●この感覚を体で感じろ
ある山奥に、ホテルの廃墟があった。人里離れた場所に建ち、周辺には何もない。風化するのを待つばかりというありふれた建物だが、そこにはちょっとした不思議があった。たいていこういった廃墟には、ごみが散らばり、誰がやったかも分からない落書きが目立つものだが、ここにはそういったものがほとんどない。まるで、誰かが隠れて手入れしているかのようだ。
そう、この廃墟には秘密があるのだ。
「ひゃあ、うまいぃぃぃぃぃ!」
「何という甘さ、滑らかさ!」
「これが、これが至高のチョコレート!」
「うめ、うめ、うめ。」
廃墟の地下、隠された階段から行ける工房。そこに併設されたカフェでは、客達がどこかで聞いたような奇声を発しながら、色とりどりのチョコスイーツを貪っていた。工房の主、菓子職人パティ・シエルはその様子を満足げに眺める。
「さあ、しっかりとお食べなさい。まだまだチョコはたくさんありますわ。」
この会員制のカフェにいる者たちは、皆それなりのVIPである。しかし、次々とチョコを口に放り込む彼らには、もはや品位の欠片も残ってはいない。
そして、そんな彼らの体に変化が現れる。その体は、今まさに自分達が醜く貪っている洋菓子の姿へと変化し、見る間に人間らしさを失っていった。数秒後、そこにいたのはチョコクッキーの鎧を着こんだ、大柄な異形の騎士であった。周りの客がそんな変貌を遂げても、食事中の者達は意にも介さず、血走った目でチョコを口へと運んでいる。
「フフフ……、邪神様の力をその体で感じるのです。ああ、邪神様。私のスイーツで、世界中の人々を貴方様の
僕にして御覧に入れますわ。」
自ら人であることを放棄する者たちを見て、シエルは邪悪に嗤うのであった……。
●そのチョコを食えばどうなるものか
「バレンタインが近い。そのせいか、妙な輩が現れたようだ。」
グリモアベースで猟兵達を集め、鬼鉄マオ(怪力特攻傭兵・f33724)が無表情で、しかしどこか気だるげに言った。
「なんでも、チョコスイーツを食わせて、食べた人間を邪神の
僕、UDC怪物へと変えるパティシエらしい。皆にはこのパティシエを倒し、工房を潰してもらいたい。」
そんな危険なスイーツを、食べようとする人がいるのだろうか。猟兵達の疑問を察したのか、マオが説明を始める。
「そのパティシエのスイーツは、不老長寿を与えてくれるものとして、金持ちの間で密かに知られているようだ。噂だけなら信じる者はいなかっただろうが……実際に病気が治った者がいることから、信じる者もでてきてしまっている。実際のところ、病気が治ったり、不老長寿になったと主張する者はUDC怪物に変化していて、怪物だから老化しないし、病気にもならないというだけだ。そいつらが人を装って正体を隠し、噂を広めているから質が悪い。」
彼らを特定し根絶するため、諸悪の根源であるパティシエを倒し、工房から顧客名簿などを持ち出す必要がある。工房はある廃墟の地下にあり、そこへ続く隠された階段には、専用の鍵がないとたどり着けない。しかし、そのあたりは気にしなくてもいいようだ。
「すでにUDC組織の職員が接触し、鍵は手に入れてくれている。しち面倒臭い複雑な予約手続きも、前払い制の超高額な食事代金の支払いも、全て組織の職員がやってくれているそうだ。皆は潜入して食事をし、パティシエが油断して出てきたところを、サクッとやってくれればいい。……パティシエが出すスイーツは、一般人が食べると危険だが、猟兵が食べる分には害はない。安心して、いやむしろ敵を油断させるために美味しそうに食べてやれ。味は絶品らしいからな。気をつける点があるとすれば、スイーツに害はないが、食べるとあからさまな健康効果が発生するらしい。虫歯が抜けるとか、肌がすごく若返るとか……。影響は人によって違うようなので、対応は任せる。」
「えっ、つまり今回は全員好きなだけチョコ食っていいのか!!」
「ああ……しっかり食え。……相手を油断させるためだ、おかわりもいいぞ。」
「ええ……?」
「ヒューッ!組織の皆さん、太っ腹!」
猟兵の一人に答えるマオに、喜ぶ者、なぜか顔を曇らせる者と周囲の反応は極端に分かれた。他人の金で好きなだけチョコを食べれるというのに。なぜだろう、不思議なものである。
「そうそう、パティシエが倒れた後、残った一般客が怪物の正体を現し、顧客名簿奪取の妨害をしてくるかもしれない。そこには注意が必要だ。では、幸運を祈る。」
マオのグリモアが輝いて、猟兵達を転移の光が包み込んだ。
ハグれもん
ハグれもんと申します。
工場の秘密ではありません。ゆえにウンパな小人が出てくることもありません。危ないところでした。それでも色々とアウトな気はしますが、この依頼が出ているという事は、ぎりぎりセウトという事でしょう。
さて、第一章では、件のカフェに潜入して食事をしていただきます。UDCスイーツは食べてもいいですし、上手く処分していただいても構いません。食べた場合、味は絶品ですが、体に何らかの大きな健康効果が発生します。しかし、害になるようなことはありません。
第二章では、猟兵がUDC怪物になると思い込んだパティシエが、その様子を見物して楽しもうと工房から出てきます。猟兵が怪物にならないと知った途端、襲い掛かってきますので撃退しましょう。
第三章では、パティシエが倒れ、工房から顧客名簿を持ち出されることを恐れた客達が、UDC怪物の正体を現して襲い掛かってきます。彼らを倒して、工房から脱出しましょう。
皆様のプレイングをお待ちしております。
第1章 冒険
『UDCダイナー潜入』
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POW : 気合いで全部の料理を食べる
SPD : 他の客や店員にバレないよう、食べているふりをしながら料理を始末する
WIZ : 万一に備え、薬や魔術でUDC食材の危険に対策しておく
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中村・一哉
アドリブ/連携可 POW判定
(一哉はUDCダイナーを「一部の限られたプレイヤーしか行けない幻のエリア」だと思っています)
「うわぁ、これが
魔喰者垂涎の高レベルレアモンスターが出るという幻のエリア、『UDCダイナー』!」
浮かれモードで席に着き、出てくるチョコを片っ端から魔喰+生命力吸収で食べていく。
「これがレアモンスター?こんなに旨いモンスター初めて!」
満腹の限界突破でまだまだ食べる。
「うーん!ガンガンバフかかってる感じ!ステータス爆上げだ!」
自分のステータス画面を確認。本当にステータス全項目が上昇しているほか、GGOで採用されているバフが全てかかっている。
「うわあ、ここが
魔喰者垂涎の、高レベルレアモンスターが出るという幻のエリアか!」
いったい、どういう情報の行き違いがあったのか。中村・一哉(HN:KAZUYA・f41862)はこの秘密工房に隣接するカフェを、「一部の限られたプレイヤーしか行けない幻のエリア」だと思っているようだ。いやまあ、それはあながち間違いでも……ないのかもしれない。ここには限られた者しか来ることができない、というのは事実である。周りの席にいる、騒いでいる一哉に若干白い目を向けている他の客達も、UDC怪物になってしまった者たちが変装した姿なので、モンスターと言っても間違いではない。
「で、これがレアモンスター?」
しかし違うよ、それは違う。席に座った一哉が眺めているのは、運ばれてきた美しいチョコスイーツである。
だが待って欲しい。彼は眼前のチョコスイーツをモンスターだと思っており、それを否定する者が残念ながらこの場にいない以上、彼にとってはこのチョコスイーツがいかなるものであろうとモンスターである。そして、魔喰者である彼にとって、モンスターとは捕食対象である。ならば、チョコスイーツを平らげるというこの任務に、いったい何の支障があろうか。
「旨い!こんなに旨いモンスターは初めてだ!最高!」
恐らく今後しばらくは、これより旨いモンスターに彼が巡り合うことはないだろう。ああ間違いない。なにせ、オブリビオンなパティシエが丹精込めて作った特製モンスターである。とはいえ昨今は、モンスターを食べるだの料理するだのといったことが、盛んであるような気がしなくもない。もしかしたら、彼がこれよりも旨い本物のモンスターと巡り合うこともあるかもしれない。今後に期待である。
それはともかく……食べ過ぎではないだろうか。一哉の前には、カフェというより回転寿司で見るような、聳え立つ皿の塔が築かれていた。
「うーん!なんだか力がみなぎる!ガンガンバフかかってる感じ!ステータス爆上げだ!」
実際、彼にはゲームでいうところのバフが、これでもかという程重ね掛けされていた。もはやバッファーいらずとなった一哉。原因は間違いなくこのチョコスイーツであろう。通常であれば健康効果が現れる所だが、バフという形で影響が出ているのは、彼がゲームの住人であるが故だろうか。
「こんなにいい気分なのは初めてだ!まだまだ食えるぞ!」
どうやら塔を築く程度では物足りなかったらしい。己の満腹すらも限界突破で越えていく一哉は、テーブルの上に荘厳なる皿の城を築くため、次のスイーツへと手を伸ばすのであった。
成功
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ハリエット・ミリオンズ
今回のお相手は既に一般の方々にチョコレートを食べさせて怪物化を進めているのね。そこで成功体験を積んでいるのならば同じように反応すれば油断させられるかしら?
過去の招待客の方々には名のあるグルメな方々もいるはず。事前にグルメな方々の食べ方と、念の為ですが大食いコンテストに参加した方々の動きを解析して、その動きをメモリーに登録しておきますね
チョコレートが出てきたら、これはワインに合いますねとか、上品な甘みですね、とか言って敵を煽てていきます。
そういえば肌がいつもよりスベスベしてしたような。
後は適度に【プログラムドジェノサイド】でチョコレートをお腹の中にジェノサイドしていきつつ、紅茶で一息入れましょう
「一般の方々にチョコレートを食べさせて怪物化を進めるなんて、なかなか手の込んだことをするのね。それなりに上手くいっているようだけれど、その成功体験はつけ入る隙よ。」
ハリエット・ミリオンズ(ソラリス・f05758)は、この潜入にあたって入念に準備をしてきた。相手の油断を誘うためには、これまで彼らが相手にしてきた客達と同じように、チョコレートを絶賛しながら美味しそうに食べてやればいい。彼女はチョコレートの美味しい食べ方について調べ上げ、様々なグルメ番組やグルメ紹介動画から通の食べ方というものを学び、ついでに大食いコンテストに参加している人々の動きをメモリーに登録しておいた。これで、どんな料理が来たとしても問題にはならない。
席に着いたハリエットのもとへ、早速チョコレートが運ばれてきた。それを怪しまれないよう躊躇せず食べながら、ハリエットは演技をする。
「美味しい!上品な甘みの、素晴らしいチョコレートね。」
実際食べて見ると、味には文句のつけようがなかった。これはありがたい話だ。まずいものを美味しいと言うのには労力を必要とするが、そうでないなら演技がずっと楽になる。
安心したからか、ハリエットは体が軽くなったような感覚を覚えた。ここ数日、潜入準備で溜まっていた疲れも、今では全く感じない。
(そういえば、お肌がいつもよりすべすべしてきたような。)
紅茶で一服しながら、自分の肌を撫でてみる。どうやらこのチョコレートの健康効果は、サイボーグにすら影響を及ぼすらしい。
「健康効果……ひょっとして、いくら食べても問題ないのかしら。」
このチョコレートの健康効果が、食べ過ぎにすら作用するとしたら、猟兵はこのチョコレートを無限に食べることができる……かもしれない。
「折角ですから、調べてみましょうか。」
適度に相手を煽てる事を忘れないようにしつつ、ハリエットは大食いコンテストの参加者の姿を思い出しながら、次々とチョコレートをお腹の中にジェノサイドしていくのだった。
成功
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大丸・満月
アドリブ可
ただ食べるか食べるフリすればいいって上から言われてるけど
猟兵じゃないと化物になる食い物の毒見かよ…。
猟兵なんて超人になった自覚ないけど…とボヤきつつパクリ。
うまっ、めっちゃウマい…これを食い放題なんてマジかよ?
なんだかんだ食べ続けて一区切りつけてお茶を貰おうと立ち上がろうとするとズボンがストンと落ちる。ああ、痩せたって事はUDCが入ってるって事かとUDCを喰らうと超活性化する体質によって気づく。
一応スマホで自分の姿を見ると肉体が活性化して痩せた自分の姿。何ならちょっと顔が精悍になって毛の艶が上がった気がする。健康効果はあるのは嬉しいんだけど化け物に近づいてるみたいで怖いんだが…。
「ただ食べるか、食べるフリすればいいって言われてるけど、猟兵じゃないと化け物になるチョコなんぞ食う仕事って、なんだかなあ……。そもそも、猟兵になった自覚ないし……。」
他の人には聞こえない程度にボヤきつつ、席についていた大丸・満月(人間のグールドライバー・f42686)は運ばれてきたチョコを口に入れる。ぽっちゃりと太っている彼は、見た目通り美味しいものを食べること自体は好きだ。ゆえに食べ放題も大好きだ。しかし、食べていいのがUDC絡みの邪悪なチョコだけとなると、なんとも納得しがたいものがある。
とはいえ、それも最初のうちだけだ。
「うまっ、めっちゃウマい……これを食い放題なんてマジかよ?」
その美味しさに気づいてしまった大丸は、まるでわんこそばのように次から次へとチョコを口へ放り込む。そして一通り食べたあたりで、ふと何か違和感を覚え、その正体を探ろうとおもむろに立ちあがった。
「危ねえ!」
悲鳴を上げながら大丸が抑えたのは、己のズボンであった。気がつけば服がダボダボになっており、迂闊に立ち上がるとズボンが脱げそうだ。慌ててベルトをきつく締め直した大丸は、スマホを取り出して、そのカメラ機能で自分の姿を確認する。
「あ……?俺、痩せてね?」
大丸のスマホに写っているのは、普段の自分とは違う精悍な顔つきの男である。大丸はUDCを食べると肉体が超活性化し、何故か痩せてしまう男なのである。
「健康効果……じゃねえよなぁ。毛の艶が良くなってるのはそうだろうけど、痩せたのは俺の能力のせいだよな、これ。」
つまりこのチョコは、分かってはいたがUDCそのものであり、真っ黒ギルティというわけである。
「健康効果は嬉しいけど、これ食って健康になっても化け物になってるみたいで怖えな……。あ?というか、痩せてるってことは、いつもみたいにカロリーを大量消費してるってことだから、このチョコを食ってもカロリーは消費されていくだけ……つまり健康なのは今だけで、このまま食っていったら不健康……?」
もしかしたら、かなり特殊な体質をした大丸にとって、このチョコはその存在価値たる健康すらも与えてくれないのかもしれない。万病に効く薬はないし、あっても用法用量が大切なのだろう。何にでも例外はあるんだよな、などと思いつつ、美味しさに抗えなかった大丸は、あと一つだけとチョコに手を伸ばすのだった。
成功
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木元・祭莉(サポート)
「なになに? ドコ行こっかー♪」
15歳の人狼少年。
前衛肉弾派で、先頭に立って積極的に行動します。
まだまだ未熟なアホの子です。
いつも深く考えず、場合に応じて反射的に、楽しそうにテンション高く対応します。
どどーん、ばばーん、ひゅいーんなど、擬態語を多用します。
ユーベルコードは、地味な使い方をすることが多いです。
アイテムも地味ですが、時に妙な使い道を閃きます。
テキトーに、ヘンな使い方をしても大丈夫です!
いつも笑顔で、後先考えず。でもちょっとビビリ。
鳥類全般がちょっとコワくて、わんこが大好き。
冒険中は、野性の勘を信じてポジティブに動きます。
罠に嵌まってもニコニコ。怪我をしてもニコニコ。
あとはおまかせ!
「ここが例のカフェか〜。チョコレートをたくさん食べていいなんて、太っ腹だよね☆」
木元・祭莉は元気いっぱい、興味津々といった様子で、キョロキョロしながら席についた。
そんな彼のところへ、件のチョコスイーツが運ばれてくる。通常のチョコレート以外にも、チョコケーキ、チョコパフェと様々な甘味が並ぶ卓上に、彼は嬉しそうに目を輝かせた。
「これ、全部食べていいの?やったー!おいら感激!いただきます!」
木元は感極まった様子で、次々とチョコレートを口に運んでいく。
頬が落ちるとはこのことか。チョコレートの味はまさに絶品と呼ぶにふさわしいものであった。通常、スイーツというものはその甘さや含まれる脂質などから、どうしてもくどく感じてしまわれがちで、量は入らないという者も少なくはないだろう。しかし、このチョコレートにはそういったものが全く感じられない。むしろ、どんどん食べたいという欲求が、際限なく高まっていく。
「すごーい、美味しい!もっと食べたいな〜……うゆ?なんか、体がポカポカしてきたような。」
木元は、試しに腕を捲って力瘤を作ってみる。なんだか普段よりも、体つきがしっかりしてきたような気がする。本人は気づいていないが、木元はUDCチョコスイーツを食べたことにより、筋力増加、肉体能力の上昇、そしてあらゆる疾病に対する耐性を得て、普段の元気っぷりにさらに磨きがかかったやんちゃボーイとなっているのである。これぞ圧倒的健康効果。
「……まあいっか!おかわり!」
しかしながら、チョコレートを楽しむことにに専念している木元がそんなことに気づくはずもなく、彼は無邪気におかわりを要求するのだった。
成功
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第2章 ボス戦
『菓子職人パティ・シエル』
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POW : 菓子店舗
レベルm半径内を【自身のお店】とする。敵味方全て、範囲内にいる間は【お菓子に関連する全ての行為】が強化され、【お菓子に関連しない全ての行為】が弱体化される。
SPD : 菓子光線
【自身の身体】から、物質を透過し敵に【服や肉体のお菓子化】の状態異常を与える【黄色の光線】を放つ。
WIZ : 菓子付け
対象に【視線を向ける事で身体からトッピング菓子】を生やし、自身とのテレパシー会話を可能にする。対象に【菓子を手に入れ、食べる以外の事を思考不能】の状態異常を与える事も可能。
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「いかがかしら?私が丹精込めて作ったチョコレートは。」
猟兵達がチョコレートに舌鼓を打っていると、彼らがUDC怪物に変わる姿を見物するつもりで、工房からシエルが現れた。初めはニコニコと猟兵達の様子を見ていた彼女だったが、誰もUDC怪物に変わらないことに気がつくと、途端にその表情は怒りと焦りで真っ赤になる。
「……っ!くそっ、騙された!アンタたち猟兵ね!」
本性を露わにしたシエルは、一人も生かして返すまいと猟兵達に襲いかかってきた!
大丸・満月
アドリブ可
とりあえず美味かった。後は悪いが特異体質って奴なんでな。
美人さんだがやっつけさせてもらうぜ。
そう言うと俺は部屋にあるだけ残していたチョコを食べまくりながら【ワイルドイート】発動。つまり敵さんの技で菓子を食べるのは強化されて、もし敵が邪魔してきたらあっちが弱くなるって寸法さ。そしてその間に一気に食べつくす。
UDCやオブリビオン由来なら食べるほど強くなるUC、強くなるだけ強くなったら敵さんの持ってるお菓子の素材や菓子攻撃ごと奪って食らいつくして攻撃をぶち込んでやるか。
だから俺はここに派遣されたんだよ、
相性が良すぎるってなっ!
戦闘態勢をとるシエルを前に、テーブル上のUDCチョコを一口齧りながら、大丸・満月(人間のグールドライバー・f42686)は席から立ち上がった。
「効能はともかく、味は美味かった。ボコった後だと言えねぇからな。今の内に言っといてやるよ。」
「……あらそう。でもそんなこと、貴方に言われなくても知っているわ。ごちそうさま、ぐらい言うようなら、少しは可愛げがあったのに。私が貴方に敗れるとでも?」
不快そうに表情を歪め、周囲にユーベルコード『菓子店舗』を展開し始めるシエルに対して、体質によってイケメンへと変貌している大丸は、その顔にふさわしい大胆不敵な笑みを浮かべた。
「当然だろ。俺はそのために来たんだ。美人さんだがやっつけさせてもらうぜ。」
そう宣言するやいなや、大丸はテーブルに残っているチョコ全てを引っ掴むと、次々と自分の口に放り込んだ。
「俺は特殊な体質でな。食えば食う程強くなる!『ごちそうさま』じゃねえ。今は『おかわり』の気分だぜ!」
大丸のユーベルコード『ワイルドイート』は、食べることにより戦闘力を強化する能力である。さらにシエルの能力の影響下では、お菓子に関連する全ての行為が強化される。当然、『お菓子を食べて肉体の糧とする』以上に食べ物であるお菓子に関連する行為があるわけもなく、『ワイルドイート』は大丸の本来の能力を超えて、彼の戦闘力を引き上げていく。
大丸が大きく踏み込み、シエルに肉薄する。大口を開けた彼は、急所を防御しようとしたシエルの肩に食らいつき、その肉の一部を引き裂いた。
「ぎぃやあっ!」
「ふん。チョコは美味いが、あんた自身はむしろ不味いな。」
その本性のごとく醜く悲鳴を上げるシエルにそう吐き捨てると、大丸は渾身の力を込めた蹴りを放つ。
「あんたじゃ俺には勝てねぇよ!相性が良すぎるってなっ!」
大丸の蹴りが直撃したシエルは大きく吹き飛び、カフェのテーブルや椅子を巻き込みながら地べたに転がった。いかにスイーツに自信があろうと、そしてそれによって超常的な力を行使しようとも、「食」によって大丸を追い詰める事はできないのである。
成功
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ハリエット・ミリオンズ
本来の目的が出てきたわね。私は情報収集がメインで戦闘は得意な方ではないのだけれど、乗り掛かった船、一人の漕ぎ手としての役割は果たさないと
では、シエルさん、貰ってばかりでは悪いですし、私も一つお見せしましょう
私は攻撃力はそんなにないし、戦闘が得意な方の援護に回るのが良さそうね。室内ですが、空(シエル)に雨を降らせて足止めしましょうか
意識を集中して、ナノマシンで出来た「海」を両手の中に集めましょう
周りから見ると私の周囲から銀色の粒が沢山現れて手の中に集まり銀色の弾力性のある塊が出来ていく感じかしら
海を投擲すると、無数に弾けて、銀の雨となって追尾し敵の周囲に降り注ぎ【範囲をまとめて攻撃】し足止めよ
バルタン・ノーヴェ(サポート)
「ご安心くだサーイ! ワタシが来マシタ!」
ご用命あらば即参上! アドリブ連携歓迎デース!
普段の口調:片言口調(ワタシor我輩、アナタ&~殿、デス、マス、デショーカ? デース!)
戦闘スタイル:白兵射撃の物理系
各種武装の中から敵に有効なものを選択して用いてくだサーイ!
刀も銃器も、内蔵兵器や換装式ウェポンも、何でもOKデス!
アタック重視でもディフェンス重視でも対応可能デース!
斬り込み、爆撃、弾幕を張ったり、パリィ盾したり、臨機応変に立ち回りマース!
指定ユーベルコードが使いづらいなら、公開している他のものを使用しても問題はありマセーン!
オブリビオンを倒して、ミッションクリアのために力をお貸ししマース!
「本来の目的が出て来たわね。私は情報収集がメインで戦闘は得意な方ではないのだけれど、乗り掛かった船、一人の漕ぎ手としての役割は果たさないと……。」
そうは言いつつ、少し緊張しているのだろうか。敵の出方を窺うように、ハリエット・ミリオンズ(ソラリス・f05758)は身構える。そんな彼女の前に、どこからともなく飛び出してくる者がいた。
「ご安心くだサーイ!ワタシがいマス!」
その正体はバルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)。脳筋メイドでありサイボーグである。彼女は、肉切り包丁のように無骨な刀を手にしており、ハリエットをかばうようにシエルの前に立ちはだかった。
「ワタシが前衛、アナタが後衛でいきマショー!適材適所。船は一人で漕ぐよりも、二人の方が楽ちんデース!」
「……そうね、よろしくお願いするわ。では、貰ってばかりでは悪いですし、チョコレートのお礼としてシエルさんに私も……いえ、私たちも一つお見せしましょう。」
笑顔のバルタンの登場で緊張がほぐれたのか、ハリエットも笑みを浮かべ、戦闘態勢に入る。そんな二人の姿を、見下すようにシエルは嘲笑った。
「威勢がいいわね。でも、無駄なことよ。ここまで潜入したことは褒めてあげるけど、アンタ達の活躍はそれで終わり。邪神様の忠実な僕である私に、アンタ達ごときが勝てるはずないわ。」
シエルがハリエットに指を突きつける。放つのは彼女の得意技、敵の肉体をお菓子に変えてしまう凶悪なユーベルコード。
「食らいなさい、菓子光せ……。」
「おおっと、そうはさせマセーン!」
しかし、巨大な刀を振り回し、バルタンがシエルのユーベルコードを遮った。彼女は軽やかに連撃を繰り出し、シエルに攻撃の機会を与えない。斬撃を躱すので精一杯なシエルは、ハリエットが両手に銀の粒子を集め、攻撃準備をしていることを視界の端に捉えていながらも、それを止めることができなかった。
「くっ!くだらない邪魔ばかりしやがって!」
「それがワタシの役目デース!どうやら準備も終わったようデスシ、ド派手にとどめといきマショーッ!」
悔し気なシエルの隙をついて足払いをかけ、バルタンが大きく飛びのく。追撃を恐れてすぐに起き上がったシエルが目にしたのは、天井に漂う水銀のような塊であった。
「『コール・スコール』。世にも珍しい地下に降る雨、お礼代わりの手品です。それでは、さようなら。」
ハリエットの言葉と共に、ナノマシンの「海」が宙で弾けた。地の底で降り注いだ雨は、無数の銀の槍となってシエルの上に降り注ぐ。
「なっ!?こんな……ぎゃあああああ!」
防御もできず、ユーベルコードの直撃を受けたシエルは、塵となって骸の海へ消えていった。
「オーケー!チームワークもばっちりデース!」
「……そうね。こんなに上手くいくなんて思わなかったわ。」
バルタンは満面の笑み、ハリエットは照れくさそうな笑みでハイタッチを交わした。二人のサイボーグは、即席ながらも見事な連携で、邪悪なパティシエを撃退したのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
御形・菘(サポート)
※語尾に「のじゃ」は不使用
はっはっは、妾、推っ参!
敵は決してディスらんよ、バトルを彩るもう一人の主役なのでな!
強さも信念も、その悪っぷりも誉める! だが妾の方が、もっとスゴくて強い!
バトルや行動は常に生中継+後で編集しての動画配信(視聴者が直視しては危ない系は除く!)
いかにカッコ良く魅せるか、見映えの良いアクションが最優先よ
とはいえ自身の不利は全く気にせんが、共にバトる仲間にまで不利を及ぼす行動はNGだぞ?
戦法は基本的に、テンションをアゲてボコる! 左腕とか尾で!
敵の攻撃は回避せず、受けて耐える! その方がカッコ良いからのう!
はーっはっはっは! さあ全力で来るがよい、妾も全力で応えよう!
「はーっはっはっはっ!妾、推っ参!」
動画配信は、お決まりの台詞から始まる。御形・菘(邪神様のお通りだ・f12350)はいつものごとく、己が所有物たる世界で好き勝手する者の末路を知らしめるべく、配信をしながら颯爽とシエルの前へ現れたのだった。本日の配信も『妾がいろんな世界で怪人どもをボコってみた』シリーズ、サムネイルは『パティシエ怪人をボコってみた』となっている。実に簡潔である。
「さて、今回はUDCアースのとある地下施設、怪人が経営する怪しいカフェに来ているぞ。この怪人は、人を化物に変化させる菓子を食わせて、ここで化物を量産しているらしい。……というわけで、早速ボコっていくぞ!」
「……随分と舐めた真似をするわね。動画配信?そのドローンで撮影してるのかしら。自分が敗北する姿を世界に流していくなんて、変わった趣味してるじゃない。」
自分のドローンに向かって、いやその先にいる視聴者に向かってアピールしていた御形は、苛立ちを隠そうともしないシエルの方へようやっと振り返った。
「これは失礼した。しかし、心配しなくていいぞ。妾にそんな趣味はない。それに動画撮影はしても、勝負の方もしっかりとお相手するのが妾だ。」
「そう……。でも残念、勝負はもう終わってるわ。自分の肩を見てみなさい。」
御形が自分の肩に目を向けると、驚くべきことに、そこには板チョコのようなものが生えてきていた。
「それは私のユーベルコード『菓子付け』。私は視界内にいる者の体にトッピング菓子を生やし、お菓子を食べる事しかできない状態にすることができるわ。私がこれからテレパシーを飛ばすだけで、アンタは私の思いのまま……。」
シエルはその言葉を、最後まで言い切ることができなかった。御形が蛇のように地面に伏せたかと思うと、次の瞬間には肉薄してきていたからだ。目にも止まらない動きとはまさにこのことで、シエルはテレパシーを送ることも、とっさに防御をすることも間に合わなかった。
そんな彼女に、御形の左腕から繰り出される強烈なアッパーが炸裂する。さらに御形は、空中に浮きあがったシエルに対して、尾を振り回して追撃を叩きこんだ。
「ふげっ!」
無様な悲鳴をあげてテーブルをなぎ倒し、シエルはカフェの奥の方まで吹っ飛んでいった。『ハイディングヴァイパー』の猛毒によって動けなくなったシエルに対し、御形は余裕たっぷりに腕を組む。
「なかなかいい能力だが……油断したのが運の尽きだ。まあ、たとえお主の能力が完全に発動していたとしても、妾が相手である以上、どうにもならなかったとは思うがな。とはいえ、本業がパティシエであることを考えれば、よくやった方であろう。」
御形はドローンの方へ向き直る。動画の締めにはこれを言っておかねばならない。
「今回の相手は少々盛り上がりに欠けたが……妾は普段より、このようにして不届き者を叩きのめす動画を配信しておる。この配信を良いと思った物は、高評価、チャンネル登録を忘れずにしておくのだ。妾にボコられぬよう、お主らも日々誠実に生きることを心がけておけ。それでは、さらばだ!はーっはっはっはっ!」
いつも通りの高笑いで配信を終えた御形は、今回シエルを瞬殺してしまったことを踏まえ、どうすればもっと盛り上がる配信になっただろうかと事件そっちのけで考え始めるのであった。
成功
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小宮・あき(サポート)
お困りの方がいる、と聞いて参りました。
スポット参戦のような形でフラリと。
◆性格・人柄
敬虔な聖職者として猟兵に目覚めた、人間の聖者。
です・ます口調の礼儀正しい女性。
ピンクの髪に、透き通る水色の瞳が特徴的。
ふふ、と微笑み、愛らしい見た目で佇んでいますが、
本業は商人。ホテル経営者。冷静で非情な心も持ち合わせています。
また敬虔な聖職者故、邪教徒や魔女に寛容さが無く、苛烈な面も持ちます。
既婚者。
神と夫に報告できない行動は、絶対に取りません。
◆戦闘
ユーベルコードは指定したもので臨機応変に。
基本は後衛の魔法職。
・範囲魔法(神罰)
・回復(コルセオ)
・拘束(光の鎖)
・人手が必要な作業(戦場のハレム) 等
赤星・緋色(サポート)
なんやかんやで事件を解決に導こうとします
フリーダムかつアグレッシブなアドリブも可
合わせ等も自由にどうぞ
「へいへーい、君が件のパティシエさんだろ?君に恨みはないけどさ、手ぶらで帰ったらあれこれ言われて、なんやかんや面倒臭いことになりそうだから、ここでさくっと倒させてもらいますよっと。」
軽い調子と曖昧な言動、陽気でいながらどこか人間味が少ない猟兵赤星・緋色(サンプルキャラクター・f03675)は、ひらひらと手を振りながらシエルに笑いかける。しかし、その後ろから現れた小宮・あき(人間の聖者・f03848)は、対照的に険しい表情でシエルを睨みつけていた。
「私も一緒に戦いましょう。人々を騙し、怪物に変える卑劣な行為など、聖職者として見過ごすわけにはいきませんから。この邪神の手先は、ここで倒します。」
「黙って聞いてれば、好き勝手言ってくれるじゃない。猟兵ってのは、どいつもこいつも身の程を知らないのかしら。アンタ達ごときが、この私にかなうはずないじゃない。」
対峙する二人の姿を鼻で笑いながら、シエルはユーベルコードを発動する。
「『菓子付け』……まずはそっちの聖職者から、スイーツなしではいられない体に変えてあげるわ。邪神様の邪魔をする者が、どうなるか思い知らせてあげる。」
シエルが小宮の方へ指先を向けると、小宮の体からチョコレートでできた様々なお菓子が生えてきた。これこそがシエルのユーベルコード『菓子付け』の効果である。『菓子付け』によって体からお菓子が生えてしまった者は、菓子を手に入れて食べる以外の事を考えられなくなってしまうのだ。
「ふふふ、これで一人、無力化したわ。あとはもう一人……。」
「テッテレッテッテテッテテー!『お菓子を何とかするガジェット』~。」
突如、気の抜けたような声を出しながら、赤星が懐から変な形のガジェットを取り出した。それは銃と懐中電灯を組み合わせたような代物であった。赤星がそのガジェットをシエルへ向けると、謎の光がガジェットから放たれ、シエルの体から生えていたお菓子をすべて取り除いていく。
「いやー、召喚したばっかだけど、一目見てビビッと来ちゃったよ。このガジェットは、お菓子をなんやかんやでいい感じにしてくれるガジェットだってね。上手くいったみたいで、よかったよかった。」
「そんなふわっとした感覚で、効果不明の機械を向けられたことには複雑な思いを抱かずにいられませんが……おかげで助かったようですね。ありがとうございます。」
お菓子の生えていた部分を撫でながら、小宮は赤星へ礼を言い、その後シエルへと向き直った。
「さあ、シエルさん。裁きの時です。」
言うやいなや、小宮のユーベルコード『神罰』の光の柱が、シエルを容赦なく飲み込んだ。圧倒的なエネルギーがシエルを焼き尽くし、「ぎゃっ!」と小さな悲鳴だけを残して、邪悪なパティシエは塵となって消え失せた。
「さ、邪魔者も消えましたし、顧客名簿などを探していくとしましょうか。」
「さんせーい。いやー、今回の仕事も問題なく済みそうだし、よかったよかったー。」
オブリビオンをいとも容易く倒した二人は、依頼完遂のため、工房の奥へと入っていくのであった。
成功
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第3章 集団戦
『聖スイーツ・チョコレイト騎士団』
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POW : チョコレイト騎士団の熱い情熱
【溶けるほどに熱いチョコレートの闘気】を纏い、攻撃力が8倍になる。ただし防御力は0となり、全ての攻撃が致命傷になる。
SPD : チョコレイト騎士団の芳醇な戦技
【プレッツェル・チョコレイト・ソード】【板チョコレイト・キャンディシールド】【スローイング・ドーナツ・ブーメラン】を組み合わせた、レベル回の連続攻撃を放つ。一撃は軽いが手数が多い。
WIZ : チョコレイト騎士団の甘くない決意
他者からの命令を承諾すると【冷たいダークチョコレートによる追加装甲】が出現し、命令の完遂か24時間後まで全技能が「100レベル」になる。
👑11
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シエルを倒し、工房から顧客名簿などを持ちだすことに成功した猟兵達。しかし、カフェにいた客達が、脱出しようとする彼らの行く手を塞いだ。
「それを持ち出されたら俺たちは終わりだ!猟兵どもめ、ここは通さんぞ!」
客達はUDC怪物の正体を現し、チョコレイトの騎士となって猟兵達に襲い掛かる。
彼らを倒し、地下工房から脱出せよ。
大丸・満月
アドリブ可
さーて、後はもう終わってる奴等か
まだ腹に余裕、幾ら喰ってもお前等の場合はすぐ消化しちまうからな!
背中の刻印が結晶化し、腕が相手を捕え易いように獣化した真の姿になり、【月食】で相手を捕食していく。手数は多かろうが武器の間合いより密着した捕食でダメージを最小限に抑えつつ全部喰らいつくしてやるか。
喰ってる間に背後から責められたら月食の要素奪取で手に入れたチョコ装甲でコーティングして守るか。しかしこの鎧の中身はどうなってんのかね?生前の姿だとちょっと食い辛いからそれが確認したら殴り倒すが。
しかし相性がいい相手と言っても元人間相手はやりきれねえな。
ただの食道楽で化物になったのも不幸だしな。
「さーて、あとは人生終わってる奴等だけか。まだまだ腹に余裕あるから、まとめて相手してやるぜ!」
叫びながら、大丸・満月(人間のグールドライバー・f42686)はその真の姿をさらけ出す。背中の刻印は紅い結晶となって突き出し、両の腕は熊のように太い獣の腕へと変化した。半人半獣と化した大丸は、肉食獣じみた俊敏な動きでチョコレイト騎士団に襲いかかる。
「幾らいようが関係ねぇ!まとめて消化してやらぁ!」
「ひ、怯むな!相手は一人。一斉にかかれば討ち取れるはずだ!」
チョコレートの鎧をむしり取り、次々と食らっていく大丸に、何人かのチョコレイト騎士が勇猛果敢に斬りかかる。しかし、大丸の腕は素早く器用な動きで騎士のチョコレイト・ソードを掴むと、その剛力で次々とへし折り、その残骸をも食らっていった。
「俺は食うほど強くなんだよ!お前等みてぇに食いやすい体してちゃあ、幾らこようが敵に塩ってやつだぜ!」
「塩とは無礼な!我らは人を捨て、甘味に身を捧げたチョコレイト騎士団!その我らに事もあろうに塩とは!許せん!」
激昂した騎士達は、渾身の力を込めて各々の武器を大丸に叩きつける。数を活かした一斉攻撃で騎士達は勝利を確信したが、聞こえてきたのは硬質な音と、気だるげな大丸の声であった。
「なんだよ、よく分かんねーとこでキレるんじゃねーよ。塩チョコとかあるんだから別にいいだろうが。」
騎士達の攻撃は、大丸の体から生えたチョコ装甲によって、全て防がれていた。大丸は『月食』によって、騎士達のチョコレートの鎧を自らの肉体で再現し、その装甲で全身を覆っていたのである。チョコ装甲は見た目こそ難アリだが、性能は申し分ない。
「これで勝てねーのは分かったろ。相性がいいといっても元人間だし、俺には相手をいたぶる趣味もない。ここはサクッと終わらせてやるよ。」
それだけ言うと、大丸は荒々しく腕を振るい、暴風のように軽々と騎士達を吹き飛ばしていった。
「そういえば……あの騎士達って、鎧の中はどうなってたんだ?」
地下から脱出し、廃墟から外に出るという時に、大丸はふとそんなことを考えた。
戦闘中は敵を倒すのに夢中で、きちんと確認するのを忘れていた。齧りついた時はチョコの味しかしなかったので、おそらく中は空洞なのだろうが、正直結構ハイになっていたので自信がない。
騎士達の残骸は、まだ地下に転がっているだろう。今から戻れば確認できるだろうが……。
「……面倒臭いし、まあいいか。もし中身が入ってたら、飯が不味くなりそうだしな。」
謎は謎のままがいい。解明されない謎を放っておくことにした大丸は、帰ったら何を食べようか考えて、このことを忘れてしまおうと決めたのだった。
大成功
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中村・一哉
アドリブ/連携可
「魔喰部位を変化させたらパティシエが詫び入れてきた上に店の奥まで招待してくれた」
という訳で店の奥で顧客名簿らしいファイルを回収。戻ってきたら何やらUDC怪物がワラワラと。
「なるほど、特定のアイテムを回収したら湧きが発生するギミックか」(何か違う)
テーブルの上に飛び乗ってUC発動。攻撃力上昇と命中率上昇のバフが継続中なので、攻撃が当たったそばからクリティカルヒット発生で敵が消し飛んでいく。
魔喰で敵の欠片を食べ、魔喰部位で盾とブーメランを生成。
「ほらよっ!」
ブーメランを投げ、盾で攻撃を受ける。
「やっぱり噂の激レアマップ、来て良かった!」(最後まで勘違いしたまま)
「さて、ボスのパティシエは倒したし、あとは顧客名簿を持ってエリアから脱出するだけ。思ったより楽なクエストだな!」
中村・一哉(HN:KAZUYA・f41862)は、相変わらずこの場所をゲーム内の特殊エリアだと勘違いしているようだ。そんな彼に、正体を現したチョコレイト騎士団が襲い掛かる。
「どわっ……!な、なんだあ!?」
「悪いが、貴様をここから帰す訳にはいかん!その名簿には、我々の個人情報が詰まっているのだからな!」
「なーるほど。特定のアイテムを拾ったら、それがフラグになって敵が湧くギミックか!うっかりしてた。拾う前にバフかけたりして、準備しとけばよかったかなぁ。……まあいいや、そっちが数でくるなら、こっちも数で押すだけだ!『ガトリングアロー』!」
中村は近くのテーブルに飛び乗り、自慢の月光弓を引き絞った。発射しても発射しても、弦にはどこからともなく月光の矢が供給され、途絶えることのない矢の雨が騎士団を貫いていく。普段より攻撃速度が速くなっているのもあって、チョコレイト騎士はみるみるその数を減らしていった。
その時、散らばったチョコレイト騎士の破片が近くに転がってきたのを目にし、中村の中にある考えが浮かぶ。
「そういえば、この敵って他のエリアだと見たことないな。もしかして、イベント限定キャラだったりするのかも。……なら、試しとかないと損だな!」
中村は弓をしまい、転がっていた騎士の残骸を口に放り込んだ。甘い味が口に広がり、中村の体に変化が生じる。数秒後、中村の両腕はチョコレイト騎士そっくりの見た目になり、その腕には板チョコレイト・キャンディシールドと、スローイング・ドーナツ・ブーメランがそれぞれ握られていた。
「折角の限定要素!遊び尽くして帰らないとね!」
そう楽しそうに言った中村は、ブーメランのエイムを定め、複数の騎士の同時撃破を狙い始める。
どうやら、まだまだ帰る気はないらしい。新たな武器を手に入れた中村は、このエリアを隅々まで遊ぶべく、騎士団の残党狩りを始めるのであった。
大成功
🔵🔵🔵
陽環・柳火(サポート)
東方妖怪のグールドライバー×戦巫女です。
悪い奴らはぶっ潰す。そんな感じにシンプルに考えています。
戦闘では炎系の属性攻撃を交えた武器や護符による攻撃が多い。
正面からのぶつかり合いを好みますが、護符を化け術で変化させて操作したりなどの小技も使えます。
全力魔法使用後の魔力枯渇はにゃんジュール等の補給で補います
名刀『マタタビ丸』は量産品なので、もしも壊れても予備があります。
ユーベルコードは指定した物を使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動し他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
「うるせー!俺はこれから帰るんだ。さっさとどきやがれ!ぶっ飛ばすぞ!」
立ち塞がるチョコレイト騎士達を、陽環・柳火(突撃爆砕火の玉キャット・f28629)は怒鳴りながら睨みつける。彼女なりに精一杯威圧しているつもりなのだが、彼女の可愛らしい外見のせいで、効果はあまりないようだ。騎士たちは「おう、やれるもんならやってみろ。」とでも言いたげに、盾を構えてじりじりと迫ってくる。
「あ、おい。どけって言ってんだろ!……ちくしょー、舐めやがって!これでもくらえ!」
柳火は名刀マタタビ丸を構えると、近くにいた騎士の左肩を狙って振り下ろした。しかし、騎士が盾を割り込ませたことによって弾かれてしまう。見た目はいいが大量生産品のマタタビ丸と、見た目に難ありでも性能はいい騎士の武装がかち合う姿はなかなかシュールだ。
反撃に突き出された騎士のチョコレイト・ソードを躱し、柳火は再びマタタビ丸を振り上げる。騎士も先ほどと同じように盾を構えたが、それを見た柳火は笑みを浮かべた。
「騎士様らしい型にはまった戦い方だぜ。けど、悪ぃな。俺、ちぃーっと足癖が悪いんだわ。」
突如、柳火の右足が発火し、地獄の焔が周囲を焼く。驚いたチョコレイト騎士の溶けかけた体に蹴りが放たれ、その体を粉々に打ち砕いた。焔は生物のように燃え広がり、近くにいた他のチョコレイト騎士の体も次々と溶かしていく。
「たっくよー、最初からこうしておけばよかったぜ。所詮はチョコ。溶かせば戦いもクソもねえわな。」
チョコレイト騎士達の悲鳴が響く中、柳火は炎が燃え広がる地下を悠々と去っていく。通信教育仕込みの剣技はともかく、猟兵としての彼女の能力の前に、チョコレイト騎士では全く歯が立たなかったようだ。
成功
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不破・静武(サポート)
年齢イコール彼女イナイ歴なので基本的な行動原理は「リア充爆発しろ」「リア充は死ね」です。オブリビオンは彼の中では全員リア充です。リア充に見えそうにないオブリビオンに対しては最初はやる気なさそうにしますが、状況を前進させる意思は一応あるので無理やり理屈をつけてリア充と決めつけます。一度敵とみなせば以降はもう容赦はしません。
オブリビオンに対しては基本的には『リア充ころし(焼却)』と『ガソリン』を併用して消毒という名の焼却を図ります。状況に応じて『リア充ころし(爆破)』や『リア充爆破スイッチ』等を併用して物理的にリア充爆発しろを実現させようとします。
見た目がやられ役なので逆襲くらう展開も可能です。
「ボ、ボクはね、罪のない人との争いは好まないんだ……。聞いたところによると、君たちはUDCチョコを食べさせられてそんな姿にされたんだろう?それを倒すのはね、と最初は思ったんだ……。」
いつになく穏やかな表情で、不破・静武(人間の非モテの味方・f37639)はチョコレイト騎士達に語り始める。しかし、人相が悪い彼がそんなことをすると、それを見た者に凄まじい違和感を与えるようで、騎士たちはかなり戸惑っているようだ。
「だけど……お前たちは、元は相当なVIPだったらしいじゃないか。つまりリア充ってことだろう。許せねえよなあ!ああ、許せねえよ。その上オブリビオンになったっていうなら、もう容赦する必要はない、そうだろう?」
今度は唐突にキレ始めた不破。騎士達からすれば意味不明である。豹変ぶりに面食らう騎士達を尻目に、彼はどこからともなく火炎放射器を取り出すと、所かまわず炎をまき散らし始めた。
「思い知れ汚物どもが!リア充は全て消毒だ~~!!」
近接攻撃主体の騎士達は、火炎放射器を前に手も足も出ない。何人かの騎士は、ドーナツ・ブーメランを投げて抵抗しようとしたが、不破が火炎放射器を向けると、それらもあっけなく燃やされてしまった。理解不能の怒りを前に、チョコレイト騎士達は為す術もなく溶かされていく。
こうして、不破のリア充に対する怒りの炎は、汚物どもの地下工房を跡形もなく燃やし尽くしたのだった。
成功
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キノ・コバルトリュフ(サポート)
キノキノ、キノが来たから
もう、大丈夫だよ。
キノノ?キノだけじゃ心配だって?
マツタケ!キノには星霊の仲間がいるから大丈夫!!
トリュフ!!キノ達の活躍を見せてあげるよ。
シメジ?キノが苦戦はありえないけど、その時は一発逆転を狙っていくよ。
キノキノ、みんなよろしくね。
「キノキノ、キノはこれから帰るから、道を開けて欲しいんだけどな。」
立ち塞がるチョコレイト騎士の群れを前にしても、キノ・コバルトリュフ(キノコつむり🍄🍄🍄🍄🍄の星霊術士・f39074)はマイペースを崩さない。緩い雰囲気の彼女を舐めてかかったのか、ひときわ大柄な騎士が前へと進み出て、彼女にチョコレイト・ソードを突きつけた。
「ここを通りたければ、我々を倒して行くんだな。もっとも、お前のようなキノコもどきに、我らチョコレイト騎士団をどうこうできるとは思えんがな。」
「マツタケ!なんて失礼な!キノを馬鹿にしてると、今に痛い目見るよ。」
「ふん、キノコに何ができるというのだ。言っておくが、チョコ界隈ではキノコよりタケノコの方が上。これはもはや常識なのだ。キノコなど、下衆の食い物よ。」
「テ、テングタケ!……信じられない!騎士ちゃん!きみは今、超えちゃいけないラインを越えちまった!」
怒りのあまり頭から胞子をまき散らしながら、キノは驚く騎士の前で、奉納の舞を踊り始める。ユーベルコードにより召喚された、高速で旋回する超高温の炎の渦は、逃げ場のない地下工房を騎士もろとも焼き尽くしていく。
「マイタケ……タケノコが上なんて言わせない!これが、これがキノコの力だーっ!」
「な、なんだこれは……ぐ、ぐわーっ!」」
燃え盛る炎をキノコの力と言ってよいのかはともかく、キノの力によって、地下工房に救っていた邪悪はすっかり一掃された。タケノコ派がいなくなったことを確認したキノは、満足げに頷くと、足取り軽く地下工房を後にするのだった。
成功
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