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押し潰す!

#アルダワ魔法学園

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#アルダワ魔法学園


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●圧殺迷宮
「みんなさがれー!岩が落ちて来たぞー!」
「熱ッッ! こっちは熱湯?!」
「気を付けろ、硫酸が出てきた!」
 アルダワ魔法学園で新たに発見されたダンジョンに突入した生徒達だったが、入ってすぐにてんやわんやの大騒ぎ。
 見た目は岩でできた「ダンジョンって言えばこれ!」な感じの造りで罠も上から何か落ちて来ると言うスタンダードな物だった。
 しかし、落ちて来る数と種類が半端じゃなかった。
 岩が落ちて来たかと思えばあっちでは熱湯、こっちでは硫酸、槍も降ってくるし蒸気が噴き出るし天井そのものも落ちて来る。
 いかに生徒たちが迷宮に慣れていると言ってもこれはひどい。
 やっとの事で落ち物エリアを抜けたと思えば、ずらりと並ぶ頭のない竜の石像。
「…………撤退!」
「異議なし!」
 いかにも動きますよと言わんばかりの竜の石像。対して自分達はさっきの罠でかなり消耗してしまった。
 撤退した生徒達の足音は迷宮の奥に届く。
 竜の石像を通り抜けた先には扉があり、その中にはダンジョンのボスに据えられた一体のサイクロプスがいた。
「ふ、ふははははあ! またここまでたどり着けなかったなあ!」
 一つしかない目をぐわっと見開き、サイクロプスは巨大な体を揺らして笑う。
 このダンジョンのボスに据えられてどれほど経ったか。いまだにボスまで到達できた者は一人もいない。
 そう、一人もいないのだ。
「もう誰でもいいから早く! 一人でもいいから来いよ! 暴れさせろよ!」
 自慢の巨体も怪力も振るう先がなければ意味がない。
 今日もまたサイクロプスの叫びが虚しくボス部屋に響いていた。

●と言う訳で突撃!
「ほっとくわけにはいかないんだよねー」
 これもお仕事。そう思ってキャロ・エレフセレリア(たーのしー!・f12156)はアルダワ魔法学園で見たダンジョンを猟兵達に紹介する事にした。
「迷宮とは言えないくらい浅い場所なんだけど、圧がすごいの」
 まず最初に待ち受けるのはいろんな物が降り注ぐ天井トラップ。
 一つ一つは猟兵ならまあ食らっても死にはしないだろうけど落ちて来る頻度と数が半端じゃない。
「死ななければいいじゃん精神で突っ切ってもいいけど、落下物を防ぐ方法とかタイミングを読んで安全地帯を探す事もできるんじゃないかな」
 そこを抜けたら次に待つのは竜の石像。
 頭は破壊されているが、この竜は頭など飾りですとばかりに侵入者を探知すると襲い掛かって来る。頭がないから目で探知しているわけではないだろう。
「侵入者が担当エリアに入ってこない限り動かないみたいだけど、入って来たら石化がとけて竜として襲い掛かって来るの」
 竜は様々な属性を持っている。一つの属性に集中して対策するか、様々な属性に一定の対策をするのか、石像を起動させない方法を考えてみるかは各自の判断に任せよう。
「ダンジョンの奥には怪力自慢のサイクロプスがいるんだけど……誰も来なくて暇してるみたい。みんなが来たら嬉々として襲い掛かって来ると思う」
 暇すぎて毎日その辺に転がっていた柱や岩をフルスイングしたりスクワットや腕立て伏せをして過ごしているらしく、力が有り余っている。
「ボス部屋には注意するような罠もないし、隠れている伏兵もなし。サイクロプスとの真正面からのガチンコ勝負! みんなの最強の技でぶっ飛ばすだけ!」
 みんなのカッコイイところ、期待してるからね!
 キャロはダンジョンの中まで同行する事はできないが、その代わりにいくつもドローンを飛ばして全員の様子を見ているらしい。
「あ、これは趣味とかじゃないから。みんなの危険を察知していざとなったらテレポートで助けるためでカッコイイワンシーンを撮りたいとかそんなんじゃないから」


水見
 猟兵のみなさん初めましてこんにちは。新人マスターの水見です。
 今回お送りする事件はアルダワ魔法学園で発見されたダンジョン攻略戦!
 第一章はありとあらゆる危険物が落ちて来る天井トラップを攻略するお仕事。
 第二章はずらりと並ぶ竜の石像(フレッシュになって動くよ!)を攻略するお仕事。
 第三章はボス部屋で暇してる暴れたくて暴れたくて仕方ないサイクロプスを全力でぶっ飛ばすお仕事です。
 第一章と第二章はみなさんが思いつく攻略法を試してみてください。正攻法で堅実に行くもよし、水見が考えもしなかった攻略もよし、失敗を覚悟の上で笑いをとってもよし(面白かったら成功判定がでるかも?)
 第三章はみなさんが思う「最強の技」を繰り出してボスを倒してください。ステゴロ最強! 絡め手こそ我が必勝法! なんでも構いません。ただし戦闘判定だけはガチです。
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第1章 冒険 『天井からの恐怖!』

POW   :    体力や気合で耐える/仲間を庇う

SPD   :    素早く避ける/落下物を防ぐ工夫をする

WIZ   :    落下するタイミングを見抜く/安全なルートを見つける

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ルフトフェール・ルミナ
罠凄すぎて奥に辿り着けないって、迷宮としてはそれが正しい姿なんだろうけどね……災魔を封じてるなら、尚更。
……奥のボスってどうやって入ったんだろう? やっぱり力技かな。それとも誰かに封じられた?

【WIZかなぁ】
うーん、罠発動のセンサー? スイッチ? になる境界を出たり入ったりして、罠をぎりぎりで避けつつ、落下物の充填? 時間を測ってみようかな。
で、充填時間が分かったら、充填中に通り抜ける。

ここの迷宮の作られた理由(奥から出さないため、奥へ入らせないため)にもよるけど、罠の前後で罠停止のスイッチ的なものがないか一応探すね、見つかったら停止させて、後の人が困らないようにしときたいな。


徳川・家光
「火産霊丸、出ませい!」
 霊験あらたかな燃える白馬「火産霊丸」を召喚して騎乗し、降り注ぐ罠の下をでたらめに駆け巡ります!
 アルダワの迷宮が常に姿を変えるとはいえ、とにかく沢山作動させれば、罠の補充も少しは鈍るでしょう。続く皆様の障害を減らすのが目的です。

 火産霊丸は僕と生命力を共有しているので、人馬のどちらかが先に力尽きる事はありません。それを利用して的確に自分の限界を見極め、走り回りながらも「交差した倒れた柱の間の隙間」等の「安全な退避場所」を探し、限界!となったら、火産霊丸を解除して隙間に滑り込みます。
 あとは救助してもらうか、自力で回復できるようになるまで、じっとしてることにしますね。



 ルフトフェール・ルミナ(空を駆ける風・f08308)が岩でできたアーチをくぐるといかにもと言った感じの石柱に支えられた天井と石畳のダンジョンが広がっていた。
「罠凄すぎて奥に辿りつけないって、迷宮としてはそれが正しい姿なんだろうけどね……災魔を封じてるなら、なおさら」
 罠は上から物が落ちて来るだけ。その次に控えている竜の石像を越えればすぐにボス部屋と言う実に浅いダンジョンだが、それなのに発見されてから今まで誰一人として踏破できていないダンジョンだ。
 何かを封じるなら正しく目的を果たしていると言える。
「……奥のボスってどうやって入ったんだろう?」
 出入りできないダンジョンならどうやって奥に入ったか不思議に思うルフトフェールだった。
 中に進んで石畳を歩くとすぐに上から物が落ちて来た。
「熱ッ!」
 どばーっと注がれた熱湯は避けたが、横に避けたルフトフェールの頭に熱された蒸気が吹きつけられた。
 一度石畳の外に戻り、もう一度入ってみると今度は岩が落ちて来る。
「うーん、罠発動はセンサー? スイッチ?」
 ルフトフェールが歩いた時に石畳が少し沈んだり何か音が鳴ったりはしなかった。
 それなら壁にあるかもしれない。繰り返し境目を行き来して充填時間を計ったルフトフェールはタイムラグの間を狙って罠の突破を試みた。
「しまった、次の種類はランダムだった?!」
 岩、槍、熱湯と順調に充填時間を狙って駆け抜けていたルフトフェールだったが、もう少しと言う所で罠の発動時間に鉢合わせてしまう。
 が、逃げ足がそこで役に立った。
 雨のように落ちて来た槍に多少削られつつも罠エリアを抜ける事に成功したルフトフェールはやれやれと汗をぬぐった。
「いてて……うーん、罠発動のセンサー? スイッチ?」
 あればいいなと探してみたものの、それらしい物は見付からない。
 ルフトフェールは次に来る猟兵の成功と無事を祈りながら待つしかなかった。
「おや、もう誰かが通った後ですか?」
 徳川・家光(江戸幕府将軍・f04430)はあたりに残る熱気やどことなく荒れた雰囲気に考える。
 床には何かがぶつかったらしい傷や濡れた跡はあるが、それをやった物は何一つ残っていない。これはアルダワの迷宮が常に姿を変えるせいだろうか?
「しかしアルダワの迷宮が常に姿を変えるとはいえ、とにかく沢山作動させれば、罠の補充も少しは鈍るでしょう」
 家光の目的はルフトフェールと同じく後に続く仲間の障害を減らす事だった。
「火産霊丸、出ませい!」
 家光の呼び声に応えて召喚されたのは家光の身長の2倍の大きさがある霊験あらたかな燃える白馬だった。
 白く気高い佇まいから火の神の如しと名付けられた白馬に跨り手綱を取る。
「……こうして見ると石柱の数が多いですね」
 馬に乗って広くなった視野で見た罠エリアは物を落とすと言うトラップの効果を発揮するためか、罠を仕込んだ天井の重みを支えるためか、林立とまではいかないが石柱があちこちに建っていた。
 しかしそれ以外に足を引っかけるような物がないのは馬を駆る上でありがたい事だった。
「火産霊丸」
 手綱を握った主人の意向に従って白馬は整えられた石畳みと岩肌の境目に近付く。
「駆けるぞ!」
 勇ましく石畳に飛び込んだ瞬間降って来た硫酸を避けて斜め右へ、次に降って来た岩を斜め左に避け、次の槍を斜め右にと。家光と火産霊丸はジグザグに石畳を駆けた。
 次々に落ちて来る罠に当たる事もあったが、けして足を止めずに罠のエリアを端から端まで駆け巡る。
 走りながら隠れ場所になる物はないかと探す。生命力を共有している火産霊丸が疲れて来たのは避けきれなかった罠で家光が消耗しているからだろう。
 大岩が落ちて来た―――いやあの形では隠れる場所がない。丸太を尖らせた杭も一本だけでは身を隠すのが難しい。
 焦りを感じた家光だったが、立て続けに転がっていた岩を避けた時、岩肌そのままの壁に張り出した部分があるのを見付けた。
「あそこだ!」
 駆け込んだ家光は火産霊丸の召喚を解除して張り出した岩肌の下に滑り込む。
「これで少しは罠の補充が鈍るといいのですが……」
 罠は岩肌の方には仕込まれていないらしく、家光はほっと力を抜いて仲間を待つことにした。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

シャルロット・クリスティア
……時々あるんですよねぇ、踏破者がいなくてボスが暇してるって言うの……。
まぁ、放っておくわけにもいきませんし……どうにかしましょうか。

これでもダンジョン攻略は慣れたものです、お任せください。
『罠使い』の心得や『地形の利用』の仕方などはある程度頭に入っていますし……そのあたりの知識を参考にしつつ、持ち前の『視力』でしっかり観察して罠の位置を把握。
場所がわかったら、氷結弾で『スナイプ』して罠の口を固めてしまいましょう。
足元にスイッチとかあれば、踏まないように注意すればいいだけですしね。
回避が不可能そうであれば、それこそ安全圏から狙撃して誤作動狙いです!

一つひとつ、確実に処理して進んでいきましょう。



「……時々あるんですよねぇ、踏破者がいなくてボスが暇してるって言うの……」
 シャルロット・クリスティア(マージガンナー・f00330)は他の事例にも心当たりがあるらしく呆れていた。
「まぁ、放っておくわけにもいきませんし……どうにかしましょうか」
 石畳の近くまで来たシャロットは石畳、岩肌がむき出しになっている壁、石畳と同じように整えられた天井を見て行く。
 自分の罠の知識や地形の利用に関係のある知識を参考に、大体どのあたりに罠があるか確認しているのだ。
「足元にはそれらしい仕掛けはないですね。石畳の下に隠して見て分からないようにしているんでしょう」
 石畳を剥がして土を掘り返すなりしたらスイッチになっている物が出て来るかもしれないが、落ちて来る罠を避けながらそんなこ事するのは難しい
 何より、もっと手っ取り早くシャルロットにとっては確実な解決方法があった。
 シンプルな無地の石畳みと違って天井には模様がかかれていた。その模様は暗い色で書かれていてシャルロットの視力でも模様にさりげなく隠された何かの穴に気付くのには時間がかかった。
「多分あれが熱湯や硫酸の場所ですね」
 岩や天井その物を落とすなら広い範囲が必要になるのであの穴がある近くからは大きな物が落ちて来る事はまずないだろう。でも油断は禁物。そう言った心の隙間を突いてくるのが罠というもの。
 硫酸や熱湯を仕込んだ罠ごと落として被害を拡大させると言う方法だってある。
「分かっている物から先に動きを止めます!」
 シャルロットが銃で狙ったのは天井にある穴だった。
 術式刻印弾・氷結―――氷の魔力が封入された瞬間冷凍弾は狙い通りに命中して凍結し、穴を塞いでしまう。
「一つひとつ、確実に処理して進んでいきましょう」
 少しずつ進む分時間は掛かったが、罠が発動する穴を塞いで安全圏を作り、そこからまた別の罠を塞いで進んで行ったシャルロットは無事罠エリアを抜ける事ができた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ゾーク・ディナイアル
サイクロプスがいるの?
良いねぇ、そいつを殺れば皆もボクを認めてくれるかも!出来損ないじゃないって言ってくれるかも!
「キャハ!それに面白いじゃんココ!ドンドン行っちゃうぞー!」

☆戦術
SPD勝負
ズンドコ進んで、落下物は『見切り』で更に精度を増したUC【強化兵戦技《予測回避》】を使って尽く避けながらいくよ。
「そんなもん、当たるわけないんだよねぇ!」
避け切れない時は『カウンター』で迎撃、魔導銃スタインを『クィックドロウ』の『二回攻撃』で早撃ちして撃ち落としたり、『怪力』で振るう妖剣ガディスで切り払ったりだね。
「これは避けられない!?…んなワケないだろぉぉぉ!」

※アドリブ歓迎


レイナ・オトゥール
罠は全部天井からなんですよね?
つまり、足元も横も何も考えなくていいということですね?
ならば話は簡単です

人間意識してない攻撃には弱いと聞きますが
逆に言えば意識さえしていれば
ある程度の攻撃は耐えれるということになると思うのです!

晶竜「クリスティア」に盾になってもらい頭上方向を守りつつ
【精霊竜召喚】で風の竜を呼んで
身体に落ちてくる罠を少しでも逸らすような
風の防護膜を纏うように力を貸してもらって
特に落下してくる罠たちに対する防御力アップさせ

うおぉおおおおお!!!
って感じで強引に突破させてもらいましょう!
死ななきゃ安いって言葉もありますので!

勿論出来る限り「ダッシュ」等も使って可能な限り急ぐのもしますが


ニコラ・クローディア
「ふぅん、上からだけ、なのね。でも、そうと判ってればそれなりに対処しやすいかしら」
ユーベルコードで手持ちの武器「双子竜槍」を強化しながらダッシュして駆け抜ける算段
落下タイミングを見切ったカウンターで物理的トラップなら弾いてしまいましょう、もちろん走りながらね
熱湯、硫酸の類であれば龍翼外套や龍鱗のオーラ防御、各種耐性で防げるでしょうし…もし危なければ高速詠唱でウィザードミサイルあたりを使って、遠距離からスナイプしちゃうのもありね
「足元を気にしなくていいっていうの、楽でいいわぁ」
口調:猫ラモード
アドリブ・連携歓迎



「この奥にサイクロプスがいるの? 良いねぇ」
 次に落下物トラップに挑戦者しに来たゾーク・ディナイアル(強化エルフ兵の出来損ない・f11288)はわくわくした顔で今は遠くて薄暗い闇に隠れているダンジョンの奥を見詰めていた。
「そいつを殺れば皆もボクを認めてくれるかも! 出来損ないじゃないって言ってくれるかも!」
 悲惨な過去を持ち精神を病んだゾークが見ているのは過去に自分を失敗作、役立たずとして捨て石にした誰かだろうか。
 ゾークは躊躇いなく石畳を進んで行った。
 途端に降って来る熱湯硫酸槍の雨。
「そんなもん、当たるわけないんだよねぇ!」
 非人道的な強化実験により得た未来視能力である強化兵戦技《予測回避》は、どこでどんな落下物が落ちて来るのかを視せてくれる。あとはそれを見切ってよけるだけでいい。
「キャハ! それに面白いじゃんココ! ドンドン行っちゃうぞー!」
 たまに予測したより大量に落ちて来た熱湯や硫酸が多少肌を焼いてもその程度は微々たるもの。
 落ちて来た鋭い杭を黒い魔導拳銃「スタイン」のクイックドロウで撃ち落として意気揚々と突破して行く。
 その頭上に大きな影が掛かったのは石畳の切れ目が見えて来た頃だった。
 落ちて来た油壺と火種のセットを銃で撃つのは危険だと妖剣ガディスで払いのけたゾークの頭上に、大きな岩が落ちて来た。
 足元は今払いのけて割れた油壺の中身が広がって滑りやすくなっている。
「これは避けられない!?」
 ぬめる油の上を走って避けられるかどうか。
 緊張したゾークの声は、すぐに雄叫びに変わった。
「……んなワケないだろぉぉぉ!」
 怪力で振るわれた妖剣ガディスの禍々しい青い妖気を纏う片刃が岩と激突。並の人間なら耐えきれず押し潰される重みもゾークの怪力には勝てず、岩は激しい火花を散らしながら切り払われた。
 重い音を立てて転がる大岩には目もくれず、ゾークは残りの距離も踏破する。
 こうしてそれぞれのやり方で罠を攻略して行く猟兵達。
 レイナ・オトゥール(竜と共に・f11986)が選んだのは実にタフなやり方だった。
「罠は全部天井からなんですよね? つまり、足元も横も何も考えなくていいということですね?」
 先にダンジョンに足を踏み入れたのレイナは先達の攻略を見てそう結論付けた。
「ならば話は簡単です」
 断言するレイナは一体どんな事を思いついたのかと言えば―――。
「死ななきゃ安いって言葉もありますので!」
 レイナの持論は攻撃が来ると意識さえしていればある程度の攻撃は耐えられるという事になる! と言う、間違っているとは言えないがそれでいいのかと言われそうな根性論だった。
 しかし何の備えもなしに突っ込むなんて事は流石にしない。レイナは召喚術を唱え始めた。
「自然を司りし偉大なる竜の王に願い乞う。我が魔力と想いを糧に御身の力の欠片を貸し与え賜え――現出せよ精霊竜」
 自然が形を成したと伝わる精霊竜の王に祈りを捧げ、風の竜の力を願う。
 召喚に応じた風の竜の力を纏い、更に「晶竜クリスティア」が変身した水晶の盾で頭上を守る。
「よし!」
 気合いを入れたレイナは足に力を込めて―――。
「うおぉおおおおお!!!」
 雄叫びを上げてダッシュした。
 真直ぐに突っ込んで行くレイナは当然罠の大歓迎を受ける。
 盾にぶつかった岩や杭や槍の衝撃と重みは風を纏う事で軽減し、足に力を入れて倒れないように走り抜け、熱湯や蒸気は風で散らして散らしきれなかったものを盾で受け止める。
 巨大な杭は流石に風の力だけではなんともしがたく、尖った先端で重みが一転に集中した事で耐えきれずに転倒してしまったが追い打ちの罠が来る前に立ち上がる。
「この程度のかすり傷では止まりません!」
 おりゃああああ! と気合いも新たに突撃して行くレイナは次々と落ちてくる罠に耐え抜き、石畳の境界を越える事ができた。
「ふぅん、上からだけ、なのね。でも、そうと判ってればそれなりに対処しやすいかしら」
 ニコラ・クローディア(世界を渡る龍賢者・f00091)は先達が乗り越えていった罠の様子から罠を突破する算段を立てた。
 頭上から落ちて来る罠は多くても、先達のお陰でどんな物が落ちて来るかはもう分かった。
 横の岩肌や石畳の床には罠がない事も確認済み。
「足元を気にしなくていいっていうの、楽でいいわぁ」
 ニコラは傅く使い魔である双子竜を槍に変える。
 二本の槍に分割する事もできる両端に刃を持つ双子竜槍「アンフィスバエナ」を手に取ると、強化のために魔力を練る。
「―――セット」
 練り上げた魔力をアンフィスバエナに纏わせ、ニコラは石畳を駆け抜ける。
 落下して来る槍や杭、岩の落下タイミングはもう見切った。
 散々消費された硫酸や熱湯も勢いは衰えて蒸気もここまできたらそうぽんぽんと出せないだろう。
「……この程度なら耐えられるわね」
 展開した「龍翼外套」で防ぎきれなかったものが肌に当たってもドラゴニアンのニコラの肌は「龍鱗」だ。勿論全く何も感じないと言う訳ではなかったが、無防備な肌を持つ種族よりはよほど耐性があり頑丈だった。
 払いのけられるような杭などのトラップは手にした槍で払いのけ、弾き飛ばす。
 問題は槍一本で払いのけるのが難しい大岩のようなトラップだが、それにもニコラは対抗手段を考えていた。
「噂をすれば―――していたわけじゃないけど、早速来たわね」
 天井が開いて落ちてきた大きな岩。
 ニコラは高速詠唱で呪文を唱えて大岩に向かってウィザード・ミサイルを放つ。
 大岩を砕くのは難しく衝撃で回転したもののそのまま降って来る。
「ふぅ……ちょっと失敗したかしら?」
 石畳に落下した大岩は炎を受けた熱をまだ発しながら転がっている。
 ダッシュで駆け抜けるのが間に合っていなかったら流石に無傷では済まなかっただろう。
「でも、それもあと少し」
 石畳の境界はもう見えている。
 大岩も品切れになったらしく、残りの道中は自分の足と槍があれば事足りた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​




第2章 集団戦 『佇む巨竜像』

POW   :    石化解除
【石化状態】を代償に自身の装備武器の封印を解いて【「雷」と「風」を纏い操る巨竜】に変化させ、殺傷力を増す。
SPD   :    石化解除
自身に【「炎」と「冷気」】をまとい、高速移動と【翼から「炎」と「冷気」】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    石化解除
対象の攻撃を軽減する【「水」と「岩」を漂わせる巨竜】に変身しつつ、【「水」と「岩石」の放射】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 第一の罠を突破した猟兵達の前に、頭のない竜の石像が現れた。
 広い通路の両側にずらりと並ぶ石像は見ている限り動く気配はない。
 しかし動き出せば十分に広い通路に所狭しと現れた竜が行く手を阻むだろう。
 猟兵達より前にこのダンジョンを攻略しようとした生徒達が撤退したのは正しい判断だった。
 石像の封印が解かれた竜は高速移動で飛び回り、様々な属性を使いこなす。
 通路は広いとは言ってもこれだけの数の竜が暴れる事を考えると狭苦しく、飛べる石像の竜は上にひらけた空間で自由に飛び回る事もできる。
 この不利を覆すには並大抵の力では難しいだろう。
 それこそ猟兵達のような力がなければ。
ゾーク・ディナイアル
「石の竜だって?
相手にとって不足は無いよ…血が出ないのはちょっとツマンナイけどねぇ!」

☆戦術
SPD勝負
「チョコマカとウザいんだよ、大人しく撃たれろぉ!」
魔導銃スタインを『クィックドロウ』の『二回攻撃』で早撃ちして牽制しながら跳躍、石竜の攻撃を『見切り』躱しながら敵中に突っ込んで『カウンター』で【強化兵戦技《高速剣》】を始動。
「強化エルフの速さと強さ…目に焼き付けときなよねぇぇぇ!」
『怪力』で振るう妖剣ガディスで目につくヤツは片っ端から叩き斬り、躱し、また斬りまくる。
「壊れろ壊れろぉぉ!キャハハハハハ!」

※アドリブ歓迎



 整然と並ぶ竜の石像。筋肉や翼の躍動感さえ感じる見事な造形だったが、石像の頭が全て破壊されてなくなっていると言うだけで逆に不気味さを強調してしまっている。
 ゾーク・ディナイアル(強化エルフ兵の出来損ない・f11288)にとっては頭があろうがなかろうが、狂い荒んだ精神で自由と同じくらいに殺戮を渇望する彼女にとってはただの獲物にしか見えていない。
「石の竜だって? 相手にとって不足は無いよ……血がでないのはちょっとツマンナイけどねぇ!」
 嬉々として突撃したゾークが最初の石像の前に差し掛かった時、何かが脈動するかのように石像が震え頭のない首をもたげてゾークを察知した。 『佇む巨竜像』の封印が解けたのだ。
 それを皮切りに次々と竜の石像の封印が解かれてダンジョンを飛び回る。
「チョコマカとウザいんだよ、大人しく撃たれろぉ!」
 歓声を上げるゾークに向かって今や生ける巨竜像となった体が高速移動で迫る。
 クイックドロウで抜いた「試作型魔導銃スタイン」の早撃をお見舞いするが、巨竜像の翼から放射された炎と冷気が次々とゾークを襲い、高速移動で迫って来る。
「強化エルフの速さと強さ……目に焼き付けときなよねぇぇぇ!」
 ゾークの怪力で振るわれる禍々しい青い妖気を纏う片刃の長剣、「妖剣ガディス」が巨竜像を斬る。
 しかし一体を倒す間に雨の礫のように降り注ぐ炎と冷気がゾークに撃ち付けられ傷付けて行く。
「壊れろ壊れろぉぉ! キャハハハハハハ!」
 巨竜像の攻撃に傷付きながらゾークは笑う。
 目につくもの、近付いて来るものを妖剣ガディスで叩き斬り、それで墜ちないなら更に叩き斬る。
 倒れない、止まらない。何故なら―――。
「ボクは……出来損ないじゃない!」

苦戦 🔵​🔴​🔴​

ニコラ・クローディア
「いわゆるガーゴイルっていう奴ね」
乱戦状態になる前に試したいことがあると他の猟兵に告げウィザードミサイルを展開
自分の射程ギリギリの遠距離から愛銃ティヴェロンを経由させることによる狙撃を試み、ガーゴイルを1体ずつ引き寄せられないかを試す
他に遠距離攻撃を持つ者がいれば積極的に策を伝えて連携を依頼してみる

もし1体でも起動すればなし崩しに発動するタイプだったら…仕方ないわね
猟兵同士で一丸となって、防御陣地でも敷けば対応できるかしら?
その際は拠点防御・オーラ防御で前衛を担当しつつ倒すための時間を稼ぎ、援護射撃や戦闘知識・鼓舞あたりを組み合わせての連携を申し出ましょうか

口調:猫ラ
アドリブ・連携歓迎


ルフトフェール・ルミナ
頭のない竜ねえ……それって、ずっと誰もここ攻略できなくて、経年劣化でもげたんじゃない?
でさ、こっちは狭いのにあっちは広い上から攻めてくんの?
そげな卑怯もんは、翼も一緒にもいでやるからそこに直れー!

【SPD?】
僕は魔術師でさ、割と武器や防具に魔力付与すんの好きなんだ。
属性攻撃上等! 僕の付与術と勝負だ!【火炎耐性】【氷結耐性】
そして、魔術『縛』で攻撃力を下げるんだ。ふっふっふ、その様じゃ属性(笑)だね。
うるさく飛び回るならね、フック付きワイヤー投げて引きずり下ろすよ。
ついでに僕や仲間を攻撃する奴の盾にしよう【敵を盾にする】。
耐性が足りなければ手袋から発する魔力力場で攻撃を弾き返す【カウンター】。


シャルロット・クリスティア
石像……ガーゴイルの類でしょうか。
動き出した後の身体の強度がどの程度なのかが気がかりですが……ともあれ。

確かに、私に翼は無いですが……飛ばれて手が届かないと思ったら大間違いです。
素早く跳び回ろうが、私の眼なら追える。追えれば、銃口は向けられる。であれば。
この迅雷弾は、電磁加速により弾速を突き詰めた、射程距離と貫通力に特化した、いわば狙撃用の『徹甲弾』です。
いかに遠くに逃げようと、いかに強固な身体であろうと、貫き通してみせましょう。
……まぁ、前衛はどなたかにお任せする形になるでしょうが、その分後ろはお任せください。
(スナイパー、早業、視力、属性攻撃、鎧砕き)



「いわゆるガーゴイルっていう奴ね」
 ニコラ・クローディア(世界を渡る龍賢者・f00091)は佇む巨竜像から封印が解けて自由に飛び回る巨竜となったもの目掛けてウィザードミサイルを発射した。
 飛び回る巨竜像の一体に百を超える炎の矢が直撃し、流石の巨竜も一瞬バランスを崩すが、空中で体勢を取り戻すと二コラを察知して襲い掛かって来た。
 それを冷静に見つめながら愛用の「自動詠唱式魔術銃杖ティヴェロン」に次弾を装填する。
「一体が起動したらなし崩しに発動するタイプだったようね」
 襲い掛かって来る巨竜の水と岩を放射はドラゴニアンの二コラの龍鱗とオーラ防御に守られた体でもノーダメージとはいかない。
 礫のお返しに魔術を刻印された弾丸をお見舞いしてやる。
「……そう言う事なんだけど、協力してもらえるかしら?」
 二コラは自分と同じ遠距離攻撃型の猟兵に協力を頼んでいた。
「頭のない竜ねぇ……それって、ずっと誰もここ攻略できなくて、経年劣化でもげたんじゃない?」
 すっとぼけた口調で飛び回る巨竜像を眺めていたルフトフェール・ルミナ(空を駆ける風・f08308)は二コラの要請を受け入れた。
「僕は割と武器や防具に魔力付与すんのが好きなんだけど、どっちかと言うと遠距離型だしねぇ」
 ルフトフェールが了解すると、銃身にルーンを刻み込んだ「エンハンスドライフル」を肩に掛けたシャルロット・クリスティア(マージガンナー・f00330)も協力すると答える。
「動き出した後の身体の強度がどの程度なのかが気がかりですが……ともあれ」
 シャルロットは飛び回る巨竜像に銃口を向ける。
 高速移動を繰り返す標的を狙うのは難しい事だったが、シャルロットは焦らない。
「確かに、私に翼はないですが……飛ばれて手が届かないと思ったら大間違いです」
 ルフトフェールとシャルロットの協力を得た二コラは早速目を付けた一体にウィザードミサイルを発射、既に新たな侵入者達の存在を察知していた巨竜像はまんまと引っ掛かるが、近くにいた巨竜像も反応して一緒に襲い掛かって来た。
「素早く跳び回ろうが、私の眼なら追える。追えれば、銃口は向けられる。であれば―――」
 シャルロットが狙いを定めて引き金を引く。
「見えるならば、届きます。届くならば、当たります……!」
 エンハンスドライフルに装填した雷の魔力を込めた術式刻印弾・迅雷は、電磁加速により弾速を突き詰めたもの。その速度によって射程距離と貫通力に特化させた狙撃用の『徹甲弾』。
 迅雷に貫かれた巨竜像の一体が空中から落下する。
 その間にもう一体が接近してくるが、急に何かに引っ張られて高度を落とした。
「こっちは狭いのにあっちは広い上から攻めて来んの? そげな卑怯もんは、翼も一緒にもいでやるからそこに直れー!」
 それはルフトフェールが放ったフック付きワイヤー。しかもフックを(えげつない形に改造してみた)と言う特別製だった。
 硬い肌にもがっちり食い込んだフックを外そうともがく巨竜像が翼から炎と冷気の放射でワイヤーを持っているルフトフェールを狙ってくる。
「属性攻撃上等! 僕の付与術と勝負だ!」
 得意の魔力付与で火炎耐性と氷結耐性を纏った(元)革鎧は巨竜像の攻撃を軽減する事に成功した。
 痛みはあるがワイヤーを離すほどではなく、更にルフトフェールは次の魔術を行使する。
「我、三種の触媒もて、異形を縛る力を顕にせん。力よ、囲みこみ捕縛せよ。十重二十重に」
 すっとぼけた口調から一転した呪文によって【縛めの刺草】【手枷の小鍵】【処刑者の荒縄】が巨竜像を縛る。滅茶苦茶に飛び回って暴れたために全て命中する事は避けられても自由を制限されたままだ。
 そんないい的になった巨竜像が狙われないはずもなく、二コラとシャルロット、二人の愛銃ががんじがらめになった巨竜像を撃ち落とした。
「いかに遠くに逃げようと、いかに強固な体であろうと、貫き通してみせましょう」
 シャルロットの術式刻印弾・迅雷の貫通力は巨竜像の身体から翼まで大穴を開けていた。
 二コラのウィザードミサイルの多段攻撃で表面を焼かれた巨竜像の身体は砕け散って床に散らばる。
「一体ずつ引き寄せるのはもう無理そうね」
 三人の連携で数を減らしていた巨竜像だったが、二コラが一体を引き寄せようとすると近くにいる別の巨竜像がそれを察知して数体で寄って来るようになったのだ。
 二コラは防御陣地を敷いて自身は前衛に立ち、敵の拘束や攻撃力の低下を狙えるルフトフェールと銃は単発式ながら強力な貫通弾を持つシャルロットに援護してもらう戦法に切り替えていた。
「流石に何体も一気に来られるとねぇ」
 ルフトフェールは頭を掻いてワイヤーを巻き直す。
 えぐい形に改造したワイヤーは引っ掛かればなかなか外れないし魔術『縛』による駄目押しも当たれば強いが、百発百中とはいかない。
「私の銃は単発式ですから、面制圧には向いていません」
 その分与えるダメージは大きい。接近されたからと言って無力ではなくむしろ早業で装填された刻印弾・迅雷を至近距離で喰らってしまうのだからたまったものではないだろう。
 この様子なら三人が危険に陥る事はなさそうだが、巨竜像の制圧までにはまだ時間が掛かるだろう。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

レイナ・オトゥール
首のない竜……
普段、武器として手伝ってくれてる可愛い竜たちと接しているからか
あるべき場所にあるべき物が無いと気持ち悪いですね……

ふと思っちゃたんです、この竜たちは何で頭が無いのか
こんな風に罠として使うために首を無理矢理切られたんじゃないかって
私の友達たちがこんな風になっちゃったら嫌だなって

相手が沢山の属性を使うなら
一点特化で行きましょう
【精霊竜召還】で水の竜を召喚
多重層の水の膜を纏い
衝撃緩和、純水の絶縁力で雷を防御、炎と冷気は水で温度を均すなどの防御力アップと
ウィルに同じ属性の力を上乗せさせて攻撃力もアップ!


敵放出系の技に関しては
水の膜だけでなくクリスティアの盾受けで方向を逸らすようにもします



「首のない竜……あんな風に罠として使うために首を無理矢理切られたんじゃないかな……」
 レイナ・オトゥール(竜と共に・f11986)は佇む巨竜像に表情を曇らせていた。
 もし友達の竜がこんな風になったらと考えてしまって嫌な想像を急いで消す。
「相手が沢山の属性を使うなら一点特化で行きましょう」
 レイナは「水竜ウィル」が変身した斧槍と「晶竜クリスティア」が変身した盾を持って自然が形を成したと伝わる精霊竜の王に祈る。
「自然を司りし偉大なる竜の王に願い乞う。我が魔力と想いを糧に御身の力の欠片を貸し与え賜え――現出せよ精霊竜」
 祈りに応えて召喚した水の竜の力を借りて多重層の水の膜を纏う。水の膜を幾重にも纏う事で衝撃を緩和し、氷や炎を中和するのが狙いだ。
 自然界の力を司る竜だからこそ自然界に存在しない純水を作り出す事は難しかったが、水の膜の純度を高める事で雷―――つまりは電気を通す量を軽減する事はできただろう。
「行くよ!」
 武器となった竜の友達に声を掛け、自分の戦意も高めて乱戦の最中に入って行く。
 水の攻撃力を高めた斧槍で地上すれすれを低空飛行してきた巨竜像をなぎ払う。雷と風を纏い操る巨竜像の攻撃で水の膜が震え、一番外側にあった表層が割れた。ビリビリと痺れるような雷の熱に痛みが走る。
「ッ……やっぱり完全には防げない、けど!」
 レイナの守りは水の膜だけではない。手にした晶竜の盾で突撃を受け止めてもう一度斧槍を振り下ろす。
 硬い手応え。しかし水竜の斧槍はレイナの怪力も加わり、巨竜像を断ち切る事に成功した。
 降って来る炎や氷や石の礫は晶竜の盾で受け流し、突撃して来る竜は水竜の斧槍でなぎ払い、串刺しにする。
「まだまだ行きますよ!」
 水の膜で攻撃を緩和していても当たる数が多ければダメージは蓄積してしまう。
 巨竜像の数は減ってはいるが地上でレイナに砕かれた物の数より上空を飛び回っている数の方がまだ多い。
「もう一押しですね……」
 レイナは水竜の斧槍に同じ属性を纏わせる事で攻撃力を増し、次の巨竜像に向かってダッシュする。

成功 🔵​🔵​🔴​

ニコラ・クローディア
「数が減ってきたのなら――あとは肉弾戦で仕留める!」
遠距離戦でちまちま仕留めるのを止め、前衛として白兵戦に打って出る。
「空中がそちらだけの場とは思わないことよ…!」
ドラゴニアンとしての姿を露わに。龍翼外套は本性を表し飛行可能な翼とし、石像たちと同じ空中戦を挑みましょう。
「――セット。砕かせてもらうわ」
空中でのバランス取り等を考え、こちらは素手。とはいえ、硬度十分の龍の爪よ?
一発で1匹を目指して力溜め、からの回避行動を見切って怪力頼りのグラップル。必要なら相手の攻撃に合わせてカウンターも狙うわ。ニコラの拳、本気になれば石くらい串刺しよ?
最悪、撃墜したあとの始末は後衛の射手に任せましょうか。



 激しい乱戦も終局に向かっている。戦況を見たニコラ・クローディア(世界を渡る龍賢者・f00091)は攻め時と見て防御拠点としていた場所から打って出た。
「数が減ってきたのなら―――あとは肉弾戦で仕留める!」
 その背に纏っていた「龍翼外套」が翻り、変化する。普段はマントとしてニコラの背を守る龍翼外套はドラゴニアンであるニコラの龍翼なのだ。角と同じ黒曜石のような闇色をした龍翼を広げ、ニコラはダンジョンの上空を飛び回る巨竜像に空中戦を挑む。
「空中がそちらだけの場とは思わないことよ……!」
 獲物が自分からやってきたと思ったのか、巨竜像の一体がニコラに襲い掛かる。
 ニコラの女性らしい白く滑らかな手に武器はない。
「―――セット。砕かせてもらうわ」
 薄暗いダンジョンの上空に魔力のプラズマが発生した。白い手が翼と同じ闇色に変化し、爪が鋭く伸びて行く。
 クラウディウス式龍闘術により攻撃力を増したニコラの龍爪が握り込まれ力を溜める。
「ニコラの拳、本気になれば石くらい串刺しよ?」
 頭部のない巨竜像にその警告が理解できたかは分からない。
 雷と風を纏う巨竜像の突撃を翼をはためかせる事で体を捩じって躱し、無防備な腹に拳を突き刺す。細腕とは比べ物にならない程の怪力を持ったニコラの腕は龍爪が切り裂いた腹を見事に串刺しにした。
「あとの始末は射手の皆に任せましょうか」
 腕を引き抜くと大きく亀裂が走った巨竜像が落下していき、後衛を任されている猟兵達の攻撃に巻き込まれて砕かれて行った。
「次は誰かしら?」
 岩肌がむき出しになったダンジョンの壁面を蹴って次の獲物に襲い掛かる。
 今やニコラは巨竜像に襲われる侵入者ではなく、巨竜像を砕く黒翼黒爪の龍。最後の巨竜像が砕かれるまで、長くはかからなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『サイクロプス』

POW   :    叩きつける
単純で重い【剛腕から繰り出される拳】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    暴れまわる
【目に付くものに拳を振り下ろしながら咆哮】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    憤怒の咆哮
【嚇怒の表情で口】から【心が委縮する咆哮】を放ち、【衝撃と恐怖】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠茲乃摘・七曜です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「―――来たな」
 開かれた一つ目には隠しきれない歓喜と凶暴性にぎらりと光った。
 自分がいつから、何故ここにいるのかは知らないし興味もない。
 筋骨隆々たる巨体とそれに見合った怪力。サイクロプスと呼ばれる自分が求めているのはこの怪力をふるう場だけである。
「長かった……本当に……もう本当に長かった!」
 日数を調べる手段がないダンジョン最奥のボス部屋でたった一人。
 侵入者は着てもここまで到達できる者がおらず力と暇を持て余した。
「グハハハハ! やっと来たな愚かな侵入者ども!」
 これでもうふるう機会もないのに筋トレして過ごす日々ともおさらば。
 サイクロプスはこの虚しい日々を共に過ごして来た相棒である巨大な柱を手にボス部屋の扉が開くのを待っていた。
ニコラ・クローディア
「怪力がご自慢なら、それと真っ向から勝負してやろうじゃないか…!」
龍闘術、セット。こういう輩相手に武器は不要、真正面からオレサマの龍爪で相手をしてやろう。
腕が細い、あるいは小さいと舐めて掛ってみろ?
龍脈炉心由来の魔力で力を溜めて筋力を補強、さらにはもともとの怪力とグラップル能力には自信があるんだ――侮ったのを後悔させてやる。
ただただ柱を振りまわすだけなら――簡単な物理の問題だ。
合気というんだったか、貴様のその怪力、しっかりと見切ってそのままオレサマの攻撃に上乗せさせてもらおう!
その巨体、ぶん投げてやろうじゃないか。

口調:ドララ
アドリブ・連携歓迎


ゾーク・ディナイアル
「キャハハハハハ!強そうじゃん!壊し甲斐ありそうじゃん!コイツを殺れれば、戦果は十分だよねぇぇ!」

☆戦術
SPD勝負
UC【ハルシオン起動】でハルシオンに搭乗して戦うよ。
「デカブツ相手ならさぁ!ハルシオンが使えるんだよぉ!」
スラスターを吹かせ、高機動で飛翔しまずはハイ・ビームライフルを『クイックドロウ』で『二回攻撃』して乱射。
「当たれ当たれぇ!」
敵の攻撃は『見切り』で躱しながら接近して『怪力』機構でビームサーベルを振るい『カウンター』で斬り裂いたり、ビームサーベルを突き刺して『傷口を抉る』ように身体を焼き切るよ。
「その首、貰ったぁぁ!」
※アドリブ歓迎
※ハルシオンは騎士甲冑のようなロボット


レイナ・オトゥール
ふーお待たせしました!
罠を越え首なしドラゴンさんを越えやってきました!
さぁあさぁあさぁ!難しいことは抜きにしていざ尋常に勝負ですよ!!

これだけおっきくて強そうな相手だと、ちまちまなんて攻撃してられません!
【精霊竜召喚】で炎の竜を呼んで全身のパワーを上げて
【ダッシュ】で突撃して出来れば足を【串刺し】します!
止まってると攻撃の的になってしまうので一撃当てた後は出来るだけすぐに離れますね

足を攻撃するのは転ばせたり相手の動きを少しでも鈍らせれば
相手の移動や攻撃が少しでも鈍ってもらえないかなっと

相手の方向に対しては
これはもう罠を抜けた時のように気合を入れてうぉおおりやーって感じで対抗します!



 ダンジョン最奥。ボス部屋は装飾品の一つもない殺風景な場所だった。 床板は何かを叩きつけたかのようにひび割れ、砕けた岩や石柱のような物が転がっている。
「グハハハハ! あの罠を突破して来たか!」
 部屋の真ん中で仁王立ちするのは筋骨隆々たる巨体を持つ一つ目の巨人『サイクロプス』。轟くような笑い声をあげながら巨大な柱を一振りすれば風が巻き起こる。
「いいだろう、俺様が直々に相手をしてやるぞ!」
 侵入者―――猟兵達に指を突きつけるサイクロプス。ぎょろりと見開かれた一つ目には隠しきれない歓喜が溢れていた。
「ふー……お待たせしました! 罠を越え首なしドラゴンさんを越えやってきました!」
 巨竜の石像を越え、息を整えたレイナ・オトゥール(竜と共に・f11986)が声を張り上げる。
「さぁあさぁあさぁ! 難しいことは抜きにしていざ尋常に勝負ですよ!!」
 びしっ! と指を突きつけ返すレイナ。頼れる友達である竜達もやる気を見せているのか首をもたげてサイクロプスをきりっと見据えている。
「キャハハハハハ!」
 レイナと同じく巨竜の石像を乗り越えてきた猟兵達の中からゾーク・ディナイアル(強化エルフ兵の出来損ない・f11288)甲高い笑い声が上がった。
「強そうじゃん! 壊し甲斐ありそうじゃん! コイツを殺れれば、戦果は十分だよねぇぇ!」
 普段はそれなりに抑えられている狂気を解放したゾークの哄笑に、サイクロプスは轟くような笑い声を返した。
「グハハハ! ぶっ壊されるのはお前らだ!」
 待ちに待った侵入者、粗雑に扱うつもりはないがサイクロプスの巨体に比べれば猟兵達は小さく華奢で、サイクロプスが相棒としている柱よりも脆弱に思えただろう。
 その思い込みをを悟ったニコラ・クローディア(世界を渡る龍賢者・f00091)が獰猛な気配を帯びる。
「怪力がご自慢なら、それと真っ向から勝負してやろうじゃないか……!」
 普段の彼女ははっきり言って猫を被っている。今表れた暴君じみた物言いの彼女こそが本来のニコラの振る舞いだった。
「やれるものならやってみろ!」
 サイクロプスが振り回す柱と拳が猟兵達を襲う。避けた体に強い風圧と割れた石畳の破片がぶつかる。
 その一撃を戦いの合図として猟兵達はサイクロプスを迎え撃つ。
「―――セット」
 ニコラの技はクラウディウス式龍闘術。ドラゴニアンであるニコラの龍脈炉心由来の魔力を纏わせた拳、そして魔力を溜めて補強された筋力。さらには元々備わった怪力とグラップルの能力。
 彼女の自信を裏打ちする数々の『力』を、腕が細い、小さいと舐められた事は許しがたい侮辱だった。
「―――侮ったのを後悔させてやる」
 ばさりと広がった黒い翼を翻し、真っ向から巨大なサイクロプスに挑みかかる。
「おりゃああ!」
「はあっ!」
 振り下ろされたサイクロプスの拳とニコラの拳がぶつかり、サイクロプスが振り回した柱をニコラがかわす。
 体の大きさでは圧倒的に有利なはずのサイクロプスの怪力と、ニコラの黒い鱗に覆われ爪を備えた龍の拳はどちらも負けず劣らず強力だった。
「ただただ柱と拳を振り回すだけなら―――簡単な物理の問題だ」
 ニコラは振り下ろされた拳を迎え撃つのではなく、その太い腕に手を添えた。
「貴様のその怪力、しっかりと見切ってそのままオレサマの攻撃に上乗せさせてもらおう!」
 サイクロプスがニコラの言葉を理解する前に自分の足が地面から離れたのを感じた。
「その巨体、ぶん投げてやろうじゃないか」
 ニコラの獰猛な笑みが見える。見慣れ過ぎて飽き飽きした部屋の壁が見え、次の瞬間サイクロプスの体は宙を舞って床に叩きつけられていた。
「ぐっふ!」
 口から空気に押されくぐもった声が飛び出し、歯の間から唾液が飛び散る。
「合気というんだったか。空を飛んだ気分はどうだ?」
「―――ぐ、ふふ。最高だ!」
 追撃に来たニコラの拳を受け止めて、サイクロプスが立ち上がる。
 猟兵達に対する「小さなもの」と言う印象はもう吹き飛んだ。ニコラも単純で鈍重そうなサイクロプスの闘志に改めて拳を固めて殴りかかる。
 もはや爆音と言った方がいいサイクロプスとニコラの打撃音を聞きながら、レイナは自分の役割を決めた。
「これだけおっきくて強そうな相手だと、ちまちまなんて攻撃してられません!」
 竜が変化した武装を纏ったレイナは精霊竜の力を借りるための祈りを捧げる。
「自然を司りし偉大なる竜の王に願い乞う。我が魔力と想いを糧に御身の力の欠片を貸し与え賜え―――現出せよ精霊竜」
 乞い願ったのは炎の竜の力。荒れ狂えば全てを焼き尽くす炎の力がレイナの体に力を与える。
 駆け出した足は石畳を砕き、その瞬発力に相応しいスピードと怪力を乗せた「水竜ウィル」の斧槍の先端がサイクロプスの足に突き刺さる。
 衝突の衝撃から一瞬遅れてサイクロプスの分厚い皮膚と脂肪と筋肉を貫く感覚。
「ぬぉおお?!」
 やってきた衝撃と痛みにサイクロプスが声を上げた時にはすでにレイナの姿はそこにない。
 いくら猟兵であってもレイナの体はサイクロプスと比べたらミニチュアサイズ。あの拳にしつこく狙われて避けそこなったら相当なダメージを受けてしまうだろう。
 強化された脚力でヒット&アウェイ。そして元々巨体のためにそこまで素早くない足を執拗に攻撃して更に動きを鈍らせるのがレイナの作戦だった。
「当たりません!」
 叩きつけられたサイクロプスの拳をぎりぎりで避けるのではなく大きく下がって避けるレイナには、爆発したかのように飛び散る石畳の破片もかする程度にしか当たらない。
「この野郎!」
 苛立ったサイクロプスが大きく息を吸い込み、叫ぶ。
 砕けた石畳の破片が音の衝撃で飛び上がり部屋全体がビリビリと振動する強烈な咆哮に、レイナは気合いをいれて叫び返す。
「うぉおおりゃーっ!」
 音の暴風を突破したレイナの斧槍が再びサイクロプスの足を貫く。
 拳や柱で足を貫いて来るレイナをはたき落そうとしても捕らえられず、代わりに現れたのは白い巨人―――ゾークが搭乗した全長7m程の人型機動兵器「ハルシオン」だった。
「デカブツ相手ならさぁ! ハルシオンが使えるんだよぉ!」
「ゴーレム程度で俺様がやられるか!」
 咆哮をあげたサイクロプスがメチャクチャに拳を振り回しハルシオンだけでなくレイナやニコラにも、と言うより目についたすべてのものに無差別攻撃を始める。
「ゴーレムじゃなくハルシオンだよぉ! ―――まあ、本当は切り札的に使うんだけど」
 スラスターを拭かせて暴風域のようになったサイクロプスの拳から逃れたゾークはハルシオン専用武装の「ハイ・ビームライフル」をクイックドロウで抜き放ち即座に引き金を引く。
「切り札ってのはさぁ、あると使いたくなっちゃうんだなぁこれが!」
 ハルシオンの装甲に隠れてサイクロプスには見えないが、狂気と歓喜にまみれたゾークの声がビームと共にサイクロプスに襲い掛かる。
「当たれ当たれぇ!」
「うがああああ!」
 乱射されるハイ・ビームライフルに焼かれながら暴れ回っるサイクロプスの拳がハルシオンを偶発的に捉えたが、灰銀色の騎士は倒れない。ゾークはハルシオンの機体を衝撃を受け流すように動かし、その怪力でサイクロプスの腕を掴む。
「その首、貰ったぁぁ!」
 全力で拳を振り回したサイクロプスはそのカウンターを防ぐ事はできない。
 本来なら激しい血飛沫が上がるだろう斬撃はビームサーベルの熱に焼かれてただざっくりと口を広げる。
 そしてサイクロプスの首が転がり落ちるかと思われたが―――。
「まだまだあ! この程度で俺様を殺せると思ったかぁ!」
 首を深く焼き切られ、足からどくどくと血を流し、全身に殴打の痕と焼かれた痕を付けながらも、ようやく敵を得たサイクロプスは咆哮を上げてぎらついた一つ目で猟兵達を見据えていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

クラーラ・ストルイピン
なんとなく憎めないカンジですけど、これもお仕事です。
体格差が、絶対的な戦力の差でないことを証明してみせます!

〇POW
サイクロプスの正面には決して立たず、サイクロプスの周囲を回りながら断続的に攻撃を仕掛けます。攻撃はダメージ目的ではなく、挑発です。
焦れたサイクロプスが無理のある角度で攻撃を仕掛けて来たら、【無敵城塞】でガード。そこから[2回攻撃]で反撃します。狙うのは足。ダメージを負っている個所を連続攻撃し、体勢を崩させます。
上手くいって倒れたり、あるいは膝をつくなどして頭の位置が下がったら、サイクロプスの身体を踏み台にして、[空中戦]で既にダメージを負っている首筋を狙いトドメを刺します。


アレクシア・アークライト
「何を守るでもなく、この部屋に到達できた者を倒すだけ」
「もし私達がここで帰ったら、また待ちぼうけを食うことになるのよね」
「意思を持つ者にそんな役割を与えるだなんて、この迷宮の作り手はほんといい性格してるわ」

 ああいう敵とは離れて戦うのが基本。
 しかし。
 今の今まで黙々と筋トレを続けてきたことには敬意を表したい――そう私のゴーストが囁いている。
 ということで、全力で相手をする。

・一足飛びに間合いを詰める。[空中戦]
・念動力で武器を弾いてガードを抉じ開け、震脚から力場を収束した掌底を放つ。[念動力、2回攻撃、グラップル、捨て身の一撃]

「もし貴方が武術を学んでいれば、結果は違ったかもしれないわね」



 猟兵達とサイクロプスの戦いが激しくなる最中、クラーラ・ストルイピン(ミセリコルデ・f14091)がボス部屋に到着した。
「なんとなく憎めないカンジですけど、これもお仕事です!」
 クラーラは実体のない光の剣、「フォースセイバー」を抜く。
「体格差が、絶対的な戦力の差でないことを証明してみせます!」
 まだ幼いクラーラは当然ながらかなり小柄だ。しかしサイクロプスにはもう相手が小さいからと言って侮る気持ちは欠片もない。猟兵達の手強さは骨身に染みて理解した。
「ぬおおおお!」
 全力でクラーラに拳を振るう。ばっくりと首を裂いた傷は肩から腕の神経にも影響を与えたのか、巨大な柱を拳と一緒に振り回す事はできないようだ。
「拳だけでもすごい威力です……」
 剛腕から繰り出される拳の一撃で石畳が砕けて破片が炸裂弾のように飛び散る。
 拳に直接当たらなくても近くにいたら風圧と石畳の破片だけで吹き飛ばされてしまいそうだ。
「でも、負けません!」
 クラーラは拳を大きく避けて、サイクロプスの周りをぐるぐると周りながら足を狙う。
 すでに傷付いている足を更に攻撃して避けてを繰り返し、隙を作るのだ。
「そこかああ!」
 ついにサイクロプスの拳がクラーラを捉えた。
 しかしサイクロプスの拳に返ってきたのは「無敵城塞」の硬い手応え。防がれた事に気付いたサイクロプスだったが、一度止めてしまった足は傷が響いてすぐに立ち上がる事ができない。
 クラーラは姿勢が低くなったサイクロプスの隆起する筋肉を踏み台にして跳躍、首筋目がけて剣を繰り出す。
「うごッ!」
 実体のない剣から肉を断つ感触は伝わってこない。しかし光の刃が太い首筋に潜り込んだのは確かだった。
 首を落とすまでには至らなかったがサイクロプスは急所への度重なるダメージによって弱って行く。
 アレクシア・アークライト(UDCエージェント・f11308)は深手を負いながらも戦いを止めようとしないサイクロプスにちょっとだけ同情に似た気持ちを感じていた。
「何を守るでもなく、この部屋に到達できた者を倒すだけ」
 アレクシアは待ち侘びただろう戦いに全霊を懸けているサイクロプスを見て、いつからこのダンジョンのボスとして過ごしていたんだろうと考えてしまう。
「もし私達がここで帰ったら、また待ちぼうけを食うことになるのね」
「ごぼっ……ぐはははっ、ここまで来て帰れるとは思うなよ!」
 口から血混じりの泡をまき散らしながらサイクロプスが叫び剛腕を揮う。
「ああいう敵とは離れて戦うのが基本ね」
 アレクシアはサイクロプスの拳から離れ、全身を取り巻く「力場」を利用して飛んでくる破片を弾く。
 彼女が使う強力な念動力は力場を作り出し状況に応じて様々な手段に利用することができる。身体能力を上昇させて拳から素早く離れ、横殴りの拳は空中に跳び上がってかわす。
「しかし、今の今まで黙々と筋トレを続けて来たことには敬意を表したい―――そう私のゴーストが囁いている」
 だから全力で相手をする。
 アレクシアは全身を取り巻く「力場」を変化させて攻撃のための念動力を練り上げる。
 動きが止まったと勘違いしたサイクロプスの拳を念動力で弾き脇ががら空きになった所を狙う。
「もし貴方が武術を学んでいれば、結果は違ったかもしれないわね」
 力場を収束させたアレクシアの震脚がズンと響きボロボロになっていた石畳を跳ね上げた。
「私の全てを込めた一撃、貴方なんかに防げる代物じゃないわ」
「うぉああああ!」
 強力な念動力を込められた全力による超高速かつ大威力の一撃がサイクロプスの巨大な体を貫き、ボス部屋の壁にまで大穴を開けた。
「お、おのれぇえ……」
 自慢の巨体も大穴を開けられてしまってはもう戦えない。
「ぢくしょう……もっと、戦いたかった……次は俺様が勝つからなあ!」
 最後に一声吠えてサイクロプスは息絶えた。
 やがてボスを失ったダンジョンが崩壊を始める。
 猟兵達が脱出してからしばらくしてダンジョンは崩れ、あの厄介なトラップエリアも戦いで砕け散った巨竜の石像の残骸もサイクロプスの遺体もすべて、瓦礫の下に埋もれて行った。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年03月17日


挿絵イラスト