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第二次聖杯戦争③〜オペレーション・グレイプニル

#シルバーレイン #第二次聖杯戦争


●2023年1月1日、シルバーレイン世界日本国石川県金沢市・香林坊商店街
 香林坊商店街。大型商業施設が数多く立ち並んでおり、日本海有数のショッピングゾーンとしてその名を轟かせている。元旦を迎え、各商業施設は正月休みに入っていた。2日になれば初売りセールで多くの客が来ることだろう。

 しかし、閑散とした商店街に、突如として巨影が出現する。全長50mにも及ぶ巨大な影。魔狼フェンリルである。配下の妖獣化オブリビオンを統率し、道行く人々を襲おうと待ち構えていた。幸いなことに、現時点で人通りはほとんどないが、正月休みの観光客も多く訪れようとしているこの地域でフェンリルたちが狙うのは聖杯剣揺籠の君の為の「生贄」である。

 これを阻むべく、猟兵達が立ち上がった。ポータルより続々と出現する異界の存在たちが、シルバーレイン世界の危機に挑む。

●オペレーション・グレイプニル
「ミッションを説明しましょう」

 新年を迎えたグリモアベース。昨年と同様に年初からの戦争体制にグリモア猟兵が予知の確認などで奔走する中、ジェイミィ・ブラッディバック(脱サラの傭兵/Mechanized Michael・f29697)は猟兵たちを集めてブリーフィングを始めていた。

「銀誓館学園より緊急連絡がありました。現在、シルバーレイン世界日本国金沢市にて大規模なオブリビオンの活動が開始されているようです。オブリビオン・フォーミュラ『揺籠の君』が本件に関わっている事が確認されたため、かつてシルバーレイン世界で発生した『聖杯戦争』と酷似した状況であることが認定。本件は『第二次聖杯戦争』と名付けられました」

 揺籠の君は超メガリス「聖杯」の獲得を企図している。そのために配下となるオブリビオンを金沢市中に展開し人々を生贄にしようと考えていた。そのうちのひとつが、今回ジェイミィが予知できたフェンリルの襲来である。

「こちらで予知ができたのは魔狼フェンリルの襲来です。ヨーロッパの人狼勢力が召喚したエネルギー体がオブリビオンと化したもので、その全長は50mに達します。これが香林坊商店街に出現しました。ひとまず周辺住民の避難は完了していますが、早急に討伐する必要があるでしょう」

 エネルギー体とは言え、50mもの巨体だ。倒すには一苦労だろう。

「サイズ差を埋めるか、サイズ差を逆利用する必要があるかもしれません。巨大化手段を利用する、キャバリアに搭乗する、懐に入り込むなど、様々な手段でフェンリルに対抗してください。もちろん、商店街に被害を出すことはNGです」

 フェンリルを倒すことができれば、揺籠の君の企みを大幅に狂わせることが可能だ。もちろん状況は一刻を争う。ジェイミィは一通りの状況説明を終えると、猟兵たちを見回した。

「北欧神話では、フェンリルは魔法の鎖『グレイプニル』で拘束されました。今回の状況では、グレイプニルは我々猟兵のユーベルコードと言えるでしょう。災いを齎す魔狼を鎮める作戦──オペレーション・グレイプニルの発動をここに宣言します」

 グリモアの力でポータルを開き、ジェイミィは宣言する。猟兵達はポータルへと飛び込み、現場へと急行した。

 第二次聖杯戦争、フェンリル討伐作戦「オペレーション・グレイプニル」──開始。


バートレット
 どうも、バートレットです。
 あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 さて、早速戦争シナリオをお届け致します。金沢の一大ショッピングゾーンを狙う巨大な魔狼フェンリルを打ち倒しましょう。

 プレイングボーナスは以下のとおりです。

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 プレイングボーナス:フェンリルの蹂躙から商店街を守る。
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 フェンリルは巨大なため、戦い方を工夫する必要があるでしょう。サイズ差を埋める、逆にサイズ差を利用した戦い方を意識することをおすすめします。もちろん、商店街に被害を出さないことが第一です。商店街という名前ではありますが、大型ショッピングモールも多いため、そのあたりも意識しながらプレイングを組み立ててみてください。

 OP公開後、即座にプレイングの受付を開始します。募集状況はタグにてご確認ください。また、MSページに諸注意等記載しておりますので、ご一読頂けますと幸いです。

 それでは、皆様のアツいプレイングをお待ちしております!
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第1章 ボス戦 『フェンリル』

POW   :    破裂の赫眼
【視線】が命中した部位に【不可視のエネルギー】を流し込み、部位を爆破、もしくはレベル秒間操作する(抵抗は可能)。
SPD   :    魔炎光線
【口腔内でのエネルギー】のチャージ時間に応じ、無限に攻撃対象数が増加する【魔炎光線】を放つ。
WIZ   :    魔狼の呼び声
【引き裂いた空間の裂け目】から、戦場全体に「敵味方を識別する【血に餓えたゴーストウルフの群れ】」を放ち、ダメージと【出血】の状態異常を与える。
👑11
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レモン・セノサキ
大型ショッピングモールの屋上に陣取る
「Forte.50」で敵の眼球を挨拶代わりに狙撃(▲スナイパー)
(他のUC枠で)【魔弾の射手】を起動、三層の魔法陣を目立つように輝かせ
"今からオマエの頭を吹き飛ばす"と明確に▲挑発したい

必然的に此処の建物が狙われる危機が増すけど
なぁに、そんなもん私が撃ち負けなけりゃイイだけの事!
注意が此処だけに向いてれば、他の商店街はその間無事って事だもんな

無数の「ブルーコア」を舞わせて▲レーザー射撃
集中を乱す事で敵のチャージを妨害、▲時間稼ぎをしたい
"蒼の魔弾"の出力ブッ壊れ系魔改造UCだ
頭吹き飛ばしてもどうせ再生するんだろうけど
その分のエネルギーはごっそり消えるだろ!


フィルバー・セラ
【アドリブ連携歓迎】
人民の避難が完了してんのはやりやすくて助かるな。
後は施設防衛とあのデカブツの討伐に注力すりゃあいい。

『封印の楔』の封印の一部を解放(【リミッター解除】)し溜めていた魔力(【魔力溜め】)を使用。
商店街に可能な限り【多重詠唱】にて【結界術/迷彩】を施し、俺自身は【闇に紛れる】。
知性がどれ程あるかは知らんが、狙いを定める為の隙は多少生まれるだろうよ。

移動は風の【属性攻撃】魔術を応用した【推力移動】で限界まで音を殺し、
召喚されたゴーストウルフ共は【指定UC】で片っ端から消しつつ
同時にありったけの【呪詛】を込めた【呪殺弾】をフェンリルに【砲撃】をヒット&アウェイで繰り返すぜ。


暗都・魎夜
【心情】
新年早々、オブリビオンの総進撃とはね
今年は兎年だってのに、現れるのはフェンリルと来た
つくづく、うちの世界はそういう風に出来ているらしい

能力者に盆も正月もねえ
早速、暴れさせてもらおうか

【戦闘】
敵の強さはこんな所で暴れていいレベルじゃねえ
超強いから気を付けるしかない相手だ
ここは「覚悟」を決めるか

UCを発動しつつ、高台から「斬撃波」「フェイント」で遠隔攻撃
「ジャンプ」「ダッシュ」で「悪目立ち」しながら移動して、建造物の少ない方へ誘導

周囲の建造物が少なくなったら、UCの効果で一気に距離を止め懐に入る
「捨て身の一撃」を決める

オペレーション・グレイプニル、中々良い名前だ
こいつの首、もらった!



●狼狩りの始まり
「新年早々、オブリビオンの総進撃とはね……今年は兎年だってのに、現れるのはフェンリルと来た。つくづく、うちの世界はそういう風に出来ているらしい」

 フェンリルの巨躯を前にして、暗都・魎夜(全てを壊し全てを繋ぐ・f35256)は思わずぼやいた。その横で不敵に笑うのはフィルバー・セラ(霧の標ロードレスロード・f35726)だ。

「なぁに、いずこも似たようなもんだろ。ひとまず、市民の避難が完了してんのはやりやすくて助かるな。後は施設防衛とあのデカブツの討伐に注力すりゃあいい」

 フィルバーの言葉に、後方から現れた3人目の猟兵──レモン・セノサキ(Gun's Magus魔砲使い・f29870)が同意する。

「そうだね。考えることは少ないほうがいい。さて……狼狩りと行きますか」

 作戦を軽く打ち合わせた後、3人は動き出した。レモンは手近なショッピングモールの屋上に陣取る。うつ伏せの姿勢で「Forte.50」を構えると、スコープを覗き込んだ。一方フィルバーは「封印の楔」の封印を一部解くことで蓄積していた魔力を開放。結界術と迷彩魔術の合わせ技で商店街そのものを覆い隠す。フィルバー自身は路地裏に入り込むと闇にその身を溶け込ませた。そして、魎夜は異空間に繋がる水鏡を出現させ、レモンとは別のショッピングモールの屋上から狙いを定める。

 開幕の号砲はレモンの狙撃であった。三層の魔法陣が一際強く輝く中、一発の銃弾がフェンリルの目を直撃する。その衝撃にフェンリルの巨体は一瞬揺らいだ。「今からオマエの頭を吹き飛ばす」というメッセージが言外に込められている。

 続いて仕掛けるのは魎夜だ。月魎斬式を振るうことで斬撃波を出し、注意を向ける。そのままパルクールで屋上を駆け、注意を引き付ける。レモンに向けられるはずだった魔炎光線も引き受ける格好だ。

「建造物の少ない方角に向かえば、レモンの狙撃も通りやすくなる……!」

 フェンリルは魎夜をさらに追い詰めるため、ゴーストウルフを解き放った。だが、これに対抗するのはフィルバーである。風の魔術の応用によって、音もなく滑るように移動すると、ホルスターから魔銃を抜いてゴーストウルフに片っ端から撃ち込んでいく。被弾したゴーストウルフは霧散し、残るゴーストウルフたちの注意も逸れた。

「そろそろか……」

 フィルバーはちらり、とレモンのいるショッピングモールの屋上を見上げた。その屋上ではレモンがさらなる一手を準備している。

「照星展開。加速層、収束層、最大開放。接続良し、変換良し、射撃精度はおおよそ良し! "蒼の魔弾"の出力ブッ壊れ系魔改造UCだ。さて……そろそろ足を止めさせないとね!」

 スコープを覗き見ながら、レモンは魎夜の行く手を見た。作戦通り、魎夜はレモンの「仕掛け」の場所に誘導を続けている。

「よし……反撃だ」

 逃げの一手を繰り返していた魎夜は、突如として振り向いた。次の瞬間、フェンリルの巨体を四方八方から無数のレーザーが貫く。レモンが予め仕掛けていたビット「ブルーコア」による一斉射撃だ。

「頭吹き飛ばしてもどうせ再生するんだろうけど、その分のエネルギーはごっそり消えるだろ!」

 続いてレモンが放つのは摂理さえも崩壊させる、大出力の蒼い魔弾。フェンリルの頭部をガクン、と大きく揺らす。

「まだまだァ! こいつも取っとけ!」

 フィルバーが路地から姿を現すと、身を躍らせながら銃を連射。弾倉の呪殺弾をフェンリルの足元へと撃ち込み、動きを完全に封じる。

「その首、貰ったァ!!」

 トドメとばかりに飛び込む魎夜。月魎斬式を大上段に構えて飛びかかり、首を斬り落とす。3人の連携攻撃は、純粋なエネルギー体であるフェンリルにとっては致命とまでは行かずとも、大きな痛手となったのである。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ムゲン・ワールド
フェンリルか。私が銀誓館に加わったのは、人狼戦線3の翌日、つまり、人狼騎士との戦いが完全に終わってからなので、縁はなかったのだが。

ここで戦いの機会を与えてもらえるとはありがたい。

ま、今回私がやるのは、能力者らしい戦いではないけどな。
起動イグニッション!」
詠唱キャバリア「ナイトマル」を【操縦】。さぁ、初実戦だぞ、ナイトマル。
回転動力炉を全開にして、ナイトマルの両腕からUC発動。

エイムは得意ではないが、あの巨体にキャバリアサイズの拡散弾だ、外しようがない!
ついでにゴーストウルフも巻き込んでいこう。

相手の動きを眠気で鈍らせたら、【リミッター解除】でナイトマルの腕を突き刺す【貫通攻撃】だ!


玄水・ゲンキ
アドリブ歓迎

状況を見て【瞬間思考力】で作戦を検討
「俺がハイドロータスで奴を抑える。攻撃は任せたぜ!」
他の猟兵に作戦を伝える

自機を上回る巨体に【勇気】を固める。それを源に“勇者の盾”のパワーが上がる

【スーパーロボット】の巨体とパワーで敵を捕まえ商店街への進撃を抑える
「ハイドロータス、フルパワーだ!!」
【限界突破】

ハイドロータスを破壊せんと敵が破壊の視線を放つ
【UC】発動。背中に背負った盾をサブアームで前面に展開し敵UCを弾く

「いまだ、みんな!!!」


クゥ・ラファール
これはまた巨大な敵。
成程、大きな機動兵器で対抗するのが筋、だろうね。
了解、クゥが行く。
反乱分子粛清いつもに比べれば大分やり甲斐のある仕事だよ。

都市迷彩塗装を施したRafaleで出撃。
【推力移動】で【空中機動】し、敵の意識を上空へ引き付けよう。
攻撃には実弾モードのDualFaceと連射モードのLooSterを主に使用。頭部、特に口腔周りを狙って攻撃し、可能な限りでチャージの妨害を試みる。

光線が放たれてきたら、UCで機動力を底上げした上で回避を試みつつ、武装の一斉射撃で反撃。
サイズの差が戦力の決定的差ではない、ってコトだよ。


チェスカー・アーマライト
連携アドリブ歓迎
ケッ、年明け早々ご苦労なこった!
年の節目くらい、大人しく寝正月してやがれってんだ

いつもの戦車砲じゃ
うっかり貫通しちまうと面倒臭え
上面装備は主砲を外して『ハーヴェスターミサイル』に換装するぜ
スタンディングモードで出撃
車高を上げて視線を遮ってやる
ビッグタイガーは正面装甲が一番分厚い
数発は耐えられると踏んで
敵と商店街の間に陣取るぜ
ガトリングの銃口をクイクイと上下、気持ち程度に挑発を入れる
後は互いの根気勝負だ
脚部シールドとアンカー起動、姿勢を固定
コンクリートに穴が開くだろーが、そんくらいは勘弁してくれ
その代わり、野郎の攻撃は一発たりとも通さねーからよ
年玉代わりの鉛玉、全弾持ってけ!


ロウガ・イスルギ
アドリブ・連携歓迎

「フェンリル」と聴いちゃあ出ない訳にはいかねえだろう
只のワイヤーと思うなよ?俺が「じ」たらコイツは
神話の武器になる……そう、『グレイプニル』ッ!!
依頼で渡り歩いた世界の素材と技術ぶち込んだコイツが相手だ!

ヒーローカー「ムゲンストライカー」運転操縦による
フェンリルへの挑発及び陽動で商店街への攻撃を逸らす
【残像】【フェイント】【早業】使用で攻撃は躱す

攻撃目標と認識させたらヒーローカーは自動操縦に切替え足止めさせる
自身は車外に飛び出しUCによる弱体化狙い
並びに銃器での攻撃開始

「エネルギー体なら尚更効くだろ?貪る者グレイプニルの名が
伊達か、よーく味わっとくんだな!」


空桐・清導
【POW】
アドリブや連携も大歓迎だ

「また正月早々来やがって!
コッチの都合も考えろってんだよ!」
悪態をつきながらも戦線に参加
巨大なフェンリルの姿を確認しながら使用するUC、
『グレイプニル』を選択する

「巨大な敵から街を守るなら、お前の出番だ!
いくぜ、相棒!ブレイザイン・ギガース!!」
焔から鋼鉄の巨神が創造されていく
「体格は五分だぜ。勝負だ!フェンリル!」

送り組まれるエネルギーをギガースのパワーに変換し、
右腕に[力を溜め]て燃えさかる鉄拳のアッパーを
叩き込んでフェンリルを空中にカチ上げる
そして、フェンリルめがけて燃える蹴りを放つ
「超必殺!ライジング・フレアシュート!」
急所に叩き込むことで決着をつける



●巨狼を討つ
 かつて、シルバーレイン世界で行われていたフェンリルとの戦いは、能力者のアビリティが駆使されるものであった。だが、ユーベルコードを扱い、様々な異世界の技術を身に着けた猟兵たちの戦いは、それとは一味違う。

「『グレイプニル』と聴いちゃあ出ない訳にはいかねえだろう」

 不敵に笑うロウガ・イスルギ(白朧虎・f00846)は愛車「ムゲンストライカー」で商店街の通りを疾走する。偶然にも、彼が持つフック付きワイヤー得物には「グレイプニル」の銘があった。ここで使わずしていつ使うというのか。

「すでに奴は誘導されてるな……先に戦闘していた猟兵たちに感謝だ」

 商店街の外れにある開けた場所では、先のダメージを回復するため動きを止めているフェンリルがいた。好機を逃すまいとばかりにムゲンストライカーで接近し、グレイプニルのワイヤーをそこかしこに張り巡らせていく。

「これでデスマッチ会場の完成ってわけだ……さぁ、出番だぜ!」

 ぱん、と一つ手を叩いて合図すると、次の瞬間、上空より5機の人型機動兵器が舞い降りた。そう、かつての能力者たちの戦いには無かった「機動兵器」。猟兵の猟兵たる所以のひとつである。

「ここで戦いの機会を与えてもらえるとはありがたい。ま、今回私がやるのは、能力者らしい戦いではないけどな……さぁ、初実戦だぞ、ナイトマル」

 ムゲン・ワールド(愛に生きたナイトメア適合者・f36307)はかつて銀誓館学園の生徒としてゴーストとの戦いを繰り広げていたが、今や彼は猟兵。その象徴たる存在こそ、キャバリアに回転動力炉を組み込み詠唱兵器の特性を付与した詠唱キャバリア、「ナイトマル」であった。

「その機体、面白いね。詠唱キャバリアの性能、見せてもらうよ。まぁ、クゥとしても反乱分子粛清いつもに比べれば大分やり甲斐のある仕事だよ」

 クゥ・ラファール(Arrow Head・f36376)はナイトマルに対して興味深そうな視線を送った。クゥはクロムキャバリア世界出身であり、身近にキャバリアがあったからこそ、異世界の技術を組み込まれたキャバリアは新鮮な存在だったのだ。そんなクゥの機体は都市迷彩を施された「Rafale」。積層都市国家「C.G.L.」の技術の粋を集めて製造されたクゥ専用の汎用機である。

「ケッ、年明け早々ご苦労なこった! 年の節目くらい、大人しく寝正月してやがれってんだ」
「全くだ、また正月早々来やがって! コッチの都合も考えろってんだよ!」

 フェンリルにブーイングを送るのは重キャバリア「ビッグタイガー」を駆るチェスカー・アーマライト(〝錆鴉〟あるいは〝ブッ放し屋〟・f32456)と、ユーベルコードによって生成された鋼鉄の巨神「ブレイザイン・ギガース」を操る空桐・清導(ブレイザイン・f28542)。

「まぁ、来てしまったものは仕方がない……皆、作戦通りに行くぞ!」

 そう声を上げるのは玄水・ゲンキ(『勇者の盾』に選ばれた勇者王子・f38740)。スーパーロボット「玄武王・ハイドロータス」を駆る亡国の王子である。

 まずはハイドロータスとビッグタイガー、そしてブレイザイン・ギガースが前に出た。ハイドロータスがフェンリルの脚部に組み付き、ビッグタイガーは脚部シールドを展開しアンカーを地面に突き立て視線を遮る。ハイドロータスとビッグタイガー目掛けてフェンリルからの破壊エネルギーが飛ぶが、この2機の守りを抜くには至らない。ハイドロータスのエネルギーが破壊エネルギーを四散させ、ビッグタイガーは分厚い装甲で弾いてみせた。

「ゴーストウルフはこちらで片付ける!」
「援護するよ」
「こっちで注意を散らす! デカい分狙いも付け易いってモンだ! 木偶の坊!」

 ナイトマルの両腕から放たれるのは拡散弾。周囲に展開していたゴーストウルフを巻き込むように着弾した。この拡散弾には催眠効果があり、被弾したゴーストウルフはたちどころに眠りの世界へと誘われる。さしものフェンリルも、拡散弾の効果で眠気に襲われ、動きが徐々に鈍重なものへと変わり始めた。

 フェンリルは相次ぐ攻撃に対して煩わしげに魔炎光線のチャージを始めるが、これを妨害するのはRafale。実弾モードのDualFaceと連射モードのLooSterを顔面に斉射することでチャージの隙を与えない。チャージしきれないまま魔炎光線が放たれるが、Rafaleは自慢のマニューバでひらりひらりと避けてみせた。さらにはロウガの重火器の一斉射も加わり、フェンリルのエネルギーを削り取っていく。

「今だ、合わせるぞ清導、ロウガ!」
「任せろ!」
「あぁ! クゥ、チェスカー、ありったけ叩き込め!」
「了解だよ」
「おっしゃあ! 年玉代わりの鉛玉、全弾持ってけ!」

 ビッグタイガーの一斉射とRafaleの全武装の射撃がフェンリルに雨あられと襲いかかる。その弾丸の嵐の中をロウガとブレイザイン・ギガース、そしてナイトマルが駆ける。

「リミッター解除、回転炉出力全開! 終わらせる!!」

 ナイトマルの腕がフェンリルの腹に突き刺さり、そして──。

「グレイプニルは伊達じゃねぇ!! よーく味わっておくんだな!」
「超必殺! ライジング・フレアシュート!」

 ロウガのグレイプニルが一旦回収されてフェンリルに巻き付き、ブレイザイン・ギガースがアッパーで大きくかち上げる。次の瞬間、上空に飛び上がったブレイザイン・ギガースはフェンリル目掛けて燃える飛び蹴りを放つ。フェンリルの顔面に突き刺さり、突き抜け、アスファルトを削るようにしてブレイザイン・ギガースが着地。

 フェンリルはついにそのエネルギーを消耗しきってしまった。断末魔の咆哮を上げ、盛大な爆炎と共に散る。爆炎を背負った5機の機動兵器とロウガは、商店街の無事を確認してグリモアベースへと帰還を果たすのであった。

 第二次聖杯戦争、オペレーション・グレイプニル──作戦成功。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2023年01月07日


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#第二次聖杯戦争


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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト