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ちょっと危険な?新入生歓迎会

#アルダワ魔法学園

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#アルダワ魔法学園


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●エクストリーム歓迎会のお知らせ
「みんな、早速だけどアルダワへ向かって欲しいの」
 グリモアベースの一室にて、アルダワ魔法学園服に身を包んだアヤカ・ホワイトケープ(ロストイノセント・f00740)が、集まった猟兵達に対して語りかける。
 今回は一体何の事件なのだろうか?
「ほら、もうすぐ春じゃない? 時期的にもアルダワに新入生がやってくる頃なのよね。なんでもあっちでは新入生歓迎会があるんだけど……」
 アヤカの話によればアルダワでは新入生の歓迎パーティを行った後、そのまま流れで迷宮を探索すると言う習わしがあるのだとか。
 元々は経験などが皆無な新入生であるため、向かう迷宮は危険性の低い所が選ばれるそうだが……。
「それでも、万一彼らに何かあったらいけないでしょう? と、言う訳で今年は転校生……つまりは猟兵であるみんなに白羽の矢が立ったのよ」
 つまりは付き添いで新入生達の迷宮探索に同行して欲しいと言う事らしい。
 戦闘力や経験も豊富な猟兵であれば最適な人選であろう。

「みんなにはまず、歓迎会に参加してもらって新入生の子達と親睦を深めて欲しいの。この後すぐに迷宮へ行く訳だから、少しでも仲良く出来た方がいいでしょう?」
 歓迎会が行われる場所は、学園内にある温室に併設されたカフェ。
 そこで花やお茶、スイーツを楽しみつつ歓迎パーティをしようと言う事だ。
 和やかな空気で親睦を深める場所としては最適と言えよう。
「その後は新入生の子達を連れて迷宮へ向かうわ。最近発見された危険性の低い所に向かうそうだけど、油断は禁物よ」
 どのような場所かは分からないが、警戒はすべきであろう。
 おそらくは最奥部に災魔の集団が待ち受けているはずだ。
 話によれば災魔は雑魚の集まりとの事らしいが、新入生の無事が何よりも最優先である事を忘れてはならない。
「それで、災魔の集団を討伐すれば歓迎会は完了よ。……今回は少しばかり大変かもしれないけど、みんなの経験や実力で新入生の子達を引っ張ってあげてね」
 そう言うと、アヤカはグリモアの力でゲートを開く。
「それじゃ歓迎会の方、よろしくね! 戻ってきたら詳しく聞かせてね!」
 その言葉を受け、猟兵達はアルダワへと通ずるゲートへと入っていった。


NS
 はいどうも、NS(えぬえす)でございます。
 戦争お疲れ様でした。心機一転、また頑張っていきましょう。
 新シナリオフレーム来たので、今回はアルダワからお送りします。

●目的
 新入生の歓迎会を完了する。
 歓迎パーティ後は迷宮へ付き添いとして向かい、災魔の集団を倒して下さい。
 章構成は以下の通り。

 第一章(日常):ようこそ!お茶会で歓迎パーティ!
 第二章(冒険):細い橋渡り!恐怖を乗り越えろ!
 第三章(集団):出現!災魔の群れはふよふよくらげ!?
 ……以上の内容となります。

●ご注意
 OPでは分かりにくいかもしれませんが、今回はややコミカル寄り?です。
 リプレイはそんなノリとなると思いますので、ご了承の上でご参加ください。
 また新入生達はやる気こそありますが、経験や戦闘力はヒヨッコ同然です。
 守ってあげたり援護したりしましょう。

 第一章は歓迎会パートです。自己紹介や質問を聞いてあげるなどして下さい。
 なお、日常パートですがアヤカは出ません。
 第二章は導入を見た上で、どう動くかをプレイングでどうぞ。
 あえてネタに走るのもウエルカムです。
 第三章の敵はハッキリ言って弱いです。
 適当にやっても負ける事はありませんが、新入生からすればそこそこ強敵です。
 上手く立ち回ったり新入生達を助けてあげたりしつつ、敵を殲滅しましょう。

 リプレイはいつも通りプレイングがいくつか集まり次第、取り掛かります。
 最低でも失効までには仕上げたい方針です。

 それでは、エクストリーム歓迎会を無事に完了してきてください。
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第1章 日常 『花やかなお茶会』

POW   :    カフェでまったり過ごす

SPD   :    お菓子を購入する

WIZ   :    温室の花を観賞する

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●ようこそ新入生!
 学園内にある温室、そこに併設されたカフェは連日学生が集まる憩いの場だ。
 だが、本日は貸切りの札が付いている。
 その目的とは、もちろん……
「はい、皆さん集まりましたね? それでは、これより新入生歓迎会を行います!」
 進行役の先生の一声で歓迎会が始まる。
 テーブル席には新入生と猟兵がそれぞれ集まり、お茶やスイーツを楽しみつつ親睦を深めるのが目的だ。
 新入生には人間の他、ドラゴニアンやミレナリィドール、ケットシーも若干名いる。彼らはどんな目的を持ってアルダワへやってきたのだろうか?
 その辺りの事を聞いてみたり、彼らからの質問に答えるのもいいだろう。

 さあ、歓迎会を楽しむとしよう。
カタリアンナ・バソリー
WIZで判定を。
※浮かせた椅子に乗って移動するなど、
日常・戦闘共に大抵のことは念動力で賄っています。
※アドリブ歓迎です。ヴァンパイアの娘として育ち、自身でもヴァンパイアだと自負しています。傍目には箱入りのお嬢様らしい振舞いです。

学生服に身を包んで歓迎会に参加しますわ。
まずは自己紹介。
「これからこの学園で皆様と共に過ごさせていただきます、カタリアンナ・バソリーです。どのような事を学べるのか、非常に楽しみにしています。」
このくらいで十分かしら。
質問にはできるだけ答えて差し上げますわ。
例えば…政治や統治の歴史に興味がある、など。

質問が落ち着いてきたら、温室でゆっくり花々を鑑賞させていただきましょう。


リチア・スィール
アルねーちゃん(f09594)と一緒!

へっへへー、先輩だぜ先輩っ!
つまり子分がいっぱいできる!えっへん!
海賊団を作るんだぜー!!
それはそれとしてまずはきちんと歓迎しないとね!がんばろうぜー!

オレはリチア!海賊で英雄になるんだ!
アルねーちゃんと同じくでダンジョン攻略とかもするから必要な時は言うんだぜ!力貸すからね!
後子分になりたいやつはオレのとこ…ってだめ?はーい

オレは料理とかは食べるばっかりだし配膳を手伝うぜー、アルねーちゃんのクッキー美味しいからみんな食べてね!
ここにはいろんな人いるからさ、いろんなこと知って育って楽しんでいこうぜ!


アルフェミナ・オルフェナウス
りっくん(f09595)と一緒に参加します!

懐かしいですね、新入生歓迎会!
私も転校したばかりの頃は歓迎会開いてもらいましたね、りっくんと一緒に。
新入生を迎える立場かー♪えへへー♪
っとと、先輩ですから威厳見せないと!

まずは自己紹介ですね!
アルフェミナ・オルフェナウスです!
りっくんと一緒に英雄育成課に通いながら、猟兵活動もしてます!
後、私たちのような猟兵兼学生用の寮の寮長も仰せつかってます!
よろしくお願いしますね!

それで、実は私は趣味がお菓子作りなのです!
今日は皆さんにクッキーを焼いてきました、是非召し上がって下さい!
良かったら、皆さんの趣味や、この学園への志望動機とか聞かせてもらって良いですか?


千代月・陽華
わたくし、歓迎会で魅惑のお姉さまとお近づきになりますわ!!(決意表明

というわけで、お茶にあう、ハート型クッキーを手作りして持参していきましょう。沢山

そして、お茶会会場で、美しいお姉さまに献上して「お姉さまとお呼びしてもよろしいですかしら」と訪ねて回りましょう
黒髪でストレートロングの気品と落ち着きのある方が、理想的でございます
お胸も大きめな方がいいでしょう

上手くお姉さまとお近づきになれたら、頬に親愛のキスを求めます

首尾よくお姉さまを獲得出来たら、のりのりで義姉妹(スール)になります
見つからなかったら、部屋の隅で寂しくクッキーをバリバリ齧って憂さを晴らしております


アーチス・カーライル
アドリブ・絡みOK

新入生…新入生なら、まだホントにひよっこってことよね。あたしたちがしっかり導いてあげないとね。
あと個人的にお菓子が食べたいわ!

(両手にお菓子を抱え、もぐもぐといただきつつ)
えーっと、入学おめでとう、新入生のみんなっ!
あたしはアーチス。精霊術士にして、世界中いろんな謎を解き明かす探求者よ!
こう見えてそれはもう色んな真理を研究して巡ってきたんだから。
何か解らないことがあったらどーんとあたしに訊いてくれていいんだからねっ。


マルグリット・ブルターニュ
初々しい空気に満ちておりますね。
私はメイドとして給仕に努めさせて頂きましょう。

目立たず慎ましやかにお茶を注いで差し上げたりお菓子のおかわりを運ばせて頂きます。対話や質問は他の皆様にお任せしますがお声のかかっていない方がもしいらっしゃいましたら給仕ついでに出身や入学を決意した想いなどを伺う事に致します。



●猟兵、それぞれの自己紹介
 新入生達がそれぞれ自己紹介を済ませた後、猟兵達もそれに続く。
「これからこの学園で皆様と共に過ごさせていただきます、カタリアンナ・バソリーです。どのような事を学べるのか、非常に楽しみにしています」
 優雅な仕草で挨拶をするのはカタリアンナ・バソリー(1/2の純なる血統・f12516)。
 10歳であるものの、気品溢れるその姿に新入生の目が集中する。
 因みに彼女のみ、カフェの椅子ではなく愛用の椅子に座っている。
 日常・戦闘共に大抵のことは念動力で賄っており、今この瞬間も念動力で椅子が僅かに床から浮いている事に新入生達は気付いていない。

「オレはリチア! 海賊で英雄になるんだ! アルねーちゃんと同じくでダンジョン攻略とかもするから必要な時は言うんだぜ! 力貸すからね!」
 続いて、元気に宣言したのはリチア・スィール(無限に描く航海図・f09595)。
 彼はこの学園で英雄となるべく、日々研鑽を重ねている。
 何故海賊なのかと言うと『海賊なのはすべてを手に入れる、一つのチカラの形として』との事だそうな。
「後子分になりたいやつはオレのとこ……ってだめ? はーい」
 子分になりたいやつ発言を聞き、担当の先生がキラリと目を光らせたのを見て、リチアがちょっと残念そうに引っ込む。

「アルフェミナ・オルフェナウスです! りっくんと一緒に英雄育成課に通いながら、猟兵活動もしてます!」
 その次に名乗ったのはアルフェミナ・オルフェナウス(heilige blatt・f09594)。
 リチアの姉貴分的存在だ。
「後、私たちのような猟兵兼学生用の寮の寮長も仰せつかってます! よろしくお願いしますね!」
 そして自身の運営している寮の宣伝も忘れない。
 確かに新入生からすれば、寮の世話になる者達も多い事だろう。
 ここで寮の仲間をゲットしておこう、とも考えているのかもしれない。

「えーっと、入学おめでとう、新入生のみんなっ! あたしはアーチス。精霊術士にして、世界中いろんな謎を解き明かす探求者よ!」
 続いてはアーチス・カーライル(真理の探究者・f14237)が(我慢しきれなかったのかどうか分からないが)両手にお菓子を抱え、もぐもぐといただきつつ自己紹介を行う。
 いつの間に用意していたのだろうかと新入生は疑問に思っただろう。
「こう見えてそれはもう色んな真理を研究して巡ってきたんだから。何か解らないことがあったらどーんとあたしに訊いてくれていいんだからねっ」
 ……とは言え、先輩らしい部分もしっかりと見せなければならない。
 アーチスは経験豊富な部分をしっかりとアピールしておく。
 その自身に溢れた表情を見て、疑問に思う者はいないだろう。

「わたくし、千代月・陽華と申しますわ。皆様、よろしくお願いします」
 大胆な格好で挨拶をするのは千代月・陽華(那由多の数打物・f05936)。
 露出度(主に下半身)が高く、新入生の一部が若干目を背けている……ような、気がする。
「あの、ところでこの場に魅惑のお姉さまはいらっしゃいませんか? 黒髪でストレートロングの気品と落ち着きのある方が理想的でございます。それとお胸も大きめな方が……」
 陽華の発言に一同が一斉にえっ、と言う表情になる。
 ……そう、彼女は女性が好きなのである。
 この歓迎会に参加したのも、先程の発言が目的の大半なのだ!
 って、いいのかおい。
 そして既に熱い視線が、向かいに座っているミレナリィドールの新入生へ向けられている。
 その容姿は陽華の好みに大分合致しているようだが……。
 ひとまず、それは置いておこう。

「最後は私ですね。マルグリット・ブルターニュと申します。ご覧の通り、ドラゴニアンのメイドをしております。以後お見知りおきを」
 落ち着いた物腰で一礼、最後に自己紹介を済ませたのはマルグリット・ブルターニュ(メイドラゴニアン・f14691)。
 このメンツの中では最年長であり、先程の五人とは違った大人の女性と言った風格が感じられる。
「それでは、ケーキなどをお持ちしますので少々お待ち下さい」
 一礼し、マルグリットはカフェ厨房へと向かう。
 この場においてはメイドとして給仕に努めようと言う事らしい。
 その完璧な一挙一動に目を奪われる新入生もいた。

 こうして猟兵側も自己紹介を終え、歓談タイムに入るのであった。

●歓談の時間は騒がしくもあり
「あの、少々よろしいですか?」
 早速熱い視線を向けていたミレナリィドールの新入生……ヴェルに陽華が声をかける。
 その手にはこの時のために用意していたハート型クッキーが沢山あった。
「え、ええ……何でしょうか先輩?」
 先程の発言で軽く引いていたが、先輩がわざわざ声をかけてくれたともなれば邪険には出来ない。
 ヴェルは富豪である人間の両親に拾われて育ったミレナリィドールであり、その美しい容姿が特徴である。
 年齢は16と陽華より一つ上のお嬢様だ。
「いきなりで申し訳ないのですが、お姉さまとお呼びしてもよろしいですかしら」
「えっ、あの、でも私は後輩……」
「実はわたくし、お姉さまと呼べる人を常に探していまして……」
 陽華が怒涛の勢いで説得と言うか、言いくるめを行う。
 ヴェルはそのまま流され、半ば強引な形で押し切られてしまう。
「うふふ、それではお姉さま……それでは頬に親愛のキスを」
「い、いいのかしら……? そ、それじゃあ……」
 言われるがまま、ヴェルは陽華へ頬に親愛のキスをする。
 年下なのに先輩であり、後輩なのにお姉さまと言う複雑な関係になってしまったが、早々に二人は義姉妹(スール)となった。
「お姉さま、この後は迷宮に行きますけど二人が頑張りましょうね……♪」
「え、ええ……そうですね、せんぱ……陽華、さん?」
 ……これ、色々な意味で大丈夫なんですかね?
 なお、先生が目を光らせている事に気付いてはいない模様。

「リチア先輩、ダンジョンへはよく行ってるんですよね?」
「もっちろんさ! こっちじゃほぼ日常的な光景だからなー」
 リチアへ質問をしているのは人間の新入生、アイン。
 彼は戦士の一族であり、強さを磨くためにここへと入学した。
 15歳ではあるが、年下であろうとも目上の人には敬意を払えと言う一族の教えをしっかりと守っている。
「やっぱり、凶悪な災魔とかいっぱい戦った事も……?」
「そうそう! でっけーゴーレムとかもいたし、人の姿をしているようなヤツもいたなあ。あと、黒いヤギなんてのもいるぜ」
「ヤ、ヤギ!? そんな災魔もいるんだ……」
 リチアの話す災魔のネタに、アインは実に興味深く聞いている。
 アルダワの迷宮は未知の世界である事を知らされるのであった。
「はいはーい、クッキーも用意したよー。いっぱい食べてねー」
 アルフェミナが得意のお菓子作りスキルを生かし、用意したクッキーを振舞う。
「うっす、いただきます! ……これ、うめえっスね!」
 エサを与えられた動物のように、パクパクとクッキーをつまむドラゴニアンの新入生、バンディ。年齢は16歳。
「気に入ってもらえました? それは何よりです!」
「いやー、オレらもいい先輩に出会えて嬉しいっスよ!」
「そう言えばアインさんは強くなるためって言ってたけど、バンディさんはここへ来た志望動機はどんなのですか?」
「オレは元々機械いじりが好きで、よくガジェット作ったりしてたんスよ。んで、その趣味が高じてオヤジから『ここへ入学して技術を高めて来い』って言われて……」
 アルフェミナの質問に答えるバンディ。
 彼にはガジェッティアとしての素質があるようだ。
「ガジェッティアって事は、りっくんと同じですね。今度、色々と教えてもらうといいと思いますよ」
「へー、リチアさんも? そりゃあいい、その時は是非ともお願いするっスよ!」
「おうとも、任せとけって! あ、ついでにオレの子分に……」
 『またですか?』と言う無言のプレッシャーを監視役の先生から向けられ、押し黙ってしまうリチア。
 海賊団結成の夢は、まだまだ先かもしれない。

「……統治とは決して強い力を持って行うべきではなく、時として民の声にも耳を傾ける事で信頼を得る事が出来るのです。さもなくば、待ち受けているのは反逆による滅びの未来だけです」
 難しい事を淡々と語るカタリアンナ。
 人間の新入生の一人である15歳のレニーが『先輩はどれくらい知識があるのか』と言う事を試そうと、政治や統治の歴史の話を振ってみた結果がこれである。
「凄い……先輩は色々な事を知っているんですね」
 自分よりも年下だと侮っていたが、その知識量にただ脱帽するしかなかった。
 これにはレニーも認識を改めざるを得ないようだ。
「ふふ、たまたま私に答えられる範囲だっただけ、ですけれど」
 紅茶を啜りつつ、カタリアンナが微笑む。
 10歳にしてこの知識量と気品さである。
 並のお嬢様程度では太刀打ちすら出来ないだろう。
「ところで、質問も落ち着いたのならここの温室の花でもじっくり眺めてみませんこと? きれいな花を観賞しつつの紅茶は格別な物よ?」
「はい! ご一緒させてください!」
 新入生のハートを掴んだカタリアンナは、無数に咲く美しい花を眺めて紅茶を啜る。
 レニーもそれに倣い、紅茶を飲む。
「……ふぅ……先輩、言われた通り……ですね」
「ええ、美味しいでしょう?」
 ゆったりとした時間が流れる中での紅茶。
 ……うん、これは確かにいい物だと、そう思うレニーあった。

「アーチス先輩は精霊術士なんですよね? アタシも……まあ、見習いなんですけど。それで、是非とも色々ご教授いただきたくっ!」
 ケットシーの新入生、ルイコがアーチスへ質問する。
 年齢は13歳、ピンクのリボンが可愛らしい少女だ。
「おおっ、いいねー! そこは得意分野だから、じゃんじゃん聞いてよ!」
「んと、精霊との契約そのものは出来てるんです。でも、精霊力が弱いのか術の威力が全然出なくて……」
「うーん、契約は出来ているとしても、そこは最低限だからねー。もっと精霊と体をシンクロさせる……心を通わせるとかかな?」
 アーチスが自身の経験を元に答える。
 精霊とのシンクロを口で言うのは簡単だが、実際には難しい事だ。
 それは精霊術士ならよく分かる。
「基本は会話……ですか?」
「やっぱり基本はそこからだよね。あとは、そうねー……精霊を行使しようとして、無理矢理振り回しちゃったりとか、してない?」
「あっ、そう言われると……『なんでアタシの言う通りにやってくれないのよ!』ってなって、つい……」
 言われてハッとルイコは気付く。
 今までそれで幾度も精霊を傷付けてしまっていたのかもしれない。
「うん、そこに気付けただけでも第一歩かな? まずは精霊の子達にごめんなさいして仲良く出来るように、だよっ」
「分かりました、先輩! ……あの、これからも色々教えてもらっていいですか? アタシ、ほとんど我流でやってきたような物だから、教えてもらえる人とかいなくて……」
「勉強熱心、大いに結構! じゃあ、また後であたしに会いに来たら色々教えてあげるからねっ!」
 頼りがいのある先輩ぶりをアピールする事に成功したアーチス。
 可愛い後輩が出来たとも言えるだろう。

「……」
 周りが歓談する中、一人だけポツンと話の輪に入れないミレナリィドールの少女、エリスが紅茶を啜っている。
 彼女は15歳、ビーストマスターであり友人らしい友人は動物くらいしかおらず、出されたお菓子を呼び出した小鳥に与えている。
「……エリス様?」
 そんな彼女の様子を見て、マルグリットが声をかける。
 歓迎会であるのにも関わらず、この状態を見ていられなくなったのか。
「ん、みんな楽しそうにしてる……でも、私は話しかけられそうにないから……」
「では、私でよろしければお聞きしましょう」
「……いいの? 私、あんまり話せる事もないし、つまらないし……」
 元々口下手なのか、おどおどした口調でエリスは話す。
「今日はせっかくの歓迎会、楽しまなければ台無しになってしまいます。私がそのお手伝いを出来るのであれば、喜んで」
 優しく微笑むと、マルグリットはエリスの隣に座る。
「では……エリス様のご出身や、入学を決意した理由などは?」
「私、元々壊れて捨てられていたんです……それをお爺さまが拾って、直してくれて……」
 お爺さまと呼んでいた職人がエリスを直し、壊れかけていた心までもを直してくれたと言う事。
 そしてそのお爺さまは先日、病で亡くなった事。
 最後に『お前はもっと広く、この世界を見てきてほしい』と言う遺言を受けてこの学園へやってきたと言う。
 ただ、元々二人で暮らしてきた事もあり他人と接するのは苦手らしい。
「そのような事情が……大丈夫ですよ、エリス様。新入生の方々や今日集まって下さった先輩方は信頼出来る人ばかりです。勇気を出して前に踏み出す事が大事なのです」
「じゃあ……マルグリットさんも、信頼して、いいですか?」
「私も、ですか? ……ふふ、それはもちろん」
 頼りにされている事を知って、マルグリットは笑みを浮かべる。
 少しだけエリスの心を開く事が出来たようだ。
 果たして、この後の迷宮探索で成長する事が出来るであろうか?

●歓迎会の後は……
 新入生達といい感じに親睦を深める事が出来た辺りで、鐘の音が鳴る。
 もう少し楽しみたかったところだが、時間が過ぎるのはあっと言う間だ。
「皆さん、先輩方と仲良く出来ましたか? それでは早速、迷宮探索実習と行きましょう」
 先生に案内されると、最初に学園内の武器庫へと立ち寄る。
 そこで各々の得意武器を持っていくと言う事なのだろう。
 その後は地下へ通ずる階段を降り、迷宮へ続く扉の前へ辿り着く。

「さて、皆さんには迷宮探索を行ってもらいます。危険度の低い領域ですが、油断しないように」
 先生の言葉を受け、緊張した面持ちであったり、やる気を見せたりと様々な表情を見せる新入生達。
 彼らを無事に生還させるのが猟兵達の仕事である。
「経験豊富な先輩方が皆さんの付き添いで付いてきてくれますが、決して迷惑をかけないよう」
 はーい、と言う返事を聞き先生が扉を開く。
 そして一行は迷宮へと足を踏み入れるのであった。

 ……果たして、猟兵達と新入生を待ち受ける物とは一体何なのか?
 彼らは歓迎会を無事に完了させる事が出来るのか?

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『細い橋渡り』

POW   :    ゴム弾なんか知るか!堂々と渡ってやる!

SPD   :    早く渡る、妨害も当たらなければ問題無い

WIZ   :    渡るためにいろいろ計算している、角度とか

👑11
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●このフラグメントってジブラルタル海峡ですよね?(おっさんホイホイ)
 迷宮に足を踏み入れた一行の目に飛び込んできた光景は異様な物だった。
 木で出来た細い吊り橋だが、手を掴む所は無い。
 落ちたらその時点でアウトと言う事なのだろうが、落ちた先には魔法陣のような物がいくつもある。
 行き先は奈落の底と言う事ではないのだろうか?
「これ、結構長いな……渡りきれるのか?」
 新入生のアインが橋の長さに恐怖を感じる。
 そう、彼の言う通り橋は結構長く、ゆらゆらと揺れているのだ。
 渡りきるにはバランス感覚も必要なのだろう。

「せ、先輩にいいとこを見せてやるぜ! オレが行きます、見ててくださいッ!」
 そんな中、新入生のバンディが勇気を出して一歩前に出る。
 そして、慎重に一歩ずつ両手を広げてバランスを取りつつ前進していく。
 いい感じに進めている……誰もがそう思った時、ズドンと言う音が響く。
 一体何事かと思い、音の先を見ると魔法か何かで召喚された大砲が何台か宙に浮いていた。
 大砲は橋を進むバンディへ向けて、何かを砲撃しているではないか!
 よく見れば、それは球技に使われる球……例えるならバレーボールだ!
 本物の砲弾でないだけマシではあるが、これも災魔の仕掛けたトラップなのか!?
 むしろ『どこの痛快なりゆき番組だよ!』と内容的に一部の世代はツッコまざるを得ないだろう!
「あだッ!? あ、あわわ、あ、うわぁぁぁーーーッ!?」
 それはともかくバンディは突然飛んできた球を避けられず、腹部に直撃しバランスを崩して落下!
 そのまま奈落の底へ……とは行かず、魔法陣に吸い込まれるとスタート地点に落とされる。
 ひとまず転落死する危険性は無いようだが、渡りきらなければならない点は難易度が高いと言えよう。
「何よ、こんなところ飛んでいけば楽勝でしょ!」
 そう言うと、新入生のレニーは魔法を詠唱するのだが……
「え、あれ? ……なんで? 魔法唱えてるのに!?」
 何も起きない。
 どうやらここでは魔法は無効化されてしまうらしい。
 浮遊してズルをする事も出来ないようだ。

 進めば砲撃による妨害、落ちればスタート地点に戻され、魔法も使えない。
 さあ、猟兵達はこのトラップまみれの部屋をどう抜けるのか!?
 そして、新入生達をどう渡らせるのか!?
千代月・陽華
ふふ、理想的なお姉様とお近づきになれた今のわたくしは、精神的に無敵!
こんな橋など軽く攻略してご覧に入れましょう

まずはヴェルお姉様をいわゆる、お姫様抱っこします
お姉さま、足元を失礼いたします
お姉さまの感触を両腕に感じつつ、胸をお姉さまにおしつけつつ

SPD特化型のわたくしが、全速力で橋に突っ込みます
うぉぉぉぉぉおぉおおおお!!!
ボールが飛んで来たら、お姉様を守って、身体を張ります
そのボール、ライフで…もとい顔面で受けます! ヘッブッ!?

スタートに戻されたらお姉さまのクッションになって、お尻の感触を堪能しましょう
フェヘヘ… お姉さまがご無事なら、踏まれても平気でございます

あとは、何度でも橋に挑みます



●陽華、燃ゆ(主に斜め上へ)
 一行の入った迷宮は、早々に厄介な物であった。
 いかにして障害を掻い潜り、この吊り橋を渡るのか。

 猟兵達が色々考えている中で、真っ先に前に出たのは陽華だ。
「ふふ、理想的なお姉様とお近づきになれた今のわたくしは、精神的に無敵! こんな橋など軽く攻略してご覧に入れましょう」
 歓迎会で『理想のお姉さまをゲットする』と言う目的を早々に達成した事もあってか、その目にはやる気の炎が宿っている。
「と言う訳でお姉さま、足元を失礼いたします」
「えっ、ひゃっ!?」
 陽華が早速お姉さまと慕う新入生、ヴェルをお姫様抱っこで持ち上げる。
「ひ、陽華さん……その、私ミレナリィドールだから少し重い……」
「うふふ、これくらいなら全然軽い方ですわ!」
 などと言いつつ、その手はヴェルの体を余す事なく堪能している。
「あっ、柔らかい……そしていい匂いも……グヘヘ」
 陽華が既にヤバい顔をしているような気もするが、多分気のせいだろう。
「これでもわたくし、足の速さには自信がありますの。……大丈夫、お姉さまには傷一つ付けずに渡ってみせますわ!」
「そ、それじゃあお願いするわね?」
「では、参ります……うぉぉぉぉぉおぉおおおお!!!」
 雄叫びと共に陽華が駆け出す。
 確かにその足の速さは本物であり、スタート地点にてその様子を見守っている一行が感嘆の声を上げる。
 そこへ砲撃音と共にボールが飛来するも、上手く回避!
「お姉さまには傷一つヘッブッ!?」
 だが無常にもボールが陽華の顔面に直撃!
 そして二人して転落し、スタート地点へ落とされる!!
「わひゃっ!?」
 そのまま振り出しに戻された二人だったが、陽華がクッションとなった事でヴェルは無傷……だったの、だが。
「あぁー、これがミレナリィドールのお尻の感触……フェヘヘ」
「陽華さん……だ、大丈夫ですか?」
「うふふ、愛に障害は付き物! この程度、なんて事ありませんわ!」
 実に陽華が幸せそうな顔をしている。
 そう、理想のお姉さまをゲットした今の陽華は愛に生きるラブ・ファイターなのだ。まあその動機が割と不純な気もするが……。
「さあお姉さま! どんどん行きますわ、愛の向こう側へ!!」
 そう叫び、陽華はまたヴェルをお姫様抱っこで駆け出した。

 ……なお結果だけ言えば、17回目のチャレンジで二人は渡りきる事に成功。
 陽華曰く『これが愛の力! ですわ!!』との事らしい。

 愛、怖いなあ!!

成功 🔵​🔵​🔴​

アーチス・カーライル
アドリブ・絡みOK

落ち――って魔法陣で復帰するのね、よかったぁ。
怪我も特にはしないみたいだし…じゃあ話は簡単じゃない!
直球勝負で突き抜けるのみ、よ。

精霊術や魔法だけが取り柄じゃ探求者なんてやっていけないんだからっ!
ここはっ【見切り】でボールの動きを読んで……避ける!
そんでもって避けれそうにないのは杖で打ち返す!こう、ホームランを打つ気持ちで!
多分これでオッケーよ!



●かっ飛ばせ!アーチス
 陽華の(半ば邪な)執念?により、陽華とヴェルの二人が吊り橋を突破。
 だが、新入生はあと五人スタート地点に残されている。
 猟兵達はどうやって、彼らを抜けさせるのか?

「ふむふむ……魔法陣で復帰するのね、よかったぁ。怪我も特にはしないみたいだし…じゃあ話は簡単じゃない!」
 先程の挑戦の様子をよく観察していたアーチスが自分なりの結論を出す。
「アーチス先輩、秘策があるんですか!?」
 ケットシーの新入生、ルイコが尋ねる。
「もちろん! 直球勝負で突き抜けるのみ、よ」
 ニヤリと笑うアーチス。
「えっ、でもここって精霊術も魔法も効果が無いんじゃ……」
「うん、まあそうなんだけど。精霊術や魔法だけが取り柄じゃ探求者なんてやっていけないんだからっ!」
 そう言うと、愛用のエレメンタルロッド『星と叡智の杖』を取り出す。
 三日月と星の装飾、そしてピンクの可愛らしいリボンが付いた物だ。
「それじゃ、行くよっ! よーく見ててね!」
 アーチスが吊り橋を渡り出す。
 探求者なだけあってか、このような場所を歩くのにも慣れているようだ。
 そして少し進んだところで、召喚された大砲からの砲撃が始まる。
「ボールの動きを読んで……避ける!」
 飛んできたボールを見切り、バランスを崩さない僅かな動きで避ける。
 一つ二つとスイスイ回避しながら前進していく。
「凄い、ああやって避けられるの……あっ、アーチス先輩危ないっ!」
 ルイコが思わず叫ぶ。
 死角から飛んできたボールがアーチスの背を襲う!
「ちぇすとぉぉぉーーーっ!」
 だが、それも見えていたかのように叫びと共に振り返ると星と叡智の杖を……フルスイングし、打ち返す!!
 そのまま打ち返されたボールは大砲に直撃し、大破する。
「そ、そんなのアリなのぉーっ!?」
 アーチスの予想外の行動にルイコはただ驚愕するばかり。
「って言うか、エレメンタルロッドそんな風に扱って大丈夫かな……?」
 そして至極もっともな事を言う。
 だが、精霊も魔法も使えないこの場においては適応力と応用力が試される。
 そう言う意味では、アーチスのこの行動も正解と言えるのだ。
 ……多分。
「さあさあ、どんどん撃ってきなさい! 全部打ち返すんだからっ!」
 不敵に笑うアーチスに、大砲が向けられる。
 その後、砲撃が集中し……。

 結局アーチスは見切りと打ち返しで砲撃を切り抜け、落ちる事なく突破。
 後に続くルイコも、見よう見まねでなんとか抜ける事が出来た。
 まあそのほとんどがポテンヒットだったのだが、終わり良ければである。

成功 🔵​🔵​🔴​

アルフェミナ・オルフェナウス
りっくん(f09595)と一緒に参加します!

こ、今年の迷宮チャレンジはずいぶんトリッキーですね!?
私たちの時はもう少し力押しでいけたような……
とにかく、これが試練だというなら、乗り越えましょう!

んー……りっくん、あれ(バレーボール)撃ち落とせます?
撃ち落としていけるならだいぶ楽になりますよね。
試してみましょうか!

届かないところでなお狙われるなら、私が同行しましょう。
新入生を「かばう」ことでボールを私が受ければきっと行けるはずです!
「ここです!さあ、先へ!」
落ちても戻されるだけなら怖くないですからね!

新入生が渡りきったら私たちも渡りましょう。
飛んでくるボールは全部斬り払います!
「……よっと!」


リチア・スィール
アルねーちゃん(f09594)と一緒に

今年は楽しそうだねー、でもだからって気を抜かずに!
先輩の連携見せてやるぜー!
見てなよ、アイン!他の皆も!

あの球?おっけー任せといて!
[第六感]で飛んできそうな球に向かって【クイックドロウ】!
「このくらい朝飯前、ってねー!」

「オレだとこの先届かない、ねーちゃん頼んだぜ!」
アルねーちゃんがかばって、無理なところはオレが撃ち抜く!
大丈夫、みんなで助け合えばしっかり行ける!
オレたち冒険者は一人一人でも協力できるのが強みなんだからさ!

みんなのサポートをしながらみんな終わったら一気に駆け込む!
「へへ、このくらい簡単簡単ーってね!」



●先輩、奮戦す
 ここまで四人二組が吊り橋の突破に成功。
 多少イレギュラーな手も使っているが、突破出来ればなんとやらである。
 残りの面々はいかにして突破を図るのであろうか?

「こ、今年の迷宮チャレンジはずいぶんトリッキーですね!? 私たちの時はもう少し力押しでいけたような……」
 アルフェミナが今年の歓迎会の様子に少なからず驚く。
 ふと自分達の頃の事を思い出すも、常に迷宮が広がっているアルダワでは年々内容が複雑もしくは過激化しているのは事実だ。
「今年は楽しそうだねー、でもだからって気を抜かずに!」
 そんなアルフェミナとは対照的に、リチアは楽しそうな様子だ。
 毎日のように迷宮探索を行っているのを楽しんでいるようにも見える。
「とにかく、これが試練だというなら、乗り越えましょう!」
「先輩の連携見せてやるぜー! 見てなよ、アイン! 他の皆も!」
 そう言うとアルフェミナが前に、リチアが後ろに立つ。
「は、はいッ! しっかり学ばせてもらいます!!」
「うっす! なるべくオレ達にも出来るような感じでお願いします!!」
 その様子を見守るアインとバンディ。
 ハッキリと言い切ったからには、無様な姿は見せられない。
「じゃあ行くよ、りっくん!」
「オッケー、やろうぜ! アルねーちゃん!」
 二人が第一歩を踏み出す。
 吊り橋を慎重に歩くのではなく、しっかりとした足取りで前進していく。
 それから少し進んだ辺りで、迷宮の魔術か何かで召喚された砲台が新たに出現する。いくつかは先程のアーチスが打ち返す事で大破させていたが、いくら壊してもまた新しく現れるようだ。
「んー……りっくん、あれ撃ち落とせます? 撃ち落としていけるならだいぶ楽になりますよね」
「あの球? おっけー任せといて!」
 声を掛け合い、しっかりと連携を取る二人。
 そんな中で砲台の狙いがそれぞれ向けられる。
 そして、砲撃!
「おっと、止まって見えるぜ! そこだ!!」
 リチアが飛んできそうな球を素早くクイックドロウで撃ち落とす!
 一瞬で撃ち抜かれ、穴だらけになった球が狙いを大きく外して虚空へと落ちていく。
「オレだとこの先届かない、ねーちゃん頼んだぜ!」
「任せて!」
 アルフェミナが飛来してきたボールを切り払う!
 高速で飛来した球であっても、猟兵であれば大した事はない。
「アルねーちゃんがかばって、無理なところはオレが撃ち抜く! 大丈夫、みんなで助け合えばしっかり行ける! オレたち冒険者は一人一人でも協力できるのが強みなんだからさ!」
 連携と協力の大事さを、球を迎撃しつつ語るリチア。
 喋りながら迎撃はなかなか大変な事だが、それをやってのけている。
「そうか……あの二人のように連携して進めば!」
「オレらにも出来るかもしれねえ! っしゃ、アイン!!」
 アインとバンディがお互い頷くと、武器を手に吊り橋を渡り始める。
 当然、渡り始めた二人にも砲台が向けられ、砲撃が飛んでくるのだが……。
 飛んできた球をアインがバスタードソードで切り払い、遠くからの球はバンディのガジェット(高圧縮蒸気銃)で撃ち落とす。
 さすがにアルフェミナとリチアのように、簡単に落とせている訳ではないが……それでもそれなりに連携が出来ており、しっかりと前へ進めている。
 そして先行した二人に何とか追いつき、合流に成功した。
「二人とも、なかなかいい感じですよ!」
「さあ、ここから一気に進もうぜ!」
「とは言え、油断は禁物です! まあ、落ちても戻されるだけなら怖くないですからね!」
 しっかりと新入生二人を鼓舞しつつ、前進を再開する。
 しかし渡る人数が増えた事で、召喚された砲台も増えている事に気付く。
 そこへ容赦ない砲撃の嵐が牙を剥く!
「うわッ……さ、捌ききれるのか!?」
「リチアさん! アルフェミナさん! どうすりゃいいんスか!?」
 なんとか迎撃をしてはいるが、このままではまた落とされてしまう。
 防戦一方になりかねないと思ったその時、二人が動く。
「りっくん、ここは……」
「よしきた! ……二人とも、ここはオレらが受け持つから一気に向こうへ突っ走るんだ!!」
 あえて攻撃をこちらに向けている間、新入生二人を行かせようと言う事か。
 経験豊富な猟兵なら、万一落ちてもすぐ戻れるはずだろう。
「大丈夫、私とりっくんならなんとかなります! 合図と共に行って下さい!」
「準備はいいか? 3……2……1……今だッ!」
 リチアが砲台に向けてクイックドロウを放ち、攻撃の目を向ける。
 そして飛来した砲撃を撃ち落としつつ、落としきれない分をアルフェミナが無敵城塞で受け止める!
 その隙を突いて、新入生二人が形振り構わず駆け出した!!

 ……結果的に言えば、この狙いは大当たりであった。
 砲撃が猟兵二人に向いている事もあってか新入生を逃がす事は容易く、およそ十秒後くらいには吊り橋の向こうへ渡りきった姿が。
 こうなってしまえば、後は楽勝である。
「……よっと!」
 再びアルフェミナが球を切り払い、リチアが撃ち落としつつ前進を再開。
 そのまま二人も難なく吊り橋を突破する事が出来た。
「へへ、このくらい簡単簡単ーってね!」
 余裕そうに笑うリチア。
 新入生と言うお荷物があっても、そこまで大した事ではなかったようだ。

 ……さて、ここまで来て残りの新入生はあと二人。
 彼女らは無事に渡りきれるのであろうか?

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

テルプ・ステップアップ
SPD
僕の動きについこれるかな?
バレエの独特の動きと柔軟なバランスと身軽でアクロバテックな動きで一気に渡りきるよ。
その後エレクトロレギオンで砲撃から新入生を守って渡らせるよ。
数に限りがあるから早く渡ってねー


カタリアンナ・バソリー
武器庫からは手ごろな盾を持っていきますわ。
新入生を守るのが、今回の役目ですものね。

それにしても、この橋…魔法以外でも、浮遊できないのでしょうか…
(普段禄に体を動かさない、超貧弱虚弱少女の独り言)

…止むを得ません。魔法でも、念動力でもない方法で飛ぶしかありませんわね。
椅子はここに置いていきましょう。
盾は…どなたか親切な猟兵の方が運んでくださるといいのですけれど。

蝙蝠の群れに変化して、大砲の射線に入らないように飛んでいきます。
橋を渡りきったところで元の姿に戻り、浮遊させた盾に腰掛けますわ。

新入生を手助けする余裕すらないのは悔しいのですが…
危険は無いようですから、静かに見守ることとしましょう。



●少女達の奮戦
 猟兵の奮戦により、この吊り橋も攻略されつつある。
 残る新入生は人間のレニーと、ミレナリィドールのエリスの二人。
 彼女達がこの橋を渡りきれば、この難関は完全突破となるが……。

「むむむ……」
 仲間達や新入生が次々と突破していく様子を見て、カタリアンナは一人難しい顔をしている。
 それと言うのも、この領域そのものが魔術や精霊術、はたまた念動力などを打ち消してしまう物であった。
 アルダワにはこう言った魔力の類を無効化する場所がある、と言う話は聞いた事がある。
 だが実際それに直面すると、こうも厄介な物なのかと思い知らされる事となるとは……。
「それにしても、この橋……魔法以外でも、浮遊できないのでしょうか……」
 先ほどから何度となく念動力を総動員しているのだが、愛用の椅子はピクリとも動かない。
 防御用として、武器庫から扱いやすいサイズの盾を拝借したが、役立てるかどうかも不明だ。
 普段体をロクに動かさない超貧弱虚弱である事を呪うしかなかった。
「……止むを得ません。魔法でも、念動力でもない方法で飛ぶしかありませんわね。椅子はここに置いていきましょう」
 そう言うと、カタリアンナは立ち上がる。
 するとそこへ、レニーが声をかけてきた。
「あ、あの! カタリアンナ先輩! その椅子、あたしが持っていきましょうか?」
「えっ、でも……」
 レニーからの突然の提案にやや困惑する。
「お茶会でお話を聞かせてもらいましたけど、大事な愛用品なんですよね? やっぱり、それが無いのは調子が出ないんじゃないかって思いますし……それにこう言う時こそ、協力とか助け合いが出来ればって」
 真剣な目をしている。
 確かにその申し出は嬉しいが……。
「でも、どうやって渡れば? 私はともかく、あなた達では少し……」
「はいはーい、だったら僕の出番だね!」
 そこへ現れたのはテルプ・ステップアップ(超速天然プリマ・f01948)。
 お茶会には出ていなかったが、迷宮探索の助っ人としてやってきた猟兵だ。
「要するに、新入生の子達の手伝いが出来ればいいんだよね?」
「え、ええ。そうなりますわね」
「じゃあ、カタリアンナさんが渡りきった後に僕がなんとかやってみるよ」
 テルプには秘策があると言う事なのだろう。
 同じ猟兵であれば信じられるはずだ。
「……分かりました、では私は先に行かせていただきますわね」
 そう言うと、カタリアンナは前へ踏み出し小型蝙蝠の群れに変身する。
 先ほどアルフェミナとリチアが見せたように、ここではユーベルコードが無効化されるような事はないのは確認済みだ。
 そのまま小型蝙蝠の群れとなったカタリアンナは、上手く砲台の射線に入らないように飛行する。
 ……もっとも、これだけ小さい群れでは狙いがまともに定まる訳もなく、どこを狙えばいいのか分からないまま砲塔が右往左往するばかりで、一発も撃たれる事はなかったのだが。
 そうしてカタリアンナは難なく吊り橋を渡りきり、元の姿に戻る。
「新入生を手助けする余裕すらないのは悔しいのですが……危険は無いようですから、静かに見守ることとしましょう」
 そう言い、吊り橋向こう側……スタート地点へと目を向ける。
「カタリアンナさんは無事に渡りきれたようだね。それじゃ、僕の番かな」
「テルプ先輩、あの、一体どうやってあたし達を……?」
「僕が渡りきった後で援護をするから、その時にね?」
 テルプがウィンクすると、そのまま吊り橋へと駆け出す。
 それに反応するかのように、砲台が向けられボールの砲撃が始まる。
「さあ、僕の動きについてこれるかな?」
 そう言うと、バレエの独特の動きで飛来する球を避ける。
 その様子は実に華麗であり、新入生達は思わず息を呑む。
 柔軟なバランスで体を逸らし、足を広げ、そして飛ぶ!
 ここが吊り橋の上である事を忘れるほど、場を支配しているとも言えよう。
 テルプは元々はモーションレクチャーの教材プログラムである事から、その手の動きは教科書通りのまさにお手本とも言える物であった。
 そして、身軽でアクロバティックな動きをもって無事に吊り橋を渡りきる。
 短時間の間ではあったが、その動きに新入生たちは魅了されていた。
「よし、こんなところかな。……それじゃ、援護行くよー!」
 スタート地点へ向けてテルプが叫ぶと、エレクトロレギオンを発動。
 85機の小型の戦闘用機械兵器が召喚される。
 この場にも対応出来る、飛行型の小型砲が付いたドローンだ。
 ドローンは一斉に召喚された砲台に向けて攻撃を行う。
 攻撃を受けて破壊された砲台は新しく召喚され、反撃を行う。
 反撃されたドローンは一発で消滅するが、まだ数に余裕はあるようだ。
 狙いは完全にそちらへと向けられている。
 渡るチャンスは今しかない。
「数に限りがあるから、急いで渡ってねー!」
 そうテルプが呼びかけると、レニーはカタリアンナの椅子を。
 エリスはカタリアンナが拝借してきた盾を持って、吊り橋を駆ける。
 先に渡りきった一行が見守る中で、吊り橋を渡る二人が着実に前進。
 ……そして、ついに。
「……よし、渡りきったわ!」
「や、やりました……っ! テルプ先輩、あの、ありがとうございましたっ!」
 残った新入生二人も、無事に吊り橋を突破する事に成功した。
 気付けばエリスも一緒だった訳だが、本人曰く『一歩踏み出す勇気を出すのは今しかなかった』との事らしい。
 おそらく、レニーが行く前に勇気を振り絞って一緒に行くと言ったのだろう。
 この場において、少しだけエリスは成長出来たのかもしれない。
「ささ、カタリアンナ先輩。愛用の椅子、確かに持ってきましたよ!」
「……ええ、ありがとう」
 新入生の協力が少しだけ嬉しかったカタリアンナであった。

●難関突破
 一行は新入生達も含め、どうにか全員が橋を渡りきる事に成功した。
 だが、アルダワ迷宮のハードっぷりに一部は既にヘトヘト気味である。
「オレ、ここの迷宮がこんな過酷な物だったなんて知らなかったっス……」
「これがアルダワの迷宮なのか……思った以上にキツい、ですね」
 アルダワで楽しい学園生活を夢見ていたが、その過酷さを早速思い知る。
 だが、これくらいでへこたれていては英雄になる事など夢のまた夢なのだ。
「せ、先輩……確かこの先にいる災魔の群れを倒せば、今日の歓迎会は終了なんですよね? アタシ達、大丈夫なんでしょうか……」
 どんな災魔がいるのか分からず、ルイコが心配そうに尋ねてくる。
 事前説明によれば戦闘力の低い災魔がいるとの事らしいが、彼らからすれば強敵かもしれない。
 新入生達をどう導き、どう戦い、そして倒すのか。
 それも今から考えねばならないだろう。

 一行はいよいよ迷宮最深部の部屋へと突入するのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第3章 集団戦 『ふよふよくらげ』

POW   :    ふよふよ、とうめいになる
全身を【うっすら透明っぽい姿】に変える。あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になるが、自身は全く動けない。
SPD   :    ふよふよ、ぴゅーっとする
【空中をふよふよすること】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【口から噴き出した水】で攻撃する。
WIZ   :    ふよふよ、しびしびする
【ふよふよした全身】から【高圧電流】を放ち、【感電】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●くらげでポン
 一行は武器をそれぞれ握り締め、部屋へと踏み込む。
 その部屋はかなりの広さであった。
 そして内部には無数の何かがふよふよと空中を漂っているではないか。
 よくよく見れば、それは……。
「え、くらげさん……?」
 どんな災魔が現れるのかと警戒していたエリスが、予想外の敵に面食らう。
 もっと凶暴な何かが現れるとばかり思っていたのだが、これには拍子抜けだ。

「あら、可愛い。この子達が災魔だなんて信じられませんわ……」
 ヴェルが興味を引かれたのか、くらげの一匹に近寄る。
 すると、それに気付いたのかくらげも近付いてくる。
 このくらげ達は人懐っこいのだろうか?
 だが、その直後であった。
「おいでおいでー……わぷっ!?」
 目が合った瞬間、くらげの口から水鉄砲のごとく噴き出した水が顔面に!
 そして更に!
「あばばばばばばばばばば!?」
 突然くらげが全身から高圧電流を放ち、触れようとしたヴェルに直撃!
 感電で体が透けて、ミレナリィドールの骨組みが丸見えに!!
 ……そう、例え可愛い外見であっても、このくらげ達は災魔なのだ。
 新入生達は慌てて戦闘態勢を取る。
 こいつらを倒さなければ、自分達も痛い目に遭う。
 猟兵達からすれば全く相手にならないだろうが、これだけの数だ。
 彼らからすれば強敵と言っても過言ではないだろう。
 幸い、先程の迷宮と違って魔法などは普通に使えるようだが……。
 果たして一行はどうやってこの場を切り抜け、くらげ達を一掃するのであろうか?

 ……あ、さっきの盛大に感電したヴェルですが特に命に別状はありませんので、ご安心下さい。
リィナ・エアリアル
「最後に謎の転入生登場、なんてね。戦闘のお手伝いをさせてもらうわ。」
簡単に倒しちゃったら新入生達のためにはならないから
ちょっと追い立てるつもりで…

SPDで最初の一体だけ倒して後は羊飼いの犬の様にくらげ達を一か所に留めて、生徒達に頑張ってもらいましょう。
「当たるとか気にしないでクラゲたちを攻撃してね!」

最後まで生徒達に任せたいけど、攻撃されそうだったら助けつつ反撃ね。

「手強かった?それとも意外になんとかなった?
協力すればなんとかなることもあるから、なるべく助け合ってこれからの学園生活を送ってね」


アーチス・カーライル
アドリブ・絡みOK

あらら、これはまた可愛い災魔だわ…でも倒さなくちゃいけないのよね。

精霊術でどっかーんと一網打尽にしてもいいけど、
ここは後輩がちゃーんと育ったか見て後押ししするところね!

これだけ数が居ると新入生にはちょっと危なそうだし、
お手本代わりに数を減らしておこうかしら。
【アコール:ラファル】で雷の魔弾で何匹か仕留めちゃうから!
雷の魔弾よ、適当にそこらへんのくらげに向かって何か適当に駆け抜けろー!

さぁ、あとは後輩たちにお任せ、かな?
ちゃんと立派なところ見せてよね!


アルフェミナ・オルフェナウス
りっくん(f09595)と一緒です!

なんだか気の抜ける見た目の災魔ですが、敵愾心は十分なようですね!
新入生もいますから、手を抜くことなく行きましょうか!

みなさんをかばうべく、前に出ます!
「さぁ、みなさんは無理しない程度に頑張ってくださいね!
大事なのは助け合う心と連携ですよ!」

りっくんと一緒に敵を足止めしながら、新入生たちが攻撃しやすいように援護していきます。
新入生に向かう攻撃は『武器受け』で『かばう』です!
「敵の動きをよく見てくださいね!透明なやつは無視で構いませんから!」

少しは私も良いところ見せないとですよね!
敵がまとまった所に【エレメンタルスラッシュ】です!
「行きますよ!ベンド、解放ッ!」


リチア・スィール
アルねーちゃん(f09594)と最後まで!

さあ最後だぜ、気を引き締めて!
これから長い学園生活の始まりを花火みたいに綺麗な戦果で締めようぜー!!

アルねーちゃんと二人で新入生の援護に回る。
今回の主役はオレたちじゃないからね、でも出来るだけ怪我とかさせないよに!
「ねーちゃん、背中貸して!一緒に前で戦うぜ!」
【零距離射撃】を活かしてねーちゃんと背中合わせに迎撃。
後輩だけじゃなくてねーちゃんにもかっこいいとこ見せてやる!
水は少し貰っても気にするもんか、後でお風呂に入れば解決だ!
数が溜まってきたら切り札解放、前に飛び出て【零距離射撃】+『月へ至る翼』!

「後は頼むぜ、思いっきりやっちゃえー!」


カタリアンナ・バソリー
新入生を手助けするはずが、逆に気を遣われてしまうなんて…
戦闘で挽回しなくては、立つ瀬がなくなってしまいますわね。

さあ、新入生の皆様は一度私の後ろで息を整えて。
そちらに攻撃を通すつもりはありませんが、緊張感は失わないでくださいな。

椅子を下ろして構え、
新入生達が逃げ込めるような安全地帯を自分の後ろに作りましょう。
念動力で盾を操って攻撃を防ぎつつ、千刃の奔流でくらげたちを攻撃します。
折角運んでもらった盾と椅子、役立てなくてはいけませんね。

左手と盾、右手と武器をそれぞれ連動させて、指揮者の様に操ります。

戦闘が終わったら後ろの新入生達に微笑んで。
警戒を解いて大丈夫であることを伝えます。


千代月・陽華
開幕初手で、荒魂・天叢雲をぶっ放します
阿修羅のような形相で「お姉さまの仇…… 貴方がたの運命はデッドオアデッドでございます」
と告げて威嚇します

え? 死んでいない。これならば、お姉さまの身の安全を最優先にしなければ! と武器を放り出して、ヴェルお姉さまのもとに駆け付けます
クラゲなどガン無視で

途中でクラゲの触手から電撃とか喰らうかもしれませんが「コレはお姉さまとの、恋の電撃!」と無理やり無視

お姉さまに纏わりついてるクラゲには、武器など無粋、真の淑女は素手で殺す!とクラゲをグーで殴りつけます

後は、お姉さま救出行。ヴェルさまをおんぶして、お尻の感触を確かめつつ。一目散にクラゲの攻撃範囲内から離れますわ


テルプ・ステップアップ
さてさて僕たちが攻撃すれば楽勝だけど新入生の子達のためにならないね。
う~ん、じゃあ僕が敵の真ん中に飛び込んで鼓舞1と時間稼ぎ1で相手のヘイトを煽るの!ちょこちょこ攻撃して逃げるから
そのうち僕を追うことに夢中になってくれれば
準備OK!
敵中でパーフェクト・レヴェランスを発動!
その場で動けなくなるけど今なら新入生たちが総攻撃してもすぐに対応できないの。おっと僕のことは気にしないで僕ごとぶっ放せー♪



●みんなでくらげをやっつけろ!
 ふよふよ……ふよふよ……。
 この広い空間を水槽のように漂う無数のくらげ。
 こいつらを倒さなければ、歓迎会は終わらないのだ。
「あらら、これはまた可愛い災魔だわ……でも倒さなくちゃいけないのよね」
 姿を見せたくらげの群れを見て、アーチスが率直な感想を口にした。
 確かに見た目だけで言えば可愛らしいが災魔である以上は……だ。
「……っと、いけない! ヴェルを助けに……」
 先ほど盛大に感電し、その場にへたり込んだヴェルを助けに向かおうとする。
 見ればまるでエサに群がる魚のように、くらげの群れが彼女へと殺到!
 このままでは更に高圧電流を流し込まれ、頭がおポンチになってしまう!
 ……が、それよりも早く疾風のごとき勢いで群れへと向かう影が一つ。
 誰かはもう言うまでもないね!

「甦れ、嵐の大蛇龍!! 全て吞み喰らい、荒魂の神威を示せ!! 顕現せよ、嵐の禍!!」
 ヴェルへ群がろうとしていたくらげの群れを、陽華の荒魂・天叢雲が一瞬で消し飛ばす!
 嵐の顕現たる水と風と雷の三重属性の魔力ともなれば、実際オーバーキルもいいところだ!
「お姉さまの仇……貴方がたの運命はデッドオアデッドでございます」
 阿修羅の形相をした陽華がくらげの群れを威嚇する。
 その威圧感から、くらげの表情がどこか恐れを成しているようにも見える。
「ひ、陽華さん……」
 弱弱しい声を出すヴェル。
 ……そもそもあの程度の電撃では、別に死ぬようなほどでもないのだが。
「え? お姉さま!? よかった、死んでいない。これならば、お姉さまの身の安全を最優先にしなければ!」
 そう言うと陽華は長刀を放り投げ、素早くヴェルのところへ駆け寄る。
 だが、先ほど威嚇されたくらげが防衛本能で高圧電流を放つ!
「コレはお姉さまとの、恋の電撃! ……んぎぎぎぎ!?」
 この程度の電撃がなんだとばかりに、感電して骨が透けた状態でも前進!
 そして、新たにヴェルへ纏わり付こうとしていたくらげを……。
「真の淑女は素手で殺す!」
 と、どこぞのインドの英雄を思わせるセリフで鉄拳制裁!
 哀れ、殴り飛ばされ床に叩きつけられたくらげが消滅する。
「お姉さま、一旦安全なところへ!」
 陽華は素早くヴェルを回収し、おぶって後退する。
 ……無論、その手はお尻の感触をちゃっかり確かめていたが。
「……ふふっ」
 後退中、不意に背中からヴェルの笑い声が聞こえてきた。
「お姉さま? どうなさいました? まさかさっきの電撃でおかしく……」
「あ、ごめんなさい……少し、楽しく思えてきたんです。家にいた頃は不自由こそ無かったけど、刺激のない生活ばかりで。でも、ここに来てから、何だか楽しくなってきて……」
 そう言う意味では今日、陽華や他の先輩に出会えて良かった。
 だからみんなに感謝している……と、ヴェルは言った。
「ああ、お姉さま……初めて笑ってくださいましたのね……」
 ヴェルの言葉に嬉しさがこみ上げる陽華。
 ……が、それは(案の定)間違った情熱に火を付けてしまう。
「よし、お姉さま! このままどこかへシケ込んで、愛の逃避行に……」
 まだ戦闘が終わってないのでダメです。

「……ヴェルの方は大丈夫みたいね。いや、大丈夫なのかなぁ……?」
 一度安全なところへ後退した二人を見て、アーチスがやや心配になる。
 先ほどの陽華が何匹か一掃したが、くらげの群れは相変わらず健在だ。
「んー、精霊術でどっかーんと一網打尽にしてもいいけど、ここは後輩がちゃーんと育ったか見て後押ししするところね!」
「あ、あの……アーチス先輩」
 声をかけてきたのはエリス。
 確か彼女はビーストマスター、動物を使役して戦うジョブだっただろうか。
「私も、ちゃんと戦いたいです……でも、まだあんなにいっぱい数が……」
「確かにこれだけ数が居ると新入生にはちょっと危なそうだし、お手本代わりに数を減らしておこうかしら」
 星と叡智の杖をくるりと振りかざし、アーチスが詠唱を行う。
 バチバチと杖がスパークを起こし、魔力が充填されていく。
「雷の魔弾よ、適当にそこらへんのくらげに向かって何か適当に駆け抜けろー!」
 なんとも適当な感じの掛け声だが、アコール:ラファルがくらげの群れへ次々と飛んでいく。
 放たれた雷の魔弾の威力は、くらげの放つ高圧電流とは比べ物にならない威力を誇り、魔弾が直撃したくらげは一瞬で消滅する。
 もちろん、威力はある程度の加減をしており自分達は新入生のサポートである事は忘れていない。
「す、凄い……くらげさんがどんどん消えていく……」
 アーチスの実力を目の当たりにし、エリスが驚嘆する。
 先輩は凄腕と聞いていたが、これはまさに想像以上の力だ。
「さぁ、あとは後輩たちにお任せ、かな? ちゃんと立派なところ見せてよね!」
「は、はいっ!」
 アーチスの激励を受け、エリスが奮起する。
 横笛型の獣奏器を鳴らすと、どこからともなく小熊とフクロウが現れる。
「お願い、あのくらげさんをやっつけて!」
 呼びかけに応えるかのように、くらげの群れへ果敢に飛びかかる二匹。
 多少手間取ったりはしているが、一匹ずつ着実に仕留めていく。
「おー、いいぞー! その調子で頑張ってー!」
 これ以上手出しはすまいとアーチスは見守る側へ。
 本当に危ない状況になったら助けるが、それまでは様子見である。

「うん、いい子よ。次はあっちの……」
 小熊に次の指示を出そうとした時、死角から姿を見せたくらげが接近!
 このままでは水鉄砲か電撃を浴びせられてしまう!
 だがその時、一陣の風が吹く!
「えっ……?」
 エリスが突然の風圧に気付くと槍で串刺しにされたくらげ……そして鎧装騎兵のような鎧に身を包んだ騎士の姿があった。
「危ないところだったわね」
「あ、あなたは……?」
「最後に謎の転入生登場、なんてね。戦闘のお手伝いをさせてもらうわ」
 疾風のように現れたのはリィナ・エアリアル(蒼い風の槍騎士・f00874)。
 新入生の手助けとしてやってきた猟兵であり、到着が間に合ったようだ。
「とは言え、簡単に倒しちゃったら新入生達のためにはならないから、ちょっと追い立てるつもりで……」
 ブワッと鎧に搭載されたバーニアが広がる。
 高速で槍を用いてくらげを牽制しつつ、少しずつ一箇所へと集めていく。
 くらげ達は翻弄され、目を回しつつどんどん追い詰められる。
 その素早い動きは目で追うのがやっとなくらいだ。
「よし、こんな所かしら?」
 リィナの働きで、くらげ達は羊のように一箇所へ集結させられる。
 ここから一網打尽すれば、その数をグッと減らせるかもしれない。
「さあ、当たるとか気にしないでクラゲたちを攻撃してね!」
 あえて自分はくらげ達を集めるに留めておく。
 リィナも先輩としてすべき事はしっかりと理解しているようであった。
「は、はいっ! ありがとうございます、先輩!」
「エリスさん、私もご一緒しますわ」
「え、ヴェル……さん? は、はい! お願いします!」
 リィナに礼を言うエリスに、戦線に復帰したヴェルがルーンソードを抜いて援護に名乗り出る。
 そして二人のミレナリィドールは、集められたくらげの群れへと攻撃を開始するのであった。

●先輩の真の実力
「へへっ、あっちも頑張ってるなー」
「そうですね、りっくん。私達も負けてられません!」
 少し離れた所で奮戦している仲間の様子を見て、アルフェミナとリチアの二人が対抗心を燃やす。
 とは言え、やる事はあくまで手助けがメインだ。
「さあ最後だぜ、気を引き締めて! これから長い学園生活の始まりを花火みたいに綺麗な戦果で締めようぜー!!」
 気合を入れさせるべく、リチアが声を出す。
「はいッ! 今こそ全力で災魔を倒します!」
「オーケー、リチアさん……いや、親分!」
 真面目に返答するアインと、ノリ良く返すバンディ。
 性格の違いがよく分かると言うものだ。
「なんだか気の抜ける見た目の災魔ですが、敵愾心は十分なようですね! 手を抜くことなく行きましょうか!」
「ねーちゃん、背中貸して! 一緒に前で戦うぜ!」
 頷き、背中合わせで前に出るアルフェミナとリチア。
 二人で新入生をかばいつつ、援護すると言うところなのだろう。
 そうこうしている内に、くらげの一団が少しずつ近付くと一斉に水鉄砲のごとき水噴き出し攻撃が襲い掛かる。
 それを受け止めるアルフェミナとリチア。
「うわ冷たっ! ……っと、今だぜ!」
「さぁ、みなさんは無理しない程度に頑張ってくださいね! 大事なのは助け合う心と連携ですよ!」
 二人が足止めをしている間、新入生に攻撃を促す。
 言われるがままにアインはバスタードソードを振りかざし、バンディはガジェットから高圧縮蒸気弾を撃ち、くらげ達に攻撃する。
 吊り橋の時よりも連携が良くなってきているのか、順調に数を減らせているようだ。
「はぁッ! ……よし、次だ!」
「狙いを定めて……って、なんだ!? こいつら急に透明に……」
「ど、どこに隠れたんだ!?」
 危険を感じたのか、一部のくらげが姿をうっすらと消す。
 これでは攻撃が当てられない。
「敵の動きをよく見てくださいね! 透明なやつは無視で構いませんから!」
 だが、そこへアルフェミナが的確なアドバイスを出す。
 この状況になっては、経験豊富な先輩の助言が全てだ。
「見えてる奴を狙って数を減らすんだ! 消えた奴はその内また出てくる!」
 リチアもそれに続く。
 この災魔の特性はある程度理解しているのだろう。
 頼れる先輩二人のアドバイスを受けて、新入生コンビがまた一匹くらげを退治していく。
 くらげ達も前に出て足止めしている二人の危険性を理解したのか、どうにかしようと集まってくる。
「集まってきましたね。なら、少しは私も良いところ見せないとですよね!」
「へへ、後輩だけじゃなくてねーちゃんにもかっこいいとこ見せてやる!」
 だがこれを好機と見たか、二人が動き出す。
 背中合わせの状態から同じタイミングで離れ、前に出る!
「行きますよ! ベンド、解放ッ!」
「フルオープン! 逃げる場所なんて与えないぜ!」
 アルフェミナがエレメンタルスラッシュによる炎の斬撃を、リチアが零距離で月へ至る翼(モーント・フリューゲル)による複製した射撃武器による無数の連射攻撃をそれぞれ放つ!
 ざっと見て、二十匹以上集まっていたくらげの群れを一瞬で消し飛ばした。
「りっくん、相変わらず絶好調ですね!」
「まーね! けど、ねーちゃんもすっげー一撃だったぜ!」
 お互いの技のキレを褒め合う二人。
 そしてそれを見た新入生は……。
「ほ、炎の一振りでくらげの群れを蒸発させた!?」
「おいおいリチアさんのアレ、今どうやったんだ!?」
 ただ、驚愕。
 こんな技を見せられては当然の反応であった。
「二人とも、油断は禁物ですよ! 敵はまだまだいます!」
「後は頼むぜ、思いっきりやっちゃえー!」
 あまりやりすぎてはいけないとばかりに、引き続きくらげの足止めと援護に戻る二人。あくまで主役は自分達ではないのだ。
「っと、そうだった! ここはオレらがやんなきゃいけねえからな!」
「ああ、先輩方の援護があれば負ける気はしない!」
 気を取り直し、アインとバンディは再び敵へと向かっていく……。

●くらげと戦う、少女達
 猟兵達の援護と新入生の奮戦により、この大部屋を漂うくらげの群れの数は確実に減ってきている。
 倒しては現れ……を繰り返してきたが、そろそろ打ち止めも見えてきた頃か。
「それにしても……」
 愛用の椅子に座り、仲間達が戦う様子を眺めて一人呟くカタリアンナ。
「新入生を手助けするはずが、逆に気を遣われてしまうなんて……戦闘で挽回しなくては、立つ瀬がなくなってしまいますわね」
 吊り橋ではわざわざ椅子を持ってきてくれた、あのアグレッシブさ。
 ならばせめて新入生の頑張りに報いたい。
 そうなれば、自分に出来る事はと思考する。
 先ほどの吊り橋と違い、ここでは自身の力が発揮出来る。
 と、なれば……。
「さあ、新入生の皆様は一度私の後ろで息を整えて。そちらに攻撃を通すつもりはありませんが、緊張感は失わないでくださいな」
 左手には盾を、右手には大型弩砲のスコルピオ・バリスターや同胞殺しの杭、同族殺しの楔をそれぞれ浮遊させる。
 カタリアンナの後ろに安全地帯を作ったとも言うべきであろうか。
「つまりはあたし達はここで、くらげを撃ちまくればいいんですね?」
「それなら狙いやすくなるかも、ですね!」
 同じ精霊術士であるレニーとルイコが武器を構える。
「ええ。数は多いですが、所詮は烏合の衆です。いずれ数も尽きますわ」
「分かりました! ルイコ、やるわよ!」
「うん!」
 レニーが精霊銃から、ルイコがエレメンタルロッドから炎の精霊を放つ。
 まだ力が強くない事から、あまり大きくはないが威力的にくらげを蒸発させるくらいであれば余裕だ。
 連続して放つ事が出来ない分、カタリアンナが千刃の奔流を使って援護射撃をする事で補っていく。
 もちろん、くらげ側も黙ってやられるつもりはないらしく水を噴き出したり高圧電流を放つなどして反撃をしてくるが、それらは全てカタリアンナが左手の念動力で操る盾で全て防ぐ。
 愛用の椅子と一緒にいる事で、本調子に戻ったとも言えるのが幸いしたか。
 かくして三人はくらげを退治し続けていくが……。

「せ、先輩、アタシちょっと疲れてきました……」
 疲労からか、ルイコが肩で息をする。
 精霊を行使すると言う事は、精神を消耗する事でもある。
 それが何度となく続けば当然、疲労は避けられない。
「そうですわね……そろそろ一網打尽、と行きたいところですが……」
 思っていた以上に、この部屋に生息するくらげの数は多かった。
 何かいい手は無いものかとカタリアンナが思案する。
「ねえねえ、ちょっといい? さっき別の子が一箇所にくらげを集めてたのを見たんだけど、それと同じ事が出来れば行けるんじゃないかな?」
 ふと、仲間達が戦っている様子を見ていたテルプが声をかけてきた。
 リィナがやっていた事を同じく真似出来ないだろうかと提案する。
「一箇所に集める……確かにそれなら一気に数を減らせそうですわね」
「でも、誰がそれを……」
 そうレニーが言い終える前に。
「う~ん、じゃあ僕が敵の真ん中に飛び込んで相手のヘイトを煽るの!」
 テルプが自ら名乗り出る。
「……大丈夫、ですの?」
「まっかせて! 僕がくらげの群れを一気に集めて、敵中でパーフェクト・レヴェランスを使うからそこへ一気にドーンとやっちゃって!」
 テルプの考えとしては敵陣に飛び込み、ちょこちょこと軽くくらげに攻撃して囮になって、とにかく一気に引き付けるつもりらしい。
 そして、十分くらげを集めたところでパーフェクト・レヴェランスを使ってテルプごとやれ、と言う事なのか。
「皆の疲労の事も考えると、この一網打尽に出来る機会を逃す手はありませんわね……テルプ様、お願い出来まして?」
「うん、いいよ! じゃ、行ってくるねー!」
 カタリアンナの問いに即答し、早速動き出すテルプ。
 言うからには出来る自信があると言う事なのだろうか。
「だ、大丈夫なんでしょうか……?」
「あれだけの自信があるのなら、信じてみましょう」
 レニーの不安をよそに、カタリアンナはその様子を見守る。
 テルプがぴょんぴょんとバレエの動きで飛び跳ねるように、くらげの群れの注目を集め、ちょっかいを出して引き付け、また別の群れへと飛び込む。
 それを3-4回ほど繰り返し、結構な数の群れを集めてくる。
「よし、こんなところでいいかな。みんなー、そろそろ行くよー! おっと僕のことは気にしないで僕ごとぶっ放せー♪」
 頃合だと踏んで、テルプが呼びかける。
 それを受けてカタリアンナとレニー、ルイコは武器を構える。
「私のラストに誰も邪魔させない! パーフェクト・レヴェランス!」
 テルプが全身を演舞フィナーレモードに変えると同時に、一斉攻撃が飛んでくる。
 レニーとルイコが全てを出し切るつもりで放った大型の炎の精霊が二匹、カタリアンナが浮遊させた武器を一斉に放ち、テルプの連れて来たくらげの群れに襲い掛かる。
 意識がテルプに向けられていたくらげ達には飛んできた一斉攻撃に反応しきれる訳もなく、集められた群れは次々と消滅していき……一網打尽にした後、その場に立っていたのはテルプだけであった。
「ほーら、僕の言った通りに上手く行ったでしょ?」
 狙いが成功し、テルプは得意げな顔をした。

●歓迎会終了
 新入生が残った最後のくらげを倒す。
 長い戦いになったが、部屋の中の災魔は完全に消え去った。
 ……すると、突然部屋が揺れ出す。
 災魔が消えた事でこの領域が消滅するのだろう。
 一行は急いで迷宮から脱出する。
 幸いにもくらげのいた部屋を出てすぐ迷宮の出口に繋がっていたため、再びあの吊り橋を渡る必要はなかったようだ。

 迷宮から帰還し、新入生達は床に座り込む。
 何せあれだけの事があったのだ、疲労も半端ではないのだろう。
 こうして新入生歓迎会はどうにか完了した。
 新入生達にとって、入学早々に大変な一日となってしまったが……終わり良ければなんとやら、である。
 実力や経験はまだまだだが共に行動する事で、彼らのやる気の高さは確かに感じられた。
 今後の成長は彼ら次第ではあるが、努力と経験を重ねて立派な英雄の一人となってもらいたい。
 猟兵達はそう願うのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年03月12日


挿絵イラスト