温泉郷を取り戻せ!
●グリモアベースにて
「皆さん、お風呂といえば何を思い浮かべますか? アルダワ魔法学園の大浴場と言われる方が多いと思われます。実際すごいですよねアレ……ですが!」
メンテ・サンタバーバラ(エルフのクレリック・f00018)が集まった猟兵達に向け、何やら語り始める。この前振りからして、どうやら今回の依頼はアルダワとは関係なさそうだ。
「【アックス&ウィザーズ】も温泉では負けてはいません! 誰が施したという訳でもないのに天然のエンチャントが施されてる温泉とか、こっちだってすごいと思いませんか?」
メンテはアックス&ウィザーズの出身である。猟兵は多くの世界からオブリビオンを倒すという共通の使命の下、グリモアベースに集う。そして世界を超えて人々が集えば、当然始まってもおかしくないのはお国自慢ならぬ世界自慢、という訳だ。
「……と、話が逸れましたね。本題に入ります。アックス&ウィザーズとある温泉郷が数年前に賊の襲撃を受け、人々は故郷を失いました。そして賊は今もそこを拠点とし、周辺住民を脅かし続けています。温泉郷を奪還し、人々から笑顔を取り戻して下さい」
襲撃を行った賊は詳細不明の強力な魔物に率いられていたといい、オブリビオンと見て間違いないだろう。敵に対話は通じないが、容赦も不要。後の憂いを断つため確実に殲滅して欲しいとメンテは付け加える。
「温泉郷は元から山がちで岩場がゴツゴツしており足場が悪く、しかも至る所で高温の温泉が湧き出ているため、非常に滑りやすくなっています。勿論湯煙もあちこちで立ち上り、さらに賊も禄に廃屋を修繕していないようなので、視界も劣悪です。思わぬ鉢合わせや奇襲を受けるかも知れないので、十分気を付けて下さい」
だがそれは賊の側も同様だ。地の利を生かした戦いを心掛ければ、より有利な状況運びを期待出来るだろう。また、奪還後もどの道長年の放置具合から再建が必要となるため、戦闘による家屋の損壊については気にしなくていいともメンテは付け加える。
「今回は温泉郷まで一足飛びに転送します。目的地まで冒険する必要はありませんが、すぐに戦いとなりますので、皆さん準備は抜かりなく。……勿論戦闘の、そして戦いに勝った後の温泉タイムの、どっちもですよ?」
温泉郷を奪還し、地域の安全を取り戻し、そして至福のひと時を勝ち取るため、猟兵達の戦いが始まる。
前後
●ごあいさつ
皆さん、初めましての方は初めまして、以前プレイングを送って下さった方は毎度御贔屓にありがとうございます。前後です。
今回は温泉郷内でのバトルです。メンテが説明した通り、視界も足場も悪く、不意の接近戦を強いられたり、死角からの奇襲を受ける可能性が高いと思われます。それらの攻撃に対策を取ったり、逆にこちらがそれらを狙ってみたりと、戦い方を工夫してみるといいかも知れません。
第1章と第2章は敵とのバトルとなります。無事両方とも勝利出来れば第3章はお待ちかねのお風呂タイムになります。バトルのみの参加、お風呂のみの参加、勿論両方の参加も大歓迎です。どうぞよろしくお願いします。
第1章 集団戦
『山賊』
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POW : 山賊斬り
【装備している刃物】が命中した対象を切断する。
SPD : つぶて投げ
レベル分の1秒で【石つぶて】を発射できる。
WIZ : 下賤の雄叫び
【下卑た叫び】を聞いて共感した対象全ての戦闘力を増強する。
👑11
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温泉郷に転移した猟兵達。小さくも、かつて人々で賑わった温泉街も、長年の老朽化で見る影もない姿に変貌していた。だが希望はある。未だ温泉はかつてのままの熱と湯量を持ち、自慢の天然魔法電気風呂も健在だ。賊さえ片づければ温泉郷は再び蘇ることが出来るだろう。と、そんなことを考えていると。
「ゲヘッ、ゲヘゲヘッ」
煙の中から幾つもの視線と、汚らしい笑い声が響く。どうやら賊のお出ましのようだ。相手の数も、隠れている場所も分からない。だが賊の方も攻撃して来ないことから、こちらの気配は察知していても、まだ正確な位置までは掴めていないようだ。あるいはあえて誘い込み、そこから一気に奇襲をかける魂胆か。
ゴツゴツとした足場を慎重に歩みながら、敵の領域へ足を踏み入れていく。戦いは、静かに始まった。
アリス・セカンドカラー
ちょうど新しいペットが欲しいと思ってたとこなの☆
調教しがいがありそうだし楽しみだわ♪
レビテーション(念動力、怪力、空中戦)で浮遊して上空へ。
ラブフェロモン(誘惑、催眠術、属性攻撃、盗み攻撃)をばら蒔いて(範囲攻撃)魅了を試みるわ☆皆のハート奪っちゃうぞ♪
効きが悪いようなら、エナジードレイン(生命力吸収、念動力、盗み攻撃、範囲攻撃)するわ。ペットにならないならいらないもの、ふふ、魂まで吸い付くしてあ・げ・る♪
あ、一人ぐらいは残しておいて味見(意味深)しようかしら?幸い隠れる場所は幾らでもあるし♪いい夢魅せてあげるわ☆
あは♪テレキネシス(念動力、怪力)の拘束から必死に逃れようとしてかわいい☆
「ちょうど新しいペットが欲しいと思ってたとこなの☆」
綿雲のような軽やかさで廃屋の一つに登り、アリス・セカンドカラー(腐敗の魔少女・f05202)は高台を見下ろす。そしてとても文字には表せぬような妄言を語りながら、【誘惑】の【催眠術】を試みる。蠱惑的なフェロモンを温泉郷全域に広がり、単なる白煙も何かいやらしい感じに見えてくる。
姿の見えぬ少女の声に淫猥な響きに彼らは妄想を抱き始め、気付かぬうちに幾分か増幅された不純な感情を隠そうともせず、下卑下卑と叫び出す。
「アァッ……オォォー!!」
刹那、辺り一面から突如汚らしい咆哮が巻き起こる。煙の中から姿を現したのは、哀れ【蠢く影の触手の群れ】に絡め取られた幾人もの賊。感情の発露によってまんまと燻り出された彼らは、たちまちに絞め落とされ、あるいは精魂を搾り取られ、干からびたように項垂れる。
「ダメねぇ……わたしのものになる前に果てちゃったら。ま、いい夢見てね☆」
続いて彼女は背中を向く。そこには、背後から忍び寄りアリスを羽交い絞めにしようとした賊。その直前で暗い腕に絡め取られ、手を広げた姿で四肢を縛られたまま身動きが取れない。
「見た目は筋肉隆々で無骨な殿方――調教のしがいがありそう。ねぇ、わたしを抱きしめて何をしようとしたの? 教えて♪」
「ヒィィィィ」
アリスがじわりと迫る。戦いでは恐れを知らぬ賊が、残虐な笑顔の前に恐怖する。その賊がどのような末路を迎えたか。彼女が先に語った言葉の内容ともども、深くは語るまい。
成功
🔵🔵🔴
ヴァリアクルス・プロディクト
聞いたことがあります。かの温泉は山の精霊の祝福を受け、霊験あらたかで万病に効き、ついでに身長も伸びてお金持ちになると…
……田舎の噂話だから、全部信じちゃダメですよ?
とにかく、山賊さんたちを懲らしめなければなりませんね。
ぼくは戦うのは得意じゃないけど、【太陽の紋章】をかざして味方を【鼓舞】します。
……こうやって目立ったら狙われちゃうでしょうか。
じ、自分の身を守ることくらいはできます。犯した罪の重さを理解してもらうためにも、メイスによる【気絶攻撃】で生かしたまま捕まえるようにします。
……い、痛かったら、ごめんなさい。
だ、誰かが守ってくれたら、遠慮なく背中に隠れます(不安)。
彩波・いちご
温泉郷のローカルアイドルなんかやっている私です
こんな話は絶対に見過ごせません!
何より、みんなで楽しむべき温泉を取り戻さないとですよ!
とはいえ、この状況はちょっと困りものですねぇ…
足場が悪いので、気を付けてそろそろと
湯気で視界が悪いので、こちらはあまり動かずに、【フォックスファイア】を今出せる限界……14個呼び出して、個別に飛ばします
明かりと、敵の探知を兼ねて
後ろから炎を飛ばして、前で戦う皆さんの援護です
敵を発見したら、即ぶつけて、燃やし、その炎で仲間に敵の居場所を教える感じです
夜神・静流
「温泉は良き物です。ゆえに温泉郷を蘇らせる為にも、迅速に賊を排除するといたしましょう」
足場が悪い事への対策は、正座した状態で臨みます。
本来、居合とは座した状態で行なう技の事。ゆえに、座った程度で戦に支障はありません。
鉢合わせようと死角から来ようとお構いなしに、ただ敵よりも速く斬るのみ。
早業・先制攻撃・衝撃波の技能を使用し、敵が姿を現した瞬間に抜刀し、一ノ太刀・隼で斬り伏せます。
また、遠距離に対してはこちらも投擲技能を使い、装備の鉄礫で攻撃します。
仮に先手を許した場合は見切り・武器防御・オーラ防御・カウンター技能を使用し、敵の攻撃を受け流した上で反撃します。
「聞いたことがあります。かの温泉は山の精霊の祝福を受け、霊験あらたかで万病に効き、ついでに身長も伸びてお金持ちになると……」
出所不明の噂話だから、全部信じちゃダメですよ? と小さな声で付け加え、ヴァリアクルス・プロディクト(お姉さん、じゃないですよ・f08857)はこの温泉郷のあらましを語る。
「それはすごいですね! でも温泉なら、私の育った龍神温泉郷もすごいですよ!」
自身も温泉郷のローカルアイドルであり、温泉と聞いて我慢できずにやってきた彩波・いちご(ないしょの土地神様・f00301)が目を輝かせ温泉談話に頷く。
「ええ、温泉は世界を問わず、何処も良き物です。温泉郷を蘇らせる為、迅速に賊を排除するといたしましょう」
夜神・静流(退魔剣士の末裔・f05903)もまた、微笑みながら物静かにうむ、うむと肯定する。静流が先導し、その後ろをヴァリアクルスといちごが追従する形で、男達の嬌声、悲鳴、あるいは下賤な笑いが響く温泉郷の霧の中を歩む。
「ぼく達には神様のご加護があります。だからぼく達は負けないし、負ける訳にはいきません」
彼が信仰する神のシンボル【太陽の紋章】を握り締めながら味方を【鼓舞】する。彼自身も臆病さの中から勇気を振り絞り、先の見えぬ敵地を歩む。
「そう、温泉はみんなで楽しむべきです。独り占めにする人達から取り戻さないとですよ!」
いちごもまた、今彼が同時に操れる最大限の数の狐火【フォックスファイア】を各地に放ち、温泉郷を妖しく照らし、同時に賊の隠れ得る場所を絞っていく。
「人々から愛され、信仰される聖なる場所。それを汚し独占する輩、許す訳にはいきません」
静流の清楚な表情がキリッと引き締まる。静流の静かな怒りを感じた賊達は怖気付く所か、むしろ嘲笑を大きくしていく。
「見つけました! 燃えて下さい!」
狐火の一つがついに、賊の一匹を見つけ、照らす。慌てて隠れようとするが、勿論逃すいちごではない。燃える炎を押し当て、火だるまへと変える。
「アーッ! アアーッ!!」
赤黒い人型と化した賊は岩場を転がりながら温泉へと飛び込み、消火しようとする。だがあの燃え具合でさらに熱湯に飛び込み火傷を深めれば、オブリビオン言えどももはや助かるまい。そして叫び声と水に飛び込む音を合図に、賊達が三人に襲い掛かるべく四方八方から飛び掛かる。
「皆様、私から離れないでください!」
静流は愛刀【十六夜】を居合で構え、同時に正座で座り込む。足場が悪いなら動かねばよい。そして例え動かず動けずとも、夜神の太刀は問題なく敵を斬り捨てる。静流を【つぶて投げ】で打とうとした賊は、静流の神速の抜刀術【一ノ太刀・隼】による【早業】の一撃をまともに受け、手に石を握ったまま両断される。
「罪の重さを理解して、悔い改めて下さいっ!」
「グェッ」
ヴァリアクルスは痛かったらごめんなさい、と付け加えながら【メイス】を後方に振り回し、背後から飛び掛かる賊の顔面を強打する。【気絶攻撃】が見事決まり、賊はその場で倒れて伸びる。
その後も賊達はいちごの炎によって次々に炙り出され、静流とヴァリアクルスの攻撃で的確に倒されていく。見事な連携が、地の利を得た賊達をも上回ったのだ。
成功
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筒石・トオル
視界が悪いから、山賊は気配と人影を頼りに攻撃してくると思うんだよね。
なので、長い棒に布を引っ掻けて、手に持ちながら歩く事にする。
僕自身は背が低いから、布を人影に見立てて、その首や心臓の位置を狙っても僕の頭上に当たるから、攻撃は届き難いと思うんだ。
攻撃を受けた瞬間、オルタナティブ・ダブルで攻撃を仕掛けた敵の背後に回ってルーンソードを振るう。騙し討ちってやつ?
うっかり見方を攻撃しないように、事前に仲間の特徴(形)は把握しておくよ。
筒石・トオル(多重人格者のマジックナイト・f04677)は、長い棒に布を引っ掛け、掲げながら湯煙の中を歩いていた。視界が悪く、賊の姿は見えない。
空気を切る音。トオルの真上を複数の石つぶてが通過する。周囲から賊達の歓喜と嘲笑の声、そしてすぐに手応えのなさに困惑する声が響く。
「予想通り」
賊の方も正確にはこちらの位置を捉えていない。先ほどの棒と布も、人影を偽装するための細工である。それが作り出した自身より背丈の高い偽装の人影を狙い、投石攻撃を仕掛けてきた。全て、正確に、『顔面』を狙って。もし迂闊に姿を晒していれば、と思うとぞっとする。
だがそれも仮定だ。現にトオルは攻撃を回避し、同時に敵方向を炙り出した。あとは倒すのみ。
「【オルタナティブ・ダブル】、頼んだよ」
足元からトオルに瓜二つの【もうひとりの自分】が現れる。そして二手に分かれ賊の群れを掃討しにかかる。
賊の一人に『トオル』が迫る。だが賊は躊躇した。先ほど外したのは何故? 今迫っている『トオル』は本物なのか? それとも先ほどのような『幻術』なのか?躊躇している賊は、まず目の前の『トオル』を石で打とうとし――
「ガハッ」
背後から【ルーンソード】で貫かれる。目の前の『トオル』は本物であった。だがそれに気を取られている隙に回り込んだ【もう一人の自分】に刺し貫かれたのである。
こうして複数の賊の集団は、たった『一人』のトオルに翻弄され、各個撃破されていく結果となった。
成功
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九重・十右衛門
神隠しで姿を消すと忍び足技能を使い足下に注意しながら山賊を探す
山賊の姿を見つければ暗殺技能を使い手裏剣を急所に投げつけていく
「楽に終わればいいんじゃがな」
ケイス・アマクサ
「温泉かぁ! 良いね良いねぇ! さっさと浸かりたいもんだなぁ!」
温泉なら、UDCアースにもそりゃぁ良い場所が沢山あるんだが……異世界温泉旅行ってのも良いもんだろ!
だからその前に、賊にゃ消えてもらわねぇとな。
……他人の郷を強引に奪った罪は、重いぞ。
【行動】
・ナミル・タグイール(f00003)と同行。
基本的には意思疎通の取れない距離では動かない。
最初は身を潜め、【追跡】技能にて、足跡や声のする方向等手がかりを元に静かに賊の居場所を絞り込む。
その後、ナミルを囮として【暗殺】技能にて賊を奇襲、ひいては無力化を狙う。
ユーベルコードは、小さな物音を立てて賊に上手く【疑問】の感情を抱かせられれば使おう。
ナミル・タグイール
ケイス・アマクサ(f01273)と同行
むわむわしてるにゃ。ちょっと暑いにゃあ…。
お宝じゃないけど温泉は大好きにゃ。早く終わらせて入りたいデスにゃ!
【行動】
まずは索敵だにゃ!ケイスとはお互い確認できるくらいの位置にいるにゃ。
温泉だと微妙そうだけど一応【野生の勘】で敵を探すにゃ!
敵を見つけるか、いそうな場所があったら突撃にゃ!囮は任せろにゃ!
かかってこいデスにゃー!と叫んで挑発
【呪詛】込めた斧を振り回して派手に戦うにゃ!私が暴れてるうちにケイスに暗殺してもらうにゃ。
危なくなったら【ミダスの手】で金ピカ無敵モードにゃ。
山賊は金ピカが好きそうだからきっと更に私に注目が集まるにゃ!ケイスがんばってにゃ!
