バトル・オブ・オリンピア⑦〜決戦ウレタンスプリンター!
●これまでのいきさつ。
ウレタンポカポカ大海戦。
海上に特設されたゆらゆら揺れるフィールドの上で、頭にトマトをつけた選手同士がウレタンの剣を手にポカポカチャンバラして、水落ちしたりトマトを潰されるとアウト!
制限時間内に生き残った選手の人数がそのままチームの得点になるという、伝統あるその他スポーツである!
魔王ガチデビルが復活させたダークリーガーたちの首魁、『新生フィールド・オブ・ナイン』による古代バトリンピア時代のスポーツの祭典『バトル・オブ・オリンピア』が復興した今!
由緒あるウレタンポカポカ大海戦もまた! 日の目を見るのであった!
●
閑話休題。招集:けちらせウレタンバトル!
「始まったのじゃ、バトル・オブ・オリンピア! イェーイ!」
元気よくグリモアを持ち上げて士気を上げるべく踊るのは、勝負服兼用の水着を着用したグリモア猟兵の
李・
玉明(豪華絢爛西欧天女・f32791)であった。
ものすごい数の超人アスリートやダークリーガーたちがウレタンポカポカ大海戦を競い合っている様子をプロジェクターで中継しながら、案内をするべく猟兵たちに招集をかけていた。
「競技の合間に歌を披露するアイドルコンテストも賑やかで楽しいけれど、やはりウレタンポカポカ大海戦というからにはウレタンバトルも外せないのぅ!
という訳で妾の予知で形勢危ういステージを選んだので、加勢に向かって欲しいのじゃ!」
玉明が投影しているフィールドでは、ダークリーガーたちによってアスリートたちが次々に撃破されていく光景が映し出されている。
強風の中で素早い瞬発力を発揮して相手の頭上のトマトを潰し、目にもとまらぬ移動速度と加速力でウレタンの剣でアスリートを海に突き落し、アスリートたちの連携攻撃を優れた身体硬度で跳ね除けて返り討ちにしていく。
そう、彼らこそ短距離走を専門とするアスリートがダーク化した姿……。
『ダーク化スプリンター』である!
しかも、数が多いのである。参加者の半数くらいはスプリンターであった。
「ダーク化スプリンターたちは、限られたフィールドの上で互いに連携を取りつつものすごい数の暴力でアスリートたちを倒したり水落ちさせているのじゃ!
このまま見過ごせば、このフィールドは彼らの勝利になってしまう。
なので、みんなにはスプリンターたちを倒して勝って欲しいのじゃ!」
ダーク化スプリンターたちは瞬間的な加速力は誰にも負けないが、持久力の低さが弱点である。
その弱点や、揺れるフィールドをうまく活用すれば勝機は見えてくるだろう。
注意すべき点としては、妨害行為を行おうとした者を逆風で減速させるユーベルコード《スプリンター・ストロングウィンド》の存在だ。
正々堂々と勝負する人物は祝福する追い風で加速してくれるので、スポーツマンシップの精神に則り競技すると良いだろう。
ちなみに、ウレタンポカポカ大海戦ではウレタン以外の武器の使用は推奨されない。
ウレタンポカポカ大海戦は、頭にトマトをつけた選手同士がウレタンの剣を手にポカポカチャンバラするスポーツであるからだ。
……魔術や魔法、ユーベルコードを駆使すれば脱法できるかもしれない。
「ダーク化した選手たちは、試合に負ければダーク化を解除して一般のアスリートに戻れるのじゃ!
正々堂々スポーツで勝敗を決めることができるのが、バトル・オブ・オリンピア!
怪我無くとは言わぬが、遺恨は残らぬように楽しんで勝負してきて欲しいのじゃ!」
ウレタンの剣を猟兵たちに手渡して行き、玉明は現地までのゲートを展開する。
鼓舞するように手を振り、ウレタンポカポカ大海戦に臨む猟兵たちを送り出すのだった。
●断章:闇の短距離走愛! 駆けるウレタンスプリンター!
そのフィールドにいた数多くのアスリートたちは、ことごとくがダークリーガーに撃破されていた。
海の中から顔を出して悔しそうに見上げるアスリートたちを、ダークリーガー化したスプリンターたち……『ダーク化スプリンター』たちが自信満々の笑みを浮かべて見下ろしていた。
「どうだ! これが短距離走の力だ!」
「俺たちの舞台はトラックだけじゃあない、限られたフィールドの中でなら縦横無尽に活躍できるのさ!」
「瞬発力ならどのスポーツ競技にだって負けはしないぜ! 息切れしたら仲間の内側で休憩すれば呼吸も整えられるからな!」
勝ち誇るスプリンターたちに、民間アスリートたちは苦い表情を浮かべることしかできない。
スプリンターたちは姑息な手段は行使していない。ただ、数人がかりで大暴れしているだけなのだ。
チームを組むことはルール違反ではないし、アスリートたちも臨時の同盟を組んだりもした。正々堂々と正面から戦い、それでも負けたのは事実だからだ。
「ちくしょう、俺のウレタン剣道スタイルが通用しないなんて……!」
「トライデントウレタンシュートすらも躱されるとは……打つ手なしだ」
「これは、勝敗は決したかな……ん? あれは……?」
勝ち名乗りを上げようとするスプリンターたちが、新たに飛び入り参加する選手に気づく。
そう、猟兵たちのエントリーだ。
「この気配……! 優れた選手たちだな! あいつらを倒せば、このフィールドはスプリンターの優勝と言っても過言ではないだろう!」
「よし、皆! 短距離走の力を、俺たちの友情パワーを世界中に広めてやろうぜ!」
「「「おおおお!」」」
クラウチングスタートやスタンディングスタート、さまざまな姿勢を取り、ウレタンの剣を構えるダーク化スプリンターたち。
ウレタンポカポカ大海戦の雌雄を決する戦いが、今! 始まるのであった!
