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エンドブレイカーの戦い⑲~この身は毒に果てぬとも

#エンドブレイカー! #エンドブレイカーの戦い #バシュム


●毒蛇は舞う
 空と大地を取り巻いてくねる遥かな『蛇』の姿が、はっきりと見えていた。
 滅びの大地のどこからでも、否、この世界のどこからでも、それを視認することは容易であるだろう。禍々しくも鮮やかな毒蛇の姿を見つめて、コゲンタ・ロウゲツ(狐花・f39068)はこくりと喉を鳴らした。
「遂に開けたでござるな。『ばしゅむ』への道が……」
 あの蛇が何者であるのかを、今更事細かに説明する必要はあるまい。
 十一の怪物が一柱にして最強の毒蛇『バシュム』。このまま手を拱いていれば、その毒は大地を殺し、海を殺し、空を殺すだろう。そして世界は唯一、『バシュム』以外のあらゆる存在を許さぬ場所に成り果てるのだ。
「もはや拙者から申し上げることは何もござらぬ」
 心を研ぎ澄ませるように、すうと深く息を吸い、また吐いて。忍びは頭巾の間から覗く青々と澄んだ眼差しを、猟兵達へ向けた。
「拙者達の世界を救うため、どうか力をお貸し下され」
 バシュムの口から吐き出される大量の毒液ポイズンブレスは、大気を毒に変え、大地を腐らせ、魔法や超常の護りをも溶かし落とす。つまり戦いを挑むにあたっては、毒の大気や腐り落ちて変化する地形に対応しなければならない。その上何より厄介なのは、この毒液によってもたらされた毒は、バシュムを倒しても消えない・・・・・・・・・・・・・ということだ。
「後遺症を防ぐには、この毒液への対抗手段が必要にござる。なれど果たして、並の耐毒装備が通用するのかどうか……」
 しかしそれでも成さねばならぬと、少年はそう言って遥かな蛇を睨んだ。
 終焉を終焉させる者、エンドブレイカー。
 幾多の世界を渡り、その崩壊に抗う猟兵イェーガー
 彼らが力を合わせたならばどんなに絶望的な状況も、覆せるのに違いない。


月夜野サクラ
 お世話になります月夜野です。
 以下、シナリオの補足となります。

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●概要
・戦争シナリオにつき、1章で完結となります。
・個別リプレイを想定しておりますが、組み合わせた方が面白くなりそうだな、という場合はまとめてリプレイにする可能性があります。指定の同行者の方以外との連携がNGの場合は、その旨をプレイング内でお知らせください(ソロ描写希望、など)。
・受付状況等をお知らせする場合がございますので、マスターページとシナリオ上部のタグも合わせて御確認を頂けますと幸いです。

●プレイングボーナス
 対抗方法が不明な毒液への対抗方法を考える(敵は必ず先制攻撃してきます)。

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※ご注意※
 完結することを優先して進めるため、書ける範囲での採用・執筆となります。
 全採用は難しい場合がございますので、予めご了承いただけますと幸いです。

 それでは、ご参加を心よりお待ちしております!
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第1章 ボス戦 『バシュム-ポイズンブレス』

POW   :    ポイズンブレス
【口 】から【毒液】を放ち、近接範囲内の全てを攻撃する。[毒液]は発動後もレベル分間残り、広がり続ける。
SPD   :    ポイズンブレス
【口 】から【毒液】を放ち、近接範囲内の全てを攻撃する。[毒液]は発動後もレベル分間残り、広がり続ける。
WIZ   :    ポイズンブレス
【口 】から【毒液】を放ち、近接範囲内の全てを攻撃する。[毒液]は発動後もレベル分間残り、広がり続ける。
👑11
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ルシエラ・アクアリンド
現れたのが少々遅かったね
完全とは言えないかも知れないけど
お陰でこちらは対処法を取ることが出来たよ


このためにガルシェンで巨人さんと一緒に耐毒装備のマントを作って頂いたから
今こそその効力に頼らせて貰います
傍に仲間が居て危険な場合は庇う

重ねてオーラ防御と結界術で自身の防御力増加で更に毒に備え
敵が倒れた後も毒を浄化する意味込め、祈りを加えたUC発動で阻害行動、攻撃、回復の檻作成
攻撃を躱す際も地に足を付けぬ様、空中機動を使用し
まだ毒に侵されていない場所を選び移動
魔力を纏わせた弓で鋭さ増した矢を使用し素早さ生かし影縛り、矢弾の雨、不意打ち、援護射撃
一矢目囮とした2回攻撃で隙を作りつつ更にその隙をついて行く



 この世界に生まれ落ち、青くて広いこの空をこれまで何度見上げたかは知れない。けれど見慣れたはずの蒼穹は今、赤褐色に変色し、巨大な毒蛇を抱いて燃えている。
 透き通るような水色の髪を乾いた風に流しながら、ルシエラ・アクアリンドは静かに上空の蛇を見やった。
「……現れたのが少々遅かったね」
 怒りや憎しみはなく、心は不思議と凪いでいた。空に揺蕩う『怪物』はその規模も、在り方も違い過ぎて、憎む気すら失せるというのが正確なところかもしれない。けれどその分、自分でも驚くほど冷静に、この災厄に向き合うことができる。
(「完全とは言えないかも知れないけど、お陰でこちらは対処法を取ることができたよ」)
 この戦いが始まったその時から、識っていた。怪物『バシュム』に相対する時、彼女達は必ず、その恐ろしい毒液に向き合わなければならないということを。だから、備えた――骸殻工房ガルシェンの巨人達が誂えてくれた耐毒装備を、今こそ役に立てる時だ。
 ばさりと翻した外套は、巨獣の皮膚を鞣した革に毒が沁み込まぬように布を重ね、蜜蠟を塗って仕上げた特製のマント。仕立てに当たってくれた巨人の寡黙ながらも信頼に満ちた横顔を胸に、ルシエラは再び空を仰いだ。
「頼りにさせてもらうわね」
 風に祈り、呼び寄せる蒼は敵を封じる檻であると共に、術者を守る結界だ。毒に対する最も有効な対処は、『触れない』こと――それを第一に考えて、ルシエラは降る毒液を弾きながら構えた弓に矢を番えた。
 鏃に込めた魔力には、浄化の祈りが込められている。たとえこの戦いが終わった時にバシュムの毒が残っていても、それを上回る浄めの力があれば、理屈の上では祓えるはずだ。だが、たとえそれが叶わくなとも。
(「弓を引かない理由には、ならないの」)
 一射、二射、続けざまに放つ矢は赤い空を裂き、毒蛇の腹に突き刺さる。
 不治の毒に侵されて、二度とは元に戻れない――? だとしても、立ち向かわない理由はない。
 この手で世界を守れぬのなら、二度とこの地を踏めぬのならば。そんな灰色の余生には、一分の未練もないのだから。

大成功 🔵​🔵​🔵​

黒玻璃・ミコ
※美少女形態

◆心情
11の怪物の頂点に立ち、世界を滅ぼす毒蛇。
その巨体は『竜』と呼ぶに相応しいですよね。

◆行動
此の地は既に毒液に満ちていますが私も『万毒の群生地』の主。
ガルシェンの装備で備え、自身も比類ない毒耐性の持ち主。
しかしそれだけでは足りません。
貴方は知らないでしょうが、毒と毒を同時に投与することで拮抗させる手法があるのです。
何故そんな話をしたかと言えば今の私がそうだから。
内臓や骨肉さえも爛れて溶ける猛毒だからこそ、世界を滅ぼす毒に僅かなりとも可能となるのです。

