エンドブレイカーの戦い⑨〜相対するは狂える王
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「集合ありがとね!早速説明にはいるとしようか」
ポエトリィ・テクスフィールド(Recordare Atratus・f01100)は挨拶もそこそこに、今回の戦場についての説明に入っていく。
「向かってもらうのはエンドブレイカー世界の山斬烈槍ランスブルグという都市国家になる。あ、これ簡単なマップになっとるから持っていってくれな」
手にしていた巻物の中から一枚広げつつ、それ以外を猟兵達が手に取れるように並べる。
「今現在ランスブルグでは、女王ジョナ一世の指揮で、実験都市オペレッタグランで創造された危険な超生物エリクシルをはじめとした軍勢の襲撃を、都市国家中の騎士達が奮戦してるんだが」
ポエトリィがここ、と手にした扇で第二階層『鉄壁街』地図の一部範囲をぐるりと示す。
「襲撃している超生物エリクシル、そのうちの『狂王アニール』として改造された一体……まぁ、昔ランスブルグにいた最恐最悪と名高い王様として君臨してた奴なんだが、そいつの対処を頼みたい」
彼女は不自然なくらいに視線を地図から動かさず、話を進めていく。
「今回は倒すことよりも、時間稼ぎをしてほしい。
なぜって?それはの、万能の魔神エリクシルを素体とし、改造を施された超生物エリクシルは「ほぼ無敵」の戦闘能力を持つ。だが、その改造にはだいぶ無理をしたようでね、その反動で時間経過とともに肉体は崩壊し、自滅に至るから……とはいえ「ほぼ無敵」の奴を下手に倒そうとするよりは自滅するように時間を稼ぐ方向で頼む。
とはいえ、そのまま街中でやると……被害は拡大するだろ?」
こてんと首をかしげ、猟兵達へと視線を向ける。
「だから、できるだけでいい。被害を拡大させないようにしながら、市街地から引き離すように誘導し、狂王が自滅するまで攻撃を耐え忍んでほしい」
「気を付ける攻撃は三つ。
一つ目、『クルーエルストリーム』という生命力を奪う深紅の衝撃波。
二つ目、手にした剣での攻撃が当たった相手に【命を捨ててもアニールを殺したい】という衝動を付与する攻撃。
三つ目、『王冠』から放たれる【王ならざる者を無力化】する『恐怖のオーラ』」
ぱたんと、数えながら広げていた扇を再度閉じ、一瞬虚空を見つめる。
何を言えばいいのか、といった形で口を動かし……。
「すまぬ、今回の相手はだいぶ面倒な相手になると思うが、生きて帰ってくれ」
ポエトリィはそれだけを告げ、猟兵達の転送準備に入るのであった。
林言音
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閲覧ありがとうございます、林言音です。
今回はエンドブレイカーの戦いシナリオ、ランスブルグ編を全一章でお送りいたします。
●補足
とりあえず、OPにもありますように市街地をちょっと離れる感じで誘導しつつ、攻撃に耐え続けていただければ大丈夫です。
プレイングにはどんな感じで耐えるかとか、狂王アニールへの思いの丈をぶつけるとかでも大丈夫です。
また、相手が自滅するまでの耐久戦の為、負傷描写が出る可能性があります。NGの場合は『負傷描写NG』の旨をプレイングにご記入くださいませ。
●プレイングボーナスについて
『超生物の超攻撃に耐える』
『ひと気のない場所へ敵を誘導する』
がございます。よろしければご活用くださいませ。
●文字数節約について
共闘、アドリブについてはNGの場合のみプレイングにご記入下さいませ。
また、お連れ様がいらっしゃる場合には、お相手の方の愛称とIDの併記をしていただきますと助かります。
それでは、皆様のプレイングをお待ちしております。
第1章 ボス戦
『狂王アニール』
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POW : クルーエルストリーム
レベルm半径内に【真紅の衝撃波】を放ち、命中した敵から【生命力】を奪う。範囲内が暗闇なら威力3倍。
SPD : 暴走せし殺意
【剣】が命中した敵に、「【命を捨ててもアニールを殺したい】」という激しい衝動を付与する。
WIZ : 我こそが王なり
自身の【王冠】から【恐怖のオーラ】を放出し、戦場内全ての【王ならざる者】を無力化する。ただし1日にレベル秒以上使用すると死ぬ。
👑11
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川谷・茉莉
負傷〇
エンドブレイカーさんから聞いたわよ。
貴方、15年前にも蘇ってこの都市国家でまた恐怖政治しようとしてたんですって?
威張りたいだけの王様なんて誰も要らないのに。
(という感じで挑発し意識を惹く)
そんな濁りきった眼じゃ見えるものも見えないでしょう?
今の貴方に相応しい状態にしてあげるわ。
怪異顕現「白い糸」。
彼の視覚を潰し、元に戻すには私を倒すしかない、と言って都市から離れる方向へ逃げましょう。
私も視覚が効かないから、お友達の霊を【降霊】したスマホにナビをお願い。
敵のUCは元々無力な状態だし無意味。
攻撃を受ければ、此方のUCの効果で相手の崩壊が加速する。
さあ、いつまで耐えれるかしらね?
●山斬烈槍ランスブルグ第二階層『鉄壁街』、花の通り道にて。
「エンドブレイカーさんからきいたわよ」
川谷・茉莉(n番目の花子さん・f32951)は、ランスブルグ第二階層『鉄壁街』の華やかな通りを悠々と闊歩していた狂王アニールの眼前へと立ち塞がった。
「貴方、15年前にも蘇ってこの都市国家でまた恐怖政治しようとしてたんですって?
威張りたいだけの王様なんて誰も要らないのに」
茉莉が告げれば、狂王アニールは口を開く。
「恐怖政治などではない。民衆は余が支配してこそ民衆なのだ」
揺らぐことのない意志のもと、それが最善だと語る狂王アニール。
思っていたような反応ではなかったが、意識を自分へと向けることに成功した茉莉は、自身の耳元へと右手を伸ばす。
「そんな濁りきった眼じゃ見えるものも見えないでしょう?
今の貴方に相応しい状態にしてあげるわ」
その言葉と共に茉莉が動かした手を、狂王アニールは認識ができたのかどうか。
【怪異顕現
「白い糸」】
起動したユーベルコードによって茉莉自身の視界も消え失せ、確認はできなかった。
「あなたのその視界を元に戻すには、私を倒すしかないわ」
そう宣言し、人気のない方向へと走り出す。スマホに降霊した友達が見えない視界を進む茉莉の行先をナビゲートしていく。
通りをかなりの距離走り抜けたと感じた瞬間。後ろから追いかけてきていた足音が止まる。
「我こそが王なり」
重厚に響いたその言葉をトリガーに、ふっ、と茉莉の足元から力が抜けかける。
友達のナビからは、恐怖のオーラが狂王アニールより放出されたこと、近づいてくる足音、この場から逃げるようにとの声が聞こえ、何とか奮い立たせた足で再び走り出す。瞬間。
「……!」
衝撃と共に飛ばされ、壁にぶつかって止まったことを茉莉は感覚で把握し、立ち上がりながら自身の体の異常を確認。腕の感覚が鈍い。だが、これならいける。
「……なるほど、娘、面白い力を使う」
「ふふ、私を攻撃すればその分あなたも不利益を受ける。
さあ、いつまで耐えれるかしらね?」
不敵に、余裕を見せつけるように。
見えない視界の中、狂王へと宣言し、次の猟兵の待つ方向へと茉莉は走りだしていた。
大成功
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ソフィア・アンバーロン
WIZ/アドリブお任せ
今度のおいかけっこの相手はこのエリクシルかぁ
シルヴィアを胸に入れてと
それじゃぁ逃げるよ!
相手の攻撃の範囲が分からないからできる限り距離を取るよ
相手の攻撃に対抗できるなら、狂気耐性、霊的防護も(勇気も)使って対抗するよ
でも取る前に貫通攻撃と呪殺弾の攻撃するよ
注意をこっちに引き付けつつ逃げる予定だよ
こっちだよ!狂王!ばーかっ!
プライド高そうだからこれでも追っかけてきそう
追いかけられたら、貫通攻撃で攻撃して急いで距離を取るんだよう
攻撃を食らったらシルヴィア(星霊スピカ)にお願いして回復してもらうんだよう
さぁ、血を吐くマラソンのスタートなんだよう!
●山斬烈槍ランスブルグ第二階層『鉄壁街』、横道その1にて。
(今度のおいかけっこの相手はこのエリクシルかぁ)
複雑な感情を抱きながらも、自分の担当する地点へと向かってくる狂王アニールを確認したソフィア・アンバーロン(虚ろな入れ物・f38968)は、自身が連れている星霊スピカのシルヴィアを自身の胸に入れ、呪殺弾による鋭い一撃を放つ。
「こっちだよ!狂王!ばーかっ!」
その声に反応したのか、呪殺弾の発砲地点を探ってなのか。ソフィアのいる方向へと顔を向けてくる狂王アニールと一瞬視線が合う。
「それじゃぁ逃げるよ!」
瞬間、ターゲットが自身に移ったと確信したソフィアは、胸元のシルヴィアに告げ、走り出す。
「こっちこっちー!」
勝手知ったる道を走り抜けながら、後ろを悠々と歩きながら追いかけてくる狂王アニールへと呪殺弾を放っていく。
「……ちょこまかと」
ぶわっと何かが広がるのをぎりぎりの範囲で逃げ、ソフィアは回避していく。それが本当にぎりぎりの範囲であることを感覚で感じながら、油断をしないように進む。
どれだけ進めたのかと意識をそらした瞬間、ふっ、空気の動く音が聞こえ、ソフィアは真横へと吹っ飛ばされていた。
「いったぁ……!」
シルヴィアのぺろぺろなめの感触に目を開ければ、狂王アニールが悠然と歩いてくる姿が目に映る。
「こんなところで、倒れていられないんだよう!」
勇気で気持ちを奮い立たせ、貫通攻撃を放つ。狂王アニールがその衝撃に歩みを止める。
その瞬間。ソフィアは再度距離を取るように走り出した。
狂王アニールを自身へ引き付け、次の地点へと。
さぁ、血を吐くマラソンのスタートなんだよう!
大成功
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馬県・義透
四人で一人の複合型悪霊。生前は戦友
第四『不動なる者』盾&統括役武士
一人称:わし 質実剛健古風
武器:黒曜山
なるほどな、さすればわしであろうて。
人気のない方向を確かめ、まずは…石でも投げて当てるか。
王を自称するなら、それで釣れそうである。
足らぬなら、UC使って内部へ攻撃するが。
で、だ。人気のない方向を背後にして、それこそ後退よな。
まあ、生命力吸われてもな…それに伴って、四悪霊の呪詛も吸い上げそうな気がするのよな…あれは共にあるものであるから。
で、まあ…その呪詛を『注目の呪詛』とする。わしから、目を離せぬようなものである。
必然的に、こちらへと釣られよう。
こうやって誰ぞの故郷を荒らそうとするのは、な。
●山斬烈槍ランスブルグ第二階層『鉄壁街』、横道その2にて。
(なるほどな、さすればわしであろうて)
一人の猟兵の後ろを進む狂王アニールの姿と、人気のない方向を確認した馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)は、手にした手頃サイズの石を狂王アニールへと放り投げる。
(王を自称するなら、それで釣れるであろう)
「王である余にむけて石を放ったのは貴様か」
案の定というか、伝承の人物でもある狂王アニールは、投げられてきた石の方角にて佇む義透の思惑通り顔をむけてくる。
釣れた。
「うむ」
その問に首肯して答え、人気のない方向を背後にし、いつでも後退できるよう位置をずらしていく。
「なるほど、無礼であることを理解しているようだな!!」
狂王アニールより振るわれる右手より、深紅の衝撃波が続けざまに放たれる。
ひとつ、ふたつ、と回避し、避けきれぬと判断したいくつかを、その手にした漆黒の剣『黒曜山』で切り払いながら徐々に後退していく。
