大祭祀ハロウィン襲来~篝火が燃えている
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地球の生きとし生けるものたちよ、お初にお目にかかる!
オレサマの名は『大祭祀ハロウィン』――『
十二剣神』の一柱だ!
お前らの生存エネルギー……グラビティ・チェインを狙う悪の侵略者として、最低限の矜を通させて貰う。つまり、宣戦布告だ!
これよりオレサマは、多重分身によって『全世界同時攻撃』を行う!
ハロウィン当日までに『ハロウィンの楔』を打ち込むオレサマを阻止できなければ、地球はオレサマの主星と融合し、あらゆる生命、そしてグラビティ・チェインは、その全てがハロウィンと化す!!
止められるか、特務機関DIVIDE!
止められるか、六番目の猟兵たち!
オレサマは文字通り、
世界中で待っている!!
正義の味方として、精々止めに来るんだなァ! ヒャーッハッハッハッハヒャハハァ!
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――『ハロウィン打倒者、求む』
そんな看板を一生懸命振っているのは、ミミックの火倶利・コバコ(Yummy・f41074)です。彼は言葉が巧くないので、看板でなんとか伝えようとしているようでした。
「大祭祀、ハロウィン、キタ!」
集まってくれた猟兵に、コバコは端的に言います。
「ケルベロスの世界、ハロウィン、大体トラブルがアル。今回も起きた! 大祭祀ハロウィン、ハロウィンの楔、打ちに来タ!」
――と、コバコの言葉をまとめるとこうです。
ケルベロスディバイドの世界には、大祭祀ハロウィンという敵がいます。
もうすぐ訪れるハロウィンを、彼(あるいは彼女)は狙っているようです。
多重分身によって世界中に現れるハロウィンは、ハロウィンの楔を打ち込み、己の主星とケルベロスディバイドの世界を一体化させようと目論んでいます。
これを止めるには――「万物が存在する混沌状態」であるハロウィン化に呑み込まれないように気を付けながら立ち回るしかありません。
「ツマリ、仮装、スル!」
ぴょん、とコバコは跳ねました。
仮装をする事で「あらゆる世界の概念が同時に存在する」という状況を作り上げ、混沌状態に対抗するのだと。
魔女に狼男、例えば出身世界のコーデでも、ケルベロスディバイドの世界では仮装として通用するでしょう。
お揃いも勿論OK、更には地味ハロウィンなんてものも最近は存在するのだとか?
「ハロウィンには、ハロウィンをブツケル! ソレデ、敵タオス!」
更にコバコの言葉をまとめるとこうです。
転移した先には冷気を纏った魚型デウスエクスの群れが泳ぎまわっています。ですが氷雪を司る彼らは熱に弱いもの。つまりハロウィンで盛り上がれば大した敵ではないのです。
「ハロウィン、楽しム! 敵、弱ル! イー事ばっかり!」
ぴょんぴょん、コバコは跳ねました。そうして魚型デウスエクスを掃討すれば、大祭祀ハロウィン――の多重分身したうちの一体をおびき寄せられる筈だと。
「モチロン、ポジションもオッケー。気を付けてイテラシャイ!」
コバコがグリモアを開き、ケルベロスディバイドへと行き先を繋ぎます。
ハロウィンの熱気があれば、先兵たるデウスエクスは敵ではないでしょう。猟兵よ、ケルベロス・ディバイドのハロウィンは君たちの手に託されました!
key
こんにちは、keyです。
ハロウィンの度に何かありましたよね。
●目的
「大祭祀ハロウィンを撃退せよ」
●各章
第一章は集団戦となります。
ケルベロス・ディバイドの世界にふわふわと泳ぐ魚はハロウィンの小物ではありません。立派なデウスエクスです。
が、氷雪を操る彼らは熱に弱く、ハロウィン特有の熱気があれば恐るるに足らないレベルまで戦闘力が落ちます。
つまり、仮装によってテンションを上げれば良いのです!
仮装……! 仮装こそが全てを解決する!
第二章では普通に大祭祀ハロウィンとの戦闘です。
●プレイング受付
受付は断章投下後に開始です。
〆切はタグ・マスターページにて適宜お知らせ致します。
●注意事項(宜しければマスターページも併せてご覧下さい)
迷子防止のため、同行者様がいればその方のお名前(ID)、或いは合言葉を添えて下さい。
また、アドリブが多くなる傾向になります。
知らない人と共闘する事なども在り得ますので、ソロ希望の方はプレイング冒頭に「ハナ」を添えて頂けると助かります。
そしてケルベロスディバイドの世界では「ポジション効果」というものが存在します。
詳しくは説明書を見て頂くとして、利用する場合は冒頭に【クラッシャー】など希望のポジションを記載して頂ければ採用致します。
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此処まで読んで下さりありがとうございました。
皆様のプレイングをお待ちしております。
第1章 集団戦
『冷落病』
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POW : 極寒に堕つ
【身】に宿る【動きや思考を鈍らせる冷気】を解き放ち、レベルm半径内の敵には[動きや思考を鈍らせる冷気]で足止めを、味方には【糧となる冷気】で癒しを与える。
SPD : 雪氷を纏う
【身体より発生させた無数の雪華】を地形に突き刺し、戦場内の地形を滑る【溶けない氷床】で覆う。滑りやすさは発動時に調節できる。
WIZ : 宿雪に沈む
戦場全体に【動きや思考を鈍らせる氷結空間】を発生させる。敵にはダメージを、味方には【視界を遮るほどの激しい雪嵐】による攻撃力と防御力の強化を与える。
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――ひゅるり。
魚が泳げば、ハロウィンを間近に控えた店の扉が凍ります。
――ひゅるり。
大地を滑るように泳げば、石畳に霜が降り、ぱきぱきと音を立てます。
彼らは病魔“冷落病”。なによりの好物は生物の体温、喰らえば罹患者は怖ろしい程の寒さに襲われた末に命を落とします。
ハロウィンの魔力ゆえでしょうか、既に具現化した冷落病たちは悠々と空を飛びまわっていました。人々は既に避難を終えているので、逃げ遅れた人がいないか探しているのでしょう。
催し物特有の熱気も既になく、病魔は場の支配者となり、主である大祭祀を迎えるために周囲を凍り付かせ続けていました。
――ハロウィンに冷気だなんて、風情の欠片もありません。
見た目だけは美しい彼らを蹴散らしてしまいましょう。
素敵な仮装はしてきましたか? ハロウィンの挨拶をする準備は良いですか?
さあ、皆で暖かなハロウィンを迎えるために――トリック・オア・トリート!
ネリネ・リード
[POW]
アドリブも共闘もno problem!つーか、むしろ歓迎すんぜ。
んでクラッシャー選択!
別に混沌としてんのは嫌いじゃねーがな。
年がら年中ハロウィンじゃあ、頭が参っちまう。
ん?OK, オーケー、no problem.
分かってるよ、仕事はちゃんとやるさ。
さあ、祭りだ、アゲてこうぜ!
Dragon girlなコスプレで飛び込む!
おいおい、冬支度にはちぃっと早いんじゃねえか?
UC:破砕の剛腕起動!
腕とUCのギミックに冷えた空気を取り込んで無理やり圧縮。
ヒュー、勝手に冷却されんじゃん!
排熱の手間要らずたぁ、涙が出るね!
さあて、行くぜ!?歯ぁ食いしばれ!
Burn knuckle!!
●クラッシュ
ネリネ・リード(THE RED・f20899)は其の装飾品の多さにも関わらず、グリモアを越えてすとんと着地して見せた。
「Hmm……別に混沌としてんのは嫌いじゃねーが。年がら年中ハロウィンになっちゃあ、頭が参っちまう」
ん? OK、オーケー。 no problem.
判ってるさ、仕事はちゃんとやる。だからこうしてdragon girlの仮装だってしてきた訳だろ?
そう、今日のネリネはまさしくドラゴンガール。背中には皮膜の翼の飾り物、チャイナ風の衣装のひらめきの合間に見えるのは、太く雄々しい竜の尻尾だ。
猟兵が降り立ったのを確認すると、付近のビルから其れを見ていたDIVIDEの職員たちが準備を始める。
「竜のお嬢さんはクラッシャー装備をお望みだ! ドでかい援護をかましてやれ!」
ビルのてっぺんにあった給水塔がにわかに変形を始めると、デウスエクスを狙う機関銃と化す!
「Ha! 良いね、こういうの! 浪漫がある!」
しかしネリネとて負けてはいられない。
召喚した機械の両腕は既に赤熱し、いつでも自由自在に動く準備は出来ている。――排熱機構がしゅうと唸って、熱した空気を吐き出したが……冷落病がうろついているからか、其の熱も直ぐに冷めていく。
「ヒュー! 勝手に排熱されるとは気が利いてる! 涙が出るぜ……All right! さあ行くぜ、歯ぁ食いしばれよ!」
「嬢ちゃんの露払いだ!
撃ェッ!!」
がるるるるるる、と獣の唸り声のような音が周囲に響き渡る!
ネリネの周囲を回遊していた冷落病が、ビル上からの援護射撃で其の動きを鈍らせる。成る程ね、頼りになるじゃねーの!
