第二次聖杯戦争④〜ふたりでひとり、だからいまはひとり
……ごめん、ここあ。二度と離れないって言ったのに。
でも、アタシとキミは一緒にいちゃいけないんだ。
ナイトメア適合者の中で最も強い12人、「バビロンの獣」であるアタシ達は、
銀色の雨の時代からずっとユーベルコードを使っていた。そして、ボクとキミのユーベルコード名は「ふたりでひとり」……どちらかが死んだ時、相手を持ち物や配下軍勢ごと蘇生させる事ができる。
この能力は、アタシ達が離れ離れの方が強い。
アタシは、キミに死んで欲しくない。
だからさよならだ、ここあ。
この戦いが終わったら、アタシは君に出会う事のない、どこか遠くに旅立つよ。
日本の反対側はブラジルらしいから、ブラジルなんかいいかもね。
●グリモアベース
「ブラジルでブッキングしてるじゃねーか!!」
グリモアベースにアリス・セカンドカラー(不可思議な腐敗の
混沌魔術師艶魔少女・f05202)の声が響き渡る。
「でも百合尊い。お互いのことを考えた結果、行き着く答えが同じになって意味がなくなる百合尊い。というかこの子ら思ってたより年齢層高かったのね。当時は直接会ってないから報告書からのイメージだっともっとロリかと思ってたわ。
と、皆集まったわね。第二次聖杯戦争の開幕よ。私が今回案内するのは片町商店街。ここに潜伏してる「魔槌しなもん&雪降ここあ」の片割れしなもんの討伐よ。といっても「どちらかが死んでも、もう一方が相手を持ち物(※配下軍勢含む)ごと蘇生できる」という能力を持ってるからすぐに復活されちゃうけどね。
この能力があるからか、しなもんは「自分自身が必ず生き延びることで、絶対に相手のことも生かそう」としているから見つけても「ナイトメアビーストの群れ」をけしかけてきて逃げようとするわね。この群れを蹴散らしながら逃げようとするしなもんを倒してちょうだい。
何度もしなもんとここあを討伐し続ければいずれ「ふたりを同時に撃破する別のチャンス」が巡ってくるようだからしっかりお願いね。
皆ならきっと為し遂げられると信じているわ、それではいってらっしゃい」
アリスは一礼すると転送ゲートを開くのだった。
蒼汁の人
魂猫保月猫野ごきげんよう。
『ネタに逝きネタに死す』
蒼汁の人でございます。
始まりました第二次聖杯戦争。なお、私は当時のことは記憶の彼方なのでネタをふられても対応できない可能性があります、予めご了承ください。逆に言えば当時を知らなくても問題なく参加できます。汝が為したいように為すがよい。
このシナリオには以下のと特別なプレイングボーナスがあります。
☆=============================☆
プレイングボーナス:「悪夢の群れ」を蹴散らし、しなもん本体と戦う。
☆=============================☆
それでは皆様の素敵なプレイングをお待ちしています。
●
以下のコマンドを使用の場合、特殊な判定を行います。このコマンドは字数節約のためのものですので、使わない場合は無記入でOKです。
🎲:オープンダイス判定。誰でも確認できる場所で判定のダイスを振ります。
☆:お任せ。サポートに準ずる判定。
†:負けロール。オープンダイスでプレボなしで1回だけ判定し苦戦以下の場合、負けロール描写を行います。成功以上は普通に描写。
†🎲:成功以上でも負けロール。判定はプレボなしで1回だけ。そんなコマンドで大丈夫か?
☆🎲:お任せ。判定はオープンダイス。
アドリブ強度は数字で表してください。1ならプレの方向性やキャラ性は保持。10までイクとキャラ崩壊すらばっちこいとなります。11以上だと吟遊金ドブ上等な感じですが選ぶ人いないよね?
*吟遊とは、プレイング無視のメアリー・スーのことです。いや、面倒だから基本的にはプレに沿いますけどね?
以下オバロ用コマンド。私はどうやら明確な締め切りがないとダメなようなので基本的にオバロは非推奨ですが、以下のコマンドを使用していただければなる早でがんばります。
🌲:一週間で上げなきゃ罰ゲームな!
🌙:一ヶ月は待とう。それ以上かかったら罰ゲームな!
🍊:むしろ代筆を体験してみたい!
⚔️:戦争やぞ? はよ書けや!
第1章 ボス戦
『魔槌・しなもん』
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POW : 「見ててね、ここあ!」
戦闘力のない【雪降・ここあの複製体】を召喚する。自身が活躍や苦戦をする度、【雪降・ここあ(複製体)の援護魔法】によって武器や防具がパワーアップする。
SPD : ナイトメアビースト・ランページ
【自分の体内】から【暴走ナイトメア】を召喚する。[暴走ナイトメア]に触れた対象は、過去の【トラウマ】をレベル倍に増幅される。
WIZ : 悪夢領域
自身が装備する【ナイトメア】から【悪夢の力】を放ち、レベルm半径内の敵全員にダメージと【覚めない悪夢】の状態異常を与える。
👑11
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秋山・軍犬
☆10🎲
軍犬「新年あけまして~」
夜「ゆりゆり~」
軍犬&夜「えっちっちー!」
はい、という訳でアリスさんも相変わらずで
実家の様な…やだよそんな実家
夜「で? どうするんである?
しなもんとかいうのドンドコ逃げてくんであるが?」
軍犬(拡声器を取り出す)
あ~、魔槌・しなもん君に告ぐ
君の大切な、雪降・ここあとかいう子っすが
ヤべいグリモア猟兵に目をつけられちゃたんで
このままだと【ゆりゆりえっちなのうみそおいしいです♥】
みたいな事に…ね
軍犬に勝ったら、そのグリモア猟兵の情報教えるよ~
ま、このまま逃げても別に良いけどね~
夜「…軍犬、友達やめても良いであるか?」
軍犬「殴り合いは正々堂々やるから、許してちょ☆」
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド9/絡◎
■行動
片方が『他世界』に転移されたら、対処法が相当制限されますねぇ。
今の内に、何とか?
【炳輦】を発動、『防護結界』の内側に『FMS』のバリアと『FES』『FGS』の結界を重ね守りを固めまして。
『FPS』でしなもんさんの位置と敵配置を探知、獣の少ない経路から高速飛行と転移で向かいますぅ。
速度と経路上邪魔になる獣は限られますから、『時空切断の嵐』に『FDS』の[爆撃]を重ねた[範囲攻撃]で排除しますねぇ。
しなもんさん接敵後は『FRS』の[砲撃]と『FBS』の斬撃も追加、複製ここあさんが召喚されたら『嵐』&『FDS』に巻込んで排除を狙いますぅ。
庇って隙を見せるなら、それはそれで?
神堂・斑鳩
♡9
「ナイトメアビーストの群れうを蹴散らして、しなもんへの道を拓いてやる!」
「代償が何かは知らないが、二倍でも三倍でも持っていけ!」
『指定UC』の発動。
魔矢で周囲のナイトメアビーストをすべて駆逐しつくした。
「やったか?!」
だが、やっぱりというか、フラグを立てた通り
討ち漏らしたナイトメアビースト(♂)はいる。
もちろん、そいつに捕まり、尊厳を蹂躙されてしまうのも、お約束。
ここから退魔刀 -結-の力の解放して『サポーターマジック』を発動。
それが、結果として
他の猟兵のサポートになる。
これが、最近の斑鳩のテンプレートになっているのだが
斑鳩自身はきづいていない。
レン・スターハウス
【比翼恋理と支える柱】
ベルカさんに、身体部位封じと、急所突きをされてる
しなもんちゃんを説得するよー。指定UCでねー。
しなもんちゃんも、ベルカさんの責めで、顔が蕩けてるねー。
「気持ちいいよねー?」
「私とアイちゃんは、しなもんちゃんと、ここあちゃんとみたいな関係かな?」
アイちゃんの言葉を引き継いで
「私たちは、2人で一緒にいるために、ベルカさんの
所有物になる事を選んだんだよー」
幸せだし、気持ちよくして貰えるよー?
