エンドブレイカーの戦い⑱〜GUTSY!
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嘗てエンドブレイカー達は、冒険の中で『七勇者の伝説』の真実を知る事となった。
大魔女スリーピング・ビューティとの決戦に挑んだ勇者達は、勝つことはできなかったのだ。
大魔女の持つ「自らの望むエンディングを実現させる力」――。
其がある限り、勇者達は勝利を得ることは決して無かったのである。
而して勇者達は、当時唯一のエンドブレイカーであった『少年』を逃がし、エンドブレイカーを増やす使命を与えた。
彼こそ七勇者の物語中で『少年』とされているアウィン。
終焉を知ることができる『エンドブレイカーの始祖』である。
「クサリク! 僕達が融合している限り、体内のエリクシルを放出する事はできません」
クサリクによる
悲劇の未来を予知した、唯一の者。
終焉を終焉させる
意思により、この世のあらゆる理を無視して強引に蘇った者。
愛する妻達と共にクサリクに無理矢理融合し、体内からのエリクシルの放出を食い止める者。
「これより挑む者達。僕達の事は気にしないで戦って」
僕達が力尽きる前にクサリクを倒して欲しい、と――。
全てを受け取ると決意した者が、苦しげに蠢くモノの中に在った。
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「応えよう」
枢囹院・帷(夜帷の白薔薇・f00445)は確言した。
予兆にてアウィンの声を聴き、その上でグリモアベースに集った猟兵とて覚悟は出来ている筈だと、居並ぶ精鋭の表情を伺った彼女は、今が勝機とばかり説明を始めた。
「エリクシルの門番たるクサリク、その恐るべき戦闘能力は、現在、アウィンによって大きく減じられている」
彼奴はアウィンの抵抗により苦しげに蠢き、エリクシルの放出を一旦諦めるほど。
その代わり、クサリクは眼前の猟兵の排除に取り掛かろうとしているのだが、ここで一気に倒してしまおうというのが帷の提案だ。
「作戦は、全力全開の真向勝負。ありったけの力をぶつけて削るしかない」
これはアウィンが望んだこと。
彼は自分達の事は気にしないよう言っているが、猟兵が全力で攻撃し続ければ、矢張り彼も力尽きる。
然しそうしなければ、彼はクサリクを抑え込む間に力尽きるだろう。
「道理を超えた存在であるアウィンを救う方法は存在しない。彼と妻達を守ろうとする必要は無い」
帷が揺ぎ無く告げるのは、揺らいではならぬ相手だからだ。
アウィンが見たエンディングが現実と結ばれる事こそ、彼に対する冒瀆になるからだ。
彼に近しき
意思を抱いて挑んで欲しいと、先ずは自身で覚悟を示した帷は、ぱちんと弾指するやグリモアを召喚する。
「楽園組曲ハーティタウンに案内しよう。嘗てエンドブレイカー達が見た真実に触れる刻が来た」
光は決意に満ちて。
精鋭を死地へと送り出した。
夕狩こあら
オープニングをご覧下さりありがとうございます。
はじめまして、または、こんにちは。
夕狩(ユーカリ)こあらと申します。
こちらは『エンドブレイカーの戦い』第十八の戦場、11の怪物『クサリク・ジ・エンドブレイカー!』と戦う、一章で完結する戦争シナリオ(難易度:やや難)です。
●戦場の情報
復興した都市国家「楽園組曲ハーティタウン」。
既に都市国家の人々は避難を完了しており、猟兵は思う存分に戦う事が出来ます。
●敵の情報:11の怪物『クサリク・ジ・エンドブレイカー!』(ボス戦)
11の怪物の1体で、体内に大量のエリクシルを保有する「エリクシルの門番」です。しかしエンドブレイカーの始祖アウィンが無理やりに融合したことで、その力を大幅に減じています。
●プレイングボーナス:『真っ向勝負で倒す』
このシナリオフレームには、特別な「プレイングボーナス」があります。
これに基づく行動をすると、戦闘が有利になります。
●リプレイ描写について
フレンドと一緒に行動する場合、お相手のお名前(ID)や呼び方をお書き下さい。
二名様以上は【グループ名】を冒頭に記載願います。この場合も呼称があると大変助かります。
また、このシナリオに導入の文章はありません。
成功度の高い方から数名程度の採用とし、サポートも採用しつつ早期の完結に努めます。
以上が猟兵が任務を遂行する為に提供できる情報です。
皆様の武運長久をお祈り申し上げます。
第1章 ボス戦
『クサリク・ジ・エンドブレイカー』
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POW : ライフイレイザー
自身の【体表面に露出させたエリクシル 】から極大威力の【知的生命体抹殺光線】を放つ。使用後は【アウィンがガッツで動きを封じた】状態となり、一定時間行動できない。
SPD : バビロニアンドラゴン
【エリクシルの巨竜 】を召喚する。騎乗すると【アウィンが僅かな隙を作る時以外は無敵】状態となり、【万物破壊】属性とレベル×5km/hの移動力を得る。
WIZ : エンドブレイカーブレイカー
【自身の体内 】から、対象の【アウィンの力を弱めエリクシル軍団を放つ】という願いを叶える【アウィン殺しの槍】を創造する。[アウィン殺しの槍]をうまく使わないと願いは叶わない。
👑11
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ソフィア・アンバーロン
●WIZ/アドリブお任せ
あの人が私のご先祖様かぁ…
助けてあげたいけど…
ごめんね…とっとそれ事倒すね!
魔鍵を相手にぶん投げて、影縛りをして、大鎌さんを呼び出して、前払いの代償として自分の血を与え
『あれ(敵)を倒したいから力を貸して!血はこちらが動ける限界まで飲ませてあげる!』
交渉、高速移動をして近づいて、槍ごと大鎌さんで斬撃を行ない一気に叩き潰します。
倒しきれなければ、 血が足りなければ再度、注ぎ更に相手の攻撃には霊的防護と大鎌さんによる肉体強化で防ぎます
魔鍵を回収するのも忘れずに
槍の動きにも注意し呪殺弾を撃って敵本体を貫通攻撃の大鎌さんで斬撃します
効力が切れたら魔鍵の貫通攻撃と切断で攻撃します
山斬烈槍ランスブルグの上流階級に生まれたソフィア・アンバーロン(虚ろな入れ物・f38968)も、その奇し血脈を辿れば、全てのエンドブレイカーの先祖アウィンと、彼と運命を共にした何れかの女に繋がる。
「あの人が私のご先祖樣かぁ……すごい事するなぁ……」
クサリクと融合した事も、この世のあらゆる理を無視して蘇った事も――とにかく強引!
だが、それこそが
意思の力でエンドブレイカーなのかとも思ったソフィアは、魔鍵ロッキングアンドイロウシェンを構えて深呼吸、而して凛然を萌した。
「助けてあげたいけど……。ごめんね……それごと倒すね!」
始祖の覺悟は後裔こそ継ぐべきだ。
アウィンに應えようと爪先を蹴った佳人は、間合いに入るや大きく振りかぶって魔鍵をブン!
