不思議なスイーツをめしあがれ?
とある都内の路地裏を幾つもくぐり、地下への階段を降りて、やっとたどり着ける小さな寂れたカフェ『エスポワール』。隠れ家風のその店内はフェイクスイーツやぬいぐるみで飾られた甘い空間。
けれどもそこで提供される「甘味」は、一風変わったどころか、とんでもないゲテモノスイーツのようで…?
「ということで、UDCをちょっと食べてきてみて欲しいんだよねぇ」
穏やかな口調とは裏腹に、なかなか難易度の高い要求を持ってきたのは、リユラ・リュリラ(落陽と宵闇の隙間・f27592)だ。
「ちょっと分かりづらいところにあるんだ……いわゆる隠れ家系カフェってやつ?あ、マップはこっちね」
リユラは集まった猟兵に地図を配る。なるほど、迷い込むというよりは、行こうとして行かなければ着かないほど奇妙なところにある。
店内ではスイーツや紅茶、コーヒーなどが振舞われ、ごく普通のかわいい系カフェ……のようなのだが。
「実は一回潰れたカフェらしいんだけど。再開してから、どうもUDCを使ったスイーツを提供するようになったらしい、って噂があってね」
あまりにも分かりづらいところにあるのに、あまりにも繁盛している事を奇妙に思ったUDC研究員が調べたところ、どうも素材にUDCが使われているらしい、との報告が上がって来たのだ。
また、常連客が次々行方不明になっていること、失踪する前は『あのカフェに……エスポワールにいかないと……』とずっとぶつぶつ呟いていたとのことなども調査書に書かれている。
「お店の場所が場所でしょ?見つかるのが遅れて、結構被害が拡大しちゃってるみたいで。だから、できれば早急に解決してきてほしいんだ」
行方不明になった者たちや一部の店員はすでにUDCと化してしまっているらしい。元に戻す手段もないため、まとめて倒してしまうしかないだろう。
「かわいそうだけど、しかたないよね。……それはそれとして、楽しんで来てね。あ、どんな味だったか教えてよ」
リユラは笑ってあなたたちを送り出した。
あかばね
はじめまして、またはこんにちは。あかばねと申します。
今回は奇妙なUDCスイーツを皆様に召し上がっていただきます。
素材にさえ目をつぶればお遊びやお出かけ、デート等にもどうぞ。
『第一章:UDCダイナー潜入』
地下にある隠れ家カフェに潜入して特別スイーツを召し上がって下さい。味は基本普通です。(ご指定があれば変な味もあります)
食べると虫歯が治ったり身体の調子が良くなったりキラキラしたりします。
『第二章:ホールケーキ・タワーディフェンスゴーレム』
ボス戦です。スイーツと化してしまったシェフとの戦闘です。
『第三章:邪神の肉腫』
集団戦です。元お店のスタッフや食べすぎて異形化してしまったお客さんです。
同行者がいらっしゃる場合は【相手のお名前とID】もしくは【タグ】をお願いします。
また、アドリブ可の場合は『◎』
同行可の場合は『◆』
一人で参加したい場合は『×』
文字数節約にご利用ください。
楽しんで頂けるように頑張ります。
それでは、プレイングをお待ちしております!
第1章 冒険
『UDCダイナー潜入』
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POW : 気合いで全部の料理を食べる
SPD : 他の客や店員にバレないよう、食べているふりをしながら料理を始末する
WIZ : 万一に備え、薬や魔術でUDC食材の危険に対策しておく
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クローネ・マックローネ
◎◆
【POW判定】
事前に「クローネちゃんの愛用品★」で【狂気耐性】を100レベルにするアイテムを用意しておくよ★(どんなアイテムを創造したかはMS様にお任せするね♪)
スイーツをいっぱい頼んで食べるよ♪
これがここのスイーツ!なんか変わった見た目だけど美味しそう★(クローネのセンスはどこかおかしい…お菓子だけに)
もぐもぐ…成程確かにこれはおいしィぃいぃイい!!??
(ブラックタールの身体のカタチがおかしくなり、身体の部位の場所がめちゃめちゃになる…お菓子だけに)
な、なんかすごい事になっちゃった…♪
ま、いっか!それよりスイーツスイーツ★
(一口食べる度に身体がえらい事になるのを気にせず食べまくる)
●
カラン、コロン。
ドアベルを鳴らしてカフェに入って来る影が一つ。
クローネ・マックローネ(快楽至上主義な死霊術士・f05148)だ。
店内は地下だがカントリー風の装飾で、飾りとはいえ窓の装飾にはチェックのカーテンが掛けられ、木製のカウンターやテーブルセットには繊細なレースのテーブルコーナーが飾られている。
そこかしこにうさぎやねこ、くまのぬいぐるみが飾られている、クローネが選んだボックス席にも、対面に茶色の子犬のぬいぐるみが飾られていた。
席に着くと、クローネは『クローネちゃんの愛用品★』を発動する。
今回現れたのは、愛らしい小瓶に入った黒い液体。それは一見ブラックタールの一部に見えるが、れっきとした狂気耐性を強化する薬剤である。
ぐいっと一飲みにすると、これからの甘味を期待させるような、爽やかな甘みがした。
さて、それはそれとして、お楽しみのスイーツタイムである。
メニューには、沢山の甘味が愛らしい写真とかわいいイラストたち共に載せられている。
「ど・れ・に、しようかなっ★」
迷う、迷う。しかし、幸いなことに今は空腹だ。
「まあいっか、気になるのぜんぶたのんじゃえ♪」
店員に注文を伝え暫し待つと、目の前に並べられたのは大量の甘味。
チョコのテリーヌ、抹茶のシフォンケーキ、上品なクリームのサントノレ、アフタヌーンティーセット……
どれも、『それ』とは分かるものの、少々個性的な見た目をしていた。
「これがここのスイーツ!なんか変わった見た目だけど美味しそう★」
まずは一口、チョコのテリーヌから。
繊細なカカオの香りとどっしりした甘み、舌にまとわりつくもしつこくないその味はクローネを魅了した。
「成程確かにこれはおいし……いィぃいぃイい
!!??」
味は良い。とても良い。しかし、一口食べるごとに、ブラックタールとしての彼女の姿が奇妙にねじ曲がっていく。部位がおかしなところに来たり、足が変な方向に曲がったりと、だいぶヤバいことになっている。しかし――
「な、なんかすごい事になっちゃった…♪ま、いっか!それよりスイーツスイーツ★」
クローネはあまり気にしていない様子で、甘味を楽しむのだった。
大成功
🔵🔵🔵
グリルド・グラタニア
◎◆
「やはり未知の美食ですか…。いつ出発いたしますの?わたくしも行きましょう。」
グラたん。
「わたくしも肉」
グラたん、もういいから。
「ウイッス」
グラたんには空腹と美食欲に任せて全部の料理を食べてもらうけど、致命的にヤバそうなUDC混入スイーツは【指定UC】で見た目は同じだけど無害な食品に変えていくよ。
食べると身体がペカーっと光ったりテンションアゲアゲになったりして中から見てて面白くなりそうなスイーツは素通しするけどね。
●
「やはり未知の美食ですか…。いつ出発いたしますの?わたくしも行きましょう。」
グラたん。
内面からの声に耳を傾ける。
「わたくしも肉」
グラたん、もういいから。
「ウイッス」
少し残念そうな返事が返ってきた。
一人漫才ではない。彼女は調理師と美食家を兼ね備えた、れっきとした多重人格者である。
グリルド・グラタニア(一人三役の自己完結型グルメ集団・f41012)はカフェのカントリー風の入り口に立っていた。
ドアを開けるとカランコロンとドアベルが鳴る。
木目調で統一され、地下ながら明るく愛らしい雰囲気の店内にはまばらに客がいる程度で(その幾人かは同じように派遣された猟兵かもしれなかったが)、今日は混みあっているというほどではないようだ。
その客の誰もがスイーツに舌つづみをうち夢中になっている様子で、味には期待が持てそうだった。――どの客も面白い姿になっていることには目をつぶるとして。
(さて、グラたん、出番だよ)
「わたくしの出番ですわね!」
グラたんがメニューを見ると、そこにはどれにしようか迷う程のケーキにタルト、パフェ、他にも変わり種や和風スイーツが。
どうやら満足しないとシェフ――この場合はパティシエだろうか?は現れてくれないようだし。そう考え、目についた、気になったものを片っ端から頼んで行く。
一つ目、季節のパフェ。新鮮そうなマスカットが乗っているソフトクリームたっぷりのパフェからは、同じような彩をした触手がうねうねと蠢いている。
(食べられるの?これ)
「みんな食べていらっしゃるから、大丈夫でしょう」
ぱくりと一口。――美味しい。味のレベルとしては上の上といったところだ。こんな寂れたところでも客が途絶えないのもうなずける。食材と効果に目をつぶれば、だが。
そう、効果。パフェを食べ進めると、突如彼女の目がマスカット色に輝きだした。
「ま、まあ!」
視界がちかちかと輝いているのがわかる。他のスイーツも一口。今度は急に髪がツヤツヤになった。天使の輪もかくやという潤い具合だ。また一口。今度は爪がネイルも塗っていないのにカラフルに彩られる。
色々起きすぎて戸惑うグリルドをよそに、グラタニアは楽しげに食べ進めていく。
あまりにも見た目からして不審なものは念のためユーベルコードで無毒化したものの、それでも食味に変わりはなく、美味なスイーツのままだった。
(な、治るのかな、これ……)
若干不安に思いながらも、グリルドたちはスイーツを楽しむのだった。
大成功
🔵🔵🔵
黒木・摩那
◎◆
人のお金で食べるスイーツはおいしいといいますが。
それがUDC素材では考えどころですね。
もっとも、UDC素材もおいしいものはおいしいですよ。
(食べたことある)
でも、さすがに何の備えもなくUDC素材を食すのはお腹を壊すもとです。
【呪詛耐性】はいつも通りとして、UC【フリーダムブレイズ】も用意しておきましょう。あとはスマートグラスのセンサーで他に変なものが入っていないか確認した上で食べます。
おいしく食べられるといいですね。
●
人のお金で食べる飯は美味い。焼肉であれなんであれ。
それがスイーツならなおさらのことである。
黒木・摩那(冥界の迷い子・f06233)はそんなことを思いつつメニューを眺めていた。
……もっとも、素材がUDCなスイーツでは考え物なところもあるが。
「UDC素材でも美味しいものは美味しいのだけれど」
気持ち的には微妙なところもある。すでにUDC素材の料理を食べたことがある摩耶は、どれにするかを考えていた。
ここまで来たからには微妙だろうと食べるしかない。あとは味が美味で効果が平和であるものを祈るばかりだ。
スマートに見えて意外と大食いでもある摩耶は、幾つかのメニューを頼んだ。どれもカントリー風な店内に似合って、愛らしく素朴な外見をしていた。……ところどころ蠢いたり、奇妙な装飾が乗っていたりするのを覗けば、大変スイーツらしいスイーツである。
しかし、見た目(?)に惑わされてはいけない。さすがに何の備えもなくUDC素材を食すのはお腹を壊すもとだ。
呪詛への耐性と、状態異常を即座に解除してくれるフリーダムブレイズを発動させておく。それからスマートグラスのセンサーでおかしなものが入っていないかの備えもした。お菓子だけに。
「おいしく食べられるといいのですが……」
不安半分、来たい半分の心地で頼んだサントノレを一口フォークに乗せる。
それを口に運んだ瞬間、感じたものは繊細かつ大胆な甘味だった。このケーキ、美味しい。
しかし、それと同時に一瞬の光が摩耶を包む。
「な、何!?」
光が収まったところには何もなかった。
「何もなかった……のかしら?」
それともユーベルコードが打ち消してくれたのか。恐る恐る頬に触れてみる。
なんともない――否、肌がつやつやになっている。健康的かつ美しいツヤだ。
おそらく、好意的な効果であったため、耐性やUCに引っかからなかったのだろう。
「……他もこういった効果ならいいのだけれど」
もぐもぐと他にも愛らしいケーキを食していく。時折引っ掛かるものがあったのか、燃え盛るオーラに包まれつつも、彼女はケーキを完食した。
不味くはない。むしろ美味い。
奇妙な効果はあったとはいえ、楽しめた方だったな、と摩耶は笑った。
ちなみに、食べ終わる頃には効果のおかげか、彼女は五割増しぐらいで美人&健康になっていた。
大成功
🔵🔵🔵
千思・万考
◎
面白いスイーツを食べられると聞いて来たよ
…まあ、本心としては興味半分、人が犠牲になっている腹立たしさ半分な気持ちだけど。
ひとまずシェフの腕前を堪能してやろうじゃないか
うーん…パンケーキ、できれば一番豪華なやつにしよう
この店の狂いっぷりが分かる、期待を裏切らない見た目だ…
(先客を横目で見つつ)体が変形したりカラフルに輝くのは嫌だから、準備しておいたUCをこっそり摂取
躊躇なくナイフを入れて、フォークでひとくち。
…なるほど。味は普通だけど良くない力が込められているような…
それに肌艶が良くなっているような気がする
こんなので調子が上がるのはなんだか嫌だなあ…
複雑な気分だけど完食はしよう。ごちそうさま。
●
席について、千思・万考(花嵐・f33981)はメニューを眺めていた。面白いスイーツを食べられると聞いて興味を持ったのだった。
(…まあ、本心としては興味半分、人が犠牲になっている腹立たしさ半分な気持ちだけどね)
ひとまずシェフの腕前を堪能してやろうじゃないか。そんな心持ちでUDCスイーツに挑む。
一見、メニューの写真は普通に見えた。
しかし、現実、その写真通りではないことは、他の席に運ばれてくるメニューや、食した客が妙な光を放ったりしているところを見れば想像がゆく。
「うーん……そうだな。パンケーキ……できれば一番豪華なやつにしよう」
少し迷った末、この店の目玉であるらしい豪華なパンケーキを選ぶ。恐らく一人用ではなさそうに見えるその見た目ではあるが、おそらく自分なら達成できるであろう自身があった。
運ばれてきたのは、十段重ねにホイップクリーム、グレープとパンプキンのアイスが乗った豪華なパンケーキ。……オバケや悪魔の形のクッキーで飾り付けがされている。見た目だけは少し少し早いハロウィンを意識したようなパンケーキだ。
……そのパンケーキが、揺らしてもいないのにプルプルしていることや、アイスクリームが触手の様にウネウネしていることを除けば。
「この店の狂いっぷりが分かる、期待を裏切らない見た目だ…」
しかし他の客は(妙な光を放ったりキラキラツヤツヤになったりしているのを除けば)普通に食している。恐らく味は問題無いのだろう。――けれど。
(体が変形したりカラフルに輝くのはさすがに嫌だな)
用意しておいたユーベルコード『淑気呼び』を発動する。本来であればカフェへの持ち込みなどマナーに反すると分かっている万考ではあったが、ここは狂ったUDCカフェである。そんなことを気にする店員も客も居はしない。
花精の精気の篭った、桃源郷の朝露で淹れた茶はその効果を如何なく発揮し、彼を怪しげなスイーツの力から守った。
(なるほど、味は普通だけど、よくない力が込められているような……)
それに、若干肌艶がよくなっているような気がする。こんな、UDCを食したことで調子が上がるのはなんだか複雑な心境ではあるが。
何はともあれ、万考はそのパンケーキの山を無事登頂し終えたのだった。
「ふう……ごちそうさま」
大成功
🔵🔵🔵
第2章 ボス戦
『ホールケーキ・タワーディフェンスゴーレム』
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POW : チョコレイト・ユニット
【チョコレイト騎士団 】の霊を召喚する。これは【チョコレート菓子の剣と盾】や【クッキーとパンケーキの篭手による格闘】で攻撃する能力を持つ。
SPD : チョコレイト・ターン
対象の周りにレベル×1体の【チョコレイト騎士団 】を召喚する。[チョコレイト騎士団 ]は対象の思念に従い忠実に戦うが、一撃で消滅する。
WIZ : チート・チョコレイト・ナイツ
自身の【生クリーム 】を代償に、1〜12体の【精鋭チョコレイト騎士団】を召喚する。戦闘力は高いが、召喚数に応じた量の代償が必要。
👑11
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●シェフ登場
振舞われた菓子たちは、どれも悪くはない味だった。来ている客たちのメニューは全て出し終わったのだろう、シェフが満足気に姿を表す。
それは、この店内によく似合う、ホールケーキの怪物だった。
『やあやあ、お客様、本日のスイーツは如何だったでしょうか』
その表情に楽しげな笑みを浮かべ、『ホールケーキ・タワーディフェンスゴーレム』は店内を見回す。
本来であれば、菓子を食した者たちは怪物へと変貌するのだ。
それを楽しみに見に来たゴーレムだったが、一向にその様子がないのを見ると、まずは不審げな表情に、それから焦った表情を浮かべた。
『なぜ変身しない……な、まさか、おまえたち、猟兵か!』
そう焦った声を上げると、『それ』は襲い掛かってきた。
『スイーツが効かないのなら、力尽くでも仲間にしてやる!』
グリルド・グラタニア
◎◆(グラタニア主)
大きな星が点いたり消えたりしていますわ…。あはは、大きい! 彗星かしらァ?
「あー…、UDCスイーツのコンプリート後の判定でSAN値チェックしたら失敗して壊れちゃった…。」
パティシエール様、本当はケーキの精霊様でしたのね!わたくしケーキとても大好きですの!ケーキ、ケーキを寄越しなさいませ!それも全部ゥ!全部ですのおおおお!!!
はいというわけで(素)、【指定UC】を発動させながらゴーレムに歩み寄り倒れますわ。そして食品化して食らったUDCに変身。猟兵といえど脆いものよと油断した所に最盛期の姿(つまり極彩色の巨大触手生物)となってケーキゴーレムと怪獣大決戦を繰り広げますわ。
●
「大きな星が点いたり消えたりしていますわ…。あはは、大きい! 彗星かしらァ?」
現在の彼女の体はグラタニアが主の様だ。
そんな彼女目の中にはぐるぐるの渦巻きが見えている気がする。
『あー…、UDCスイーツのコンプリート後の判定でSAN値チェックしたら失敗して壊れちゃった…』
グリルドが呟く。しかもファンブって大幅に削れてないでしょうかこれは、という有様である。きっとその彗星も、チョコレートの星が三色クリームの尾を引いていたりするのだろう。冒涜的な触手等も生えてているかもしれない。
「パティシエール様、本当はケーキの精霊様でしたのね!」
グラタニアはそんなぐるぐるおめめのままケーキゴーレムへと詰め寄る。
「わたくしケーキとても大好きですの!ケーキ、ケーキを寄越しなさいませ!」
じりじり。滲み寄るグラタニアの狂気を感じたのだろう。にじり寄られるままに一歩、怯んだようにあとじさった。
「それも全部ゥ!全部ですのおおおお!!!」
『なんだ、お前…!あれを耐えて、良くもそんな態度が取れたものだな!』
きょだいな ケーキゴーレムは おびえている!
その姿にふさわしい巨大なフォークをグラタニアは振るう。えぐるようにそのクリームの一片をすくい上げると、自らの口に運ぶ。
「ふむ……やはり先程のものに比べると味は劣りますわね。手を掛けたものと素材そのもの味の違い…といったところでしょう、か……」
そう呟くグラタニアの身体がぱたりと倒れる。
『ふふ、なんの備えもなく喰われると思ったか!猟兵と言えど脆いものよ……ん?』
「アナタこそ、なんの備えもなくボクたちがUDCを喰らうと思いましたの!?」
献盛転身。『これまで食品化してきた対象の全盛期の姿に変身する』ユーベルコードである。様々なものを食してきた彼女にとってはこれ以上もない威力を発揮する技だろう。
踏みつぶそうと持ち上げられたケーキゴーレムの足をグラタニアは掴む。
「アナタたちを食べ物に変えていくと分かるんですの。どんな姿だったかや。魂の形など」
グラタニアが姿を変えたるは、目前のケーキゴーレム。それに、先ほどまで食べたケーキの、名状しがたい装飾をうねうねと纏わせている。その姿を
最盛期のものへと変えつつ、グラタニアはにやりと笑う。
「…それを死蔵させるのは、もったいないですわよねぇ?」
店内は、巨大怪獣大決戦となりつつあった。
大成功
🔵🔵🔵
クローネ・マックローネ
◎◆
【WIZ判定】
スイーツを食べまくった結果、手足どころか目鼻口の位置すらめちゃくちゃな状態になってるけど気にせずいくよ★
美味しいスイーツありがとうね♪
クローネちゃん大満足だよ★
お代はシェフちゃんの命でいいよね?
え?払う側が逆?なんの事やら★
UCは「ワタシの認識改竄光」を使用★
シェフちゃんとチョコレイト騎士団ちゃん達の敵味方の認識を狂わせて同士討ちさせるよ♪
どれだけ強かろうが、どれだけ代償を払おうが、その力を向ける相手を間違えていたら、意味ないよね♪
●
クローネは先程スイーツを食した中でも特に
姿への被害を呈していた一人である。
手足どころか、目鼻口の位置すら危うい。ちゃんと戻るのだろうか。
……ひと段落着いたら戻るであろう。たぶん。きっと。
「美味しいスイーツありがとうね♪ クローネちゃん大満足だよ★」
歪んだその顔での笑みはなかなかの凄みがあった。
「お代はシェフちゃんの命でいいよね? え?払う側が逆?なんの事やら★」
沢山食してくれて、なおかつそれが楽しんでもらえたことはシェフとしては本望なのだろう。しかしケーキゴーレムのその目が別の意味で潤んでいる気がするのは気のせいだろうか。
そう、素でこんなことになっている恐ろしさである。
『どうやらお前は怪物化したようだな……いや、違うのか?』
見た目は怪物化と言って差し支えない惨状である。
しかし、正気を保っているところを見ると、恐らくこれは怪物化ではないと認識したのだろう。
『……まあいい、精鋭チョコレイト騎士団よ!あいつを攻撃しろ!』
ケーキゴーレムの腹のチョコの扉が仕掛け時計のように開く。そこからチョコレートの兵士たちが一糸乱れぬマーチを披露しつつ現れる――が、クローネを見た瞬間、彼らもまた怯んだ。
『王様……あれは攻撃してもいいものなのでしょうか?』
『もうすでにわれわれの味方なのでは?』
やはり兵士たちにもクローネは怪物に見えているようだ。戸惑いの声が口々に上がる。
『ええい、あいつは敵だ、いいから攻撃しろぉ!』
ケーキゴーレムも戸惑いつつも一斉攻撃の掛け声をかける。
「ふふ、仲間を連れてきてくれたらこっちのものなんだよ♪」
クローネが手にしたネクロオーブから光が発せられる。
ワタシの認識改竄光。敵と味方の認識を入れ替えるユーベルコードである。あくまで当人の認識上は、だが。
『やっぱりこちらが敵では?』
『王様はご乱心なのですね。ここは反乱であります』
『悪しき王、討つべし!』
扉から現れ認識を改竄されたチョコレート兵たちは、やんややんやと話し合うと、ケーキゴーレムに襲い掛かっていった。
『やっ……やめろ!敵はあっちだ!こちらにくるんじゃない!』
ケーキゴーレムはその剛腕でもって兵士たちをなぎ払い、小さな兵士たちを薙ぎ払う。
クリームまみれのチョコレート兵……これはこれで、なかなかおいしそうなシロモノであった。
大成功
🔵🔵🔵
千思・万考
◎ ◆
スイーツ命って感じのシェフが出てきたなあ
「パンケーキ、美味しかったよ。ハロウィンを先取りしている遊び心も良かった」
「まあ、触手は僕の趣味じゃなかったけどね」
シェフが騎士団を多く呼び出しての弱体化狙いで、
緒戦は回避や防戦に徹しよう
近付く敵は花信風で強風を呼び起こして吹き飛ばし、
複数来たら槍化した花戦布で薙ぎ払い、
囲まれたら叢雲で離脱
自慢の生クリーム、だいぶ減っちゃったね?
騎士団を召喚しきった頃合いを見て、UCを込めた槍でシェフを刺突
僕が仲間になった幻でも見るといいよ
シェフの動きが止まった隙に、春雷から呼んだ特大の雷で攻撃
人を害さなければ愉快な店で済んだだろうに。
潰すには惜しい店だと思うよ
●
万考は現れたシェフを見て感嘆の声を上げた。
(スイーツ命って感じのシェフが出てきたなあ)
ケーキのゴーレムがあの大きな体を縮めて、狭いキッチンで愛らしい……と呼ぶには若干疑問を呈するものもあったが……を作る。なかなかメルヘンチックな光景ではないか。
もっともケーキゴーレムはUDCであり、食材もUDCではあるのだが。
具体的にどんなUDCだったのかは……今は考えない事にしよう。
「パンケーキ、美味しかったよ。ハロウィンを先取りしている遊び心も良かった」
ぱちぱち、とお愛想の拍手を一つ。
「まあ、触手は僕の趣味じゃなかったけどね」
少し困ったように万考は笑った。それもそうだ。触手パンケーキを好んで食べるのは、余程のゲテモノ趣味の者か、そういうものを取り込む狙いが初めからあるものだけだろう。
先程の認識阻害で敵に回ったチョコレート兵は全てなぎ倒してしまった。新たに呼び出すのにはさらなるケーキゴーレムの体の犠牲がいる。
しかし、万考が風邪を巻き起こし、花弁を散らし攻撃の体勢に入ったのを見ると、自分一人では分が悪いと悟ったのだろう。クリームを犠牲にしながら、さらなるチョコレート兵たちを呼び出す。
『こんどはちゃんと戦ってくれよ!』
しかし、ゴーレムに比べると小さいチョコレート兵たちは、花弁に切り裂かれ、槍化した花戦布で振り払われ、あっけなくその役目を終える。まだまだ呼び出されつつあるが、その分ケーキゴーレムのクリームが減っていっているのは明らかだ。
「自慢の生クリーム、だいぶ減っちゃったね?」
『なにを、まだまだ!』
数が一気に増えたチョコレート兵に囲まれかけ、叢雲で離脱を測った万考は、残りのチョコレート兵をもヒット&アウェイで散らしていく。
まだまだ、と。口ではそう言いつつもそれ以上はケーキゴーレムも辛いのだろう、そろそろクリームが減ってスポンジが見え始めている。
徒花連鎖。見え始めたスポンジを狙って、ケーキゴーレムを串刺しにする。仙術を込めた蛇結茨の種子を植え付け、芽吹いたそれは幾重にも絡まりつく蔦の拘束となる。刺毒の幻惑は、ケーキゴーレムに万考の幻影を見せた。
「僕が仲間になった幻でも見るといいよ」
そう呟くと、印を切る。春雷から呼んだ特大の雷が、ケーキゴーレムを焦がした。
「人を害さなければ愉快な店で済んだだろうに。」
「潰すには惜しい店だと思うよ」
残念そうに万考は店を遣るのだった。
大成功
🔵🔵🔵
黒木・摩那
◎◆
材料に何を使ったか、などというのはあえて聞きませんが、
味はよかったですよ。
ここで倒してしまうには惜しい腕ではありますが、これ以上、お仲間を増やされても困ります。
ここで料理してあげます。
ケーキといったら、憧れのケーキ入刀ですね!
魔法剣『緋月絢爛』で戦います。
まずはUC【万散鏡花】で召喚された騎士たちを露払い。
正面が空いたところを【ダッシュ】で駆けて、剣でゴーストを【なぎ払い】します。
食後には食べた分だけは運動しないとね
●
「材料に何を使ったか、などというのはあえて聞きませんが」
摩那は現れたケーキゴーレムを見て呟く。ケーキ型のUDCがいるのだ、ケーキに使えるUDCがいてもおかしくないだろう。
そこまで考えて彼女は思考を止めた。ケーキに使えるUDC程度なら良い、もっとおぞましいものが使われていたら、と考えてしまったからだ。
「こほん。……味はよかったですよ」
『それは光栄』
先程の雷でぷすぷすとところどころ焦げて煙を上げ、若干小さくなったケーキゴーレムに、摩那は魔法剣『緋月絢爛』を構える。
ここで倒すには惜しい腕ではあるが、これ以上仲間を増やされては困る。
ただでさえ、行方不明者が出ているのだ。放っておくという選択肢はなかった。
「ここで料理してあげます」
『なにを、私はすでにこれで完成形である!……少々焦げてしまったが』
「そういうことじゃありませんよ」
む、と摩那は刀を構える。
「さて。ケーキといったら、憧れのケーキ入刀ですね!」
とはいえ、隣に愛すべき人はいない。そして、これだけクリームで脂ぎったケーキを愛刀で断つのなら、後程しっかりした手入れが必要になるが……その辺りもまは考えないことにした。
『これ以上クリームは減らしたくなかったが…っ!』
ケーキゴーレムはチョコレート兵を呼び出しにかかる。お腹の扉から改めて飛び出し始めた兵士たちは、口々に愚痴る。
『王様、俺たちを戦わせすぎじゃね?』
『頼られる身もつらいよな』
『……ええい、お前ら戦え!』
「どれだけ呼び出そうと同じことですよ。ちゃちゃっと刀の錆にしてあげます」
万散鏡花。摩那の周囲に1420本の光る刃が展開される。
これだけの数があれば、討ち漏らし等まずない。ケーキゴーレムの残りのクリームで、そんなにたくさんの兵を呼び出せるわけがないのだから。刃は一人残らず兵士たちを切り刻むと、そこには見事な刻みチョコレートの出来上がり。
その上をダッシュ&ジャンプで飛び越えると、摩那は巨大なケーキゴーレムを薙ぎ払った。
真横に真っ二つにされたケーキゴーレムは、グググ……とうめき声を上げながら、重量級の音を立てて倒れる。
「ふむ、切れ味もなかなかわるくなかったわね。食後の運動としては、こんなものかしら。」
食後には食べた分だけは運動しないとね。そう呟くと摩那は背伸びを一つ。
「それにしても、こんな音を立てるなんて……中には何が入ってたのかしら」
ともあれ、シェフは倒れ、一難は去った。
あとは店内にいるであろう行方不明者を探すのみである。
大成功
🔵🔵🔵
第3章 集団戦
『邪神の肉腫』
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POW : 邪神の囁き
戦場内に【甘い香りに満ちた猛毒の息】を放ち、命中した対象全員の行動を自在に操れる。ただし、13秒ごとに自身の寿命を削る。
SPD : 邪神の指先
自身の身体部位ひとつを【敵に対して最も効果的な触手】に変異させ、その特性を活かした様々な行動が可能となる。
WIZ : 邪神の涎
全身を【思考力を奪う粘液】で覆い、共に戦う仲間全員が敵から受けた【身体的接触数】の合計に比例し、自身の攻撃回数を増加する。
👑11
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●
がたんごとんと店の奥から音がする。
「シェフ……何事ですか……シェフ!?」
店の奥から現れたのは、肉塊の芋虫とでも呼ぶべきおぞましい怪物。――おそらくこれが、店に通い詰めた客や店員の成れの果てなのだろう。
可哀想ではあるが、これをもとに戻してやることは難しい。倒してやるしか方法はないのだろう。
黒木・摩那
◎◆
あぁ、ここまで変化してしまうともう戻る手段もないですね。
残念ですが、ここで命を断ってあげるのが一番の供養になるというものです。
ここは手早く決着を付けましょう。
魔法剣『緋月絢爛』で戦います。
UC【乱舞雷花】を発動。
感電した敵には剣でとどめを刺していきます。
こんなにUDCを増やせばいつかは猟兵にバレるというものですが、
彼らはいったい何の目的でUDC料理を振る舞っていたんでしょうか。
単なる趣味にしては凝ってましたが。
情報はまだまだ集めていかないといけませんね。
●
「あぁ、ここまで変化してしまうともう戻る手段もないですね」
摩那はどこか哀れむように、肉塊の芋虫を見遣った。俄に人としての形状を残している箇所もあるが、『これ』を引きはがすのは骨であろう。
しかもキッチンの方からは他にもゾロソロと肉芋虫がやってきている。一匹だけじゃなかったのか。
「ボスの後に集団戦はキツいですね」
ここは手早く済ませてしまうのが一番だろうと摩那は剣を構える。
「……残念ですが、ここで命を断ってあげるのが一番の供養になるというものです」
「励起。昇圧、帯電を確認……散開!」
乱舞雷花。高圧電流を帯びたの花弁が辺りに舞う。薔薇、桔梗、木蓮をはじめとした、色とりどり、七色の花たちが戦場に舞う。
触れた者たちはびりびりと感電していた。麻痺したように動きを鈍らせた芋虫たちにとどめを刺していく。
この狭い店内で花弁たちを避けるのは不可能に近い。肉芋虫たちはつぎつぎに感電していった。
震えるそれらの急所に剣を突き立て、切断されれば肉色のそれは動かなくなった。
こんなにUDCを増やせばいつかは猟兵にバレるというものだろうに。
「彼らはいったい何の目的でUDC料理を振る舞っていたんでしょうか……」
仲間を増やすため?習性?それともただの趣味?
「――単なる趣味にしては凝ってましたが」
ふむ、と考えてみても答えは出ない。
「情報はまだまだ集めていかないといけませんね」
そう呟くと、摩那は店を立ち去るのだった。
大成功
🔵🔵🔵
グリルド・グラタニア
正気失って存在がUDCに近付いちゃったグラたんは引っ込めたけど、これ戻せるのかなー!?
ケーキゴーレムも退治されたからどうにか撤退したいところだけど…。
…うわーなんか禍々しいのいっぱい出てきちゃった。流石にこれ放置して逃げ帰りましたー★って言ったら怒られ発生だし、グラたんに延々擦られるよね…。
見様見真似で白兵戦仕掛けるしかないかな!
【指定UC】でストーンキョンシーズを傀儡として召喚するよ。付与するのは【転化食源】。石の身体でかつ思考力も持たないから有用なメタ戦闘員だねー。これを囮に肉腫を刈り取っていくよ!
いい感じだけど、何か忘れている気がする。白兵戦を仕掛けるボクの『身体』はUDCに近付いていて。正気度が削られたのは『ボクたち』で、この場には『砂糖のような甘い香り』が漂っていて――
…そうだ。…ボクは『仲間』のために食べ物を供給しないといけない。
【転化食源】でキョンシーやボク自身を、甘い甘い『邪神様に捧げる供物』<ケーキ>にしないと。
…あ、『なかま』がこっちに…❤
オイシク タベテ ネ――❤
●
(「正気失って存在がUDCに近付いちゃったグラたんは引っ込めたけど、これ戻せるのかなー!?」)
グリルドに戻った彼女は、そろそろ撤退を考えていた。
シェフであり元凶であるケーキゴーレムは倒された。グラタニアも味わうものは味わった。どうにか隙を見て離脱をしたいところだが、気づけば店の奥から肉芋虫たちがぞろぞろと現れ始めている。
(「…うわーなんか禍々しいのいっぱい出てきちゃった……」)
流石にこれ放置して逃げ帰りました、という訳にはいかないだろうし、グラタニアに延々擦られるだろう。
食をメインとした戦法を取る彼女にとって、白兵戦は不慣れである。しかし、仲間として戦った猟兵達の戦闘を見よう見まねで再現することはできるだろうか、と試してみる。
魂煮傀奪を使用し、ストーンキョンシーズを呼び出す。……ということはグリルドはストーンキョンシーズも食品化したということなのだろうか。さぞ石の料理は硬かっただろう――否、食品化されたら柔らかくなるのだろうか。
転化食源を彼らに付与し、囮に使う。さすが石のキョンシーだけあって、十分に頑丈な盾とななってくれた。石の身体でかつ思考力も持たない彼らは肉芋虫たちに惑わされる事なく進んで、刈り取っていく。
(「いい感じだけど、何か忘れている気がする……」)
思考がふわふわとし始める。辺りに甘い香りが漂っている。砂糖のような、お菓子のような、甘い甘い香り。
そう、白兵戦を仕掛けるグリルドの『身体』はUDCに近付いていて。正気度が削られたのは『グリルドとグラタニア』で――気づけば敵の術中に嵌っていた事に気づいた時には、すでに彼女の思考は乗っ取られかけていた。
(「…そうだ。…ボクは『仲間』のために食べ物を供給しないといけない」)
気づけば思考はすっかり甘い香りに浸食されていた。
ストーンキョンシーたちにつかわせていた転化食源を自らへと使用する。そう、グリルド自身を、甘い甘い
『邪神様に捧げる供物』にしなければ。
とはいえ、肉芋虫のこの術は自らの寿命を削る。彼女が助けられるのが先か、正気に戻るのが先か、それとも喰い尽くされるのが先か。
「…あ、『なかま』がこっちに…❤ オイシク タベテ ネ――❤」
大成功
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※トミーウォーカーからのお知らせ
ここからはトミーウォーカーの「猫目みなも」が代筆します。完成までハイペースで執筆しますので、どうぞご参加をお願いします!
アンガンチュール・アルヴィトル(サポート)
えっと…エンジェルのバロックメイカー×死霊術士、28歳の女です。
普段の口調は「僕っ娘(僕、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」。
大切な人には「少女(わたし、あなた、~さん、ね、よ、なの、なの?)」です。
吃音気味です。
…自分で言うのもなんですが、基本的に怖がりで、慎重に動く事を好みます。
自分で何かしようとすると高確率で失敗すると思っているので、可能な限り召喚したバロックレギオンにやらせたがります。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
絡みOK、NGなし。
あとはおまかせします。よろしくおねがいします…。
「え、えぇ……」
押し寄せる肉塊の如き蟲の群れに、アンガンチュール・アルヴィトル(ブロウクンハート・エンジェル・f34491)は恐怖半分ドン引き半分の表情で一歩踵を引く。
(「た、食べ続けた人をこんな怪物に変えてしまうお菓子……!? いくら絶品でも……無理、無理です
……!」)
翼を震わせる彼女の感情に呼応して、無数のバロックレギオンが宙へと滲み出る。アンガンチュールをもまるでスポンジケーキか何かのように喰らおうと顎を開いて這い寄ってきた蟲の群れに対し、恐怖心を触媒に生まれた悪夢の群れは嗤うような声を上げながらぶわりと広がり、新鮮なピンク色をした肉を触れた端からどす黒く染めて壊していく。だが、既に恐怖に対する感覚も壊れ果てているのか、かつて人間であったはずの肉芋虫はいくら仲間が腐り朽ちて消えていこうとも攻撃の勢いを緩めはしない。肉の一部が裂け、その内側から滑り出したおぞましき触手が、一斉にアンガンチュールへと迫る。けれど彼女が動くより早く、バロックレギオンは既に彼女の盾となるべく集結していた。執拗な触手の殴打を受けたバロックレギオンは捩れるように変形し、そのまま同じ形状の触手へと変じて、逆に芋虫の肉を深々と抉り取る。それを拳を握り締めて見守りながら、精一杯の声でアンガンチュールは言い放った。
「このバロックレギオンは……と、特別な子なんです……!」
成功
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バルタン・ノーヴェ
全員リクエストによる、各シナリオへの救援プレイングです。
長らく滞っていたり人手が足りてない時など、ご自由にご利用ください。
台詞のアレンジ、行動のアドリブ、他猟兵との連携歓迎。自作PBWも採用歓迎です。
ユーベルコードも指定外の、公開中から適当なものを使用してもらって構いません。
HAHAHA!
グリモア猟兵殿の要請に応じて参上デース!
お困りのようデスネー? ドントウォーリー! ワタシが手伝いマスヨー!
アタック、ディフェンス、他の方への支援! おまかせくだサーイ!
白兵戦、射撃戦、集団戦もボス戦もオーライ!
冒険の踏破や日常への奉仕活動も得意であります!
臨機応変に対処可能デース、よろしくお願いしマース!
「超絶美味しいスイーツとだけ聞けば、レシピに興味も湧いちゃいマスが……これはちょっと、ノーサンキューですネー!!」
店の扉をパイルバンカーの一撃で盛大にぶち破ってエントリーするなり、バルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)は笑顔のままで断言する。
「という訳で、今日はお料理ではなくお掃除に来まシタ! カモン、バルタンズ!」
『バルバルバルバル♪』
彼女の召喚に応えて現れたのは、実に百五十体近いミニ・バルタンの隊列。それぞれにきっちりお駄賃を与え、残る芋虫どもを一掃するのだとよく言い聞かせて、バルタン自身もまた銃を取る。
「HAHAHA! 今日がこのお店の閉店セールデース!!」
エスポワール――つくづく皮肉な名の店だが、その命運も今日までだ。派手に薬莢が飛び散り、バルタンズの鬨の声が轟く中、一体、また一体と肉塊の蟲は急所を穿たれ、のたうち苦しむ間もなく絶命していく。――ほどなくして店内に静寂が戻った時、肉片と体液の散らばる凄惨な空間の中で、一体のミニ・バルタンがもはや燃えカスと化した紙片を拾い上げた。差し出されたそれ――恐らくは『レシピ』であったものの黒い残骸は、バルタンの手の中で限界を迎え、崩れ零れていった。
大成功
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