●あなたのお家も大パニック
ここはUDCアース、どこにでもある普通の日本の町。
一般的なご家庭のある家電が、ある日カタカタと震え出して……。
とある家。
「あれっ、さっきここに置いたペンが無い?」
またとある家。
「あれっ、料理に使う卵がなくなってる?」
そのまたとある家。
「おろっ、今淹れた麦茶が目を離した隙に、無い?あっ!?」
その家の亭主は一瞬、冷蔵庫の中の暗黒世界に吸い込まれる麦茶入りのマグカップと、それを持つ裸の女の子を見たような気がした。
慌てて冷蔵庫を開いて確認するも、普通の冷蔵庫の中でしかなく、あの暗黒も女の子もいなかった。
「き、気のせいかな……?」
ただ、麦茶は二度と返って来ず、その時開けた冷蔵庫の中は異様に寒かった。
●
「よーし!最近近所で出るって噂の『冷蔵庫の女の子の幽霊の噂』、解き明かすぜー!」
某日某所、少年探偵団の真似事をする子供達がいた。
「ボ、ボク達だけで大丈夫?大人に相談した方が……」
「ばっかお前こんな話聞いても馬鹿にされるだけだよ!だから俺達で解き明かすのが一番なんだって!」
「私の隣の家の人も被害にあったけど、警察に言う様な話じゃないってあしらわれたし。頼りになんないよ。」
子供達は情報を出し合う。
「女の子は一日に3件の家に出るらしい。」
「そんで冷蔵庫の近くで背筋がぞわっとしたと思うと、その時近くにある小物が冷蔵庫から出て来る女の子の幽霊に盗られるっていう……。」
「盗られるのは毎回違ってて、ガムだったり卵だったり、ゲーム機消えた家もあるみたいだぜ。」
「何かパターンとかないかな?」
そう言ってわいわい子供達が相談していると……。
足元に猫がやってきた。
「にゃー」
けっこう多い。それも何か液体みたいににゅるにゅるしている。
「お?どうした?迷子か?」「お菓子食べる?」
「にゃー」
「え?ついてこいって??」
子供達は猫に促されるままに後をついていき――。
それから二度と戻ってくる事は無かった。
●
「UDC事件の解決に協力してほしいって、UDCさんから依頼が来たの!」
ポーラリア・ベル(冬告精・f06947)はグリモアベースに猟兵達を集めた。
「詳しい事はUDCさんに回線繋ぐねー!」
ふと映像が切り替わると、UDCアースのオブリビオン・
UDCを追う組織「
UDC」の映像配信画面が表示された。
顔の見えない目深帽子のお兄さんのUDC職員が観える。
「通信、合ってるか?……よし、詳細を話そう。」
UDC職員は話した。
最近UDCアースのとある町で2つの事件が相次いでいる。
冷蔵庫の近くにある物が消える不思議な事件。
そして子供達が居なくなる事件だ。
「恐らくどちらもUDCの仕業だ。」
「前者は冷蔵庫を基点にして小物を盗っているのだろう。なぜそんな事をしているのは分からないが。」
消えるものは主に食料。次いでゲーム機、消しゴムなど。
そんなものを集めた所でボス級UDCの様な邪神だって召喚できないだろうにと職員はごちる。
子供達が居なくなる事件は深刻だ。だが手掛かりが見つかっていないのだそう。
冷蔵庫と関係があるかといえば、子供達が消えるのは屋外、それも一度に集団で居なくなるそうなので、関連性が薄いとの事。
「だが……俺はこの2つの事件がどちらも関連している気がしてならないのだ。
何しろ些細な事から異常をもたらすのがUDCだ。調査協力を願いたい。」
そう言った所でポーラリアがグリモア転送の光を用意する。
「とりあえず目的の町まで転送するね!そこから先はファイトなの!冷蔵庫系のUDCって事でいいのかしらー!」
●
UDCアース、目的の町に転送された猟兵。
どのように調査するかを決めようとした時である。
「にゃー」
猫を見つけた。
それも1匹や2匹でなく、それなりに異常な数。
その液体の様なフォルムを見て猟兵は思い出すだろう。
この猫はボス級UDCが配下として出す、猫のUDCである事を。
猫達はどこかに向かっている様だった。
古塔
●目的
UDC事件の調査及び解決。
●1章
なんか猫のUDCがいます。集団戦です。
戦うよりは機嫌を取ったりどこに向かうか等の行動調査を推奨します。
倒しても構わないです。
●2章
断章で説明します。
●3章
事件の黒幕と対峙するかと思います。
第1章 集団戦
『液状猫『ニャーさん』』
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POW : 猫を殺すモノ許すまじ
自身が戦闘で瀕死になると【レベル×1体の猫に纏わる神々 】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。
SPD : あそんでー かまえー
【猫特有の動き 】で敵の間合いに踏み込み、【ご飯や遊びをねだるような声】を放ちながら4回攻撃する。全て命中すると敵は死ぬ。
WIZ : ほかのところいっちゃやー
【猫の可愛さ 】を解放し、戦場の敵全員の【猫が可愛い!という感覚以外】を奪って不幸を与え、自身に「奪った総量に応じた幸運」を付与する。
👑11
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建依・莉々
「お呼ばれされた! 液状猫、まさにわたし指名! むふー♪」
ここはクレバーに、猫に化けて液状猫たちに紛れ込み、どこに向かうか追跡しましょう。普段から猫化けしてますし、液状は本家のブラックタール、どこまでもお供しますよできますよ。
もし他の猟兵たちと戦闘になったりしたら、割って入って液状猫を庇い、ポイント稼ぎます。猟兵にはアイコンタクトで調子合わせてもらいましょう。
液状猫たちが行き着く先は、仲間に伝えたいところですが、連絡手段がない・・・。いい追跡手段をもった仲間がいることを期待します。全面協力しますので。
皆がくるまでは、液状猫の瓶でまったりしてましょう。
「快適♪ この瓶、もらってもいい?」
●
「お呼ばれされた! 液状猫、まさにわたし指名! むふー♪」
とてもうれしそうな顔をして建依・莉々(ブラックタールのどろんバケラー・f42718)が現れた。
見た目は小学生女子だが、種族はブラックタール。なろうと思えば液状になれる女子だ。
「ではではここはクレバーに。猫に化けて液状猫たちに紛れ込み、どこに向かうか追跡しましょう。」
転送直後から現れたこの猫は一応UDC、即ちオブリビオンの類である。
いつ他の猟兵が倒しにかかるかもわからない。
『やぁっ!』
と、矢継ぎ早めにユーベルコードで、どろんと黒猫に化けた莉々。
普段からよく猫に化けているらしい。
「にゃーん」「にゃーん」
仲間を見つけたかのように反応した猫は、構って欲しそうに寄ってきて、莉々の頬に頬ずりしようとする。
匂いを擦り付けているのかもしれない。
「にゃー」
まけじと莉々も鳴いて擦り寄り、自身の匂いをマーキングし合う。
猫の毛によるふさふさちくちく感というよりはにゅるにゅるした独特の触感だが、それは莉々も同じである。
「(液状は本家のブラックタール、どこまでもお供しますよできますよ。)」
「にゃ」
そうして「ついてこい」と言う様な仕草で、猫達は莉々を誘導するのであった。
「(一番乗りでしたかね。他の猟兵とかち合わなくてよかったかもです。)」
もしそうなったらこのUDCを庇うつもりでいた様だ。
液状猫による案内の途中、猫がにゅるりと入れるような都合のいいサイズの空き瓶を見つけた。
「にゃーん」
猫の何匹かはその瓶を気に入って中ににゅるりと入っていく。
「みーっ」
莉々もにゅるりと開いた瓶の一つに入ってみる。
なんかしっくりくる。
「(快適♪ この瓶、もらってもいい?)」
にゅるりと顔を覗かせると、他の猫達は他の瓶に夢中。
もらっておくね。と、莉々は転がすようにしてこの瓶を持っていく事にした。
「(目的地についたら、他の猟兵が来るまでこの瓶の中でまったりしてましょう。……あれ?)」
ふと気が付いたが莉々は今回の話において連絡手段を持ってきていなかった。
「(んー…いい追跡手段をもった仲間がいることを期待します。その時は全面協力しますので。)」
それなりに気を持たずに、莉々は猫達の後をついていく事にしたのだった。
大成功
🔵🔵🔵
テフラ・カルデラ
※絡み・アドリブ可
召喚したヘリオトロープさんと一緒に!
にゃぁー!ねこさんかーわいいー!
『ねこさ…あれ?すごーく液状になってません?』
一応…オブリビオンですからね…と、子供達はこの猫についていったとの事なので、今回は倒すのではなくいっぱいかわいがってその後何処へ向かうのか調査するのです!
ということで猫じゃらしとか餌とか持ってきましたよー!
『わー!ねこさんー!』
いっぱい遊んでほっこりしながらも、どうやら信頼してくれたようでついていく事になりました♪
●
猫がいっぱいの街角で、兎のテフラ・カルデラ(特殊系ドMウサギキマイラ・f03212)が現れた。
それもユーベルコードで召喚した親友、ヘリオトロープ少年も一緒である。
「にゃぁー!ねこさんかーわいいー!」
『ねこさ…あれ?すごーく液状になってません?』
ヘリオトロープが猫を触ろうとすると、すっごいどろっどろに溶けながらごろんと横に転がった。
「一応…オブリビオンですからね…」
どろどろに溶けた猫をつんつんと触るテフラ。
「と、子供達はこの猫についていったとの事なので、今回は倒すのではなくいっぱいかわいがってその後何処へ向かうのか調査するのです!」
そう言ってテフラは様々な猫グッズを用意してきた。
「猫じゃらしとか餌とか持ってきましたよー!」
テフラが猫じゃらしを振ると、『にゃあん』と鳴いて猫じゃらしを追う様に沢山の猫が食らいついた。
『わー!ねこさんー!』
ヘリオトロープが餌を差し出すと、餌を吸いついて吸収するようにでゅるんと猫の口がヘリオトロープの手にくっつき、離れる。
ヘリオトロープの目の前で可愛げにカミカミと餌を食べている。
『ごろごろごろ……』
『うにゃーん』
「ふにゃん、どうやら信頼してくれたようですね?」
ある程度遊んだ後、すっかりなついた猫達は、改めてテフラ達を横切ってゆっくり歩き始めた。
それはお気に入りの場所に案内するかのような足取りであった。
大成功
🔵🔵🔵
ラムダ・ツァオ(サポート)
ラムダよ、よろしく。
戦闘なら足と手数で勝負するけど、周りに合わせて臨機応変に動くわ。
見切ったり残像を残すように動いたりと、避けるのには多少の自信があるわよ。
集団戦なら死角を減らすために数を減らすのが先決、
あとは一緒に戦う人がいればその人次第かしら。
行動指針としては以下の3通りが主。
1.味方の死角にいる敵を優先して片付ける。
2.範囲攻撃を行なえる味方がいなければ範囲攻撃優先。
3.数を減らすため、止めをさせそうな相手を狙っていく。
台詞回しや立ち位置などは無理のない範囲でご随意に。
ユーベルコードは状況に応じて使い分けます。
アドリブ・連携歓迎
響納・リズ(サポート)
「ごきげんよう、皆様。どうぞ、よろしくお願いいたしますわ」
おしとやかな雰囲気で、敵であろうとも相手を想い、寄り添うような考えを持っています(ただし、相手が極悪人であれば、問答無用で倒します)。
基本、判定や戦いにおいてはWIZを使用し、その時の状況によって、スキルを使用します。
戦いでは、主に白薔薇の嵐を使い、救援がメインの時は回復系のUCを使用します。
自分よりも年下の子や可愛らしい動物には、保護したい意欲が高く、綺麗なモノやぬいぐるみを見ると、ついつい、そっちに向かってしまうことも。
どちらかというと、そっと陰で皆さんを支える立場を取ろうとします。
アドリブ、絡みは大歓迎で、エッチなのはNGです
中村・裕美(サポート)
副人格のシルヴァーナで行動します
『貴方はどんな血を流すのかしら』
多重人格者の殺人鬼× 竜騎士
外見 赤の瞳 白の髪
口調 (わたくし、~さん、ですわ、ますの、ですわね、ですの?)
裕美のもう一つの人格で近接戦闘特化。お嬢様口調だけどアグレッシブで享楽的
戦闘では【残像】が残るような優雅ステップで敵に近づき、惨殺ナイフによる【切断】
槍を使うことがあれば、相手を【串刺し】にします
その他使えそうな技能があれば適宜使用する感じで
【瞬きの殺人鬼】使用後の昏睡状態はもう一つの人格に切り替えカバー
電脳魔術が使えないので裕美の能力が必要な場合は【オルタナティブ・ダブル】で呼び出します
あと、虫が苦手
●
「ここが今回の仕事場?」
虎の毛皮を羽織った褐色のエルフの自由人ラムダ・ツァオ(影・f00001)。
「この猫を……どうするの?後をついていけばいいの?」
「戦闘が必要な状況では無いのですね。」
長い金髪に小さな花を散りばめた、規律正しい服装をするオラトリオの響納・リズ(オルテンシアの貴婦人・f13175)
「えぇっ……折角惨殺用のナイフも持ってきましたのに、残念ですわ。にっくき兎は猫をも切り裂く。1匹くらい解体してもよろしくて?」
この女性、中村・裕美(捻じくれクラッカー・f01705)は多重人格者であり、現在は嬢様副人格『シルヴァーナ』と呼ばれる白髪の女性となっているが、どうにも死線のある状況では無い事に困惑している。
『にゃー』『みぃ?』
そうこうしている内に猫がやってきた。
「所で情報によると4回ねだる様な鳴き声を聞いたら死ぬらしいけど」
「何ですの?やはり喉くらい潰しておいた方が宜しくって?」
「そうなる前に対処はしますので……」
「それじゃ、ここらでいっちょなだめてみますか。」
ラムダは『オール・ワークス』により、ペットブリーダーの姿に着替えた。
おいでおいでと手を差し伸べて、猫達が寄って来る。
なでなですると気持ちよく『にゃー』と鳴き、触れた猫達を餅のように伸ばしたりして機嫌を取る。
「では、私はこれを。どなたか探知能力を持っていましたら」
リズは白薔薇の花びらを竜巻の様に展開する。
巻き込まれた者を「対象の棲家」に転移するユーベルコードだ。
『みぃ?』
猫達の何匹かは白薔薇の風に乗って消滅する。
恐らく元凶たるUDCのもとに転移された事だろう。
「わたくしは……ああ、もう。やり辛いですわ!裕美、パス!」
シルヴァーナはオルタナティブ・ダブルを発動し、黒髪で
瓶底眼鏡の女性、中村・裕美を召喚した。
「え……あひ!っ ここここんな猫がいっぱいな所に呼び出されてももも」
「うるさいですわね出番ですわよ。電脳魔術でこの猫を追跡できないかしら?」
「えー…… 行く場所を猫がもうインプットしてるなら……」
裕美は空間から電脳画面を呼び出し、何かハッキング的なキーボード操作で空間を操作していく。
ブゥン、と音がしたと共に、ラムダ、リズ、シルヴァーナ、裕美の4人は
突如猫と化した。
「あらっ?」「にゃ、にゃんですの?」
「…狼狽えるおふた方に説明を……ユーベルコード『ミームインベイジョン』で、一時的に皆さんの見た目を、この猫UDCに見えるように致しました……」
「び、びっくりしましたわ。でも同族になってどうするというのですの。」
『にゃん?』『にゃー』『にゃ』
猫達はこの場の皆が仲間のUDC猫であると認識し、構う事も忘れて次第に歩き出した。
「……このままついていってもいいですし……嗅覚を同じにして目的地へストレートに行ってもいいですし……」
たどたどしく言う裕美の声を聴きながらも、4人は歩いていく猫達の群れに加わり、その先へと向かうのであった。
成功
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第2章 冒険
『少年達は探検する』
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POW : 叱る、脅す、力づくで止める
SPD : 先回りし障害物を設置する等で妨害する
WIZ : 説得する、誤情報を与え他の場所に誘導する
|
●
猟兵達は猫達に案内されていくと、そこは町外れの裏山の、ふもと付近にある空き地だった。
「わ、誰?」
「知らん奴出てきたぞ」
「あのー、あなたも猫さんに連れられて?」
そこには子供達がいた。
見るからに先程まで少年探偵団ごっこみたいな話し合いの遊びをしてた風な子供達が。
尚、今この場で子供達が人と認識しているのは2人しかいない。
テフラ・カルデラ(兎耳の男の娘)と、彼のユーベルコードで生み出した少年ヘリオトロープだ。
それ以外のみんなの外見は猫とみなされている。
「えっと、はい、そうです。(もしかして……)わたし達、冷蔵庫の女の子の事件を追っているんです。ちょっと興味があって……そしたらかわいい猫さんに連れられて。もしかしてあなたたちも?」
テフラが言う。
「うん、そうだよ!」
「それでさあ、一度情報を纏めてみたんだけど」
「見て」
子供達の集めた情報を整理すると、二つの重要な事象が明らかとなった。
・どうやら話題になっている「冷蔵庫の女の子の幽霊」は、地図上のある1地点を中心として、付近の町で物取りをしているらしい事。
・「冷蔵庫の女の子の幽霊」の正体を突き止めようとすると、必ず猫にたかられて、次の日は行方不明になるらしい事。
(きまって勘の鋭い子供達が調べようとするため、大体子供達が行方不明になっている様だ)
そしてその1地点も既に目星がつけられていた。
子供達の話によって、大体どこに女の子の幽霊――即ち、黒幕となるUDCがいるかも判明したのだった。
後はそこに向かって倒すだけである。
が、その前に一つやっておかなければならない事がある。
この場にいる子供達の避難である。
この子供達がこのままUDCの所まで同行して戦闘になれば被害は免れない。
何せ調査しに来た子供達をこれまで何人も行方不明にしたような奴である。警戒して子供達を優先的に狙う可能性は大いにありうる。たとえ隠れていたり下がっていたり猟兵に守られていたとしても。
そしてUDCの事象は、
UDC的には公に秘密にしておきたいものである。
下手に知り過ぎて世間をパニックにするのも良くはない。
「それじゃあ話も纏まったし、これからみんなで真相を確かめにいこうぜ!」
「もしかしたらいなくなったあの子とかもまだ生きてるかもしれない……し……」
子供達は冒険心に満ち溢れ、今にもUDCに挑みに行こうとしている。
ここまでやってきて何であるが、彼らの対処を頼みたい。
建依・莉々
(猫の姿のままで)
うーん、子供たちを守りきるには猫ちゃん、多いよね?
そこで! 液状ボス猫に賄賂渡して、子供たちを元居たところに連れ返してもらおう! この瓶はどうかな? しっくりくるよ? ほらほら♪
え? お気に召さない? じゃあ・・・瓶ごと高い高い〜♪ あっち〜♪ こっち〜♪ くるくる〜♪ アトラクションみたいでしょ、楽しい?
え? 物足りない? それじゃあ、バウンドボディを使って、超加速! 急旋回! 異次元ターン! どうどう? 楽しい?
ここまでやれば、きっと分かってくれるよね? もしかして、ボス猫の座を譲ってくれたりして〜♪
言う事聞かない仔もいるだろうけど、そちらはみんなにお任せするね。
●
「(うーん、子供たちを守りきるには猫ちゃん、多いよね?)」
黒猫の姿で潜伏していた莉々は、自身が入っている丸瓶をころころと転がしながら状況を観察している。
「(そこで! 液状ボス猫に賄賂渡して、子供たちを元居たところに連れ返してもらおう!)」
莉々は入っていた瓶から抜け出して、ここまで猫と一緒に来るまでに見つけたお気に入りの瓶(複数)の中から、特に気に入ったものを……。
猫達の中でも、他の猫を率先していそうな、ボス格の猫の所まで転がしていった。
この猫(以降、ボス猫と呼ぶ――)は、
「(この瓶はどうかな? しっくりくるよ? ほらほら♪)」
「にゃ?……」
瓶に入ってるボス猫はじっと見たまま動かない。
「(え? お気に召さない? じゃあ・・・」
莉々はボス猫が入っている瓶を器用に前足で持ち上げ。
「瓶ごと高い高い〜♪)」
瓶をじれったく動かして興味を惹かせる作戦に出た。
「(あっち〜♪ こっち〜♪ くるくる〜♪)」
右へ動かし、左へ動かし、くるりくるりと瓶を抱えたまま二足歩行でくるんくるん回転する。
「(アトラクションみたいでしょ、楽しい?)」
「にゃ……にゃ……」
ボス猫は目を丸くしている。
「(え? 物足りない? それじゃあ、バウンドボディを使って、超加速!)」
莉々はユーベルコードを発動し、その身をぽよんぽよんの伸縮自在な体へと変化させる。
「(上下バウンド! 急旋回!)」
莉々の瓶動かしが激しくなっていき。
「(極めつけ!異次元ターン!)」
ぎゅるんぎゅるんと、ジェットコースターの様に動かしてボス猫を楽しませた。
「(ここまでやれば、きっと分かってくれるよね?)」
瓶からボス猫を降ろした莉々。
「うにゃうにゃ……」
ボス猫の感情は読めなかった。
驚いたのか、本当に楽しんでくれたのか、それとも激しいアプローチをする莉々に恐れをなしたのか。
ともあれ莉々の目論見通り、ころころ転がる様に、何匹かの猫はUDCの居る目的地と別の方へと進んでいった。
「あっ、動き出した!」
「こっちが正解という事でしょうか」
「(もしかしてボス猫の座を譲ってくれたり?)」
そこでふと、あの方向は交番のある方だった事を思い出した莉々は、
ちょっと液状猫のボスになれる事を期待していたのでちぇーってなった。
子供達が何人か、猫に連れられて安全な所へと向かっていく。
「(言う事聞かない仔もいるだろうけど、そちらはみんなにお任せするね。)」
大成功
🔵🔵🔵
テフラ・カルデラ
※絡み・アドリブ可
情報はありがたいのですが…これ以上同行させるわけにはいきませんね…
とはいえ簡単に言う事を聞いてくれるとは限らないですし…
ここはわたしが猫さん(多分猟兵さんだと思います?)達と一緒に真相を確かめに行きます!
もし戻ってこなかったら大人の人を呼んできてください!
…と、言ってみたもののの…バレませんよね?
ま、まあ嘘は言ってませんし…
●
「情報はありがたいのですが…これ以上同行させるわけにはいきませんね…とはいえ簡単に言う事を聞いてくれるとは限らないですし…」
テフラとヘリオトロープは目の前の状況の思案に
耽っていた。
「…よーし。ここはわたしが猫さん達と一緒に真相を確かめに行きます!」
テフラは勢いを込めて子供達にそう言った。
尚、猫と言ったのはUDCの猫でなく、恐らく猫に擬態しているであろう猟兵達の事である。
近くのちょっと高い岩の上に立って力説するウサギの姿はそれなりに様になる。
「えー」
「そんな事言ってこのにゃんこさん一人占めにする気じゃない?」
「そ、そんな事は……嘘は言ってませんし…」
「え、嘘はって?」
「ちょっと情報を整理しましょう」
眼鏡の子が言う。
「俺達冷蔵庫の幽霊探しに来たんだぜ!」
やんちゃっ子が言う。
「それでこの猫さんについていけば目的地に行けそうなのに」
「兎のコスプレした奴が猫欲しさに一人占めしようとして…」
「で、でも、行方不明になってしまうかもしれない危険な奴ですよ!」
「俺達武器も持ってきたんだぜ!」
子供達は鉄パイプやワサビ入り水鉄砲、金属バットや懐中電灯で武装していた。
「…………」
ちょっとテフラは思案する。
「どした?固まった?」
「えっ、固まる!?////いえそうでなくて」
テフラは何故か顔が赤い。
「その幽霊さん小物をひったくってくるのですよね?そういう武器は始まった時に全部没収されそうな気が?」
子供達は、あっ、といった顔だ。
「そういうお前は何かできるのかよ」
その子供の言葉に対して。
「そうですねえ……今岩に乗ったみたいに皆よりは運動神経良いですし、あと」
テフラはヘリオトロープにちょっと頼んで、魔導書を見えない様に隠しつつ召喚獣を呼び出す。
「えっ、うわ、ライオン!?」
「でっけえ鳥だあ?!」
「こんな風に、猫以外の動物達に頼ったりできますので。」
「え、ライオンと友達なの!?」
「触ってもいい!?」
子供達は嬉しそうだ。
「あ、じゃあすみませんヘリオトロープさん、ちょっと子供達を安全な所へ……」
「触っちゃだめだよ黄金になっちゃうかもだし……え?うん、わかったよテフラさん」
そう言ってヘリオトロープが、子供達を安全な所へと誘導していったのだった。
大体はヘリオトロープの召喚したライオンに夢中の様だ。
「もし戻ってこなかったら大人の人を呼んできてください!それではー!」
そう言ってテフラは目的地へと駆けだした。
ヘリオトロープは後で召喚し直そう。子供達の前で突然消えて驚かせてしまうかもしれないけれど。
大成功
🔵🔵🔵
メメ・スカルリリー(サポート)
〇人間の魔女×闇医者です。
口調は(自分の名前、あなた、呼び捨て、ね、わ、~よ、~の?)です。
「メメ、あなたのお手伝いをしたいの。本当よ?」
ぼんやり・のんびりした性格の幼い魔女です。
口数は少なめです。
巨大なハサミと魔法で戦います。
また、医術でサポートしたりします。
〇ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!(アドリブ・連携 歓迎)
●
骨の様に白い白百合の魔女の少女が現れた。
「メメ、この子達を避難させればいいの?」
のんびりとした口調でそう言う彼女はメメ・スカルリリー(白百合の魔女・f39414)である。
「えっ、何」
「何だお姉さん」
残っている子供達がその、自分達と同年齢くらいだけど不思議な感じに興味を惹かれる。
「メメ、あなた達にちょっとついてきてほしいの。」
「それって」
「?」首をかしげるメメ。
「噂の冷蔵庫の幽霊に関する事?」
「?よくわからないけど、きっと役に立つ所に連れていくの。本当よ?」
そう言って踵を返し森の中へと入っていくメメ。
なんだ?あっちで合っているのか?
不思議に思った子供達がどんどんとついていく。
メメについていった子供達の前に、突如真っ白な蝶の群れが舞い始める。
「え、なに……」
「きゅうに……ねむ……く……」
子供達は眠りについた。
メメはユーベルコードで、眠らせる能力を持つ白い蝶を解き放ったのである。
「通報するのはUDCで合ってるの?」
メメは
UDCに渡されていた慣れない通信機を操作して、子供達の位置を伝えた。
「無事に保護される、いい所に連れていかれるの。連れていかれるまで、そこでゆっくり休むのがいいと思うの」
そう言ってメメは森の中へ消えていった。
まもなく保護隊員が派遣される子供達をその場に残して……。
成功
🔵🔵🔴
第3章 ボス戦
『冷蔵庫に潜む者』
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POW : ふりーざー もーど れでぃ
【勢いよく放出される冷気】が命中した物品ひとつを、自身の装備する【冷蔵庫】の中に転移させる(入らないものは転移できない)。
SPD : 冷蔵庫から色々取り出す
攻撃力に優れた【巨大アイスキューブ】、レベル×2体出現する【手作り雪だるま】、治癒力を持つ【食べ物】のいずれかを召喚し、使役する。
WIZ : 「じゃあわたし、ほかのおうちにいきますので……」
異空間「【別のご家庭の冷蔵庫】」に通じる不可視の【冷蔵庫の奥へと通じる道】を3つ作成する。自分のみ入場可能で、内部では時間が経過しない。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴
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●
液状猫達は案内道を逸れるも、猟兵達は情報を元に目星をつけていた地に向かった。
町外れの裏山の中に、ずっしりとそびえ立つ、緑豊かに覆われた……廃家電デパートである。
廃家電デパートの中に入る。
絶えずうっすらと漂う白い霧は目に見える冷気であり、冷ややかで、寒い。
何よりも目に映るのは、このデパート一面に展示されている……『冷蔵庫』。
不気味なほど大量の冷蔵庫が。
どのコーナーを見ても冷蔵庫が。
まるで廃品在庫一掃セールというべき程の冷蔵庫が。
時にはコンピューター室の様に均一に並べられている冷蔵庫が。
時には廃棄島の様に山積みにされている冷蔵庫が。
迷い込んだ猟兵達を出迎えた。
……どれ程桁違いに発注数を間違えれば、これ程の冷蔵庫が店に並ぶ事になるのだろうか。
「……でね……」
「……それで……これが……」
廃家電デパートの奥の方で話し声がする。
猟兵達は向かった。
「おらおら!次はこうだ!」
「きゃー!ま、負けないんだから!」
「よっしゃ、ここでカウンター!」
子供達だ。
寄り集まってワイヤレス携帯ゲームをしているぞ。
ここは秘密の遊び場だったのだろうか?
……子供達の奥の方に、開けっ放しの冷蔵庫から身を乗り出して一緒にゲームをしている少女がいる。
その髪の色は雪か、氷か、冷蔵庫かという様に冷気を表したような白銀色。
どこか狂ったような瞳。
体格は小学生の女の子程度であり、身体には何もつけていなかった。
(要所部は白い冷気や雪結晶で隠されている)
「あっ、新しいお友達?」
その少女が猟兵に気づいた。
「あなたたちも『げーむ』で遊ぶの?」
「おっ、何だ新しい挑戦者かー?」
「『れいこ』ちゃん初心者だけど上達が早くてすごいよ!」
「でも今は俺達と遊んでるからそこで待ってろよな!」
わいわいと喚き立つ子供達。
「ううん、この『げーむ』は大体わかったから、今からそっちに行くね。」
『れいこ』と呼ばれた少女はゲームの電源を切った。
「あっ、おまえちょ――」
「通信中に切っちゃ――なに――寒――」
突如そこら中の冷蔵庫が開き、子供達に吹雪を浴びせたと思うと、
次の瞬間には冷蔵庫の扉が閉まり、子供達は居なくなっていた。一人残らず居なくなっていた。
猟兵の一人がうっかり冷蔵庫の一つに触ってしまうと、
ひとりでに開いた冷蔵庫、その中から、瞬間冷凍されたように氷漬けになっている……行方不明の子供の氷塊が、詰め込まれているのが、見えた。
「わたし、ここにすんでるの」
少女との距離はまだ遠い。
「『にんげん』が大好きで、『にんげん』にあこがれてて、『にんげん』の持ってる物が欲しいの」
冷蔵庫から顔を覗かせている体勢でクリアに響き渡る声だ。
「一つずつあちこちから『にんげん』の物を持ってきて、『にんげん』を知ろうとしてるの。もっともっと『にんげん』の物が、遊びが、『にんげん』が欲しいな。」
少女が入っている冷蔵庫の中には、ペンやら卵やらマグカップやらいろいろ入っている。
「たくさんあつめて、たくさん知って、たくさん『にんげん』の事を理解したら、わたしも『にんげん』になれるとおもうんだ。」
「それでね、いちばん近い『にんげん』の子供が欲しかったの。でも『にんげん』は重いから、よそのお家から持って帰るのは大変だったの。……そしたらこの『れいぞうこ』の中に元から住んでた『ねこ』さんが、ここに連れてきてくれるって言ってくれたの!」
つまりはそういう事である。
人間に興味がある少女が各ご家庭の冷蔵庫付近の物を、それを知るために奪っていて。
この少女の為に液状猫UDCが(探りを入れようとする者への口封じも兼ねて、主に)子供達を連れてきていたのであったという。
「ねえ」
少女が、UDCが、人を知ろうとするも倫理観や死生観を理解する事の無いこの『冷蔵庫に潜む者』が。
これから彼女を討伐しに来た相手だと本能で理解したかのように。
「わたしにもっと色々教えて欲しいな。……でも、ぼうりょくはやだよ?」
冷ややかな冷気を投げかけてきた。
※特別ルール
・おっきい冷蔵庫なので、POWは人や猟兵も吸い込む事が出来ます。
・彼女は戦場のいたる所にある冷蔵庫に転移して顔を出すことができます。
・WIZは前情報では1日3件でしたが、別に制限なく1度に3つで好きなだけ作れます。
※特別ルール2
・SPDの「巨大アイスキューブ」は
「氷漬けの子供達」も含まれます。
・子供達は凍っていますが命に別状無いようです。
花羽・紫音
【アドリブ歓迎】【ソロ希望】
見た目は幼い女の子だけど子供達を氷漬けにするなんて許さないわ
即座に【スーパー・ジャスティス】を使って殴りにいくわ
でも相手の動きに翻弄されて【スーパー・ジャスティス】が弱まったところで冷蔵に飲み込まれて、中で暴れもがきながら、焦り怯えてゆっくりと氷漬けにされてそのままキューブにされて観察されてしまうわ
●
「見た目は幼い女の子だけど子供達を氷漬けにするなんて許さないわ」
この廃デパートにグリモア転送を利用して飛びついたヒーローがいた。
白と紫のヒーローコスチュームを身に纏い天使の羽を広げる花羽・紫音(セラフィローズ・f23465)である。
「あなたの悪事もここまでよ。スーパー・ジャスティス!」
紫音は即座に【スーパー・ジャスティス】を発動し、黄金のオーラを纏って殴りにいく。
『きゃー!!』
遠い間合いから一瞬で詰めた紫音の一撃が手始めにUDC少女に入ると、少女は冷蔵庫に中に押し込まれる様な形で逃げ込み冷蔵庫を閉める。
遅れて紫音による攻撃がその冷蔵庫に猛烈な打撃を加え、破砕する。
「どこ!?」
辺りを見渡す紫音。
そっと他の冷蔵庫から扉を開いて様子を覗く少女が一瞬見えたかと思うと。
「そこね!」
更に紫音による超高速パンチがその冷蔵庫を叩き壊した。
『こわいのがいる!』
「容赦はしないわ!」
紫音がスーパー・ジャスティスで殴り、少女が冷蔵庫に隠れては他の冷蔵庫に転移するのを繰り返す。
いたちごっこである。
無数にあるとはいえ数に限りがある冷蔵庫。
このままいけば紫音がほとんどの冷蔵庫を破壊して逃げ場を無くすだろうと思われていたが。
「ふぅ、ふぅ……すばしっこいし、きりが無い……」
ここにきて紫音の側のスタミナが切れてきた!
少女に冷蔵庫で翻弄され続けた事により、精神が疲弊していくと、その黄金のオーラが徐々に弱まっていく。
『いまなら、いけるかしら?』
「!」
不意に紫音の背後の冷蔵庫が大きく開くと。
『ふりーざー もーど れでぃ』
勢い良く、限界まで低下圧縮した冷蔵庫内の冷気が紫音に向けて放出される。
「しまっ――」
紫音は反撃のパンチを放とうとするも一瞬で冷気に飲み込まれ。
気が付くと暗く狭い箱の中に閉じ込められていた。
冷蔵庫に潜む少女の冷気は飲み込んだものを冷蔵庫の中に閉じ込めるのだ。
「うっ!?これは!?この……開けろ!開けなさい!」
ドン、ドンと箱の中で打撃を繰り返す紫音。
『だめ。もう離さない。』
暗闇の中から少女の声が響く。
実際、冷蔵庫は勝手に開くのを防止する為、内側からの力にめっぽう強く、一度閉じ込められると中々中からは開かない。
そしてUDC特権なのか、冷蔵庫の中の温度が急激に低下。
冷凍庫の如く急速冷凍されていく。
「や、やめ……私を氷漬けにする気……いや……たす……け……」
数分後。
紫音を閉じ込めた冷蔵庫はパシュウと、勢いよく冷気を吹き出して開かれた。
「(…………………………)」
中から出てきたのは透明度の高い、クリアな巨大アイスキューブの中に閉じ込められた、紫音の氷漬けとなった姿。
ごとりと音を立てて床に落下し、辺りに冷気を立ち上げた。
『とってもきけんな『にんげん』も、こおってしまえばあんしん。あんぜん。』
「(…………………………)」
『すごい。とりさんみたいな翼が生えてるんだ。…ぴっちりした、へんなかっこう。』
美しく輝く天使のヒーローな彼女の、アクリルフィギュアの様な氷の姿を、冷蔵庫の中から顔を出した少女はじっくりと観察するのであった……。
大成功
🔵🔵🔵
テフラ・カルデラ
※絡み・アドリブ可
なるほど…子供たちは氷漬けにしていたのですね…まず人間に興味あるのであれば凍らせないことが一番なのですけども!!
とは言っても相手は素直に聞く気はなさそうなので戦うしかなさそうですね…
と言う事でヘリオトロープさんを召喚!子供達は大丈夫でしたか…?
『大丈夫です!子供達は職員の人が代わりに連れて行ってくれました!』
…とはいえ周りの冷蔵庫からも出てこられると攻撃も当たりません
それならば開けれなくしてやれば良いのです!
アイテムやヘリオトロープさんの召喚獣で冷蔵庫を固めて開かなくして移動箇所を減らしてやります!
ですが、大きい冷蔵庫の吸引に耐えられずヘリオトロープさんと一緒に吸い込まれて…
●
「なるほど…子供たちは氷漬けにしていたのですね…まず人間に興味あるのであれば凍らせないことが一番なのですけども!!」
テフラはそう啖呵を切ってヘリオトロープを召喚する。
「ヘリオトロープさん!子供達は大丈夫でしたか…?」
『大丈夫です!子供達は職員の人が代わりに連れて行ってくれました!』
どうやらUDC職員が連れていった後に上手く召喚できたようだ。
それにしてもその通りである。このUDCが子供達を冷凍したのはなぜだろう。
真相が明らかになる事は無いが、遊び終わって帰ろうとする/逃げ出そうとする子供達を留めておきたかったのか。
万一自身の居場所ややり口が大人達に知られたらまずいからという考えが浮かんだのだろうか。
後者であったとすれば、あどけない表情をして用心深いUDCである。
『どんなものもってきたの?どんな形しているの?その
お耳はどういうお耳なの?ちかくで、みせて』
少女の冷蔵庫が勢いよく開くと、ごうっと吹雪の様な冷気が放たれた。
「うわわっ!」
テフラは間一髪で避けると、少女は冷蔵庫に引きこもって扉を閉める。
と、このデパートの別の冷蔵庫からまた少女が現れて、ごうっと吹雪の様な冷気を冷蔵庫から放った。
「また避けなければ、あっ!?」
狙いはヘリオトロープの魔導書の様であった。
「伏せてください!」
ヘリオトロープは間一髪テフラと共に伏せた。
『先に情報を知ってなかったら危なかった……!』
「それを抜きにしても周りの冷蔵庫からあっちこっち出てこられると攻撃も当たりません」
『それなら開けれなくしてみる…!来て!スライムさん!』
ヘリオトロープが空中に沢山の召喚獣を呼び出す。
黄金化能力のトラを1体、石化能力の小鳥ハーピーの群れ、凍結能力の魚スライムの群れを。
『あの冷蔵庫を固めちゃってください!』
ヘリオトロープの使役した召喚獣達が飛び掛かる。
黄金の虎が冷蔵庫の一つを金で溶接し、石の小鳥ハーピーの石化ブレス風がセメントの様に冷蔵庫を固めていき、氷の魚スライムが飛び掛かり体当たりした冷蔵庫は、冬の凍結光景の如きびっしりと氷柱の生えた氷塊になってしまい、扉が開かなくなる。
「!!」
固まった冷蔵庫の一つが振動する。
「!!」「!!!」「!!?」
あっちこっちの冷蔵庫から何かがぶつかったような振動が来る。
どうやら効果
覿面のようだ。
『むーっ!もうおこったんだからー!』
「次はあっちです!」
『任されました!』
そう言ってヘリオトロープが召喚獣を向けた先。
「えっ、何ですかアレ!?」
それはテフラやヘリオトロープの倍近いサイズの巨大冷蔵庫であった。
召喚獣の固め攻撃が放たれるも、その質量の扉開閉パワーに押し返されてしまい、完全に開いた時には、遂に召喚獣達がはね飛ばされて消える。
「『あ、あわわわわ!!』」
『いっけー!』
UDCの声と共に巨大冷蔵庫の、ブレスの様な巨大な冷気の塊がテフラとヘリオトロープを巻き込む。
「ヘリオトロープさ――」『テフラさ――』
二人はお互いの身を案じて必死に抱き合った姿で、冷気の塊に吸い込まれてしまう……。
バタンと冷蔵庫が閉まり。
冷気の煙が漏れ出る様に冷蔵庫から充満する。
『うふふふふふ』
数分後、ゆっくりと開かれた冷蔵庫の中。
新しく出来上がった、抱き合う姿の二人の男の娘が閉じ込められた巨大アイスキューブ。
ひえひえと気持ちよさそうな霜と冷気がふわふわと漂い、二人の氷漬けの完成を祝福するかのようであった。
『とっても仲がいいんだね。すずしくなって、気持ちよさそう。』
その光景に冷蔵庫の少女は、にっこりと微笑んで観察するのであった……。
大成功
🔵🔵🔵
ミルディア・ディスティン(サポート)
「サポート?請われれば頑張るのにゃ!」
UDCでメカニックして生計を立ててるのにゃ。
『俺が傭兵で出撃して少し足しにしてるがな?』
※自己催眠でお人好しで好戦的な男性人格に切り替わりますがデータは変わりません。
ユーベルコードはシナリオで必要としたものをどれでも使用します。
痛いことに対する忌避感はかなり低く、また痛みに性的興奮を覚えるタイプなので、命に関わらなければ積極的に行動します。
公序良俗は理解しており、他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。むしろ積極的に助ける方です。
記載の無い箇所はお任せします。よろしくおねがいします。
●
「今日の相手はUDCかにゃ?戦いに来たにゃ!」
猫っぽいヘアスタイルの女性、ミルディア・ディスティン(UDCの不可思議メカニック・f04581)が現れた。
「……ってなんにゃここ。冷蔵庫のバーゲンセールかにゃ?」
薄暗いデパートの中の冷蔵庫が立ち並ぶ戦場である。敵はどこだろうか。
『またあたらしい、変わった人間さん?』
「にゃ!?」
背後の冷蔵庫から視線を感じ振り向くミルディア。
しかしもういない。
更にあちこちの冷蔵庫からこっそりと顔を覗かせては消える。
「今、見えたにゃ!女の子の姿してたけどUDCっぽいにゃ!」
今回の依頼はUDC案件の様だ。
「容赦しないにゃ!いくのにゃ!」
ミルディアはグランデヴィア(UDC具現化タブレット)から様々なUDCを繰り出し、現れた少女に対して攻撃をかける。
冷蔵庫から顔を出した少女の冷蔵庫がドカドカと叩かれてへこんでいく。
『きゃあ!いろんなのがきてる。こっちもおかえしするの!』
少女は冷蔵庫から様々なものを出して応戦を始めた。
射出された巨大なアイスキューブがUDCにぶつけられ消滅していく。
もこもこと沢山出てきた190体くらいの雪だるまの群れが、UDCに飛び掛かっては爆発して凍らせ吹き飛ばす。
「にゃにゃ!!!」
狼狽えるミルディアの視界から少女が冷蔵庫に引きこもると、ミルディアの後ろの冷蔵庫から勢いよく冷気の風が吹いた。
「ひゃあ!寒いにゃ……あーっ!」
冷気に吸い寄せられてミルディアのグランデヴィアが冷蔵庫に吸い込まれ盗られてしまった。
『もぐもぐ……なんだかおもしろそう。ゲーム機か何か?』
少女は冷蔵庫の中にあった目玉焼きを食べている。
「か、かえすにゃー!」
目玉焼きを食べながらグランデヴィアを操作され、召喚されたUDC達がミルディアに牙を剥く。
「ふ、ふにゃにゃにゃ!?にゃにゃー!あたしのUDCが…いたいにゃ…もっと…」
べちんべちんとUDC達の攻撃を受けた後、とどめに巨大アイスキューブがミルディアにぶつけられ、後ろの冷蔵庫にべちーんと叩きつけられた。
「ふにゃあぁ……」
『うふふ、完全勝利!お姉さんもじっくりかんさつしたいな』
少女は近くの冷蔵庫から、目を回して気絶したミルディアを吸い寄せようとし。
『まったく。俺が居ないとダメか?』
突如気を取り戻して起き上がったミルディアからのハイキックを間一髪で避けて離脱した。
『なんなの?』
『
俺もミルディアだ。以後宜しく。そのグランデヴィアは返してもらうぜ。』
男前の雰囲気を纏ったミルディアがクランケヴァッフェを構えて、少し離れた所に現れた少女目掛けて突撃した。
『わ、わ、なんかよくわからないけどこないで!』
190体の雪だるまたちの洪水の様な波状攻撃が来ると。
『【プログラムド・ジェノサイド】起動』
ミルディアは超高速でクランケヴァッフェを振るって次々と雪だるまを吹き飛ばしていく。
更に襲い掛かるUDC。
これをスタイリッシュに次々と躱していく。
『え、えーいっ!』
少女からの渾身の巨大アイスキューブが放たれる。
それを縦に回転しながらクランケヴァッフェを振るう。
まるで回転のこぎりの様な超高速回転攻撃をアイスキューブにお見舞いすると、氷はガリガリとかき氷の様に削れていき、遂に真っ二つに切り裂かれてミルディアの後ろに吹き飛んだ。
『おらあっ!』
『きゃあぁ!』
接近一番、高速乱舞。
男勝りなミルディアの、超高速連続攻撃がUDCの少女をタコ殴りにしたのだった。
成功
🔵🔵🔴
建依・莉々
「え、冷気? やばいやばい! 凍っちゃう!」
猫ですっかり忘れてましたが、冷気はBTにとって致命的! 正面切らずに一撃離脱を繰り返します。
1.猫に化けたまま足元に近づき、猫パンチ+怪力! すぐさま毛色を変え猫たちに紛れ込みます。
2.冷蔵庫に化け、素知らぬ顔で待ち伏せ。機を見計らい、指を挟むor足の小指をぶつける+怪力で攻撃! すぐに化け直し、冷蔵庫に紛れ込みます。
3.WIZを使い始めたら猫招きで引き寄せ、キューブから引き離し全力猫パンチ! そして12に戻ります。
決定打には至らないけど、凍るのはいや! おいしいとこは譲ります!
「いじめてないよ? わたしのほうがやばいの! 誰か助けて〜(涙」
●
「え、冷気? やばいやばい! 凍っちゃう!」
莉々は冷蔵庫の少女の放つ冷気に毛を逆立たせた。
液状猫と戯れていてすっかり忘れていたが、冷気は
BTにとって致命的。
油断すればあっという間に液体の身体も固まってしまうだろう。
「正面から行くのはだめ!一撃離脱でいこう!」
『?』
冷蔵庫からひょっこり顔を出して様子を見ている少女。
『くろいねこさんだ。もうちょっと近くで……』
冷蔵庫から、ごうっと早速冷気が放出される。
そこで莉々はどろんと煙を放出すると、冷気の波から飛び逃れる。
煙と冷気が晴れた所から……。
辺りに沢山の液状猫が現れたのだった。
『え、あれ。みんなもどってきたの?……くろねこさんは?』
きょろきょろと辺りを見回す少女に、1匹の液状猫がとことこと近づいてくる。
『ふにゃ?』
おいでと手を差し伸べると。
「ん、にゃーお!」
すぱぁんと強烈な猫パンチが炸裂!
『あいたあっ!』
その液状猫は一瞬黒い液状猫になり、すぐさま他の液状猫と同じ色に染まって猫達に紛れる。
『にゃ、にゃんこさんがぶったあ!あの黒いの、どこ!?』
気にかかったのか少女は冷蔵庫から飛び出して探す。
しかしどこにも見当たらない。
ふと横を見ると、冷蔵庫があった。
『あれ、こんな所に冷蔵庫あったっけ』
その冷蔵庫は何か黒いような……湿っぽい表面をしているような……猫耳が生えてるような……時折蠢いているような……小さな桜のマグネットが付いてるような……。
兎に角少女は一旦冷蔵庫に戻ることにし
『あいたぁーっ!?』
ようとした所で、開けた冷蔵庫が急に勢いよく閉まって指を挟んだ!
冷蔵庫がギラリと光ったように見えると、更に少女にスライド突進。
『ぎゃーっ!?あっ、あっっ!』
少女は足の小指を突進してきた冷蔵庫にぶつけてしまい、その場でぴょんぴょんと跳ねだした。
『れ、冷蔵庫があ!ねこさんがあ!いじめる~!』
「いじめてないよ? わたしのほうがやばいの! あっ」
黒く湿っぽい冷蔵庫がうっかり声を出した。
『冷蔵庫がしゃべった!!』
なんだなんだといった顔をして少女が黒い冷蔵庫に向かって駆けだした。
その身に纏った冷気は冷蔵庫に入ってなくても寒さが漂う。
「誰か助けて〜!凍るのはいや~!」
冷蔵庫は涙目になりながらぴょんぴょんと跳ね飛び、どろんと煙を放って消えた。
『わっ、な、なんだったの……?』
お分かりの通り、莉々による
化術で化けていた冷蔵庫である。
気を取り直そうとした少女を、ちょんちょんと後ろから叩く猫がいた。
『えっ?』
少女が振り向くと勢いよく猫パンチが飛んでくる。
『きゃあっ!』
またさっきのくろねこさんだ!と探そうとすると、ドンっと横から黒い冷蔵庫がぶつかってきた。
『きゃああっ!!』
莉々のターンはまだ終わっていなかった。
一撃離脱で攻撃しては化け攻撃しては化けを繰り返していたのだ。
『だ、だめ、一旦戻らないと……』
少女はどこでもいいからと冷蔵庫の中に逃げ込もうとした。
冷蔵庫の中には他のお家から持ってきた食べ物もあるし、あの黒い冷蔵庫は吸い込めないけど遠距離から攻撃する事もできるし。
――そう、彼女は冷蔵庫に潜む者。冷蔵庫に引きこもっていないと徐々に弱体化する。
「だめ~!そっちに戻ったらアイスキューブとか冷気とか、また寒いの出してきちゃう!」
莉々は招き猫のポーズを取った。既に布石は撒いたのだ。
『んー、にゃーお♪』
少女が猫パンチを喰らった個所から肉球スタンプ浮き上がる。
『あ、あれ、れ。黒いのに、引っ張られ』
他の冷蔵庫から引き離された少女は、引っ張られる先、おっきな猫の手足が生えた冷蔵庫(莉々が化けている)の前まで飛んでいき。
「せーのっ、猫パンチ!」
『ふきゃーーーっ!!!』
渾身の怪力が乗った、巨大な猫パンチで少女を地面に叩きつけたのだった。
「あ、あれ?」
どろんと黒猫の姿に戻った莉々は、目の前の少女がきゅうと気絶して消滅していってるのを目視した。
「もしかしてやっちゃった?決定打に至らないと思ってたのに。おいしいとこは他の猟兵さんが」
いちど自分のPOWと怪力の高さ確認しておこうな?
――ともあれ、UDCの少女は遂に体力負けを起こし、倒される事となったのであった。
「……凍っちゃう前に、倒せてよかった!」
●
UDCが倒されると共に、このデパートに流れている電気が全て落ちる。
まだ日が昇っている時間帯なので明るいのが幸いか。
そしてすべての冷蔵庫の扉が、一斉にひとりでに開かれた。
中からごとり、ごとりと子供達が入っているアイスキューブが落ちていく。溶けていく。
1日もすれば寒さで震えながらも元気な子供達の顔を見られることだろう。
「終わったようだな。ありがとう。」
この事態を見計らったように、
UDCの職員達が、目深帽子のお兄さん主導の下駆け付けてきた。
事件は、子供達は神隠しとして、食べ物等がなくなっていたのは子供のいたずらとして処理される事になった。
UDCによって子供達が無事に帰されていく。
あのとても寒かった冷気が潮が引くように消えていく。
こうして事件は決着を迎えたのであった。
ところで、UDC職員が駆け付ける前、冷蔵庫の中からにゅるりと這い出て逃げていく液体の群れがあった。
それを莉々はどうやら見逃さなかったらしく。
「ふにゃー♪にゃんにゃんにゃー♪」
廃デパートの裏手、UDC職員達が後始末をしている裏で、逃げ出した液状猫達のたわむれ集会が開かれていた。
莉々は液状の黒猫となって、この集会に紛れ込んでいたのであった。
「もうすぐ帰還しちゃうけど、この子達に罪はなかったみたいだし、もうちょっと戯れてよっか。なーぉ♪」
ごろんごろん、天然芝の上を液体の身体で擦切る様に転がる。
「なー♪」
他の液状猫が莉々の上にのしかかり、それをキャッチした莉々が一緒に混ざり合う様にごろんごろんして戯れる。
傍にはいい感じの瓶が転がっている。お土産に持って帰ろうかな。
こうして日が暮れるまで、あの寒かった出来事を忘れ去る様に、莉々は液状猫と遊び続けたのであった……。
大成功
🔵🔵🔵