●青春の一ページが
竜頭の青年は悩んでいた。
過ぎ去りしバレンタインデーに、気になるあの子からチョコを貰ってしまった――いつもお世話になってるお礼と彼女は言っていたが、それはさておき。
お返しは弾まねばならない。しかし学園に身を置いてから修練と迷宮攻略にひたすら勤しんできただけの自分には、異性の喜びそうなものなどわからない。
何かいい手はないだろうかと学友に相談を持ちかけてみると。
「そうだな……迷宮イチゴのスイーツなんてどうだ?」
なるほど、迷宮イチゴ。自分も野生の実を食べたことがあるが、なかなかに美味かった記憶がある。さっぱりとした爽やかな甘酸っぱさは、探索の疲労を吹き飛ばしてくれるかのようだった。
「栽培フロアのイチゴ、今年は豊作で特に出来もいいって話だ」
彼女は甘い物も好むし、時期的にもちょうどいい。
妙案だ。ありがとう、友よ。今度何か奢ってやる。
よし、あとはホワイトデーに合わせてスイーツを入手するのみ――。
●破られようとしている
「うわあ、まずい! 迷宮イチゴが! 新作スイーツがああ!」
グリモア猟兵の影守・吾聞(f00374)がこの世の終わりのような顔をして騒いでいる。何事かと集まってきた猟兵たちに、少年は事情を説明する。
学園地下迷宮の一画に存在する、迷宮イチゴの栽培に使われているフロア。その道中に、かの世界のオブリビオン“災魔”が大量に湧き出すのだという。
「あの道を塞がれたら、収穫に影響が出ちゃうんだ。迷宮イチゴのスイーツ、学園でも楽しみにしてる人が多いのに……」
災魔を放置しておけば、学園に侵攻してくる可能性も考えられる。早急に対処に向かう必要があるだろう。
「湧き出す災魔と接触して、討伐するまでが今回のミッションだよ。お願いできるかな」
吾聞曰く、予知で確認できた災魔は剣と盾、弓で武装した骸骨だという。
「もしかしたら、群れを率いてるボス災魔もいるかも。見つけたらそいつもきっちり倒さないと、だね」
よろしくと一礼した後、吾聞は仲間たちへ続ける。
「そうそう、迷宮イチゴのフロアではね。今の時期はイチゴ狩りが楽しめるんだ」
興味があったら戦いの後に寄ってみるといいだろうと、少年は尻尾を大きく揺らして笑った。
藤影有
お世話になっております。藤影有です。
学園とイチゴを守るべく、猟兵の皆様の力をお貸しいただけますと幸いです。
第1章は【集団戦】、第2章は【ボス戦】です。
無事にボスを討伐できれば、第3章でイチゴ狩りを楽しめます。
●イチゴ狩り
栽培フロアでのイチゴ狩りです。
その場で食べても良し、お持ち帰りしても良し。
複数人参加の場合、【お相手の名前とIDorグループ名】の明記をお願いします。
※アイテムの自動発行はありません。
※第3章のみの参加も可。
●グリモア猟兵について
影守・吾聞(f00374)は、第3章でお誘いプレイングを頂いた場合のみ登場します。
それでは、皆様のプレイング楽しみにお待ちしております。
第1章 集団戦
『死霊兵』
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POW : 剣の一撃
【血に濡れた近接武器】が命中した対象を切断する。
SPD : 弓の一射
【血に汚れた遠距離武器】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
WIZ : 連続攻撃
【弓の一射】が命中した対象に対し、高威力高命中の【剣の一撃】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
👑11
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●災魔狩り
転移前に示された災魔の出現ポイントまで、猟兵たちは真っ直ぐに駆けていく。
道中に張り巡らされた配管から時折、蒸気の音が聴こえてくる。この先に在る栽培フロアでは蒸気と魔法の技術を応用し、適温適湿を保つことで質の良いイチゴの大量生産を実現しているのだという。
今年のイチゴは特に瑞々しく、甘味も強いとか何とか。
戦闘後のイチゴ狩りにも、期待できそうだ――などと、考えた者がどれだけいたかは定かではないが。
程なくして辿り着いた広めの空間に、ささやかな楽しみを阻む奴らが屯していた。
広間の向こう側には、栽培フロアまで続く道が見える。災魔の群れは向こうにもこちらにも、積極的に移動する様子は見られない。
まるでただ道を塞ぐために存在しているようでもあるが、それならそれで僥倖だ。目立った動きを見せる前に、殲滅してしまえばいいのだから。
セルヴィ・アウレアム
「どこもかしこもイチゴ、イチゴ、イチゴ。こんな人気なんやったら、ウチも仕入れるべきやろかね。」
「まあ、何にせよ。金のなる木が眼の前に転がっとるんに、それをむざむざ骨公共に潰されてたまるかいな、って話やな!」
●行動「POW/UC:【マギア・ガトリング】で攻撃。」
下手に相手の間合いに入るより、遠距離から数を減らしたほうが吉。
まずは不意をついてガトリングによる掃射をはかり、見える範囲の骨共を軒並み撃ち抜き、強引に道を作る。
残りのスケルトンは後続の猟兵達に任せ、先んじて災魔が湧き出しているフロアへと進んでいく。
八上・偲
イチゴ。イチゴ。
美味しそうだなあ。
……はっ、今はそうじゃなくて! お仕事しなくちゃ!