一撃で充分です。
体格差は既に貴方の有利とはなり得ませんし
屠竜の魔女よりも竜殺しに秀でた存在は三千世界の何処にもいませんから。



 毒蛇『バシュム』を称して、誰かが云った。あれなる蛇は毒を吐くだけで、エリクシルを生みだすことさえできぬ『無能』だ、と。だがその毒ゆえに――ただその毒だけがために、蛇は怪物達の頂点に立つ。
「世界を滅ぼす毒蛇、ですか……あれはでも、蛇というより」
 『竜』ですよね、と呟いて、黒玻璃・ミコは唇を真一文字に引き結んだ。確かに空を覆うようなその巨体は、『竜』だと言われた方が納得がいく。それほどの威容を前に何も感じぬわけではないけれど――彼女は『屠竜の魔女』。その二つ名に懸けても、この狩りを仕損じるわけにはいかない。
(「既にこの地は、毒液に満ちていますが……」)
 人間の少女のような姿を取ってはいるが、ミコはブラックタール。本来は液状生命体であり、そして万毒の主だ。自身も比類なき毒耐性の持ち主である上、さらに言えば骸殻工房ガルシェンの巨人達が作った耐毒装備も備えている。だがそれだけでは足らぬだろうということも、ミコは識っていた。
 だから――もう一歩、踏み込んだ策を採る。
「いあいあはすたあ――あいあいはすたあ!」
 紡ぐユーベルコードは、黄衣の逆転ハスター・リバーサル。三倍以上の体格差がある敵を相手どる時、ミコの能力は大幅に強化される。即ち、究極のジャイアント・キリングを可能にする力が、今の彼女にはあるということだ。
「貴方は知らないでしょうが、毒と毒を同時に投与することで拮抗させる手法があるのです――何故、そんな話をするかって?」
 何故と問われれば、彼女はこう答えるだろう――『今の私がそう・・だから』。
 ほんのわずかな量でも内臓や骨肉を融かして落とすような猛毒であればこそ、それは世界を滅ぼす毒足りうる。
 伸ばした手より迸る黒い流れの先に、空を舞う蛇を捉えて娘は言った。
「ただ一撃で、充分です。『屠竜の魔女』よりも竜殺しに秀でた存在は、三千世界の何処にもいませんから」
 彼女はただその身に抱く毒を、蛇の腹へと届ければいい。世界を丸ごと取り巻くような蛇の腹に刺さった黒い棘は、やがてその身に真の破滅をもたらすことだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​

マシュマローネ・アラモード


【対毒】
希少植物ノーブル・ローレスに含めた対毒作用、斥力(吹き飛ばし)の時間稼ぎの広範囲結界、文字通り時間稼ぎですわ、UCを発動するまで!

【星の獣の皇女】
UC星の獣の皇女ビースト・ドミネーター
バシュムから刮いだ食材化したカケラを口にして、自分の中の獣性を解放。
血清を肉から得て、一打に籠めるのは、ガルシェンで鍛えた『反転』の戦鎚の衝角、毒を持つ生物が己の毒で滅びない為にある防衛機構を反転させ、毒として自壊させます。

獣の皇女の姿のまま、最大の機動力(推力移動&吹き飛ばしの加速)で一気に弱点まで飛び込み、最大の一撃をお見舞いしましょう!

