癒しのロボットビーストカフェ
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そのロボットビーストカフェは、オープンしてからまだ間がないが、連日大盛況であった。
「ニャー」
「ワンワン!!」
サイバーザナドゥに存在する動物を模した高機能ロボットビースト。犬猫や狐、梟やインコにイタチ。普段であれば触れ合えない様な動物のロボット達と楽しく過ごせるというだけでなく、その空間には癒し効果のあるというヒーリングミュージックが流れており、提供されるドリンクも美味しいと評判だ。
その全てが、訪れる人々に癒しを与えてくれると、巷で人気だったのだ。
「あ……ロボットビーストカフェ……行かないと……」
しかし、常連客の中に、まるで中毒でも起こしているかのように、それが義務であるかのように、毎日毎日通う者達が現れてきた。
「あんた昨日も行ったよね? 今日は時間が遅いから……」
「遅くてもなんでも……行かないと……」
まるでうわごとのように繰り返しながら、今日もまた、常連客達はサイバースペース内のロボットビーストカフェへと向かう。
「もしかして、ウイルスとか? いや……まさかね」
しかし、どこかおかしいと思いつつも、彼らの周囲の人々は、彼らを止められずにいるのだった。
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「サイバーザナドゥのサイバースペースにて、メガコーポの運営するとあるロボットビーストカフェが『癒しスポット』として人気を博しているのですが……」
プルミエール・ラヴィンスは、集まった猟兵達にそう語り始める。だが、だからといってなんだというのだろう? 別に、ロボットビーストカフェが人気だからって、何か? 首を傾げる猟兵達に、プルミエールは続ける。
「実は、そのエリアの何処かに遅効性の思考破壊プログラム、ヤマラージャ・アイビーが仕掛けられているらしく、このままでは来店頻度の高い常連客から思考が破壊され、彼らはメガコーポの尖兵にされてしまうのです」
それを聞いた猟兵達は、あまりに非情な予知に愕然とする。
それは、大変な事件だ。
癒しを求めて可愛いロボットビースト達と戯れていたら、思考破壊プログラムの餌食になって、挙句メガコーポの尖兵として使い潰されてしまうとは。
そんな事件、起こさせてはいけない。
「まずは普通に観光客としてロボットビーストカフェに行き、ヤマラージャ・アイビーが仕掛けられている箇所を特定してください。おそらくはその段階でセキュリティが働き、メガコーポからの妨害が入り始めるかと思いますが……皆さんなら無事、プログラムを止めてくださると信じています」
秋野
今回は全3章のシナリオになります。
●第1章
観光客として話題のロボットビーストカフェに行き、調査を行います。ロボットビーストにはまるで本物の動物かのような見かけのものもあれば、見た目からしてロボットらしい無機質な見た目のものまで様々です。
●第2章
セキュリティシステムが起動し、集団戦となります。
●第3章
ボス戦になります。
みなさま、ご参加お待ちしております。
第1章 日常
『ロボットビーストカフェ!』
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POW : 情熱と心を込めて接する
SPD : 素早くいっぱい同時に接する
WIZ : 動物の生態を思い出しながら接する
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堂島・アキラ
わんちゃんカワイイ☆思わず抱きしめちゃう♪
……おい、そこのお前。どうだ、カワイイだろ?
あぁん?ちげーよ。
ロボットじゃなくてオレだよオレ!どこに目ぇ付けてんだよ。
動物と戯れる美少女。最高にカワイイ絵面のはずだが……ま、他の客に絡むのはほどほどにしておくか。
んで、件のプログラムだがまずは怪しいのはこのロボットビーストだろ。
あとは音楽、スピーカーからって線もあるな。
怪しい物は片っ端から調べねえとな。サイバーアイでスキャンしてもいいし、必要なら有線接続して隅々まで調べてやる。
どうするにしても目立たねえようにやらねえとな。ま、バレたらそん時はそん時だけどな。
「わんちゃんカワイイ☆ 思わず抱きしめちゃう♪」
堂島・アキラ(Cyberサイ×Kawaiiかわ・f36538)は小さくてもふもふとしたリアルめな小型犬タイプのロボットビーストを一体抱き上げて、ぎゅうっと抱きしめ頬を寄せる。
「……おい、そこのお前。どうだ、カワイイだろ?」
一通りぎゅうぎゅうもふもふと可愛い小型犬ロボットと戯れた後、それを抱いたまま近くにいた青年へと声をかける。その声音は可憐な美少女のものなれど、迫力は決して可憐ではなかった。
「は、ハヒィッ?! あ、可愛いですよね!! そのタイプのロボットビースト、小型で抱き心地も毛並みも良いし、瞳もつぶらで人懐っこいし」
一瞬迫力に気圧された青年であるが、そのロボットビーストと少女の姿に気が緩んだらしい。ふわりと笑ってそう返したが、しかし。
「あぁん? ちげーよ。
ロボットじゃなくてオレだよオレ! どこに目ぇ付けてんだよ」
ッチ! と舌打ちを漏らすアキラであるが、見た目重視の彼女(彼)のロボットビーストの置き方は、荒々しい口調に反して柔らかで丁寧だった。
動物と戯れる美少女。最高にカワイイ絵面のはずだが……おかしいな。件のプログラムのせいか?
苛立たしさは腹の奥に押し込めつつ、一つ小さく息を吐く。
客に絡むのもそこそこにして、怪しい物を調べねぇとな。
胸中呟きつつ、アキラは辺りを見回す。まず怪しいのはこのロボットビースト。それから、音楽……スピーカー。内装って可能性もあるだろうか。それとも。
「ひとまず目立たねぇように……」
バレたらバレたでその時だが。
呟きながら端の方に可愛らしく腰掛けたアキラは、こっそりとサイバーリンクシステムで周囲の目ぼしいものへと有線接続型電脳を接続し、調査を始めるのだった。
大成功
🔵🔵🔵
バーク・ドビー
「へえ、久しぶりに古巣に帰ってきたが、こんなかわいい……っ、わけのわからんコンセプトの店もあんだな」
一瞬ゆるんだ頬を引き締めてバークは、ブラックコーヒーを注文するだろう。
戦場でつちかった敵の位置を素早く観察する能力で、数々の動物を吟味していく。しかしかわいさと店の雰囲気になごみ、ぼんやり時をすごしてしまう。
「もしかしてすでに俺の思考も破壊されてるんじゃ」
そんな予感に身震いして、情報を得ようと他の客やウェイターに店に変わった様子はないか話しかけるかもしれない。そして動物たちと触れあいたい気持ちを抑えられないかもしれない。
アリス・セカンドカラー(サポート)
お任せプレ、汝が為したいように為すがよい♥
ヴィジランテの説明と初期UCを根拠に技能値100以上の技能はUC並に鍛えたと主張。
狂言回し。あると便利な
舞台装置
タイムフォールダウンでの
時間質量操作で時間を凍結する。
魔術的パラダイムシフトで世界観を転換する混沌魔術の使い手。戦闘、諜報、輜重とマルチに活動可能。
依頼の成功を大前提に、あわよくば己の欲望を満たそうとするかも?
エナジードレインと
融合でえっちなのうみそおいしいです♥
「へえ、久しぶりに古巣に帰ってきたが、こんなかわいい……っ、わけのわからんコンセプトの店もあんだな」
サイバーザナドゥを故郷に持つバーク・ドビー(レプリカントの宇宙海賊・f41317)は、一瞬緩み掛けた頬を引き締めながら、ブラックコーヒーを注文して腰を下ろす。程なくして周囲をロボットビーストに囲まれ始めたバークだが、一応目的を忘れてはいなかった。
怪しいところがないか、ロボットビースト一体一体へと意識を向け、異常がないかと戦場で培った眼と勘を使って観察し……ていた、はずなのだが、しかし。
「……はっ!!」
ブラックコーヒーが無くなる頃には、バークは可愛さと店の雰囲気に和み、ぼんやりとした時間を過ごしてしまっていた。
もしや俺はもう既に思考が破壊されてしまっているのでは?
慌てたバークは、近くを通る店員や客達に怪しまれない程度に聞き込みをしていくが、その手は愛らしいロボット犬とロボット猫を撫でており、触れ合いたい気持ちがそこここから漏れ出ていた。
「ふぅん……?」
その会話に耳を傾けていたアリス・セカンドカラー(不可思議な腐敗の混沌魔術師ケイオト艶魔少女・f05202)。客や店員達のその言動にはあからさまに怪しい所はない。かと言って、足元を歩くロボットビースト達も調査していたが、やはり怪しいところはなかった。
残るはドリンクと、内装と、音楽と。
同時進行で情報収集していく猟兵達の齎す情報の数々を、アリスは高速で処理していく。そして。
「なるほど……」
ロボットアニマルを撫でながら、アリスが視線を向けた先。そこは、癒しのヒーリングミュージックを流しているスピーカーがある部分。
「プログラムが仕込まれているのは……そこね」
音楽を通して客達の頭に遅効性の思考破壊プログラム、ヤマラージャ・アイビーを客達の頭に流し込んでいく、その発生源。過酷な日々を生きる為の癒しを、ひとときの幸せを求めてやってきた人々を、メガコーポの尖兵に仕立て上げるという、残酷な計画の要。
「これを壊せば、計画は破綻する……って事ね?」
アリスがそう呟くと同時に音が止み、灯りが落ちて、ロボットアニマル達が捌けていく。
その異変こそが、アリスの導き出した答えが正しいと物語っていた。
成功
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第2章 集団戦
『スラム・ハッカー』
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POW : クラッシュ・プログラム
対象に【肉体暴走プログラム】を憑依させる。対象は攻撃力が5倍になる代わり、攻撃の度に生命力を30%失うようになる。
SPD : アクセラレーション・プログラム
自身に【超加速プログラム】をまとい、高速移動と【ショットガンからの散弾】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ : クレイジーワールドプログラム
戦場内を【バグまみれのゲーム】世界に交換する。この世界は「【移動はゆっくりとした歩行のみ】の法則」を持ち、違反者は行動成功率が低下する。
👑11
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どごっ! ぼごっ!!
何かを殴るような音が数度響き、扉が揺れる。数秒後。
「う、うごぉ……ぉ、ご……」
ロボットアニマルカフェへとスラム・ハッカー達が、不明瞭な呻き声を上げながら雪崩れ込んで来る。その間にスピーカーは壁の奥へと引っ込んで、見えなくなってしまっていた。
ふと猟兵達が窓や壊された扉の隙間から外を見ると、外は店内に入ってきたのと同じ、スラム・ハッカー達に囲まれている。
セキュリティが発動したのだろう。こいつらを倒さなければ、音楽を構成しているプログラムやスピーカーを破壊する事は出来そうにない。何より、戦わなければただ袋叩きにされるだけだ。
それを悟った猟兵達は、それぞれに武器を取り、構えるのだった。
バーク・ドビー
「おいおい、せっかくのワンちゃんニャンちゃんたちが逃げちまったじゃねえか、どうしてくれるんだよ」
バークは落胆を隠しきれずにゆらりと立ち上がると、スラムハッカーたちに向き直り左手でレイガンを構える。
【制圧射撃】で相手の動きを止めようとした後、
利き手で腰のカトラスを抜き、ハッカーたちに一閃を浴びせるため剣を振る。
レイガンでの攻撃の手も弛めぬまま、怒りのまま剣撃を繰り出す。
「俺はなあ、綺麗なもんとかわいいもんが大好きなんだよ!そいつらを使って悪さしやがって、許さん!」
もうかわいいアニマルへの憧憬は隠せない!この恨みはらさでおくべきか!
ぴゃっ、と蜘蛛の子を散らすように居なくなってしまったロボットビースト達に、バークは怒りの表情で立ち上がる。
「おいおい、せっかくのワンちゃんニャンちゃんたちが逃げちまったじゃねえか、どうしてくれるんだよ……」
入店時にはかわいいものが好き、という部分を隠そうとしていたバークであるが、あまりの怒りと悲しみとに最早そんな事はどうでも良くなっていた。とにかく、である。
「許さねぇからな……っ!!」
左手でレイガンを構えると、わらわらと店内へと雪崩れ込んできたスラムハッカーの先頭の一人に照準を合わせ、引き金を引く。発せられたレーザーは、じゅっと肉の焦げる音をさせながら、スラムハッカーの足を撃ち抜いた。
しかし、クラッシュ・プログラムで肉体暴走プログラムを憑依させられたスラムハッカーは、その痛みを気にせずひたすら前は前へと進んでいく。
哀れな人の成れの果て。憐憫を感じるその姿。しかし、バークにとってはそんな事はどうでもいい。
「俺はなあ、綺麗なもんとかわいいもんが大好きなんだよ! そいつらを使って悪さしやがって、許さん!」
最早隠す気など欠片もないその内心を、惜しげもなく吐露しながら、バークはレイガンの射撃を続けたまま、もう片方の手にカトラスを持ち、スラムハッカーへと斬りかかる。
かわいいアニマル達への憧憬と、彼らとの楽しいふれあいの時間を邪魔された恨みが込められた斬撃と射撃は、スラムハッカー達を確かに打ちのめしていくのだった。
成功
🔵🔵🔴

エクティア・クロンユナイールゥ
※アドリブ大歓迎
ゾンビ?ですかね、この連中は。
まぁ、なんであれ全て葬ればいいだけですね。これが私なりの慈悲です。
さて、わらわらと湧いてるので纏めていきましょうか。
使うUCは蒼煌の魂で無限に出力を上げて限界突破した
蒼雷閃光翼です。
敵の攻撃は蒼煌ギアで非常に遅い世界の中で戦闘演算と瞬間思考力を合わせて常に最適解を選択します。
そして、仮にあたってもあらゆる物理攻撃の威力を大幅に軽減しほぼ無効化する蒼煌ドレスを華麗にひるがえしながら蒼き雷閃の雷速で回避しながらチャージして、たっぷりチャージしたら蒼煌ギアの最適解でロックオンして一気に発射します。
「ゾンビ? ですかね、この連中は」
不明瞭な呻き声をあげるスラムハッカー達を前に、エクティア・クロンユナイールゥ(不死身の蒼煌雷霆ブラウ・ケラウノス・f39247)は内心首を傾げる。血色の悪い不健康そうな肌に、口元から垂れていく血液混じりの涎。目元は覆われていて見えないが、恐らくまともな状態では無いのだろう。
ゾンビです、と言われれば納得しそうな見た目だが、果たして。まぁ、ゾンビだろうがハッカーだろうが浮浪者だろうが、人々に害なす者であるという事は殊この場においては間違いない。
「なんであれ全て葬ればいいだけですね。これが私なりの慈悲です」
単純明快な答えを叩き出しながら、エクティアはスラムハッカー達を敢えて惹きつけるようにドレスを翻しながら外へと走っていく。
「うがぁっ
……!!」
クラッシュ・プログラムにより攻撃力の代わりに肉体を苛まれ続けるスラムハッカー達。だが、いくら攻撃力が上がろうと、その攻撃は当たらなければ意味はない。翻弄され、追いかけては互いが障害となる中で、スラムハッカー達はクレイジーワールドプログラムを使用する。
バグまみれのゲーム世界に交換された空間に於いて、移動はゆっくりとした歩行のみとなる。違反者は行動成功率が低下するというペナルティが付与されるが、しかし。
「成功率が低下する……ですか。それなら、成功するまで繰り返せば良いだけの事」
なるべく苦しまないよう、効率よく葬ってあげようという配慮を自ら無碍にするとは。エクティアはペナルティの事など無視をして、
蒼き雷閃で極限まで速度を上げ、いつの間にか誘導され一塊になったスラムハッカー達へと
蒼雷閃光翼を炸裂させる。
限界を突破した蒼き雷のホーミングレーザーは、一塊にしたスラムハッカー達の最後の一体が焼き払われるまで、発射され続けたのだった。
大成功
🔵🔵🔵
シェリー・クサナギ(サポート)
「美しくない世界なんて、生きるに値しないわ」
◆口調
・一人称はワタシ、二人称はアナタ
・女性的な口調
◆性質・特技
・血液の形状を自在に操作する能力を保有する
・可愛いものには目がない
◆行動傾向
・暴力と砂嵐が支配する狂気の世界において、美しいものと可愛いものこそが人の心を救うと信じ、それらを護るために戦ってきた歴戦の奪還者です。社会通念や秩序に囚われることなく、独自の価値観を重んじます(混沌/中庸)
・彼にとって『美しさ』は外見だけでなく、義侠心や献身的な姿勢、逞しく生きようとする精神の高貴さも含まれます。これを持つものは敵であっても尊重します(が、世界を脅かす存在は『美しくない』ので結局戦います)
ラムダ・ツァオ(サポート)
ラムダよ、よろしく。
戦闘なら足と手数で勝負するけど、周りに合わせて臨機応変に動くわ。
見切ったり残像を残すように動いたりと、避けるのには多少の自信があるわよ。
集団戦なら死角を減らすために数を減らすのが先決、
あとは一緒に戦う人がいればその人次第かしら。
行動指針としては以下の3通りが主。
1.味方の死角にいる敵を優先して片付ける。
2.範囲攻撃を行なえる味方がいなければ範囲攻撃優先。
3.数を減らすため、止めをさせそうな相手を狙っていく。
台詞回しや立ち位置などは無理のない範囲でご随意に。
ユーベルコードは状況に応じて使い分けます。
アドリブ・連携歓迎
外見や身嗜みなど気にしている様子のないスラムハッカー達。
この事件を引き起こした者が彼らの本質を変えてしまったのか、はたまた元々興味の全てが自身の内側に向いていて外見など気にしない、自分さえ楽しめればそれで良いという自己中心的な者達であったのか。どれが正しいのか、定かではないものの。
「出立ちから立ち居振る舞いまで、何もかもが美しくないわね……」
呟きつつ、スラムハッカー達の隙間を縫って外へと出るシェリー・クサナギ(荒野に咲く一輪の花・f35117)。相手の数は数えるのが面倒な程度には多い。まずは数を減らすところからだ。
素早く場所を確保し、ヴァーチュアを構え、狙いを澄ませて引き金を引く。
「さっさと片付けるわよ」
自身に背を向けているスラムハッカーを優先して、その頭部を正確に撃ち抜いていく。しかし。
「とはいえ……さすが、丈夫ね」
頭部を撃ち抜かれたスラムハッカーは、ダメージを受けた様子こそあれど、倒れる素振りはない。まともな痛覚も身体機能もどこかに置いてきたのか、それともこのサイバー空間に居るにあたってデータを書き換えたのか。とはいえ、倒せない相手では無いのだ。
「どのくらい撃てば倒れるかしらね?」
首を傾げつつ、シェリーは心臓、腹部、腰と、通常であれば急所と言われる場所を中心に、順番に弾を撃ち込んで行くのだった。
「手際が良いわね」
ラムダ・ツァオ(影・f00001)はシェリーのその動きや他の猟兵達の動きを視界の隅に捉えつつ、冷静に状況を見極めていく。
実力としては猟兵達に軍配が上がるのは間違いない。だが、いかんせん数が多い。この場で戦う全員がそれは理解し、数を減らす事をまず念頭に戦っているが、思ったように敵が減っていないのが現状だ。
ならば、倒せるところから倒していき、確実に数を減らしていくのが先決と、ラムダは判断した。
「纏え」
纏衣無縫で召喚された衣装は軽装なものだが、隠密性に優れたものだった。それを見てとったラムダは、黒刃を手に、攻撃に晒され混乱の只中にいるスラムハッカー達の間にするりと身を滑り込ませ、そして。
「トドメよ」
突き刺した黒い短剣がその胸を貫くと、スラムハッカー一体がその場に崩れ落ちる。さっと刃を引き抜き、素早くその場を離れ、そして。
「次ね……っ!!」
一体でも多くのスラムハッカーを屠るべく、視線を左右へ走らせ、ラムダは次に狙いを定めていくのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
政木・朱鞠(サポート)
確かに集団相手の対応は厄介だけど悩む時間が勿体ないし、困っている人をほったらかしにしてたら、あっと言う間に未来が過去に喰い潰され無いように、今は目の前のターゲットを倒すことに集中しないとね…。
死ぬこと以外はかすり傷とまでは言わないけど、ここで退くわけには行かないよね。
戦闘
相手は多勢…手数で押し負けないようにしないとね。
武器は拷問具『荊野鎖』をチョイスして、『咎力封じ』を使用して動きを封じて、【鎧砕き】や【鎧無視攻撃】の技能を使い【傷口をえぐる】でダメージを与える戦法を取ろうかな。
アドリブ連帯歓迎
徳川・家光(サポート)
『将軍なんだから、戦わなきゃね』
『この家光、悪は決して許せぬ!』
『一か八か……嫌いな言葉じゃありません!』
サムライエンパイアの将軍ですが、普通の猟兵として描写戴けると嬉しいです。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使いますが、全般的に「悪事を許せない」直情的な傾向と、「負傷を厭わない」捨て身の戦法を得意とします。
嫁が何百人もいるので色仕掛けには反応しません。
よく使う武器は「大天狗正宗・千子村正権現・鎚曇斬剣」です。
普段の一人称は「僕」、真剣な時は「余」です。
あとはおまかせです!
エリカ・グランドール(サポート)
サイボーグのシャーマン×電脳魔術士のエリカ・グランドールです。
戦闘はあまり得意ではありませんが、周囲の状況を観察して違和感のある箇所を発見したり、敵の弱点を推測して隙を作り出すといった行動で皆さんをサポートしたいです。
※セリフ例
「今、何か光りました。ここに何かあるのでは……」
「あの敵の動きには規則性があるわ。うまく狙う事が出来れば……」
冷静沈着と言う程ではありませんが、ビックリする事はあまりありません。
あと、笑いのツボが良くわかっておらず「今の、どこがおもしろかったのでしょうか?」と、真面目に聞き返す事もあるようです。
ユーベルコードは、エレクトロレギオンを好んで使います。
ロボットアニマルカフェからスラムハッカー達を外へと誘導しながら路上に出た猟兵達。一応、ロボットアニマルカフェの中にスラムハッカー達の姿はない。ということは、恐らく路上に展開しているスラムハッカーで全て、と言う事だ。
「あと少し……ですね」
周囲を見回しスラムハッカー達の姿を大雑把に確認しつつ、徳川・家光(江戸幕府将軍・f04430)は
鎚曇斬剣を構える。
「そうですね。今のところは。ここにいる分を倒せば、きっと」
次は、ボスが現れる。
エリカ・グランドール(サイボーグのシャーマン・f02103)は隙なく辺りを観察し、状況を整理しながら答える。
ここでスラムハッカー達を一掃し、その勢いで元凶を倒す。この悪辣な事件を解決するには、きっとそれが一番早い。
「では、一気に倒します」
人々の癒やしを求める気持ちを利用するというのは、十分な悪事である。ロボットアニマル達との触れ合いを楽しみに来ていた常連客や、噂を聞きいつか来たいと思っていた人々の為に。
家光は敢えて目立つところに躍り出て、鎚曇斬剣を構える。すると、狙い通りにそれに気付いたスラムハッカー達は、家光の方へと進路を変え、押し寄せていく。
そんなスラムハッカー達が一定の範囲内に一塊になったそのタイミングで、家光は叫ぶ。
「天の水甕よ、土蜘蛛より奪いし剣を伝い、我が敵を飲み込め!」
鎚曇斬剣から放った水の濁流はスラムハッカー達を呑み込んで、押し流していく。そのまま刃を振るい、スラムハッカー達を一体ずつ確実に屠っていく家光。その攻撃を援護するように、エリカはスラムハッカー達へと展開した攻撃力重視の内蔵武器で、攻撃を叩き込んでいく。
一体、また一体と斃れていくスラムハッカー達。
着実にとどめを指していくエリカと家光の死角から、倒れたままのスラムハッカーが手を伸ばす。
「おとなしく倒されてなさい」
2人の背後に迫ったスラムハッカーの死角に足音もなく立った政木・朱鞠(狐龍の姫忍・f00521)。スラムハッカーがその声に振り返るよりも早く、荊野鎖でその身体を絡め取り、ぎゅうっと力一杯手前に引いて、その身体へとスパイクを突き刺すように地面へと引き摺り倒す。
潰れた蛙のような呻きを漏らしながら倒れたスラムハッカーへと、家光はトドメとなる一撃を叩き込んだ。
「後ろです!!」
エリカが叫ぶ。それと同時に、朱鞠は背後から僅かに衣擦れの風を感じた。振り返るよりも先に、朱鞠は感覚と予測を頼りに前に飛ぶ。
そのコンマ数秒後、朱鞠の居た場所に、肉体暴走プログラムを憑依させたスラムハッカーの命を賭けた拳が叩き込まれるが、もう既にそこに朱鞠はいない。
その代わりに。
「これで、おしまいです!!」
エリカの声を聞き、いち早く反撃の為に動いていた家光が、上段から剣を振り下ろす。全力の一閃は、スラムハッカーの胴体を叩き斬ったのだった。
周囲に見える敵は、もういない。
「…………倒したようですね」
それでも暫く気配を探り、サイバーアイで周囲を観察、分析したエリカのその呟きに、漸く猟兵達は息を吐いたのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
春野・優勝
人気の癒しスポットねぇ。
……こいつぁ聞いていた話と違げぇますなぁ。(外側から店舗を囲む敵を眺めながら)
まあ、こうなってるって事は、恐らく事の進捗は悪くはねぇんでしょう。真打なんぞと言うつもりはごぜぇやせんが、間に合ったからにはきっちり仕事をしやしょう。
サイバーリンクシステムを使い、手持ちのドスソード、チャカリボルバーの処理速度を向上させやす。
さて、どうもやっこさんら、攻撃する度に体の調子が悪くなるらしい。なら、まともに戦う必要はありやせん。ドスソードをぶち当てて攻撃をいなしてやり、チャカリボルバーで牽制の弾を撃ち込み、弱り切った所で頭かち割るなり、脳天ぶち抜くなりしてやりゃあいい。
一方、アニマルロボットカフェから少し離れた箇所から、店の方を伺っていた春野・優勝(ガンブレイドゴクドー・f36545)。
人気の癒しスポットと聞いたが、倒されたスラムハッカー達が周囲を囲むその有様は、聞いていた話とかけ離れていた。しかし、これだけのスラムハッカー達が倒されているのであれば、恐らく事の進捗は悪くはないのだろう。
「間に合わなかったかと焦ったまいやしたが……どうやらまだ残りがいたようで」
すくりと立ち上がった優勝は、ゆったりとした様子で立ち上がり、ドスソードを肩に担ぐように構える。もう片方の手には、チャカリボルバー。両方とも、サイバーリンクシステムで処理速度を上げている。
そして、その目の前にゆらりゆらりと身体を揺らしつつ立ち塞がるのは、店の方の猟兵に飛ばされたのか、逸れたのか……とにかく一体だけ残ったスラムハッカーだった。
「ぅ、がぁぁぁぁぁっ!!」
口の端から涎を撒き散らしながら、超加速プログラムを憑依させたスラムハッカーは高速で移動しながらショットガンから散弾を撒き散らす。
「危ねぇったらねぇな」
相手の移動速度は上がっているとはいえ、動きは比較的単調で、その上その速度で動ける代わりに消耗するらしい。こちらも無傷では済まないが、不利な戦いではない。
かく、かく、と時折ブレる動きに狙いを絞り、頬を掠める散弾を意に介さずに、チャカリボルバーの引き金を引く。一発、二発、三発。その内の一発がらスラムハッカーの足を撃ち抜いた。
「がぁっ
!!!!」
悲鳴と共に足が止まったスラムハッカーへと、一気に距離を詰め、そして。
「これで終いでさぁ」
優勝は、振り上げたドスソードでスラムハッカーの頭をかち割ったのだった。
大成功
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第3章 ボス戦
『龍爪公司特級社員』
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POW : 社是:我等は、楽園を支配する一匹の巨龍である
【電子の龍】に変身する。変身の度に自身の【頭】の数と身長が2倍になり、負傷が回復する。
SPD : 経営理念:全ての計画は、社の発展のためにある
【データベースに蓄積された全ての業務記録】から【類似する事例】を発見する事で、対象の攻撃を予測し回避する。[類似する事例]を教えられた者も同じ能力を得る。
WIZ : 社訓:公司の名の下に、その命を捧げよ
レベル×1体の【龍爪公司下級社員】を召喚する。[龍爪公司下級社員]は【愛社】属性の戦闘能力を持ち、十分な時間があれば城や街を築く。
👑11
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こつ、こつ、こつ。
誰もいなくなった筈のロボットアニマルカフェから、ハイヒールで歩く音がする。
「貴方方が、我が社の営業を妨害する方々ですか」
冷たく澄んだ声と共に、カフェの中から龍爪公司特級社員が姿を表す。ピンと伸びた背筋。その腰を直角に折り、彼女は告げる。
「皆様がいらっしゃると、お客様が入店できません。早急なご退出を願います」
そう言って再度伸ばした腰は、またぴんと板が入っているかのように真っ直ぐに伸びた。その瞳には、敵意や殺意といったものは、一切ない。
そこにあるのは、ただ職務に忠実に動こうとする、鋼の意志のみであった。
藤堂・こずゑ(サポート)
あまり見た目妖狐っぽくないけど、妖狐なの
右目を何とか見せない、見ない様に生きてるわ
妖狐な部分は出したくないから…
依頼に拘りは無いわ
誰とでも連携し、どんなのでも遂行してみせるわよ
日常パートはアンニュイな感じでクールに過ごすわ
一応喜怒哀楽はあるつもり
戦闘パートは古流剣術で挑むけど…
流派は忘れちゃった
マイナーだから廃れちゃったみたい
振るう刀は宵桜(ヨイザクラ)ね
可愛いでしょ
大気の流れを読んで攻撃したり避けたり、後の先を得意とするわ
UCはどれでも使用し、攻撃するUCばかりだけど…
他の猟兵との連携などで避けて敵を引き付ける必要がある時は『流水の動き』を使ってね
後はマスター様にお任せするわ
宜しくね
ウルスラ・ロザーノ(サポート)
いつもテンション高いとは言われるなー、確かに誰に対してもフレンドリーな対応しようと心掛けとる
といっても銀誓館の学生時代から能力者をしてきたんでな
救えるもんはできるだけ救う、でも倒すべき敵は必ず討伐すべしっちゅー方針や
戦法はヒット&アウェイ型、戦場全体を広く利用して戦うで
基本は中距離
レーザービット射撃やナイフの蹴り込みで牽制しつつ、
エアシューズで、地上は高速で駆け回り、空中も地形とか足掛かりに利用して軽業のように跳ね回るよ
敵からの攻撃は、すべて見切って受け流したりの回避で凌ぐよ
攻め込む機会を見つけたら奇襲を仕掛けるで
一気に接近して、蹴撃やその斬撃波を叩き込む!
サッカーボールのシュートは必殺技や!
オルランド・ルーノ(サポート)
サポート世界をザナドゥのみにしてます
メガコーポ【キマイラバイオコーポレーション】社員
子会社の社長と兼任し【ヒッポグリフ珈琲】という低〜中流階級向けのカフェチェーンを運営してます
(派生ブランドでは上流階級向けもあり)
自社PRや悪徳企業の告発・市民寄り組織への支援の様子をよく配信しています(配信せずに戦う時もよくあります)
【戦場で自社商品配ってみた】が何故か人気
いつかは子会社を独立させメガコーポを裏切るつもりです
まだバレてません
様々な人物への商品提供やクーポン配布、色んな場所で新店舗開拓をよくしてます
〘配信・初対面の相手〙〘友人・脳内会話・独り言〙で口調を使い分けてるのでステシを参照お願いします
「それでは、我が社の営業を妨害する皆様に退出いただく為に……社訓:公司の名の下に、その命を捧げよ」
その号令を合図に、彼女の背後からぞろぞろと龍爪公司下級社員が召喚され、猟兵達の前へと壁を作るように立ち塞がる。どの下級社員も逞しい身体つきで、弱そうには見えない。
「これはこれは……!! 皆様、ヒッポグリフ珈琲自慢のオリジナルブレンド珈琲はいかがでしょうか?! 食後のデザートもご用意しておりますよ!」
そんな大人数の軍団を前に、これはある意味自社PRのチャンスであろうと先んじて動いたのはオルランド・ルーノ(カフェチェーン【ヒッポグリフ珈琲】をどうぞよろしく・f36556)。元よりカフェという事で競合相手、その上そのカフェは悪辣な手を使い、営業成績を伸ばしているという。その下級社員がこんなにもたくさん現れたのだ。
これはある意味、好機である。
「何をしているのです? 我が社の支店の早急な営業再開の為に、障害を排除しなさい」
凛とした声で指示を出す特級社員であるが、彼女もまた、オルランドのUCの影響下にある。
ずん、と彼女は急に身体が重くなるような感覚に襲われ、ぎりっと歯噛みする。
「く……ぅ……っ!!」
行動速度が5分の1に低下しつつある公司のほとんどの社員達。中にはついうっかりヒッポグリフ珈琲のドリップコーヒーを貰って楽しんでいる者もいるようだが、数は少ない。故に、満足に動ける者もかなり少なくなっている。
「私の愛社精神を……甘く見ないでいただきたい!!」
しかし彼女は仮にも特級社員。ここで負ける訳にはいかないのだ。行動速度が5分の1とて、足を止める訳にはいかない。遅々としつつも、澱みない足取りで猟兵達へと向かっていく特級社員の姿に、下級社員達も負けじと続く。
そんな彼らの姿に、ウルスラ・ロザーノ(鈴振り燕・f35438)は目を瞬いた。
「見上げた根性やな! でも、たとえ根性のある相手やとしても、敵に変わりはないからな」
その根性と愛社精神のみは認めつつ、ウルスラは容赦なく戦場を駆け、そして。
「みんなに届けボクの想い! ずっきゅーん♪」
発動したヘブンズパッション・スプレッドにより、戦場全体へと情熱のビームが広がり、降り注ぐ。そのビームにより敵は陰気によく効くビームの攻撃を受け、味方は皆戦意高揚とバッドステータスの回復を受ける。
それは、その場に仲間として居合わせた藤堂・こずゑ
(一閃・f23510)も同様だった。
胸の内に広がる、高揚感。それをそのまま全部、愛刀
宵桜に乗せ、構え。
「……せいやっ!」
峰側による峰打ちにより、効率よく下級社員達を昏倒させていくこずゑ。その後ろを、ビームを撃った後戦場をエアシューズを駆使して駆け続けるウルスラが続き、レーザービットでの射撃とナイフの蹴り込みで確実に敵の数を減らしていく。
「これは良いPRになりそうですね」
こずゑとウルスラの素早く繰り返される攻撃により確実に数を減らしていく社員達の様子を横目に眺めつつ、オルランドはその場にいる全員に声を掛ける事を目標に、珈琲配布を続けるのだった。
成功
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火土金水・明
「普通の癒しのお店だとよかったんですが、通っていた方々を使い捨ての尖兵にする店だと許す訳にはいきませんね。」「このような会社の職務に対して忠実なのは、哀れだと思いますね。」
【WIZ】で攻撃です。
攻撃は、【継続ダメージ】と【鎧無視攻撃】と【貫通攻撃】を付け【フェイント】を絡めた【コキュートス・ブリザード】を【範囲攻撃】にして、『龍爪公司特級社員』と召喚されたもの達を纏めて【2回攻撃】します。相手の攻撃に関しては【第六感】【残像】【オーラ防御】で、ダメージの軽減を試みます。
「(攻撃を回避したら)残念、それは残像です。」「私の役目は少しでもダメージを与えて次の猟兵の方に繋げる事です。」
アドリブや他の猟兵の方との絡み等は、お任せします。
春野・優勝
感情で動かない相手ほど面倒なものはございやせん。利を説こうが、威圧しようが、顔色ひとつ変えやしねぇ。
いよいよもって残る選択肢は暴力だけだとなる訳です。
ドスソードを抜きユーベルコード刺青仁義を使い、そのまま斬り込んで行きやす。この腕に刻んだ昇り龍……こいつを宿したからには、斬り伏せるまで止まらねぇ。
あんたの鋼の意思は見上げたモンだが、仕える相手が悪すぎやした。討ち果たすまで斬り伏せさせて頂きやす。
「普通の癒しのお店だとよかったんですが、通っていた方々を使い捨ての尖兵にする店だと許す訳にはいきませんね」
ちらりとカフェへと目を向ける火土金水・明(夜闇のウィザード・f01561)の呟きを耳聡く聞きつけた龍爪公司特級社員は、あくまで冷静に、言い放つ。
「聞こえが悪いですね。我々は確かに顧客の皆様に癒しをお届けしております。その癒しに対して、お客様がどのような反応を示されるか……我々にはコントロールできる訳ではございません。その証拠に、リピート率は100パーセントではございません。あくまでリピート利用はお客様の選択であり、自主性による所でございます」
顔色ひとつ変えず滔々と語りつつ、更に下級社員達を召喚していく特級社員。彼女の横に並んだ下級社員達は、彼女がさっと手を振るのに合わせ、猟兵達の方へとそれぞれ持参した武器や拳を振り上げる。
彼らは荒々しく戦意に満ちた構えをとりつつも、皆一様に感情が抜け落ちたように、無表情だった。そんな龍爪公司の社員達に、春野・優勝(ガンブレイドゴクドー・f36545)はひとつ溜息を溢す。
「感情で動かない相手ほど面倒なものはございやせん。利を説こうが、威圧しようが、顔色ひとつ変えやしねぇ」
だからこそ、取れる対抗策は暴力しかないのだ。持論を胸に社員達へと狙いを定める優勝の視線の先で、彼らの振るった拳が明を捉えた────かのように見えた。
しかし。
「残念、それは残像です」
残像相手に空振りした下級社員は動揺を露わにするが、それに対して特級社員は冷静だった。
「一撃を避けられたとて、繰り返せばいつかは当たります。営業と同じ……根気、そして繰り返しこそ営業成功の秘訣です」
その言葉に勇気付けられたらしい下級社員達が、再度攻撃を仕掛けようと身構えるより前に、明が動く。
「このような会社の職務に対して忠実なのは、哀れだと思いますね」
七色の杖を掲げた明は、意識を集中し、そして。
「我、求めるは、冷たき力」
コキュートス・ブリザードのより放たれた幾多の氷の矢は、特級社員を含めた社員達一同へと真っ直ぐに飛んでいき、その体を容赦なく貫いていく。
「あっしも行かせていただきやしょう」
宣言と共にドスソードを抜いた優勝は、ぐいっと袖を捲り上げる。腕に刻まれた昇り龍を宿した優勝の瞳は、獲物を舐め付けて爛々と光る。
僅かに怖気付いた様子の下級社員達へと、特級社員が喝を入れる。
「そんなものに気圧されて、社運をかけた事業が行えますか? 命を賭してこそ、事業は成功するのです。我が身惜しくて、社の成長は成し得ません!! その事を肝に銘じて職務にあたりなさい!!」
その言葉に気合を入れる下級社員達。
「あんたの……いや、あんた達の鋼の意思は見上げたモンだが、仕える相手が悪すぎやした。討ち果たすまで斬り伏せさせて頂きやす」
宣言するや否や、地面を蹴った優勝は、その全ての攻撃を身体で受けつつ、ドスソードを振るう。無敵故の捨て身とも見える攻撃により、下級社員達はいとも容易く切り伏せられ、斃れていく。
その後、全ての攻撃のダメージを受ける事は重々承知の上ではあるが、今この場の敵を倒す事こそが何よりも優先すべき事である。
その攻撃には、そんな優勝の決意が表れているようだった。
成功
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キャロル・キャロライン
その若さでその忠誠心、たいしたものね
一つ心配があるとすると、貴方自身がヤマラージャ・アイビーの影響下にあるんじゃないかってことだけど――
骸の海の過剰投与でオブリビオンとなったその心と身体
どっちにしろ、もう手遅れね
《エンハンス》で全身を強化
《スーツ》で慣性を制御しつつ、《ムーブ》により高速移動
躱しきれなかった攻撃は《エレクトロン》で緩和しつつ、《ガン》で攻撃
……って、大きくなったり、頭が増えるだけならまだしも、傷まで治すのね
ちまちま削るようなやり方じゃ意味がないわね
敵の動きも見えてきたし――一撃で倒すわ
《ガン》で牽制しつつ、《ムーブ》で至近に転移
UCを込めた《セイバー》でその全身を切り裂く
下級社員達は一掃され、残るは特級社員ただ一人。彼女とて、まるで無傷という訳ではなかった。だがしかし、この状況になっても尚、彼女の職務に対する意識に変わりはない。
彼女は数回深呼吸をし、そして。
「この職務……死んでも完遂します。社是:我等は、楽園を支配する一匹の巨龍である」
自身に言い聞かせるように声高に言うや否や、彼女は電子の竜へと身を変じた。
「その若さでその忠誠心、たいしたものね。一つ心配があるとすると、貴方自身がヤマラージャ・アイビーの影響下にあるんじゃないかってことだけど──骸の海の過剰投与でオブリビオンとなったその心と身体。どっちにしろ、もう手遅れね」
特級社員の体制が整うより前に、キャロル・キャロラインは(処断者・f27877)イナーシャルスーツで重力を調整し、軽やかに。オーラ回路ムーブサーキットを駆使して素早く、その竜の頸部へとオーラテックガンで弾丸を叩き込んでいく。しかし。
「そのような攻撃で、私の愛社精神は挫けはしない!!」
竜は叫ぶと同時にダメージを回復し、首を増やす。その牙がキャロルへと立て続けに向けられるが、オーラ回路を駆使し、重力や慣性をも制御するキャロルへその攻撃は届かない。
「ちまちま削るようなやり方じゃ意味がないわね。敵の動きも見えてきたし──」
キャロルはムーブサーキットで竜の頭上へと転移する。それに気付いた竜が首を持ち上げるも、時既に遅く。
「一撃で倒すわ」
そして、キャロルは抹消の力を帯びたオーラテックセイバーを振り下ろす。首の接続部にめり込んだ刃は、そのまま竜の体を胴体までを真っ二つに裂き、その能力を抹消する。こうして、回復の力を抹消された特級社員の傷は癒える事なく、倒れ伏すのだった。
こうして、ロボットビーストカフェに擬態し、ヤマラージャ・アイビーをばら撒いていた黒幕は撃破され、今回のメガコーポの計画は阻止された。
数週間後、跡地と放置されたロボットビーストをそのまま他社に買い取り、残存していたヤマラージャ・アイビーは消去、設備等々は適宜補修され、安全に営業が再開されたとか、なんとか。
大成功
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