アルテミス・カリスト
「せっかくの温泉郷を山賊なんかに渡すのはもったいないですね。
ここは山賊から取り返し、ゆっくり温泉に浸かりましょう♪」
人々の憩いの場である温泉を占拠する山賊たちは、
この正義の騎士アルテミスが退治します!
(建前と心の声が逆)
大剣を構えて山賊たちに正面から斬りかかります。
騎士として、山賊ごときには遅れは取りません!(フラグ)
「きゃ、きゃあっ」
私はうっかり油断をして、濡れた岩場で足を滑らせて転んでしまいます。
こ、これは【騎士の責務】によるお約束というやつですかっ?!
転んで剣を取り落とした私は山賊たちに包囲され、
ピンチ(女騎士的な意味で)に陥ってしまうのでした。
「異世界温泉かぁ! 良いね良いねぇ! さっさと浸かりたいもんだなぁ!」
温泉ならUDCアースにもそりゃぁ良い場所が沢山あるんだが、とケイス・アマクサ(己が罪業の最果て・f01273)もまたさり気なくおらが世界温泉自慢に参戦する。
「むわむわしてて暑いにゃあ。早く終わらせて入りたいデスにゃ!」
お宝とお肉と同じくらい温泉も大好きなナミル・タグイール(呪飾獣・f00003)も装飾品をジャラジャラ鳴らしながら、少なくとも温泉については同意を示す。
「せっかくの温泉郷、山賊に渡すのはもったいないですね。早く取り返して、ゆっくり浸かりましょう♪」
二人の温泉談義の前に、ついうっかり本音を漏らしてしまい、カッコイイ建前の台詞を言う機会を逸したアルテミス・カリスト(正義の騎士・f02293)。
「楽に終わればいいんじゃがな」
まあそうもいかんかのう、とやんわりと三人を窘める九重・十右衛門(サイボーグの化身忍者・f05916)。賊は粗方片づけたが、まだ肝心の『賊を率いる魔物』の姿が見えない。不在なのか、それとも今も虎視眈々を機会を狙い続けているのか。油断は禁物だ。
「では、先の手筈通りにの」
十右衛門の号令の下、四人はナミルとアルテミス、ケイスと十右衛門の二手に分かれる。ナミル・アルテミスの女性チームは敵を燻り出すためにそのまま前進し、ケイス・十右衛門の男性チームは彼女達と意思疎通の取れる程度に後ろに位置する。同時に十右衛門のユーベルコード【神隠し】によって男性陣は姿を透明にし、伏兵として影を潜めた。
「かかってこいデスにゃー!」
「人々の憩いの場である温泉を占拠する卑劣な山賊達! 正義の騎士、アルテミスが退治します!」
斧をブンブン振り回しながら挑発するナミル。無事今日のノルマを達成したアルテミス。だが、もはや残り少ない盗賊が挑発に乗るとは考え辛い。ケイスはこれを撹乱に利用し、静かに敵の場所を絞り込む。どうやら敵はほぼ一カ所に隠れているようだ。奴ら、逃げる気か? それとも何か秘策が?
「ゲヘヘッ」
目の前に賊が一体現れる。ナミル、そして背後にいるケイスと十右衛門は感じ取った。明らかに罠だ、と。
「出ましたわね! 正義の騎士、山賊如きに遅れは取りません!」
【騎士の責務】の力を受け、たった一人独断で賊めがけて斬り込むアルテミス。彼女も当然罠だと気付いているだろうという思い込み故に、三人は彼女を止める機会を完全に逸したのだ。
「【騎士の大剣】、その身で味わいなさ――きゃあっ」
油断・慢心・ダメ絶対。見事なまでのお約束通りに濡れた岩に足を滑らせ、すっころぶアルテミス。賊ですら一瞬唖然とするも、これは好機と賊は彼女の髪を鷲掴みにし、喉元に刃物を突き付ける。
「ギヒヒッ」
賊は通じる言葉を語らぬが、彼が認識しているナミルへの要求は恐らくこうだろう。『彼女の命が惜しくばここを退け』と。
「くっ、殺しなさ――」
「ギヒャッ」
アルテミスがお約束の台詞を最後まで言う前に、額に【忍者手裏剣】が突き刺さる。血を散水機のように撒き散らしながら仰向けに闇へと消えていく賊。人質から離されたアルテミスはきょとんとする。
「全く世話が焼けるのう」
絶好の好機に飛びつき、伏兵の存在を忘れていたのはむしろ賊の方だったのだ。そのような相手を前に、十右衛門の暗殺術が外れる通りなどありはしない。
「ほ、本当に殺されちゃったらどうするんですか!?」
「さてのう? ほら、まだまだおるぞい」
本来であれば、無謀な突撃を試みたアルテミスを一斉に切り刻もうとした伏兵が続々と現れる。そして今度こそ、無数の【山賊斬り】が彼女の命を断つ――はずだった。
「金ぴかデスにゃー!」
目の前に立ちはだかったのは【輝く黄金】に姿を変えたナミル。賊の鈍く粗悪な刃ではその体に傷一つ付けることは叶わず、逆にそれらをへし折り破壊する。今まで何年も温泉郷を支配してきたのに。地の利では圧倒的に有利に立ったのに。人質を取る絶好の機会に恵まれたのに。勝てない。『何故』? そう感じた時、体に紫色の何かが絡みつく。
「ギギギグィ
……!!」
「……他人の郷を強引に奪った罪は重いぞ」
卑劣な賊に対し、怒りを燃やすケイス。【謎を喰らう触手の群れ】の先端が開き【疑問】の源である頭から賊を容赦なく、そして次々に呑み込んでいく。
「にゃにゃにゃにゃにゃー! 力こそパワーですにゃー!!」
「逃がさないぞ」
恐るべき【呪詛】が籠ったナミルの斧が、武器を失った賊を次々に打ち倒していく。彼女を背後から攻撃しようと、あるいは尻尾を巻いて逃げ出そうとする者を、ケイスは【忍者手裏剣】で確実に【暗殺】していく。もはや勝負は決した。
賊を掃滅し、戦いは終わったかに見えた。しかしブリーフィングにあった『賊を率いた強力な魔物』の姿は見当たらない。一体どこに? そこに幼い少女の声が響く。
「やっぱ使えないわね、『人間』は」
成功
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第2章 ボス戦
『ハーピー』
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POW : エキドナブラッド
【伝説に語られる『魔獣の母』の血】に覚醒して【怒りと食欲をあらわにした怪物の形相】に変身し、戦闘能力が爆発的に増大する。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
SPD : ハーピーシャウト
【金切り声と羽ばたきに乗せて衝撃波】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ : ハーピーズソング
【ハーピーの歌声】を聞いて共感した対象全ての戦闘力を増強する。
👑17
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「魔の物となっても、骸の海から蘇っても、所詮元が『人間』じゃ無理ってことね」
煙の中から、澄んだ少女の声が聞こえる。それと共に空からぼとり、ぼとりと落下する幾人もの賊の骸。それは先の戦いで殺さずに気絶、失神させたはずの者であった。使えないと判断すれば味方ですら容赦なく殺す残忍さの持ち主。美しくも、しかし底知れぬ威圧感を持つ存在。未だ姿こそ見せぬが、この声の主こそが賊の長である魔物の正体であろう。
「でもあなた達……『人間』の割には使えそう。ねえ、あたしの手下にならない?」
先ほどとは別の方向から少女の声が響く。無論、否と答える猟兵達。『彼女』や賊がオブリビオンであることを差し引いても、平然と部下を使い潰し、その死すら貶める上司など真っ平御免だ。
「あ、そう……前言撤回。やっぱ『人間』じゃダメだわ。腕っぷしがあっても、身の程を知らないんじゃあ使い物にならない」
さらに別の声から、やっぱりと言った感じの声が聞こえる。『彼女』も断られることは想定内だったらしい。足場の悪い場所で全方位から言葉を交わせる程の高い機動性、そして一度たりとも姿形を見せぬ狡猾さ。高慢にして残忍冷酷な性格、それはつまり自身の力に絶対の自信を持つことの証明でもある。
「この場所すべてが、あたしの狩場。姿なき死の恐怖を教えてあげる」
そして少女の声が真上から響く。天から降り注ぐ殺気と邪気を前に、猟兵達は一斉に武器を構える!
