闇の救済者戦争⑬〜デスノボリ・シンドローム
――月光城。
その城主は今や『第五の貴族』にあらず。
今の城主は……なんかめっちゃ輝く顔が阿修羅めいて全方位にくっついてる。
はっきり言ってキモい。というか顔をたくさん移植されるって、どういう身体強化なのさ?
「イケメンビーィィィム!」
全方向に向いた顔から発射された、月光めいた光線がちゅどーんっ!と爆発音を立てて目の前のワインボトルが消滅させた。
あ~そういう強化系? マジっすか?
え、イケメンすぎて顔面が凶器っていう表現あるけどさ、そういう意味じゃねぇんだけど?
むしろお前は狂気すら感じるんだが?
「むむっ! 貴方達、見ていますねッ!? この霊圧、やはり猟兵なのですか!? いいでしょう、此処へ乗り込んでくるなら迎え撃つまで! おっと申し遅れました、私の名前はシックス伯爵! 宵闇の主にして不浄王かつ背徳のカリスマなる者! 始めに言っておきましょう! 私は五卿六眼の皆様の恩恵によって肉体改造を施され、このように360°全方位イケメンすぎるヴァンパイアとして生まれ変わりました! HAHAHA! やはり私はハイクラスなヴァンパイア! 太陽光やニンニクや十字架でもない限り、貴方達に勝ち目はな……おや、こんなところに何かの植物が、ってこれニンニクゥゥゥ!? ナンデ!? ニンニクナンデ!? グワアアァァァアアアーッ! ガク……ッ!」
はい、今からこの吸血鬼を皆さんに倒してもらいまーす。
――グリモアベース。
予知を行った蛇塚・ライム(その罪名は『憤怒』/IGNITE POP DiVA・f30196)は目が死んでいた。
「とんでもなくふざけた相手ですが、あれでも禁獣『ケルベロス・フェノメノン』の欠落の守護者ですの」
凄まじく弱そうなのだが???
「いえ、実力は折り紙付きですわ。まともに戦うと相手のユーベルコードで此方のあらゆる攻撃の威力・効果が半減される上に、あちらの攻撃力は常時2倍になりますので。しかも全方位に輝く顔面から分子分解ビームを放ってきますわ」
いや、馬鹿じゃねぇの!?
なんだそのデタラメさは!
「はい、ですから、予知で見た敵の死亡フラグを利用してくださいまし。それで相手のユーベルコードは簡単に封殺できますわ。ただ……この月光城、奇妙な罠が仕掛けてありまして」
それはどんな罠なんだ?
「ええと……予知によると『城の呪いで死亡フラグを口走りたくなり、それを口にした者は死ぬ』そうです」
ん、んんん?
ああ、それってつまり……。
『外が静かすぎるな。少し様子を見てくる』と言って偵察に出た兵士が敵の狙撃兵にヘッドショットされたり。
『こんな場所にいられるか! 俺は帰るぞ!』と言った奴が真っ先に殺人鬼に殺されたり。
『この戦いが終わったら故郷へ帰るんだ』と口走った奴が敵軍の流れ弾に急所を撃ち抜かれたり。
『♪ハッピーバースデートゥーユー』と唄われた相手が決闘の最中に呪いで死亡したり。
そんな運命改変の強力な呪いが、その月光城には施されているのか!
ヤバイじゃん。
「ヤバいですわね。ですが、死亡フラグは乱立させると一周回って崩壊するそうですわ。つまり、死にたくなければ死亡フラグを口にするのを我慢するか、むしろフラグを乱立させて圧し折るかの二択ですの!」
オーケー。今回の依頼が結構クレイジーな内容だっていうのだけはよーくわかったぜ。
「それでは皆様、ニンニクは持ちましたか? 十字架の準備もいいですか? 太陽光や紫外線もしくは聖者の光の用意もオーケーですの? 準備が整ったら、あのふざけた『欠落』の守護者の鳩尾にグーパンをお見舞いしてくださいまし!」
こうして、猟兵達はライムの恐ろしいほど眩しい笑顔に見送られ、ダークセイヴァーの『闇の救済者戦争』のカギを握る大事な一戦へ転送されてゆくのだった……!
七転 十五起
皆様、『闇の救済者戦争』にて、シリアスばかりで疲れてませんか?
たまにはクソみたいなトンチキシナリオで精神のバランスを保ってみませんか?
なぎてんはねおきです。ヒャッハー! ハジケ祭りだァァーッ!!
●プレイングボーナス
異形の身体部位から繰り出される攻撃に対処する/城内のトラップに対処する。
今回、追加される異形の部位は『無数の頭部』です。
その全てが月の如く煌々と輝いており、その圧倒的グッドルッキングな顔から分子分解ビームを放ちます。
敵の所持するユーベルコードと相まって、真正面から戦うと勝ち目がないでしょう。
ですが、オープニングに提示された敵の弱点を持ち込めば、あっという間に相手を封殺できます。
やっつけよう!
そして城内の罠ですが、名付けて『デスノボリ・シンドローム』です。
この月光城内では、やたらと死亡フラグを口にしたくなります!
もしも口にしたら最期、その人に凄惨な死が待ち受けています!
コワイ!
なので、死を回避するためには2つの手段を取る必要があります。
ひとつは猟兵達は胸の奥底から込み上げてくる「死亡フラグッ! 言わずにいられないッ!」的な欲求を必死に我慢する。
もうひとつはいっそ死亡フラグを言いまくって運命力を渋滞させ、フラグ崩壊に追い込むことで乗り切るしかありません!
……ええ、深く考えてはいけません。
これは殺伐としたダークセイヴァー戦争の中で産み落とされた、カオスなトンチキシナリオです。
考えるな、感じろ、そして行動あるのみだ!