……父の技を、ここに再現せん。
好機を逃さぬ様、衝撃は一つ分を受けるタイミングで、義透は手にした『黒曜山』をひとふるいする。それは、視認不可な斬撃となり、狂王アニールが向かう未来への一撃となる。
「……っ」
受けた衝撃波により生命力を座れる感覚。それに伴って、四悪霊の呪詛も吸い上げられていく感覚。
(……あれは共にあるものであるから)
義透から目を離せぬようその呪詛を『注目の呪詛』とし、次の地点へと狂王アニールをひき連れていく。
(こうやって誰ぞの故郷を荒らそうとするのは、な)
複雑な思いを胸中にて吐露しながら、義透は進んでいく。
大成功
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●山斬烈槍ランスブルグ第二階層『鉄壁街』。放棄領域入口にて。
放棄領域とは、ランスブルグ内にて公共サービスが受けられなくなった……いわゆるスラム街に近い場所である。
元国王レィエン3世の時代よりも、女王ジョナ一世の治世に入ってから整備がされ、数が減ってきてはいるものの、それでも残っている場所がある。
その放棄領域の一つへと、猟兵達に狂王アニールは誘い込まれていた。
イヴ・プリマビスタ
狂王アニール……! 勿論、その名も知っています!
それにしても、『超生物エリクシル』と来ましたか。
世界を侵すエリクシルを使い、更なる危険生物を作り出すなんて……これは、到底捨て置けません!
今のわたしにかつてのような力はありませんが、幸い、わたしは「アリスナイト・イマジネイション」が使えますので、超生物の超攻撃だってかなり耐えられます。
ええ、こんなのに負けているようでは、創世神の名折れですので!
……というわけで、狂王アニールの攻撃を引き付け、防御しながら、少しずつひと気のない方……放棄領域とかですかね? そちらの方へ押されるふりをして移動していきましょう!
ユーリス・レイフィスト
エリクシルである……その事に勝る倒すべき理由を私は持ち合わせていない。
ユーベルコード『創世神の棘』を使用し、棘を解き放つ。
狂王アニールを指定し、物質組成を改竄して石化を施す。
時間を稼げというのであれば、これで事足りる。万一、ユーベルコードにより私を無力化したとして、奴の力は時間に制限がある。
石となり朽ちるか、力を振るい朽ちるか……選んでいい。私のやる事は変わらない。

アンゼリカ・レンブラント
これで何体目かな、『狂王アニール』
超生物となった個体とは初めてだが、
お姉さん耐えることは得意でね!
いざ勝負といこう!
剣を振るい攻撃、倒せはしないだろう、知っているとも
反撃をしっかりと胸を張り体を晒し――《クラッシュ成功!》
生命力を奪われず悠然と立つよ
さぁお前も無敵ならお姉さんも無敵さ
どちらが先に倒れるか、勝負としようか!
感じる衝撃に痛みは自身に疑念を抱かせんとする唯一の弱点
けれど、私の後ろに都市国家の人々
勝ち取った平和のため無敵となるは当然のこと
疑念など覚えるはずがないのさ!
アニールの攻撃を耐えつつ巻き込まれる人がいないよう注意
ひと気のない場所へと誘導していこう
最後はアニールの自壊を見届けるよ
●それぞれの戦う理由を胸に。
(エリクシルである……そのことに勝る倒すべき理由を私は持ち合わせていない)
ユーリス・レイフィスト(
還れなかった男・f39756)は左手で右手の傷に触れながら、放棄領域へと向かってくる狂王アニールへと青き瞳で鋭い視線を向ける。
これは仮面と魔女との戦いを羊皮紙による記録で知ることとなり、大切だった幼馴染の仇も、その元凶すらも消え去ってしまった一人の平凡な男の八つ当たりであると、自身で理解していた。
(これで何体目かな『狂王アニール』、超生物となった個体とは初めてだが。)
アンゼリカ・レンブラント(黄金戦姫・f38980)。長い金髪、大きな天光色の瞳。凛々しさを込めた可愛らしい顔立ち。彼女は大魔女決戦の頃の外見もそのままに。そして強い正義感のまま。
(狂王アニール……!勿論、その名も知っています!)
イヴ・プリマビスタ(創世神・f39280)は、自身の創造した世界、エンドブレイカー。その世界に存在するここ、ランスブルグにて最恐最悪の王として君臨していた者の名、その姿を確認する。
世界を侵すエリクシルを使い、作り出された危険生物を捨て置けぬ、とその想いを胸にイヴはユーベルコード【アリスナイト・イマジネイション】を起動。
無敵の【戦闘鎧】を纏い、立つ。
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放棄領域の方向へと誘い込まれた狂王アニールは、待ち受ける3つの影へと視線を向ける。
「なるほど、次は貴様たちが相手ということか」
にやり、と鮫のように口だけで笑う。
「ええ、あなたはここで止めさせてもらいます」
イヴのその言葉に、アンゼリカとユーリスが同意するように頷き、前に出る。
「いざ勝負といこう!」
「戯言を!余が王である、頭が高い!!」
アンゼリカの言葉に対し、狂王アニールを中心に周囲が真紅の色に染まっていく。
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「それは、砕く!」
アンゼリカは手にした剣を振るい、胸を張り体を晒し――《クラッシュ成功!》
「お姉さん耐えることは得意でね!!」
鍛錬によって無敵と化したすべての攻撃を受け止める己の体を鎧とするユーベルコードを起動、狂王アニールの攻撃を弾き、生命力を奪われることなく悠然と立つアンゼリカ。
感じる衝撃に痛みは自身に疑念を抱かせんとする唯一の弱点。
だが、彼女は疑念など抱かず、都市国家の人々や勝ち取った平和を背負う。
(倒せはしないだろう、知っているとも。だが!)
騎士道精神そのままに、真正面から狂王アニールと切り結ぶ。
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狂王アニールは自身の崩壊を自覚しているのか、していないのか。闘争を楽しむように攻撃を放ってくる。
その攻撃を猟兵達は連携し、攻守交代しながら徐々に放棄領域の奥へと進んでいく。
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「こんなのに負けているようでは、創世神の名折れですので!」
衝撃波を受ける、イヴから零れ落ちた台詞。
「創世神、だと?」
その言葉に、怪訝な顔で視線を向ける狂王。
「面白い。貴様、神を名乗るか!」
狂王アニールの攻撃目標がイヴへと移ったと3人が感じた瞬間に振るわれる剣。それを手にした白銀の槍で受けながす。
「ええ、かつての力はありませんが!」
ーーガキン!
火花を散らし二人が打ち合う。
「今、わたしの、いえ、わたしたちの持ちうる限りの力で!あなたを止めます!!」
「やってみせろ!!」
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パキン、パキン、と音が大きくなっていく。
それは狂王アニールが周囲を真紅に染め上げた戦闘の開始時。
ユーリスは狂王アニールの体を物質組成から石へと改竄するユーベルコード【創世神の|棘《ソーン》】を放っていた。
時間経過による崩壊を、加速させるかのよう改竄が進み、更に石化が進んでいく。
ソレを気にも止めず、狂王アニールは剣を振い、打ち合っていく。その度に石化した部分から体が崩れていく。
崩壊まであとわずか。
●その瞬間はあっけなく。
どれだけの時間が過ぎたのか。
幾度の攻撃を凌いだのか。
まだまだ!とそれぞれが顔を上げる。その視線の先には、不適な笑みの狂王アニールが、体をほとんど失いながらも不適な笑みを残したまま、どこか満足げに立つ。
その時、どこからともなく吹いてきた一陣の風により、砂混じりの光となって、狂王アニールは消え去るのだった。
大成功
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