明るい荒野と発展途上の小国家にて
エリカ・タイラー
※全員リクエスト
キャバリアについての勉強を目的として、
マスターが設定されている小国家で、貸与されたキャバリア(とパイロット用装備)を用いた作業に従事します。
多少の怪我や失敗は厭わず積極的に行動し、公序良俗に反する行動で無ければ、座学・整備・シミュレーター等何でもやります。
マスターのグリモア猟兵の登場も構いません。
小国家や関わるNPCの設定補強にもどうぞ。
エリカ・タイラー(騎士遣い・f25110)は砂を含んだ荒々しい風に目を細めつつ、クロムキャバリアの世界にある自由小国家『アンダンテ』の街並みを見回した。
「それじゃねぇ~この国のキャバリアの乗り手のみが集まる団に案内するよ!」
と、エリカの肩に座っている白いフェアリー、ルフェリア・アルフェルド(戦うモノサシスト・f30069)が明るい声を上げた。
「団……つまり、この小国家を守っている組織でしょうか?」
「そうだよ。人手不足じゃないし、キャバリアに関してはボク達が主導で任されているんだよ♪」
エリカの疑問にルフェリアは答えながら“団”がある場所へと道案内をする。
大きな博打闘技場があったり、行き交う住民は様々な種族であったり、と正に自由小国家と謳うだけある。
「思ったのですが、治安が悪いような感じがしているのに……」
無骨な建築途中の建物から、しっかりとした建物が並ぶ間にある路地へ視線を向けた。
無い、ゴミも薄汚い恰好をした住民さえも無い。
「う、うん……それは、このアンダンテが出来た頃は多かったよ」
「今は違うのですね?」
「へへへ、ボクのお陰かもしれないね! あ、このゲートの先だよ」
照れながら話するルフェリアは顔を上げると、キャバリアよりも遥かに高い頑丈そうな塀と両開きのゲートをエリカも見上げた。
ガコッ、と機械音と共に何かが外れる音と共に静かにゲートが左右へ開いた。
「(この先に――)」
エリカは未知の領域に足を踏み入れた。
窓が無く、眩しい位の灯りが武装された無数のキャバリア整備用スペースを照らしていた。
「ようこそ、わが団へ!」
エリカの肩から飛び上がり、眼前へと移動したルフェリアが笑顔で言った。
暗い世界、ダークセイヴァーで人形を扱い生きてきたエリカ。
色んな世界を見て、珍しい武具や戦い方を新たな猟兵達と出会う度に知り、そして自身もその力を扱いたいという知識欲だけで来た。
キャバリアの狭いコックピットに座り、担当の整備士がエリカに専門用語を嚙み砕いて解り易く説明してもらっていた。
「操縦は何となく出来たけど、人形や複雑な武器よりも繊細で芸術的な作りなのですね」
「そんな大げさよ。どんなに悪いモノから丈夫なキャバリアを作るのか? 弱小な小国家は悩む事だらけよ」
エリカの言葉を聞いた整備士は苦笑しながら答えた。
「おーい、模擬戦闘するけど参加するー?」
パイロットスーツに身を包んだルフェリアがコックピットに飛び込んで来た。
「シュミレーターとかそんな感じですか?」
「ううん、そんなモノはまだ無いから練習機とか~もっと本格的なら闘技場に出るんだよ!」
「その、闘技場の乗り手はどういう方々なのでしょうか?」
模擬戦闘となれば団の統率が取れており、戦いに特化しており相手としては申し分はないであろう。
だが、闘技場とはいえ賭け事が絡む娯楽とも言えるキャバリアでの戦闘は、どんな戦いをするのか興味がある。
「うちの団員も出てるし、色んな国家を渡り歩いたり、ただキャバリアで戦いだけの乗り手だったり色々だよ」
「闘技場に出ても良いですか?」
「じゃぁ、ボクも一緒に搭乗するよ。ルールとか色々あるからね♪」
エリカは力強く頷くと、団から直ぐに動かせれるキャバリアを借りて闘技場へと向かった。
『団から特別ゲストだ!』
司会者の声と共にエリカが騎乗しているキャバリアが闘技場内に姿を現す。
「障害物も多いですね。それに――」
コクピット内で浮かぶディスプレイに映し出された風景を見てエリカは呟いた。
闘技場内はまるで廃退した町の様で、ボロボロの建物は遮蔽物として使うのは理解する。
「他の参加者は別々の箇所から入っているよ。このキャバリアにはAIが搭載されているよ」
「確か――アマービレ様。他のキャバリアの位置を教えてください」
エリカが事前に聞いていたAIの名前を呼び、愛らしい少女の合成音声が答えるとディスプレイに3Dの地図が映し出された。
「死角からの近付いて、挟撃!?」
サブマシンガンを手に取ると、死角から現れたキャバリアに銃口を向けてフルオートで攻撃をする。
「アラート、一時の方向から近接タイプが来るよ!」
「っ!」
空いている手でナイフを取り、エリカは素早く言われた方向へと投擲した。
カメラ部分にナイフが刺さり、相手のキャバリアは戦闘不能になると同時に場内から撤退する。
シュミレーターや模擬戦よりも猟兵として動きが求められる戦いはあっという間に終わり、エリカはルフェリアに誘われて闘技場で優勝した祝いに自身のライヴへと招待した。
「この小国家が平和なのはこいう事ですか」
エリカはライヴを見つつ、住民達が歌声や曲に合わせて楽しく踊る姿を見て小さく微笑んだ。
眩しい位に星の輝く夜空の下で――
成功
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