リバーソン
こんにちは。リバーソンです。
マスターとして皆様に喜んでいただけるよう、つとめさせていただきます。
今回のシナリオは一章構成です。アスリートアースの戦争シナリオとなります。
海上に特設されたゆらゆら揺れるフィールドの上で、その他スポーツ「ウレタンポカポカ大海戦」にて『ダーク化スプリンター』を倒すことが目的です。
『ダーク化スプリンター』たちは数多くひしめいていますが、短距離走を盛り上げていこうとする短距離走愛の賜物か、互いに邪魔することなく連携して攻撃してきます。
選手の頭の上のトマトを潰すか、フィールドからとして着水させれば撃破となります。
ちなみに、ウレタンポカポカ大海戦はウレタンの剣を手にポカポカチャンバラする競技なので、ウレタン以外の武器(素手を含む)を使用することは推奨されません。
必要であれば、ウレタン銃とかウレタン弓とかウレタンキャバリアをご用意いただくようご協力をお願いします。
プレイングボーナスは、『数の暴力に対処する』ことです。
また、『自身がアウトにならないよう立ち回る』こともプレイングボーナスとして相乗します。
余談ですが、こちらのフィールドでは飛行は脱落にはなりません。
オープニング公開後の断章はなく、すぐにプレイング受付開始となります。
プレイングの受付期間はタグにてお知らせいたします。
皆様、よろしくお願いいたします。
第1章 集団戦
『ダーク化スプリンター』
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POW : スプリンター・ストロングウィンド
レベルm半径内を【強風 】で覆い、範囲内のあらゆる物質を【正々堂々と勝負する人物を祝福する追い風】で加速、もしくは【妨害行為を行おうとした者を襲う逆風】で減速できる。
SPD : スプリンター・オーラ
【短距離走愛が具現化したオーラを纏った姿】に変形し、自身の【スタミナ】を代償に、自身の【移動速度と加速力】を強化する。
WIZ : スプリンター・スタイル
【競技前のウォームアップ 】の継続時間に比例して、自身の移動力・攻撃力・身体硬度・勝負勘が上昇する。
👑11
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栗花落・澪
ウレタンかぁ…まぁ、普通に剣でいいかな
遠距離の方が得意だけど、一応鎌と同じように扱えばいけそう
こっそりVenti Alaに風魔法を乗せて跳躍力アップ
足場もダンスで鍛えたバランス感覚とステップで
まるで揺れすらもパフォーマンスの一環のように扱い
気配感知と聞き耳で死角も補い
兎のように縦横無尽にぴょんぴょん(たまに飛んで)移動
…トマトにオーラ防御纏わせるのは有り?
後は剣にも高速詠唱で風魔法の属性攻撃を乗せて
一振りするだけで風圧で吹っ飛ばせるように
ただ勢い良く振っただけですぅー、僕は真面目ですぅー
強いねぇお兄さん達
でも、僕だって負けないからね(無意識に指定UC)
…? ……あ、隙あり!!
●舞い踊る天使の
笑顔。
「ウレタンかぁ……まぁ、普通に剣でいいかな。遠距離の方が得意だけど、一応鎌と同じように扱えばいけそう」
金蓮花を戴くオラトリオの若者、栗花落・澪(泡沫の花・f03165)はウレタンの剣を手にウレタンポカポカ大海戦のフィールドへ現れた。
澪は剣を振うことは専門ではないものの、『清鎌曼珠沙華』という獲物を扱うため白兵戦は不得手ではない。
ましてや、これはウレタンポカポカ。命を奪い合う殺し合いではない、頭頂部のトマトを潰すという競技なのだ。
スポーツである以上、心理的な負荷も少ない。気負うことなく戦いに臨めるはずだ。
「いっちに、いっちに、呼吸を整えー……ヨシッ! 《スプリンター・スタイル》!」
そして競技前のウォームアップを行い、移動力・攻撃力・身体硬度・勝負勘を上昇させたダーク化スプリンターたちが澪へ向けて駆け始める。
手に握ったウレタンの剣をリレー用バトンのように握り締めて、振りかぶっている。
「行くぞ! うおおお!」
「立ち向かうよ! かかって来てね!」
素早く近づいてくるスプリンターたちの動きに対応するべく、澪は身軽さに特化した靴『Venti Ala』に風の魔法を乗せて翼を生やし、跳躍力アップさせる。
不安定に揺れる足場も、日頃のダンスで鍛えたバランス感覚とステップを活かして軽やかに跳び回る。
スプリンターが振るうウレタンの剣を余裕をもって回避して、空中を舞うような動きで身躱して行く。
まるでフィールドの揺れすらもパフォーマンスの一環のように扱い、煌めく姿は愛らしい。
「くぅ! 手強い!」「まだまだぁ! 背後に回り込んで不意打ちだぁ!」
「足音……! それに強い攻撃の気配! お兄さんたちの強い熱意がよく伝わって来るよ! どこにいるのか、手に取るようにわかるほど!」
「なん……だと……!」
澪の視界の外へ駆け出して奇襲したり足元を狙ったりするスプリンターたちだが、鋭敏な気配感知と聞き耳を有する澪は死角からの攻撃すらも兎のように縦横無尽にぴょんぴょんと飛び跳ねる。
跳んだ澪の着地点に目掛けてスプリンターがウレタンの剣を突き出すが、それすらも澪はふわりと飛んで回避する。
スプリンターたちを翻弄する澪が、ふと思いついたように声を上げる。
「そういえば……トマトにオーラ防御纏わせるのは有り?」
OKです。ジャッジの人も手で丸を作っています。
「ならオーラ防御でガード!」
「オイあのトマト、ウレタンの剣より強固になったぞ!?」
「なら、押し出せ! 体当たりだぁ!」
トマトを潰せなくなったと判断したため、10人くらいのスプリンターが三角の陣形を組んで澪をフィールドの外で突き落そうと突進を敢行する。
だが、ひと塊になったスプリンターは澪の攻撃の恰好のターゲットになった。
笑みを浮かべた澪が、ウレタンの剣にも高速詠唱で風属性の魔法攻撃を乗せて、一振り。
「えーい!」
「「「うわぁぁぁ
!?」」」
勢いよく放たれた風圧に、スプリンターたちは心地いいくらいに吹き飛ばされてリングアウトする。
風に耐えて生き残った数人のスプリンターが澪を睨みつけ、異議の声を張り上げる。
「ちょ、ちょっと待て、何だ今の!」「おかしいだろ今の!?」
「ただ勢い良く振っただけですぅー、僕は真面目ですぅー。それにしても……」
そして澪は、ブーイングを吐くスプリンターたちに向けて無意識に、無邪気に笑いかける。
《エンジェルスマイル☆》の炸裂だ。
「強いねぇお兄さん達。でも、僕だって負けないからね!」
「はぅ
……!」「か……かぁわぁいぃ……」
澪が笑顔を向けた対象に、魅了・催眠効果のある煌めきオーラでダメージを与えるユーベルコード。
その命中率は高く、誰でも持ってる特別な魔法。
それ故、短距離走魂に心血を注いできた純情青年たるスプリンターたちには直接攻撃で致命的衝撃となったのだ。
顔を真っ赤にして、うつ伏せに倒れていくスプリンターを前に、澪は不思議に思いつつウレタンの剣を振りかぶる。
「……? ……あ、隙あり!!」
トマトを潰されたスプリンターたちは脱落し、ダーク化が解かれていく。
澪の可憐な活躍は、内外のアスリートたちから絶賛されるのだった。
大成功
🔵🔵🔵
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎
■行動
さて、やってみましょう。
まず『脇差〈虚音〉』を両手剣型ウレタン剣と融合、一時『祭器』化し扱い易くしまして。
【皓翼襅】を発動、『ビキニ水着型』の『女神の衣』を纏いますねぇ。
此方は『高速での飛行』と『同速度での走行』を可能とするもの、彼等相手でもまず速度で上回れるでしょう。
正々堂々戦えば【強風】は防げる以上、この速度と跳躍に見せた短距離飛行で集団敵の頭上から包囲を突破、すれ違い様にトマトを[部位破壊]しますねぇ。
数が減れば休息も取れず疲労が蓄積する筈、此方は『持久力強化』も有る為長期戦も問題有りません。
『大気を蹴っての移動』に見せかけた三次元機動で、順に叩いて参りますねぇ。
●天地を翔ける女神の使徒。
「さて、やってみましょう」
フィールドに現れた童顔且つ小柄ながら桁違いに発育の良い体型の少女、夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)は漆黒の刀身の『脇差〈虚音〉』を手にする。
他の品と融合し、融合中『祭器』として扱える様にする『御神刀』を両手剣型のウレタンの剣と融合させることで、一時『祭器』化して扱い易くできるのだ。
そして、ダーク化スプリンターたちが走り出すよりも速く、るこるはユーベルコードを身に纏う。
「大いなる豊饒の女神の使徒の名に於いて、その徴たる装束を此処に」
《豊乳女神の加護・皓翼襅(チチガミサマノカゴ・コウヨクノカケギヌ)》。
るこるの全身を『女神の衣』】で覆い、最大時速14800kmの飛翔と同速度での走行が可能になる。
さらに、るこるの身体能力と持久力を強化して、自身の『豊満さ』に比例した戦闘力増強まで得られるのだ。
競技の雰囲気に合わせたビキニ水着型の『女神の衣』を纏ったるこるは、祭器と化したウレタンの剣を手に正々堂々とスプリンターたちと対峙する。
「それでは参りますねぇ」
「良い覚悟だな。見せてやるぜ、《スプリンター・ストロングウィンド》!」
ダーク化スプリンターのユーベルコード、《スプリンター・ストロングウィンド》。
それは一定範囲内を強風で覆うことで、範囲内のあらゆる物質を正々堂々と勝負する人物を祝福する追い風で加速、もしくは妨害行為を行おうとした者を襲う逆風で減速できるというものだ。
スポーツマンシップに則った振舞いをすればよりいっそう加速することができるその恩恵は、敵味方を区別しない。
「行きますよぉ」
音を置き去りにする高速走行で揺れるフィールドを動き回るるこるは、歴戦のスプリンターたちであってもなかなか追いつけない。
ウレタンの剣を振り上げるが、振り下ろすより早くるこるは通り過ぎている。
強風の追い風に祝福されて加速するも、その影響はるこるにもあやかれるのだ。
「くっ……! 速い! 最高速度は、敵わないな……!」
「だが、極短距離走なら、俺たちだって負けない! 集中するぞ!」
移動速度では敵わないと判断し、短距離走魂を燃やしたスプリンターたちが密集してるこるへのカウンターを狙う。
自分たちのトマトを潰しに来た一瞬に、その瞬間にだけ集中すれば加速度で上回ることができると、相打ち覚悟の一撃にすべてをこめるべく待ち構えた。
「なるほど……それでは」
そんなスプリンターの一団に真正面から接近するるこる、
正々堂々たる様子で迫ったが、……そこで、存分に見せた高速走行を囮に使った。
《皓翼襅》の本領は、高速飛行にある。
跳躍に見せかけた短距離飛行を用いて、るこるはスプリンターの手の届かない頭上へと飛行したのだ。
「なっ! と、跳んだぁ!?」
「はい、お見事でしたぁ」
上下反転したるこるがそのまま、すれ違いざまにスプリンターの頭部のトマトを潰して行く。
特定の部位を破壊する技能に習熟しているるこるにとっては狙い撃ちは難しくはない。
るこるへの反撃部隊が撫で斬りにされたことで、るこるに立ち向かっていたスプリンターたちは顔色を悪くする。
「はぁ、はぁ……! つ、強い
……!」「こんな、ふぅ、強い、選手が……!」
「それでは、順に叩いて参りますねぇ」
元より持久力の低さが弱点なダーク化スプリンターたち。
《皓翼襅》による持久力強化を有するるこるにとっては長期戦も問題はない。
休息を取る余裕を与えず、大気を蹴っての移動に見せかけた三次元機動を披露して、次々に確実にスプリンターたちを倒していく。
「コヒュー、コヒュー……! ま、まだだっ……!」
「お疲れ様でしたぁ」
「げふん」
最後に残ったスプリンターの、力を振り絞ったウレタンの剣をカウンターで撃ち落とし、るこるはトマトを叩き粉砕する。
美しく、そして圧倒的な速度を魅せたるこるに、海面に浮かぶアスリートたちからの賞賛の声が届くのであった。
大成功
🔵🔵🔵

アリス・セカンドカラー
お任せプレ、汝が為したいように為すがよい。
ウレタンチャンバラなのね。OKOK、これでも剣士としての立ち回りも心得てるわよ。
多勢に無勢で生き残る
生存技法と
スタミナには自信はあるわ。揺れる足場も
私には障害にはなり得ないわよ。
空間把握能力で周囲の動きを把握し、
実践的錯覚を駆使した最小限の動きで回避しつつ
先読みの
後の先カウンターでトマトを潰していきましょうか。
●魔王少女の狩猟場。
「ウレタンチャンバラなのね。OKOK、これでも剣士としての立ち回りも心得てるわよ」
子供の如き無邪気さと小悪魔の如き妖艶さを併せ持つ
永遠の12歳。
アリス・セカンドカラー(不可思議な腐敗の
混沌魔術師艶魔少女・f05202)は迫り来るダーク化スプリンターたちを前にして、ウレタンの剣を軽々と手に不敵に微笑みを浮かべる。
ゆらゆらと揺れるフィールドの上で佇み、アリス自身の熟練猟兵としての高性能を駆使して、その地形効果すらを利用している。
「揺れる足場も私には、障害にはなり得ないわよ」
《生存技法(サバイバル)》。
技能名【サバイバル】の技能レベルを「自分のレベル×10」に変更して使用するそのユーベルコードにより、アリスは1480レベルの《生存技法》を獲得した。
スプリンターたちが寄ってたかってウレタンの剣を振り回すが、埒外のサバイバルを有するアリスは難なく避けていく。
どんな状況でも、如何なる環境でも、生き残るという技を発揮しているのだ。
「うおおおお!」「負けるか、短距離走パワー!」
「多勢に無勢で生き残る
生存技法と
スタミナには自信はあるわ。えいやっと」
アリスは、
空間把握能力で周囲の動きを把握し、
実践的錯覚を駆使した最小限の動きで回避しつつ、
先読みの上に
後の先カウンターを繰り出してスプリンターたちのトマトを潰していく。
一撃、二撃、頭を真っ赤にするスプリンターたちの惨劇が繰り広げられていく。
「くっ、小柄ながら
熟練るじゃないか! ならば、《スプリンター・オーラ》!」
そして、ダーク化スプリンターが自らの短距離走愛が具現化したオーラを纏った姿に変形する。
自身のスタミナを代償に、自身の移動速度と加速力を強化する《スプリンター・オーラ》を発動させて、アリスへと特攻する。
先読みで動きを把握されようとも避けられないほどの瞬発的加速力によって、せめて一矢報いようと飛び掛かった。
だが、駆け出したスプリンターの眼前にはウレタンの剣が置かれていた。
「なっ
……!?」
「糧(エナジー)を得るための手練手管。獲物をハメる罠魔術、獲物を射止める狩猟魔術。戦闘にも応用可能な生き残るための技法よ」
スプリンターのその決断すらも、アリスの
卓越した狩猟魔術による誘導だったのだ。
アリスの思惑通りに動かされたスプリンターは自らウレタンの剣にトマトを差し出し、地に伏せることとなる。
「がはっ……やられた……!」
「わたしの勝ちね。大勝利~❤」
突っ伏したスプリンターにウインクを送り、アリスは意気揚々とウレタンの剣を振り回して勝ち名乗りを上げる。
ミステリアスな少女の大勝利に、観客や先に脱落したアスリートたちは歓声を送るのであった。
大成功
🔵🔵🔵
結城・有栖
さて、お正月はのんびり過ごしましたし、体を動かすとしましょうか。
「随分と敵の数が多いネ。用心しなヨ」
なら、当たらないように動き回るのです。
行きますよ、オオカミさん。
まずはUCで風を纏い、機動力と回避力を強化。
ウレタン剣も武器として借りましょう。
敵の動きを【野生の勘で見切り】、足場に注意しつつ上昇した機動力による【軽業、残像】を駆使して動き回り、数の暴力に対処。
近くの敵には回避と同時に【カウンター】を行い、トマトを狙ってウレタン剣で反撃です。
離れた敵には想像暗器(ウレタン製クナイ)を【念動力】を使って飛ばして攻撃。
風を操って投擲速度を上昇させ、念動力による軌道の変化も加えて当てていきましょう。
●疾風の如し嵐の王。
「さて、お正月はのんびり過ごしましたし、体を動かすとしましょうか」
「随分と敵の数が多いネ。用心しなヨ」
「なら、当たらないように動き回るのです。行きますよ、オオカミさん」
「あいよー」
アリスナイトの少女、結城・有栖(狼の旅人・f34711)はその身に相棒の『オオカミさん』と同調してウレタンポカポカ大海戦のフィールドに降り立った。
ウレタン剣を武器として借りてその手に握り、静かにユーベルコードを発動させる。
「オオカミさんとの同調を完了……さあ、参りましょうか」
《嵐の王(アラシノオウ)》。
有栖自身の中のオウガ『オオカミさん』と同調することで風を操る嵐の王形態になり、戦闘力を増強するユーベルコードだ。
風のオーラを纏うことで機動力を上げ、回避率は普段の10倍、飛翔能力は時速700kmに達する。
「ウォームアップ、完了! 相手が風ならこっちは短距離走だ!」
「《スプリンター・スタイル》! 位置について、よーいスタート!」
対するダーク化スプリンターたちも、競技前に行うウォームアップの継続時間に比例して、自身の移動力・攻撃力・身体硬度・勝負勘が上昇する《スプリンター・スタイル》を完了させて能力を向上させた。
脅威的な瞬発力に、トマトを一撃で破壊しうるウレタンの剣の攻撃力、生半可な妨害を物ともしない防御力に冴え渡る勘。
そんなステータスを兼ね備えたスプリンターたちが一斉に有栖目掛けて駆け出して……。
その足を踏み出す瞬間に、有栖が動いた。
「まずは近づかれる前に」
「数を減らすんだネ」
有栖の先制攻撃は、想像力で変幻自在に形作れる『想像暗器』だ。
ウレタン製のクナイを具現化して、それらを念動力で射出して、離れた位置にいるスプリンターたちのトマトを狙う。
攻撃の気配を察知して頭部を守ろうとするスプリンターたちだが、有栖は風を操って投擲速度を上昇させ、念動力による軌道の変化も加えれば防ぐことは難しい。
初見に対応しきれなかったスプリンターが少なからずトマトを潰され、脱落する。
そして、仲間たちの犠牲を乗り越えたスプリンターたちが有栖に肉薄した。
「くぅ! 手強い
……!」「だが、まだまだぁ!」「そのトマト、もらい受けるっ!」
「来るヨー」
「はい。集中しないといけませんね」
有栖は、スプリンターたちの目にも止まらぬ動きを野生の勘で見切り、彼らの繰り出す攻撃を次々に回避する。
勝負勘と野生の勘の読み合いは、一瞬一刹那の逡巡も許さない緊迫したせめぎ合いの形を取っている。
ゆらゆら動く足場に注意しつつ、軽業を発揮してスプリンターの合間を動き回り、巧みな残像を生み出してかく乱し、数の暴力に対処していく。
一発の被弾が敗北につながる中、風のオーラで頭部のトマトを守りながら、有栖は敵の中を飛び回る。
「……今です」「ぐわあああ!」
「そこです」「やられたぁ!」
そして、有栖はスプリンターの攻撃直後の隙を突き、カウンターのウレタン剣を叩き込んでいく。
決して無理に攻め込まず、野生の勘が危険を感じ取った時には素早く身を引き、じっくりと確実に時間をかけてスプリンターのトマトを潰し、時に風を吹き付けてフィールドから海へと叩き落して行く。
数で勝っていたスプリンターたちもじわじわと脱落していき、走り回ったことで持久力を使い果たして息切れし始める。
有栖はその好機を見逃さず、ウレタンの剣をなぎ払う。
残るスプリンターたちのトマトをまとめて破壊し、有栖の勝利が確定した。
「これで、終わりです」
「ぐぬぅ……! 見事だ
……!」「はぁ、はぁ……君、強かったぜ……!」
力尽きて大の字に倒れるスプリンターたちの中、一人立つ有栖は小さく呼吸を整える。
見事なフットワークで終始ダーク化スプリンターたちを翻弄した有栖の雄姿に、周囲から賞賛の拍手が送られるのだった。
大成功
🔵🔵🔵

フリル・インレアン
ふええ、揺れます、揺れます。
アヒルさん助けてください。
あ、そうでしたアヒルさんはガジェットさんなので武器扱いになるので、今日のアヒルさんはウレタンアヒルさんでした。
ウレタンなので、当然動きませんし、何も答えてくれません。
……というより、ウレタンアヒルさんを持ってくる必要がなかったような。
っと、そんなことを言っている場合ではありませんでした。
こうなったら、お菓子の魔法です。
今日のお菓子はウレタンお菓子です。
食べられないので積み木で遊びます。
これでダーク化スプリンターさんの行動速度が1/5になります。
ですが、足場の揺れる速さは同じなのですごく速く揺れているように感じられませんか?
