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Princela’s Prologue

#アックス&ウィザーズ #ノベル

プリンセラ・プリンセス
ノベルの作成をお願いします

■コンセプト
宇宙の騎士テッカマンブレード

■あらすじ
親兄姉の仇であるヴァルギリオスを妥当し、帝国を再興したプリンセラ。
ある日、猟兵としてオブリビオン退治に赴いた先で出会ったのは、オブリビオンとして蘇った兄姉の姿であった。
そういう猟兵も見てきたが自分に降り掛からねばわからぬこともある。
なんとか戦おうとするものの当然のように精彩を欠き、ボコボコにされてしまう。
死んでオブリビオンになって家族一緒になろうという誘いにギリギリであらがい、否定して、川ポチャして生き延びるのだった。

■オブリビオン化した兄姉設定
全てを作中に出す必要はありません
キャラ付けの参考程度です

プリンセラとは異母兄弟
ヴィルヘルムのみ両繋がり

長男ヴィルヘルム
皇太子、イケメン、子供心に誰もが夢見る白馬の騎士
大人びた価値観と正義感を持ち、悪を糺し善良を尊しとするヒーロー然とした性格
騎士剣術。

次男オズヴァルド
豪胆かつおおらか、豪放磊落を地で行く人物。
粗野な印象と威厳、そして不思議な愛嬌が混在する。
喧嘩好き。近接格闘家。


五女ジョゼット
勝ち気で活動的な猪突猛進タイプ
なので肌に傷がつかないよう全身を鎧で固めている
脳筋だが騎馬戦術に関しては天才
ややキツめの女性口調


十女ジュスト
王室御用達の暗殺者
感情が少ない正確な戦闘機械、に見えるが実際はかなり控えめで慈悲と思慮は深い
インドア派で暇な時は部屋に閉じこもりがち
任務は任務できっちりやり遂げるが、日常は常に平穏を好む


十二女ヴィオラ(依頼で撃破済み、時間軸としてはそれより前)
他の兄弟と違って呪術の才能しかないことにコンプレックスを持っている。
内気で内向的。引っ込み思案で陰キャ。
劣等感を持ちながらも呪術を真面目に修得している。
悪い人ではないが、性格ゆえに誤解されがち。

二十ニ女アンナ
プリンセラとはほぼ同じ年齢だが生まれたのが数ヶ月早かったので姉ぶっている。
が実際はどう見てもプリンセラのほうが姉っぽい
常に明るく朗らかで、誰とでもすぐに打ち解けられる懐の深い性格の持ち主
だが、舌っ足らずで語彙力が少なく、かなり頭が弱いもとい天然。

性格はそのまま、みんなプリンセラが大好き
ただしオブリビオンなので倫理観だけバグっているという感じでお願いします

竜帝を倒すまでは生霊ペルソナとしてプリンセラに憑いていた
竜帝妥当したので成仏した。
現状のプリンセラが行っているのは模倣によるものである。



どシリアス
エロの方向でなければプリンセラにはどれだけダメージを与えても構いません
プリンセラの本名はプレセア・カイウス・エンデ・フィルザール
だいたいプレセア呼び
兄姉から呼ばれる時だけで地の文はプリンセラでお願いします



「はあっ!」
『ギエェーッ!』
 切っ先が跳ねる。
 剣は軌跡を描いて断頭の刃となり、刎ね飛ばされた魔物オブリビオンの首が飛沫をあげて水面に沈む。
「これで、この辺りの巡回は終わりですね」
 プリンセラ・プリンセス(f01272)は剣を鞘へと納め、小さく息を吐く。
 そこは新生フィルザール帝国領西方。魔物の被害が多く報告される森林区域である。
 プリンセラは帝国領の安定のため自ら魔物の討伐任務へと赴いていた。森の川辺に集まっていた魔物の群れを今しがた掃討し終えたところだ。
「お見事でした、姫様」
 近衛の騎士がプリンセラの元へと向かい、水筒とタオルを手渡す。
「姫ではありません。皇帝です。即位式だって随分前にしたでしょう。忘れましたか?」
 壮年の騎士――シニマスに向けて口を尖らせ、プリンセラは汗と返り血で汚れた頬を拭う。
 シニマスは数少ない旧帝国の生き残りだ。プリンセラの呼びかけにすぐさま駆け付けた忠臣でもある。プレセア――かつてのプリンセラを知る数少ない人物の一人だ。
「これは失礼いたしました、陛下」
「よろしい」
 恭しく頭を下げる騎士シニマスに、プリンセラは頷いた。

