エンドブレイカーの戦い⑨〜猟兵と天槍騎士団
●ランスブルグ防衛戦
山斬烈槍ランスブルグの各地で、激しい戦いが繰り広げられている。
都市国家を攻めているのは、超生物エリクシルが差し向けた軍勢であり、その主力となっているのが、伝説の大海賊をモデルとした、海賊の人型兵器、その量産型である。
それに対抗しているのが、ランスブルグ最強の戦力である天槍騎士団である。
量産型の人型兵器とも互角以上の戦いを繰り広げており、その中でも長い金髪の女性騎士が獅子奮迅の活躍を見せていた。
「はあっ!」
華奢な身体には見合わぬ巨大な剣を自在に操り、人型兵器の1体に致命傷を与える。
「いいのか?このまま俺を止めを刺してもよ。俺の身体には強力な爆弾が仕込んであるんだ。その美しい身体が滅茶苦茶になるんだぜ」
その言葉がハッタリなどではない。
過去にも多くのエンドブレイカー達が、人型兵器の自爆によって、生死不明に追い込まれた実例があるのである。
「それで脅しているつもりですか!」
金髪の女性騎士もその事を知っているが、それでも尚、攻撃の手を緩めなかった。
次の瞬間、激しい爆発が起こり、人型兵器に止めを刺したばかりの金髪の女性騎士は逃れる間もなく、巻き込まれる事となった。
「た、隊長、ご無事ですか!」
爆発が収まった所で、後方で控えていた年若い天槍騎士達が、女性騎士の元にへと駆け寄る。
「…ええ、大丈夫です。状況を教えてください」
身の纏っている魔力が籠められた騎士鎧と、咄嗟に大剣で防御した事で、女性騎士は致命傷を避けたものの、至近距離での自爆を受け、無傷で済む筈も無い。
騎士団所属の星霊術士が呼び出した星霊スピカによる治療を受けてはいるが、それでも完全回復にはかなりの時間がかかる。
「ありがとう…では今から向かいます」
天槍騎士達の報告を聞いた金髪の女性騎士は、回復を待つ間も無く、次の行動を起こそうとする。
「む、無茶です。そうやって貴女は昨晩からずっと戦い続けているではありませんか!」
「心配は無用です。領民を守るのが天槍騎士の務めですから」
天槍騎士達といえども、大海賊を模した人型兵器と正面から戦える者は、そう多くはない。
エンドブレイカーでもある金髪の女性騎士が無理を押して戦わなければならない程、ランスブルグの状況は逼迫しているのだ。
天槍騎士達の静止を振り切って、金髪の女性騎士は次の戦場にへと向かうのであった。
●グリモアベースにて
「ランスブルグを守る為に、皆に向かって欲しいんだ」
万能の魔神エリクシル達を創造した『11の怪物』の残る8柱が、一斉にエンドブレイカー世界へと押し寄せて来た事で始まったエンドブレイカーの戦い。
主だった都市国家も襲撃を受けており、ランスブルグもその例外ではない。
普段は明るい金髪のグリモア猟兵の少女が真剣な表情で説明を始めている事からも、その緊急性が窺い知れる。
「敵の勢いは止まる事を知らず、私達だけでは苦戦は免れない。でも天槍騎士達と連携して戦えれば、単身で戦うよりずっと有利に戦える筈だよ」
天槍騎士達はランスブルグ女王直属の最強の兵力であり、その中には『11の怪物』の『ギルタブリル』『ムシュマフ』と戦い勝利したエンドブレイカー達もいる。
猟兵達とも肩を並べて戦う事も可能だろう。
「皆に倒してもらうのは量産型ゴルバック。決して油断してはならない相手だよ」
かつての伝説の大海賊ゴルバックをモデルにした人型兵器の量産型。
首尾よく撃破出来ても、自爆による被害は猟兵達といえども、無傷では済まないだろう。
「しかも数も多いから長期戦も避けられない。だから天槍騎士達と上手く連携して欲しいんだ」
ランスブルグに住む住人達、そしてエンドブレイカー世界を守る為に、天槍騎士達はどのような協力も拒むことは無いと、グリモア猟兵の少女は断言する。
「エンドブレイカーの戦いとしてはまだ緒戦。今回も激戦が続くだろうけど、だからこそ皆の力を貸してくれないかな?」
説明を終えたグリモア猟兵の少女は、ランスブルグにへと通じる転送門を開くのであった。
吾妻 銀
吾妻 銀です。
エンドブレイカーの戦いの1本目のシナリオとなります。
戦争シナリオとなりますので、1章構成となります。
量産型ゴルバックとの集団戦となります。
数も多く連戦が続く事となります。
エンドブレイカーである金髪の女性騎士を中心とした、天槍騎士達も共に戦ってくれます。
ランスブルグを守る為であるなら、どのような協力も拒むことはありません。
プレイングボーナスは『天槍騎士団と連携して戦う』となります。
参加受付は公開後からとなります。
断章はありません。
締め切りは参加状況を見て、タグや雑記に記載します。
それでは参加をお待ちしております。
第1章 集団戦
『量産型ゴルバック』
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POW : ゴルバック・ボム
自身が戦闘不能となる事で、【自身にダメージを与えた】敵1体に大ダメージを与える。【自身の正体】を語ると更にダメージ増。
SPD : パイレーツバンカー
【左腕のパイルバンカー】が命中した物品ひとつを、自身の装備する【装甲板】の中に転移させる(入らないものは転移できない)。
WIZ : ゴルバック・アーマー
自身と装備を【体内から伸びる金属装甲】で覆い、攻撃・防御をX倍、命中・回避・移動をX分の1にする。
👑11
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アンジェリカ・ディマンシュ
フフ、ここもまた『人の紡ぐ物語』なのでしょう
音響魔法陣を展開しながら天槍騎士団に加勢する
ディマンシュ財団現当主、フランス共和国特務外交武官!
