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滅び去りし人類遺跡

#キマイラフューチャー #戦後 #【Q】 #人類遺跡


「事件発生です。リムは猟兵に出撃を要請します」
 グリモアベースに招かれた猟兵達の前で、グリモア猟兵のリミティア・スカイクラッド(勿忘草の魔女・f08099)は淡々とした口調で語りだした。
「キマイラフューチャーの中枢『システム・フラワーズ』の奥底が一部剥がれ、その奥から謎の廃墟が出現しました」
 かつてこの惑星にいた超天才にして超天災「ドン・フリーダム」が作り上げたシステム・フラワーズは、現在では「コンコンコンすると色んなものが出てくる便利なやつ」という事くらいしかよく分かっていない。だが、この世界の人類が滅びた原因に、このシステム・フラワーズが関わっていたのはまず間違いない。

「廃墟の周辺には怪人のCGがうろついていて、彼らはこの廃墟を『人類遺跡』と呼んでいます。キマイラフューチャーにかつて存在した人類が、滅亡前に築いた文明の跡地なのかもしれません」
 だとすれば、この「人類遺跡」の調査を進めていくことができれば、何かこの世界について新たな情報が得られるかもしれない。他の世界と比べて平和そうに見えて、実は謎に満ちているのがキマイラフューチャーである。探索してみて損はないだろう。
「皆さんに調査してもらいたい区画周辺には、門番として怪人『夏の思い出トリオ』のCGがいます。CGと言ってもキマイラフューチャーのすごい技術の産物なので、喋りますし触れますし、攻撃されるとダメージも受けます」
 つまり本物のオブリビオンとまるで変わらない戦闘になるということだ。夏の思い出トリオは『ひまわり怪人』『かき氷怪人』『蚊取り線香怪人』の三体によって結成された怪人集団で、それぞれが異なるユーベルコードを使った連携プレーを行う。べつに今が夏だから出てきたわけでなく、年がら年中夏っぽい感じを振りまいているようだ。

「夏の思い出トリオのCGを撃破すれば、人類遺跡への侵入が可能になりますが……遺跡の中は『致死性の白い雪』が降り注ぎ続ける、死の世界と化しています」
 雪を浴び続ければ猟兵と言えどもいずれは覚めない死の眠りに誘われてしまうため、これを防ぐ対策は必須となる。
 それでもなお長時間の滞在には危険を伴うため、限られた時間で遺跡の探索を行い、情報を集めなければならない。
「人類遺跡に過去のキマイラフューチャーにまつわるどんな情報が眠っているかについては、正直ほとんど分かっていません。この環境では生命もほとんど存在していないと思いますが……」
 なにぶん未知の領域の調査になるため、何が起こっても臨機応変な対応が猟兵には求められる。最悪なにも見つからなくてもいいが、大事なのは無事に帰ってくること。油断せずに気をつけてください、とリミティアは念を押した。

「ずっと謎のままだったキマイラフューチャーの過去が、これをきっかけに明らかとなっていくかもしれません。どうか、皆様の力をお貸しください」
 説明を終えたリミティアは手のひらにグリモアを浮かべ、キマイラフューチャーの中枢付近に猟兵達を送り出す。
 システム・フラワーズの中から現れた未知の遺跡。そこで猟兵達を待っているのは未知の発見か、それとも――。
「転送準備完了です。リムは武運を祈っています」



 こんにちは、戌です。
 今回の依頼はキマイラフューチャーで発見された「人類遺跡」の調査になります。

 1章は遺跡の門番である怪人『夏の思い出トリオ』のGCとの集団戦です。
 CGとは言いますが扱いは通常の戦闘と変わりません。向こうもこちらも攻撃されれば普通にダメージを受けます。
 それぞれの能力値で異なる怪人が夏っぽいユーベルコードを使いつつ、3体での連携プレーで戦います。とはいえ、総合的な戦闘力はそこまででもないでしょう。

 門番を無事に撃破できれば、2章は『人類遺跡』内部の調査になります。
 遺跡内部は常に「致死性の白い雪」が降っているため、無対策でいると猟兵でも死に至ります。雪を防ぎながら探索を進めていけば、なんらかの発見があるかもしれません。

 それでは、皆様のプレイングをお待ちしております。
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第1章 集団戦 『夏の思い出トリオ』

POW   :    ひまわり怪人・ウェポン
【ひまわり兵器】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    かき氷怪人・ジェノサイド
【かき氷攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ   :    蚊取り線香怪人・リフレクション
対象のユーベルコードに対し【蚊取り線香】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
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ラムダ・ツァオ(サポート)
ラムダよ、よろしく。
戦闘なら足と手数で勝負するけど、周りに合わせて臨機応変に動くわ。
見切ったり残像を残すように動いたりと、避けるのには多少の自信があるわよ。
集団戦なら死角を減らすために数を減らすのが先決、
あとは一緒に戦う人がいればその人次第かしら。

行動指針としては以下の3通りが主。
1.味方の死角にいる敵を優先して片付ける。
2.範囲攻撃を行なえる味方がいなければ範囲攻撃優先。
3.数を減らすため、止めをさせそうな相手を狙っていく。

台詞回しや立ち位置などは無理のない範囲でご随意に。
ユーベルコードは状況に応じて使い分けます。
アドリブ・連携歓迎


櫟・陽里(サポート)
『操縦が上手いは最高の誉め言葉!』

乗り物が活躍できる場と
レースとサーキットが得意分野
どんな乗り物も乗りこなしてみせる

走りこそが俺の武器!
乗り物と操縦者の総合力で戦う
サイバーアイで路面、相手の動きなど幅広い情報収集
集中力・傭兵の経験・判断速度で攻め所を見極める

シールド展開バイクで体当たり吹き飛ばし
走り回って撹乱・誘導
仲間を運ぶ足になるのも好き
バイクは機動力のある盾にもなる
壊れたらほら、直すついでに新パーツ試せるし!

明るく話しやすい先輩タイプ
補助仕事もドンと来い
乗り物が無い戦場では手数が少ない
普通の拳銃射撃や誘導、挑発など小技を利かせるしかなくテヘペロしてる

過去は過去に還すべき、その辺割と無慈悲



「ラムダよ、よろしく」
「陽里だ、よろしくな!」
 これまで誰も知らなかったキマイラフューチャーの未踏領域で、ラムダ・ツァオ(影・f00001)と櫟・陽里(スターライダー ヒカリ・f05640)は挨拶を交わす。この世界の過去にまつわると思しき人類遺跡、その調査のサポートとして駆けつけた猟兵達だ。
「「「ここから先には通さん!」」」
 彼らの前に立ちはだかるのは『夏の思い出トリオ』。ひまわり、かき氷、蚊取り線香の三体で構成された怪人チームは、本物ではなくあくまでCGだと聞いている。だが、謎の超技術によって実体すら与えられたそのCGは、本物の怪人と何ら変わらぬ脅威であった。

「走りこそが俺の武器! 先に行かせてもらうぞ!」
 相棒のハイテクバイク「ライ」に跨り、先陣を切るのは陽里。走ることを愛し、とにかく速く走ることを追い求めた彼の操縦技術は、プロのレーサーも舌を巻くレベルに達している。たとえサーキットの上でなくとも、その腕前は存分に発揮された。
「うお?!」「こいつ、速っ!?」「と、止まれっ!」
 エンジンの咆哮を轟かせ、戦場を爆走する陽里のバイクめがけて、夏の思い出トリオは驚きつつも攻撃を仕掛ける。
 ヒエヒエの削りたてかき氷による【かき氷怪人・ジェノサイド】の超高速連続攻撃が、季節外れの吹雪のように降りかかる――が、陽里は瞬時にそれを察知して回避機動を取った。

「少し揺れるぞ!」
「お構いなく」
 巧みな操縦で縦横無尽に敵の攻撃を躱す陽里、その後部座席にはラムダが乗っている。あくまで彼は走り屋であってバイクにも兵器は積んでいない。そのスピードが戦闘において最も活かされるのは、他にいる仲間と連携した場合だ。
「自分の足にも多少の自信はあるけど、たまにはこういうのも悪くないわね」
 揺れる座席の上でバランスを保ちながら、ラムダは敵とすれ違いざまに白鋼の脇差「白刃」を振るう。鍛え抜かれた技と研ぎ澄まされた刃は、怪人CGの急所を的確に捉え――「うぎゃぁ?!」と無様な悲鳴と共に(つくづくどういう技術なのか)血飛沫が地面に散った。

「こいつらッ!」「よくもやったな!」
 仲間の1人がダメージを受ければ、残る2人が怒りを露わに反撃を仕掛ける。大した仲間意識かつ連携プレーだが、それだけで技術の差は埋まらない。多彩かつ奇妙な怪人達の攻撃に晒されても、陽里はアクセルを一切緩めなかった。
「クソ、こいつブンブン好き勝手走りやがって!」
「操縦が上手いは最高の誉め言葉!」
 サイバーアイで路面や相手の動きなど戦場の情報を幅広く収集し、猟兵の経験・判断速度で最適な走行ルートを瞬時に導き出す。針に糸を通すがごとき走りに敵はすっかり翻弄されており、もはや動きを目で追うのがやっとの有様だ。

「攻め時だな!」
 勝機を見出した陽里は、バイクの前面にビームシールドを展開して突っ込む。スピードをそのまま攻撃力に変換したシンプルな体当たりだ。そんな乱暴な扱い方をすれば車両側も破損する恐れがあるが「壊れたらほら、直すついでに新パーツ試せるし!」という考えのもとで彼は躊躇わない。
「「「うぎゃーーーっ?!!」」」
 突進してきたバイクに轢かれ、ものの見事に吹っ飛ばされる夏の思い出トリオ。これでも死なないのだからCGとはいえ怪人は頑丈だ。ダメージが無いわけではないようで立ち上がる姿はふらついているが、まだ戦意は消えていない。

「やりやがったな……あれ?」「後ろにいたヤツは?」「どこに行った?」
 しかしそこで夏の思い出トリオは気付く。ついさっきまで後部座席に乗っていたはずのエルフの女が、いつの間にか姿を消していることに。体当たりを仕掛ける寸前に彼女――ラムダは素早くバイクから飛び降り、敵の死角に回り込んでいたのだ。
「今日はこれが似合うかしら」
 【三千世界千変万化】を発動し、神速の技を十二分に活かせる装いへと瞬時に着替えた彼女は、艶消しに染められた短剣「黒刃」を振るう。確実に数を減らすため、止めをさせそうな相手から狙っていくシーフの剣技。その腕前は剣豪と呼んでも差し支えないレベルだ。

「がは……ッ?!!」
 バイクの挙動にばかり目が行っていた夏の思い出トリオの一人、かき氷怪人は死角からの不意打ちに気付けず、黒刃に背中を貫かれる。真っ赤なシロップを吐いてばたりと倒れる彼に「「かき氷ぃーっ!!」」と他二人が叫び声を上げるが、その時にはもうラムダは残像だけを残して離脱していた。
「このまま行きましょう」
「おう!」
 あっという間にバイクの後部座席に戻っていたラムダは、再び陽里の【タンデムレーサーズ】にて連携攻撃を行う。
 それぞれの特技を活かした連携は即席のものなれども、夏の思い出トリオの連携を上回るほどの冴えであった――。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ゼーレ・ユスティーツ
〈敵との邂逅〉
こいつ等が例の門番よね、慎重に戦うわ…
独特な気功法の呼吸でUC彩夢桜花流・睡蓮の型を発動してから敵に鎌を構えて対峙する

〈敵の猛攻を凌ぐ〉
まずは連携を崩すわ!
ヘルヴァイト・ヘラクレスから特殊な薬品を発射して怪人の連携を崩す

蝶の様に散れ…!スタールイーファントム!
UC還り蝶『スタールイーファントム』を発動
この時四体の残像を実体化させてから
バラバラになった怪人達に向かう
量子化したワタシと残像は斬滅撃を放ち攻撃する

攻撃は喰らわない方がいいわね…
敵もかき氷攻撃を仕掛けて来るが動きは視力で確認してから攻撃範囲から逃れるように回避する

もう一度…スタールイーファントム!
再度UCを放ち敵に攻撃した



「こいつ等が例の門番よね、慎重に戦うわ……」
 見た目はコミカルな『夏の思い出トリオ』のCGと遭遇しても、ゼーレ・ユスティーツ(彷徨う『黒蝶の死神』・f41108)は油断しない。遺跡の番人として配置されているのなら、それなりの実力差だと判断してのことか。颯爽とした立ち振舞で敵と対峙しながら、呼吸を整える。
「すぅ……はぁ……」
 継戦能力を高める独特な気功法の呼吸から、発動するのは【彩夢桜花流・睡蓮の型】。虚空に現出する睡蓮を背に、彼女は呪神鎌『エーリュシオン』を構える。その立ち姿はまさに死神――本人は、あまり気に入ってない通り名だが。

「ここは通さん!」「帰れ帰れ!」「帰らないなら痛い目を見るぞ!」
 ひまわり怪人、かき氷怪人、蚊取り線香怪人の三体は息のあった連携殺法で猟兵に襲いかかる。今の季節にピッタリな夏らしさ全開のコンビネーションは、まともに相手すれば脅威だろう。CGだからと言ってナメたら痛い目を見る。
「まずは連携を崩すわ!」
「なに……うわっ、なんか飛んできた!」「げえっ?!」
 そこでゼーレは錬金機械「ヘルヴァイト・ヘラクレス」から特殊な薬品を発射して、怪人達の連携を崩しにかかる。
 彼女が独自に錬成した毒性化学物質の液体は、特に集団殲滅に効果を発揮する。夏の思い出トリオは慌てて回避するが、それにより三体が考えていた連携はバラバラになった。

「蝶の様に散れ……! スタールイーファントム!」
 すかさずゼーレは【還り蝶『スタールイーファントム』】を発動。自身の身体と装備を量子化させながら四体の残像を連れて、バラバラになった怪人達に向かう。奇しくもそれは敵のCGと同じ、触れることもできればダメージも与えられる実体化した残像だ。
「増えたァ?!」「ただの幻……じゃない!?」「グワーッ!」
 量子化状態でゼーレと残像が放つ斬撃波は、次元の壁さえすり抜けて空間そのものを斬る。連携を建て直す暇もなくそれを食らった夏の思い出トリオは、吃驚仰天しながら吹っ飛ばされた。CGだと言うのにご丁寧にリアルな血飛沫を撒き散らしながら。

「や、やったな……!」
 負けじと敵も【かき氷怪人・ジェノサイド】で反撃してくるが、他と連携の取れていない個人プレーはさしたる脅威にならない。ゼーレは落ち着いて敵の動きを視力で確認してから、神速の域に達したスピードで攻撃範囲から逃れる。
「攻撃は喰らわない方がいいわね……」
 かき氷攻撃とはなんぞやという感もあるが、それでも未知の攻撃は極力回避するほうが得策。一度避けてしまえば敵は途中でユーベルコードを中止できず、誰も居ない場所をブンブンと殴り続ける羽目になる。反撃してくれと言わんばかりの有様だ。

「もう一度……スタールイーファントム!」
「「「グワーッ!!!?」」」
 間髪入れずゼーレが放った二度目のユーベルコードは、情け容赦なく夏の思い出トリオを斬り刻む。分身と共に華麗に舞うかの如き戦いぶりは、美しくあっても敵にとっては死神そのもの。恐怖と苦悶の悲鳴が戦場に響き渡った――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

備傘・剱
キュマイラフューチャーに、人類、ねぇ?
ちょいと気になるな

CGとはいえ、敵と同じというのなら、速攻で倒した方がいいだろう
青龍撃、発動!

高速で動き回りながら、呪殺弾、衝撃波、斬撃波、誘導弾、ブレス、エネルギー弾、頭の上の一足りないのダイス攻撃、水弾をばら撒きつつ、まずは蚊取り線香怪人を優先的に爪で引き裂いていこうじゃないか

オーラ防御で、防御をしつつ、逃げ出しそうなら、結界術で動きを封じてやろう
フォトンガントレットでも、攻撃を防いでやれば、そこまでの打撃を受けることもないだろう
ユーベルコードが相殺されても、鎧無視攻撃と鎧砕きを合わせて確実に屠っていけば、問題はないだろう

アドリブ、絡み、好きにしてくれ



「キュマイラフューチャーに、人類、ねぇ? ちょいと気になるな」
 この世界の人類はとうの昔に滅亡したとされ、その原因や当時の記録を現代に伝えるものは極めて少ない。原住民のキマイラ達はそもそも過去を気にしていなさそうだが――備傘・剱(絶路ゼロ・f01759)としては、突如として現れた人類遺跡とやらに興味を引かれるものはあった。
「猟兵め!」「ついに人類遺跡を嗅ぎつけたか!」「ここを通りたくばオレ達を倒して行くんだな!」
 行く手に立ちはだかるのは頭部がそれぞれひまわり、かき氷、蚊取り線香になった三体の怪人。正体はCGだとは言うがこうして向かい合っても本物と区別が付かない。遺跡の番人である彼ら『夏の思い出トリオ』を倒さないことには、遺跡の調査もできないようだ。

「CGとはいえ、敵と同じというのなら、速攻で倒した方がいいだろう」
 そう判断した剱は【青龍撃】を発動、空気中の水分を凝縮して青龍の爪と牙を形成する。背骨に仕込まれた火災発生時の緊急モジュールを不正改造して、戦闘用にしたユーベルコードだ。一見普通の人間のようでいて、彼の肉体には様々な機械が埋め込まれている。
「まずはお前からだな」
「オレぇ?!」
 一体ずつ優先度を定めて連携を崩していこうと、剱が最初の標的に選んだのは蚊取り線香怪人。爪から生じる真空刃と牙から放たれる高圧の水弾が、元は消火用とは思えない威力で迫る。狙われたほうが慌てふためくのも無理はない。

「天よ、祝え! 青龍、ここに降臨せり! 踊り奏でよ、爪牙、嵐の如く!」
 戦場を高速で動き回りながら、龍人と化した五体より猛攻を仕掛ける剱。それは水弾や真空刃に限らず、水のブレスや冷気のエネルギー弾、呪殺弾に衝撃波など様々で、さらに頭の上にしがみ付いた「妖怪一足りない」もダイスを投げて援護する。
「ぶべぇっ?! や、ヤベ……」
 フルボッコにされた蚊取り線香怪人はたまらず逃げ出そうとするが、いつの間にか張られていた結界が彼の動きを封じる。壁に阻まれる格好となった彼は味方の援護も受けられず、さらなる追撃を受けて「ぎにゃー!?」と絶叫した。

「かっ、蚊取りー!」「くそっ、それ以上やらせるか!」
 残る二人も仲間のピンチを黙って見ている訳にもいかず、おのおのの兵器や拳で剱を止めようと襲い掛かってくる。
 だがトリオの一角を欠いた状態での連携プレーでは本来の実力を発揮できない。剱はオーラを纏って守りを固めつつ「フォトンガントレット」で防御の構えを取った。
(これなら、そこまでの打撃を受けることもないだろう)
 ガントレットの力で増幅された精神力の盾により、怪人の攻撃は弾かれる。予想通り大したダメージはなさそうだ。
 剱はお返しとばかりにその二体にも青龍の爪牙を振るい、吹き飛ばす。個の戦闘力において彼がこのCG達より勝っているのは、もう誰の目にも明らかだった。

「チクショウ、やられてばっかでいられるか……!」
 と、ここでなんとか一矢報いてやろうと蚊取り線香怪人がユーベルコードを発動。剱の【青龍撃】に対応した【蚊取り線香怪人・リフレクション】が、水弾と真空刃を相殺する。殴られながらも攻撃パターンを見て学習していたのか、実力差を考えれば大したものだ。
「まあ、問題はないだろう」
「え? ぶげぇッ!!」
 しかし剱はユーベルコードを相殺されても冷静に持ち前の技で立ち回る。気を抜いた蚊取り線香怪人の土手っ腹に、鎧砕きと鎧通しの技能を合わせた強烈な一撃が叩き込まれ――あわれ敵は結界の壁際までしたたかに吹き飛ばされた。
 これまでに数々の猛者達との手合わせを通じて磨かれた剱の格闘技は、夏の思い出トリオとはそもそも自力が違う。このまま早々に始末を付けてしまおうと、彼は追撃の手を緩めなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ヴィクトル・サリヴァン
夏だからCG怪人も夏風味?
人類遺跡はずっと雪降ってるみたいだから冬な気もしなくはないけど何で邪魔するのかなー。
単に邪魔したい!ってだけなのかもだけど好奇心は止められないよね?
そんなわけで調査のために夏の思い出たちにはちょっとどいてて貰おうか。

ひまわり兵器を派手にぶっ放してくるか。
高速詠唱から氷の魔法で正面に氷壁展開、視界を塞ぎつつ兵器の射線から逃れるよう建物などの障害物の影に隠れつつ狙いを定めるね。
一番景気よく攻撃してきてるヤツ目掛け銛構えUC起動、全力で投擲してひまわりの真ん中ぶち抜くよ。
当たったなら当然追撃、水シャチに大きくがぶりと噛み付かせ敵の連携かき乱そうか。

※アドリブ絡み等お任せ



「夏だからCG怪人も夏風味? 人類遺跡はずっと雪降ってるみたいだから冬な気もしなくはないけど何で邪魔するのかなー」
 季節感を意識しているのか、それとも年がら年中あんなノリなのか、夏っぽい感じを振りまく『夏の思い出トリオ』を見てヴィクトル・サリヴァン(星見の術士・f06661)は呟く。こいつらは人類遺跡の番人らしいが、そうするほどの理由や価値がこの先にあるのだろうか。
「単に邪魔したい! ってだけなのかもだけど好奇心は止められないよね?」
 ロマンを愛するヴィクトルとしては、自分のいる世界に未知の遺跡が見つかったとなれば調べない訳にはいかない。
 邪魔されようが相手は怪人だし、そもそもCGらしいし。遠慮なくぶちのめしても誰からも文句はかからないだろう。

「そんなわけで調査のために夏の思い出たちにはちょっとどいてて貰おうか」
「そう言われて」「はいそうですかと」「どくものか!」
 もちろん夏の思い出トリオも素直に道を開けたりはしないだろう。ひまわり怪人を中心に、かき氷怪人、蚊取り線香怪人が両サイドを支え、発動するのは【ひまわり怪人・ウェポン】。キマイラフューチャー特有の超技術から生まれたひまわり兵器を、攻撃力重視で派手にぶっ放してきた。
「「「吹っ飛べ!!」」」
「いやだね」
 ヴィクトルは素早く呪文を唱えて自分の正面に氷壁を展開。攻撃を防ぎつつ怪人達の視界を塞ぎ、行方を眩ませる。
 あの兵器を食らうのは流石にヤバそうなので、まずは射線から逃れたほうがいいだろう。そう考えて彼は近くの建物に隠れた。

「どこに行った、コラー!」
 ひまわり怪人はなおも兵器を乱射して標的を炙り出そうとするが、そんなに景気よく攻撃しまくれば目立つ的になるだけだ。ヴィクトルは物陰からそいつに狙い定め、「勇魚狩り」の三叉銛を構えて【大海より来たれり】を発動する。
「さあ、追いかけて、齧り付いて――喰い千切れ」
 全力をもって投げ放たれた銛は、過たず標的を捉え。ひまわりの真ん中をぶち抜かれた怪人が「ぐげッ?!」と悲鳴を上げる。CGだろうが実体があるという話は本当のようで、感じた手応えは普段戦っているオブリビオンと変わらないものだった。

「ひ、ひまわりー!」「ヤバいぞ、どうしたら……ひえッ!?」
 仲間をやられて慌てふためくのは残りの二体、かき氷怪人と蚊取り線香怪人。しかし彼らに冷静になる猶予はない。
 投擲された三又銛は一種の道標となり、さらなる追撃を呼び込む。どこからともなく聞こえてくる潮騒の音と共に、水で象った巨大なシャチが三体に襲い掛かった。
「「「うぎゃぁぁぁーーーっ!!!?!」」」
 恐るべき海のギャングの襲来に、すっかり連携をかき乱された三体は、反撃さえままならずに各個撃破されていく。
 大きくがぶりと噛みつかれた三体の悲鳴が響き渡り――それが聞こえなくなると、ヴィクトルは建物の影からひょいと顔を出した。

「終わったかな」
 ヴィクトルが見たのは散らされたひまわりの花びら、溶けたかき氷のしずく、そして折れた蚊取り線香の燃えさし。
 どこか哀愁を漂わせる痕跡だけを遺し、人類遺跡の番人こと『夏の思い出トリオ』はここに消滅したのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『人類遺跡探索』

POW   :    瓦礫をどかし、遺構を探す

SPD   :    雪を防ぎながら迅速に移動する

WIZ   :    遺跡の構造や特徴をスケッチに残す

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 番人の『夏の思い出トリオ』のCGを倒した猟兵達は、いよいよ今回の目的地となる人類遺跡に足を踏み入れる。
 そこは現在のキマイラフューチャーとは趣の異なる都市の廃墟だった。一体いつ造られたのかも分からないほど荒廃した建造物や道路に、真っ白な雪が降り積もっている。

 外は真夏だと言うのにここだけ真冬のような景色だが、この雪は単なる自然現象ではない。
 浴び続ければ猟兵でも危険な致死性の雪だ。覚めない死の眠りに誘われるのが嫌なら、何らかの対策は必須となる。
 人類遺跡の全域には、常にこの雪が降り注いでいる。調査中は常に気をつけておくべきだろう。

 果たして、この遺跡のどこかに人類滅亡の謎やキマイラフューチャーについて新たな情報が眠っているのだろうか。
 全ては調べてみなければ分からないこと。猟兵達は早速探索を開始した。
ゼーレ・ユスティーツ
あの雪に当たらない様にすればいいのね
ワタシは量子空間(指定UC)から鎌を出して結界術を発動

まずは廃墟の建物を探索する

壁の一部が崩れているわね、致死性の雪と関係あるのかしら?核戦争の可能性が…いや、何かしらの実験の失敗の可能性があるわね…
と色々の考察を立てるが手がかりを集めた方がいいと判断した

あの研究所を目指してみましょう…
高台にある研究所の廃墟を目指す事にした
結界術を再び展開して歩きだした



研究所、何も無いわね…
割れた試験管や壁などに巨大な爪痕があった

あら?紙かしら
文字が少し掠れているけど、何々?『オリジン・オブリビオン・フォーミュラ計画?』
意味不明な計画書を見つけたが肝心の内容は分からなかった



「あの雪に当たらない様にすればいいのね」
 ひらひらと廃墟に降る雪を見たゼーレは、すぐさま【無限量子空間】から呪神鎌『エーリュシオン』を取り出して、結界を張った。死の呪いを利用した障壁は「致死性の雪」をシャットアウトし、彼女の身の安全をひとまず保証する。
「まずは廃墟の建物から調べましょう」
 結界を維持したまま彼女は「人類遺跡」の探索を開始する。キマイラフューチャーの人類が滅亡した理由や、この世界の過去にまつわる情報を求めて。朽ちた建物は黙して語らないが、その状態からは様々な推察を行うことができる。

「壁の一部が崩れているわね、致死性の雪と関係あるのかしら? 核戦争の可能性が……いや、何かしらの実験の失敗の可能性があるわね……」
 少なくとも、猟兵の命すら蝕む雪は自然現象ではあり得まい。この遺跡でかつて行われた実験が滅びのトリガーになったのではないかと考えるゼーレ。色々と立てられる考察はあるが、まずは手がかりを集めたほうが良いと判断する。
「あの研究所を目指してみましょう……」
 彼女が気にするのは高台にある何かの研究所と思しき廃墟。そこならまだ専門的な資料が残っているかもしれない。
 結界術を再び展開しながら歩きだす、少女の足跡が雪の積もった地面に残る。まだ活動限界には時間がありそうだ。

「研究所、何も無いわね……」
 特に雪以外の障害にあうこともなく目的地にたどり着いたゼーレであったが、期待した収穫は残念ながら無かった。
 建物の中に残されていたのは割れた試験管や、壁や天井に残された巨大な爪痕くらいのもの。随分と荒れた様子からかつてここで「何か」があったことは推察できるが、それ以上のことは分からない。
「あら? 紙かしら」
 ここは諦めて次を探そうかと思ったその時、彼女の視線は瓦礫の隙間に挟まった一枚の紙片に気付く。破かないよう慎重に取り上げてみると、それはどうやらこの研究所で行われていた実験資料の断片――計画書の一部のようだった。

「文字が少し掠れているけど、何々? 『オリジン・オブリビオン・フォーミュラ計画?』」
 辛うじて判読できた部分を読み上げてみても、その計画書は意味不明だった。響きだけでも物騒だが、肝心の内容は風化してしまって分からない。ゼーレは他にも関連する資料が残っていないか探してみたが、残念ながら目ぼしいものは見つけられなかった。
「とにかく、これだけでも持ち帰りましょうか」
 この計画書が人類遺跡の過去にまつわるものか、それともこの研究所の妄言なのかは定かではないが、貴重な資料に違いはない。研究所の外に出た彼女は結界の傘をまた張って、脆くなった紙片を抱えたまま帰路につくのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

備傘・剱
毒、か…
ならば、オーラ防御で、外気を遮断しつつ、頭の上に結界術による傘を作っておこう
探すのには、念動力と第六感、そして、仙術による細かな探り
そして、大きな破片や、範囲もあるのならば、デビルダイスロール発動!

怪しい物や、がれき以外の物を集めさせてみるが…
まさか、一足りない達も、行動不能に陥るとか、そういう事は…、ないよ、な?

しかし、あの陽気な住人が住む世界には、ちと似つかわしく無い光景だな
それに、コンコンポイントとか、あるのだろうか…
トレジャーハンターとしては、徹底的に調べてみたい所だ
歴史的な発見も、見つかるかもしれない

もっとも、それがいい事とは、限らないがな

アドリブ、絡み、好きにしてくれ



「毒、か……ならば、傘を作っておこう」
 人類遺跡に降り積もる「致死性の雪」を見た剱は、霊気のオーラで外気を遮断しつつ、頭の上に結界の傘を張った。
 防護服などがあればより万全だったかもしれないが、ひとまずこれで急場は凌げるだろう。あとは毒の影響が出る前に探索を済ませればいい。
「しかし、思ったよりも規模の大きな遺跡だな」
 番人のCG達が守っていた先にあったのは、ひとつの都市に相当する広大な廃墟だった。現在のキマイラフューチャーでは珍しい建築様式も見られ、かつての人類が築いていた文明のレベルが窺える。調べ尽くすには骨が折れようが、好奇心を刺激される場所だ。

「出でよ、ダイスの妖怪よ! 我が声に従い、総員出撃!」
 この範囲を一人で探索するのは大変だと判断した剱は、【デビルダイスロール】を召喚。さっきの戦いでも援護してくれた「妖怪一足りない」を大量に召喚し、遺跡の調査を手伝わせることにした。ことゲーム界隈に出没すると小憎たらしい妖怪だが、こういう時には役に立つ。
「怪しい物や、がれき以外の物を集めさせてみるが……まさか、一足りない達も、行動不能に陥るとか、そういう事は……、ないよ、な?」
 猟兵すら蝕む致死性の雪が、妖怪にとっても毒となる可能性は考えてみれば十分にあった。呼び出してから不安になる剱であったが、幸いにして一足りない達も瓦礫を持ち上げて盾にしたり、不思議な時空のパワーで雪を避けたりと、各自対策を取っているようだ。

「しかし、あの陽気な住人が住む世界には、ちと似つかわしく無い光景だな。それに、コンコンポイントとか、あるのだろうか……」
 妖怪達が問題なく作業を行っているのを確認してから、剱は改めて周囲を見渡す。長い年月によって風化した都市の廃墟に、しんしんと雪が降り積もった物寂しい風景は、これまでのキマイラフューチャーのイメージとは大きく違う。試しに適当な場所をコンコンと叩いてみても、なにか出てくる気配はなかった。
「もともと存在しないのか、それとも機能停止しているのか、これだけでは分からないな」
 一足りないだけに任せてはおけないと、彼は念動力と第六感、そして仙術による細かな探りを入れ始める。どんなに些細な手がかりや、隠された物も見逃すまいと、あらゆる感覚と能力をセンサーのように張り巡らせる。遺跡に潜り、遺物を発掘するのは普段から彼の生業であった。

「トレジャーハンターとしては、徹底的に調べてみたい所だ。歴史的な発見も、見つかるかもしれない」
 手慣れた調子で探索を進めた結果、剱が発見したのは何らかの文字が刻まれた物品や、古びた記録媒体などが数点。
 加えて一足りない達がかき集めてきた物品の中にも、探索者としてのカンがうずくものが幾つかあった。これらを持ち帰って調べれば、キマイラフューチャーの過去の謎について分かるかもしれない。
(もっとも、それがいい事とは、限らないがな)
 それは同時に、陽気で平和そうなこの世界の闇を暴くことにもなり得ると、剱は自分の行いを正しく認識していた。
 これだけの遺跡を残し、現在のキマイラフューチャーの礎を築いた人類が、なぜ滅び去ってしまったのか。その真実が明らかになった時何が起きるのかは、まだ誰にも分からなかった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ヴィクトル・サリヴァン
しっかしずーっと降り続いてるよねこの雪。
どう考えてもまともな自然現象じゃないしユーベルコード製の何かだったりするのかな。
とりあえずは極力雪浴びないよう注意しないとね。

