「にゃーん♪」
長井みぃこはとってもかわいいケットシーの女の子。猟兵として怖いオブリビオンと戦う事もあるけれど、普段は色々なカッフェでアルバイトをしています。今日のみぃこが働いているのはアルダワ魔法学園の一角にある小さなお店……なのですが、店長さんは浮かない顔で溜息を吐いています。
「にゃん?店長さんどうかしたにゃん?」
「ああ、ごめんねみぃこちゃん。暗い顔を見せちゃって……でも、はぁ~……」
店長さんの溜息の理由は一目瞭然。お店に集まるお客さん達は楽しそうにお喋りをしたり、本を読んだりしていますが、テーブルの上の紅茶はすっかり冷めてしまっています。
「こうも興味がありませんと見せられるとさすがに凹んじゃってねえ……」
「にゃ~ん……」
店長さんの言葉にみぃこの耳もぺたんと倒れていしまいます。自慢の紅茶も冷めてしまっては美味しくないものです、しかしはやく飲んでとせかすのもなんだか違う気がします。お客さんが自分から思わず飲みたくなるような一杯……みぃこが頭を悩ましていると、一筋の閃きと共に彼女の尻尾がピンと立ちました。
翌日、一人のお客さんがお店にやってきました。
別段紅茶に興味があるわけではありません、迷宮に潜る約束をしていた友人が遅れるとの事なので適当に時間を潰しに来たのです。ですからメニューにも目もくれず、適当にオススメでと注文しました。
「にゃ~ん、お待たせしました。こちら星空の紅茶になりますにゃ~」
みぃこがカップにお茶を注ぐと、暖かい湯気と共に涼しい風がふわりと広がりました。その矛盾した感覚にお客さんは思わず香りの元であるカップに目を落としてビックリ仰天、そこには夜空のように深い青色の紅茶が注がれているではありませんか。表面には粒の大きい砂糖が散りばめられており、その名の通り星空のように輝いています。
「これは驚いた、こんなお茶ははじめてだよ」
その香りに興味をひかれたお客さんがカップに口を付けると、爽やかなミントの味が口いっぱいに広がります。それでいて表面に散りばめられた砂糖のおかげで特有の辛さは感じられません。
これは凄い、友達にも教えてあげなきゃ。そう言ってお客さんはニコニコと笑顔で紅茶を楽しんでくれました。
それから店長さんのお店には前よりもしっかりと紅茶を飲んでくれるお客さんが来るようになりました。みぃこはそんなお店の中で、今日も楽しそうに働いているのです。
成功
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