プライム・プラネット・ビギニング
●星に願いをかけただけ
『本当に……この先にそんなのがあるのか?』
俺はアフラ。しがない宇宙の
配達屋だ。別に目立って何かをした事なんて一度も無いし、年甲斐の無い冒険心がある訳でもない。それがどうして奇妙な少女と二人きりで、こんな辺境へ向かう羽目になったのかって?
『大丈夫です! ここから先はワープなしで辿り着けますから』
板一枚向こうの暗黒に嘆息し、真横ではしゃぐキラキラした少女へ訝しみの視線を向ける。そもそも俺は
小宇宙世界の出身だ。銀河帝国攻略戦後の特需や未踏宙域の探査でそこそこの稼ぎはあったものの、件の
帝国継承軍のせいで割に合わない仕事ばかりになって、仕方なく
大宇宙世界へ抜け出して来た事が発端だった。
『あ、見えてきましたよアフラ……進路そのまま、目標あの星!』
自称プリンセスを名乗るこの少女――アスティを拾ったのはその頃だ。アスティは海図が読めて多言語が分かるという理由で(何やかんやあって)俺が雇い入た。ゲートが無ければ
飛べない大宇宙の連中とは違い、ワープドライブのお陰で座標さえ入力すればどこでも飛ぶ事が出来る俺の宇宙船は、海図があれば自由に宇宙の海を行き来する配達屋として重宝されたのさ。
『光学望遠最大――マジかよ、何か灰色っぽいぞあの惑星』
その対価として俺は彼女が望む星へ連れて行くという契約を結んだ。おかげで随分と稼がせて貰ったし蓄えも十分出来た――後は彼女を目的の星へ届ければ契約完了。つまり、これが俺の最後の仕事となる筈だった。
『恐らく
環境改造の設定がおかしいのでしょう。それを修正しなければ!』
薄手の
高性能宇宙服を煌めかせてアスティが言葉を続ける。全身にくたびれた装甲一式を纏った俺と対照的に、絢爛な少女は目の前の不毛の星を指差して力強く宣言した。
『あの星――惑星ラゴンダは眠っているだけなのですから!』
七色の髪と瞳を輝かせてお姫様は宣う――私はこの惑星の継承者なの、と。
「ですが、その惑星に降り立った所でクローン兵団に襲われて彼らは生命を落とします……それを阻止する事が本作戦の最終目標です」
グリモアベースの会議室、スクリーンに映された予知の断片を閉じ、ユーノ・ディエール(
アレキサンドライト・f06261)は静かに言葉を紡ぐ。
「まずは彼らをあの惑星ラゴンダへ無事に着陸させなければなりません。合わせて惑星の調査も必要です」
単なる人命救助だけでは済まない――この作戦の趣旨はあくまで『到着した惑星を調査し、二人の生命を守る』という事だ。どちらか一方しか成しえない場合は当然、作戦は失敗して二人は落命すると予知で記されていた。
「あの二人――特にアスティと名乗る少女はこの惑星の
環境を整える為に来たと言っています。その協力を申し出ればこちらの言う事を聞いて貰えると思います、多分」
詳しい情報は添付した資料に――話を続けながらユーノは集った猟兵達へデータを転送する。
「宇宙空間からの情報収集も良いですが、先に惑星へ降り立って状況を共有する事も可能です。残念ながら現時点で星や敵の状態は分かりませんが、少なくとも直ちに攻撃される事は無いでしょう」
降下対象の惑星ラゴンダは灰色の雲と大地が惑星全域を覆う不毛の星だ。重力は標準ヒューマノイドが支障無く過ごせる程度だが大気組成は不明。如何に猟兵と言えど『便利な宇宙服』の着用は必須だろう。それ以外の地表の詳細な情報は実際に着陸しないと分からない為、とにかく二人には万全を期して降下して貰う必要がある。
「惑星ラゴンダ降下後もそのまま二人に協力する事になります。未知の部分が多いですが、どうかお気を付けて」
地表の状態が分かれば惑星の環境改善に向けて動く事も出来るだろう。無論、二人の生命を守りながらの作戦となる。静かに頭を下げたユーノはゆっくりと青いグリモアの輝きを解き放った――。
ブラツ
ブラツです。
今回の舞台はスペースオペラワールドのとある惑星を、
オープニングの二人と共に調査する事が目的です。
第1章は冒険です。NPC二人と共に惑星調査を行い、降下ポイント設定を補助して下さい。
第2章は集団戦です。NPC二人を守って敵クローン兵団を殲滅して下さい。
第3章はボス戦です。現時点で詳細は不明です。
登場する二人のNPCについて、判明している情報はオープニング含め以下になります。
アフラ……古びた全身装甲を纏った宇宙の運び屋。スペースシップワールド出身の男。スペースノイド。
アスティ…七色の髪と瞳を持ち、煌びやかな衣装を纏ったスペースオペラワールド出身の少女。人型宇宙人。
その他、詳細はオープニングに準じます。
アドリブや連携希望の方は文頭に●とご記載下さい。
単独描写を希望の方は文頭に△とご記載下さい。
同時描写希望時は何がしかの識別子の記載をお願いします。
プレイング募集期間は断章投下後、タグをご参照ください。
それでは、よろしくお願い致します。
第1章 冒険
『惑星開拓』
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POW : 直接、惑星に降り立ち調査する
SPD : 探査機を送り込み情報収集する
WIZ : 広大な宇宙の意思と疎通を試みる
👑7
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●宇宙の果てに映るもの
『……猟兵って奴か、アンタら』
キャノピーから乗り出した姿は傷だらけの煤けた装甲服、そして一文字のスリットが入った古いヘルメット。
かつての戦いを知る者ならば、これが銀河帝国由来の装備一式である事が分かるだろう。
『ああ、俺の格好は気にしないでくれ。この機体もな』
装甲服を着た男――アフラは言う。俺は只の
一般人だ、と。その機体はデルタ型航宙戦闘機の前身たるガンマ型に酷似していた。機関をドブニウム・エンジンでは無くコアマシン搭載型の小型動力に載せ替えた以外は、パイロット含めどう見ても旧式の組み合わせとしか言えない風情だった。
『すみません。複座のコクピット以外は改装したカーゴスペースしか無いものですから……』
かしこまって頭を下げる少女――アスティはキラキラと光を振り撒いて、事の次第を説明した。
『こちらから正面に見える灰色の惑星――ラゴンダへ降下して
惑星開拓をしたいのですが……どう見ても惑星の様子がおかしいですし、先に状況を確認したいのです』
『ああ、だが俺の機体は大気圏内航行は得意じゃないんだ。出来れば作業しやすい場所を選びたい』
つまり今回の異変を先立って調べ、その上で惑星開拓作業をしやすい場所を降下地点に定めたいという事だ。
『多分ですけど、この異変は惑星開拓マシンの不調が原因と思われるので、修理する為その近くに降下したいですね。出来ますか、そういう事は?』
『降りるのはともかくこの機体じゃ探査は難しい。どうかこの子に力を貸してやってはくれないか』
惑星開拓が完了した暁にはちゃんとお礼をさせて貰う、とアスティは言う。
果たして、この惑星は一体何が眠っているのだろうか――。
ティティス・ティファーナ
SPDで判定●
「アフラとアスティの調査情報を捜索する」
『アストラル・エレメント・トランスフォーメーション』で目標地点に降下しながら探索ファンネルビットを創造しながら展開し情報と映像を収集して気体や鉱石に水質なども情報を収集して「いかなる生命体なら存在できるかも解析する」と言ってこれまでに集積している情報と照らし合わせながら調べながら探索と捜索を続けて行きます。
生命体や微生物などの情報も集積して最適化の情報や環境の対応策も思考加速して模索します。
他の猟兵も居るなら情報を共有して交換獅し、対応策や行動指針を検索して模索します。
要望される必要な対策には可能な範囲で応えます。
敵対情報も記録記憶します。
イクシア・レイブラント
●呼吸不要、宇宙服機能搭載、状況に応じて【追加装備】を臨機応変に使用する
はじめまして、私は鎧装騎兵イクシア。未開惑星を調査中。協力を要請する。
合流前に強行索敵型デコイドローンを展開。部位が発光する飛行機体を各地に降下させて[存在感、おびきよせ、索敵、撮影、情報収集]。大気組成と気温の調査・測定、地表と生命体の確認を行いつつ敵性存在のあぶり出しを試みる。当然、ドローンが破壊、捕獲されるような地域は危険ね。
その後は[推力移動、空中機動、情報伝達、情報分析]。サイキックスラスターで飛翔し、2人の宇宙船と併走しつつ通信、情報共有を試みる。
状況は以上よ。2人はこの惑星について何か知らない?
シモーヌ・イルネージュ
●
未開の惑星探査とかいいね。
最近はそういう依頼も少なくなってきたんだ。
是非ともやらせてもらうよ。
まずは目的の惑星開拓マシンを探さないとね。
こういうのは使い魔『サテリット』の出番だね。
上空から惑星開拓マシンを探そう【偵察】【情報収集】。
おそらくはマシンを中心に開拓が進んでいるから、土地が富んでいる、または変化が多い方向に進路を取れば、目的地に近づけるかな。
近くまで来たと思ったら、電気や電波の反応を拾って、位置を特定しよう。
どうやらオブリビオンも潜んでいるようだし、警戒しつつ探索していこう。
川巳・尖
あんまり住めそうな星には見えないけど、どうにかできるものなのかな、テラフォーミングって
状況を詳しく調べるなら地表に降りる方が早いよね、宇宙服って初めてだけど面白そう
重力は大丈夫そうでも普通に歩いて問題ないか、大気組成や視程、地形の特徴とか、まずは周辺の調査だね
一番気になるのは生き物とか、意思のある何かがいるかどうか、かな
惑星固有の動植物とか細菌、ウイルスみたいなのがいるか、結構重要だと思うし出来る限り調べてみたいね
足跡とか生き物っぽい痕跡がないか探しつつ、何か気配がしないか警戒しよう
あたいの水妖夜行が普通に使える環境なのか、今のうちに試しておきたいな
…はてさて、鬼が出るか蛇が出るか、ね
ガーネット・グレイローズ
●
私はガーネット、宇宙船を開発する企業の代表だよ。
…ふむ、アフラは配達の仕事をしているのか。
宇宙の物流を支えるユーザーの生の声を聞くチャンスだな。
《低重力適応》「夜の女王」に乗り調査開始。
《世界知識》を基に《情報収集》する内容を予め
《プログラミング》しておいた宇宙船を、UCで呼び出す。
灰色の雲に大地、モノクロームの荒野か。
重力はさほど問題にならないそうだが、気になるのは星の地形や気候。
それと大気の組成や放射線量も忘れずに測定しておかないとな。
自転速度や一日の気温の変化はどうか?
シップが集めた情報は、キャバリアのワイズマンユニット
「フクロウさんEX」へと《情報伝達》させフィードバックしておこう。
メンカル・プルモーサ
●
(強化装甲車エンバールに乗って先行)
…ふーむ…ひとまずは惑星開拓マシンとやらを見つけることが優先か…
…それが故障してるならなにかしら大気に悪影響があるかも知れないね…
エンバールが地上に降りたら【何時かは辿る絡繰の夢】を発動…
…大気や魔力などの環境データを収集する子機ガジェット11機とそれらのデータを受け取って解析、表示する親機ガジェットを召喚…
…子機ガジェットを各地に放ってまずは惑星の状態の情報収集だね…
…あとは大気があからさまに変化してる場所があればその方向から惑星開拓マシンのある方向が推測出来るかな……?