「しなもんちゃん。ここあちゃんと一緒に、ベルカさんの
所有物になっちゃおうねー?」
2人一緒に憂いなく生きていく【たった一つの冴えたやり方】だよ?
ベルカ・スノードロップ
【比翼恋理と支える柱】
❤9
ナイトメアビーストの露払いを誰かがしてくれたので
しなもんに詰めよって【捕縛】
しなもんの両サイドで『比翼恋理』のレンとアイが【逃亡阻止してくれています
《見せ槍》の後に《選択UC》
スパッツは脱がさず一部だけ破り
しなもんの
身体部位に
身体部位を挿入
しなもんの奥を突いて【急所突き】
好き勝手に中出ししつつ、どんな女性でも蕩けさせるテクで蕩けさせて
抵抗も逃亡もさせず、でも、消えてしまわない程度に生命力と魔力を奪います
「ここあと一緒に、私のモノになって貰いますから❤」
《夜王の慈愛》で、しなもんの事を、私のモノにします
私のモノになってくれたら、回復させますね
アイ・リスレコグナイザー
【比翼恋理と支える柱】
『しなもん』って娘が、ベルカさんに身体部位封じと急所突きをされてる
レンと一緒に彼女の両サイドで、選択UCを使って説得、ね
「レンの言う通り『比翼恋理』ってやつね」
「いつまでも一緒にいるっていうのは、そのままだと難しいからね」
レンの『ベルカさんと一緒になることを選んだ』という言葉
それに更に続ける
「2人一緒にいるための方法。それは、庇護してもらう事」
「でもそれは、私達はベルカさんを利用してる事。それをベルカさんは、許してくれている」
「あ。ベルカさんへの見返りは『気持ちよくしてもらうこと』ね?」
「ここあって娘と2人で一緒にいるために、ベルカさんの
所有物になろっか?」
フィランサ・ロセウス
とうとい…?
よくわからないけど、健気で可愛いよね
そういうの、すごく…“好き”よ❤
・ニンジャ・フックシューターを活用し、周囲の建造物なども地形として利用して執拗に追跡
進路を予測し、可能なら先回りして破壊工作を行い逃亡阻止を試みる
・悪夢の群れは捕縛して盾にしたり、怪力で叩き付けたりと最大限に活用しつつ蹴散らす
・ネガティブな感情も“好き”と認識してしまう壊れた精神が、図らずも
悪夢や
トラウマへの耐性として作用
あはっ、
壊しても元通りになれるなんて、素敵ね❤
この
再現された生と死を繋ぐものでも永遠にできないとしたら…
もっと“好き”になっちやうな❤
高千穂・黒葉
†🎲10
「二体同時に撃破しないといけないなら、こっちも二手に分かれるよ!
遠距離型はおねえちゃんに任せて、近距離型はわたしがやっつけてあげる!」
魔法少女に変身してナイトメアビーストの群れを魔法少女真拳で撃破しながら、しなもんと拳を交えるよ!
近接戦闘なら負けないんだから!
「くっ、ここあを召喚して強化を!?
けど、この程度ならっ!」
『黒葉、ボクも援護するにゃ……
って、魔法をかける相手を間違えちゃったにゃ』
ちょっと、今のわざとでしょ、ノワール!?
強化されたしなもんの攻撃で吹き飛ばされて、変身も解除されちゃって……
「あっ、きゃあっ、ナイトメアビーストがっ!?」
『黒葉のえっちな悪夢を生配信だにゃ!』
シエナ・リーレイ
☆10
一緒に暮らしたいのに暮らせないと嘆く『お友達』候補の存在を知ったシエナは嘆きを解決に乗り出します
わたしに秘策ありだよ!シエナは胸を張ります。
沢山のオブリビオンが骸の海に帰る事なく暮らす【スカートの中の人形世界】なら二人も受け入れると信じるシエナはスカートの中からオブリビオンの『お友達』を呼び出すと手始めにナイトメア達と遊び始めます
二人共絶対に『お友達』に迎えないといけないわ!とシエナは決意を固めます。
ナイトメアと遊ぶ最中、シエナは最初の『お友達』との別れというトラウマと『お友達』の最期の願いを叶えたいという想いが増幅されてしまいます
そして、増幅した想いに突き動かされ暴走を始めます
ゼロ・インフィニティ
強度9
性別隠しのイケメン王子様
「百合は確かに尊いが、敢えてそこに挟まってみよう。本当なら炎上待ったなしだから不本意ではあるけどね」
念動力とUCで悪夢の群れを蹴散らしつつ、しなもんを追撃
悪夢達を撃破していく間にも肉体改造で聖剣を携えておく
「さあレディ、追いかけっこはここまでだ。神妙にお縄についてもらおうか」
存在感を放つ聖剣をしなもんに見せつけて誘惑する
しなもんが動揺を見せた隙を見逃さず、だまし討ちで押し倒す
念動力で動けないようしなもんを押さえつけて聖剣で貫く
後はもう力の限り聖剣で突き続けて持久戦に持ち込む
この「激闘」をここあがどう思うかはまた分からないものの……
「新年あけまして~」
「ゆりゆり〜」
「「「えっちっちー!」」
いきなり緩い出だしであった。思わず猟兵達もナイトメアビースト達もずっこける。
「はい、という訳でアリスさんも相変わらずで実家の様な……やだよそんな実家」
緊迫感? おいしかったよと
秋山・軍犬(悪徳フードファイター・f06631)はマイペースに続けていく。
『戦争だっていうのになんで漫才始めてるんだよ』
ずっこけたせいでスタートダッシュは遅れたもののしなもんは体勢を立て直し逃走準備に入る。猟兵達とナイトメアビースト達も交戦準備を改めて整えた。
「で?? どうするんである? しなもんとかいうのドンドコ逃げてくんであるが?」
軍犬に
呼び出された星月・夜が訊ねると、軍犬は拡声器を取り出した。
「あ~、魔槌・しなもん君に告ぐ。君の大切な、雪降・ここあとかいう子っすが
ヤべいグリモア猟兵に目をつけられちゃたんで、このままだと【ゆりゆりえっちなのうみそおいしいです♥】みたいな事に……ね」
軍犬のその言葉に時が止まる。こいつはいきなり何を言い出すんだ。しなもんの隣に新しい影が現れる、ここあの複製体だ。しなもんはここあの身体をチェックする。
『な、何? しなもんちゃんどうしたの?』
『ねぇ、ここあ。大丈夫、あいつらに変なことされなかった?』
『……大丈夫、しなもんちゃんが心配するようなことはなにもなかった、よ?』
しなもんとここあのやり取りに夜は冷や汗をかく。特に最後にここあが目を逸らしながら答えたのがやばかった。
「これ、地雷を踏んだのではないであるか?」
「軍犬に勝ったら、そのグリモア猟兵の情報教えるよ~。ま、このまま逃げても別に良いけどね~……え?」
ゆらりとしなもんが軍犬の方を向く。その表情は影がかかってうかがえない。しなもんが一歩踏み出せばざっとその場にいた者達が左右に別れ軍犬までの道が開ける。
『ここあに何をした』
「……軍犬、友達やめても良いであるか?」
「ちょっとまとうか、これオープンダイスで結果成功っすよね?」
軍犬の身を呈した囮作戦は功を奏した。しなもんの逃走を未然に防いだのだ!!
「あ、そういう解釈っすか。殴り合いは正々堂々やるから、許してちょ☆」
「ころす」
しなもんの身体から悪夢の力が解放された。
「はっ!」
神堂・斑鳩(魔法剣士★ラジカルいかる・f32913)は慌てて周囲を見回した。何か恐ろしいことがあった気がする。ナイトメアビースト達もお互いを確認するようにキョロキョロとしていた。
「はて? 何かあったような気がしましたが何もありませんねぇ」
夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)も同様に周囲を見回しながら首をかしげた。
「ええっと、何かあったのかな?」
「わからないな。この場にいる全員が違和感を覚えているようだが」
魔法少女姿に変身しきょろきょろしながら思わずした高千穂・黒葉(黒猫ノワールと契約した近接格闘型魔法少女・f39170)の呟きにゼロ・インフィニティ(ゼロを繋げて無限大・f39469)も同様に周囲を見回しながら答える。
「妙ですね」
「何がですか、ベルカさん」
「いえ、予知ではしなもんは隠れながら逃走をしていると言っていましたから」
「ああ、確かにそんな素振りがないのはおかしいですね」
ベルカ・スノードロップ(【中将】少女を愛に染め救済せし夜の王・f10622)とレン・スターハウス(西洋妖怪『淫魔』の猟理師・f37627)とアイ・リスレコグナイザー(パーラーメイドでティーソムリエ・f37628)のやり取りに猟兵達は気づいた。しなもんの構えは逃走のそれではなく殲滅戦への気迫に溢れていた。
「とうとい……? よくわからないけど、健気で可愛いよね。そういうの、すごく…“好き”よ❤」
そんな猟兵達の反応を気にするでもなくしなもんをガン見してる者がいた。フィランサ・ロセウス(危険な好意・f16445)である。
「そんなのどうでもどうでもいいじゃない、逃げないならむしろ好都合☆」
自身が傷を負う事も省みずにフィラロンサは単身駆け出していく。
「あ、ズルい。シエナもしなもんさんと遊びたいです、とシエナは表明します」
そんなフィラロンサをシエナ・リーレイ(取り扱い注意の年代物呪殺人形・f04107)が追いかけていく。
「ああ、もう! 連携もなにもあったもんじゃないな! ええい、俺がナイトメアビーストの群れを蹴散らして、しなもんへの道を拓いてやる!」
誰か一人足りない気もしたが気のせいだったようだ。斑鳩は
妖刀解放『魔矢の射手』の力を解放する。
「代償が何かは知らないが、二倍でも三倍でも持っていけ!」
魔法の矢が広範囲に展開しナイトメアビースト達を駆逐していく。
「片方が『他世界』に転移されたら、対処法が相当制限されますねぇ。今の内に、何とか?」
斑鳩にるこるが追随する。防御結界を形成し『祭器の衣』を纏った姿になったるこるは戦場全体を包む『時空切断の嵐』を放ちナイトメアビーストを駆逐する。
「うわぁ! ちょっと広範囲攻撃する時は気をつけてよね!」
「ごめんなさいぃ、でも猟兵ならそのくらい余裕で避けれますからぇ」
「だめだ、あの人基準がバグってる」
しなもんに近づくべくナイトメアビーストに殴りかかっていた黒葉の頬に汗が伝う。ここからは敵だけでなく
フレンドリーファイアにも注意して進まねばならない。
『なんか思ってたのとは違うベクトルでピンチになってるにゃ。でもここを越えれば視聴者の望む映像がとれそうにゃ、黒葉援護するにゃ!』
使い魔ノワールの支援を受けた黒葉はナイトメアビーストの殲滅速度をあげていく。その隣ではフィラロンサが懐刀
再現された生と死を繋ぐものを振るい、時にフック付きワイヤーで建物間を跳び回り、あるいは怪力をもってナイトメアビーストを他のナイトメアビーストに叩きつけることで駆除していた。
シエナもまた
親愛を込めてナイトメアビーストを抱きしめていた。シエナの
『お友達』も
ナイトメアビーストと楽しく遊んでいた。
そんな混戦を抜けて真っ先にしなもんの元にたどり着いたのはゼロであった。
「百合は確かに尊いが、敢えてそこに挟まってみよう。本当なら炎上待ったなしだから不本意ではあるけどね」
ここに至るまでに肉体改造で強化していた聖剣を解き放ちしなもんに見せつける。
「さあレディ、追いかけっこはここまでだ。神妙にお縄についてもらおうか」
その存在感を放つ聖剣にしなもんが脚が惹きつけられる。
「おっと、流石にそれは喰らわな……」
回避行動を取るゼロ。だが、
ここで様々な不運がゼロの回避を阻害する。一つ、ゼロ一人で抜け出してしまったこと。仲間の援護が得られないどころか
フレンドリーファイアに注意しなければならないこと。そして、味方の攻撃で吹き飛ばされた敵がたまたまゼロの回避先に飛んできたこと。ナイトメアビーストと背中で衝突し動きを止めたゼロの聖剣にしなもんの脚が吸い込まれて逝った。
「〜〜〜〜」
「おや?」
「ひえ!」
「わぁお♪」
声にならない悲鳴を上げゼロは股間を押さえて蹲る。ここあ複製体の援護魔法でパワーアップした
小学生の必殺技がきれいに決まったのだ。聖剣が折れたゼロにしなもんは止めをさそうとする。
「させません!」
そこに黒葉が間に合った。ナイトメアビーストを足場に跳び上がり
魔法少女真拳でインターセプトする。
「近接戦闘なら負けないんだから!」
強制回収転送で消えていくゼロを横目に黒葉はしなもんと拳を交える。ほぼ互角の激しい拳の応酬。いや、わずかにしなもんが押してるようだ。
「くっ、ここあの援護魔法で強化されて!? けど、この程度ならっ!」
『黒葉、ボクも援護するにゃ……って、魔法をかける相手を間違えちゃったにゃ』
だが、ここで使い魔ノワールが
うっかりしなもんを強化してしまう。
「ちょっと、今のわざとでしょ、ノワール!?」
両手を交差させてしなもんの拳を受ける黒葉。しかし、その威力に踏ん張りきれずに大きく吹き飛ばされる。何度も地面にバウンドし、変身も解除され、無防備にナイトメアビーストの群れの中に横たわる。起き上がろうにもダメージが大きく身体をうまく動かせない。
「させるか!」
そこに斑鳩が駆けつけ魔法の矢でナイトメアビーストを一掃する。
「やったか?!」
だが、ここで斑鳩は負けフラグを立ててしまった。討ち漏らしたナイトメアビーストが二人に殺到する。
「あっ、きゃあっ、ナイトメアビーストがっ!?」
『黒葉と
特別ゲストのえっちな悪夢を生配信だにゃ!』
「や、やめろぉ!」
黒葉
の花が散らされ、斑鳩も
その尊厳を穢された。
「あはっ、
壊しても元通りになれるなんて、素敵ね❤」
そんな大惨事を気にも止めずフィラロンサがしなもんに迫る。
この再現された
生と死を繋ぐものでも永遠にできないとしたら……もっと“好き”になっちやうな❤」
飛びかかるフィラロンサに暴走ナイトメアが直撃する。フィラロンサのトラウマが刺激され、
「あは、好き❤」
しかし、すでに壊れたフィラロンサの精神はネガティブな感情も好意と誤認する。狂った
殺意がしなもんに振るわれる。一撃、二撃、しなもんの反撃。確実に
壊すには四連撃を決めねばならないが、全てを決める前にしなもんの反撃で潰される。自身が傷を負う事も省みないその戦いぶりはフィラロンサを追い詰めていく。
「あは、素敵❤」
だが、フィラロンサにとっては愛し合う時間が増える素敵なことであった。
「わたしに秘策ありだよ! シエナは胸を張ります」
そこに
さらなる狂気が到着する。シエナは一緒に暮らしたいのに暮らせないと嘆く
『お友達』候補の嘆きを晴らしたいと思っていた。だが、ここまでの戦いで最初の『お友達』との別れというトラウマと『お友達』の最期の願いを叶えたいという想いが増幅されていた。有り体にいえば暴走を始めていた。
「三人共絶対に『お友達』に迎えないといけないわ! とシエナは決意を固めます」
「あれ? 私もターゲットに入っています?」
殺意を振りかざすフィラロンサもしなもんとここあの友達だと思ったようだ。スカートをたくし上げたくさんの
『お友達』を呼び出した。
「ああ、いい。とっても素敵よ❤」
その
『お友達』がオブリビオンだと気づいたフィラロンサは歓喜にうち震えた。
壊すべき存在がたくさん増えたからだ。
「みんな
『お友達』になってこのスカートの中にくれば永遠だよ、とシエナは提案します」
そんな二人の狂気にここあ複製体はどんびいた。しなもんの服を引いて逃走を促す。
『ね、ねぇこの人達あぶないよ。逃げようよしなもんちゃん』
『ここあがそういうなら』
いまだ怒り心頭な感じのしなもんであったがここあのお願いは無碍にできないようだ、逃走準備にはいる。
「おっと、そういう訳にはいきませんね」
だが、その先にはベルカが待ち構えていた。なぜか膝の上に蕩けた表情のナイトメアビーストを乗せて。
『な、ナニをしているんだ』
頬を赤く染め上ずった声で誰何するしなもん。バビロンの獣は第一次聖杯戦争で
揺籠の君と共闘関係にあった。そのつながりで意味を知ったのだろう。
「気持ちよさそうでしょー?」
レンとアイがしなもんの顔を覗き込み問いかける。
「私とアイちゃんは、しなもんちゃんと、ここあちゃんとみたいな関係かな?」
「レンの言う通り『比翼恋理』ってやつね」
「私たちは、2人で一緒にいるために、ベルカさんの
所有物になる事を選んだんだよー」
「いつまでも一緒にいるっていうのは、そのままだと難しいからね」
レンとアイはしなもんをベルカのハーレムに入れるべく説得するつもりのようだ。だが二人は知らなかった。
「2人一緒にいるための方法。それは、庇護してもらう事」
「幸せだし、気持ちよくして貰えるよー?」
庇護、それはすでに銀誓館が
銀の雨降る時代に行っていたこと。それも今回は個人の所有物になれという。しなもんの地雷を思いっきり踏み抜いていた。
「でもそれは、私達はベルカさんを利用してる事。それをベルカさんは、許してくれている」
しなもんの変化に気づいたベルカは抱いていたナイトメアビーストをそっと下ろすとちょっとまっててくださいねと口づけるとレンとアイの元に向かう。
「しなもんちゃん。ここあちゃんと一緒に、ベルカさんの
所有物になっちゃおうねー?」
「ここあって娘と2人で一緒にいるために、ベルカさんの所有物モノになろっか?」
「あ。ベルカさんへの見返りは『気持ちよくしてもらうこと』ね?」
「2人一緒に憂いなく生きていくたった一つの冴えたやりか……」
『うるさい!!』
レンの顔面に振るわれた鉄拳をベルカの掌が直前で受け止める。そのまま捻り上げようとするベルカの手を、しなもんは
化勁で抜け出した。
「やはりそう簡単にはいきませんか」
見せ槍をした場合の末路はすでにゼロが示している。だから、ナイトメアビーストとの情事を魅せつける方向にシフトしたのだ。流石に説得の内容そのものが地雷だとは思わなかった。そこをピンポイントで踏み抜くとは誰も思わない。ならば、直接
身体に言い聞かせるしかないだろう。
「では、そろそろ終わりにしましょうかぁ」
「え?」
「え?」
そこにるこるが瞬間移動してきた。ベルカとしなもんの思考が一瞬止まる。この戦場でもっとも戦果を上げながら、
フレンドリーファイアまがいの真似をしたのがこのるこるである。その攻撃手段は次元切断の嵐だ。ベルカは慌ててレンとアイを抱えて射程から離脱した。
遅れてしなもんも全力ダッシュで逃げ出したがもはや遅い。どれだけ距離を離そうとも瞬間移動であっという間に追いつかれるのだから。卵型爆撃用浮遊武装と次元切断の嵐がしなもんに向かいゼロ距離で解き放たれた。その場所にはクレーター以外何も残らなかった。
「おや?」
「どうかしましたか?」
「いえ、きっと大丈夫でしょう。では帰りましょうかぁ」
かくして猟兵達はしなもんを一回討ち取ったのである。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴
ドゥルール・ブラッドティアーズ
9
とどめ希望
SPD
死んでも持ち物ごと蘇生……
厄介だけど
救済への糸口は見えたわ
守護霊の憑依【ドーピング】の効力と
【気合い】を『永遠の愛』で爆発的に高め
【衝撃波・範囲攻撃】でナイトメアの群れを蹴散らし
【第六感・索敵・世界知識・ダッシュ・ジャンプ】で彼女を追跡し
私ごと【結界術・全力魔法】に閉じ込める
人類への憎悪(トラウマ)を増幅されても
超強化した気合いと【狂気耐性・呪詛耐性】
「だからこそ、私が貴女達を救う」という【鼓舞】で跳ね除ける
そう、私は貴女達が安心して暮らせる場所を提供したいの。
でも今は無理。貴女達は二人一緒でないと救済できないわ
なら何の為に来たのか。
私の目的は【学習力・見切り】による観察と
記憶の【ハッキング】で彼女を知る事。
魂を吸収しても蘇生時に消失しては無意味。
でも、彼女を私の記憶に焼き付ける事は出来る
貴女を知る為に。
そして苦痛なく次の機会へと導く為に
【念動力】で引き寄せ【怪力・捕縛】の抱擁。
【継戦能力・激痛耐性】で抵抗に耐え
子守唄【催眠術・歌唱】と共に髪を撫でて【慰め・生命力吸収】
ドゥルール・ブラッドティアーズ(狂愛の吸血姫・f10671)は思考をぐるぐるとさせていた。ドゥルールの目的はオブリビオンの救済であり、今回もしなもんとここあを救うべくここに来たのだ。
猟兵達にとどめを刺される直前、しなもんを自らごと結界術に閉じ込めることで救い出したまではよかった。猟兵の目も誤魔化せている。しなもんがすでに虫の息なのはこの際目を瞑る。どのみち救済を行うにはここあも揃っていなくてはならないのだ。
「死んでも持ち物ごと蘇生……厄介だけど救済への糸口は見えたわ」
記憶を読み、来たるべき時のために備える。
『アタシに……さわ……るな』
だが、しなもんはその手を弱々しく払いのける。
「私は貴女達が安心して暮らせる場所を提供したいの」
『ふざ……ける……な
!!!!!』
ドゥルールがその目的を告げると怒気を顕にしなもんは立ち上がる。感情に任せた一撃がドゥルールを捉えることはない。それで力を使い果たしたのだろう、気を失ったしなもんをドゥルールは支えた。そして、改めてその記憶を読んだ。
そして、ドゥルールは知った。かつて銀誓館が彼女達に行った仕打ちを、その絶望を。だからこそ、ドゥルールは迷う。救済はしたい、だが“その救済こそが彼女達の絶望”なのだ。
『『
ここあさえいればほかはなにもいらない』』
そのために彼女達はそれ以外の全てを捨てさったのだ。ふたりでひとり、その世界に
不純物は必要としない、むしろ邪魔ですらある。
ドゥルールの救済はつまるところ自分の世界にオブリビオンを迎え入れることである。オブリビオンをオブリビオンのまま救い、猟兵の干渉を跳ね除ける最適解。だが、しなもんとここあに限りその方法はふたりの地雷となっている。
もちろん、時間さえかければ彼女達を“素直”にさせる自信はある。だが、戦争中である今はその時間の確保が難しい。ふたりをオブリビオンのまま救済し、猟兵の干渉を跳ね除け、その上で自分が関わらない。そんな救済方法が求められている。
成功
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