アンジェリカ・ディマンシュ、貴方達の為に推参しましたわ!
名乗りを上げると同時、ランスブルグの上空に投影されるは
自身の世界から繋がる『万能戦艦』の残影
そこから『万能戦艦』の全ての、または新たな兵装を放つ!
終焉を破壊しなさい
我が子よ
かつてわたくし達がちぎれそうな空の隙間に、虹をかけた様に!
光を、この世界に
想像する世界を以て、運命を変えましょう!
サー・ファーガス
天槍騎士団……、かっこいい。
ええ、私も真似事ではありますが騎士として、皆様に加勢しなけれは。
相手の爆発は確かに脅威、ならばこの私は皆様の盾になりましょう。
UC【EP-HERO『KNIGHT SHIELD』】使用
しかし、この状態の弱点として我が愛馬『KELPY』の制御が難しくなり、その場に留まって防御してもらうか、周囲の被害を顧みず暴れてもらうかの二択になってしまいます。
可能であれば天槍騎士の誰かにコックピットへ乗ってもらい戦闘の手助けをしてもらえれば。
無茶なお願いをする代わりに私も『KELPY』も貴卿の故郷を守る為に全力を出します。
リカルド・マスケラス
おっと、美人を困らせるなんてとんでもない奴らっすね
現地のNPCと協力して戦うっすよ〜
「ちょっと、戦うために力を貸して欲しいっすよ」
【コミュ力】で協力を取り付けた天槍騎士団に憑依して、リカルドの能力値と技能で戦う。宇宙バイクを【操縦】しランスなり大剣なりを【怪力】で振り回し、爆発の影響がないところまで走り抜ける
「おっと、数が多いっすかね」
敵が増えてきたらUCでアルタイルのパワーと武装を強化し、ビームとミサイルの【一斉発射】で片付ける
リカルドの存在をマスカレイドかと訝しむ相手がいれば、
「マスカレイド? 違うっすよ。自分は人々に希望と笑顔を届ける正義の仮面、ヒーロマスクっすよ」
とでも言っておく
「ふん…騎士共が、悪あがきをしやがって」
ランスブルグを侵略する量産型ゴルバックと、それを阻止しようとしている天槍騎士達との戦いは一進一退の状況が続いていた。
だが数を頼みに自身の死をも恐れずに攻め続ける、量産型ゴルバック側に戦況は傾きつつある。
天槍騎士達とて死を恐れない覚悟で挑んでいるが、量産型ゴルバックの高い戦闘能力だけでなく、倒しても自爆されてしまう事で、戦いが長引けば長引く程、天槍騎士達側の方が被害が拡大する一方なのだ。
「貴方達は後退してください。ここは私が…」
壊滅しかかっている天槍騎士達の所へ、援軍として金髪の女性騎士が駆け付ける。
量産型ゴルバックを相手に獅子奮迅の活躍を見せている彼女だが、それでも度重なる連戦で体力は限界に近い。
「ふん…女が一人来たところで…」
量産型ゴルバック1体が笑みを浮かべて、左腕のパイルバンカーを放つ。
だが金髪の女性騎士は大剣を振るって、パイルバンカーを弾き返すと、剣圧だけで量産型ゴルバックの巨体を吹き飛ばした。
「ぐおおお!」
「どうやら貴方達も他と同様見かけ倒しのようですね」
「上等だ…まずはお前から潰してやるぜ」
金髪の女性騎士の言葉に、周囲の量産型ゴルバック達の殺意が一斉に彼女一人に向けられる。
「そんな…無茶だ…」
傷つき動けない天槍騎士の一人が、うめき声をあげる。
金髪の女性騎士の実力は知っているが、それでも数が違い過ぎる。
このままでは彼女の力も尽きるのも時間の問題だろう。
騎士達も加勢しようにも、彼等もまた連戦を重ねるに重ね立っているのがやっとの状態である。
「天槍騎士団……、かっこいい。ならば私も真似事ではありますが騎士として皆様に加勢しましょう!」
「な、何者だ!」
突如として現れた謎の仮面騎士に、天槍騎士の一人が驚きの声をあげる。
その巨大な鋼鉄の身体は量産型ゴルバックをも上回っており、そのような存在が突然姿を現したのだから無理からぬ事である。
「申し遅れました。私の名前はサー・ファーガス、貴方達を助けに来た者ですよ」
グリモアベースからランスブルグに転送されてきたばかりの、サー・ファーガス(EP-HERO『KNIGHT MASK』・f30813)は、名乗りを挙げてから、自らが盾となるように天槍騎士達より前に出る。
ファーガスの本体は、ジャイアントキャバリアの頭部に装着された仮面なのだ。
「は、図体はでかいようだが、それだけで勝てる訳じゃないって事を教えてやるぜ」
「その言葉、そっくりお返ししますわ」
新たに馳せ参じたのは戦場には似つかわしくない、高貴な衣服に身を固めた少女である。
「フフ、ここもまた『人の紡ぐ物語』なのでしょう。ディマンシュ財団現当主、フランス共和国特務外交武官!アンジェリカ・ディマンシュ、貴方達の為に推参しましたわ!」
アンジェリカ・ディマンシュ(ケルベロスブレイド命名者・f40793)は、名乗りを上げつつ音響魔法陣を展開する。
「あ、あれは?紋章か?」
ランスブルグの上空に巨大な戦艦の残影が投影され、天槍騎士団と量産型ゴルバック達の視線が集まる。
アンジェリカのUCを、紋章学を操る術士、魔想紋章士の力であると勘違いしている者までいた。
「だがあのような紋章など見たことが無いぞ!」
正体はアンジェリカの出身世界である、ケルベロスブレイドに存在する『万能戦艦』の残影である。
「貴女達は猟兵の方達ですね。ご助力感謝します」
ファーガスとアンジェリカへ感謝の言葉を贈る、金髪の女性騎士に戸惑っている様子は感じられない。
「ふふ、流石はエンドブレイカーですわね」
他の騎士と違って、明らかに自分達の事を知っている様子にアンジェリカも賞賛の言葉で返す。
「猟兵になった私の友人から、猟兵達の話も聞いていましたから」
「話し込んでいる用友はなさそうですぞ!」
量産型ゴルバック達が一斉に突撃する様子に、ファーガスが警告の言葉を発する。
「ですがご心配なく。騎士として、全身全霊を持ってお守りしますぞ!」
ファーガスは全身を強大な盾にへと姿を変え、量産型ゴルバック達の進路を塞ぐ。
「そんなものぶち壊してやるぜ!」
それでも量産型ゴルバック達の勢いを止める事なく、巨大な盾となったファーガスに向かって突撃する。
「無駄ですよ!」
強固な城壁をも粉砕する程の破壊力を、ファーガスは一歩も動くことなく受け止め、弾き返して見せた。
「く…ビクともしねぇ!」
量産型ゴルバック達は次に来るであろうファーガスの反撃を覚悟する。
だが一向にその気配もなく、量産型ゴルバック達は疑問を抱いた。
「…出来れば誰か私のコックピットに乗って手助けしてもらえないでしょうか?」
「は、そういう事か。動けないなら放っておくだけだぜ」
巨大な盾となり絶対の防御力を得た代償に、ファーガスが自分からは身動きできなくなっている事に気付いた量産型ゴルバック達は、迂回して後方で守られている天槍騎士団とアンジェリカに襲い掛かろうとする。
「そうはさせませんわよ!」
アンジェリカも万能戦艦の残影に砲撃を命じ、量産型ゴルバック達を爆撃するが、彼等の勢いは止まらない。
自爆を警戒し、威力を抑えたのが裏目に出たのだ。
「紋章士だろうが騎士の女だろうが、まとめてやってるぜ!」
「おっと、美人達を困らせるなんてとんでもない奴らっすね」
そこへ量産型ゴルバック達の前に一人の天槍騎士が立ちはだかる。
その天槍騎士はエンドブレイカーには存在しない筈のバイクに乗っており、他の天槍騎士とは明らかに違っていた。
そしてバイクからビームとミサイルによる一斉発射を行い、量産型ゴルバック達の動きを止めた。
「お、お前は何者だ?」
その天槍騎士は騎士らしからぬチャラい感じで、怪しげな狐のお面を付けている。
「おっとマスカレイドとは違うっすよ。自分は人々に希望と笑顔を届ける正義の仮面、ヒーロマスクっすよ」
リカルド・マスケラス(ロープ際の魔術師・f12160)は慌てて、怪しむ様子の天槍騎士達に対して弁明する。
ファーガスと同様、本体がマスクであるリカルドは、合意の上で天槍騎士の一人に憑依しているのだ。
「ご助力には感謝しますが、大切な仲間を無暗に傷つけないでくださいね」
「当然っすよ。美人を悲しませる事なんてしないっす」
金髪の女性騎士の心配そうな声に、それだけ答えるとリカルドは宇宙バイクを走らせて、ファーガスのコックピットに乗り込んだ。
「天槍騎士の誰かに戦闘の手助けをしてもらえればとは思っていましたが…」