彩波・いちご
「その声、言っている内容には全く共感できませんが、可愛らしい声で人を操ってたのはわかります」
声の方向に向かってビシッと指さし
「つまりここからは温泉アイドル対決ということですねっ!」
「ですが、温泉もファンも大事にしない貴女に、この場の主たる資格はありません」
言いながらフォックスファイアでステージ(私のいる辺り)をライトアップし、歌います
「アイドルの歌は、皆を癒すものですから」
【シンフォニックキュア】……今回はアップテンポのJ-POP、戦う仲間に癒しと元気を送ります!
…あとついでに、知り合いのアルテミスさん(f02293)を見かけたので、また恥ずかしい目に遭ってたらフォローしますね
「大丈夫です?」
「現れましたね、山賊達を操っていた黒幕! 先ほどは不覚を取りましたが、次は油断しません!」
「ええ、見てたわよ。すっごい無様だったわね。あのまま死ねばよかったのに」
「うっ」
魔物の歯に布着せぬ言動に、アルテミスは言葉を詰まらせる。人間を蔑むばかりでなく、その精神性すら人間とは完全に異質のものだと声高に語っている。そして霧の中に魔物の姿が現れる。その上半身は澄んだ声と同じ人間のものであったが、巨大な鳥の翼と鉤爪を持つ、異形の魔物であった。
「アハハッ! 憎い? ムカつく? なら殺してみなさいよ! さっきの役立たずみたいにっ!」
今まで全く姿を晒さなかった怪物【ハーピー】がついに猟兵の前に姿を現す。
「アルテミスさん、これは罠――」
「正義の騎士アルテミス、あなたを倒します!」
後ろでいちごが止めるよりも早く、【超加速攻撃】で音速の域まで加速し突っ込む。ハーピーは蔑んだ笑いを浮かべ、先ほどの少女声からは想像も付かぬおぞましい叫びを放つ。
「きゃ、きゃああっ!」
ハーピーの放つ衝撃波、そして自身の無茶な機動に耐えられなかったアルテミスの鎧や服がビリビリバキバキと吹き飛びんでいく。
「あははっ、無様ね! そのまま死――ぐっ!」
【騎士の大剣】が魔物の翼に一撃を与える。そう、ハーピーの攻撃によって【服や鎧が脱げる事故】が起きたために【超加速攻撃】はさらに速度を増し、結果ハーピーは攻撃のタイミングを逸したのだ。
「アルテミスさん、大丈夫です?」
「ええ、な、何とか……」
斬撃の勢いそのままにハーピーにすれ違ったアルテミスは、大事な所こそ無事だが防具の大部分が破損し、また【ハーピーシャウト】を諸に受けたことで傷も負っている。自身もシャウトで傷を負ったいちごが、心配そうに声をかける。
「さっき『見てた』って言ってましたよね。……あなたのファンを、見てながら見殺しにしたってことですか?」
「その通りよ。あたしのファンがあなた達によって無惨に殺される所をね」
翼から赤い体液を流し、だがそれでも不敵な態度で毒を吐き続けるハーピー。さり気なく論点をすり替えてた彼女の言は、その狡猾さ、何より自分の行いを何ら省みてないことが伺える。
「例えかわいらしい声で人を操っても! 温泉もファンも大事にしない貴女に、温泉アイドルの資格はありません!」
「金も落とさぬ、ボディーガードも出来ぬ奴立たずのファンを囲い続ける程、あたしは寛容でも愚かでもないわ」
いちごがハーピーに怒りをぶつけるも、当の彼女は何のその。他者の話を聞くつもりのない相手に、いちごの真摯な言葉も通じない。
「アイドルの歌は、皆を癒すものです! それを忘れたあなたの歌に、私は負けません!」
【フォックスファイア】で己の周りを幻想的にライトアップし、そして歌うはアップテンポのJ-POP【シンフォニックキュア】。
「歌も声も、他者を操るための道具に過ぎない! それを勘違いしたあなたこそ、勝てる道理はないわ!」
いちごのナンバーが癒しの効果を持つことを察知し、ハーピーも【ハーピーズソング】でそれを打ち消さんと試みる。アルテミスは二つの声が煙る地の中、いちごの声のみを聞き分けようと耳を研ぎ澄ます。
アルテミスが負った傷口が徐々に塞がれていく。いちごの想いは、間違いなく他の誰に伝わり【共感】されたのだ。
「ちっ……人間の分際で……!」
毒を吐きながら忌々しげに猟兵達を見つめるハーピー。まずは彼女を地に叩き落し、同じ舞台に降ろすことに成功した。
成功
🔵🔵🔴
アルテミス・カリスト
「現れましたね、山賊たちを操っていた黒幕!
温泉リラックスタイムのためにも、この正義の騎士アルテミスが倒してあげます!」
さっきは私と相性の悪い(?)山賊が相手で油断しましたが、
強力な魔物相手なら私も本領発揮できるというものです!
我が剣術の奥義、お見せしましょうっ!
「いきます、スーパーソニック・ブレイク!」
【超加速攻撃】で限界まで加速して、神速の一撃をハーピーに叩き込みます。
いくら素早いハーピーでも、この剣速は避けられないでしょう!
ですが、無茶な機動を行った代償に、
激しい動きに付いてこられなかった鎧や服がアーマーブレイクしてしまうのでした。
「きゃ、きゃああっ!」
ヴァリアクルス・プロディクト
盗賊たちにも罪を償うチャンスがあったはずなのに、それを……ぼ、ぼくは怒っていますよ。
このユーベルコードは、ふだんは使わないけど……キミには裁きが必要だから。
ぼくが指さすのを契機に、天上から白い光が降り注ぐ。これはハーピーの罪に対する罰。罪が重いほど、光も強くなるんだ。
……と言っても、攻撃はそれぐらいで、あとは傷ついた仲間を回復したり、助けたりするぐらい。
恐ろしい声と姿には泣きそうになるけど、ぐっとこらえる。みんなも一緒に戦ってくれるから、きっと、大丈夫……だよね。
ヴァリアクルスは、ハーピーが投げ捨て、今まさに黒い闇と化し消え去っていく賊達の骸の前で呆然とし、そして怒りに心を震わせた。
「盗賊たちにも罪を償うチャンスがあったはずなのに、それを……」
「まさかあんた、あの役立たずが自分と同じ『人間』だとでも思ってる? ……バッカじゃないの?」
ハーピーは語る。山野や荒野に出て人から奪う生き様を選び、人の尊厳を失った賊は、姿は人でもそれはもはや人ならざる怪物に過ぎないと。ましてや今ヴァリアクルス達が戦っているそれは、その『怪物』を更に模したオブリビオンだ。任務を伝えたメンテですら対話不能、容赦不要、確実に殲滅しろと言っていたことを思い出す。
「ま、あたしからすれば、あなたもアレも、人間を基にしているという時点で劣った存在に過ぎないんだけどね」
だがヴァリアクルスにはどうしても割り切ることなど出来ない。出来れば相手を殺さず、罪を悔い改めてもらいたいという己の想いと信念。オブリビオンは世界の的であるが故に何としても倒さねばならないという猟兵の使命。相反する二つの事柄に対し、ヴァリアクルスはまだどう折り合いを付ければいいのかは分からない。
確かに恐ろしい。でも。
今も泣きたくなるほど怖い。それでも。
かつての部下をただ『役に立たぬから』と意味も必要もなく殺め、その生と死すらも気軽に冒涜するようなあの翼の獣だけは。絶対に許さない。
「このユーベルコードは、普段は使わないけど……キミには裁きが必要だから!」
禁を解き、指指し放つは天の光【ジャッジメント・クルセイド】。先の不協和音の歌声で己を強化したハーピーはそれを止めようと飛来する。
「ガァァァァッ……小癪なぁ!!」
白き裁きの光がハーピーを罰し、ヴァリアクルス自身も今までに見たことのない程に強力な光で、空駆けるハーピーを地面に叩き伏せ、傷ついた翼をさらに焼き放つ。罪に塗れ、悔い改めようともしない彼女に、その効果は覿面だった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
ケイス・アマクサ
「全く、そのやりよう……趣味が悪いったらありゃしねぇな」
部下にならないか?もちろんNoだ。
こんなことやらかす奴の下に、誰がつくかってんだ。
【行動】
引き続きナミル・タグイール(f00003)と行動。勿論他と連携も狙っていくぜ。
空中等の遠距離に居るなら、物陰等を身を守る盾を利用しつつ、【2回攻撃】やら【クイックドロウ】やらでとにかく銃撃。
壁役と拘束狙いのナミルの援護と、あわよくば撃破を狙っていく。
翼にあたって機動力が削がれたり、とかあったら良いんだけどなぁ。
もし相手が拘束状態になったならば、【降魔化身法】を使ってタコ殴りだ!
