
霧崎・天音
ケルベロスディバイド世界でのハロウィンを楽しむ天音の様子を希望。
↓下記衣装でハロウィンに参加
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【大まかなストーリー】
「この世界も…この楽しみ方は一緒なんだね」
ハロウィンの喧騒を楽しみながら
街を歩いていると
『チャレンジメニュー、超特大カボチャシチュー
全部食べきれたら3万円!』
ちょうどお腹が空いたと思った天音は
そう看板が掲げられたレストランに足を運ぶ。
「ご飯、食べていい?」
店員はごく普通の女性に見える彼女に戸惑いつつも
チャレンジメニューのオーダーを受け
超特大のカボチャシチューを出す。
そのシチューはかぼちゃ一個を全て打ち込んだ
とてつもない量のシチュー。普通の人間ではとても平らげることなど出来ない量。
…が、天音は問題なくそれを平らげて
「ごちそうさま」と軽く返したのであった。
その後も天音は別の場所で
食事をハシゴしたため
その街では大食いの赤髪の女性の噂が立ったとか。
ハロウィンを迎えた街は、仮装をした人々で溢れかえっている。
「この世界も…この楽しみ方は一緒なんだね」
色とりどり、創意工夫に満ちた仮装で町の色はいつもより鮮やか。
写真を撮り合ったり、似た仮装の人と話したり、街は和やかな雰囲気だ。ただ歩いているだけでも気分は上向いてくるようで、誰もが楽しそうな笑顔を浮かべている。
天音も魔女のコスチュームに身を包んで、ハロウィンの賑わいを堪能している。
街全体がハロウィンムードだから、お菓子をくれる人も多い。手に提げたかぼちゃの入れ物にはキャンディやチョコレートも入っていて、歩くたびにカラコロとご機嫌な音が奏でられる。
そこに混ざるのは、天音が携える杖が地面を叩く音。コツンと小気味よい音に合わせて、高い位置で結んだ髪も優美に揺れる。
そうして歩いていた天音は、商店街に差し掛かった。
どの店もハロウィンにあやかったイベントやフェアを展開中。いたるところにカボチャが飾られて、天音のすぐ横をオバケの仮装をした子どもたちが駆け抜ける。
彼らを見送った天音は正面に目を戻す――すると、大きな看板が目に留まった。
「……ん?」
ぴたりと足を止めると、一拍遅れて腰にあしらうリボンが揺れる。
その看板には、こう書いてあった。
『チャレンジメニュー、超特大カボチャシチュー
全部食べきれたら3万円!』
「カボチャ……シチュー……」
呟けば、くぅと小さくお腹が鳴る。
そういえば、ハロウィンの街に繰り出してから時間が経っていた。
手元にお菓子はあるものの、これだけでは満たされないほどお腹は空いている……この辺りで、食事を取っても良いだろう。
空っぽになったお腹を抱えた天音は店に入り、チャレンジメニューを注文することにした。
「ご飯、食べていい?」
言いながらチャレンジメニューを指すと、店員さんは、目をぱちくりさせて聞き返す。
「チャレンジメニューですか?」
「そう」
「多いですよ?」
「いい、よ」
「……か、かしこまりました……」
戸惑いの表情を浮かべながらも、店員さんはキッチンへ注文を伝えに行く。
ほどなくして天音の前に配されたシチューは、チャレンジメニューの名にふさわしい超特大サイズ。
かぼちゃ一個を全て打ち込んだというシチューは、もはや湖かというレベルでたっぷりした存在感を放ち、テーブルをいっぱいに占拠している。
常人ならば平らげることなど不可能と見える――店員さんも「残しても構いませんから、無理はしないでくださいね」と、はなから天音が食べきれるとは思っていない様子。
「……いただきます」
だが、天音は平然とした表情で、シチューをひと口。
天音のツインテールを飾るリボンと同じ黄色のシチューは、すくい上げるたびに丸い湯気を立たせる。
口に運べば、かぼちゃとミルクの優しい味わい。
外を歩いて少し冷えた体に心地よい味に、スプーンは止まらない。
食べ、味わって、うんうん頷けば、ツインテールと魔女の帽子がふわふわ揺れる。
店員さんたちはそんな様子を密かに見守っていたが、天音のペースが落ちることはない。
「ん……温まってきた」
半分――普通なら何人前分かも分からない――ほど食べ進めても、瞳に苦しげな色はなく、穏やかな色をたたえている。
溶け込んださまざまな食材が旨味を醸しているおかげで、これほどの量を食べても食べ飽きることはない。
もくもくとスプーンを進め、味わう天音の動作は一定で、ただ目の前のシチューだけが量を減らしていく――。
シチューが冷たくなるよりも、スプーンが器の底を叩く方が早かった。
あれほどあったシチューも気付けば普通の一人前以下になっていて、かと思えばそれもあっという間に嵩を減らす。
もくもくと食べていた天音が、遂に手を止める。
シチューがなくなったのだ。
「ごちそうさま」
呟きに、あちこちから感嘆の声が漏れる。
「ほ、本当に食べてしまったのか……」
「あの赤い髪の人、何者なんだ
……!?」
ざわめきを意に介さず、平然とした調子で天音は立ち上がる。
「あ、ありがとうございましたー!」
賞金の三万円を差し出す店員さんも、信じられないものを見る目で天音を見送るのだった……。
そうして店を出て、天音はお腹をさする。
超特大カボチャシチューはお腹の中。恐るべき質量を収めてなお、ドレスのお腹は苦しくはなく。
「もう少し、食べたい、な」
呟いた天音は、近くにあったカフェの看板に目を留める。
『チャレンジメニュー、超特大パンプキンパフェ
全部食べきれたら3万円!』
「デザートに、いい、ね」
呟いて、天音はカフェのドアをくぐる。
ほどなくして、圧倒的質量のパフェを食べきった天音に店中の人間が拍手を送る音が響いたという……。
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今年も、その街のハロウィンイベントは大盛況に終わった。
大食いの赤髪の女性が、商店街のチャレンジメニューを食べ尽くした――そんな噂をひとつ生み出して。
成功
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