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帝国軍揚陸部隊を強襲せよ!

#スペースシップワールド

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#スペースシップワールド


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●グリモアベースにて
「【スペースシップワールド】において、都市船に帝国艦艇が迫っているとの情報が入りました。帝国艦内部の敵戦力を撃破し、攻撃を阻止して下さい」
 金のウェーブヘアを靡かせながら、宇宙を背景にメンテ・サンタバーバラ(エルフのクレリック・f00018)が集まった猟兵達に任務を告げる。

「敵艦は強襲揚陸艦タイプです。歩兵戦力を直接都市船に突入させ、艦を内部から制圧することを目論んでいると推測されます」
 近日、宇宙各地で帝国のオブリビオンが宇宙船を制圧する事件が多発している。現状その被害先は、数百人規模の産業船や交易船が主となっている。だが帝国はそれに味を占めたのか、今度はその何十倍もの大きさと人口を持つ都市船の直接占拠を狙ってきたらしい。万が一侵入を許すことになれば、それによって生じる犠牲は計り知れないものとなるだろう。何としても阻止せねばならない。

「今回は敵艦内部への直接転移を敢行します。皆さんは転移後、艦内の主戦力である帝国軍揚陸部隊を掃討して下さい」
 敵艦自体の能力は対艦戦闘を想定した戦艦級に比べれば低く、またオブリビオンとしても都市船の施設を保ったまま占拠したいという思惑から、都市船自体が直接の破壊に晒されることはないだろう。ただしその分機動性や迎撃性能が非常に高く、都市船による迎撃や援護が功を奏するとも考え辛い。侵入も困難であるからこその、直接転移という訳である。
 そして何より上陸戦に特化した艦艇であることから、艦内には対人戦闘に長けた敵兵が多数配備されていると推測される。直接戦闘に専念出来る分、それ自体の難易度が高いという訳だ。敵がひしめき合う艦内での密集戦ともなれば、距離を取ることもままならぬに違いない。

「転移後すぐに戦闘が始まると予想されますので、準備の方も抜かりなくお願いします。そうそう、無事に任務を達成出来れば、都市船では建造記念日式典が行われるとの事です。ケーキが沢山振る舞われるそうなので、皆さん頑張りましょう」
 メンテのブリーフィングが終わる。間もなく敵艦への転移が実行され、戦いが始まる。苦難の時代を乗り越え、ようやく特別な日を祝えるほどにまで復興した宇宙世界。人々が勝ち取った平和と尊厳、過去の亡霊には決して脅かさせはしない。猟兵達は決意を改めるのであった。


前後
●ごあいさつとか補足とか
 皆さん、初めましての方は初めまして。以前プレイングを送って下さった方は今回も御贔屓にありがとうございます。前後です。

 今回は【スペースシップワールド】です。第1章と第2章は強襲揚陸艦内部での戦闘となります。説明にあった通り、艦内には敵が密集していますので、その辺り何か対策するといいかもしれません。

 無事ボスを倒せば、第3章は建造記念日式典となります。式典とはありますが、みんなでおいしいお菓子をいっぱい食べよう的な食事メインのお祭りですので、肩肘張らずに参加して頂いて大丈夫です。勿論第2章や第3章からのご参加も大歓迎ですので、どうぞよろしくお願いします。
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第1章 集団戦 『バトルドロイド』

POW   :    バトルスイッチオン
【超戦闘モード】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
SPD   :    精密射撃
【狙撃用プログラム】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【熱線銃(ブラスター)】で攻撃する。
WIZ   :    シュートダウン
対象のユーベルコードに対し【正確にタイミングを合わせた射撃】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


グリモアの転移能力で艦内に転移した猟兵達。そこには都市船への突入を待つ無数の【バトルドロイド】の姿が見えた。もしも猟兵が任務に失敗すれば、人々が暮らしを営む都市船の中、このドロイド達が殺戮を繰り広げ、そして我が物顔で占拠するだろう。

 同時に艦内の異物を探知した警戒システムが警報を鳴らし、帝国の兵士達に猟兵の存在を告げる。ドロイドの集団は【熱線銃(ブラスター)】を構え、猟兵達を排除せんと殺到する!
緋神・美麗
強襲揚陸艦で都市制圧を目論むとか帝国軍もどんどん過激になってきたわね。これ以上ふざけた進行を許さない為にも徹底的に潰さないと。
でもまぁ敵艦内に直接転移しての戦闘か。敵の数は無駄に多そうだし完全に包囲されて擦り潰されるのは避けないとね。
転移したらまずは状況把握。自分たちの居場所と敵の配置、いざという時身を隠せそうな場所の確認をしてまずは緊急避難場所の確保。拡散極光砲と小型ハイメガキャノンの範囲攻撃で一角に穴をあけて陣地確保したあと敵兵を殲滅していくわ。



「強襲揚陸艦による都市制圧……帝国軍もやり口がどんどん過激になってきたわね」
 そんなふざけた事は許さない。緋神・美麗(白翼極光砲・f01866)は帝国の蛮行に正義の怒りを燃やす。だが敵の本丸に直接転移しての戦闘である。包囲してすり潰される事態は避けねばならない。美麗は強いて冷静に徹し、まずは【情報収集】と状況把握に努めた。
 徐々に召喚されていく仲間の猟兵。艦内に鳴り響く警報。増え続ける敵ドロイド。まず把握したのは、自分達の現在の居場所は敵には完全に補足されていること。猟兵間の孤立を防ぐため転移先の移動は迂闊に行えないこと。そして敵の包囲を防ぐための緊急避難先は自ら確保せねばならないことだ。
 
「少なくとも、退屈しないで済みそうね」
 両手を手を頭上に掲げ、光を集める。敵は多数。一体一体を正確に把握する。美麗の攻撃を把握したドロイドの群れが【バトルスイッチオン】の【超戦闘モード】で迫る。迂闊に動けば無差別攻撃の餌食になるだろう。一体でも多くの敵を【範囲攻撃】で殲滅するため、ギリギリまで敵を引き寄せる。

「全部まとめて……吹き飛びなさいっ!」
 ドロイドの殴打が美麗を叩き伏せようとしたその瞬間、艦内が白い光で包まれる。【拡散極光砲】の奔流が、ドロイド達を次々に撃ち抜き、破壊していく。細い関節がバラバラに吹き飛び、部品や組織液が蒸発していく音が響く。光を放ち黒き金属の怪物を罰する姿は、まさに宇宙に舞い降りた天使と言うべき姿であった。
「徹底的に潰すわよ」
 続けて腕を降ろして正面を向け、【小型ハイメガキャノン】による【2回攻撃】が撃ち漏らしたドロイドを壁ごと撃ち抜いていく。最初の一手は成功だ。転移先に存在した敵を撃破し、戦うための広い場所、そして包囲される前に先に避難する先の確保に成功する。

成功 🔵​🔵​🔴​

シル・ウィンディア
折角のお祭り…
こんなことで邪魔させてたまるかっ

戦艦内を闇雲に歩くよりは
侵入者を探しに来ているんだから
角とかで待ち伏せしよっかな

その前に監視カメラがあれば
それは光刃を放って破壊しておくね

敵が1~2体なら
二刀流の光刃剣、エレメンティアと六源和導で斬りつけるね
ブラスターは、光刃剣を回転させて防御するよ

敵の数が多くなってきたら
風精杖『エアリアル』に持ち替えて
エレメンタル・ファンタジアで纏めて攻撃
「吹き荒れろ、雷の嵐よっ!」
当たればでかいからね、この魔法

この魔法で怯んだら
その隙を逃さずにヒット&アウェイを心がけて
戦線を離脱するね

そんなに相手にしてられないしね?
目標は、騎士様だからねっ!


