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マジヤバな奇祭。鳥人間コンテsおや誰か来たようだ

#アックス&ウィザーズ

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#アックス&ウィザーズ


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ーーシャンプ村近くの祭り会場ーー

●第一ポイント
 ここは、村に奇祭が伝わるシャンプ村の近く、切り立った崖の上。標高も高い場所に位置している。
 なぜかこの崖には雪はふらず、しかし、崖の上から遠くを見ると、眼下の低い位置に積雪を観測することができた。

「ひゃぃぃぃぃっやっほおおおおーーーー!!!!」
 男が叫ぶ。
 そして、飛ぶ。
 男は、両手に設けたお手製の翼をグライダーのように広げ、風を受け、飛翔した。
 上昇はできずとも、滑空し舞う姿はまさに鳥のようであった。
(バサバサッ)
 なんとかギリギリで高度を保っている。男の顔も必死だ、バッサバッサと必死に腕を動かし続けている。
(バサッ!)
 そこに急速接近するものが現れた。そいつは人が乗れそうなほどの大きさのでかい鳥のような姿。
「ギャエエエエエエエ!!」
「うわあああああああああああああーーーー!!!!」
 突然現れた何か。その空を舞う何かに襲われた男は奈落へと落ちていった。

●第二ポイント
「今年の祭りは難易度が桁違いだな。眠ってる氷凝鳥のサイズもでかいし」
 参加者の一人が口にこぼした。この男は、鳥のようなものの妨害を潜り抜け、なんとか次の障害に到達した男だった。今はその先にある氷凝鳥の巣から卵を持ち運ぼうとしている真っ最中だ。
「この卵さえ持ち帰れば、俺も一躍人気者っ!」
 そう言って、そそくさとモンスターの巣からダチョウの卵ほどの大きさの卵を持ち上げ、それを持って引き返そうとした。
 その時だ。
「グギャアアアアアアアアアア!!!!!」
「うわっ、なんだこいつは!?ドラゴン!?こんなのがいるなんて聞いてないぞ!?うわあああああああ!?」
(バキャ)
 卵が地面に落ちて割れる音が悲しく響く。男を襲ったドラゴンは、羽ばたいて飛び上がると、今度はシャンプ村に向かって飛び去るのだった。

●グリモアベース
「みなさん、予知をお伝えしマス!」
 グリモア猟兵のモッチ・モチは、グリモアベースのロビーで猟兵達を前に予知を話し始めた。
 内容は以下の通りだ。

 村に伝わる伝統行事。鳥人間コンテスツ。いわゆる障害物競争だ。
 コースはまず、崖から飛び、設けられた500メートル先のゴールまで飛ぶ。
 次に、氷凝鳥の巣があるので、そこから卵を回収し帰ってくる。
 中には失敗し崖から落下してしまう人もいるが、不思議な力で怪我なく助かるらしい。

 本来は危険のない安全なお祭り、のはずだった。
「今年の祭りは例年と違うそうなんデス」
 違い①:崖越えの際、大きな怪鳥が妨害をしてくる。
 違い②:魔力凝結体の体を持つ『氷凝鳥』の巣。そこにいる氷凝鳥の群れの様子がおかしい。
 違い③:ドラゴン、正確に言うとワイバーンがいる。

「みなさんには、鳥人間コンテスツに参加してもらい、村を救って欲しいんデス。参加しなかったり先回りしようとしても、予知は回避できないと思いマス。ワタシの勘がそう言ってマス。ワタシの勘はよく当たるんデス♪」
 まとめるなら、鳥人間コンテスツに参加し、寝ている氷凝鳥の隙をついて卵を奪取、ドラゴンを討伐するミッションだ。
「では、みなさんの無事と成功を祈ってマス。お気をつけて♪」
 モッチはそういうと猟兵達を転移でシャンプ村のそばに飛ばすのだった。


オノマトP
 オノマトPです。よろしくお願いします。
 1章は崖越え。怪鳥が何羽もいて妨害してきます。
 2章は集団戦。寝起きの氷凝鳥たちか、怒り狂った氷凝鳥たちとの戦いになります。
 3章はワイバーン戦、となります。

 猟兵たちのみなさんは、あの手この手で崖越えしてください。
 それから卵を持ち帰りコンテスツに勝っても負けても構いません。ただ、ワイバーンだけは倒してくださいね。
 みなさんの活躍を期待しいます。
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第1章 冒険 『飛べ!我ら鳥人猟兵!!』

POW   :    気合いで空中技の連続コンボ!

SPD   :    技術を生かし空を飛ぶ!

WIZ   :    魔法で空を飛ぶ!

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 鳥人間コンテスツの会場はすごい賑わいである。標高が高く、若干肌寒いにも拘らず、多くの人の参席が見られた。
 出店がならび、湯気と共においしそうなにおいを辺りに漂わせている。即席のテーブル席には人々が食事を取りつつ、あったまっている人の姿もあった。
 小さな子供が走り回っていたり、コンテスツ参加者を応援する人たちの姿も見受けられる。
 会場を盛り上げるためだろう。崖のそばに設けられたステージには、実況、解説席が出来ており、拡声器のようなものを使って来場者を楽しませている光景も見られた。
『さぁさぁ!お集まりの皆さま!鳥人間コンテスツを一目見るため来場していただきありがとうございます!さぁ!次の飛ぶのはこの方!お名前をどうぞ』
 司会役の男が、次に飛ぶ参加者に拡声器を向けた。
「僕はー!この祭りでー!目立ってー!好きな子に、プロポーズしようと思いますー!!!!」
『はーい、ごちそうさまー!さっさと飛んでっちゃってくださーい♪では、テイクオフまで3秒前。3・2・1、れでぃーゴー!!』
 司会のカウントダウンに合わせ、会場に集まる観客からも声があがる。会場の熱気は最高潮だ!
「いくぞー!」
 男性は勢いよく助走をつけ、一人用手作り飛行機とともに崖から身を投げた。
 1メートル、2メートル、と飛距離が伸びていき……。
『ああっと残念!飛距離5メートルで墜落です!さあお次のチャレンジャーはだれかな!今からでもエントリーして構いませんよ!』


 次なる挑戦者!それははたして誰なのか!
雷田・龍子
人派ドラゴニアンの龍子は空を飛べるのだが、まずは人間として崖越えに挑戦する。

【SPD】
たった今ネットで購入した実物大グライダーキット(ラジコン・動力無し)を組み立てる。

【広告】
速い。安い。丁寧。
注文確定から30秒でどこへでも転送いたします。
豊富な品揃え。
富岡第六商店

これはラジコンなのだが動力は別売りなので乗り込めるように改造して飛ぶことにする。

怪鳥には遠距離なら「竜騎士の銃槍」の〔援護射撃〕で撃墜を。近距離なら刀で迎撃を試みる。

飛ぶことが困難になったら、自分の翼で飛び続ける。



『次の挑戦者は、雷田・龍子さん! 意気込みをどうぞ!』
「人派ドラゴニアンの私は空を飛べるのだが、まずは人間として崖越えに挑戦する」
 司会者からマイクを向けられ質問に答えたのは雷田・龍子(ドラゴニアンの剣豪・f14251)。極寒の地で守護者をしていた経験があるため、高い標高による寒さにもまるで気にした様子もない。
『人として崖越えをする、とは果たしてどのような策があるのか! 期待しましょう! では、はりきってどうぞ!!』
 盛り上げ役の司会者の合図と同時に龍子は行動に出る。
 まず取り出したのは、実物大グライダーキット。それをてきぱきと組み立てていく。
『えー先ほど入りました情報によりますと、龍子選手、会場入り前にネットでグライダーキットを購入していたとのこと。えー、なになに、「速い。安い。丁寧。注文確定から30秒でどこへでも転送いたします。豊富な品揃え。富岡第六商店」? なるほど、龍子選手のそばに落ちていたこの広告の店を利用したんですね』
「そうだ。そして、これはラジコンなのだが動力は別売りなので乗り込めるように改造して飛ぶことにする」
 司会に説明しながらも、あっという間に組み立て終わると、龍子はすぐさまグライダーに乗り込んだ。
 乗り込む勢いそのままに、グライダーが走り出し、坂道を崖に向かって下っていく。

 崖まで、30メートル……。

 10メートル……。

 5メートル……。

 1……っ!