「敵さんも増えているようだし、ヒーロマスク同士仲良くっすよ」
量産型ゴルバック側も新たな増援を得て、更に勢いを増している。
「おかしな連中が増えた所で俺達に敵うものかよ!」
猟兵達の力を間に当たりにしながらも、人型兵器には恐れる心はないのだ。
「向こうの自爆は私と『KELPY』が全力で受け止めます。無茶なお願いかもしれませんが、皆さんは攻撃を!」
「任せるっす!」
巨大な盾のまま身動きの取れないファーガスと彼を操縦するリカルドを中心とした反撃が開始された。
倒されても自爆する事で天槍騎士団に大打撃を与えてきた、量産型ゴルバック達であったが、無敵の盾の出現に状況が一変したのである。
「もう遠慮はいらねえっすよ!」
リカルドはコックピット上からでも、宇宙バイク『アルタイル』の武装を更に強化し、一斉射撃を繰り返す。
「くそおぉぉぉぉ!」
1体また1体と量産型ゴルバックが倒れ、激しい爆発が巻き起こるが、それらはファーガスが盾となり、自爆の被害をほぼ無傷に抑えた。
「それでは私も本気を出しましょうか。さあ、終焉を破壊しなさい
我が子よ。かつてわたくし達がちぎれそうな空の隙間に、虹をかけた様に!」
畳みかけるようにアンジェリカは万能戦艦の残影から新たな兵装を作り出す。
「は、紋章の攻撃程度で俺達がやられるかよ!」
だが先程の攻撃から大した脅威ではないと判断した、量産型ゴルバックは気にも留めずに、一斉に突撃しようとしている。
「誤解させてしまったのなら謝罪しないといけませんわね。光を、この世界に想像する世界を以て、運命を変えましょう!」
アンジェリカの号令と共に万能戦艦から放たれた光が、人形兵器の頭上に降り注ぐ。
先程の攻撃とは比較にならない程の爆発と輝きに、ファーガスの盾に守られている天槍騎士団達でさえも、目を晦ませる程である。
「お、おお…」
そして天槍騎士団達が目を開くと、まず最初に目に映ったのは、焼き尽くされ、完膚なきまでに破壊された量産型ゴルバック達の残骸であった。
成功
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クロム・チタノ
反抗起動、任務復唱、敵大部隊の撃破、備考、自爆能力有り、任務遂行開始
制裁執行もはや猶予なし
巨大な氷壁を作成して進行を阻害
絶対零度の冷気を各部関節に浴びせ凍結、行動能力の奪取を確認
おしゃべりをするその口の内に氷結の猛吹雪を浴びせ内部から氷結させます
外部を絶対零度の冷気で、そして内部を猛吹雪で内外から完全氷結させて氷像に致しました
戦闘不能と云えど氷結による機能不全から成る行動不能、もはや自爆も機能致しません
天槍騎士団の皆様、出番でございます、どうぞ憎き蛮兵に誅罰を、思いっきり粉々に粉砕して下さいませ
此処にやって来た全ての敵を徹底的に氷結させて粉砕して壊滅させて、思いっきり
リア・スプレーギ
我が故郷が再び戦乱に巻き込まれる……もうないと思ってたのだがな
、この都市には私の家族もいる大切な我が酒場もあるし領地もある……思い通りになると思うなよ
天槍騎士団と連携して対処する、陛下の騎士団達だそれは勇猛果敢に戦うだろうが……無理はしては陛下も悲しむからな
まずは『指定UC』で翼を生やして天槍騎士団達に希望と戦闘力を上げるとしよう、勇猛果敢な騎士たちよ!この戦全て我らの勝利で終わらせるぞ!とその後は刀も使い敵を撃破、その左腕には用心して戦うぞ
そうそう金髪の女性騎士は特に気にかけて側で戦うとしよう、その無鉄砲さは嫌いではないがここが死に場所でもない、共に陛下に勝利を伝えよう
【アドリブ共闘歓迎】
「へ、頂戴したぜ!」
「ああっ!!」
劣勢の天槍騎士達を守るように最前線で奮闘していた金髪の女性騎士だが、量産型ゴルバックの1体に不意を突かれ、パイルバンカーの一撃を受けてしまう。
咄嗟に大剣で防御するも、それこそが量産型ゴルバックの狙いであった。
女性騎士が手にしていた大剣は、パイルバンカーによって奪い取られ、量産型ゴルバックの装甲板の中に転移させられてしまったのだ。
「武器が無ければまともに戦えないだろう。これまでのお礼をたっぷりとさせてもらうぜ」
「く…」
武器を失いながらも尚も立ち向かおうとする女性騎士であるが、窮地に立たされているのは間違いない。
「反抗起動、任務復唱、敵大部隊の撃破、備考、自爆能力有り、任務遂行開始」
その様子を目撃したクロム・チタノ(傾国狂戦士・f32170)は、即座に行動を開始する。
「な、なんだこりゃあ!」
量産型ゴルバック達の前に巨大な氷壁を作成して進行を阻害しにかかる。
「お前も猟兵だな。天槍騎士どもよりも厄介な存在だと聞いているぜ」
量産型ゴルバック達の視線はクロムにへと向けられる。
「制裁執行もはや猶予なし」
クロムは手近に居た量産型ゴルバック1体に、絶対零度の冷気を各部関節に浴びせ凍結させる。
「…こ、このガキが!」
「おしゃべりな口は黙らせる!」
量産型ゴルバックが開いた口の内に氷結の猛吹雪を浴びせ、内部からも氷結させていく。
それから数秒後、完全氷結した量産型ゴルバックの氷像が完成した。
「まずは一つ」
氷結による機能不全から成る行動不能、もはや自爆する事すらも叶わない。
「やってくれるじゃねえかよ!」
仲間を倒された事に激怒した量産型ゴルバック達は、狙いをクロムに変え、包囲しにかかる。
クロムとて敵対者を一度に氷結させるには限界がある。
このままでは多勢に無勢なのは明白だ。
「無茶です!いくらなんでも一人では」
金髪の女性騎士や他の天槍騎士達も加勢しようにも、傷つき武器を奪われたままでは、それもままならない。
「安心しな一人じゃないよ!」
そこへ新たにリア・スプレーギ(碧眼は世界の夕焼け空を見つめる・f39230)が馳せ参じる。
「我が故郷が再び戦乱に巻き込まれる……もうないと思ってたのだがな」
山斬烈槍ランスブルグ出身の元エンドブレイカーである、リアにとっても、量産型ゴルバック達の侵略を黙って見過ごせる訳がない。
「この都市には私の家族もいる大切な我が酒場もあるし領地もある……思い通りになると思うなよ」
「面白れぇ、まとめて相手にしてやるぜ!」
猟兵2人と天槍騎士達を目の当たりにして、量産型ゴルバック達の戦意も高まる。
「勇猛果敢な騎士たちよ!この戦全て我らの勝利で終わらせるぞ!」
掛け声とともにリアは、夕焼けのようなグラデーションの美しい翼を生やし、空高く飛翔する。
「綺麗…」
夕焼けのようなグラデーションの美しい翼に、天槍騎士達だけでなく、量産型ゴルバック達も目を奪われる。
「私の自由はこの夕焼け空と共に!」
そしてリアは1体の量産型ゴルバックを狙って上空から急襲をかける。
「ぐあっ!」
量産型ゴルバックは急落下してきたリアに刀に斬られ、大きくよろめいた。
「驚かされたが、力不足だったようだな」
大したダメージではないと、量産型ゴルバックは余裕の笑みを浮かべる。
「そうでもないさ!」
そう告げるリアの両手には、奪い取られた女性騎士の大剣があった。
急襲の目的は大剣を奪い返す事だったのである。
「その無鉄砲さは嫌いではないがここが死に場所でもない、共に陛下に勝利を伝えよう」
「あ、ありがとうございます!」
リアから大剣を受け取った金髪の女性騎士は、近づいて来た量産型ゴルバックの1体を真正面から打ち倒す。
「我等も続くぞ!」
リアの美しい翼に魅せられ、希望を取り戻した天槍騎士達も戦いに加わる。
士気の上がった天槍騎士達の連携に、量産型ゴルバック達も次第に圧され始める。
「油断大敵」
その間にもクロムは絶対零度の冷気を量産型ゴルバック達だけに放ち、1体また1体と巨大な氷像を増やしていく。
「は、情けねえ奴等だぜ!だがよ、良い事を思いついたぜ」
他の個体を盾にする形で難を逃れていた量産型ゴルバックの1体が、思わぬ行動を取った。
「なっ!て、てめぇ…」
氷結しかけていた量産型ゴルバックの急所をパイルバンカーで撃ち抜いたのである。
「どうせもうお前は終わりなんだ。なら少しは役に立ってもらうぜ!ほらよ俺からのプレゼントだ」
体内から伸びる金属装甲で覆った量産型ゴルバックは、パイルバンカーで撃ち抜いたばかりの別個体を、クロムに向けて力任せに投げつけた。
その直後、凄まじい爆発が巻き起こり、クロムの姿は爆炎の中に消えた。
「へっ、いっちょ上がりだ!」
厄介だった氷雪使いを退け、生き残っている量産型ゴルバック達は勢いづいた。
「よくも…平然と仲間を犠牲にするような輩に負けるわけにはいきません!」
「……無理はするな。陛下も悲しむからな。それに彼女は無事なはずだ」
金髪の女性騎士の側にいた、リアが彼女を諫める。
リアに励まされた天槍騎士達の士気も落ちてはおらず、息の合った連携で、量産型ゴルバック達の勢いを止める。
だが自爆を封じる手段を失い、決定打を与える事ができないでいた。
「俺達の左腕が気になるのか?」
リアが左腕のパイルバンカーを警戒している様子に、量産型ゴルバックはニヤリと笑う。
「そんなに気になるなら。見せてやるよ。今度は武器を奪うなんて生温い事はしねぇぜ!」
一気に勝負を付けるべく、量産型ゴルバック達は一斉に左腕のパイルバンカーを取り出して、リアと天槍騎士達の心臓を突き刺すべく構える。
だがその左腕が振るわれる事は無かった。
「これで完璧な氷像の完成です」
かろうじて量産型ゴルバックの自爆から逃れていたクロムが、先程したのと同じように量産型ゴルバック達の口から絶対零度の冷気を内部に入り込ませたのである。
「ぐ…ががが…」
クロムを倒したと思い込んでいた量産型ゴルバック達は完全に不意を突かれる事となり、そのまま凍結したのであった。
「天槍騎士団の皆様、出番でございます、どうぞ憎き蛮兵に誅罰を、思いっきり粉々に粉砕して下さいませ」
それからリアと天槍騎士達はクロムの言葉通りに、氷像と化した量産型ゴルバック達を粉砕し、その場は勝利を収めたのであった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
暗都・魎夜
【心情】
シンプルな戦闘力だけでも「伝説の海賊がモデル」ってのは伊達じゃねえ相手だな
丁寧に自爆機能までつけてるんだから、作った奴の趣味を疑うぜ、まったく
【戦闘】
「俺は魎夜、騎士さんは?」
「騎士さんたち、距離を取って攻撃することは可能かい?」
騎士たちに遠距離からの攻撃を行ってもらい、敵がUCによる防御力アップ・移動力減少をするように仕向けてもらう
「勝者のカリスマ」で「鼓舞」
「向こうも本気出してくれたし、ここからが本番だな。行くぜ、イグニッション!」
自身は「見切り」で攻撃を回避しつつ、「リミッター解除」「ダッシュ」で敵の懐に入り込む
敵に接近して「斬撃波」でUCを発動
自爆させずに石化させる
夜刀神・鏡介
量産型……同じ姿形をしたのが大量にいると、なんとも言えない気持ちになるが
ま、個体としてどれだけ強力であっても戦い方が同じならいくらか御しやすいかな
利剣を抜いて敵と相対
万が一にでも刀を奪われるのは避けたいので、左腕のパイルバンカーには要注意だな
ただ、他の攻撃を防いだところに追撃される可能性もある以上、左腕以外の攻撃も全て回避するつもりで立ち回る
できるだけ動き続けながら、漆の型【柳葉:梵】で攻撃。左右の両腕と片足の関節部分を潰して戦闘能力を削いだら次のゴルバックへ
追撃は基本的に天槍騎士団に任せる
敵の数が多くとも、一度に相手をするべき数はそう多くない。相手の戦闘力を削げば少し余裕が生まれるだろう
ソフィア・アンバーロン
●WIZ/アドリブとかお任せ
アーマーが邪魔だね
それじゃぁ、このこ(魔鍵)に食べさせようかユーベルコードで封印で侵食弱体化を狙ってみようかなぁ
これで騎士団のみんなも攻撃が通りやすくなったかも?騎士団の皆さんとさ一緒にボコボコにしよう!
騎士団の皆さんが攻撃している間は、後ろ(後衛)で貫通攻撃付きの呪殺弾を撃ち込むよ
効果が足りないなら、貫通攻撃で更にダメージを通りやすくするんだよぅ
金属装甲で覆っているなら、命中のも下がってるんだからちゃんと避けよう
逃げ遅れている人がいるなら、影縛りを利用して相手の動きを鈍くして隙を少しでも作ることを忘れずに
イウェイン・マクリエンス
<アドリブ/連携歓迎>
やれやれ。
団長もだが、天槍騎士団は無理無茶をする者しかいないのか……?
と、余談はさておき助太刀するぞ天槍騎士団。
君たちには多少の縁があるものでな。
相手は多数でしかも自爆機能付きか。
ならばこのキャッスルクラッシュ改め「獅応衝壁」の攻防一体の構えで粉砕するとしよう。
天槍騎士団の皆には俺の周りに敵を集めるよう誘導をお願いする。
我が剣で切り込み、足払い、部位破壊での体勢崩しを狙って敵を惹きつけながら、
自爆を試みようとする連中に向かってオーラの城壁を展開、重突進で反撃する。
敵の陣営が崩れたら、勢いに乗ってこっちから突進を仕掛け、
長大な城壁でもろともブチ砕くぞ。
猟兵達が援軍に来た事で、勢いに任せてランスブルグを侵攻していた量産型ゴルバックも、その数を確実に減らしつつあった。
そしてまた1体の量産型ゴルバックが、戦闘不能となり派手に自爆する。
「畜生!全くしぶとい女だぜ!」
また仲間が倒され、量産型ゴルバック達は、止めを刺した金髪の女性騎士を憎悪の目で睨みつける。
自爆に巻き込まれながらも尚も倒れずに、戦い続ける女性騎士に量産型ゴルバック達も手を焼かされているのだ。
「どうかお下がりを…これ以上は!」
だがそれも限界が近づいてきている事を察した、天槍騎士団の一人が代わりに前線に出ようとする。
「…いえ、貴方達はこのまま後方から攻撃を続けてください。攻撃を緩めるわけにはいきませんから」
前に出ようとする天槍騎士を制し、金髪の女性騎士は大剣を構え直す。
自身が満身創痍な状態である事は理解しているが、他の天槍騎士達では量産型ゴルバックの猛攻に耐えきるのは厳しいだろうと、身をもって知っているのだ。
「私が倒れたらすぐにこの場は撤退して、猟兵の方達と合流してください」
「そ、そんな命令には従えません!」
それは騎士一人を見殺しにするだけでなく、合流するまでの間、近辺の住人達をも危険に晒す事を意味している。
いくら自分達の命が失う事になろうとも、天槍騎士達はその命令を聞き入れるわけにはいかないのだ。
「やれやれ。
団長もだが、天槍騎士団は無理無茶をする者しかいないのか……?」
そんな騎士達のやり取りを聞いていた、イウェイン・マクリエンス(騎獅哮牙・f39049)は溜息をつく。
同じ騎士として捨ておくわけにも行くまいと、イウェインは剣を抜いた。
「助太刀するぞ天槍騎士団。君たちには多少の縁があるものでな」
武具に入られた獅子の紋、それはイウェインが『獅子の騎士』と呼ばれる高名な騎士を先祖に持つ、家の出である事の証明である。
騎士としても猟兵としても、天槍騎士団に助太刀しない理由などないのだ。
そして助太刀に駆け付けたのは、イウェインだけではない。
「シンプルな戦闘力だけでも『伝説の海賊がモデル』ってのは伊達じゃねえ相手だな。丁寧に自爆機能までつけてるんだから、作った奴の趣味を疑うぜ、まったく」
「量産型……同じ姿形をしたのが大量にいると、なんとも言えない気持ちになるが。ま、個体としてどれだけ強力であっても戦い方が同じならいくらか御しやすいかな」
暗都・魎夜(全てを壊し全てを繋ぐ・f35256)と夜刀神・鏡介(道を探す者・f28122)は、既に量産型ゴルバックと道中で交戦しており、似たような感想を抱いていた。
「アーマーが邪魔だね。それじゃぁ、このこ(魔鍵)に食べさせようか」
星霊術士でもあるソフィア・アンバーロン(虚ろな入れ物・f38968)は、到着するや否や、魔鍵から漆黒の闇を解き放つ。
「ち、猟兵どもが来やがったか!」
辺りは闇に覆われ、突進しようとしていた量産型ゴルバック達の動きが鈍り出す。
「俺は魎夜、騎士さんは?」
その間に魎夜は金髪の女性騎士と天槍騎士団達に名乗る。
「ご助力ありがとうございます…私は…」
金髪の女性騎士が名乗ろうとした所で、量産型ゴルバック達の咆哮が響き渡る。
その咆哮が漆黒の闇をも吹き飛ばしたのだ。
「やってくれるじゃねえか!上等だ、まとめて地獄へ送ってやるぜ」
ソフィアのユーベルコードによる攻撃が、量産型ゴルバック達の戦意を更に刺激してしまったのだ。
「ゆっくり話をしている時間はなさそうだ」
鏡介は利剣を抜いて、量産型ゴルバック達と相対する。
意識を集中して挑まなければ、そのまま勢いに圧し潰されてしまいかねない。
「そうだな。騎士さんたち、距離を取って攻撃することは可能かい?」
魎夜の言葉に天槍騎士達は力強く頷く。
「それなら今度は俺の方に敵を集めるように誘導してくれ…そっちの騎士さんはもう限界だろう」
「そんな事は…」
自分もまだ戦えると主張しようとする金髪の女性騎士だが、イウェインの言葉を証明するかのように膝を付いてしまう。
心身共に限界に来ていた事に、ようやく彼女自身も気付いたのだ。
「あとは皆にお任せだねぇ。今なら攻撃も通りやすくなっているだろうから、一緒にボコボコにしよう!」
ソフィアの言葉に勇気づけられた天槍騎士達は、女性騎士を後方に匿いつつ、遠距離攻撃を開始する。
「くそっ、痛てぇ!さっきまでは大した事は無かった筈だぞ」
一度は振り払われたかに見えた漆黒の闇は、量産型ゴルバックの体内にひっそりと侵入し、浸食を始めている。
これまでは大したダメージを受けなかった騎士達の遠距離攻撃も、今の量産型ゴルバック達にとっては痛手となっているのだ。
「ち…雑魚共が調子に乗りやがって!」
防御力が弱まっている所に攻撃を受け続け、量産型ゴルバック達は否応なしにイウェインの近くにへと誘導される。
「舐めるんじゃねえぜ。これぐらいでやられるかよ!」
そして防御力の弱体化に対抗すべく量産型ゴルバック達は、ゴルバック・アーマーで自らの巨体を金属装甲で覆った。
機動力が失われる代わりに、攻撃・防御力を更に高める量産型ゴルバックの切り札である。
「向こうも本気出してくれたし、ここからが本番だな。行くぜ、イグニッション!」
狙い通りの展開に、魎夜も自身の力を解放する。
「な、いつの間に!」
そして瞬時に量産型ゴルバックの懐に入り込み、夜空と同じ輝きを持つ刀から斬撃波を放つ。
「てめえの呪いは自分で喰らいな」
「畜生っ!」
致命傷を負った量産型ゴルバックは自爆しようとしたが、斬られた箇所から石化の呪いにかかり、それすらもままならないまま石像と化すのであった。
「よくもやりやがったな!」
別の個体が仇を討とうと、魎夜に襲いかかろうとするが、その間に鏡介が割って入る。
「梵ぐように密やかに、斬り堕とす――漆の型【柳葉:梵】」
「な、なんだぁ!」
鏡介は神速の三連撃を量産型ゴルバックにお見舞いする。
斬られた量産型ゴルバックは、痛みを感じる間もなく、左右の両腕と片足の関節部分を潰され、自慢の戦闘能力を失う事となった。
追撃は天槍騎士団に任せ、鏡介自身は次のゴルバックへと向かう。
「くそっ!ちょこまかと動き回りやがって!」
ゴルバック・アーマーを纏った事で、動きが鈍くなった量産型ゴルバック達は多人数での理が活かせず、動き続ける鏡介を捕捉できず翻弄されていく。
それでも命中した対象の武器を奪う左腕のパイルバンカーは、鏡介のような刀使いにとっては大きな脅威となる。
その為、鏡介は一撃でも反撃を受けるわけにはいかず、敵を倒す事よりも回避と戦闘能力を奪う事に注力しているのだ。
「敵の数が多くとも、一度に相手をするべき数はそう多くない。相手の戦闘力を削げば少し余裕が生まれるだろう」
そんな鏡介の予測も現実のものとなりつつあった。
「これぞ攻防一体、騎獅の城壁だ。止められるか?」
誰よりも多くの量産型ゴルバック達を引き付けていたイウェインが、オーラの城壁を展開し、勝負を付けるべく突撃を開始したのである。
「くそっ調子に乗りやがって!」
中には自爆しようとする個体もいたが、それすらもイウェインはオーラの城壁で跳ねのけてみせた。
「長大な城壁でもろともブチ砕くぞ!」
「この野郎、勢いが止まらねぇ!」
イウェインの突撃により、量産型ゴルバック軍団の鉄壁の防御は砕かれ、陣営は総崩れとなった。
「我等も続くぞ!」
天槍騎士団もここぞとばかりに、射撃武器での一斉攻撃を叩きこみ、無防備となった量産型ゴルバックに止めを刺していく。
「畜生っ!これで終わりかよ」
悪あがきで自爆しようとしていた量産型ゴルバックも、魎夜に石化されるもしくは鏡介に機能を封じられ、そのまま何も出来ずに絶命していった。
鉄壁である筈の量産型ゴルバック軍団が、こうも容易く崩壊したのは3人の猟兵の奮闘だけでなく、ソフィアの漆黒の闇による浸食も大きい。
量産型ゴルバック達に気付かれる事なく、その強大な戦闘力を徐々に奪っていたのだ。
「こうなりゃ死なばもろともだ!」
唯一生き残っていた量産型ゴルバックが、一矢報いようと猟兵達の目を逃れ、天槍騎士団に向かって突撃しようとする。
「そうはさせません!」
咄嗟に金髪の女性騎士が、自身を顧みずに騎士達を庇おうと飛び出した。
「私がいる事も忘れずに」
そこへ今まで援護に徹していたソフィアが割って入って影縛りで、量産型ゴルバックの動きを鈍くする。
「言う事聞いてね。さぁ『おたべ』!」
そして魔鍵から放たれた漆黒の闇が、量産型ゴルバックを容赦なく食らい尽くすのであった。
ソフィアが倒した量産型ゴルバックが、ランスブルグで最後の個体となった。
時を同じくして他所で暴れていた量産型ゴルバック軍団も、他の猟兵と天槍騎士団の活躍により全て撃退され、ランスブルグの脅威はひとまず去ったのである。
「皆さん…ありがとうございまし…」
金髪の女性騎士が猟兵達に礼を言おうとした所で、ついに意識を失い、その場に崩れ落ちる。
戦いが終わって安心した所で、一気に疲労感に襲われたのだろう。
「うん、お疲れ様だよぅ」
一番近くに居たソフィアが慌てて金髪の女性騎士を支えた。
「全く無茶をして…何はともあれ、貴公らもお疲れ様だな」
イウェインが金髪の女性騎士に代わって、天槍騎士達を労う。
「もう二度とは相手にはしたくないものだ」
量産型ゴルバックの生き残りがいない事を確認し終えた鏡介が、奪われる心配のなくなった刀を鞘に納める。
「同感だな…後、聞きそびれた騎士さんの名前を聞いておかないとな」
鏡介の言葉に魎夜は頷く。
それから4人は他の猟兵達と共に戦後処理を手伝い、金髪の女性騎士が意識を取り戻すのを待ってから、グリモアベースに帰還したのである。
大成功
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