赭嶺・澪
私は『ステルスソルジャー』で身を隠しながら艦内を行動。
気づかれない様に待ち伏せして、手持ちの武器で不意打ちして確実に数を減らしていきましょう。

待ち伏せをする場合は『ステルスソルジャー』は解除。
艦内を移動する場合は『ステルスソルジャー』を発動。

物音は立てないように、物陰に隠れながら静かに行動ね。
あいつら、熱感知センサー付いてるのかな。それだと厄介だけど。
そうであるならば最初のあたりでその辺調べておきたいわね。

「無機質な敵相手はつまんないけど、お仕事だしね」



「折角のお祭り、こんなことで邪魔させたまるかっ」
 シル・ウィンディア(光刃の精霊術士・f03964)の【光刃剣『エレメンティア』】、その実体なき刃が、監視カメラを破壊する。
「無機質な敵相手はつまんないけど、お仕事だしね」
 サブマシンガン【Mvf20】と【アサルトナイフ】の柄頭を突き合わせ、近接戦闘の構えでその死角を補う赭嶺・澪(バレットレイヴン・f03071)。二人の姿は澪のユーベルコード【ステルスソルジャー】によって透明なものへと変わっている。
 転移場所周辺では爆音が鳴り響いている。ならば自分達はそこに向かう敵を待ち伏せしようと、二人は仲間と離れ別行動を取ることにした。

 そこに、複数のドロイドが辺りを索敵しながら近づいてくる。監視カメラが突如破壊されたとなれば、敵は当然そのカメラの履歴を確認する。何も映らぬまま壊れたとしても、死角から壊された、あるいはカメラが破壊されたという事実そのものが情報となる。よって破壊されたカメラ付近に敵がいる可能性が高いため、その近辺に索敵する。流石に対応が早い。だがそうでなくては。敵があまり愚かではかえって策も通用しにくいのだ。
 一旦透明化を解除した澪は、通路の角で敵を待ち受ける。敵が近づいてくる。数は1体。音もなく待つ。敵が手の届く範囲に来た。今だ。
 澪は敵の片腕を掴み、敵をこちら側の通路に引き込む。バランスを崩し転倒したドロイドの首を、【アサルトナイフ】で切断する。首から下が信号を失い、機能を停止する。

 だがそれと同時に、首から上が断末魔の如くけたたましい音を鳴り響かせ自身の『死』、そして敵対者の存在を告げる。さらに3体のドロイドが走ってこちらに向かってくる。
「ステルス、レディ!」
 咄嗟に澪は【ステルスソルジャー】で姿を消し、ドロイド達は【シュートダウン】でそれを迎撃しようとする。一回目の斉射は余裕をもって回避。だが敵の眼が白く光る二回目の斉射は姿を消しているこちらを正確に狙ってくる。直撃こそ免れたものの幾らかの熱線が体を掠める。やはり熱感知センサーの持ち主か。
 
「澪さん、大丈夫っ?」
「そっちこそ見つかってるじゃない」
 必殺の三射目を辛うじて次の角に飛び込んで回避した澪は、シルと合流する。そのシルも、敵ドロイドと交戦中だ。
 【光刃剣『エレメンティア』】と【精霊剣・六源和導】の二刀を構えたシルは、ドロイドの【熱線銃(ブラスター)】をエレメンティアを回転させて弾く。すかさず距離を詰め、六源和導の袈裟斬りで敵を斬り伏せ、すかさずエレメンティアを突き刺して完全に機能を停止させる。澪もシルを背にし、追い縋るドロイドをMvf20で撃ち抜いていく。だが数が多い。倒しても倒して後続が次から次に迫って来る。

 シルは六源和導を【風精杖『エアリアル』】に持ち替え、近づく敵をエレメンティアでいなしながら精神を集中させ、羽毛の如く軽やかさで杖を振り回す。杖に風に気流が渦巻き、青白い放電が走る。
「準備出来た、伏せてっ!」
 その声に澪は銃を構え敵を迎撃しながら、姿勢を低くする。
「吹き荒れろ、雷の嵐よっ! 【エレメンタル・ファンタジア】っ!」
 シルの掛け声とともに、エアリアルから周囲のドロイド目掛けて渦巻く雷が襲い掛かる。暴風の如く吹き荒れる稲妻の風が、直撃したドロイドを黒く焼き焦がし、誘導雷がその周りのドルイドの機能を破壊する。後に残るのも、無数のドロイドだったものの残骸のみであった。

「潮時ね。これ以上はこっちが押されるわ」
「うんっ、まだボスもいそうだし」
 次の待ち伏せ地点を探し、シルと澪は移動を始める。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

アイク・サリバン
昔から軍隊って略奪好きだよな。ドロイドに感情があればだけど、ヤツらにも奪われる悔しさを教えてやるか。転送と同時にユーベルコード【エンジニア式収穫祭】で熱線銃とセンサー類を優先的に奪う。火力と索敵の無力化を狙うんだ。でもって俺は敵の熱線銃を自分で撃ったり、仲間の猟兵に渡したりしよう。強奪担当の小型作業ロボ:スカラベも盛大に用意したから、すごい大混戦になるな。相手も多いけど、このちっこいスカラベの対処は面倒だろうし、取り付いたら手元が狂って同士撃ちを始めるかもな。



「銀河帝国の連中って略奪が好きだよな」
 全身を危険作業用エンジニアスーツで覆い、一見するとウォーマシンの一種かと連想させる姿のアイク・サリバン(セルフカスタムエンジニア(自己改造技師)・f03502)は、彼らの非道さを憎む。かつて銀河帝国は、軍需物資の補充のみならず、地域の焦土化や敵対者への見せしめとして好んで略奪を働いたと言われている。その行動はオブリビオンとなった後も何一つ変わっていないようだ。

「だったら……奴らにも奪われる悔しさを教えてやるか。もっとも、ドロイドに悔しいって感情があればだけど」
 アイクはユーベルコード【エンジニア式収穫祭】し、無数の自作小型作業ロボ『スカラベ』をドロイドの集団目がけて放つ。狙いは敵の武器と目だ。
 ドロイド達は小型の異物を発見すると、【狙撃用プログラム】による【熱線銃(ブラスター)】で一体ずつ蒸発させていく。だがいかんせん数が多く、一体、また一体とドロイドに飛びついては貼り付き、体内に搭載した工具を露出させると、手際よく頭や銃を分解し始める。その姿は遺跡探索遺跡に出てくる人食い甲虫を彷彿とさせる。
 このまま熱線銃を奪い取り、仲間に配ってるか――と考えてると、アイクにとって予想外の事態が発生した。

 健在である仲間のドロイドが、スカラベごと取りつかれたドロイドを熱線銃で撃ち始めたのだ。武器を奪われ、目を失い戦えぬドロイドなど不要とばかりに、容赦なく破壊し、処分していく。アイクはその光景に戦慄した。奴らには奪われる悔しさどころか、仲間意識、そして血も涙もないのかよ、と。
 そして敵へのある意味恐怖にも似た感情が、アイク自身を狙う【精密射撃】からの回避を一瞬遅らせた。辛うじて急所は避けたが、何発かが体を貫き、傷口を焼き焦がす。

 確かに同士討ちを狙うという目的は果たした。戦術的においても、アイクのスカラベは敵戦力を減殺するという目的を立派に果たした。でもそうじゃない、そういうことじゃないと、傷ついた体を押して敵の射線から逃れる。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

不破・玄
敵の船の中で武器を振り回せるかは要確認。
仲間の動き情報も重要だ。
囲まれないように通路などを旨く使いたい。
囲まれそうならなぎなたで『なぎ払い』突破して間合いをとる。
基本『サイキックブラスト』を撃ち射撃戦を展開だ。その際は曲がり角に隠れたり机に隠れたりしつつだ。
移動の際は『忍び足』で移動して敵を困惑させたい。
敵の殲滅が目的であるが、破れかぶれになって船の外に出そうするという選択肢があるかもしれないので注意。
敵ボスがとるのは破れかぶれになる。又は自分を守るために引かせる。のどちらかか?
通信手段が分かれば倒した敵の通信機に聞き耳を立てながら敵の手を確認だ。