 テイクオフ!!

 一瞬重力の影響を受けて高度が下がり、会場も龍子もひやっとしたが、翼が風を捕まえると、安定した飛行を見せた。優雅に飛ぶ姿をみて一同胸を撫でおろす。
 しかし、それも束の間。息つく暇もなく怪鳥がグライダーに接近。龍子は赤い瞳をキッと怪鳥に向けると、小さなドラゴンを銃槍に変化させた。意識を集中、狙いすました銃槍からの一撃を見舞う。銃声とともに放たれた弾丸は怪鳥の腹部に命中した。
「キェエエエエエエ!?」
 高度を維持できなくなった怪鳥は眼下へと消えていった。
 接近してきたら、刀で迎撃をと考えていた龍子だったが、その必要もないほどに彼女の攻撃は冴えに冴えていた。彼女は竜騎士の銃槍を撫でながら、意思ある武器の戦果を労いつつ、空をなおも駆け続けるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ビスマス・テルマール
●POW
先ずは、怪鳥の妨害を掻い潜って崖越えを目指しましょうか

その為に先ず、わたしのユーベルコード、ビルド・なめろうビームウェポンでソレに適した物


『飛び魚のなめろうビームうちわ』を二刀流で生成し『怪力』と『属性攻撃(風)』を駆使して扇ぎ『空中戦』で
空を飛び、POWと気合いと執念で崖越えを目指しますよ

怪鳥の妨害に対しては『属性攻撃(突風)』と『範囲攻撃』と『なぎ払い』と『オーラ防御』を併用しビームうちわで扇ぎながら、周りに即席の風の結界壁を作り、風の壁で追い払いつつ強行突破を試みます

勿論長時間扇ぐ事での腕への負荷は『激痛耐性』と気合いと執念で耐え抜いて見せますともっ!

※アドリブ絡み掛け合い大歓迎



「先ずは、怪鳥の妨害を掻い潜って崖越えを目指しましょうか」
 滑走路のように崖に向かって伸びるスタート地点で、ビスマス・テルマール(通りすがりのなめろう猟兵・f02021)は、そう決意を固めた。
 翼を持たない種族であるクリスタリアンの少女がどのように崖越えの困難に立ち向かうのか、会場の観客も固唾を飲んで見守っている。
「その為にはまず……『生成開始(ビルド・オン)っ! なめろうビームウェポンっ!』」
 彼女のビルド・オンという声と共に、なめろうの気を帯びたビームの形状が変化する。そして徐々に形作られていく。彼女の意思に沿った形へと。
 彼女が手にしたものを見て会場がどよめく。彼女が適した形として選び、ビームを変化させて作ったもの、それはうちわ!
 あ、いや、そこも驚きなのだが、本当に驚いたのはそこではない。
「なぜなめろうなんだ」
「なめろうの気を帯びているうちわ?一体なめろうである必要があるのか?」
「ママー、なめろうってなーに?」
 そんな会場のざわめきが聞こえてくる。戸惑っている会場の空気がありありと感じられた。
 会場の雰囲気を余所に、ビスマスはスタート地点から坂道を駆け下り、勢いそのままにテイクオフ!
 風を両手に持ったうちわでとらえ、自身の腕力と風を扱うスキルを駆使して、一人のクリスタリアンの少女が宙を舞った。
「飛んだ!」
「なめろうが飛んだ!」
「ママー!ぼくもなめろう欲しい!」
 ビスマスのフライトに会場は大盛り上がりだ。
 しかし、会場から危険を知らせる声が突如としてあがる。
「危ない!」
 見ると、ビスマスに怪鳥の魔の手が迫っていた。いや、よく見ると怪鳥の目はなめろうにしか行っていない。
「キェエエエエエエ!!」
「なめろうの魅力は怪鳥をも引きつけるのです」
 なめろうを好いているものに悪いものはいない。たとえ怪鳥であっても。
 ビスマスはうちわを扇ぎ、風の結界を構築し、怪鳥との距離を取る。
 なめろうに釣られて、何羽も集まってきても、風の壁が怪鳥を阻む。
 強行突破!
 ビスマスは加速すると怪鳥の群れを突っ切り、安全圏へと躍り出た。
「な、なめろうにかかれば……はぁ……これくらい、お安い御用です……はぁ……はぁ……」
 息も絶え絶え、ビスマスは気合と執念でうちわを扇ぎ続ける。
 会場からは拍手が鳴り響き、なめろうの布教も捗ったことだろう。

 ゴールまであと 450メートル。
 がんばれ、通りすがりのなめろう猟兵!

大成功 🔵​🔵​🔵​

シル・ウィンディア
【wiz】
空を飛ぶ、かぁ…
やっぱり、空を翔けるっていうのは、憧れがあるよね
さぁ、頑張っていきますっ!

風精杖『エアリアル』を手にして
崖から思い切ってジャンプっ!
風精の力を借りつつ【空中戦】で
低空飛行から上空へテイクオフッ!

怪鳥が襲って来たら、風精杖を右手に持ち替えて
左手に光刃剣『エレメンティア』を構えるよ

ここからは戦闘機動っ!
【残像】を纏いながらジグザグな軌跡を描きながら
怪鳥へ接近して、すれ違いざまに
光刃剣を一閃っ!

退治したらそのまま空中でアクロバティックな動きをして
観客さん達を楽しませるよ



『続きましてー、挑戦者シル・ウィンディア(光刃の精霊術士・f03964)!!』
 司会者が高らかに声をあげ、次なる挑戦者を会場に向かって紹介する。
 紹介されたシルは、会場の客席に向かってそれに応えるように元気よく手を振る
。彼女の仕草に会場はさらに賑わい立った。その愛らしい姿からか、老若男女から声援の声が飛ぶ。
『シルさん、意気込みをどうぞ!』
「やっぱり、空を翔けるっていうのは、憧れがあるよね。頑張っていきますっ!」
『やる気十分!がんばって頂きましょう!』
 司会とシルのマイクでのやり取りに会場のボルテージもさらに高まる。観客もスタートの時をいまかいまかと待ち構えてる状態だ。
 
『3・2・1……スタート!!』

 スタートの合図と同時、シルは、風精杖『エアリアル』を手にすると、崖に向かって走り出した。
 そのまま崖から思い切りよくジャンプすると会場の度肝を抜いた。あわや落下、観客たちの誰もがそう思ったその時、風の精霊の力を借り、一気に急上昇。スタート地点の高度よりもさらに上に飛び上がった。
 そのパフォーマンスに会場からは割れんばかりの拍手が巻き起こる。
(どよっ)
 しかし、会場の注目は次なる展開に移った。それは、怪鳥が彼女に接近しつつあったからだ。
「キィエエエエエエエ!!」
 怪鳥が奇声をあげながら、シルに猛チャージを駆けてくる。かなりの速さだ。
 それに対し、シルは不安な顔一つ見せずに、迎え撃つ。杖を右手に持ち替えると、光刃剣『エレメンティア』を左手に持って構えた。
「ここからは戦闘機動っ!」
 シルの飛行は、今までとははっきりと違う機動を描き出す。スピードも軌道もまるで違う。淡い色のマントを風にたなびかせながら、残像を残しつつジグザグに飛行。その動きはさながらギアを数段上げたように感じられた。
 自然界にはない軌道を目の前にし、怪鳥の動きが鈍る。
(斬ッ!)
 すれ違いざまの一閃。両者駆け抜けるように交差する。
「キィエエエエエエエエエ!?」
 悲鳴のような怪鳥の声が響く。
 光刃剣の切れ味を身に受けた怪鳥はきりもみしながら落下していった。
(ワアアアアアアアアアア!!)
 天真爛漫されど強い凄腕エルフの少女に、会場から賞賛の嵐が吹き荒れる。
「声援ありがとうっ!」
 シルは、空中で急上昇急下降したりバックドロップを決めたりとアクロバティックに舞うと会場を沸かせ、空に溶けるように、次のポイントへと向かい飛び進むのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ルルエリ・エールディール
わたしの人形がどれ位ジャンプ力あるのか、試したくて来ました! 『跳ぶ』んだよね、って思ってたら『飛ぶ』だった!
どうしよう…

【SPD】
最初の通りの作戦で行く。わたしは『クーシー』の背中に乗って、内臓蒸気機関を極限までフル稼働させて内圧を高める。
全力ダッシュさせて崖から飛ぶと同時に、斜め45度の角度で一斉に蒸気を噴射して『跳ぶ』。
鳥が来てくれたら『キャッツ・ウィスカー』で【敵を盾にする】要領で捕まえて動力にしようかな……飛ぶ方向の制御?
考えて無いから、こう…誰かたすけてーって大声で叫んでみる。
駄目だったらこう、鳥を糸で首なり締めていう事聞かせるように頑張ってみよう。

アドリブ・絡み大歓迎


セリエルフィナ・メルフォワーゼ
オラトリオのボクにうってつけの依頼だね。
久しぶりに背中の翼をフルに使えそうだよ。

まずは【ダッシュ】で助走を付けて、思い切り【ジャンプ】!
そこから背中の翼で飛翔&滑空するよ。

怪鳥対策としては、【見切り】で怪鳥の進路や攻撃のタイミングを予測しつつ、攻撃される寸前に【スカイステッパー】で空中ジャンプして回避する。
あんまりしつこいようなら、【ブラスター】による【零距離射撃】で迎撃するよ。

折角のお祭りだもの。
何か異変が起きてるなら、猟兵として解決してあげないとね!



 鳥人間コンテスツ。叡智を駆使し、いかに困難を打開し飛行するか。それを問われる競技である。
 しかし、中にはその枠に囚われない者たちもいる。
「オラトリオのボクにうってつけの依頼だね。久しぶりに背中の翼をフルに使えそうだよ」
 そういって、自慢の羽をパタパタと動かすのは、セリエルフィナ・メルフォワーゼ(天翔ける一輪の君影草・f08589)。白鴉(ハクア)のような神秘的な白い羽をしなやかに動かしながら、目線はしっかりと離陸ポイントの崖へと向けられていた。
『それでは行きましょう! セリエルフィナさん、はりきってどうぞー!!』
 司会の合図を待たずにセリエルフィナは飛び出した。
 坂道をダッシュで駆け下り、思い切りジャンプ。背中の両翼を使い、飛翔する。
「天使だ……」
 あまりの優雅さ、華麗さに観客の一人が小さくつぶやいた。それほど彼女の姿は素晴らしいの一言だった。

 一方で、セリエルフィナと同じくスタートラインに立っていたにも関らず、出遅れた者の姿があった。
「わたしの人形がどれ位ジャンプ力あるのか、試したくて来ました! 『跳ぶ』んだよね、って思ってたら『飛ぶ』だった! どうしよう…」
 スタート前のインタビューでそう話していたのは、ルルエリ・エールディール(自由を手にしたニャリオネット・f13370)。ケットシーの特徴の一つでもある尻尾を揺らしながら、どうしたものかと考えを巡らせていた。
 しかし、悩みを首を振って払拭すると、ルルエリは当初の作戦のままで行ってみようと決意を固めた。
 彼の操作で、大型犬サイズの犬型人形『クーシー』が動作を開始した。スチームを発しながら、その内に搭載された蒸気機関の内圧を高めると、ルルエリはクーシーの背中に飛び乗った。
(ダッ!)
 一匹と一人。いや、一体と一人?
 とにかく二人分の影が坂道を一直線に駆け下りる。そしてそのまま崖を飛ぶと、ルルエリの操作で、クーシーから蒸気を噴射。斜め45度の角度で噴射された勢いで、宙を駆けた。
 とりあえず、早々に墜落という事態は回避できた。しかし、一難去ってまた一難。
 ナワバリを侵害されたと思ったのか、一羽の怪鳥がルルエリに向かい突っ込んでくる。
「逆にありがたい。このままだと落ちるだけだったんだよね」
 ルルエリは、人形の操り糸『キャット・ウィスカー』を放つ。放たれた糸は怪鳥の胴体に絡みつき、逃がさない。
 しかし、暴れる怪鳥を御する手段がない。万事休す。
「ここから後を考えてなかった。どうしよう……。と、とりあえず叫んでみたら誰か助けてくれないかな。誰かたすけてーっ!」

 その時、ルルエリの目の前を白い一枚の羽がふわりと通過した。
 視線をあげると、セリエルフィナが空を駆ける姿が目に映る。
「何か異変が起きてるなら、猟兵として解決してあげないとね! お祭りも仲間の危機も!」
 彼女は匠な空中での制動によって怪鳥の攻撃を避けると、華麗に空を踊るように舞い、ユーベルコード【スカイステッパー】の名に恥じぬ動きで敵に接近した。
「そこっ!」
 零距離まで近付き容赦ないブラスターによる一撃が怪鳥に決まる。
 気を失った怪鳥はもはや、人形にも均しい。怪鳥の体は重力によって落下し始める。
「人形……はっ、そうか!」
 ルルエリは自身の閃きを信じ糸を伸ばす。十指から伸びる糸が怪鳥の羽や体に接続されると、ルルエリの意のままにバサバサッと羽ばたいた。人形を操る術は幼き頃より英才教育を受けた彼にとって朝飯前である。
 彼は怪鳥の背に乗ると、そのまま滑空するように飛んだ。
 セリエルフィナも同じように滑空し、近付く怪鳥を次々といなしながら、二人は次のチェックポイントへと向け、羽ばたいていくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『氷凝鳥』

POW   :    爪の一撃
【非情に素早い突進からの爪】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
SPD   :    氷柱雨
レベル×5本の【氷】属性の【鋭利な結晶体】を放つ。
WIZ   :    大空を舞う
【空高く飛ぶことで】対象の攻撃を予想し、回避する。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 ここは崖越えをクリアした選手がくる洞窟の中。地元では「氷結の洞窟」と呼ばれ、氷室としても使われるが、奥に進むと、モンスターが多く生息する危険な場所でもあった。

 ここで要求されるのは、氷凝鳥の巣より卵を持ち帰ること。氷凝鳥が眠っている、もしくは留守の巣を見計らい、卵を持ち帰るまでがこの鳥人間コンテスツの障害物競技の内容となっている。
 本来は、安全に終わらせることのできる競技のはずだった。
 そう、本来は。

「ピィエエエエエエエエ!! ピィエエエエエエエエ!!」
 足元の割れた卵を見ながら、一羽の氷凝鳥がけたたましく鳴き始めた。
 参加者の一人がしくじったようだ。
 猟兵以外の参加者はすでに避難済み。なんとか、氷凝鳥を退治し、場を収めるしか手が無さそうである。

 次々と呼応するように目を覚ます氷凝鳥の眼光が薄暗い洞窟の中で怪しく光る。
 目線の先に猟兵を捉えると、飛び上がり襲い掛かってくるのだった。
シル・ウィンディア
…あ、目が覚めたみたいだね
危険が危ないなら、わたし達が頑張らないとねっ!

洞窟内だけど、鳥さんが飛べるならわたしも飛べるはずっ!
【空中戦】【残像】【フェイント】を駆使して
狭い洞窟内を小回りの効く機動で動いて翻弄するよ
速度より、機動性っ!!

接敵したら光刃剣と精霊剣を上下につなげて、両刃剣モードで攻撃
範囲は、こっちのモードのほうが広いしね
敵陣に斬り込み、両刃剣を回転させながら攻撃するよ

回避は、【第六感】で感じて【見切り】で回避

敵が空を舞ったら
【高速詠唱】【全力魔法】でのエレメンタル・ファランクスっ!
全弾、回避できるものなら、してみてっ!!
一体撃墜後、まだ射撃をしているなら
他の対象へ向きを変えます



 洞窟の奥。広々とした空間。無数の氷柱とつらら。
 冷気が肌をかすかに差し、明るさはと言えば薄ぼんやりと仄暗い。
「ピィエエエエエエ!!」
 氷凝鳥の、甲高く冷ややかな鳴き声が洞窟内に木霊する。
 次いで、バサバサという羽音が耳に届き、心までざわつかせた。
「…あ、目が覚めたみたいだね。危険が危ないなら、わたし達が頑張らないとねっ!」
 シル・ウィンディア(光刃の精霊術士・f03964)は、鳴き声のする方に目を向けながら気合を入れる。
 目を向けた先の氷凝鳥は、丈も大きく、羽を広げれば10メートルはありそうな大物だ。
 危険が危ない、と意味を二重に被せてしまったのは、実はわざとで余裕からくるものなのか、それとも慌てているからなのか。
 兎角(とかく)、彼女の行動は冷静だった。
「まずは相手を翻弄。この洞窟内、鳥さんが飛べるならわたしも飛べるはずっ! 速度より、機動性っ!!」
 洞窟内の広さを利用すべく飛び上がり、俊敏に飛び回る。それは残像が目に残るほどのスピードで、その上、緩急をつけたフェイントまで織り交ぜた一級品の飛行術。
(チャッ)
 左右それぞれの手で光刃剣、精霊剣を取り出して握る。そしてそれぞれの柄を合わせ両刃剣モードに。それは射程も攻撃範囲も伸ばせ、体躯の大きい相手に対して取る戦術としては優れたものだった。
 シルは両刃剣を回転させながら距離を詰め攻撃に転じる。
「ピィ!! …………ピエッ!?」
 巨大鳥は上方へ飛んで回避しようとするも、洞窟の天井がつっかえた。

 迫る両者の距離。

 射程で勝る鳥側が先に攻撃を繰り出した。足を前に突き出し、鋭い爪でシルを掴まんとする。
「見えますっ!!」
 シルは、素早い動きで接近しつつも、巧みな読みと直観、そして体捌きで身を捩り、鳥の足の指、その間をするりと抜け出た。
(ザシュ!)
 シルはそのまま素早く懐に潜り込み一太刀を浴びせる。
「ピィ!?」
 驚いた氷の大鳥は、洞窟の外を目指し逃走を試みる。
『闇夜を照らす炎よ、命育む水よ、悠久を舞う風よ、母なる大地よ…。我が手に集いて、全てを撃ち抜きし光となれっ!!』
 逃がしはしまいと、シルは素早く詠唱を読みあげると、四種の属性を持った砲撃が放たれた。
(ドンッ!)
 洞窟内を揺るがす程の魔力の奔流が大鳥に襲い掛かる。
「ピィ!?」
 矢のように鋭いエネルギーが複数、鳥に直撃すると、激しい攻撃に鳥は気絶し落下した。
 シルは残弾を無駄にすることのないよう、方向を変えると、別のターゲットに狙いを変え、洞窟内を震わす程の砲撃をさらに撃ち続けるのだった。
 

大成功 🔵​🔵​🔵​

ビスマス・テルマール
卵を回収する所じゃ無くなってしまった以上、この場を静めるには……こうするしか無いのは不本意ですが。

●POW
早業で相手の攻撃より早く
トリニティ・チルドナメロウを防御力重視で発動

冷やし孫茶バリアを
オーラ防御&範囲攻撃を併用しわたしを覆う様に展開し

そこに盾受けと冷凍クロマグロソードの武器受けを重ね、鳥さんの攻撃を受け止め属性攻撃(電撃)を併用しカウンター

攻撃が来ない時も
弾に誘導弾と属性攻撃(電撃)を込め、即席でホーミングショックガンを生成(擬似的な気絶攻撃?)、範囲攻撃を併用した一斉発射で仲間の援護を

オブリビオンで無いでしょうし、出来る事なら戦闘不能にして無力化で済むめば

※アドリブ絡み掛け合い大歓迎


ルルエリ・エールディール
倒さなきゃいけないのは分かるけど、状況的にあんまり良い気分はしないね…

【SPD】

洞窟の中、わたしは人よりも小さい。これを利用しない手はない。
岩の物陰に隠れながらクーシーを操る、この糸なら地形の阻害要因があっても【地形の利用】で問題ないはず。
『スチーム・マリオネッター』の糸調整で強烈な緩急の【逃げ足】と、からくり仕込みの【フェイント】、それがクーシーの真骨頂。
捕まえられるもんなら…ってね?
存分にクーシーを温めたら、逃げ回ってからの一転で逆襲奇襲。壁を蹴ってジャンプして溜まった排熱蒸気を一気に吹きかけるよ。
熱に驚いて逃げればよし、だめでも目くらましにはなる、攻撃チャンスだよー!

アドリブ・絡み大歓迎



 洞窟の天井から滴り落ちるしずくが落下し、ぴちょんと水面を打つ音が聞こえる。
 遠くには入口からかすかに届く光がぼんやりと浮かび、洞窟内で反射を繰り返したのち、洞窟内の氷が淡く光を放っている。ひんやりとした空気は、苔や水分、そして鳥の持つ臭いがかすかに鼻に届いていた。
 そんな中、ビスマス・テルマール(通りすがりのなめろう猟兵・f02021)とルルエリ・エールディール(自由を手にしたニャリオネット・f13370)は、眼前に複数いる氷凝鳥の群れを目にしつつ言葉を交わす。
「卵を回収する所じゃ無くなってしまった以上、この場を静めるには……こうするしか無いのは不本意ですが」
 そう言葉にしたのはビスマス。ついでルルエリが同意するように頷いた。
「オブリビオンで無いでしょうし、出来る事なら戦闘不能にして無力化で済めば」
「倒さなきゃいけないのは分かるけど、状況的にあんまり良い気分はしないね……」
 気乗りしない二人。無理もない。この鳥たちの領域に足を踏み入れているのは自分たちの方で、むしろ鳥たちの方が被害者と言えるのだから。
 二人がそんな胸中をお互いに言い合っていたその時だ。
 弱弱しい鳴き声が耳に届いた。それも複数。
「ピィ~~~~……」
 目を向けると、岩場の影に50cmくらいの大きさの氷の鳥が複数、身を寄せて鳴いていた。
 どこから見ていたのか、それを見ていたひとりの男が声をあげた。
「あ、あれは氷凝鳥。今年はやけに大きくて狂暴だと思ったら、ここに元々住んでいた鳥たちは隠れていたのか。とすると、あのでっかい鳥たちはどこから……」
 そう、影から様子を伺っていた男は口にした。猟兵ではない。おそらく祭り参加者なのだろう。

 とするなら、あのばかでっかい鳥たちは余所から来たものたち。
 そして、猟兵達はそのもの達がどこから来たのか知っている。
 そう、躯の海だ。
「あの鳥たちはオブリビオン!」
 気乗りしていなかったビスマスの顔に明るさが戻った。
「なら、猟兵であるわたしたちがすることはひとつ!」
 同じくルルエリがビスマスの言葉に意気投合するように声を出す。
 やる気に満ちる両名は、互いに武器を構え、地を蹴った。

「洞窟の中、わたしは人よりも小さい。これを利用しない手はない!」
 ルルエリが巧みな糸さばきでクーシーと名付けた人形犬の背に乗りつつ操ると、洞窟内の不安定な地形をものともせず動き回る。
「捕まえられるもんなら…ってね?」
 素早い動きであると同時に、『スチーム・マリオネッター』の糸調整によって生まれる強烈な緩急は、野生を生きてきた鳥たちにとって目にしたことのない動き。容易に捉えられようはずもない。
 避ける。避ける。避ける。
 氷凝鳥の放つ鋭利な氷の結晶体を華麗に躱しつつ、隙をみてルルエリは、熱せられた蒸気を敵に向かって吹きかけた。
「いまだ! 攻撃チャンスだよー!」
 ルルエリがビスマスに声をかける。人見知りのルルエリがこうもすんなりと連携を組めたのは、野生の鳥を退治するという心苦しさ、そして相手がオブリビオンであることを知った時の安堵。それらの感情を共にした仲間だったからであろう。
 ルルエリの声掛けに、ビスマスが応えるように前に出る。
「『Namerou Hearts Chilled! 冷製なめろう武装転送っ!』」
 ユーベルコード【トリニティ・チルドナメロウ】の起動句を叫びながら、冷製なめろう料理カードを挿入。自身の鎧装が機械的な音と共に瞬く間に強化されていく。
「ピィエエエエエエエエ!!」
「っ!!」
 鳥の爪攻撃を『冷やし孫茶バリア』を駆使しながら回避。
 避け切れない一撃だけは盾と冷凍クロマグロソードで流し受け、空いた敵の懐にキツいカウンターを喰らわせた。

 二人の連携はお互いを高め合いながら、加速し、気持ちすらも同調し、数いるオブリビオンの群れをすごい勢いで撃破していくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

セリエルフィナ・メルフォワーゼ
氷の鳥ってことは、炎が弱点ってことだよね。
だったらここは【オーラナイトダンサー】(以下AKD)の出番だよ!

【オーラ防御】全開状態で【AKD】を発動して、22体をボクの周りを囲むように配置。
基本は防御体勢を取りつつ、こちらに襲い掛かってきた鳥にその都度【AKD】を突撃させて撃ち落とす。
【大空を舞う】敵に対しては、【空中戦】で【AKD】を追尾させて撃墜させるよ。

鳥達が近寄ってこなくなったら、【見切り】で巣のありそうな場所を探して卵を回収するよ。



「氷の鳥ってことは、炎が弱点ってことだよね」
 第一関門の崖越えでは、見事のフライトを見せたセリエルフィナ・メルフォワーゼ(天翔ける一輪の君影草・f08589)が氷凝鳥たちを前に考察を述べる。
「ピィッピエエエエエエ!!」
 氷凝鳥は威嚇のつもりかセリエルフィナに向かって長い鳴き声を発した。
 その鳴き声は洞窟内を反響し、ワウンワウンとハウリングする。
 敵の威嚇に動ずることなくセリエルフィナは一歩前に踏み出した。
「だったらここは【オーラナイトダンサー】の出番だよ!」
 意識を高めると、何もないところから生み出された炎が地面を走る。ぐるり、彼女の周囲を取り囲むように這った炎は、筒状に燃え上がると、それはやがて複数の人の形となって形状を固定した。
 その数22体。
 意のままに操ることができる炎のナイトダンサーを従え、セリエルフィナは舞い踊る。
「ピィ!」
 敵の鋭い攻撃に対し、彼女はナイトダンサーを都度、突撃させる。炎に取り憑かれた大鳥は、嫌がる素振りを見せ後退。やはり、炎が弱点だという彼女の読みは当たっていたようだ。
「ぴ、ピィ……!」
 炎相手では分が悪いと思ったのだろう。氷凝鳥は舞い上がると、天井すれすれにまで上昇し、回避と状況判断を同時に行う。
「逃がさない!」
 オーラを一層強めつつ、ナイトダンサーを追尾に向かわせる。セリエルフィナの周りを踊るダンサーが次々と敵に向かい飛び出していく様は、さながら炎のリボルバー。放たれた弾丸が氷の鳥を射抜かんと、冷えた空気に熱を加えながらひた走る。
(ダァン!)
「ピィ!?」
 氷と炎の衝突音。敵は回避を試みるもダンサーの弾数に回避が追い付かない。そして氷凝鳥はその身を炎に焼かれながら、溶け、そして掻き消えていく。躯の海へと帰っていくのだろう。

 セリエルフィナは、敵をあらかた片付けると、鳥の巣に近付いた。中を覗くと立派な卵。そう、鳥人間コンテスツの持ち帰るべきターゲット。
 彼女は戦いに身を置く中でも楽しむことを忘れない。まだまだあどけない13歳の少女なのだ。
 会場にいた司会が説明していた。それによれば繁殖のし過ぎを防ぐために始まったお祭り事だそうだ。
 とすれば、遠慮はいらないだろう。持ち帰るべきターゲットを間近に確認すると、セリエルフィナは満足そうに微笑むのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

テラ・ウィンディア
ええと…滅しちゃだめ…なんだよな?
(シルを追いかけて文字通り飛んできた妹)

空がいつだってお前達だけの舞台じゃないという事を教えてやる!

【空中戦】で飛び舞い【戦闘知識】で周辺の鳥の陣形と動きと周辺状況の把握

鳥の状態と殺さないレベルの攻撃の把握

ちぃと死ぬほど痛いが…許せよ!

密集陣形にグラビティブラスト

そして混乱した敵陣に飛び込み剣と槍を使って猛攻
切り裂き踏み付け動きを封じ
早業にて武器を持ち替えては翻弄して叩き落す

常に周囲の状況を把握して第六感と見切りも駆使して攻撃は回避
避け切れない時は早業で武器を展開して弾く

取りあえずとばっちりである事は事実だろうから…手早く大人しくしてろよっ

再度砲撃を繰り返す



 姉のシルの姿を追ってやってきたテラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)は、薄暗い洞窟内で姉と合流できずにいた。
 ここに来ていることは間違いない。
「シルを追いかけて文字通り飛んできたけど、鳥を先に相手にしないとだめか」
 テラは眼前の氷凝鳥たちを一睨みすると、勢いよく地を蹴った。
「空がいつだってお前達だけの舞台じゃないという事を教えてやる!」
 空中戦はテラにとって十八番中の十八番。鳥の配置、地形の状況、それらの情報を把握すると、敵の密集している場所に狙いを定めた。
「ちぃと死ぬほど痛いが…許せよ!」
 相手を慮りつつ、苦々しい表情を浮かべながら、テラは手を前に突き出した。
『大地の力…存在の維持を司る力…星の力…我が手に集いて我が敵を滅せよ…グラビティ・ブラスト…往けぇ!!』
 掌から、空間が歪んで見えるほどの重力波砲が放たれる。その砲撃は、密集していた氷凝鳥たちに干渉し、空中にいた鳥たちを一網打尽、地面へと落下させ、そのままべったりと地に張り付けた。
「ピィエエエエエエ!」
 数を減らすことは出来たが、まだ油断できない。密集地点にいなかった鳥たちがまだ控えている。洞窟内に響く鳴き声を出すとテラに向かって滑空してくる。
 テラは、洞窟内を飛び回りながら地面を蹴って加速。縦横無尽に駆けまわる。さながらピンボールのようだが、そのスピードはピンボールの比ではない。凄まじい速さで法則性を持たない動きで敵を翻弄していく。
 紅龍槍『廣利王』、星刃剣『グランディア』。中距離攻撃、近距離攻撃に応じて使い分け、巧みに攻撃を回避しながらカウンターで鳥を戦闘不能にしていった。
「取りあえずとばっちりである事は事実だろうから…手早く大人しくしてろよっ」
 倒すよりも難しい、命を奪わずに無力化。それをやってのけるテラ。
 再度重力の砲撃を放つその表情は、覚悟を決めた者の顔をしていた。

 その後、氷凝鳥たちがオブリビオンであり、ここを住処とする鳥たちは岩場の影に避難していたことをテラが知るのはそのちょっと後。
 紛らわしいんだよ! と、八つ当たり気味にオブリビオンたちが討たれていったのは想像するに難くないだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『ワイバーン』

POW   :    ワイバーンダイブ
【急降下からの爪の一撃】が命中した対象に対し、高威力高命中の【毒を帯びた尾による突き刺し】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    飛竜の知恵
【自分の眼下にいる】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ   :    ワイバーンブラスト
【急降下】から【咆哮と共に衝撃波】を放ち、【爆風】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 凍てつく洞窟を突破した面々は、かくしてゴールとなる会場へと向かいひた走っていた。
 森を抜け、ゴール会場に到着すること。それが鳥人間コンテスツである。
「やった、やっとゴールだ!」
 先頭を走るのは、猟兵ではない一般参加者。両手に大きな卵を抱え、せっせと足を運ぶ。視界にはもうゴールマークが映っている。ゴールももう間近まで迫っていた。
『さぁ、先頭の選手がいよいよやってきました! ゴールするまでが鳥人間コンテスツ! 最後まで気を抜かず走りきってもらいましょう!』
 司会が会場を盛り上げるような実況を加える。客席の観客たちも大盛り上がりだ。鳥人間コンテスツのお祭りは、何を隠そう、一位の選手には幸運があるとされている。
 もうひと踏ん張りだ。
 がんばれーという老若男女の声援の中、先頭を走る選手が、

 今、

 ゴールテープを……、


『ギャォォォォオオオオオオオオ!!』
 もう、ゴールしようかという、その寸前。
 突如、轟くような咆哮が会場を包んだ。
 羽ばたきは渦巻くほどの突風を生み、着地の振動は地震のような地響きを起こす。
 ワイバーン。この村でもほとんど目にすることはない翼竜が、あろうことかゴール会場に乱入してきたのだ。
 会場は阿鼻叫喚。叫び逃げ惑う人々。混乱の中、到着した猟兵達の面々は本能的に察する。
 このワイバーンがオブリビオンであることを。
 このまま野放しにしては、会場は火の海と化すであろう。
 早急になんとかしなくてはならない。

『ギャオオオオオオオッス!』
 ワイバーンの咆哮が、雪無き冬山に遠く遠く鳴り響いた。
雷田・龍子
「ドジった。」

あっさりと先に進んだのはいいが、いざゴールとなったときにアクシデントが起こった。
模型は胴体着陸を想定しているのだが機体に押し込めた尻尾が引っかかってしまい、脱出できずにゴールの衝撃で気を失ってしまったのだ。
律儀に大会へ参加したことが仇となった。

気が付くとボスであろうワイバーンが登場している。

「くそっ」
自分のぽんこつさを呪い、ボス戦へと急いで飛び立つ。

「急降下が得意戦法なら相手より高く飛んでやる」

【POW】
ワイバーンの上空を取りUCで互いを繋ごうと試みる。
そして【騎乗】を試みる。



「ドジった……」
 雷田・龍子(人派ドラゴニアンの剣豪・f14251)は、ゴールポジションで自身の不甲斐なさを悔いていた。
 というのも、崖越えにグライダーの等身大模型を用いて、ゆうゆうとフライトしてきたのはいいものの、そこで機体に押し込めていた尻尾が引っかかってしまったのだ。
 それだけではない。墜落に近い形でのランディングに、強い衝撃を受け、龍子は気を失っていた。
 冷静沈着そうに見えるドラゴニアンのおねえさんもこれでは形無しだ。
 まあきっと会場がワイバーンの騒動でパニックになっていなければ、ぽんこつおねえさんは観客から大人気であったことだろう。
 しかし、会場の誰もがそんな余裕はない。
『グギャアアアアアアアア!!』
 ワイバーンがさらに一吠え発する。
「くそっ」
 自身のぽんこつさを呪いつつも、ワイバーンに対処するべく、龍子は思考をフル回転させた。
「急降下が得意そうな相手。それならさらに高く飛んでやる」
 龍子はワイバーンに接近すると、自身の羽でもって、高く舞い上がった。それは、ワイバーンの頭上を越え、その姿は太陽に隠れ、人型の影を浮き上がらせる。
『グギャウ……!』
 太陽の眩しさに目を細めるワイバーン。その隙を龍子は見逃すはずもない。
 すかさずドラゴンオーラを発し、ワイバーンに向かって放つ。
 オーラは一直線にワイバーンに向かうと、その軌道は稲妻のように上から下への軌道を描き、ずばり電光石火の勢いでワイバーンにぶち当たった。
(ドガアアアアアアンッ!)
『グギャアアアアアアアア!?』
 オーラがワイバーンに当たった際に起こった爆破音が炸裂すると、ワイバーンが大きく喚いた。
 さらには、爆煙が晴れると、そこには双方を結ぶオーラの鎖がじゃらりと姿を現す。
「こんなもので終わりではない」
 龍子は、落下の勢いそのままに、ワイバーンの背に乗ると、チェインを手綱のように巧みに操り、翼竜の動きを御そうと試みる。
 龍と竜。双方互いに譲らぬ熱いやり取りの応酬。
 
 首の動きが不自由となった翼竜。
 龍子の活躍で、大きな隙を生み出すことができた猟兵陣営。
 一気に有利となった戦況で、戦いはますます加速する。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ビスマス・テルマール
このワイバーンも骸の海からなんでしょうけど、このタイミングでっ!?

こんな所で、暴れられさせる訳には行きませんっ!

