闇の救済者戦争④〜禁じられた獣への道を崩す
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——やあやあ、みんな! 元気そうだね!
——もうすぐ、もうすぐだよ! きみもぼくとおんなじになるんだ。楽しみだね!
●禁じられた獣への道を崩す
歓喜のデスギガスは「禁獣」である。理解不能にして殺害不能な最悪な怪物、その強大さは猟兵の皆が知るところだろう。
そしてそんな存在が増えるとしたら。
「絶対に勝てない……ということはないでしょうが、とんでもなく時間もかかり、苦労する戦いに、なりますよね……」
グリモアベースで猟兵に声をかける寧宮・澪(澪標・f04690)は、それが現実になろうとしていると言う。
ダークセイヴァー第三層、ダイヤモンド・ケイジ。そこには禁獣へと進化を待つオブリビオンが檻に閉じ込められている。金剛石のような固く強靭な檻の外には、何重もの「禁獣への進化を促す儀式魔術」が張り巡らされているのだ。
「ここをそのまま放っておけば、何体ものオブリビオンが禁獣へと進化してしまいます……なので、それを止めてください」
幾重にもある進化の術式を止めてしまえば、檻の中のオブリビオン達は進化しなくなる。一つ一つ解除していく必要があるが、確実に解除すれば必ず終わりはある。
「皆さんにお願いしたい魔術は、『オブリビオンを存在から歪める』魔術です……魔法陣が刻まれた地面や、道具を壊す、進化に至りそうな歪んだオブリビオンを優先して見つけてそこの周辺から解除する、対抗魔術をかけて対処する……など、方法はお任せします」
どうかお願いしますね、と澪は頭を下げ、ダイヤモンド・ケイジへの道を紡ぐのだった。
霧野
霧野です、よろしくお願いします。
●シナリオについて
これは1章で完結する戦争シナリオです。
檻の中のオブリビオン達を進化させようとする儀式魔術を阻止してください。
このシナリオには、以下のプレイングボーナスがあります。
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プレイングボーナス:仕掛けられた儀式魔術を見つけ、解除する。
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●複数人で参加される方へ
どなたかとご一緒に参加される場合や、グループ参加を希望の場合は【グループ名】もしくは【お相手の呼び方(ID)】を最初にご記入いただけると、助かります。
●アドリブ・絡みの有無について
以下の記号を文頭に入れていただければ、他の猟兵と絡んだり、アドリブ入れたりさせていただきます。なければできるだけ忠実に作成します。
良ければ文字数節約に使ってください。
◎:アドリブ歓迎。
○:他のグループや猟兵とも絡み歓迎。
♪:これがあるとシリアスよりはギャグっぽかったりコミカルな感じになるかもしれません。
第1章 冒険
『進化魔術を解除せよ』
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POW : 設置された魔法陣や魔導具を破壊する
SPD : より進化の時が近そうなオブリビオンを探す
WIZ : 儀式に対して対抗魔術を仕掛ける
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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チル・スケイル
◎
了解しました。人々と我々が生き残るため、禁獣の誕生を必ず阻止します。
儀式魔術を見つける事は、特に難しくはないです。魔力が見えるので
存在に干渉する魔術…おそらく相応に複雑で、精密に作られています。だからこそ壊しやすいとも言えます
異世界の「プログラミング」と総称される魔術は、一文字書き足すだけで破綻し修復困難になると聞きました
そこまで簡単にはいかないとしても、原理は同じ。私の魔力を氷弾に乗せて撃ち込むことで、式を改ざんし破壊します
好機ですから、檻の中のオブリビオンも始末します。当然、檻の外から氷の弾丸で撃ちます
すべてを終わらせるために、まずは目の前のものを、ひとつずつ解決します
●
グリモア猟兵の言葉にチル・スケイル(氷鱗・f27327)はしかと頷いた。
「了解しました。人々と我々が生き残るため、禁獣の誕生を必ず阻止します」
送られる先はもちろんダイヤモンド・ケイジ。儀式魔術を見つけるのもチルには容易いこと、魔力が見えているのだから。
青い瞳で檻の辺りを見てみれば、確かに幾重にも張り巡らされた魔法陣。ぐるりと囲ったその中に、複雑な流れが見て取れる。
(存在に干渉する魔術……おそらく相応に複雑で、精密に作られています。だからこそ壊しやすいとも言えます)
悍ましくも精緻で複雑に織り上げられたその陣に、チルはストゥーマ・フシロの先を向ける。練り上げた魔力を込めた氷の弾が周囲へと浮かび上がった。
(異世界の「プログラミング」と総称される魔術は、一文字書き足すだけで破綻し修復困難になると聞きました)
ほんの一文字、余分なコードを仕込めば途端に壊れるプログラム。一文字だからこそ見つけ出すのも難しい。
(たとえそこまで簡単にはいかないとしても、原理は同じ)
チルの魔力を込めた氷弾が魔法陣に突き刺さる。陣を構成する記号を削られ、魔力の流れを阻害されて、魔術式が改ざんされる。
緻密なバランスで存在を歪めていたベクトルを乱された式は、パキリと氷の割れるような音と共に砕けていった。
これで、まず一つ。
檻の中のオブリビオンへも氷弾を打ち込みながら、チルは別の魔術式に着目する。
(すべてを終わらせるために、まずは目の前のものを、ひとつずつ解決します)
まずは禁獣の誕生の阻止。そして、その先にある戦争への勝利を目指して。
大成功
🔵🔵🔵
瀬河・辰巳
◎○♪(何でもOK)
うーん、繊細な魔術は得意じゃないから、見つけたら物理で魔導具とかを壊すか。
「何となくでいいから、危なそうな気配がする所を探して、皆」
UCでお助け部隊を召喚。機動力と野生の勘を頼りに捜索。オブリビオンの気配を感じた場合は隠れて、ネズミや蛇、トカゲなどの目立たない子達に偵察を頼む。
もしオブリビオンの近くに魔法陣等がある場合はオトモダチ(影)に頼み、齧るなり巻き付くなり引っ掻くなりで静かに壊して来てもらう。
遠くの場合?大鎌ぶん回してストレス発散にブッ壊すよ。戦争で相棒(犬)とのイチャイチャもふもふ時間が削られてるからね。
●
『オブリビオンの存在を歪ませる』儀式魔術とやらは、送り出された場所に確かにあるのだろう。ぐるぐると張り巡らされた魔法陣は、繊細なバランスで保たれており見ているだけでも厄介そうだ。
(うーん、繊細な魔術は得意じゃないからなぁ)
瀬河・辰巳(宵闇に還る者・f05619)は魔術で察知・対応するのではなく、物理で対応することにする。刻まれた陣を削ったり、陣を支える道具を壊せばいけるはずだ。
「何となくでいいから、危なそうな気配がする所を探して、皆」
そして優先するのは、進化に至りそうなオブリビオンから。幻影の動物達を呼び出して、彼ら後からも借りることにする。
辰巳は素早い身のこなしと、歪みが大きそうな場所を勘を頼りに目指していく。空気、気配、魔力、そういったもの、けれど明文化できないほどの僅かな差異を見抜いて。
お助け部隊もそういったものを野生の勘で探す。こっちに、あっちが、と異常を感じてはぴるぴる耳を震わせ尻尾を振り、時には羽ばたきで教えながら囁く彼らの声に従って、辰巳は見つけた陣をネメシスの遺物で破壊していった。
幸いにもオブリビオンに会うことはなく、檻の向こうの彼らが出てくることもなく。
ちょっと遠い魔法陣には、苛立ちを込めて大鎌をぶん投げて壊していく。ストレス発散も兼ねてます。
(ただでさえフロッケとの時間が削られてるのに、遠くまで行ってられるか)
早く落ち着いてイチャイチャもふもふふかふかしたい。辰巳の足は、欲望を叶えるべく止まることはないのだった。
大成功
🔵🔵🔵
紫・藍
◎○♪
藍ちゃんくんでっすよー!
やや、見るからに大層な魔法陣や道具が設置されていまっすがー。
これ、こういうのに注目を集めて、本命は隠していたり、予備を設置してたりもあるあるなのでっすよねー。
というわけで歌っちゃおうなのでっす!
藍ちゃんくんの歌は物も現象もファンにしちゃうのでっすよー!
伏せられた魔法陣もいてもたってもいられずピカピカ光り、隠された道具も思わず飛び跳ねちゃうかと!
見つけた術式の数々はせっかく藍ちゃんくんのファンになってくれたのでっすから!
できれば壊すよりも付け足す形で藍ちゃんくんのアートにしちゃうのです!
こういう術式は足されて意味をなさないものにすることでも無力化できるでしょうから!
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「藍ちゃんくんでっすよー!」
金剛石の檻の中、オブリビオンが閉じ込められた場所に、紫・藍(変革を歌い、終焉に笑え、愚か姫・f01052)の明るい声が響く。唸り声が返ってくることはないが、喝采もない。妙に歪な気配が空気に混じるばかりである。
そんな場所には明らかな異変があった。
「やや、見るからに大層な魔法陣や道具が設置されていまっすがー。これ、こういうのに注目を集めて、本命は隠していたり、予備を設置してたりもあるあるなのでっすよねー」
目立つものに注目をひきつけ、本命は裏で粛々と進行していくものであると古今東西相場が決まっているというものである。
というわけで、藍ちゃんくん歌うことにした。
「いっきますよー!」
虚空に向けて歌う藍。ちゃんと理由があるので安心してほしい。すぐにわかるはずだから。
明るく楽しく、弾むハイテンションな歌に、魔法陣すら弾みだす。魔導具さえ飛び跳ねる。もちろん、隠されたそれらも。
藍の歌が物も現象もファンにして、弾む心のままにはしゃぎだしたのだ。
伏せられた魔法陣はピカピカ光って居場所を教え、隠されていた道具は飛び跳ねながら表に出てくる。
「うんうん、皆、元気ですねー!」
せっかくファンになった術式達、できれば壊すのではなくアートな作品に仕立てましょう。
藍は歌いながら紫と藍色の光を指先に灯し、術式にするるっと書き加え。より鮮やかに軽やかに、光り輝くアイテムに仕立て上げる。
魔法陣はステージを照らす照明代わりに、魔導具は音を拡散させるスピーカーに。
書きたされて元の意味をなさないそれらを従えて、藍の歌はまだまだ続くのだった。
大成功
🔵🔵🔵
願祈・廻璃
◎○【巡瑠(f04944)】と同行します。
そうですね。今以上の脅威に進化する前に対処しておきましょう。
戦争で先を急ぎたい気持ちもありますが、放置した事で後から禁獣に挟み撃ちされたら非常に厳しいです。
進化する敵を倒すというよりも、まずは儀式魔術を破壊してしまった方が良さそうですね。
儀式魔術の数は多いですが1つ1つ着実に無力化していきましょう。
巡瑠の後ろに乗ってしがみ付き、巡瑠をフォローしていきます。
儀式魔術を見つけたら巡瑠に伝えて対処しに行きます。
巡瑠の攻撃で壊れたらそれで問題ないですが、ダメそうなものは『願いの筆』の力で対処していきましょう。
【願いの描出】で魔術を無力化したら次へ向かいます。
願祈・巡瑠
◎○【廻璃(f04941)】と同行
流石戦争だけあって厄介な敵や状況が次々と出てくるわね!
デスギガスみたいなやつが増えるなんて考えただけでも寒気がするわ……!
オブリビオン達は檻の中にいるみたいだから、手出しできないうちに儀式魔術を壊して回るわよ!
邪魔が入らないなら私の機動力が存分に発揮できそうね!
『祈りの筆』に跨り、廻璃を後ろに乗せて一緒に飛び回りながら儀式魔術を見つけていくわよ!
【祈りの大筆飛行】で広範囲を索敵しながら、見つけたらそのまま突撃して壊していくわ!
道具なんかは物理的に壊しちゃえば何とかなりそうだけど、魔法陣や術式は怪しいわね……。
破壊だけじゃ足りないものは廻璃に無力化を任せるわよ!
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大きな祈りの筆に乗り、ダイヤモンド・ケイジを飛んでいくのは願祈・廻璃(願い廻る神秘・f04941)と願祈・巡瑠(祈り巡る神殺・f04944)の姉妹。
「流石戦争だけあって厄介な敵や状況が次々と出てくるわね! デスギガスみたいなやつが増えるなんて考えただけでも寒気がするわ……!」
「そうですね。今以上の脅威に進化する前に対処しておきましょう」
筆を操る巡瑠に後ろから廻璃がしがみつき、二人で儀式魔術を構成する要素を探していく。
もしも禁獣が増えたら、それだけでこの戦争が苦戦するのは目に見えている。敗北は必至、いかに被害を抑えるか、という局面に変わるだろう。
そんなことにはさせないと二人は決意を込めた瞳で周囲を探索する。
「先を急ぎたい気持ちもありますが、放置した事で後から禁獣に挟み撃ちされたら非常に厳しいです」
「そうね、急いで行きましょう!」
邪魔が入らないならば、巡瑠の機動力が十二分に活かせる。手出しできない檻の中のオブリビオンを見ながら、気づいた場所から儀式の無効化を進めていけばいい。
白い短めの髪と、黒い長い髪をなびかせ、筆の上で二人はどうすべきか話し合い、結論を出した。
「やはり進化する敵を倒すというよりも、まずは儀式魔術を破壊してしまった方が良さそうですね」
「檻の中にいて手出しできないうちに儀式魔術を壊して回るわよ!」
二人は目を凝らし、飛び回り、広範囲を探す。上空から特に進行の早そうな場所を見つけて、その周辺にある儀式魔術を潰すのだ。
儀式を構成する道具を巡瑠が跳ね飛ばし、廻璃が願いの筆で描く虹色の線が魔法陣を無効化する。
平穏を祈り、願う心のままに、二人は筆の力を活かしてこの場に幾重にも重なる儀式魔術を解いていくのだ。
巡瑠が迷い無く飛び、廻璃が周囲を見回しフォローして。見つけた場所へと向かってすぐに対処するコンビネーション。
物理面、魔術面両方から無効化し、数多くの魔法陣を一つずつ確実に。
決して禁獣を生み出させるものか、と願いを叶えるべく、廻璃と巡瑠はダイヤモンド・ケイジを飛んでいくのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
夜刀神・鏡介
◎○
これまでも「勝てない」「倒しきれない」と言われる相手は多かったが、どうにか乗り越えてきた
……とはいえ、その領域の相手を量産されるのは流石にな。確実に対処をしていくとしよう
俺の魔術知識はそこまで高くないが、とはいえ怪しい何かしらを見つけ出すくらいならどうにかなるだろう
見付けたならば神刀、破魔の刃で斬って解除
そして裏技として、封の型【夕霧】を発動して魔術封じ
もちろんこの魔術封じは発動中の一時的な現象なので、根本的な解決にはならない
だが、魔術を封じた事で周辺には何かしらの変化が起きる筈
変化がおきた箇所を見極めて、そこに何かしらが仕込まれていないかを確認。改めて魔術を解除していこう
●
理解不能にして殺害不能な最悪な怪物、禁獣。
(これまでも「勝てない」「倒しきれない」と言われる相手は多かったが、どうにか乗り越えてきた)
オブリビオン・フォーミュラしかり、猟書家しかり。今現在倒す方法が見えない禁獣も、いずれは乗り越えることができるかもしれない。
(……とはいえ、その領域の相手を量産されるのは流石にな。確実に対処をしていくとしよう)
夜刀神・鏡介(道を探す者・f28122)は神刀【無仭】を携えて、ダイヤモンド・ケイジへと赴いた。
送られた先には檻の中にオブリビオン、そしてその周りに幾重にも張り巡らされた繊細で危ういバランスの魔法陣。鏡介の魔術知識で理解できるほどに歪んだ構成も見えてきた。
見つけ出した怪しい魔法陣に向かい、上段より神刀を振り下ろす。それだけで一つ、ぎりぎり不安定より安定を取った陣が断ち切れた。
また一つ、二つと断ち切って、目に見える魔法陣を切り終えた後、周囲の魔力を封じる神気を発して薙ぎ払う。
(こうして魔術を封じた事で周辺には何かしらの変化が起きる筈)
その狙い通り、魔術が封じられた空間になった瞬間、姿を隠す魔術が切れ、歪みの効力を無くした魔法陣と道具が浮かび上がった。
神気を収めた鏡介は、再び破魔の刃を振るって見つけ出した魔術を解除していく。
一つ一つ、確実に。禁獣を生み出す儀式を成就させないように。
大成功
🔵🔵🔵
リーヴァルディ・カーライル
◎
…オブリビオンの存在その物を歪める儀式魔術なんてあるのね
…上手く解析できれば、逆に奴らを害する事に繋がるかもしれない
…だけど魔法の専門家ではない私では解析する時間も利用する手段もない以上、
禁獣を量産するこの儀式魔術は危険過ぎる。痕跡は欠片も残さず消滅させるに限るわ
「精霊石の耳飾り」に幸運の精霊を降霊して吉凶の流れを暗視して探索を行い、
探し物の魔導具や魔法陣の位置が"幸運にも"判明したらUCを発動
…一見しただけだと高度過ぎて何が何やら分からないけど、多分これね
万物を分解させる"崩壊"の魔力を溜めた指先から緑色の光線を放ち、
原子分解のオーラが防御ごと対象を塵にして破壊する無属性攻撃を行う
●
(……オブリビオンの存在その物を歪める儀式魔術なんてあるのね)
リーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)は今回解除すべき技術魔術について、もしも利用できたなら、とも考えていた。
(……上手く解析できれば、逆に奴らを害する事に繋がるかもしれない)
歪める方向を定めて、害のないように、オブリビオンが弱体化するように。そんなことも可能なのかもしれない。
けれど今は、解除が優先だ。
(……魔法の専門家ではない私では解析する時間も利用する手段もない以上、禁獣を量産するこの儀式魔術は危険過ぎる)
幸運の精霊を耳飾りの精霊石に降ろしながらリーヴァルディは決意する。
(痕跡は欠片も残さず消滅させるに限るわ)
ダイヤモンド・ケイジを探索し、見つけた歪みを抱く檻の周囲を確認すれば、"幸運にも"魔法陣が隠されて居るのがわかる。
「……一見しただけだと高度過ぎて何が何やら分からないけど、多分これね」
ぐるりぐるりと幾重にも張り巡らされ、不安定な陣の上に不安定なものを更に重ねて安定させているかのような術式に魔導具達。
幾つもあるそれに向け、リーヴァルディは魔力を放つ。万物を分解させる"崩壊"の魔力を溜めた指先から緑色の光線を放ち、魔法陣を構成する記号や線を、刻まれた地面ごと塵へと変えていく。
一度に多くは破壊できずとも、痕跡を残さないように、塵一つ残さないように。
歪んだ魔法陣が、存在そのものを消し飛ばされていくのだった。
大成功
🔵🔵🔵
シビラ・レーヴェンス
露(f19223)♪
これが進化を促す魔法陣か…。
一見しただけだが面白い術式で組まれているようだ。
「さて、まずは…」
魔法陣に解析と鑑定を一つずつ行ってみようか。
パフォーマンスで身体機能を上昇させリミッターを解除。
念の為に呪詛耐性とオーラ防御を身体に纏っておこう。
準備が整ったら一番端の陣から順番に取り掛かる。
見切りと野生の勘を利用しハッキングで解析と鑑定を。
全てを識ることは困難だろうから極力…かな。
私の理解できない術式も組み込まれているだろうしな。
「…ん。なるほど」
次に理解した範囲で魔法陣の破壊を試みる。
限界突破した全力魔法で破魔の力を以って効果を消去。
完全な消去が不可能な場合には呪力の弱体化を行う。
解析と鑑定の結果によっては道具を使用し陣の破壊を。
式の一部を削り取って効力の消去や弱体化を行おう。
ただし削り取る手段は慎重に決定しようと思っている。
削ることでどんな作用が働くかわからないからな。
逆効果になる可能性や害がある効果になる可能性もある。
一番初めに露にも念を入れておこう。念の為に、な。
神坂・露
レーちゃん(f14377)
わー♪これが進化をすすめる魔法陣なのね…。
淡い色で輝いててとっても綺麗だけど悪いものなのね。
ちょっと勿体ない気もするけどレーちゃんと協力して壊すわ。
あたしはレーちゃんをサポートする感じでいくわね。
だってだってこーゆーのあたしはよくわからないんだもの。
だからレーちゃんのすることを興味津々に見守っているわ。
…あ。一応だけど周囲の警戒をしておこうかしら。
レーちゃんの行動や仕草はあたしにとって新鮮で。
時々あたしにはよくわからないことを呟いてまた何かをして…。
なんだかレーちゃんにとってこの魔法陣は面白いものみたい♪
楽しそうにしてるレーちゃんを見てるのはあたしも楽しくなるわ。
「術式の一部を…削っちゃうの…?」
方法の一つみたいだけどこの変な文字を削るって方法があるみたい。
へー。へー。一つの単語だけ消しちゃっても効果が消えちゃうのね。
でもこのやり方には危険があるみたいでレーちゃん悩んでて。
うーん。危ないやり方なのね。…あ♪
「ねえねえ、あたしのUCを封じるのって役に立つかしら?」
●
暗い世界に浮かび上がる魔法陣は淡く光っており、見ようによっては奇麗とも取れるものだった。
ぐるりとダイヤモンド・ケイジに存在する魔法陣。オブリビオンを禁獣に変えるというそれは、複雑な構成であるのは間違いない。
ここにあるのは存在を歪めるというから、なお。
「これが進化を促す魔法陣か……」
一見しただけでも興味深い術式で組み上げられたそれをシビラ・レーヴェンス(ちんちくりんダンピール・f14377)は観察しつつ方針を定めていく。
「わー♪ これが進化をすすめる魔法陣なのね……」
神坂・露(親友まっしぐら仔犬娘・f19223)は少々奇麗な魔法陣を壊すのはもったいないかも、と思いながら、悪いものであるならば、と親友を手伝い壊すつもりでいた。
「さて、まずは……」
まず行うべきは解析、鑑定。シビラは自身の身体機能を強化し、防御の力を体に纏う。露は解析などの行為は得意にはしていないが、シビラの指示通り動けるよう、かつ周囲に危険がないように備え、警戒していた。
生き生きとした表情で準備を整えたシビラは、一番端の陣から取り掛かる。陣を読み、魔力の流れを読み、法則を、命令を読み込んでいく。出来上がったプログラムを解析していくように。干渉する先を、設定された動作を鑑定するように。
完全に理解するには時間がいくらあっても足りないから、必要な部分を極力検討をつけながら見つけ出していく。
理解できないものを見て、観察して、シビラの表情はむしろ楽しそうなものへと変わっていた。
(なんだかレーちゃんにとってこの魔法陣は面白いものみたい♪)
露は周囲を観察しながらも、そんなシビラの様子をにこにこ見守っていた。露にはわからないことをぶつぶつ呟いたり、なにをしているかわからない行動をしているの新鮮で、興味津々見つめるばかり。
ただまあ、楽しそうなことはわかるので。露はシビラが楽しそうで、自分も楽しくなってきた。
しばし解析をしていたシビラの動作が止まる。
「……ん。なるほど」
理解できそうなものは把握した。ならばあとはそこを狙う。
シビラは魔法陣の解析できた部分へと干渉する。構成する式の要を見つけ出し、純粋な魔力で文字を一つ削り取る。暴走する気配がないのを確認してまた一つ。
完全無効化を一気にやるのは暴走の危険があるかもしれない、と慎重に。一つの式の効力の消去や、弱体化を繰り返し、陣の解除を狙っていくのだ。
「術式の一部を……削っちゃうの……?」
「ああ。例えば特定の条件を消せば、その先書かれた式に辿りつけなくなる。指定している対象を定める文字を消せば、陣が巡らなくなるだろう」
「へー。へー。一つの単語だけ消しちゃっても効果が消えちゃうのね……?」
あくまで方法の一つではあるが、と付け足された解説に、露は目をまあるくしながらシビラの手並みをか見つめていた。
「じゃあナイフとかで適当に削ってもいいのかしら?」
「ここではやめておけ。削ることでどんな作用が働くかわからないからな。逆効果になる可能性や害がある効果になる可能性もある」
「そうなのね〜……レーちゃんのお手伝いができたら良かったのに」
「今やっているように魔力で削るのも危なっかしいんだ」
さくさく削れれば早かったのだが、それはだめなようで。丁寧にやりながら念を入れて止めてくるシビラに露はまた首を傾げて。ぴん、と思いついた素振りでにぱっと笑ってみせた。
「ねえねえ、あたしのユーベルコードを封じるのって役に立つかしら?」
「うん? ……駄目だろうな」
「だめなの?」
「これは、ユーベルコードではないから」
魔力や魔法自体を封じるならば効果があっただろう。魔法陣がユーベルコードで作られていたならば、もちろん封じられたかもしれない。
けれどこの魔法陣がユーベルコードとは関係のないものなのだ。
「だから、駄目だろうな」
「そうなのね……」
手伝えると思ったのに、としょんぼりする露に、魔法陣の一つを無効化し終えたシビラは手を伸ばし、頭を撫でてやる。
「考えてくれたのは伝わった。それに、傾向も読めた。私の指示通り手伝ってくれるか」
「ええ♪ お手伝いするわ♪」
シビラがそう言葉を掛ければ、露は笑顔になって抱きついてくる。
やれやれと一つ息をついて、シビラは露を受け止め次の魔法陣に向かうのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