』となった。
●喰らい尽くせ! イクリプス・バスター!
「(奴はまず受けるといった。俺はその言葉を信じて、最初の攻撃に全力を傾ける!)」
遥翔はこれまでのデスリング総統の言動を信じて、彼が本当に待ち受けることを前提として攻撃の準備を行う。
虚を突かれれば一瞬で危機に陥るほどに、深く……集中する。
「
原初躍動―――!」
遥翔は『イグニシオン』に騎乗すると、オーバーロードにより『イグニシオン』の真の姿……『イグニシオン・ソーリス』を顕現させる。
蒼い焔の翼を燃やして空中に佇む『イグニシオン・ソーリス』を、デスリング総統は静かに四本の腕を広げて待っていた。
その様を眺めて、遥翔は小さく口の端を持ち上げて、自分たちの最高の攻撃を開始する。
「……行くぞ! デスリング総統!」
「来いっ! イグニシオン!」
『イグニシオン・ソーリス』が特設リング内を最高時速14700kmに達する飛翔速度で戦場を駆け回り、さらに周囲のロープを利用して反動によりさらに加速していく。
四方を縦横無尽に飛び回り、帝竜を解析して得た超重力で圧縮した焔による超加速が尋常ならざる破壊力を発揮する。
打ち出されるのは、圧縮した焔を『イグニシオン・ソーリス』の拳に拳に乗せて、解き放った熱量×レベル×パワー×スピードに比例した激突ダメージを一気に叩き込む必殺のユーベルコード。
その名は―――!
「
太陽の輝きを喰らいな! 《闇を蝕む太陽(イクリプス・バスター)》!」
「――――――!!」
真正面から、《闇を蝕む太陽》がデスリング総統の胸に叩き込まれた。
あまりの激しい衝撃にデスリング総統は踏ん張り切ることができず、ロープ際まで押し飛ばされていく。
ロープが軋み、コーナーポストが歪み、リング全体が勢いに耐えきれず……浮かび上がる。
デスリング総統がリング諸共殴り飛ばされ、遺跡の壁に叩きつけられる。
全力攻撃を完遂した『イグニシオン・ソーリス』が腕を振り切った状態のまま、遥翔は短く呼吸を済ませると直ちに回避行動に移る。
「っし!」
「グロロロロ! 素晴らしい一撃だぁ!」
リングが『イグニシオン・ソーリス』に向かってくる。
遺跡の壁を蹴ったデスリング総統がリングを抱えて遮蔽物として扱い、『イグニシオン・ソーリス』を掴もうと迫って来ているのだ。
いかなる状態でも掴めば発動可能なユーベルコード、掴んだ対象を骸の海へ投げ飛ばす四次元属性の《デスリングスープレックス》が発動する。
その手の一本にでも掴まれれば最後、遥翔と『イグニシオン・ソーリス』は骸の海送りに遭うだろう。
だが、遥翔は鍛え抜いた心眼と第六感を総動員して、死角から迫るデスリング総統の四本の腕の掴み動作を見切った。
機体の手足を狙う一本目と二本目の掴みは全力で避け、頭部を狙った三本目は残像を捉えさせたのだ。
「させるかっ!」
「グムッ!?」
そして、リングを突き破って伸ばされた最後の四本目に胴を掴まれそうになった次の瞬間、『イグニシオン・ソーリス』のフレームを上下に分離することで回避する。
分離してバイク形態に変形した鋼翼『フェンリル』の前輪を手の甲にぶつけるひき逃げアタックを叩き込み、その勢いでデスリング総統の腕の間合いから距離を取る。
再びリングが元の位置へ戻り、その上にデスリング総統が立った時……再び上下がドッキングした『イグニシオン・ソーリス』は四本の腕が届かない上空へ離脱していた。
「悪いな、真っ向から挑むとは言ったがうちの機体は回避型でね、そっちの攻撃は避けさせてもらうぜ!」
「グロロロロ……! 見事だ、そこまで飛ばれれば手は届かん! 貴様の勝ちである!」
「ふー……。すごく気が張ったぜ。ナイスファイト!」
勝利を称えられた遥翔はリング外に『イグニシオン・ソーリス』を降ろし、戦闘状態を解除する。
そしてコックピットの中から顔を出し……最後の猟兵の戦いを特等席から観覧するのであった。
●決着! インパクトパイル!
「最初の一撃は受けてくれるってことだから、その後がちゃんとプロレスになるような攻撃をしないとね!」
ティエンは、オーバーロードを発揮して真の姿である装束に変身する。
威風堂々たる姿になり身も心も引き締まったところで、『蚩尤』をリングに上げてからユーベルコードを発動する。
ティエンの意思に呼応して『蚩尤』の眼が輝きを放ち、ユーベルコードを戦場に放つ。
「『蚩尤』のグラビティコントローラーもリミッター解除するよ!
さあ、これが私の全力全開! 《蚩尤超重陣(シユウチョウジュウジン)》だよ!!」
『蚩尤』の頭部に搭載された重力制御ユニット『EPグラビティコントローラー』からリミッター解除による範囲重力操作を放たれる。
それこそ、半径145m以内の敵全員にダメージと超重力の状態異常を与える必殺技。
《蚩尤超重陣(シユウチョウジュウジン)》だ。
リングいっぱいに圧し掛かる激しい重量に、デスリング総統は両脚に力を入れて立ち続ける。
「グロロロロ! なるほど、この重み……生半可な術ではない……。
だが! これだけで落ちる程、このデスリング総統はヤワではないぞ!」
「当然この一撃で決着するとは思わないけど、デスリング総統も超重力状態なら多少なりとも動きが鈍ってくれるはず!」
そして『蚩尤』が両腕を振り上げ、デスリング総統に対峙する。
初撃を受けきったデスリング総統もまた、四本腕を伸ばして攻撃態勢に移っている。
ティエンは爛々と目を輝かせてその様子を見上げ、興奮して声を張り上げている。
「対するこっちも、《超重陣》を展開してる間はグラビティコントローラーが他に使えないから、近距離格闘しかできなくなるんだよ!
これで、『蚩尤』と総統でちょうどプロレスが成立するくらいのバランスになるんじゃないかな!?」
「……。グロロロロ! 良い度胸だ!
好いだろう、貴様の『蚩尤』。ワガハイの必殺の《デスリングラリアット》で骸の海へ投げ込んでくれるわ!」
この時、この戦場にいる誰しもが固唾を飲んで見守る中。
デスリング総統が豪快に笑い、超重力の中で回転し始める。
同時にティエンが『蚩尤』に出撃の号令を発する。
「というわけで、ここからはプロレスだよ! foo、行っけぇ『蚩尤』!」
「■■■■■■!!」
デスリング総統が神殺しの骸の海送りの四次元竜巻を放つより先に、『蚩尤』が腕を伸ばす。
殴るのではなく、狙いは拘束だ。
デスリング総統の首にラリアットを叩き込み、ヘッドロックを決めに行く。
回転が高速に達する前に止められたデスリング総統へ、『蚩尤』自身の重量と《蚩尤超重陣》による超重力が合わさり、その巨体をリングへと深く沈めていく。
だがデスリング総統はタップすることなく、四本の腕で『蚩尤』を掴んで引き剥がそうと試みる。
引き剥がせば最後、『蚩尤』は骸の海送りに遭うだろう。
「グ、グロロロロ……! だが……この状態であれば、掴むことは容易……!
ワガハイの四本の腕、如何に剛力であろうと二本の腕で抑えきれはせん!」
「もちろん思ってないさ。『蚩尤』の太くて重い腕の本来の使用法……インパクトパイルの衝撃も、しっかり体験していってね!」
「なにっ
……!?」
「インパクトパイル、セット! ぶち抜くよ『蚩尤』!」
「■■■■■■!!」
ティエンの合図と共に、『蚩尤』の両腕に搭載された、杭打機のように衝撃を打ち込む機構が作動する。
《蚩尤衝撃杭(シユウショウゲキコウ)》。
至近距離でホールドされた頭蓋骨に直接叩き込まれる、『RX-Aインパクトパイル』からの衝撃波がデスリング総統の脳を揺らす。
高威力高命中のダメージを直接脳にぶつけられたデスリング総統は、……ついに、気絶した。
初戦における睡眠の状態異常を受けて以来、意識を保ち続けたプロレス・フォーミュラが力無くリングに倒れていく。
『蚩尤』がデスリング総統の両肩をマットに押さえつけて、ティエンがカウントを行う。
「……3……2……1……よし! 私たちの大勝利だよ!」
「よっしゃ! 良い勝負だったぜ『蚩尤』!」
ピンフォールの成立。
ここに、デスリング総統との勝負が決着した。
猟兵たちの勝利である。
激闘を終えた猟兵たちが観覧スペースから拍手や喝采を送る中、リングに横たわったデスリング総統が意識を取り戻し、笑顔で呟く。
「―――ワガハイの、完敗、である。見事だ、猟兵たち」
バトル・オブ・オリンピアが佳境を迎えつつある今、『新生フィールド・オブ・ナイン』を屈服させた意味は非常に大きい。
スポーツマンシップに則りデスリング総統は猟兵たちの配下となり、いずれ肩を並べることになるのだろう。
誰もがいい表情を浮かべる中、キャバリアリングは無事に閉幕するのであった。
大成功
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