●POW
仲間と連携し
空中戦で飛行しユーベルコードを発動させ鎧装転送

山河焼きバーガー型爆弾剣をオーラ防御と属性攻撃(重力)を混ぜ、範囲攻撃でコーディングし突撃

敵の攻撃を
タイミングを第六感で捉え
見切りと武器受けと盾受けで
受け流しつつ

早業&2回攻撃と鎧無効攻撃と鎧砕きを含めて怪力込めて叩き込み、早業で一撃離脱

撹乱しオーラ防御と武装と
武器&盾受けで受け流しつつ

弾に誘導弾と属性攻撃(重力)と鎧砕きと鎧無効攻撃込めた
誘導重力弾を生成し

一斉発射とスナイパー併用で援護を

※アドリブ絡み掛け合い大歓迎


化野・那由他
実は観客に混じって参加者の方々を応援していたのだけど、こうなっては戦うしかないわね。折角のお祭り、邪魔はさせないわ。
客席から飛び出して戦闘に参加します。
ヤドリガミの本体である奇書の頁を開き、相変わらずの得意技『叢原火』を使って鬼火を飛ばします。
全力魔法、属性攻撃、2回攻撃、気合、援護射撃を駆使して。
もし可能であれば『付喪神奇譚』で蛇帯と呼ばれる帯の付喪神も召喚してワイバーンに絡みつかせます。
「年経た器物に叡智あり。古の御業、此処に示さん」
攻撃は最大のなんとやら。こうして縛り付ければ急降下もしづらいでしょう。

※共闘・アドリブ歓迎です。ご自由に動かして下さい!



「実は観客に混じって参加者の方々を応援していたのだけど、こうなっては戦うしかないわね」
 そう観客席から話すのは、化野・那由他(書物のヤドリガミ・f01201)。グリモア猟兵からワイバーンが現れることは聞いていたので、誰よりも早く到着し、応援席で翼竜の到着を待っていた。
「折角のお祭り、邪魔はさせないわ」

「このワイバーンも躯の海からなんでしょうけど、このタイミングでっ!? こんな所で、暴れさせる訳には行きませんっ!」
 催し物を妨害するワイバーンに怒りを感じているのは、ビスマス・テルマール(通りすがりのなめろう猟兵・f02021)。なめろうの人でおなじみの人で、このコンテスツにもしっかりと参加。ライブビューイングで試合展開を知っている観客たちから、なめろうの人がんばれーと声援が飛んでくるほどの人気だ。このコンテスツで、なめろうファン人口もしっかり増加していることだろう。
 観客たちはワイバーンの猛威から避難しながらも、猟兵達を応援してくれている。なんと健気で優しい観客たちであろうか。

 そんな観客たちのためにもワイバーンを捨て置くことはできない。那由他とビスマス、両名の手に力が入る。

「こんな所で、暴れられさせる訳には行きませんっ!」
 持ち前のセンスと読みで、敵の爪攻撃による連打を回避しつつ、ビスマスは空中飛行したままユーベルコード【サンガヤキバーガー・マインブレイド】を発動させる。
 ビスマスは、デッキから取り出した山河焼きバーガーカードをスロットに挿入しながら叫んだ。
『Namerou Hearts Sangayaki Baga! 鎧装転送! 山河爆斬!』
 さんが焼きの香ばしい香りを辺りに漂わせながら、鎧装の起こす機械音とともに取り出したるは、山河焼きバーガー内臓の剣。
 短射程攻撃を空中で野性的な飛行をする敵にいかに当てるのか。いや、絶対に当てる。覚悟を決め、ビスマスが手にしている剣の柄を握った。

「手数でもって援護しましょう」
 空中戦を見上げながら、那由他が臨戦態勢を取った。手には、ヤドリガミの本体である奇書。その頁を開きつつ、『叢原火』の発動句を詠唱する。
(ボッ……ボッ……ボボボボボボッ!!)
 ひとつふたつと那由他の傍らに灯った鬼火、その数は加速的に増えていき、夥しい数の鬼火が那由他の背後に現れる。放たれる時を待ち構えるがごとく、盛んに燃え盛っていた。
 那由他の手を前に出す合図と同時、鬼火が一気に翼竜へと襲い掛かる。
『グギャアアアアアアア』
 威嚇する咆哮を上げながら回避を試みるも、手数が手数。さすがに躱しきること叶わず。ワイバーンの動きが鈍る。
 しかし、那由他の攻撃はまだ終わってはいない。
「年経た器物に叡智あり。古の御業、此処に示さん」
 召喚詠唱を唱えつつ、『付喪神奇譚』と呼ばれる蛇帯の付喪神でもって翼竜を拘束。敵の機動力を下げにかかる。
「攻撃は最大のなんとやら。こうして縛り付ければ急降下もしづらいでしょう」

 好機。
 ビスマスが味方の援護が作った隙を逃すことなく敵に接近すると、構えた剣で翼竜の腹部を刺突する。
(ドゴン!!)
『グギャァァァッァァァァ!?』
 山河焼きバーガー型爆弾が自身の腹部で爆発したことに、さすがのワイバーンもたじろいだ。
「ダメ押しッ!」
 ビスマスは特殊誘導重力弾を生成すると、全身鎧装に設けられた固定砲台から弾丸を放つ。
 複数発射された弾丸のうちの一発が、ワイバーンの眉間にぶち当たる。
 傷口から出血、そして翼竜の片目が塞がり視界を奪う。
 その後、力尽くで拘束を引き千切るに至るも、かなりの痛手を追っただろう。 

 猟兵たちの度重なる攻撃が、生命力の高いワイバーンを徐々に追い詰めていくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

セリエルフィナ・メルフォワーゼ
いよいよボスの登場だね。
オブリビオンなんかにお祭りの邪魔はさせないよ。

まず適当に【パフォーマンス】でもして、ワイバーンをボクの方に【おびき寄せ】る。
それから【オーラナイトダンサー】23体を一つにして更に圧縮させるように【操縦】し、『オーラの弾丸』を作って≪拳銃≫に込める。
そして【クイックドロウ】【吹き飛ばし】で、高出力の『オーラショット』をこちらに襲い掛かってくるワイバーン目掛けてぶっ放すよ!
『オーラショット』の反動で壊れないように、≪拳銃≫を【オーラ防御】で予め覆っておくね。



 猟兵達の度重なる攻撃にフラストレーションとボルテージが高まっているワイバーンは、苛立ちの意思の篭った咆哮をあげながら、両翼をバタつかせた。
『グギャアアアアアアアアア!!』
 その咆哮は、山を越えて届くのではないかというほど大きく、衝撃波を生むほど凄まじいものだった。
「オブリビオンなんかにお祭りの邪魔はさせないよ」
 ワイバーンと対峙しながら、セリエルフィナ・メルフォワーゼ(天翔ける一輪の君影草・f08589)は両の翼を奮わせた。
 双方ともに、一対の翼を携えている。しかし、与える印象は正反対だ。ワイバーンの翼が刺々しく野性味ある風体だとするならば、セリエルフィナの翼は美しくも凛々しい天上の神々しささえ感じさせる風体だと言える。
 セリエルフィナは大きく羽ばたくと、目立つように動き、敵の注目を集めんとする。
 それに気づいたワイバーンは、間髪入れず攻勢に出た。
 人呼んでワイバーンブラスト。咆哮と共に衝撃波を生み出し、爆風を発生させる翼竜の攻撃が、13歳の少女を襲う。
 しかし、彼女もすでに戦闘行動を行っていた。
 自身の周りにオーラを集約させ、人型のナイトダンサーを生み出している。熱量を持ったダンサーたちが舞うと熱せられた空気が気流となって動いた。
 一言で言い表すなら風の壁。敵の爆風もナイトダンサーが生み出した風の流れの一部となり上空へと軌道が逸らされていく。
 激流を制するは静水。まさにそう表現するにふさわしい結果となった。
 これは、セリエルフィナが狙ってやったことではない。しかし、運も実力のうち。楽し気にひらひらと踊る彼女のダンスが幸運を招いたのかもしれない。
「まだまだこれから。さらに賑やかにいくよっ!」
 セリエルフィナがナイトダンサーを集約させていく。両の掌でぐぐぐーっと膨大なエネルギーを抑え込と、圧縮に伴って、オーラの光量も増していく。
 23体ものオーラを圧縮させると、それは一発の弾丸の形状になって状態を安定させた。
(スチャ……)
 次に彼女が取り出したるは一丁の拳銃。オーラの弾丸を装填すると両手で構え、迷わず引き金を引いた。
(ドッ……………………ギューン!!!!)
 音が遅れて耳に届く。
 音速を超えた弾丸が音の壁を突っ切って、ワイバーン目掛けて飛ぶ。
 銃本体をオーラで保護していなければバラバラになっていたであろう拳銃。その銃は、撃った勢いを逃がすために、今や彼女の頭の上に掲げられている。そのようなフィニッシュモーションを取らねばならぬほどの高威力の銃撃だった。
 刹那の間すら置かず、弾丸は翼竜の肩に大きな風穴を開ける。
『グ……アアアアアアアア』
 低い唸り声が、ワイバーンの大きく開いた口から洩れ出ると、徐々に飛行高度を下げる。目に見えてダメージを受けている。
 セリエルフィナはドレスをなびかせると、銃口から昇る煙をフッと吹き消し、クールに決めるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シル・ウィンディア
ワイバーン、ここであったが…
…何回目だっけ?

ま、まぁ…
催し物の邪魔するなら、お仕置きだねっ!

折角だし、空中戦を楽しもうかな?
【空中戦】【残像】【フェイント】を駆使して
3次元機動戦を行うよっ!
相手のほうがスピードあっても、小回りはわたしのほうが利くからっ!

くるくると、相手の周りを高速で移動して撹乱を行うね
撹乱行いつつ、二刀流の光刃剣で小刻みに攻撃していくよ

相手が焦れて隙を見せたら
【高速詠唱】の【全力魔法】でのエレメンタル・ファランクスで
一気に押しますっ!

【第六感】で敵がワイバーンブラストの構えを見せたら
一気に上昇して、地上に被害が出ないように飛ぶよ
回避は、【見切り】ですれすれを回避するね


テラ・ウィンディア
ワイバーンか!
強者の証であり何よりドラゴンの眷属!
良いだろう…ああ、何度だって破ってやる
そして…その肉…美味しく調理してやるよ!

属性攻撃
炎を剣槍脚に付与

空中戦で浮かび上がり対峙

いくぞっ!槍をメインとして襲い掛かる

早業での神速での槍の突きで串刺しを狙いそのまま剣で刻む

猛攻を仕掛けながらも戦闘知識と過去の戦闘の記憶を見比べながら敵の動きを解析

その上で見切りと第六感も使用して敵の攻撃の回避を試みる

空中戦で上空を位置どれば其処からメテオブラスト!

戦闘後
倒したワイバーンの肉を須らく使用して調理するぞ!

香辛料を駆使してしっかりと味付けして焼く
やっぱりこいつは焼いてこそだな!
因みにちゃんと仲間とかに振る舞う



「テラ!」
「シル!」
 お互いの合流を喜び合っているのは、シル・ウィンディア(光刃の精霊術士・f03964)とテラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)の双子の姉妹。
 妹のテラの方が、姉を追って来た形だ。鳥人間コンテスツのゴール地点でようやく合流することができ、互いの無事を喜びあう。
『グギャアアアアアアアア!!』
「ワイバーンか!」
 テラが手を額に持っていきながら、上空にいる翼竜を見上げる。手で影を作りながら眩しさをこらえてつつワイバーンを観察する。
「ワイバーン、ここであったが……何回目だっけ? ま、まぁ催し物を邪魔するなら、お仕置きだねっ!」
 シルもテラの横で、同様の仕草をしながらやる気満々の様子だ。
「ああ、何度だって破ってやる。そして……その肉……美味しく調理してやるよ!」
 テラが、舌で唇を舐めながら不敵に笑う。


 気合十分。いざ、決戦の時。


 双子の姉妹が互いに選んだ戦法は、偶然か必然か、両者とも空中戦だった。
 シルは二刀流の光刃剣を両手に握り、テラは愛用の槍と槍、そして脚に炎を纏わせながら、ふわり空中へと飛び上がる。
「折角だし、空中戦を楽しもうかな?」
 シルはそう言いながら、くるくると翼竜の周囲を飛行する。緩急がついているせいか、シルの体がブレて残像を伴って見えさえする。目にも止まらぬ高速飛行の中、二振りの剣を振るう。

「いくぞっ!」
 テラはというと、気合を込めた声を出しつつシルのようにワイバーンの周りを同じく飛行する。ぐるぐると息の合ったコンビプレイを魅せつつ、神速が如き槍捌きで敵の皮膚を刺し貫く。そのまま翻っての剣による斬撃。翼竜の硬い鱗に傷跡を刻んでいく。

((ドドドドスッ! ズズズズズシュ!))

 二人が描く螺旋の中で、見る見るワイバーンの皮膚に傷が刻まれていった。
『グルルルルルル……』
「来るっ!」
 ワイバーンの唸り声に、何かを察したシルが上空高く舞い上がった。敵の反撃の予兆を読み取ったのだ。
「おれの戦闘経験から言っても反撃が来そうな予感がするっ」
 テラも距離を取り次なる手を講じる。

『闇夜を照らす炎よ、命育む水よ、悠久を舞う風よ、母なる大地よ……。我が手に集いて、全てを撃ち抜きし光となれっ!! エレメンタル・ファランクス!!』
『星よ……世界よ……流星の力を我が身に宿せ……!! 今こそ我が身、一筋の流星とならん……メテオ・ブラスト……受けろぉ!!!!』

 異なる詠唱句。しかし、自然と合う二人の呼吸。二人同時に詠唱し、二人同時に詠唱をし終える。
 シルから放たれた何発もの4種の魔力砲撃がワイバーンへと向かう。また、その砲撃のうちの数発がテラの踵に集まる超重力に合わさった。
『グギュルルルル』
(ダダダダダァ……ーン!!)
 先着の魔力砲撃の嵐が翼竜の体を撃ち、羽を貫く。
「まだまだっ!!」
 続け様にテラの魔力エネルギーと超重力の乗った踵落としが脳天に、
(ズガンッッ!!)
 直撃!!
『グッ……ガッ……アアアアアアアアアア!!!!』
 雄叫びのような断末魔を上げると、ワイバーンの体は崩れ、やがて塵となって躯の海へと消えていくのだった。





(以下、シナリオの締め)
 猟兵達の活躍を遠目から見ていた観客たちが、一斉に歓声をあげ健闘を称える。
 終わってみれば、会場の被害も少ないように見受けられる。
 鳥人間コンテスツ表彰式では、卵を持ち帰った猟兵が表彰をされ、表彰式後の宴会では、猟兵が持ち寄られた食材も振舞われた。
 さらに、ワイバーン戦で残った肉塊を、慣れた手つきでテラが調理。シルをはじめ、観客、猟兵、みんなが笑顔で竜の肉を堪能しながら、賑やかに祭りの閉幕へと向かうひと時を楽しんだのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年03月09日


挿絵イラスト