ネリネは其の恩恵にあずかって、思い切り――拳を振り上げた。
「Burn knuckle! 熱いの喰らいな!!」
機械の拳が熱を纏って、冷落病を殴り飛ばす。弾丸と拳の二重攻撃を受けて病魔はあえなく散り、青黒い塵となった。
「B13番通路を突っ切るぜ! ついてこいよ、DIVIDE!」
機械の剛腕を道連れに、ネリネは道を塞ぐ病魔どもを吹っ飛ばしていく。
其の表情は「楽しい」に満ちていて――そして彼女の周囲には、ハロウィンによるものとはまた異なる熱気が溢れていた。
大成功
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水心子・真峰
……とり……とり…………
あー「仮装を見せるから、その首を寄越せ」という意味だな
(※横文字苦手)
仮装は去年(2022年)の南瓜行列衣装で挑もう
季節外れを更に進ませ、春の装い
混沌具合は文句ないはずだ
氷結は耐性も持ち合わせがある
どうせ踏まぬ地面だ、存分に凍らすが良い
今回動くのは――この"私"だからな
数多の"複製した太刀"を操り
泳ぎ回る白魚を斬り捨てよう
正面の一振を囮に死角から突き刺す
鏡のような刀身を並べ景色を惑わし斬り付ける
などの手段を使う
本体へ向かってくる魚にも容赦しない
足の踏み込みも問題ない
何せ履物を固定してくれてるのは、お前の氷床だ
やはり真剣勝負が一番
複製した一振を手に、袈裟斬りにしてくれよう
●うすらいの心
水心子・真峰(ヤドリガミの剣豪・f05970)は横文字が苦手だ。
刀を携えた仙女――といった出で立ちで現れた彼女は、しきりに首をかしげていた。
「とり……とり、とり……?」
どうやらハロウィンの常套句である“Trick or Treat”の事らしいが、生憎真峰の頭の中にはきちんとした単語として出て来ない。むむ、と思い出すのをやめた真峰はやや不満そうであった。
「まあ、“仮装を見せるから、其の首を寄越せ”という事だろう。そうに違いない」
違うのだが、ツッコむ人間は残念ながら此処にはいない。
ふわりと翻る羽衣は、春を感じさせる。ハロウィンなのに春とはこれ如何に。混沌が加速して、反して周囲を游ぐ冷落病は其の動きを鈍らせていく。
真峰は氷結に耐性がある。
だが、耐性があってもなくても今回は余り関係がない。
「そう」
「どうせ踏まぬ地面だ、存分に凍らすが良い。今回動くのは――この“私”だからな」
すらり。
刀を嫋やかな動作で抜いた真峰は、其の太刀を
複製する。真峰は太刀のヤドリガミだ。其の華奢な容姿の内側に、触れられれば斬れるかのような鋭さを秘めている。
冷落病が雪華を咲かせるが、其の場から動かない真峰にはさしたるダメージはない。其のまま複製した太刀を操り、次々と病魔たちを斬り捨てていく。
鏡のような刀身が並び、きらり、と冷落病自身を反射した。仲間だと思ったのか一瞬たじろいだところを一気に刃を前に傾け、薙ぎ払ってなます切りにする。
「知能は魚とほぼ同じ――といったところか。魚の中には水槽に映った己に威嚇するものもいるという」
冷落病は其の数を武器に真峰へと攻め込んでくる。
くるくると囲い込むように真峰を巻き込むように冷気を纏って游いで来る病魔に素早く視線を走らせると、真峰は適当な複製の太刀を両手で握り締めた。
「容赦はせん。真剣勝負だからな」
其の瞳に喜色が宿って見えたのは、果たして一瞬の幻だろうか。
氷を踏み砕く勢いで片足を踏み込む。ばぎり、と氷が割れる音がして、真峰は一気に複製の一刀を振りかぶり、周囲を撫で切りにした。
大成功
🔵🔵🔵
アイリーン・ミュレット
アドリブOKです
ポジション:スナイパー
仮装:コウモリの付け羽をつけて吸血鬼のコスプレ。ダンピールだしほぼ吸血鬼!
●心情
世界が一色に染まってしまうなんて、そんなのつまらないわ
だから反逆をする。ただそれだけよ
…っていうか、寒いわねここ!?
●行動
人が住む街中なら建物も多いということ
フック付きワイヤーで地形の利用をして移動しつつ黒剣で攻撃したりナイフを投擲して倒していくわ
UCによる強がり、無茶、自己暗示で攻撃力を上げて素早く倒していきましょう
スナイパーの遠距離支援もあてにしているわ
思考が鈍るのも好都合、自己暗示がばっちりかかって効果アップね
あと冷気はカリスマ(?)オーラで多少は防げないかしら?
●カリスマには意地がある
「スナイパー部隊、揃いました」
とあるビルの上。
長大な銃を持った男たちが整列をして、命令を待っている。
上官らしき男は重々しく頷いた。
「今回の任務は猟兵の援護だ。下方10時方向、我々とて助けられてばかりではない事を教えてやれ」
「はっ」
――アイリーン・ミュレット(カリスマ美少女怪盗アイリーン・f10071)はそうして、冷え切った大地に立つ。
蝙蝠の付け羽に動きを阻害しない程度の短いマント。吸血鬼のコスプレだ。……というか、彼女はダンピールなのでほぼ吸血鬼なのだが。
「世界が一色に染まってしまうなんて、そんなのつまらないわ。だから私は叛逆する。ただ其れだけよ!」
ていうか……寒いわね!
悪態をつきながら、アイリーンは舞う。
建物にフック付きワイヤーを引っ掛けて、遠心力を用いて円を描くように動く。道中にいる病魔たちを剣で薙ぎ、ナイフで貫いていく。
「このあたしを誰だと思ってるの……! ナメないで欲しいわね!」
病魔がふわりと花を咲かせるように、冷気を解放していく。思考が鈍る。寒い、ただ其れだけに脳内が支配されていく。
其れを打ち払うようにアイリーンは呟き、黒剣で冷落病を薙ぐ。こちらにとて意地がある。アイリーンは己の裡で力が高まるのを感じた。
――たぁん!
其の時である。
病魔を寸分の違いなく貫く何かがあった。
アイリーンはワイヤーに身を任せそのまま素通りし――振り返る。何が病魔を貫いたのだろうと。
其れは銃弾であった。デウスエクスを仕留めるまでには至らずとも、其の動きを鈍らせるには十分だった。
「――きたか! ありがとね!」
ポジション要請、スナイパー。
アイリーンの其れが届いたのだ。
ならば尚更負けてはいられない。アイリーンはかじかむ指で黒剣を握り直し、ワイヤーを手繰ると……再び舞うように動き回りながら、病魔どもに刃の冷たさをくれてやった。
大成功
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イーブン・ノルスピッシュ
獣人戦線ではありふれた軍服だが、この世界からすれば異質なものらしい
俺自身、既に亡霊の身だ
ハロウィンらしさは十分だろう
いかに地形さえ凍らせる冷気だろうと、
地獄へ誘う鬼火がそう簡単に掻き消えるものか
UC発動
足元から噴き上がる炎が拡がり、敵を取り巻く
跡形なく溶け落ちるまで逃しはしない
ついでに氷床も溶けるのを待ってもいいが、ダメ押しだ
ディフェンダー要請
迫り上がった防壁を足場にして跳び回り、改造銃で榴弾を放つ
新たに凍り付かせる暇は与えない
爆発に敵を巻き込みつつ、氷床を割ってしまうとしよう
(仮装して菓子をもらうのは子供の行事じゃなかったか? と首を捻りつつ、まあ良いかとスルー)
ノネ・ェメ
アドリブ、連携OK
わたしゎ何とも戦わない。
けど、争いが起こりそーならとめたい。
それがわたしの信条。
概念がバラエティに富めばその場を保てる……?
だとすれば守ってあげれるかも?
カオスな力の現状ゃ周囲の仮装の傾向を見てまわり、あんまり見ないなぁと思った装いにちょくちょく着替えます。
UCで、どんな姿にも瞬時に変われる。小まめにくり返し着替えれば、1人でも何人ぶんかの仮装を補えるかも。
まだ未仮装な方にも、かぶりが少ないわたしの仮装をオススメ。
【UC効果でLv100ブームの仕掛け人(フレキシブルヒールがハイカラファッション)】
その仮装をする方が増えればわたしゎまた別の仮装をできるし。
【ディフェンダー要請】
ヴィオレッタ・エーデルシュタイン
他の猟兵たちと協力して行動するわ。
熱だから火を用意すればいいのね。
ということで南瓜ランタンを大量に準備しつつ、自分自身は魔女に仮装。
そしてユーベルコード【錬成カミヤドリ】
自分の分身、青金剛石の群れを140個ほど召喚し、[念動力]付きで南瓜ランタンの下から空中に持ち上げるわ。
あとは氷の魚に炎の灯火をぶつけるだけ。
「行きなさい、炎・・・」
ちょっとだけ格好をついけて杖で指示してあげる。
敵の攻撃で滑りやすくはなるかもしれないけど、自分自身は動かないから問題ないわね。
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ノネ・ェメ(o・f15208)には心に決めている事がある。
――わたしゎ、何とも戦わない。
けれども、同じく心に留めている事がある。
――けど、争いが起こりそーなら止めたい。
だから、ノネは“ノネなりのたたかい”をする事にした。
すなわち非戦闘手段での防衛……『其の場の概念をめちゃくちゃにする事』だ。つまり仮装である。
ノネは周りを見回す。色んな人が、色んな仮装をしている。色んな仮装の人がいる。狼男に、吸血鬼。イーブン・ノルスピッシュ(〝|対戦車猟兵《ゲシュペンスト・イェーガー》〟・f40080)とか軍服だけど、其れ素じゃない? 素だよね?
「まあ……獣人戦線ではありふれた軍服だからな」
ノネに言われて、少し気まずそうにしているイーブンである。
いいじゃない、とフォローするのはヴィオレッタ・エーデルシュタイン(幸福証明・f03706)だ。大きな帽子をかぶって、魔女の仮装をしている。
がしゃん、と大地から防壁が競り立った。
ノネ、イーブン、ヴィオレッタの総意によるディフェンダー要請への答えがいま来たのだ。冷落病が泳ぎ回る範囲は自然と限定され、彼らは回遊を余儀なくされる。
「其れで、ノネさんはどんな仮装にするの?」
「んー。……ファンタジーが、足りなぃ」
ノネ評である。
言うと、ノネはユーベルコードを発動し……ぱっと魔法少女らしい愛らしい衣装に着替えた。フワフワのスカートにパニエを詰めて、足元は丸いシルエットで可愛く。ついでに杖とか持っちゃおうかな。持っちゃおう。赤を基調にしたハートモチーフなやつ。
うむ、これでだいぶカオスぶりも極まって来たのではないだろうか。
これならいつ大祭祀ハロウィンが来ても安心。カオスで迎え撃つ。カオスにはカオスをぶつけんだよって、どっかの偉い人も言ってた。
ノネは其の後も周囲を見て回りながら、カオスに一味を加えていく。ファンタジーから、着ぐるみまで。どんなファッションにだって瞬き一つで早変わり。
くるりくるり着替える事で、もしかしてわたし、数人分のはたらきをしてぃるのでゎ? ノネは訝しんだ。
冷落病たちは上がっていくカオスのボルテージに表皮が耐えきれない。
じわじわと焼かれて、落ちて、僅かな氷の残滓を残して消えていく。其処にイーブンとヴィオレッタの炎が加わって、見事な焼き魚の完成である。食べられはしないけど。
「ハロウィンだし、火を用意すれば……という事だったから、こんなものを用意してみたわ」
言ってヴィオレッタが宙に浮かせるのは南瓜ランタン。
己の分身である青金剛石の群れで下から支え、ランタンを浮かせているのだが――其の様はさながら、これから火炎の大術を行使する大魔女だ。
「如何に地形さえ凍らせる冷気だろうとも――
地獄へ誘う鬼火がそう簡単に掻き消えるものか。喜べ、黄泉路の案内くらいはしてやる」
イーブンが召喚するのは消えない炎。怒り、怨み、きっとそういったものが詰まっている――イーブンはそう思っている。己を突き動かす黒い衝動と同じように、この炎は消えない。冷落病を追い、食らいつき、炭にしてころん、と道に転がす。
イーブンは防壁の上へと飛び上がる。そうして目配せをすると、ヴィオレッタが合わせて南瓜ランタンの群れを冷落病へと突進させた。
「行きなさい、炎よ――なんちゃって」
「ぉー。すごぃ。魔女みたぃ」
「えへへ」
そんなやりとりは遙か背後。南瓜ランタンを引き連れるかのように、イーブンは跳ぶ。彼はウサギだ。跳ぶ事に掛けて彼の右に出るものはいない。そうして愛用の改造銃を構えると―― 一発の銃弾を撃ち放った。
榴弾だ。
青金剛石が回遊する冷落病たちに炎を浴びせかけ……榴弾が彼らのほぼ中心部に落ちると、激しく炸裂する。重苦しい、どおん、という音がして、冷落病は残らず砕け散り、彼らのみならず、彼らが生み出す氷の床まで割り融けた。
「……」
見下ろしながら、イーブンは思う。
――仮装して菓子を貰うのは、子どもの特権ではなかっただろうか……
僅かに首を傾げた。ノネやヴィオレッタに比べれば戦闘に一途に見える彼にも、愛らしい所はあるらしい。
まあ良いじゃないか、大人にもご褒美があって良いご時世さ。
大成功
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第2章 ボス戦
『十二剣神『大祭祀ハロウィン』』
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POW : そして世界はハロウィンと化す
【ハロウィン化した世界】を見せた対象全員に「【オマエのハロウィンを見せてみろ!】」と命令する。見せている間、命令を破った対象は【ハロウィンによる肉体変化に抗う力】が半減する。
SPD : トリック・オア・ハロウィン
【食べた者をハロウィン化する毒菓子】を給仕している間、戦場にいる食べた者をハロウィン化する毒菓子を楽しんでいない対象全ての行動速度を5分の1にする。
WIZ : 真理を識る大祭祀ハロウィンの視線
視界内の対象1体の精神を【真実の部屋ハロウィン】に追放する。精神が帰還するまで、対象の肉体は動けないが無敵になる。
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「ヒャーッハッハッハッハヒャハハハァ!! 混沌には混沌をぶつけるってかァ!? よくも考えやがったな特務機関DIVIDE! そして六番目の猟兵たち!」
ぶわり、と空間が唸る。
捻じれ、歪み、そして其れ等が収まる頃――其処には巨大な影があった。
まるで大口を開けたような魔女帽子。
同じく大口を開けたような、いうなればジャック・オー・ランタンじみたスカート。黄昏と朝焼けを共にしたかのような其の色合い。
ゆらり揺らめき宙に舞う其の姿こそ、十二剣神の一人、大祭祀ハロウィンである。
「なかなか楽しそうな恰好してンじゃねェか! だが此処からは遊びとはいかねェぜ、なァ正義の味方サン! オレサマがハロウィンの楔を撃ち込むのが先か! オマエラがオレサマを止めるのが先か!!」
――やれるもんならやってみなァ!

ヴィオレッタ・エーデルシュタイン
他の猟兵たちと協力して戦うわね。
あら、お菓子。
なら頂くわね・・・ただ小銃はそっとぽいしてからだけど。
そしてハロウィン化菓子を楽しみながら、ユーベルコード【踊り狂う矢弾】。
私の手から離れた銃で大祭祀ハロウィンをハチの巣にしましょう。
ええ、私自身はお菓子を楽しんでいるわよ。
ただ、銃は銃で射撃しているだけ。
「トリック・アンド・トリート、かしら?」
●
「ハッピーハロウィン! ハロウィンといえばお菓子だろ? ヒャハッ!」
大祭祀ハロウィンは其の名の通り、ハロウィンらしいユーベルコードを用いる。最たるものはハロウィン化する毒菓子を給仕するこの技だろう。
毒菓子を食えば
混沌となる。けれど、食わなければ攻撃を当てる事も避ける事もままならない。
ヴィオレッタはだから、菓子を食べる事を選んだ。
「あらお菓子。なら頂くわね」
「ヘエ? 菓子を食うのを選ぶのか、利口だな?」
少し離れた場所にそっと小銃を置き、大きなロリポップを貰う。ピンクと白のストライプがくるりと渦を巻く其の色味はなんとも愛らしいけれど、食べればハロウィンに心が染められていく。
「……ん、美味しいわね……こんなお菓子、初めて食べるかも」
「ハロウィンだからな! 美味い菓子がなきゃハロウィンは始まらねえ! そして
……!?」
其処まで紡いだところで、突如大祭祀ハロウィンの大きな体が揺らいだ。文句を言うように、スカート部分の大口がまくまくと開閉する。其処に食い込んでいる弾丸――其れは紛れもなく、ヴィオレッタが先程
手放したはずの小銃だった。
カタタタタ!!
まるで其れは亡霊の悪戯かのように。
小銃は踊るように回りながら、大祭祀ハロウィンに弾丸を撃ち込んでいく。
「アァ!? どういう事だ!」
「さあ? 私はただお菓子を楽しんでいるだけよ? ――ただ、銃は銃で射撃しているだけ。さしずめお菓子が欲しいんじゃないかしら?」
なんていうけれど、勿論そんなのは嘘だ。
ヴィオレッタは大祭祀ハロウィンを霊視して、遠隔操作で着実にダメージを積み重ねていく。
「――そうね。トリック・アンド・トリート……かしら」
贅沢ね。
銃弾から逃げる大祭祀を見ながらそう呟いて、ヴィオレッタはぺろり、とロリポップを舐めた。
大成功
🔵🔵🔵
イーブン・ノルスピッシュ
この世界のハロウィンは、大人も子供も楽しめる祭事らしい
それを歪める行為を許してはおけない
さあ、死者へ供物を捧げろ
さもなくば悪戯では済まんぞ
UC発動
この街を更に複雑に入り組ませたような迷路だ
引っかかれば爆発するような各種ブービートラップは勿論、自分用の
抜け道も抜かりない
ヒットアンドアウェイのゲリラ戦を仕掛ける
敢えて逃げる様に見せながら袋小路へ誘導
要請していたディフェンダーの防壁で逃げ道を塞ぐ
脱いだ
外套を幕のように広げて視線を遮り、死角となる建物の上から吶喊
外套ごと、炎を纏わせたパイルバンカーで貫いてやる
(いつの間にか、入手した覚えの無いランタンが腰に下がっていた)
●
この世界でのハロウィンは、大人も子どもも楽しめる行事らしい。
イーブンはならば、と思う。
其れを歪める行事を許してはおけない。十二剣神か何だか知らないが、人々の平穏を乱すならば、許してはおけない。
「さあ。死者へ供物を捧げろ」
唸るように言う。
其れを皮切りに、大祭祀とイーブンの周囲に迷路が組み上がっていく。
隙間なく並んだ鉄格子と有刺鉄線。其れはまるで、イーブンの心象風景のよう。
「さもなくば、悪戯では済まんぞ」
「ヒャッハハハ! 迷子にしてやるってかァ?」
「大祭祀といえども、この迷路は抜けられない」
遊びの延長戦のように、大祭祀はゆっくりと移動を開始する。これもまた悪戯だと嘲笑うように。
其処にイーブンはゲリラ戦を仕掛ける。あらかじめ仕掛けられた罠、ぴんと張った糸を大祭祀が引っ掛けると、
「――!」
仕掛けが発動して爆音が鳴った。
通常の罠ならば、大祭祀には通じない。だけれどもこれはユーベルコードだ。ひりり、とじわり広がる痛みを感じながら、大祭祀は大きく舌打ちをした。
「こっちだ」
其の気を引くように、“ウサギ穴”から顔を出したイーブンが改造銃の銃弾を放って気を引く。直ぐにウサギ穴へと引っ込み、ディフェンダー要請しておいた防壁で道を狭め、大祭祀を誘導していく。
奥へ、奥へ。
袋小路へ。
「――あァ? 行き止まりじゃねえか」
大祭祀はこの
催しをも楽しむように誘われるまま動いていたが、目の前の壁を前にして振り返る。
――ばさっ!
自然に紛れやすいくすんだ色をしたものに視界を塞がれる。
大祭祀は最初、其れが何なのか判らなかった。だから、――死角に移動していたイーブンに気付ける筈などない。
「……菓子は要らん。悪戯じゃ済まんものを喰らわせてやる」
装備したパイルバンカーが炎を纏う。
イーブンは建物のへりを蹴り、一気にハロウィンに突貫した! パイルバンカーの尖った先で、目隠しの布ごと大祭祀を貫く!
「っが! あああああ!?」
――からん。
――イーブンの腰にはランタンが下がっていた。青い炎が皓々と燃えていた。其れはハロウィンの悪戯か、其れとも何かの報せなのか。今は誰にも判らなかった。
大成功
🔵🔵🔵
アイリーン・ミュレット
アドリブや改変OKです
ポジション:ディフェンダー
仮装:引き続き、吸血鬼のコスプレ
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事前にディフェンダーへ要請して隔壁やバリケードを展開した姿を隠しやすい場所を作っておき、そこへ誘い込むわ
展開の仕方は、音が良い感じに反響して位置を勘違いしやすい地形を利用した配置で
引き続き街中だと思うので、地形をうまく使って視界に入らないように声や足音で挑発していくわ
全部がずっとハロウィンなんてつまらない。とか御生憎様、怪盗がそう簡単に姿を見せると思って?とか
早着替えと変装で道端の物に成りすましてやり過ごしてもいいかしら
誘い込んだら、音の反響を利用して位置を勘違いさせながら攻撃開始よ!
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アイリーンのディフェンダー要請により、次々と防壁が路の下からせりあがってくる。
「――チ」
これではかの吸血鬼を視界に収める事もままならぬ。
大祭祀は傷付いた身体を引き摺りながら、ゆっくりと移動を開始する。確認すると、アイリーンは所定の地点へと誘い込む準備を始める。
「一年がずっとハロウィンだなんてつまらないわ」
或いは声で。
或いはとたたた、と足音で。
大祭祀が追って来るのを判っているから、アイリーンは敢えて音で誘い込む。
「その割にはオマエもかくれんぼを楽しんでるじゃねえか」
「お生憎様、怪盗がそう簡単に姿を見せると思って?」
「怪盗! 良いね。ハロウィンらしい」
「もう、何もかもハロウィンに結びつけなければ気が済まないのかしら?」
たた、とたたた。
大祭祀の耳は音を捉える。ディフェンダーの防壁を掻い潜り、そうして追い詰めた――つもりだった。
防壁が音を反響させる。アイリーンはこの辺りにいる筈なのに、音の反響で何処にいるか判らない。
……其れこそが、アイリーンの狙いだった。
「ごめんなさいね、大祭祀さま。……ハロウィンはもう終わり。冬支度をしなければならないの!」
アイリーンの声が反響する。
何処にいるか判らない。何処にいるのか判らない!
――大祭祀の後ろで指先を構え、アイリーンは其の白い指先に赤い炎を灯した。狙いを定めるには十分すぎる時間だった。
BANG!
赤い炎の魔弾が、大祭祀を背中から貫く。
大成功
🔵🔵🔵
ネリネ・リード
[POW]選択!アドリブ共闘歓迎!
んで1章から続いて、Dragon girlの仮装中!
アンタの星じゃどうかは知らねェけどさ。
アタシの地元じゃ、ハロウィンってェのは一晩こっきりのお祭りなのさ。
で、明日は聖何某の記念日なワケよ。
アタシら、アクタレからすりゃあ、まあ縁のねえ話だな。
だからよ。全部さ、この夜に全部ぶつけんのさ。
このカボチャ野郎、大方この手の流れにゃ乗ってくんだろ。
長口上ぶったれてる間に空気を圧縮、UC準備!さらにさらに裏でクラッシャー要請!
カボチャの後ろから総攻撃してもらって、崩したところにUCぶち込む!
さあさあ、祭りも佳境だ!今夜一晩アゲていこうぜ!!
Trick or Treat!!
●
ドラゴン・ガールはかく語る。
「アンタの星じゃどうかは知らねェけどさ。アタシの地元じゃ、ハロウィンってェのは一晩こっきりのお祭りなのさ」
「ヘェ。其れはつまらねぇ話だな。こんな混沌、一晩で終わらせるには勿体無いだろ」
乗ってきた。
ネリネは笑みを浮かべながら、そうかね、と肩を竦めた。
「で、だ。次の日は聖何某の記念日なワケよ。アタシらのようなアクタレからすりゃあ縁のない話ではあるが……だからよ。全部、全部さ。この夜に全部ぶつけんのさ」
圧縮する。
「一年かけて考えた仮装も」
圧縮する。
「一年かけて考えた菓子の案も」
圧縮する――
「全部さ」
――空気を、圧縮する!
ガコン、と何か大きなものが動く音がして、はっと大祭祀はそちらに顔を向けた。背後だった。そして顔を向けた時には、無数の弾丸が背中に突き刺さっていた。
……近隣ビル屋上からのガトリング攻撃! ネリネが要請していたクラッシャーのポジション効果である!
「ぐああああ!?」
「なあ、だからこの夜はこれで終わりさ。混沌だか何だか知らねェが、祭は一晩で終わるから良い!」
ネリネが挟み込むように接敵する!
其の背後には機械の巨腕があった。圧縮した空気を叩き込むように剛腕が唸り、大祭祀を殴りつける。何度も、何度も。
弾丸と拳の嵐を受けて、さしもの十二剣神も最早虫の息だった。
だけれども。
まだ、こいつに聞いてねェ事がある。
立っているのは、其の意地だった。
「――なぁ」
「あ?」
「其れが、お前のハロウィンか?」
……お前のハロウィンを、見せてみろよ。
南瓜で飾り立てたような大祭祀は、ドラゴン・ガールに問いかける。
……ネリネは笑った。こいつは最期まで、ハロウィンを貫くつもりなのだ。
「ああ、そうさ。これがアタシのハロウィンだ。アンタをブチ抜いて、ちょっとばかし菓子を買って、食べて、其れで終わりのハロウィンさ、良いだろ? でも――きっと明日になっても、アンタみたいな仮装した奴は忘れないだろうし……今日という夜を忘れる事もないだろうな!」
機械の剛腕が唸る。
ハロウィンは笑った。いや、元から笑っているような顔をしていたが……安心したように笑った、ように見えた。
殴りつけられて、吹っ飛んで、弾丸の雨を浴びて。――ありったけの
悪戯を其の身に浴びて……大祭祀ハロウィンの分身体は、青黒い塵となって散ったのだった。
「……アー。決まり文句を忘れてたな」
ネリネはクラッシャー援護の機械へと簡素な敬礼を飛ばしながら言う。
「Trick or Treat? ……って、もう聞いちゃいねェか」
大成功
🔵🔵🔵