殲滅する事にはかわりなし。覚悟するんだな。



不破・玄(人間のサイキッカー・f02910)は【サイキックブラスト】を撃ち、【高圧電流】で遠距離からドロイドをショートさせていく。すかさず放たれる【熱線銃(ブラスター)】を曲がり角を使って回避する。そして通常の歩みと【忍び足】による音消しを併用し、自身の位置を撹乱していく。彼女は転移地点に敵の増援を溢れることを回避するため、そこに繋がる通路で遊撃戦を展開していた。都市船までの距離はまだ遠い。流石にこの距離で上陸艇を出せば、都市船の迎撃機構に引っ掛かるだろう。なれば多少時間を掛けてでも、確実に殲滅すべし。

 そしてもう一つ、玄には目的があった。敵の手の内の確認だ。ドロイドの残骸を漁ってみるも、どうやら可聴域での発信は、敵襲などの余程の状況でなければ行っていないらしい。これでは無理か――と思う玄だが、ここで思わぬ僥倖に巡り合う。
 通路の先、ドロイドとは異質の姿を持つ黒衣の騎士。やはり親玉は【帝国騎士】か。彼らはドロイドに対し、何やら指示を出している。聞き耳を立てる。
「確実に侵入者を殲滅せよ。それが不可能ならば最後の一兵まで戦い、敵を疲弊させろ。都市船の制圧は最悪、私一人でも可能だからな」
 ドロイドを当て馬にし、万全の状態で猟兵に挑むつもりか。一旦ここは退こうとするも、通路の前後がドロイドに囲まれ始めている。
「ほら、そこにネズミが一匹いるぞ。死してでも奴の情報を私に齎せ」

 一対一で【帝国騎士】と戦うのは危険だ。彼から距離を取るため、玄は【なぎなた】を構え、ドロイドの集団の強行突破を図る。己の力量があれば、不足なく振り回せることは確認済みだ。
「覚悟するんだなっ!」
 【熱線銃(ブラスター)】の連射を姿勢を低くして避け、刺突でまず一番槍。後続のドロイドによる【武器受け】で凌ぎ、【なぎ払い】でまとめて撃破する。
 後ろからもドロイドの集団が迫る。幸い帝国騎士は来ていない。ならば奴らを倒せば逃げ切れると、【サイキックブラスト】の構えから【高圧電流】を放つが、ドロイドも同時に【シュートダウン】を連射し、それを相殺する。相殺し切れなかった電撃がドロイドをなぎ倒すも、こちらも【シュートダウン】の一撃が両腕を撃ち抜く。
「ぐっ……!!」
 致命傷ではない。まだ【なぎなた】を握るには十分な膂力はある。だが倒れゆくドロイドの頭部が何かを訴えようと光を明暗させるのを止められない。恐らく死に際にこちらのユーベルコードの情報を送信しているのだろう。
 とは言え、十分な足止めと敵の撃破、そして敵の思惑を知れたことは成果に違いない。玄は味方との合流を優先する。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

夜桜・雪風
敵がたくさんですね。
私はこういった戦場が大好きなんですよ。
たくさん破壊できるなんて素敵だと思いませんか?

イニシアチブをとるのが大事だと思うんです。
一気に【範囲攻撃】で攻撃しましょう。
【高速詠唱】をして【全力魔法】で範囲内の敵だけを全て攻撃します。

敵の装甲を【鎧砕き】で破壊して【鎧無視攻撃】で大きなダメージを狙いますね。
少しでも【恐怖を与える】ことができれば、相手の統率に乱れを作れるのではないかと思っています。
そのためには【傷口をえぐる】ように【2回攻撃】で攻撃しましょう。

状況は緊張感たっぷりで生きてるのを実感できて素敵です。
やはり戦っているときは気分がとても充実しますね。


蔵満・小次郎
「早速見つかったか。まぁ、元々強襲作戦だ。ガジェット起動、歩兵が相手ならこいつだ!」

重厚な作りの装甲車型ガジェットを呼び出し、乗り込みますが、ケットシー用のサイズなので小さく、威圧感はあまりありません

「敵は多い……が、それだけではな!」

今回持ち込んだアサルトウェポンは散弾銃、距離が近いのでとにかくぶっ放しながら敵中を駆け回ります

「よし……ガジェット突撃!」

被弾による損傷を確認し、頃合を見て装甲車ガジェットから飛び出し、そのまま加速させて敵の集団にぶつけます

「そうだ、こっちだ。ネコ一匹も満足に狩れないデク人形ども!」

ドロイドの集団を挑発しつつ、固まって向かってきた敵を散弾銃でなぎ払います



「敵がたくさんですね。私はこういった戦場が大好きなんですよ」
 その柔和な顔つきからは想像も出来ない物騒極まりない言葉を放つ夜桜・雪風(まったりデイズ・f00936)。ドロイドの集団に対峙しながらも、むしろその表情は嬉しそうだ。
「強襲作戦か、敵が多いとは想像していたが」
 その隣に立つのは、マンチカンのケットシー、蔵満・小次郎(流しの小次郎・f10167)。こちらも愛らしい見た目ながら、体から放つ覇気は歴戦の傭兵そのものである。
 そして一人と一匹を包囲するように、無数の感情なきドロイドが銃を構えながら迫る。しかし雪風も小次郎も、むしろ余裕すら感じさせる。このような戦いには慣れている。そして何より、この状況を切り抜けられる確信を、己の力量と戦術の中に抱いていたからだ。

「……それだけではな!」
 まず動いたのは小次郎だ。【ガジェットショータイム】で装甲車型のガジェットを召喚し、乗り込む。その大きさはケットシーサイズであり、装甲車というよりは文字通りの猫車であるが、作りは重厚、質実剛健だ。
 ガジェットに乗った小次郎が左右に湾曲を描きながら、見た目からは想像も出来ぬスピードでドロイドの足元目掛けて突っ込む。すかさずドロイド達も【精密射撃】を行うも、素早く変則的な動きのガジェットを捉えきれず、射撃は空を切り、あるいは当たるも跳弾し、掠り、装甲を貫けず効果が薄い。十分に接近した小次郎は散弾銃型の【アサルトウェポン】による【二回攻撃】の猛攻で敵陣を引っ掻き回し、足元を駆け巡っていく。
「こっちだ、こっちだ! ネコ一匹も満足に狩れない木偶人形ども!」

 ドロイドが小次郎に気を取られている隙に、雪風も動く。歌うような詠唱とともに、構えた【ウィザードロッド】が先端から鈴蘭の花びらに姿を変え、雪風の周りを舞い始める。それは幻想的な光景であるが、それを必殺の奥義だと見抜いたドロイド達が【シュートダウン】で阻止しようとする。だが小次郎の撹乱によって反応が遅れたそれが、雪風の【高速詠唱】に追いつけるはずもなかった。
「【鈴蘭の嵐】、受けてごらんなさい」
 無数の花びらが四方八方に舞い散り、刃と化した【範囲攻撃】の【全力魔法】がドロイド達に襲い掛かる。美しく、白く、そして相手を殺すの鋭利な爪が、ドロイド達を砕き、貫き、抉り、破壊していく。無惨極まる破滅の嵐、だがその光景にこそ雪風は生の充実感を覚えるのだ。
「ありがとう、そしておやすみなさい」
 部品や生体液を撒き散らしながら機能を停止するドロイドの屍の山に、彼女は敬意と笑顔で応える。

「そろそろ頃合いか……ガジェット突撃!」
 流石に攻撃を受け続けて損傷が激しくなり、火を噴き始めたガジェットから小次郎が飛び出し、ガジェットを残りのドロイドの集団に激突させ、誘爆を巻き起こす。
「生きることは戦うこと。力こそ命の意味。もっとかかってきていいのですよ?」
 二撃目の【鈴蘭の嵐】が散り散りとなったドロイドを逃さず切り刻んでいく。もはや抵抗も散発的だ。その後はもはや戦いではなく、残敵の掃討戦――猟兵という言葉から借用するのならば『猟り』――でしかなかった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 ボス戦 『帝国騎士』

POW   :    インペリアルブレイド
【念動力を宿した「飛ぶ斬撃」】が命中した対象を爆破し、更に互いを【念動力の鎖】で繋ぐ。
SPD   :    ダークフォースバリア
自身に【鮮血の如きオーラ】をまとい、高速移動と【赤黒い電撃】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    インペリアルフラッグ
【念動力で形成した帝国の旗】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を『帝国の領土』であると見る者に認識させ】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
👑17
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


他の猟兵達も各所で次々にドロイドを倒し、合流を始める。これで敵は全滅、作戦も完了か、と思ったその時。どこからともなく拍手の音が聞こえる。
「いいものを見せてくれてありがとう」
 ドロイドの残骸の山を踏みつけながら迫るは、黒衣の男。個にして軍、文字通りの一騎当千、宇宙の悪夢。【帝国騎士】が、剣を携え迫る。

「お礼に、私直々にお前達を――」
 敵の力は万全。さらにドロイドを通しこちらの手の内を得ている。ドロイドとの戦いの最中で破壊された揚陸艦内において、一体の敵と対峙するには十分な広さだが、逃げ隠れするスペースも存在しないだろう。
 例えドロイドを全滅させようとも、帝国騎士に敗れることがあれば、彼一人でも都市船は陥落し、帝国の支配下に置かれるに違いない。敵はそれ程の強敵なのだ。猟兵達が身構える。
 
「殺して進ぜよう」
 心持たぬドロイドではなく、心を持ちながら喜んで暴虐を働く邪悪なオブリビオンが、猟兵達を鏖殺しようと迫る!
緋神・美麗
ようやく大物の登場ね。これは雑魚とは比べ物にならなそうね、気合入れてかからないと油断してたら一瞬でやられちゃうかも。全力で倒すわよ。
序盤は距離をとって超小型ハイメガキャノンの誘導弾で攻撃。「これはそう簡単に避けられないわよ。」
敵のインペリアルブレイドの鎖で繋がれたら自分から距離を詰めてライトニングセイバーで斬り合うわ。
「生憎接近戦も得意なのよ」
敵の剣を弾いて体勢を崩したら密着してサイキックブラストで動きを止めるわ。
「今よ!皆で合わせて!」


ブロンクス・ベルトロガー
ならば、ダイナミック乱入をさせて頂く…!

遅ればせながらの作戦参加となるが、それゆえの手の内未披露がある程度のアドバンテージになるはず。
左腕にトリプルバレルシリンダー、背中ににドラゴニック・マテリアライゼーションでミサイルパーツを追加したマキナドラグナーを装備して放つ多重弾幕で先行した猟兵たちの【援護射撃】。

インペリアルブレイドを喰らった時はトリプルバレルシリンダーをパージし、小竜形態でで空中待機していたソーマを短槍形態に変形させて【武器受け】しつつ、【カウンター】でツイン・ブラスティング・スラッシュパイルを右腕に展開し撃ち貫く作戦。

(ソーマ)目標、射程内
その悪意、撃ち貫かせてもらうッ!



「ようやく大物の登場ね」
 美麗が目の前の黒衣の騎士に対し、警戒心を強める。敵は一人、だがその威圧感はドロイドのそれとは比べ物にならない。
「遅ればせながら、ダイナミック乱入をさせて頂く……!!」
 全身をメカニカルな武装で包んだ竜人型ウォーマシン、ブロンクス・ベルトロガー(機械仕掛けの異界竜・f05241)も、到底油断出来る相手ではないと全武装を展開する。

「これはそう簡単に避けられないわよ」
 まず動いたのは美麗だ。【超小型ハイメガキャノン】から無数の【誘導弾】を放つ。指から放たれたサイキックエナジーの雨が黒衣の男目掛けて降り注ぐ。
「自分も援護する。この攻撃までは奴も知るまい」
 ブロンクスもそれに合わせ、左腕のガトリング砲【トリプルバレルシリンダー】、そして【ドラゴニック・マテリアライゼーション】で背部に追加したミサイルパーツからの多重弾幕による【援護射撃】の雨を降らせる。
「ドロイドならそれで一網打尽に出来たろうが……私も侮られたものだ」
 二人の猛烈な攻撃が命中する瞬間、騎士が動いた。【鮮血の如きオーラ】を放ちつつ、瞬時にこちら目掛けて距離を詰める。ブロンクスがその進路を塞ぐようにミサイルを誘導、起爆させ、その爆轟が黒の男を幾らか傷つける。だがそれすら必要経費とばかりに、美麗の目と鼻の先まで距離を詰め、剣で斬り付ける。

「くっ……でも生憎、接近戦も得意なのよ!」
 すかさず【ライトニングセイバー】を構え、その攻撃を【見切り】で受け止め、いなしていく。トリプルバレルシリンダーやハイメガキャノンによる重厚な弾幕も、鎧に幾らか傷を付けた程度であり、大きなダメージは与えられていない。騎士は帝国の旗を念動力で形成し、それにより美麗を刺し貫こうとする。辛うじて回避するも、地面に突き刺さった旗は帝国に所属するものを強化する力を持つ。このままではジリ貧だ、と美麗が顔をしかめる。
 
 そこにブロンクスも援護に入る。トリプルバレルシリンダーをパージし、代わりに左手に持つのは【ジャベリンデバイス"ソーマ"】。短槍の尖撃が騎士を掠める。その攻撃が騎士に命中することはなかったが、その隙にあえてライトニングセイバーの握りを緩くした状態で騎士の剣目掛けて振り下ろす。投げつけるような斬撃は、美麗のみならず騎士からも剣を弾き飛ばす。
 そしてすかさず両掌を騎士の鎧に押し当て、至近距離から【サイキックブラスト】の高圧電流を放つ。帝国騎士にとっても既知のユーベルコードであったが、このような運用法は予想外だったらしく、その直撃をまともに受け一瞬動きが止まる。
 
「今よ!」
「その悪意、撃ち貫かせてもらうッ!」
 ブロンクスはすかさず、右前腕に取り付けた【粒子炸薬式弐連射突杭槍"ツイン・ブラスティング・スラッシュパイル"】で追撃する。騎士は咄嗟に後退したため致命傷は与えられなかったが、超合金の杭は騎士の鎧を打ち砕き、命中部位から亀裂が走る。

「なかなかやるではないか。だがそうでなくてはな」
 イオン臭を漂わせ、鎧の亀裂からポタポタ血を流しつつも、まだ余裕とばかりに念動力で弾かれた剣を引き寄せ、黒衣の男が再び距離を取って構える。戦場には、帝国領を示すサイキック旗が風もなく靡いている。あの旗を決して都市船に指させてははならぬと、美麗とブロンクスは決意を改める。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

夜桜・雪風
帝国騎士と戦えるなんて素敵ですね。
戦場で強者と出会うとゾクゾクしちゃいます。
生きるか死ぬかの状況こそ、一番生きてる実感がもてて大好きです。

狙うのは帝国騎士と帝国の旗ですね。
精霊さん、私と共に戦いましょう。
雷と暴風で帝国騎士を攻撃し続けながら、
同時に帝国の旗を炎の渦で焼き払いましょう。

私の精霊さんはとっても頑張り屋さんなんです。
17分間、自然界の厳しさを体感してみてください。
帝国騎士が相手です。
【2回攻撃】でもう17分間、同じ体験をしていただきますね。

もともと【範囲攻撃】が大好きなので敵だけに敵意を向けるの得意なんですよ。
精霊さんの力強さをたっぷり味わってくださいね。



「強者として名高い【帝国騎士】と戦えるなんて素敵です。ゾクゾクしちゃいます」
 尋常の者ならば存在だけで気圧されるであろう帝国騎士の威圧感。しかし雪風はそれを楽しみ、快く感じている。
「ほう。ならばその手に掛かり逝けるのも本望であろう」
「分かってませんね。生きるか死ぬかの状況こそ、一番生きている実感が持てるんです……だから私は死にません。精霊さん、私と共に戦いましょう」
 死ぬのはお前の方だ、とばかりに視線を向けると、ユーベルコード【過激な精霊の加護】によって呼び出された精霊が帝国騎士を追従し、攻撃する。おっとりした口調ながらも、雪風もまた帝国の非道を憎んでいるのだ。

 雪風の敵視をシーカーとし、精霊が帝国騎士に追い縋る。騎士は二本目の帝国旗を生成し、精霊が放つ雷と暴風を騎士は巧みに受け流す。戦況は一進一退。騎士も雪風には近づけないが、精霊の攻撃も有効打には至らない。効果時間は長いが、その前に精霊自体を落とされればそれも生かし切れぬ。ならばその前に決定打を与えるべし。

「自然界の厳しさ、受けてみなさいっ」
 精霊の雷撃に呼応し、雪風自身もさらに【エレメンタル・ファンタジア】を放つ。狙いは帝国騎士、そして既に差された帝国旗だ。炎の渦の【範囲攻撃】が両方を同時に巻き込まんとする。雪風と精霊、片方ずつでは攻撃を当てられずとも、連携すれば帝国騎士をも捉えられるのだ。
 騎士は精霊を旗で刺し貫くも同時に炎の奔流に呑まれ、体を焼かれ苦悶を漏らす。地面と腕、双方の帝国旗が同時に灰となり燃え尽きる。雪風の攻撃が着実に帝国騎士にダメージを与えていく。

成功 🔵​🔵​🔴​

アイク・サリバン
…応急処置はコレで…良しッ。で、痛覚を…遮断。
ふぅ…何とか動ける。サイボーグじゃなきゃ痛みで気絶してるな。
さて、アイツどうしよう?

まず、【戦場の亡霊】を出してアサルトウェポンの【2回攻撃】多用で相手して貰う。
俺は今日のガジェット、2足歩行クレーン車の頭に乗っかって突っ込みつつ、ウィンチ・モジュールのフックを【帝国騎士】に射出する。
フック取付と同時に巻き上げ機をガジェットに取り付けて最大速度で巻き上げ、ガジェットはダイビングの要領で突っ込ませる。
タイミングが重要だけど、この質量と速度をぶつければ無視はできないだろう。
俺は天井の梁でもウィンチ・モジュール引掛けてガジェットから離れよう。



「痛覚……遮断。応急処置……良しッ。サイボーグじゃなきゃ痛みで気絶してたな……さて、アイツ、どうしよう?」
 ドロイドとの戦いで思わぬダメージを負ったが、まだまだ戦える。サリバンは、目の前の冷血騎士を見やる。生半可な攻撃手段では、奴を捉えることは出来はしない。
 ならば、とサリバンは次の【ガジェット】、二足歩行クレーン車の頭に乗り、アサルトウェポンによる【2回攻撃】を繰り出しながら、騎士めがけて突進する。

「貴様も見物者気取りか? 帝国の前に傍観者などいないことを思い知れ」
 帝国騎士が空を突く。刹那、剣そのものが伸びたように刺突が飛び、サリバンを撃ち貫く。刺突の軌道には念動力が実体化した鎖が見える。そして剣を『引き抜く』と、サリバンの体が『鎖』に引っ張られ、騎士の目の前まで引きずり出される。
「先ずは首一つ」
 騎士は急所は避けたも、足元に伏したサリバンを刺し貫こうとする。だが当の本人は顔を上げ、してやったとばかりの笑顔だ。先ほど生じた騎士の鎧の亀裂部に、フックが引っかかっている。そこからワイヤーが伸び、そしてその先には【ウィンチ・モジュール】が取り付けられたガジェット。
「俺を鎖で繋ごうとした時、俺もまたあんたを鎖で繋ごうとしてたのさ!」
 サリバンは地面を転がりながら手に握ったスイッチを押す。ウィンチが最大速度で巻き上げられ、ガジェットが迫る。仕上げに発動条件を満たした【戦場の亡霊】を呼び出し、騎士を背後から羽交い絞めにする。その姿は、先ほど戦ったドロイドを模したものだ。
 
「おのれ、抜かったか……!」
 無防備の帝国騎士にガジェットが正面から激突する。サリバンの決死の覚悟が、帝国騎士に強烈な一撃を叩き込んだのだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

不破・玄
へえ、雰囲気あるね。
ドルイドと一緒に来れば有利なはずなのに見物してからとはなかなかの強者感だ。
その自信は真に実力からきているのか?(慢心ならありがたいがね)
見せて貰おう。

実力者との戦いは自分を高めるのに良いはずだ。という考えもある。
今後の参考にさせて貰おう。

『巫覡載霊の舞』を用いて戦闘を挑む。
基本はその効果の衝撃波により攻撃だ。
『2回攻撃』で手数を増やしたり『範囲攻撃』で面による攻撃をしたりする。
自分実力が低い事は自覚した仲間のための牽制と割り切るかな。
飛ぶ斬撃やら遠距離が得意のようだどの距離でも油断は出来ない。
『武器受け』で自分を守りたいところだが。さて?

仲間の邪魔にならないように注意しよう



「へぇ、雰囲気あるね。ドロイドと一緒に戦えばいいものを、見物してからとはなかなかの強者じゃないか」
「帝国騎士の戦いに、味方など足手纏いでしかない」
 玄が皮肉めいて問うも、ひびの生えた鎧を着る騎士は素気無く答え、そして他の騎士もそうであろうと付け加える。
「その自身は真の実力から来ているのか? さっきの攻撃を喰らった辺り、慢心も多分に含まれてるようだけど」
 帝国騎士が押し黙り、殺気を強める。どうやら図星だったらしい。
「話は終わりだ。我が血と糧になれ」
「こっちこそ、『今後』のために胸を貸してもらおうか」

 玄は【なぎなた】を振るい、銀の髪を振るい、【着物】をはためかせ揚陸艦の中を舞う。命を削り神霊体へと姿を変える【巫覡載霊の舞】だ。帝国騎士も【インペリアルフラッグ】を展開し、攻撃と強化の布石を敷く。
 巫覡載霊の舞は長期戦には向かないユーベルコードだが、あえて玄は遠距離からの牽制を中心に攻撃を組み立てる。縦横の衝撃波が【範囲攻撃】となり、揚陸艦内を床や天井、ドロイドの残骸を巻き上げ、時に帝国旗をも破壊しながら攻撃を繰り返す。帝国騎士も剣と次の旗を構え、衝撃波を避けながら接近する。
 しかし接近したはいいも、帝国騎士は攻めあぐねる。己の実力を過信せず、守りを重視し隙を見せぬ玄。例え攻撃が入っても、神霊体にダメージを与えるには至らぬ。帝国旗を指しても牽制がてら破壊される。帝国騎士に焦りばかり募る。そして――

「がぁぁぁぁっ!」
 一瞬の隙を突いた玄の一閃が、帝国騎士の片腕を根本から斬り飛ばす。絶大なダメージを受けて苦悶する帝国騎士。玄の粘りが、戦況を変える大きな一撃をもたらしたのだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シル・ウィンディア
そう簡単に、やられはしないよ?
さぁ、やりましょうか、騎士様っ!

二刀流の光刃剣【エレメンティア】と【六源和導】を
油断なく構えて…

基本はヒット&アウェイで、小柄な体を生かしての
一撃離脱戦法を取るね
真正面からじゃ力負けしちゃうし
相手の隙を見つけては、うまく漬け込むようにするけど
でも、深追いはしないよ
相手がわざと隙作ることもあるから
それを見極めないとね?

インペリアルブレイドは回避して
フラッグは光刃剣をクロスさせて防御するよ
範囲広いしね、フラッグ

そして、ダークフォースバリアの電撃は
エレメンタル・ファランクスで相殺しつつ
少しでもダメージが行くように撃つね



「私の腕をもぎ取るとは『あの日』以来か。だが、死ぬのは貴様らだ……」
 帝国騎士は己を律し平静を装うよう努めるが、その声色には苛立ちや焦りを隠せない。
「そう簡単やられはしないよ? さぁ、やりましょうか、騎士様っ!」
 シルは【光刃剣『エレメンティア』】と【精霊剣・六源和導】を油断なく構え、騎士を待ち受ける。

 帝国騎士は剣を捨て、【インペリアルフラッグ】を構え、一気の距離を詰める。シルが一撃離脱戦法を取ろうにも、殆ど貼り付くほどの距離を維持し、片手とは思えぬ怒涛の猛攻で攻め立てる。光刃剣をクロスさせて殴打を防ぎ続けるも、このままでは力負けしてしまう。
「あっ!?」
 猛攻の中、騎士が帝国旗で六源和導を強打する。強烈な衝撃で手が痺れ、取り落としてしまう。シルの剣法である二刀流を潰しに来たのだ。両手でエレメンティアを構えようにも、力が入らない。だがそれ、かえってシルの気を取り直させた。ここで両手持ちに替えたって、このままじゃ叶いっこない。なら!
 
 続く二撃目、帝国旗の殴打はエレメンティアも弾き飛ばす。シルの両手がだらんと垂れ、項垂れながら、何やらぶつぶつと口の中で呟く。
「死を知って狂ったか。そうだ、死ぬのは貴様だ。死ねっ……!!」
 すかさず三打目、今度はシルの小柄な体を串刺しにせんと旗の刺突が迫る。瞬間、シルの顔と両手が上がり、四色の光に包まれる。

「……【エレメンタル・ファランクス】っ!!」
 本来遠距離での使用を想定した魔力砲撃は詠唱を完了し、至近距離で百発近くが炸裂する。騎士は咄嗟に念動力で防御するも、この距離からの全弾直撃ともなれば防ぎ切れるものではない。
「小細工を……!!」
 謀られ傷つけられた騎士は、既に満身創痍となっていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

夜桜・雪風
お互いに傷つき、命を振り絞って戦う...
こういう本当に強い相手を探していたのかもしれませんね。
楽しすぎて体中から魔力がみなぎってきますよ。

帝国騎士も帝国の旗もまとめて破壊したくなってしまいました。

【高速詠唱】で【範囲攻撃】のユーベルコードを【全力魔法】で使います。

魔道書たち、敵を砕き、貫き、破壊し尽くしなさい。

【2回攻撃】で帝国騎士へ【鎧砕き】と【鎧無視攻撃】をしかけます。

帝国騎士が失った腕側から【傷口をえぐる】ように攻めます。

帝国は確かに人々に恐怖を与えています。
ですが、今あなたに【恐怖を与える】のは私ですので。
私の全ての魔力をもって破壊を実行させていただきますね。



「互いに傷つき、命を振り絞って戦う。こういう本当に強い相手を探していたのかも知れませんね」
 雪風は今までになく心地よい笑顔を見せる。帝国騎士に反応はない。
「楽し過ぎて、体中から魔力がみなぎってきます」
 いや、反応出来ないのだ。自身の想像を遥かに超える、雪風の近い異質さ。言うなれば一種の『狂気』に、帝国騎士が引き、気圧されているのだ。
 帝国騎士である自分ですら、暴力は他者を甚振り、抑圧するための『手段』だ。だのにあの女は、まるで暴力そのものが『目的』、いや『存在意義』かのよう。あんなもの、理解出来る訳がない――

「そう。今あなたが抱いているのは『恐怖』。あなた方が人々に与えてきたもの。……今度は、あなたの番です」
 帝国騎士は理解した。いや、理解してしまった。今や、自分こそが『猟られる』側だということを。
「否。否、否、否、否、否っ! そのようなこと、『二度』はない。あるものか!」
 帝国旗を再び掲げ、迫る騎士。だがそこに先ほどまでの速度はあっても、覇気と威圧感はない。
 
「魔道書たち、敵を砕き、貫き、破壊し尽くしなさい」
 雪風の持つ三冊の書が宙に浮き、騎士目掛けて魔力を放つ。それらは全て防がれるも、騎士の足を鈍らせ、止める。騎士が執拗な攻撃を潜り抜け、目の前に辿り着いた時には既に、雪風は【高速詠唱】によって【鈴蘭の嵐】の詠唱を完了していた。
 鎧の隙間から、失われた腕の断面から、白い花びらが彼の痂疲を執拗に抉り、引き裂いていく。黒い鎧が、自身の血で真っ赤に染まる。

「バカな。『またしても』私は、死ぬのか……!?」
 致命的なダメージについに膝を付く騎士。決着の時は、近い。

成功 🔵​🔵​🔴​

月守・咲凛
あなたたちが奪う者である限り、何度でも、何度でも、猟兵はあなたたちを倒しますよ〜。


チェーンソーの二刀流で空中から【なぎ払い】の【2回攻撃】で斬りかかっては【残像】を残してスッと離れるヒットアンドアウェイで戦闘。
ユーベルコードが来そうだな、と思ったらこちらもユーベルコードで、武装ユニットをフルオープンし、全弾発射して迎え撃ちます。



「そう、またしてもです。あなたたちが誰かから奪おうとし続ける限り。何度でも、何度でも。猟兵はあなたたちを倒しますよ~」
 膝まで伸びるロングヘアの小柄なシルエットに無数の武装ユニットを展開したエルフ、月守・咲凛(空戦型カラーひよこ・f06652)は、もはや死に体の帝国騎士に対峙する。
「猟兵……忌まわしき解放軍を継ぐものめ……!!」
 帝国騎士は【ダークフォースバリア】を展開し、残る僅かな命を削り、高速戦闘を展開する。それに呼応し、咲凛も【コード・アクセラレーター】で全武装ユニットを解放、決着を付けんと超高速連続攻撃を繰り出す。

 帝国騎士はビームキャノンを避け、ガトリング砲の猛打を耐え、キャノン砲とミサイルを赤黒い電撃で迎撃する。だが帝国騎士言えども、その圧倒的弾幕量は到底受け切れるものではない。光弾が体を掠め、爆風が体を抉り、無理な高速移動が確実に騎士の残り時間を減らしていく。
 だがそれでも攻撃を掻い潜り、ようやく咲凛の目前に辿り着く。最後の帝国旗を掲げ、刺し貫かんと咲凛を突き刺し――

「それ、【残像】です」
 結局帝国騎士は最後まで一矢報いることなく、咲凛の二刀ビームチェーンソーの前に斬り伏せられた。
「何度でも、何度でも、か。クククッ」
 ついに地に伏せ、倒れた帝国騎士。だが彼は笑っていた。
「そう、何度でもだ。帝国は不滅。何度でも蘇るのだ……」
 自らの流した血の池に沈んだ黒衣の男は、第二の死を迎え、動かなくなった。

「ええ、何度でもです。あなたたちが何度蘇ろうと、その度に倒してみせます」
 例えそれが終わりなき戦いであったとしても。咲凛はその小さき体に、大きな決意を誓った。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 日常 『チョコレートケーキはお好きですか?』

POW   :    ケーキを大量に食べる。ケーキの種類は一番少ない。

SPD   :    ケーキを早く食べる。ケーキの種類はとても多い。

WIZ   :    ケーキ以外も並行して食べる。ケーキの種類はやや少なく、甘味以外の種類が豊富。

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


戦いを終え、都市船に帰還した猟兵を待ち受けたのは、建造記念日式典であった。
 別に堅苦しい儀礼ではなく、要するに苦難の時代は乗り越えようともまだまだ安定とまではいかない生活の中で、何かに付けてみんなでお祭り騒ぎをし、おいしいご飯を食べようという日の一つだ。そして今回、猟兵達も船を救った英雄として特別に招待されていた。