猛然と旋回して突き刺さるや、ビキビキと走る罅から染み出る黑影で巨躰を縛り上げた。
『新たな痛苦を突き立てるか……! 忌々しきエンドブレイカー!!』
「大鎌さん、力を貸して! 前払いに限界まで飲ませてあげる!!」
クサリクが苦しげに悶える間に、ロンググローブを捲って
創痍を晒す。
痛みを連れて顕現れたのは、
自我を持つ大鎌【黒龍骨のデヴァイス】――正体を識る事で喚べるようになった大鎌を握ったソフィアは、健啖に血を啜り始める悪魔にもう一言添えた。
「
敵も美味しいかもしれないよ。何せ此の血に繋がる人が入っているからね……」
云えば大鎌は垂涎しようか。なんて。
幾許の皮肉を零しての交渉は成立――血量を減らして一瞬眩暈したソフィアは、我が肉体がみるみる強靭を得るのを感じると、彈ッと踏み込むなり疾風と化して走った。
『目障りな!! 槍よ、この男より先に彼奴を屠れ!!』
「槍が來る。――行くよ、大鎌さん!」
クサリクを縛る影の一部をブチブチと千切って現れた槍が、その禍々しき穂先をソフィアに向ける。
然れば彼女は大鎌一閃! 呪殺彈を撃って邪槍を牽制すると同時、靈的な防禦壁を重ねて威力を弱めると、滴るように妖しく煌めく弧刃を振り被って槍を手折ッた――!
「……まだまだっ!」
だって魔鍵を回収する必要もある。
失敗作ながら大事なのだと、自嘲を含みながらクサリクに接近したソフィアは、振り被る最中にも血を捧げながら閃刃一揮し、エリクシルの門番からその妖艶な耀きを削るのだった。
大成功
🔵🔵🔵
七那原・望
そうですか。あなたがそう望むなら、遠慮はしません。
その苦しみごと、全力で終わらせます。
全力魔法で身体能力と飛行速度を限界突破させ、背中の翼で空中戦。
ユニゾンに魔力を溜めつつ第六感と心眼と気配感知も使って敵の行動を見切り、多重詠唱全力魔法で大量に展開した結界術も駆使して知的生命体抹殺光線の威力と速度を減じさせ、軌道を逸らしつつ回避します。
動きが止まった……いえ、アウィンさん達が止めてくれたのですね。
ありがとうございます。ここで、必ず仕留めます。
限界を超えた魔力のリミッターを解除。一撃の破壊力に全てを注いだ全力のLux desireを放ち、苦しむ間もなく浄化しましょう。
おやすみなさい……
「……然うですか。其があなたの望みと」
覺悟をした者の前に、憐憫や惻隱の情は要らぬ。
始祖が望む道を切り開く――今は彼と同樣の覺悟こそ抱くべきだと、純白の双翼を広げた七那原・望(比翼の果実・f04836)は、不気味な風の流れる大空へ、力いっぱい羽搏いた。
『グゴゴゴ……目障りな翼め。叩き落として呉れる!!』
苦悶にある裡は何もかもが忌々しいか。小さな望の倍以上ある怪翼で飛び立ち、風を踏み拉いて疾るクサリク。
空中ながら蹄音すら聽こえそうだと五感を研ぎ澄ませた望は、螺旋を描くよう帆翔しながら魔力を励起し、身体能力を飛躍し、翼が捥げるほど加速して引き付けた。
「ッッ……ッ」
(「あなたの痛みに較べれば、このくらい」)
煌々と空が白み始める中、花唇に祕呪を詠唱して結界を構築する。重ね掛けるよう周囲に展開する。
エリクシルの力を窮極至大に高めた怪邪が、目下、
知的生命体抹殺光線を射掛ければ、望はその熾烈な灼光に飲まれぬよう、コークスクリューを描いて回避した。
「回り込むよう飛翔しつつ、結界の壁に往なします……!」
『くぉ……っ……小娘め、威力と速度を減じたな……ぜぁッ……光線の軌道が歪められている!』
「……矢張り、疲弊していますね」
膨大なエネルギーを溜めるのは勿論、
迸發った直後も時間的猶予があるとは望の読み通り。
二発は撃たせぬと、幼き天使が黄金に輝ける『真核・ユニゾン』を抱いた瞬間、クサリクは一切の音を潜めた。
『…………ッ………ッッ――――!』
「動きが止まった……いえ、アウィンさん達が止めてくれたのですね」
抑え込むのに注力している彼等から聲は届かぬ。
然し同じ覺悟を抱いた望に想いは届く。
「ありがとうございます。ここで、必ず仕留めます」
羽搏きの音も鎖された靜寂に、鈴の如く澄める聲を染ませた望は、高らかに誇らかに金果を掲げるや【Lux desire】――空を覆わんばかり光の奔流を放ち、クサリクを押し流した!
「全ての望みを束ね、苦しむ間もなく淨化します」
苦しみごと、全力で畢らせる。
彼等が心から望んだ
終焉を叶える。
怪翼を灼かれて墜下する巨躰を瞳に追った少女は、ぽつり、小さく囁いて、
「おやすみなさい……」
と、穩やかに
訣別れるのだった。
大成功
🔵🔵🔵
鳳・雛子
「漸近を超え、未来を書き換える」ガッツを胸にクサリクに挑む
この機体に託された使命もアウィンに近しきものがある
戦法はUCによるショットで牽制しつつ距離を詰める或いはクサリクが距離を取ったところを砲撃し、足を鈍らせる
アウィンが作ってくれる隙は戦闘演算、第六感、瞬間思考力、勝負勘、窮地での閃きで見逃さないよう察知し、機体の損傷を恐れることなくブレードによる斬撃を繰り出す
エネルギー充填、重量攻撃、急所突き、部位破壊、鎧無視攻撃をブレードに載せて正面切って白兵戦を敢行
クサリクの攻撃は推力移動、空中機動で回避を試みる。撃墜されないよう、気を引き締めてかからねば
超高速でのドッグファイト、奴は絶対に墜とす!
遥か上空、光の奔流に押し流されて墜下するクサリク。
かの巨影を捉えるや、直ちに降下速度や落下座標を演算するVR Cockpitより未來予測を受け取った鳳・雛子(Angel Wing・f40342)は、同時にモニタに映し出される絵に花唇を結ぶ。
そこには怪邪と同樣に苦しみ、猶も追撃を待つ者達の覺悟があった。
「……諸有る理を無視して蘇り、妻と共に融合を遂げた
意志。私も胸に刻もう」
情で動くほど安い訓練を受けた憶えは無いが、我が愛騎Heaven Shakerに託された使命と近しいものを感じる。
急ぎ落下点へ機体を疾らせた雛子は、地面スレスレで復帰した巨邪に照準を結ぶと、猛然と突貫する怪翼とすれ違いざま【Luminous Shot】――演算装置“Monica”及び“Nicola”が割り出した位置に光彈を撃ッた!
「漸近を超え、未來を書き換える」
『グゴゴゴ……ッ、洒落臭い!! あの男より先に消して呉れる!!』
「成程、威勢は佳い」
始祖らに抑え込まれた苦痛で苛立っている樣だが、今の光撃で足を鈍らせたのは明白。
故に巨竜を召喚したのだろうと、Luminous Bringerの片翼が彼奴の破壊属性によって消滅したのを確認した雛子は、片手で操縦桿を、片手をオーバーヘッドパネルに滑らせながら、地表を削るように急速旋回。ロックオンした標的を追って飛び立った。
「モニカとニコラは自動演算を継続。アウィンの“呼吸”は私が読む」
示し合わせる時の猶予は無い。
抑え込むのに必死な彼等に合図を乞う気も無い。
然し必ずや果してくれると強く強く
意志を高めた雛子は、巨大劍Ultra Solid Bladeを構えて正對! 怪翼を羽搏かせて驀進するバビロニアンドラゴンへ劍鋩を結んだ。
「白兵戰を敢行する。奴を絶対に墜とす!」
悲劇を終らせる。未來を書き換える。
其は想いを同じくした者が共鳴したような一瞬だった。
『……如何云う事だ……巨竜よ、なぜ翳る!?』
神速で滑空していたバビロニアンドラゴンが光を減じ、クサリクに隙が生じる。
忽ち減速する巨竜の進路をルミナスの姉妹より受け取った雛子は、機体が軋むほど急加速し、重量ごと叩きつけるようブレードを一閃ッ、巨竜の翼を斬り裂く――!
「……アウィン」
超高速でのドッグファイトを制した佳人の目前。
エリクシルが欠片となって砕かれゆく中――彼が、笑った。
大成功
🔵🔵🔵
シキ・ジルモント
宇宙バイクに乗って現地へ
ユーべルコードを発動、普段以上の速度と重力下での飛翔能力を発揮したバイクで敵の召喚する竜に対抗
速度で遅れは取らなくても、やはり攻撃は通らないか
敵の攻撃に合わせて拳銃や通常のバイクブラスターで牽制、直撃を防いでダメージを抑えつつ距離を離されないよう食らいつく
危険は伴うが、反撃の好機を逃したくない
アウィンが作る隙を突きブラスターで反撃する
回避より攻撃を優先
躊躇無く正面から最大威力のブラスターを叩き込む
先の牽制とは違う。この一撃に限り、俺自身の生命力をブラスターのエネルギーに変換し上乗せする事で威力を高めている
消耗は激しいが、アウィンの覚悟に報いる為、こちらも一切手は抜かない
天から叫喚が降る。
見れば巨竜が墜下している。其に乗るクサリクも。
「……エリクシルの巨竜。翼を捥がれた樣だが、もう再生を始めている」
膨大に橫溢れる光を鋭く
睼う烱瞳一対。
落下地点に急ごうと、カスタムバイク・レラのアクセルを回したシキ・ジルモント(人狼のガンナー・f09107)は、瞬息でシフトアップして【オーバーブースト・ライフフォース】! 人馬一体、速力最大、14,200km/hの超スピードで巨影に迫ッた!
『ッ貴樣もアウィンに連なる者か!? いや、もう如何でも良い……全て消して呉れる!!』
「――來る」
落下する最中に翼を再生した巨竜、そしてクサリクが、空中で急旋回して突撃に掛かる。
頭を低くしてこれと向き合ったシキは、バイクの両脇からブラスターを展開して迎撃するも、光熱線の全てが怪翼の羽搏きに消滅するのを見て、烱瞳を眇めた。
「万物を破壞する能力は、エリクシルの耀きに起因するものか……」
すれ違ったのは一瞬。その須臾にも滿たぬ時の狭間に光の粒子を捉えたのは流石。
シキは交錯した直後に追撃へ、千切られぬようブラスターで牽制しつつ、エンジンを限界まで唸らせて喰らいつく。
轟々と哮る動力部から光を棚引かせて翔ける樣は、まるで流星。
蓋し火球の如き速度を以て漸と互角である事は、抑圧に苦しむクサリクを幾許か上機嫌に――油斷させた。
『グゴゴゴ、何もかも無駄だ!! 銃彈も光熱もエリクシルを翳らす事は不可能
……!!』
「いや、何もかも必要だ」
熱線銃で牽制する事も、常に視野に入っておく事も。
背後に存在を示して注意を分散させれば、内なる始祖らにチャンスを与えられると、怪翼から零れる破滅の粒子を躱しながら告げたシキは、この
瞬間、彼等の聲を聽いた気がした。
『……どうしたバビロニアンドラゴン、何故お前が消える……ッ!?』
「始祖と、その妻達の覺悟に報いる」
彼等がシキの作った好機にエリクシルの力を抑え込んだ樣に、シキも彼等が呉れた好機に動く。
動力として己の生命力すら注ぎ込んだ彼は、残光が漾う中を全力前進! 愛騎が粒子に削られ、頬に裂傷が走るのも構わず、超光熱線を放出――! 窮極至大の光砲でエリクシルを撃ち砕いたッ!
「彼の言葉を借りるなら、これが
意思の力だ」
先の牽制とは違う、死力の一撃にクサリクが倒れる。
その一瞬に見たアウィンは、「然うだ」とばかり頬笑んでいた。
大成功
🔵🔵🔵

栗花落・澪
とりあえず服着ません…?
って、それどころじゃないか
救いたい気持ちはあるけど
覚悟を決めているなら、ちゃんと答えたい
だから、本気の真っ向勝負で行くよ
オーラ防御を纏い翼の空中戦
念のため鎌を手にして、敵が突っ込んでくる事があれば
なぎ払いや高速詠唱、多重詠唱で紡いだ風、炎魔法の属性攻撃(鎌鼬)で
カウンターを狙えれば
槍の効果がどこまでかはわからないけど…
アウィンさん達の為にも長引かせたくはない
だから指定UC発動
破魔の力を宿す炎の鳥達を召喚し
一部はエリクシル軍団の撃退、足止めに向かわせつつ
残りの子達をクサリクに突っ込ませ炎と浄化で
鎮火されない限りは何度でも攻撃させる
アウィンさん達は少しでも痛くないように…
栗花落・澪(泡沫の花・f03165)は屈指の猟兵と云っても、花盛りの十代。
諸有る理を無視して蘇り、無理矢理にも融合を果たしたアウィンと妻達の
意思に「応えたい」と來てはみたものの、一樣にすっぽんぽんのポンな彼等を前に、一瞬、佳顏を覆った。
「とりあえず服着ません……? それ処じゃないかもだけど、っ」
お洋服は蘇生できなかったのかな、なんて。そんな風に納得してみる。純情。
唯だ矢張り精鋭、深呼吸ひとつして手を離せば、決意に滿ちた表情を見せてくれよう。白翼を広げるや、奇きオーラを纏って飛翔した澪は、
潸々とエリクシルの欠片が零れる上空、猟兵と交戰した直後のクサリクに迫った。
「救いたい気持ちはあるけど、アウィンさん達は覺悟を決めてる。その想いに添いたい」
彼等は身を賭して役儀を果そうとしている。
だから本気も本気、眞向勝負で挑むのが誠意だと決意した澪は、力強く羽搏くや更に加速し、己の何倍もある怪翼で翔ける巨邪に堂々対峙した。
「出来るだけ早く仕留めるよ。彼等を長く苦しませたくない」
云って、颯然と舞う赤い花葩を集めて鎌を成し、淸らかなる三日月の刃を振るう。
一閃すれば風と炎に結ばれた斬撃波が弧を描いて嚙みつくが、欣ッとエリクシルを砕いた部位から血槍を生み出したクサリクは、忌々しいとばかり穂先を向けた。
『グゴゴゴ……早く畢らせたいのは我の方よ!! 貴樣もアウィンも疾く疾く消えろ!!』
「痛いよね。辛くない筈がないよね」
頑張って見せるからと、佳聲が滲む。
槍撃を回避しざま、一瞬で肥大化した刃に裂傷を許した澪は、血雫を躍らせながらも凛然たる儘。
彼等はもっと苦しんでいようと、手は流血を拭う事なく前方へ差し出して【
浄化と祝福】――総勢144羽の炎の鳥を召喚し、クサリク目掛けて飛び立たせた!
「エリクシル軍団が溢れる前に、止める――!」
破魔の炎を熾やす鳥達が、目下、凄まじい羽音を響かせて怪邪を囲繞する。
鎮火する術を持たぬクサリクが息苦しそうに炎翼を振り払う中、澪は『清鎌曼珠沙華』を振るって槍を両斷し、始祖殺しという願いを潰した。
「アウィンさん達が少しでも痛くないように、って。僕は迷わないよ」
覺悟に滿ちた佳聲は一縷の澱みも無く。
その透徹たる音色を聽いた始祖と妻達は、痛みが浄われるようだと瞳を閉じた。
大成功
🔵🔵🔵
馬県・義透
四人で一人の複合型悪霊。生前は戦友
第三『侵す者』武の天才
一人称:わし 豪快古風
武器:黒燭炎
はは、なるほど。アウィン殿の覚悟はようわかった。それならば戦って倒すしかないわな!
それがアウィン殿の気持ちに答える術よ!
さて、そうとなれば…わしは、もういくぞ!
早業の要領でダッシュして近づき…その技は、第六感から見切って行くとしよう!
そしてな、やることは簡単なのよ!
わしの真っ向勝負の一つは…こうして、愛用の武器を叩きつけるUCであるからな!
砕けよ、クサリク!
エンドブレイカーの世界に存在するかは分からないが、武士が生きる世には「介錯」なるものがある。
そして馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)なる器に内在する四人のうち三人は武士であり、第三の人格たる『侵す者』は、腹を括った男を前にやることは一つと、此方も覺悟を決めていた。
「はは、成る程。アウィン殿の
意思とやら、佳う判った。ならば戰って倒すしかないわな!」
豪快に笑う淸々しさこそ漢気というもの。
始祖として妻達と始め、また妻達と終ろうとするアウィンの気持ちに應えるに、己も力を惜しまぬと踏み出た男は、手に馴染む槍『黒燭炎』に赫黑い炎を迸るや一気に駆けた。
「扨て、然うとなれば……わしは、もういくぞ! アウィン殿も大儀にて、待たせるものでもあるまい」
第三の『侵す者』は正に武の結晶。その性格、戰術は「侵掠すること火の如く」苛烈にして迅速。
鼻緒を踏むなり大きく跳躍した彼は、目下、隆々とエリクシルを肥大化させるクサリクへ接近すると、その赫々しき結晶体が一際の耀きを湛える瞬間を見切り、
知的生命体抹殺光線を至近距離で躱す。
「ははあ、アウィン殿が脅威を感じられたのも已む無い! これを喰らえば、わしも危うかろう!」
而して感嘆を零すほど餘裕もある。
男は五感を鋭く怪邪を捉えると同時、第六の超感覺を以て光線を眼眦へと送り遣った。
『グゴゴゴ……ッ!! アウィンといい貴樣といい……忌々しき者達め、エリクシルの力を篤と知れ!!』
「最期を預からんとする者が死んだら、アウィン殿らが浮かばれぬわ」
役儀を果たすと決めた男には、光という光を集めた窮極至大の抹殺光線も同じこと。
退くは半身のみ、サラと流れる前髪のみを梳らせて回避した『侵す者』は、黑槍を旋回するや【それは火のように】――猛然と轟然と穂先を繰り出した!
「そしてな、わしのやることは簡單なのよ!」
神速の三段突き、更には五段突き!
掌で柄を旋回しての螺旋突き! そして石突!
魂を熾やしての連撃は、直撃する度にエリクシルを穿ち、可ッと欠ける破片を踊らせた。
『グッ……アウィンめ、貴樣にも痛みは伝わろうに……グォォヲヲヲ……ッッ!!』
「さぁ砕けよ、クサリク! その
死樣、わしが見届ける!」
これこそ覺悟し、介錯を預かった者の強さ。
始祖たる男は『侵す者』の“侵掠如火”を晴々と受け取るのだった。
大成功
🔵🔵🔵
シュプリムント・メーベルナッハ
…アウィンさん。
そこまでして、皆の生きる今を、守りに来てくれたんだね。
…大丈夫、あなたや勇者さん達のおかげで、プリム達は大魔女にも勝てた。
あなたが手伝ってくれるのなら…この
破滅も、必ず叩き潰してみせる!
使うユーベルコードは神火大嵐舞。
あなたが遺したエリクシルで得た力と、若津姫様の力で生まれた、エンドブレイカーのアビリティ。
猟兵の力も合わさって、ユーベルコードにまで至った力!
渦巻く炎で、クサリクと、そこから生み出されるアウィン殺しの槍を焼き払う。
アウィンさん達にもダメージはいくだろうけど…この敵は、絶対に倒さなくちゃいけないから…!
霊峰天舞アマツカグラの寒村で生まれたシュプリムント・メーベルナッハ(穢死檻の巫女・f38888)は、かの都市の者としては明らかに異質な名を母より授かったが、“Mebelnach”、この血脈の源流にアウィンと、彼が愛した妻が居るとは、クサリクを前に湧き上がる
意思、彼等から受け継いだエンドブレイカーの力が教えて呉れる。
「……そこまでして、皆の生きる今を、守りに來てくれたんだね」
目下に萌した感情は、悲哀や憐憫では無い。
花唇に感謝の咲みを湛えたプリムは、この想いを伝えようと、前へ――目前で滲出する槍の穂先も恐れず踏み出た。
「……大丈夫、あなたや勇者さん達のおかげで、プリム達は大魔女にも勝てた」
大冒険をした。真実に觸れた。
あなたと同じように子を成した、と其々の娘の名を心に留めたプリムは、
意思に連なる我が力――巫力、魔力、靈力の全てを励起して炎と逆立てた。
「あなたが手伝ってくれるのなら……この
破滅も、必ず叩き潰してみせる!」
云うや燃え盛る火柱が三本立ち上り、白皙煌々、蘭麝の髪を巻き上げる。
『グゴゴゴ……貴樣、この者達に連なる者か。ははは、子孫が先祖を殺めると』
クサリクが苦悶に聲を絞りつつ痛罵するが構わない。
「今から捧げる舞いは、あなたが遺したエリクシルで得た力と、若津姫様の力で生まれたものだよ」
これぞエンドブレイカーのアビリティだと、誇らかに纎手を掲げたプリムが舞い始めれば、火柱は縒り合さって渦を巻き、熾々と燃えて「創世記の炎の渦」となる。
「そして猟兵の力も合わさって、ユーベルコードにまで至った力だよ!」
玉肌香膩を赫々と照らして奉じるは【神火大嵐舞】。
兩腕を嫋やかに動かして炎を操ったプリムは、くるくると回って極限まで火力と渦動を高めると、間もなく飛び込む「
アウィン殺しの槍」を巻き込んで焼却ッ! 一瞬で灰燼とする。
それだけでは無い。
更に炎渦は纎指に示される方向へ――クサリク本体にぶつかって爆ぜた!
『グッォォオッ……やめろ、アウィンと女も苦しむぞ……ぉぉおおお!!』
「プリムだって理解ってる。でも、この敵は絶対に倒さなくちゃいけないから……!」
始祖らの苦しみが肌膚に伝わる。
それ以上に彼等の覺悟が届いている。
だから――と玉臂で風を撫でたプリムは、きつく花唇を結んで舞い続けるのだった。
大成功
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鷲生・嵯泉
――委細承知
元より護る為に討つ刃と在る身。成すべきは変わりはせん
破滅の未来を回避する為に道理すらも捻じ曲げた、か
身命賭した其の覚悟に、確と応じて遂げて見せよう
随分と醜い竜を呼び出したものだ……見るに堪えんな
不快に過ぎる其の姿、疾く砕いてくれる
弩炮峩芥――逃しはせんぞ
高速であればあるほど動きは単調化され“視易く”なろう
五感にて得うる情報に第六感重ね、戦闘知識にて測った先読みを以って
衝撃波での牽制を加える事で攻撃を躱して「機」を待つ
1度で構わん……否、十分だ
脚力に怪力回した全力の踏み込みで接敵し
飛刃悉くをも集中させ纏め上げた斬撃で斬り砕いてくれる
破滅の“終焉”の“終焉”、此処に在ると心得逝くがいい
「――委細承知した」
始祖なる男は既に
腹を括った。
ならば
介錯が、苦痛を斷つ
刃が必要だと鷲生・嵯泉(烈志・f05845)は心得ている。
その意志を示すに抜刀《ぬきみ》で現れた侍の國の士は、苦悶を絞るクサリクを前に、緋の隻眼を鋭く眇めた。
「破滅の未來を回避する爲に道理すら捻じ曲げ、融合を果したと……身命を賭した者の覺悟、確かに預る」
随分と無茶をしたものだが、成程、これが「
終焉を終焉させる者」の祖。
その
意思に應えようと白刃を構えた嵯泉は、目下、激痛に抗うよう召喚された巨竜を見るなり不快を露にした。
「随分と醜い竜を喚んだものだ。……見るに堪えん」
耀くばかりの竜なぞ、と。
溜息を挟み隔絶を置くのは、匂も妙なる竜を知るからに他ない。
邪竜が万物を破壞するブレスを吐いた瞬間、身に纏う靈気を護刀『秋水』に注いだ嵯泉は、【
弩炮峩芥】――術式を破砕する斬撃を以て一刀兩斷! 忽ち息吹を霧散させる。
「元より護る爲に討つ刃と在る身。成すべき事は變わるまい」
云って、フワと広がる霞だけを前髪に掠める嵯泉。
これにゾクリとしたクサリクは、同じく怯んだ巨竜に跨って空へ――風より迅く翔けざま、破滅の翼を鎌の如くして狩りに掛かった。
『グゴゴゴッ……貴樣もアウィンと同じ埒外か!! 忌々しきは全て消し去って呉れる!!』
「距離を取ったのは賢明。だが逃しはせんぞ」
高速であればあるほど動きは直線的に、單調化されて“視易く”なる。
怪翼を羽搏かせて加速しつつ、エリクシルの耀きを溢れさす怪邪を烱瞳に追った嵯泉は、ここで再び刃閃一揮!
己が波動と翼の進路がちょうど交わる地点、そしてアウィンが隙を作るであろう刻に向けて斬撃を放ち、クサリクが動きを止めた瞬間に片翼を斬り落した――!
『グッ、ゴッ……!! アウィンめ、やりおった……ッッ!!』
「一度で構わん……否、十分だ」
吾唯知足の男に與えられた「機」は一瞬。
而して其がアウィンの渾身と知る嵯泉は、片翼を失って墜下する怪邪めがけて震脚一打、肉裂け骨砕かれようとも構わぬと、膂力いっぱい冱刀を振り被るや袈裟掛けに叩き落したッ!!
「破滅の“終焉”の“終焉”、此處に在ると心得て逝くがいい」
贐に告ぐ科白は、若しか代弁。
狂える程の激痛を受け取りながら、始祖は快哉の笑みを浮かべていた。
大成功
🔵🔵🔵
煙草・火花
その覚悟や良し!
その覚悟に応えるのが學徒兵たる小生の役目であります……!
目の前の敵よりもアウィン殿たちの力を弱めることを優先するとは……余程、障害になっている様子
この隙を逃さず、迅速に攻めるのであります!
その槍と軍団もすべてアウィン殿を意識したもの……なれば、小生にとってはただの槍と数の多い敵!
一気に軍団の中を駆け抜け、本体を目指すのであります!
槍のリーチと軍団による包囲に気を付けながら、抜刀!
斬撃と共に起こる爆発で目晦ましをしつつ、駆け抜けるのであります!
……その献身と勇気に敬意を
帝都桜學府流剣術桜火ノ型……肆式、葉落!!
幻朧桜の咲き亂れる帝都に生きる煙草・火花(ゴシップモダンガァル・f22624)は知っている。
諸有る理を超えて蘇る奇跡、悲劇を斷つべく融合を果たす奇跡……彼等が「
意思」と呼ぶその力は、絢爛と咲き誇って散る櫻花の如く美しいと。
故に花唇は確言する。
「――その覺悟や良し!」
目下、眼路に膨れ上がるエリクシルの耀きと、その向こうで身悶えるクサリクを捉えた火花は、愛する妻と共に終焉を終焉させんとする始祖へ、凛乎と聲を投げた。
「貴殿の覺悟に應えるのが學徒兵たる小生の役目……! 聢と役儀を果たすであります!」
ビシリと敬礼した手を腰元へ、『七◯◯式軍刀丙』を眼の高さに水平に構える。
さや、と月光の如き冱刃が身を暴く中、視界は広くエリクシル軍団を遠望した火花は、成程、猟兵よりもアウィンの力を弱めることを優先している――と、記者ならではの觀察眼で見切った。
「ふむ、餘程アウィン殿達が障害になっている樣子。……したらば」
右手に刀を、左手に鞘を握って攻防一体とし、深呼吸ひとつ。
スッと睫を持ち上げ、鬪志漲る靑瞳を敵軍に結んだ火花は、踵を蹴るや全力疾走ッ! 一気に突貫した!!
「疾風迅雷、風林火山! この隙を逃さず攻めるのであります!」
『生き急ぐなよ、小娘!! 貴樣一人來たとて、エリクシルの耀きは翳らぬッ!!』
實にちっぽけな命だと、怪邪は軍団に始末を預けるが、彼女にどれ程の瓦斯が圧縮されているか知るまい。
これを聽いて確信を得た火花は、囲繞される前に一点突破ッ! 次々と襲い來る劍戟を鞘に防ぎ、反撃に瓦斯の噴出を伴う斬撃を繰り出して、大いに敵を攪亂させた!!
(「矢張り、この軍団はアウィン殿を意識したもの……小生にとっては“ただ数が多いだけの駒”!」)
シュウと吹き上がる噴煙に影を隱して進む火花。
クサリク自身も生成した槍を投げるが、別なる場所で爆発を起こす事で「的」を操作した火花は、己の代わりに軍勢を貫かせると、遂に怪邪に辿り着いた。
『……ッ、アウィンよ……この小娘に自身ごと殺させる気かッ!!』
始祖らは答えぬ代わり、誇らしげに笑ったろう。
苦悶に歪む彼等の瞳に、覺悟に滿ちた火花の花顏が映った瞬間、刹那にも痛みが凪ぐ。
「……その献身と勇気に敬意を。帝都桜學府流剣術桜火ノ型……肆式、葉落!!」
告ぐや巨躯を搖るがす大爆発が起こり、蹌踉めく四脚に斬撃が嚙みつく。
クサリクが絶叫して顛倒すれば、アウィンらは快く運命を共にした。
大成功
🔵🔵🔵
空桐・清導
POW
アドリブや連携も大歓迎だ
「その覚悟、受け取ったぁ!
このブレイザイン!全力でクサリクをぶっ倒させて貰う!」
UCを発動させて炎の剣を両手に携える
そのまま一気に突っ込む!
放たれる知的生命体抹殺光線には
炎の剣をオーラのように纏いながら切り払う
どんな攻撃だろうと[気合い]と[根性]でねじ伏せる
「ガッツで死を超越した奴がいるんだ!
こんくらい、やってみせるさ!」
偉大なる先達に倣うかの如く清導は[限界突破]していく
そして、アウィンが動きを封じてくれた瞬間に巨大な炎剣を創造
その場で強く足を踏み込んで振り下ろす
「超必殺!オーバーヒート・ブレイザー!!」
意志力を高めて威力をドンドンと跳ね上げて一刀両断だ!
誰かを護る。助ける。
希望の光が届くまで、決して諦めない。
ヒーローたる空桐・清導(ブレイザイン・f28542)にとって、
悲劇の未來を畢らせるべく森羅万象の理を超え、身を賭して敵と融合を果たしたアウィンは、あるべきヒーローの姿にも見えた。
故に心は燃え、魂が叫ぶ。
我が
意思が、
意思を継げと叫ぶ。
「その覺悟、受け取ったぁ! このブレイザイン! 全力でクサリクをぶっ倒させて貰う!」
熱く滾る血は炎々と熾えて【バーニング・クリエイション】! 腕部に収斂されるや赫光を
迸發る炎劍一対となり、精悍な表情を照らし出した清導を突き動かす。
「ブレイザイン・バーニングモード!! さあ、いつもより燃えていくぜぇええ!!!」
驒ッと踏み込むや、燃え盛る炎の如くマントを翻して駆ける清導。
時にクサリクは、巨躯に祕めるエリクシルを解放して欠損部位を再構築。雄渾と接近するブレイザイン目掛け、窮極至大の抹殺光線を放ッた!
『グゴゴゴ……ッ!!
意思を持つ者め、喰らい尽して呉れる!!』
「苦悶と邪念に滿ちたオーラの奔流……炎の劍で斬ってみせるッ!」
アウィンと彼の妻達も苦痛を受け入れたのだ。
己も損耗負傷は恐れず、如何な攻撃だろうと気力でねじ伏せてやる。
「ガッツで死を超越した奴がいるんだ! こんくらい、やってみせるさ!」
生命を削らんとする赫黑い灼光を不撓の魂で相殺しつつ、或いは衝撃の余波を超鋼真紅の鎧に許しながら、清導は炎劍をX字に結び合わせて光線と角逐し、次いで手首と肘を内捻して切り払う! 蹴散らす!
「――ぉぉおおおっ!」
元々、己が限界を決めぬ男だ。
この光線の先で待つ偉大なる先達に倣うかの如くオーラを励起させた清導は、轟々と哮る炎を螺旋状に渦巻かせるや二振りの劍を合体ッ! 身丈を優に超す巨大な炎劍を創造した!
『アウィンよ、貴樣が創らせたか!! この滅びを受け入れるというのか
……!!』
アウィンに抑え込まれたクサリクが「やめろ」と叫ぶが、その刻は
音訪れる。
拇指球を強く踏み込んだ清導は、振り被る間にも意志力を高めて炎を猛々しく、力いっぱい振り下した!
「超必殺! オーバーヒート・ブレイザー!!」
雄渾の聲、淸々しい鬪志。
その全てを快く受け取ったアウィンは、鮮血の繁吹くが如くエリクシルを砕き散らすのだった。
大成功
🔵🔵🔵
オリヴィア・ローゼンタール
エンドブレイカーたちの始祖よ
道理を超越した献身に、必ずや報いてみせましょう
白き翼の姿に変身し、飛翔吶喊(空中戦)
創造したアウィン殺しの槍を振るうよりも速く斬り結ぶ
それを使えば確かにその身の自由を取り戻せるだろう――ただし、「うまく」使えれば、だがな
槍を振るうは得手とするところ
この場を凌ぐために創り出した即興の槍使いとは、練度が違う
その穂先がアウィンやその妻たちを傷付けぬよう、弾き、逸らし、【受け流す】
【体勢を崩した】ところで槍を蹴り飛ばす(吹き飛ばし)
拾うなり再創造するなりの隙に、聖槍に力を圧縮――【赫怒の聖煌剣】を形成
全身全霊(全力魔法・限界突破)の力で叩っ斬る!!
嘗て
意思の種を蒔いた者達が、
悲劇の未來を摘むべく蘇った。
目下、間隙なき猛攻を浴びる“絶望と希望の融合体”を前にしたオリヴィア・ローゼンタール(聖槍のクルースニク・f04296)は、聖槍を地に突き立てるや穂先のルーンを輝かせ、神々しいオーラの光柱を天に結んだ。
「――エンドブレイカーたちの始祖よ。道理を超越した献身に、必ずや報いてみせましょう」
常闇に産み落された命は、奇跡は“起きる”ものでなく“起こす”ものと思っている。
而して彼等が然うだろうと、澄める瞳にアウィンらを映した聖女は、光が紡ぐ白翼を背に天使となって羽搏いた。
「その覺悟に、決意に、意思に――相應しい力で!」
鋭鋩を眞直ぐ前に向け、風を切り裂くように翔けるオリヴィア。
時にクサリクも怪翼を駆って空へ、体内から深紅の槍を生成して投げ放つが、その放物線を須臾に見切った彼女は、ブンと柄を旋回して払い落とした。
「アウィン殺しの槍……確かにこれを使えば、身の自由は取り戻せるだろう」
始祖を殺め、本來の力を取り戻す。
さすれば彼奴の勝利は、悲劇と共に未來に刻まれたに違いない。
「……但し
うまく使えれば、だがな」
『グゴゴゴ……生意気な事を云う。エリクシルの門番の槍が盡くと思うな!!』
「ならば門を鎖す!!」
クサリクが再び槍を生成すれば、その穂先が露出した瞬間に石突を突き落とす――ッ!
聖女、いや天使が掲げたる槍は幾度と死鬪を共にした相棒にて、突いては無双、彈いては不撓、弥縫策で創り出した即興の槍とは格が違う! 練度が違う!
オリヴィアは其を示すように邪槍の穂先を砕くと、その勢いの儘エリクシルを剔抉し、アウィンやその妻達を傷付けぬよう巧みな槍捌きで本体を搖るがした。
『グォヲ!! ンブゥ!! ガハァ!! プオーッ!!』
「今だ! 全身全霊の力で叩っ斬る!!」
穿ッと一際大きく砕けた欠片が宙を舞った瞬間、オリヴィアが全魔力を穂先に集め、膂力いっぱい振り被る。
聖性溢るる至高の光を超高密度に圧縮して槍に注げば、其は絢爛なる【
赫怒の聖煌剣】に、万物を斬り裂く波動を迸ってクサリクに噛みついた!!
「渾身の力を、勇ある者に捧ぐ!」
眞直ぐに疾る勝利の光の美しきこと。
黄金色に照る天使の輝かしきこと。
この光の先に未來がある、と――始祖らは眞白に浮き立つ世界で斬撃を受け取った。
大成功
🔵🔵🔵
ティアリア・ローゼス
私達の始祖アウィン……こんな形で、会えるなんて……!
ええ、わかったわ。あなたが繋いだエンドブレイカーの力で、クサリクを倒しましょう!
バルカンのモカを召喚、火炎弾を操り敵へ放つ
その槍を使わせはしないわ
槍を持つ部位があればそこを狙い、槍自体も破壊すべく燃やしてしまいましょう
クサリク、あなたの望む終焉は破壊させてもらうわよ
アウィンの子孫のガッツ、舐めてもらっては困るわ
……けれど、アウィンを救うことは叶わないのね
その終焉を終焉させるには、力が足りないのかしら
悔しいわ、けれどこの想い……アウィンが六勇者を置いて逃げ延びた時もこうだったのかしら
ああそうよ、ラズワルドさんにも会ってほしかったわね
嘗て一代で富を築き、一家として格式を成した男はエンドブレイカーだった。
彼を祖父とするティアリア・ローゼス(青薔薇の星霊術士・f38962)も、
悪しき未來を破壞する力を有していたが、二人が名に負う“Roses”、その血脈を辿れば「彼」に辿り着く。
「私達の始祖アウィン……こんな形で、会えるなんて……!」
奇跡の邂逅に胸が震える。
何せ諸有る理を無視して蘇り、悲劇を予見させた巨邪と強引に融合したのだ。
その凄まじい
意思に驚かされるが、これこそがエンドブレイカー! と頷けるのが後裔というもの。
「――ええ、わかったわ。あなたが繋いだ力で、クサリクを倒しましょう!」
始祖らの前に首肯を置いた御令嬢は、かぶりを上げて義気凛然。
白銀の睫に縁取られる麗瞳、紫の虹彩に怪邪を映すと、常に傍に居る星霊バルカンに呼び掛けた。
「さぁモカ、私達の始祖を殺めんとするあの槍を燃やして」
「なぁお」
涼しげな鈴音を転がした黑猫の尻尾には灯火。
クールな性格ながら、とってもあっつい炎を宿すモカは、自慢の尻尾をぶんぶんっ! 一振りで實に百を超す火炎彈を放つと、その全ての座標を槍の穂先に結んだ!
「体内で生成される槍が、穂先を現した瞬間を狙って」
「みゃう」
「クサリク、あなたの望む終焉は破壞させてもらうわよ」
始祖は殺させぬ。エリクシル軍団も放たせぬ。
彼奴が槍をうまく使う「前」に熾やし、更に周辺に延焼させて追い込んだティアリアは、もう一發!
美し白皙を橙色に明るませ、赫灼と熾ゆる炎彈が絶叫を絞らせる樣を
睼った。
『グゴゴゴ……!! アウィンに連なる者め、彼奴ごと我を殺すかッ!!』
「勿論。アウィンの子孫のガッツ、舐めてもらっては困るわ」
花唇を滑るは、始祖らに受け継いだ覺悟と決意、そして意思。
佳人は追撃の火炎彈が槍を灼き、体内に焦熱を流し込んでいくのを認めつつ、刻が近付いていると息を継ぐ。
「……救うことは叶わないなんて。その終焉を終焉させるには、力が足りないのかしら」
悔しさに翠眉が顰む。
蓋しこの胸に刺す痛みも、若しかアウィンが六勇者を置いて逃げ延びた時がそうだったのではと――時を巡り、思いを馳せれば、眼前の彼が僅かにも頬笑んでいるように見えた。
「――ラズワルドさんにも会ってほしかったわね」
噫、そうよ。嗚呼。
彼に応えるように眼眦を緩めたティアリアは、塊麗の微笑に
訣別を告ぐのだった。
大成功
🔵🔵🔵
浅間・墨
ロベルタさん(f22361)
伝説もなにもよくわからなくて申し訳ないですが…。
始祖さんの意志はとても…とてもよくわかりました。
救い出すのは困難とのことなので全力で断ちに行きます!
勿論真正面から一直線に。
「…!」
腰を低く沈め身体を安定させてから準備に取り掛かります。
身体のリミッターを解除後に限界突破で更に強化しますね。
鯉口を切って鎧防御無視。鎧砕き。貫通攻撃に重量攻撃…。
あらゆる技能を『兼元』に籠め【神滅 弐之太刀『神裁』】を。
救い出せぬなら…その強い精神と魂ごと斬って捨てましょう。
私が先で…ロベルタさんが次という波状攻撃の連携でいきますね。
もし一度で斬れぬ場合は無理をしますよ。そのための強化です。
2回攻撃で一度斬ったところにもう一度太刀を入れて斬りますね。
隙というよりも暫く身体が動かなくなりますが問題はありません。
ロベルタさんもいらっしゃいますので心配なことは何もありません。
ロベルタ・ヴェルディアナ
墨ねー(f19200)
僕も墨ねーと同じように真正面から応えるじぇ。
墨ねーが『武器』なら僕は『脚』で決める~♪
迷いはないよ。アウィンにーちゃん達と一緒に砕く!
