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第二次聖杯戦争⑨〜ちょっとモフってきてー!

#シルバーレイン #第二次聖杯戦争 #妖狐七星将『貪狼』


●だって凄く美味しいって書いてあったんだもん!
「お節にうさぎのお肉を使うような料理、何か知っているかい?」
 いきなりなんだ、このグリモア猟兵。
「ああ、すまないね。初めまして、ぼくは雨倉・桜木(あめくら・さき)だ。いやあね、今から退治してもうらうオブリビオンの肉が、大変美味という話を小耳にはさんだのさ。ちょっと試してみたくてね。けれども、まずは説明が必要だね」
 べべん、とバチを滑らせて、それはそれは軽やかに三味線の弦を弾き鳴らした赤い八重紅枝垂の桜の精が、花を散らせて薄嗤う。

●ホラーテイストで進みます
「金沢の武家屋敷周辺がオブリビオンの影響で地獄の如きゴーストタウンと化しているそうでね。みんなには、これを解除してもらいたい。ありがたいことに、妖狐七星将『貪狼』が協力を申し出てくれて、妖獣『獅子王』を貸してくれるそうだよ。だからね、是非、獅子王と共闘してゴーストタウン化の解除を行ってほしい。ゴーストタウン化の要として強力なオブリビオンが配置されているから、これを倒してきてくれれば、お仕舞さ。因みに可愛いうさぎだよ」
 ところでね、と嗤う顔は相も変わらず薄嗤い。うたいかたりで食っている言葉使いの桜の精は、唇に人差し指を宛がって、ひとぉつ声を落として囁いた。
「協力して、と頼むからには――わかるだろう? 協力しなければ突破は難しい、ということさ。 地獄の沙汰も金次第、ならず、地獄の沙汰も猫次第。 猫と呼ぶには猛々しいが、猫の眼は魔を避ける。 いいかい?くれぐれも猫から離れてはいけないよ。 地獄のようなゴーストタウンとは、はてさてどんなどころだろうね?」
 そこで鳴るのさ、脅すように。怪異を宿した三味線が、バチもなくべべんと ひとりでに・・・・・
「ふふ、なぁんてね? 帰っておいで、誘われずに、惑わされずに。懐かしい声が聞こえても、応えてはいけないよ? だぁれも、連れ帰ることはしてはいけないよ? 黄泉平坂のぼるのは、今を生きてる生者だけ。 神すら破れぬ理を、人が破ってはいけないよ?――それじゃあ、いっておいで。うさぎおいしかなざわ地獄巡りの始まりさ」
 どろり、 桜色の蝶グリモアが崩れて、消えた。


なるーん
 はじめましてorこんにちわ、なるーんです。
 トンチキの予定がホラーになりました。

 地獄の如く、とありますので、今回は八寒地獄を想定してください。
 まじの地獄ではないのであくまでそれっぽい雰囲気って感じでOKです。

 凍てつくような寒さの中、先の見えない霧に包まれた金沢の武家屋敷を進んでいただきます。
 懐かしい誰かの後姿が見えるかもしれない、懐かしい誰かの声が聞こえるかもしれない。
 でも追いかけてはいけません、こたえてはいけません。
 地獄の中でおいかけていいのは、うさぎだけ。

 獅子王から離れると彷徨うゴーストに群がられます。

 ●推奨
 心情メイン、戦闘はUC指定して頂ければこちらでどうにかします。

 ●概要
 金沢の武家屋敷がゴーストタウンになっています。
 内部にはゴーストタウン現象の「柱」となる強力なオブリビオンが配置されていますので、
 それを獅子王と連携して撃破しましょう。

 ●プレイングボーナス
 獅子王と連携して戦う。
 道中聞こえる懐かしい「死者」の姿や声に惑わされない。

 以上、平和なお正月を迎えるために頑張りましょうー。

 ●大切なこと
 MSは銀雨にいましたが土蜘蛛の女王戦以降は全く活動してません。
 ほぼどころか全く無知ですので当時のことはプレイング以上は拾えません。
 貪狼さんも登場しません。
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第1章 ボス戦 『モーラビット・スーパーキング』

POW   :    モーラット・チェンジ
【モーラット】に変身する。変身後の強さは自身の持つ【モーラット印の缶詰】に比例し、[モーラット印の缶詰]が損なわれると急速に弱体化する。
SPD   :    モーラット・エアリアル
レベル個の【モーラット】を召喚する。戦闘力は無いが極めて柔らかく、飛翔・クッション・ジャンプ台に使用できる。
WIZ   :    モーラビット・フィーバー
レベルm半径内を【集まってきたモーラビットの溜まり場】とする。敵味方全て、範囲内にいる間は【モーラットに与えるダメージ】が強化され、【モーラット以外に与えるダメージ】が弱体化される。
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ルリララ・ウェイバース
互いを姉妹と認識する多重人格者
普段はルリララの身体を交代で使っているが、ユーベルコードの分身で4人共身体を持った状態
本体はルリララ

「骸が残るタイプの敵か」(ルリララ)
「肉は鍋に、毛皮は上着にっと」(リラ)
「皆、油断しないでよ。ララ、勝手に動き回らないで!獅子王モフってて良いから」(ルリ)
「猫ちゃんもよろしくね~♪」(ララ)

[動物と話す]で獅子王とも連携して行動し、戦うぞ
「ルリララ達を呼んでる女性の声がするが、母だったりするのだろうか?」(ララ姉押さえつつ)
「生まれる時に亡くなったから正直分かんねぇな」
「会いに行ってみ、ハイ止めるよ」
「生命の循環に乗ってるはずだから、こんなところにいないわよ」



●頞部陀(あぶだ)・尼剌部陀(にらぶだ)
 怨、怨――死者の呻きが響く路。比良坂くぐって地獄道。
凍える寒さががらりと変える、身体も声も、もはや誰かもわからぬほどに。
そんな氷地獄の武家屋敷。訪れたのはきゃらきゃら笑う四姉妹。
1つに身体に数多の魂、宿しておれども今ははて、不思議の力で4人に増えた。
猛る獅子すら恐れずに、もふもふ毛並みに埋もれて、のんびり地獄の観光ツアー。
――いいね、とっても華やかだ。地獄に花など咲きはしないが、華はあってもいいだろう。

「骸が残るタイプの敵か」
「肉は鍋に、毛皮は上着にっと」
「皆、油断しないでよ。ララ、勝手に動き回らないで! 獅子王モフってて良いから」
「猫ちゃんもよろしくね~♪」
――姉妹たち、交わす会話はそりゃあ格別、頼もしい。これなら地獄巡りも容易い筈さ。
猫ちゃんなぁんて呼ばれた獅子王は、少しだけぎゃあと不服に鳴いてはみたものの、爛漫な姉妹にゃ利きゃしない。
可愛いーなんて喜ばれちゃあ、諦めるしかないってことさ。ふーと鼻息溜め息ひとつ。
そんな猛る猫ちゃんが、のしんのしんと行進すれば、猫の眼を避けたい輩は波のように退いてった。
「猫ちゃんすごーい!」
それにゃあ猛る猫ちゃんも得意げに、尻尾をたてて応えてやるのさ。ご機嫌に。
『すごいだろう』
なぁんてね。やっぱり可愛い猫ちゃんだ。

そんな姉妹とにゃんこの観光道中。うさぎ探して四苦八苦。
これがなかなか見つかりゃしない。
猫の毛埋もれりゃ寒さは凌げど、いくつもいくつも投げられる疎ましい視線が気分が悪い。
が、仕方ない。武家の屋敷は今はもう地獄の亡者の巣窟だ。生きてる輩が羨ましくて仕方ない。
亡者は飢えて仕方ない。亡者は寒くて仕方ない。生きてる女子の皮剥いで肉が欲しくて仕方ない。
天から床から左右からぐんぐん伸びる亡者の腕どもは、猛る猫ちゃんがひとにらみ。
未練たらしく縋る手も、尾っぽを祓って消し去って。獅子は吠え。咆哮ひとつで場を清め。
猟兵たちと共闘すべし――貪狼(あるじ)の依頼に忠実に姉妹をしっかり守るのさ。

そんな中、不意に流れる霧鬢風鬟(むびんふうかん)。
感じるのは身の毛もよだつ悍ましさと、沸き立つ奇妙な懐かしさ。
おいで、おいで、わたしのかわいいむすめたち――
風に紛れて聞こえてきたのは、姉妹が知らぬ女人の呼び声。秘めしきれぬ愛おしさが、女の声から溢れてる。
それには思わず爛漫な姉妹が誘われ、可愛い猫から飛び降りようとしたものだから、他の姉妹が抑えて止める。
「ルリララ達を呼んでる女性の声がするが、母だったりするのだろうか?」
「じゃあ、行かないと。呼んでるよ?」
「母さんって言いきれるのかよ。 生まれる時に亡くなってるから、リラは分かんねぇぞ」
「とっくに生命の循環に乗ってるはずだから、こんなところにいないわよ」
「それもそっか。 そういえば、応えたらダメだって言われてたね!」
「「「『今更』」」」
これにゃあ猫ちゃんまでもが突っ込んだ。爛漫な姉妹はきょとりと瞳をまるくして。詫びれた風なく笑うのさ。
「忘れてた!」
そっかー。

気を取り直して。猛る獅子、好奇心に死にに行くほど猫じゃあないらしい。
くるり、声がする方角からは背を向けて。のしんのしんと進んでみれば、見えるのさ。
一対のながぁい耳がぴょっこりと。
「いた!」
慌てて逃げるうさぎおいかけ下り下って頞部陀(あぶだ) 、尼剌部陀(にらぶだ)。
「くっそ、はやいな! キリがねぇ!」
「向こうから回り込めるか」
『おう』
獅子はうさぎをぐるり見事に追い込んで、ざっくりその身を切り裂いた。
だけどもね、その場に居たのは置いてけぼりの毛玉(モーラット)。
きゅうきゅうなんて半泣きでこっちを見上げて泣いている。
「逃げられたか」
『否、問題ないだろう。追い込んだのは確かだ』
――猛る獅子のその爪はしっかり赤に染まってた。
そうしてぶらり、絡まる肉片を、ぱくり、おやつと食べて嗤うのさ。
『こりゃあ美味い』
姉妹たち、逃がしたことをそれはそれは悔しがっていたそうだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

尾守・夜野
「…っ待ってくれ!おいていかないでくれ!連れてってくれたって…いいじゃないか」
これが本当に皆のうちのだれかなのかわからないが見えた姿を追いかけそうになる…がトラウマから追いかけられない
追いかけた先で過去の光景が繰り返し起こりそうで
…まぁだからこそ今回の依頼に行けたというのもあるがね

握りしめた皆(剣)から滴る血(自分の)で我に返り…歯を食いしばり目をそらし獅子王を追う
だって追いかけなければ過去はきっと繰り返されない
俺以外の誰かがいけばきっと今よりはましな結果になるだろうさ


だから俺は…
「っ胸糞悪ぃんだよ!」
要にいら立ちをぶつけるんだ

アドリブ連携歓迎



●頞哳吒(あせつた)・臛臛婆(かかば)
 うさぎおいし金沢八寒地獄巡り。黄泉平坂くぐるのは墓守(うせものさがし)がただひとり。
獅子を従えゆぅるりとうさぎ追いかけ下るのさ。点々と滴る赤が道しるべ。
頞部陀(あぶだ)、尼剌部陀(にらぶだ)、更に下りてたどり着くのは、頞哳吒(あせつた)、臛臛婆(かかば)
――そうしてね、此処がどこだか思い知るのさ。

風は冷たく吹きすさぶ。霧は次第に雪となる。
凍る。凍る。凍り付く。なぁにもかもが凍り付く。
凍る。凍る。凍り付く。炭の手足すりゃ凍り付く。
獅子がその身を持ってして、夜野を雪から庇えども。
なぁにもかもが凍り付くなら、猛る獅子すら凍り付く。
やがて、ぷつりと途切れた意識の向こうに、垣間見るのさ。人影を。
連れていかれる。ひとりめが。
「……っ待ってくれ!」
連れていかれる。そうしてふたり。
うせものさがしは手を伸ばす。けれどもちっとも動きゃあしない。
「おいていかないでくれ!」
連れていかれる。またひとり。
うせものさがしは声を出す。けれどもちっとも届きゃあしない。
「連れてってくれたって……いいじゃないか」
連れていかれる。そうしてよにん。うなだれてようとも動かない。
そりゃあそう。凍てつくその身が動けるはずも、声すら出せるはずもない。
だけども今は、それが正しい。
さぁむい寒い地獄の中で、おいかけていいのは、うさぎだけ。
(それに……例えこの身が動いても……無理だ、追いかけられない……っ!)
追いかけたが故の結末が。過去の記憶が蘇る。炎の熱さが蘇る。

『ぎゃあ!!』
獅子の咆哮ひとつ戦慄いて、動かぬ筈の身が跳ねる。
『どうした、おいていくぞ』
風もない。雪もない。凍てつくような寒さもない。
炭の手足もまだ動く。ちらつく人影すらもない。
(……幻覚?だとしたら……っ!)
――性質が悪いと思うだろう? 残念ながらそれが地獄さ。
気が付けば固く握った剣から、ぽたり、ぽたりと赤い雫が滴り落ちる。
「今行く」
覚えた怒りを今は堪えて、獅子を追いかけ、うさぎ追い。
――そうしたらね?霧の向こうに長い耳。
こちらをちらり、覗いては、けたけた嗤う、うさぎが一羽。
「っ胸糞悪ぃんだよ!」
墓守を嘲て嗤う悪いうさぎは、それはとっても驚いて。
ぴょんと飛び跳ね、すたこらと脱兎しようとしたけれど。獅子がぐるりと先回り。
その隙に、封を解いたる夜野の剣は、ざっくりうさぎを切り裂いた。――だけれども。
「――くっそ、逃げた」
『仕方ない。あまり長居はすべきではない。次に任せよう』
うさぎは毛玉(モーラット)に早変わり! 真っ赤にそまった毛玉のままで、ふわり空駆け逃げだした。

大成功 🔵​🔵​🔵​

天目・牟玄
……寒い。……痛い……。
(薄着なうえ手脚が半ば金属化しているので冷えが伝導してきた)


(・獅子王に乗せてもらえそうなら乗せてもらって暖を取りながら移動。ダメでもなるべく引っ付いて動く。
・標的は見つけ次第流体金属化させた腕を伸ばして攻撃。寒いので離れたくない。
・見えるのは恐らく今は亡き母。けれど、事前情報は聞いているし、冷たくなっていく軀を搔き抱いていたのは己だ。間違えることなどない。幻影には一瞥をくれてやるだけで通り過ぎる。しつこければ一撃入れてやるかもしれない)



●虎虎婆(ここば)・嗢鉢羅(うばら)
 まだまだ続くよ、金沢八寒地獄巡り。続いて比良坂くぐるのは。
――おや? 獅子王ひとりかい?
いいや、毛並みにすっぽり埋もれて、薄い刃がただひとり。ひょっこり顔だけ出してきた。
「……寒い。……痛い……」
――だろうねぇ。なんせ手足は半ば金属だ。冬の金属の冷たさは誰もが身に染みているだろう?
更には薄着ときたものだ。せめて防寒具ぐらいは揃えておくれ。
何にせよ、うさぎ追わねば坂すら登れぬ。頼りになるのは、猫の温もり、あたたかさ。
『仕方ねえなあ』
なぁんて猫も嗤うのさ。