「おぉ、我が船の英雄達! 君達はチョコレートケーキは好きかな? そう、好きだよな!」
 船の代表者と思われる男が猟兵達に話しかけてくる。チョコレートケーキ……そういえば、どこのテーブルにもチョコレートケーキが大量に存在し、誰も彼もがチョコレートケーキの山を複雑そうな顔で頬張っている。
「……実は恥ずかしいことに、手違いでチョコレートケーキが過剰に生産されてしまったのだ! チョコレートケーキならホント余るほどあるので、好きなだけ食べて欲しい!」
 なるほど、そういうことか。確かに宇宙空間において資源は限られている。折角作った食料を腐らせることは、大変な資源の損失に繋がるだろう。
「船の英雄に無理強いする権利など私にはないし、勿論チョコレート以外のケーキや、普通の料理もちゃんとあるから無理にとは言わんが、もしよければチョコレートケーキのことも気にかけて欲しい」
 代表者がレベル分の1秒くらいのペースで【視線】をチラッ、チラッと向ける。しかしそれにしたって量が多すぎる。はっきり言ってしまえば、今ここにいる猟兵が全力で平らげようとした所で、焼け石に水にもならないレベルでのチョコレートケーキ地獄である。もうどうにもならないんじゃないかな。

「あ、そうそう。メンテ殿と言ったかな。彼女にもチョコレートケーキの処理に協力して頂いている。その彼女からの伝言で、何かあれば気軽に呼んでくれとのことだ。あー、このままでは我が都市船がチョコレートケーキによって占拠されてしまう」
 さり気なくとんでもない失言を聞いた気がするが、まあそれは置いといて。都市船の建造記念日を祝い、おいしいおいしいチョコレートケーキパーティ……もとい、立食パーティが始まる。
ブロンクス・ベルトロガー
「ドウシテコウナッタノデショウカ…」思わず機械的な台詞で独り言をつぶやく。
(ヒューマンエラーにしては些かいきすぎるかと)と小竜形態のソーマも密かに呟く。

ウォーマシンと言えども、猟兵として進化した故に食べる事が出来るので手始めに近くにあったチョコレートケーキを一口。
本格的なチョコレートケーキの味に思わずハマり始めた結果、そのまま一心不乱に大量に食べてしまうかもしれん

ついでにソーマも食べられるか聞いてみるが、消化機能がないので食べれませんよと無機質に返答された。



「ドウシテコウナッタノデショウカ……?」
 都市船の英雄の一人、ブロンクスが目にしたのは、チョコレートケーキの山、山、山。
「……ヒューマンエラーにしては、些か行きすぎではないかと」
 ブロンクスのナビシステムであり、また彼の戦いを陰ながら支えた小竜形態の【ジャベリンデバイス"ソーマ"】もまた、この惨状を目にし思わず呟く。本当にどうしてこうなった。

 とは言え折角だ。食べてみるのもいいかも知れない。手始めに近くにあるチョコレートを一口。
「ムムッ?」
 ブロンクスがその味に唸る。これだけ積まれるとつい味も悪いものだと想像してしまうが、これが実の所悪くない。というかおいしいと言っていい部類に入る。
 芳醇で濃い甘さを持ちながら、それでいて味覚に貼り付かない爽やかさ。苦すぎない程度のカカオの適度な苦み。チョコレートのパリっとした食感にスポンジのふんわり感が調和する。
「ウマイ、ウマイゾ!」
 大柄なウォーマシンが、一心不乱にチョコレートケーキの山を平らげていく。このまま会場の全てのケーキだって食べられそうな気分だ。

「……ソーマも食べるか?」
「残念ながら消化機能がないので食べれませんよ」
 ブロンクスの姿を冷ややかに見つめながら、そっけなく返答するソーマ。この味を体験出来ないなんて何と勿体ない、とブロンクスは独り言ちる。
 ウォーマシンの猟兵が、猛烈な勢いでチョコレートケーキを食べていく姿に、人々は驚く。帝国からの解放軍が、ついでにこのチョコレートケーキ地獄からも解放してくれるのではないかと期待の眼差しで見つめる。

成功 🔵​🔵​🔴​

不破・玄
建造記念日式典の雰囲気を味わってからケーキと戦いです。

チョコレートケーキ?まあ、嫌いでは無いです。
これを処理するというのも仕事というわけですね。
ふむ、仕事であればお付き合いしましょう。
今なら真の姿を使って…此が別腹?違います。
あっ参列者付き人にもケーキ持たせれば良いのでは無いでしょうか。

メンテさんに何かあれば?
ふむふむ、この(チョコレート)ケーキも美味しいですよ。此も宜しくお願いします。
とお伝えすれば良いでしょうか。
私も協力しますけどね。えーと。この唐揚げ美味しいね。
まあ、コーヒーがあれば私も頑張れるでしょう。
自分のペースで美味しくいただきましょう。

以上です。台詞のアドリブなどお任せ致します。



和気藹々とした和やかで、それでいて大量のチョコレートケーキが醸し出す微妙な空気。それらの雰囲気を幾らか堪能した玄は、次の戦いに挑む。そう、件のケーキである。
「嫌いではないですし、ケーキの処理も猟兵の仕事とあらばお付き合いしましょう」
 腕に巻いた包帯、それが体を作り直すための栄養を要求している。それともいっそ真の姿を解放し、その別腹にも放り込んでやろうか。どの道、これからも猟兵としての厳しい戦いや訓練が待っている。多少食べ過ぎるくらいでも丁度いいくらいだろう。

「ふむふむ、味は美味しいですね。ですが流石にこれだけでは飽きます」
 玄がメンテにオススメする形で幾らか押し付けようとするも、既にメンテも魂の抜けそうな顔でチョコレートケーキを頬張り続けている。そしてその横にあるのは――自前のものと思われるイナゴの黒焼き。
「……なるほど、そういう食べ方もありましたか」
 玄は思いつき、立食ブースから別の料理を持ってくる。ケーキだけで食べ飽きるなら、他のものと一緒に食べればいい。それにここまでの量、猟兵だけが何とかしたって食べ切れるはずもない。都市船の皆が協力しなければ到底片付かない量だ。まあ彼らもそれを理解してるからこそのあの表情であって。

「あっ、この唐揚げ美味しいですね」
 他の料理にも舌鼓を打つ玄。ついでにコーヒーもあればもう少し頑張れるだろうと、自分のペースで食べていく玄。
 あとついでに、食べ切れそうな分だけ持ち帰ることにした。無論止める者などいるはずもない。次の戦場に持っていくのはちょっと難しそうだが、これで当分は甘味や軽食に困る事もないだろう。

成功 🔵​🔵​🔴​

緋神・美麗
んー、死闘の報酬がチョコレートケーキかぁ…。別に嫌いじゃないけどどうせならチーズケーキの方が…。まぁ、ほっといても腐らせるだけだし、しょうがないか。 
【WIZ ケーキ以外も並行して食べる。】
チョコケーキだけだと胸焼けしそうだからチーズクラッカーとか味を変えながら食べるわね。保存のききそうなものは知り合いへのお土産に冷凍パックしてもらって持ち帰るわ。



「んー、死闘の報酬がチョコレートケーキかぁ……」
 別に嫌いじゃないんだけど、どうせならチーズケーキの方が、と美麗とケーキの山を見つめながら呟く。実際チーズケーキも用意されていたが、このままチョコレートケーキを放置すれば腐らせるだけだろう。とは言え、帝国のふざけたやり口によって支配され人々が苦しめられる事態ではなく、恐らくは単純なヒューマンエラーによって発生した大量のチョコレートケーキに悩まされるような、他愛のない日常を守れたことが、彼女にとって激しい死闘の何よりの報酬に値すると感じた。
 とは言え、このままチョコレートケーキだけをバクバク食べても胸焼けを起こすに値は違いない。どうしたものか。

 美麗が選んだ方法もまた、他の料理を平行して食べることで味を変え、飽きが来ないようにする方法だ。チーズクラッカーと平行して食べると、チョコレートとは違うクラッカーやナッツのサクっとした食感、口に広がるオイルの芳醇な香り、しょっぱいくらいに濃く味付けされた塩味が食欲を促進させる。
 これでチョコレートケーキ地獄でなければ最高の立食パーティになっただけに、本当にどうしてこうなったとやはり惜しんでしまう。
 