獣性は維持したまま退きましょう、後遺症の対策ですわね。



「この戦い、いよいよ大詰めのようですわね……!」
 岩山の頂から空を仰いで、マシュマローネ・アラモードは言った。
 赤褐色に染まった空に、舞うは『バシュム』。大地母神に牙を突き立て、この戦いの口火を切った毒蛇にして、『11の怪物』の頂点に立つ者。その途方もない威容は、こうして見上げているだけでも圧倒されるほどだ。が――圧倒はされても、怖いとは少しも思わない。
「ラモード星第十二皇女、マシュマローネ・アラモード! 守るべきと定めたものは、この手で守り通すのです!」
 固めた決意には、些かの揺らぎもない。それ、と振り撒いたのは、どんな場所でもすぐに芽吹いて伸びる希少な月桂樹の種――瞬きの間に繁茂するその枝と葉は、降り注ぐ毒液から彼女を守る盾となる。だがあくまでそれは時間稼ぎの手段であり、彼女の本当の狙いは、勿論別だ。
「そこ、ですわ!」
 発射したマテリアライザーが空を行く蛇の腹に命中し、その肉片を削ぎ落した。そしてその欠片を敢えて喰らうことで、彼女は自身の中に秘めた獣性を解放し、進化する。
「いざ、参りますわよ――星の獣の皇女ビースト・ドミネーター!」
 伝承の一角獣が如きその姿は、アルミラージ・プリンセス。その攻撃は、どんな敵が相手でも着実にその弱点を穿ち抜く。
 ピョーンと高く、軽やかに跳躍して、月の兎は戦槌を振り被った。それはいつもの杵とは違う、『骸殻工房』ガルシェンの巨人達の手を借り鍛えた、『反転』の術式を織る武器だ。
(「毒を持つ生物は、己の毒で滅びぬための防衛機構を持っているはず――それを『反転』させれば!」)
 防衛機構が無効化されれば、理論上、毒は毒のまま蛇の身体を内側から蝕み、自壊を引き起こす。斯くあれかしと願いを込めて、マシュマローネは一段スピードを上げ、角のついた戦槌を力の限りに叩きつけた。
(「私は、皇女」)
 守るべき人々がいて、守るべき場所がある。ならばそれは、彼女の『国』だ――民のためになるのなら、兎の皇女は何度でもその手の槌を振るうだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アディリシア・オールドマン
了解した。
最強の怪物、バシュム。強大な相手だ……どこまで毒液に耐えられるか、勝負になるだろう。
……うむ、単純でわかりやすい。では、行くぞ。

バシュムとの戦いのために拵えたレッドローズ。
装着者をあらゆる環境で活動させるイスカンダル。
大気と大地の毒ならば、これらで対抗できるだろう。
奴に近づくために、m'aiderに乗って飛行する。
ポイズンブレスは、直撃すれば死ぬだろうな。
挙動を見逃さず、範囲外で避けられるよう間合いを調整するぞ。

奴が毒液を放った直後、その隙に反撃を叩き込む。
力を貸せ、蛮王の軍勢!
精強な狂戦士たちを送り出し、バシュムの意識を逸らす。
彼らを遮蔽に接近して、マクシモスによる強打を叩き込む!



「最強の怪物、バシュムか……ううむ。確かにこれは、強大な相手だ……」
 悠然と空を舞う『怪物』の姿を仰ぎ見て、アディリシア・オールドマンは率直な感嘆の声を洩らした。あの大きさだけでも相当な脅威であろうに、その上口から吐き出す毒液は世界を腐らせるほどの威力だというのだから、実に厄介な相手だ。彼女達猟兵がどこまで毒液に耐えられるか、それが勝敗を分けることになるだろう。
「だが――うむ。それならば、話は単純でわかりやすい」
 バシュムの毒か、猟兵達の対策か。どちらが上回るかというだけなら、彼女が取るべき行動は明快だ。黒く輝く鉄仮面の下に赤青二色の瞳を輝かせ、アディリシアはその手の斧を握り締める。
「では、行くぞ」
 毒液の対策に抜かりはない。赤薔薇を飾った膝丈のブーツは、骸殻工房ガルシェンの巨人達の手による特注品で、踵と足甲に防毒加工の金属板を仕込んである。そして背に翻す外套は、着用者をあらゆる環境に適応させる『イスカンダル』――この二つの装備があれば、大気と大地の毒にも対抗できるだろう。もっとも未知にして恐るべき蛇の毒を前に、それがどこまで保つかは誰にも読めないのだが。
(「何、初動に問題がなければそれでいい」)
 ひらりと飛び乗った先は、箒でもなく、サーフボードでもなく、一振りの大剣だった。アディリシアの意思に従い飛ぶ剣は、彼女を空の高みへ連れていく。行く手には、見るも巨大な牙を剥く毒蛇の顔が既に覗いていた。
(「直撃すれば、死ぬだろうな」)
 耐毒武装をどれだけ整えようと、毒液を直接浴びればひとたまりもない。しかし逆に言えばそれは、直接触れさえしなければ活動は継続できるということでもある。
 精神を研ぎ澄ませ、敵の挙動に細心の注意を払いながら、アディリシアは吐き掛けられる毒液に触れぬよう巧みにその隙間を潜り抜け、巨大な敵に肉薄する。また一塊の毒液が吐かれて、落ちた――その直後の一瞬が、彼女の好機だ。
「力を貸せ、蛮王の軍勢よ!」
 呼び寄せるのは、蛮族の英霊達。かつて蛮族の女王として国を治め、今は魂だけの存在となって彼女の中に息づく彼女ダフネの精兵だ。
 猛然と襲い掛かる精強な狂戦士達の軍勢に、蛇の意識が俄かに向いた。その陰に隠れながら、アディリシアは更に距離を詰める。そして気合一閃――振り抜いた斧の分厚い刃は、蛇の鱗を真一文字に切り裂いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ハート・ライドン
【竜馬】

毒への対抗策には心当たりがあります
ですので、発動までの防御をお願いできますか?

グリモアベースで出合った彼との契約
確りと果たしてみせましょう

戦場降下直後の護りはアルクスさんにお任せします
私は毒に満ちた戦場そのものを
私達のフィールドに作り変えましょう

【グリーンファントムの草原】発動
束の間であれど、此処は私の領域
アルクスさん。走ってください、全力で!
駆け続ける者だけが望むものを手にできるのです!

敵への攻撃は
アルクスさんの攻撃が加えられた箇所に重ねます
ライフルでの射撃を、予備カートリッジが尽きるまでぶちこみましょう

攻撃後はアルクスさんと共に速やかに撤退

この世界の草原がどうか失われませんように


アルクス・ストレンジ
【竜馬】

毒への対抗策はある。だが発動までの防御手段が必要
コイツがそう言うから組んだ
…組んだからには仕事はしてやる。アンタも頼むぞ

翼を展開し
かつハートを抱き上げ戦場へ
ガルシェンで強化したケルベロスチェインで
宙に魔法陣を描いて耐毒『結界術』を展開し防御

戦場が交換されたら
二人揃って大地に降り全力『ダッシュ』

あのデカブツは全力疾走なんざできねえだろ
今、此処はオレ達の戦場だ
また毒に塗り替わる前に、一撃叩き込んでやるよ!

接敵のち【螺旋竜爪撃】を叩き込む
この技ならハートの攻撃に限らず
後続の味方の助けにもなるはずだ

攻撃加えたら、再びハートを抱え飛翔し撤退
オレ達だけで倒せるなんて思ってない…猟兵皆で勝つぞ



「本当にアテがあるんだろうな?」
 滅びの大地――空飛ぶ毒蛇を仰ぐ岩山の上にて。
 アルクス・ストレンジは値踏みをするような眼差しを傍らの娘に向けた。すると明瞭に頷いて、軍服に身を包んだ馬耳の娘――彼女の出身を考えれば、ウマの、と云うべきなのかもしれない――ハート・ライドンは言った。
「毒への対抗策には心当たりがあります。ですので、発動までの防御をお願いできますか?」
「……組んだからには仕事はしてやる。アンタも頼むぞ」
「勿論」
 無愛想な竜人の言葉に、ハートはあくまできっぱりと応じた。共にこの世界のエンドブレイカーではないが、グリモアベースで出会い、この地を訪れた猟兵同士――言い換えれば限りなく他人だが、戦闘猟兵として契約を交わした以上、ハートは自身の役割を全うする。
 真っ直ぐに見つめる漆黒の瞳をしばし覗き込み、分かった、とアルクスは言った。そして背中に竜の翼を広げると、ハートを抱き上げ戦場へと羽ばたいていく。その先には、毒液を吐き散らしながらうねる蛇の巨体が迫っていた。
「あんなもん、まともに喰らったらひと溜りもねーな……」
 本当に頼むぞと念押しして、アルクスは戦場の只中へ降り立ち、ハートを下ろした。そして引き出したケルベロスチェインは、骸殻工房ガルシェンで強化したとっておきだ。
 宙に描き出す魔法陣で守りの結界を展開し、アルクスは背にした娘に呼び掛ける。
「急いでくれよ、正直いつまで保つか分からねえ!」
「ええ、言われずとも」
 急ぎましょうと応じて、ハートは目を閉じ、吹きつける風に身を委ねる。それきり微動だにせぬ姿に、アルクスが訝るような視線を送った――その時だった。
「いい風が、吹いて来ましたね」
 ひゅるり、吹き抜けた風からは青い匂いがした。瞬間、世界は白い光に包まれて、赤茶けた土と岩の大地が草原の幻影に包まれる。戦場が毒に満ちているのなら、それそのものを作り変えてしまえばいい――『グリーンファントムの草原』は、ハートが生み出す彼女の領域だ。そこには独自の法則が適用され、それを外れる者はあらゆる行動の成功率が低下する。
「束の間であれ、ここは私の領域です。アルクスさん、走ってください――全力で!」
「よしきた!」
 夏草生い茂るこの草原の法則ルールはシンプルだ。猛スピードで草を蹴散らしながら、ハートは叫ぶように告げる。
「ここでは駆け続ける者だけが、望むものを手にできるのです!」
「ったく、めちゃくちゃなユーベルコードだな! ……だが」
 これならと呟いて、アルクスは上空に漂う蛇を仰ぐ。そのずば抜けた巨体も然ることながら、そもそも足のない蛇には、走ることはできない・・・・・・・・・。つまり今この瞬間、地の利は圧倒的に彼ら猟兵達の側にあるのだ。
「また毒に塗り替えられる前に、一撃叩き込んでやるよ」
 今はまだ青草の揺れる平野を駆け抜けて、アルクスは岩を足場に跳躍する。そしてそのまま翼を広げて蛇の真下へ潜り込むと、硬化した竜の爪に螺旋の力をまとわせ、一息に突き入れた。
(「入った!」)
 確かに穿たれたその傷を目掛けて、ハートは構えたライフルの引き金を引き続ける。予備のカートリッジが尽きるまで撃ち続けて、ハートは銃口を下げた。
「これまでです! 撤退を開始します!」
「了解だ!」
 背中の翼を大きく打って旋回すると、アルクスはほとんど垂直に急降下し、ハートを攫って離脱する。その足元では、風に揺れる草地が徐々に赤く乾いた大地へと戻っていく。
 ふうと小さく息をついて、ハートは言った。
「ギリギリでしたね……」
「だな。ま、元々オレ達だけで倒せるなんて思っちゃないが」
 振り返る戦場に一人、また一人、新たな猟兵達が飛び込んでいく。逆光の中に見るその背中は眩しくて、アルクスは呟くように口にした。
「猟兵皆で、勝つぞ」
「…………ええ」
 言葉少なに頷いて、ハートは遥かな大地に目を配る。荒涼とした滅びの大地の遥か彼方には青い空が広がり、その下をごつごつとした山の端が縁取っていた。その向こうには、人々の暮らす街と豊かな自然が広がっているのだろう。勿論――走り出さずにはおれぬような、青く美しい草原も。
(「この世界の草原が、どうか失われませんように」)
 遥かな世界に願いを懸けて、ハートは戦場に背を向けた。決着の日は、もう手の届くところにまで迫っている。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2023年09月14日


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#エンドブレイカー!
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#エンドブレイカーの戦い
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト