冥狼の後継者へと至る者
エミリヤ・ユイク
いつも素敵なノベルを書いていただき誠にありがとうございます。今回はエミリヤの設定の補強、現代編ですね、それをお願いしたくリクエストさせていただきました。エミリヤは覚悟と気合いと根性で限界突破してるうちに全身が金属細胞になり、心臓が核融合炉になりました。しかし、エミリヤはあくまで人間です。
ですので、エミリヤが知り合いに言われた時や、戦闘で打ち倒した誰かに言われた時や、敵と相対した時に言われた時の台詞を書かせていただきます。今回は研究所が用意した強敵との対決でエミリヤが圧勝した時の台詞です。
・エミリヤ
「私の全身が金属細胞になり、心臓が核融合炉になり、覚醒して眼の色が変わり左の瞳に六芒星が浮かび全ての事象が非常に遅く感じ、冥狼から覚醒して焔狼になり全身に炎を纏い、刀に青紫の炎を纏い、強化されて人間を超越していってる、とな?で?その理由?理屈?道理?なんだそれは?何故そんなにも小賢しい?そんなのは知らないし興味もない。糞みたいな研究者の玩具にされてるうちに、唯一無二である完全成功体である私は純然たる限界突破を繰り返してるうちにこうなったにすぎない。これを理由や理屈、道理が通らないと言うのならそれはそれで構わない。私は私の道を突き進むのみだ。そうだな…、あらゆる敵や自分自身に対して言うとすれば…まぁ言うなればこうか。
【私を誰だと思っている!勝つのは私だ!!理由や理屈、道理など知ったことか!そんなのは私の中にはない。あるのは唯一つ、己を超え敵に勝つという意志のみだ!】
そして、…時空間?そんなものは刀で突き貫く!斬り裂く!拳で殴って破壊する!そんなもの私にとっては無意味と知れ!」
という意志の塊にして怪物がエミリヤです。エミリヤには敵に対して容赦も慈悲も全くない、まさに冥府へ送る狼…冥狼と呼ぶに相応しいと自分自身で確信し、完全成功体であることに誇りを持ち、あらゆる敵や障害を突破するという自負すら感じています。故に、一切の躊躇もなくエミリヤは倒した相手の首を斬り落とす。感情などなく、淡々と冷酷に…。そして「まだだ!」という、更にその上をいく覚醒もあるため手に負えないのがエミリヤなのです。
相手の呼気も乱れたまま、先程同様に構える様子から戦意は未だある。殺さなきゃ。
「(あぁ、負けたくない)」
上がる息を深く吐き抜きながら思う。
「フー……フー……私、は!!」
気付けば肌が切れなくなっていた。
受け止め損ねた相手の刃に切られると思ったのに、鋭利だったはずの刃は私の肌を滑っただけ。
どうして?なんて考える暇もなかった。
ドクドク脈打っていた心臓は今や燃えるように熱くて仕方がない。
「(……――きっと)」
そう、きっと私は
自分をうまく作り変えてしまったのかもしれない。
きっと全ては
家に帰れば分かるけれど。
けれどどうしてか……この変化に、私は初めて私が私になれたような心地だった。
『そろそろ終わりにしようじゃないか、
バケモノ!』
「(あいつは遅い)」
吼えた程度で向かってきて、あんな亀みたいな足取り、欠伸が出そう。私の世界はもう何もかもがゆっくりとして見える。
聞こえる声くらいは普通に聞こえるから、多少の違和感はあるけれど。
全て全てが下らない。全部全部が遅くてつまらなくなってしまう。
「私は理屈も理由も道理も――そんな小賢しいもの、いらない」
そんなもの疾うに捨てたから。
首輪の嵌まっていたあの時に、そんなもの捨ててしまった。髪に似た夜のようだった瞳は母の海色と眩き星を湛え、気付けば母の海色には六芒の星が瞬く様に。
私が変わってゆく。世界が変わってゆく。共に在る黒狼も気付けば私の瞳に似た青紫の炎を纏い、主たる私を“先”へ導いてくれた。
心地が良い。
「私は私になる。“先”へ行く――!」
振り抜いた刃が相手の腕を斬り飛ばせたのは、動きが良く見えて勉強した通りに関節狙い刃を入れたから。きれいにきれた。よかった。
気付けば私は――散々聞いた“完全成功体”の言葉を、いつしか私自身の勲章のように感じていたから。
だからもっと先へ行きたい。
本当にもっと。もっともっと、世界の先へ。限界の先へ……!
『ガハッ……!くっそ、このバケモノめ!!』
「私は踏みこんだだけ」
『こんな、こんなもの人間じゃねぇ!!』
「……だから何?私はお前の理屈も道理もどうでもいい。全部斬る」
呻いて後退る相手の名前が思い出せない。
いけない、
先生は標的を忘れるなって言っていたのに……あぁ、顔は合っている。間違いない。●▼コーポレーション■■研究員、52歳独身名前――……名前、は、繝輔ぃ繝ウ繝?繝ェ繧「・繝ォ繝ャ繝シ繝√ぉ……?あれ?
前の前の獲物が喚いている。
うるさいな。
煩い。
『は、ははははは!!!これを起動したんだ、俺もお前も終わりだよ!一生出られな――』
「うるさい!!こんなのが何!?こんな一時時空間ポッド!こんなもの!」
『…………は?』
斬る。
斬る。
斬り捨てる。
いらない。こんな空間も、あいつも。
価値もない頸。どうせ斬った報告だけすればいいんだから。
「……報告、行かなきゃ」
少女の冷たい声を最後に映像は終了した。
異常が新たに見つかったディスクの一部であり、被検体No:f39307の資料である。
ベース被検体細胞No:f04458
合成被検体細胞No:f39247
カメラと被検体少女の意識リンクをしての戦闘記録映像であった。
被検体少女の苛烈な思考記録からして恐らく“教育”の賜物と思われる。また、少女の意識リンクにより確認された“人間”のはずの少女の変化記録は当たらに検証および捜索するものとする。
またディスク記録:破損補修成功。少女の言葉以降、データ記録器破損により記録自体失敗の資料有り。
再生を終了する。
成功
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