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無限増殖ゴブリンで鯖落ちの危機!?クリスマスを守れ!

#ゴッドゲームオンライン #体調回復のため、リプレイ募集を再開しました。 #サポートでお返ししていってます。 #プレイング募集18日に〆


 猟兵達がいつも通りに異変がないかとGGOのギルドに向かった時の事。
 依頼が描かれた浮遊する青いボードの依頼版には一面のゴブリン退治依頼。
 黄色い文字で更新されていく新しいボードにもゴブリン退治の文字。
 右を向いても、左を向いても、新しい依頼はゴブリンまみれ。
 ギルドスタッフ達はその現状に慌てふためいているようであった。
 そう、クリスマスを前にして、GGOの掲示板にはゴブリン退治の依頼で溢れそうになっていたのだ。

「みなさん、落ち着いて下さ~い!」
 そう呼びかけるのは、伺家・鈴凛(ゲームへの愛から生まれたAI・f42027)であった。
 ギルドスタッフである彼女は、ゴブリン退治しかない掲示板の現状について説明する。
「どうやら、一匹のゴブリンに敵が仕掛けたバグが発生したようです。
 そのゴブリンから、新しいゴブリンが無限増殖し、GGOの世界をゴブリンまみれにしています」
 青いボードが各猟兵の前に現れ、ゴブリンの分布図が表示される。
 その数は、1億を越しているようであった。
「ゴブリンを狩って狩って、狩りながら、コピー元の本体を見つけ出して下さい。
 コピー元を狩れば、増殖は収まります。
 どうやら、中心にいる増殖元のゴブリンは杖を持っているようです」
 クリスマスの装飾を迎えるGGOの世界に起きた、このひと騒動。
 GGOのクリスマスをゴブリンまみれ出迎えたくない貴方達は意気投合した。
「クリスマスを安心して迎えるためにも、この騒動を解決してくださいね? 頑張ってください!」
 そうにこやかにほほ笑むと、鈴凛は猟兵達を送り出したのであった。


はるかず
●はじめに
 お久しぶりです。はるかずです。
 このシナリオはクリスマス用シナリオです。
 クリスマスが無限増殖ゴブリンの鯖落ちで終了しないように頑張りましょう!

●集団戦
 無限増殖で生えてきたゴブリンアーミーとの戦いです。
 そこら中増えたゴブリンアーミーだらけなので、鯖落ちしないように狩って狩りまくりましょう。

●ボス戦
 無限増殖するゴブリンがボスとなっています。
 全体回復と、集中攻撃、無限増殖する技能を持っています。
 無限に増殖するゴブリンの中から、杖を持った一体を探し出してください。

●パーティー
 無事、クリスマスにたどり着いたら、祝いましょう!
 鯖落ちの危機を救い、ねぎらえたらOKです。
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第1章 集団戦 『ゴブリン・アーミー』

POW   :    アンチヒューマンライト
【対物ライフルから放たれる弾丸】に【遺伝子番号ジーンアカウント剥奪】のルーンを宿して攻撃する。対象が何らかの強化を得ていた場合、それも解除する。
SPD   :    アサルトゴブリン
【手榴弾】で装甲を破り、【アサルトライフルによる連射】でダウンさせ、【コンバットナイフでの急所へのめった刺し】でとどめを刺す連続攻撃を行う。
WIZ   :    ジェノサイドゴブリン
敵1体を指定する。レベル秒後にレベル×1体の【ゴブリン・アーミー】が出現し、指定の敵だけを【アサルトライフルによる銃撃】と【コンバットナイフによるめった刺し】で攻撃する。
👑11
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オメガ・カストゥール
あー、ゴブリンか。
A&Wやブルアルで見かける連中だ。
繁殖率の高さは高く放置すれば盛大な害になる連中だな。
だが、所詮は小柄な亜人でしかない。
即ち、我々にとっては敵ですらない。
まぁ、煩わしいが。

こいつらを倒す方法?
簡単な話だ。
空飛んでファイアーブレスで燃やしまくればいい。
簡単に燃えてくれる。
ゴブリンなんてこんなもんだしな。



 全長99mの赤いうろこの巨体が空をゆっくりと飛んでいた。
 その巨竜の名はオメガ・カストゥール(火焔竜にして、竜神王・f34605)。
 下を眺めれば、ブルーアルカディアやアックスウィザーズで見たことのあるモンスターがいる。
「グルル……(あー、ゴブリンか)」
 そう、1億を超すゴブリン達が、フィールド内を圧迫するようにひしめき、ゲームプレイヤーたちと戦っている。
 前線を眺めると、数を増やすゴブリンにゲームプレイヤーたちが押されているようだった。
 しかし、猟兵である彼にとっては、敵ですらない存在。
 所詮、小柄な亜人である。

「(まあ、煩わしいが)」
 大変そうにゴブリン狩りをしているプレイヤーに少しの同情を寄せる。
 ちょっと手を貸してやるかくらいのノリで、オメガは火を口にため込み、ゴオッと業火を吹き出す。
「ゴブォァアアアア!!」
 焼き払われたゴブリンが断末魔を上げる。
 プレイヤーがいる前線ではなく、奥のゴブリン達を焼き払い道を作ってやった。
「ド、ドラゴンだ!ゴブリンを焼いて回ってる!」
 ゴブリン退治にひっきりなしの前線ゲームプレイヤーが、オメガを恐れながら叫ぶ。
「誰かの搭乗飛竜か?」
「いいや! あんなデカいのはプレイしてて見たことねえ!」
 ゲームモンスターの中のドラゴンよりも巨体であるオメガに、プレイヤーの驚きの声が響く。
「なんにしろ、道を作ってくれたんだ。味方に違いない……! 後に続くぞ!!」