●その他
コンビやチームなど複数名様でのご参加を検討される場合は、必ずプレイング冒頭部分に【お相手の呼称とID】若しくは【チーム名】を明記していただきますよう、お願い致します。
(大人数での場合は、チームの総勢が何名様かをプレイング内に添えていただければ、全員のプレイングが出揃うまで待つことも可能ですが、その際は参加者全員のオーバーロード投稿を強く推奨します)
なお、本シナリオは戦争の進行状況に応じて、全てのプレイングを採用できない可能性があります。
予めご了承くださいませ。
それでは、皆様のトンチキ極振りプレイング、お待ちしております。
第1章 ボス戦
『シックス伯爵』
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POW : 宵闇の主
【太陽光・紫外線・聖者の放つ光を】【浴びていない瞬間に限り、全能力が2倍】【受けるダメージが2分の1になる能力】を宿し超強化する。強力だが、自身は呪縛、流血、毒のいずれかの代償を受ける。
SPD : 不浄王
【自身の周囲レベル×6cm以内にニンニクが】【存在しない瞬間に限り、全能力が2倍】【受けるダメージが2分の1になる能力】を宿し超強化する。強力だが、自身は呪縛、流血、毒のいずれかの代償を受ける。
WIZ : 背徳のカリスマ
【自身に十字架状物体を突き付けられていない】【瞬間に限り、全能力が2倍】【受けるダメージが2分の1になる能力】を宿し超強化する。強力だが、自身は呪縛、流血、毒のいずれかの代償を受ける。
👑11
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メフィス・フェイスレス
まーこの世界にも変なヤツっているのよね
戦争とはいえ慌ただしくてゆっくりメシにもありつけやしないわ
いざ喰おうとした直後にこんなとこに引っ張ってきてさ――
こっちはまだステーキ一口しか喰ってないのよ!
付け合わせのパインサラダに至っては手もつけてないし!
さっさとこんなの片付けてゴキゲンな昼食に戻るんだから!
あのパインサラダには期待してたんだっての!放置して味が落ちたらどうしてくれんの――ぐぁあああああ!?
(>>>凄惨な死!<<<)
……まあ別に1回消し飛ばされる位はどってことないけど。不死だし
――こんなもんただの掠り傷よ!
お返しに喰らいなさい、血飛沫びーーむ!!
(口から紅いはかいこうせんを繰り出した!)
「……いや、予知の段階で敵が自滅してるわよね? 第三部、完ッ!って奴よね?」
メフィス・フェイスレス(継ぎ合わされた者達・f27547)は初っ端からかっ飛ばしていた。
ツッコミがてら死亡フラグを挟んでくるあたり、本命の死亡フラグにも期待値が急上昇する。
「まーこの世界にも変なヤツっているのよね。戦争とはいえ慌ただしくて、こっちはゆっくりメシにもありつけやしないわ。いざ喰おうとした直後にこんなとこに引っ張ってきてさ――」
メフィスは段々と苛立ちを増幅させてゆく。
頭に思い浮かぶのは、先程まで食べていた食事の内容だ。
「こっちはまだステーキ一口しか喰ってないのよ! 付け合わせのパインサラダに至っては手もつけてないし! さっさとこんなの片付けてゴキゲンな昼食に戻るんだから!」
で、出たァーッ!! ステーキとパインサラダのダブルコンボ死亡フラグッ!
戦場へ赴く者が口にしたら死亡フラグが立つ二大巨塔だ!
これはかなりの死亡フラグ加点が付くだろう、そうに決まってる。
「代わりに美味しいココアを飲み干してきたけど、やっぱり足りないわ! ステーキとパインサラダアァァー!!」
それは飲んだら事故が起きる死亡フラグ!
こりゃあうまいココアだぜぇ!!
事 故 は 起 こ る さ !
「こんな依頼、早く片付けるわよ! てか本当にあのパインサラダには期待してたんだっての! パインケーキも捨てがたかったけど、やっぱりパインはサラダよ! でもラップも何もしないで放置してきたから、味が落ちたらどうしてくれんの――え、ちょ、ぐぁあああああ!?」
次の瞬間、メフィスの身体に四方八方から呪いのエネルギーが流し込まれてゆく……!
彼女の身体はまるで風船みたいに呪力でどんどん膨れ上がると、遂に限界を超えて破裂してしまった!
なんたる凄惨な死か!
「うわああっ! 内臓が全部飛び出た!? 血みどろフィーバー!? っていや……まあ別に1回消し飛ばされる位はどってことないけど。不死だし、デッドマンだし、自己再生するし?」
飛び散った腸やら胃やら肝臓やらをズルズルと引きずりながら掻き集め、自分の骨格へ納めてゆくメフィス。
彼女は死亡フラグをどこまで積み重ねればいいかの試金石に自らの肉体を用いることで、他の猟兵に覚悟完了させるべく働きかけたのだ。
偉い!
「そういえばソーセージって普段から何気なく食べてるけど、排泄物が詰まってた袋に肉詰めて焼いて食べようぜ!って考えた最初の人って天才だけど同時にとんでもない変態よね……」
自分の小腸を器用に折りたたんで回収するメフィスの元へ、勝った気でいる今回の討伐対象ことシックス伯爵が歩み寄ってきた。
「どうやら城の呪いに耐えたてなかったようですね? もはや私の勝利は確実! さあ、私に命乞いをしてみなさい、猟兵! 私は慈悲深いので、土下座をするなら一撃で貴方を葬って差し上げますよ?」
「うわ、救いがたい馬鹿がいる!」
自ら死亡フラグを立てるシックス伯爵に絶句するメフィス。
「てか、うるさいわね――こんなもん、ただの掠り傷よ!」
「いえ貴方、内臓が全部飛び出てて掠り傷も何もあります!? 致命傷ですよ、それ!」
デッドマンを知らないシックス伯爵が逆にメフィスを慮っている。
実はコイツ、いい奴なのでは?
だがこれは油断している証拠だ。
メフィスはこの隙にユーベルコードをぶつけてみせる。
「鬱陶しいのよ、アンタ! お返しに喰らいなさい、血飛沫びーーむ!!」
メフィスの口から吐血ビーム、もとい紅いはかいこうせんを繰り出した!
ちなみにユーベルコード『
吼』は、本来はシリアス満点のカッコいイイ重点な事を明記しておく。
「ぎゃあああぁぁあぁぁぁっ! 赤外線っぽい光ですねこれー!?」
太陽光に弱いシックス伯爵は、あっけなくメフィスの「はかいこうせん」できゅうしょにあたった!
大成功
🔵🔵🔵
サマエル・マーシャー
(ホロドレスのデザインを変更し十字架型のアクセサリーを首から下げている)
困りました。誠に遺憾ながら、救世主って死亡フラグに満ちた属性なんですよね。
…その方向性を突き詰めましょうか。服のデザインを変更。胸の部分に『最後の晩餐』のイラストを入れます。
そして「生まれなかった方が、その者のためによかった」と言いながら敵の前に現れます。
あらゆる世界でこれ以上の死亡フラグはありません。
ですが、救世主の死亡フラグは同時にほぼ確実な復活フラグでもあります。
なので相殺が可能なはず。
あと、対面時点で十字架は突きつけていますね。
後はこちらも『顔がいいビーム』を放つだけ。
勝敗はともかく、顔の良さは引き分けでしたかね。
サマエル・マーシャー(電脳異端天使サイバー・グノーシス・エンジェル・f40407)は活動乏しい表情筋をフル活用させて困惑していた。
「困りました。誠に遺憾ながら、救世主って死亡フラグに満ちた属性なんですよね」
いきなり自らを救世主と自称するあたりで色々と「アッハイ」なバーチャルキャラクターだと察することが出来るのだが、彼女も猟兵であり実際救世主行為を実現可能なのだ……ただし救済方法とその後の結果は世間一般の常識からかけ離れたものであるが。
そんなサマエルはより救世主らしく己を魅せるため、十字架型のアクセサリーを首から下げている。
「むしろ救世主の存在そのものが死亡フラグといいますか。ええ、では……その方向性を突き詰めましょうか」
サマエルは更に自身の救世主度合いを高めるため、ホロドレスの意匠を変更させてゆく。
その胸元には他世界では著名な絵画ことレオナルド・ダ・ヴィンチ作『最後の晩餐』が描かれていた。
「これで準備は万全です。さあ、吸血鬼さんを救済しましょう」
サマエルは早速シックス伯爵の元へ姿を現すと……。
「グワーッ十字架!」
十字架のアクセサリーが目に入ったシックス伯爵が勝手にダメージを受けて地面に転がり始めた。
サマエルは何を思ったのか、シックス伯爵へ十字架をこれ見よがしに押し付けてゆく。
「そんなに十字架に感激されるなんて、あなたはなんて信心深いのでしょうか。もっとよくご覧になってもいいのですよ?」
「違うッ、逆だアァァーッ! アババババーッ!」
弱点を押し付けられて苦悶するシックス伯爵の様子に、突然サマエルが涙を零し始めた。
これにはシックス伯爵も狼狽する。
「え? 待ってください、何で泣くのですか? 私は何もしていませんが? ちょっと、あの泣き止んでくださいよ、これでは私が悪者じゃないですか!」
悪者でオブリビオンなのは間違いない。
気まずいシックス伯爵がオロオロしていると、サマエルは涙を拭いながら言葉を漏らした。
「生まれなかった方が、その者のためによかった」
……死亡フラグがクソ重い!
数多の世界で髪の子であり救世主と崇め奉られる人物の有名な言葉だ!
もはや運命力が胃もたれするってレベルじゃねーぞ!
「あらゆる世界でこれ以上の死亡フラグはありません。実在した人物はこの後、弟子に裏切られて磔刑に処せられてしますのですから。ですが、救世主の死亡フラグは同時にほぼ確実な復活フラグでもあります。なので呪いは相殺が可能です」
事実、サマエルの身に何も起こらない。
異世界の実在した救世主の言葉でも、この城の死亡フラグ判定は機能するようだ。
シックス伯爵は万策尽き、遂に移植された多面頭から分子分解ビームを放ってサマエルを抹殺しようと試みる。
「我がユーベルコードがなくとも実力は私が上であることは確実! 死ねぃ!」
ぺかーっ!とシックス伯爵の顔面が輝く!
だが同時にサマエルの顔面も輝いているぞ!
「こちらも、顔がいい死のビームで対抗です」
こっちもグッドルッキングビームことユーベルコード『モーセ・マーシャー』を発射だ!
敵味方の破壊光線が空中で激突すると、凄まじい衝撃波が発生して両者はくの字の体勢で後ろへ吹き飛んでいった!
「グワーッ! おのれー!」
「勝敗はともかく、顔の良さは引き分けでしたかね」
サマエルはエビめいてくの字の体勢のまま、月光城の窓から飛び出て戦線離脱してゆくのだった。
大成功
🔵🔵🔵
ルパート・ブラックスミス
【錬成カミヤドリ】展開【集団戦術】
複製鎧で敵の分子分解ビームから本体を【かばう】のを兼ね一斉突撃。純粋な物量で圧し潰し圧殺にかかる
なにがイケメンビームぞ、そんなもので黒騎士鎧が倒せるものか(死亡フラグ)
これ程の数、ひとたまりもあるまい!(死亡フラグ)
ここ一年、鳴りを潜めていた当方…その間に遭ったあの騎士の為にも貴様程度に負けなどしない(脳裏に唐突な回想な死亡フラグ。その内ノベルをリクエストしたい)
今回の戦争も自分以外にも頼もしい猟兵たちが活躍している
負ける気がしないな
もう何も怖くない
この戦争、我々の勝利だ!(どれかしら死亡フラグ)
…今ので幾つ目だ?
あ、その複製鎧、全部ニンニク詰めてあるぞ。
ルパート・ブラックスミス(独り歩きする黒騎士の鎧・f10937)は会敵直後にユーベルコード『錬成ヤドリガミ』を発動し、自身の本体(器物)である黒騎士の鎧を127体複製。
そのままシックス伯爵からの弾避けとして前面に押し出す。
対してシックス伯爵は顔面から分子分解ビームを乱射し、壁になってる黒騎士の鎧軍団を1体ずつ消滅させてゆく。
「無駄ですよ、そのまま塵になっておしまいなさい! イケメンビーム!」
「なにがイケメンビームぞ、そんなもので黒騎士鎧が倒せるものか。それにこの数、まだゆうに百は超えている。これ程の数、一斉に突撃されればひとたまりもあるまい! 行け、我が複製体達! この戦いは勝ったも同然だ!」
いきなり死亡フラグを3連コンボで叩き込んだルパート!
更にルパートの死亡フラグ建設が急ピッチで進んでゆく。
「ここ一年、鳴りを潜めていた当方……その間に逢ったあの騎士の為にも……貴様程度に負けなどしない」
唐突にルパートは回想シーンへ移行。
それは、一年前の出来事だった。
異世界を旅して武者修行していた矢先、彼は貧しい農村に逗留する。
そこで出会った辺境騎士がルパートをオブリビオンだと早とちりして斬りかかってきてから始まる、壮大な冒険記が、幕を開ける……!
「いや開けるなぁ! 私を置いてきぼりにしないでください!」
シックス伯爵のツッコミに、ルパートは首を傾げた。
「何故だ? 1年間の冒険記をたった5時間半の歌劇風に凝縮して披露するだけだが?」
「思った以上に本格的なオペラですね!? 私は観客ではないのですが!?」
「ふむ、確かに貴様は討伐すべき敵だ。今回の戦争も自分以外にも頼もしい猟兵たちが活躍している。ふっ、負ける気がしないな。もう何も怖くない……この戦争、我々の勝利だ! だが、別に自分が貴様を倒してしまってもいいのだろう?」
ここにきて死亡フラグのラッシュだ!
回想シーンというドデカい死亡フラグを立てた後、数で押し切るという技巧的作戦だ!
これには運命力超過で呪いも発動しない!
そして極めつけは……。
「……ところで、自分はきちんと死亡フラグを言えただろうか? 2~3個程度だと思うんだが……」
「いや全部! あなたの発言全てが死亡フラグ!」
ルパートが戦場で天然ボケ発動という極大フラグをかましたところで勝負あった。
呪いはシックス伯爵の身に逆流して押し寄せる。
その証拠に、複製された鎧の中から異臭が漂う。
「あ、その複製鎧、全部ニンニク詰めてあるぞ」
「アババババーッ!」
ニンニクの異臭と複製された鎧軍団の押し合い圧し合いに巻き込まれたシックス伯爵は、顔からビームを撃つ間もなく蹂躙されてゆくのだった。
大成功
🔵🔵🔵
ティオレンシア・シーディア
…どういうわけか、こーゆートンチキな奴ほど無闇やたらと強かったりするのよねぇ…
尊厳とか羞恥心とかまで削って戦闘能力に回してるのかしらぁ?
…で、死亡フラグだっけ?自壊するほど積み上げるのも面倒ねぇ。
ってことで、
アンサズと
イサを自分に付与。言葉が凍る、即ち「沈黙」。口に出したら拙いなら、口に出せないようにすればいいのよねぇ。
後は●必殺起動して
シゲルとか
日天印とか太陽・太陽神を示す
神聖文字とか、その手のものをじゃんじゃん召喚。UC封じて叩き潰すわよぉ。
別に対抗してトンチキなことする必要もないもの、容赦なく封殺しちゃいましょ。
ティオレンシア・シーディア(イエロー・パロット・f04145)はシックス伯爵に対峙してから、一言も喋らずに沈黙を守り続けている。
「ふふふ……私のグッドルッキングな多面的イケメンフェイスに圧倒されて言葉も出ない気持ち、分かりますよ?」
ティオレンシアの眉尻が下がる。
(うわぁ、言いたいわぁ! 違うってツッコミたいわぁ!)
しかしティオレンシアは自らにルーン魔術で『
アンサズ』と『
イサ』を付与している最中だ。言葉が凍る、即ち「沈黙」。
(死亡フラグだっけ? 自壊するほど積み上げるのも面倒ねぇ。口に出したら拙いなら、口に出せないようにすればいいのよねぇ)
黙りこくったティオレンシアに月光城の呪いは通用しない。
すぐさまユーベルコード『|必殺コンストラクション》』を発動して
シゲルとか日天印太陽とか太陽・太陽神を示す神聖文字ヒエログリフが描かれた物品を次々と召喚してみせる。
それらが魔力効果で光を放てば、シックス伯爵は全身が浄化されて炎上し始めた!
「熱づづづづづっ! これは太陽光!? ナンデ? 太陽光ナンデー!?」
慌てふためくシックス伯爵だが、ティオレンシアが召喚した物品の輝きがあまりにも強すぎて周囲に影すら出来ない!
(……どういうわけか、こーゆートンチキな奴ほど無闇やたらと強かったりするのよねぇ……? 尊厳とか羞恥心とかまで削って戦闘能力に回してるのかしらぁ? 知らないけど)
ティオレンシアは容赦なくグレネードの類をシックス伯爵へどんどん投げ込み、爆殺するべく戦闘開始。
(別に対抗してトンチキなことする必要もないもの、容赦なく封殺しちゃいましょ)
「グワアアァァァアアアーッ!?」
彼女が放り投げた手榴弾が爆ぜると、シックス伯爵は火柱に巻き込まれて燃え盛りながら吹き飛んでゆくのだった。
ちなみにティオレンシアの火力は、月光城の一部の外観を崩壊させるほどの威力を誇ったそうな……。
大成功
🔵🔵🔵
リュカシオン・カーネーション
《やっと帰って来れました…》
入院していたアロナちゃんが帰って来た
ウチはUC発動して死亡フラグをシエルに押し付けた(後でボコられた)
他の発動UCは妖狐さんが死んだッ!第3部完!を発動して予防する
アロナちゃ〜ん!もう…何も怖くないっ!
『早速フラグを立てた…なのだわ〜!』
『ラーミアなのだ!』バァーン
シエルが叫んでラーミアが突進してきて吹っ飛んで爆発した
《えっ…何ですか》
アロナちゃんはドン引き
周りの物を未来乱気流で改変してニンニクに変え袋に詰める
敵の攻撃は視力で確認して推力移動の応用と見切りで攻撃を回避
おらー!
虹炎の衝撃波を敵に放って攻撃
《喰らいなさい!》
アロナちゃんは炎と風と水の魔法を放ち敵に攻撃
《やっと退院して帰って来れました……》
リュカシオン・カーネーション(転生したハジケる妖狐と精霊王とカオスな仲間たち・f38237)を加護する精霊王アロナフィナが頭を抱えながら呟いた。
精霊王が入院ってどういうことなの?
でもリュカシオンは細かい事を気にせず、いきなりユーベルコード『虹炎神・レーヴ・アルカンシエル"
未来虹炎乱気流"』を発動する。
「ウチが死んだッ! 第3部、完! ってシエルが言ってた!」
「なのだわっ!?」
虹炎神シエルの少女に唐突な死亡フラグをおしつけたリュカシオン。
のちにリュカシオンはシオンにボッコボコにされるのだが、それはまた別の話である。
「死亡フラグを言ってもいい自由だぜ! アロナちゃ〜ん! ウチ、もう……何も怖くないっ!」
そしてリュカシオンも図太い死亡フラグをぶち立ててみせる。
『早速フラグを立てた……なのだわ〜!』
虹炎神シエルも「いや立てるの?」とツッコミを入れた。
次の瞬間、奴がくる。
『ラーミアなのだ!』
『ラーミアなのだ!』
『ラーミアなのだ!』
何故かラーミアが虚空から出現!
しかしリュカシオンの自由を司る虹炎はラーミアへ呪いを落ち着ける!
「ウチに降りかかった呪いをそぉいっ!」
『ラ……』
途端、ラーミアの群れが一瞬で炸裂して木っ端みじんに!
《えっ……何ですか今の?》
精霊王アロナフィナが理解力が追い付いてこれずに唖然としている!
「今のウチには呪いの類は効かないぜ! 過去と未来を書き換えて、ウチは自由を勝ち取るんだー!」
雄叫びを上げたリュカシオンが、持参した大量のニンニクを放り投げる。
そしてシックス伯爵の周囲の物品を自由の虹炎でビニール袋に変換すると、散らばったニンニクを袋詰めしてゆく!
「おらー! ニンニク袋爆弾だー!」
《喰らいなさい!》
精霊王が突風を起こすと、リュカシオンは袋詰めされた大量のニンニクを追い風に乗せて投げる!
シックス伯爵は投げつけられるニンニクの強烈な芳香に、堪らずノックアウト!
「ほんげえぇぇえ~! くっせええぇぇえぇ!」
顔面からビームを出すこともなく気絶してしまった伯爵へ、リュカシオン一行は取り囲んでボコボコに分からせてやるのだった。
大成功
🔵🔵🔵
人型影朧兵器第壱号・仮面イェーガー
死亡ふらぐ?と言う物についてはよく分からないが、やる事は変わらない。シックス伯爵を倒さなければ。
この戦いが終わったら久しぶりに良く通っていたカフェーにでも行くのもいいかもしれない。彼処のパインサラダは絶品だからな。
後、僕には実は幼馴染の許嫁がいる。もうすぐ彼女の誕生日で、プレゼントも既に用意しているんだ。喜んでくれるといいんだが。
…おっと、何故か自分語りしてしまったな。
見つけたぞ、シックス伯爵ッ!
『影朧ドライバー』起動、変身ッ!
(変身と同時に場面転換、真っ昼間の採石場に変わる)
ダッシュで近付いて、怪力でパンチを繰り出す。
何か抗議の視線が感じるが、ジャンプしてキックでトドメだッ!
【アドリブ歓迎】
人型影朧兵器第壱号・仮面イェーガー(怪奇飛蝗ヒーロー・f40310)は
改造人間である!
彼はダークセイヴァー世界の危機を救うため、世界の境界を越えて此処に参上した!
だが彼に月光城の呪いが降りかかる。何故かやたらとカフェーへ行きたくなるのだ。
「死亡ふらぐ?と言う物についてはよく分からないが、やる事は変わらない。シックス伯爵を倒さなければ……この戦いが終わったら、久しぶりに良く通っていたカフェーにでも行くのもいいかもしれない。彼処のパインサラダは絶品だからな」
ワッザ?
彼は無自覚に死亡フラグを積み重ねてゆくではないか!
更に彼が口を開けば、次々と死亡フラグの違法建築が無意識に着工されてゆく!
「この戦い、負けるわけにはいかない。なぜなら僕には実は幼馴染の許嫁がいるからだ。もうすぐ彼女の誕生日で、プレゼントも既に用意しているんだ。あれはたしか夏祭りの日、君が奇麗だといってた花火のように輝く宝石が付いた首飾り……喜んでくれるといいんだが」
着実にフラグが積み重なっていき、呪いの根幹が揺らぎ始めている。
「……おっと、何故か自分語りしてしまったな。すまない、待たせたなシックス伯爵! 僕の隙あらば自分語りパートに無粋な攻撃を仕掛けてこなかった事に感謝する!」
「いやまぁ、特撮で回想シーンが挟む死亡フラグはお約束ですからね? あと悪役がその最中に割り込んで攻撃するのは、それこそ死亡フラグですし……」
そう、ヒーローが葛藤で独り言ちている時や変身中に殴り掛かったりした敵は、大抵そのヒーローのパワーアップフラグを踏み抜いてオタッシャ案件でサヨナラする展開が王道なのだ!
ならば、と彼は王道通りに変身ポーズを決める。
「『影朧ドライバー』起動、変身ッ! 此処では被害が拡大する、場所を変えるぞ。とうッ!」
戦闘モードに変身した彼の周囲の景色が一変、日曜朝の特撮番組でお馴染みの採石場に切り替わる!
「この世界は僕の決めた法則に従わないと、行動成功率が低下する!」
そう宣言した彼はシックス伯爵へ猛ダッシュし、拳を振り上げる。
しかし彼は伯爵の弱点である十字架のようなものを携帯しておらず、強化した伯爵のユーベルコードから繰り出されたイケメンビームをまともに喰らって吹っ飛んでゆく!
「グッドルッキングな私の顔を拝みなさい!」
「グワアアァァァアアアーッ!」
彼は吹っ飛んでダウンすると、何故か周囲で大爆発が発生!
これが彼のユーベルコード『
正義を貫く英雄の決戦場』の法則……攻撃を受けダウンすると大爆発する法則だ!
「ぐはっ! やってくれたな! だがこれで僕の行動成功率は跳ね上がった! これで決めるぞ! とうッ!」
彼は改造された驚異的な足のバネで天高く跳び上がると、急降下ドロップキックを伯爵の顔面目掛けて炸裂させる!
「イェーガー・キィィィック!」
「グワーッ!?」
今度はシックス伯爵が吹っ飛ばされて大爆発!
すかさずユーベルコードを解除した彼は、伯爵にダメージだけを与えることに成功したのだった!
「どうだ、正義は勝つ!」
大成功
🔵🔵🔵
小雉子・吉備
【妖怪境界組】
死亡フラグ、確かに色々トンチキだし伯爵ちゃんの顔が猟兵シンボルなのは
キビツッコミは好きじゃないから置いといて
とりあえず皆で防寒服とかサーフィン(極寒の登山映画やサーフィンを題材にした映画の主人公は存在事態死亡フラグ)持っていれば、これで死亡フラグはカウントかな?事前に【情報収集】した死亡フラグを片っ端から【集団戦術&団体行動】表現
自覚無自覚問わず発現表現した死亡フラグを指摘しあって無力化だぁ!
そしてこの戦争が終わったら霓虹ちゃんと祝言…これもフラグと
そうこうしてる間に来た伯爵ちゃんには
【属性攻撃(陽光)】込めたUC【早業&斬撃波&2回攻撃】で撃沈!
[アドリブ絡み掛け合い大歓迎]
蒼・霓虹
【妖怪境界組】
吉備ちゃんツッコミよりボケの方が好きですものね
わたしも防寒服の
登山家スタイルに身を包み
まぁ死亡フラグは、人の死を劇的に見せる為の演出の一環で、演出効果が無くなれば機能しない物ですし事前にフラグを【情報収集】
【集団戦術&団体行動】ツッコミし合えば無力化出来ますよね
わたしは、パインサラダをなめろうを添えて【料理】して来ました、ルインクちゃんにキビちゃんったらコテコテのフラグじゃないですか、ふふふっ
わたしは【メカニック】でもあるので
パイロットとメカニックで死亡フラグマシマシ
やって来たシンボルさんには【属性攻撃(陽光)&大魔法】込みUC【高速詠唱】ブッハです
[アドリブ絡み掛け合い大歓迎]
ルインク・クゼ
【妖怪境界組】
ふむぅ……あたしはサーフィンと水着姿(昨年の水着コン)でヒナスミちゃんにはサメの着ぐるみで死亡フラグかな?
せやね、事前に死亡フラグを【情報収集】し自発無自発問わず【集団戦術&団体行動】でツッコミ合うんは変な気分やけど、やるからにはトコトンやるんよ!(ヒナスミにしがみつかれつつ)
二人は仲が良いから、結婚をパイロットとメカニックが言い合えば強力やね
あっ……確かにサメ着ぐるみのヒナスミちゃんにしがみつかれたら、コテコテかもしれんな
と、ノコノコ猟兵シンボル伯爵が来たんよ【属性攻撃(ニンニク)】込めたUC【早業】発動
穴子牙の光刃で【怪力&グラップル】しとこーか
[アドリブ絡み掛け合い大歓迎]
小雉子・吉備(名も無き雉鶏精・f28322)と蒼・霓虹(彩虹駆る日陰者の虹龍・f29441)とルインク・クゼ(蛸蜘蛛のシーアクオン参號・f35911)の仲良し三人組は、シックス伯爵が待ち受ける月光城の内部を探索していた。
「死亡フラグかあ。確かに今回は色々トンチキだし、伯爵ちゃんの顔が猟兵シンボルなのは……それだけでツッコミ待ちなんだけど……でもキビはツッコミは好きじゃないから置いといて」
両手で物を脇に置く動作をする吉備。
霓虹がこれに苦笑いを浮かべる。
「キビちゃん、ツッコミよりボケの方が好きですものね」
そういう彼女の服装は、何故か水着姿で雪山登山装備にサーフボード、首からドックタグを下げて戦闘機乗りのヘルメットを被っていた。
なんだろう、この死亡フラグのネタの情報渋滞?
霓虹だけではない。
吉備もルインクも同じような格好だ。
ルインクに至っては、相棒の空飛ぶ巨大真蛸のヒナスミちゃんにサメの着ぐるみとブロンドのカツラをかぶせるというカオスっぷりだ。
「ふむぅ……あたしの提案でみんなにも水着を着てもらって、ヒナスミちゃんにはサメの着ぐるみと金髪カツラで死亡フラグかな? サメ映画でお馬鹿な金髪少女が真っ先に食べられるし、サメは殴れば死ぬからフラグ同士が相殺されるはず!」
ルインクの言葉通り、なぜこの3人がハチャメチャな格好をしているかというと……死亡フラグの元ネタの服装を着込みまくってフラグ崩壊を誘発ウするだけではなく、生存フラグ要素も取り入れることで、死亡フラグと生存フラグの相殺による呪いの無効化を図っていたのだ。
見た目はすっとこどっこいなのに、かなり考え込まれた作戦であった。
「まぁ死亡フラグは人の死を劇的に見せる為の演出の一環で、演出効果が無くなれば機能しない物ですし、事前にフラグをツッコミし合えば無力化出来ますよね」
霓虹の意見にルインクが頷く。
「せやね。事前に死亡フラグを積み込みまくった上で自発無自発問わずツッコミし合うんは変な気分やけど、やるからにはトコトンやるんよ!」
「それじゃ早速、作戦開始だよう!」
こうして吉備の合図で、3人は死亡フラグ崩壊コントを開始した。
「霓虹ちゃん! 寝ちゃ駄目だよう! 雪山で寝たら死んじゃうよう!」
吉備が横たわる霓虹の頬をぺちぺち引っ叩く。
「……ぁ、キビ、ちゃん……わたし、疲れました。ひどく眠いんです……もう、ゴールして、いいですよね?」
「そういえばキビも眠いや……オヤスミ、パト霓虹ちゃん……」
2人が揃って眠りこけようとしたその時だ。
「お断りなんよ! 6番レジお願いしますなんよ! ヒナスミちゃん!」
目を閉じそうになった霓虹の脚を掴んだヒナスミちゃんが、狩猟時のアナゴの如き高速回転をぶちかます!
「え、ちょ! ルインクちゃあん!? こんなアドリブ聞いてません~!」
身体の軸に沿って霓虹の身体が空中で回転!
金髪の鮫と化した巨大タコが乱舞!
これにルインクが悲痛な叫びをあげた。
「ああ! 鮫化したヒナスミちゃんが高速回転のエネルギーで鮫竜巻になったんよ!」
「いや、ヒナスミちゃんってタコじゃなかったっけ? というか、この戦争が終わったら霓虹ちゃんと祝言するんだから、鮫なんかに負けるわけにはいかないんだよね!」
ツッコミが不慣れな吉備でも、この流れに乗るっちゃないと判断。
なんと、回転する霓虹にしがみついて吉備もジャイアントスイングめいて旋回を開始!
「霓虹ちゃんの傍にはキビがいる。キビが信じる霓虹ちゃんを信じるんだよお! 天元突破ぁ!」
「「あーのーひぃいだーいたー! おもいはーいまでもー!」」
螺旋力を高めて合う2人が死亡フラグを粉々に砕いてゆく!
一方、霓虹もこんな状況の中でも自分にできることをやり遂げてゆく。
「キビちゃんのためにわたしは、パインサラダをなめろうを添えて作ってきました。さあ、召し上がってくださいね?」
「え、待って? 今この状況でパインサラダを差し出されたら遠心力で、ってうわーっ! やっぱり目にビチャッってなったよお! 目が、目があぁぁぁ!」
吉備の目の中にパインサラダの果汁やらなめろうの塩分やらが入って粘膜を刺激、大悶絶!
慌ててルインクがヒナスミを制止する。
「二人は仲が良いから、結婚をパイロットとメカニックが言い合えば強力やねってそんな呑気なこと言うてられへんね!? 2人ともごめん! 本当にすまなかったと思ってる! こんなことになるなら、あたし……」
ルインクは目を細めて、あの日の夜の事を思い返していた。
――それは蒸し暑い夏の夜だった。
「って、戦闘中の回想シーンは死亡フラグの定番だよお! ってアババババーッ!」
「パインサラダを顔面で受け止めるなんて、ルインクちゃんにキビちゃんったらコテコテのフラグじゃないですか、ふふふっ」
「ああもう滅茶苦茶だよお!」
しっちゃかめっちゃかの3人の元へ、混乱に乗じてシックス伯爵が参上!
「ふははは! この城の呪いで既に猟兵は共倒れ状態ですか! 此処は一気呵成に……」
「「いや、まだだ!」」
3人の声が途端に揃う。
「昔から三位一体の必殺攻撃は生存フラグの代名詞です!」
「この時を待ってたんだよお!」
「まんまとのこのこと現れたんよ!」
3人は一気にユーベルコードをシックス伯爵へ畳み込む!
「起備団合の斬馬装、限定解除……北海道の文化が産んだ起備団合の駄菓子兵器の重くしなる一撃、受け止め味わってっ!」
「攻撃特化のフォーチュンスケイルの丸い虹、日暈の神の一声……その体で聞いて貰いますっ! これが『フォーチュンスケイル・トゥルーハロ』ですッ!」
「穴子には、殺し屋とも言われる凶暴なんもおる……その穴子のご当地パワーの牙を受けてみるんよっ!」
トリプルアタック(弱点特攻)を喰らったシックス伯爵が吹っ飛ばされてゆく!
「YARARETAAAAAAAAAA!」
こうして、正義は悪に打ち勝ったのだった!
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
四王天・燦
《華組》
死亡フラグね
アタシ達は絶対大丈夫だから中々思いつかないや
そうだシホ、この戦争が終わったら結婚しよう
アタシはシホの為なら死ねるよ
さながらイチャイチャと廃墟探索に来たカップルのように城に入るぜ
次峰(とは限らないけど)華組行きます!
うおおおー!
0.9秒でやられねえようビームは頑張って避けましょ
ちゃんと間合い取っているのでヨシ!
指さし確認したから大丈夫
フォックスファイア・玖式で炎の鞭を作ってビシバシ叩くぜ
ついでに伯爵に『新しい顔よ』とばかりにニンニクも投げつければ香ばしい匂いが立ち込めるかな
危機になったら走馬灯が見えるよ
シホと眺めた星空が綺麗だった
北斗七星の脇に輝く星があったなーとか
シホが力を貸してくれるんだ、もう何も怖くない
帰ったらアタシは新作の稲荷サラダを振舞うぜ
シホの【弾葬】に合わせて玖式の鞭をモーニングスターに作り変えて叩きつける
土煙が立ち込めたら『やったか!?』しておくぜ
まあ、実際に殺る気だがね
圧倒的ではないか
猟兵軍は
※ドタバタ上等、コミカルに楽しくやるぜ
シホ・エーデルワイス
≪華組≫
アドリブ歓迎
…何と言いますか…どこからツッコミを入れれば良いのか分からなくなる敵ね
でも却って面白いかも
油断するつもりはありませんが
頑張って一杯死亡フラグを立てましょう
結婚!
ありがとう燦
私も燦と一緒なら死んでも構わないです
という訳で
戦争の合間の息抜きに≪ちょっと≫燦とデートも兼ねて来てみました
↑「ちょっと」でデートする場所ではない
そもそも戦争中にイチャイチャしているカップル
しっかりして
傷は浅いですよ
もう縁起でもない事言わないでよ
それでは私は帰ったら狐うどんを料理しますね
いえ
まだです!
といった感じで思いつく限りの死亡フラグを立てながら
【弾葬】で攻撃
十字架状物体なら胸元のロザリオも袖の装飾も聖銃の発射炎も全て十字架状です
序に聖者としても光っておきます
おまけに持ってきたニンニクも投げつけておきます
戦後
ニンニクは回収して美味しく頂きました
いよいよシックス伯爵にトドメを刺すべく、四王天・燦(
月夜の翼・f04448)とシホ・エーデルワイス(捧げるもの・f03442)は二人か身体を寄せ合って登場した。
「シックス伯爵! 死亡フラグ建設バトルで勝負だ!」
「燦? 死亡フラグ建設バトルって聞いてないわよ……? ええと、何と言いますか……どこからツッコミを入れれば良いのか分からなくなる敵と状況ね……」
最初からハジケまくる燦のアドリブにシホは思わず彼女の顔を二度見するほど驚いた。
しかしすぐに冷静になると、シックス伯爵へ見せつけるように燦の身体により一層擦り寄ってゆく。
「でも、こういうのも却って面白いかも。油断するつもりはありませんが、頑張って一杯死亡フラグを立てましょうね、燦?」
シホが燦に微笑みながら問いかける。
しかし肝心の燦は、眉を下げてうんうんと唸っていた。
「死亡フラグねぇ……? アタシ達は絶対大丈夫だから、死亡フラグ自体が中々思いつかないや」
「さっき得意げに死亡フラグ建設バトルと言ってた人の発言とは思えないわ……」
シホのツッコミに燦は話の流れを無視して、唐突にシホの頬へ口づけをした。
恋人の突然のキスにシホは頬が一気に熱を帯びてゆくのを自覚してしまう。
燦はシホの瞳を見詰めながら囁く。
顔が近い!
「そうだシホ……この戦争が終わったら、アタシ達、結婚しよう。アタシはさ、シホの為なら……喜んで死ねるよ」
燦の真剣な表情に、シホは大きく息のを飲んで瞳に涙を浮かべる。
「結婚……! ありがとう燦……私、もう何も恐くないです……! 私も燦と一緒なら……死んでも構わないです」
愛し合う二人が互いに視線を熱く絡ませ、更に顔が近くなってゆく。
「シホ、愛してるぜ……」
「燦……私も愛してます……」
二人の唇が互いの粘膜を求めあい、舌が絡みつく寸前の距離で――。
「んんんんんッ! なに、この状況ォッ!?」
一部始終を見守っていたシックス伯爵がとうとう我慢の限界を超えてしまった。
「つかさぁ!? 私の城をさもデートスポットのノリでやってきて? 私がいる目の前でなんか知らんけどいちゃつき始めやがって? 挙句にプロポーズからの特濃ベロチューだとコラァ!? 家でやれ
!!!!!」
キレッキレのツッコミで激怒するシックス伯爵が顔面から破壊光線をシホへ向けて発射!
「きゃあ!? 足が竦んで動けません……!」
しっかり死亡フラグを織り込みながらシホは聖なるオーラで障壁を展開する。
だが燦はシホの斜め上の行動に打って出た。
「シホ! アタシに構わず早く逃げろー! うおおお! 華組ファイヤー!!」
なんとシホを庇うように燦が前に躍り出て両手を広げる!
そのまま分子分解ビームが燦に直撃!
「グワーッ!? ヤラレター!」
死亡フラグ台詞を叫びつつその場に仰向けて倒れ、シホの柔らかい膝枕を堪能する燦。
実はビーム直撃の0.9秒前に、燦は凄まじい速度で霊符で障壁を展開して直撃を阻止していたのだ!
なんたるワザマエ!
「しっかりして、燦……! 傷は浅いですよ!」
「ああ、おかしいな……『ちゃんと間合い取っているのでヨシ! 指さし確認したから大丈夫!』……って思ったんだけどな……まずい、走馬灯が見えてきた……シホと眺めた星空が綺麗だった……北斗七星の脇に輝く星があったなぁ……あとシホのバニーガールの格好とかシホの巫女姿とかシホのセーラー服姿とかシホの水着姿とかうへへへへ……ベビードールを着たシホも見てみたいなぁ……想像したらギンギンに萌えちまうぜ……」
独白の後半が完全に燦の脳内シホ着せ替えショーになっていた。
「もう縁起でもない事言わないでよ。あとベビードールは……ちょっと考えさせてください……」
頬を赤らめるシホ。
その可愛さが燦のやる気スイッチを強烈プッシュした!
「あーもう無理だわコレ。シホが可愛くてアタシのリピドーが本気出しちまったぜ……よぉ伯爵? ここからが本番だ……世界で最強に可愛い愛妻(仮)のシホが力を貸してくれるんだ、もう何も怖くない! そのブドウみてーな頭の首を洗って待ってろよ? それはそうと、この戦いに勝って、帰ったらアタシはシホに新作の稲荷サラダを振舞うぜ!」
「それでは私は帰ったら狐うどんを料理しますね。もちろん、燦のために」
シホもにっこりと極太フラグを注入!
燦はトドメに伯爵へ願い出た。
「なあ伯爵? いっそ此処に教会を持ってきてくれないか? 今すぐ式を執り行おうぜー?」
これにシックス伯爵は投げ槍気味に怒鳴り散らした。
「もういい加減にしやがれ! みんな私のイケメンビームで消えてしまえ!」
キレた伯爵が全方向へ顔がいいビームを乱射!
だが此処までフラグを積み重ねすぎて呪いを圧し折った二人が負けるはずがない!
「いいえ、まだです!」
死亡フラグをお代わりしつつ、シホはユーベルコードの【弾葬】聖銃二丁で奏でる
葬送曲による黒白二丁の聖銃が“奏でる”連射音と弾幕で反撃を開始!
「弱点が十字架状物体なら。私の胸元のロザリオも袖の装飾も聖銃の発射炎も全て十字架状です。序に聖者としても光っておきます。あ、ニンニクも投げつけておきますね?」
「弱点全部乗せグワアアァァァアアアーッ!」
伯爵は急激に弱体化して悶絶し始める。
その隙に燦がユーベルコードを発動、フォックスファイア・玖式で生成した炎の鞭を振り回す!
「御狐・燦の狐火をもって炎の武具を成す! あと伯爵! 新しい顔よ! ローストガーリック!」
鞭で焙ったニンニクが伯爵の顔面にへばり付く。
「オンぎゃぁぁあぁ!?」
強烈なニンニク臭でもはや虫の息の伯爵!
「やったか!?」
燦も死亡フラグを駄目押しでぶっこむ。
「ってそろそろいいか? 実際殺る気スイッチはONだからな? これでも喰らえ!」
そう告げた燦は炎の鞭で伯爵を何度も叩きつけ、全身を焼き焦がす!
「圧倒的ではないか、
猟兵軍は! ってことでシホ、ヤッチマイナー!」
「その頭を……砕きます!」
シホが放つ銃声の合奏が伯爵の顔を粉々に削り取り、あっという間に血霞と骸へと変えてゆくのであった。
「呆気なさ過ぎましたね……この程度ですか」
「おいシホ、もう死亡フラグはいいって」
苦笑いする燦の腕の中にシホが飛び込んできた。
「はい。でも、狐うどんはちゃんと作りますから。それと……結婚の事は、真に受けちゃいますからね?」
笑顔に期待をにじませるシホ。
燦はシホの顔を両手で包み込むと、言葉の代わりに行動で回答したのだった。
やっぱり二人の顔が近い……!
<了>
大成功
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