行進はすっかり猫任せ。顔だけだしてきょろきょろと、毛玉の行方を探せども。
やっぱり中々見つからない。
相も変わらず点々と滴る赤と散った抜け毛が道しるべ。
下り下りて地獄坂、虎虎婆(ここば)、嗢鉢羅(うばら)と辿り着く。
――そうしたら、聞こえてくるのさ、母の声。
おいで、おいで、と呼ぶ声が。愛し、愛し、と鳴く声が。
けれども刃は知らんぷり。
なんせ己だけこそが、冷え行く身体を搔き抱き、母を看取ったものだから。
偽り如きに乱されない。恋し、恋しと誘う両手を跳ねのけて、猫と一緒に地獄道中。
それでも誘うものだから、刻んでやろうとしたけれど。
『ほおっておけ』
と猫が言うので無視をした。
――そう、それが正解さ。地獄の沙汰も猫次第。猫の言い分こそ正しい。
だってねぇ、すこぅし構えば付けあがるのさ。彼らは肉が欲しいから。
生者の肉を身に纏い、坂を登ってかえりたいのさ。此の世にね。

そんな折、視界の端に過る影。ささっと物陰にかくれんぼ。
跳ねる勢いは随分と弱弱しくていたけれど――それでいい。
うさぎ倒さにゃ地獄は晴れぬ。晴れねばいずれ、溢れ出る。
寒さに身体が痛みはすれど、猟を終えねば帰れやしない。つまり、仕方ない。
名残惜しげに猫と離れて、煤けて流れる金物(かなもの)に、ぐるりその身を化けさせて。
ぬるりぬるりと隙間を抜けて、うさぎを猫と挟み撃ち!
ざくり、と確かに身を射抜いたが、要のうさぎは逃げだした。
『しぶといな』
猫はそっと溜め息ひとつ。
「あの……寒いので潜っていいでしょうか……?」
震える刃に猫はきょとりと眼を見下ろして。
『仕方ねえなあ』
なぁんてまた嗤う。

大成功 🔵​🔵​🔵​

栗花落・澪
これだけ寒いと兎をもふりたくなってしまう…
あれは敵、あれは敵…もふ……

代わりに獅子王さんもふります

自分に炎魔法を編み込んだ【オーラ防御】を纏って暖をとり
獅子王さんと共に敵の元へと

懐かしい声…両親だろうか
けれど僕は物心つく前に攫われて
その時両親は村ごと滅ぼされている
両親の手の温もりとかは覚えてるけど
声も顔も、正直覚えていないんだ

それに、わかってる
両親は僕を行ってらっしゃいって、送り出してくれる
その時が来るまで待っててくれる
だから、惑わされないよ

指定UC発動
【破魔】の【浄化】は悪き者には効くけれど
ただのモーラットには危害を与えずに済むから
的確にスーパーキングだけに【浄化】攻撃
獅子さん、追撃お願い



●鉢特摩(はどま)・摩訶鉢特摩(まかはどま)
 これで仕舞さ地獄道中。金沢八寒地獄巡り。最後に比良坂くぐるのは。
――なぁるほど。地獄に花が咲かなけりゃ、花の方から来ればいい。
頭に揺れる金蓮花、花が一輪やってきた。
されども此処は八寒地獄。金蓮花にゃあ少々キツい。
己の魔力で身を守れども、地獄の寒さにゃ敵わない。
しっかり猫にくるまって、もふもふ毛並みの温もりを、そりゃあ全力で味わうのさ。
――モフれないうさぎのかわりに、ね。
因みに花が最後の訪問者、仕留められるならモフっていいよ?
仕留められるなら、だけれどね。

花を欲しがる亡者掻き分け、赤い道筋辿って下り、
鉢特摩(はどま)を過ぎて摩訶鉢特摩(まかはどま)。
一歩踏み込むだけで、ほら、先の見えない暗闇がすっかり花を覆うのさ。
霧はない。風もない。音もなけりゃあ熱もない。何もない、何もない。
そこにはなぁんにもありゃしない。亡者のひとりもいやしない。
そこあるのはただふたつ、一寸先すら伺えぬ暗いくらぁい深淵と凍てつくような寒さだけ。
例えるならば、まさにそう、色濃い彼の世の気配だけ。
地獄の果ての摩訶鉢特摩(まかはどま)、悍ましい程の死の気配。
――否、其処は地獄の最果てさ。死そのものと言えようか。
一歩踏み出す度にほら、死の気配が襲い来る。
生ける命を摘むために、死そのものが襲い来る。
これにゃあ流石の猫ちゃんも、苦悶の声をあげれども、猫の眼は闇を見据える。
ぎろり。そうして見据えた先に見えたのは――

寒地(かんごく)一転。炎獄(えんごく)が花を襲う。

豪、豪――村が、人が、燃え盛る。嗚呼、阿鼻叫喚の地獄絵図。
生きたまま人が燃え踊る。狂ったように燃え踊る。
いっそ狂った村人が、嗤いながらも燃え尽きる。
火が襲う。刃が襲う。人が死ぬ。
火が襲う。刃が襲う。またひとり。
火が襲う。刃が襲う。人が死ぬ。
火が襲う。刃が襲う。人が尽く死に絶える。
火が襲う。刃が襲う。母が、父が、花を呼ぶ。懐かしい声が花を呼ぶ。
――助けて、嗚呼、助けて、澪!!――されども花は、
「違う!」
一喝。あらん限りに叫んで散らす。幻を。

霧散する熱。凍てつく寒さが舞い戻る。
あがった鼓動に、胸を抑えて、深呼吸。
「覚えていない。正直覚えていないんだ、声も顔も」
労わるように、猫が鳴く。尻尾で花をそっと撫で。
「ありがとう。でも、これだけはわかってることがある。両親は僕を送り出してくれる。その時が来るまで待っててくれる。だから、惑わされないよ。大丈夫」
『強いな』
「そうかな」
『ああ、強い。進むぞ』
のしんのしんと猫が行く。花をのっけて猫が行く。
そうしてふと、どこからか優しい気配がすぐ傍に。
死の気配を遮るように、ふたりを包んで寄り添った。

「でも、やっぱりこれだけは言っていいかな」
『どうした』
「ここの幻覚、性質悪い」
『はっはっは、違いない』

そうして進む闇の中。やっと見つけた柱のうさぎは虫の息。
それでも此処は摩訶鉢特摩(まかはどま)、なんせ此処は死者の国。
生者より死にかけの方が強くなる。
柱のうさぎは地の利をもって、花を摘まんと襲い来る。
されども花はやっぱり強い。破魔の力でうさぎを射抜く。幾度も。
破魔の力が祓うのは悪ぅい悪ぅいうさぎだけ。
そうしてうさぎが弱ったところに、爛々と目をまぁるくした猫ちゃんが、食事の時間と飛び掛かる。
「……あ」
――もぐもぐむしゃり。ごっくんぺろり。
猫ちゃんはそりゃあもう、満足そうに毛づくろい。そうしてにっこり嗤うのさ。
『嗚呼、やっぱり美味かった』
――まあ、黄泉戸喫はきっと心配ご無用さ。うさぎは骸の海のものだから。

大成功 🔵​🔵​🔵​


●比良坂(ゲート)くぐっておかえりなさい
「やぁやぁ、お帰り。お疲れさまだ」
八寒地獄より比良坂くぐって帰還した猟兵たちを桜の精が労わって。
寒かったろう、とあったか~いお汁粉の缶などを配った。
そうして閉じ行くゲートを見やり、おや、とひとつつぶやいて。
後ろをご覧、というものだから。猟兵たちがくるりと振り向くと。
『ぎゃぉ!』
そこには閉じ行くゲートのその先で、ひらひら手を振る獅子王が。
それにはグリモア猟兵がきょとりと目を瞬かせ、くっくっと嗤う。
「おやおや、よかったねぇ、猫が仲間で。見ないで済んで。さっきまでそりゃあたくさんいたんだよ?」
すいっと桜の精が指差す先は、ゲートの向こうの濡れた土。
「君らの後ろに」
其処には元の地面がわからぬくらいの足跡。足跡。足跡。足跡が、広がり。
「――ふふ、今宵はどうか」
ばたり、門が、閉じた。
「背後に気を付けて」

最終結果:成功

完成日:2023年01月07日


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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠オヴィリア・リンフォースです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト