彼は走っていた。数多の魔獣とやり合った錆びた剣も羽振りのいい冒険者から奪ったピカピカの盾も投げ捨てて。
彼はちょっとばかし他のゴブリンより強かった。そんな彼の元にはたくさんの仲間が集まった。彼は10までしか数えられなかったけど、とにかくたくさんでたくさんな仲間が集まっていた。
それがどうしてこんなことになったのか。飛竜に追われながら、彼とその仲間たちは必死に走っていた。
「みんな!オブリビオンよオブリビオン!」
今日もグリモアベースでフェアリーのグリモア傭兵、ネミ・ミミーニーズ(f00595)は騒がしくしていた。
なんでも『アックス&ウィザーズ』のとある小さな村に危険が迫っているという。
「今回現れたのはワイバーンが1体と、なんかゴブリンがすごいいっぱい。」
すごいいっぱい?
「100体を余裕で超えるくらいいたわね、最初は。」
ネミが言うにはかなりの規模のゴブリンの一団が荒野にいたらしい。そこへお腹を空かせたワイバーンが飛び込んでいったのだと。
「ゴブリンじゃワイバーンに敵わなくてあれよあれよともぐもぐされて、残ったゴブリンは必死に逃げ出したの。ここまではよくある荒野の日常なんだけども。」
問題はその先。今回はゴブリンたちが逃げていく先に小さな村が一つある。このままでは逃げるゴブリンとそれを追うワイバーンの襲撃で村は壊滅することになる。
「そこでばばーんと猟兵が駆けつけるわけなのよ!」
ネミは空中でポーズを決めて叫んだ。
ちなみに『アックス&ウィザーズ』の世界では猟兵の存在は知られていないので通りすがりの冒険者ってことでお願いします。
●村と防衛
ゴブリンたちは谷間にある道をまっすぐ走ってくる。今回はこの谷の出口で敵の侵攻を食い止めるために砦を建設してもらいたい。
「ここでゴブリンを防げばワイバーンは村までいったりしないから安心よ。」
猟兵の到着からゴブリン達との接触まで、つまり準備に使える時間は数日程度。
谷の出口は崖に挟まれた幅5mほどの道。猟兵たちが到着した時点では防衛に使えるような施設は何もない。
また、脅威が迫っていることを伝えれば村の人々の助力を得ることができる。猟兵が指示を出せば砦の準備も捗ることだろう。
周辺で豊富に確保できる木材を用いて柵など作ればひとまず今回の戦いは乗り切れるはずだ。更にいろいろ工夫すればそれだけ優位に立てることだろう。
●ゴブリンとワイバーン
ネミは敵の戦力について説明を始める。
まずはゴブリン。数は不明だが少なく見積もっても30は超えるだろう。それらが一直線に走ってくる。
「ただ突っ込んでくるだけだから余裕よ余裕!とにかくいっぱい倒すのよ!」
今回はひらすら数が多い。一度にどれだけの数を潰せるかが勝負になる。
ゴブリン相手ならば村人を戦わせてもよい。ただ、きちんと戦える者たちではないので砦の中から飛び道具などで援護をさせる程度ではあるが。
ゴブリンを退ければいよいよワイバーンとの戦いになる。 ワイバーンは猟兵を見つければ猟兵を優先して攻撃してくる。
ここからはもう村人では話にならない。ワイバーンが来た時点で村人たちは安全な場所まで非難させよう。空を飛ぶワイバーン相手なのでゴブリンを意識した砦ではさほど役に立たないだろう。
「細かいことはいいわ!思いっきりぶん殴ってやりなさい!」
小さな腕をぐるぐる回すネミを背に、猟兵たちは準備を始めた。
背腹かえる
背腹かえる(せにはらかえる)です。
よろしくお願いします。
今回は準備を整えたあと、戦闘、そして戦闘、となります。
正面勝負。
それでは、よろしくお願いします。
第1章 冒険
『砦の建設』
|
POW : 砦の建設に必要な力仕事を行う
SPD : 周辺の探索を行う、仕掛け罠を用意する
WIZ : 砦を利用した戦い方を提案する
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
|
ニィ・ハンブルビー
呼ばれて飛び出てボク登場ー!
なになに?砦作りを手伝えばいいの?
りょうかーい!任せといて!
まずは材料がないとなにもできないよね!
【思う念力岩をも通す】で木を根元から倒して木材確保だよ!
石材も岩を砕けば手に入るよね!
そんでもって、村人さん達の運べるサイズまでバトルアックスで大雑把に切り分ける!
採掘と伐採はボクに任せろー!
で、運ぶのは村人さんにお願いだね!
【フワフワの魔法】を村人さん達にかけた方が早く進むかな?
「それじゃ、よろしくね!」
材料が十分採れたっぽかったら、ボクも運ぶのを手伝うよ!
リリサレナ・ハイヴァーン
「この丸太はどこに持っていけばいいの?」
怪力を活かして砦の建設に協力します
男顔負けの怪力に若干引かれて悲しいけどくじけない
「なんかみんな遠くない?丸太が危ないって?……そうね」
村人にビビられ遠巻きにされつつも
ドンッドンッドンッと黙々と丸太を積み上げていく寂しそうな少女
「もっとみんなでワイワイやるものだと思ってたんだけど」
ソラスティベル・グラスラン
むぅ、これは由々しき事態ですね。
大量のゴブリンさんが逃げ場を求めて、ワイバーンをやってくると…
彼らも可哀想なものですが、村を襲うのであれば到底見逃すことはできませんね!
無辜の民を救う為、今ここに勇者参上ですっ!
ここは怪力を活かして砦の建設に行きましょう!
とにかく木材で頑丈な柵を作り、砦の一部とするのです!
自分の大斧で木を倒し、自分で運び、自分で建てます
わたしの友【プレリエルデ】、貴方も手伝ってください!
えーい!一つ立てては母のためー!勇者は木ーを切るー!
村人の皆さんは無理をしないでくださいね!肝心な体力は襲撃までに、温存しておくのです!
「呼ばれて飛び出てボク登場ー!」
ニィ・ハンブルビー(近距離パワー型フェアリー・f04621)の明るい声が殺風景な谷の出口に響く。小さなフェアリーは楽しそうに辺りの様子を見ながら飛び回っていた。
ニィの傍らでリリサレナ・ハイヴァーン(黒百合魔槍リリサレナ・f04590)は静かに砦の図面を引いていた。今回集まった仲間の中で最年長であったリリサレナは砦の設計を担当することとなっていた。
槍聖の槍であったヤドリガミの女性は、数々の戦場の記憶からこの地に相応しい砦の様子を思い浮かべていた。
そこへ村人を伴ったソラスティベル・グラスラン(暁と空の勇者・f05892)が現れる。
「由々しき事態ですからね。村の皆さんも協力を惜しまないと言ってくれました!」
無辜の民を救う為、今ここに勇者参上ですっ!村人たちの前でビシッっと決める勇者。
「それじゃーまず材料集めだね!採掘と伐採はボクに任せろー!」
こうして村を守るため、猟兵と村人たちの作業は始まった。
「一つ立てては母のためー!勇者は木ーを切るー!」
力自慢のソラスティベルが大斧でテンポよく木を切り倒す。その後ろで、ニィがユーベルコードを解き放つ。
「よっこらせー!!!」
【思う念力岩をも通す】、豪快な音と共に小さなフェアリーの拳が一撃が木を叩き折る。
力に自信があったソラスティベルはちょっと焦る。落ち着け未来の勇者、気合です気合。密かに自分に喝を入れるソラスティベル。
木々の伐採と並行してリリサレナが丸太を運ぶ。切り分ける前の大きな丸太をそのまま運ぶリリサレナの様子に、切り分けられた木材を運ぶ村人はちょっと距離を取る。
「なんかみんな遠くない?丸太が危ないって?……そうね。」
どこか寂しそうに作業を進めるリリサレナ。相棒の小竜プレリエルデと共に切り出した石材を運ぶソラスティベルも心なしかリリサレナから距離を取っている。
大丈夫、わたしも十分重い物を運んでいます。今日はたまたま力自慢の仲間が集まったのです。負けるなわたし!
十分な資材が運び込まれいよいよ砦の建設作業が始まる。
リリサレナが中心となって作業が進む。作業するうちに村人との距離はだいぶ縮まっていたようだった。大きな丸太をそのまま積み上げ、砦の壁を構築する。その丸太の重量はそれだけでゴブリンを留めうる素質を秘めていた。
リリサレナが積み上げた砦の上に、ニィがフワフワの魔法で木材を持ち上げ、村人の手が2階を造られてゆく。
ソラスティベルは村人と共に砦の周囲に柵で固める。正面は石を積んだ丈夫な壁。プレリエルデに体当たりさせて強度を確かめる。
「これならゴブリン相手でも安心です!」
更にその周りを木の柵を配置する。柵で勢いを殺せばゴブリン達が一気に押し寄せることはできないはずだ。
「今日はここまでです!村人の皆さんは無理をしないでくださいね!肝心な体力は襲撃までに、温存しておくのです!」
夕日に照らされた砦を眺め、猟兵と村人たちは本日の作業を終了した。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
アイリス・スノーキャッスル
闇雲に仕掛けるより効率よく行きたいでね
私は【SPD】を重視した罠を貼る事に専念します
人手がいりますから【オルタナティブ・ダブル】を使って効率を上げていきます
からくり人形もいますので、力仕事や遠隔地での危険作業に活躍してもらいたいですね
罠は谷間なのでオーソドックスな落とし穴やトラバサミにて足止めからの、頭上から岩石を落として圧殺もしくは油樽があれば投げつけて火矢を放ちます
殺りにきたのなら、それ以上をされる覚悟はあるでしょ
設置場所は砦からやや離れた位置に接近戦の際は仲間を巻き込まない様にしましょう
崖を登ってくるなら崖側面に油を流し
登りきられたなら少数なら戦闘、多数なら無理せず撤退と決めておきます
弥久・銀花
私は罠を仕掛ける手伝いをします。
木のしなりを利用して空中へ投網を投げる罠とか、砦に取り付けられるバリスタを良さそうな場所に配置して回ります。
後は、仕掛け罠とはちょっと違いますが、ゴブリンが入れそうな程度に柵に隙間を空けてあげる積りです。
折角ここまで逃げたのですから敢闘賞です。
まあ、見逃すのは私だけなので、他の人がどうするかまでは知りませんけど。
新しくできた谷の砦で話し合う人物がいた。アイリス・スノーキャッスル(囁く者・f03970)と弥久・銀花(人狼の剣士・f00983)の2人。砦に罠を仕掛けるにあたり二人で打ち合わせをしていたのだ。
味方を巻き込まないよう砦から離れた位置に罠を仕掛けるつもりだったアイリス。一方、銀花は砦の中に配置すべき罠を考えていた。
細かな打ち合わせは不要。互いに予定通りの罠を仕掛ければアイリスの罠がゴブリンの数を減らし、撃ち漏らしも銀花の罠によって砦に近づく前に撃退しうる理想の流れとなる。
お互いの作戦を確認し、二人は別れた。
アイリスは谷の道に落とし穴やトラバサミを仕掛けていた。オーソドックスなこれらの罠は少々の足止め程度にしかならないだろう。
しかしアイリスの罠はこれだけで終わらない。崖の上のもう一人の自分【オルタナティブ・ダブル】を見上げる。
崖の上には砦の建設で余った木材や岩石が集められていた。ここから物を落とすだけでも十分な脅威となるだろう。さらに村人に油樽を用意させ、木材に油を染み込ませる。
足止め、投石、そして火攻め。全てうまくいけばゴブリンの戦力を大きく削ぐことができる手筈だ。
「殺りにきたのなら、それ以上をされる覚悟はあるでしょ。」
銀花は砦の上に大型のバリスタを運び上げる。砦の大きさから、無理なく配置出来たのは4台ほど。
そしてそのバリスタに合わせ、外の柵を調整する。柵にはざわと隙間を作る。その隙間に向けて投網を投げる罠を仕掛る。
投げ網で動けなくなったゴブリンにはバリスタの射線上で留まらざるを得ない。
「折角ここまで逃げたのですから敢闘賞です。」
ゴブリンが柵の隙間を抜けてきたら、今度はこのバリスタが見逃しません。
一通り罠の設置が終わると、2人は村人を集めた。罠は配置されているだけでは効果を発揮しない。村人たちに砦と罠を用いた戦い方を指導する。
谷の出口で作業する村人の目が砦を守る勇士の目に変わっていった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
フィーナ・ステラガーデン
【spd】
力仕事も作戦も出来そうにないわね!
かといって罠を仕掛けるのも苦手だわ!探索(散歩)でも行こうかしら!
散歩中(○探索)何かあったら私の「第六感」が何か囁くわよきっと!
そうねえ。どこに行こうかしら。
そいえばこの世界の果物とか美味しいもの食べてみたいわねえ。
そんなのが生えてたら採ってみようかしら。
いっぱいあるなら砦の人達に持ってかえってもいいわね!
食べ物を食べる!それは全ての生き物の幸せだわ!きっとやる気も出るわよ!
あとこの世界の動物のお肉の味とかも気になるわねえ。動物とかもいたら探したいわねえ。
あー。そんなことを考えていたらお腹がすいてきたわ!
フィーナ・ステラガーデン(月をも焦がす・f03500)は作業する猟兵や村人から離れ、一人散歩をしていた。
「力仕事も作戦も出来そうにないわね!かといって罠を仕掛けるのも苦手だわ!」
私は散歩よ!何かあったら私の第六感が何か囁くわよきっと!
何ともいい加減な話である。
そんなフィーナは崖の隙間に見つけた道――あとで他の猟兵に話したら崖の上に登るルートとして使えるとのことだった――から谷の上に登った。
「あら!こんなところに美味しそうな木の実!」
齧ってみたけど渋くって全然おいしくなかった。でも潰すと油が出るので火をつけるのに使えるんですって。
さらにずんずん進むフィーナ。がさがさと音を立てて現れたのは1頭の鹿。
「あれは!でっかい鹿!まさに野生のお肉って感じね!」
おーい、猟兵のお仕事は大丈夫ですかー?
フィーナがでっかい鹿を抱えて帰ってきた頃には砦の作業はほぼ終わっていた。
あとはお肉を食べて決戦の時に備えるだけだ!
成功
🔵🔵🔴
第2章 集団戦
『ゴブリン』
|
POW : ゴブリンアタック
【粗雑な武器】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD : 粗雑な武器
【ダッシュ】による素早い一撃を放つ。また、【盾を捨てる】等で身軽になれば、更に加速する。
WIZ : 足払い
【低い位置】から【不意打ちの蹴り】を放ち、【体勢を崩すこと】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
その日はよく晴れていた。
崖の上の鐘がゴブリン接近を知らせる。
鳴り響く鐘の回数で敵の数。そしてただひたすらに叩かれ続ける鐘。
それは山道を埋め尽くすゴブリンが数え切れぬということを示していた――。
純・ハイト
リザレクト・オビリオンで死霊2体を召喚して外の柵より少し前に出してゴブリン達を迎撃させる。それでも突破したゴブリンは他の猟兵や村人達に罠や射撃・近接で対応してもらう。
自身はリザレクト・オビリオンの効果を説明してから後方で指示をだす。
「突破されないように指示を出しながら、次の戦闘準備をしないと」と小声で喋る。
ゴブリン接近の一報を受け、砦で構える猟兵と村人に緊張が走る。
先陣を切るのは純・ハイト(フェアリーの死霊術士・f05649)。先陣と言いつつもハイトの身は砦の上、フェアリーの少年は静かな口調で自らのユーベルコードについて語る。
『リザレクト・オブリビオン』は戦闘用の死霊騎士と死霊蛇竜を召喚し戦わせる。ただし召喚と操作に集中するため、自身は戦うことが出来ない。
最初の接敵、防衛用に張り巡らされた柵の前方にて死霊騎士と死霊蛇竜が踊る。ハイトの呼び出した小さな騎士を気にも留めず走り続けていた先頭のゴブリンの首が飛んだ。
そのまま敵陣に飛び込んだ死霊の刃と牙がゴブリンを仕留めてゆく。2つ、4つ、6つ。死霊の刃が10のゴブリンを仕留め、死霊の牙も同じ数を仕留めてる。そうして出来た20の障害物がその倍のゴブリンの足を止める。
「恐怖に駆られただ前進するのみ。獲物としては容易いものの、全て留めるのは至難ですね。」
確実に数を減らすものの迫るゴブリンの勢いは留まることを知らない。しかし全てを自分1人で止める必要はない。
後方で死霊の指揮に専念するハイトは、攻撃と柵によって勢いの減じたゴブリン陣営の様子を見て味方に合図を送る。
大成功
🔵🔵🔵
リリサレナ・ハイヴァーン
足止めに落石、何より崖上への抜け道を見つけてくれたのはありがたいわね
崖下でアレやったら流石に自殺行為だし、自重しようかと思ってたけど。これなら行けそう。
作戦
まずは抜け道を通って崖の上に行く
足止めが十分に効いてから落石を開始する
その発動キーを私に任せて欲しいの
「下がってなさい!“崖ごと”落とすわよ!!!」
黒槍を取り出して【力溜め、怪力、属性攻撃】を乗せた撃槍による地形破壊で周辺の地面ごと崖下に崩落させる。
属性攻撃による炎で油にも着火させるわ。
これで先頭集団もだいぶ生き埋めにできるだろうし、ガレキを登ってくる後続も頭を出した順からバリスタなどで迎撃
撃ち漏らしは私たちで各個撃破
これで行こうと思うわ。
崖の上で合図を受け取ったリリサレナ・ハイヴァーン(黒百合魔槍リリサレナ・f04590)と村人たちが動く。
後方のワイバーンと前方の砦、目の前の死霊に気を取られたゴブリンの中に頭上を気にする者は1人もいなかった。
「崖の上に抜ける道があって助かったよ。崖下でアレやったら流石に自殺行為だし。」
それでも味方の前衛を巻き込み兼ねない作戦は自重しなければならないかと思われたが、巻き込まれる前衛が死霊だけとなれば遠慮はいらない。
まず村人たちが火種となる木材と油樽を投げ込む。続いて、リリサレナの手にした黒槍に力溜め、怪力、そして炎の属性が宿る。
「下がってなさい!“崖ごと”落とすわよ!!!」
黒槍の一撃が崖を粉砕する!轟音と共に炎を伴った瓦礫が降り注ぐ。ゴブリンたちが自らに迫る死を悟った時には既に遅く、リリサレナの渾身の一撃は30を超えるゴブリンを押し潰した。
眼下に広がる炎の戦場と、それでもなお攻め入るゴブリンの集団を見て。リリサレナは砦に向け次の合図を送る。
大成功
🔵🔵🔵
寺内・美月
『完全管制制圧射撃』にて『L9A1 2.02inch LM』を操作、高性能炸薬弾を多数発射し纏まって逃げて来る敵を壊乱させる。ここで倒れなかった敵は『NSV重機関銃』にて攻撃して確実にしとめる。それでも接近する場合は近接武器で倒す。掃討後は対ワイバーン戦を意識した戦闘準備を行う。
炎と瓦礫を乗り越えたゴブリンを待っていたのは、更なる猟兵の罠だった。
砦には寺内・美月(地獄雨の火力調整所・f02790)が待ち構えていた。
崩落の罠を抜け砦に迫るゴブリンたちに向け、美月はユーベルコード『完全管制制圧射撃』を放つ。空中に現れた迫撃砲『L9A1 2.02inch LM』群が、砦まで届く牙を持たぬゴブリンたちを地獄に叩き落す。
それは一方的な展開だった。ひび割れた盾は迫る銃弾を防ぐことはなく。錆びた剣は乾いた音と共に地に落ち。あとには『アックス&ウィザーズ』の世界に似合わぬ硝煙の匂いが辺りに立ち込める。
谷から溢れる勢いで押し寄せたゴブリンの集団。猟兵の罠を抜けたのはおよそ20、そこから美月のユーベルコードを潜り抜け、砦に辿り着いたゴブリンはたったの1体のみであった。
武官が自ら引いたNSV重機関銃の引き金が残ったゴブリンを確実に仕留める。
美月は戦況を報告する。敵前衛部隊の全滅を確認、後方に残存部隊在り。
砦の攻防はまだ続いている。
大成功
🔵🔵🔵
ソラスティベル・グラスラン
来ましたね、ゴブリンさんたちよ!
ここは人の領域、貴方たちの来る場所ではありません。
それでもなお来るというのであれば……相応の覚悟を見せて貰いましょう!
皆さん、勝って故郷を守りましょう!勇気ある誓いをここに!(鼓舞)
範囲攻撃で一度に複数のゴブリンを討伐します!
それでも勢いが抑えきれないようなら、砦に近づけぬよう吹き飛ばし
防御は盾を、オーラを。気合の声で軍勢を引き付けます
敵は大勢、多勢に無勢と言えるかも知れません。
ですがそれでは民を守れない、故に勇気を持って前へ、前へ!
村人の皆さんは砦から弓で援護をお願いします!
最後に勝つのは、勇気ある者です!!
ニィ・ハンブルビー
おお~!一方的な展開!
さすがみんな、猟兵だけあって頼もしい!
さて、それじゃあボクも一殴りしてくるかな!
まずは【フワフワの魔法】で自分を飛べるように!
そのまま【スカイステッパー】や【ジャンプ】を併用して、
ゴブリンたちの真っ只中に飛び込むよ!
そのまま【水の一滴岩をも砕く】!
目につくゴブリンをひたすらぶん殴るよ!
砦の方には、行かせないよーっ!
ナイ・デス
後方、残存部隊……逃げられたら困る、ですね。殲滅、しましょう
私は、ソラ(f05892)が楽に、なるように……
私はソラの、パートナー、ですから
地形利用、忍び足、クライミング、ダッシュ、ジャンプ、空中戦など使い
崖走り敵後方へ回り込んで、逃がさぬよう、仕留めに、突撃、です
【生まれながらの光】を黒剣と一緒に握りしめ、仮初の肉体を高速再生モードに
戦闘知識、第六感、見切り、医術などで行動不能になるような傷、状況だけは避け、あとは激痛耐性で無視する捨て身攻撃を
鎧無視、生命力吸収の、医術応用急所狙いで繰り返し放ち、一体ずつでも速やかに、倒す、です
程々で、砦側攻撃に巻き込まれないよう崖上に
ワイバーン、探します。
「おお~!一方的な展開!さすがみんな、猟兵だけあって頼もしい!」
味方の猛攻にニィ・ハンブルビー(近距離パワー型フェアリー・f04621)は興奮気味に叫んだ。あれだけ倒されてもまだゴブリンたちは猟兵と村人たちよりも多い。
残されたゴブリンを殲滅するため、砦に控えた猟兵たちが飛び出す。
「来ましたね、ゴブリンさんたちよ!ここは人の領域、貴方たちの来る場所ではありません。それでもなお来るというのであれば……相応の覚悟を見せて貰いましょう!」
迫りくる最後のゴブリンたちへ高らかと宣言するのはソラスティベル・グラスラン(暁と空の勇者・f05892)。ソラスティベルの声に続き村人たちが鬨の声を上げる。
「後方、残存部隊……逃げられたら困る、ですね。殲滅、しましょう。」
そんなソラスティベルの後ろにいるのはナイ・デス(本体不明のヤドリガミ・f05727)。ソラことソラスティベルのパートナーと称し、突撃するソラにつき従う。
「まずはフワフワの魔法で自分を飛べるように!」
空を舞うニィが斧を振り回して瓦礫の隙間を駆けるゴブリンの一団に飛び込む。小さな妖精が巨大な斧を振り回す様は、遠目には斧だけが舞い踊るよう。
ニィは、ゴブリンたちにとってはようやく現れた手の届く間合いの相手であった。しかし瓦礫の散乱する道で飛び回るフェアリー相手に、ここでもゴブリンは一方的な展開を強いられた。
「でりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃー!!」
瓦礫の中心でニィが怒涛の連撃を繰り出す。道幅いっぱいに振り回される斧が瓦礫にゴブリンにと手当たり次第に吹き飛ばす。ニィの連撃で20体ほどのゴブリンが山道の瓦礫の仲間入りを果たした。
しかし、僅かな隙をすり抜けて10体のゴブリンが砦に迫る。ついにゴブリンたちは数えられるところまで数を減らしていた。
最後の集団をソラとナイのコンビが迎え撃つ。
崖走りでゴブリンの後方に回るナイ。ソラと合わせてゴブリンを挟み撃ちにする。
1人飛び出したナイの身体をゴブリンの凶刃が傷つけた。それはこの日初めて届いたゴブリンの攻撃であった。
だがそんな傷も『生まれながらの光』によって瞬く間に回復されてしまう。高速再生モードでゴブリンの攻撃に耐えるナイ。
「村人の皆さん!砦から弓で援護を!」
砦に無防備な背中を晒したゴブリンへ砦からの援護攻撃、投網とバリスタの矢が襲いくる。
村人の援護攻撃で動けなくなったゴブリンへ、ナイの黒剣が1体ずつ確実にトドメを刺していく。
「あなたちょっと強そうです!あなたが大将ですか!」
ソラは他のゴブリンたちより一回り大きいゴブリンを見つけて勝負を挑む。
クソッタレ!!
ゴブリン特有の訛りで叫んだ彼は戦うための武器や盾を捨ててここまで走ってきていた。ソラに挑まれると近くにあった柵の一部を力任せに引き抜く。
蒼空色の巨大斧と無骨な木材がぶつかり合う。急ごしらえの武器が、猟兵の武器を受け止めることなどできようはずもなく、無残に砕け散る。しかしゴブリンは素早く次の柵を引き抜き、続く斧の一撃をも防いでみせた。
「なかなかやりますね!それなら!」
ソラの怪力をのせた『グラウンドクラッシャー』が周囲の柵ごとゴブリンを薙ぎ払う。仲間も最後の武器も失い、倒れたゴブリンにトドメの一撃が振り下ろされた。
「最後に勝つのは、勇気ある者です!!」
砦全体に、勝利の宣言が響く。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『ワイバーン』
|
POW : ワイバーンダイブ
【急降下からの爪の一撃】が命中した対象に対し、高威力高命中の【毒を帯びた尾による突き刺し】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD : 飛竜の知恵
【自分の眼下にいる】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ : ワイバーンブラスト
【急降下】から【咆哮と共に衝撃波】を放ち、【爆風】により対象の動きを一時的に封じる。
👑17
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
勝利に沸く砦の上空を1つの影が横切る。
ゴブリンを追い立てた者、ワイバーン。それは自分が追ってきた獲物がいなくなっていることを知ると、新たな標的、猟兵たちへと狙いを定めた。
本当の戦いが始まろうとしていた――。
ニィ・ハンブルビー
よーし!程よく動いて体も暖まってきた!
この調子でワイバーンもボッコボコだよー!
とりあえず真正面から…と思ったけど、
相手が上にいるとやりにくいよね!
まずは【フワフワの魔法】をボク自身と仲間のみんなにかけておこう!
敵の攻撃はかなり痛そうな感じだし、防御重視がよさそうかな!
それから僕自身も空中に上がって、
【スカイステッパー】で【ジャンプ】して跳び回りつつ、
【思う念力岩をも通す】!
たまに相手を足場にしてジャンプ回数を戻しつつ、
ヒットアンドアウェイで防御寄りに戦うよ!
フィーナ・ステラガーデン
はぐっ・・!はんへんにでおふれたわ!?
(焼き鹿肉を頬張りながら登場 訳:完全に出遅れたわ!?)
・・もぐもぐ。ごくん。いきなり本命ね!
なんか無闇に打っても避けられそうね!少し大人しくして様子を見ようかしら!「目立たない」と場合によっては「地形を利用」も使っておきたいわね!
大きな隙が出来れば待ってましたと言わんばかりに詠唱を開始するわ!
技能「高速詠唱」を出来る限り早く!「属性攻撃」を魔力に乗せ!
「全力魔法」で一撃に全てを賭けるように!
ユーベルコード「喰らう灼熱の黒炎」で焼く尽くすわ!
出来るならワイバーンの焼肉の味も気になるわね!
あー。そんなことを考えていたらお腹がすいてきたわ!
