四角いジャングルに吼える豹
「ぐぁ、あぁ……」
力の無い悲鳴を挙げた男の身長は182センチメートル。体重は105キログラムだ。それも、無駄に重い訳では無い。
分厚い筋肉を全身に纏い、そして適度に付いた脂肪。ボディビルダーでは無いのだから、グッドシェイプであると言える。
そう。彼の職業はプロレスラーだ。今は団体には属さずにフリーだが、そこそこ名は知られている。
だが今は、名もよく知らないマスクレスラーにいいように弄ばれている。相手は信じがたい事に、アイアンクローで顔面を掴んだまま、片手で吊り上げているのだ。
こめかみから血が滴り落ち、腕を垂れて行く。それを、マスクの男がベロリと舐めとる。
マスクだったはずの顔は、いつの間にか皮膚と同化し、本物のジャガーと化している。
やはり、ギャラに釣られたのが良くなかった。それが、彼の最後の思考となった。
「プロレスには詳しいか?」
グリモアベースに姿を見せた馮・志廉が唐突に猟兵達に訊ねる。
志廉の予知した所に依ると、邪神の復活を目論む男が、復活の儀式のために生け贄を殺害している。
単純な話では有るが、今回特筆すべき点は、儀式の様式がプロレスのデスマッチを模しているという事。
最終的に、リング上で心臓を捧げるのだ。
「いくらプロレスと言っても、内容が内容だ。表だって開催される訳では無い」
場所は、関東地方のとある繁華街。そのどこかで、地下プロレスとして開催されるという。
詳しい場所は不明だが、邪教の信者を含め、観客を入れるらしい。
人の口に戸は立てられぬもの。繁華街の人や店から情報を入手する事も不可能では無いだろうし、このご時世、スキルさえ有ればネットから調べがつくかも知れない。
「具体的な方法は皆に任せる。とにかく、儀式が行われる場所を突き止め、阻止せねば」
今回の首謀者は、ジャガーの様な頭部を持つプロレスラーオブリビオン。
鋭い爪を使った攻撃やヒールレスラーの様な残虐ファイトを得意とする。
また、それに付き従うカエルの様な頭をした眷族の姿も見られ、大会スタッフや練習生という立場で会場に控えているらしく、戦闘は必至だ。
「見過ごす訳には行かん。頼んだぞ」
志廉が転送の準備に入ると、グリモアベースに繁華街のネオンが輝き始めた。
鉄錆
鉄錆と申します。
今回は繁華街で秘密裏に行われる地下プロレスの場所を突き止め、儀式を阻止して頂きます。
第二章では眷族との集団戦。
第三章でボス戦の予定となります。
今回の敵はいずれもプロレスラー的なオブリビオンですので、そういった戦いをしたい方は是非。
もちろん、そうでない戦いをしたい方も是非。
第1章 冒険
『夜の街の探索』
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POW : 裏通りで情報通の人達へ聞きに 度胸または、威圧を行うことも必要になる
SPD : 店に紛れ込んで情報収集 素早く入り込み、素早く撤収が求められる
WIZ : ネットや聞き込みで情報探索 手掛かりを紐付ける観察力と推理力が頼り
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ロウガ・イスルギ
アドリブ・連携歓迎
戦闘になると一人称オレ→俺
やはり直接売り込むのが手っ取り早いか
裏通りに行って食い詰め者の格闘家を装い事情通にコンタクトしよう
こういう時は【言いくるめ】の出番だな
肉体労働系のバイトしてるけど腹減って却って食費が掛かるとか
ビデオだかに誘われてるけどなんかいかがわしいから躊躇してるとか
儲け口はないか探している、という感じで
とは言え実績はないからなあ……身体見せるぐらいなら従うが
強面のニイちゃん出てきて「こいつ相手に実力見せろ」
とか言われるかもな。その時は……
ま、見せますかね、戦場仕込みの【グラップル】を
死なない程度に。
「病院のベッドで後悔しろ。此処を「戦場」にしたのは……貴様等だ」
どぎついネオンの光が溢れる通りから僅かに逸れれば、そこは暗く怪しげな裏通り。
そこをゆらりと歩むは、ロウガ・イスルギ(白朧牙虎・f00846)。
その強靭な体躯、食い詰めた――それでいてギラギラと光る内なる獣を宿した眼差しは、一見して格闘技に携わる人間であることを直感させる。
そしてこんな裏通りには、この匂いに反応する輩も多い。
「コラァ!テメェどこのもんだ?ア!?」
身長で言えばロウガよりも高い。大柄で横幅もある。そんな若者がスーツを着崩して凄みを効かせてくる。明らかな裏通りの住人だ。
そしてその横に立つ小柄だが、妙な雰囲気のある男。上役と言ったところか。
何かイラついてでもいるのか、酷く好戦的な目付きの若者は、許可を求めるように上役を見る。上役が頷くと同時に、若者はロウガの胸ぐらを掴んできた。
対するロウガは……。
「病院のベッドで後悔しろ。此処を「戦場」にしたのは……貴様等だ」
数分も要らない。両腕を妙な角度に捻られて横たわる若者を尻目に、上役がロウガに語りかける。
「やるなニイちゃん。最近向こうの通りでな、ニイちゃん見たいな奴が幅を利かせてるらしいんだよ」
あんたら向けの稼ぎ口もあるらしいぜ、と言い残し、上役は若者を無理やり立たせると、裏通りに消えていった。
成功
🔵🔵🔴
才堂・紅葉
■SPD
「ふうむ。中々穏やかではありませんね」
繁華街に水商売風の姿で潜入しましょう。変装で20代後半位に見える装いになり、上客の取り巻きの一人を装って紛れ込み、潜入します。
中に入れば、しのび足で施設を巡って情報収集。周囲に気を張って集中すれば周囲の気配はある程度まで読めますので、深追いしない程度に調査し、客の流れに合わせて迅速に撤退しましょう。
繁華街から出たら早着替えで女子高生の姿に戻り、何事もなかったようにその場を後にします。
余裕があれば、他の猟兵さんのフォローも行いますね。
【アドリブ・連携歓迎】
艶かしく輝く照明の下に、夜の蝶が舞う。
でっぷりと肥えた、いかにも、という男の取り巻き達に混じり、才堂・紅葉(お嬢・f08859)は高級クラブの中に居た。
ここは裏社会の大物も多く集う店。紅葉はそういう人物達から情報を拾い集めるべく、水商売風の出で立ちに身を包み、まんまと潜入に成功していた。
得意の変装も見事なもの。普段の病弱清楚な女子高生でもなく、戦場での金に汚い工作員でも無い。巧みに化粧を施したその姿は、十分な妖艶さを醸し出している。
適当なタイミングで座を抜け出すと、情報収集のために店内を歩き回る。
気配を敏感に感じとり、巧みに発見されずに進むと――。
「ケッ、GGPWの連中め。地下プロレスだかなんだか知らんが、幅を利かせやがって……」
当たりだ。もっと聞きたい所だが、周囲の気配からしてこれが限界か。
速やかに店を抜け出し、繁華街の外へ。
一瞬物陰に入ったかと思うと、出てきたのは清楚な女子高生の姿。
素知らぬ顔で歩きながらスマホを取り出すと、何処へか電話をかける。
「社長?実はですね……」
大成功
🔵🔵🔵
李・蘭玲
POW
あら、最近のUDCはおかしな真似をしますね
メイド姿の老婆は目立ちそうですが、まず情報通を探しましょうか
サイバーアイで発汗や視線の動きを分析し
人気のない場所にいて、緊張状態の人物に声かけします
「地下プロレスの噂を旦那様が耳にしまして。開催場所を調べているのですが」
恫喝されたり、素直に教えないようなら実力行使ですよね
震脚…内蔵装置で超加速した足踏み(UC使用)で地面に足跡でもつけてみせましょうか?
「…欠けたら終わりの命、欠けても取り返せる金。どっちが大事だい?金が大事なら命は要らないんだよなあ?」
有用そうな情報を引き出せたら他の猟兵に連絡して、と
あ、ついでに私と会った記憶は消去銃で消しますね
繁華街を、メイド服の老婆が行く。見る者が見れば、その隙の無い目線や足取りに気がつく。李・蘭玲(サイボーグのグールドライバー・f07136)だ。
グリモア猟兵になる以前の経験からすれば、近頃のUDCはおかしな真似をする、と訝しみながらもその目は道行く人々を絶えず分析している。
発汗、視線の動き、あるいは体温。彼女のサイバーアイと経験から来る洞察力なら、人間の精神状態を読み取ることは容易い。
事実、怪しげな人物を見つけ、声をかけるタイミングを探るべく後をつけ始めた。
「あ?なんだよ、ばーさん」
気づいていたのだろう。その人物――一見して格闘家風の男は、人気の無い路地で蘭玲に声をかける。
別に気配を消していた訳でも無い。あえて人気の無い場所に向かっているのにも気づいていた蘭玲は、落ち着き払って話しかける。
「地下プロレスの噂を旦那様が耳にしまして。開催場所を調べているのですが」
僅かに表情を変える男。もちろん、見逃す蘭玲では無い。確信を持ちながら問い詰めるも、口を割らぬ。ならば。
ズン、と音を立てて、蘭玲の鋭い震脚が男の前に踏み込まれた。もっとも、それが震脚だと、男には認識できぬほどの速度だったが。
一瞬呆気にとられた男も、その足元を見て凍りつく。アスファルトに、くっきり足跡が残っている。
こうなれば、男も恐怖でペラペラと話し出す。この辺りの通りで、格闘家に声をかける者が居ること。試合を求め、高額なギャラを提示してくること。
噂によるスカウトらしき人物の風体を聞き出すと、蘭玲は銃を男に突きつける。
桁違いの力を見せられて自信を喪失した男ににも、記憶消去銃は幸運だったろう。
成功
🔵🔵🔴
ジャネット・ファヴニール
【POW】
一見、顔は恐ろしいし、容貌も一見してアレだしダンピールだが純真で心優しい正義のレスラー
正義の…プロレスラーも私としては…やっぱり、見逃せないし…そう言うの、良くないよね…。なんとしても阻止しないと…。
どこでやってるの…かな。人に聞くしか無いけど…うぅ…みんな怖そう…。(自分の容貌、風体を忘れて)心細い…(もじもじ)。
「あの…ここら辺で…プロレス…とか、格闘技…やってるところ…知りませんか…?」と聞き込み
もし、その際に喧嘩や、力量を図られたら、嫌々ながらも素直に応じる。その際相手に手加減はする
「あんまり…手荒なことは…したくないんだけど…ね…。痛いし…。い、痛かったら…ごめん…なさい」
猟兵達に共有された、スカウトらしき人物の情報を元に、ジャネット・ファヴニール(ドラグヴァンプ・f04364)は聞き込みを行う。
一見したその印象とは真逆に、彼女は心優しく純真だ。繁華街を行く強面や派手な人々に話しかけるのも一苦労。
心細さを我慢しながら、精一杯道行く人に声をかける。彼女の風体からすれば、もじもじとしたその仕草は却って警戒心を抱かせるかも知れないが……。
だがしかし、彼女の精神は真にベビーフェイス。たどたどしいながらも誠実な聞き込みは功を奏し、目撃情報を追ってスカウトらしき人物にたどり着くことができた。
「あの……ここら辺で……プロレス……とか、格闘技……やってるところ……知りませんか……?」
スカウトもさるもの。ジャネットがただ者ではないと見るものの、やはりその気弱な様子に、力を見せろと言う。スカウト。何か心得があるのか、格闘技らしき構えを取って見せる。
「あんまり……手荒なことは……したくないんだけど……ね……。痛いし……」
乗り気では無いながらも、仕方がない。壁を背に構えたスカウトの頬の横をフッと何かが通り過ぎたと思えば、背後で何かが崩れる音。
気がつけば、ジャネットの拳が壁にめり込み、剥がれ落ちた破片がカラカラと音を立てている。
無論彼女にしてみれば十分な手加減をしたつもりだったが……腰を抜かしたスカウトは、へなへなと座り込むしかない。
「い、痛かったですか……?ごめん……なさい」
ペラペラと口を割り出すスカウト。
いわく、自分は直接の関係者では無く、腕の立ちそうな人物を見繕って依頼主に紹介するのだという。
その連絡先を受け取ったジャネットは、何度も頭を下げながらこの場を後にしたのだった。
成功
🔵🔵🔴
草剪・ひかり
POW判定
お色気、即興連携、キャラ崩し描写歓迎
謎の豹覆面レスラー……気になるのは当然だけど、それ以上に「プロレスラー」としてなってないね!
自分の強さだけを誇って終わるのはただの暴虐だからね!
そんなわけで……プロレスラーとしての経験と勘、そしてお金の「力」を駆使して秘密の地下リングに迫ってみよう!
面白い見世物に興味があるし、なんなら「この私自身」が出てあげても良いんだよ、って
「表のプロレスの絶対女王が地下リングに降臨」なんて、その筋のフィクサーにはたまらないコンテンツでしょ?
豪奢な毛皮のコートの下には、臨戦態勢のリングコスチューム
チラリとその姿を魅せつけられれれば、その誘惑に抗えるかな……?
草剪・ひかり(次元を超えた絶対女王・f00837)は、許せぬ事があった。
それは、グリモア猟兵の見た予知で聞いた豹の覆面レスラーの所業。
同じプロレスラーとして、そのショーマンシップに欠けると見える振る舞いには、一言……いや、肉体をもって物申さねば。
そうして彼女は自らのプロレスラーとしての経験と勘、さらに金と、そして彼女の主催するプロレス団体のメンバーの力をも借りて、地下プロレスのスカウトに繋ぎを着けていた。
「と言うわけで、地下に興味があるのよ。なんなら、『この私自身』が出てあげても良いんだよ」
スカウトも格闘技の心得あるもの。無論女子プロレスラー、草剪ひかりは知っている。いや、知っているどころか……。
「お、俺、ファンなんす。いや、でも、ま、まずくないっすか」
「『表のプロレスの絶対女王が地下リングに降臨』なんて、その筋のフィクサーにはたまらないコンテンツでしょ?」
「いや、そりゃそうっすけど……」
あと一押しと見たひかりは、身に纏っていた豪奢な毛皮のコートをはだけさせる。
そこには臨戦態勢のリングコスチュームの姿があり……そして、ひかりはスカウトに流し目を一つくれてやる。
「それに、紹介してくれたら今度……ね?」
ファン心理と男の本能に挟み撃ちとなったスカウト。もはや否やも無し。
ぼうっと熱に浮かされたように、依頼主への詳解を確約するのだった。
大成功
🔵🔵🔵
上野・修介
※POW
「地下プロレスか」
路地裏喧嘩出身者としては、何となく惹かれる響きである。
・探索
目標は選手としてリングに上がること。
総合格闘家崩れのような恰好をし、予めゲーセン、場末の居酒屋、路地裏など素行の悪い連中(力の有り余ってるクズ等)が集まる場所で敢えて因縁を付けられる行動(さりげなくぶつかって謝らない、ゲームで台バン上等の戦法でボコボコにする等)をして、喧嘩を売らせて警察沙汰にならない程度に片づける。
その際さりげなく、「強い相手を求めている」「金に困っている」様子を見せておく。
あとは裏通りに行き、情報通、或いは賭けを生業にしている連中が声を掛けてくるのを待つ。
腕試しが必要であれば素直に応じる。
ある種の人間が集まる場所というものはある。吹き溜まる、と言うべきか。
それは場末の酒場であったり、寂れたゲームセンターであったり。
そんな場所の一つ。薄暗い路地裏を、上野・修介(元フリーター、今は猟兵・f13887)は歩いていた。
案に違わず、それらしい連中が数人、屯している。見たところ格闘技……MMAでもやっているか。相手から見れば、自分もそのように見えているだろうか。
知らぬ内に口角が上がっているのを抑えもせず、修介は彼らの真ん中を、わざとぶつかるように突き抜ける。
来るか。
……来るか。
「テメェ!嘗めてんのか!?」
釣れた。
あとは、慣れた流れだ。懐かしさすら覚える一連のやり取りの後、喧嘩が始まる。
もっとも、相手が倍の人数居たとしても、喧嘩として成立するものでは無い。
優しく、懇切丁寧に叩きのめした後、捨て台詞を残して去る。
「試合が組めなくてな。金も無いし、困ったもんだ」
本命を待つ修介の前に期待通りに現れたスカウトの男は、イラついた表情を必死に抑えながら修介に語りかける。
「やってくれたな……。あいつら、選手として紹介するはずだったんだよ。アンタ、責任取れよ。金、無いんだろ?」
そうして、まんまと接触に成功した上に、被害予定者まで優しく救いだしたと言う訳だ。
大成功
🔵🔵🔵
リカルド・マスケラス
情報収集にマスクだけだと難しいっすから現地のUDCエージェントさんの体を貸してもらうっすよ
POWで判定
「こういうのは、蛇の道は蛇って言うっすからねー」
地下プロレス、そう言うのにお呼びの掛かりそうなレスラー(表で試合が組めない、どうしても大金が必要)とかに、実際に声がかかっていないか、そういったことで行方不明になったレスラーはいないか訊きこむっすよ。多少暴力的な手段を向こうがとってきても、力でねじ伏せる
「この程度じゃ地下プロレスは無理っすねー」
もし、消えたレスラーの仇討ちとか考えてる奴がいれば、協力を持ちかけて仮面(リカルド)を貸すっすよ
「相手と同じ次元に立ちたいなら、このマスクを被ることっす」
件の繁華街に程近い倉庫街。その一角に、倉庫を改装したプロレス道場があった。
少し前までは男達の熱気に満ちていたこの場所も、今は人影がない。
そこを訪れているのは、狐の面を被った小柄なスーツの男。そこに、リカルド・マスケラス(ちょこっとチャラいお助けヒーロー・f12160)が居た。
リカルドが中を覗いていると、後ろから怒声が浴びせられた。
「誰だ!?」
声の主は若い男。身長は180は無いか?しかし鍛えられた肉体を持っている。ジュニアヘビー級と言ったところか。
リカルドが来意を説明すると、若者は顔色を変える。思い当たる節があるのだ。
相手を小柄と嘗めてかかる若者は、リカルドを排除するべく掴みかかる。首根っこを掴み、引きずろうとするが……ピクリとも動かない。
「この程度じゃ地下プロレスは無理っすねー」
ぐっと言葉を詰まらせて座り込む若者。
「社長は俺達のために危ない橋を渡ったってのに、皆居なくなっちまった!」
その心情を吐露する若者。社長が居なくなったのが、何者かの仕業なら……。
そう述べる若者に、リカルドは狐の面を外す。
「相手と同じ次元に立ちたいなら、このマスクを被ることっす」
その声は、狐の面から発せられていた。
成功
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第2章 集団戦
『エージェント・アマガエル』
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POW : はねかえる
【強靭な肉体 】による素早い一撃を放つ。また、【あらかじめ跳ね回る】等で身軽になれば、更に加速する。
SPD : いろいろつかえる
いま戦っている対象に有効な【エージェントひみつ道具 】(形状は毎回変わる)が召喚される。使い方を理解できれば強い。
WIZ : 死亡フロッグ
自身の【死亡フラグをつい立ててしまう言動 】の為に敢えて不利な行動をすると、身体能力が増大する。
👑11
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猟兵達は、それぞれのルートで地下プロレスの会場にたどり着いた。
それは繁華街のとあるビルの、文字通り地下階に設けられた特設リング。
控え室で選手として、関係者として、時を待つ猟兵達。
そして現れるのは、カエルの頭をした男達。いずれも屈強な体格で、下はショートタイツ、上は『GGPW』とプリントされたTシャツ。
「猟兵ども、来い。俺達がやってやるよ。リングの上でな」
相手はこちらの存在を認識している。それはこちらも覚悟の上。
邪神の信者達が撒き散らすブーイングの中、猟兵達はリングへの花道を進む。
邪神の眷族達との、バトルロイヤルが始まるのだ。
才堂・紅葉
社長かジャネットさんと連携したいですね。
即興のギターBGMで何時もの入場曲を楽器演奏し、猟兵の皆さんのリングインを盛り上げます。
その後はしのび足で後退し、リングサイドの解説席に腰掛けてBGM提供。観客席からの怪しい動きがないか見張ります
邪神レスラーの【はねかえる】や【死亡フロッグ】は介入せずに見守り。こちらへの攻撃は見切りと野生の感で回避します。
【いろいろつかえる】に対しては、早着替えで短パンにシャツの姿になりリングイン。
「凶器はいけませんよ」
グラップルで手をつなぎ、怪力とマヒ攻撃でロープに吹き飛ばしを狙います。
死に体で跳ね返る邪神レスラーの始末は他の方にお任せします。
【連携、アドリブ歓迎】
ジャネット・ファヴニール
【POW】
「……よし!」
控室で気合を入れればそこに小心者のジャネットの姿はなく、威風堂々とした
スーパーベビーな正義のレスラー『ドラグヴァンプ』が降臨
ダンピールらしいノーブルで豪奢、瀟洒なリングコスチュームでリングイン
リングに入ると生き生きするが試合中も相変わらず無口
女性レスラーには珍しい、っていうか、変身(?)前からは想像もつかない位ダンピールらしくその恐ろしいパワーを用いた超絶パワーファイトでちぎっては投げちぎっては投げの残虐ファイト。……正義とは。
力比べや打撃は勿論、ジャイアントスイングやパイルドライバーなど派手な大技も多用
必殺技は自らの肉体を武器としたパワーボム(グラウンドクラッシャー)
パンッと、自らの両頬を張り、立ち上がる。
「……よし!」
凛とした、威風堂々たる立ち姿は日頃の小心なジャネットでは無い。
正義のレスラー『ドラグヴァンプ』。それが今の彼女だ。
控え室を出て花道を進めば、そこには紅葉の姿。
彼女はギターでドラグヴァンプの入場テーマをかき鳴らし、傍らで猟兵達の入場に花を添える。
ドラグヴァンプは悠然とした態度でリングロープを潜ると、ゆったりと観客席を見渡す。
邪神の信者であろう者達に、自分のプロレスを魅せるのだ。
「さぁいよいよリングイン!彼女は手元のデータによりますと、えぇと……」
「『ドラグヴァンプ』ですね。瀟洒な立ち振舞いと、そのパワーファイトにも注目です」
いつの間にやらリングサイドで実況を行う男の横に陣取っていた紅葉。解説者のポジションだ。
早速アマガエルと手四つの攻防を繰り広げるドラグヴァンプ。
アマガエルはドラグヴァンプよりも一回りは大きな体格だが、手を合わせた途端、その力を思い知る事となる。
彼女の規格外のパワーは、アマガエルを押し込み、心ならずも膝を着かせた。
周りのアマガエル達が援護に来るのを察したドラグヴァンプは、瞬時に手をほどき、両足を抱え直す。この体勢は。
「ドラグヴァンプのジャイアントスウィング!周囲にどんどんぶつけて行きます!」
「正にダンピールのパワーをぞんぶんに生かしたスタイルです。ああ見えても、歴とした正義のレスラーですよ」
ぶぅん、とリングアウトして飛んで来たアマガエルを一見もせずにかわしつつ、紅葉は解説を続ける。
解説者として話しながらも、周囲への警戒を怠らない紅葉。
その工作員としての視線は、怪しい動きを見逃さない。そう。アマガエルがリング下から凶器を取り出そうとしているのを!
「あぁ~っと、凶器です!これにはドラグヴァンプどう対応するか……あれ、解説の才堂さん?」
すっかり解説として扱っていた実況者も気づかぬ内に、紅葉はラフな格好に早変りしてリングイン。
凶器を手にするアマガエルの前でチッチッと指を降る。
「凶器はいけませんよ」
その凶器を持った手首を掴むと、アマガエルはふっと体に力が入らなくなるのを感じた。紅葉の柔術仕込みのテクニックだ。
そのまま思い切りロープにハンマースルー、ロープの反動で勢いよく帰ってきた先に居たのは……ドラグヴァンプ。
両腕で抱き止められたかと思えば急上昇。
ドラグヴァンプ渾身のパワーボムに、リング上に激震が走った。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
李・蘭玲
悪役?上等!
まあ見た目だけはエンタメ向き、なんでも愉しまないとだ
「ならば専属マネージャーを召喚!」
UCでリング脇にヘビ頭の人型怪物を出す、家賃分は働きな!
それにセコンド乱入とかプロレスっぽくないかい?
ヘビ頭はアシスト役で
ロープ際に詰めた所で足を引かせ妨害、羽交い締めさせてアタシが掌打…等々
跳ね回ったって、軌道を分析したら着地点を狙ってヘビ頭とラリアットやソバットで協力プレイ
指示に従わないならジャイアントスイングで敵ごと仕置きだよ
刻印で多少強化されてるし、受けて殴って【捨て身の一撃】
蛙の死骸はヘビ頭の軽食に回す
刻印搭載の代償とはいえ、血の経口摂取…苦手なんだよねぇ
※どんとこいアドリブ、台詞、連携
リカルド・マスケラス
アドリブや連携歓迎
レスラーの若者の身体を借りて地下プロレスに参加っすよ
「さて、ここは向こうの流儀に載ってやるっすかね。彼の為にもなるだろうし」
身体を貸してくれた若者の今後の参考になるかもしれないし、あえて武器を用いず戦うことで【ジャスティス・ペイン】発動
「と言っても、戦闘スタイルが違ったらすまないっすけどね!」
【ロープワーク】と【空中戦】でリングロープを巧みに使って跳躍。跳ね回っているカエル達に打撃を浴びせたり、そのまま掴んで投げつけたり。スタイルとしてはルチャリブレに近いかも
敵からの攻撃を受けても
「さすがレスラー。よく鍛えてあるのが分かるっすよ」
と、借りた若者の肉体に感心しよう
リングに屹立する老メイドと、白い狐の面を被った屈強な男。蘭玲とリカルドだ。
そしてリング下に控えてアマガエル達に睨みをきかせるヘビ頭の男。それは一見セコンドかマネージャー風だが、彼は蘭玲が召喚したUDC。
「家賃分は働きな!」
リカルドはといえば、ロープに背を預け、その反発具合を確かめるとともに、この体の感触を確かめる。
GGPWに恨みがあると言っていた、レスラーの若者。悪くない。いや、ファイトスタイルとしても近いものがあるのだろう。馴染む。
アマガエルは、まずは体力的に劣ると見た蘭玲に照準を合わせる。
蘭玲に向けて強烈なエルボー!しかし一歩も退かぬ蘭玲は、返す刀で凄絶な張り手を見舞う。
しばしエルボーと張り手の応酬、一瞬ぐらついたかに見えた蘭玲を仕留めるべく、アマガエルは更に深く踏み込もうとするも……動かない。
彼は理解した。意地の張り合いに夢中になりすぎていたのだ。気がつけば、ヘビ頭に羽交い締めにされている――。
蘭玲はニッと笑うと、アマガエルに降りやまぬ掌打の雨を浴びせた。
ボディスラムを受けたリカルド。しかし、その肉体の方にも染み付いた受身により見事衝撃をいなし、すっくと立ち上がる。
「さすがレスラー。よく鍛えてあるのが分かるっすよ」
自らロープに走り、ランニングエルボーを仕掛けようとするも、相手もまた走りだし、互いに交差するように動く。
そこからは、互いに側転、リープフロッグとアクロバットの応酬。
互いに飛び技を得意とするもの同士の試合は正に四次元の動き。それを制したのは、巻き投げでアマガエルをマットに叩きつけたリカルドだった。
そのまま素早くトップロープに飛び乗るリカルド。しかし、アマガエルも負けじとトップロープに登る。
互いに空中でぶつかり合うかと見えたが、その時、ヘビ頭が動いた。
アマガエルの乗るロープを揺らし、バランスを崩したのだ。
このチャンスを逃すリカルドでは無い。超人的な跳躍力でロープを蹴ると、なんと向かいのトップロープまでダイビングボディプレス!
強烈な体当たりと共に、リング下まで叩き落とした。
蘭玲の掌打に腫れ上がった頬を擦りつつ、もう一体のアマガエルも得意の空中殺法。
しかし、ロープの反動を使ったのが運の尽き。蘭玲のサイバーアイには、その反発力、力の入れ具合、手に取るように分析できる。
目測で着地点を図るとヘビ頭を呼び出し、アマガエルの着地と同時にローリングソバットで挟み込む。シックなスカートを派手に翻しながら……。
たまらず倒れ込んだアマガエルを、ヘビ頭はリング下に引きずり込む。ここから先はお見せしないのが、観客のためではなかろうか。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
草剪・ひかり
POW判定
お色気、即興連携、キャラ崩し描写歓迎
ここが地下リングか!
こういう胡散臭い雰囲気も劇的で悪くないね
ウチの団体には似合わないけど
まず本命前に、オードブルを軽く平らげちゃおう!
カエル怪人のレスラーは速さと跳躍力が自慢のハイフライヤーかな?
ホントは空中戦でも負けないけど
序盤は相手の見せ場を作ってこそ
変幻自在の空中殺法に翻弄されるピンチを演出するけど
何度倒されても立ち上がる姿に敵も怯む筈
「伊達に女帝は名乗ってないよ? キミもなかなかだけど、私の首を獲るには“もうちょっとだけ”足りないね!」
相手の必殺技を、必殺の「アテナ・パニッシャー」で迎撃!
一発逆転の展開に、場内は唖然からの大熱狂間違いなし?
マットの感触を確かめる様に歩くひかり。同時に感じる場の雰囲気も、プロレスの一つの形としては、悪くないと思う。
だがそれは、ひかりのプロレスとは相容れないものだろう。
「まず本命前に、オードブルを軽く平らげちゃおう!」
アマガエルを指差し宣言するひかりに、会場も沸き立つ。
まずは小手調べのチェーンレスリング。ロックアップから続く一連の攻防の末、トーホールドから辛くも逃れたアマガエルは、身軽な動きを活かしてリングを跳ね回る。
その強靭なバネの如き肉体は、縦横無尽に飛び回ってひかりに襲いかかる。
「あーっと!草剪ひかり、空中殺法に対応出来ていません!このまま散ってしまうのか!?」
確かに、実況の言うように、一見手も足も出ていない様に見える。
だが、これはひかりのプロレスラーとしての戦い方。自らの得意技で仕留められないと分かったとき、誰しも自らの力を疑うものだ。
その証しに、アマガエルもまた、何度でも立ち上がるひかりに、後退りをする。
「伊達に女帝は名乗ってないよ?キミもなかなかだけど、私の首を獲るには“もうちょっとだけ”足りないね!」
意を決したアマガエル。コーナー最上段にかけ登ると、必殺のフロッグスプラッシュを仕掛ける。しかし、これこそがひかりの待っていたタイミング。
自慢の右腕を大きく振りかぶり、『アテナ・パニッシャー』で迎撃!
大逆転のスリーカウントに、場内ストンピングが響く。
大成功
🔵🔵🔵
上野・修介
※絡み・連携OK
【POW】
プロレスラー、或いはレスラー崩れと何度か闘ったことはある。だが
「そういや、リングの上で闘るのは初めてか」
得物は素手格闘【グラップル】
己が間合いは相手の間合い。相手の懐に飛び込む際は【覚悟】を決め【捨て身】で肉薄し一体ずつ確実に始末する。
基本はヒット&ウェイ【ダッシュ+逃げ足】
狙いを付けらないよう【フェイント】を掛けつつ常に動き回り、一対多は避ける。
リングの広さを頭に入れておき、囲まれないよう、またコーナーに追い込まれないようリング上での位置取りに注意。
跳ね始める、ひみつ道具を召喚する奴がいたらその初動の隙を突いて優先的に倒す。
自UCは基本防御強化、攻撃時のみ攻撃強化。
ロウガ・イスルギ
アドリブ・連携歓迎
プロレスなんざ初めてなんでね、お手柔らかに頼みたいトコだが
そうもいかないようだ、やれやれ……。
まあ大技で派手に決める闘いは他の面子に任せよう。
関節技と打撃がメインの実戦形式が俺の持ち味って事で。
リングネーム「ミラージュファング」を名乗り参加
上半身裸、迷彩パンツにブーツ着用、グレイプニルは腰に巻く
【不空羂索】を使用。ワイヤーの複製先はリングロープの中
これで味方には有利に、敵には不利に働く様にロープを操る
例えば味方がロープに飛ばされたら反動0で受けとめる
敵が飛ばされたら威力増強で跳ね返しラリアットや
ドロップキックのダメージを上げる
ロープ拘束時に味方なら緩め敵なら強く締め上げる、等
先ほどまでが純プロレスならば、ロウガ、修介の両名はシュートスタイルと言って良いだろう。
早速アマガエルと組み合ったロウガは、いわゆるプロレス式の攻防ではなく、身につけた軍隊格闘式の技術で次々と攻め立ててゆく。
「ミラージュファング、流れるようなサブミッション!これは見た目通りの軍隊帰りか!」
華やかさこそ無くとも確実な効果を持つ技の数々を仕掛けつつも、腰の『グレイプニル』に手をやるロウガ。リングロープにある仕掛けを施すのを忘れない。
一方の修介は、更に露骨なケンカ殺法。
リングの構造を考慮し、コーナーを背負うことの無いよう足を止めずに軽やかなステップで動き回る。
プロレスラーの類いと戦った経験もある。リングの上となると、初体験だ。なればこそ、油断は無い。
ロープへの跳躍をしようとするアマガエルには、跳べぬ様にその足を蹴る。その光を消す事こそが、修介のスタイルでもある。
「ここで上野ロープに振られた!どうなる!?」
アマガエルによってロープに放られた修介。元より、半端に相手の流儀に付き合うつもりも無し。凄まじい勢いをロープに腕を絡みつける事で殺そうとするが……思ったよりも、衝撃が無い。
これはロウガが事前にリングロープに仕込ませた、複製したグレイプニルによるもの。
ロープを伸ばす働きをさせる事で、衝撃を吸収したのだ。
タイミングを外されたアマガエル、自らもロープに走る事で勢いをつけようとする。しかし、反対のロープにもまた、ロウガの仕込みはある。
瞬時にロープはアマガエルに絡み付き、両腕を挟まれて羽交い締めの状態となるアマガエル。
もがき苦しむアマガエルに近づきながら、一つ、二つと呼吸を整える修介。
(『――力は溜めず――息は止めず――意地は貫く』)
プロレスラーのタフネスは熟知している。ならば、それを上回る威力の確実な一撃を。
修介はアマガエルの前に立つと、見事な脱力から放たれる拳の一撃。
反則の5カウントを待つまでもなく、アマガエルはノックアウトだ。
残るは一体、ロウガはサブミッションで足を痛め付け、アマガエルは得意の空中殺法も繰り出せない。
その豪腕で一気にロープに振ると、自らも反対のロープに走る。
操るグレイプニルによりリングロープは極限まで反発力を高められる。双方向から強化された、その力同士がぶつかり合えば……。
ロウガの重厚なドロップキックが、アマガエルをリング外まで吹き飛ばした。
成功
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第3章 ボス戦
『ジャガーマスク』
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POW : ジャガークロー
【鉤爪】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
SPD : 残虐ファイト
戦闘中に食べた【贄の血肉】の量と質に応じて【全身の獣化が進み】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
WIZ : ファナティック・ビリーバ―
戦闘力のない【儀式を見守る狂信者達(ファン)】を召喚する。自身が活躍や苦戦をする度、【偉大なる神を讃える声】によって武器や防具がパワーアップする。
👑11
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アマガエル達は、猟兵達によって叩きのめされた。
だが、観客は依然として熱狂している。自らの信奉するもの達が破れているのに、なぜ?
それは。
鳴り響く重厚な入場曲。先ほどまでとは一線を画す、悲鳴にも似た声援。
そう。本日のメインイベンター、その名も『ジャガーマスク』。
何があろうとも、彼がいる。
絶大な信頼を背に受けたジャガーマスクが、花道を疾走。
驚異的な跳躍力でコーナートップロープに屹立すると、猟兵達を見下ろした。
上野・修介
※POW
レスラーのタフさ、流れに掴んだ時の怖さは知っている。【戦闘知識】
なので徹底して『付き合わない』
得物は素手格闘【グラップル】
登場時の身のこなし・体格・得物・構え・視線から【情報収集】、間合いと呼吸を【見切り】、その外からヒット&ウェイ【ダッシュ+逃げ足】
相手の間合いに飛び込む以上は【覚悟】を決め【捨て身】で懐に入る。
【フェイント】を混ぜつつ、左側のボディーと膝(特に入念に)を攻撃。
削ると共に左側を意識させる。
こちらの動きに対応してきた頃を見計らい、敢えてコーナーを背負って挑発。
「捕まえてみろよ」
突っ込んで来たところを、右側から後ろに回り込み自UC+【カウンター】によるジャーマンを決める。
李・蘭玲
さあおいでなすったね、メインイベンター
王座陥落で閉幕としようさ!
前衛はプロにおまかせするとして
アタシはUCで火力支援に徹しようかね?
【戦闘知識】を活かし前衛が動きやすいようカバーに回るさ
サイバーアイを照準器に、両腕の内蔵機関銃でリング端には寄せ付けないようにするよ
ロープ反動の攻撃を封じられたら、ある程度は威力も抑えられる…はず
アタシが狙われてもそこはそれ
零距離からの【捨て身の一撃】、もとい震脚で勢いを乗せた掌底で一矢報いてやるからね?
しつこいなら内蔵兵器を推進器に、スピアータックルでぶちあたりにいくよ
プロレスは皆で楽しむモンだろ?
こういった催しには駄目なことくらい、素人バアさんでも解るってのさ
「さあおいでなすったね。今日は王座陥落で閉幕さ」
エプロンからリングロープにもたれ掛かり、ジャガーマスクを見据える蘭玲。その様はセコンドのようでもあり、その目は冷静にジャガーマスクの戦力を分析する。
修介も、目の前に立つジャガーマスクが先ほどまでのアマガエルとは訳が違う事を確信していた。立ち方、体格、目の配り……。十分に、感じることができる。
ゆるりと脱力し、決意するのは、徹底的に『付き合わない』事。
ジャガーマスクが動く。ゆったりとした歩み出し。そしてリングの中央に位置すると、猟兵達を待ち受ける。
格下は、格上の周りをぐるぐると回るのだ。そんなプロレスにおける言外の圧力。対して――。
修介は、軽い足取りで平然とサークリング。プロレスの格付けがどうとか、そんなのは知ったことではない。真っ向から圧力で対峙する事こそ、相手の術中だ。
呼吸と間合いを見て、瞬時にステップイン。左のボディストレートをねじ込むと、次の瞬間には元の間合い。一切の迷いない踏み込みは鋭い。
数度、このやり取りを続けた後、この出入りの速度を厄介と見たジャガーマスク。距離を取りロープに体を預けようとした途端、足元に予期せぬ銃撃を受けて咄嗟に身を躱す。
見れば、蘭玲の両腕に内蔵された機関銃から放たれたもの。蘭玲は巧みな銃撃によって、ジャガーマスクのロープワークを封じる。
こうなると、間合いの攻防に長ける修介が活きる。左のボディブロウや、左膝を狙った踏み蹴りを続ける。左。左。左。
と、左の踏み蹴りを見抜いたジャガーマスク。右足で踏み切り鋭く跳躍すると、一気に蘭玲に迫り、そのジャガークローで機関銃仕込みの腕を捻り上げる。
如何に機械化されているとはいえ、その凄まじい握力に軋む腕。
しかし、蘭玲の表情は、その苦痛にも歪まない。
「アンタ、つまんないのさ」
にやりと笑うと、ほぼ密着状態からの掌打を見舞う。その激しい震脚は、キャンバスを波立たせる。
よろめいて後退するジャガーマスクの視線の先には、コーナーにもたれ掛かる修介の姿。しかも。
「捕まえてみろよ」
行かぬ訳が無い。付き合わないのが修介の流儀ならば、ジャガーマスクは全て呑み込むのだ。
猛然と襲いかかるジャガーマスクに対して、修介は勿論――。
付き合わないのだ。左のボディを見せ、僅かに防御の意識を偏らせた隙に、右脇に潜り込む。全ては、このためのエサだ。
そしてバックを取った修介は、プロレスラー顔負けの美しいジャーマンスープレックスを放って見せたのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
才堂・紅葉
今回の勝利条件は何か。
それは狂信者達(ファン)の前でジャガーマスクのMAXを受け止め、正統なプロレスで叩き潰すことだ。風車の理論だ。
問題は彼の地力が単体で猟兵に優る事である。盛り上げつつも奴を削らないといけない。
「今度は私が相手よ!」
格闘で派手に遣り合った後、口に含んだ燃料で火吹きの属性攻撃で目潰し。二回攻撃でジャンプし飛び関節技で腕を取ってUC狙い。
両足で挟む蹴りで頭部を打撃し重力加重で組み伏せ、極めた腕をマヒ攻撃で痛めつけ、獅子噛完了を狙う。
「この程度なのジャガーマスク?」
狂信者を煽るヒールパフォーマンス。
声援で復活した彼に自分を吹っ飛ばさせ、後続の正統派に繋げます。
【連携、アドリブ歓迎】
ジャネット・ファヴニール
POW
【絡み・連携・アドリブOK】
「雑魚とは違う…ようだね。でも…絶対に負けない。…正義は…勝つ!」
相手がパワー重視なら、こちらはそれ以上のパワーで叩き潰せばいいだけのこと
と、言うわけで超パワー重視の技の応酬
力比べに始まり、パワーボムや、ボディスラムの投げ技、サソリ固めや逆十字がためなどの関節技、コーナーからのムーンサルトプレスなどの飛び技、ありとあらゆる技を駆使して戦う
が、ピンチこそレスラーの見せ所
攻撃をあえて受け血まみれボロボロになっても闘志は衰えず
もしダウンしそうになったとき、会場の誰か一人でも応援してくれたのなら血統覚醒にて蘇り、ジャガーマスク以上の正義の(?)残虐ファイトを披露する
草剪・ひかり
POW判定
お色気、即興連携、キャラ崩し描写歓迎
なかなか偉そうに出てきてくれたねぇ
まぁたとえアナタがこのリングの至高神でも、私は「あらゆるリングの頂点に立つ絶対女神」だからね?
少なくとも私は、アナタの「叩き潰す戦い」に乗るわけにはいかないんだ
だから……敢えて私の「互いを引き立て合うプロレス」に引きずり込むよ!
相手の繰り出すとんでもない威力の攻撃でも真っ向から受け止める
何度だってダウンさせられ、締め上げられて、苦しくても屈せず立ち上がる
ほら、いつの間にか……アナタもお客様も、私の領域に立ってるでしょ?
最後は、真っ向からの必殺技の正面衝突!
勝っても負けても、満足のいく「闘い」を魅せつけてあげるよ!
ひかり、ジャネット、紅葉。三人は、同じ旅団に在籍する者であり、同じく『プロレス』を愛する者である。
そんな彼女達にとって、今回勝つと言うことは、単にジャガーマスクを叩き伏せることでは無い。
何かが爆発したか、というほどの轟音で、ドラグヴァンプがキャンバスに叩きつけられる。ジャガーマスクのボディスラムだ。ボディスラム一発でこの威力。その凄まじい怪力が解ると言うものだ。
ドラグヴァンプのパワー殺法に、同じくパワーで返してくるジャガーマスク。ドラグヴァンプも負けじとロックアップを仕掛けるが……見る間に押し込まれてゆく。
ひかりがジャガーマスクにエルボーを叩き込む。カットに入ったのだが、その太い首は動じない。ドラグヴァンプを振り回し、ひかりにぶつけるという荒業。ジャガーマスクの地力の高さがわかる。
ダウンする二人に、会場のボルテージも上がる。観客達は、ジャガーマスクの一方的勝利を求め、またそれに慣れてもいた。
紅葉は、冷静な目で観察する。まだ、あと少し。巨大な風車が、回り始めている。
何度目だろう。ジャガーマスクの技を受け、倒れるひかり、ドラグヴァンプ。しかし彼女等は、立っている。何度も倒れ、そしてその度に立ち上がるのだ。
ジャガーマスクも苛立ちはじめ、会場の雰囲気もざわつきはじめる。今までになかった事だ。
早く試合を決めなければ。そう感じたジャガーマスクは、左右の手で一人づつ、ジャガークローで頭部を掴み、軽々と高く掲げる。
その凄まじい握力と鋭い爪に流血する二人。だが、その目は死んでいない。ひかりは声を絞り出す。
「私は、私達はアナタの『叩き潰す戦い』に乗る訳には行かないわ。逆に、乗って貰うわ、私達の『プロレス』に!」
ひかりの宣言に、まず乗ったのは一部の観客だった。
「ひかりィ!」
「ドラグヴァンプ!」
少なくとも、自分達を応援する気になった人がいる。その声を聞いたドラグヴァンプは、流れる血よりも更に紅く、その瞳を輝かせる。『血統覚醒』だ。
ジャガークローを喰らったまま、その腕に対して逆十字固めを仕掛けるドラグヴァンプ。思わぬ反撃に、ジャガーマスクも二人を放す。
一気に力を増したドラグヴァンプは、その本来の正義の残虐ファイトを仕掛ける。強烈なヘッドバットから入り、お返しとばかりにアイアンクロー。信じがたいことにそのまま持ち上げると……アイアンクロースラムで、後頭部をマットに叩きつける。
「今度は私が相手よ!」
風車は回り出した。畳み掛けるべく、紅葉が仕掛ける。立ち上がったジャガーマスクに立ち関節技をかける。先ほど逆十字で痛めつけられた左腕だ。
左腕を後ろ手に捻り上げ、天井と垂直の形。そのまま潰せばより完璧な形となるが、ジャガーマスクは耐える。しかし、これはまだ技の途中だった。
ふわりと舞い、右足の膝裏をジャガーマスクの首筋にかける紅葉。体重をかけて潰そうと言うのか?否。
それは、獅子の上顎。かけた右足と、下から迫る左膝が、ジャガーマスクの頭部を捉える。両足で挟む様に蹴る技を、紅葉の学んだ柔術では『獅子噛』と総称した。
更にハイペリアの力が、凄まじい加重を伴ってジャガーマスクを押し潰す。左腕は極ったまま。
「この程度なのジャガーマスク?」
紅葉の挑発に、会場は爆発する。
「ジャガーマスクぅ!」
ピクリと反応し、ジャガーマスクは右腕でマットを押し、二人分とハイペリアの力を押し返し、紅葉を振り飛ばす。
入れ替わるように走り込んで来たのは、ひかり。ぐいと右腕を振りかぶったその構えは。
場内に歓声と悲鳴を渾然とさせ、絶対女王の必殺の一撃『戦女神の断罪の斧』が、ジャガーマスクを一回転させた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ロウガ・イスルギ
アドリブ・連携歓迎
「マスク剥ぎデスマッチは勘弁してくれ、こいつは自前なんだ
まあ、負けなきゃいいか」
マスクが本体で完全に操られてる……ってんなら助けてやりたいが
そうじゃないなら容赦はしない。兎に角まずはブッ倒してからだな
前哨戦と同じく打撃と関節技で攻めた上で攻撃を敢えて受ける
スタイル。痛みは「激痛耐性」で耐える
ツープラトン大歓迎、俺ごと刈れ!
頭部そのものをライオンに変化させた【ガチキマイラ】の発動で
傷は治癒させる
傍からみると白虎のマスクが突然白獅子のマスクに変化したように
見えるかもしれないな
「目立つのは柄じゃないが……偶にはいいか。偶には、だが」
リカルド・マスケラス
若者のロールやアドリブ歓迎
「いよいよ、みんなの仇を取るチャンスっす」
おそらく、こいつの血肉となるためにみんなは…
「結局、いくら強くなろうと、それは犠牲者の力であって、自分の力じゃないんすから、それで思い上がっても虚しくないっすか?同じ穴の狢だから分かるっすよ」と【挑発】
最初は爪を警戒し、足元への攻撃を繰り返し防がれる。破れかぶれになってロープから跳躍して仕留めようとするが、これもブラフ。飛ぶ振りをして相手の迎撃を空振りさせたタイミングで【正義代行】
相手が空中に飛んでいたら頭を挟んで腕をクラッチした変形パイルドライバー、地上のままならロープの弾力で飛んで喉元に蹴り
今後の若者の活躍が気になるっす
尚も立ち上がるジャガーマスクに、リカルドが語りかける。いや、ジャガーマスクにではなく、自らが肉体を借りる若者に。
「いよいよ、みんなの仇を取るチャンスっす」
ずい、とロウガも前に出ると、ジャガーマスクの頭部を掴み、引き上げて……ナックルパート。
ジャガーマスクも引き下がらない。同じくロウガの頭部を掴むと、拳で殴り付ける。
「オイオイ、マスク剥ぎデスマッチは勘弁してくれ、こいつは自前なんだ」
殴る。殴られる。殴る。殴られる。殴る……。
互いに頭を掴みあったまま、殴り合う。最初は交互だったが、もはやどちらが殴り、殴られの境界も無い。ただ打つ。打つ。打つ。
顔は腫れ上がり、血は流れる。回復しなくては。ロウガは頭部を白獅子の如く変化させてジャガーマスクの肩口に噛みつく。
相手も、考える事は同じだ。ジャガーマスクもまた、ロウガの肩口に噛みつく。
互いに噛み合い、獣同士の決闘の様相を呈するこの戦い。リカルドの低空ドロップキックによるカットで、痛み分けとなる。
「結局、いくら強くなろうと、それは犠牲者の力であって、自分の力じゃないんすから、それで思い上がっても虚しくないっすか?同じ穴の狢だから分かるっすよ」
リカルドは『口撃』によってジャガーマスクを煽る。
「生け贄は全て『神』のために」
動じるでもなく、ジャガーマスクは言ってのける。その純粋で邪悪な信仰は、揺るがない。
リカルドは繰り返し左足へのローキックを仕掛けるが、いずれも防がれる。それどころか、危うくジャガークローの餌食となる所だ。 リカルドはトップロープに飛び乗ると、乾坤一擲、空中殺法で大技を仕掛ける――と言うのはフェイント。
まんまと引っ掛かったジャガーマスクは迎撃のために飛ぼうとするも、開幕から狙われ続けた膝に激痛が走り、飛べない。その隙こそが、リカルドの狙い。
更に立ち上がったロウガが、ジャガーマスクの背後をとってバックドロップで持ち上げると。
リカルドも天高く飛び上がる。それは、正義代行者の姿。
ロウガのバックドロップとリカルドの喉元への蹴りがツープラトンとなってジャガーマスクを捉えた。
マットに激震が走る。ジャガーマスクはふらふらと立ち上がった。立ち上がったが……。
「神よ……テスカトリポカよ……」
盛大に血を吐き、ジャガーマスクは倒れ伏す。もう、動かない。
歓声と悲鳴と、狂気と熱狂のるつぼ。ロウガはその中心であるリングに立ち、ひとりごちる。
「目立つのは柄じゃないが……偶にはいいか。偶には、だが」
リカルドが答えるには……。
「だから、プロレスは最高なんですよ」
それはリカルドが発した言葉だったのか、それとも、仇討ちを果たして男泣きに泣く、無名の若者の心の内だったのか。
大成功
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