この温泉郷は、返してもらうぜ!
早く湯に浸かってさっぱりしてぇしな!
ナミル・タグイール
ケイス・アマクサ(f01273)と同行
他絡みアドリブ歓迎
なんにも見えないにゃ!出てこいデスにゃー!
姿は見えないし飛んでるし…全然殴れないにゃ…。誰か捕まえてデスにゃあ!
攻撃が届かないからみんなの壁になるように周囲警戒しますにゃ。前衛ですにゃ。
誰かがハーピーに隙を作ってくれたら【黄金の鎖】を当てて拘束を狙うにゃ。
【呪詛】も込めて動きを鈍くしたりしたいにゃ。
もう逃げちゃだめデスにゃ!こっちに来るにゃ!
力には自信があるけどどうなるかにゃ。ぼこぼこタイムを作れるといいにゃー!
「……チッ、遊びが過ぎたわね」
傷ついたハーピーは再び湯煙の中に姿を隠す。予想以上に苦戦したことへの強がりか、あるいは彼女にとってまだ本当に『遊び』に過ぎないのか。
「部下にならないか、だって? もう一度言っとく。NOだ。趣味の悪さに汚い言葉、誰があんたに付くかってんだ」
部下も骸の海で後悔してるだろうよ、と独り言ちる。ケイスもまた、ハーピーのあまりの非道に怒りを覚えた一人である。普段は明るく勤めている彼が、苦虫を噛み潰したような表情となる。
「なんにも見えないにゃ! さっきみたいに出てこいデスにゃ! 卑怯デスにゃー!」
ナミルが両手に【ナーマ・ツェクリ】を持ち、打ち付ける相手もいないまま手持無沙汰にブンブン振り回す。もはやハーピーも迂闊に軽口を返しはしない。どうやら本気で殺しに掛かるつもりだ。
先ほどの喧騒が嘘みたいに静かになる。ケイスとナミルが生唾を呑み込み、武器を構えて辺りを見渡す。
「埒が明かねえ。燻り出すぞ」
ケイスが【UDC標準装備型記憶処理兼用拳銃】を構え、煙の中に向けて撃ち出す。的確にフルオートの反動を抑えた【2回攻撃】で次々に撃ち出し、マガジンを撃ち切ったら即座に【クイックドロウ】で装填。下手な鉄砲数撃ちゃ当たる、しかも一発一発が記憶処理機能付き。一発で無力化とは行かないだろうが、当たれば【催眠術】で何らかの悪影響は期待出来るだろう。
ケイスは射撃の最中、煙の中に一瞬舌打ちを聞いた。場所を捉えた。さらに進路を塞ぐように銃を連射する。羽ばたき音が徐々に大きくなる。じきに来る。ナミルもこくりと頷く。
ハーピーがついに痺れを切らし、言葉なく襲い掛かる。だが先程とは姿に違う。【エキドナブラッド】によって魔獣の血を覚醒させ、恐ろしい怪物へと姿を変えていたのだ。今までその姿で出て来なかったということは、何らかの代償があるのだろう。それだけあって、流石に動きが速い。だが出てきた場所はケイスの銃撃地点近く。予想の範疇だ。
「今度は逃がさないにゃー!」
飛び出したハーピーめがけて、ナミルが【黄金の鎖】を投げる。鍵頭を鎖で繋いだ鍵が、真っ直ぐにハーピーに突き刺さり、炸裂する。
「アグァッ!」
魔獣化したハーピーは一旦空に上がり、体に刺さった不愉快な鎖を抜こうとするも、先端の鍵が体に深々と突き刺さって抜けない。さらに鎖の先から【呪詛】が染み込み、ハーピーの体を蝕んでいく。一瞬鎖毎飛び上がったナミルは、重心を振り回してハーピーのバランスを崩し、地面に引きずり降ろす。同時にナミルは近くの廃屋に鎖をグルグルと巻き付ける。もはや逃げるどころか距離を取ることすら叶わない。
「アアアアアッ!! テメェフザケルナァァァァ!!」
重力の鎖から解き放たれた、上位存在。古の高位種の血を引く偉大な存在。その自分が、愛玩動物みたく鎖に繋がれるだと? そのあまりの屈辱に怒り狂い、全てを破壊せんと狂気の咆哮を衝撃波として放つ。
「それはこっちの台詞だ。温泉郷を返してもらうぜ!」
【降魔化身法】によって三妖鬼を宿したケイスが、動きを封じられたハーピーを一方的に殴りつけ、絶大なダメージを与える。完全に頭に血が上ったハーピーの反撃は、彼女が蔑み卑しんだ賊よりもさらに単調なものであった。そしてそのような攻撃が、今のケイスに傷を負わせることなど出来るはずもないのだ。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
仁上・獅郎
「可愛らしいお顔と声なのに勿体ない。……失礼、集中しましょう」
ハーピーさんの残忍さに嘆きつつ。
やる事は単純、衝撃波に注意し、物陰に隠れてか範囲から外れて回避、
あるいは耐えながら【生まれながらの光】で仲間の方を高速治療します。
「負傷した方は返事を、回復いたします!」
無差別攻撃が来るならば、複数名纏めて治療するまでの事。
その分疲労はしますが、倒れる前に猟兵が勝利すれば良いので気楽なものです。
……しかし、歌声でハーピーさん同士が強くなっているような。
試しに僕も共感してみましょう。後学の為、後学の為。
鎖によって大地に繋がれたハーピーは魔獣の表情で叫び続ける。
「可愛らしいお顔と声だったのに勿体ない。……失礼、集中しましょう」
ハーピーの外面の美しさに似合わぬ、内面と本性の醜さに仁上・獅郎(片眼鏡のお医者さん・f03866)は思わず嘆く。だがその同情、あるいは憐憫の感情がハーピーにますます怒りを募らせていく。もはや何を叫んでいるのか、その内容が怒りであること以外、猟兵達には理解出来ぬ。
「負傷した方は返事して下さい、治療します!」
獅郎の【聖痕(スティグマ)】から【生まれながらの光】が輝き、仲間達の傷口を癒していく。彼自身はその力を発動し続けることによって疲労するも、倒れる前に勝利すればよいと開き直る。
ハーピーはそれを阻止せんと、鎖を引き千切るためにもはや歌とも言葉とも言えぬ恐るべき憎悪の呼び声を響かせるが、【ハーピーソング】の形を成さぬそれが力を発揮する事はなく、むざむざ猟兵達がグリモアベースから転移した直後の万全状態になるのを、座して見守ることしか出来なかった。
「ええ、分かります。僕達が憎いんですね。ですが――あまりにも身勝手です」
もはや獅郎にとってハーピーは倒すべき相手であり、そして哀れな怪物でしかなかった。背を向け、射程外に逃れる獅郎の後ろ姿を眺めるハーピーの心は、もはや壊れかけていた。
大成功
🔵🔵🔵
アリス・セカンドカラー
きゃわいいおにゃのこが好きです☆モンスター娘いいわよね♪
トランス(催眠術、祈り、医術、第六感、野生の勘)。自己暗示で深い集中状態に潜って感度びんびん☆研ぎ澄まされた神経は祈りにもにて神懸かり♪
レビテーション(念動力、怪力、空中戦、ダッシュ)で空中戦を挑むわ。
トランスのびんびんになった感度で動きを予測して近接、光さえ逃がさない重力球(念動力、怪力、属性攻撃、目潰し)の中に捕らえてちゅっちゅぺろぺろよ♪
私の妄想力の前なら見えなくても想像で補完可能☆
深ーいキスで生命力吸収♪
超能力ブレインジャック(ハッキング、医術、催眠術)で脳に干渉して快楽物質と脳内麻薬を大量分泌させて快楽漬けに☆
レッツ触手プレイ♪
九重・十右衛門
下手に動けばやられるのう
そう考え観の目を発動すると仲間の死角をカバーし、いつでも手裏剣を投げられるようにしながら相手が攻撃を仕掛けてくるのを待つ。
筒石・トオル
地に落ちた今がチャンスだ。
起き上がり反撃に移る隙を与えないよう『クイックドロウ』を撃ち込む。
狙えるならば羽根を。
「今まで散らしてきた人間の命と同じように、お前も散るがいい」
容赦なく熱線銃のトリガーを引く。
覚醒した瞳は金色。切り替わった人格はクールに。
…但し、防具破損した女性の方は見ないように。一応子供だけど男だからね。その辺の反応は年相応の少年のまま。
夜神・静流
暗殺・投擲技能を使用し装備の鉄礫を敵の顔に向かって投擲し、御自慢の顔を傷つけて挑発し、注意を引きます。
