【ノベル】氷河期大金庫・リベンジマッチ
レパル・リオン
触れた者を凍らせ侵入を拒む氷河期大金庫にリベンジするため、強盗に入るレパル
しかしあえなくカチンコチンに凍ってしまう
氷像と化した姿を鑑賞されたり撮影されたりするが、気合で意識を保ち続けるのがやっとのレパルであった…
というノベルをお願いします。
ポーラちゃんが様子を見に来ても面白いかも。
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「氷河期大金庫にリベンジしたい?」
世界のあちこちで冬を告げに回っているポーラリア・ベル(冬告精・f06947)が、たまたまグリモアベースの集会所に立ち寄った時の事。
ピンク色した獣人、キマイラのレパル・リオン(魔法猟兵イェーガー・レパル・f15574)がその様に申し出をしてきた。
「以前立ち向かった氷河期大金庫にリベンジしたいの!開けにいく事は許されてるでしょ?」
氷河期大金庫。
西のラスボス、アイスエイジクイーンが残した、魔界銀行の特殊な金庫。
とても硬く、壊しても再生し、触れた者を凍結させる。
「ちょ、ちょっと待って。それたしか何とかして掘り進んでませんでした?」
「帰り道が氷で塞がれて結局取り込まれちゃったのよね。あの日から半年。今度はそうならないわ!鍛えたこの身体で楽勝に銀行強盗を起こしてやるんだから!」
レパルは正義のキマイラだが、これから行く先はデビルキングワールド。
悪事が歓迎される世界だ。
7thKING WAR終了後、徐々に悪魔達の『いい子化』が進んでいるとの事だが、恐らくは大丈夫だろう。
「わかったわ!……いいのかしら?グリモアベースのご依頼じゃないけど……まあいいや!がんばがんばだよ!」
ポーラリアはグリモアのベルを鳴らし、転送光を展開し、レパルが魔界へと転送されていく……。
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ここはデビルキングワールド。魔界の銀行の1つ。
冷ややかな冷気と薄明りが照らす不気味にして、綺麗に整った、氷の様な床と壁で出来た建造物。
その最奥で椅子を揺らし、銀行のあちこちで等間隔に並べられた「芸術のオブジェ」を見やるのは、支配人の悪魔。美しい美人のキャリアウーマンの様な姿だ。
「今日も退屈ですわね。何か起こらないかしら」
そんな風にうつつを抜かしていると――。
突如横の壁が盛大に爆散した!
「なにごと!?」
壁の中からピンクの悪魔が現れた。
レパル・リオンである。
「魔法猟兵イェーガー・レパル・リオン!参上よ!この銀行の氷河期大金庫をあたしに開けさせなさい!」
「襲撃者!?……ええい、事前通達も無くやって来るとは。この銀行のメインコンテンツであるオブジェの一部にしてあげますわ!衛兵!」
支配人の悪魔と、わらわらと湧き出た悪魔警備兵が一斉に襲ってくる。
「氷河期大金庫以外にも横領や悪魔身売買を働いてる事はグリモアで確認済みよ!遠慮なくぶっ飛ばすわ!てぇーい!」
生命誕生のパワーに覚醒したレパルは、かわいいハートと光のオーラに身を纏う、ライオンモチーフの獣魔法少女に変身!
「うおりゃりゃりゃァァっ!」
そして凄まじい勢いで
閃虎爪を放ち、瞬く間に衛兵と支配人悪魔を殲滅したのだった。
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「きゅう……」
のびて倒れている銀行員達をよそに、部屋の奥にあった氷河期大金庫を見やるレパル。
「半年ぶりね、氷河期大金庫……成長したレパルの力で今度こそ!いっくわよーっ!」
レパルの拳にマジカル気合拳の力が籠められ、目前に威厳良くそびえ立つ氷の巨大金庫に向かって地面を……蹴り出した!
どこからともなくカッコいい挿入歌が流れ出て、配信機材が召喚され、レパルの様子がキマイラフューチャーに映し出される。
アクションアニメの演出の様に醸し出されるこの演出こそがレパルの力になっていくのだ。
「うぉーっ!」
虹色の光を放ち、炎の輪をくぐり、炎を纏うレパル。
「それそれそれ!」
手をチーターの前足に変えての
瞬打の連撃が氷河期大金庫の表面を削っていく。
「ふんぬぬぬーっ!」
レパルは気合を込めて虹色の衝撃を手に込めると。
「…でりゃーっ!」
それをドラゴンのブレスの様に手から放ちながらの全力掌打を、傷付けた氷河期大金庫にぶち込む。
円形状にヒビが入っていく。
「
閃虎爆裂魂砲!」
更に手を虎の手に変え、溢れる虹の情熱エネルギーを込めての連続攻撃を放つ。
円を描くように放ったそれはドリルの様に氷河期大金庫の壁を穿ち、遂に亀裂を通して破壊されていく。
あと一息、薄皮の如き氷の壁が向こうに見える。
「今よ!必殺の!
狼竜・神風脚!!」
レパルは空に跳び、低空まで落ちた後、全身をライオンの魔法少女に変貌。
ライオンの頭のオーラを纏った、真横に放つ渾身の低空キックが、空いた氷の穴に向けて放たれた!
今度こそ氷河期大金庫を、壁一枚どころか向こうの壁まで貫通して破壊する事だろう。
そう思われた。
「これで終わ――」
氷の穴を通って氷壁を貫通しようとした、その時。
レパルを囲むように氷壁がみるみるうちに塞がっていく。
「!?」
正面への壁に対しては絶大な破壊力がある
神風脚だが、横からの攻撃には無防備!
ガキン!と、上から、下から、横から、挟み込む様な氷の壁がレパルのキックの勢いを消していき、破壊力を失わせていく……!
「ま、まずい!わ!だ、だめ!だめぇっ!イェーガー・レパルはこんな所じゃ……!」
終われない、その台詞を言う前にたちまち身体が氷河期大金庫の壁に触れ、取り込まれ、急激に冷やされていく。
「あ、あ
…………!…………ぁ
…………!…………」
レパルは急速にやってきたその冷気の寒さに、最早身を凍えさせる事以外ができなくなり――。
時間と共にせり出て直っていく氷河期大金庫によって、ごとりと金庫の外に落とされた時、レパルは変わり果てた姿で発見された。
気がついた銀行支配人達は、最早小指一つとして動かぬ氷の彫像となった彼女を丁重に起こし。
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翌日。
「いらっしゃいませ!当銀行自慢の彫刻に、新しい氷像が配置されました!」
魔界銀行の広大な広間の中心に、氷河期大金庫に挑むも敗北し凍り付いたレパルの氷像が飾られていた。
氷で出来た立派で豪華な台座の上、ライオンの魔法獣少女の姿で、飛び蹴りをかました姿を、台座から突き上がる氷の柱で支えられながら、壁を突き破った時の攻撃姿のまま、美しく凍り付いているレパルがいた。
この様子を保つせいか銀行の中は氷点下に寒く、レパルは溶ける事も無くただただ佇んでいる。
「おお……何ともまあ見事な氷像よ」
その様子を訪れた多数の悪魔が。
「あれ、昨日の配信で凍ってたレパルちゃんじゃね?」
「うっわ、ガッチガチに凍ってる。記念に一枚撮ってこ。」
氷河期大金庫を攻略する様子が生配信されていたことによって視聴し、その影響で訪れたキマイラフューチャーのキマイラ達が。
「わ、わ……すっごい賑わいだわ。」
様子を見に来た冬告精のポーラリアが、次々に彼女を鑑賞し、撮影を行っていた。
かしゃり。かしゃり。フラッシュの音が聞こえる。
「あのぅ、ごめんなさい。レパルんは猟兵さんなので」
「ですがこの場で粗相を起こしたのも事実。……そうですわね。罰として3日程は留まって頂けると。」
ポーラリアと支配人の話が聞こえる。
「(う……うう……見ないでぇ……早く誰か戻してぇぇ……」
イェーガー・レパルの生命エネルギーの力で、辛うじて意識が残っていたのが辛く出たか。
動けないまま、全身凍って冷たさに心が泣き続ける中、勝手に処遇を決めつけられるレパルの体を、声と外気が撫で続ける。
こうしてレパルは凍ったままの姿で、魔界銀行の冬のシンボルとして、ずっと悪魔やキマイラの視線を釘付けにしたのだった……。
成功
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