 プレセア・カイウス・エンデ・フィルザール――プリンセラは、帝竜ヴァルギリオスによって滅ぼされたフィルザール帝国王家のただ一人の生き残りであった。
 国が滅びた後、力に目覚めた彼女は数多の世界を巡り魔物オブリビオンたちと戦い続ける者たち――猟兵たちへの合流を果たす。
 その後プリンセラは、猟兵たちの行った群竜大陸への進攻作戦――帝竜戦役へと参じ、戦いの果てで邂逅した祖国の仇・帝竜ヴァルギリオスを打ち倒す活躍を見せたのである。
 そして――現在。
 プリンセラはヴァルギリオスとの戦いの後、故国の再興のために働いていた。
 かつての臣民たちへ呼びかけ、荒れ果てた国土を拓き、在りし日のように故国を豊かな国として再建すべく奔走していたのだ。
 それも少しずつ軌道に乗り始めたところだ。往時の規模にはまだ及ばないものの、国土には再び家や城が建ち、プリンセラのもとには人が集まり始めている。
「姫様……あ、いえ陛下は、本当にご立派になられました。お父上や兄君たちもお喜びでしょう」
 使い終えたタオルを受け取りながら、騎士シニマスはしみじみと呟いた。
「……ええ」
 プリンセラは細く呟く。
 以前は、"彼ら"もいたのだ。兄姉たちの魂が常に彼女の傍についてくれていた。
 しかし、ヴァルギリオスとの戦いの際に彼らの魂はプリンセラのもとを離れ、遠くへと行ってしまった。
「叶うものなら、兄様たちにも見せてあげたい」
 胸の中に残る寂しさに、プリンセラは思わず零した。
「きっとご覧になられていますよ、あの空の向こうから」
「……そうですね」
 参りましょう、と。騎士シニマスはプリンセラの背を叩き、帰還を促した。
 ――そのときである。
「そんなことはないよ、プレセア」
「そうだぞシニマス。適当を言うんじゃない」
 足音と、人の気配がプリンセラたちへと近づいた。
「そーよ! あたしたちならここにいるものね!」
「……何奴!?」
 近寄る気配に、騎士シニマスが素早く剣を抜き放ち、構える。
 しかして――その瞬間、彼の表情は凍り付いた。
「な……ッ!?」
「おや――随分物騒だね、シニマス」
 旧フィルザール帝国王家、王位継承権第一位。皇太子ヴィルヘルム。
「おいおい、俺達の顔を忘れたのかよ?」
 王位継承権第二位、第二王子オズヴァルド。
「ひどいわシニマス! あたしたちに剣を向けるなんて……ねえ、プレセア」
 第二十二皇女アンナ。
 ――いずれも、過去に滅びたはずの者・・・・・・・・・・たちであった。 
「……ッ!!」
 プリンセラの表情がひきつる。
 猟兵として戦い続けてきた彼女ならば、その意味が理解できないはずがない。
「嘘……」
「なんだ、ちょいと驚きすぎじゃねえか?」
 オズヴァルドが呵々と笑う。
「オズ。あまりからかわないでやってくれ。……驚かせたね、プレセア」
 そして、ヴィルヘルムは――かつての日々と同じように、プリンセラへと向けてにこやかに微笑んでみせた。
「なん、で」
「ふっふっふ……うれしくてコトバもないよーね! じゃあ、これをきいたらもっとうれしくなるわ!」
 したり顔で笑いながら、アンナはプリンセラの前へと進み出る。
 そして、彼女は告げた。
「きょーはあなたを殺しむかえにきたのよ!」
「迎え……?」
 突然の衝撃的な事態に、プリンセラは困惑する。
「探したんだぜ、プレセア!」
「今まですまなかったね、プレセア。さあ、僕たちと一緒に行こう」
 優しい微笑みを浮かべたまま、ヴィルヘルムは剣を抜く。
「い、一緒に、とは……」
「あなたも過去オブリビオンになるってことよ!!」
「ああ! そうすりゃまた兄弟姉妹で一緒に暮らせるんだぜ!」
 オズヴァルドとアンナが、祭日を祝うような明るい声でプリンセラに「死ね」と告げた。
「に、いさま、……姉さま、たちと……また、一緒に?」
 目に見えて動揺しながら、震える声音でプリンセラが呟く。
「そうだよ」
 ヴィルヘルムはプリンセラの目の前まで歩み寄って、剣を振り上げた。
「大丈夫。痛みは一瞬だから」
 そして、プリンセラは――
「いや……ッ!!」
 殆ど反射的に、剣を抜いていた。
 オストラコンの刃が、ヴィルヘルムの剣とかち合って甲高く音を鳴らす。
「あら」
「へえ」
 その様子に、兄姉たちは目を細めた。
「そうか。心の準備が要るみたいだね」
「兄、様……」
「じゃあ、少し話そうか」
 瞬間。
 剣が、プリンセラの肩を貫いた。
「い、ッ!」
 反撃に転じようとしたプリンセラであったが、それよりも速く追撃が襲う。演舞めいて鋭く速く、そして苛烈な剣撃だ。胸元に突き込む刃に、プリンセラは血を流した。
「か、ッは……!」
「反抗期とは感心しないね、プレセア」
 平常時であれば、こうまで一方的にやられはしまい。
 だが、愛した者たちに突如刃を向けられ、平常でいられる者は猟兵たちでもそう多くはない。
 そういう猟兵も見てきたが自分に降り掛からねばわからぬこともある。
 痛みで身動きの取れなくなったプリンセラを、ヴィルヘルムは笑顔のまま見下ろした。
「兄様……でも、私は……!」
「ははは」
 そして、剣を振り上げる――――だが、その時であった。
「うおおおッ!御免!!」
「ッ!」
 横合いから、騎士シニマスがヴィルヘルムと体当たりをぶちかましたのだ。衝撃に一歩後退り、ヴィルヘルムはシニマスを睨む。
「姫様、無礼をお許しください!」
 シニマスはそこから素早くプリンセラを抱え上げると、傍らを流れる森の川辺へと投げ込んだ。
「シニマス、何を!」
「どうかご無事で」
 シニマスの声を聞きながら、プリンセラは川の流れへと呑まれてゆく。
 ――この川は、森を抜けて東に続き、王家直轄領へと流れ込んでいる。流れに乗ればそこまで逃れられるだろう。
「プレセア!」
「行かせませんぞ、殿下」
 そしてシニマスは剣を抜きながら、ヴィルヘルムたちへと対峙した。
 一拍の間を置いて、森に剣戟の音が鳴り響く。
 それから数分ほどの時を経て。
 そこには、折れた剣と血の痕だけが残されていた。

 数刻後。
 プリンセラは、領内の川辺で意識を失っていたところを発見した領民に救助される。
 目覚めるまでの数刻、彼女はひどく魘されていたという。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2022年12月31日


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