バトル・オブ・オリンピア③〜冬空の下で料理を
●グリモアベース
「戦争が始まったな! 早速だが、キャンプ飯を作ってきてくれよ!」
管木・ナユタ(ミンチイーター・f36242)は爽やかに言い切った。
「いや、アタシ様は至って大真面目だ! アスリートアースの戦争は、スポーツの祭典『バトル・オブ・オリンピア』であってな。その種目の一つとして、めちゃひなたキャンプ場でのキャンプ飯コンテストがあるんだ!」
キャンプ飯コンテスト……それは!
「ダークリーガーと競い合うわけじゃないぜ! 会場には一般人の審査員がいるから、彼らをあっと言わせるスーパーキャンプ飯を作るのが目的のコンテストだ!」
要は、スゴいキャンプ飯を作って披露すればいいのだ。
「会場のめちゃひなたキャンプ場は、山・川・森の全てを楽しめる、豊かな自然に囲まれた広大なキャンプ場だ!」
川ではニジマスやイワナといった魚が釣れるし、山ではウドやタラの芽などの山菜が採れる。
肉や野菜を持ち込んでバーベキューしてもいいし、スキレット料理にチャレンジするのも乙なものだろう。
マシュマロを串に刺して、軽く炙って食べるというのも風情がある。
「ま、つまり、キャンプ飯作りを楽しんできてくれってこった!」
ナユタは笑い、グリモアを光り輝かせる。
「すっげーキャンプ飯、皆なら作れるさ! アタシ様は信じてるぜ!」
グリモアの光に包まれた猟兵たちは、アスリートアースのめちゃひなたキャンプ場へと転送されていくのであった。
地斬理々亜
地斬です。
よろしくお願いします。
●プレイングボーナス
『スゴいキャンプ飯を作って披露する』
●備考
川魚や山菜は、オープニングで提示した種類の他、プレイングに書かれていた物は得られるものとします。季節はあまり気にしなくてOKです。
また、キャンプ場の気温についても、『快適に過ごせる程度に暖かい』『温かい料理が美味しく感じられる程度に寒い』のどちらでもいいものとします(こちらでプレイング内容を見て、適切な方にします)。
作った料理は審査員に食べさせてもいいですし、自分で食べても構いません。両方やっても大丈夫です。
●プレイング受付期間
【1月3日(水)の8:31~23:59】とします。
採用人数は未定です。可能な限り頑張ります。
それでは、楽しいひとときをお過ごしください。
第1章 日常
『キャンプ飯コンテスト』
|
POW : 豪快なキャンプ飯を披露する
SPD : お手軽なキャンプ飯を披露する
WIZ : かわいいキャンプ飯を披露する
|
雁帰・二三夫
「それではわたくしのキャンプ飯遍歴を披露しましょう。キーワードは感動です」
焚火台とガスバーナー複数設置
メスティンで1合飯炊き
焚火台にダッチオーブン3個設置
丸鶏のハニーロースト
カレー味のポップコーン
中に網設置し鮭の刺身と黒半片とチーズを燻したなんちゃって燻製作成
肉饅をホットサンドメーカーで両面焼いた焼肉饅
ホットドッグを牛乳パックに詰めて焼いたカートンドッグ
も作る
「初めてメスティン炊きした時は、飯盒炊飯よりあまりに簡単にご飯が炊けるのに感動しました。今はもうメスティン炊きしかしません。豪快な肉料理に憧れてローストチキンを作りました。好きなだけカレー粉を振ったポップコーンを作って酒の肴に出来ること、家でも外でも銀紙とチップや古い茶葉で簡単に燻製が作れることにハマりました。今日はやりませんでしたが甘海老や帆立、ナッツやハンバーグもイケますよ。簡単で美味しく面白い焼肉饅とカートンドッグは朝食や他の参加者への振る舞いに欠かせません。どの料理にも感動と楽しさが詰まっている、それがキャンプ飯です」
●キャンプ好きの本領発揮
サングラスをきらりと光らせ、雁帰・二三夫(引きこもりたい住所不定季節労働者・f37982)は審査員たちに告げる。
「それでは、わたくしのキャンプ飯遍歴を披露しましょう。キーワードは『感動』です」
これまで経験してきた、キャンプ飯にまつわる感動の思い出を、その料理と共に披露しようというのだ。
審査員たちの期待が高まる中、二三夫はまず、焚き火台とガスバーナーを複数設置した。
水と一合の米が入ったメスティンを火にかけ、炊飯を開始。
次に、焚き火台へ三個のダッチオーブンを設置する。
それから二三夫は、はちみつ入りの漬けダレで下味をつけた丸鶏を、一個目のダッチオーブンに入れてローストし始める。
二個目のダッチオーブンにはポップコーンの種を入れ、油を絡めてから火に掛けた。
三個目のダッチオーブンの底にはアルミホイルを敷き、その上にスモークチップを敷き詰める。さらにその上に網をセットし、
薄く切った鮭の刺身と、黒はんぺん、それにチーズを乗せて、なんちゃって燻製の作成開始だ。
ホットサンドメーカーは内側にバターを塗って、肉まんをぎゅっと挟み、ガスバーナーの火に掛ける。
炊飯していたメスティンから、パチパチと音が聞こえてきた。二三夫はメスティンを火から下ろして、ひっくり返してタオルに包み蒸らす。
ぽん、ぽぽん、と、ポップコーンの弾ける音もしてきたので、そのダッチオーブンの火を止める。
コッペパンに切り込みを入れてキャベツとソーセージを挟み、アルミホイルに包んで牛乳パックに詰め、焚き火台の上に斜めに立てて、牛乳パックの口に火を点けた。
ホットサンドメーカーをひっくり返して肉まんを両面焼き、ほどよく焼けたところでバーナーを止める。
種の破裂が終わったポップコーンにカレー粉をたっぷり振りかけながら、しばらく待って……。
「これで良し、ですね」
一つ頷いた二三夫は、全ての料理の盛り付けに取りかかった。
「初めてメスティン炊きした時は、飯盒炊飯よりあまりに簡単にご飯が炊けるのに感動しました。今はもうメスティン炊きしかしません」
二三夫がメスティンを開ければ、中にはふっくら炊き上がった白ご飯。審査員の顔が綻ぶ。
「豪快な肉料理に憧れてローストチキンを作りました」
切り分けられた、ジューシーな丸鶏の匂いが、審査員たちの食欲をそそる。
「好きなだけカレー粉を振ったポップコーンを作って酒の肴に出来ること、家でも外でも銀紙とチップや古い茶葉で簡単に燻製が作れることにハマりました。今日はやりませんでしたが、甘海老や帆立、ナッツやハンバーグもイケますよ」
カレー粉の香りを漂わせるポップコーンと、程よく燻された鮭・黒はんぺん・チーズ。審査員が唾を飲む。
「簡単で美味しく面白い焼き肉まんとカートンドッグは、朝食や他の参加者への振る舞いに欠かせません」
きつね色の焼き目がついた肉まんと、焼き上がってケチャップとマスタードを掛けたカートンドッグに、審査員が目を見張る。
「どの料理にも感動と楽しさが詰まっている、それがキャンプ飯です」
二三夫は締めくくりの言葉を述べて、にっと笑った。
「いただきます!」
審査員たちは、もう我慢できないとばかりに食べ始める。
二三夫はキャンプ飯によって、『感動』を審査員たちに与えたのだった。
大成功
🔵🔵🔵
黄・威龍
●POW【龍虎】
スポーツ種目に飯コンテストがあるとは、随分と酔狂なこった
だが『料理は勝負』という心意気は同意するぜ
気が向いた時に我が主君の食事を作る身として、腕が振るえるのは良いことだが…まずは落ち着け(げんこつ!
持ち込んだ道具は中華鍋と玉杓子
それと調味料の蒋のみ
包丁はお前の爪だ、曉虎
しっかり洗って消毒する前に食材集めだ
…確か季節は冬なのだが、何故か春や初夏に生える奴があるな
そこは世界によって違う点がある
気にしたら負けって奴か
ほう、良い形の鮭じゃねぇか
なら、手始めに中華風チャンチャン焼でも作るか
切った生鮭に軽く下味を付け、油を引いた中華鍋で鮭の切り身を中心に山菜を並べ最後に蒋を乗せて蒸し焼きだ
飛・曉虎
●POW【龍虎】
ムハハハ!
今年も新年早々の明けまして戦争とは、また騒がしい一年になりそうなものよ!
であるが…何とも平和的というか、拍子抜けするというか
我輩としてはこう、血湧き肉躍る闘いを…あだーっ!?
兄者、冗談!冗談であるからゲンコは勘弁なのだー!!
ほほう、我が裂鋼爪が包丁とな?
ムハハハ!なるほど、それは酔狂である!
中華料理とは味だけでなく作る工程でも魅せるものよ
川魚は我輩に任せろ、兄者!
我輩はどの山菜が食えるのか全く分からんからな!!
おお、鮭だ!
鮭がおる!?
岩魚や山女も良いが、ここは食いでのある鮭一択なのだー!
むふふふ、褒めよ褒めよ
では、我が鋼も裂く剛爪で鮭を三枚おろし、山菜も切り刻むぞ!!
●龍虎による中華料理
「ムハハハ! 今年も新年早々の明けまして戦争とは、また騒がしい一年になりそうなものよ!」
「スポーツ種目に飯コンテストがあるとは、随分と酔狂なこった」
二人の猟兵が、めちゃひなたキャンプ場に連れ立ってやって来た。白虎の半獣、飛・曉虎(大力無双の暴れん坊神将・f36077)と、龍の瑞獣、黄・威龍(遊侠江湖・f32683)である。
「であるが……何とも平和的というか、拍子抜けするというか」
「だが『料理は勝負』という心意気は同意するぜ」
へにょりと虎耳を垂らす曉虎に対して、威龍はやる気十分だ。
威龍は、気が向いた時に主君の食事を作る身である。それゆえに、腕を振るえるのは良いことだと感じていたのだ。
「我輩としてはこう、血湧き肉躍る闘いを……」
曉虎はうずうずしている。
「まずは落ち着け」
ごぃん。
威龍は曉虎の頭に、ゲンコツを落とした。
「あだーっ!? 兄者、冗談! 冗談であるからゲンコは勘弁なのだー!!」
頭を押さえながら、曉虎は涙目で訴えるのであった。
威龍は、持ち込んだ物を確認する。
「中華鍋と玉杓子、塩と油と……それに、調味料のジャン。問題ないな」
「兄者、包丁がないのでは?」
「包丁はお前の爪だ、曉虎」
威龍は、曉虎の手を指し示す。
「ほほう、我が裂鋼爪が包丁とな? ムハハハ! なるほど、それは酔狂である! 中華料理とは味だけではなく作る工程でも魅せるものよ」
曉虎は呵呵大笑した。
「しっかり洗って消毒する前に、食材集めだ。俺は山に行って、山菜を採ってこよう」
「分かった! 川魚は我輩に任せろ、兄者! 我輩はどの山菜が食えるのか全く分からんからな!!」
「ああ、よろしく頼むぞ」
こうして、龍は山へ山菜採りに。
虎は川へ魚捕りに。
それぞれ、向かうのだった。
威龍は山菜を摘む。
それから、籠の中に入れた山菜をじっと見つめた。
「……今の季節は冬だよな」
威龍の知識では、春や初夏に生えるはずの山菜が、ちらほら見られる。
「ここが『めちゃひなたキャンプ場』だからか?」
その名の通り、暖かい場所だ。
けれど、寒いと思えば、都合良く寒くなるような……。
「気にしたら負けってやつか」
威龍は思考を中止した。
誰かが『あまり気にしなくてOKです』と言っていた気がしたから……かもしれない。
「おお、鮭だ! 鮭がおる!?」
川を泳ぐ鮭を目の当たりにして、曉虎は目を輝かせる。
「岩魚や山女も良いが、ここは食いでのある鮭一択なのだー!」
曉虎は川に踏み入っていく。
素早く鮭に近付いて腕を振り下ろし、川辺へと鮭をはね上げる。
まるで、木彫りに描かれる熊のような、野性的な獣による狩りそのものであった。
「ほう、良い形の鮭じゃねぇか」
「むふふふ、褒めよ褒めよ」
威龍と曉虎は合流し、曉虎は威龍の前で胸を張っていた。
「なら、手始めに中華風チャンチャン焼きでも作るか」
二人は手の洗浄と消毒を丁寧に済ませ、調理に取りかかる。
「その鮭と、あと、こっちの山菜を切ってくれ」
「分かった、我輩の出番であるな!」
曉虎の鉤爪が、陽光を反射して鈍く輝く。
「鋼をも切り裂く、切れ味バツグンの我輩の剛爪、とくと見よ!」
ひゅぱん、と空気を裂く音が聞こえた。
一瞬遅れて、鮭は三枚おろしになり、山菜は細かく刻まれた。
「見事だな。よくやった、曉虎」
「むふふふ」
威龍は曉虎を褒め、曉虎は嬉しそうに笑う。
なお、キャンプ飯コンテストの審査員たちは、ばっちりこの光景を目撃しており、度肝を抜かれたのだが、それはまた別の話。
威龍は手際良く、切られた生鮭に塩で軽く下味を付ける。
次に、油を引いた中華鍋の中央にその切り身を置き、周囲に刻まれた山菜を並べていく。
続いてジャンを乗せ、中華鍋に蓋をして火に掛け、じっくりと蒸し焼きにする。
しばらくしてから蓋を取り、具材に火が通ったのを確認してから、威龍は玉杓子で鍋の中身を大きくかき混ぜた。
「これで完成だ」
「美味そうなのだ!」
ふわりと良い香りを漂わせながら、中華風チャンチャン焼きが皿に盛り付けられていく。
二人の猟兵が協力し合い、豪快な一品が今ここに仕上がったのであった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
八坂・詩織
私インド大好きでインドカレーもよく作りますが…今回はインドの炊き込みご飯『ビリヤニ』に挑戦します!
メスティンでも作れるそうなので…ラージサイズのメスティンを用意して調理。
バスマティライスは洗ってよく給水させておき、その間に具材の下ごしらえ。
メスティンで玉ねぎをじっくり炒め、すりおろしにんにくと生姜、鶏モモ肉を加え肉に火が通ったらターメリック、クミン、コリアンダー、シナモン、ガラムマサラ…等々各種スパイスとバスマティライスを加えて炊飯。
炊きあがったら後はお好みでパクチーやミントを乗せて召し上がれ。
指定UCで特製チャイも淹れましょう。
メスティン調理実は初めてなんですが…美味しくできたでしょうか?
●身も心も温めるスパイス
「私、インド大好きなんですよ」
キャンプ飯コンテストの審査員にそう自己紹介したのは、八坂・詩織(銀誓館学園中学理科教師・f37720)である。
アスリートアースにもインドはある。それゆえ、審査員はこう返した。
「なるほど。では、本日作るのもインド料理ですか? インドカレーとか」
詩織は、にこりと微笑んだ。
「今回は、インドの炊き込みご飯『ビリヤニ』に挑戦します!」
詩織は、ラージサイズのメスティンを荷物から取り出す。
他に必要な物も、詩織は調理台の上に並べた。カセットコンロ、調味料、玉ねぎと鶏モモ肉……それに、バスマティライス。
まずは、その米を優しく水洗いする。
米をボウルの水に浸して、米への吸水が行われている間に、詩織は具材の下ごしらえに取りかかる。
玉ねぎを薄切りにして、カセットコンロに乗せたメスティンの中でじっくりと炒める。
頃合いを見て、詩織はすりおろしにんにくと生姜をメスティンの中に加えた。さらに、鶏モモ肉も入れ、炒め続ける。
「うん、そろそろね」
鶏肉に十分火が通ったのを確かめてから、各種スパイスを入れる。
ターメリック、クミン、コリアンダー。シナモンに、ガラムマサラなどなど。
キャンプ場内に、インドを思わせるスパイシーな香りが漂い始めた。
メスティンの中の具材の上に、詩織は米を敷き詰め、水を注いで蓋を閉める。
炊飯の火加減を適宜調整しつつ、もう一つ用意したコンロと小鍋を使って、詩織はチャイを淹れ始める。
各種スパイスと紅茶の茶葉、牛乳を使って、特製チャイの出来上がり。ユーベルコード『インド式ティータイム』で、身体を温めるスパイスの効能つきだ。
詩織は、完成したビリヤニを盛り付け、コップに注いだチャイと共に並べた。パクチーとミントは別添えだ。
「メスティン調理、実は初めてなんですが……美味しくできたでしょうか?」
詩織のわずかな不安を吹き飛ばすように、ビリヤニを食べた審査員は力強く言った。
「美味しいですよ! このスパイシーさがたまりません」
「このチャイも、身も心も温まります!」
それを聞いた詩織は、ほっと表情を綻ばせたのだった。
こうして、猟兵たちが披露した料理は、その全てが『スゴいキャンプ飯』と審査員に認められ、おいしく平らげられたのであった。
大成功
🔵🔵🔵