「醜い性根に似合った顔になったではありませんか。とても良くお似合いですよ」
敵の攻撃は見切り・残像・武器受け・オーラ防御で防ぎ、必殺の一撃を叩き込む機を待ちます。
見切り・第六感で隙を見つけ、ダッシュ・早業・カウンター・怪力・属性攻撃・破魔あたりの技能を乗せて二ノ太刀・紅で攻撃。
一撃で断ち斬り、焼き払いましょう。
「我が剣は焔。破邪の炎よ、焼き払え!二ノ太刀・紅!」
「外道にかける情けはありません。ここで死んでいただきます」
身体的ダメージもさることながら、『人間』相手に徹底的に自尊心を傷つけられ、もはや発狂同然の状態となったハーピー。金切り声の衝撃波をあげながら、猟兵はおろか、周りの家屋や岩場、そして世界すらも破壊せん勢いで全てをなぎ倒していく。
多重人格者のトオルは、金切り声によって体を傷つかせながら、己の中のもう一人の自分を【覚醒】させ、その黒い瞳を黄金に輝かせる。
「それがあんたの怒りか。ならばこれが、今まであんたが散らしてきた『人間』の怒りだ。散るがいい」
衝撃波による攻撃を受けつつも、トオルは狙いを絞っていく。そして体の一部ごと力尽くで鎖を引き抜き、上空に飛び上がり頭上からトオルを引き裂こうとハーピー。
二度と空には逃がすまい。空中から襲い掛かる怪物に対し、正確な狙いの【クイックドロウ】で何度も翼を撃ち抜いていく。見事攻撃は成功し、鉤爪の一撃がトオルを引き裂く前に墜落し、岩場の中をゴロゴロと転がっていく。
「おーおー、若い娘の癇癪は怖い怖い。これは迂闊に動けばやられるのう」
転がった先に立つのは十右衛門だ。ハーピーはすかさず衝撃波による全方位攻撃を繰り出すも、十右衛門は動かない。【観の目】による【生体信号解析プログラム】が、動かずとも攻撃は当たらぬと判断したからだ。攻撃を回避されたハーピーは怒りのままに鉤爪で十右衛門を握りつぶそうとするも、その動きを完全に見切った彼は、僅かな回避から【怪力】を込めた【大連珠】ですかさず殴りつけ、その爪を正面から殴り砕く。さらに吹き飛ばされるハーピー。
吹き飛ばされ、家屋を破壊しながら倒れ込むハーピー。そこに【鉄礫】が飛び、小さな鉄球が顔面に食い込み、貌を引き裂く。
「醜い性根、悪鬼外道に似合った顔になったではありませんか。いや、傷つけるまでもなかったですか」
怒りと過剰な力の覚醒によって、もはや獣相と化したハーピーを皮肉を込め挑発する静流。自分が何を言われたのか、いや自分が何をしているのかも分からず、その要因の一つである、極限まで高められた身体能力で力押ししようとするハーピー。
「ですが、ここで死んでもらいます――我が剣は焔、【二ノ太刀・紅】!」
鉤爪が静流を切り裂こうとする直前、【早業】の抜刀術がついにその体を捉え、聖なる炎がハーピーを焼き尽くす。焼き転がりながら温泉に転落していく。
「アアアアアあああああっ……ハァ、ハァ……」
赤い血に染まった温泉から浮かび上がってきたのは、もはや聞くことが出来ぬはずの高い声、見ることも出来ぬはずの愛らしい姿。寿命を使い果たしたことでエキドナの血が力が失ったことで、ハーピーはかつての姿と正気を取り戻す。だがもはや体中は焼き焦げ、致命傷を受け、あとは死ぬのを座して待つのみ。そしてよりにもよってここで正気を取り戻してしまったことが、彼女にとって最悪の事態となって襲い掛かる。
「きゃわいいおにゃのこ、モンスター娘――いいわよね」
「ひっ……」
自己暗示によって半ば恍惚状態、そしてある意味エキドナ化したハーピーよりもヤバい顔で空中から迫るのは、アリスだ。満身創痍の濡れた体で必死に逃げようとするも、【念動力】を込めた【月夜に誘う者】の無数の触手がその両手両足そして翼すらも縛り付ける。死よりもなお恐ろしいとばかりに引き攣ったハーピーは、だが【催眠術】を諸に受けたことで、少しずつ満更でもないといった表情へと変えていく。
アリスはそのままハーピーを押し倒し、舌を出しながら唾液を垂れ流す。そして彼女の生命力を完全に吸収し、同時に快楽物質を注ぎ込まんとそれをハーピーの口に――すべては湯煙の中に消えていった。
「何と破廉恥な」
呆れたようにその光景から背を向け、太刀を戻す静流。何はともあれ勝敗は決した。もはや温泉郷を支配し、人々を脅かす賊は存在しない。
「お前さん達、これ以上見てはならぬぞ。目の毒じゃ」
「あ、ああ……」
クールな第二人格でも、その辺りの反応は年相応のまま、十右衛門が言うまでもなく目を逸らすトオル。もはやハーピーは倒されたのだ。これ以上何かを語る必要もあるまい。
こうして何やかんやでオブリビオンの賊は全て倒され、温泉郷は人々の手に取り戻されたのであった。
成功
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第3章 日常
『温泉でリフレッシュ!』
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POW : 熱い温泉で耐久チャレンジ!
SPD : 打たせ湯でコリをほぐそう!
WIZ : 魔法の電気が流れてる温泉で血行を促進!
👑11
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温泉郷を占拠したオブリビオンの賊は一人残らず倒され、無事任務を達成した猟兵達。後はこの事を報告すれば、かつて故郷を奪われた人々も喜んで復興のために戻るだろう。
「ですが! 折角ですから、帰る前に一風呂入ってきませんか?」
そこに現れたのは、今回の任務を伝えたグリモア猟兵メンテ。
「残念ながら温泉郷としての施設は残ってないみたいなので、今回はお風呂しか楽しめませんが、露天風呂でしたら幾つもあります。熱々の温泉、打たせ湯、そしてアックス&ウィザーズ名物、天然のエンチャントがもたらす魔法の電気風呂! エンチャント風呂とか響きからして凄いと思いませんか?」
そして元が温泉郷ということもあり、探してみれば他にもなんかすごいお風呂があるかも知れないと付け加える。またメンテは依頼に先駆け、UDCアースで一通りの温泉グッズを買って用意してきたとの事なので、手ぶらの猟兵達もあんまり無茶な要望でなければ温泉グッズを借りることで温泉タイムを満喫出来るという。
「特に何もなければ私は温泉郷の現状を確認していますが、もし私とお風呂に入りたいという方がいれば、お付き合いしますよ。お気軽にお声をかけて下さいね」
戦いで疲れ、傷ついた猟兵達の、短いながらも充実した休暇が始まる!
ナミル・タグイール
ケイス・アマクサ(f01273)と同行
アドリブ歓迎
お待ちかねの温泉たいむにゃ!
頑張った分いっぱい楽しむマスにゃ!
・服は脱ぐけど金の装飾はそのまま
体と装飾を洗ったら、ケイスといろんな温泉を見て回るにゃ。いっぱいあるにゃ!
魔法の電気風呂ってなんだか楽しそうにゃ!どうせなら一番強そうなのに入るにゃ!
ケイスも一緒に入るデスにゃ!逃げるようならハグする形で捕まえてそのままドボンと連行デスにゃあ。
「一緒にビリビリするデスにゃー!」
びりびりお風呂って初めてだけど気持ちいいにゃ!ケイスも気持ちいいにゃ?
疲れもその他も色々とふっとばしてもらうマスにゃ!
「気持ちよかったにゃ!また一緒に温泉入りに来たいデスにゃ!」
ケイス・アマクサ
「ひゃっほーーーい! 風呂だ風呂だ! 温泉郷のここに至るまでの境遇を考えると……ってところもあるが、まぁゆっくり楽しもう!」
【行動】
・ナミル・タグイール(f00003)と同行
まずは道具をタオル!石鹸!シャンプー!リンス!ってぇ感じで借りて。
腰巻タオル!