何時ものようにパフォーマンスで身体機能を上げるじぇ。
それから封印を解いて限界突破して【魔王の足跡】を出すよ。
蹴る間際で鎧砕きとか鎧防御無視とか重量攻撃とか切断を。
僕は墨ねーよりも少し遅れてアウィンにーちゃんの元へ行く♪
連携攻撃で波状に攻めるって…とってもカッコいいじょ。
「うぇ~い♪ アウィンにーちゃん達ごと、蹴り砕くじょ~」
状況によっては墨ねーと同時に…そして重ねた攻撃をしてみるよ。
墨ねーの斬撃は凄いけどもしかしたら今回は難しいかもしれないし。
あと見た目で結構硬そうだよねぃ?この石みたいなのって。
僕の蹴りの威力を上乗せすれば切断できるかもしれないなーって思う。
当然。技で大きく隙ができた墨ねーのフォローは欠かせないよ。
2回攻撃のクイックドローと零距離射撃で墨ねーの隙を埋めるじぇ♪
生憎、『七勇者の伝説』について知る事は寡いが、眼前の景が如何な奇跡で成されたかは佳く理解る。
故に、ダメージを積み重ねる程に歪さを増す「
クサリクとアウィンらの融合体」に対峙した浅間・墨(人見知りと引っ込み思案ダンピール・f19200)は、自ずと敬意を示していた。
「始祖さんの意志、お覺悟の程はとても……とても佳く分かりました」
クサリクによる
悲劇の未來を、唯ひとり予知した奇跡。
この世の諸有る理を無視して蘇った奇跡。
愛する妻達と共に無理矢理融合した奇跡。
これら全てがアウィンの“終焉を終焉させる
意思”によって成されたならば、この奇跡に邂逅した者として彼等の想いを継ぎ、全うせねばなるまい。
傍らのロベルタ・ヴェルディアナ(ちまっ娘アリス・f22361)も
意志”は同じだろう。
「僕も迷いはないよ。アウィンにーちゃんと、奧さんのねーちゃん達と一緒に……クサリクを砕く!」
始祖らが抱いた決意は、少女から見ても凄まじい。
だからこそ強い決意を以て彼等に應えたいと、眞直ぐ前を見る靑眸が烱々と光を湛えれば、二人は揃って誠意を力に――花のように可憐な躯を鉾にすべく盾にすべく、詠唱を重ねて能力を底上げした。
「……眞正面から、一直線……に……全力で……断ち……ま……!」
「僕も墨ねーと一緒。堂々正面から、思いっきり行くじぇ」
無理ならしよう。その爲の心身強化は幾らでも。
目下に苦しむ者が居るのだ。彼等と眞正面から向き合うに、創痍流血が必要なら甘んじようと――無言の裡に首肯を揃えた墨とロベルタは、刻下、灼け崩れる身をエリクシルで修復する怪邪クサリクめがけて疾り出した。
『グゴゴゴ……ッ!! 狂人共め……アウィンら共々、我を滅ぼすなど……全く狂っている
……!!』
始祖に力を減じられ、エンドブレイカーや猟兵達に猛攻を浴び。
而して猶もクサリクは彼等の覺悟が理解らない。だからこそ
恐怖しい。
このエリクシルの門番は、躯に内包するエリクシルを露出させる事で巨体を保っているが、もはや苦痛に耐えるのも限界か、今度は苛立たしげに【
知的生命体抹殺光線】を一閃ッ! 戰場全体を薙ぎ払うように放射する――!
ハーティタウンの街並みが凄まじい勢いで破壞され、濛々たる噴煙に視界が閉ざされる中、墨とロベルタは衝撃の余波を避けて走る、疾る、馳る!
「墨ねー! 手を!」
「……はい、っ……」
極大威力の破壞光線は勿論、爆風に吹き飛ばされぬよう強く、強く手を繋ぐ。
墨は片手を『真柄斬兼元』の柄へ、ロベルタは片手を額に寄せて敵を遠望しながら。汗ばむ手と手をぎゅうと握って瓦礫を跳び渡れば、靉靆と棚引く塵芥の向こう――今度は上空から射掛けようと怪翼を広げたクサリクが、アウィンによって地上に抑え込まれる樣子が聢と捉えられた。
『ゴゴ……ゴゴ……貴樣ッ、死ぬ爲に蘇った訳ではあるまいに……手放すというのか……アウィン!!』
「うー? 動きが……止まった、じょ……」
「……っ……皆さんの“
意思”……聢と……この目に……」
これも奇跡か。
窮極至大の光線が街を蹂躙した
爾後とは思えぬ程、切り離したような
靜寂が戰場に染む。
怪翼の羽搏きすら抑え込まれたクサリクは、くぐもった聲で「やめろ」と訴えるばかりだが、この
瞬間を作る爲に彼等は“
意思”を捧げたのだと武者震いした墨は、ロベルタに
眴ひとつすると、そと手を離した。
「! 墨ねー」
「……最後まで……宜……く……願い……ます」
最後まで。
そう佳聲を置いた花唇は、細く長く息を吐きながら『兼元』の鯉口三寸を押し拡げると、ふつり、風切音を鳴らして一閃――ッ! 魔神の如き劍気を纏った斬撃波を放ッた!
「滅せ……。――
神滅 弐之太刀『
神裁』!」
救い出せぬなら。
その強い精神と魂ごと、斬って捨てる。
墨の刃撃は或る意味「介錯」の一太刀であったか、全き一本気で直進した波動は、眞正面にクサリクへと噛みつき、空へと羽搏く筈だった怪翼を斬ッッと断ち切る――!!
而して須臾、悲鳴が絞られん刻に割り込むはロベルタ。
「うぇ~い♪ アウィンにーちゃん達ごと、蹴り砕くじょ~」
渾身で抜刀した直後、防禦も退避も出来ず屈み込む墨の代わりに躍り出た少女は、飛び立てぬクサリクの前でヒラリと宙空へ駆け上がるや【
魔王の足跡】――! 全身を軸にした大回転シュートを決めた!!
「Orme della stella del mattino! 明けの明星が昇る――その足音を聽かせてあげるじょ!」
衝撃と共に迸る魔王の如き鬪気がエリクシルを穿ち、かの煌きを晃々と散らせる。
石のような硬度を持ちながら、生き物のような感触もある――そんな不思議な感覺をロベルタが得る頃には、彼女もまた無防備になって反撃を受ける筈であったが、まだ、まだと、アウィンと彼の妻達は刻の猶予を呉れた。
『僕達の事は気にしないで戰って。僕達が力尽きる前に、どうかクサリクを――』
もはや語る力も無かろうが、墨とロベルタは慥かに彼等の想いを“聽いた”。
だから「應えよう」と、渾身の力を振り絞った筈の二人は猶も猶も動いた。
「……れが……最後……です!」
「また会えるよね、って……だから、ばいばいっ!」
一人は
訣別の間際まで共に戰うことを望み、そして一人は未來を信じて訣別を告ぐ。
先に波状攻撃を仕掛けた二人は、今際のクサリクに再び座標を結んで同時攻撃――! 戰法は違えつつも、超威力・超高速・防護破壊の一撃を揃えて打ち込み、遂にアウィンが見た
悲劇の未來を破壞した――ッ!!
『……ッ、ッッ……ッ――――』
絶望と希望を融合したエリクシルの巨塊が、今、無数の欠片となって砕け散る。
躯の殆どをエリクシルとしたアウィンと彼の妻達にも罅が入り、儚く砕かれる――が、エンドブレイカーや猟兵らの全身全霊を受け取った彼等は、最後まで頬笑みを絶やす事は無かった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