オブリビオンだって遊びたい~モーラビット編~
●いや冗談じゃなく今年さ、暑くない? やばくない?
毎年、毎年、過去最高の酷暑記録を更新続ける近年。
異常気象、気候変動とうとう理由は様々あれど、地球温暖化は終わって地球沸騰化が始まった!なんて述べられたのは記憶に新しいだろう。とは言え、人間は文明の利器を存分に頼って涼めばいい。エアコンをケチるより熱中症の入院費の方がはるかに高いのだから、本当にこれはケチってはいけない。使おう・頼ろう・文明の利器。
しかしてそうも行かないのがお外に住まう動物さんたちでありまして――動物さんたちもそうであるならば、彼らもまたそうであった。
●シルバーレインのとある市民プールが占拠された!
毎度おなじみ骨っこ少女たからちゃん、新しく誂えた可愛いワンピースに似合わぬイカ焼きをもぐもぐしながら、集まった猟兵たちにぺこりとお辞儀した。白いビキニでセクシーポーズ決めてるカラクリ人形のクロも、ぺこり、あわせてご挨拶。
因みに今日はお人形劇はありません。
「ゴーストタウン現象……って知ってる?」
まずゴーストタウンとは人が住まなくなり、常識が失われたことでゴーストの巣窟と化した場所のことをさす。そしてゴーストタウン現象とは其処に住まう地縛霊たちの影響で、その場所の時空が歪んだり、迷宮化することを言う。
「それが今回、とある市民プールで、起きてる。起きてる理由は……モーラビットたちが一度にたくさん、たくさん、たくさーん押し寄せたから。それで、世界結界が働いて、プールが故障したってことになった。今、市民プールは一時的に閉鎖されて、人がいなくなって、ゴーストタウンになってる」
因果関係が多少逆転してはいるものの、そのゴーストタウン化した市民プールでは、ゴーストタウン現象が発生しているという。とはいえ市民プールの中はトラップとかなく、なんか迷路みたいな複雑な経路のただただ広くて長~い流れるプールが展開されてたり、やたら長~いウォータースライダーがあったり、お魚まで泳いでいるまるで海みたいな競泳プールがあったりするだけだそうです。
ところで、モーラビットが大量に押し寄せた理由って? なんで?
「暑かったんだって」
Why?
「暑かったんだって。プール入りたかったんだって。モーラビット、もふもふだし。今回、全く戦う気なくって、思いっきり遊んだら帰る」
今年はオブリビオンすら根を上げる酷暑らしいです。
「夏休み、だし。モーラビットたちと思いっきり遊んで。プール開放してきてください。よろしくお願いします」
危険はないとわかってるので問答無用にグリモアを展開する骨っこ少女は、イカ焼きの残りをもぐもぐ食べ始めた。
なるーん
はじめましてorこんにちは、なるーんです。
モーラビットたちと過ごす夏休み!市民プールで遊びましょう!
2章構成ですがどちらもただひたすらモーラビットたちと遊ぶだけです。
なんならモーラビットが勝手に遊びに入ってくるので、放置してお友達と遊んでもいいです。
大体ノリはどちらも同じなのでどちらか1章の参加をオススメします。
尚、閉鎖されてはいるものの施設そのものは動いているので水は綺麗です。ご安心。
●集団戦 モーラビット
流れるプールで浮輪使って流れてます。流れるプールならず流れるモーラビットです。
暑くて戦う気はないのですべてのユベコは不発です。ただひたすらモーラビットと遊びましょう。
流れるプールできゃっきゃするもよし、ウォータースライダーとかで一緒に遊ぶもよし。
なんなら流れるモーラビット掬いしてもいいです。なんでもOKです。満足したら帰ります。
●ボス戦 モーラビット・スーパーキング
お魚まで泳いでるまるで海のようになっている競泳プールでビーチパラソル展開して優雅に過ごしてます。
暑くて戦う気はないのですべてのユベコは不発です。遊びに誘って思いっきり遊んであげましょう。
なんでもOKです。満足したら帰ります。
現在進行形で入院中なのでまったり進行です!
よろしくお願いいたします!!
第1章 集団戦
『モーラビット』
|
POW : 兎の牙がモーラットを喰らう
戦闘中に食べた【捕縛したモーラットの肉】の量と質に応じて【全身の細胞が活性化し】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
SPD : 兎の耳は剃刀よりも鋭い
【モーラットの毛を一瞬で刈り取る鋭さ】を籠めた【兎の耳】による一撃で、肉体を傷つけずに対象の【毛髪】のみを攻撃する。
WIZ : モーラットとなって誘き寄せる
全身を【丸めモーラットそっくりの姿】に変える。あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になるが、自身は全く動けない。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
花連守・椿
アドリブ・協力含めマスターにおまかせします!
わぁ、猫とは別のふわふわ可愛いなぁ…
プールどころか泳ぐのも初めてだけど、大丈夫かな?
モーラビット達の浮き輪に掴まって一緒に流れたり、足が着く場所なら押してあげたり。
飛び込み台とかウォータースライダーとかも、モーラビット達が楽しそうに集まってたら何でも行きます。
大丈夫?僕、割れない?
少し怖がりですが、モーラビット達と一緒なら色々挑戦します。
●やってきました市民プール
蒼穹の空には燦々と輝く灼熱の太陽。プールの水面は宝石のようにゆらゆらと煌いて。高揚する気分はきっと夏のせい。
そんな夏の勢いに任せて思わず駆けだしてしまいたくなる程に、すっごく広くて長~い迷路のような流れるプールのその中は!! うわあ、めっちゃモーラビットいるー……というくらいモーラビットたちで大混雑していた。夏休みの市民プールの混雑具合を人からモーラビットにすりかえただけ、という表現が適切だろうか。つまりそれくらい。プールサイドでは、商魂逞しいモーラビットが瓶入りラムネを売り歩いていたり、焼きそばや焼きトウモロコシの屋台を運営したりしていた。うん、夏を満喫しているね!!
●モフモフ!ブラザーズ
そこにまず訪れたのは花連守・椿(結晶椿の姫巫女・f38738)だ。
夏の日差しを受けて煌く緑の髪と肌はまるで木々の木漏れ日のよう。スタイルのよい細身の身体を上品に飾る白いワンピースの水着が、プールで涼んだ風に煽られてふわりはためいた。
「 わぁ……猫とは別のふわふわ可愛いなぁ…… 」
猫とはまた違った魅力に溢れる長~いお耳がキュートなモーラビットたちが、流れるプールにぎゅうぎゅう詰まって、流されるままに流されていく。そんなもふもふキュートな光景を眺めながら、椿は弾む声を隠しもせずに呟いた。因みに猟兵が来てもモーラビットたちは歓迎モードである。はい、と瓶入りラムネを一本プレゼントしてくれたので椿は遠慮なく受け取った。
さぁて、何処で遊ぼうかなぁ……炭酸の甘い清涼感を楽しみながら施設を見て回ること暫し。椿は、手のひらサイズの子モーラビットが、先に楽しむ兄弟っぽいモーラビットたちにつられて単身で、流れるプールに突入しようしているところに遭遇した! なんと、浮輪もなく!
「 あ、危ない! 」
人用プールの深水はモーラビットサイズですら足は届かないだろうし、子ウサギサイズならば尚更、埋もれて溺れてしまうかもしれない! 慌てて駆け寄って子モーラビットを手のひらに掬い上げる椿。きゅっ!とその子が震えて、気付いた兄弟たちも警戒を露わにしたが、椿は努めて優しく穏やかに声をかける。
「 えっと、この子がひとりでプールに入ろうとして、つい。あの、兄弟、だよね? 良ければ僕が一緒に浮輪とか、押してもいいかな? そしたらみんな一緒に遊べるよね? 」
椿の提案に、いいの? ありがとう! と言わんばかりにまあるいおめめをキラキラ輝かせる兄弟モーラビットたち。こうして椿は兄弟モーラビットたちと遊ぶことになった!
さて、早速。まずは流れるプール!
実は椿自身、初めてのプールなので少しだけドキドキしたけれど、子モーラビットを抱えて流れるプールにぴょんっとIN! 子モーラビットが手のひらから零れてしまわぬように、だけどしっかりとプールを楽しめるようにそっと水につけてあげる。子モーラビットはおめめにやる気の火を灯し、短い手足をバタバタさせて泳ぐ練習を始めた。手のひらの中でバタバタする子ウサギ。とても可愛い。兄弟たちが捕まる浮輪も合わせて押してあげれば、小さな末弟を応援するように一緒になってぱちゃぱちゃバタ足し出す。
( 可愛いなぁ )
キュウキュウ!と目の前ではしゃぐモフモフブラザーズたちに癒されて。
お次は、みんなで一緒にウォータースライダー! このモーラビット兄弟たちは大分、わんぱくなようで。安全設計、大丈夫か? というくらいちょっと高くて経路複雑なウォータースライダーにも果敢に挑戦していく。
「 だ、大丈夫? 僕、割れない? 」
外野から見ているだけでも高そうだったのに、いざ登ればその高度は臨場感が伴って。椿の足と声が少しだけ震えていることに気付いたモーラビット・ブラザーズ――の兄たち。ぐっと親指をサムズアップ。そのキリリとした眼差しが語るのさ――着水はまかせてっ!って。兄たちを見た子モーラビットは、椿にぴょんと飛びついてその腕の中に納まると、じっと見上げながらキリっとしたお顔。真似っこかな? 可愛いね!
そんな可愛い兄弟たちに励まされた椿。勇気を出して。モフモフブラザーズ(兄ず)・椿 and 子モーラビットの順番で、いざ、滑降!!
「 ひゃぁーーーーー!! 」
右に左にぐねんぐねん。上に下に急下降急上昇。流石に一回転はなかったけれども、加速するスピードのまま勢いのままにぐんぐん進む!! 思わず上がる悲鳴もやむなしである。そして、まるでぽーいっと放り投げられるようにド派手に着水――の瞬間、先に着水していたモフモフブラザース(兄ず)がもふんと椿を受け止めた!! モフモフブラザーズ(兄ず)どや顔。
「 あ、ありがとう! え、もう一回!? 」
そして椿の腕の中の子モーラビットがキャイキャイ! キュッキュ!と大はしゃぎするものだから、スリル満点ウォータースライダーを何回かおかわりすることになった。繰り返し味わってみればじわじわとハマってみたりするもの。椿もその内、着水まですっかり楽しめる余裕も出てきてりして。でも、モフモフブラザーズたちはまだまだ遊び足りない! すっかり椿に懐いたモフモフブラザーズたちは、次はあれ! 次はあれ! と椿を連れまわしたりして。
くったくたになるまで遊んだらモフモフブラザーズたちと小休止。日陰で焼きそばを楽しんだら、さあ、次はなにで遊ぼうか。 飛び込み台? それもとまた、まったりと流れるプール? 子ども用プールで安全に遊んでもいいだろう。迷路化した市民プールはそれもう広くって。楽しみ方は思うがまま。どうぞ思う存分、飽きるまで夏を遊びつくして――。
大成功
🔵🔵🔵
冬原・イロハ
はわ~もふもふしてらっしゃるモーラビットさん
毛が多いと暑いですよねぇ(わかりますと頷き)
ならば涼を提供いたしましょう!
プールサイドやフロートの上で『イロハのカキ氷屋さん』を開きますね
持ち込んだ氷と、myカキ氷機をがりごりしゃりしゃりと削って、器にふわふわのカキ氷を
モーラビットさん、どの色のシロップが良いですか?
ハワイアンブルーやレモンの色は涼し気で良いですよねぇ
イチゴはわくわく♪
冷たいカキ氷をモーラビットさんたちにあげて
私も、オレンジ色のカキ氷を♪
冷たくって美味しいですねぇ
ではでは私も遊びましょう
流れるプールでは浮き輪を装備しつつ、私もフロートを掴んだりして、流れてゆくのを楽しみます~
●大繁盛!ケットシーのカキ氷屋さん
「はわ~もふもふしてらっしゃるモーラビットさん。毛が多いと暑いですよねぇ」
続いてやって来ましたのは、大きな荷物を携えた、麦わら帽子のハイビスカスがお洒落な冬原・イロハ(戦場のお掃除ねこ・f10327)わかります、と深々頷くイロハももっふもふのケットシーだもの。モーラビットの気持ち、わかりみが過ぎるというものです。因みに本来、猫さんはお水を怖がる生き物(個体差あり)だけれども、イロハは問題ありません。だってケットシーですから!
さて、と。ぽてぽて、ぽてぽて(※効果音はイメージです)。イロハは流れるプールを巡回するように暫くお散歩してみました。ぎゅうぎゅうモーラビット詰まり状態の流れるプール。お水に浸かった足元は涼しそうだけれども、燦々降り注ぐお天道様を浴びっぱなしで頭の方はゆで上がってしまいそう。実際、中には渋いお顔をしていらっしゃるモーラビットさんもいました。うん、これはよろしくないですね。折角のプールなのに楽しさは半減といったところでしょうか。
「そうです、ならば涼を提供いたしましょう!」
身体の内側からも冷やしてしまえばいいのです!閃いたイロハは流れるプールの対岸に渡り、島中で秘密兵器'Sを取り出しました!ててーん!
「イロハのカキ氷屋さんの開店ですよ」
取り出したるは可愛い可愛いネコさん型のカキ氷機と、ひんやり冷たそうな氷の山!商売根性の逞しいモーラビットたちがきゅぴーんと何かを察しまして、イロハのためにその他備品はささっと用意してくれました。イロハは早速、カキ氷機で氷の山をガリガリ!ガリガリ!器に盛られたふんわり氷に、心がわくわく躍るようなイチゴシロップをとろーりかけまして。
「はい、どうぞ」
興味津々と近くで見ていたモーラビットにプレゼント。モーラビットはキュッキュイ!と喜んで早速、ひとくち頂きます。するとどうでしょう。お口の中に広がる甘い幸せとひんやりの涼に、モーラビットのまあるいおめめがキラキラと輝くではないですか。たまらずキュイ~~!とほんわり笑み咲かせたモーラビットの様子に、他のモーラビットたちも頂戴!頂戴!と大集合!
「大丈夫ですよ、ちゃんとみなさんの分はありますから、慌てず並んでくださいね」
「食べすぎはお腹壊しちゃいますから、ひとりいっこですよ。どのシロップがいいですか?」
カキ氷を作りながら、気遣う声掛けも忘れないイロハです。夏らしく爽やかで涼し気カラーなブルーハワイ、さっぱりレモンやメロンはとっても大好評!
カキ氷が充分に行き渡る頃には、すっかり身体も冷えて満たされたモーラビットさんたちが休憩スペースで休憩していたり、カキ氷を楽しんでいたりして。これなら流れるプールも程よいモーラビット密度で快適に過ごせそうです。イロハもしっかりオレンジのカキ氷を楽しで――嗚呼、一仕事終えたあとなので余計、美味しいったらありません!
「では、私も遊ぶといたしましょう!」
カキ氷を作るのも楽しかったけれど、プールを楽しむことを忘れてはいけません。浮輪をしっかり装備して、ぴょいんとプールに飛び込んだならば後はのんびり流されるままに。緩やかな水の流れにのって、のんびり夏空を見上げたりして。なんだかんだ忙しい猟兵生活、たまにはこんな穏やかで楽しい日があってもいいかもしれませんね!
大成功
🔵🔵🔵
遠野・路子
確かに今年は暑い
ゴーストでもオブリビオンでも暑いものは暑いよね
ミニ視肉のミコも動きが鈍い
ミコ溶けないで、戻ってきて……私が餓死しちゃう……
というわけでミコのためにもプールへいこう
銀誓館学園所定のスクール水着でいくよ
とりあえずプールに着いたらミコをプールにぽーい
モーラビットの間でぷかぷか浮いているミコを見てのんびりまったり
ミコ、気持ちいい?
そう、よかった
じゃあ私はまずタピろう
冷たいタピオカミルクティーは最高だね
よし、私も泳ごうかな
そんなに得意じゃないけど流れるプールで浮いているくらいなら
モーラビットとミコと一緒に流れていこう
本当に気持ちいいね
やっぱり夏はスイカとプールとタピオカミルクティーだね
●オブリビオンだって暑いならゴーストにだって暑い夏
オブリビオンだって暑いと感じるならゴーストにだって暑いんですよ、この夏は。
スケルトンとか肉体的枷がないタイプのゴーストにまでその感覚が通じるかどうかまでは、この場では野暮ですから突っ込んではいけません。ゴーストといえどその種類は数多。それに――
「確かに今年は暑い。ゴーストでもオブリビオンでも暑いものは暑いよね」
遠野・路子(悪路王の娘・f37031)さんがそう言うんだもの、暑いもんは暑いんですよ。あときっとそういう体感差は、種族差とか個体差で解決できる問題です。
そんな路子さんは、銀誓館学園所定のスクール水着で堂々の登場ときた。暑さで溶け気味のミニ視肉(お名前:ミコ)に涼を届けるため、そしてミコちゃんを食料とする自分のために、市民プールへやって来たといいます。いや、ミニ視肉は本気で死活問題なんですって。詳細はミニ視肉のアイテム説明読んでね。
ところで路子さん、君はいいのでしょうか。どっかの女王様の依頼のときは公共の施設でスク水は羞恥プレイって……んん、まあ、今、モーラビットばっかだしいっか!!
さて、先ほどのケットシーのカキ氷屋さんのおかげで、流れるプールのモーラビット混み具合はいい塩梅。これならミコちゃんをぽーいっと放り投げても、毛玉にハマって益々暑い!暑苦しい!なんて悲惨な事故には合わないでしょう。路子さん、流れるプールサイドに足を揃えて屈みまして、ミコちゃんを両手でぽいっとな。溶けかけミコちゃん、ぽちゃんと着水しまして……暫く、ややデロデロしかけていた輪郭がしっかり形を保って、ふよんと浮いてきた。お顔も心なしか、はふーっと満足そう。実は結構、愛嬌あるお顔していますよね、ミニ視肉。
波間を漂うクラゲのようにふよよ~んと流れ流れていくミコちゃん。それに合わせて路子さんもプールサイドをてっくてっく歩いていく。そういう遊びと思ったのかモーラビットも何匹か、ミコちゃんの後を追うように流されてみたり、路子さんの後をてっくてっくしてみたり。
「ミコ、どう?気持ちいい?……そう、よかった。じゃあ、私はタピってくる。ねえ、ちょっとミコのこと見てて」
ミコちゃんとアイコンタクトしてしっかりばっちり意思疎通しましたら、路子さん、周りのモーラビットに声かけてお買い物。てっくてっくしてたら喉が渇いたので、ここは大好物のタピオカミルクティーをひとつ。もちもちタピオカはお腹にたまるし、甘いし、喉も潤うし、冷たいタピオカミルクティーは最高なのです。
路子さんが戻ってくる頃には、ミコちゃんとモーラビットはすっかり仲良しになっていた。車を模したキッズサイズのフロートにのせられたミコちゃん。ミコちゃんノリノリの(エア)ハンドル捌きの通りに、モーラビットたちがばちゃばちゃバタ足して進行するなどしてる。
「いいね、楽しそう。私も泳ごうかな」
タピ休憩で充電も済んだ路子さん、ぴょいんとプールにINしまして。周りのモーラビットたちに大きな浮輪を貸してもらって、ミコちゃんの乗るフロート・カーと紐で接続しましたら、後は運ばれるままにぷかりぷかり。見上げた夏空から降り注ぐ太陽は相変わらず燦々と容赦はないけれど、空は高くて青くて、雲はどの季節よりも真っ白で。ただ暑いだけの夏はやっぱり嫌だけれど――夏だからこそ、楽しめるものもある。冬にプールとか寒いだけだし。
「やっぱり夏はスイカとプールと、それに、冷たいタピオカミルクティーだね」
――そうだね!って言いたいけれど、路子さんの場合、タピオカミルクティーは一年中じゃないかな?でも夏には夏のタピオカミルクティーに感じる美味しさってのは……あるよね!!