んで全身もふもふ狼毛並を労わってやんねぇとなぁ。
まずはかけ湯だな。そして体も毛皮もしっかり洗って……それからゆっくり入浴だ。
ナミルはちゃんとできるかなぁ?何かできそうにない気がするっつーか、何か変な事企んでねぇと良いけどな?
「色々あったけどよ……変な連中も居なくなったことだし、ここもまた元のように、いや、それ以上の癒しの場になって欲しいもんだな」
「温泉郷のここに至るまでの境遇を考えるとな。これで終わりじゃない、ようやくスタートライン……か」
賊は倒したが、長年の占拠、そして彼らの杜撰な管理で付随施設はほぼ残っていないという。故郷を取り戻した人々にとって、大変なのはこれからだろう。ケイスは腰巻のようにタオルを巻き、借りてきた洗面具で湯を掛け、体を洗いながら考える。
「お待ちかねの温泉たいむにゃ! 頑張った分いっぱい楽しむマスにゃ!」
ケイスの心配をよそに、又貸しされた洗面具で器用に体と装飾を丹念に洗うナミル。服は脱げども、トレードマークの金の装飾はそのまま身に付けていたいらしい。その笑顔を前に、ケイスもつい顔が緩む。そう、俺達が温泉を思う存分楽しむ事こそ、彼らに対する一番の応援になるだろう。
「ひゃっほーーーい! 風呂だ風呂だ!」
「にゃっほーーーい! 風呂にゃ風呂にゃ!」
「あっ、真似したなぁ?」
「そっちこそ真似っこはダメデスにゃ!」
ケイスとナミル、二人のキマイラの体毛が労わられ、艶やかさと毛並みを取り戻していく。疲れが溶けるように消えていき、明日への活力が湧いてくる。その後もナミルの先導で、温泉郷に点在する様々な温泉を楽しんでいく二人。
「色々あったけど、ここもまた元通り以上の癒しの場になって欲しいものだな……む?」
次の風呂はどこにしよう、そう考えていたケイスは不穏な気配を感じて、警戒する。彼の背後には、パチパチと音を立てて泡立つ風呂。これがさっき言ってた魔法の電気風呂、しかも温泉郷最強っぽい奴。さっきまでいたナミルの姿もない――まさか!
「一緒にビリビリするデスにゃー!」
湯煙の中から飛び出し、ケイスに飛び込みハグしようとするナミル。ケイスは回避しようとするが、一瞬遅かった。抱きつかれたまま後ずさりし、二人纏めてそのまま電気風呂にドボン。
「あにゃにゃにゃにゃ……気持ちいいにゃー! ケイスは気持ちいいにゃ?」
「こ、これヤバくね
……!?」
強烈な電気すらも楽しむナミル。その横で突然の電撃に頭が真っ白になり、何の反応も出来ないケイス。名物と呼ぶだけの破壊力は年月を経ても未だ健在である。
「また一緒に温泉入りに来たいデスにゃ! 勿論電気風呂もにゃ!」
「あばばばばば」
温泉だけでも二人の猟兵のリピーターを獲得し得る素晴らしい温泉郷。その復興はそう遠くはないだろう。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
アルテミス・カリスト
【いちごさんと絡みます】
「ハーピーは強敵でした……
ですが、正義の騎士は必ず勝つのです!」
山賊たちにやられそうになったことは棚に上げて、
勝利宣言をおこないます。
さあ、あとはゆっくりと温泉を楽しみましょう。
バスタオルで身体を隠して、
混浴の露天風呂で疲れを癒やします。
「あ、いちごさん。
先程は助けていただきどうもありがとうございました。
おかげさまで、このように傷も綺麗に治りましたよ」
いちごさんのことを女性だと思っているため、
無防備に近づき……
「あっ、きゃあっ」
【不幸な事故】により足を滑らせて
いちごさんの前でバスタオルがはだけてしまうのでした。
彩波・いちご
「なんとか温泉を取り戻せましたね。この世界の温泉、楽しみです♪」
※基本的に男なのは隠してるので、バスタオルを胸まで巻くか、水着ならスカートつきワンピースです
湯船でのんびりしようと歩いてたら、戦闘時に一緒だったアルテミスさん(f02293)に声をかけられます
「いえいえ、ご無事で何よりでした。私の歌でお役にたてて幸いです」
笑顔で労いの言葉を返します
それで終わればよかったのですが…足を滑らせた彼女がはだけてしまい、それを見てしまい
「あわわ、大丈夫ですかー?!」
支えようと手を伸ばしたら、なるべく見ないようにと視線そらしてたのが仇になって、むにゅと手の中に柔らかい感触が…
「すみませんー?!」
「ハーピー……恐るべき強敵でした。ですが、正義の騎士は必ず勝つのです」
アルテミスはバスタオルを巻いた姿で、高らかに勝利宣言を行う。まあハーピーは結果的に初撃叩き込んだからいいとして、その前にあなた、賊に人質にされてませんでした?
「はい、無事温泉を取り戻せましたね。この世界の温泉、楽しみです♪」
彼女と途中で合流し混浴風呂に向かいながら談笑するいちご。だがその実、アルテミスの肢体に胸板をドキドキさせている。何故なら『彼』は男だからだ。それを隠すため、バスタオルは腰まで巻き、また腰下の部分にも大きく余裕を持たせている。
「いちごさん、先ほどは助けて頂きどうもありがとうございます。歌、綺麗でしたよ」
「いえいえ、アルテミスさんもご無事で何よりでした。あの戦いの中でも私の歌が届いて……そして聞いて頂けて嬉しかったです。こちらこそありがとうございました」
いちごのドキドキは強さを増していく。アルテミスさん、とっても綺麗な方です。美しい髪、白く柔らかい肌、澄んだ青い瞳。まさに騎士様、そんな人に感謝して頂けるなんて。いちごはついキュンとなってしまう。
「おかげさまで、傷も、髪だって、ほら、こんなに綺麗に――」
体の負傷がしっかり治ったことを見せるため、相手がまさか男とは知らぬいちごに近づくアルテミス。しかしそこにもはやユーベルコードの域に達した【不幸な事故】が発動してしまう。
「あ、きゃあっ」
滑る岩場に足を取られ、バランスを崩すアルテミス。支えを失ったバスタオルが開け、その肢体が露になる。
「あわわ、大丈夫ですかー!?」
一瞬見てはいけないものを見てしまったいちごは、視線を逸らしつつ彼女が転ばないよう支える。そして視線を逸らしていたことが災いし、その腕は吸い寄せられるようにアルテミスの胸に。いちごの手に、むにゅっと柔らかい手の感覚が。
「きゃ、きゃああっ!」
「す、すみませんー!?」
触られた感触、触った感触に二人は突然の事態に驚きを隠せぬまま叫び続ける。状況を何とかしようと体をくねらせるアルテミス。状況を何とかしようにも『掴みどころ』が悪いいちご。それらの相互作用によって、いちごはアルテミスの転倒を阻止することは叶わず、逆に押し倒されてしまう――温泉郷の霧の中、その後も悲鳴と謝罪が何度も続くのであった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
アリス・セカンドカラー
おっぱい様を揉めば大きくなるって、だから揉ませて、メンテさん!
ダメ?あなた達持つ者はいつだってそうだ!我々持たざる者の気持ちを平気で踏みにじっていく!ちょろっと揉ませてくれて誤利益にあやからせてくれてもいいじゃない!
大きくなるのは揉まれた方?
嘘だ!
だったらなぜ!なぜ!
奥の手を出すしかないようね。そう全裸土下座で性心性意頼みこむ!
どうかどうか誤利益を!