●一人でもできるんです。
「ふええ、揺れます、揺れます。アヒルさん助けてください」
「……」
アリス適合者の少女、フリル・インレアン(大きな
帽子の物語はまだ終わらない・f19557)は、ゆらゆらと揺れるウレタンポカポカ大海戦のフィールドの上で悲鳴を上げていた。
フリルが傍に置いてしがみついているのは、アリスラビリンスで目を覚ました時からずっと一緒にいるアヒルちゃん型のガジェットの『アヒルさん』……ではなかった。
アヒルの形をしたそれは、物言わぬウレタンである。
「あ、そうでしたアヒルさんはガジェットさんなので武器扱いになるので、今日のアヒルさんはウレタンアヒルさんでした」
「……」
そう。フリルの頼れるパートナーである『アヒルさん』は、今回はお留守番。
観客席でフリルの活躍を見守ってくれている。
ここにあるアヒルさんはウレタンなので、当然動かないし、戦えないし、話しかけても何も答えてくれない。
フリルは独力でダーク化スプリンターたちと戦い抜かなければならないのだ。
「……というより、ウレタンアヒルさんを持ってくる必要がなかったような」
はい。
「うおおおお! 短・距・離・走・愛ッ! レッツ、ゴオーッ!」
「っと、そんなことを言っている場合ではありませんでした」
そんなことを言っている間に、短距離走愛が具現化したオーラを纏った姿に変形したスプリンターたちがウレタンの剣を手に接近していた。
自身のスタミナを代償に、自身の移動速度と加速力を強化する《スプリンター・オーラ》によって、フリルの目前まで迫っていたのだ。
あと一息で頭部のトマトが潰されてしまうという状況の中、フリルは起死回生のユーベルコードを発動する。
「こうなったら、お菓子の魔法です」
《時を盗むお菓子の魔法(ブレイクタイム)》。
フリルが趣味で作ったお菓子を給仕している間、戦場にいる趣味で作ったお菓子を楽しんでいない対象全ての行動速度を5分の1にするユーベルコードである。
フリルがすっと差し出すのは……柔らかくフワフワとしたスポンジのような生地の石油化学製品。
物言わぬウレタンである。
「今日のお菓子はウレタンお菓子です」
「ウレタンお菓子???」
あまりの衝撃に虚を突かれたスプリンターたちが足を止めて、差し出されたウレタンお菓子をまじまじと見つめる。
ぱっと見は彩り豊かで柔らかそうなケーキやドーナツの形をしているが……ウレタンは、普通のアスリートには食べられないものなのだ。
当然、フリルにも食べることはできない。
「食べられないので積み木で遊びます」
「競技中に!?」「いや、待て、これは
……!」「しまった、ユーベルコードだ!」
そう。
《時を盗むお菓子の魔法》の条件は、趣味で作ったお菓子を楽しむこと。
食べる必要は、無いのである!
お菓子で楽しんでいるフリルは普段通りの動きができるが、ウレタンお菓子を楽しめないスプリンターたちは行動速度が5分の1になってしまう。
《スプリンター・オーラ》で強化されたのは、移動速度と加速力のみ。
攻撃や防御といったあらゆる行動が低下するため、動きが不揃いになってしまうのだ。
「バ、ランス、があ
……!」「う、お、お……ま、まず、い……!」
「……! えい、えい」
そして、フィールドが揺れやすいという環境は変わらない。
そのことに気づいたフリルが、意図してフィールドを揺さぶり出す。
小柄であるが、フリルは猟兵だ。ゆさゆさとフィールドを激しく揺れ動かして、上下に波立たせることは苦ではない。
不規則に揺らされたことで、スプリンターたちが倒れ、転び、立ち上がれずにずり落ちていく。
「や、やめ、あ
……!」「立て、ない……! 落ち、るぅ!」「ぜは、ぜは、ぜひ、ひゅ、ひゅぅ……げほっ、ごほっ!」
「えい、えい」
無邪気なフリルの所業に為すすべなく、スプリンターたちはフィールドから転がり落ちていく。
走り続けることで難を逃れようとするスプリンターも、《スプリンター・オーラ》でスタミナを代償として失ったせいで長く走ることはできず、力尽きて落ちていく。
フリルは、自分のフィールド上にいたスプリンターたちを一歩も歩くことなく全滅させることに成功したのだった。
「やりました、やりましたよアヒルさん」
遠く観客席から、ぐわっ! という鳴き声が聞こえてくる。
きっと、『アヒルさん』もフリルの頑張りを称えているのだろう。
歓声を受けながら、フリルはウレタンお菓子を片付けて笑顔でフィールドを後にするのだった。
大成功
🔵🔵🔵
夜刀神・鏡介
短距離走とこの競技になんの関係が……とは思うが、この世界だしなぁ
俺には推し量れないなにかがあるのだろう、多分
ウレタン剣で澪式・捌の型【炎舞】の構え。刀とウレタン剣だと、多少勝手は違うが、まあ大丈夫だろう
まずは相手の連携を断つところから。
逃げに回って相手の体力が尽きるのを待ったとて、敵の瞬発力と数の暴力で囲まれるだろう事は明白
故に、こちらから突っ込んでいく事にする。