リリサレナ・ハイヴァーン
崖の上で【目立たない】様に待機
敵が崖下に急降下したタイミングで伸縮自在の黒槍で棒高跳び
【ダッシュ、ジャンプ】ダメ押しに【槍投げ】の反動で跳ぶわ
あんたより高けりゃ予想もクソもないわよねッ!
体内から迅雷を取り出して、上に届こうが届かなかろうが渾身の雷神槍で打ち落としてやるわ
【力溜め、槍投げ、スナイパー、属性攻撃、串刺し、空中戦、捨て身の一撃】
最低でも翼膜ぶち抜いてトカゲに先祖返りさせてやるわ
そして対岸の崖上に着地
もし届かなかったらクーロお願い!お母さんを助けて!槍本体に引っ込むから!
「くわー…」
寺内・美月
砦の村人は脱出を推奨。
水平攻撃時
1、L9A1 2.02inch LMにて高性能炸薬弾・煙幕弾を発射して滞空ないし機動力低下を狙う。
2、NSV重機関銃にて顔・両翼を射撃。
3、『対機甲戦闘射撃』にて両翼を攻撃し飛翔能力の消失もしくは低下を狙う。(敵のSPDによる回避行動を計算して回避先を超低空にさせるため、上方の逃げ道を塞ぐ)
4、『準備砲撃『地獄雨』発動』にて更に打撃を与える。
5、それでも落ちない場合はあえて砦に突入させ、『地獄雨』にて砦ごと吹き飛ばして瓦礫に埋める。
急降下攻撃時は1.2.3.5を実行し、回避行動を誘発させて攻撃を躊躇させる。
後の行動は近接戦にて確実にダメージを与える。
ソラスティベル・グラスラン
ふふ、ついに来ましたね。この騒動の元凶、空の王者!
ですがお生憎様、ここに餌はありませんよ
寧ろここで倒れることになるのは……貴方です!
ここが気合の入れ所ですよ皆さん!!
勇気を持って、わたしたちと共に、村を守るのです!!(鼓舞)
全力の勇気を持って、いち早く仲間たちの前へ!敵の注目をわたしへ!
盾とオーラ防御で攻撃を弾き、ドラゴニアンチェインで翼を攻撃!
翼を鎖で繋ぎ、怪力で引っ張りワイバーンを地に引きずり下ろす!
その際パートナーのナイくん(f05727)と連携しますっ
引き摺り下ろす先はナイくんによる罠
罠に掛かったところをナイくんと共に、必殺の一撃!
これがわたしたちの、勇気あるコンビネーションですッ!!
ナイ・デス
ソラ(f05892)の言葉には、力がある、ですね。ふふ
……ソラ、作戦はわかった、です。けど、無理しないように、ですよ?
レプリカクラフトで、大きなトラバサミ、作ります
ソラが引き摺り下ろしたところで、がぶっといける、ように
隙を作ったところで
「勇気と、勇気の、コンビネーション。勇気の、勝利、です!」
ソラは、怪力で。
私は、医術で。非力な分、飛竜の関節とか、太い血管とか、大事なとこ、を
鎧無視攻撃。鱗類を貫き黒剣を突き立てる、です
そして傷口をえぐり、生命力吸収、です
寺内・美月(地獄雨の火力調整所・f02790)はワイバーンの接近に合わせて煙幕弾を発射する。煙幕に紛れ、村人たちは戦場から脱出してゆく。
間近で見るワイバーンの体躯を知れば村人の助力も即席の砦も無力であることは明らかだった。
「ふふ、ついに来ましたね。この騒動の元凶、空の王者!ここが気合の入れ所ですよ皆さん!!勇気を持って、わたしたちと共に、村を守るのです!!」
高らかと宣言するとソラスティベル・グラスラン(暁と空の勇者・f05892)。
「ソラの言葉には、力がある、ですね。ふふ。」
そしてソラスティベルのパートナー、ナイ・デス(本体不明のヤドリガミ・f05727)が続く。注目を集めようと前に出ていたソラであったが、ワイバーンはソラや砦よりもだいぶ離れた地点へ向かって高度を降ろした。
「あれ?あっち行っちゃったのです?」
「来る、油断しないで。」
ワイバーンは砦から離れたところで地面すれすれまで高度を落とすと、そのまますれすれの高度で砦に向けて突撃してきた。
「まずはドラゴニアンチェインで翼を――。」
ソラの放ったユーベルコードの鎖を牙で受け止めるワイバーン。その勢いのまま、鎖で地に引きずり下ろすつもりであったソラを逆に引き倒す。
「ソラ!」
ナイがソラを抱き起す。その頃にはワイバーンは既に上空へと逃れていた。
その横で美月が静かに計算を走らせる。敵機の突入角度を元に攻撃パターンを組み直す。
「敵の攻撃に合わせてもう一度仕掛けましょう。今度は3人で。」
美月の言葉にソラとナイが頷く。
再び低空からの突撃を仕掛けるワイバーン。超低空突撃がこのワイバーンの得意技らしい。だが、猟兵たちにそう何度も同じ技が通じるはずはない。
盾とオーラ防御で守りを固め立ちはだかるソラ。
その後ろから美月の『L9A1 2.02inch LM』が炸薬弾を放つ。更に高度を落とすワイバーンは地に足がつく勢いだ。その足ですれ違い様にソラの構える盾に深い爪痕を刻む。
「今です!」
ソラの合図と共に地を滑るワイバーンの右足を金属の歯が捕らえる。地に伏せられていたナイのレプリカクラフトによる巨大なトラバサミががっちりとワイバーンに食らいついた。
だがトラバサミをぶら下げたまま飛び去ろうとするワイバーン。飛び去るトラバサミにソラのドラゴニアンチェインが絡みつく。今度こそワイバーンを捕えた!――はずであった。
美月が放つ追撃の弾丸より早くワイバーンは自ら右足を引きちぎったのだ。3人の猟兵の連携をやり過ごし、砦をあとにするワイバーン。
低空のまま谷まで飛び込んだワイバーンに、3つの影が飛び掛かる。
ニィ・ハンブルビー(近距離パワー型フェアリー・f04621)、リリサレナ・ハイヴァーン(黒百合魔槍リリサレナ・f04590)、フィーナ・ステラガーデン(月をも焦がす・f03500)の3人だ。
ぎりぎりまで身を潜めていた3人はニィの『フワフワの魔法』でワイバーンに空中戦を仕掛ける。
「はぐっ・・!はんへんにでおふれたわ!?」
焼き鹿肉を頬張りながら駆けつけたフィーナは完全に出遅れたわ!?と言っているらしい。
「よーし!程よく動いて体も暖まってきた!」
ニィが、岩を、谷を、ワイバーンの身体を蹴りながら岩をも通す拳を繰り出す。
だが3人に援護の魔法をかけ、防御重視で戦いながら放たれる拳は致命打を与えるには至らない。しかし、ワイバーンはミィの本当の目的に気づいていなかった。
ニィが注意を引きつけている間に、2人の攻撃の準備は整った。ここにきてようやく、ワイバーンは3人に追われながら1人に攻撃されていた違和感に気付く。
正面には全力の魔法を構えたフィーナ。上空には渾身の槍を構えたリリサレナ。
「出来るならワイバーンの焼肉の味も気になるわね!」
「翼膜ぶち抜いてトカゲに先祖返りさせてやるわッ!」
『喰らう灼熱の黒炎』と『雷神槍』。光を通さぬ漆黒の炎、雷光を纏う高速の槍。2つのユーベルコードが混ざり合い大爆発を引き起こす!
狭い谷間は焼けた肉の匂いが混ざる噴煙で包まれた。
「すごい!これならでワイバーンもボッコボコだよー!」
ニィが興奮気味に叫ぶ。だがそいつは、2つのユーベルコードが巻き起こした爆発の中から再び飛び上がった。
「ちょっとあれどうなってるのよ!っていうかそういうこと叫ぶんじゃないわ!」
頭上で騒ぐ妖精にツッコミを入れるフィーナ。リリサレナは敵の姿を確認して囁く。
「左脚と尾が失われている。どうやら2つとも上手く凌がれてしまったようね。」
一旦ユーベルコードを使い切った3人は両脚と尾を失いつつもボロボロの翼で飛び去るワイバーンの背中を見送るしかなかった。
「また、戻ってきた。」
「もうボロボロです!今度こそわたしとナイ君とのコンビネーションでトドメです!」
「……。」
満身創痍のワイバーンを万全の3人が出迎える。
ソラの鎖が三度ワイバーンへ迫る。高度を上げて躱そうとした翼を今度こそ絡めとる。速さを失ったワイバーンはソラの怪力により、ついに地面に叩き落される。
「ナイ君!」
「勇気と、勇気の、あともう1人のコンビネーション。」
ナイのトラバサミが砦に落とされたワイバーンを抑え込む。脚を失ったワイバーンはもはや這って逃げることも叶わない。
そこへあともう1人、美月がトドメを担当する。
「コード地獄雨発動火力で敵を蹴散らせ!」
美月はここにきてようやく『予め計画していた準備砲撃』の発動を宣言する。
ユーベルコード、準備砲撃『地獄雨』発動。砦の内側に向けて仕掛けられていた無数の砲身が一斉に超高速連続攻撃を始める。
『アックス&ウィザーズ』の世界に似合わぬ現代兵器の嵐が、身動きの取れぬワイバーンを瓦礫の下へと沈めた。
銃声が止む。100を超えた敵の中でもう動くものはなくなった。
猟兵と村人から勝利を祝う歓声があがる。
ただ1人、ワイバーンの焼肉を食べ損ねたと騒ぐ少女を除いて。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