(勢いよこういうのは勢いがあれば案外押しきれる。合意の上ならセクハラにあらず、よ。
温泉で無防備にさらされるいろんな子の肢体、いやー眼福眼福☆
あ、タオルで隠すのは邪道よ邪道。
メンテさんに内心見抜かれて辛辣なこと言われても『我々の業界ではご褒美』よ♪)
「おっぱい様を揉めば大きくなるって。だから揉ませて、メンテさん!」
「え?」
アリスの突然、そして謎めいた要望に、思わずメンテは呆けた声を出してしまう。
「ダメ? ……あなた達『持てるもの』はいつだってそうだ! 我々『持たざる者』の気持ちを平気で踏み躙っていく! ちょろっと揉ませてくれて『誤』利益にあやからせてくれたっていいじゃない! 大きくなるのは揉まれた方? 嘘をつくな! どうしてもダメというなら奥の手を出すしかないようね! この通り、どうか、どうか、『誤』利益をー!!」
メンテの反応すら伺わず、猛烈な勢いでまくし立て、さらには『性』心『性』意の連続土下座までし出すアリス。勢いよこういうのは勢いがあれば案外押し切れる、合意の上ならセクハラに非ず! 全て計算尽くの一気呵成戦法。温泉郷をしばしの沈黙が包む。その結果は――
「分かりました。頭を上げて下さい」
やった! 土下座から顔を上げると、そこには上半身を開けたメンテの姿が。侮蔑や憐れみの顔を見ると思ったが、むしろその表情は決意に満ちていた。
「それがオブリビオンを倒す力になるのでしたら……この身、喜んで捧げましょう」
「へ?」
そしてその後に続く言葉は、アリスが想像していた辛辣な言よりもさらに意外なものだった。
「手段はともあれ、あなたの戦いぶりは大儀でした。そして大儀には報いねばなりません。それが……私の使命ですから」
まあそれはともかくとして、アリスは自身の無茶ぶりが無事聞き届けられたことに歓喜する。抵抗する素振り一つ見せぬメンテの姿に眼福、眼福と思いながら、両手の指をワシャワシャと蠢かせるのであった。
成功
🔵🔵🔴
スヴェトラーナ・リーフテル
あ^^~いいっすねぇ^^~~
【世界知識】で知っているんすよね…、ここの温泉が最高って事をさ!
肌が潤うぅぅぅぅぅ~~~、【ヴァリアブル・ウェポン】起動、花火。
あ^^~やっぱり時代は温泉に、花火!
トゥリース・リグル
タオルはマナー違反と聞いたのでそのままの姿で入ろうとしますが、周りが止めるならそれに従います。
とりあえず打たせ湯でコリをほぐしてみます。
温泉は経験がないので、見よう見まねで肩やら背中ならに打たせ湯を当ててみます。
この機会ですし同僚の方々と交流を深めたいと思います。
詳しい方に温泉の楽しみ方等を教わりましょう
「興味深い、ですね」
仁上・獅郎
アドリブ・他の方と絡みOK
この後も仕事が入っておりますが、一先ずは温泉を堪能しましょう。
電気風呂も、意識して痛覚を遮断すれば耐えられないほどではない筈です。
他の方も、楽しそうでいいですねえ……。
ああ、暖かくて眠気も。
……電気風呂で血行が良くなる理由は何だろう?
ネットに転がっている電荷云々の話は眉唾ですし……。
凝り固まった筋肉の収縮によるもの?
神経系の刺激によるものでしょうか。
あああいけない、リフレッシュしたいのに考え出したら止まらない……。
うーん、うーん……。
夜神・静流
●設定とか
貞淑で初心。
当然、男に肌を晒すのはNG。
なんか不埒な人が多いのは見なかった事にする。
別にちょっと興味はあるけど恥ずかしいとかでは断じてない(迫真)
●行動
魔法の電気風呂とやらに入ります。
当然ですが、殿方がいらっしゃるのでタオルを巻く等して体はできる限り隠します。物を隠す技能を使用。
「電気が流れる風呂とは、面妖な……これは調査が必要ですね」
内心ちょっとワクワクしながら電気風呂にIN。
「ひゃっ!?本当に電気が……ですが、これも修行の一環」
魔法で電気が付与されている温泉で瞑想する事で、修行中の技を完成させる事が出来るかもしれません。
――そして完成したのが三ノ太刀・鳴神である。
「あ~、いいっすねぇ~。知っているんすよね、ここの温泉が最高って事をさ!」
スヴェトラーナ・リーフテル(実装者・f03738)はグツグツと煮える熱湯風呂で体を骨の髄まで温めながら、彼女は己の目的のため世界を巡る中で獲得した【世界知識】を披露する。初めて知った時、それが賊の手に落ちていると聞いて残念に思ったが、これからは再び多くの人々に愛される温泉郷として蘇るだろう。
「興味深い、ですね。もっと聞きたいです」
トゥリース・リグル(刃を為すモノ・f00464)が打たせ湯に打たれながら、スヴェトラーナの話に興味深そうに耳を傾ける。タオルはマナー違反と聞き、そのままの姿で滝に打たれているが、幸いにも打たせ湯のエアロゾルがいい感じに渦巻いており、ここにいる限りでは必要はなさそうだ。
「そうそう、凝っている所にお湯を当てるのがコツ。そうすれば温められた体に、お湯の刺激が加わり、マッサージ効果でお肌も潤い疲れも取れるって訳!」
「ええ、スヴェトラーナさんのお話、とても参考になります。温泉がもっと楽しくなりそうです」
肩や背中と当てる場所を変えながら、一番気持ちのいいポイントを探していくトゥリース。水しぶきが顔にまで飛び、体や水面に当たった滝がバチバチ鳴る。だがそれもまた新鮮な体験であり、また同時に心地良くも感じる。
「この後も仕事が入っておりますが、一先ずは温泉を堪能しましょう」
獅郎は温泉郷名物、エンチャント電気風呂に浸かる。最初は若干痛い程であったが、慣れてくればむしろその刺激が心地よいと感じる。
「あ、そちらは電気風呂ですか。僕も後で試してみようかな」
「ええ、ここのは名物だけあって結構キツイですが、意識して痛覚を遮断すれば耐えられないほどではないはずです。血行も良くなりますし」
トゥリースはまた、電気風呂にも興味津々だ。様々な温泉の種類を経験すれば、ますます温泉を好きになれるだろう。その中で、獅郎が何気なく言った一言に引っかかりを覚える。
「所で、どうして電気で血の流れが良くなるんですかね?」
彼女の疑問に答えるべく、獅郎が己の知識からその理由を絞り出す。
「ネットに転がっている電荷云々の話は眉唾ですし。凝り固まった筋肉の収縮によるもの? 神経系の刺激によるもの? 何なのでしょう、うーん、うーん……」
「あっ、無理しなくていいですよ。考え込んでリフレッシュ出来なくなったら申し訳なくなっちゃいます」
つい真面目に考えすぎて知恵熱を発してしまう獅郎を、トゥリースは慌てて止めようとする。
「そうですよね、まあ気持ちいいものは気持ちいいですし。ああ、眠気が……と、これは静流さんも電気風呂に?」
「獅郎様も今回はお疲れさまでした」
トゥリースとは逆に、体にタオルをがっちがちに巻いて現れたのは静流。彼女にとって、男に肌を晒すなど言語同断。なんか不埒な人が多いが、見なかったことにする。恥ずかしいとかでは断じてない。そして獅郎の言う『電気風呂』に、先のメンテの説明を思い出し興味を抱く。
「電気が流れる魔法の風呂? これまた面妖な。調査が必要ですね」
「あんまり気負い過ぎるとかえって疲れてしまいますよ。リフレッシュリフレッシュ……ふあぁ」
暖かさで眠気を覚え始めた獅郎は、静流の事を気負ってると評したが、実を言うと静流は内心ワクワクしている。不埒と評した色気めいたことにも実はちょっとだけ興味があったりする。例え退魔の使命を帯びた剣士であっても、年頃の女性並の感性はあるのだ。
そして電気風呂に足先をちょこんと付けて――体にビリっと稲妻が走り、弾かれたように水面から足を離す。
「ひゃっ!? 本当に電気が
……!!」
再び恐る恐る、そして少しずつ足を入れていく。体の筋が震えるような感覚を覚える。
「あぁぁぁっ……ですが、これも修行の一環」
ええい、ままよ、と一気に足を突っ込む。痺れるというか、痛いとまで感じる。だがその時、静流は流れる電流によって閃きが走る。この力を己の剣技に取り込めば、修行中の技を完成させられるかもしれない。電気風呂の真ん中で、正座し瞑想する。電気に抗うのではなく、電気を受け入れ、受け流し、我が物とする。
――これが静流が魔を退けるために得た新たなる力、ユーベルコード【三ノ太刀・鳴神】の誕生秘話である。エンチャント風呂マジスゴイ。
こうして温泉郷は夜を迎え、猟兵達の短い休暇も終わりを迎えようとしていた。
「じゃあ、締めは温泉に、花火!」
スヴェトラーナがメンテから借りた打ち上げ花火に火を付けると、温泉郷が色とりどりの光に照らされる。次にもしここに来る事があれば、その時は花火の代わりに、人々の営みの光がこの地を照らしているだろう。
成功
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