高速詠唱で風の魔法を使用、降ってくる雪を吹き飛ばし俺の体に触れないようにし探索。
吹雪いてきて風のバリア突破しそうになってきたら近くの遺跡の陰などに隠れやり過ごしつつ地面掘ったり瓦礫どけたり地下通路的な物ないか調べるね。
遺跡の文明と今の地上の文明、差異どんなものかなー。
原住民の人にあったら礼儀正しくご挨拶。
火を起こしたりもできるけどご入用?とか聞いてみたり。
ここでどんな生活してるのか、少しでも知れたらいいなと。

※アドリブ絡み等お任せ



「しっかしずーっと降り続いてるよねこの雪。どう考えてもまともな自然現象じゃないしユーベルコード製の何かだったりするのかな」
 人類遺跡に降りしきる「致死性の雪」を見上げながら、ぽつりと呟くのはヴィクトル。彼がこの光景を見るのは初めてではなく、以前にも何度か同様の遺跡を調査したことがある。だが何度見てもこの雪の正体を突き止めることはできず、謎は深まるばかりだ。
「とりあえずは極力雪浴びないよう注意しないとね」
 彼は風の魔法を唱えて降ってくる雪を吹き飛ばし、自分の体に触れないようにしながら探索を始める。流石に数度目の調査ということもあって慣れた様子で、崩れた瓦礫や倒れた建築物といった障害物をひょいひょい乗り越えていく。

「遺跡の文明と今の地上の文明、差異どんなものかなー」
 ぱっと見た限りでも現在のキマイラフューチャーとこの遺跡には建築様式の違いなどを感じるが、どこまでの差異があるかを専門外の知識で判じるのは難しい。とにかく手がかりを集めるために、ヴィクトルは三又銛をスコップ代わりにして地面を掘ったり、瓦礫をどけたりしてみる。
「おっと、吹雪いてきたね」
 途中雪の勢いが強くなって風のバリアでも防ぐのが難しくなってくると、近くの遺跡の陰などに隠れてやり過ごす。
 致死性の雪の危険性は再三警告されているため安全第一で、天候が落ち着くのを待ってから調査を再開。地上とは異なる荒涼とした世界観の中でも、彼のマイペースさは平常運転だ。

「おや、こんなところに地下通路が」
 そうしてヴィクトルが発見したのは、埋もれていた地下への入り口だった。上にあった建物は崩れて地下部分だけが残ったのか、あるいは地下鉄のような空間があったのか。いずれにせよ秘密の匂いを嗅ぎ取った彼は慎重に中に入る。
「……あれ? どちらさま?」
 果たして、地下でヴィクトルを待っていたのはヒトの声だった。明かりをつけてみれば暗闇にぼんやりと浮かび上がるのは、クラゲのようなゼラチン質でできた肉体を持つ人型の生物。彼も水生生物の特徴を持つキマイラではあるが、このような同族は知らない。地上の文明にはいない未知の種族だった。

「はじめまして。俺の名前はヴィクトル・サリヴァン。この遺跡の調査に来たんだ」
「へぇ~。そうなんだ。はじめまして!」
 やはり過去の調査で同様の種族に会ったことのあるヴィクトルは、落ち着いて礼儀正しく挨拶する。この人類遺跡の「原住民」とでも言うべき謎のゼラチン種族は、突然の来訪者である彼にも好意的な態度を示した。少なくともオブリビオンではないし、敵でもなさそうだ。
「火を起こしたりもできるけどご入用?」
「あ、すっごい助かる~」
 彼(?)を含めたこのゼラチン種族は、致死性の雪を避けながらひっそりとこの遺跡で暮らしているらしい。ここのような地下空間は雪を凌ぐのに丁度良かったのだろう。ヴィクトルがつけた火の灯りにつられて、似た見た目をした種族がわらわらと集まってきた。

「キミ達は、ここでどんな生活をしてるの?」
「えっとね~、ガラクタ集め?」「雪の勢いが弱い時間を狙って、役に立つものを探したりとか~」
 彼らのことを少しでも知れたらいいなと思って、ヴィクトルはいくつかの質問を行う。その全てに彼らは朗らかな様子で応えてくれた。致死性の雪が降る遺跡での生活は決して楽ではなさそうだが、彼らは苦には思っていないようだ。それはこの場所以外の"世界"を知らないが故かもしれない。
「ありがとう。勉強になったよ」
「いえいえ~」「またね~」
 話を終えてヴィクトルはゼラチン種族にお礼を言ってその場を去る。地下を出るまで彼らは笑顔で手を振っていた。
 いつか、あの種族がこの遺跡を出て、自分達の仲間になることもあるのだろうか。そんなことをふと想像しながら、彼は今回の調査を終えるのだった。



 こうして、猟兵による人類遺跡の調査は無事終了し、彼らは各々幾つかの成果を得て帰還の途につく。
 これらの発見がキマイラフューチャーの謎を解く手がかりになるかは、まだ分からない。しかし、彼らの費した労力が無駄になることは決してないだろう――。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2023年08月07日


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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

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 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
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👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


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