幸運の猫に迫る不運!
幸運の猫ジョディ。
生まれながらの博徒、天賦の強運を持つ彼女を人はそう呼んだ。
「ストレートフラッシュ……今回もあたしの勝ちだね」
金髪をポニーテールにした少女がニッと口端を吊り上げる。
「……お客様、不正はいけませんよ」
「何言ってるのさ、イカサマはあんたの方だろ」
少女が糸目のディーラーにコインを放ると、その懐からパラパラとカードが零れ落ちた。
周りの客がどよめき、エリア一帯が不穏な空気に包まれる。
が、少女は悠然と笑みを浮かべたままだ。
「ま、インチキやってもあたしの運の方が強いんだけどねっ」
「このっ……。皆さん、お願いします!」
歯噛みしたディーラーがやおら振り返って声を荒げると、奥の扉からワラワラと現れたのは銃や大ぶりのナイフのようなもので武装したスーツ姿の男たち。
タタタタ、と軽い音が鳴り響く。
それだけで、憐れ蜂の巣となった少女は自らの血が広がる床へと崩れていった。
●そうは問屋が卸さない
「皆さん、事件ですよ!」
集まっていた猟兵たちを待っていた癒月・マヒロ(うっかりくノ一・f42146)は、興奮気味に予知したサイバーザナドゥでの事件の様子を説明した。
「天運と言われるほど強い運なんてどれほどのものなんでしょうか……ともかく、正当なルールに則って勝負をし、カードゲームに勝ったジョディさんを殺してしまうなんて、あくどいこと極まりないです!」
このままではジョディという少女が理不尽に殺されてしまうことに対して、マヒロは義憤に駆られているようだ。
「私が助けに行けないのは歯痒いですが、どうか皆さんのお力で彼女を助けてあげてください!」
舞台は『ネバー・ネイション』というメガコーポが胴元として取り仕切っている賭博場。
猟兵たちはそこで、まず
幸運の猫と噂されるジョディと接触し、一緒にカードゲームに興じることになる。
「もし賭け事やルールに自信がなくても大丈夫です。ジョディさんの天運は一緒にいる人たちにも効果を及ぼすみたいなので、おこぼれに預かって勝ちまくっちゃいましょう!」
遊戯に勝ち続けていれば、黙っていられないと賭博場の奥から大勢のオブリビオンが現れ、ジョディと猟兵たちを亡き者にしようとしてくるだろう。
それらを蹴散らしすべて倒した後には、いよいよこの賭博場のボスが控えている。
「ジョディさんを守りながら下っ端とボスを倒せば制圧完了です。皆さんだったらきっと成し遂げられると思いますから、どうか頑張ってくださいね!」
マヒロは猟兵たちを激励しながら、ぎゅっと拳を握り締めた。
雪月花
雪月花です。
天運の持ち主である博徒の少女が、オブリビオンに殺されてしまうという予知がされたため、これを防いで頂くのが今回の依頼となります。
どうぞよろしくお願いいたします。
尚、第二章の集団戦ではマフィア・トルーパーという武装したマフィアたちと、第三章のボス戦ではサイバーくノ一「吹雪夜叉」(トップ画像のキャラクター)との戦いになります。
第1章 冒険
『賭博場に挑め』
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POW : 多少不利な状況からでもゴリ押して勝つ
SPD : フェイントやイカサマを駆使して勝つ
WIZ : 緻密な計算と戦術で勝つ
👑7
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●
幸運の猫と遊び倒せ
煌びやかなネオン輝く賭博場前。
猟兵たちは丁度そこへ入ろうとしていたジョディの姿を見付ける。
まだほんの少女だ。だが、そんな彼女がこんなところに出入りするのもサイバーザナドゥでは日常なのだ。
「なぁに、どうしたの?」
猟兵たちはジョディに声を掛け、一緒に賭け事を楽しむことを持ち掛けると彼女は二つ返事でOKした。
「丁度一緒の遊ぶ仲間が欲しかったところだったんだよね。だ~いじょうぶ、ここではあたしの運で勝たせてあげるからさ」
不敵に笑う少女と一緒に賭博場に入る猟兵たち。
欲望渦巻く賭博場での、遊戯の幕開けだ。
イチカ・バーチカ
家に帰るまでがギャンブルだから、ジョディさんも
煽りすぎは反省してほしいものだけど。
天賦の強運。私にはないものだから、ちょっと羨ましいわね。
折角だもの、皆で心ゆくまで楽しみましょう。
【乱戦博戯】で賭場をもっと盛り上げてあげる。
弱体化指定のルール宣言はなし。
天運とやらを、心ゆくまで味わいたいわね。
ギャンブルは普段通りに
[落ち着き]状況を[見切り]、
[読心術]で相手の心を探り、
[データ攻撃]を駆使して戦術を組み立て、
戦術の及ばないところは運に任せる。
……確かに、とんでもなくツキが良いわね。
このツキなら、怖いものなしになるのも分かる気がするわね。
お零れに与っただけとはいえ、良い経験させてもらったわ!
サツキ・ウカガミ
ひとまずは遊戯に勝ち続けろ、と。
【忍具『事忍の巻物』】を懐に仕舞って、卓につこうかな。
仕事とはいえ、ゲームは楽しみだね。
イカサマしてくるんだよね。
[見切り・集中力・気配関知・情報収集]で認識次第、
こちらも[無防備を装]いつつ
[フェイント・残像・盗み攻撃・死角攻撃・物を隠す・演技]を駆使して
イカサマを返してあげよう。
天運の効果もあるみたいだけど、やられっぱなしも癪だしね。
遊びながら、[目立たない]範囲で[情報収集]もしておこうかな。
敵が出てきそうな扉、遮蔽物、ジョディに猟兵の位置取り……
後のことも考えておかないとね。
ギャンブルに夢中にならないように、[環境耐性]で耐えながら……!
暗都・魎夜
POW
【心情】
メガコーポとも名乗っている奴が、随分とみみっちい真似しやがって
とは言え、それを金に物言わせてやってくるわけだから始末に負えねえ
【行動】
カードゲームに挑戦
「捨て身の一撃」な派手な賭けに出るぜ
本来、賭けは嫁の方が得意だけど、今日は俺にもツキは来てるみてえだな
「勝者のカリスマ」で「悪目立ち」する
「コミュ力」でジョディにも、同じ勝ってるものとして話しかける
その方が後で守るにもスムーズだろうし
「嬢ちゃんも随分と勝ってるな」
「最近、賭場で勝ちすぎる奴は命狙われてるって噂あるけど、怖くねえのか?」
俺の場合はまあ、今位の危険度ならまあ、どうとでもなるしな
大宝寺・風蘭
連携歓迎。
公序良俗に反する行動、利敵行為、過剰に性的な描写はNG。
へらへらしているが、やると決めたことはちゃんとやるタイプ。
民間人への被害を嫌い、救助活動などには全力を尽くす。
使用武器は、木刀のような見た目の革命剣『木刀れぼりゅーしょん』
正規の格闘技の心得はなく、斬撃とパンチ、キックを雑に組み合わせた喧嘩殺法で戦う。
オウガ(二足歩行の人間大の猫のような見た目で、名前はモチズキ)との連携を好む。
冒険では、力任せに障害を吹き飛ばすといった行動が得意。ただし地頭が悪いわけでもないので、搦め手が必要ならその都度考える。
台詞例
「アタシだってヤるときゃヤるんだぜぃ!」
「つまり、全員ぶっ飛ばしゃ解決っしょ」
大宝寺・朱毘
連携歓迎。
公序良俗に反する行動、利敵行為、過剰に性的な描写はNG。
アイドルでありロッカー。
ロック(漢気があるとほぼ同義)な様を好み、「ロックだ」と感じれば味方はもちろん敵でも賞賛することがある。
民間人への被害を嫌い、救助活動などには全力を尽くす。
使用武器は黒いボディに炎の模様が入ったギター『スコーチャー』
演奏によって音の爆弾や衝撃波を生み出してぶつけるという戦法を好む。
必要なら演奏を続けつつ蹴りなども行う。
冒険では、魔力任せに障害を吹き飛ばすといった行動が得意。ただし地頭が悪いわけでもないので、搦め手が必要ならその都度考える。
台詞例
「いいね、ロックじゃん」
「こっちゃ世界の命運背負ってんだよ!」
(「メガコーポとも名乗っている奴が、随分とみみっちい真似しやがって」)
とはいえそれを金に物言わせてやってくるわけだから始末に負えないと、暗都・魎夜(全てを壊し全てを繋ぐ・f35256)は思う。
「折角だもの、皆で心ゆくまで楽しみましょう」
イチカ・バーチカ(ノルカソルカ・f40796)が優雅に片手を振ると、【乱戦博戯】が発動した。フロアの熱が一気に上がり、周りの客たちもディーラーも一層ゲームに熱中し始める。
盤上に積まれたチップの行き来も白熱する中、その空気に飲まれまいとするようにサツキ・ウカガミ(
忍夜皐曲者・f38892)は懐に忍ばせた巻物に服の上から手を添えた。
(「夢中にならないようにしないとね
……!」)
「へーきへーき、ジョディの強運があればアタシたちだって楽勝的な?」
へらへらとそんな風に言って笑うのは、大宝寺・風蘭(狂拳猫・f19776)。
勝ちまくった後、全員ぶっ飛ばせば解決。と、彼女の頭の中では単純明快な答えがもう出ていた。
「一か八かの勝負か、なかなかロックじゃん」
大宝寺・朱毘(スウィートロッカー・f02172)も眼鏡の縁に触れながら笑みを見せる。同じ女子ながらその細腕と運で這い上がってきたようなジョディに、彼女は男気を感じていた。
それぞれがテーブルに着くと、早速ゲームの始まり。
チップが賭けられ、カードが配られていく。
熱狂するフロアの中、イチカは普段通りの落ち着きを払っている。
ディーラーの素振りを読むところ、始めは気持ちよく勝たせて後でごっそりチップを奪っていくというセオリー通りの戦術のようだ。
先程までまあまあの塩梅で勝っていたイチカに巡ってくるカードが、次第に雲行きが怪しくなってくる。相手もやり手のようだが、そう簡単にはいかせないとばかりにイチカは己の技能を駆使し、捨てるカードを見極めながら応戦していく。
ギリギリの攻防に、白熱した観客たちが固唾を飲んで見守る中……もう出来ることはやり尽した。
(「後は運を天に任せるのみ
……!」)
雌雄を決する瞬間は来た。
「スリーカード」
「フォーカード!」
鎬を削った戦いで出た役は、イチカの方がひとつ大きい。
周囲からは様々な感情から発される溜息や感嘆の声が聞こえ、流石のイチカも身体の芯が熱くなるのを感じた。
(「なるほど……ああいう風にいい気分にさせといて、後で落とすのか。姑息なやり方だぜ」)
ディーラーの手管を見た朱毘は、頭の中で作戦を立てる。普段は魔力任せに障害を吹き飛ばすのが得意だが、地頭を働かせるのも嫌いではない。
場が暖まっていくのを感じ、風蘭も自らのボルテージが上がっていくのを感じた。今ここでは相棒モチズキとの連携を決めることはできないが、やることはそう変わらない。
細かいことや難しいことはよくわからないが、とにかく強い役を集めて場に出した方が勝ちなゲームだ。風蘭にもある意味、分かり易い。
始めのうちは勝てていたのだが、段々と負け始める。けれど、それで終わる彼女ではない。
「これでどうだっ!」
スリーカード同士がぶつかる。
勝敗は引き分け、だがこのぶつかり合いで流れが持ち直したかのように、風蘭の手持ちに好カードが舞い込み始めてきた。
「アタシだってヤるときゃヤるんだぜぃ!」
「こっちゃ世界の命運背負ってんだよ!」
一方、朱毘の方はディーラーの手を読んで上手い具合に流れを自分の方へと引っ張っていく。
勝負はこれからだ。
サツキはゲームの最中、そっと周囲へ目を配っていた。
マフィアたちが出てきそうなのは、丁度フロア奥の左右と中央にある両開きの扉だろうか。
扉からここまで遮蔽物になりそうなものは、等間隔に配された様々なゲームとテーブルと意匠をあしらった数本の柱だろう。
ジョディはサツキから見て左手前、丁度ジョディを中心に猟兵たちが扇形に広がるように席に着いている。
「お客様、準備はよろしいですか?」
サツキの様子に気付いてはいないらしいディーラーが促すと、彼女はふわふわのツインテールを揺らして頷いた。
「ボクはフラッシュだよ!」
周囲からおお、と声が上がる。
まるでこんなところにいるのが似つかわしくなさげな無防備な様子だった彼女が繰り出した役に、ディーラーからもなんとも言えない間が伝わってきた。
実は、イカサマを使う相手と聞いて彼女もフェイントや残像、盗み攻撃などを密かに駆使して隠しておいたカードで、イカサマ返しをしていたのだ。
確かにそのままでもジョディの天運のせいかカードの出目はいいことが多いけれど。
(「イカサマにやられっぱなしも癪だしね」)
賭け事は自分より得意な者がいると感じている魎夜だったが、ここでは始めから圧倒的勝者の雰囲気を纏って注目の的になっていた。
だが、今は劣勢。
この勝負で負けたら素寒貧だ――というところで。
「こいつでどうだ……ロイヤルストレートフラッシュ!」
捨て身の一撃とも呼べる一手。
滅多に出ない大役に場はどよめき、ディーラーの頬がピクリと引き攣った。
圧倒的勝利で全てを巻き返した魎夜に、周囲から賞賛と羨望の声が響く。
「兄さん、絶好調じゃん」
「嬢ちゃんも随分と勝ってるな」
「まあね」
声を掛けようと思っていたジョディから話し掛けられ、魎夜は笑みを浮かべた後少し真面目な調子になる。
「最近、賭場で勝ちすぎる奴は命狙われてるって噂あるけど、怖くねえのか?」
するとジョディはあははと軽く笑って見せた。
「そんなの怖がってたら賭けなんてやってられないよ。それくらいの方が、ヒリヒリするじゃない?」
どうやら荒事揉め事の類は慣れっこらしい。けれどグリモア猟兵の予知を考えると、本格的な戦いの領域に入ってしまえば彼女に打つ手はないのだろう。
一時とはいえ、魎夜にとっては仲間だ。必ず守ってやりたいという思いが湧いてくる。
「でも、煽りすぎは禁物よ。家に帰るまでがギャンブルなんだから」
「わかってるって~」
イチカの忠告も、ジョディはあまり気に留めていないようだ。
このツキなら怖いものなしになるのも分かるし、仕方ないとイチカは静かに嘆息するのだった。
その後も、ジョディと猟兵たちは勝って勝って勝ちまくった。
彼らの前には、山と積まれたチップのタワーがそびえていく。
「くっ……お客様、何か不正をされているのでは?」
あまりの勝ちっぷりに、顔を引き攣らせたディーラーがジョディに囁く。
「何言ってるのさ、イカサマはあんたの方だろ」
少女の手から放たれるコイン、そしてディーラーの懐から零れるカード。
周囲のどよめきと興奮が最高潮に達する中、ディーラーたちが背後に叫んだ。
「「皆さん、お願いします!」」
大成功
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第2章 集団戦
『マフィア・トルーパー』
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POW : 暗黒街の襲撃者
戦場の地形や壁、元から置かれた物品や建造物を利用して戦うと、【サイボーグアームと一体化した機関銃】の威力と攻撃回数が3倍になる。
SPD : 裏社会の惨殺者
【ブッチャーナイフを何度も叩きつける攻撃】が命中した箇所を破壊する。敵が体勢を崩していれば、より致命的な箇所に命中する。
WIZ : 鉄の掟
自身の【組織からの命令を絶対に遂行するという掟】の為に敢えて不利な行動をすると、身体能力が増大する。
👑11
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●刺客たちを倒せ
ディーラーたちの声に、店の奥からワラワラと現れたのは無数のマフィア・トルーパーたち。
彼らは銃と刃物を手にジョディと猟兵たちを取り囲もうとしている。
イチカ・バーチカ
さて、荒事のお時間ね!
戦闘に向いてない私は、どう立ち回ろうかしら。
[瞬間思考力・戦闘演算]で思考。
とりあえず、ジョディさんの安全が先決ね。
武器「マインドエラー」を宙に舞わせ
即攻撃可能に見せる【イカサマ】で[注目を集め・挑発]して
宙のマインドエラーに視線を【ミスディレクション】。
必要なら[陽動]でマインドエラーの[エネルギー弾]も撃って
その隙に、ジョディさんを机や柱の陰のような
死角なり安全な場所に押し込みたいわね。
予知になかったから大丈夫だろうけど、
ギャラリーもその隙に隠れてくれるかしら。
戦闘になったら[戦闘演算]で動きを[見切り]
[死角攻撃・エネルギー弾]。
あぁ! このヒリツキ、たまらないわ!
サツキ・ウカガミ
遊びの時間は終わりみたいだね!
理不尽は、ボクが許さないよ!
そちらの方が人数多いね?
こちらもとりあえず、人数揃えていこうかな。
ジョディや周囲を巻き込ませず、猟兵への対処に
敵を集中させたいし……。
【陽炎幻影・改】で分身を、ジョディの盾になるよう召喚。
模倣させるUCは【瞳術『忍夜皐曲者』・鏡魔眼】。
分身の方は威力が下がるけど、自傷している隙があれば充分だよ。
クナイの[ナイフ投げ]や[ダッシュ]で近づいての[急所突き]で
弱った者からトドメをさしていく。
ボクへの直接攻撃は瞳術で対処できるけど、
ボク以外を狙った攻撃に巻き込まれそうになったら
[気配関知]して、必要に応じて[見切り]で避けていこうかな。

暗都・魎夜
【心情】
幸運の猫ジョディ
このろくでもない世界をこの年で賭博1本で生きている訳だな
ま、多少強気すぎるかもだが、こんな世界だったら卑屈に生きるよりもよっぽど尊敬できるぜ
とあっちゃ、改めてこんなところで殺させてやるわけには行かねえ
【行動】
「ジョディ、お前の運は本物だぜ。ここで死ぬことはまずねえよ」
UCを発動して敵を「捕縛」する
敵の練度は決して低くねえし、サイボーグ化しての戦闘力は実際脅威だ
なによりマフィアとしての組織への忠誠心は侮れねえ
ジョディを「武器受け」「かばう」のと並行で、動ける奴がいれば「グラップル」「気絶攻撃」
「お前らも運がよかったな。周りに人がいなかったら、こんなもんじゃすまなかったぜ」
物々しい空気に気圧されて、周囲にいた観客たちが後方へ下がっていく。
「遊びの時間は終わりみたいだね!」
理不尽は自分が許さないというサツキの声が早いか、タタタタッ、とミシンのような音が響いた。
マフィア・トルーパーのサイボーグアームと化した機関銃からの発砲だ。
ジョディを狙ったその銃撃の前に、魎夜が立ち塞がって庇う。
魎夜自身は手甲と炎の形を模した魔剣でそれを受け止め、ダメージを最小限に抑えた。
こんなろくでもない世界で、卑屈に生きるよりもよっぽど尊敬できる。
そうジョディに対して感じた魎夜。
(「改めてこんなところで殺させてやるわけにはいかねえ」)
より自らの気持ちを強めていく。
「さて、荒事のお時間ね!」
身振りを派手にしたイチカに、マフィアたちの視線が引っ掛かる。かと思えば、宙にひらひらと舞う半透明のカードがまたその視線を奪っていく。
直後、サツキの姿が15人に増えた。【陽炎幻影・改】で分身を生み出したのだ。
サツキの分身がジョディを守っている間に、イチカがジョディを身近のテーブル下の凹みに押し込めた。
「わわっ、なになに!?」
猟兵たちの一瞬の攻防にまったく付いていけないジョディは、従いつつ周囲の様子を窺っている。そうしてどうやら、自分はここで大人しくしているのが一番だと理解したらしい。
物分かりのいい様子に安堵したイチカは、優雅に姿勢を正す。
どうやら周りにいた客たちも、逃げたり柱などの陰に隠れるなどして戦闘の余波に影響のある場所にはいなくなっていた。
「大人しくしていな!」
魎夜が手をかざすと、【土蜘蛛禁縛陣】が発動した。
強靭な蜘蛛糸がマフィアたちを捕らえ、その力を吸収していく。
「ジョディ、お前の運は本物だぜ。ここで死ぬことはまずねえよ」
「なっ、なにちょっとカッコいいこと言ってんの」
自分に向けての言葉に、ジョディの目が丸くなり頬が紅潮した。
「おっと、生憎俺は嫁がいるんでな」
「なーんだ……じゃない、そんなことどうでもいいしっ」
テーブルの下に押し込められても健在そうな様子に、魎夜は笑って魔剣を振るうのだった。
「「ボクの眼をもって命ずる、竦め!」」
サツキの分身たちの瞳がサツキ模様に変わり、その視線がマフィア・トルーパーたちを硬直させる。
すかさずサツキ自身は漆黒のクナイを投げ放ち、ダッシュで急接近して急所を狙っていく。
その立派なブッチャーナイフを振るう暇もなく、マフィアたちが膝から崩れていく。
先頭に向いていないと自ら思っているイチカも、これなら戦い易い状況だ。
残る自由な敵の攻撃を戦闘演算と見切りで掻い潜り、柱やテーブルの影を潜りながら死角から放ったエネルギー弾が次々マフィアたちに命中し、一人、また一人と確実に倒していった。
(「あぁ! このヒリツキ、たまらないわ!」)
攻撃を食らうか食らわないかのギリギリの状況で、イチカの肌がヒリヒリと火照る。
「お前らも運がよかったな。周りに人がいなかったら、こんなもんじゃすまなかったぜ」
「何を……っ!」
「くそっ」
蜘蛛糸に捕らわれたマフィア・トルーパーたちは魎夜の言葉に悔しそうに抵抗しながらも、あえなくその刃の餌食となっていく。
成功
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御堂・伽藍
アドリブ、即席連携歓迎
じゃっく ぽっと
無価値の価値、今こそ!
リミッター解除先制早業UC発動
残像陽動フェイント忍び足でゆるゆると接敵
射程に入り次第念動怪力雷風属性衝撃波武器落とし誘導弾
フェイント二回攻撃追撃を交え範囲ごと薙ぎ払う
旧いゲームメダルの嵐で敵だけの武器を破砕しそのまま打ちのめす
敵の攻撃を落ち着いて見切り
残像陽動フェイント忍び足ダンス迷彩で躱し
カウンターマヒ捕縛誘導弾
派手に吹き飛ばす
かくてい えんしゅつ
嫌だと言っても持って逝け!
窮地の仲間は積極的にかばい援護射撃追撃
あか? くろ?
どちらに振っても勝負時
のる? そる?
おおフォルトゥナ!運命の女神よ!
さようなら
さようなら
御然らば
御然らば
「すてられた だからひろわれた 暗闇にこそ星は輝く」
すかさずユーベルコードを発動したのは御堂・伽藍(がらんどう・f33020)、あどけない僵尸の少女だ。その効果は、彼女の持つすてぜにたちに力を与える。
残像を残すゆるゆるとした動きに、マフィアたちは伽藍への攻撃を決めあぐねていた。その間に接敵し、フェイントを交えた様々な攻撃を繰り出した。
「
無価値の価値、今こそ!」
くるくると踊るような少女の動きに合わせ、大の大人の男たちがバタバタと倒れていく。
その近くにいたマフィアたちも、雨嵐と投げつけられた旧いゲームメダルによる衝撃で武器を破壊されていた。
「なんてことしやがる!」
刃の折れたブッチャーナイフは、その動きを見切った伽藍にかすりもしない。
赤と黒、どちらに振るか。どちらでも勝負の時。
――おおフォルトゥナ!運命の女神よ!
「
嫌だと言っても持って逝け!」
軽やかなステップを踏んだ少女は、カウンターでマフィア・トルーパーを捕縛し誘導弾で派手に吹き飛ばした。
『さようなら さようなら 御然らば 御然らば』
倒れたマフィアたちに向け、少女は踊りの延長線上のように優雅に
頭を垂れた。
成功
🔵🔵🔴
大宝寺・朱毘
連携歓迎。
公序良俗に反する行動、利敵行為、過剰に性的な描写はNG。
アイドルでありロッカー。
ロック(漢気があるとほぼ同義)な様を好み、「ロックだ」と感じれば味方はもちろん敵でも賞賛することがある。
民間人への被害を嫌い、救助活動などには全力を尽くす。
使用武器は黒いボディに炎の模様が入ったギター『スコーチャー』
演奏によって音の爆弾や衝撃波を生み出してぶつけるという戦法を好む。
必要なら演奏を続けつつ蹴りなども行う。
冒険では、魔力任せに障害を吹き飛ばすといった行動が得意。ただし地頭が悪いわけでもないので、搦め手が必要ならその都度考える。
台詞例
「いいね、ロックじゃん」
「こっちゃ世界の命運背負ってんだよ!」
「こんな大勢で寄ってたかってなんて、ロックじゃないね」
朱毘は炎の模様が描かれた黒いギターを構え、言ってのける。
「たった今からこの場所は、あたしが支配するステージになる……ザ・ライブ!」
声を上げてユーベルコードを発動すると、今まで無機物だったカードテーブルやスロット台、調度品などが熱狂渦巻く声援を発するライブ客や機材に様変わりした。これによって、自身や仲間たちに大きく力が湧いてくるのを感じる。
「いくぜ、スコーチャー!」
相棒のギターに呼び掛けながら爆音を響かせ、その衝撃がマフィア・トルーパーたちを襲う。
魔力を力任せにぶつけるだけの攻撃でも、蜘蛛糸で動きを阻害されているマフィアたちにはてきめんだった。
「くそ……お前たちの思い通りにさせるか!」
まだ動けるマフィア・トルーパーが力を振り絞って突撃してくるが、今の流れでは自身を強化する不利な行動も、ただの自殺行為でしかない。
あえなく朱毘の強烈な一撃に返り討ちに遭い、そのマフィア・トルーパーは緋色の絨毯が敷かれた床に転がった。
成功
🔵🔵🔴
大宝寺・風蘭
連携歓迎。
公序良俗に反する行動、利敵行為、過剰に性的な描写はNG。
へらへらしているが、やると決めたことはちゃんとやるタイプ。
民間人への被害を嫌い、救助活動などには全力を尽くす。
使用武器は、木刀のような見た目の革命剣『木刀れぼりゅーしょん』
正規の格闘技の心得はなく、斬撃とパンチ、キックを雑に組み合わせた喧嘩殺法で戦う。
オウガ(二足歩行の人間大の猫のような見た目で、名前はモチズキ)との連携を好む。
冒険では、力任せに障害を吹き飛ばすといった行動が得意。ただし地頭が悪いわけでもないので、搦め手が必要ならその都度考える。
台詞例
「アタシだってヤるときゃヤるんだぜぃ!」
「つまり、全員ぶっ飛ばしゃ解決っしょ」
テーブルが群集と化し、護衛の分身も消えたジョディの許に風蘭が付く。
「大丈夫? ジョディさん!」
「あ、うん。お陰様で」
すさまじい戦闘を目の当たりにしてぽかんとしている様子のジョディに、風蘭はニッと笑って『木刀れぼりゅーしょん』を構え直した。
「そんじゃ頼んだかんね、モチズキ。食った分はちゃんと働いてよ?」
風蘭手作りのずんだ餅を食べたオウガ、モチズキもそれに合わせて構えを取る。
剣撃からの鋭い蹴り、それに合わせてモチズキも拳と足でラッシュを決め、マフィア・トルーパーたちを沈めていく。
狙いすましたマフィアの銃撃を、その肉体で跳ね返すモチズキ。
「こいつら全員ぶっ飛ばす!」
「応!」
剣とパンチ、キックを組み合わせた自己流、変幻自在の攻撃に、敵は虚を突かれて攻撃をもろに食らってしまう。
モチズキとの見事なコンビネーションで、風蘭は次々とマフィア・トルーパーたちを吹き飛ばし、或いはその場に崩れ落ちさせていく。
一人と一体は、あっという間に残ったマフィア・トルーパーたちを一掃した。
成功
🔵🔵🔴
第3章 ボス戦
『サイバーくノ一「吹雪夜叉」』
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POW : 忍法・氷結手裏剣
【手を狙う命中すれば即氷結する手裏剣】【足を狙う命中すれば即氷結する手裏剣】【胴体を狙う命中すれば即氷結する手裏剣】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
SPD : 房中術・絶対零度の接吻
【相手を瞬時に氷結させるキス】が命中した対象を捕縛し、ユーベルコードを封じる。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ : 忍法・氷結濃霧
【当たれば凍ってしまう絶対零度の霧】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を凍りつかせ】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
👑11
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●その名は吹雪夜叉
一人残らずマフィア・トルーパーたちが倒されると、ディーラーや従業員たちはあわを食っている様子だった。
「……ま、まだだ! 先生、先生は何処だ!?」
「先生! お願いします、吹雪夜叉様……!」
慌てふためいた従業員たちの声の中、いつの間にか白い狐面の女がフロアに立っていた。
「騒々しいわね」
「せ、先生……!」
従業員たちはダダッと吹雪夜叉と呼ばれた女の背後に集まり、猟兵たちをなんとかしてくれと泣きつく。
「面倒事は嫌いなんだけど……仕方ないわね。あなたたちに世話になった礼はしないと」
そう言って吹雪夜叉は大太刀を片手に、猟兵たちと相対した。
イチカ・バーチカ
鉄火場って感じが出てきたわね!
盛り上がってきたわ!
さぁ、生き残って、相手を倒すには、何がベスト……?
熱くなってきたところだもの。火には油を注ぐべきよね。
【乱戦博戯】。
「面白くなってきた勝負だもの。
場が冷めるような真似はしないでね?」
……このルールがどこまで賭場に影響を与えるかは、
戦ってみてのお楽しみかしらね。
戦闘中は敵の動きを[読心術・瞬間思考力]で
[見切り]攻撃を回避しつつ、
[陽動]で[注目を集め]たり[挑発]したり。
隙あらば、宙を舞う[エネルギー弾]マインドエラーで[死角攻撃]。
アタッカーは皆に任せて、サポートに専念していくわ。
楽しめたわよ、先生!

サツキ・ウカガミ
面倒事を呼び込んだのはそちらの行いの悪さだよ。後悔すると良いよ!
さて、お手並み拝見。忍法を使わせるまでは
[見切り・気配関知・軽業]で攻撃を避けたり刀で[武器受け]して、
反撃に[なぎ払い]や[斬撃波]で牽制、隙を伺おうかな。
忍法は[見切り・気配関知・軽業]で避け[氷結耐性]で耐える。
ふぅん、良い術持ってるね?
……欲しいね。
術での強化に自信があるなら、そこにつけ込めるかな?
刀での打ち合いを挑むように見せかけ
[武器を投げつけ・フェイント]、[おどろかせ]た隙に
【禁術『奪』】で輝く刀を創造、[不意打ち]で[居合]。
術を封じた後は投げつけた刀を回収し、二刀流の[2回攻撃]で攻める。
脇が甘かったね、先生!
暗都・魎夜
【心情】
さて、こいつを倒せばゲームセットだ
とは言え、さっきまでの連中とは大違いだな
あの大太刀も脅威だが、それ以上にそれを当ててくるための技が豊富だ
まったく、この世界のニンジャもやってくれるぜ
「(誰何の声に)俺は通りすがりの能力者さ、覚えておきな! イグニッション!」
【戦闘】
「生憎と氷の攻撃は見慣れていてな」
「天候操作」で風を操り、ジョディを「かばう」
「ジョディ、一つあいつを何分で片づけられるか、賭けねえか?」
大太刀の攻撃を「見切り」「武器受け」
「勝負勘」で氷の空間を外れる瞬間を読み、「リミッター解除」したUCを放つ
「俺も面倒ごとは嫌いだが、勝たせてもらった恩義もあってね」
「面倒事を呼び込んだのはそちらの行いの悪さだよ。後悔すると良いよ!」
きりりと眉を吊り上げ、言ってのけるサツキ。
対してイチカは花の綻ぶような笑みを見せていた。
「鉄火場って感じが出てきたわね!」
生き残って吹雪夜叉を倒すには、と思索を巡らせながらも、熱くなってきた戦いに火に油を注ぐべく手をかざす。
「面白くなってきた勝負だもの。
場が冷めるような真似はしないでね?」
フロアに【乱戦博戯】の効果が浸透すると、従業員やまだ物陰に隠れていた客の残りが勝負に対して賭けをし始めた。
「それなら痛いくらい熱い氷をお見舞いするまでよ」
吹雪夜叉は不敵に笑ったようだった。
残ったギャラリーが何やら盛り上がっている。
(「さて、こいつを倒せばゲームセットだ」)
と思いつつも、今まで相手にしてきたマフィアたちとの格の違いを感じ取る魎夜。
サツキはお手並み拝見とばかりに気配を察することに集中力を高め、反撃の準備を怠らない。
絶対零度の霧から天候操作で風を自らに送ってジョディを庇った魎夜を、氷結が襲う。
「まったく、この世界のニンジャもやってくれるぜ。生憎と氷の攻撃は見慣れていてな」
身動きが取れなくなったにも拘らず歯を見せて笑う魎夜に、たじろいだ従業員が「な、なんなんだお前……」と呟くと。
「俺は通りすがりの能力者さ、覚えておきな! イグニッション!」
魎夜はその手にイグニッションカードを閃かせ、絡みついた氷を内側から割るように氷結を破った。
身振りと武器の動きで陽動し、イチカは敵と周囲の注目を集める。
時に挑発し、攻撃の矛先を自分に向けさせながら宙を舞うエネルギー弾で死角から敵を撃ち抜かんとする。
すべて命中すればユーベルコードを封じる数種の手裏剣技に、冷たい口付けでユーベルコードを封じる代わりに何か代償があるらしい術。
「ふぅん、良い術持ってるね?」
……欲しいね。
聞こえるかどうかのサツキの呟きを聞いて、吹雪夜叉は何かゾクリとしたようだった。
「この小娘……」
サツキはすかさず漆黒のクナイを投げつけてフェイントを掛け、相手を怯ませた隙にユーベルコードを発動する。
「ボクに、上手く制御が出来るかな……?」
自らの身長にも近いちょうだいな光り輝く剣を手に、居合で攻撃するも女もさるもので大太刀でガードが入った。
流石に一筋縄ではいかないか。
「ジョディ、ひとつあいつを何分で片づけられるか、賭けねえか?」
「えっなんだよ藪から棒に。よし、じゃあ今から5分半!」
やにわに提案してきた魎夜にジョディは目を丸くしたが、流石は天性の博徒というべきか、すぐに答えが返ってくる。
「刻んでくるなぁ!」
戦いに巻き込まれても健在な様子の彼女に笑んで、魎夜は吹雪夜叉の一太刀を受け止め、逆に反撃に打って出る。
「俺も面倒ごとは嫌いだが、勝たせてもらった恩義もあってね」
吹雪夜叉の冷たい唇を見切ってかわし、リミッターを解除した【退魔呪言突き】を放った。脇腹を貫かれる吹雪夜叉。
「くっ……」
忍法・氷結濃霧で力を高めていた女の身体が石と化し始めた。
そこに、イチカのマインドエラーから発されたエネルギー弾が炸裂する。
「楽しめたわよ、先生!」
「脇が甘かったね、先生!」
そしてサツキの輝く剣の斬撃が、吹雪夜叉を袈裟懸けに切り裂いた。
「ぐぅ……っ。先生と呼ばれるのは、好きじゃないわ……」
成功
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クロト・ラトキエ(サポート)
基本、戦闘中は無口。
静かに、密やかに、確実に…
鋼糸やワイヤーを張り巡らせ、陸空構わず足場とし、武器として、
他に、毒にナイフ…と多彩な暗器で敵を討つ。
物心ついた時から戦場に在り、
仮令、相手が誰であっても、如何なる強者や数だろうと、
ふわり、いつも通りの微笑みを絶やさない、生粋の戦場傭兵。
かわいい小動物から猛獣まで、生き物には避けられがち。
かなしみ。
常に周囲を視。
敵の動きや特性を見切り、回避や攻撃へと繋げる、
距離・範囲拘らずの攻撃orサポートタイプ。
温かな癖に、凍れる感情。
特に色仕掛けは効かない。
状況に合わせ、動きやUCはご自由に。
物語にとって良い様に、上手いことサポートさせて頂ければ幸いです。
シェリー・クサナギ(サポート)
「美しくない世界なんて、生きるに値しないわ」
◆口調
・一人称はワタシ、二人称はアナタ
・女性的な口調
◆性質・特技
・血液の形状を自在に操作する能力を保有する
・可愛いものには目がない
◆行動傾向
・暴力と砂嵐が支配する狂気の世界において、美しいものと可愛いものこそが人の心を救うと信じ、それらを護るために戦ってきた歴戦の奪還者です。社会通念や秩序に囚われることなく、独自の価値観を重んじます(混沌/中庸)
・彼にとって『美しさ』は外見だけでなく、義侠心や献身的な姿勢、逞しく生きようとする精神の高貴さも含まれます。これを持つものは敵であっても尊重します(が、世界を脅かす存在は『美しくない』ので結局戦います)
佐藤・和鏡子(サポート)
佐藤和鏡子、15歳。
看護用モデルのミレナリィドールです。
服装はスクール水着の上にセーラー服の上着を着て看護帽を被っています。
銀色の髪と紫色の瞳に白い肌が特徴です。
看護用モデルらしく温和な心優しい性格で困っている人に積極的に手助けします。
(看護兵×ハイウェイスターなので医療技術と運転技術に特に強いです)
戦闘では回復や援護など防御的な立ち回りをします。
(ユーベルコードは状況に応じて使用します)
描写におけるタブーは一切ありませんので、NPC・フリー素材感覚で自由に使い倒して頂いて大丈夫です。
「今すぐ手当てします!」
スクール水着の上にセーラー服の上着、看護帽姿の銀髪の少女、佐藤・和鏡子(リトルナース・f12005)が放つ注射器で、傷ついた仲間たちを癒していく。
漆黒の髪を靡かせ、クロト・ラトキエ(TTX・f00472)がフロアを舞うように移動する。
ふわりといつも通りの笑みを絶やさず、石化状態の吹雪夜叉に接敵し、藍柄薔薇紋様の短剣で斬り付ける。その毒が女を苛み、確実に弱らせていく。
「勝負を反故にするなんて、美しくないわね」
パンクな銀髪に色黒の肌が映えるシェリー・クサナギ(荒野に咲く一輪の花・f35117)は、自らの血液を操りながら『ブラッディ・ギア』を放ち、自動小銃『ヴァーチュア』の弾を撃ち込む。それらはすべて命中し、吹雪夜叉は苦境に悔しげな様子を見せる。
だがその時、彼女にとってはやっとと言うべきか、石化が解けた。
「随分好き勝手してくれたわね。これはお礼をしないといけないわ」
女の忍術が炸裂し、戦況を拮抗させていかんとする。
「また怪我をしても大丈夫ですよ、私が癒しますから!」
和鏡子は紫の目を細め、にっこりと笑った。
「可愛い子が手当てしてくれるなら、怖いものはないわね」
シェリーはウインクして見せつつも、すぐに厳しい目を吹雪夜叉に向けた。
「アナタ……不愉快ね。せめて散り際は美しくあって頂戴❤️」
ユーベルコード【
責め立てる追跡者】。
軽蔑の念を感じていた女に向け、無数のかろうじて人の形をした血球型偽神兵器が呼び出された。血球型偽神兵器たちは吹雪夜叉を追跡し、何処までも攻撃を加えていく。
堪らず後退した吹雪夜叉の衣服が裂ける。クロトが張り巡らせていた鋼糸に触れたのだ。
クロトはそのまま新たな鋼糸を発射し、吹雪夜叉の身を切り裂いた。
「こんな、ところで……」
呻き声を上げながら、女は磨かれた床に倒れ込む。
そうして動かなくなった。
「5分半きっかり!」
ぐっと拳を作るジョディ。
「ほらほら、チップはこれだけあるんだよ? わかってるよね」
サツキが眉を吊り上げながら生き残った従業員たちに迫る。
「ひ、ひぃ……っ。わかりました、わかりましたから!」
もはや怯えるだけしかできない従業員たち相手に、きっちりと換金したジョディと猟兵たち。これで、メガコーポに流れる巨額の資金の一部を潰すことができただろう。
「こんなに稼いで、これからどうするんだ?」
賭けの分をちゃんとジョディに渡して、魎夜は彼女に聞いてみる。
「流石にこれだけあれば、しばらくチビたちを食わせていくには充分かな」
彼女には彼女で、守らなければならないものがあるようだ。猟兵たちはどうしようもない世界でも、力強く生きていこうとする少女の気概を感じた。
「まぁ、賭け事も好きなのは確かだけどね~。これからはほどほどに遊んでいくことにするよ」
命がなくなったら元も子もないと言いながらからからと笑うジョディ。
「やれやれ……」
そんな様子を見て、イチカ始め猟兵たちは肩を竦めるのだった。
成功
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