二人と連絡を取りながら調査をしてみるとしようか……
●星の記憶
「……ふむ、アフラは配達の仕事をしているのか」
『こっちのゲート未達地域じゃワープドライブは金になるのさ。そんなに大したモノじゃない』
互いの仕事について言葉を交わすガーネット・グレイローズ(灰色の薔薇の血族・f01964)とアフラ。特にガーネットは悲願だった外宇宙辺進出を叶え、既に一仕事果たしているアフラについて興味があった。宇宙の物流を支えるユーザーの生の声を聞くチャンス――自身の事業にも大いに影響があるだろう。
「だから旧式でも十分という事ね。ああ、私は宇宙船を開発する企業の代表もしてて――」
語りながらアフラの宇宙船に愛機『
夜の女王』を横付けするガーネット。既に
超常で呼び出した100隻以上の
自律宇宙船を惑星ラゴンダへと送り込んでいる。続々と齎される新たな情報をアフラ達と共有し、ガーネットは突破口を探していた――その時、既に自力で上陸していた猟兵達からも続々と報告が上がり始める。
「こちらイクシア。惑星ラゴンダ地表へ到着――というか、何なのこの星は」
イクシア・レイブラント(翡翠色の機械天使・f37891)はその身のまま、強行索敵型デコイドローンを展開して上陸した惑星の構成物質を調べた。否、調べるまでも無く想像を超えた異常が発生している事を、誰よりも早く報告したのだ。
「少なくとも私の着陸地点四方の数十キロは……全て鋼鉄の大地よ」
「そうみたい……私の方も……」
続くメンカル・プルモーサ(トリニティ・ウィッチ・f08301)がやや困惑気味に言葉を紡ぐ。先だって
改造装甲車ごと上陸し『
何時か辿る絡繰の夢』――
超常のデータ解析ガジェット群を召喚、大気や魔力などの環境データを収集しながら、メンカルはこの異常な環境について思考していた。
「大気組成は……原始大気に、近い? 二酸化炭素が多いみたいだし……」
温室効果で惑星自体の気温はやや高い。このままでは生物が生息するに適した環境とは言えないが――鋼鉄の大地を駆けながら、メンカルはガジェットが解析した大気データに肝を冷やした。
「大気にナノマシンが……溢れてる……?」
それの効能が何であるかはまだ分からない――だが、迂闊に吸い込みでもしたら身体に異常をきたす可能性もある。何より猟兵では無いアフラとアスティは、この環境に耐えられる保証など無いのだから。
「二人はこの星について、他に何か知ってる……?」
だからこそメンカルは問う。この異常な惑星を、本当にテラフォーミングしに来ただけなのか、と。
『かつて、この惑星ラゴンダは水と緑に恵まれた星でした』
憧憬と僅かな失意が混ざったアスティの言葉――この鋼鉄の惑星は、本来はそうなのだろう。
(確かに自転速度や放射線量はそれっぽい感じだな)
解析された惑星の情報を流し見てガーネットは思案する。ならば何故、惑星ラゴンダはこの様な鋼鉄の大地へと変貌してしまったのだ。最悪この星そのものがオブリビオンになってしまった可能性だってある。
『ですが、ある日大きな戦に巻き込まれ……星ごとその機能を停止せざるを得なくなったのです』
「この鋼鉄の大地は、星そのものを封印しているから……って事?」
それはシャツ一枚と宇宙服だけで惑星ラゴンダへ降りた川巳・尖(御先・f39673)の言葉。あんまり住めそうな星には見えないし、テラフォーミングでどうにかできるものなのかも分からない……だが、その前提がそもそも違うのだとしたら、この鋼鉄の大地の本当の役割は――尖の疑問にアスティはしっかりと言葉を返す。
『はい。なのでテラフォーミングというのは、実質星の解凍の様なものです』
つまり、この鋼鉄の大地をどかす事で本来の星の姿が見えてくる――というのがアスティの回答だった。
『そのつもりだったのですが……』
『本来ならある筈の惑星開拓マシン自体が見つからない、って事だ』
続けて語るアフラがヘルメット越しに溜息を吐く。これまでの猟兵の調査からマシンの本体が消失、あるいは変質している可能性すら出て来たのだ。それらしき目立ったものが何もなければ、さしもの猟兵達だってテラフォーミングを進める事は出来ない。
「じゃあこの鋼鉄の大地は、そもそも何らかの異常なんだね」
シモーヌ・イルネージュ(月影の戦士・f38176)が言葉を繋ぐ。自身と視界を共有しているカラスの使い魔『サテリット』は惑星の空をくまなく飛んで、灰色の大地と時折光る何かを視る。望遠鏡だろうか、どうやらオブリビオンが潜んでいるのも事実らしい。その光は不規則に移動してこちらを視認している――調査中の今、奴らとかち合うのは出来るだけ避けたい所。シモーヌは口端を歪ませて獲物の動きをしっかりと把握した。
「安心して欲しい。最近はそういう依頼も少なくなってきたんだ――しっかりやらせてもらうよ」
未開の惑星探査とかいいじゃないか、と言葉を結び、シモーヌは偵察に戻った。
「うん。確かに生身で動くのは危ないな。重力は地球そっくり、だけど」
入れ替わる様にティティス・ティファーナ(召喚獣「アストラル・エレメント(幽魔月精)」・f35555)が言葉を続ける。超合金と流体金属に宿りし魔力あるエレメントは、超常じみた自らの能力全てを活かして惑星ラゴンダの全域を探索していた。無数のファンネルビットが捉えた情報――矢張り、この星に生命は無い。そして微生物も、発生の要件も須らくナノマシンに食われている。まるで無菌室のような空間。
「いかなる生命体なら存在できるか――この星に適応した生物、それは」
加速した思考が導いた解――こんな所に存在出来るのは最早、オブリビオンしかいないだろう。
「惑星ラゴンダを構成する大気では生物は存在出来ない」
「だが、ナノマシンが環境改善を促している模様――悪い意味で」
「ナノマシンの出所はこの星の地表、全て」
「地表は鋼鉄に覆われていて――」
「うむ、本来の星はここの下にあるのだろう」
「……あとは大気があからさまに変化してる場所、それを探す」
六人の猟兵が出した結論、それは惑星ラゴンダは死の星というより、時の止まった惑星というべき状況であることが分かった。その惑星を
過去が飲み込みつつある――その兆候を既に捉えたメンカルが即座に全員へ情報を共有する。
「一応、動体反応は検知出来た……」
大気があからさまに変化している場所は現在の情報だけでは分からなかった。代わりに何者かの呼吸――僅かながら変性した大気を基に、敵の潜伏先の割り出しを進めていたのだ。
「それと、地表全体から特に電磁波が偏っている地点もね」
こちらはシモーヌの情報。電気や電波の反応を拾って、極端に電磁的な変化がある所に目星を付ける。それはごつごつとした鋼鉄の岩肌に隠れる様に、あるエリアに集中して見る事が出来た。
「オブリビオンの可能性が高い。炙り出す?」
「私も支援に動ける。少し様子見するか――」
イクシアとティティスがそれに続き、猟犬代わりに放たれた『
追加装備』/『
幽魔月精の機械』が鋼鉄の大地を疾駆して――その後を『
漆黒の闇』で身を包んだシモーヌが駆け抜ける。
「灰色の雲に大地、モノクロームの荒野か」
アシスタントロボに集めた情報を伝達したガーネットが、眼下の灰色を見て呟く。
「……はてさて、鬼が出るか蛇が出るか、ね」
彼方を見やり飛翔する『水妖夜行』――尖。回り始めた歯車が運び出すものは、果たして。
大成功
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箒星・仄々
●
オブリビオンが絡んでいるなら
猫の手をお貸ししない理由はありません
便利な宇宙服を着用
風の魔力を操作して
風船のようにふわふわと浮かび
眼下を偵察しながら
ゆったりと自由落下します
ポピンズ風です
炎と水とで空気の屈折率を操作すれば
望遠レンズのように遠くまで見えますし
風が音を運んできてくれます
惑星開拓マシンで
それが不調ともなれば
何かしら異音を響かせているのではないでしょうか?
或いは予知からするとクローン兵団が
マシンを動かなくさせている可能性も?
クローンさん達の宇宙船や兵器の姿や音にも
注意しておきます
マシンの近くにふわりと降り立ちましたら
周囲の安全も確認します
風が運んでくれる音に耳を澄ませておきましょう
ヘスティア・イクテュス
●
『S.F.O』降下開始!
アベルは周辺情報の
サーチお願いするわ!
と惑星に降りて降下地点を探させてもらうわ
S.F.Oなら対全域…『環境耐性』もばっちり!深海でも動けるこれなら
大気に有害物質が含まれてても問題なしってね!
報酬としてはテラフォーミング技術辺りが気になるかしら?居住惑星を探してる身としては
雲は兎も角灰色の大地ね…これをなんとかできるの…?
とマジックアームで掬い軽く成分分析
惑星開拓マシン念のため欲しいわね~設計図とか持ってないかしら
ミルドレッド・フェアリー
●SPD
なるほど、未開の惑星開拓でありますか
惑星開拓は公共事業
喜んで
宇宙風来坊の私もご協力しましょう
…探査機とは私自身ですが、何か?
文明の利器を使ってなんぼでしょうが、最後に物を言うのは人自らによる確認
万全の調査をするにも時間とガルベリオンがいくらあっても足りませんから
では、行きますよ
宇宙サーフボード『X-Gladius』、大気圏突入モード!
そして雲海に入る前にX-Gladiusをバトルアーマー状態で瞬着し、大気を構成する物質を検出しながらスカイダイビングですね
問題なければ『宙を切り裂く紅き流星』となって惑星内を航行、ヤバめでしたら宇宙へ引き返しましょうか
●大気圏突入
「『S.F.O』降下開始! アベルは周辺情報のサーチ索敵・情報収集・偵察をお願いするわ!」
『承知しました。早速ですが……』
風を裂く爆音がヘスティア・イクテュス(SkyFish団船長・f04572)の耳を揺らす。恒星間航行とは違う命懸けのダイブ――『
S.F.O』ならば全領域対応、突入も離脱も思いのままの高性能宇宙船は
眩い光を放ちながら、ゆっくりと姿勢を整え降下していく。
「惑星開拓は公共事業。喜んで
宇宙風来坊の私もご協力しましょう」
「何? どうしたのアベル?」
その傍をミルドレッド・フェアリー(
宇宙風来坊・f38692)が
生身で駆け抜ける――宇宙サーフボード『X-Gladius』、大気圏突入モード! 真紅の
機動装甲が断熱フィールドを展開して、煌めく渦の中に飛び込むミルドレッドと――。
『猫が大気圏突入してます』
「Wow! なかなか良いライドですね!」
「オブリビオンが絡んでいるなら、猫の手をお貸ししない理由はありません」
「その前に摩擦熱で焼け死んじゃうわよ!?」
小柄な
黒猫――箒星・仄々(ケットシーのシンフォニア・f07689)がゆうらりと星の重力に引かれ、落ちていた。
「安心してください。ほら――」
否、
風の魔力を操作して周囲に断熱構造を形成、摩擦圧を極大に落下速度を調整しながら降下していたのだ。やがてパラシュートの様にゆっくりと速度を落とす仄々――その後ろをS.F.Oのヘスティアとミルドレッドが続いて、三つの灼熱は眼下の鋼鉄の大地へ近づいていった。
『減速してますね。
科学技術の敗北です』
「それだけじゃない! あっちの人も!?」
そうだ。生身なのは仄々だけじゃない――だがミルドレッドはサイフォス遊星人。
小宇宙世界とは違う埒外の住人は、尋常じゃない熱量を自らの装備で遮断して鼻歌交じりに降下する。
「……探査機とは私自身ですが、何か?」
「…………」
そうだ、猟兵っていつもこうだ。特にサーフボードを使う凄い子は他にも知っている。
「と、兎に角みんな! 降下地点まで二十秒! 寝た子を起こすんだから覚悟しといてね!」
やがて眼下を埋め尽くす灰色に、三人はゆっくりと降り立った。
『着陸シーケンス全行程終了。成分解析を始めます』
「文明の利器を使ってなんぼでしょうが、最後に物を言うのは人自らによる確認。万全の調査をするにも時間と
ガルベリオンがいくらあっても足りませんから」
サーフボードをバトルアーマーに変形し余剰熱量を放出しながら、ミルドレッドは早速探査活動を開始する。
「音が風に乗って……銃声?」
「来たわよ! アベル、周辺警戒モードへ移行。本当に
惑星開拓なんてしてるのココ!?」
ほぼ同時、着陸の爆音が
奴らに届かぬ筈が無い――真っ先に光条が猟兵の着陸地点を狙い、通り雨の様に激しい火線が襲い掛かった。
『先発の遊撃で叩き出されたんでしょうね。数は少ないです』
「ならば『
宙を切り裂く紅き流星の力をお見せしましょう!』
既に先行した猟兵達が敵のねぐらを叩いており、ここからそう遠くも無い。調査の結果判明した
一番怪しい場所なのだ。他よりも明らかな磁気異常と大気温度――目に見えぬ、何かが稼働している形跡がまざまざと見つかっていた。
「ちなみに大気の構成物質――ナノマシンはそんなに悪いモノではありません」
空を駆ける赤い装甲、ミルドレッドが速やかに探査結果を報告する。それはアベルが導き出した回答と一致――この星はアスティの言う通り封印された状態にある。
「物質の……いや、空間の劣化を防ぐ為のモスボールユニットといった所でしょう」
「じゃあ一体……何を封じてるというの?」
宇宙船以外の居住空間を失ったヘスティアにしてみれば、これだけ立派な惑星を眠らせているという意味が分からない。既に地球型居住可能惑星のポテンシャルがある事は判明している――にも拘らず、何者かがこの星を眠らせたのだ。一体何故……。
「あの裂け目からクローンさん達が――」
「ああもう、うじゃうじゃと!」
叫ぶ仄々。いや、今は考えている場合じゃない。やる事はいつも通り――気を取り直してヘスティアは
レーヴァティの
安全装置を解除する。
「報酬で
惑星開拓技術とか欲しかったんだけど!」
『その前に楽しいドンパチのお時間です』
悪い奴らをやっつけて、この惑星を取り戻すのだ。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
大町・詩乃
●
【旅神】
(フィルムスーツ着用)
惑星そのものの環境を人が住めるように変えてしまうなんて
スゴイですよね~♪
そのような事、神でも難しいのに。
と興味津々な感じでアフラさんとアスティさんに合流して、
テラフォーミングに関して色々と教えて頂きます。
惑星調査では焔天武后に搭乗(嵐さんも一緒です)。
結界術による防御結界とオーラ防御で機体を護って大気圏突入。
アフラさん達からの誘導に従って、惑星開拓マシンの近辺に降下します。
まずは焔天武后のセンサーで調査を行って、データをアフラさん達に連携。
その後は焔天武后から降りて、周囲を実際に調査してみましょう。
フィルムスーツのセンサーと詩乃自身の第六感で情報収集しますよ~。
鏡島・嵐
●
【旅神】
新天地を見つけるだけじゃなく、新しく創っちまうとはなあ。随分スケールのでかい冒険だ。
まあ、そういうのも嫌いじゃねえけどさ。むしろワクワクする。
ともかく、詩乃と一緒に二人に合流して、テラフォーミングの何たるかをレクチャーしてもらう。
おっと、宇宙服着とかねえと。こういうトコだと生命に関わるもんな。
大まかに情報を掴めたら、詩乃のロボに同乗して、星の調査を始めるぞ。
こういうのって色々難しいらしいから、UCで〈第六感〉を強化して、安全に降下できるように詩乃のサポートを行う。
降り立った後も引き続き周りをUCでチェックしながら情報収集。何か気になることがあったら詩乃や二人と情報を交換するぞ。
●覚醒する惑星
「新天地を見つけるだけじゃなく、新しく創っちまうとはなあ。随分スケールのでかい冒険だ」
「惑星そのものの環境を人が住めるように変えてしまうなんてスゴイですよね~♪」
鏡島・嵐(星読みの渡り鳥・f03812)と大町・詩乃(
阿斯訶備媛・f17458)は宇宙空間で、眼下の灰色の惑星を見やり言葉を交わす。神として大自然と共にある詩乃も、数多の世界を旅する嵐も、星そのものを造り替える埒外の所業に興味津々だ。本当にそのような事が出来るのか、と。
「そのような事、神でも難しいのに」
「まあ、そういうのも嫌いじゃねえけどさ。むしろワクワクする」
『俺も初めてだしな……って、神?』
詩乃の言葉を訝しむアフラ。科学技術が行き着いた先の
大宇宙世界――本当に神の存在があるのならば(あるのだが)、この状況をどうにかしてくれないかとアスティの方をそっと見る。
『うーん……この惑星まで辿り着けば、あとは勝手に始まるものかと思ってましたが』
辿り着いたものの、これまで齎された情報から
惑星開拓どころでは無い事を知ったアスティは、自らが知りえる情報とは違う現象に頭を抱えていた。
「という事は、詳細な手順を知っているという訳じゃ無い?」
問いかける詩乃にこくりと頷くアスティ。開始した戦闘の煌めきが時折望遠モニタをチカチカと照らし、生命を拒む灰色が無言で圧を掛けてくる。このままでは託された使命を果たせない――焦燥がアスティの頬に冷や汗を垂らす。
「じゃあ早速惑星ラゴンダへ降りようぜ――っと、宇宙服着とかねえと」
快活に言葉を返した嵐が透明の宇宙服を着こんで、相乗りした詩乃の『焔天武后』に映された情報を流し見る。観測しているだけでは何も起こせない。ならば渦中へ飛び込む――これまで自身がそうした様に。
「こういうトコだと生命に関わるもんな」
「はい。念の為降りても『焔天武后』から離れないでくださいね!」
ペダルを踏んで加速した焔天武后。その後を追ってアフラの機体が尾を引いて惑星へと向かった。全ての答えはこの先にある――ただそれだけを信じて。
『アルファC、
作戦を開始する。コアマシン、突入体生成……減速開始』
『降下地点は……皆様に見つけてもらった、ここへ!』
互いの位置情報を同期させ、耐熱フィールドを展開したアフラの機体を護る様に焔天武后が光の防護幕を広げる。減速と断熱を同時に行い、その影にアフラの機体を隠す様に――やがて灰色の雲海を抜けて、眼下には幾つもの瞬きが広がっていた。
「早速派手に始まってるが――詩乃!」
嵐が叫ぶ。その声に従って振り返った詩乃の視線の先、アフラの機体が七色の光に包まれてゆっくりと降下していた。それは戦いの光とは違う、何か温かな思いの様なものを感じる事が出来た。
「見えました。アスティさんでしょうか……あの光は!」
『もうすぐ着くぞ。アスティ、何が起こっている?』
光の源――透き通った長髪を輝かせるアスティは目を閉じたまま、何者かと交信している様だった。嵐の言う通りこの星に降りた事で
何かが始まった。そう考えざるを得ない異変に、アフラはヘルメット越しに不安げな仕草を送る。嫌な予感がする――ぞわりとした悪寒が背筋を伝い、スロットルを絞った刹那、目を見開いたアスティがぼそりと呟いた。
『――間に合った』
そしてアスティは首を垂れて、シートにぐらりとその身を預けた。
『チッ! おい神様、アスティが倒れた。援護を頼む!』
何かが彼女に干渉しているのか……いや、今はそれどころでは無い。戦場と化した地表を走査し着陸地点を選定。それに続くよう詩乃に要請したアフラは、器用に機体の翼を操って水平を維持したままゆっくりと着陸する。
「了解です。こちらの全センサを稼働しつつ壁になります!」
「おれが直接援護に回ろう。いいな、詩乃?」
焔天武后のコクピットを開き身を乗り出した嵐を目で追う詩乃。自らの安全と引き換えに他者を護る――嵐の決断を止める事は出来ない。そのまま飛び降りて一足先に着陸地点の安全を確保した嵐が、続いて着陸したアフラと共に直ちに防衛戦に移行した。
『悪い、助かる……にしてもこいつらは一体?』
「銀河帝国のクローンとはちょっと違う、みたい」
記録で見た白い装甲のあいつらとは――むしろ
アフラの方が似通っている。
『――タイプ147、後期モデルか』
『!?』
不意に知らない声が届く。それは対峙した
クローン達の声――それを聞いたアフラが忌々し気に首を振って、無言で手にした
熱線銃を撃ち返した。その言葉と態度に不穏さを覚える嵐――だが、今はそれを追及している時じゃない!
「知り合いか? じゃないってんなら……反撃する!」
解き放たれた
超常――『
残されし十二番目の贈り物』が導いた答え。アフラはオブリビオンでは無い。だが
銀河帝国のクローン兵だった。由来はどうあれ、今は敵じゃない事は確か。手にしたスリングで果敢にアフラを援護し、嵐はもう一人に思いを馳せる。
「アスティさん、しっかり!」
『あ、う――』
一方、焔天武后を『
焔天請来』――遠隔操作し防衛に回した詩乃もアフラの機体に駆け寄ってアスティの元へ。感覚的に彼女が無事なのは分かる。そして自らが感じ取ったもう一つの気配――。
『違う、これは
惑星開拓じゃ無い』
この星の、惑星ラゴンダの息吹が、悲鳴が、アスティの心を搔き乱したのだ。
「……何か別の意思がテラフォーミングの邪魔をしてる?」
今の灰色は望まれた状況では無い。別の悪しき意思が本来の
惑星の目覚めを阻害している。
それは目の前のクローン兵の仕業か、あるいは……。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第2章 集団戦
『クイックシルバー狙撃型』
|
POW : サイコプラズマライフル・ソードモード
【銃口からビームソードを発振した格闘戦形態】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
SPD : サイコプラズマライフル・スナイパーモード
【サイコキネシスを利用した指令誘導】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【サイコプラズマライフル】で攻撃する。
WIZ : クイックシルバー・カース
見えない【思念波とサイコプラズマライフルの複合攻撃】を放ち、遠距離の対象を攻撃する。遠隔地の物を掴んで動かしたり、精密に操作する事も可能。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
|
●クローン・アタック
『悪いがアンタらみたいな先輩は知らねえな』
火線が飛び交う灰色の大地。対峙したクローン兵の猛攻を辛うじて避けながら、アフラは己の記憶を辿っていた。二度と思い返す事は無いと心の奥底に封じていた、忌々しい己のルーツを。
(あれはタイプ112……初期モデルの廃棄型)
銀河帝国開闢当初に造られた戦闘用クローン。優れた念動力と射撃能力を持つ反面、不安定で嗜虐的な性質が問題視され廃棄された連中と聞いている。それがオブリビオンとなって、どうしてこの惑星に?
『どうして貴様は、只人の味方をする』
『残念だが俺はオブリビオンじゃないんでね』
思案するアフラを揺さぶる様に怨嗟の声を掛けるクローン兵『クイックシルバー』――確かに、死んでも死なない存在だったら、こんなにも苦しまずに済んだろうよ。
『そのままではやがて貴様も……生命が切れるぞ』
ああそうさ。俺の後、正式採用モデルみたいに
鎧装に生命維持装置を繋げたタイプと違い、俺達は
放っておくとすぐに死ぬ。
熱線銃のバッテリーを交換しながら呪われた出自に舌打ちして、アフラは再び熱線を撃ち返す。
『だから必死にやってんだろーが!』
だから賭けてみたくなったんだ、本当に惑星が再生出来るなら、あるいは……。
『あのクローンの皆さんは、恐らくこの惑星の戦いの記憶です』
アスティが語るこの惑星の過去――かつては幾つかの惑星と同盟を結び、それぞれが繁栄を誇っていた。
『ですが、ある惑星が原因不明の伝染病で大勢の生命を失いました――』
その時、どこからか手に入れたクローンの情報を使い、それ以上の夥しい犠牲を出した非道な人体実験を行ったのだという。初めは伝染病の解析、抑制――果ては臓器移植、肉体の交換といった、許されざる所業。
『生命を冒涜した彼らはやがて、クローンの逆襲に遭い惑星ごと崩壊。更にクローン達は同盟の各惑星へ武力侵攻を始めたのです。最早戦う理由は無いのに……』
それすらも傲慢だろうか、とアスティは目を伏せる――ともあれ、進出してきたクローンが齎したのは武力衝突だけでは無い。件の伝染病ごと彼らはやってきたのだ。そして……後は言うまでも無かった。
『……あのクローンの皆さんも犠牲者です。でも、だからと言って無関係な生命を奪う事は違います!』
顔を伏せたまま激高し、やがてアスティは沈黙した。
それぞれに事情はあるだろう。だが過去が永遠に現在を脅かす事も許されざる所業。
歪められた使命に終焉を――その為の猟兵なのだから。
シモーヌ・イルネージュ
●
どうやら惑星改造された星はこの鉄板の下にあるようだね。
いっそ卵の殻みたいに鉄板をガーンと割ってしまえばいいんじゃないか?
その前に。あの銀河帝国の忘れ物のクローンを掃除しないとね。
もう守るべき国も命令も無いのに、まだ戦ってるんだから、よほど好きなんだろ。
だったら、決着つけてやろう。
黒槍『新月極光』で戦おう。
相手が遠距離からがんがん撃ってくるなら、こちらは移動して狙いを絞らせないように
しよう。
UC【月影戦士】を発動。超スピードで敵に接近するよ。
弾は鎧と【激痛耐性】で対応しよう。
近接したら、こっちの勝ち。
【怪力】で槍を【なぎ払い】して倒していこう。
ガーネット・グレイローズ
●
成程、今のラゴンダは、鉄の殻に包まれた卵というわけか。
アスティ、きみは知っているのか?この星の本来の姿を。
銀河帝国の初期型クローン兵か。アフラ、きみも誰かの…?
いや、話は後で聞かせてもらおう…さあ、手合わせ願おうか、
サイキッカーの先輩方!
【グラビティマスター】を発動、重力をコントロールして、
飛行しながらの《空中戦》だ。ブラッドエーテルを体表から放出、
《読心術》《心眼》を駆使して相手の思念波と
同調し、
思考と攻撃のタイミング、軌道を読む。
プラズマライフル射撃は《空中機動》で回避するか、
ブレイドウイングを展開させて《ジャストガード》で弾き、
反撃はクロスグレイブの《レーザー射撃》で。
●Broken Shell
「成程、今のラゴンダは、鉄の殻に包まれた卵というわけか」
「で、惑星改造された星はこの鉄板の下にあるようだね――」
殺到する光条を躱して、ガーネット・グレイローズ(灰色の薔薇の血族・f01964)とシモーヌ・イルネージュ(月影の戦士・f38176)は互いの顔を見やる。この惑星ラゴンダに辿り着き得た感情――さながら鋼鉄の外角に囲われた、目覚める前の卵の様だと。
「だったら、いっそ卵の殻みたいに鉄板をガーンと割ってしまえばいいんじゃないか?」
「確かにその方が速そうだな。アスティ、きみは知っているのか? この星の本来の姿を」
ならば、この下を曝け出せれば話は早いのではないか? 悪意を払おうと頭を振るアスティは、一つ一つ噛み締める様に言葉を紡ぎ出す。猟兵達の疑問に答える様に、自らに使命を刻む様に。
『私が
この星を離れる直前……大地は既に死に絶え、生命も僅かしかありませんでした』
アスティが最後に目にした光景、鳴り止まぬ悲鳴と止めど無く溢れる爆音。戦と疫病という災厄に苛まされたこの星から離れざるを得なかった自身の出自――その全てが、アスティの小さな肩にのしかかっていた。
『それが、およそ100年前です』
「という事は、アンタはまさか」
『心配すんな。
冷凍睡眠してた所を俺が起こしたんだ』
オブリビオンでは無い、とアフラが付け加える。どうやら
大宇宙世界へ進出した時に
何やかんやあって、眠り姫状態のアスティを救ったのがアフラだった、との事。
「成程な。いや、話は後で聞かせてもらおう……」
地獄めいたこの星を脱出し、冷凍睡眠で長きに渡り再起を伺っていたアスティ――聞きたいことは山ほどあるが、今は目の前の脅威をどうにかしなければならない。迎撃の『
クロスグレイブ』を放ちながらガーネットとシモーヌは続ける。
「そうだな。その前に――あの銀河帝国の忘れ物のクローンを掃除しないとね!」
「さあ、手合わせ願おうか、サイキッカーの先輩方!」
魔人と
人狼騎士――闇を裂く二つの黒き意志が吼える。
ここからは
猟兵の時間だ。
『邪魔をするな猟兵。
この一人で全てが終わるのだ!』
「もう守るべき国も命令も無いのに、どうして戦うのさ!」
動力甲冑と
衝動推進から流れ出る白光が尾を引いて、クローンの光条を寸での所で躱すシモーヌ。世界を渡る傭兵は長い銀髪を荒々しく振って更に加速――
超常『
月影戦士』の齎した超反応は光速を超えて、精緻な狙撃をまるで屋台の射的の様に置き去りにした。
『命令など最早どうでも良い。あるのはこの胸に残された思いのみ!』
「重いんだよアンタら! だったら、決着つけてやろう!」
声と共に影が消える――否、一足飛びで間合いを詰めたシモーヌが既にクローンの一人を貫いていた。その一撃が陣形を崩し、ギラリと黒槍『新月極光』の穂先が鈍く輝く。
「折角取り戻した時間なんだろ? 何事も楽しくやろうぜ」
『我等の思いを……嘲るなァッ!!』
ブン、と振るわれた黒槍がクローンを薙ぎ倒す。反撃の光条がシモーヌの肌を僅かに焼くも、その程度の痛みならば――とうに乗り越えた。すかさず稲妻めいた機動でシモーヌがクローンの間を縫うように駆け抜ける。
「冗談、敬意があるから出し惜しみ無しでやってんだろうよ!!」
右手に黒槍、左手に
蛮刀――すれ違い様に放たれた刃が容赦なくクローンを切り裂いて、灰色の惑星を赤く染めていく。100年前の戦いが結局どうなったかは知らない……だが、今この時を負ける訳にはいかないのだ。
(思考同調……成程、本当に彼女らは)
一方、ガーネットは距離を取ってアフラとアスティを護衛しつつクローンの猛攻を凌いでいた。
念動力は何もクローンだけの技ではない……私も百年の戦いを生き抜いたのだ。それでもガーネットの
心が読み取ったクローンの精神は――絶えず言葉にならない悲鳴で埋まっていた。
「残酷だな、生命とは!」
『それを生者が口にするか!』
怒りと共にガーネットを圧倒せんと光条が殺到する。だが物量戦など幾度凌いできた事か――自らを高め続けたガーネットの
超常『グラビティマスター』はいとも容易くその殺意を捻じ曲げる。
「その壊れた記憶に……同情くらいさせてくれ」
立ち昇る光条と共に飛翔したガーネット――『ブラッドエーテル』の昏い輝きが戦場に染み渡り、ここに狩場は形成される。
『敵サイキッカーの出力が上昇……いけない!』
そして、自在に空を舞うガーネットの反撃が始まった。直撃を『
ブレイドウイング』で弾き、返す刃の『クロスグレイブ』が天より降り注ぐ。ぶつかり合う念動――圧倒的な戦いの年季は無慈悲な結末を齎して。
「この惑星に月があれば、こんなんじゃ済まなかったぜ!」
「月、か。確かに私達は地獄を知り過ぎている――」
天も地も抑えられたクローン達に為す術は無く、悲劇の結末は再び迫りつつあった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
イクシア・レイブラント
●呼吸不要、宇宙服機能搭載
機械は目的を果たす手段として造られる。戦うための
存在はそれ以外の生き方を知らない。
侵略も伝染病も昔の話し。その後に造られた彼らの罪ではない。だけど
惑星開拓を阻むのであれば倒すだけ。
鎧装騎兵イクシア、交戦を開始する。
シールドビット展開、光の盾を追従させ[存在感、おびき寄せ、陽動、盾受け、空中機動]。敵から目立ちやすい的を演じつつ回避と防御に専念。さらに[推力移動]で接近しつつ
浮遊砲台から[レーザー射撃、威嚇射撃]と【強襲支援】を実行。
その後、仲間の攻撃に併せて突撃。大型フォースブレイドで道を切り開く。
ヘスティア・イクテュス
●
はえーあれ初期型モデル?結構な骨董品が眠ってたもんね…
マニアが高い値段で買いそう…
とそんな冗談はさておき、あっアベル戦闘データは録画よろしく…せめて写真データだけでも…売れ…
あれ、ぶっ飛ばせばいいのよね!
逆襲までは兎も角そっから他所に武力侵攻してる時点で犠牲者もなにもないのよね!
S.F.Oに乗ったまま戦闘!
サイコプラズマライフル…オブリビオンなら当時の骨董銃?
なら『ハッキング』できるならそれで
難しいならスモークミサイルを射出、『目潰し』で視界を潰す!
そして
フルスロットル!
S.F.Oの勢いで弾き飛ばすわ!
●Sword Dancer
「はえーあれ初期型モデル? 結構な骨董品が眠ってたもんね……」
「
機械は目的を果たす手段として造られる。戦うための
存在はそれ以外の生き方を知らない」
物珍し気にクローンを覗くヘスティア・イクテュス(SkyFish団船長・f04572)、そして淡々と戦力分析を行うイクシア・レイブラント(翡翠色の機械天使・f37891)は、飛び交う光条の中で身を潜め現状と現実の把握に努める。
「侵略も伝染病も昔の話し。その後に造られた彼らの罪ではない」
「逆襲までは兎も角――」
これまでの悲惨な境遇に同情は出来よう。だが、それらは
とうに過ぎ去った過去の話なのだ。ここで災禍を乗り越えんと身命を賭しているアスティの邪魔をして良い道理では無い。
「――だけど
惑星開拓を阻むのであれば倒すだけ」
「そっから他所に武力侵攻してる時点で犠牲者もなにもないのよね!」
長きに渡る因縁すら風化した惑星ラゴンダ――この過酷な宇宙に新たな生命の息吹を齎す事を良しとしないのであれば、その過去は余りにも邪悪で、余りにも不要だ。
「鎧装騎兵イクシア、交戦を開始する」
「ヘスティア・イクテュス、目標をぶっ飛ばすわよ!」
故に猟兵は立ち上がる。いつも通り、今を生きる者の為に。
「それにしても、マニアが高い値段で買いそうね……」
『海賊らしく人身売買ですか』
ヘスティアの言葉に
アベルがぼやく。既に展開したクローン達の
思念波とプラズマライフルの連弾が、奇怪な機動で飛翔するヘスティアの『
S.F.O』を追い立てていた。
「違うわよ! 冗談はさておき、戦闘データは録画よろしくねアベル」
少しでもアフラとアスティから離す為、あえて目立つ動きを取ってヘスティアは灰色の空を滑り飛ぶ。それにしても珍しい相手……
小宇宙世界では余り見かけないタイプのクローン兵だ。
(せめて映像か画像くらいは……売れ……)
『迂闊な動画を流すとアカウントが永久BANされますよ?』
語らずともヘスティアの思考を読み取ったアベルが窘める。儲けの算段はこの惑星が元通りになってから――言いかけた刹那、ヘスティアが声を張り上げアベルの思考を遮った。
「まだ何も言ってない! アベル、ハッキングと攪乱!」
未だ戦闘中なのだ。やるべき事は幾らでもある――当時品の骨董銃程度、生体認証のバックドアから侵入を試みる事は容易い。照準システムとプラズマチャンバーにちょいと手を加え、必中のライフルを当たらない玩具へ変えてしまう――卓越した『
妖精女王の電脳魔術』はあっという間にクローン達を無力化する。異常に気付くまで無駄弾を撃たせて、駄目押しの『スモークミサイル』を一斉射。視界を遮る煙に紛れて、その間にイクシアはクローン達に気付かれる事無く最適な攻撃ポイントへと移動していた。
「助かる。射撃さえ抑えれば――」
シールドビット、エクスターミネイター、全機アクティブ。瞬間の思考と共に従順な機械の僕がイクシアの周囲で円を描き浮遊して、対峙したクローン達への戦闘軌道を算出する。サイコキネシスで補正しようとも、大本が狂っていれば射撃は早々当たるものではない。
「エクスターミネイター展開、索敵完了。強襲支援続行」
更に展開した端末の『
強襲支援』があれば――如何に精強な軍隊が相手だろうと、
決戦武装を携えたイクシアを止める事など出来はしない。
「後はこちらのものだ。道を切り開く」
静かなる死の宣告と共に、
念動力の青白い光がイクシアの背より溢れ出る。瀑布の様な怒涛の進撃はやがて、列を成して陣を組むクローン達を一気に飲み込んだ。
『敵のサイキッカーか……いや、ウォーマシンか!?』
『何て出力だ! 集結して対抗を!』
「悪いがどちらも外れだ。そして束になろうと細すぎる」
ドローンの索敵がリアルタイムで齎す敵の配置に沿う様に、圧倒的な光の奔流が敵を制圧していく。展開した
浮遊砲台の弾幕が念動の壁すら貫いて、大型フォースブレイドの追撃が無慈悲にもクローンを一人、二人と骸に還す。余剰出力の発光はさながら顕現した天使の如く――アフラ達を囲う様に配されたクローン達の陣形は、あっという間に三日月めいた歯抜けの陣へと転じてしまう。
「そう! そして脆い!」
『まるで当たり屋ですねお嬢様』
うっさい! 更にヘスティアのS.F.Oが反対側のクローン達をフルスロットルで弾き飛ばす。イクシアの目立つ立ち回りは巨大なマシンの姿すら忘れさせて、歯抜けの陣は最早体を成さないバラバラの集まりへと化する。
かつての戦いの様に悲劇は繰り返す――これでクローンの集団戦術は無力化された。
そして互いの存在を懸けた戦いは、終局に向かい進んでいく。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
箒星・仄々
●
悲惨な過去をお持ちのようです
そして死して尚
オブリビオンとして
その恨みに苛まれておられるとは
可哀想に
海へと導きましょう
…生き物には寿命があるのが自然とは言え
アフラさんへも何か手立てがあるとよいのですが…
竪琴を奏で
響かせる旋律で外界へ働きかけて
大地を魔力へ変換
魔力で思念波を相殺したり
プラズマを弾いたり
魔力の渦をバリアのようにして
自身やアスティさん、アフラさんを守ります
業火や激流、烈風を放って
クローンさん達を倒していきます
そして旋律はクライマックス
高まった力はクローンさんたちの武装をも
魔力へと変えて倒していきます
終幕
演奏を続けて鎮魂の調べとします
どうか海では心穏やかに休まれますように
ミルドレッド・フェアリー
●SPD
なんともまぁ、業の深い惑星だことで
今の惑星連宇宙憲章ならアウト甚だしい所業でありますが、自ら創り出した存在に滅ぼされる報いを受けているからにはこれ以上の非難は止めておきましょう
しかし、どうしましょうかね
宇宙騎士たる私としては正々堂々なる決闘に挑んで貰えれば望ましいのですが、相手はそんな事は知ったこっちゃないとばかりのゲリラ戦を仕掛けてくるのであれば…私自身が囮となって狙撃地点を炙り出しましょうか
大気圏突入のみならず大気圏航行も可能な宇宙サーフボードX-Gladiusのボトムから発される
力場を持ってすれば、電離気体弾なんぞ恐るに足らず!宇宙メカジキの如く突撃あるのみです!
●Fury Tail
「なんともまぁ、業の深い惑星だことで」
「悲惨な過去をお持ちのようです」
破裂する鋼鉄の大地を見やり、ミルドレッド・フェアリー(
宇宙風来坊・f38692)と箒星・仄々(ケットシーのシンフォニア・f07689)が溜息を吐く。
「そして死して尚、オブリビオンとしてその恨みに苛まれておられるとは……可哀想に」
「今の惑星連宇宙憲章ならアウト甚だしい所業でありますが、自ら創り出した存在に滅ぼされる報いを受けているからには――」
かつての地獄を再現すべく跋扈するクローン達――彼女らも被害者である事に変わりは無い。だからといってそれが許される道理は無い。この惑星は未だ眠っているだけで、決して死者の世界では無いのだから。
「これ以上の非難は止めておきましょう」
「では、海へと導きましょう」
やるべきは一つ、歪められた魂をあるべき処へ還すのみ。発動した仄々の
超常――『トリニティ・シンフォニー』が周囲の無機物を即座に魔力の塊へと置き換える。
「……生き物には寿命があるのが自然とは言え、アフラさんへも何か手立てがあるとよいのですが……」
思索する仄々が竪琴を奏でながら、足元の鋼鉄が炎と化して乱舞する。響く旋律は半径140mの球状に魔力の渦となって鋼鉄の大地を抉り、殺到する火線をその中心で力尽くに遮断する仄々。業火と激流と烈風――近寄ればただでは済まない局所的天変地異がクローン達の前に立ち塞がった。しかし。
『距離を取れ。あの変異事象に近付かなければ問題無い!』
『そのまま散開し、ターゲット後方へ周り込め』
無機物を変化させる都合上、アフラの機体を巻き込めぬ仄々の超常は一定の距離を取らざるを得ない。更に敵の数は減らされたとはいえ、猟兵側は未だに寡兵――陣を崩したまま広範に広がったクローン達は、アフラ達への包囲網をジワリと狭めていく。
『鋼鉄の大地にいとも容易く大穴が……これが猟兵』
『前に出てくれ! こっちは何とかする!』
それでも仄々が正面にいる限り、奇襲に気を付ければ直ちに瓦解はしない。他の猟兵達もいる――そして。
「散開してゲリラ戦ですか。であれば……私自身が囮となりましょう」
こちらにはもう一つの切り札があるのだ。
「宇宙騎士たる私としては正々堂々なる決闘に挑んで貰えれば望ましいのですが――」
『そこを退け、騎士風情が!』
騎士風情とはお言葉だ。矢張り未開の蛮族か何かでしょうね……鼻を鳴らしたミルドレッドが、手にした騎士銃槍を雄々しく掲げる。こちらの誇りなど知ったこっちゃないと仕掛けてくるのであれば、それを正面から喰い千切ってやればよい!
『たかが単騎の宇宙騎士如き――囲って制圧する!』
一人のクローンの声に続いてプラズマの束がミルドレッドに殺到する。単独で戦場を駆ける赤き流星を無慈悲に焼き焦がさんと、空を歪める超高温がミルドレッドの視界を滲ませて――だが。
「フン!
電離気体弾なんぞ恐るに足らず! 宇宙メカジキの如く突撃あるのみです!」
この『X-Gladius』は大気圏突入のみならず大気圏航行も可能な宇宙サーフボード――ボトムから発される力場をもってすれば、たかがプラズマ如きに後れを取るなどありえない。強制冷却/再加速/
超常――瞬時に戦闘形態へ移行した『X-Gladius』、そしてミルドレッドの全身を溢れる真紅の闘気が覆い尽くした。
「行きますよ、X-Gladius!」
その姿は
宙を切り裂く紅き流星――灼熱のプラズマをも凌駕する埒外は流星と化して、音よりも早くクローンの一人を貫いた。
「どうか海では心穏やかに休まれますように――」
唄う仄々の埒外に巻き込まれたクローン達が、声も無く魔力の渦に飲み込まれる。散開したクローンも各個撃破――ミルドレッドの突撃に追い込まれ、再び形成された包囲陣はあっという間に瓦解した。
この地獄もあと僅か。
その果てに見えるものは、蘇える世界の息吹なのだろうか。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
大町・詩乃
●
【旅神】
(アスティさんの話を聞き)この星にそのような悲しい過去が…。
そして怨念は癒されずに残り続けた。
この星は眠っているだけと言いましたが、悪夢を見続けていたのかも
しれませんね。
怨念の鎮めも神の仕事の一つ。
嵐さん、この星に明るい目覚めを齎す為、一緒に頑張りましょうね♪
《神威発出》発動
結界術・高速詠唱で展開した防御壁や大型化した天耀鏡で、
嵐さん・アフラさん・アスティさんをかばいます。
相手の攻撃は第六感・心眼で予測し、UC効果&見切りで回避。
オーラ防御も纏う。
煌月に光の属性攻撃・破魔を籠め、UC効果&なぎ払い・衝撃波・
範囲攻撃で纏めて斬ります!
後で浄化による鎮魂を行い、ご冥福をお祈りいたします。
鏡島・嵐
●
【旅神】
やれやれ、やりにくいモンだな。
そりゃあ得手勝手で生命を弄ばれれば、怒るのが道理なんだろうけどさ。
わかってやりたいけど、わかれねえ。人間としてまっとうに生まれて育ったおれには正直想像もつかねえ話だから。
……けど、黙って放っておくんは善くねえってのはわかる。戦いは怖ぇけど、何とかしねえと。
《笛吹き男の凱歌》起動。悪夢を笑い飛ばせ、ラッテンフェンガー。
詩乃や自分、それとアフラたちの能力をUCでブーストして戦いやすくする。
あとはいつも通り、味方を〈援護射撃〉で支援したり、敵に〈武器落とし〉〈マヒ攻撃〉などの妨害をばら撒いたり。
こっちに攻撃の矛先が向いたら〈第六感〉を活かして〈見切る〉。
●The Guardians
「この星にそのような悲しい過去が……」
アスティの話は大町・詩乃(
阿斯訶備媛・f17458)の心に昏い影を落とした。この星は眠っているだけと言っていたが、悪夢を見続けていたのか――あるいは、今も見続けているのだろうか。癒されずに残り続けた怨念は新たな怨念を引き寄せて、未だ絶える事の無い争いを繰り返している。豊穣を司る神として、こんなにも悲しい
惑星を見過ごす事など出来はしない。
「やれやれ、やりにくいモンだな。そりゃあ得手勝手で生命を弄ばれれば、怒るのが道理なんだろうけどさ」
傍に寄り添う鏡島・嵐(星読みの渡り鳥・f03812)の表情も暗い。わかってやりたいけど、わかれねえ。人間としてまっとうに生まれて育ったおれには正直想像もつかねえ話だ――それでも。
「……けど、黙って放っておくんは善くねえってのはわかる。戦いは怖ぇけど、何とかしねえと」
「ええ。怨念の鎮めも神の仕事の一つ。嵐さん、この星に明るい目覚めを齎す為、一緒に頑張りましょうね♪」 互いの顔を見て頷き、二人は
超常を発露する。一秒でも早くこの悲劇を終わらせる為に、出し惜しみは無しだ――。途端、埒外の輝きが戦場を白く染め上げた。
「悪夢を笑い飛ばせ、ラッテンフェンガー」
「神の威を此処に知らしめましょう」
響き渡るは力無き者を護る『
笛吹き男の凱歌』――帽子を目深に被った道化が、嵐に恭しく目礼する。
解き放つは神の奇跡たる『
神威発出』――その意を受けた巨大な神鏡がアフラ達を護る様にふわりと周り込む。
「では……参ります」
「後悔はしたくねぇ。だから――」
何とかしてやるさ。二人が言葉を結ぶと共に、超常の道化の旋律が戦場に溢れ出る。
それは魂を奮わせる旋律――恐るべき過去へと立ち向かう為の勇気の音色だ。
『とても、温かくて力強い音!』
『何だかやれそうな気がしてきたぜ……これもアンタらの力か?』
勇気の音色はアフラとアスティの心も奮わせた。詩乃が展開した『天耀鏡』に隠れながら
熱線銃を放つアフラとクローンの思念波に対抗するアスティ。守られるだけじゃない――この音は皆で困難を乗り越えるの為の凱歌だから。
「ああ。だが無茶はしないでくれよ!」
言葉を返す嵐の手には
スリングショットの姿が。それは欠けた鋼鉄の大地の飛礫を放ち、遠くから狙いをつけるクローンの手元を鮮やかに撃ち落とす。そして。
――恵みの心深く動まし神祝ぎに御祝ぎし奉らくを
詩乃が唱える祝詞と共に『煌月』の鋭い切先から破魔の輝きが迸り、雷の様に戦場を打ち鳴らす。
――曲事禍業は科戸の風の天の八重雲を吹き払ふ事の如く
互いの超常で強化された埒外の輝きは、さながら神が下した裁きの光か。
飛び交う光条ごと灰色の大地を嘗める様に、横一線に広がった波頭が荒くれを根こそぎ刈り取って。
――悪祓ひ祓ひ去らしめ給はむ
有無を言わさず祓われたそれらが、まとめて沈黙するのに時間は掛からなかった。
鋼鉄に覆われた灰色の大地はそこかしこから火の手が上がり、縦横無尽に戦場を駆ける猟兵達の働きで溢れる悪意の尽くは骸の海へと還された。
「きっとこの下に、本物の大地が……」
植物も生命も育てない鋼鉄はきっと、来たるべき時の為にそれらを護っているのだろう。そっと目を閉じた詩乃が浄化と鎮魂の祝詞を唱える傍らで、嵐はアフラ達に問いかけた。
「なあ、テラフォーミングが出来たとして、その後どうするつもりだ?」
それは単純な疑問。オブリビオンは何度でも過去から侵略する。幾ら惑星ラゴンダが居住可能惑星になったとして、そこに何も無ければ同じことの繰り返しになりかねない。
『それは……』
口ごもるアスティの肩にそっと手を掛けるアフラ。無理しなくていいと無言のジェスチャー――それでも、この地に辿り着く為に多くの人の力を借りたからには、全てを伝えなければならない。はにかんで一呼吸、アスティは再び言葉を紡いだ。
『わたしと同じ様に、この鋼鉄の大地の下で多くの人が眠っている筈です。その人達を目覚めさせる事、その前に――』
「……危ねえ!」
不意にアスティを狙う光条が側を掠める。間一髪その攻撃を見切った嵐がアスティを守り、返す刃のスリングショットがクローンを瞬く間に撃ち落とした。どうしてここまでクローンはアスティをつけ狙うのだ? 残り僅かとはいえ危険なクローンの襲撃に備え、嵐は話を聞きながら改めて周囲に気を配り言葉を返す。
「つまり、ここには大勢の人間が眠っていると……」
アスティの使命は冷凍睡眠で眠れる人々を目覚めさせる事。その前にやるべき事――それは。
『……この星の本当の
環境改善装置を起動する事です』
今の状況は明らかに異常なのだ。外角を覆う鋼鉄の大地が剥がれずに戦の記憶を繰り返している。その鋼鉄の内に眠る大地を目覚めさせる為、本当のテラフォーミングを行わなければならない。
『それが、この星の盟主の血筋であるわたしに残された、償いなのですから』
だから、わたしは死ぬ訳にはいかないのです――悲しげに呟く少女の瞳に、迷いは無かった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
川巳・尖
何なのこいつら、絡んで粘つくみたいな、怨み、妬み?
早く倒さなくちゃ、頭がおかしくなりそう…
射撃の腕も良いし精神攻撃もしてくる、本当に厄介だね
だけど感情を隠す気がないなら殺気も分かり易いし、水妖夜行で射撃のタイミングにあわせて避けられそうかな
クローン兵って訓練も実戦も色々経験してるのかな、簡単に仕留められないと思ったら対処を変えてくるんだろうね
回り込んで包囲してきたり、戦場にあるものを使って不意打ち仕掛けてきたり、は警戒しないと
あっちが予想し難そうな急接近とか強行突破とか、多少無茶した方が上手く行くかも
一人ずつ確実に撃ち抜いて、でもなるべく早く敵の数を減らしていこう
…あたいは、怨みに流されたりしない
こいつらみたいにはならないから、大丈夫
メンカル・プルモーサ
●
惑星の事情大体判った…利用した側にも言い分はあるんだろうけど…
…そりゃ反乱も起こすわ…だからといってむざむざとやられてあげる義理もないけど…
…問題は伝染病だね…オブリビオンになった後も持続してるのかな…
【起動:応用術式『増幅』】を発動…
…術式組紐【アリアドネ】を張り巡らせて結界を構築…アスティとアフラを守ろう…
…まずは数を減らすか…術式装填銃【アヌエヌエ】から誘導弾を放って敵を撃ち抜いていくよ…
…余裕が出てきたらアリアドネを操ってクイックシルバーを一人捕獲…医療製薬術式【ノーデンス】で診断して件の伝染病を保持していないか
保持しているならどんな病気か・治療薬は作れそうか調べるとするよ…
●Dead end
この惑星の残酷な真実――正に巨大な棺に等しいラゴンダの大地と、それを作り出した歴史の影は、未だ絶えぬ争いと化して表出する。
「……そりゃ反乱も起こすわ」
詳らかにされた真実を顧みて、メンカル・プルモーサ(トリニティ・ウィッチ・f08301)はぼそりと呟いた。利用した側にも言い分はあるんだろうけど、それはそれ。生命を弄ぶ所業がそう易々と許される訳が無い。
「……だからといってむざむざとやられてあげる義理もないけど」
アヌエヌエに誘導弾を装填し、残る敵の位置を把握――同時に
アリアドネを張り巡らせて結界を構築。メンカルはそのままアフラとアスティの護衛に回る。
「……問題は伝染病だね……オブリビオンになった後も持続してるのかな」
それさえ解明出来れば、この
呪いは終わりに出来るだろうとメンカルは読んでいた。その為には――。
「何なのこいつら、絡んで粘つくみたいな、怨み、妬み?」
川巳・尖(御先・f39673)は敵の思念を受けて思考する。只管に戦いを望ませられる意志と、それを否定する真っ黒い感情の渦。相克する激流が尖の魂すらじわりと侵食し、その意思を払わんと『
マコモHc』が迫る悪意を容赦なく屠っていった。
「早く倒さなくちゃ、頭がおかしくなりそう……」
アレは一体何なのだ? 射撃の腕も良いし精神攻撃もしてくる、本当に厄介だね――マガジンを交換しながら、裏返った鋼鉄の大地に身を潜めた尖は自問する。クローン兵って訓練も実戦も色々経験してるのかな、簡単に仕留められないと思ったら対処を変えてくるんだろうか。心をざわつかせる乾いた灰色の地平が二度、三度瞬いて、プラズマの乱舞が再び尖の居場所を襲う。
「だけど、感情を隠す気がないなら殺気も分かり易い」
間一髪『
水妖夜行』――悪霊に転じ飛翔した尖はその襲撃を回避/同時に残るクローン達の居場所を把握した。一人ずつ確実に撃ち抜いて、でもなるべく早く敵の数を減らしていこう。今のあたいにはそれが出来る。化かし合いはもう終わりだ。
『……こちらの残りは?』
『七名。姫は無傷、護衛のクローンも健在』
『問題は猟兵だ。アレさえ突破出来れば……』
思念通信で互いの状況を把握するクローン達。既に彼我の戦力差は逆転し、攻撃対象は未だ無事――全く、難しい戦いは昔と変わらないと嘯いて、手にしたライフルのチャージカートリッジを交換する。
『今近付いてる奴……何だ、妙にざわつく』
不意にクローン達へと迫る気配を感知する。互いの思念波に割り込む様なざらついた感覚は、やがて肌着を纏い拳銃を手にした少女の姿を捉えた。
『得物は骨董品だ。一つずつ丁寧に、確実に――』
それ程の敵ではない――散開したクローン達が獲物目掛けて包囲を狭めた刹那、一人のクローンの思念波が途絶えた。
『おい、どうした!?』
『……もう、いいかい?』
『誰だ、お前は!?』
その思念と入れ替わる様に、知らない誰かの声が響く。
『……まぁだだよ、って?』
『敵襲だ! テレパスチャンネルを変えて――』
『おい……おい!?』
無駄だ。思念波のチャンネルは開放した妖力で制圧済み――お前達の声は漏らさず聞こえている。回り込んで包囲してきたり、戦場にあるものを使って不意打ち仕掛けてきたり、そういった
お行儀のよい事をこれ以上させない為に――闇色の気配を纏った尖はそのまま三つ目の獲物を撃つ。
『鬼ごっこはおしまいだ』
絶対的な宣戦布告、そして終わりが始まった。
『チャンネルを使えない、一旦集結を……』
「……とはいかないんだよね、悪いけど」
思念波による連携が困難となった今、生き延びる為に瓦礫に身を隠したクローンの手足が器用に撃ち抜かれる。
起動:応用術式『増幅』――メンカルの
超常で増幅強化された誘導弾は、如何に隠れようとも狙った獲物を逃す事は無い。
「……終わる前に、ちょっと診せてもらうよ」
のそりと姿を現したメンカルが無力化されたクローンの顔を覗き込む。目的は終結したはずの伝染病が再び目覚めない様に、
過去の身体からそれらを見つけ出す為だ。
『何を、する……』
「念の為……やっぱり……」
医療製薬術式でクローンを走査したメンカルは、百年前の滅びの原因となった病理を採取した。主な症状は五感喪失、多臓器不全、これらは全て
何らかの人体改造に由来する突然変異か……いや、変異遺伝子の空気感染? ナノマシンはそれを抑制する為の触媒と仮定すれば、成程――。
「大体分かった。後は……」
遺伝病と抑制因子が既に判明しているならば、対抗薬の準備はそう難しくは無い。だが――。
『助かるのか……この病は……』
「……うん。でも」
増幅した術式は試作薬を即座に生成し、メンカルはそっとポーションサイズの薬品をクローンの口に近付ける。
「でも、あなたはここまでだと思う……」
『ああ……分かってる』
投与後の変異遺伝子抑制には時間が掛かる。だが、安らかそうなクローンの顔を見てメンカルは一先ず安堵の声を漏らした。これまでの全てに、きっと意味はあったのだ――と。
逃げ惑うクローンの背を追いかけて、尖は静かに飛翔する。あっちが予想し難そうな急接近とか強行突破とか、多少の無茶が功を奏したのだ。念動力では無い超常はクローン達が感知出来なかったのだろう、断続的な一撃離脱で肉体的にも精神的にも追い込めば、如何に精強な兵達でも消耗は免れない。
「これで、五つ」
自動拳銃から放たれた妖力弾はクローンの念動の壁を貫いて、ボディスーツの剥き出しの胸部を撃ち抜いた。残りは一人――不意に尖の行く手を遮る様に、鋼鉄の瓦礫が渦を巻いて飛んできた。
「とんだ呪いだね……でも」
あたいはそんなのには乗らない。トンッ、と階段を登る様に瓦礫を足蹴にして、その渦の奥――最後の一人を尖は見下ろした。互いに銃口を向けて、視線が交錯する――刹那、鈍い炸裂音が戦場に轟いた。
「……あたいは、怨みに流されたりしない」
それらが何であれ、尖は只一人の尖だから。
こいつらみたいにはならないから、大丈夫――きっと。
「さて、クローン兵もやっつけたし……」
地上に降りてくるりとアフラ達へ振り向いた尖。だが、その視線の先には更に悍ましき何かが……。
「って、いつの間に。あたい聞いてないよ、こんなの!」
全てのクローンが始末されると同時に、全ての元凶が音も無く姿を現していたのだ。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『機械樹イグドラシル』
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POW : インヴェイジョン
レベルm半径内を【テラフォーミングによって侵略完了地域】とする。敵味方全て、範囲内にいる間は【惑星に対する侵略行為】が強化され、【惑星を侵略行為から守ろうとする行動】が弱体化される。
SPD : アグレッション
レベルm半径内を【無限に増殖・再生を繰り返す機械パーツ】で覆い、範囲内のあらゆる物質を【機械化改造】で加速、もしくは【ハッキングによる情報改竄】で減速できる。
WIZ : レイダーズ
敵1体を指定する。レベル秒後にレベル×1体の【侵略用機械兵器軍団】が出現し、指定の敵だけを【原子破壊レーザー光線】と【物質崩壊攻性エネルギーシールド】で攻撃する。
👑11
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●偽りの救星主
大地に根を張る巨大な構造物――『機械樹イグドラシル』は音も無くその姿を露わにした。
張り巡らされた鋼鉄の根は灰色の大地を覆い尽くし、その影より有象無象の機械兵器が徒党を組んで広がっていく。それらは全て
環境改善――否、侵略の尖兵達だ。
『道理で……あんなクローン共がいた訳だ』
アフラが宣う。本来命令を与えられ実行するだけの存在が、如何に
過去の再現と言えど、あれ程までに数を揃えて展開していた理由が分からなかった。
『恐らく、この惑星を止める前の最後の戦いを繰り返していたんだろうよ』
『ですが、あの機械の大樹は本来のテラフォーミング・マシンではありません……』
続くアスティが言葉を濁す。正しく世界を造り替える為だとしたら、永遠に鋼鉄の根を張る異形が百年もの長きに渡り存続している訳が無い。あれは別の世界からの侵略種に違いないと。
『数多の魂は未だ眠りについたまま……それを、喰らっているのかもしれません』
『じゃあ何で今まで隠れていたんだ、コイツは?』
当然な疑問を口にするアフラ。その答えは既に、アフラ自身が口にしていた。
『最後の戦い……きっと、クローン達は見捨てられた魂の残滓。だから』
永遠に戦いを繰り返す事で存在を許されていた、まるで解けない呪いの様に。
『その一小節、あれが目覚める前の前座が今までの戦いの本質。だとしたら』
この大樹を切り倒す事で全てが終わり、新たな世界が始まる筈だとアスティは言う。
『……お願いです。もう二度とこの争いを繰り返さない為にも、皆さんの力を貸して下さい』
七色の輝きを明滅させて頭を垂れる少女。止まった時の歯車を再び動かす為に――。
ガーネット・グレイローズ
●
再び、キャバリア「夜の女王」で出撃。
機械の樹だと?銀河帝国のテラフォーミングマシンの成れの果てか?
それともまったく別の文明から齎されたものか…
アスティ、アフラ。早くこの星を眠りから解き放とう。
私も、全力を尽くす!
敵の物量に対抗して、【灰薔薇の旗の下に】を発動。
上空に現れた強襲宇宙船から降下してくるのは、
戦闘服に身を包んだ屈強な男達!
光剣とアームドフォートで武装し、フライトユニットによる
《集団戦術》《空中機動》で編隊を組んで戦闘に参加する。
各隊、《レーザー射撃》と《なぎ払い》で支援しろ!
彼らのバックアップを受けながら敵の弱点を《メカニック》知識で探し、
射撃と近接武装の《連続コンボ》で攻撃だ!
箒星・仄々
●
機械化種族の尖兵さんなんでしょうか
オブリビオンとして蘇り
歪んでしまわれたのかも知れません
海へと誘いましょう
竪琴で旋律奏で
範囲内の機械兵器や根を魔力へ変換
なおアフラさんはじめ
味方の武装が変換されないように注意を払います
魔力化することで敵数を減らして攻撃力を削ぐ他
レーザーやシールドに魔力をぶつけることで
相殺します
また業火や激流、烈風等で
直接、兵器や機械樹さんを攻撃します
この様にして
アフラさん、アスティさんも守ります
幹や枝、葉も魔力へ変換して
残りの部位を
溶かしたり漏電させたり回路を斬り刻んだりして
力を削ぎ
最後に幹を切り倒します
終幕
鎮魂の調べ
海で静かな眠りを
さあラコンダを蘇らせて
未来へと進みましょう
●紅は乱れ咲く
「機械化種族の尖兵さんなんでしょうか? あるいは、オブリビオンとして蘇り歪んでしまわれたのかも知れません」
『詳しい事は分かりません。もしかしたらわたしの同胞が全てを終わらす為に、あらかじめ用意していた可能性もあります……』
乱れ咲く悍ましき鋼鉄の枝葉を見やり、箒星・仄々(ケットシーのシンフォニア・f07689)は悲しげに息を漏らす。この状況はアスティにとっても想定外……だからこそ、只の悪意の顕現だとは信じたくはなかった。
『まあ、止めなきゃ依頼は達成出来ないし、ここまで来た甲斐も無い。だろ?』
「そういう事だ。銀河帝国のテラフォーミングマシンの成れの果てか、それともまったく別の文明から齎されたものか……どちらでもいい」
続くアフラの言葉にガーネット・グレイローズ(灰色の薔薇の血族・f01964)が口端を歪ませる。長きに渡る放浪の旅の終着点。
大宇宙世界らしい惑星の目覚めという一大イベントを、滅んだ過去の残滓に邪魔立てさせる筋合いは無い――
ブラッドギア『夜の女王』に滾る己が血に賭けて、この戦いで退くという選択肢は端から有り得ないのだ。
「アスティ、アフラ。早くこの星を眠りから解き放とう。私も、全力を尽くす!」
赤黒い
念動の奔流がマシンを染め上げて、ガーネットは先陣を切って駆け出した。
「さあラコンダを蘇らせて、未来へと進みましょう。あの樹を海へと誘って――」
続く仄々が灰色の大地に
超常を解き放つ。奏でられた音色と共に『トリニティ・シンフォニー』が、蠢く鋼鉄を抉る様に極彩色の魔力の渦をその場に咲かせて――。
『! 機械の根が!?』
『幸いこっちは狙われちゃいない……だが』
力を放つ仄々目掛けて、鋼鉄の根がうぞりと周囲を取り囲んだ。しかし半径140mの絶対領域は力ある塊と化して、再び業火と激流と烈風の暴力で戦場を圧倒する。崩れた足場に剥き出しの鋼鉄が逆さの氷柱の様に伸びては、仄々の力場に喰らわれて逆襲の刃と化すのだ。だが――。
「樹が沈んでいく、それに――」
機械樹は高々と聳え立つその姿を鋼鉄の大地に沈ませて、新たに別の場所にその姿を曝け出した。彼奴は動けないのではない。これまで
動く必要が無かっただけの事――惑星ラゴンダ全体を覆う灰色の大地は全て、この機械樹と一体化していたのだ。そのまま機械樹は閃光と共に無数の光の刃を放って、仄々が聳える魔力の塊をケーキの様に貫いていく。
「三属性のエネルギーが魔力を残して、熱い……これは一体」
「恐らく原子破壊の崩壊熱。余剰魔力に己を喰われなければ持つ筈だ!」
光は超常――原子破壊レーザー光線と物質崩壊攻性エネルギーシールド。故に魔力から物理的特性を備えた現象に転じた力場を、その
物理的特性だけを破壊して超自然的な魔力のみを純粋に壊せずに残したのだ。
「もう少しだけ待ってくれ。リリースポイント設定、今こそ闇の中より蘇れ、我が血族よ……」
ごうごうと音を立てて虹色の魔力の柱が立ち昇る。敵の超常の唯一の弱点、効果指定対象は1体。今ならばこちらは狙われない――その特性を利用して、ガーネットは急ぎ自身の
切札を呼び起こす。
「
灰薔薇の旗の下に、集え! 精鋭達よ!」
声と共に灰色の大地に巨大な黒い影が落ちる。それは強襲宇宙船――銀河帝国と戦ったグレイローズ家の精鋭私兵の一個軍団がフライトユニットを駆り、一糸乱れぬ陣形で戦場に降下する! これで役者は揃った。
「さあショウダウンと行こうか、
化け物」
光剣と
鎧装で武装した精鋭達は着陸後、あるいは航空戦力として四方に散会し、張り出た機械樹や殊更巨大な鋼鉄の根を包囲する様に陣を組む。
「各隊、戦闘開始。二人を守りつつ敵の中枢を探る!」
ガーネットの号令一下、爆音と光条が須らく戦場を支配する。ここにいる兵達はただの私兵部隊では無い。百年の戦争を耐え凌ぎ、かの銀河皇帝に勝利した歴戦の兵達だ。
「注意が逸れました。今なら……!」
圧倒的な面制圧により機械樹は攻撃対象を仄々から兵達へと切り替える。群体とはいえ対象は一つ、途端に張り出した無数の木々の根や鋼鉄の羽虫共が唸りを上げて逆襲の刃を振るい始めた。その隙に仄々は鋼鉄の大地深くへと侵攻し、内側から食い破らんと己が魔力を炸裂させる。
「地下で移動する反応が複数――そういう事か」
その猛威から逃れんと、張り巡らされた鋼鉄のネットワークが悲鳴の様な音を立てて猛烈に稼働した。それを夜の女王から計測したガーネットは、それらのどれか/あるいは全てが敵の中枢足りえると判断した――ならば。
「各隊、タイミングを合わせて一斉攻撃」
爆光を背に再び号令をかけるガーネット。自身もマシンの『
PSDホーネット』と諸手の
光子剣を展開し、赤黒い光を振り撒いて巨大な機械樹の元へと飛翔する。
「時計合せ五、四、三――」
巨大なエネルギーが蠢く地点/予測進路/会敵予想時刻/必要攻撃力――マシンの電脳が全てを統御し、地獄めいた大地を貫く光がそれぞれに向かって集束する。この僅かな一時こそが全てを覆す嚆矢となる。
「――今!」
咆哮する強大な暴力装置が一斉に火を噴いた。念動でこじ開けた大地の奥底へ叩き込まれる徹甲焼夷弾。にゅるりと蠢く巨大な木々の根を焼き尽す熱線砲。不動にて座する機械樹を焼き焦がさんと射撃デバイスが火を噴いて、穿たれた大穴を切り開かんと光子剣がその威力を解き放つ――全て、同時。溢れるエネルギーは退避する間も無く一斉に爆発する。
『何だぁ……何が起こって……』
「切り倒したのです、こうやって」
機械樹の内側から爆裂する魔力塊を纏い帰還した仄々がアフラに告げる。外と内の同時攻撃は如何に堅牢な機械樹だろうと耐えられる訳が無い。ぐらりと、傾いた機械樹が巨大な影を落とす。そして。
ずしん、と大地が揺れる――終りなき幻想の戦いに終止符が打たれる時が来たのだ。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
イクシア・レイブラント
●アドリブ歓迎
敵のユーベルコードによる侵略概念がどのような影響を及ぼすのか、実際に試して確認するしかないようね。
鎧装の各部を光らせて[存在感、おびき寄せ、陽動、空中機動]。囮として敵視を集め攻撃を避けながら[推力移動、滑空]で接近、大型フォースブレイドで[空中戦、なぎ払い、鎧無視攻撃]。余裕があればシールドビットの強度確認も行う。
はたして、侵略種への攻撃は「侵略」か「防衛」か。戦闘結果を[情報分析、情報伝達]しつつ、有効なら白兵戦を継続。威力減衰があるなら、離れてアームドフォートの射撃攻撃に切り替える。
2人はこれから誰にも真似できないことをするのだから、もっと前向きになっていい。
ミルドレッド・フェアリー
●POW&真の姿
寄らば大樹の何とやらですが、あのクローン達は宇宙西遊記に語られる宇宙人参果みたいな存在だったとは
ともあれ、アレを放置しては更に事態が悪化するだけですから、
伐採あるのみです!
長年に渡る
侵略の賜物で周囲は機界化済みのようですが、根を張る事に集中して防衛網が疎かとなっていればX-Gladiusで一気にぶっちぎって強襲に限ります
このまま宇宙メカジキの如く激突する刹那の中、0.01秒の世界を見せてやりましょう
チェーンジ!バトルアーマー!!
見よ、これぞコスモ物理学をガン無視したサイフォス星人脅威の瞬着技術
星光の力を借りて、今必殺の…クエーサー・バスター!!
●クロス・ファイト
「寄らば大樹の何とやらですが、あのクローン達は
宇宙西遊記に語られる
宇宙人参果みたいな存在だったとは――あ、また樹が生えた」
したり顔で再生した
機械樹を見上げるミルドレッド・フェアリー(
宇宙風来坊・f38692)が口元を歪ませて、先の戦いの記憶をじっとり反芻する。誰も彼もが犠牲者――矢張りオブリビオンは宇宙騎士として滅ぼすしかない、と。
「敵のユーベルコードによる侵略概念がどのような影響を及ぼすのか、実際に試して確認するしかないようね」 傍らのイクシア・レイブラント(翡翠色の機械天使・f37891)が頷いて、全身を巡る
念動の光が満天の星空の様に眩しく輝く。侵略概念――途方も無い解釈が可能な化け物とあのクローン達はずっと戦い続けていたのだろうか。ミルドレッドの言葉を受けて僅かな逡巡が脳裏を過るが、今は目の前の機械樹が相手だ。
「……機体各部、
安全装置解除」
その光と共にサイキックエナジーの昂ぶりがイクシアの
超常を目覚めさせた。
「
理力反応炉、
点火」
瞬間、イクシアの背中の翼が薄緑の光と共に拡がって、機械天使が爆発的な加速で飛翔する。イクシアの『
最大稼働』は己の意志に力に変える超常――信念と共に抜き放たれた
決戦兵装を担ぎ上げ、力ある輝きは空を駆けた。
「ともあれ、アレを放置しては更に事態が悪化するだけですから、
伐採あるのみです!」
そしてミルドレッドも『
X-Gladius』に火を入れて、再び赤き流星が空を彩った。翠と赤の輝きが渦を巻いて向かう先――再び現れた邪悪な機械樹を打ち倒す為に。
(侵略種への攻撃は「侵略」か「防衛」か――)
敵の超常は範囲内の侵略行為を強化する。それは
こちらも同じなのだろうか? イクシアの視線の先、蠢く無数の鋼鉄の根がアフラとアスティの元へ迫る。その行為は確かに惑星に対する侵略だ――即座に『シールドビット』を展開し、二人を守る光の盾が寸での所で鋼の鞭を弾き返した。
『すまない、助かる』
「気にしなくていい。これが任務だ」
礼を述べるアフラに淡々と還すイクシア。
この星にある者たるアスティへの攻撃は超常の効果で更に強化されている――すかさずフォースブレイドの一閃が鋼鉄の根を断ち切って、重々しい音と共に二人への追撃は止んだ。力不足を痛感した二人は申し訳なさそうにイクシアに頭を下げる……だが。
「2人はこれから誰にも真似できないことをするのだから、もっと前向きになっていい」
『……はい!』
ぶっきらぼうだが心のこもったイクシアの言葉に深く頷くアスティ。そう……ここで終わらせてはならない。再び光を振り撒いて飛翔するイクシア――その一方、ミルドレッドはX-Gladiusに足を掛け颯爽と空を駆け抜けていた。手にした騎士銃槍がロケットの火を噴いて、更に加速した赤き流星が聳える枝葉を大質量でぶち貫こうとも、機械樹は一向に侵略の手を緩める事は無い。それだけ広範に邪悪な意思を巡らせている――ならば。
「根を張る事に集中して防衛網がお留守の様……!」
気が付くまで徹底的に叩いてやろう! 猛る騎士の
誇りが爛々と輝いて、ミルドレッドは高々と宙を駆け登る。
「このまま宇宙メカジキの如く激突する刹那の中、0.01秒の世界を見せてやりましょう!!」
咆哮と共に180度転回、重力加速度と合わさったミルドレッドは流星を超えて爆速の彗星と化した――更に。
「チェーンジ! バトルアーマー!!」
それは超常の真っ赤な星の誓い――これぞコスモ物理学をガン無視したサイフォス星人脅威の瞬着技術。
X-Gladiusへと転じた相棒に身を包み、断熱圧縮で白熱化した騎士銃槍が唸りを上げる!
「星光の力を借りて、今必殺の……クエーサー・バスター!!」
「鎧装騎兵イクシア、目標を破壊する」
そして天翔ける者は一人では無い。音速の十倍を超える
埒外の光と化したもう一人――イクシアがフォースブレイドの切先を真正面に構え、互いの軌道が十字を描く様に交差する!
侵略に没頭していれば逃げられる訳など無い。悪しき大樹は再び、音を立てて大地に崩れ落ちる。
これで二つ――無現すら超越する猟兵の戦いは未だ終わらない。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
メンカル・プルモーサ
★
あの樹は…周囲を他の世界へと環境を最適化しようとしているのかな…
…であれば人も例外ではないと…伝染病の原因もそれか…?
…奴が機械であるならば…【我が身転ずる電子の精】を発動…両腕と片目を粒子化するとしよう…
…そしてイグドラシルの周囲の機械への通信やデータの送信を目で確認してハッキング開始…
…相手のハッキングや機械化改造は粒子化した腕で直接その信号を改竄して無効・もしくは弱体化するよ…
……外見からはわからないけど…どこかに指令を送るためのパーツ…コアがあるはず…
…機械パーツや兵器軍団への信号をたどってコアを見つけて…術式装填銃【アヌエヌエ】で信号弾を打ち込んでコアの位置を皆に知らせるとしよう…
ティティス・ティファーナ
SPDで判定
*アドリブ歓迎
「浸食機械大樹か…素早く撃滅して駆逐する」
『アストラル・エレメント・トランスフォーメーション』で身体状況を最適化させながらファンネルビットを創造して展開し現状と戦況を注視しながら情報を精査して猟兵とも共有し常に対策と攻撃を模索しながら敵の攻撃を空間飛翔して避けながら浸食された機体は自爆させて攻勢の手を増やさせません。
レーザービームとリニアロングボウによる攻撃をしつつ1分先の未来を常に可能な範囲で知らせて情報共有と対策に活かします。
透明化し視聴嗅覚を阻害しながら対策も活用して攻防をして敵を駆逐し撃滅へと駒を進めます。
「巨象とて蜂の一刺しから敗北を築ける事実と現実を知れ」
●ミネルヴァの裁定
「あの樹は……周囲を他の世界へと環境を最適化しようとしているのかな……」
切り倒されて三度甦った
機械樹を遠目に見やり、メンカル・プルモーサ(トリニティ・ウィッチ・f08301)は思案する。であればその対象は人も例外でないと。故にクローン達は銃を向け、猟兵達が来るまで無限に戦いを続けていた……いや、伝染病の原因もそれか……?
「浸食機械大樹か……素早く撃滅して駆逐する」
「うん……結論は変わらない。だから……」
不意に思考を遮る声――凛としたティティス・ティファーナ(召喚獣「アストラル・エレメント(幽魔月精)」・f35555)の絶対的な宣戦が、メンカルの脳裏に瞬間の思考を齎す。卵が先か鶏が先か、大事なのはそこでは無い。今やるべき事は……我が体よ、変われ、集え――。
「……奴が機械であるならば、やり様は幾らでもある……」
我は掌握、我は電霊。魔女が望むは電網手繰る陽陰――
超常の呪文がメンカルの華奢な両腕と利発な瞳を一つ、電子干渉粒子体――『我が身転ずる電子の精《コンバート・テクノマンサー》』へと変容させる。やるべき事は、優先すべき事は真相究明では無くこの状況の攻略だ。
「……外見からはわからないけど……どこかに指令を送るためのパーツ……コアがあるはず……」
この埒外の力ならば、機械樹周囲の通信やデータの送信を目で確認してハッキング出来る。目当てのものを見つけさえすれば、後は容易く魔女の一撃で機械樹の体勢を崩せるだろう。
「情報を共有しよう。手数を加えるのはこちらでやる」
身体の一部をデータ化したメンカルを見て、同質の業を持つティティスが即座に超常を発露――『アストラル・エレメント・トランスフォーメーション』が互いの情報をリンクさせ、言葉も交わさず二人は戦線へと躍り出た。
「
物質構築、
武装組立開始――
全端末稼働、
攻撃開始」
淡々と唱えられたティティスの言葉に応じて、流動金属の肉体から無数の
戦闘端末が生まれ、飛び出す。それらは戦場全域を飛び回り、常に最新の情報と共に状況に適応し、無限に増殖する機械樹の尖兵達を片っ端から撃ち落としていった。しかし遠隔操作で稼働する端末群は機械樹のハッキング対象としてこれ以上ない存在――故にティティスは、最初から
己が身を削る覚悟でこの戦いに臨んでいた。
「……浸食確認、端末の自爆コードを承認、発動」
胡乱な動きをする浸食端末――それらが反逆の牙を向ける前に、最大加速で機械樹とその尖兵にぶつけてやる。新たな爆発が戦場を赤く染め上げて、更に敵のハッキングから指令信号を特定し、ティティスはその情報を即座にメンカルへと送っていた。
「……信号解析完了。攻性プログラムアップデート、アタック」
轟く爆音の影で只管
電子攻撃に勤しむメンカルは、与えられた情報を基に敵の信号を改竄し無効化。合わせて自身の一部を流し込んで、より広範に機械樹の構造掌握に動き出す。
「……第三層クリア、第四層から七層までのショートカットを確認。ミラーリング用意、同期完了――アタック。カウンターに対する欺瞞情報送信……クリア」
そして、自身が誇る超高密度ディレクトリのおよそ半分が掌握され、メンカルが繰り出す攻防一体のダイレクトアタックに翻弄され、内側に特大の負荷と爆弾を抱える事となった機械樹はその機能を著しく弱める事となる。
「……視えた、唯一エネルギー反応が
変わらない所」
それでも尚、絶対安全な場所――如何なる負荷が掛かろうと安定している
環境こそが本体と踏んだメンカルは、遂にその場所を捉える事に成功した。それは目立つ様に破壊と再生を繰り返した巨木では無く、うぞうぞと蠢く蛇の様な逞しい根でも無い。目立たない場所に転がっている木の実の様な灰色の球体――それこそが、機械樹の司令塔だったのだ。
「ターゲットの場所、マーカーを撃ち込むよ……」
直ちに電磁拘束と信号弾の術式を込めた『
術式装填銃』が火を噴いて、ティティスに真なる敵の居場所を伝えるメンカル。これならば多少の時間は稼げる筈――その意を受けて、ティティスは自らの肉体を加速させ、『幽魔月精』の真なる力を発揮した。
「
光学迷彩、
瞬間思考強化――
全武装展開」
加速と共に透明化、予知にも等しい先読み能力、そして『アームドフォートレスダブルキャノン』と『ロングリニアボウ』を展開し、ティティスは瞬く間に機械樹の
鋼球の直上へその身を飛ばす。
「――巨象とて、蜂の一刺しから敗北を築ける事実と現実を知れ」
声と共に透明の空間から放たれるは『レーザーサイトスコープ』――その光が届いた時にはもう、遅い。
刹那、一斉に放たれた暴力的な光の束が鋼球を飲み込んで、消し飛ばした。
最早、機械樹がその身を欺ける安全地帯など、この惑星には存在しない。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
ヘスティア・イクテュス
●
力を貸すからにはそっちからも色々データ提供よろしく頼むわよ!アスティ!
遠く離れた位置にあるソードフィッシュ号へ兵装射出命令を送信し
じゃあ後は任せたとばかりにS.F.Oで大気圏を離脱
侵略行為が強化されるなら機械樹が望むがままに侵略してくれるわ!超上空からの『砲撃』いくわよ!
重力圧潰砲、S.F.Oドッキング!エネルギーバイパス正常!『エネルギー充填』!
アスティ!本来の星を覆う鋼鉄の厚さと耐久力!データあったら頂戴!
アベル!角度を調整、上のイグドラシルを削り取るような射角で!
超重力砲!放て!
シモーヌ・イルネージュ
●
これはまた立派な樹が生えてきたものだね。
卵の殻を割ればアスティの星が出てくると思ってたけど、
その前に邪魔な樹を切り倒さないとね。
樹の力に対抗して切るには、それなりの剣が必要だね。
UC【フロストファング】で作ろう。
下がった体温は【氷結耐性】と【気合】でカバー。
追加で『竜封火布』を体に巻き付けて、炎の魔力で体温を補おう。
力を借りるよ。
木こりの仕事というのは初めてだけど、こんな大木が倒れるのは壮観なんだろうな。
これは楽しみだ。
●ブロークン・ワールド
「ハッ! これはまた立派な樹が生えてきたものだね」
聳え立つ
機械樹を前に気を吐くシモーヌ・イルネージュ(月影の戦士・f38176)が、『サイバーアイ』越しに敵を睨む。先程までの戦いで中枢に甚大なダメージを与えた筈……だが、鋼鉄の樹木は折れるどころか、より一層雄々しくそこに在る様に見えた。
『報告、敵性オブリビオンの活動範囲が減少。同時に熱源の集束を確認』
「ヤケが回って来たって感じ? だったら一気に伐採よ!」
「ああ。卵の殻を割ればアスティの星が出てくると思ってたけど、その前に邪魔な樹を切り倒さないとね!」
報告の声はヘスティア・イクテュス(SkyFish団船長・f04572)が連れ添う『
ティンク・アベル』のもの。成程、シモーヌの見立てでも間違い無く目の前の機械樹にエネルギーが集まっていた。即ち奴はまだ健在で、逆転の為にこれまでと違う動きをしている、という事だ。
「アレに対抗してぶった切るには、それなりの剣が必要だね――まあ、出来ちゃうんだけど!」
ならば、ここから先は先手必勝――シモーヌの手に
超常の『
フロストファング』が空を歪めて現れる。それは曇り無き結晶の様な、鋭く美しい氷の刀身を持つ両刃剣。己が体温を代償に創造されたフロストファングはしかし、顕現させているだけで己が生命を蝕む諸刃の剣だった。
「力を借りるよ。木こりなんて初めての仕事だからさ……!」
気合いと我慢で如何にカバーしようとも超常の武装が齎す冷気は尋常では無い。だから『竜封火布』を――炎の魔力を帯びた神旗の欠片を剥き出しの素肌に巻き付けて、一秒でも長くこの刃を振るってみせる!
「だからさっさと……切り倒されろ!」
すかさず『
アリアージュ』が火を噴いて、殺到する巨大な根の群れにシモーヌは飛び込んだ。手にした剣の本領は絶対零度にして水分子の薄さしかない超常の刃。蛇の様に蠢くそれらを、まるで夕餉の支度の様に軽やかに切り刻み、腕に嵌めた『
ポラリス』が正確に倒すべき敵の位置を示す。ここで終わらせる――その気迫がある限り、最強の刃は止まらない。
「それじゃあ力を貸すからにはそっちからも色々データ提供よろしく頼むわよ! アスティ!」
『了解です。何なりと……って、どちらへ行かれるおつもりで!?』
『安心して下さい。戦術です』
一方、ヘスティアはアスティへの宣告と共に『
S.F.O』で大気圏外へ一目散に離脱した。何も逃げ出した訳ではない。あの巨木を一撃で葬る為の最終兵器を手に入れる為――つまり。
「侵略行為が強化されるなら機械樹が望むがままに侵略してくれるわ!」
『血迷ったか海賊ッ!?』
荒くれの血がそうさせるのか豪快に啖呵を切った宇宙空間のヘスティアの元へ、母艦たる『ソードフィッシュ号』からの贈り物が届けられる。これが目的、ヘスティアは兵装射出命令を送信済みだったのだ――つまり。
『安心して下さい。戦術です』
『二回目ッ!?』
アベルがわざとらしく言葉を返し、アフラが律儀にツッコミを入れる。その贈り物は成層圏上の超上空からの砲撃用決戦兵装――全長数mの『
重力砲』だった。
「驚き過ぎだよアンタら――っとおッ!!」
単独で機械樹の猛攻を凌ぐシモーヌは、やたらに増えた敵の手数に冷や汗を流していた。先程までとは違い戦力を一ヶ所に集中させている……敵も決死行のつもりなのだろう。だからこそ負けられない!
「侵略が強化されるってンなら……」
「アスティ! 本来の星を覆う鋼鉄の厚さと耐久力! データあったら頂戴!」
『ええと……アフラさん!』
『出すよ! 今出す!!』
姦しい通信を聞き流し、シモーヌは機械樹の真下へと潜り込む。ヘスティアが上を押さえている今、最大限の効果を発揮するにはこの位置が最適と判断したからだ。
「この伐採も十分
侵略だよなッ!!」
「
重力圧潰砲、S.F.Oドッキング! エネルギーバイパス正常!」
それはシモーヌと、ヘスティアの
侵略行為――現時点でこの惑星を支配している機械樹に対しての最大の反逆故に。超常の効果と合わさって、侵略という名の攻撃は最大限の効力を発揮する。
『
砲撃諸元共有完了。
回路接続確認、
全段直結――クリア。
重力薬室圧縮率150%』
「凄ぇプレッシャー……これは楽しみだ」
ヘスティアの『
対準星獣用重力圧潰砲』――本来ならば
星獣を相手取る為の決戦兵器を一介の大型オブリビオンに向けるという、余りにも無慈悲なその圧にシモーヌはニヤリと口端を歪ませた。
「アベル! 角度を調整、上のイグドラシルを削り取るような射角で!」
「さあクライマックスだぜ――!」
となれば後は自分自身の魂の衝動を力に変えて――『
ベクター』が動力甲冑に莫大なエネルギーを溜め込んで、シモーヌはぐっと姿勢を深く横薙ぎの構えを取る。そして。
「……
超重力砲! 放て!!」
「こんな大木が倒れるのは壮観だろうよッ!!」
ほぼ同時に二人の最大の一撃は、一つは機械樹の上半分を吹き飛ばし、一つは地を這う根や枝葉の尽くを真っ二つに断ち切って――遅れて聞こえた空間が軋む甲高い音と共に、圧縮された破壊の力が一斉に解き放つ。
『報告、敵本体の損耗率が八割を超過』
「まだ、動けるのアレ!?」
「流石の大ボスだ。まあ……」
十二分に二人は成果を出した。最早大地を覆っていた鋼鉄の根は姿を消して、高々と聳え立つ鋼鉄の枝葉も重力の渦に圧し潰されて消滅した。これ以上はきっと、あと一度きり――決着の時は近い。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
川巳・尖
大きいし頑丈そうな相手だけど、何とかするしかないね
…最後の戦いを、本当に最後にしてあげる
水妖夜行で襲ってくる兵器の群れを躱しながら、機械樹に近付いて弱点を特定したいな
進路を邪魔する奴は撃ち墜として他は無視、最短ルートを突破する
本体への同士討ちは避けようとするだろうし、幹か太い枝の部分に取り付いちゃおう
もしお構いなしに攻撃してくるなら、その辺りには壊れちゃマズいものはないってことだよね
幹の中央や根元、他の部位と違う箇所があればそっちに移動してみて、兵器達の反応を参考にしながら弱点を探るよ
あたしの弾なら、こういうのが相手でも効果はあるはず
攻撃が通用しそうな怪しい箇所を見つけられたら、ありったけを込めて撃ち抜く
大町・詩乃
【旅神】
この惑星を侵略し、非業に亡くなられた魂の残滓を戦わせ続けた。
悪意に満ちたこの存在は許せません!と激おこ。
焔天武后に乗り込み、巨大化した天耀鏡の一つを嵐さんやアフラさん達の防御に残して出撃
(推力移動で飛行)。
瞬間思考力・第六感・心眼で敵の動きを読み、空中戦・空中機動・見切りで
回避したり、もう一つの天耀鏡で盾受けしたり、機体に纏ったオーラ防御
で防ぎます。
ハッキングによる干渉は、AIによるカウンター・ハッキングで対抗。
嵐さんと連携し、タイミングを捉えて《自然回帰》発動。
動きが止まった隙に機械樹に接近し、神罰・光の属性攻撃・破魔・浄化を
籠めた雷月による鎧無視攻撃・衝撃波・焼却にて消滅させます!
鏡島・嵐
●
【旅神】
身体だけじゃなくて魂までも囚われてるってワケか……ひでえ話もあったもんだ。
いつまでも戦い続けるなんて、おれにはおっかなくて堪らねえや(身体の震えを、努めて抑えつつ)
これも未来のためだ、あとひと踏ん張りしねえとな。
詩乃が自前のマシンに乗って戦うみたいだから、おれは彼女やアフラたちの援護に回る。
〈第六感〉を活かして敵の攻撃を〈見切り〉つつ、〈援護射撃〉でサポート。
やられっぱなしでいるわけにもいかねーし、タイミングを見て〈武器落とし〉や〈マヒ攻撃〉で反撃もする。
向こうのUCは、タイミングを見てこっちのUCで相殺する。
一度見極める必要はあるけど、そこまではこっちも耐えてみせるさ。
●エンカウンター
崩れ去った鋼鉄の威容はされど、己が核を内包してその巨大な姿を再生していた。
「大きいし頑丈そうな相手だけど、何とかするしかないね」
地響きと共に先の戦いで集結した
機械樹の残滓が再び結合し、悍ましい継接ぎの巨体を曝す。戦場の風に枝葉を揺らす機械樹を見やり、川巳・尖(御先・f39673)は『
マコモHc』に
初弾装填――『
水妖夜行』の妖力を込めて、じろりと獲物の姿を睨んだ。
「……最後の戦いを、これで本当に最後にしてあげる」
かつてこの惑星で散った数多の無念――それが目指した先へと進む為、尖が駆ける。闇色の風を纏い、埒外の射撃が落雷めいた破裂音を轟かせ、迎撃に躍り出た無数の機械の触手が花火の様に爆ぜて散った。
「邪魔しないで……!」
強烈なマコモHcの反動を受け止めながら尖は弱点を探る。目標はコアの破壊。それ以外にも展開している機械樹の
兵器軍団の反応を参考にしながら、自身の安全を確保する為に最短ルートを駆けて――まずは身を隠せそうな幹か太い枝の部分に取り付く。
(流石に本体への同士討ちは避けようとするだろう……それに)
幾度かの迎撃を往なして
弾倉交換――もしお構いなしに攻撃してくるなら、その辺りには壊れちゃマズいものはないって事。案の定、物陰で
装填確認の直後に怒涛の集中砲火が尖を襲う。蛇の様にのたうつ巨大な根の追撃を避けながら、尖は新たに身を隠す場所を探す――逆に攻撃の手が緩まれば、そこは機械樹自身が
迂闊に手を出せない証左だろう。そこに辿り着く事が出来れば形勢は一気に逆転する筈だ。そして猟兵は――この惑星の記憶に強く怒りと悲しみを覚える者は尖だけでは無い。途端、空に星が瞬いて。
「――――来る」
灰色の空を切り裂くスラスターの爆音を纏い、稀人達は大地に降臨した。
「この惑星を侵略し、非業に亡くなられた魂の残滓を戦わせ続けた――」
美しく凛々しい声が戦場に響き渡る。燃え盛る闘志と共に真紅の装甲を輝かせた『
焔天武后』――共に在る大町・詩乃(
阿斯訶備媛・f17458)は激しい怒りと共に言葉を放つ。
「悪意に満ちたこの存在は許せません!」
「ああ。身体だけじゃなくて魂までも囚われてるってワケか……ひでえ話もあったもんだ」
そして鏡島・嵐(星読みの渡り鳥・f03812)が敢然とアフラ達の前に立った。いつまでも戦い続けるなんて、この惑星はおっかなくて堪らねえ……だが、彼らを護り
惑星を蘇らせる事が猟兵の使命だから――震える身体をギュッと抑えて、嵐は巨大な機械樹をじっと睨みつけた。
「これも未来のためだ、あとひと踏ん張りしねえとな」
攻撃は詩乃に任せ、自身は詩乃が残した巨大な『天耀鏡』と共にアフラ達の援護へ――思考と同時に再び有象無象の兵器軍団が姿を現し、一斉に嵐へと牙を剥いた。獣じみた機械樹木の枝葉や根、それにドロイドの様な人型の兵器群が膨大な火線を集中させて、瞬く間に一面が火の海へと――変わらなかった。
「大丈夫……それはもう
知っている」
尖に対して
それを使用した時点でこの未来は確定していたのだ。ゆらりと、噴煙の中に立ち上がった
もう一つの鏡が鈍い光を放って、圧倒的な火力そのものをなかった事にしていたのだ。
「鏡の彼方の庭園、白と赤の王国、映る容はもう一つの世界――」
「その、言葉は……」
揺らめく嵐の魔鏡に幽世めいた気配を感じる尖。それだけでは無い。嵐の
超常――『
逆転結界・魔鏡幻像』は正反対の事象を放ち、相殺する奇跡。
――――彼方と此方は触れ合うこと能わず――――
呪文と共に鏡の奥より現れしは深淵の怪物達。破壊の光と盾を有する機械樹の機械兵器軍団とは真逆の、再生を司る異界の獣。その姿形はさながら幽世の幻獣めいた神秘的な風情だった。
「妖? いや、これは……」
破壊をもたらす機械達を続々と光で包み込み、原子ごと消滅した穴だらけの大地を修復する――機械兵器が幾ら攻撃を撃ち込もうと真逆の事象が即座にそれらを打ち消して、機械達は徐々に圧されていく。
「……幻遊びはお終いだ」
ギラリと嵐の魔鏡が煌めいて――そこにはもう、何も映りはしなかった。
破れかぶれの迎撃の火線はもう一枚の天耀鏡に遮られ、空を埋め尽くす万華鏡めいた無数の弾幕を機体に張り巡らせた気の障壁で受け流し、神の身への干渉を器たる焔天武后が弾き返す。紛い物の救星主に神の相手は荷が勝ち過ぎたのだ。あらゆる手練手管を読み切られ圧倒的な力にて覆される――その仕上げが遂に始まった。
「自然の営みによらずして生み出されし全ての悪しき存在よ」
侵略を力尽くで遮られ、最大の戦力たる兵器軍団が潰えた今、機械樹に残された力は自らの
無限機械群のみ。それこそが詩乃の怒りの根源――神罰が下されるに相応しい悪意。
「
阿斯訶備媛の名において動きを止め」
力ある言葉と共に、神の威を示す光が天より降り注ぐ。それは若草色の神気と悪しきを払う二種の光――『自然回帰』と神罰の輝きが機械樹に注がれると共に、鋼鉄の樹木がぼろぼろと崩れ落ちていった。
「本来あるがままの状態に帰りなさい」
遍く機械を止める超常――それに合わせて逆手に構えた『
雷月』が機械樹に突き立てられる。途端、灰色の大地は地割れと轟音を響かせて崩壊――雷月に込められた衝撃の神気が偽りの惑星に終焉を齎したのだ。
『反転した、世界が……!』
『このままじゃ落ちる! 乗れ!』
炎が、光が、灰色の世界を極彩色に染めて、鋼鉄の下に眠る本来の大地が徐々に姿を明らかにする。割れた大地に飲み込まれぬよう、アフラはアスティを自らのマシンに押し込んで飛翔――間一髪、崩落より逃れる事が出来た。しかし逃げ出せた者は彼ら以外にも――悪意の最後の一片、灰色の種子めいた
球体がいつか世界を終らせる為に再びその身を投げ出していた。
「させないよ」
そして、それを止めるべく駆ける者も。不意にびゅんと噴いた風が闇を連れて、まるで飛び散った墨の様な漆黒の中から、黒光りする鋼鉄の牙がギラリと姿を現す。
「……見つけたら、逃がさない」
残された悪意が一つであれば見誤る事も無い――あたしの弾なら、こういうのが相手でも効果はあるはず。
怒りと共に、
悪霊は重い
引鉄を引いた。
『コアマシン同調……リパルサーリフト!』
『ああっ!
惑星が
……!!』
反重力推進器で一定高度を保ちながら、アフラとアスティは姿を見せた惑星ラゴンダの真の地表へ高度を下げて飛行する。機械樹の消滅と共に偽りの鋼鉄の大地は全て姿を消していった。これ以上、機械樹の侵略を恐れる事は無い。
<<Awaken
......Elements Sequence Active>>
『何だよ! これは一体!?』
『多分、本来のシステムが呼び起こされた……みたい』
不意にモニタに映しだされた不明な文字列にアフラが頭を捻る。こんなシステムはこの機体に組み込まれていない。しかし、その文字を見やりアスティはこの星が
息を吹き返した事を確信する。
「今は乾いた大地ですが、生きてます」
「これが……惑星の、目覚め?」
詩乃は先だって感づいた。自身と同じ様な、自然に関する何がしかの大きな力が目覚めつつある事を。そして先程までの灰色とは違う赤茶けた土を掬って、尖は小首をかしげながら空を見上げる。これで終わりではない、ここからが始まりなのだ。
<<System Reboot
......OK>>
「耐えた甲斐があった、なぁ」
この大地のどこかに、惑星ラゴンダの目覚めを待ち望む人々が眠っている。
そして、本当の
惑星開拓はこれから――薄緑の光跡を残すアフラ達のマシンを見上げて、嵐はゆっくりと微笑んだ。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