大成功
🔵🔵🔵
神野・志乃
◎
「……戦わなくていいの?」
新人猟兵として色んな依頼に顔を出してきて、時にはオブリビオンに同情して涙ながらに討伐したこともあって……猟兵とはそういうものだと思っていたけれど
オブリビオン相手でも平和に済むのなら……それに越したことはないわ
水着に着替えて、のんびり過ごしましょう
それにしても凄い数ね……
モーラビットがプールに来たと言うより、モーラビットのプールが出来たという方が適切だわ
流れるプールに入ってみるけれど、案の定というか見ての通りというか、毛玉達に揉みくちゃに揉まれて
これは……あれね、
「自動洗車機の気分だわ……」
ガソリンスタンドにあるあのアレね
でも、誰も彼もがのんびりと、戦おうとする気配すら見せずに揺蕩っているというのは
何だかね……この暑い暑い夏に、少し感謝しなくちゃいけないかも
「……えいっ」
その辺りのモーラビットに、試しにぱしゃりと水を掛けてみるけれど
やはり友好的な反応が返ってくるならば
柄にもなく穏やかな気持ちになって……ほんのひと時、この時間を楽しみましょうか
●夏休みだから
「……戦わなくていいの?」
そう思わず呟いたのは神野・志乃(落陽に泥む・f40390)だ。
これまで新人猟兵として様々な依頼に赴き、時に辛く、険しく、時に涙ながらに敵を手にかける心の苦しい戦いの日々を送ってきた志乃にとって、それは、その選択は、その発言はあまりに新鮮だった。衝撃的だった、と言ってもいいのかもしれない。だって志乃にとって戦い続けることこそが、猟兵の在り方だと、そう思っていたのだから。だから、つい、先のような言葉が口をついて出たのだ。あ、と思ったけれど取り消せる筈もなく。けれど、イカ焼きをもくもく頬張る骨っこ少女は。
「うん、いいよ。夏休み、だから」
笑って、志乃を送り出す。
そうして送り出された先に、暫くしてあらわれたのは――黒いシンプルなビキニに身を包む志乃であった。飾らぬからこそ志乃自身の魅力を大いに引き立てるその装いも、今此処にいるものたちにはあまり関係ないのかもしれない。だって、もふもふばっかりなのだから。一匹のモーラビットがどうぞ、と差し出してきたお茶を受け取りながら、志乃は改めてぐるり市民プールを見渡した。そして。
「凄い、数ね……本当に、凄い数だわ」
大切なことなので二度呟いた、という訳ではないけれど。言わざるを得なかった。見渡す限りモーラビット!モーラビット!!モーラビット!!!な市民プールの状態に、志乃はしみじみ思ったという。
(これは、モーラビットのプールが出来た、という方が適切だわ)
まさしく。ええ、まさしくその通り!
かき氷屋さんによって齎された休憩時間もそろそろお仕舞の頃合い。振りやまぬ陽射しに暑さを感じてきたモーラビットたちは、またも流れるプールに飛び込みだして。そうなると、こう、流れるプールは、水よりモーラビットが流れている、と表現した方がいいだろうなって状態になっていた。もっきゅもきゅでもっふもふである。ヨーヨーじゃなくモーラビットつりすらできそうである。
とにかくそんな状態の流れるプールに猟兵である志乃がソロリと近付いてみても、モーラビットたちは全く気にした風もなくきゅいきゅい遊び呆けていた。浮輪でぷかぷか、フロートでゆらゆら、ただ仰向けに浮かんで揺蕩っているものもいる。此処にいる誰も彼もが戦いそのものを忘れ去ってしまっているような光景だし、実際、その通りなのだろう。思わず、ふふ、と笑み零れてしまう程にとてもとても穏やかな光景。
「何だか――」
(この暑い暑い夏に、感謝しなくちゃいけないかも)
空を仰げば照り付ける陽射しは相変わらず容赦ないものだけれど。きっとその陽射しがなければ、この穏やかな瞬間は齎されなかっただろうから。そんな穏やかな気持ちに満たされながら、もふもふに挟まるようにプールに入ってみて。
「えいっ」
「きゅい!もっきゅ~~!?」
「きゃっ、ちょ、ちょっと……そこまでやってないでしょ」
遊び心の赴くままに隣のモーラビットにぱしゃりを水をかけてみたら、やったなぁ~!?みたいな反応でばたばたバタ足でやり返された。盛大に水を浴びる羽目になったので、ついつい働く負けん気から更にやり返してしまったりして。そうこう遊んでいる内にすっかり志乃は遊び相手と認識されたのか、その周辺のモーラビットたちと水の掛け合い合戦が開戦されていた。ばしゃばしゃざっぱーん。きゅいきゅいきゃっきゃ。飛び交う声はそれを楽しむ笑い声だけ。誰も傷つかなくて誰も苦しまない、笑っておわる、そんな戯れ。
全力で遊べばそれはそれは疲れるもので、暫く遊んだ後、休憩ベンチで一息つく志乃。すっかり濡れそぼったシャツと髪をぎゅーって絞りながら、もふもふの毛玉に埋もれ、激しく水をかけたり、かけられたした先のことを思い出て、くすり、と微笑んだ。
「なんだかちょっと、自動洗車にかけられる車の気分だったわ……」
ちょっと奇妙な体験もきっとこの夏のおかげ。さあ、束の間の夏休みはまだまだ終わらない。さて、次はなにして遊ぼうか。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 ボス戦
『モーラビット・スーパーキング』
|
POW : モーラット・チェンジ
【モーラット】に変身する。変身後の強さは自身の持つ【モーラット印の缶詰】に比例し、[モーラット印の缶詰]が損なわれると急速に弱体化する。
SPD : モーラット・エアリアル
レベル個の【モーラット】を召喚する。戦闘力は無いが極めて柔らかく、飛翔・クッション・ジャンプ台に使用できる。
WIZ : モーラビット・フィーバー
レベルm半径内を【集まってきたモーラビットの溜まり場】とする。敵味方全て、範囲内にいる間は【モーラットに与えるダメージ】が強化され、【モーラット以外に与えるダメージ】が弱体化される。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
●一方その頃、
競泳プール――だったところは大変なことになっていた。
それはまるで海のよう。本来見える筈の果てが全く見えず、プールの中を泳ぐ魚の群はどうみても南国の熱帯魚たち。
――あ、サンゴもありますね。
聞こえる筈のないイルカの鳴き声まで聞こえる気がするし、どうみても水面からジャンプしているのはイルカである。
――ああ、うん、これは気のせいではない。
競泳プールはプールサイド以外、南国の海になっていた!!
そんな魔改造されたプールサイドでビーチパラソルを広げるのは、モーラビット・スーパーキング(以下、モラビキング)
モラビキングはココナッツジュースをちゅーちゅーしながら、優雅に南国の海風競泳プールを満喫していた。
――ちら、ちら、と遊んで欲しいなぁなんて意味ありげな視線を、猟兵たち寄越しながら。
神野・志乃
◎
「何なの、この海は……」
頓狂すぎる能力に、驚いたような呆れたような声が漏れてしまう
そう、このキングが全ての元凶なのね?
これは……お仕置きが必要だわ
ビーチサイド……じゃなかった、プールサイドで今さっきこっそり買ったウォーターガンを構えて
優雅に寝そべるキングの脇腹目掛けて、冷水の洗礼をお見舞いしてやりましょう
「ほら、こっちよ。捕まえられるかしら?」
そのまま海の方へと逃げ込み、キングを引きずり出したら
波打ち際で水掛けバトル開始ね
キングの体動で生まれた波に飲まれたり
隙をついておでこに水を撃ち当てたり
一進一退の攻防を繰り広げるも
でも流石にボス格、私一人では劣勢になってしまうなら
「“くきつ”、お願い」
運搬Lv100としたUC《くきつ》を発動。プールサイドから水鉄砲を集めてきてもらって……
「ほら、貴方たちも。下克上の時間よ」
その辺にいた配下のモーラビット達へとそれを渡したら
即席の鉄砲隊を編成して、キング目掛けて一斉掃射。数の暴力で形勢逆転よ
私は【負けん気】が強いからね、こういう勝負だろうと本気なの
※以下、このリプレイは終幕まで特別意訳が入るときがあります※
●まずは準備体操~プールサイド・サバイバル~
「な、何なの、この海は……」
競泳プール、だった筈の場所に訪れた志乃は呆れ半ばも、愕然とした様子で言い放った。まあ、無理もない。だって、競泳プールの向こう岸はすっかりなくて、続くは果てなく輝く青い海! 美しきオーシャンブルーである。なんならよぉく見ればちょっと孤島っぽいシルエットすら見える。きゅーきゅーイルカの鳴き声がして遠く水面からジャンプでご挨拶。おまけにモラビキングのちょっとばかり後方では、雰囲気ぴったりの生演奏まで披露されている。
競泳プールの面影は、モラビキングがくつろぐプールサイドとその周辺しか残っていなかった。
(すごい、けれど……頓狂すぎるわ……)
競泳プールを此処まで様変わりさせてしまう能力。果たして、おそれるべきなのか呆れるべきなのか。
志乃のそんな複雑な気持ちも知らず、元凶であるモラビキングはココナッツジュースを堪能しながら志乃をちらりと見ては、目線があいそうになるとふいっと顔をそらして海を眺める……という明らか構って欲しいなぁ~な行動を繰り返していた。
うん、呆れていいのかもしれない。
でも、そう、別に。すっかり競泳プールを様変わりさせているし、大勢で駆けこんではプールを営業停止にさせているし、そりゃあ人に迷惑をかけてはいるけれど。大分、迷惑をかけてはいるけれど。
やっぱり誰も傷つけてはいないから。誰一人も苦しんではいなから。だから。
「これは……お仕置きが、必要ね」
必要なのはきっと少しだけ、こらってお灸をすえるくらい。志乃が選んだお仕置きも彼らの意図に併せて。
モラビキングがイルカの群に目を輝かせている隙に、志乃はプールサイドでこっそりウォーターガン――ポンプアクション式で威力も飛距離もそこそこあるガチのやつ――を購入した。ついでにすっかり商売が板についてきたモーラビットにこそこそと耳打ちして。
こくり、頷きあう一人と一匹。夏の日差しに紛れるように陽光纏う小鳥が一羽ふんわり空に飛び立てど、イルカに夢中なモラビキングだけはそれに気づかなかった。
この時の油断が後の大惨事になろうとは、きっとモラビキングも思わなかっただろう。
――さぁ、これから始まるのは一夏の
Survival!
(きゅきゅい? ※Are You Ready?)
(OK。目標はこちらに気付いていないわ)
(きゅ! きゅきゅきゅー! ※OK!GOGOGO!!)
目標とは勿論、優雅にくつろぐモラビキングのこと。
志乃は演奏隊の後方からちらり目標の様子を伺い、モラビキングにモクテル・ピニャコラーダをそっと差し出して気を引きつけるモーラビットとアイコンタクトをかわす。すっぽり身を覆う戦士の必需品(段ボール箱)はなかったが、今の気分はすっかり極秘ミッション中のスパイ気分であった。
合図を確認すれば演奏隊がささっと波のように左右に避け、そこから志乃が素早く飛び出す。駆ける勢いを殺さぬままにサイドロールより目標の前に飛び出て。
「きゅい!?」
「油断大敵よ」
突然の志乃に驚くモラビキング!
お口を
△、おめめを
○、もっふもふのうさみみの毛を逆立てて驚く姿は大層、愛嬌があれど。その隙を逃さぬ志乃ではなかった。
目指すは脇腹! 引き金を引かれたウォーターガンから飛び出すのはとっびきりに冷え冷えの冷水だ!!
「きゅぃいいいい!? ※つめたーーー!?」
「ふふふ、ほら、こっちよ! 捕まえられるかしら?」
鬼さんこちら、手のなる方へ。
志乃は、水圧にひっくり返ったモラビキングをしっかり挑発して波打ち際まで誘う。そこから始まるのは盛大な水掛けバトルだ!!
「きゅぃいい! ※やったなああ!」
「負けないわよ。私、負けん気が強いの。こういう勝負だって真剣だわ。えいっ!」
威厳のマントを脱ぎ捨ててまでぴょんぴょんぴこぴこ駆けてくるモラビキング目掛け、志乃は更なる冷水ショットをお見舞い。見事、王冠を射抜いかれてしまったモラビキングはむっくーと頬を膨らませて、助走つけて跳ね上がると志乃の近距離に飛び込んだ! ばっしゃーーーん!!
これには流石の志乃も驚いた。ぐらり波に足を浚われてよろけた隙を、今度はモラビキングが見逃さない。モラビキングが志乃の足にもきゅっと抱き着いて動きを封鎖! きゅいー!と愛らしい鳴き声ひとつ、仲間である
筈のモーラビットたちを呼び寄せた! けれど――
「ふふふ。残念だったわね。ほら、貴方たちも。下克上の時間よ!」
集ったモーラビットたちには志乃が構えるウォーターガンと同じものが携えられていて。囲まれたのは王様でした。
ああ、多勢に無勢とはまさにこのことだ。周りはすっかり敵ばかり!
窮地に立たされて、ごくり、唾を飲み込むモラビキング。さあ、どうする王様!?そして勝ちを確信して微笑む志乃!
準備体操にはこの苛烈なウォーター・サバイバル! 果たしてその勝敗の行方は!! なんと!!
「きゅい!?」「え!?」
一人とたくさんたちの頭上に突如、被る影。見上げた先はイルカたち!?
そう、なんだか面白そうなことやってる! とプールサイドに集まってきた好奇心旺盛なイルカたちが、水面からの大ジャンプを決めまして。一人とたくさんたちはそれはそれは豪快に頭っから水を被る羽目にあい、サバイバルゲームは第三者たちの乱入により【勝負なし】となったそうです。
もうプールサイドが水びっしゃびしゃで、それどころではなくなったので。遊ぶにしたって怪我しそうだったので。まずはみんなで一緒に、プールサイドの水はけお掃除をする羽目になった。
再び髪を絞る志乃。ぶるぶる身を震わせて水気を飛ばすモーラビットたち。
「きゅいきゅぴもっきゅー ※おねえさんがはしゃぐからー」
「もとはと言えばあなたのせいよ? 次からはもう少し加減して、遊びに来て」
「きゅきゅーい ※はぁーい」
遊びに来るな、なんて言えないのは志乃自身が夏に感謝してしまったから。夏の日差しが悪さして、彼らが訪れていなければ在りえなかった夏休み。お仕置きはモラビキングに
やや本気のデコピンをぺいっと一発お見舞いするに留めて――尚、モラビキングはちょっと泣いた――。
「もきゅもきゅっぴいー ※王様、怒られてるー」
「きゅっぴーもきゅもきゅっぴぃ ※だって暑かったんだもん」
「ふふ、そうね、今年は本当に暑い夏だったわ」
そうしてひとりとたくさんたちは、夏の日差しに負けないくらいの笑顔を咲かせて。
大成功
🔵🔵🔵
アミリア・ウィスタリア
わかります。わかりますとも。
シルバーレインの夏は、とっても!暑いです!
……ダークセイヴァーに比べたら当たり前なのかもしれませんが……。
モーラビットさんのふわもこの毛だったらもっと暑いに決まっています。
……モラビキングさんは威厳の為かマントも纏っていらっしゃいますね。
脱ぎましょう。熱中症になります。
めいっぱい遊ぶためにも身軽な方が良いですよ。ね?
マントが汚れちゃったらお手入れするのも大変でしょうし。
王様、ミラと一緒にダイビングしませんか?
水の中の方が涼しいでしょうし、見慣れないお魚さんもいるみたいですよ。
応じて頂けたらモーラット変身!
「もきゅきゅ、もきゅっぴもきゅきゅ?(うふふ、驚きました?)」
ミラもモーラットになれるんです。
さあ、一緒にレッツダイビングです!
モラビキングさんと手を繋いで熱帯魚さん達に近づいてみましょう。
うふふ、寄ってきてくれていますね。お魚さん達も王様と遊びたいんでしょうか。
そっと手を伸ばしてみましょうか。
ミラ、王様とお魚さんと一緒で楽しいです!
王様は楽しいですか?
●海の中で遊ぼう~夏色★アバンチュール~
嗚呼、真夏の日差しはまるで彼女を照らすスポットライトのよう――陽光すらも魅せる演出と着こなして。普段の清楚な装いから大きく外さずあくまで淑やかに、だけど少し大胆に。その装いはまるで砂浜のお姫様。
そんな爽やかで淑やかで涼やかな水着を纏うお嬢様――アミリア・ウィスタリア(綻び夜藤・f38380)も。
「わかります。わかりますとも。シルバーレインの夏は!とっても!!暑いです!!!」
――今年の夏は暑かったみたいです。ですよね。
特にアミリアは常闇が支配するダークセイヴァー出身であるから尚更、シルバーレインの夏は厳しいものがあったらしい。この眩き光源の1/3でも故郷にわけてあたえることができるなら……とアミリアが思ったかどうかは定かではないが、地の文は1/3くらいはダークセイヴァーにわけてもいいんじゃないかと思っている。
いやぁ、実際、体温より高い気温ってさ、本当、どういうことなんですかね……?
それはさておき。
今、アミリアはとにかく暑い。暑くて暑くて仕方がない。日傘で陽光を遮ったとて、肌に感じる空気の暑さがどうこうなる訳ではない。ので、目に入る暑そうなもの全てをちょっと退かしてしまいたかった。そう、例えば。
(モラビキングさんは威厳の為かマントも纏っていらっしゃいますね。ふわもこで暑そうなのに、あれではもっともっと暑いにきまっています……!)
モラビキングのマントとか。そして、そっとモラビキングに近付くたおやかなる乙女。
ふと、パラソルの影に重なる人影に気付いて、モラビキングが振り向いた。其処に佇む乙女とばっちり重なり合う視線は、モラビキングにアヴァンチュールの予感を思わせて。くりくりのおめめがまんまるく見開かれる。
アミリアはアミリアで、そんなまんまるおめめが愛らしくってついふんわり微笑んでみたりして。しかして、その微笑みは寵姫の齎す甘い甘い微笑み。夏の暑さもあいまって、輝く太陽も手伝って、乙女のその笑顔は一際シャイニング。
「きゅ、きゅぃ~……」
容易く蕩かされるモラビキング様、ちょっとめろーんってした。めろーんって。
「モラビキングさん……いえ、王様。マントは脱ぎましょう。熱中症になってしまいますよ」
アミリアはそんな様子にちっとも気付かずにモラビキングの傍に屈むと、そっとマントを外してあげる。めいっぱい遊ぶためにも身軽な方が良いですよ。ね? なんて気遣いで、無自覚にもモラビキングを更にメロメロにさせてしまいながら。
「あら? マント、少し汚れてますね。大変です」
「きゅきゅいきゅう ※さっき準備体操してたら汚れちゃった」
「あらあら! ふふ。では、あちらのベンチに干しておきますね。これ以上、汚れちゃったらお手入れするのも大変でしょうし。王様の大事なマントですから。大丈夫です、ミラに任せてください」
アミリアはモラビキングのマントについた砂を丁寧に丁寧に優しく払い、近くのベンチに皺にならないよう広げて干してあげる。そんな彼女の背中を見守るモラビキングの頬はすっかりほんのりリンゴ色。自分の大事なものを大事に大事に扱ってくれるアミリアの優しさが、すっかり心に響いてしまったのだった。
「そうです!王様、ミラと一緒にダイビングしませんか? 水中の方が涼しいですよ」
「きゅい! ※する!」
はてさて。暑さに参り気味なのはモラビキングも一緒。遊ぶにしたって何しましょうかって話になったところ、アミリアの素敵すぎる提案に王様二つ返事で頷いた。するとアミリアは、ふふ、と悪戯げに微笑んで――PON★っと軽やかポップなSE付きで。そのたおやかなる乙女の姿を。
「もきゅきゅ、もきゅっぴもきゅきゅ? ※うふふ、驚きました?」
もっふもふのもっきゅもきゅなモーラットに変身させてみせたのである!
まるで雪玉のような真っ白でふわんふわんの柔らかそうな毛、円らで愛くるしい青い瞳、お洒落を忘れないマントと尻尾。その姿は!王様に!――クリティカルヒットしたようだった。一瞬、息を呑む王様。すぐにわたわた慌てた仕草でむやみやたらにビーチパラソルの棒をぺちぺち叩いたりしている。
――ところで、キュートアグレッションという現象をご存知だろうか。可愛すぎるものを見ると、衝動的に攻撃的になってしまうという脳の防御反応である。例えば拳を握りしめたり、思わず噛みつきたくなったり、ぎゅってしてしまいたくなったり、とかそういう衝動にかられる現象のこと。可愛いものほどその衝撃はとっても強くって。
「きゅ、きゅっぴ。きゅっぴ」
王様、アミリア@モーラットの姿があまりに可愛らしくって!ついぎゅってしてしまいたくなったそうです。とりあえず、ビーチパラソルの棒をぺちぺちして落ち着いた王様。キリッと格好よいお顔を作りましたら。
「きゅ、きゅきゅい! ※ぼ、ぼくとお付き合いしてくださいな?」
いてもたってもいられないといった様子で突然の告白!勿論、王様も紳士なので手を握ったりなんて無粋なことはしない。格好よいお顔を作って(傍からみるととても可愛い)、お手手を胸元で組んで(お願いのポーズ)、首をこてんを傾げてみせた(渾身のお願いのポーズ!)
「きゅい!もっきゅきゅ、きゅきゅいきゅぴぃ~ ※はい、いいですよ!ミラと潜りましょう!」
「きゅ、きゅい!きゅいきゅいも、もきゅ~きゅきゅぃ ※ち、ちが!そうだけど、そうじゃ~うぅ」
当然、アミリアは可愛い!って思っただけで想いは伝わる筈もなく。
しかして、ほらほら、王様、置いて行ってしまいますよ? なんて海へと駆けだしては手を振り、きらきら微笑むふわふわ愛らしいアミリアを目にしたら、王様、何も言えなくなっちゃいまして。すれ違う想いにちょっと苦い想いをしつつ、アミリアに手を引かれて南国の海の中へ。
そこには青、碧、蒼――全てのアオを集めても尚、透き通るほどに美しい世界が広がっていた。
水面は陽光を招き、シャンデリアのように光の帯を作りあげて。大小色鮮やかな魚の群が、来訪者ふたりをぐるり囲んで歓迎する。夏の暑さなどまるでない水中の世界。珊瑚に身を隠すカクレクマノミが尻尾の先を興味深そうに突くので、くすぐったいのでダメですよ、とくすり微笑むアミリアはモーラットの姿でもまるで人魚のよう。
すっかり仲良くなったカクレクマノミに案内されるまま、少し泳いだ先に広がる光景は魚の楽園だ。警戒心などどこ吹く風か、手を伸ばした先から魚たちは指に触れ合い。時に、ツンツンしつこく突かれたりなどするものだから、王様は魚たちと本気の追いかけっこをしたり。岩場からのそりのそりと様子を見に姿を現したウツボと思わせるほどに大きな大きなナマコや、チンアナゴの引っ越しシーンを目撃して、ひとりといっぴきで驚いたりして。
「きゅいきゅい~!もっきゅきゅ? ※ミラ、王様とお魚さんと一緒で楽しいです!王様は楽しいですか?」
「きゅいっ! ※うん!」
海の中で過ごす穏やかな夏休みに、アミリアは笑顔を咲かす。勿論、王様にとっても、とてもとても楽しいひと時となったそうだ。後に、モラビキングはこう語る。
「もっきゅきゅいきゅきゅい、きゅきゅーきゅきゅきゅーきゅっ!きゅい ※あの夏の初恋は爽やかでちょっと苦い、まるでグレープフルーツのようだったよ」と――。
大成功
🔵🔵🔵
花連守・椿
(引き続きアドリブ等、大歓迎です!)
プールが南国の海に…ラムネを飲みつつビックリ。
モラビキング様にかき氷を貢ぎながら、芭蕉扇でゆるやかにあおいでみましょう。
椿は冷たい物を食べるとすぐにお腹を壊すのでラムネだけ。
「風は強すぎないようにして……涼しいでしょうか?」
ふさふさのお毛々が揺れていて愛らしいなぁ。
イルカ達に『寵姫の瞳』で波打ち際まで来てもらいます。
「モーラビットの王様、イルカに乗って遊びましょう!」
モーラビット兄弟や、他のモーラビット達も一緒にイルカに乗ったり、ボールみたい飛ばされたり()。
みんなで南国リゾートを楽しみます!
冬原・イロハ
モラビキングさん、優雅に夏をエンジョイしてらっしゃいますね
ワイルドスピードしませんか?
とお誘いしてみましょう~
大丈夫です! 海の上でかけっこをするんです!
モラビキングさん、騎乗するのはラクスくん(グリフォン)とブリキザメさん(サメ)のどちらがいいですか?
水上バイク的に海上を駆けて遊びましょう
お互い海に落っこちると沈みそうなので、はい、浮き輪も付けてっと
ゴール?
ゴールはありませんよ
気のすむまで風を感じ、遊ぶのです~
雄大な南国の海の景色を楽しんでるとここがプールだってことを忘れてしまいそう
下を覗けばイルカや珊瑚群
はわぁ心癒されますねぇ~
●海の上で遊ぼう~さよなら、またね!夏休み~
「わぁ……」
モーラビット兄弟たちを連れて椿が訪れた先は――競泳プールではなく南国の海でした。ラムネを飲む手も思わず止まってあがるのは驚きと感嘆の声。無理もありません。
砂浜は手前にちょっとしかないのに引いては打ち寄せる波の音は本物の海さながら。陽光煌く水面の輝き、空を映したかのような深い青色は果てなく何処までも。透き通る海中から覗くお魚は色鮮やかで。遠く向こうの沖の空にはカモメっぽい鳥の影すら見えるのですから。すぅと吸い込む空気の湿度も潮の香りも海のもの。そうして暫く、椿たちは南国の海を楽しみました。
さて、ところでモラビキングはというと。準備体操もダイビングも熟したのでビーチパラソルの下ですいよすいよとお昼寝をしておりましたとさ。椿たちはそろ~り近付くとその無防備な寝顔を微笑ましく見守って傍らに座って控え、寝苦しくないように芭蕉扇でそよりそよりとやさしく風を送ります。その内、兄弟たちも椿の傍に座ってお昼寝を始めてしまいました。もきゅ~きゅっぴい~ってたまに聞こえる彼らの寝言が愛らしくって、浮かぶ微笑みは自然、慈愛に満ちるもの。やがてぼんやり目覚めたモラビキングが声をかけます。
「きゅっぴぃ? ※だぁれ?」
「椿です。風、強すぎなかったですか? ちゃんと涼しかったでしょうか?」
「もっきゅきゅい! ※大丈夫、ありがとう!」
「ふふ、どういたしまして。そうだ王様、寝起きの水分補給にカキ氷は如何でしょうか?」
「きゅきゅいー! ※食べるー!」
「では、僕が買ってきます。先ほどネコさんのカキ氷屋さんを見かけたんです。ちょっと待っていてくださいね」
そうして椿はモラビキングに兄弟たちを任せると、イチゴのカキ氷をおひとつ、王様に貢ぎました。椿は引き続きラムネで涼を堪能しつつ、ひとりとみんなで和やかに浜辺でのおしゃべりを楽しむことにします。そこにぽてぽてと愛らしい足音(※足音は引き続きイメージです)と共にやってきたのはネコのカキ氷屋さん――もとい、イロハでした。
「おや、みなさん。優雅に夏をエンジョイしてらっしゃいますね!なによりです」
「あ、カキ氷屋さん!先ほどはありがとうございました!」
「いえいえ、こちらこそ。ご利用ありがとうございました!」
自己紹介を済ませたら今度はふたりとみんなで、少しの間、浜辺での小休止です。王様のちょっと背後に控える演奏隊も、おしゃべりを遮らないように音量を少し控えめにしてくれました。
「ところで、みなさんさん。ワイルドスピードしませんか?」
「ワイルドスピード?」「きゅっぷい?」
「海の上でかけっこをするんです!」
イロハの提案に椿と王様たちはきらきらと目を輝かせ、面白そう!とすっかりのる気です。大勢でやる海上かけっこ、これは白熱するに違いありません!とはいえ、果たして、どうやって?するとイロハが任せてください、と微笑みました。
暫くして――、
「此処に第一回、南国ワイルドスピード大会の開会を宣言しまーす!」
声高らかに告げたのは椿です。演奏隊も優雅に開幕ファンファーレ!尚、大会とは銘打ってはいるもののゴールも競争もありません。約束事は、怪我をするようなことはしない、それだけです。何処までも何処までもこの海を、風を感じて楽しく遊ぶ大会です。その為、チームはふたつにわかれました。
チーム・オーシャン。椿とモーラビット兄弟たちのチームです。兄弟の末弟は手のひらサイズの小さなモーラビット、あっという間に風に飛ばされてしまう為、椿の力でお友達になったイルカさんたちの背中に乗って海の上をゆっくり楽しみます。
チーム・スカイ。イロハ&ブリキザメとモラビキング&グリフォン(お名前:ラクスくん)のチームです。こちらはイロハのお友達の力を借りて、全力で風を楽しみます。
勿論、両チームとも浮輪はしっかり装備して――さあ、開幕のトランペットが鳴りました!ばにゅーんと風をかけるチーム・スカイ!安全第一にゆるやかに海へ泳ぎ立つチーム・オーシャン!
「きゅっぴーーーー!?」
感じたことのない速さに驚く王様の鳴き声だけがスタート地点に、やまびこのように残されました。だって、その頃にはチーム・スカイの姿はすっかりなかったのですから。
でも、王様が驚いたのは最初だけ。グリフォンの翼のはためきは逞しく、空と海の狭間を、潮風をきって――ぐんぐん流れる景色は、まるで風になったかのよう。見下ろせば青く透き通る海、色鮮やかな珊瑚の森と宝石のような魚たち。チーム・オーシャンのみんなが、チーム・スカイに手を振ってくれています。
「きゅっぴぃ…… ※綺麗ー……」
「はい、心癒されますねぇ~」
骸の海にはない海の景色に王様は思わず感動に呟いて、イロハは良かったとにっこり微笑みました。
さて、遠方になんだかいい感じの孤島を見つけので、チーム・オーシャンと合流することにしたチーム・スカイ。折角、お友達になったのでイルカさんたちとも遊ぶことにしました!
「みんなとっても優しいんですよ」
椿がイルカさんたちを紹介したら今度は海を楽しみます。
海の中であればイルカさんたちのその素早さはグリフォンにだって負けません!背びれに捕まったら、今度は海流と一体化の気分を味わって。だけど少しだけ気を付けて、イルカさんたちは好奇心いっぱい!
「きゃーーっ!!」
「きゅっぴー!?」
「またですかーっ!?」
突然のドルフィン・ジャンプで、まるでボールのように跳ね上げられたりすることも。勿論、怪我をするようなことはありませんが、度々あるので驚くばかり。
そうしてすっかり日が暮れてしまうまで、南国リゾートを楽しんだら――あっという間に、お別れの時間です。競泳プールに戻ってきたふたりと王様たち。すっかりオレンジ色に染まるプールサイドで、バイバイ、と手を振りあって。
「きゅっぴい!きゅぴぴきゅぴいもっきゅー! ※さよなら!たくさん遊んでくれてありがとー!」
「きゅぴぃ。みぃきゅっ! ※おねさんたち、またね!」
その姿はまるで夢だったかのように、骸の海に還る彼らの姿はさらりふわりと消えていきます。賑やかだった競泳プールもすっかり静かになってしまって少しだけ、物寂しさ。
「僕たちも、帰りましょうか」
「そうですね。帰りましょう」
夏の日差しは暮れてしまって、カモメもカラスと様変わり。あれだけ聞こえた潮騒も少しずつ少しずつ遠くなっていく。
流れるプールも競泳プールもそう時間のたたないうちに、きっといつも通りに戻ることでしょう――夏休みの終わりのように。秋を連れ、夏の名残りを跡形もなく連れ去って。
「また、会えるでしょうか?」
「会えると、いいですねぇ~」
日差しのように輝く想い出はだけを、ひとりひとりに遺したまま。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