連携が取れているといっても、接近してくる速度に差は生まれるだろう。その差をついて、突出してきた相手を叩きに行く
先手を取って一撃で頭のトマトを叩き割り、次に迫ってくる相手の攻撃をいなして離脱
一撃離脱でスプリンター達を倒していこう
●無想のウレタンの剣。
「短距離走とこの競技になんの関係が……とは思うが、この世界だしなぁ。
俺には推し量れないなにかがあるのだろう、多分」
サクラミラージュ出身の『選ばれし者』となった男、夜刀神・鏡介(道を探す者・f28122)は支給されたウレタン剣を素振りして、感触を確かめながら独白していた。
ウレタンポカポカ大海戦と短距離走の因果関係は……テニス選手がサッカーをしたり野球選手がトライアスロンをしたりするアスリートアースではよく見られる光景なのでしょう。
「刀とウレタン剣だと、多少勝手は違うが、まあ大丈夫だろう」
剣と刀では扱い方に差異はあるが、重量の塩梅や長さを把握して問題ないと判断して、鏡介はウレタン剣を構える。
形作るのは、《澪式・捌の型【炎舞】(レイシキ・ハチノカタ・エンブ)》。
剛の太刀が命中した敵を柔の太刀で追撃し、敵のあらゆる攻撃を柔の太刀で受け止めて剛の太刀で反撃する、攻防一体の型である。
歴戦の強者の風格を魅せる鏡介の佇まいを目の当たりにして、対峙するダーク化スプリンターたちは緊張の汗を浮かべつつ笑みを浮かべる。
強敵との試合は、アスリートにとって誉れとなるのだ。
「よし……正々堂々と勝負しよう! 発動、《スプリンター・ストロングウィンド》!」
スプリンターたちの周囲が強風で覆われ、範囲内のあらゆる物質を加速、もしくは減速させていく。
その強風は、正々堂々と勝負する人物には追い風による祝福を与え、妨害行為を行おうとした者には逆風が襲い掛かるユーベルコードが戦場に吹き荒ぶ。
風の後押しを受けて、正々堂々正面から連携を取って鏡介に挑みかかるスプリンターたち。
横一列になり駆け出したスプリンターたちを前にして、鏡介は逃げも待ちもしなかった。
「行くぞ、剣豪!」
「ああ。ただし―――こちらから行く!」
多勢を相手に受けに徹するのはリスクが高い。
逃げに回って相手の体力が尽きるのを待ったとしても、鏡介の機動力ではスプリンターの瞬発力に追いつかれて数の暴力に囲まれてしまうだろう。
ゆえに、鏡介は相手の連携を断つために自ら斬りこみ、突っ込んでいったのだ。
意表を突かれた形になるスプリンターたちが目を瞠った時には、鏡介はすでにウレタンの剣の間合いに踏み込んでいた。
「なっ!?」「っ! おおっ!」「なにぃ
……!?」
「焔の如く―――」
スプリンターたちの連携が取れているとはいえ、元来短距離走は個人種目。
団体競技ほどの練度はなく、ダーク化スプリンターといえど呼吸一つ分のズレはある。
その僅かな差さえあれば、鏡介は突くことができる。
まず一人、突出していた相手を叩く。
「―――澪式・捌の型【炎舞】」
先手を取った剛の太刀の一撃で、一人目のスプリンターの頭のトマトを叩き割る。
続けて、次に迫ってくるスプリンターのウレタンの剣を振り下ろしを柔の太刀で受け流して、一足飛びにて離脱する。
距離を取り、一瞬生じた互いの間。
一拍の隙に生まれた相手の反応を見切り、鏡介は最も機敏に動き出したスプリンター目掛けてダッシュで迫り、勢いよくウレタンの剣を叩き込む。
また一つ、スプリンターのトマトが爆ぜた。
「ぐわぁ!」「そんな、瞬発力で、俺たちが負けるだと……!」
「この間合いなら、そう遅れは取らないものだ」
鏡介は一撃離脱を繰り返し、スプリンターたちを撃破していく。
間もなく、居合わせたスプリンターたちのトマトをすべて潰し終えた鏡介は、残心のままフィールドを見回した。
そこには、ダーク化が解除されて正気に戻り、白熱した競技に負けたことへの悔しさと勝者である鏡介への敬意の視線を向けるスプリンターたちがいる。
「あんた、強いな……! 俺たちの、負けだよ。ナイスファイト!」
「お疲れ様だ。いい勝負だった」
戦いが終われば、ノーサイド。それがアスリートアースの超人スポーツだ。
清々しい笑みを見せるスプリンターたちと共に、鏡介はウレタン剣を仕舞い凱旋するのだった。
大成功
🔵🔵🔵
一般人・女子小学生
「すごーい!このランドセルを背負うと全身に力が漲ってくるー!」
アスリートアースの小学生の女の子と心を通わせ、セーラースク水を着て出場してもらう。こんな見た目ですがゴッドゲームオンラインの高性能装備。
GGO産ならしかたないね!
その可愛さに他の選手は見惚れてしまうでしょう。多分。
ウレタン通学傘(退魔刀)とウレタン玉入れボールを持ち込み。
「ウレタン通学傘(退魔刀)ってなぁに?」
運動会マスターなので対応力が高く、初見の競技も即座に制覇します。
水飛沫舞う中、ボールを投げながらダッシュとジャンプで近付いてノーガードのダークリーガーを一閃!
正気に戻った隙にトマトを潰す。
「ええーいっ!とおーっ!」ぽかぽかっ!
●女子小学生は最高ですねっ!
「すごーい! このランドセルを背負うと全身に力が漲ってくるー!」
『今回は君のデビュー戦になります。気負わずに日頃の練習の成果を発揮しましょう!』
「うん、ランドセルさん! 頑張るね!」
心を通わせた女の子に自分を背負わせることで、相手を自分の体として使える不思議なランドセル。
児童教育機関「小学校」に属する意志を持ち言葉を話す空飛ぶバッグや鞄の種族であるヒロインランドセルは、一般人・女子小学生(withヒロインランドセル・f42290)と共にウレタンポカポカ大海戦に出場する。
『セーラースク水』を着たアスリートアースの小学生の女の子はこのヒロインランドセルと心を通わせており、日々勉学とあらゆる「運動会競技」を得意とする万能アスリートへなるべく鍛錬に励んでいるのだ。
なお、彼女が着用している『セーラースク水(猫耳と尻尾&長手袋とニーハイ付)』は、ゴッドゲームオンラインという世界における高性能装備。実際優秀である。
その可愛さに、他の選手や観客は見惚れてしまうでしょう。
『まったく、女子小学生は最高ですねっ!』
「ああ……セーラースク水の女子小学生だなんて、最高だぜ!」
おまわりさんこいつです。
―――――――――。
一名のダーク化スプリンターがパトカーに連行されましたが、競技に支障はないためウレタンポカポカ大海戦は続行されます。
「仲間の一人が失礼したが、競技は競技! 正々堂々勝負させてもらうぜ!」
『よし。ウレタン通学傘(退魔刀)とウレタン玉入れボールを持ち込みましょう』
「ウレタン通学傘(退魔刀)ってなぁに?」
ウレタン『通学傘(退魔刀)』とは、命中した敵の体内に衝撃波を叩き込む、剣代わりにもなる戦闘用の頑丈な傘、のウレタン仕様です。
ウレタンポカポカ大海戦ではウレタンによる武具の使用が推奨されているため、普段の『通学傘』とは一風変わった傘を用意したのである。
「よーし、行くよ!」
「ああ! 手加減はしない、子どもでもアスリートなら、全力で相対する! それがアスリートアースの礼儀っ!」
一定半径内を強風で覆うユーベルコード、《スプリンター・ストロングウィンド》。
その効果により、スプリンターたちは正々堂々と勝負する人物を祝福する追い風で加速し、もしくは妨害行為を行おうとした者を襲う逆風で減速できるようになる。
風を背に女子小学生へとウレタンの剣を振りかぶるスプリンターたちだが、女子小学生も立派なアスリートである。
「ええーいっ!」
運動会マスターである女子小学生は、対応力が高い。
地域や季節によって種目が変わる運動会に適応できるように、初見の競技も即座に対応できるのだ。
揺れるフィールドに水飛沫が舞う中、女子小学生はウレタン『玉入れボール』を投げてスプリンターを近づけない。
闘気を込めると鋼よりも硬くなる『玉入れボール』は、ウレタンであってもそのパワーは健在だ。
「ぐっ、この玉、重い
……!」「オレのウレタンソードが圧し折れたんだけど!」
『玉入れボール』からトマトを守るスプリンターたち。
そこへ、ダッシュとジャンプを駆使して女子小学生がスプリンターとの距離を詰めた。
その手にはウレタン『通学傘』が握られている。
玉を投げた後の手で傘を抜き放ち、スプリンター目掛けて一閃を叩き込む。
「やーっ!」
「っ、甘い、この身長差であれ、ばっ!?」
女子小学生に迫られたスプリンターはトマトを守るためにウレタンの剣を握る手を上げる。
だが、女子小学生の狙いはトマトではなく……スプリンターのボディであった。
彼の脳裏に、これは妨害行為ではないのかという考えが過ぎったのは、逆風が吹かずにウレタン『通学傘』がスプリンターの体を通り抜けた後であった。
ノーガードの胴体を切り裂いたのは、女子小学生のユーベルコード《強制改心刀》である。
退魔刀でもあるウレタン『通学傘』に霊力を籠めた一撃によって、ダーク化スプリンターの肉体を傷つけずにその邪心のみを斬り捨てたのだ。
「……はっ……俺は、正気に戻っ」
「とおーっ!」
「あっ」
ぽかぽかっ!
と、正気に戻って放心している隙に、女子小学生はスプリンターのトマトを潰した。
脱落したスプリンターは、邪念が晴れた様子でフィールドから出て行った。
……さっき逮捕されたスプリンターも斬られた方が良かったかもしれない。
『やったね! この調子でどんどん倒してウレタンポカポカ大海戦を制覇しよう!』
「うん! さあ、お兄さんたち……いっくよー!」
「ふっ……まだ勝負は始まったばかりだぜ?」「かかってこい、女子小学生アスリート!」
そして、女子小学生とダーク化スプリンターたちによる白熱した激戦が繰り広げられていく。
小さな体躯を十分に活かした女子小学生と、身を挺して頭部のトマトを守り切ったヒロインランドセルの連携の成果もあって、二人は並み居るダークリーガーたちとのウレタンポカポカ大海戦に勝利するのであった。
成功
🔵🔵🔴
メンカル・プルモーサ
……なんでトマト……いやトマトを投げ合う奇祭もあるしその類が発祥なのか…(一人で納得)
…さて…この足場が不安定な中で数の暴力に上手く対処する必要がある……と…
…じゃあこれでいくか…【ソラ跳ね踊る白兎】を発動…遅発連動術式【クロノス】でジャンプ台魔法陣を罠のように周囲に仕掛けるよ…
…この魔法陣踏んだら跳ね飛ばされて空中でもういっちょプールに跳ね跳んで着水するように魔法陣設置して落すとしよう…
…連携すべく動いたらその足下に魔法陣を設置して跳ね上げて落そうね…
…
……ステージの隅に追いやられたら自分の足下にジャンプ台魔法陣を置いてジャンプして窮地を脱しようか…全然ぽかぽかして無いけどまあ良いか…
リン・ベルナット
アドリブ大歓迎だよ!
すごい短距離走愛を感じるけど、このまま進んじゃったらガチデビルのせいで世界がやばいことになって短距離走どころじゃなくなっちゃう!
スポーツヒーローとして、そして同じ短距離走の選手として負けないよ!
短距離走の選手としてこっちもダッシュで勝負するよ!
足場が悪い場所でも全力で走れるように【オフロード・ランナー】を使うね。
これなら大きく揺れたりしても安定して走れるし、相手の素早い行動にも対処できるはず!
それにウレタンバッドで攻撃して混乱させる事ができれば相手の連携行動も崩れるはず、そうなれば勝機もある!
あ、もちろん休憩してる選手は狙わないよ!ヒーローとして正々堂々と戦わなきゃだよね!
●知性と熱意のコンビネーション。
「……なんでトマト……」
熟練のウィザードにして優秀なワールドハッカーである少女。
メンカル・プルモーサ(トリニティ・ウィッチ・f08301)は配られたトマトを頭の上に設置して、訝し気に首をかしげる。
ウレタンポカポカ大海戦でトマトを使用する理由について思索を巡らせているのだろう。
だが、その結論は直ぐに出た。
「……いやトマトを投げ合う奇祭もあるしその類が発祥なのか……」
メンカルは納得し、眼前にて整列するダーク化スプリンターたちへの対処へと意識を戻す。
メンカルが考え事をしている間に競技前のウォームアップをしていたスプリンターたちは、好戦的な笑みを浮かべて前口上を述べる。
「短距離走の優れたスポーツ性を喧伝するためにも、負けるわけにはいかない!」
「《スプリンター・スタイル》の調子は万全だ。移動力・攻撃力・身体硬度・勝負勘、そのどれもがベストコンディションさ」
「ここが俺たちの正念場! 短距離走の力を魅せてやるぜ!」
意気込むスプリンターたちと対峙するメンカルは、眠たげな表情を崩すこともなく冷静な雰囲気を維持している。
そして、メンカルの隣に短距離走を愛する猟兵が到着する。
「すごい短距離走愛を感じるけど、このまま進んじゃったらガチデビルのせいで世界がやばいことになって短距離走どころじゃなくなっちゃう! スポーツヒーローとして、そして同じ短距離走の選手として負けないよ!」
日焼けした健康的な肌が特徴の、アクティブな元気いっぱいアスリート。
リン・ベルナット(スポーツヒーロー・f17042)は長いポニーテールを揺らしながら、ウレタンポカポカ大海戦の揺れるフィールドに現れた。
ウレタンバッドを握り締め、ダークリーガーと化したスプリンターたちを正気に戻すため、全力で競技に参戦するのである。
メンカルとリンは、このフィールドにいるスプリンターたちを制するために。
ウレタンポカポカ大海戦を開始する。
「……さて……この足場が不安定な中で数の暴力に上手く対処する必要がある……と……じゃあこれでいくか……」
スプリンターたちが圧倒的な瞬発力を発揮してメンカルたちに迫ろうとする。
メンカルは、彼らが第一歩の足を上げるよりも早く、ユーベルコードを起動した。
「星の理よ、跳ねろ、弾め。汝は跳梁、汝は跋扈。魔女が望むは天地跳ねる月兎」
メンカルの高速詠唱で紡がれたのは、《ソラ跳ね踊る白兎(バウンシング・ムーンラビット)》。
147個の、硬さの変化する薄板状の魔法陣を召喚するユーベルコードである。
召喚された魔法陣に戦闘力は無い。だが硬軟を極めて自在に変化することができ、硬ければジャンプ台に、柔らかければクッションに使用できるのだ。
その魔法陣の大きさも自在に変えることができ、最大で147cm四方にもなるのだ。
メンカルは設定条件を満たすまで術式やユーベルコードの発動を停止させることのできる『遅発連動術式【クロノス】』を用いて、ジャンプ台用の魔法陣を罠のように周囲に仕掛けていく。
さらには魔法陣にあらゆる感覚器・センサーを欺く幻を作り出す『現影投射術式【ファンタスマゴリア】』を組み合わせ、どこに配置されているかをスプリンターたちに察知されにくく施しつつ、独自のマーキングを施すことでリンには伝わるように配慮している。
結果。
「うわああああ!?」
「……この魔法陣踏んだら跳ね飛ばされて空中でもういっちょプールに跳ね跳んで着水するように魔法陣設置して落すとしよう……」
「ぎゃああああ!?」
仕掛けられた魔法陣を踏んだ先陣のスプリンターたちが跳ね飛ばされていく。
高く跳び上がったスプリンターは、空中に設置された魔法陣で再び激しく跳ね跳んで、勢いよくフィールドの外へと弾き出されて水柱となった。
どれほど速く走れるとしても、魔法陣を踏めば一発アウトになる恐るべきトラップだ。
「罠、だと!?」「慌てるな、勝負勘を頼りに、危険を感じたら避けるんだ!」「落ち着いて対処すれば、対処できない代物じゃあない……」
「……そう判断するんだろうけれど……私一人じゃないから……」
「短距離走の選手としてこっちもダッシュで勝負するよ!」
魔法陣を勝負勘で対処するスプリンターたちに立ちふさがるのは、同じ短距離走アスリートであるリンだ。
リンの発揮したユーベルコードは《オフロード・ランナー》。
移動が困難な地形でも全力疾走の姿勢のまま、時速123kmで移動できるのである。
ゆらゆらと揺れるフィールドに、メンカルが張り巡らせた魔法陣の数々。
足場が悪く走りにくいこの場所でも、リンは全力で走れるのだ。
「道がなくても走り抜けるよ!」
「……よし。連携、援護する……使って……」
「わ! ありがとう! よーし……トップスピードで駆けるよ!」
メンカルは《ソラ跳ね踊る白兎》の魔法陣を再設置して、加速したリンが縦横無尽に跳び回れ、駆け巡れるようサポートする。
敵をフィールド外へ跳ね飛ばすジャンプ台とは違う、敵を飛び越え背後を取ったり敵の攻撃を回避したりするための魔法陣だ。
なお、メンカル自身がステージの隅に追いやられた時に備えて、窮地を脱するために足元に設置しているタイプである。
「そこだっ!」
「うわあ!? オレのトマトォ!?」
そして、リンのウレタンバッドが振るわれる度に、スプリンターたちの間は混乱していく。
《オフロード・ランナー》による移動中にリンが放った攻擊が命中した相手は、混乱の状態異常が与えられるのだ。
トマトへの被弾を防げたとしても、避け切れずに受けてしまえば前後不覚になっていく。
混乱する仲間が増えれば、リンの攻撃を受けていないスプリンターにも動揺は伝播する。
「な……! 何だ、どうなっているんだ!?」「落ち着け、落ち着いてまずは、あああぁぁぁ……」「あ、あいつ、めっちゃん跳んだ……!」
「……冷静にはさせない……」
当初こそ余裕をみせて、連携行動を見せていたスプリンターたちも、罠と状態異常の組み合わせに総崩れになっていく。
足下に注意しすぎればリンにトマトを潰され、リンへの応戦に気を取られれば魔法陣を踏んで空高く舞い上がる羽目になる。
その上、声を張り上げて統率を保とうとする選手がいれば、メンカルは優先してその足下に魔法陣を設置して跳ね上げて、海に落とす。
そうこうしているうちにリーダーシップを発揮するものがいなくなり、ダーク化スプリンターたちの連携は完全に瓦解した。
「コヒュー……コヒュー……」
「あ、休憩してる選手は狙わないよ! ヒーローとして正々堂々と戦わなきゃだよね!」
「ふぅ、ふぅ……そこまで配慮されちゃあ……こっちも、正々堂々と挑まねぇとなぁ!」
リンは息切れを整えるべく休憩しているスプリンターには手出しせず、回復するのを見届けた。
戦線復帰を果たしたスプリンターと正々堂々と対峙して、ウレタンバッドによる攻撃でトマトを潰す。
そして最後のスプリンターが断末魔と共にジャンプ台で射出され……フィールドに残るのはメンカルとリンだけになっていた。
「やったね、メンカルさん! 私たちの勝利だよ!」
「……お疲れ様……全然ぽかぽかして無いけどまあ良いか……」
満面の笑顔で喜びを露わにするリンと、穏やかな様子のメンカル。
ウレタンポカポカ大海戦の大勝利を得た二人に、観客から、一般アスリートから、そして撃破されたスプリンターたちから、健闘を称える拍手と勝利を祝う喝采が贈られるのであった。
幾つものフィールドの上で、猟兵たちがダークリーガー化したスプリンターを倒して勝利の声を上げて行く。
負けたスプリンターたちはダーク化が解除され、本来のアスリートとしての正気を取り戻して明るい表情を浮かべている。
バトル・オブ・オリンピアはまだ続くものの、ウレタンポカポカ大海戦の雌雄は、猟兵たちの勝利で決したのであった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