Follow wing for Halloween
その日、地球上のあらゆる放送電波に乗って、『それ』は姿を現した。
『地球の生きとし生けるものたちよ、お初にお目にかかる!』
巨大な玉葱を二つ重ねたお化け──とも見える姿を有したその存在、なれど其は途方もなく強大な、地球のあらゆる人々に対する大敵。即ち。
『オレサマの名は『大祭祀ハロウィン』!宇宙連合軍デウスエクスを統べる『|十二剣神《グラディウス・トゥエルヴ》』の一柱だ!』
堂々名乗るその名に、放送を目にした人々は息を呑んだことだろう。よもや、かの偽神達の親玉、その一角が直々に現れ出て来ようとは、と。
そして、態々斯様な行いを為したその理由にも、また。
『これより、このオレサマ自らが、多重分身による『全世界同時攻撃』を行う!』
即ち宣戦布告。其は地球人類より略奪を為す侵略者としての矜持であるのだろうが。
『ハロウィン当日までに阻止できなければ、地球はオレサマの主星『真理の部屋ハロウィン』と融合し、あらゆる生命、そしてグラビティ・チェインは、その全てがハロウィンと化す……!』
謎めいた、しかし明らかに尋常ならざるその狙い。地球に対し未曾有の危機が迫っている、誰もがそう理解したことであろう。
同時に、其が挑戦であることも。即ち特務機関|DIVIDE《ディバイド》、そして『六番目の猟兵』達に対しての。
『勿論、大義はオマエラにある。正義の味方として、正々堂々止めに来い!』
最後に残された悪党らしい哄笑は、あたかも地球全土に響き渡るかのようであった──。
●
「何ともまあふざけたコトを企みやがりますね、あのタマネギ野郎」
グリモアベースに集った猟兵達を前に、グリモア猟兵、叢雲・紗綾(嘲り詰る兇弾・f40836)は不快感も露わに吐き捨てる。
ケルベロスディバイドにおける敵『デウスエクス』、その司令官たる『|十二剣神《グラディウス・トゥエルヴ》』が一柱『大祭祀ハロウィン』が、ハロウィンの祭りによって高まる『季節の魔力』――『ハロウィンの魔力』を用いた大規模作戦を仕掛けてきたのだと紗綾は語る。
「奴は大量に分身して、配下のデウスエクスと一緒に世界各地の決戦都市を襲撃、或いは既に占拠して、其処に『ハロウィンの楔』を打ち込みやがりました」
其は、周囲を『ハロウィン化』──簡単に言えば「万物が存在する状態」に変えてしまう力を持つ。ハロウィン化の侵蝕は徐々に拡大し、ハロウィン当日までに阻止できなければ、地球はかの大祭祀の主星『真理の部屋ハロウィン』と完全に融合、地球全てがハロウィンとなり果てる。そうなってしまえば地球も、そこに生きる人々も只では済まぬ。
「それまでにこいつらをブッ倒して、ハロウィン化を阻止して欲しいんです」
かの世界に生まれ育った身として、何としても食い止めねば。依頼目的を語る紗綾の目は、そう訴えかけるようでもあったとか。
是の応えを返す猟兵達に、紗綾は具体的な作戦内容の説明を始める。
「皆さんに向かって欲しいのは、アメリカ東海岸に近い決戦都市の一つになります」
この都市は既にデウスエクス達に占拠され、ハロウィン化を果たしてしまっている。混沌の坩堝と化したこの空間に飲み込まれてしまえば、猟兵でも只では済まない危険極まりない状態ではあるが、対処の術はあると紗綾は言う。
「ハロウィン化した空間は『あらゆる世界の概念が同時に存在する』空間です。つまり、異なる世界の概念を纏うことで、混沌に飲み込まれることを防ぐことができるんです」
具体的にはどうすれば良いかと言えば。
「──なので皆さん、仮装して行ってください!」
まさしくハロウィンと言うべき対処法であった。
「特殊メイクも使ってガチガチの仮装をしても良いですし、皆さんそれぞれの出身世界らしい衣装を着てくのもアリですし。あと『地味ハロウィン』的なモノもアリみたいです」
要は『普段の自分と異なる自分』になりきれば良い、というコトなのかもしれない。
「そんなワケでハロウィン化空間に適応したら、この都市にある特務機関|DIVIDE《ディバイド》の基地へ向かってください」
其処では機関所属のケルベロス達が、デウスエクスの軍勢に抵抗しながら救援を待っている。この軍勢を打倒し、彼らを救援するのが最初の目的となる。
「雑魚は機関の人達にお任せして大丈夫です。皆さんは、軍勢を指揮している『ブラックエクリプス』ってデウスエクスをブッ倒すのをお願いします」
其は機械系デウスエクス『ダモクレス』の指揮官モデル。指揮能力はもとより戦闘力も高く、キャバリア並みの巨体に搭載した多彩な武装はかなりの脅威だ。心して当たって欲しいと紗綾は言う。
「指揮官を撃破すれば、タマネギ野郎──『大祭祀ハロウィン』が出てきますので、後はコイツをブチのめすだけです」
とはいえ、敵はデウスエクスを統べる『|十二剣神《グラディウス・トゥエルヴ》』の一角。極めて手強い相手である。厳しい戦いとなりそうだが、紗綾曰く、この戦いに役立つモノがこの場には存在するらしい。
「アイツと戦うに当たって、|DIVIDE《ディバイド》の人達が『決戦兵器』を用意してくれてます。これをうまく使えば、タマネギ野郎相手でも対抗しやすくなるハズですよ」
それは来たる『|十二剣神《グラディウス・トゥエルヴ》』との決戦を見据えてか、|DIVIDE《ディバイド》が研究開発を進めていた超兵器。突然の襲来故にぶっつけ本番での投入とはなるが、十分に力になってくれる筈だと紗綾は請け負う。
「決戦兵器の名前は『ドミニオン・フェザー』。背中に背負う機械仕掛けの翼のような形をしてます。元から翼がある人でも背負えるような形になってるみたいですね」
これを装着することで飛行が可能になる他、意志の力を注ぐことにより加速と戦闘能力の向上を図ることが可能なのだという。
「これをうまく使って、あのタマネギ野郎をギタギタにブチのめして宇宙に放り捨ててやって下さい!」
表現は少々乱暴だが、そうしなければ待つのは地球の危機だ。全力を以て、かの大祭祀を打ち倒さねば。
「それでは転送開始します! 皆さん、よろしくお願いしますね!」
説明を終え、紗綾はグリモアを起動する。
向かうは、真理の混沌に飲まれし決戦都市。
五条新一郎
全てはハロウィンなのでしょうか。
五条です。
さて今年のハロウィンは、ケルベロスディバイドにての大事件。
世界をハロウィン化させるという脅威の業を打ち破るべく、其を齎さんとする大祭祀を打倒致しましょう。
●目的
『大祭祀ハロウィン』の撃破。
●戦場
ケルベロスディバイド、アメリカ合衆国東部に在する決戦都市。
その一角に在る特務機関|DIVIDE《ディバイド》の基地の敷地が戦場となります。
周囲には幾つかの建物がありますが、ハロウィン化の影響により様々な形状に変貌しています。
基本的には開けた地形です。
●第一章
デウスエクス部隊の指揮官『ブラックエクリプス』との「ボス戦」です。
配下のデウスエクスを率いてはいますが、基本的に|DIVIDE《ディバイド》のケルベロス達との交戦を任せているのでこれらへの対処は特には不要です。
●第二章
|十二剣神《グラディウス・トゥエルヴ》『大祭祀ハロウィン』との「ボス戦」です。
ここでは背負い式機械翼型の決戦兵器『ドミニオン・フェザー』が使用可能です。装着することで、飛行能力と「意志の力を注ぐことで移動速度と戦闘力を強化できる」能力が得られます。
●プレイングについて
第一章はOP公開と同時、第二章は章移行後に断章を投稿しますのでそれ以降からプレイング受付を開始します。募集状況はタグにて。
尚、今回は後述の備考との兼ね合いにより10/30(月)深夜までの完結を目指して運営して参ります。
●備考
10/31(火)朝までにハロウィンシナリオが「20本」成功していなければ、地球はハロウィンと化してしまいます。
それでは、皆様のプレイングお待ちしております。
第1章 ボス戦
『ブラックエクリプス』
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POW : カラミティザッパー
着弾点からレベルm半径内を爆破する【爆炎弾】を放つ。着弾後、範囲内に【戦闘用極小ドローンの群れ】が現れ継続ダメージを与える。
SPD : エクリプスブラスター
自身の【武器「エクリプスブラスター」】を【戦況に最も適した形状】に変形する。攻撃力・攻撃回数・射程・装甲・移動力のうち、ひとつを5倍、ひとつを半分にする。
WIZ : 黒蝕光翼
【黒いレーザー光の翼】を生やし、レベル×5km/hの飛翔能力と、レベル×5本の【破壊光線】を放つ能力を得る。
イラスト:させぼのまり
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
シルヴィア・アンバーロン
POW/アドリブお任せ
ポジション→クラッシャー
ガチケモ系
両肩に犬のようなのアクセサリー
頭に角、尻尾に作り物のヘビを着けてケルベロス!
わん!(ハロウィンは楽しいお祭りだよう!楽しいを邪魔するデウスエクスは殺すだけだよぉ!死んで地球人に詫びろぉ!)
わん!(火炎弾と戦闘用極小ドローンの群れは決戦配備の攻撃で妨害してもらってダメージを受けるのを減らす)
わん!(近づいて、グラップルで相手を掴んで、顔面、関節にユーベルコードをして攻撃だよう。機械?切断した部位が個別に動いたら厄介だから斬らない。使えないように潰す。)
バゥッ!!(うるさいっ!無駄に喋るな!顔を潰して声を出せないようにしてやる!)
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎
■行動
色々と凄い状況ですねぇ。
「他世界風のコスプレ」と言うことで、『封神武侠界』の『羽衣人』の様な『薄手の羽衣風の衣装』を着用しておきますねぇ。
『FAS』で飛行し全『祭器』を展開、『FLS』で空間歪曲障壁を形成しまして。
【瑋籬】を発動し『豊体』に変化、解除時の『反動』を対価に『豊玉』と『豊壁』を召喚しますぅ。
『爆炎弾』は『FPS』の探査で時機を計り『FIS』の転移で直撃を回避、余波は『豊壁』と『FES』の耐火結界で遮断を。
続く『群れ』は『極小』故『豊玉』で容易に『存在吸収』可能ですぅ。
後は『存在吸収』に敵本体を含めると共に、超強化した各『祭器』で[追撃]、一気に叩きますねぇ。
毒島・雅樂
あ゛~…仮装か。仮装なァ…。
普段とは違う格好で…となると、探偵たる妾は正反対の怪盗の仮装ってコトで洒落込めるかねェ? 取り敢えず、シンプルにシルクハットとモノクルとスーツにマント…ってトコか。何か胸がキツいさな…ソコは釦、空けとくかネ…。
折角だシ仮装に相応シい戦い方でもシようかねェ。
怪盗ってのはアレだ…闇より出で闇に還る。つまり使うは【黯龍ノ哄笑】ってコトになるサね。ま、お宝がねェので…頂くのは命ってオチになっちまうがナ。
後はソうだナ…攻撃時は首跳ばシ狙いさね。
折角、闇に潜むンだ。怪盗が姿を現す時は派手さが付き物だシな。妾も派手に登場させて貰うとするゼ。
猟兵達が降り立ったその決戦都市は、一言で言えば混沌そのものの風景と化していた。
立ち並ぶビルは本来のコンクリート製から、煉瓦やら木材、或いは石造りの外見に変じていたり、ファンタジックな意匠を有した姿に変わっていたり。捻じくれた不気味な草木が 生えているかと思えば、路肩に停まった車は明らかに反重力機構で浮揚し駆動するものであろう姿。時代も地域も、或いは世界も種々様々な事物が、ひとつの空間に結集していた。
「あ゛~……こりゃァ成程、混沌そのモノってェ様相だなァ」
「色々と凄い状況ですねぇ……」
斯様な有様の街並みを前に、毒島・雅樂(屠龍・f28113)は感心するやら呆れるやらといった声音と共に頭を掻き、夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)は唖然としながら辺りを見回す。
これが『ハロウィン化』、世界を万物が同時に存在し得る状態と化さしめ、以て個を希釈せしめてしまう世界か。成程、脅威と称するも道理と言えよう。納得するかの如く首肯する両者。と、其処に。
「わんっ!」
両者の隣より上がる声音は犬の鳴き声に似る。雅樂とるこるが振り向けば、其処には一頭のゴールデンレトリバー――の姿を模した一人のウェアライダーの姿。シルヴィア・アンバーロン(魔犬で駄犬で怒れば猛犬・f40852)、此度が初任務の猟兵である。
「わんわん、わぉんっ!」
言葉を知らぬシルヴィアは正しく犬の如く吠えることで己の意志を示す。本来楽しい祭りであるべきハロウィンを邪魔するデウスエクスへの、明確な怒りと殺意を。
爛々たる闘志を帯びる相貌には角が備わり、双肩には更に双つの犬の貌。更に尻には蛇を模した尻尾飾り。其は異世界におけるケルベロスを模したる姿。ハロウィン化の混沌に飲まれし空間に適応する為の装い。
「そうですねぇ、何とか致しませんとぉ」
シルヴィアの憤りに同意を示すかの如く、るこるは頷く。豊満極まりなきその肢体を此度包むは、羽衣をイメージした中華風の薄衣。封神武侠界の羽衣人達の装いを模したものだ。
「そうサな、此れだけ混沌塗れとなっちゃァ虚も実もありゃしない」
雅樂も応え、ふと己の胸元を気にする。彼女の装いは、漆黒のスーツにマントを羽織り、シルクハットとモノクルを身に着けた姿。其は常の在り方たる探偵の対極、即ち怪盗を模したものだが。るこる程ではないにせよ主張激しい双房を収めるには不足らしく、釦の外された胸元は白く切り立った深い谷間を露とする。
「――と、彼方が交戦の真っ最中の様だナァ?」
とはいえ気にしてばかりもおれぬ。聞こえてくる爆音や銃声が、この地にて起こる戦の在るを伝えてくる。
「そのようですねぇ。行くとしましょうかぁ」
「わぅんっ!」
雅樂の呼びかけるにるこるとシルヴィアも応え、斯くの如く仮装を纏うことでこの混沌空間に適応せし三者、戦の響き伝わる元へと駆けてゆく。
猟兵達の行き着いた先は特務機関DIVIDE、その中核施設の前。同機関に属すケルベロス達と、ダモクレス――戦闘機械型のデウスエクスの軍団の交戦する只中である。
『――敵性存在の接近を確認。猟兵と断定』
ダモクレスの戦列の中心、金色の鎧騎士じみた意匠を纏う機械巨人が、不意に呟く。『ブラックエクリプス』、この地のデウスエクス軍団を統率する指揮官である。
『各員は自己判断にてケルベロスとの交戦を継続せよ。猟兵に対しては本機が対応に当たる』
配下に指示を飛ばすが早いか、キャバリアじみた巨躯の機兵は向き直る。疾走、或いは飛翔にて迫り来る猟兵達へ向けて。
「わおぉぉぉぉんっ!!」
先陣を切るは、犬じみて四つ足にて地を駆けるシルヴィア。闘志と殺意に満ち満ちる雄叫びを放ち、巨大なる敵へと臆せず迫る。
そんなシルヴィアに対し、ブラックエクリプスは機械らしく淡々と片手の長斧を掲げる。その柄尻に備わる宝石めいた紅のエネルギー体が輝きを増したかと思えば、其処から放たれるは高密度の火炎弾。其を前としても速度を緩めぬシルヴィアへと真っ直ぐに撃ち出された其は、着弾と共に大爆発、辺りに猛烈なる炎の嵐を巻き起こす。
『――生命反応、減衰を認めず』
だがブラックエクリプスは、その身に備わったセンサーを以て悟る。何らかの要因により、シルヴィアに殆どダメージが与えられていないと。その分析は、直後に正しかったと証明される。
「バウゥゥッ!!」
『!!』
爆炎を突っ切り飛びかかってきたシルヴィアが、オーラの爪を振るい肉薄してきたのだ。長斧を構え防ぎ止めるブラックエクリプス、先の爆炎に伴って呼び寄せた小型ドローン群に指示を飛ばしシルヴィアの迎撃を命ずるが。
『――ドローン群、応答無し……だと?』
オーラ爪を振るうシルヴィアの猛攻を捌きながらも、現れた筈のドローン群からの反応が無いことを訝しむ指揮官。その答えは、シルヴィアの更に後方にあった。
「ドローンの皆さんは、私が吸収させて頂きましたよぉ」
シルヴィアの後方上空、オーラの翼を広げ滞空しつつ、るこるが指揮官の疑問に応える。その身を包むは、二種の色味が絶妙に溶け合う乳白色のオーラ。
其はユーベルコードにて齎されし超兵器にして超装甲。強化された攻撃面は、極小ドローン群のような存在格の劣る敵を一瞬にして吸収消去し、守りに関しては。
『最優先排除目標と断定、殲滅する』
そう判じたブラックエクリプスは、長斧の柄でシルヴィアを突き飛ばし気味に押し出し。直後、斧の柄尻よりるこるを目掛け再度火炎弾を発射。対するるこる、祭器のバリアを展開し真っ向より受け止め――爆発、戦場に、再度爆炎の嵐が巻き起こる。
やがて爆炎の退いた後、展開されたドローン群は光と化してるこるの纏うオーラの一部として吸収され。後には無傷のるこるが残った。其を前として、ブラックエクリプスは判ずる。先程シルヴィアに撃ち込んだ火炎弾も、このバリアで防がれたのだろう、と。
「バウゥゥゥ!!」
態勢復帰したシルヴィアが再度仕掛けてくるのを見据えつつ、ダモクレス指揮官は思案する。ドローン群を吸収した力は彼自身にも影響を与えているが、彼の存在格はドローン群の比ではない故に耐えられる。後は、あの守りを如何に抜くか――
『―――!?』
殺気を感知し、咄嗟に身を捻る。閃いた白光が、アイカメラの片方を斬り裂き、辺りへと火花を撒き散らす。
『伏兵……! 馬鹿な、センサーには反応など――』
「バウッ!!」
如何にして己の知覚を欺いたのか、と驚く間も無く、続けざまシルヴィアが飛び掛かる。無駄に喋るなと言わんばかり、オーラの爪が指揮官型ダモクレスの頭部へと立て続けに叩き込まれる。其は切断ではなく粉砕を目的とした攻撃。機械であるが故、切断された部位が個別に動く可能性を想定しての攻法である。
「――流石に、一息に|首級《おたから》頂戴、とハいかないねェ」
シルヴィアの攻撃に晒されながらもブラックエクリプスは見る。先の刃の振り抜かれた空間に蟠る闇、その中から現れた人物が、自省めいた呟きを漏らす姿を。
それは雅樂。闇より出て闇へ還る――怪盗を装ったならば行動も装うかと試みたのが、闇を纏って姿を隠すユーベルコードを行使しての不意打ちである。
闇に潜みて時を待ち、時来たらば派手派手しく仰々しく現れ出るが怪盗の在るべき姿なれば、己も其に相応しき盛大なる戦果を、と狙い試みたが。流石に敵も然るもの、寸前にて奇襲に気付き被害を片目のみに食い止めてみせた。
「怪盗を装うにしちゃァ、些か地味な登場になっちまったが――」
仲間の攻勢の助けになったならば一先ずは及第点か。るこるが己の攻め手たる浮遊兵器群を展開するのを見遣り、雅樂は頷いた。
「ユー、その辺で一旦下がりナよ。一等派手な一発が来ルからな!」
「わふ! わおぉぉん!」
シルヴィアに呼びかけ、己も彼女の飛び退くと同時に大きく跳躍し敵との距離を取る。
直後、よろめくダモクレス指揮官を目掛けて、無数の熱線と炸裂弾、爆弾等々が撃ち込まれ、先程彼自身が巻き起こした勢いを上回る猛烈な爆炎の中に、かの騎士鎧めいた姿を飲み込んでいった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
薬袋・あすか
全世界ハロウィン化……?
待って、一ミリもわからん。とりあえず仮装すりゃいいのか……?
ってわけで仮装
上半身はOLっぽいスーツにきれい目系のバッチリメイク
下半身はパジャマのスウェットにスリッパ
そうこれは【リモートワークなのを良いことに画面に映らない部分は手を抜く人】の仮装
いわゆる地味ハロウィンってやつ?
相手のUCはスケッチブックで受け止めジャストガード
持ち前の怪力とグラップルを活かした軽業、体を持ち上げアクロバット回避
魔力心臓のリミッターを解除しUC発動
全力魔法の凍結攻撃
魔力心臓の魔力供給は無尽蔵だ、こちとらスタミナには自信あるぜ?
決戦配備
ディフェンス
オリヴィア・ローゼンタール
なんというか、デビルキングワールドのノリに近いですね……
ともあれハロウィン化を防ぐために【狂乱の斬り裂き兎】でバニーガールの衣装を身に纏う
空中を足場にした跳躍(ジャンプ)で飛行する敵とも交戦可能(空中戦)
ウサギの脚力で縦横無尽に跳ね回り、破壊光線を躱す(空中機動)
ところで、あなたは仮装しないんですか? その戦斧をカボチャで飾ったりとか
キャバリア並の体躯、ということは5m程度
威力が増しているとはいえ、形状的に大鎌では真っ二つは難しい
なので関節部位などの【急所突き】【部位破壊】【切断】を狙う
【怪力】を以って告死の大鎌を振るい、死属性(属性攻撃・呪詛)の【斬撃波】を放つ
現代的であった筈の風景が、ファンタジックであったりトライバルであったり未来的であったり、様々な時代や地域、果ては異世界の文化を思わす風景に侵食されている。これが『ハロウィン化』と称される現象である、と見た目には理解できるが。
「――やっぱり、一ミリも分からん」
それ以外の殆ど一切が分からん、と薬袋・あすか(地球人の鹵獲術士・f40910)はぼやきを漏らす。レディススーツの上半身とパジャマにスリッパの下半身というリモートワークスタイルの仮装――と言うには些か地味な装いでもこの混沌に適応しているのも分からない。
「なんというか、デビルキングワールドのノリに近いですね……」
その隣では、ユーベルコードでバニーガール姿に変身したオリヴィア・ローゼンタール(聖槍のクルースニク・f04296)が、あすか同様困惑の表情を浮かべていた。成程、この混沌具合はかの悪魔達の世界を想起させる処ではあるが。
「とりあえず、あいつとその後で出て来る親玉をやっつけないと地球がヤバいんだな?」
視線の先、己らを前に身構える指揮官型ダモクレスを見据え、あすかは己の理解を問いかけの形でオリヴィアに伝える。此度の任務に関してそれだけは確と理解した、と。
「私もそのように認識してます。放っておけば人々の命も危ういでしょう」
其処がデビルキングワールドとの明確な違いである、との認識と共にオリヴィアが応え。得物たる大鎌を構えつつ、敵指揮官と対峙する。
『――戦術プラン構築完了、黒蝕光翼展開。エクリプスブラスター、重連撃形態へ変形』
対するブラックエクリプスは二人の戦闘スタイルを予測解析していたらしく。得物たる大斧を変形せしめると共に、背より黒きレーザー光で形作られた翼を展開。以て、緩やかに上空へと浮き上がってゆけば。
『全砲門開放、目標捕捉――破壊光線、斉射開始』
全身至る処より現れた宝石じみた発射口から、無数の光線が次々と撃ち出され。其はまさしく光の雨と化して、地上のオリヴィアとあすかとを目掛けて襲いかかってくる。
「この程度ならば!」
「避けられりゃ何とかなる、ってな!」
なれど、両者とも臆することなく光の驟雨を目掛けて駆け出してゆく。斯様な攻撃などに臆していては、猟兵もケルベロスも務まらぬとばかりに。
オリヴィアは地を蹴り空高く跳躍。更に空中で大気を蹴って上昇すると共に、前後左右へ跳び回って降り注ぐ光線の雨を巧みに躱す。
あすかは地上を駆けて身を翻し、或いは捻り。時には跳躍や側転をも交え、次々降り落ちて来る光線の合間を軽やかにアクロバティックに躱し。
「おっと危なっ!」
それでも躱しきれぬ光線は、掲げたスケッチブックを盾に凌ぐ。長年使いこんできた末にあすかの魔力が染み込んだ其は、生半な盾とは比較にならぬ防御能力を以て所持者を破壊光線から守る。
スケッチブックに命中した光線が飛散した後、改めてあすかが空を見上げれば。遂にブラックエクリプスの在る高度にまで至ったオリヴィアが、かの指揮官型ダモクレスへ肉薄せんとする処であった。
「捉えました。仕留めさせて頂きます」
『エクリプスブラスター、近接戦闘モードへ移行。猟兵を迎撃する』
ダモクレスを鋭く見据えるオリヴィアが大鎌を振るえば、システムメッセージじみた機械的な呟きを発するブラックエクリプスが長斧を振るって弾き返す。
オリヴィアの繰り出す斬撃は、ブラックエクリプスの四肢の関節部を主に狙ったもの。ユーベルコードの恩恵で切れ味は増しているが、キャバリアに比する巨体を大鎌で真っ二つ、というのは形状的に困難ゆえ。
「――あなたは仮装しないんですか?」
交戦の最中、オリヴィアはふと指揮官たるダモクレスへ問う。仮装らしい仮装をしていないにも関わらず、彼らがハロウィン化したこの空間に適応しているのは何故か、との疑問が湧いた故に。
『不要。ハロウィンとは我らデウスエクスに適したる環境である』
巨大な斧を軽々と振るい、立て続けの斬撃を繰り出しながらブラックエクリプスは応える。デウスエクスは元よりハロウィン化した環境に適応しているが故に、仮装が不要ということか。
「成程……ならば尚更、この企みは阻止せねばなりませんね」
大鎌の柄による防御と跳躍とを組み合わせ、巧みに距離を取るオリヴィア。大跳躍を以て間合いを開けにかかった彼女を、ブラックエクリプスは追撃せんと背の黒光翼を大きく広げるが――その時。
『―――!?』
直後、指揮官は悟る。己の周囲に生じた異変を。外気温が急速に低下すると共に、その機体の各部位が凍り付き、稼働が阻害されている……!?
「捉えたぜ……! このまま、凍りつけ!」
其を齎したのは地上のあすかである。上空のダモクレスを睨む片目を蒼氷色に輝かせ、以て見据えた空間を丸ごと極低温の状態へと至らしめる。
己が身に宿る魔力心臓の出力を最大限に引き出して発生させた氷雪の魔力、其を以て生じせしめた極低温空間。その気温、適した計器が存在していれば絶対零度を更に下回る温度を示していただろう程。
敵は斧に備わる砲撃機構や破壊光線を利用して低温に抵抗しているようだが、あすかには無尽蔵の魔力供給を可能とする魔力心臓がある。熱源諸共冷却し、動けぬ状態を維持してみせる。己には其が可能である、確かな自負が彼女にはある。
尤も、その均衡を長く保つ必要は無いとも察する。間合いを取って極低温空間を逃れていたオリヴィアが、再度攻撃に出る姿を捉えたが故に。
「感謝します――捉えた好機は、逃しません」
極低温空間の外、告死の大鎌を振り上げ、狙いを定める。刃に纏わるは、死の呪詛を形とした漆黒の光。
そして振り抜くと共に、黒き光は斬撃波となって、ブラックエクリプスの得物携えし右腕へと鋭く突き刺さる。切断には至らなかったものの、凝縮されし死属性の魔力が、指揮官型ダモクレスの生命力を大きく削り削いだのは確実であった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
朱鷺透・小枝子
宣戦布告、同時攻撃、やってくれたな!!
ならばこちらも、出し惜しみは無しだ!!!
【推力移動】でブラックエクリプスへ突撃しながら『禍集・戦塵武踏』発動
ディスポーザブル02と融合、己を三眼六臂の破壊権現へと化しこれを以て仮装と成す。
【焼却】劫火の霊障を爆炎弾へぶつけ、爆炎を霊障で【受け流し】
己が破壊の【呪詛】を乗せて周囲へ【吹き飛ばし】展開されたドローンの群れを破壊そして己が【闘争心】の矛先、ブラックエクリプスへ吶喊!
壊せ!壊れろ!!デウスエクス!!
ここから、消えろぉおおおお!!!!
02と融合した事で得た重力制御機能、破壊の呪詛纏う禍集壊腕の【怪力】を併せ【重量攻撃】超荷重を乗せた鉄拳を叩き込む!!
結城・有栖
ハロウィンを悪用するなんて…許せませんね。
「やっぱり、ハロウィンは楽しい方が良いヨネ」
ええ、物騒な方々には退場してもらいます。
去年着た魔女の仮装を身に纏い、トラウムに搭乗し、シュトゥルムで飛翔して出撃。
まずはUCで飛翔速度を上昇。
敵の周りを飛び、加速と想像力を組み合わせ、質量を持った【残像】で撹乱します。
撹乱しつつ、シュトゥルムの風の【斬撃波】で牽制。
敵が武装を変形させて反撃してきたら、【野生の勘で見切り】、残像を囮にするか【空中機動】で回避です。
敵の攻撃後の隙を狙い、ガイスト・クリンゲから【全力魔法】を込めた破壊の風を放って攻撃。
更に決戦配備を要請し、クラッシャーの砲撃で追撃してもらいます。
猟兵達との攻防を経て、少なからぬ損傷をその身に受けた様子のブラックエクリプス。更なる追撃を成すべく、二機のキャバリアが戦場へと到達する。
『宣戦布告、同時攻撃、やってくれたな!!』
その一方、六腕異形のオブリビオンマシン『ディスポーザブル02』より朱鷺透・小枝子(|亡国の戦塵《ジカクナキアクリョウ》・f29924)が憤怒或いは闘志と共に吼える。前方ではその尖兵たるダモクレス軍団の指揮官が得物たる巨斧を構え迎撃の動きを見せている。
『ええ、ハロウィンを悪用するなんて許せません』
『やっぱり、ハロウィンは楽しい方が良いヨネ』
並び立ち飛翔する、魔女然とした意匠のサイキックキャバリア『トラウム』からは結城・有栖(狼の旅人・f34711)と彼女の内に在るオウガ『オオカミさん』の同意の声。白いワンピースに漆黒のコートを重ねた魔女装束を纏った仮装姿で、前方のデウスエクスを厳しく見据え。
『物騒な方々には、退場してもらいましょう』
『応! 出し惜しみは無しだ!!』
敵を打倒するその意志を改めて確かめるに、小枝子も力強い応えを返し。其々に敵を打ち倒すべく行動を開始する。
『行きますよ、オオカミさん』
『あいよー!』
有栖がオオカミさんに呼びかけるが早いか、トラウムの機体を包む風のオーラが勢いを増し。飛翔の速度も一気に加速する。
『敵性機体を猟兵由来の機体と断定。エクリプスブラスター、速射形態へ移行』
迫るトラウムの姿を認め、ブラックエクリプスは得物たる長斧をやや細身へ変形させる。単発の威力を犠牲に攻撃回数を強化したということか。
そして繰り出される攻撃。其を前として有栖は見切るのでも防ぎ止めるのでもなく、考えるより早く回避行動へと移行。其はまさに野生の勘に基づく見切り。振るわれた初撃を、紙一重にて躱しきってみせる。
『|争え《あらがえ》……|争え《あらそえ》……|争え《あらがえ》……|争え《あらそえ》……』
後に続くディスポーザブル02からは小枝子の譫言じみた、然し確かな意志を宿した声が響く。即ち、かのデウスエクスを確実に打倒するという意志。
其に応えるが如く、オブリビオンマシンは徐々に形を失い溶け崩れてゆく。搭乗者たる小枝子と、ユーベルコードを介した一体化を始めていた。
「|争え《あらがえ》……! |争え《あらそえ》……!」
そしてオブリビオンマシンの姿が消えると同時、機体から飛び出してきた三眼六臂の人間大の存在。それこそはユーベルコードの成果。破壊権現と称されし小枝子の姿。其は仮装としてもまた機能し、彼女の力を大幅に向上せしめる。
「おおおおおおおお………ッッ!!」
殲滅せんとする意志のままに咆哮し、背より爆炎を噴き上がらせて弾丸じみて飛翔する小枝子。狙うは勿論、有栖を撃ち落とさんと長斧を振るう指揮官型ダモクレスだ。
『敵性存在の急速接近を確認。これを迎撃する』
ブラックエクリプス側も小枝子の接近に気付き、大斧の柄尻へと炎を凝縮。迫る小枝子を撃墜せんとばかりに撃ち放つ!
「させるかあぁぁぁああぁぁぁぁぁ!!」
吼える小枝子の身が劫火の霊障に覆われる。其は狂気的とすら言える彼女の苛烈極まりなき闘争心によって成るもの。溢れ出す其が炎を帯びた霊障の形を得たものとも言える。其が迫る火炎弾と真っ向より衝突、弾けた炎が爆炎となって戦場を席巻する。
小枝子を仕留められたか否か。確かめんとしたブラックエクリプスだが、其は中断せざるを得なかった。己を包囲するかのように展開する、十数体のトラウムのせいで。
其は有栖の操縦のもと、ブラックエクリプスの周囲を高速起動する事で生じた残像。更にアリスナイトの力の源泉たる想像力を上乗せすることにより、本物と寸分違わぬ質量や動力反応すらも備える残像を形成せしめることに成功していたのだ。
『迷っちゃったみたいだネ』
『では、残りの方は吹き飛ばしてしまいましょう』
偽物と容易に断定できぬ残像群を前に、攻めあぐねたブラックエクリプス。生じた隙を逃すことなく、有栖は猛烈なる破壊の風を浴びせて削りにかかり。
「壊せ! 壊れろ!! デウスエクス!!」
更には爆炎の中から小枝子が飛び出してきた。その身には炎などによる少なからぬ傷が刻まれてこそいるが、彼女を止めるにはまるで足りぬ。
「ここから、消えろぉぉおおおおおおおおお!!!」
雄叫びと共に懐へ飛び込んだ小枝子の拳が、ブラックエクリプスの胴へと撃ち込まれる。見目には普通の人間の少女とほぼ変わらぬ彼女の拳は、オブリビオンマシンとの融合によりスーパーロボットの如き大質量を伴ってダモクレスの装甲を打ち据える。
数発を撃ち込まれよろめいた敵機へ、再度有栖の風の魔術が浴びせられ。今度は耐えることも叶わず、全身を砕かれながら吹き飛ばされていった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
シャーリー・ネィド
【かまぼこ】
ボクの仮装はメイドさん!
いらっしゃいませ、ウィーリィ王子様☆(手でハート)
どう、似合ってる?
ウィーリィくんを乗せて宇宙バイクでDIVIDE基地に急行!
【援護射撃】【制圧射撃】で交戦中のDIVIDEメンバーを援護しながら敵を薙ぎ払い、ボスまでの道を拓く
ボスの元に着いたらそのまま突っ込み、【弾幕】【乱れ撃ち】【クイックドロウ】で熱線の壁を作りウィーリィくんが飛び降りる隙を作る
彼を降ろしたらボスの周りを宇宙バイクで走り回りながら【クイックドロウ】【スナイパー】でウィーリィくんを巻き込まない様にボスを攻撃、それと同時に【罠使い】【ロープワーク】で砂塵に紛れて鋼鉄ワイヤーをボスの足元に張り巡らせ、バランスを崩して転倒を狙う。
引っかかったらその僅かなチャンスを活かして【シャークショック】で熱線の軌道を操って何度もループさせて蜂の巣にするよっ!
ボスがUCを使ったら破壊光線を【見切り】で回避しながらその翼を【部位破壊】【咄嗟の一撃】【スナイパー】【クイックドロウ】で破壊して地上に落下させる
ウィーリィ・チゥシャン
【かまぼこ】
敵と戦うには仮装をしなきゃダメなんだよな。
なので、シャーリーに合わせて「王子様」の仮装をする事になった。
白を基調にあちこち金モールで飾り立て、背中にはマント。
……流石に恥ずかしいけど文句を言っても仕方ない。
シャーリーのバイクに便乗し、敵の指揮官に接近したらそのまま【ジャンプ】で飛び掛かり大包丁片手に接近戦を挑む。
奴の飛び道具を封じるためと、罠を仕掛けるシャーリーから奴の注意を逸らす為。
大包丁で【二回攻撃】の【鎧砕き】を繰り出し、【部位破壊】で奴の脚を重点的に狙う。
シャーリーの罠が完成したら、合図と共にそこに奴を誘い込んで発動と同時に【ジャンプ】で罠に巻き込まれない様にする。
そして奴がバランスを崩したところで【超音刀工】を繰り出し、その衝撃波を【軽業】【足場習熟】で足場にして奴の周囲を跳び回る様に【超音刀工】を立て続けに繰り出す。
奴がUCを使おうとしたらその動きを【見切り】、奴の能力の得手不得手を突き止めてシャーリーに伝えて自分達の攻撃をその弱点を突いたものへと切り替える。
「退け、デウスエクス!」
「これ以上好き勝手させるかよ……!」
特務機関DIVIDEの基地内各所にて繰り広げられる、機関所属のケルベロス達とダモクレスの交戦。防戦一方に追い込まれていたケルベロス達であったが、猟兵達の救援が到着したのを機に反転攻勢に転じ始めていた。敵の指揮官であるブラックエクリプスが猟兵と交戦を始めたことにより、指揮系統に生じた乱れを突く形だ。
其処に駆け込む、鮫を模した形状の宇宙バイク。そのハンドルを握るシャーリー・ネィド(宇宙海賊シャークトルネード・f02673)は運転の傍ら、携えたマスケット銃型熱線銃をダモクレス群へと連射する。被弾した機械兵が怯んだ処へケルベロス達が斬り込み、これを打ち倒す。
「よっし、うまくいったね!」
「援護はいいけど、前にも気をつけろよ」
うまく援護が成ったことに快哉を上げるシャーリー。そんな彼女に背後から苦言。|二人乗り《タンデム》中の相棒、ウィーリィ・チゥシャン(鉄鍋のウィーリィ・f04298)である。
前を見れば、キャバリア大の大型ダモクレスが膝をついた状態から立ち上がらんとする姿。指揮官たるブラックエクリプスだ。その身を鎧う装甲は砕け拉げ、受けたる負傷の深さを窺わせるが、立ち上がろうとする挙動にはそれでも尚戦闘には支障無しと見える。
「だいじょーぶ☆ ボク達二人でかかればどんな敵でも負けないもんね、ウィーリィ王子様っ☆」
背後のウィーリィを振り返って見せさせしながら笑いかけるシャーリー。何処か芝居がかった物言いは、事実として演技――仮装の一環たるが故。
黒のワンピースに白のエプロンドレス、頭にはホワイトブリム。その装いは、紛うことなきメイドの装い。動きやすさを重視しスカートは短めだが、他は奇を衒うことなき王道の意匠だ。
「お前な……流石に俺は色々恥ずかしいんだが」
一方のウィーリィは呆れ混じりの顰め面。その身に纏うは白を基調としたジャケットとズボン、そのあちこちを金モールで飾りたて、背にはマント。シャーリーの呼ばわった通り『王子様』の仮装である。
あくまで彼女に合わせた装いということで、ウィーリィとしては大変に不本意な装いのようだが、ハロウィン化の混沌に呑まれるを避けるには必要な措置とも理解はする。
「だがまあ、文句を言っても仕方ない。やるぞ!」
「おっけー! じゃあ、仕掛けていくよ!」
得物たる大包丁の柄を握りしめウィーリィの呼びかけるにシャーリーも応え、確と目前の敵を見据えてハンドルを回し。|最高速《フルスロットル》にて敵指揮官へ肉薄せんとする。
『猟兵存在接近、2……! 迎撃する……!』
対するブラックエクリプス、重篤なる損傷を受けた姿ながらも、得物たる機械斧を構える動きに淀みは無し。迫るバイクと其に跨る猟兵達を狙い、斧を振るわんとして――
「させないよ!」
『っ!』
だが其処に浴びせられる熱線の雨。シャーリーが熱線銃を乱射してきたのだ。構えを維持しつつ防御態勢を取るブラックエクリプスだが、先程までの状態よりは動きが遅れざるを得ない。
「お前の相手は俺だ!」
更に頭上から声。防御態勢を取ろうとした隙にバイク上から跳躍したウィーリィが、大包丁で斬りかかってきた。機械斧の柄を掲げて受けるダモクレス。
『エクリプスブラスター変形、近接高速戦闘形態に移行』
両者の戦闘スタイルを見て取った指揮官は、其に対応するべく主武装たる機械斧を変形。その巨刃が脱落し長剣状へと変え、ウィーリィ目掛けて斬りかかってくる。
「ちっ、速い……!」
襲い来る斬撃を大包丁で辛うじて防ぎ止めるウィーリィ。その斬撃は重さほど然程ではないが、速度が凄まじい。斧のまま用いた場合の五倍はあるのではないかと見立てざるを得ない程だ。
その猛攻の前に、ウィーリィは防戦一方。怒涛と迫る刃を辛うじて凌ぐが、上へのガードを意識した処へ横薙ぎの刃が――、
「ウィーリィくん危ない!」
『……っ!』
ウィーリィが降りた後は両者の交戦地点の周りを周回するように走りだしたシャーリーが、相棒の危機と見て熱線銃での援護射撃を仕掛ける。ブラックエクリプスは片腕を掲げ防ぎ止めるが、その為には攻勢を止めねばならぬ。伴って生じた時間は、ウィーリィにとっては態勢を立て直すに充分なもの。
以て反撃へと転じる。狙うは敵の巨体を支える両脚。横薙ぎに振るった大包丁が、此処までの交戦で損傷したのであろう脛部位のパーツへと打ち込まれる。
『脚部損傷拡大……やらせるか……!』
其は狙い通り、敵の脚部における急所であるらしい。再び機械長剣を振るっての攻撃に転ずるブラックエクリプスが、その手数で以てウィーリィを抑え込まんとするが、シャーリーの銃撃に妨げられる。
手数による攻勢をウィーリィが凌ぎ、其処にシャーリーの銃撃、生じた隙をウィーリィが追撃する。どちらかがしくじれば忽ちに崩れる、危うい薄氷の上に成る連携で以て攻防を繰り広げる二人。そしてその攻防を終わりに導く仕掛けが、此処で発動する。
「ウィーリィくん、いくよ!」
「おう!」
シャーリーからの呼びかけを受け、ウィーリィが徐に跳躍する。狙うは、この鋼鉄巨兵の頭部。これを潰して一気に仕留める――そう意図した攻撃は、然し。
『敵、上方より奇襲。迎撃を行いま――!?』
己の取らんとする行動を宣言しかけたブラックエクリプスが急に狼狽える。未だ耐久力は残っていた筈の脛部装甲が完全に破断、何かが食い込んでその内側の器官ごと破壊にかかってくることに気付いたからだ。
「よっし、うまくいったっ!」
策は成った。シャーリーは快哉を上げる。彼女が敵とウィーリィの交戦域の周りを廻り続けていたのはこの為だ。自ら起こす土煙に紛れてワイヤーを敷設し、一気に絞り込むことでの脚部破断。ウィーリィが敵の脚部を重点的に狙っていたのもこの為だ。二人が敵の無力化の為に構えた策は、此処に結実したのである。
『く、脚部破損……! 背部レーザー翼展開、空中戦闘形態へ――』
破損状態から最早地上での機動は困難と判断したらしい。ブラックエクリプスは空中からの攻撃に移行せんと、背部にレーザー翼を展開。そのまま飛翔を開始せんとするが。
「飛ばせなんかしないんだから!」
其にはシャーリーが備えていた。ブラックエクリプスの横合いから撃ち放った熱線が、空中で軌道を変えて背部へ――レーザー翼の展開機構を撃ち貫いた!
『ぐわあっ!? が、ぐぅ……っ!』
レーザー光の発振機構が壊れては、最早其を用いての飛翔は叶わぬ。その上、己の身を貫いた熱線は、空中で何度も軌道を変えては繰り返し己を貫いてくる。機体の内外を同時に破壊してゆく執拗な熱線によって、ダモクレスはふらつき地へと落ち――
「これで、トドメだ!!」
待ち構えていたかのように、ウィーリィが大包丁を振り抜いた。マッハ5.0を超える超音速の斬撃が、半ば砕けかけた指揮官機を両断。以て、致命の傷を齎した。
『――機体大破。ダモクレス大隊、壊滅を確認』
致命の損傷を負い、配下の部隊もケルベロス達の手で壊滅へと至らしめられた。地へと崩れ落ちてゆく指揮官は、己の完全敗北を悟る。
『――大祭祀ハロウィンへ……報告。第六の猟兵……襲来せ……り……』
上官たる十二剣神へと通信を試みたのだろう、その言葉を最後に、指揮官型ダモクレス『ブラックエクリプス』は完全に機能を停止。残骸はそのまま、その場より消失していった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
第2章 ボス戦
『十二剣神『大祭祀ハロウィン』』
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POW : そして世界はハロウィンと化す
【ハロウィン化した世界】を見せた対象全員に「【オマエのハロウィンを見せてみろ!】」と命令する。見せている間、命令を破った対象は【ハロウィンによる肉体変化に抗う力】が半減する。
SPD : トリック・オア・ハロウィン
【食べた者をハロウィン化する毒菓子】を給仕している間、戦場にいる食べた者をハロウィン化する毒菓子を楽しんでいない対象全ての行動速度を5分の1にする。
WIZ : 真理を識る大祭祀ハロウィンの視線
視界内の対象1体の精神を【真実の部屋ハロウィン】に追放する。精神が帰還するまで、対象の肉体は動けないが無敵になる。
イラスト:key-chang
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ハロウィン化へと至らしめられた決戦都市、其処を襲ったダモクレス軍団は壊滅に至った。
特務機関|DIVIDE《ディバイド》のケルベロス達は猟兵達に対し礼を述べるが、その表情は硬い。これで終わりではない、その事実を彼らもまた把握しているのだ。
彼らの案内により、猟兵達は基地の一角の施設へと招かれる。其処に用意されていたのは、背負い式の機械仕掛けの翼と呼ぶべき装備品。
「この基地で開発を進めていた決戦兵器――『ドミニオン・フェザー』です。十二剣神と戦うに際して、必ずや皆さんの力となるものかと」
グリモア猟兵が言っていた通りの武装だ。幾つも用意されたそれら機械翼は、細かくデザインの異なる複数のモデルが存在し、中にはキャバリアサイズの代物もある。多様な戦闘スタイルの者が在る猟兵達だが、これだけあれば己の戦闘スタイルと噛み合うものもあるだろう。
『ヒャーッハハハハハハァァ!』
と、其処に響く哄笑。施設を出た猟兵達の前に、『それ』が姿を現した。
上下に連なった玉葱、其々が不気味な顔を其処に形成し、結合部からは両腕を、下半身からは翼めいた器官を生やした存在。その身より醸される力の気配は、先のブラックエクリプスをも大きく圧倒する。
『やはり現れたな、『六番目の猟兵』! 36世界最大のイレギュラー!』
発される声音は悪辣ながらも何処か重みを伴う。この存在なりに、猟兵という存在への脅威を感じ取っているのだろうか。
『改めて名乗らせてもらう! オレサマこそが『大祭祀ハロウィン』、宇宙連合軍デウスエクスを統べる『|十二剣神《グラディウス・トゥエルヴ》』の一柱だ!』
堂々名乗るその存在こそが『大祭祀ハロウィン』、此度の災禍の黒幕たる十二剣神が一柱。即ちこの世界の最大の脅威の一角。
『オレサマを倒せない限り、地球のハロウィン化は止められない! そしてオレサマに止めるつもりは毛頭無い!』
上下半身其々の目が、瞳を持たぬにも関わらず睥睨してくるのを猟兵達は感じるだろうか。それだけでも感じる圧力はかなりのもの、かの存在の凄まじい力の程が感じられようか。
『止められるのはオマエラ猟兵達だけだ! さあ、オレサマを止めてみろ! オマエラの力と意志の限りでもってかかって来い!』
哄笑と共に、大祭祀ハロウィンはその力を解き放つ。かの存在を打ち倒し、ハロウィン化を食い止めるのだ!
※第一章から継続参加で且つ仮装を変えないのであれば、仮装に関するプレイングは特に不要です。
※決戦兵器『ドミニオン・フェザー』の形状やサイズに関しては「背中または腰に装備する機械翼」という点以外は自由に決めて頂いて構いません。
結城・有栖
ようやく親玉のお出ましですね。
私達のハロウィンが見たいと言うなら、見せてあげましょう。
「トラウムもやる気満々ダヨー。思いっきりやっちゃおうカ」
トラウム背中に悪魔の翼みたいなドミニオンフェザーを装備させ、搭乗して出撃。
まずは機体を飛翔させ、UCでハロウィンっぽいデザインの杖を召喚し、トラウムに装備です。
込める幻想は私が思い描くハロウィンの召喚魔法、技能は【召喚術】に特化。
杖を振い、蝙蝠の羽が生えたジャック・オー・ランタン型の爆弾を沢山召喚。
【集団戦術】を利用して敵を撹乱させ、隙をついて特攻させて攻撃。
敵の攻撃は【野生の勘で見切り】、ドミニオンフェザーを使った【空中機動】で回避。
毒島・雅樂
これがドミニオン・フェザーかい。
まァ、マントに隠そうかィ。天駆ける怪盗の艶姿、此のハロウィンの始末をつけるに派手でいいンじゃねェか?
派手に征くのに小細工は要らねェだろ。妾は【集中】シて【切り込み】さね。
あ゛~…「意志の力」だったカ? それなら速く、此の戦場の何ヨりも速く。たった一撃を喰ラわせる為に全てを注げ。全速力で一直線に、ハロウィンの首ってお宝目掛けて突キ進め。
お宝の目の前に来たラ、全力全開の一撃を。
即ち【赩龍ノ断罪】。
莫迦騒ぎの仕舞いに相応シく派手に楽シくヤろうぜェ。
そう言や、挨拶してヤがったさね。
此処で返さねェのも些か無粋ってナ…一撃喰らわセると同時に名乗るかね。
ドーモ、毒島雅樂だ。
現れたる十二剣神が一『大祭祀ハロウィン』。かの敵を打倒するべく、DIVIDE基地より猟兵達が次々と出撃してゆく。
『ヒャーハハハハ! 来るか猟兵! それでこそだ!』
其を期待していたかの如く哄笑を上げる剣神、その周囲には無数の鬼火めいた炎が浮かび、迎撃準備は万端と見える。
『ええ、親玉のお出ましとくれば応えなければ』
応じて先ず大祭祀の前へと現れ出るは結城・有栖(狼の旅人・f34711)操るサイキックキャバリア『トラウム』。その背に広げるは、悪魔翼を模した形状の機械翼――キャバリアサイズの決戦兵器『ドミニオン・フェザー』。
悪魔翼を備える魔女然とした機体は、先端にカボチャらしき意匠を掲げた杖――ユーベルコードによって形成されたる長杖を携え、一層ハロウィンに適応したかの如き様相を示す。
『トラウムも見ての通り、やる気満々ダヨー』
有栖の内よりその身に融合せしオウガ『オオカミさん』の言葉通り。トラウムの身は常以上に力強く唸りを上げて渦を巻く風のオーラに纏われ、その出力の高まりを其処に示す。
対峙する、魔女機と大祭祀。其を見上げる影が一つ。怪盗姿の毒島・雅樂(屠龍・f28113)だ。
「しかし奴さん、随分とまァ傾いたモンだねェ」
これ程の混乱を引き起こした犯人でありながら、自ら動いてくるとは。今の装いは怪盗なれど本来は探偵たる雅樂は其処に、ある種の酔狂さを見出しただろうか。
「とは言え、折角派手なモンを貰ったンだ」
背に負った感触を確かめる。|外套《マント》の下に隠したドミニオン・フェザー。怪盗を装うならば、斯様なる|機巧《カラクリ》は時来たるまで隠し置くが望ましかろう。
「此の|莫迦騒ぎ《ハロウィン》の始末、派手につけてヤろうじゃァないか」
大祭祀へと向けた眼を細め、身構える。天駆ける怪盗の艶姿、如何にして魅せつけてやろうかと算段する。
『イイねイイねェ! ヤる気は満々、そうこなくっちゃなァ!』
地上と空中、向けられる戦意と殺意とを前に大祭祀は愉快げに嗤う。これでこそ戦い甲斐がある、と言わんばかりに。
『それなら始めるとしよう――お前らのハロウィンを、見せてみろ!』
そして徐に宣告すると同時。戦場の大地には愛らしきものから禍々しきものまで数多の花が咲き、大気には0と1の数列が走り、空は極彩色を纏いながら不可思議な形状の雲を孕む。これまでから更に一層の深化を伴うハロウィン化現象。十二剣神の一が直々に齎すが故か、その変異は尚更に劇的。呑まれれば己もハロウィンと成り果てかねぬ、とは明確に分かり得よう。
だが、なればこそ。トラウムの手で南瓜の杖を掲げながら有栖は声を張る。
『いいでしょう、私達のハロウィンが見たいと言うなら、見せてあげましょう!』
南瓜に刻まれた眼と口とが青白く輝くと共に。トラウムの周囲の空間が歪み、其処から無数の南瓜が飛び出てくる。全てが蝙蝠の翼をその身に生やし、前面に刳り抜かれた口と眼から青白い炎を燃やす其はジャック・オー・ランタン――を模した爆弾群。まさにハロウィンという時節に相応しき武装。
『行きなさい!』
トラウムの杖が振るわれるのを合図に、ジャック・オー・ランタン群は一斉に大祭祀を目掛け飛翔開始。広範囲に広がった其は上下左右、複数方向より大祭祀を狙って迫る。
『成程そう来るかよ! だがなァ!』
無論のこと大祭祀の側も迎撃に動く。周囲に浮かべていた鬼火群を一斉に射出、南瓜爆弾へと叩きつけて次々とこれを破壊。空中で爆発に至った爆弾群が、ハロウィン化した空間の空に爆炎の花を咲かせ散ってゆく。
鬼火は撃ち出される傍から次々と補充され、爆弾のみならずトラウムをも目掛けて撃ち放たれる。本体を叩かねば次なる南瓜を呼ばれるのみと踏んだのだろう。
『当たりませんよ!』
其は有栖としても予測の内だ。機械翼を広げての機動は常よりも速く且つ巧み。ある程度の誘導性能をも備えた鬼火を、野生の勘に基づく直感で躱してゆく。
『でも随分撃ち落とされちゃったネ』
『ならば更に召喚するまでです』
回避機動の合間に、オオカミさんの指摘に応えてトラウムが杖を掲げ。周囲の空間から更なるジャック・オー・ランタン群が飛び出し、大祭祀を包囲せんとばかりに飛翔してゆく。
『ちィ! やっぱまだ出るかよ!』
次々と鬼火を撃ち出し対抗する大祭祀。空中に無数の爆炎が爆ぜ飛び、魔女機との間に均衡が形作られる。
「ハッ、あのお嬢ちゃんも大したモンを出シてくるねェ」
その攻防を、雅樂は地上で見据えていた。その業を讃えるが如く一度トラウムへ視線を向けて後、続けて向ける先は十二剣神。
「だが。此処は妾にとっても|好機《チャンス》――ってェな」
腰を落とし、脚を踏ん張る。鬼火の連射を続ける大祭祀を睨み据える。事此処に至れば、雅樂の策は単純。精神集中からの、最高速度での斬り込み。
空中で繰り広げられる炎の攻防。やはり地力の違いか徐々に大祭祀が押し込みつつあるとも見えるが、彼とて余裕がある訳ではない。全ての意識を有栖の攻勢へと振り向けて、漸く成った攻防――かの大祭祀の様相は、雅樂にそう判じせしめるには十二分、だが。
(ッってもまァ、あれ程の相手だ)
生半な速度では、肉薄までに気付かれる。ならばどうするか。その答えもまた単純。
(――速く、何ヨりも速く――)
その意志をこそ翼に注ぐ。マントの下から翼が広がり、内より力が溢れ出す。
(全速力で、一直線に――)
意志を、思考を、意識の全てを注ぐ。かの剣神へ、たった一撃を喰らわせる為に。
(|お宝《ハロウィンの首》目掛けて――)
雅樂の身体が浮き上がる。角度微調整。目標、大祭祀ハロウィン。出力最大。
「――突キ進め!!」
叫ぶが早いか。雅樂の身が、その場から瞬時に消失し――
『――ガァァァァッ!?』
一瞬後、上がった声は大祭祀ハロウィンの苦鳴。その頭部の側面が深く抉れ、人の腕が突き刺さっていた。言うまでもなく、雅樂の腕だ。
飛翔、肉薄、全力全開の貫手の一撃。その一連の攻撃は、大祭祀の認識速度をも超越し、貫手の直撃を以て漸く認識されるという、派手な結果を齎していた。
『――ガッ、お、オマエ……!』
漸く雅樂の存在に気付き、大祭祀が声を漏らす。その声音は、己に深い傷を齎した猟兵への憎悪ではなく、其を成したことへの敬意が滲む。
「――そう言や、挨拶してヤがったさね、ユー」
其処で雅樂は思い至る。彼方に其を為させておいて己が応えぬというのも些か無粋。なれば遅れたとて、礼は返した方が良かろう。
腕を引き抜き、飛び下がり。両手を合わせて頭を下げる。
「ドーモ、毒島雅樂だ。でもって――」
礼を終えて直後、更に後退。入れ替わるように飛び来るは、有栖の放つジャック・オー・ランタン群。
『この好機――決めさせて貰います』
「――サヨナラだ」
二人の声が重なると共に。南瓜爆弾の群れが一斉に大祭祀へと突撃。無数の爆発の中へ、かの剣神の身を呑み込んでいった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
夢ヶ枝・るこる
さて、参りましょう。
私のハロウィンです?
大体毎年の事ですし、私含め『猟兵にとってのハロウィン』は『様々な衣装を着て敵方に対処する行事』では?
『ドミニオン・フェザー』に〈虚音〉を融合し一時『祭器』化して飛行、この状態なら【UC】で増幅出来る上、『FAS』を攻防に回せますぅ。
更に【彁閠】を発動し『幽巫』に変化、「対象を取る」性質の大祭祀さんの【UC】の影響を遮断すれば、先程の回答で時間は得られるでしょう。
後は『衛星祭器』を攻撃と「他『祭器』増幅」に使用し、『FPS』で相手の動きを探知して対応、[空中戦]の経験と『FIS』の転移回避に『FLS』の空間歪曲を併せ防ぎつつ、各攻撃用『祭器』で叩きますぅ。
「さて、参りましょう」
先に交戦を開始した猟兵達に続き、羽衣人風の仮装をした夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)もまた、その背に決戦兵器ドミニオン・フェザーを広げて飛翔。大祭祀ハロウィンへと向かってゆく。
『――ッヒャハハハ! 次が来たな!』
気付いた大祭祀ハロウィン、先の猟兵との交戦によって負った傷も意に介さぬとばかり愉快げに嗤うとその手を振るう。
すると直後、周囲の空間が歪むと共に、ノイズ混じりの機械柱が何本も地面から生え出てくる。これもまたハロウィン化に伴って生成された代物か。
『さあ勝負だ、お前のハロウィンも見せてみろ!』
「私のハロウィン、です?」
堂々言い放つ大祭祀、対するるこるは真顔にて思案すること数秒。
「――今年もそうですが『様々な衣装を着て敵方に対処する行事』では?」
ユーベルコードにて胸元に埋め込む形で宝玉型祭器を呼び寄せつつ、回答を返す。事実、ハロウィンに合わせて事件を起こすオブリビオン等の存在が毎年の如く現れる為、猟兵にとってのハロウィンとはそういう行事になりつつある面もあるが。
『……そういう事じゃあないんだよなあ』
大祭祀は何やら不満げである。るこるに向ける視線に、何やら失望めいた感情すら伴っているようにすら見えるが。
『まあ良い、それならオマエもハロウィンになるがいい!』
気を取り直すが如く言い放つと、その異形の手で以てるこるを指差し示す。彼女をもハロウィンの混沌の中に吞み込んでしまわんとばかりに。
だが。
『……何故だ? 何故ハロウィンにならない?』
今度は困惑げな様子を示す大祭祀。彼の認識では、今のるこるにハロウィン化へ抗うことは不可能と見立てていた様子ではあるが。その答えは。
「どういう事かは分かりませんが、私には既に女神の加護がありますのでぇ」
るこるは己の胸元に埋め込んだ宝玉を示す。其は彼女の身に『不明の加護』――対象を取るユーベルコードの対象とならなくなる加護を齎す。以てハロウィン化への抵抗力を維持しているのだ。
「それでは、叩かせて頂きますねぇ」
そして現れ出る数多の祭器群。浮遊砲台や爆撃機構などといった攻撃用祭器群が大祭祀を狙い、周囲にはバリアや空間歪曲結界、転移機構といった防御用祭器群が護りを固める。更にはユーベルコードで呼び寄せた衛星型祭器群が、それら祭器の性能を向上せしめる。
『ちぃ、やってくれるな……だが!』
無論、大人しく倒される大祭祀ではない。形成せしめた機械柱群が電荷を帯び、辺りに放電を開始する。更には大祭祀自身も周囲に無数の鬼火めいた炎を浮かべて攻撃の構えを見せる。
「いきますよぉ!」
『やってみせろ! ヒャハハハハァ!』
るこるの声と大祭祀の哄笑と同時。祭器群の砲撃と、大祭祀の魔術群が交錯――激しい砲撃戦が幕を開けた。
浮遊砲台から放たれる熱線が玉葱じみた頭部や下半身を灼き、迸る電撃が水晶柱型祭器を貫き砕く。
爆撃機構から降り注ぐ爆弾が空中で炸裂し大祭祀の身を衝撃で引き裂かんとする一方、放たれた鬼火が札型祭器を焼き払う。
敵の攻撃を空間歪曲障壁や空間跳躍で回避しつつるこるが繰り出す攻撃は、大祭祀の身へと着実にダメージを蓄積せしめるが、かの剣神からの反撃も熾烈。展開した祭器群が次々と破壊されていく。
「……っ! く、これはぁ……!」
やがて戦域に迸る電撃が己の身を灼くに至り、るこるは悟る。防御祭器群の全滅を。
『漸く守りを剥がしきれたぜ……!』
上下の顔を悪辣に歪め、大祭祀は嗤う。防御祭器の破壊を最優先としたが故か、その身には確かな傷が刻まれていたが。有効打には今一歩足りなかったか。
「……私の『意志の力』が足りなかったというのでしょうかぁ」
即ち、祭器群の性能を底上げした上での火力不足。その原因が、ドミニオン・フェザーによる戦闘力強化が不十分であることに思い至る。
十二剣神が一柱たる眼前の敵へ立ち向かう意志、此度の任務にかける想い。そうしたものが、もう少しでも強く抱けていれば――
とはいえ、悔やんでいても仕方ない。事此処に至らば、後は己かかの敵の倒れるまで攻め続けるだけ。
『さあブッ倒してやるぜ! ヒャーッハハハハァァァ!!』
大祭祀ハロウィンの放った炎と電撃とが迫る。其に抗うべく、るこるは再度祭器群より砲撃と爆撃とを撃ち放ち始めた。
苦戦
🔵🔴🔴
ウィーリィ・チゥシャン
【かまぼこ】
ドミニオン・フェザーを背に、シャーリーと一緒にこのカオス騒ぎを終わらせるためにハロウィンに戦いを挑む。
この決戦兵器があれば、奴のUCに対抗出来る!
決戦兵器の飛行能力を活かし、二人で連携を取り合い空中戦を挑む。
まず【斬撃波】【武器落とし】で奴の手の毒菓子を狙い、叩き落す。
「やいハロウィン!お前の罪は数えきれないが、一番許せないのは「食べ物を侵略道具に使った事」だ!」
そのまま攻撃を続け、奴がUCを使うタイミングを見計らう。
奴がUCを使おうとしたら、【勇気】と【気合い】、そしてシャーリーと手を繋ぎ合って互いを【鼓舞】し、高めた意志の力を決戦兵器に注ぎ込んで一気に能力をブーストさせて奴のUCを振り切り、油断したところに【限界突破】させた【超音刀工】を叩き込む。
5分の1に行動速度が落ちても、元がマッハ5以上なら充分だろ。
衝撃波の追撃に加えてシャーリーと攻撃を重ねる事で奴に深手を負わせる。
シャーリー・ネィド
【かまぼこ】
ハロウィン相手にウィーリィくんと一緒にドミニオン・フェザーで【空中戦】を挑む
ちゃんとアンスコ履いてきたからパンチラ対策も万全だよ!
【乱れ撃ち】で熱線の雨をボスにお見舞いする
「毒のお菓子はいらないから、悪戯させてもらうよ!」
決戦兵器は「移動速度と戦闘能力」を強化する
けど、ボスのUCは「行動速度」そのものを低下させる
だから攻撃速度が低下しちゃったら意味が無いんだよね
ボスを油断させて、その上でスキを突く
UC対策に予めブラスターはいつでも射撃できる姿勢で保持し、動きを鈍らされても攻撃が出来る様にしておく
そしてボスがUCを発動させるタイミングを【見切り】、それより先に【気合い】【勇気】に加えウィーリィくんの【手をつなぐ】事で【鼓舞】し合い、意思の力で決戦兵器をパワーアップした上で【リミッター解除】させてボスのUCに対抗、攻撃も【クイックドロウ】で行動速度の低下を補い、ウィーリィくんがつけた傷を【スナイパー】で狙って追い打ちをかける
その際に銃身は動かさず、身体全体を動かす事で狙いをつける
背に|機械仕掛けの翼《ドミニオン・フェザー》を広げ、新たに二人の猟兵が大祭祀ハロウィンを打ち倒すべく攻め寄せる。
「こいつは凄い兵器だな……!」
決戦兵器ドミニオン・フェザー、其が齎す速度と湧き上がる力の程に、王子の仮装姿のウィーリィ・チゥシャン(鉄鍋のウィーリィ・f04298)は驚嘆する。これ程までの力が得られるとは成程、決戦兵器の名に恥じぬ性能だ。
「ウィーリィくん、これなら……!」
傍らを飛翔するメイド姿のシャーリー・ネィド(宇宙海賊シャークトルネード・f02673)が呼びかけるにウィーリィは力強く頷く。
「ああ。これなら、奴に対抗できる!」
「だねっ! よっし、いっくよー!」
二人の猟兵は速度を上げて、ハロウィンと化した基地内を共に飛翔し。やがて、その先に浮遊する大祭祀ハロウィンの姿を認める。
『次が来たか!』
大祭祀ハロウィンの側も、接近してくる二人に気付き戦闘態勢へ。先に交戦していた猟兵達に負わされた傷は決して浅いものではないが、未だ戦うには十全の力を保っていると見える。
『オマエラにはこいつをプレゼントだ!』
取り出したるは毒々しい色合いのマカロン。これを迫り来る二人目掛けて投げつけんとして――
「毒のお菓子はいらないから悪戯させてもらうよ!」
『ぬおっ!?』
だが其処に降り注ぐ熱線の雨。シャーリーが乱射するブラスターだ。猛烈な勢いで降り注ぐ熱線は大祭祀の身を焼くのみならず、その手のマカロンにまで命中。これを焼き払ってしまう。
『チッ、やってくれるな! だが菓子はまだまだあるぜ!』
呻く大祭祀。だが其処は十二剣神が一柱、ダメージはあれども完全に行動を止めるには至らず。更に幾つものマカロンを取り出し、迫り来る二人を目掛けてバラ撒いてきた。
「流石に間に合わないか……でもな!」
伴い、己の身に生ずる重圧をウィーリィは感じる。あれはかの敵が行使するユーベルコードのトリガー。毒菓子を楽しんでいない者は行動速度が大幅に低下してしまう。その速度差、実に平時の五分の一。
「そう、今のボク達にはこの力がある!」
なれど対抗の術は己らの背中にこそ。力強く声を上げるシャーリーが手を伸ばせば、ウィーリィがその手を握る。
己には互いが在り、互いには己が在る。その手の感触を介して改めて実感を強めれば、己らの身の中から湧き上がる力が感じられる。パートナーに対する信頼に、強大なる敵へと立ち向かわんとする勇気と気合い。それら意志の力が、背負う機械翼を介し二人の力をより高め。
「よし――行くぜ、シャーリー!」
「うん! 行こう、ウィーリィくん!」
互いの名を呼ぶを、最後の後押しと成し。互いの手が離れると共に、ウィーリィが一気に加速する。大祭祀を目掛けて、真っ直ぐに。
『なっ!? この状態でそれだけのスピードが出るだと……!?』
迫り来るウィーリィの予想以上の速度に、大祭祀は思わず驚きの声を上げる。ユーベルコードの減速効果が効いていないわけではない、其を相殺して尚余りある程の速度が出ている。其処までの速度が出るとは予想だにしなかった、大祭祀の油断である。
「やいハロウィン! お前の罪は数えきれない程あるけどな……!」
肉薄したウィーリィ、その腕は既に得物たる大包丁を大きく振りかぶっていた。移動速度はドミニオン・フェザーで補えるが、攻撃の速度までは補いきれぬ故に予め構えたものだ。
「一番許せないのは!」
大祭祀の目前で急停止、その慣性をも上乗せして刃を振るう。其は超音速の刃の一撃。本来ならばそれだけでマッハ5.0を超える速度は減速を受けて尚、決戦兵器による戦闘力強化と慣性の上乗せ、更に。
「『食べ物を侵略道具に使った事』だ!!」
料理人として決して赦せぬその行為。其に対する怒りが肉体の限界を凌駕せしめ、刃を更に加速、結果として本来の速度に迫る刃が、三日月の軌跡を描いて大祭祀目掛け斬り込まれ。
「ガ……ッ!? ぐ、大したスピードじゃあないか……!」
二連玉葱の下側、下半身と思しき部位を深く斬り抉り。十二剣神たるその存在に、苦悶の声を漏らさしめる。斬撃の軌跡に生じた衝撃波は尚も残留し、傷口へと食い込み押し広げて深手を齎す。
そして、二人の攻勢はこれで終わりではない。飛び退き衝撃波から逃れんとした大祭祀の眼に、上空から飛び来るシャーリーの姿が映る。
「逃がさないんだからっ!」
捕捉せし大祭祀へ向けて身体を動かし、胸の前で身体に対し並行に構えた熱線銃の狙いを定める。敵のユーベルコードで行動速度が落ちている以上、通常の手段で狙いをつけるのはタイムラグが大きすぎる。故にこその銃の構え。これならば決戦兵器で加速した移動速度で狙いをつけられる。
ならば後は撃つのみだ。超速の指捌きで以てトリガーを幾度も引けば、撃ち放たれる数十の熱線が大祭祀を目掛け降り注ぎ、玉葱じみたその身を焼き焦がす。
(もう少し右……下……!)
これだけでもダメージは入っている。だが、シャーリーの狙いは更なる深手。より効果的にダメージを与えられる部位をこそ狙う。其処へと熱線を撃ち込むべく、連射を繰り返しながら身体の向きを変えてゆく。コンマ数秒のうちに繰り返される微調整――而して。
『ガァァァァァッッ!!』
大祭祀の口から上がる苦鳴。放たれたる熱線が、ウィーリィの刃にて穿たれた傷へと次々に突き刺さり、焼き焦がし。その身の傷を更に深いものとしてゆく。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
朱鷺透・小枝子
……壊せ、
『禍集・無量呪躯』02群を更に取りこみ、
腰に装着した『ドミニオン・フェザー』に己が【闘争心】を注ぎ込み、
全身に劫火の霊障を纏い飛翔!大祭祀ハロウィンへ、殴りかかる!!
壊せ!!!
劫火纏い敵視界封じ、六腕の【怪力】で殴り、
灼熱光剣でを発生【焼却】を殴って抉って燃やし続ける!
【狂気耐性】劫火の奥の精神を追放されようとも、破壊意志、闘争心の劫火で以て真実の部屋を、生命を、
そしてグラビティ・チェインを壊し己が肉体へと帰還してやる!!
オーバーロード、破壊権現化した精神と禍集焔業で真実の部屋を焼却、
万物が崩壊する戦場を作り出し戦塵霊物質【エネルギー充填】
【呪詛】肉体との繋がりを辿って帰還。
自分は!朱鷺透小枝子だ!!
損壊灼熱弾の【弾幕】で肉体・精神破壊攻撃そして、
ドミニオン・フェザー再稼働、メクサラ・ブースター展開、飛翔最大【推力移動】
大祭祀ハロウィンンンンン!!!
【追撃】加速の勢いを乗せて、劫火を纏う六腕で【重量攻撃】
吹き飛ぶより先に、拳打の弾幕を叩き込む!!
壊れろぉおおおおおおおおお!!!
アリス・セカンドカラー
お任せプレ、汝が為したいように為すがよい。
オウガ・オリジンたんの仮装。
真実の部屋ハロウィンってこいつの主星よね?そんなところに追放されるならむしろ願ったり叶ったりよ。私の肉体は着替えのきく端末でしかないしね。
精神だけになっても肉体が身につけてたモノは具現化できるわ。当然ドミニオン・フェザーもね。機械翼で上空に舞い上がり、多重詠唱結界術で真実の部屋ハロウィン全体をカバーする|不思議の国に続く穴《アリス・リング》の紋章を描くわ。
|単極磁性体《モノポール》で形成された量子物体アリス・リングでハロウィンをアリスの部屋に改竄よ❤
デウスエクスって主星が滅ぶのはまずいのではなくて?
を大祭祀に実況配信☆
「……壊せ」
炎が翔ける。随うように疾駆するオブリビオンマシンの群れが、ひとつ、またひとつ、炎に呑まれ、溶けて、融ける。
「――壊せ」
ディスポーザブル02――伴い現れ出たるオブリビオンマシン群を取り込み融合し。朱鷺透・小枝子(|亡国の戦塵《ジカクナキアクリョウ》・f29924)の破壊権現と化した肉体が、更なる破壊の意志と力を蓄えて。
「壊せ!!!」
溢れ出る闘争心と共に吼えるが早いか、全身に纏う劫火の霊障が一層の苛烈たる炎と成って燃え上がり。腰に備わる|決戦兵器《ドミニオン・フェザー》が応えんとばかり莫大なる推進力を生み出して。
以て一条の流星と化した破壊権現は、迷うことなく一直線に敵を目指して翔ける。視線の先――大祭祀ハロウィンのもとへ!
『ハッ、こいつはまたとんでもない奴がいたモンだ――ッッ!!』
迫る小枝子の存在に気付いた大祭祀、何処か快なる響きを伴う驚きの声を上げるが――浴びせかかる劫火によって視界ごと遮られ。
「壊れろおおおおおおお!!」
次いで降り注ぐは咆哮と共に繰り出される六腕の猛打。其々の腕に無秩序な形にて生えた|灼熱光剣《メクサラ》が刃となり或いは炎となり、繰り出す拳に斬撃や炎撃とを織り交ぜ。剣神の肉体を殴り、抉り、焼き焦がす怒涛の連撃を繰り出してゆく。
『ガッ、グ、随分な暴れようだが……!』
双腕を駆使して辛うじて暴力の嵐を凌ぐ大祭祀、その紅い宇宙めいた瞳が光を増して。
『――真理を識れ、猟兵!』
閃光じみた輝きが奔った、その直後。小枝子の拳が――否、彼女の身体全てが、動きを止めた。
「――此処は」
振るい続けた拳の応えが失せた。その事実から、小枝子は気付く。己が今、DIVIDE基地とは明らかに別の場所に在ることに。
見回せば、一面を満たすは古今東西過去未来あらゆる時代と空間の事物。一切が綯い交ぜとなったかの如き混沌そのものの空間。グリモア猟兵から聞いた情報を思い返す――即ち、此処は。
「『真理の部屋ハロウィン』。あの|大祭祀《タマネギさん》の主星ね」
聞こえてきた声に振り向けば、青と白のエプロンドレスを纏った少女が其処に居た。だがその貌は漆黒の闇に包まれ、如何なる造形か窺い知れない。これは確か、話に聞くオウガ・オリジン――?
「ああ、この格好は仮装よ仮装。折角だし|オウガ・オリジン《オリジンたん》の真似をね」
顔を覆う闇が晴れ、露となった素顔はアリス・セカンドカラー(不可思議な腐敗の|混沌魔術師《ケイオト》艶魔少女・f05202)。勿論猟兵である。
「出遅れたけど|大祭祀《タマネギさん》との戦いには間に合った、と思ったらいきなりこっちへ飛ばされちゃって。まあ、私としては願ったり叶ったりなんだけど」
寧ろしてやったり、と言わんばかり得意げに笑うアリス。サイキックヴァンパイアたる彼女の本質は即ち精神の側。肉体など着替えのきく端末でしかないのだ。
其を示すが如く、アリスの背には|機械翼《ドミニオン・フェザー》。広げてみせればその身は宙空へと浮かび上がり。
「精神だけになっても、肉体に備わった業はそのまま。あなたもそうでしょ?」
話を向けるアリスに、小枝子は己の腕を見る。額を触る。成程、先程までと変わらぬ破壊権現の姿。ならば。
「――ならば!!」
再び破壊の意志を駆動する。轟と渦巻き広がる劫火の霊障が、周りに散らばるすべてを燃やし、薙ぎ倒す。
「そう。よりにもよって本星に呼び寄せちゃったうっかりさんに、その結果を見せつけるとしちゃいましょ☆」
劫火に巻き込まれぬよう高度を上げたアリスは、空へと向けて片手を掲げる。その手を一回しすれば、空に描かれるは不思議な色彩をその内に満たす円形の穴。
其は『|不思議の国に続く穴《アリス・リング》』。其を通して視た世界を一変せしめるもの。現実を歪め、改竄してゆくもの。溢れ出るのは|単極磁性体《モノポール》にて形成されし|量子物体《アリス・リング》。眼下の世界を、それまでとは別種の無秩序空間へと塗り替えてゆく。
桃と白に彩られ、愛らしき種々の装飾に満たされながら、何処か正気を揺さぶる混沌をも内包せし空間――即ち『アリスの部屋』へと。
「壊れろ……壊れろおおおおお!!」
|臨界突破《オーバーロード》――溢れ出る闘志のままに小枝子が吼え、叫ぶたび、劫火は益々その激しさと熱量とを増し。真理の部屋を形作るあらゆるものを焼き尽くし、壊し尽くす。
捻じくれた木々が灰燼と化し、瓦屋根の建物が粉微塵と化し、謎めいた光の漂う大気を焼き焦がし。万物の在る空間が、万物が崩壊する戦場へと作り替えられてゆく。
「―――!!」
やがて小枝子は見る。焼け焦げた空間の中に空いた闇。その先に星にも似た微かな光の垣間見える闇の空穴を。
「それはあなたの炎で歪んだ空間から、あなたの肉体に宿る呪詛を繋いだ精神の通路。其処に飛び込めば、あなたの肉体へ精神の帰還が叶う筈よ」
上空から尚も真理の部屋の改竄を進めるアリスの声。その周囲には、何やら撮影ドローンめいた物体が浮かび上がっている。
「――感謝します! おおおおおおお……!!」
礼を述べるが早いか、小枝子は穴へと飛び込む。帰還次第攻撃再開、とばかり、猛る咆哮を後に残して。
「さて。……デウスエクスってば、主星が滅びるのはまずいのではなくて?」
其を見送ったアリス、徐に傍らの撮影ドローンへ向けて、悪戯っぽい笑顔と共に言い放った。
『な……!? オレサマの主星をこうも滅茶苦茶に……!?』
突如眼前に現れた空間投影映像、其処に映し出された己の主星の光景に、大祭祀ハロウィンは言葉を失う。猟兵達の精神を彼方へ飛ばしたことで一心地ついたと思ったら、今度は主星が危機に晒されていたとは。
『クソっ、仕方ない! 精神隔離を解――』
「大祭祀ッッ!! ハロウィンンンンン!!!」
猟兵達の精神を帰還させようとした大祭祀の顔面に、拳が突き刺さる。映像の向こう側から、其を突き破らんばかりの勢いで繰り出された拳によって。
堪らず吹き飛ぶ大祭祀、だがその身へ更なる拳が繰り出される。背負う|機械翼《ドミニオン・フェザー》と全身の|灼熱推進光《メクサラ・ブースター》により加速した身が、大祭祀の吹き飛ぶ速度をも超えて剣神への肉薄を維持せしめているのだ。
「自分は! 朱鷺透小枝子だッ!!」
吼え猛るが如く己の名を名乗る。事此処に至っての名乗りは即ち、己のこれより果たさんとする行いへの意志を示す為のもの。
絶えず繰り出される六腕を駆使しての拳の猛攻。拳を引いた直後に撃ち出される灼熱の弾頭。浴びせられる弾幕は、肉体や精神を著しく損壊し、大祭祀の抵抗の動きさえも撃ち砕いてゆく。
「壊れろ! 大祭祀ハロウィン!!」
怒涛と襲う拳と銃弾。その猛烈極まりなき攻撃によって、大祭祀の身は地面へと打ち付けられて。
「壊れろぉぉおおおおおおおおおおおお!!!」
そして止め。百何十発目か分からぬその拳の一撃が、大祭祀の全身を地面との間で叩き潰さんばかりに打ち落とされた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
神城・瞬
ハロウィンは元々は秋の収穫の祭りで慰霊祭だったとか。それが世界の全てになると世界が滅茶苦茶になってしまいます。断固阻止ですね。
仮装は髪を後ろに一つに括った上での銃士服で。今の僕は弱き人々を守る銃士!!ドミニオンフェザーを背につけて、決戦配備:クラッシャーで挑みます。
罪無き人々を護る為に戦いに身を投じる、これが僕のハロウィンです!!【オーラ防御】【第六感】【心眼】で攻撃を凌ぎ切り、【高速詠唱】【全力魔法】【限界突破】で月白の闘気で攻撃!!白いフェザーを羽ばたかせ、華麗に悪を倒して見せましょう!!
シルヴィア・アンバーロン
◯POW/アドリブとかお任せ
ばうっ!…ばぅ〜?!
(相手が出てきたなぁ!これで狩るぞぉ!…でもハロウィンを見せろって言ってるけどどうしよう?!)
えーゥーー。これでいい?
トリックオアトリック?え?デウスエクスにトリートが在るわけないじゃん?じゃぁ、殺すね。
(ユーベルコードでオーラの爪を装備してジャギジャギならして、舌で唇を舐め回して)
ばぅっ!(オラァ!と相手の物理攻撃はオーラの爪を装備した腕で弾けるか試し無理なら今後は避けます。後は隙をついて狙いやすい部位や、隙を作るように爪でザクザクと切りつけて行きます。蹴ったほうが速いなら、オーラの爪を足の指に装備して、回し蹴りです)
オリヴィア・ローゼンタール
十二剣神……
半分で6、六番目の猟兵、三倍すれば36、世界の数
6の倍数は何か特別な意味があるのでしょうか
ともあれ、問うても答えはしないでしょう
ならば武を以って雌雄を決するのみ
バニーガールの衣装に機械翼を装備
為虎添翼――強き虎に翼を与え、さらに強くなるという言葉です
では虎すら狩るウサギが翼を得たら? その答えは身を以って思い知るがいい!
先よりも高速・自在化した【空中機動】で空を駆けて翻弄
死の呪力(属性攻撃・呪詛)を帯びた告死の大鎌を振るい【死天冥葬斬】
グラビティ・チェイン――生存エネルギーの枯渇に苦しんでいるのなら、生命力を狩り取る攻撃は特攻でしょう
『ハ、ハ、ヒャハハハハ……!』
蜘蛛の巣の如くひび割れた地面、その中心から起き上がった大祭祀ハロウィンは、笑っていた。全身を無残に抉れ凹ませ、明らかに重傷と分かる姿でありながら。
『大したモンだ、第六の猟兵達! 十二剣神の一柱たるオレサマを、此処まで追い詰めるとは!』
朗々と響く声音は、負傷の深さを感じさせぬ力強さを伴う。未だ戦う力は十全に残されている、と言わんばかりに。伴って、周囲の地面が変異してゆく。アスファルト、石畳、草原、鋼板、或いは血脈蠢く大地へと。
『さあ次だ……オマエラのハロウィンを見せてみろ、猟兵!』
爛々と燃える眼が、近づく三つの影を見据える。彼を討つべく此処に至った猟兵達を。
「ばうっ!? ばぅ~……?」
其を受けた神話の方のケルベロスっぽい仮装のシルヴィア・アンバーロン(魔犬で駄犬で怒れば猛犬・f40852)は、困ったように左右の猟兵達を見回す。ハロウィンを見せろと言われてもどうすれば、と。
「何にせよ、此処に至らば武を以て雌雄を決するのみでしょう」
対してオリヴィア・ローゼンタール(聖槍のクルースニク・f04296)はシンプルな答えを示す。その身に纏うはバニーガール衣装、背には機械翼。携えたる大鎌を大祭祀目掛けて突きつける。
「僕のハロウィンですか。それは勿論――」
今一人、この決戦の場に新たへ馳せ参じた猟兵――神城・瞬(清光の月・f06558)は決然たる表情にて応える。氷の結晶が如く透き通った杖を、儀仗めいて掲げながら。
「――罪無き人々を護る為に戦いへ身を投じる。これが僕のハロウィンです!」
対峙する大祭祀を真っ直ぐに見据えながら宣言する。ハロウィン化へ抗うべく身に纏う銃士の仮装もまた、その意志の具現。今の瞬は、弱き人々を護る銃士であるのだ。
「えーーゥーー……」
一方、シルヴィアは悩む。守るといっても、己の守りたかったものは既に――
(――それなら)
思い至る。左右の手に鬼爪のオーラを展開する。其々を擦り合わせて音を響かせながら、舌は口元を舐め回す。
同時、大祭祀へと向ける視線には殺意が籠る。大切な人達を殺したデウスエクスに|酬い《トリート》は不要、皆殺しにするのみ。そんな意志を乗せた視線を。
『――ヒャーッハハハ! イイぜイイぜェ! その意気だ!』
向けられる敵意も殺意も心地良いとばかりに大祭祀は嗤う。その周囲に浮かび上がるは燃え盛る鬼火、或いは髑髏じみたドローン、或いは翼生えた単眼生物。ハロウィン化の混沌を武装転用したかの如き様相。
『さあ、勝負と行こうか! ヒャーハハハァァァァ!!』
哄笑と共に迫り来る大祭祀。地を蹴り立ち向かってゆく猟兵達。決戦の始まりである。
『そらそらそらそらそらァァァァァ!!』
大祭祀が両腕を振るうと同時、その手からは炎が放たれドローン群が禍々しき色彩の光線を連射する。形作られる弾幕が猟兵達を呑み込まんとするが。
「当たるものか!」
オリヴィアは跳躍から背中のドミニオン・フェザーを展開、以て一気に高度を上げて弾幕を躱す。追いすがらんとする単眼蝙蝠も振り切ると、大鎌を構えて身を翻す。
「この程度は……!」
瞬が杖を構えるとその先端よりオーラの気流が形成、以て飛び来た光線や炎を受け流す。幾らかは気流を突き抜け瞬の身を裂き焼くも、致命には程遠い。故に問題は無い。
「………!」
だが其処で危機を察し身を翻す。数瞬後、それまで瞬の在った位置を太く長い竹槍が貫いていった。十二剣神が一柱の繰り出す竹槍、侮ればオーラ気流ごとその身を貫かれていたことだろう。
「ゥゥゥゥ……!」
シルヴィアは腕も前脚代わりとし、四つ足にて地を駆ける。姿勢を低くしたことで弾幕の大半を潜り抜け、僅かに掠めた分は問題なく耐えられる。そのまま一気に、大祭祀のもとへと肉薄を果たせば。
「ばうっ!!」
幼いながらにドスの効いた吠え声と共に爪を振り上げる。其は大祭祀の下半身へと傷を刻むが、未だ浅い。仰け反った大祭祀は、お返しとばかりに己の腕を振るい爪にて斬り裂かんとしてくる。
「ばうぅ~!?」
その腕目掛け爪を振るい弾き返さんと試みるが、逆に弾かれたばかりか自身も吹き飛ばされてしまう。流石に十二剣神、真っ向からの競り合いは分が悪いか。
だが、それなら別の遣りようがある。空中で姿勢を立て直すと地で滑るように着地を果たし、その反動を乗せて再度四つ足で地を駆け出す。
『ハッ! まだまだ向かってくるか! イイぜイイぜ――っがぁっ!?』
向かい来るシルヴィアを迎え打たんと身構える大祭祀、だが其処に迫る気配を感じて後ろへ下がらんとし――天より降り落ちてきた刃が、大祭祀の上下半身を駆け抜けてその表面を鋭く斬り裂いた。
其はオリヴィアの振るう鎌の斬撃。不意打ち気味に繰り出したその一撃は、必殺とはいかずとも十全なダメージを齎した。
「為虎添翼――その意味を知っているか」
立ち上がりつつオリヴィアは問う。その言葉は視線と共に鋭く大祭祀を睨み据え。
『そりゃァな……! 元から強い奴がもっと強くなること、だろ!』
応える大祭祀、同時に腕より炎の波を形成しつつ爪で斬りかかるが、オリヴィアはこれを飛翔し回避。
「そうだ。では、虎すら狩るウサギが翼を得たら?」
上空へと飛び上がったオリヴィアは更に問う。翼広げての空中機動で以て、飛び来る鬼火群を悉く躱しながら。
『そいつは恐ろしいな! で、そりゃあオマエのコト、って話か?』
翻弄されながらも大祭祀は見解を示す。続く指摘にオリヴィアは応えることなく。
「そう思うか? ならば身を以て知るが良い!」
首狩りバニーの恐怖をその身に刻み込んでくれる、とばかりに攻め寄せる。大鎌の刃と爪とで打ち合うこと数合、不意にオリヴィアが飛び上がる。直後。
『――グワーッ!?』
襲い来た衝撃波をまともに浴び、堪らず吹き飛ぶ大祭祀。オリヴィアの跳躍は、これを躱す為のものもあったのだ。
「――ハロウィンは元々、秋の収穫の祭りであり、慰霊祭でもあったと言います」
その衝撃波の主は瞬。己の内に秘めた闘気を放ち、以て攻撃を仕掛けるユーベルコード。オリヴィアとの交戦に意識を割いていたタイミングなれば当たり得る、と発動したものである。
「それが世界の全てとなれば、世界は滅茶苦茶になるだけです!」
元来のハロウィンが、デウスエクスによって歪められようとしている事実。瞬はそれにこそ怒りを抱く。
「万物のハロウィン化など、断固阻止してみせます! 」
決意を胸に、背の白き機械翼を羽ばたかせ大祭祀を目掛け跳躍。上空のオリヴィア、地上のシルヴィアが共に肉薄を果たす。
なれば後は一気に攻勢と出るだけだ。シルヴィアが猛然と爪を振るい、時には蹴りをも交えて大祭祀の身を削れば。
「僕にも男として――人類としての意地がある!」
合間には瞬の放つ闘気の衝撃波が降る。空中を華麗に機動する瞬の姿は、ある種の美すら伴って。見る者によっては神々しさすら感じさせるほど。
「グッ、流石にいい加減ヤバいか。今回は一度退――」
それら攻勢を前として、大祭祀の肉体には着実に新たな傷が刻まれてゆく。其を鑑みて一度撤退すら考え出した、その時。
「――逃がさん!!」
急降下する白と黒の影、振るわれた鎌の刃に身を裂かれる、それだけなら、未だ戦いを続けることも叶っただろうが。
「貴様が求める生命エネルギー、刈り取らせてもらう」
オリヴィアである。振るわれたる大鎌は、肉体ではなく標的の生命力を引き裂き啜る代物。以て、大祭祀の活力を奪い去りにかかったのだ。
(本当は、尋ねたいこともあったのですが……)
尚も大鎌を振るい回し、斬撃を繰り返しながらオリヴィアはふと考える。『十二』剣神、『六』番目の猟兵、『三十六』の世界。見事に六の倍数が揃った事態。その数には、何らかの意味があってもおかしくはないが。
(ともあれ、問うても応えはしないでしょう)
己の攻撃するに続き、シルヴィアと瞬が次々と攻撃を繰り出し続ける様を見据え、考える。謎は現状では恐らく謎のまま。なれば。
「これで――終わりだ!」
そして振り抜かれた大鎌の一撃が。決着の瞬間を、その場に齎したのである。
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『ハ……ハハハ……!』
致命の傷を受け、今に消滅しそうな大祭祀ハロウィン。なれどもその口からは漏れるのは笑い声。
『大した奴らだ、第六の猟兵……! とうとう今のオレサマを、倒しきるなんてな……!』
宙に浮かぶその身が、消滅を始めた。デウスエクスは不滅なるが故に完全殲滅は叶わぬが、この場で撃破に至ったことには何らかの意味は有り得よう。何よりも。
『今回は……オレサマの完敗だ……! 次にまた会う時まで、オマエラがどれだけ強くなってるか……楽しみに、してる、ぜ……!
敗北を認める言葉を残し。十二剣神が一『大祭祀ハロウィンの身は、その場より消え去っていった』
以て、猟兵達は大祭祀ハロウィンを退け。地球のハロウィン化を食い止めることに成功した。
これで、ハロウィン当日は存分に祭りを楽しむことが叶うだろう。
大成功
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