お茶を求めて黄泉国!
ディル・ウェッジウイッター
猟兵になり様々な世界を渡るようになって改めて痛感したことがあります
それは、お茶は星の数ほどあるという事です
ティーソムリエたるもの全てのお茶をいただきたいのですが私の身は一つ。ただの人間の生きる範囲で全てのお茶をいただくのはさすがに時間が足りません
ですので、あなたのお力をお借りしようかと
よろしければあなたの郷里の、もしくは今まで見聞きしてきたお茶の話についてお聞かせ願えませんか?
●
個人企画?です
お茶やお茶会に関係するノベルを書いてください
グリモア猟兵さんの思い出でも、言い伝えでも、MSさんが今しがた考えた物でも、お茶とお茶会にまつわればどんなお話でも構いません
世界はシルバーレインにしてますが他の世界の話でも歓迎です
文体自由
PCとグリモア猟兵さんの対談式でもレポートがでもグリモア猟兵さんが口述する形でもなんでもOK
PCが出ない形式でも問題ありません
文字数は多めに用意しておりますが、短くても大丈夫です
●PCについて
人当たりが良く穏やか、時折茶目っ気をみせるティーソムリエ。ちょっとしたことでは動じない。マイペースともいう
紅茶が大好き
●NG
PCの恋愛描写、性描写、公序良俗に反するもの
以上、よろしくお願いします
●花開く味
「ほう。茶の話」
せっかく世界中……どころか、世界を文字通り越えていける猟兵になったのです。全世界の全ての地域のお茶を味わわねばティーソムリエ猟兵の名折れというもの。
しかし、長くてもせいぜい百年と少し程度の人間の寿命でそれをこなすのは現実的でないことくらい、私も理解しているつもりです。
そういうわけで、本日お茶のお話を伺うお客様はグリモア猟兵にして城門のヤドリガミの出水宮・カガリさん! サクラミラージュのご出身だそうですが、あの世界は様々な世界のお茶が集まっていそうですね。
「そうなのか……?」
あれ、首を傾げてらっしゃる……? サクラミラージュと言えば、帝の元に全世界が統一されている世界と聞き及んでおりますが……?
「いや……それは、その通りだと思うのだが。カガリは城門だからな、ひとのことに詳しくないのだ。
20年と少し、ひとの形をしているが……猟兵の仲間から教わるまで、茶の淹れ方どころか、湯の沸かし方もわからなかったくらいだ。茶はうまいとは感じるが」
ああー、なるほどそういうご事情が! 私も18年生きてますがお茶はわからないことだらけですし、20年ちょっとなんて誤差ですって!
ところで、このお茶はどなたが? ここはカガリさんのお宅と聞きましたが。
金閣寺なみ……とまではいきませんが、屋根の金色が統一されているのが気になるお宅ですね。
「カガリが生まれた都は、滅んでいるので。ここは、ユーベルコードでの再現になる。
この茶は……ここは、望んだものは何でも手に入る、ので。住人の誰かが、出してくれたのではないかな?」
何でも……?
えっ、それじゃあ世界中のお茶が欲しい、なんて望みも……? アマゾンの秘境にしかない茶葉とか、千年に一度しか採れない茶葉とか……?
「正確には、『手に入った』という夢でしかないが」
夢でもいい……! 夢でもいいんだ……ッ!!
ところで、このお茶は結局どういった……?
「うーん……どういう味がする?」
そうですね……まず甘酸っぱいです。ベリーや柑橘系ではなくローズヒップのような酸味でしょうか。瑞々しさもあります。
その後に……ああ、香りと共に甘みが広がりますね……煎茶や烏龍茶ではなく紅茶、ということはわかるのですが、これは何でしょうか。ローズ……とは少し違いますね、かなり強い甘みの……飴やフルーツとも違って、でもしつこくない……眠ってしまいそうな優しい心地よさも……これは癖になるような
……、……あれ、私
毒耐性あるはずなんですが、何か盛られましたこれ……? 珍しい茶葉にハイになって五徹くらいした後なみに目蓋、が……。
「ああ、それは多分。ここの花の茶ではないかな。真っ赤な桜があったと思うが」
あ、見たような気がします……言われてみれば、確かにあのお花の匂いですね……いい香り……あぶないおクスリなんかで、よすぎてトぶって言いますけど……こういうこと……なんですかね……ねむくて、しあわせ……すごい……やばいです……。
「まあ、うん。どうして、あの花の茶があるのか。全くわからないのだが。おそらく、香りが良かったから。飲んでみたくなったのかな?
それで、多分。その望みが、叶っているのだと。カガリもびっくりだ。
本来は、この香りで眠るとな。なかなか起きづらくなって、目を覚まさなくなって、そのまま満ちた夢の中で――という花で」
え……何それすごい……飲むと死ぬお茶の……無料試飲とか……現実では絶対できないじゃないですか……いやこれ無料じゃなくて永遠にぐっすりしてしまう方です?
「まあ、まあ。大丈夫でないかな。あくまで、ひとときの客人。
住人になりにきた訳ではないのだから。
眠いのなら、無理せず。眠ってしまって大丈夫。
起きたら出ていけばいい――、と」
すや……。
「……どうか、どうか。幸せなままであるように」
*
その後、すっきり目覚めて無事にカガリさんのお宅を後にしました。
あのお茶……あそこでしか味わえないとしたら、何と勿体ない……どうにか茶葉と材料を組み合わせて、近い味を再現できないものでしょうか。
ちょっとティーソムリエの舌にかけて頑張ってみたいと思います。
現物のお花を頂いてくるのは……私はともかく、他のお客様にお出しするにはスリル満点なお茶になってしまう気がしましたので!
死んでしまうかもしれないスリルは私だけが独り占めです。
まあ、もう少し生きて、たくさんのお茶を味わいたいですけどね!
●Tips
・
泉花茶
あの赤い桜は
泉木花というそうです。黄泉に咲く桜、という意味なのだそう。
あの花の茶を飲んだということは、そんな死後の世界のお花を食べたに等しいという事で……え、これ本当に大丈夫なやつです?
まあ大丈夫って言われたので大丈夫でしょう!
成功
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