たくさん骸骨がいるみたいだから、
『讃えよ我は灰燼の女王』で数を減らしていきたいな。
炎はわたしにとっては友達みたいなものだけど、
あなたたちにとっては、どうかな。
【オーラ防御】で最低限の守りはしつつ。
あまりにも近づかれたら【衝撃波】で吹き飛ばそうとしたり。
余裕があれば事前に『黒騎士を伴う残火の王女』で騎士の霊を呼んで
守りを手伝ってもらおうかな。
ガイスト君、お願いね。
※アドリブ歓迎です!
ラヴィ・ピーチローズ
迷宮イチゴ、ですか…とっても美味しそうですねぇ(にへ)
お兄さんのホワイトデーのためにも、そして私も味見をさせていただくためにも
頑張りますっ!(拳を握り)
■戦闘
「さぁ、ポチ。あの骨骨さんをパックリいきましょう!」
UC【ライオンライド】を発動し、ライオン(低迷・ポチ)に跨がり
颯爽と戦域へ。
「ポチの噛みつきと私の弓矢でたくさん倒しますよっ!」
と、ポチの上から武器の薔薇桃の弓で死霊兵を蹴散らしながら射抜く。
他の猟兵がいれば、連携し
ポチで撹乱の上
「わたしにお任せください!」と
【援護射撃】を。
【野生の勘】を駆使し
「ポチ、今ですっ!突っ込みましょう!」と息を合わせ
連携し攻撃を繰り広げる
※アドリブ&絡み大歓迎
クレイ・ギルベルン
・WIZ
災魔も狩って、苺も狩って
まさに一石二鳥というわけですか
ええ、この猫の手でよければお貸ししましょう
他猟兵の皆さんとも連携して
積極的に【先制攻撃】を狙いましょう
ギミックゴーグルから閃光を放ち【目潰し】
隙を作りつつ
【高速詠唱】で即座に【サモニング・バンダースナッチ】発動
燃え盛る身体(【炎属性攻撃】)で敵陣に突撃
――さあ。やめ、と言うまで、好きに遊んでおいでなさい
ある程度デコイにもなってくれれば良いのですが、
霊ですから、物理攻撃には…どうですかね
私自身は後方支援
ギミックゴーグルの機能と強化した【視力】を駆使して
熱線を放ち【スナイパー】の立ち回り
敵の攻撃は動体【視力】と【第六感】で【見切り】回避
テン・オクトー
人の恋路は応援したくなるね。青年のためにも迷宮イチゴを守らないとね。ボ、ボクもイチゴ狩りしたいし…。(ホンネ)
WIZ
接敵したらUCどっかーん!攻撃兼目くらましだよ。弓外してくれるといいなあ。骨と鈍器って相性いいと思うんだ。バッキバキに殴りに行くよ〜。【技能:範囲攻撃、衝撃波、気絶攻撃】骨を砕いてしゃれこうべの山を築きましょう。
連携アドリブ歓迎です。
●
「イチゴ。イチゴ。美味しそうだなあ」
「迷宮イチゴ、ですか……とっても美味しそうですねぇ」
八上・偲(f00203)とラヴィ・ピーチローズ(f04606)、二人の少女の足取りは軽い。まるで弾む心がそのまま現れたかのようだ。
「どこもかしこもイチゴ、イチゴ、イチゴ。こんな人気なんやったら、ウチも仕入れるべきやろかね」
偲とラヴィのにこにこ顔を見て、共に駆けるセルヴィ・アウレアム(f14344)は思案する。迷宮イチゴの商品価値は如何ほどのものだろう。頭の中で算盤を弾くのに集中する、その前に。
「まあ、何にせよ。金のなる木が眼の前に転がっとるんに、それを――」
セルヴィは広間の入り口で立ち止まり、右腕をすっと敵に向け。
「――むざむざ骨公共に潰されてたまるかいな、って話やな!」
内蔵されたガトリングガンから勢い良く魔力弾をぶっ放した!
「下手な鉄砲もなんとやら……舐めとーと後悔するでぇ!」
突然の弾丸の雨霰に、右往左往するしかない災魔の群れ。剣を振り上げて向かって来る者も、猟兵に攻撃が届くより前に手足を砕かれ地に落ちる。
視界に入った骸骨どもを軒並み撃ちぬいて、開かれた道へと。
「お兄さんのホワイトデーのためにも、そして私も味見をさせていただくためにも」
踏み出すはラヴィと。
「さぁ、ポチ。あの骨さんをパックリいきましょう!」
召喚したライオン・ポチのコンビ。主たるラヴィを背に乗せて、ポチは俊敏に戦場を駆けながら一体また一体と骸骨を砕いていく。
災魔どもも黙って砕かれるばかりではない。幾体かがライオンを抑えに掛かり、その後方から別の幾体が血に汚れた弓矢を構える――どうやら烏合の衆というわけでなく、連携する程度の知能はあるらしい。
「……はっ、今はそうじゃなくて! お仕事しなくちゃ!」
未来に待つ楽しみよりも、今は目前の仲間の危機をどうにかせねば。偲も己の戦意を奮い立たせ、灼炎を宿した槍を小さな手で握る。
目標は遠隔よりラヴィとポチを狙う骸骨ども。くれてやるは。
「――炎は灰から甦るもの。炎はわたしにとっては友達みたいなものだけど」
己を証明するものである槍を変化させた、燃える桜の花びら。
「あなたたちにとっては、どうかな」
灰燼の女王から贈られた葬送の花は、災魔をぐるり取り巻いて。その魂を骸の海へと還していく。
先程まで在った場所に灰すらも残っていないのを確認し、偲はオーラを展開して防御の構えに入る。が、攻撃が届く気配はない。彼女に反撃可能な位置にいる骸骨はすべて、前に出たラヴィとポチが引き受けていたからだ。
「ポチ、今ですっ! 突っ込みましょう!」
薔薇桃の弓を落とさぬよう、相棒の背にしっかりと跨って、ラヴィは黄金の獅子を敵へとけしかける、突進を受けた骸骨どもが、またばらばらと形を崩していく。
「……敵さんもだいぶ減ったやろか」
セルヴィが再びガトリング掃射の構えに入った、その時。
●
「この猫の手でよければお貸ししましょう」
「ボクも! バッキバキに殴りに行くよ!」
援軍登場。クレイ・ギルベルン(f04293)とテン・オクトー(f03824)、二人のケットシーが追いついた。
「災魔も狩って、苺も狩って。まさに一石二鳥というわけですね」
ギミックゴーグルのレンズと、奥に隠した金眼をきらりと光らせて。
「おいでなさい、狂える怪奇よ――さあ。やめ、と言うまで、好きに遊んでおいでなさい」
クレイが招来するは、獰猛な異形の獣の霊。それが燃え盛る身体で災魔の群れに突撃するのを見送って、自身は後方支援の準備に入る。
「お兄さんのためにも迷宮イチゴを守らないとね」
一方で、テンはフレイルを手に前線へと駆けていく。イチゴを楽しみにする者の一例として挙げられた恋路の話は、少年が思わず応援したくなるものだったから。
(それに。ボ、ボクもイチゴ狩りしたいし……)
勿論、自身もイチゴを楽しみたい。戦う理由としては十分なものだ。
小さな身体に群がってくる骸骨どもには、大きく振りかぶった鉄球をプレゼント。
広範囲を薙ぐ鈍器での攻撃は、骨の身体を持つ敵に有効に働いたらしく。テンが武器をひと振りするたびに、彼の周りにはしゃれこうべの山が築かれていく。
自身に襲いかかってきた一団を全て片付けたことを確かめて、テンがフレイルを握り直した、その時――武器の鎖の射程の外に、弓を構える骨どもが見える
「……!」
咄嗟に指先を向け、天からの裁きの光で迎え撃つ。しかし纏めて片付けるには至らない。一撃食らうことを覚悟し、身構えたテンだったが。
骸骨のこめかみを、熱線が穿つ。頭を吹き飛ばされ、残された身体はばらばらと崩れ去り。引き絞られた矢は、天井に向けて飛んでいった。
テンが熱線が飛んできた方を見ると、そこではクレイがゴーグルの位置を直している。少年の視線に気づき、年上の猫妖精は笑って頷いて見せた。
程なく、その場にいた骸骨の群れは片付いた。
これで全部なのか、まだ増援があるだろうか。猟兵たちが調査に移るよりも先に。
『あら、みんな壊しちゃったの? 召喚するの、楽じゃないのよ?』
元凶が姿を現した。
大成功
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第2章 ボス戦
『セイレイに愛された少女の亡霊』
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POW : 『黒き焔』と遊ぶセイレイ
【揺らめく複数の黒炎玉 】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD : 『旧き幻想の知恵』のドレス
対象のユーベルコードを防御すると、それを【古代精霊言語に変換し身に纏い 】、1度だけ借用できる。戦闘終了後解除される。
WIZ : 『私も精霊に愛されたかった』
自身に【数体の黒い生霊(セイレイ) 】をまとい、高速移動と【威力の高い魔術の衝撃波(ウェーブ)】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
👑11
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●さみしがり
声の主は、魔導士めいた亜麻色の髪の少女であった。
『この先に、人々が楽しみにしているものがあるんですってね』
通路の先にちらりとやった視線を猟兵たちへと移す少女。
『……妬ましいわ』
翠の瞳は美しいが、そこに光はなく。
『私には手に入らない温もりなんて』
ただ、ひたすらに冷たく。
『壊れてしまえばいいのよ』
今を生きる者とは、けして相容れない。
八上・偲
自分は手に入らないから、羨ましいからって壊したりするのは駄目なの。
みんなは楽しみにしてるし、わたしも楽しみだから。
邪魔するなら、どいてもらうの。
『炎帝の審判来たりて』の火を一個にまとめて投げつけて
【属性攻撃】するね。
これはさみしがりなあなたに贈る薔薇のお花。
ちょっと熱いかもしれないけど、気に入ってくれる?
【2回攻撃】もできたらいいよね。
向こうの攻撃は【オーラ防御】や【激痛耐性】で耐えようと。
先に倒れるのがあなたなら、わたしの勝ち。
※連携・アドリブ歓迎です!
ラヴィ・ピーチローズ
あなたが、この骨骨さんを召喚したのですね…!
妬ましく思ったからって、それを奪うのは許せませんっ。
苺を楽しみにしている人々のためにも、あなたを退治させていただきますっ
■戦闘
他の仲間と連携重視。
武器【聖痕】の光で敵の意識を逸らせたり敵の攻撃を邪魔しつつ
桃薔薇の弓で遠距離より攻撃を
敵に近づかれたら
UC【ガチキマイラ】で腕をライオンの頭部に変身させ
近距離で攻撃を加える&生命力の吸収を
「ポチ2号、食べちゃってくださいっ!」
UCを借用されたらまた後衛に引き、弓での攻撃を加え
「壊れさせたりなんか、させませんっ!」
真っ直ぐで力強い瞳と共に、懸命に弓矢を引き
仲間の攻撃のアシストを行う
※アドリブ、絡み大歓迎ですっ
クレイ・ギルベルン
・WIZ
(……少しばかり嫉妬で荒んだだけの、ただの少女であったなら)
(共に楽しみましょうと、この先へ誘うのも……やぶさかでないのですけれど)
――過去であるあなたには、何も関係のない話です
つまらない八つ当たりなんてさせませんよ
会敵時《ギミックゴーグル拡張機能》を用いてマーキング
【追跡】し高速移動に対応
あなたのセイレイと私のしもべ
あなたの魔術と私の技術
どちらが速いか競争しましょう
【サモニング・バンダースナッチ】でのUDC召喚を継続
襲わせるそぶりを見せてフェイントをかけ囮にしつつ
後ろに回り込み【熱線放射】で【だまし討ち】
【破魔】の力を込めて
纏ったセイレイごと撃ち抜きます
テン・オクトー
温もりが欲しいの?精霊ではなくセイレイに見初められてしまった?可哀想だけれど、でも自分の手に入らないものだからと壊すのはダメだよ。でも現状貴女は通路を封鎖してるだけでイチゴ荒らしてるわけではないんだね。ほんとは誰かと一緒に楽しい時間を過ごしたかったのかな?
寂しそうな少女をただ消滅させるのではなく、少しでも理解してから骸の海に還したいな。
WIZ
UCをぶつけるよ。セイレイをUC竜巻効果で吹っ飛ばせないかな?高速移動も風で抑えれないかな?UC鉤爪攻撃と共にボクも武器で攻撃。こちらからも【衝撃波】だ。
連携アドリブ歓迎です。
●
「あなたが、この骨骨さんを召喚したのですね……! 妬ましく思ったからって、それを奪うのは許せませんっ」
『たとえあなたが許してくれなくても、私には関係ないことよ』
ラヴィの言葉に、静かな口調で返す災魔。しかしその瞳は、忌々しげにぎらついている。
「自分は手に入らないから、羨ましいからって壊したりするのは駄目なの」
偲とラヴィは視線を合わせて頷きあい、災魔を睨み返す。
「苺を楽しみにしている人々のためにも、あなたを退治させていただきますっ」
「みんなは楽しみにしてるし、わたしも楽しみだから。邪魔するなら、どいてもらうの」
猟兵たちが身構えると同時に。
『そう、それなら……』
災魔の身体を負の力に満ちた黒いオーラが包み込み。
『あなたたちも壊れてしまうといいわ』
金色の長杖に埋め込まれた宝玉に、魔力が収束し始める。
「つまらない八つ当たりなんてさせませんよ」
クレイのゴーグルより放射された熱線が、宝玉目掛けて飛んでいく。しかし、災魔はそれを高速で躱し――限界まで収束した魔力が高威力の衝撃破と成って、猟兵たちを呑み込まんと迫る。
「ご先祖様、力をお借りします!」
仲間を守るため前へと進み出たテンの傍に、彼に瓜二つの魔導師の霊が顕現する。衝撃破には、衝撃破を。祖霊の放つ竜巻の魔法が、負の魔力とぶつかり合う。
(可哀想だけれど、自分の手に入らないものだからと壊すのはダメだよ。でも)
少年の心には、引っかかることがあった。この災魔は通路を封鎖こそしているが、イチゴを荒らしに向かってはいないのだ。
(ほんとは、誰かと一緒に楽しい時間を過ごしたかったのかな?)
二つの魔術が相殺し合い、視界が開けた先。テンの青い瞳が、災魔の姿を映すことは無い――彼女が、何処にもいない。
「――八時の方向、気を付けてください!」
警戒を促したのは、クレイだった。熱線で敵の攻撃を牽制したと同時に行っていたマーキングが奏功した。高速を駆使して別方向へと回りこんでいた災魔の動きを、見事に捉えていたのである。
ゴーグルの奥の紫と、翠の瞳が交差する。
(……少しばかり嫉妬で荒んだだけの、ただの少女であったなら)
共に楽しみましょうと、この先へと誘うこともクレイはやぶさかではなかったのだが――既に過去である彼女と共に、過ごせる未来など在り得ない。
「壊れさせたりなんか、させませんっ!」
ラヴィの想いに応じ放たれた、聖痕の強い光から眼を逸らす災魔。その隙に、テンと祖霊が武器と鉤爪でのコンビネーションを叩き込み。
「ポチ2号、食べちゃってくださいっ!」
続けてラビィの変化した腕が獅子が、がぶりと食らいつく――何とか牙からは逃れた災魔だが、その細い身体が吹き飛んで地に転がる。
『やってくれるじゃない……お返しよ』
災魔が身を起こすよりも早く、彼女に従うセイレイが動く。黒い獅子の形を取って、牙を剥くはラヴィへと。
「……!」
桃薔薇の弓を構えて追撃の態勢に移っていたラヴィ、このままでは回避は間に合わぬが――黒獅子の牙がキマイラの娘を貫くことはなかった。
「ほんとうは、さみしがりなくせに」
オーラ防御を持ってしても、表情が歪む程の痛みを感じる。偲の細腕に走るそれは、身体的な痛みだけでなく。もしかしたら、災魔の心の。
「ちょっと熱いかもしれないけど、気に入ってくれる? ……燃えて、燃やして、灰になるの。なにもかも」
繰り出すは、炎。さみしがりなあの子に贈る薔薇の花。
黒獅子を浄化して、迫るは災魔へと――そして、戦場に立っていたのは。
「わたしたちの、勝ち」
猟兵が四人。
骨も、生霊も、憎悪も。偲の操る炎の中に灰となって消えていった。
すべては綺麗に浄化され、戦場跡には何もない。
しかし、青い瞳に映した光景は、テンの心へと焼き付いている。
災魔の最期の時――彼女の翠の瞳には、負の感情は欠片も宿っていなかった。
さみしがりな少女は、ただ薔薇の花の炎を穏やかに見つめながら。
温もりに包まれながら、骸の海へと還っていった。
大成功
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第3章 日常
『迷宮イチゴ狩り』
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POW : いちごを食べます
SPD : いちごをお土産などにして持って帰ります
WIZ : いちごでスイーツを作ったりします
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●イチゴ狩り
生い茂る緑、瑞々しく輝く赤い果実。
そこには一面のイチゴ、イチゴ、イチゴ。
噂に違わぬ豊作だ。そして肝心の味は――こればかりは、食べてみないと分からない。
栽培フロアの隅に設置された小屋には、イチゴ狩り用の籠や包装道具が用意されている。
簡易キッチンも設置されており、取ってきた果実を調理することも可能なようだ。
さあ、守り抜いた味を存分に堪能しよう。
祝・刻矩
苺は何回食べてもいいのう
んじゃ、今回はちと違う俺じゃ
「持 ち 帰 り」!!
ちゅうわけで、二粒ほど味見してから持ち帰り用の入れ物に持っていくのじゃ
赤くてつるっとした苺を狙うのじゃあ
んん、んまい!
こりゃ期待できるのじゃ
んーかぐわしい香りと見目麗しい苺に俺はメロメロじゃ
おっこっちのもんまそうじゃな
(食べている人の姿をみて)
いいのう
俺も食べたいのう
いや、帰ってこたつで苺ミルクにして食べるんじゃ
俺の意志は石より硬いのじゃ
よしよし、こんなもんかのう
あんまり獲り尽くしてもいかんからの
いや、ありがたくもらっていくんじゃ
ありがとなぁ
アドリブ、絡み歓迎
八上・偲
イチゴがいっぱいだー!
甘い匂いがする!
(初めて見る景色に目がきらきら)
イチゴ畑の中に入って行って、赤くて綺麗なイチゴを選んでもぐっと。
……えへへー(甘さ美味しさにふにゃーっと綻ぶ顔)
いくつか美味しくはむはむ食べてから、
イチゴをもう少し摘んで籠にそっと入れて。
お友達や皆にお土産に持って帰りたいから。
いっぱい摘んだらみんなの分がなくなっちゃうから、少しだけ!
……うん、守れてよかった。
みんなが食べに来たり、誰かに贈ったりするんだもんね。
大切にしなきゃ。
※アドリブ・絡み歓迎です!
●
「イチゴがいっぱいだー!」
偲は瞳をきらきらと輝かせながら、迷宮イチゴの畑の中へと足を踏み入れた。
果実を摘みとるよりも先に、辺りに漂う甘い香りがふわりと偲を包み込む。
さて、最初のひと粒はどれにしようか――迷いながらも赤くて綺麗なひと粒を手にとって、もぐっと。
「……えへへー」
口の中に広がる甘酸っぱさと瑞々しいさに、ふにゃりと偲の顔が綻ぶ。続けてもう数粒をはむはむ。すっきりとした甘さは、いくら食べても飽きが来そうにない程だ。
幸せそうにイチゴを食む少女の様子に、その場に居合わせた祝・刻矩(f14803)も思わず瞳を和ませる。
(いいのう、俺も食べたいのう)
しかし、彼には目的があった。“持ち帰り”である。帰ってからこたつに入って、のんびりとイチゴミルクにして食べるのだ。
ということで、口に入れるのは味見がてらの二粒のみだ。たくさん食べたい欲望を鋼の意志で抑えながら、赤くてつるっとした果実を狙って。
(……んん、んまい! おっこっちのもんまそうじゃな)
かぐわしい香りと見た目麗しい苺に心奪われた刻矩は、持ち帰り用の入れ物に厳選した粒を入れていく。
その傍らで偲もまた、お友達や皆のお土産にと籠にイチゴを摘んでは入れる。
(よしよし、こんなもんかのう……あんまり獲り尽くしてもいかんからの)
(いっぱい摘んだらみんなの分がなくなっちゃうから、少しだけ!)
果実に夢中になりつつも、二人とも採り過ぎ注意の心配りは忘れない――自身や仲間、帰りを待つ者だけでなく。みんなに楽しんで欲しいから。
「いや、ありがたくもらっていくんじゃ」
(……うん、守れてよかった)
入れ物片手に嬉しげな刻矩の顔を見上げ、偲は今いちど達成感を噛みしめる、
ここで栽培される迷宮イチゴは、直接摘み取って食べたり、誰かへの贈り物となったり。様々な形で人を幸せにする、大切なもの。
それは今日の戦いにて守り抜かれ、これからもこうしてみんなに笑顔を届け続けるのだ。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ラヴィ・ピーチローズ
無事に苺を護る事が出来ました、ね(にへ)
竜頭のお兄さんの恋も実ると良いのですが…!
そしてせっかくですので私も『迷宮イチゴ』を堪能してみたいですっ!
有難く苺狩りをさせていただきますっ!
■行動
(わぁ、一面真っ赤です…!)
と瞳をキラキラ輝かせ。
「せっかくですので、そのまま食べてみても良いでしょうか?」
美味しそうな苺をいくつか選び、もいでいただき
「……美味しいっ!」
うっとりとした表情を
「せっかくなので、お土産にもしたいですし…ジャムとか作れますか?」
果肉を潰し過ぎないように、そしてたっぷりの砂糖を加えてジャムを作り
「ながぁく、楽しませていただきますね!」
ご馳走様でした!
※アドリブ&絡み大歓迎です!
シルヴィア・ジェノス
きらきらと鮮やかに輝く果実……!甘酸っぱ~い香り……!いっぱい摘んで、お菓子を作りましょう!いちごのレアチーズタルトを作るわ!【料理】は大の得意だもの。美味しいイチゴを美味しく調理しちゃうわ!
と「ふふふふ~ん♪」と鼻歌混じりに、てきぱきと動いてさくさくで香ばしいタルトの上に甘酸っぱいレアチーズ生地、ここで収穫したイチゴをたっぷり乗せたお菓子を作る
「自分で言うのもなんだけれど……おーいーしーそーうー!」と完成したタルトを見て大興奮。自分で食べる分も確保しつつ、近くに誰かいればおすそ分けとかしちゃったりして
アドリブ等歓迎
●
フロア隅の小屋には、イチゴとはまた別の甘い香りが満ちている。
「せっかくなので、お土産ににもしたいですし……」
ラヴィは摘みとった果実のいくらかを、ジャムとして楽しむことにした。
果肉を潰し過ぎないよう気を付けて、たっぷりの砂糖を加えて――煮詰めていく間、ラヴィは今日一日のことに想いを馳せる。
無事にイチゴを守り抜いて、一面に真っ赤に実る果実に瞳を煌めかせ。
ぱくりと口に入れた最初のひと粒は、思わずうっとりとしてしまう美味しさで。
「ねえ、これ。良かったら、あなたも一切れいかがかしら?」
我に還ったラヴィが声の主を探すと、そこには銀髪藍眼の女性――シルヴィア・ジェノス(f00384)の姿があった。
シルヴィアが差し出すは、いちごのレアチーズタルトだ。
さくさくの香ばしいタルトの上に、甘酸っぱいレアチーズ。さらにその上に、収穫ほやほやの新鮮な迷宮イチゴがきらきらと鮮やかに輝いている。
すぐ近くで鼻歌交じりでてきぱきと料理をしているシルヴィアには気付いていたが、まさかこんな大物を作り出していたとは。
ありがたくいただくことにしたラヴィは、一口食べて思わず目を見開く。
「……美味しいっ!」
「ふふ、自分で言うのもなんだけれど……おーいーしーい!」
自身も一切れを口に入れて、シルヴィアも思わず大興奮。広がる甘味と酸味のハーモニーは、まさに絶品であった。
「美味しいイチゴを美味しく調理、大成功ね!」
嬉しげなシルヴィアにラヴィも笑い返し、そしてふと思い出す。
(そうそう、迷宮イチゴのスイーツ。楽しみにしてる学生さんも多いんでしたよね)
きっと今年の新作スイーツも、素敵な出来栄えになるに違いない。シルヴィアが作り出した一品は、ラヴィにそう確信させるに十分だった。
(竜頭のお兄さんの恋も、実りますように)
学生の輝く未来を密かに願い、ラヴィはシルヴィアにタルトのお礼にとジャムの味見を勧めてみるのだった。
大成功
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テン・オクトー
まずは忘れないうちに青年のホワイトデー用の分を確保してっと。では!いただきまーす!
POW
現地でもぎたてをいただけるなんて幸せだね〜!一つ一つ味わって食べるよ〜。イチゴは木苺等なら食べた事あったけど、こうして専門で作られているイチゴは初めてだよ。大きいし、香りもいいし、色も綺麗でそして美味しい!ジューシー!誰かと苺談義出来たらいいな。
お持ち帰りしたいけど新鮮なフルーツだからすぐ加工しないと難しそうだね。迷宮イチゴを調理してる方がいたら拝見したいな。もし可能なら加工品を分けていただいてUCに閉まってお持ち帰りしたい。この任務の記念に。
帰り際、通路にイチゴを一つ置いておくね。
絡みアドリブ歓迎です。
クレイ・ギルベルン
おお……見事ですね
苺は持って帰って、家族へのお土産にするつもりです
家でじっくりジャムを作ろうかと
そう決めていたのですが――
(ケーキやムース、パフェなんかにも惹かれますね)
(以前サムライエンパイアで見た、苺大福というのにも興味があります)
(勿論、そのまま食べても美味しいでしょう)
よく熟れた苺を摘んでいると
気移りしてしまいますねえ
適度に摘んだら、潰さないよう慎重に包装して……
……お祖父様、喜んで下さるでしょうか
――はっ? い、いいえ。決して浮かれてなどいません
災魔撃退の報酬を頂くだけなんですからね
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(竜頭のお兄さんの分は……大丈夫そうかな?)
真剣な様子でイチゴの粒とにらめっこしている青年の背中に頷いて、テンもお待ちかねのイチゴ狩りタイムへ。
「では! いただきまーす!」
赤く輝くひと粒は大きく、香り高く、そしてジューシー。
「現地でもぎたてをいただけるなんて幸せだね〜!」
木苺などを摘みとって食べたことはあったテンだが、こうした専門的に栽培されたイチゴをその場で味わうのは初めてのこと。一つ一つ、じっくり味わっていく。
「お持ち帰りしたいけど、新鮮なフルーツだからすぐ加工しないと難しそうかな?」
「小屋ではジャムやタルトを作っている方がいらっしゃいましたね」
イチゴをたっぷり入れた籠を手に、クレイもやってきた。
「私も家族へのお土産に持って帰って、家でジャムを作ろうかと」
「そうなんだ。調理してるところ、拝見したいなぁ。ちょっと小屋の方に行ってくるね」
自身も料理を嗜む少年は、イチゴの調理法にも興味深々の様子である。
元気に駆けていくテンの背を見送って。その場に残ったクレイはふと、籠のひと粒を手に取る。よく熟れた綺麗なイチゴが艷やかにきらめいている。
(ケーキやムース、パフェなんかにも惹かれますね)
(以前サムライエンパイアで見た、苺大福というのにも興味があります)
(勿論、そのまま食べても美味しいでしょう)
クレイの思考が赤い果実で埋まっていく。
(――はっ?)
我に還って周りをきょろきょろ。どうやらイチゴと見つめ合っていたケットシーを目撃した者はいなさそうだ。
少し浮かれていただろうか、と籠に果実を戻し、クレイもまた小屋へと足を向ける。果実が潰れぬよう、しっかり包装しなくては。
(……お祖父様、喜んで下さるでしょうか)
家族のことを想う彼の顔には、優しい笑みが浮かんでいた。
迷宮に生る甘い楽しみも、人々の笑顔も。
猟兵たちの活躍によって無事に守り抜かれた。
また、その日の通路の片隅には――イチゴがひと粒、誰かの為に供えられていたという。
大成功
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