 ゴブリン達が一斉に現れたオメガを敵とみなして、パカパカと何やら撃ちつける。
 オメガの体にチクチクかゆみがはしる。
 鱗を貫通することもできない、火器の攻撃にふうと炎の息を吐いた。
 その落ちた火だけでゴブリンが燃え、他のゴブリンへと燃え広がっていく。
 
 繁殖率が高く、放置すれば盛大な害になる連中。
 そう、今の増殖のように。
 だが、こいつらを倒す方法など簡単な話だ。
 空を飛んでファイアーブレス。以下エンドレスで燃やしまくればいい。
 UC《ファイアーブレスⅢ》によって。
 空を飛んで、ファイアーブレス。
「ゴブォァアアアア!!」
 空を飛んで、ファイアーブレス。
「ゴブォァアアアア!!」
 コマンドを何度も繰り返すように、下にいるゴブリンを焼き殺していく。
 簡単に燃えてくれるそれをみて、オメガは思う。
「(ゴブリンなんてこんなもんだしな)」
 と。

 前線に防衛の薄い場所が出来て、奥へと突破口を作る。
 そのままオメガは、ゲームプレイヤーを導くように、空から火で炙ってまわった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

フォーネリアス・スカーレット
「決まっている、オブリビオンは皆殺しだ」
 何人いようと関係ない。一匹も逃すつもりはない。
「イヤーッ!」
 手にした剣を投擲し、一つ殺して武器を奪う。銃もナイフも扱いは問題無い。
「イヤーッ!」
 これだけ数が居れば狙う必要すらない。殺して武器を奪い殺す。ナイフを投げ、弾切れまで撃ち続ける。
 包囲されようが同じ事。
「まとめて殺すには好都合だ」
 敵集団に突っ込み誤射を誘う。武器を奪って殺す。やる事はただそれだけ。敵が全滅するまで続ける。
 やるか、やらないかだ。出来るかどうかなどどうでもいい。
 私はオブリビオンスレイヤーだ。
「オブリビオンは皆殺しだ」
 やる事はいつもと変わらん。



 目の前に広がるのはマッポーの世界。
 一億匹のゴブリンがマシンガンを打ち放ち、プレイヤー達をキルしていく。
 このままいけば、クリスマスが迎えられない、クリスマスのないオンラインゲームになってしまう。
 サバ終了!それこそ、マッポーでサッフォーなジダイの到来。
 そしてそれは大晦日の料理も食べられないということである!!

「こぶぶぶぶぶぶ! これでクリスマスは終わりごぶー!!!!」
 30日を迎え、ついに大晦日を前にマシンガンを同じモーションで上に撃ち放つゴブリン達。
 初心者の街であるクリスマスツリーはゴブリン達がぶらさがり、火器で燃やして回っている。
 火器と爆竹によって煩いタウンと化した街に、一人のスレイヤーが到来していた。
 その名はフォーネリアス・スカーレット(オブリビオンスレイヤー・f03411)。
 オブリビオンスレイヤーである。

 業火の中ツリィの上で踊るゴブリンの一匹に、鋭いスリケンが頭に刺さった。
「クリスマスは終わっていない」
 ゴブリンの集団の中を一人のオブリビオンスレイヤーが歩いてくる。
 その者は爆竹を蹴り飛ばし、一人のゴブリンが頭がバクサンした。
 甲冑のようなニンジャの仮面の下の目を光らせ、復讐の灯を絶やさないその存在。
「誰ごぶか!? クリスマスの終了のお知らせを邪魔する奴は!?」
 ゴブリン達が振り向き、その仮面の存在に気が付く。
「誰であろうが、クリスマスは潰すごぶ!!!」
「知ったことか! イヤー!」
 町を占拠したゴブリン達とフォーネリアスが対峙する。
 炎上するクリスマスツリィを背景に、戦いがハジマタ!
「オブリビオンは殺す!慈悲はない!」
 復讐者の血が騒ぐ。オブリビオンを殺せと、血が煮えたぎる。
「イヤー!」
「ごぶぁー」
「イヤー!」
「ごぶぁー」
「イヤー!」
「ごぶぁー」
 飛び掛かってくる一匹の機関銃を奪い、銃口で突き上げもう一匹ごとウチヌク!
 一匹は手持ち近代武器である手りゅう弾をぶつけてバクサン!
 もう一匹は差し込んできたアーミーナイフを叩き落して奪い取り、首元に突き刺してシサツ!

 これぞ猟兵の持つユウベルコォドのヒサツ・ワザ!
 《武器は選ばない(ブキハエラバナイ)》
 である!

 10体ほどかかってきたゴブリンをデータの骸の海へと帰す。
 あと残り何体いるだろうか? 増殖するゴブリンを前に、ひるんだ様子もなく赤いスカーフをはためかせる。
「この数に勝てるごぶか?」
「まとめて殺すには好都合だ」
 機関銃を両手に持ち、スリケンを全体に放つ要領で連射する。
 体を竜巻のように回転させ、囲んだゴブリン達に弾丸をぶち込んでいく。
「イヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤ」
「ごばごばごばごばごばごばごばごばごばごばごば」
 数千体のゴブリンアーミー達の列が崩れ落ちていく。 
「イヤー――――――――!!!!!」
「ごぶぁああああああああああああああ!!」

 機関銃の弾が切れた時、ツリィの下のゴブリンは殲滅されていた。
 これぞ武道のサッポー。時代のサホウ。
 しかし、まだゴブリンは残されている。大晦日のスシを食うにはまだ早い。
 クリスマスを過ごすまでは!!

大成功 🔵​🔵​🔵​

佐藤・和鏡子
向こうが近代兵器で来るならこちらも近代兵器、人類が産んだ叡智の結晶にして近代工業技術の象徴である自動車を使用します。
敵の数が多いので一気に多数を捌ける轢殺のユーベルコードで敵の群れを削って行きます。
具体的には全速力の救急車で敵(多数が集まっている所を重点的に狙います)目掛けて突っ込みます。
(運転+蹂躙+重量攻撃+吹き飛ばしで更に威力を高めます)
敵のライフルは運転技術を駆使して躱したり救急車の車体で防ぎます。(運転と武器受けでカバーします)
救急車はいわば私のパワードスーツ、単なる武器を越えて私の体の一部にまで高められたその威力、体験させてあげますね。


戦犯・ぷれみ
懐かしいわね
無限増殖バグといったらオープンワールドゲームの華
放置してたらなぜか増殖していくNPC
増殖したぶんだけ発生しつづける死亡イベント
大量の死体のせいでゲームの挙動がおかしくなって、そのうちセーブデータが壊れ……うっ、頭が

昔語りはおいといて、電子の世界はぷれみの箱庭あそびば
定番の戦法でお相手するわ
ザコ大量には範囲デバフ、なの
食らえじゃすと――ソルフェジオ周波数ちらっくす!」

バラックスクラップ#000000を振り回しながら)
うーん……攻撃力とユベコを封じても最終的な処理は作業ね
やっぱり自動化ツール使ったら怒られるのかしら?



 PKが多発していたエリアである裏切り者の荒野にて。
 上級プレイヤー達によるゴブリン掃討作戦が行われていた。
 その上級プレイヤーが過ぎ去っていった後から、ゴブリンのアイテムドロップを漁るプレイヤーが発生している。
 いわゆる、乞食行為と言うもので、オンラインゲームではみられる光景だ。

 そんなモラルの荒んだ光景を、どこか懐かしそうに眺めるバーチャルキャラクターがいた。
 戦犯・ぷれみ(バーチャルキャラクターの屑・f18654)である。
 佐藤・和鏡子(リトルナース・f12005)が運転する救急車の助手席に乗って、ぷれみは窓の外を見ていた。
「懐かしいわね」
 ぷれみがオンラインゲームの光景を見てそう言った。 
「ゲームの世界でも落ちたものを漁る人がいるんですね」
 凹凸の激しい荒野を、運転テクニックによってレーサーのように駆け抜けながら佐藤は言った。
「GGOこそ彼らにとってのリアルだからかしら。きっと本気なの」
 統制局によってリアルを縛られた世界だ。ネットゲームに身を費やしているプレイヤーは世界全体だろう。
 それが、リアル通貨になるのならなおさらである。
 到着したばかりの猟兵である彼女たちにとっては、まだ統制局での暮らしがどんなものかはわからない。
 しかし、この世界のオブリビオンを倒すべく、彼女たちは前線であるゴブリンの群れの場所へと救急車で走っていった。

●前線
「ごぶごぶごぶごぶ!」
 アサルトライフルを発砲し、プレイヤーを殲滅しに出てくるゴブリンアーミー。
 上級プレイヤーたちはあらゆるスキルを駆使して、弾丸を盾やバリアで防ぎながら倒していく。
 だが荒野の隠れる場所の多いせいか、殲滅したと思ったら物陰から新しいゴブリンが出てくる。
 それを繰り返しながら途方もない戦いを、上級者プレイヤーたちは大晦日前まで繰り広げていた。
「飽きてきた!! ゴブリンの顔だらけに飽きてきた!」
 上級プレイヤーのリーダー格らしい前衛が泣き言を叫びながら、サクサクと剣でゴブリンをつぶしていく。
 しかし、ゴブリンの前進は止まらない。次から次へとエリアにゴブリンが侵入してくる。
 範囲火炎魔法で焼き払う魔法プレイヤーが何度も杖を上空に上げ、空からの爆炎を散らす。
「まあ、初心者を逃がすこともできただけでも上出来では?」
 知的なRPを崩さない魔法使いだったが、そのボイスはだいぶ疲れがたまっているようであった。
「さすがにTOPプレイヤーだけでは解決できそうにねぇな」
 参謀のポジションのずんぐりした斧使いがMP回復のポーションを投げて、バフをかけなおす。

 ぴーぽーぴーぽー

「このドップラー効果を思い出させるような音は!?」
 剣士がゴブリンを薙ぎ払って全員に聞こえるように言う。
「「「救急車だーー!!??」」」
 突撃していく救急車の尻を驚きの声を上げながら見送る上級者プレイヤー達。
 ドラフトによって車体を斜めにしながら、ゴブリンをひき殺していく。
「救急車通過します!!」
 無残に散ってデータへと変わっていくゴブリンの群れの中を突っ切っていく救急車。
 荒野にある地形データごと吹き飛ばし、岩のデータが消えてしまった。
「救急車はいわば私のパワードスーツ、単なる武器を越えて私の体の一部にまで高められたその威力、体験させてあげますね」
 ガンガンと車体をぶつけ破壊しながら突き進む、これでゴブリン達も隠れることはできないだろう。
 佐藤のUC《轢殺》によって。

 そして。
 その車体の上に、ぷれみが立っていた。

「無限増殖バグといったらオープンワールドゲームの華
 放置してたらなぜか増殖していくNPC
 増殖したぶんだけ発生しつづける死亡イベント
 大量の死体のせいでゲームの挙動がおかしくなって、そのうちセーブデータが壊れ……うっ、頭が」

 ひき殺されるたびにゴブリンの腰布がドロップされていく。
 下に転がっていくゴブリンのドロップアイテムを見下ろし、黄昏るようにぷれみは言う。
 しかし、はっとなって、首を振った。
「昔語りはおいといて、電子の世界はぷれみの箱庭あそびば
 ザコ大量には範囲デバフ、なの!」
 0と1のエフェクトを身にまとい、UCを発動させようとした。
「がんばれー!」
 上級者プレイヤー達から、ぷれみにバフが飛んだ。
 全身にあらゆるバフをかけてもらい、オーラが増すぷれみ。
 ネットの中の内的な引きこもっている彼らも、こんな時くらいは結託しようと応援している。
 バフによって虹色に光るぷれみは、UCを発動させる。

食らえじゃすと――ソルフェジオ周波数ちらっくす!」

 大量のゴブリンアーミーにソルフェジオ周波数528Hz・963Hzをはなつ。
 ヒーリング効果のある怪しげな音がエリア中に響き渡り、ゴブリン達のユーベルコードが封じられた!
 ただのゴブリンと化したそれを、救急車が踏みつけていく。

「先陣を切り開いてくれてありがとう!このエリアのゴブリンを削るぞー!!!!」
 ぷれみ達に色んなモーションを送る上級者プレイヤー達。

 デバフによって作業が楽になった上級プレイヤー達の士気が再度上がった。
 ゴブリンをエリアから殲滅すべくぷれみたちに続いて、ゴブリンを薙ぎ払っていく。

 再度戦いが始まろうとするなか、ぷれみは救急車の上に上ってきたゴブリンバラックスクラップ#000000で叩き落す。
「うーん……攻撃力とユベコを封じても最終的な処理は作業ね?
 やっぱり自動化ツール使ったら怒られるのかしら?」
 ぷれみのややうんざりとした声が響いた。
 自動化ツールでアカウントバンされるのは避けたいところである。
「人類が生んだ叡知でも、使うのはやっぱり人間ですからね」
 少し困り気に佐藤が返事をする。
 ひたすら二人の轢き殺し&叩き落しが繰り返される。

 このクリスマス騒動が新年を越えて続くとは、この時の二人は予想していなかった……

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『無限増殖ゴブリン』

POW   :    全員回復ごぶ!
【ボスゴブリンの咆哮】を聞いて共感した対象全てを治療する。
SPD   :    いでよ!ゴブリンアーミー!
【ゴブリンシャーマンロッド】から、【近代重火器】で武装したX体の【サーバーに負荷をかける無限増殖ゴブリン】を召喚する。X=自身の精神消耗度(0〜10)の2乗。
WIZ   :    一斉攻撃ごぶーー!!
【無限増殖ゴブリン全員で一人を集中攻撃する】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​
モニカ・メイソン(サポート)
 ゲームプレイヤーとしてゴッドゲームオンラインに参加しています。バグプロトコルの事件もいちクエストとしてこなします。
 この世界をゲームとして見ていますが、NPCやドラゴンプロトコルに対しても、人として対応します。

 Eスポーツプレイヤーだから、ゲームは得意よ。状況を把握して、柔軟に対応することが重要ね。目的を達成するために、多少のダメージを受けることは覚悟してるわ。
 武器は狙撃銃を使ってるわ。ヘッドショットが得意よ。



「ゴブリン退治の依頼しかないなんて、やっぱりクソゲーね」
 高台があるエリアで、ゴブリンを狙い撃っている女の子がいた。
 連続ヘッドショットを放ち、ゴブリンの頭を吹き飛ばしてキル数を稼ぐ。
 その少女の名前はモニカ・メイソン(プロゲーマー・f42013)。
 公チャット画面には、ゴブリン増殖騒動の実況コメントが流れている。

「熱気砂漠エリア、制圧完了!」
「こちら洞窟エリア、応援求!」
「ぎゃー!gbrnが!gbrnが!」
「クリスマスが来なかったら、運営のアンチになる」

 等々。
 しかしこの戦闘に時間を費やしたゲームプレイヤーの彼らも無駄に動いていたわけではない。
 ネットらしい手段。
 杖を持ったゴブリンの目撃情報の書き込みが拡散されていたのである。

 モニカはその情報を得てから、ソロで偵察に出ていた。
 ゴブリンシャーマンを補足するためである。
 ポジションを変えるべく立ち上がり、隠密しながらエリア移動する。

 有志の目撃情報まとめから、移動していく進路予想ができたのだ。
 予想は、各プレイヤーの布陣を避けて歩いていることを察されて
 だが、地上をいくにはゴブリンだらけ、移動にはかなり制限がかかる。
 空を飛ぶユニットを持つ上級プレイヤーも少ない。
 プロゲーマーであるモニカは、進路予測から先手をとり待ち伏せすることにした。
 高台に身を潜め、敵が来るのを待つ。

 エリア内にいるゴブリンの一部に変化があった。そこのゴブリンだけ、うねっているのだ。
 大量のゴブリンを台風が動くように連れて、杖を持ったゴブリンのボス。
 ゴブリンシャーマンはひたすら増殖し続けていたために、位置が調整され台風のようにうねるようになってたのである。

「あれね。できるのは、全員に位置を知らせることね」
 モニカはスナイパーライフのスコープから目を離した。
 冷静に公チャットに地点を打ち込む。

「ごぶ?」

 危険察知したゴブリンシャーマンは命令を下す。

「周りに一斉乱射ごぶ!!」

 ゴブリン勢のランダムな荒い銃撃によって、モニカのHPが若干削れた。
 しかし、UC《スキルクロス・リユニオン》が発動。
 オートで狙撃銃によるカウンター連射がゴブリンに注がれる。
 弱い……一発で、バタバタと大勢のゴブリンがデータへと帰った。
 一瞬処理落ちしたかのように、無限増殖ゴブリンが倒れる描画がカクカク歪む。
「クソゲーね。そろそろ鯖が落ちそう」
 決着がつきそうな予感に、モニカはうんざりとした声で言った。

「誰かいるごぶ!戦うごぶ!」

 しかし大勢のゴブリンが削られ、立ちなおすのに隙が出来た。
 カウンターで空いた範囲を通り抜けて、モニカはゴブリンの群れから脱出した。
 ここからプレイヤーと猟兵の最終決戦が始まる。

 時刻は元旦を過ぎて1月5日。
 クリスマスはまだ迎え入れられてない。

成功 🔵​🔵​🔴​

御形・菘(サポート)
※語尾に「のじゃ」は不使用
はっはっは、妾、推っ参!
敵は決してディスらんよ、バトルを彩るもう一人の主役なのでな!
強さも信念も、その悪っぷりも誉める! だが妾の方が、もっとスゴくて強い!

バトルや行動は常に生中継+後で編集しての動画配信(視聴者が直視しては危ない系は除く!)
いかにカッコ良く魅せるか、見映えの良いアクションが最優先よ
とはいえ自身の不利は全く気にせんが、共にバトる仲間にまで不利を及ぼす行動はNGだぞ?

戦法は基本的に、テンションをアゲてボコる! 左腕とか尾で!
敵の攻撃は回避せず、受けて耐える! その方がカッコ良いからのう!
はーっはっはっは! さあ全力で来るがよい、妾も全力で応えよう!



「はっはっは、妾、推っ参!」
 腕を組んでワイバーンの飛行ユニットの上にのっているのは御形・菘(邪神様のお通りだ・f12350)であった。
「この騒動、妾が大いに盛り上げてやろうぞ」

 ネット配信をしながら、飛んで実況を楽しんでいる。

「お主には感謝するぞ」
 有名ライブストリーマーである彼女であるなら、飛行ユニットを借りるのも容易い。
 貸し出しに応じた上級プレイヤーはデェヘヘと下心丸出しで照れている。
「いえいえ、そんなそんな。御形様のライブのためですよ」
「ふふふ、そうか。さて、掲示板と公チャットでの情報では、ゴブリンの中心部分があるエリアはここのはず」
 御形は下を見下ろした。台風の目のように移動するゴブリンの群れがあった。
 エリア全体に広がるゴブリンの群れ。
「あったぞ、妾の戦場が!」
 御形はワイバーンから飛び降りた。

 どすーんと、着地する。
 何匹か潰れてデータに帰ったゴブリン達を無視して、無限増殖の原因ボスがいる台風の目の方へ向かって話しかける。
「ここまでの作戦、胆力、時間をかけた戦い。みごとであったぞ!……だが妾の敵ではない!!」
 豪快なエフェクトを拳にまとい、ゴブリンアーミーの腹へとパンチをくりだす。
「ごぶぁー!!」
 電子のブレが発生し、そのまま消える。
 更に連続して、尾っぽでゴブリンを武器ごと薙ぎ払う。
「「ごぶぶ、ごぶぁー!!」」
 飛び散ってデータの海へとシュッと消えていくゴブリン。

 バカバカと周りのゴブリンから射撃がくるが、すべて受けてダメージを気にせずボスへと近づく。
 台風の目の中央にいる杖を持ったゴブリンは、全体から隠れるようにして後ろに下がっていくようであった。

「逃げ隠れするようなら、妾のほうからゆくぞ!!」

 御形はUC《Via Sacra!》を放つ。
 直線状にいる、一番前のゴブリンへと壮大なエフェクトと共に、音速を越えた左ストレートを放つ。
「食らうがいい!」
「ごぶぁああああああああああああ!!!!」
 そのまま、ゴブリンは後ろのゴブリンにぶち当たり、さらにその後ろのゴブリンが後ろのゴブリンに……!
 ドミノ倒しをするように、ゴブリン達が次々とデータの海へと消えていく。

「はっはっは、こっぱみじんだのう!」
 高笑いが生ライブ中に響き、拍手のコメントスタンプが高速で流れていくのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

アリス・セカンドカラー(サポート)
お任せプレ、汝が為したいように為すがよい♥

それはまるでチートのような、とんでもない才能であると便利な舞台装置デウス・エクス・マーキナー役な狂言回しサポート

瞬間的に主観の世界観を切り替える魔術的パラダイムシフト高速詠唱早業先制攻撃多重詠唱拠点構築化術結界術による妄想を具現化する混沌魔術欲望開放戦闘戦闘演算、連続こんぼ諜報化術、ハッキング、情報収集輜重医術、サバイバルとマルチに活動可能。

依頼の成功を大前提に、あわよくば己の欲望を満たそうとするかも?
エナジードレイン大食い融合捕食でえっちなのうみそおいしいです♥



「遅れちゃった♡こんなお祭りになってるのね」
 クリスマスにリアルで色々忙しかったアリス・セカンドカラー(不可思議な腐敗の混沌魔術師ケイオト艶魔少女・f05202)。
 ようやく騒動の無限増殖ゴブリン退治に参加したのだった。
「無限増殖の中心であるゴブリンは、そろそろ退治されちゃいそうね」
 すでにボスがいる場所の情報はネット掲示板中で共有されていた。
 退治されるのも時間の問題である事を知ったアリスは急遽駆け付けたのだ。

「やれるうちにやっちゃうわ♡」
 アリスはゴブリンがまだいると思われる、情報どおりの無限増殖しているエリアへとやった来た。エリアに入った途端、ゴブリンに押しつぶされそうになる。
「お、多いわ!」
 ぎゅうぎゅう詰めのエリアは、さながらゴブリン地獄のようである。
 アリスは早速UC《シルバーリンカー・プロトコル》を発動した

『かつて運命の叙事詩を攻略した伝説のクランの戦法をお見せしましょう。大量の課金アイテムを買い込んでのお大尽アタックよ☆』

 大量課金分のデコイが課金されただけ召喚された。
 時間がなく、課金が少なかったが。ゴブリン程度であれば自動反撃でポコポコ死んでいく。
 しばらく反撃でゴブリンを自動でわんさかキルすると、デコイはゴブリン達に一斉攻撃されて散って行ってしまった。
 しかし、このデコイを更に消費して怪物が召喚される。
 大きくなった怪物は手を付けられないほど巨大化し、ゴブリン達を薙ぎ払う。

「ごぶぁーー!!」

 それをただ悠々と眺めているだけのアリス。
 じゃらじゃらとアリスのステータスにトリリオンが増加していった。

「これで、鯖が落ちてもわたしの一人勝ちね♡」

成功 🔵​🔵​🔴​

オメガ・カストゥール
こ奴らの中に1匹だけ0「無限増殖」やらかす奴がいるっていうなら、そいつを倒せばいいだけだというが。
問題は『どこにいるか』だ。グリモア猟兵によると「中心」と言っていたな。
だが、あんだけ大量にいる以上、ファイアーブレスで燃やしてからどっかしらからポコポコ湧いてくるであろうから、空から様子見で見ている。
もし、増えるところが見えたら、そこに自由落下を仕掛ける。
我には問題ないが、奴からしたら重い重量に潰されるぐらいだ。
おそらくゴブリンが逃げていたりしたら、人間に変身してガイソードを大量に呼び出して無双してくれよう。


佐藤・和鏡子
杖を持ったゴブリンシャーマンを倒さないとゴブリンが無限に増え続けるようなので、空からゴブリンシャーマンを見つけ出せないかやってみます。
空から動きの違うゴブリン、所持品の違うゴブリンを重点的に探します。
自分がやられたら終わりなのを知っているゴブリンシャーマンはきっと他の個体に守られて奥の方に隠れているはずですから。
敵を引きつけてから地面を消防斧で吹き飛ばして砂煙を起こし、斬刑の効果で飛んで逃げた事を気づかれないようにします。
ゴブリンシャーマンを見つけたら空中から急降下して加速を付けて斬りかかります。
時速700キロの速度に消防斧の重量と私の腕力の全てを載せて叩き込みます。



「ありがとうございます。乗せていただいて」
 オメガ・カストゥール(火焔竜にして、竜神王・f34605)の巨大な背に乗っているのは、佐藤・和鏡子(リトルナース・f12005)であった。
「汝一人ではここに来ることはできまい。力を貸してくれよう」
 二人はこのエリアに来る途中、協力することにしたのだ。
 99mを超えるオメガの巨体の背に、チョコンと佐藤は座っていた。
 オメガと佐藤は、無限増殖ゴブリンの元がいるエリアの情報を掲示板から仕入れていた。
「このエリアのどこかにいるはずなんですが……」
 下は、膨大なゴブリンに埋め尽くされている。何人かの猟兵達が、情報を聞いて駆けつけていた。それもあってか、ゴブリンが吹き飛ぶ情景が見える。

「グリモア猟兵によると、中心にいるときいている」
「あと杖を持っているそうです。所持品の違うゴブリンを見つけましょう」

 二人が空から様子を見ていると、台風の目のように回転しながら動くゴブリンの群れがあった。
 うぞうぞと虫のようにゴブリンの群れがうごめきながら、移動している。
「あれです! あそこで増加が起こっています!」
「よかろう。このまま降下するぞ」
 オメガはそのまま大きな巨体を自由落下させ、台風の目へと落ちた。
 砂煙が舞い、地上にいたゴブリン達がデータとなって消滅する。

 杖をもったゴブリンシャーマンが、奥へと逃げていくのを二人は見逃さなかった。
「クリスマスプレゼントだ」
 オメガは火を噴いて、ゴブリンシャーマンを隠そうとするゴブリン達を焼き払う。
 逃げながらシャーマンは言う。
「プレイヤーにだけクリスマスがあるのはおかしい。バグにもクリスマスをくれごぶ!」
 
「そんな理由で、邪魔をしていたのですか!」
 佐藤はUC《斬刑》を発動する。
 古風な看護婦の白衣と看護帽姿に変身し、砂煙の中を彼岸花の花びらと共に飛んだ。
 さらに、オメガは赤髪の人間の姿へと瞬時に戻り、UC《ガイ・ソード・アンリミテッド》を発動する。
 131本のガイ・ソードが回転しながらオメガの周りを舞い、放射してゴブリン達を貫いた。
 念力でゴブリンを突き殺し、飛んだ佐藤が追えるように力を貸す。

「もうこれ以上クリスマスが来ないのを苦しまなくても良いですよ。今、楽にしてあげますね」
 煙の上を彼岸花の花と共に700キロの速度でゴブリンシャーマンの頭から真っ二つに叩き割った。

「メリーバグリマス!! ごぶぁーーーー!!!!」

 爆散。
 ゴブリンシャーマンは砕け散ったのだった。
 全てが終わった。そして大晦日を過ぎたというのに、GGOのバックグラウンド音楽にはクリスマスソングが流れていた。
 そう。GGOのクリスマスは、これからなのである。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『パーティタイム!』

POW   :    ひたすら飲食を楽しむ

SPD   :    料理を作ったり買ってきたりする

WIZ   :    芸を披露する

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

 大晦日を過ぎ、仕事を始めが開始される頃。
 ゴッドゲームオンラインは、いまだクリスマスソングが流れている。
 クリスマスソングにライトアップされたゲームの町があった。

 後衛でサポートをしていた鈴凛がやってきて、猟兵達に礼を言った。
 恰好はサンタクロースの恰好で、白いひげを生やしてにこにこしている。
「ありがとうございます。運営代表として、お礼申し上げます」
 鈴凛は深々と頭を下げた。
「こうやって遅れてしまいましたが、私たちスタッフははクリスマスをやることをあきらめてません」
 どうやら、運営のスタッフ達は諦めていないようだ。
 全員がサンタクロースコスで、猟兵やプレイヤー達にお礼を言って回っている。
 そう、今日は既にクリスマスではないが、ゴッドゲームオンラインのクリスマスイベントは終わっていない。背景は深夜となり、星空が輝き、町には飾り付けがされているではないか。

「そして、頑張ってくれた皆さんに運営からのプレゼントがあるんですよ!」
 サンタクロース姿の鈴凛は貴方のステータス画面を指さした。
「プレゼントはもう入っているはずです。ボックスを見てみてくださいね?」

 ボックスを見ると、靴下アイコンの中にキラキラした星のプレゼントが入っていた。
『クリスマス記念に流星を降らすコメントチケット』
 とアイテム説明欄に載っている。
 タップしてみると、チャット欄が開く。
 貴方が、不思議そうにしていると、頭上を沢山の流れ星が流れていった。

 いや、それは流れ星ではない。流れるキラキラしたコメントの数々だった。

「ありがとう猟兵さん!」
「ゴブリン凄かったねー?」
「これからクリスマスツリー見に行きます!」
「戦ったの凄かったぜ」
「ケーキ買って、お祭りしましょう~!」
「にゃーん」
「メリークリスマス!」

 貴方達の頭上の流れる星々は、感謝の気持ちやクリスマス記念を残そうとする人々の思いの結晶の用だった。
「今回のクリスマスイベントのために、一言流星のコメントを流していきませんか?」
 さて、貴方も記念を残すために、チャット欄をひらく。

 なんてコメントしようか?

「このコメントは、あとで公式HPに張り出されますね。ぜひ今回の思い出として下さい」
オメガ・カストゥール
クリスマスか。
まぁ、新年になってしまったが、今回はバグの仕業だし多めに見てやろう。
そして、ここがゲームという事だが、プレゼントがアイコンに収められているとか慣れん。
流星群コメントとかも慣れんな。
結果としてノーコメントになってしまうが。(ゲームの世界の仕様に戸惑う)



 近未来とファンタジーが混ざり合ったオンラインゲームの世界。
 新年を開けているのに、クリスマスツリーや運営スタッフのサンタ姿が見える。
「クリスマスか」
 ぜんぜん仕様が違う世界の様式にオメガ・カストゥール(火焔竜にして、竜神王・f34605)は戸惑っていた。
 一見ファンタジーのように見えて違う。

 オメガは先ほどAIに、自身のステータス画面の開き方を教えてもらっていた。
 青色の浮いた画面が浮きだしたり、チカチカとアイコンが浮いてスイッチとなっている。
 さらに言うなら、今回の運営からのクリスマスプレゼントがこの画面の中に入っているらしい。
「プレゼントがアイコンに収められているとか慣れん」
 貰った流星のコメントを流すプレゼントが、チカチカと青色のパネルに輝いている。

 文明の違いだろうか、何もかも物理的なファンタジー世界とは違う。
 サポートAIに案内されて、画面のタップを操作してみるオメガ。
 どうも、慣れない。
 慣れないものは仕方ないので、そのままノーコメントとAIに提案する。

「慣れないな、ノーコメントになってしまうが?」
「では、そのまま、コメント無しでOKボタンを押していただけますか?」

 AIの操作指示音声が響き、オメガは指示通りにステータス画面のプレゼントボタンを押した。
 光って動くプレゼントを開いて「OKボタン」を表示する。
 古代遺跡のスイッチを押すように、OKのボタンをぎゅっと押した。

 プレゼントボックスが画面から宙に飛び出し、ぱっと開き、中から星が飛び出し空へと飛んでいった。

 飛び出した星は、自身の竜肌の赤と同じ、燃えるような赤色の星だった。

 燃えるような尾を引きながら、星として空を流れていく。

 見れば、コメントの流星と共に、普通の流星も流れている。
 オメガは気づいた、コメントをしなければ星として流れていくのだと。
 他にもコメント無く瞬く星は、無数に流れていた。
 コメントと共にループして何度も流れている。

 自分と同じように、コメントできない者は沢山いるのだ。
 無数の輝くだけの流星と、コメントの流星。
 空をみんなで眺めるのは、オメガの故郷の空と同じ。
 それが虚構の空だったとしても。

 コメントが流れていく。そこには、オメガに対する物もあった。
「あの竜かっこよかった!」
「みてる~??」
「一狩り行きてえ!!」
「ありがとう~、ドラゴンさーん!」

 オメガは流星の空を見て呟く。
「流星群コメントとかも慣れんな」

 ここはネットワークの世界。
 コミュニケーションが取れない人も、コメントが苦手な人もいる世界。
 そんな人がいてもいい、そんな世界。
 メリークリスマス☆彡ハッピーニューイヤー☆彡

大成功 🔵​🔵​🔵​

佐藤・和鏡子
ゴブリンが落とした素材の中で肉や野菜、果物などの食べられるものを調理して皆さんに振る舞おうと思います。
私は機械なので料理を本当の意味で味わうことはできませんが、皆さんが楽しそうな姿を見るのは好きですから。
(エネルギー化できるし味は分かっても美味しい、という感覚が無いので)
あれだけ出てきたゴブリンですから、きっと落とす素材の量も莫大ですから。
調理は私の調理技能とガジェットショータイムで作った調理マシンを使って行います。
余った分は干物や塩漬けなどの保存食にして後で食べられるようにします。
せっかくの食材ですから、腐らせて無駄にするのはもったいないですから。



 GGOでは、リアルより楽しいことがある。
 それは食事の質だ。

 味もデータとなって、現実世界のユーザーに伝わるのだ。
 データとして味覚を刺激されるGGOの世界は、現実世界の貧しい味のない食事より評判が高い。
 その味の豊かさは、現実世界に帰りたくないユーザーが出るのが当たり前のように感じられるほどであった。

 だが、ゲームであっても素材と調理は欠かせない。
 佐藤・和鏡子(リトルナース・f12005)は今回の騒動で出た、ゴブリンのドロップアイテムを使い、皆に料理を振舞っていた。
 サポートとしてUC《ガジェットショータイム》を使い、適切な料理ガジェットの補佐を呼び出していた。
 炊飯のガジェットがいくつも並び、ポンポンと御飯のアイテムが放り出される。
 大きな鍋のガジェットがぐつぐつと煮え、良い香りを出している。
 まったくもってこれもデータとは思えない、おいしそうな香りだ。

「はい、並んでくださいね」

 給食の配膳をするかのように、並んだ一人一人のお椀にご飯を入れてカレーをかける。
「野菜とお肉が沢山あったので、大量に作れるカレーにしました」
 しかも、ただのカレーではない。ドロップ品からの錬成によって、トッピングは様々な種類を作ることが出来た。
「おまけで上のトッピングに、ソーセージやからあげ、あとは卵なんか乗せれます。欲しい方は言って下さい」

 ガジェットと佐藤自身の料理スキルで美味しさはすべて保証済みだ。
 列にならんで佐藤から料理を受け取ったプレイヤー達。ゴブリンのドロップアイテムの山を囲み、座って料理をほおばっていた。

「和鏡子ちゃんの、料理むっちゃうまいよぉ~~」
「和鏡子ちゃんに、給仕してもらえるなんて……!」
「和鏡子ちゃんは、俺たちの白衣の天使だ……!」

 佐藤はミレナリィドールだ。
 だから、料理の味は分からない。でも、人の感情を味わうことはできる。
 佐藤はそんな優しい子だ。

「和鏡子ちゃん、このゴブリンからのドロップ品を使っておくれ」
 他のプレイヤーさんから、新しくドロップ品の差し入れが提示される。
「はい、是非! こちらは保存食にしますね」
 にこやかに返事をすると、ガジェットをまた起動し始める。

「おや、あまったのは捨てずに干し肉にしているのかい?」
「はい、せっかくの食材です。腐らせて無駄にするのはもったいないですから」

 佐藤は衛生兵でもある。
 だから、いざという時の食事の大事さはよくわかっている。
 佐藤はそんなできる子でもあった。

「和鏡子ちゃん、おかわりおくれ~!」
「はーい!」

 GGOでは、リアルより楽しいことがある。
 それは食事を皆で囲む豊かさだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2024年01月19日


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#ゴッドゲームオンライン
#体調回復のため、リプレイ募集を再開しました。
#サポートでお返ししていってます。
#プレイング募集18日に〆


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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠伺家・鈴凛です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


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