「折角だし、知り合いへのお土産に持ち帰ろうかしらね」
 大部分を占めるチョコレートケーキ、そしてその他の幾らかの料理を冷凍パックに詰め、持ち帰りの準備を進める。折角だし、知り合いのみんなにもチョコレートケーキ地獄もとい、建造記念式典のおいしい料理と思い出をおすそわけしようと思った美麗であった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ナイ・ノイナイ
【POW】使用

『また』戦いが終わってから追いついてしまった……!
大きい翼を心なしか縮めて、申し訳なさそうな顔をしながら
隅っこでケーキをいただこう。
このチョコケーキを片付けるのも人助けの内だと自分に言い聞かせながら……。

「うまいな」
「うむ、うまい」
「うまいうまい」
「これはうまい」
「うむ……うむ」

普段甘いものを好きなだけ食う機会が無いので無茶苦茶おいしく感じる。
憑かれたように同じチョコケーキを食べ続けている。
スピードは無いが常に食べているといった所だ

メンテサンその他が困っていれば横から許可を得てケーキを貰いたいな
「食べないのか?俺が食べても?」



「『また』戦いが終わってから追い付いてしまった……!!」
 ナイ・ノイナイ(幸いの鳥・f02501)が揚陸部隊との戦いのために転移したその先は、和気藹々とした雰囲気の都市船パーティーであった。オラトリオの青みがかった大きな翼を心なしかシュンと縮め、穏やかそうな顔に申し訳なさそうな表情を浮かべる。

「ええと、ナイ・ノイナイさん、ですね。ああ、ちょっと困ってたんですよ。早速ですが任務です。このチョコレートケーキを出来る限り平らげて欲しいんです」
 転移したナイを見つけたメンテが駆け付け、皿にどっさりと積まれたケーキとフォークを手渡す。戦いに貢献出来なかったナイを慰めるためか、あるいは任務の体でケーキを押し付けるためか。
 いきなり手渡された皿の重さに一瞬つんのめるも、すぐに支え直し、謎の状況に辺りを見渡す。立食テーブルのあちこちにチョコレートケーキの山。何となく状況を掴み、察するナイ。
「俺が食べても? メンテさんは食べないのか?」
「ええ……もう来年分までチョコレートケーキを食べた気がします。予知に出てきそうです」
 口を四角くして、今にも嘔吐しそうなげんなりした表情で語るメンテ。それでも自分の食べかけを渡すのではなく、新たにケーキを切り分けて用意する辺り、彼女の無駄に強い使命感をひしひしと感じる。
 いずれにせよ、それはナイにとって救いであり、僥倖であった。まだ人を助けることが出来、そして今この瞬間自分が求められている。しかもそれがよりにもよって、チョコレートケーキを食べることで、だ。

「うむ……うむ」
 ナイはワンホールを積み重ねたかのようなケーキの山から一口装い、口に入れる。ふんわりとしたスポンジ、噛めば気持ちよく砕け、舐めればたちまち溶けるチョコレート。口中に甘みが広がり、だが合成カカオの適度な苦みの刺激が口内を引き締めてくれる。
「うむ、うまい」
 無茶苦茶おいしい。しかもそれが、事実上いくらでも食べれる。食べてもよい。普段甘いものを好きなだけ食べるような機会がないナイにとって、それは天国にも等しいシチュエーションだ。
「うまいな」
 憑かれたようにチョコレートケーキを食べ続けるナイ。決してその速度は速いとは言えないが、そのペースは全く低下せず、黙々と口に中に入れ、溶けるような食感に咀嚼も程々に喉の中に呑み込んでいく。
「これはうまい」
 あっという間に完食したナイ。最初は山の大きさに吃驚したが、今となっては一皿がたったあれだけだったのかと驚嘆する。だが幸いにも、この場所にはチョコレートケーキはまだまだある。誰に促される訳でもなく、おかわりのケーキを受け取りに行く。

「うまいうまい」
 宴も酣。だがナイはひたすらチョコレートケーキを食べ続ける。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ナイ・ノイナイ
「……!」
俺は気が付いた。このまま食べきってしまったら『おみやげ』分が無くなるではないか。
甘味好きの知人の為にチョコケーキを少しだけ持って帰れないだろうか。

せっかくだからケーキ以外も賞味しておくべきか。畑も放牧地も無いのに馳走が食べられるとは、面白き世界だ。
「これはチョコか? むむ、カレーだと」
「これはカレーだろ。……何っ、ビーフシチュー?」
「じゃあこれもカレーか? チョコフォンデュ……だと……」
聞いた事はあっても実体験した事が極端に少ないため、
船内の人に色々教えてもらえながら食べ放題できると嬉しい。
【WIZ】



「うまいうまいうまい」
 なおチョコレートケーキを食べるナイ。そこに猟兵達に体よくケーキを押し付けた壮年の船の代表者が現れる。
「楽しんで頂けて幸いです。とは言え、流石にケーキだけでは我々も忍びない。他のものもどうですかな?」
 口に入れようとかした欠片を一旦止め、促されるままにパーティで振る舞われる他の食事も口にする。
 
 まずナイは、チョコに似た濃い茶色のとろみの付いた半生の食べ物を口にする。スパイスの香味と辛味が口中に広がる。これもチョコレートだろうか?
「むむ、カレーだと」
 カレー。興味深い味だ。今の今まで甘みに慣れたナイにとって、それは新鮮な食感だ。別腹とばかりに平らげる。
 続いて装われたのは、先ほどよりも若干濃く、そして液体に近いもの。口に入れると、肉と野菜の旨味が広がる。カレーの一種か。
「何っ、ビーフシチュー?」
 そして次は、ドロドロに溶けた茶色の液体。果実にそれを付け、口に入れる。今度は濃い甘みと、僅かな苦み。こういうカレーもあるのか。
「チョコフォンデュ……だと……?」

「しかしそれにして不思議だ」
 都市船で振る舞われる多種多様な食事に彼は舌鼓を打ち、同時に思う。
「ここには畑も放牧地もない。なのに馳走が食べられるとは、面白き世界だ」
 それは彼にとって率直で純粋な疑問。聞いたことはあっても『実体験』がないそれらは、全てが新鮮であった。
「先祖は帝国から命懸けで食文化のデータを守ってきたと言います。何せ、食べることくらいしか楽しみがないですからね。お陰様で、今でも大抵のものは合成出来るのです」
 代表者が語る。その表情は過去に思いを馳せ、だがすぐに物悲しいものへと変わっていく。

「かつてこの世界にも本物の畑や放牧地があったと言います。私も年を食いましたが、この目で見たのは大掛かりな歓楽船にある見世物くらいです」
「――偽物」
「ええ。ここに並んでるものも、どんなに再現しようが、結局の所再現でしかない。紛い物なのです」
 帝国との戦いで本物の大地は知り得る限り全て失われ、本物の種子や畜産物も今どれ程残っているかも定かではないという。ナイも代表者も、少しの間黙り込む。

「でもこの味と、それがもたらす笑顔は本物だ」
 それを破ったのはナイだ。自分の知らぬ新たな味の歓びに感謝を告げる。
「そう言っていただけると慰めになります」
 代表者にも笑顔が戻る。
「知人に甘味好きがいるんだ。彼のためにいくらか『おみやげ』を持っていっていいか」
「ええどうぞどうぞ! あなた方ならいつでも歓迎です。またいつでも遊びに来て下さい」
 了承を得て、ナイはタッパーにケーキを詰め込めるだけ詰め込んでいく。

 こうして建造記念式典は終わりを告げた。都市船の人々は再び普段通りの生活に戻り、猟兵達も戦いの日々へと戻る。願わくば、来年もこの日を迎えられますように。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月15日


挿絵イラスト