4
日頃の疲れを癒やしたい

#アックス&ウィザーズ

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#アックス&ウィザーズ


0




●ただ、本能のままに
 此処は農業がとても盛んな村だった。
 村の皆で田畑を耕し、農作物の成長を見守り、収穫の時は大いに賑わったものだ。疲れた時は魔法の様な温泉でのんびりと過ごして、明日への英気を養っていた。そんな毎日が続くと、其れが幸せだと……そう思っていたのに。
「――ッ!!!」
 緑色の肌の奴等と、牛の頭をした奴が全てを奪っていった。
 大切な農作物を根こそぎ喰らい尽くし、皆の為の温泉も好き勝手撒き散らされた土が大量に混ざって汚された。何で、どうしてこんな酷い事をするんだろうか。
 倒れた人の心の呟きに偶然反応する様に、緑色の肌を持つ亜人の一人がニタリと嗤う。蹂躙者達は本能のままに行動しているだけ、此の村である必要は無かったのかもしれない。
 そう……此れは、そう遠くない悲しい未来のお話。

●魔法の温泉に行ってみようぜ!
「つーワケで、温泉どころか村が壊滅されちまうってハナシだ」
 最悪、と心底嫌そうに呟くのは辰神・明(双星・f00192)である、言動から察するに今回は『アキラ』の人格なのだろう。
 アキラはアックス&ウィザーズ世界の地図を乱暴に取り出し、目の前のテーブルに広げてはニィと笑う。容姿に似合わない、獰猛な笑みだった。
「でも、まだ間に合うぜ。こっちから奇襲かまして、集団纏めて仕留めちまえば村は無事。礼代わりに魔法の温泉も楽しめる」
 一石二鳥だと告げて、地図のある一点をアキラは指差して示す。
 オブリビオンの集団の進行ルート、そして村の間には戦闘に支障が無い広さの草原があるらしい。其処には大小様々な岩もある、隠れた上で不意を突く事も出来るだろう。正々堂々、正面から立ち向かうのも良し。
「オブリビオンの集団はボスがミノタウロス、周りをゴブリン共が固めてる。まずはゴブリン共を一掃して、それからボスを潰せばオッケー!ミノタウロスの方はなんか、強いヤツを求めてるらしいし……そういうのをアピールしたら、攻撃のコントロールとか出来るかもなー」
 戦闘についての説明は終わり、と地図の上で指を滑らせて……村の方をトントンと叩く。
「終わったら、さっきも言った通り……魔法の温泉でゆっくり出来る」
 魔法の温泉は男湯、女湯で分けられているそうだ。
 一応、混浴が出来る所もある様だが……その場合、水着の着用は必須となるだろう。混浴考えてんなら忘れない様になー、とアキラが念押しで注意を促した。
 熱湯風呂で耐久チャレンジ、戦闘だけではなく日頃のコリを解したり、血行促進の為に浸かるのもいいだろう。
「ま、温泉の前の一労働ってね。アタシは転移維持してるから行けないケド、せめて応援はしてる」
 アタシも暴れたかったんだけどなー、とケラケラ笑って呟きつつ、アキラは手を振って猟兵達を見送った。


ろここ。
●御挨拶
 皆様、お世話になっております。
 もしくは初めまして、新人マスターの『ろここ。』です。
 肩凝り、腰痛に悩まされる日々……。

 五本目のシナリオは戦闘シナリオとなります。例の如く、細やかな日常有りです。
 通り掛けの村で暴れようと画策するオブリビオン達から、村を守って下さい。
 勿論、各章どれかのみの参加も大歓迎!お気軽に御参加頂ければと。
 尚、OPでも触れておりますが、混浴を希望する際は水着を着用して下さい。

 尚、第三章(日常パート)のみ、お呼びがあれば辰神・明も同行が可能です。
 同行を希望する際はお手数をお掛けしますが、プレイングの先頭に【同行希望】と記載をお願い出来ればと思います。
 また、グループでの参加の際はグループ名を、お相手がいる際にはお名前とIDを先頭に記載をお願い致します。

 それでは、皆様の素敵なプレイングを明と一緒にお待ちしております。
123




第1章 集団戦 『ゴブリン』

POW   :    ゴブリンアタック
【粗雑な武器】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    粗雑な武器
【ダッシュ】による素早い一撃を放つ。また、【盾を捨てる】等で身軽になれば、更に加速する。
WIZ   :    足払い
【低い位置】から【不意打ちの蹴り】を放ち、【体勢を崩すこと】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ニレッド・アロウン
はー温泉どころか農作物もとか極刑で良いですね。

翼を大きくはためかせて空中に飛びあがり、敵の軍勢に魔力による属性を仕込んだ羽根を放ってみましょう。相手に威圧を与えるつもりで【恐怖を与える】ように行動し、ゴブリンたちが燃えたり地中に埋まったり闇堕ちして敵に攻撃しているのを観察して高笑いしておきましょう。
そんなことすれば目立つのは承知の上、敵の【殺気】を【第六感】で感知したら【視力】で敵の行動や位置を再確認、【オーラ防御】である程度攻撃を和らげつつ敵の攻撃を武器で受け流し、【鎧砕き】で相手の盾ごと水晶鋏でぶった切ってしまいましょう。

※アドリブ・他者との協力歓迎



●極彩色の羽根
 場所は草原、オブリビオン達は進行する。
 道中に人間がいるならば襲い、田畑があれば荒らし、村ならば蹂躙する。
 先鋒隊である一部のゴブリン達が歩く先に見つけたのは、真白の翼を持つ女だった。其の手には大振りの水晶の様な物で作られた鋏。警戒はするが、所詮は一人。恐れる程ではないと、後方に伝達する様子は見られない。
「はー温泉どころか農作物もとか極刑で良いですねそうしましょう」
 ……儚げな容姿とは打って変わって、大分物騒な発言を丁寧に呟く。
 ニレッド・アロウン(水晶鋏の似非天使・f09465)はそうと決まれば、と翼を大きくはためかせる。ふわり、空中を飛び上がると……真白だった筈の翼が徐々に色付く。一色だけではなく、七色。彼女曰く、本当は嫌なのだけれど。
「仕方ないです、よね」
 温泉も、農作物も、村の人々にとって大事なものなのに。其れらを踏み躙る奴等に情け容赦は必要ない、やるならば徹底的に潰さなければ。
 ……クスッ、とニレッドが柔らかな微笑みを浮かべて。そして、告げる。
「くたばれ」
 ――その数、凡そ百本。上空から雨の様に降り注ぐ。
 様々の色の羽根を手にした棍棒で弾こうとするが、防ぎ切れる訳もなく。
 一人、羽根が当たった場所から発火した。一人、我を失い味方へ棍棒を振り回し始めた。羽根の色毎の効果にゴブリン達が狼狽え、同士討ちする様子をニレッドは高笑いしながら見ている。我関せずとも、勝手に倒れていく様を観察している。
 ……どちらが悪役なのか、という疑問は浮かべてはいけない。極刑なのだから、仕方がない。慈悲なんてなかった。
「まだ倒れやがらないんですか、いい加減にして下さい」
 地面へと降りるタイミングを見て、正常なゴブリンが足払いを狙おうとニレッドに迫る。だが、動きが単調過ぎた。ゴブリンが攻撃を仕掛ける前に、彼女は既に水晶鋏を振りかぶった体勢で。
「さようなら」
 咄嗟に急ブレーキを掛けて、盾を構えようがもう遅い。
 ニレッドの一閃は砕く力を秘めている、止めるならばそのまま足払いで彼女の体勢を崩さなければならなかった。……まあ、今更どうしようもない事だが。
 水晶鋏は小さな盾を砕き、ゴブリンの身体を容赦なく斬り裂く。同士討ちも含めて、先鋒隊はかなり数を減らしている。上空から視た数から、まだ増えた様子もない。
 ……敵の戦力がこれだけという事はないだろうが。残りの敵を倒すべく、ニレッドはまた水晶鋏を構え直した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シエン・イロハ
シノ(f04537)と参加
SPD

敵の到着まで時間があるなら『罠使い』で仕込み罠を
幾つか落とし穴を作り、中には『毒使い』で毒薬を仕込み、周辺の様子は【レプリカクラフト】で整えておく
頭回る連中じゃなさそうだし、十分だろ
周りの奴が巻き込まれぬように敵が踏み込んでくる前に場所の周知はしておく

卑怯が専売特許だぁ?
俺がそんな甘っちょろいわけねぇだろ

戦闘開始後は槍で応戦
突っ込んでくるのは『見切り』で回避
近くに他の敵がいれば『敵を盾にする』で同士討ち狙い
回避後『カウンター』

攻撃時は『範囲攻撃』『2回攻撃』『なぎ払い』等で数減らし優先

落とし穴の近くにいる敵は『吹き飛ばし』『踏みつけ』等で叩き落とすなりしておくか


シノ・グラジオラス
シエン(f04536)と参加。アドリブ等は歓迎
POW選択

うっわ、毒まで仕込むとかエゲつない
さすがシエン

『目立たない』と『地形の利用』で岩に隠れて『聞き耳』でタイミングを計り、
『先制攻撃』からの『2回攻撃』奇襲を行う
卑怯?それは誰かの専売特許なんで、戦術と呼んでくれよな

持ち主に似た雑な武器なことで
は、好きなの選ばせてやるよ!せいぜい得意なの選べよ?
敵に遅れて【紅喰い】を発動。敵が選んだものと同じのを選んでぶつけて『挑発』する
※牙(攻撃力)、遠吠え(命中率)、爪(攻撃回数)
格の違いを見せてやるよ。泣いて、惨めにお前らのボスに助けを求めな!

敵の攻撃は『武器受け』と『カウンター』で対応



●卑怯という言葉も温い
 先鋒隊が極彩色の羽根の前に倒れ、本隊が到着するまでの事。
 うわあ……と、冷や汗をかいていた人狼の男性がいた。煙草を吸っている彼の名はシノ・グラジオラス(火燼・f04537)という、彼が何に対して冷や汗を流しているのかと言うと……。
「毒まで仕込むとかエゲつない……流石、シエン。ソコに痺れる憧れない!」
「…………」
「えっと……シエンさん、真剣?俺、黙った方がいい?」
「シノ、ステイ」
「あ、ハイ。……いやいや俺!犬じゃなくて、狼だからな!?」
 ……仲良き事は、美しき哉。
 きっと仲の良さ故のコント、ではなく冗談の交わし合いなのだろう。
 シエン・イロハ(迅疾の魔公子・f04536)が進行ルート上に落とし穴を作っている中、犬扱いを受けたシノが訂正する。律儀に訂正する辺り、意外と根が真面目なのかもしれない。恐らくは。
 そんな彼を無視して、シエンは幾つかの落とし穴の中には毒薬を仕込み、出られる前に仕留める。頭が回る相手ではないが、念の為にレプリカクラフトを使用。周辺の草原と瓜二つの、偽物の地面を造り出す。また、本隊が着く前に他の猟兵達には落とし穴の位置を知らせておいた。
 ……仕込みは上々、後は結果を御覧じろ。シエンは悪い笑みを浮かべた。

●奇襲も立派な戦術
 程なくして、ミノタウロスを中心としたオブリビオンの集団がやって来る。
 周囲をゴブリン達が固め、獲物はいないかとギラついた視線を周囲に向けている。
 ……嗚呼、悲しい事に。彼らの勢いは途絶える事になるだろう。何故なら……瞬間、数ヵ所でゴブリン達が消えた。
「――ッ!?」
 目の前で起きた現象にミノタウロスも、無事だったゴブリン達も驚きを隠せない。
 落ちた先は毒の沼。じわじわと侵食する苦痛に呻き、次第に声が小さくなって……やがて途絶える。
 同時に岩陰に隠れていたシノとシエンが跳び出し、彼らの武器である燎牙とベスティアが猛威を振るう。奇襲による先制攻撃は成功した。敵が慌てて迎撃態勢を取るが、騒めく声はまるで卑怯だと叫ぶ様で。
「卑怯?それは誰かの専売特許なんで、戦術と呼んでくれよな」
「……卑怯が専売特許だぁ?俺がそんな甘っちょろいわけねぇだろ」
 残念ながら、卑怯ではシエンを表現するには悪辣さが足りないらしい。
 自分で言うなよ、と楽しげに笑いながらシノも黒剣を構え直す。ミノタウロスの一声で少し落ち着いた様だが、親玉は最後に。まずはゴブリンの集団が彼らに向かう。
「は、好きなの選ばせてやるよ!せいぜい得意なの選べよ?」
 シノの挑発めいた言葉に、ゴブリン達は唸り声を上げる。数は力、と言った所か……手にした棍棒で彼を何度も殴りつける。多数相手とはいえ、武器で受け切れない程の連撃……打ち付けられた部分が痛むが、それでも彼は笑う。そう来たか、と。
「やられっ放しは、趣味じゃねぇんでな!」
 ――格の違いを見せてやる。
 瞬く間に狼へと変じたシノ、今はスコルが吼えた。鋭利な爪が光り、倍返しするかの如くゴブリン達を引き裂く。深々と爪を立てる。爪と同じく鋭利な視線に、敵は身体を竦ませて……其処を狙わないシエンではない。
「余所見する余裕あんのか?」
 回し蹴りからの、ベスティアによる薙ぎ払い。吹き飛ばされた先は毒が待つ穴。
 盾を捨てて、標的をシエンに変更したゴブリン達の素早さは増している。だが、其れよりも彼の反応速度の方が速い。一番手前のゴブリンの首根っこを掴み、正面に突き出す。何度か殴られ、瀕死になった所で……集団へと投げつけた。
 勢い余って殴ってしまったが、飛ばされたのが仲間ならば……ゴブリン達にも仲間意識はあるのだろう、受け止める。良い的だ、ニィと笑って。
「泣いて、惨めにお前らのボスに助けを求めろよ」
 ……黒塗りの槍の一薙ぎは強く、重い。ゴブリン達に受け止め切れる筈もなく、盾を自ら手放した彼らに為す術は無かった。彼らに向かって来た敵の掃討は終わったのだ。
「シエン……それ、俺が言おうと思ってた台詞なんだけどな」
「ああ、そうか」
 お前はそう言うだろ、と思って言ったなんて言う必要はない。
 ……戦闘中の行動にも彼らの信頼は表れている、幸い軽傷で済んだ。二人は時機到来するミノタウロスとの戦いに向けて、今の内に気を引き締めた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

仙城・蒼汰郎
へっ、村を守るために迅速に敵を倒す…か!
仕事の早さなら俺の領分ってぇ奴だな!
さっ、ハデに行くぜ!

【WIZ】
まずは近場の空中に向けてわざとユーベルコードを外して使い、
蜘蛛の巣状の縄足場を形成するぜ!
あとはその上から【ロープワーク】でゴブリンを捕縛し、
重りのように使って振り回す戦法でなぎ倒す!
トドメを差し切れない相手には【作業用剛性ワイヤーロープ】を足場に素早く引っ掛け移動方法として利用し、【空中戦】で頭上から【特殊加工マチェット】を使いたたっ斬る…って具合で行くか!
この俺、「迅蜘蛛」の【早業】…見せてやるぜ!



●迅蜘蛛の職人仕事
 残りのゴブリン達が他の落とし穴の存在、猟兵達の強さに恐怖を抱き始める。
 邪魔者を倒せとミノタウロスが吼える事で、戦意が潰える事は無かったが、それでも動きに戸惑いが見られる。攻撃を仕掛けるにも、まだ罠があるのではないかと。
 ……そんな中、ゴブリン達の頭上を何かが通り過ぎた。
「さっ、ハデに行くぜ!」
 上空に広がる蜘蛛の巣、其れは投げ縄によって作られた物。
 ――さあ、仙城・蒼汰郎(迅蜘蛛・f06062)の仕事が始まるぞ。
 特殊剛性ロープを用いて縄足場に乗った後、目についた一体のゴブリンを別の縄を巻きつけ、動けない様に捕縛する。なんだなんだと他のゴブリン達がどよめく間に、捕縛されたゴブリンは地面に叩き付けられ……振り回され、周囲の仲間に激突。
 既に倒されていると理解した時には、彼は別の獲物に縄を投げていた。
 元とび職の身のこなしは伊達じゃない、ゴブリン達も足払いや他の攻撃を仕掛けようとするが……動きが速過ぎる、止められない。
「おいおい、守りに入っていいのかよ?」
 邪魔なロープを弾く事に徹しているのを見て、仙城は笑う。
 お調子者な一面を見せる事もあるが、仕事に関しては真剣そのもの。迅蜘蛛の名に恥じぬ様に。彼が笑って告げたのは忠告だった。
 作業用剛性ワイヤーロープを縄足場に素早く引っ掛けて、空中を軽々と移動しながら……己が用いる頑丈な縄でも斬れる特殊加工マチェット、其れをゴブリンの頭上から振り下ろす。投げ縄ばかりを警戒していた為、刃物による攻撃を想定するだけの知能は無く……脳天を真っ二つにされたまま、数体のゴブリン達が同時に倒れる。
「な、言っただろ?まだまだ……『迅蜘蛛』の早業、見せてやるぜ!」
 薙ぎ倒し、時には特殊加工マチェットを振るう。
 縄足場を利用して空中を軽々と移動する仙城の様子は、どこか楽しそうにも見えて。村を守る為の仕事も、とび職の仕事と同じく……誰かの笑顔の為の仕事だからか。彼自身の想いは彼のみが知る事、其れでも確かに誇りを以って仕事に向き合っているのだろう。
 集団の中の残り一体を縛り、近くの岩に思い切りぶつけて……動かなくなったのを確認してから、地面に降り立つ。無傷の勝利。今回の仕事は中々の出来、だっただろうか。

大成功 🔵​🔵​🔵​


●村と温泉を守る為
 ゲームで良く出てくるゴブリンは、大抵が序盤の弱い敵だ。
 しかし、数の暴力とは良く言ったもので……集団で襲い掛かって来る様子は一般人の目からすれば恐怖であり、強力に見えるのだろう。
 そんな取り留めのない考えを巡らせながら、春霞・遙(子供のお医者さん・f09880)は目の前で起きている戦闘の状況を見据える。残りのゴブリン達も少なく、そのどれもが消耗している。
「私達の優勢、ですね」
 ミノタウロスはまだ動く様子を見せない。ゴブリン達が倒されるまで動かないつもりか、其れは其れで此方にとって好都合。
 ……猟兵として様々な世界に飛び、経験を積んではいる。だが、春霞は戦いを不得手としているらしく。直接的な戦闘よりも補助的な役割に徹すると考えたのだ。
 ふわり、ふわりと紙飛行機が飛んでいる。屋根まで……とは行かず、低空飛行を続けている。沢山の仕掛け折り紙で作られた紙飛行機は、一部がゴブリン達によって邪魔だと無残に叩き落とされた物もあった。払い除けられた物もあった。
 ――落とされても、命中した事実が翻る事は無いのだ。
「ひらひらと風に飛ぶ薄く弱い刃、鋭く軽く真っ直ぐに裂け」
 岩陰に隠れた春霞が唱えると、落とされた紙飛行機が息を吹き返した。
 其れは先程こつんとぶつかった場所、ゴブリンの腕を貫く。同様に払われた其れは別のゴブリンの背中を。強化された紙飛行機は刃と変化して、残ったゴブリン達に襲い掛かる。紙飛行機が漂う範囲から逃れようと散り散りに逃げ惑う中、ある一体が突撃したのは彼女が隠れている岩だった。
「私は、戦うのは人並みなので……」
 ……流石に対処しなければ、いけないですね。
 白衣の裏側に忍ばせていた拳銃を取り出し、春霞は岩場から顔を出す。此処にも敵が潜んでいたのかとゴブリンが喚き、手にした棍棒を乱雑に振るう。どれか一発でも当たれば良いと言わんばかりの、或いは破れかぶれの特攻。
 彼女は一発受けてしまったが、数に物を言わせた攻撃は軽い。次の攻撃を受ける前に、銃口をゴブリンの眉間に突きつける。
「この距離でなければ、上手く当たらないんです」
 春霞は困った様に笑って、零距離で迷いなく銃を撃つ。
 静かな発砲音の後、ゴブリンが其の場に倒れ……立っているオブリビオンはミノタウロスのみ、となった。
春霞・遙
ゲームで出てくるゴブリンはたいてい序盤の弱い敵だけど、数で攻めてくる奴らは一般人からしたら強力ですよね。
私は戦闘は一般人並みに得意ではないですけど、村と温泉を守るために周りの方の補助を頑張ります。

岩の陰から【仕掛け折り紙】で紙飛行機を沢山飛ばして目くらましをしつつ、その紙飛行機で【紙片鋭刃】を使用してゴブリンに攻撃。それとともに、拳銃での「援護射撃」でゴブリンの数を減らす、が基本方針ですかね。
敵が突っ込んで来るなら「零距離射撃」か、手元に残しておいた紙飛行機かなにかの折り紙で迎撃。



●村と温泉を守る為
 ゲームで良く出てくるゴブリンは、大抵が序盤の弱い敵だ。
 しかし、数の暴力とは良く言ったもので……集団で襲い掛かって来る様子は一般人の目からすれば恐怖であり、強力に見えるのだろう。
 そんな取り留めのない考えを巡らせながら、春霞・遙(子供のお医者さん・f09880)は目の前で起きている戦闘の状況を見据える。残りのゴブリン達も少なく、そのどれもが消耗している。
「私達の優勢、ですね」
 ミノタウロスはまだ動く様子を見せない。ゴブリン達が倒されるまで動かないつもりか、其れは其れで此方にとって好都合。
 ……猟兵として様々な世界に飛び、経験を積んではいる。だが、春霞は戦いを不得手としているらしく。直接的な戦闘よりも補助的な役割に徹すると考えたのだ。
 ふわり、ふわりと紙飛行機が飛んでいる。屋根まで……とは行かず、低空飛行を続けている。沢山の仕掛け折り紙で作られた紙飛行機は、一部がゴブリン達によって邪魔だと無残に叩き落とされた物もあった。払い除けられた物もあった。
 ――落とされても、命中した事実が翻る事は無いのだ。
「ひらひらと風に飛ぶ薄く弱い刃、鋭く軽く真っ直ぐに裂け」
 岩陰に隠れた春霞が唱えると、落とされた紙飛行機が息を吹き返した。
 其れは先程こつんとぶつかった場所、ゴブリンの腕を貫く。同様に払われた其れは別のゴブリンの背中を。強化された紙飛行機は刃と変化して、残ったゴブリン達に襲い掛かる。紙飛行機が漂う範囲から逃れようと散り散りに逃げ惑う中、ある一体が突撃したのは彼女が隠れている岩だった。
「私は、戦うのは人並みなので……」
 ……流石に対処しなければ、いけないですね。
 白衣の裏側に忍ばせていた拳銃を取り出し、春霞は岩場から顔を出す。此処にも敵が潜んでいたのかとゴブリンが喚き、手にした棍棒を乱雑に振るう。どれか一発でも当たれば良いと言わんばかりの、或いは破れかぶれの特攻。
 彼女は一発受けてしまったが、数に物を言わせた攻撃は軽い。次の攻撃を受ける前に、銃口をゴブリンの眉間に突きつける。
「この距離でなければ、上手く当たらないんです」
 春霞は困った様に笑って、零距離で迷いなく銃を撃つ。
 静かな発砲音の後、ゴブリンが其の場に倒れ……立っているオブリビオンはミノタウロスのみ、となった。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 ボス戦 『ミノタウロス』

POW   :    マキ割りクラッシャー
単純で重い【大斧 】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    暴れ牛の咆哮
【強烈な咆哮 】が命中した対象に対し、高威力高命中の【突進】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
WIZ   :    ベジタリアン・テンポラリーヒール
戦闘中に食べた【野菜 】の量と質に応じて【身体に出来た傷が塞がり、気分が高揚し】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はクロ・ネコノです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●暴れ牛は吼える
 ……ゴブリン達が全て、地面に倒れる。
 或いは罠の中で息絶えている様子を見て、ミノタウロスは手にした大斧を振り上げて、地面に向けて振り下ろす。其れは己が従えていた者達を倒された、苛立ち故か。戦闘前の昂り故か。
 猛牛が吼える、邪魔をするなと言いたげに猟兵達を威嚇する。
 猟兵達を強き者達と判断し、地面から大斧を引き抜いて……轢き潰そうとする程の勢いで、突撃を仕掛けてくる。其の勢いは見ただけでも凄まじく。
 ――しかし、此の先の村の為にも猟兵達は退く訳にはいかないのだ。
仙城・蒼汰郎
※共闘歓迎
「さぁて…いよいよお出ましだな。
ワリィが俺にはこの後温泉を覗ッ…
…じゃねぇ、村を守る為に来てんだ!行くぜッ!」

【WIZ】
まずは先の戦闘で張った縄を駆使しての【ロープワーク】移動、
追加で縄を増やしながらの【空中戦】で攪乱するぜ!
この間UC用のロープを張りながら回避に専念だ。
「…獲ったッ!!」
目にも止まらぬ【早業】で着々と準備を終え、
地面に強く着地と同時にロープを力強く引っ張る!
【ボーラインノット】の発動!一丁上がりだぜ!
ここで仲間が居りゃ叫んで攻撃を促す!
居なけりゃ単独で頭に【レール・ネイルガン】を【零距離射撃】してやらぁ!
仕上げは頭の釘目掛け【解体用ハンマー】の振り下ろしでトドメだ!


ニレッド・アロウン
うーん、デカい斧ですね。流石にあれとなんも無しでやり合うのはちょっと辛そうですねー。仕方ないです、【覚悟】キメてやりましょうか。

相手の斧攻撃にも耐えられるよう攻撃力上昇して自身の【怪力】を発揮しながら【武器で受け】流しつつ、相手を焦らすように戦いましょう。
もし相手が強烈な一撃を叩きこみそうな【殺気】を【第六感】で察知したら、素早く鋏を取り外し二刀流状にしUCを【全力魔法】で発揮し炎の魔力による【属性攻撃】を仕掛けていきましょう。狙う部位は斧の付け根である柄部分、左片刃で切り飛ばせずとも攻撃を弾けるだけで十分、【二回攻撃】でもう一方の右片刃で攻撃していきます。

※アドリブ・他者との協力歓迎



●男のロマン?いいえ、温泉の為です
 地響きを鳴らす勢いで迫ろうとするミノタウロスを見て、それぞれの反応を見せる男女。
 ベルトを二つ並べた様な眼帯を着けた女性、ニレッド・アロウン(水晶鋏の似非天使・f09465)はミノタウロスの姿、そして相手が持つ大斧を見て、思案する。体格には見合っているかもしれないが、流石に大き過ぎるだろう。難敵だろうが、隣の猟兵と連携すれば何とかなるだろうか……。
「(仕方ないです、覚悟キメてやりましょうか)」
「さぁて……いよいよお出ましだな!」
 内心は溜息を吐きながら、覚悟を決めている彼女とは逆に……ロープを手にしながら敵を待ち構えるのは元とび職の仙城・蒼汰郎(迅蜘蛛・f06062)だった。やる気満々と言った様子だが、其れには理由がある。そう、とても重大な理由が。
「ワリィが俺にはこの後温泉を覗……ッ!じゃねぇ、村を守る為に来てんだ!行くぜッ!」
「……仙城君、今覗きって言い掛けませんでした?言い掛けようとしやがりました?」
「きききっ、気のせいだろ!それより敵、来るぜ!」
 誤魔化しになっていませんよ……と、ニレッドが言葉にする前に二人は別々の方向へ跳躍。ほんの少し前まで二人が居た場所に大斧の刃が突き刺さった。腕の筋肉は飾りではないらしい、冷静に分析した彼女はトリニティ・エンハンスを使用、炎の魔力を特に強めて、攻撃力を上昇させる。
「(……まずは私、ですか)」
 倒し易そうな方を狙うつもりなのか、だとしたら舐められたものだ。
 大斧を軽々と振るうミノタウロスの剛腕による一撃を、ニレッドは閉じた状態の水晶鋏で受け流す。受け止める瞬間だけ技能を発動、勢いのままに押し潰されない様にする。斧と鋏による応酬、両者一歩も譲らない。
 眼帯で両目を確認するに至らなかったが……彼女の視線は仙城に向けられていて、彼もまた其の事を理解している。
「おいおい、俺を忘れてもらっちゃ困るぜ!」
 ――向こうから近付いてきたのなら、好都合。
 先のゴブリン戦で作った縄を使える。蜘蛛の巣上の縄足場に乗り、作業用剛性ワイヤーロープを更に投擲。空中を移動しながら、縄を操り続ければ……仕掛けの完成はもう直ぐだ。ニレッドも持ち堪えてはいる。ならば……己も仕事で応えるまで、そうでなければ男が廃る!
「それ以上、好きにさせるかよッ!」
 強く地面を踏み締めて、手にしたロープを全力で引っ張る。引いたロープによって、別の方向で絡んだ其れが引き寄せられて。繰り返していく内に……ミノタウロスの腕、胴体にロープが絡まり、雁字搦めとなって動きを封じる。振り上げたばかりの斧を、振り下ろせない。もがく力も凄まじいが、それでも彼は負けるつもりはない。
「ニレッド、やっちまえ!」
「見直しました、仙城君」
 仙城の尽力を無駄にしない。ニレッドは即座に水晶鋏を分離させて、二刀流の構えを取る。右片刃には見えにくいが確かにルーンが刻まれており、左片刃は透き通る刀身を持つ。
 天使が羽搏き、宙を翔ける。まず狙うのは振り上げた状態で止まっている大斧、其の柄部分。頑丈な左片刃を下から上に振り上げて、地面に落とさせた。
 それだけでは終わらない、狙うは右腕。再度、トリニティ・エンハンスを使用して……炎の魔力を右片刃に集束。自身の攻撃力も併せて、全力で振り下ろすッ!
「――グオォォォッ!?」
 深々と抉る一閃に目を見開き、ミノタウロスが呻く様な叫び声を上げる。
 これで斧を強く握る事は出来ない筈だ。ざまあみやがれです、とニレッドは内心吐き捨てる。……追撃は彼に任せるとしよう。
「仙城君、お願いします」
「おうよ、任せなァ!」
 ゆっくりと着地したニレッドと入れ違いに、仙城は駆け抜ける。
 既にレール・ネイルガンの準備は完了。彼は縄足場を利用して高く、高く跳ぶ。痛みに悶えるミノタウロスの真上、脳天に改造銃の銃口が接した直後、引鉄を引く。零距離射撃による釘打ちを終えたら、其の釘を更に深く食い込ませる為に――。
「コイツはオマケだ、喰らっときな!」
 もう片方の手で取り出した解体用ハンマーを、勢い良く振り下ろす。
 ……見た目にも痛そうだが、攻撃を受けた張本人は激痛を感じているのだろう。辛うじて動けているものの、ミノタウロスの痛みによる叫び声は暫く続いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

シノ・グラジオラス
シエン(f04536)と参加
POW選択

いやー、これデカくね?無理だろ
いやしかし、温泉の熱湯で煮込めば…いけるか?

倒れたゴブリンを踏みつけて、ニヤリと笑って『挑発』
意図は向こうが好きに解釈するだろ

『2回攻撃』と『カウンター』で敵の攻撃をいなしつつ、適度な距離を保っておくが、
こちらが避けやすいタイミングで『フェイント』で隙を見せて大斧 の一撃を誘発
出来なかったら『見切り』で周辺の余波も極力避けるし、
避けきれないなら『生命力吸収』『激痛耐性』で耐える
向こうの攻撃を避けてできた隙に【紅喰い】の命中率重視を叩きこもうか

シエンのセリフだけ聞くとどっちが悪役か分かんねーな
ボスと部下、纏めてあっちでも仲良くな


シエン・イロハ
シノ(f04537)と参加
SPD選択

ほらシノ、食い出がありそうな肉が来たぞ
筋肉だらけで美味いかは分からねぇけどな

先手はあえて譲り初撃回避優先
『地形の利用』で自らが避けやすく他者が巻き込まれない場所へ立ち位置をずらし攻撃場所を誘導
『戦闘知識』『野生の勘』で敵の攻撃方向の察知、『見切り』で回避を

初撃回避後、『カウンター』で【ガチキマイラ】
蹴りの最中片脚をライオン化、『生命力吸収』で効果底上げ
肉は別に要らねぇが…傷付けた分はてめぇの命で払ってもらおうか
部下の分も纏めてな…いいボスで先にいったあいつらも歓ぶだろうよ

猟兵全体はともかく、俺は正義の味方なんぞになった気はねぇからな
メリットあるから狩るだけだ



●本日のメニューは牛の温泉煮込み?
「いやー、これデカくね?無理だろ」
 何処から聞こえてきたのか判らない声に思わず、ツッコミを入れてしまった。
 急に何かを言い出したシノ・グラジオラス(火燼・f04537)に対して、シエン・イロハ(迅疾の魔公子・f04536)が訝しげな視線を向けている。急に何を言い出したんだ、お前はと言いたげで。
 ……激痛に呻き、先程から頭を押さえながら叫ぶ牛の頭を持つオブリビオンを見ながら、シノ自身が思っていた事を言葉にしただけなんだろう。きっとそうだ。
「良くわかんねぇが……シノ、食い出がありそうな肉が来たぞ」
「いやいやさっきも言ったけど、無理だろ!?……いや、温泉の熱湯で煮込めばワンチャン?」
「筋肉だらけで美味いかは分からねぇけどな。源泉にでも一緒に蹴っ飛ばすか」
「ソレハ勘弁シテクダサイ」
 流石に源泉は熱い、熱過ぎる。火傷をしかねない。
 人狼であるシノにとって、肉は魅力的ではあるが……だからと言って、其処まで身体を張って食べたい訳でもなく。そんなやり取りをしている内に、ミノタウロスも反撃をしようと左手だけで大斧を持つ。自由自在にとはいかないが、振り下ろすだけなら出来ると考えたのだろう。
 戦闘開始と同時に、シノとシエンが目を合わせる。
 其れだけで何となくでも互いの考えが読み取れたのだろう。シノは一番近くで倒れているゴブリンを踏みつけて、シエンは敢えて丸腰の状態で構えを取らない。二人の挑発めいた笑みは、同様の意思を含んでいた。
 ――先手はくれてやる、とっとと掛かって来いよ、と。
「――ッ!――ッ!」
 どうやら、コケにされたと感じたらしい。頭と右腕が未だに痛み続けるが、無視してミノタウロスは二人に突進を仕掛ける。勢いは衰えているが、当たった時の被害は計り知れない。……逆に言えば、当たらなければいい話。
 各々別の方向へ移動して避けた後、シエンは適当な小石を拾い上げて投擲。ミノタウロスの注意を自分へと向ける。回避と同時に避け易く、他の猟兵達を巻き込まない場所への移動は済ませた。
 普段……否、普段以上に頭の回らない状態では、頼りになるのは本能だけなのだろう。自分の所に向かってくるミノタウロスを見て、彼は嗤う。
 ……背後に、既に変化を完了したスコルがいる事に気付いていないのか。
「――ッ!!!」
 変化する前のシノはフェイントを仕掛け、大振りな攻撃の隙を見てから紅喰いを発動するつもりだったが……敵に背中を見せる程、余裕が無いなら遠慮なく。
 ……スコルの遠吠えは傷口に響き、まるで全身を引き裂く様で。
 先程まで感じていた激痛がぶり返す、痛みが全身を支配する。地面へ再び斧を落として、ミノタウロスは頭を抱えながら膝から崩れ落ちる。
 胴体がガラ空きだ。痛そうにしていようが、シエンにとってはお構いなし。
「肉は別に要らねぇが……アイツが負った傷の分くらいは支払ってもらおうか」
 回転の勢いも加えた、渾身の回し蹴り。無論、ただの回し蹴りで終わらせるつもりはない。蹴りの最中にユーベルコードを発動、脚をライオンの頭部へと変形する。
「――てめぇの命で、な」
 肉食獣が喰らい付こうとする様に、シエンはミノタウロスの脇腹を抉る様に蹴り飛ばす。ぐちゅり、と牙が深く食い込む音が聞こえてきてはニィと笑って。ミノタウロスの息遣いは荒く、痛みに耐えるだけで精一杯の様子。
 ……脚を脇腹から離し、元に戻してから人の姿に戻ったシノの所へ向かう。どうせ虫の息だ、放っておいても遠からず死ぬだろうと。
 えげつねぇな、とシノが煙草を銜えながら苦笑しているのを見て、彼は鼻で笑って返す。
「猟兵全体はともかく、俺は正義の味方なんぞになった気はねぇからな」
「セリフだけ聞くとどっちが悪役か分かんねーな」
 メリットあるから狩る、それだけ。正義の味方でいたい奴は勝手にすればいい。
 シエンの様な考えを持つ猟兵は他にもいるだろう、勿論其の考えを否定するつもりはシノには無い。オブリビオンに対して、情け容赦を必ず掛ける必要は無いのだから。
 ……ボスと部下、纏めてあっちでも仲良くな。
 そんな風にシノが内心で呟く事も、きっと彼の自由なのだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

春霞・遙
力に頼った一撃は当たればひとたまりもなさそうだけど、攻撃は単純そうだから攻撃は基本回避するようにしましょう。
毛皮とか筋肉質の体のせいで私の小手先の攻撃じゃ大したダメージにはならないかな。
というわけで、「援護射撃」や【生まれながらの光】での回復をするなど、「スナイパー」として補助に徹します。

大斧を振るう時や野菜を食べようとする時に手を狙う射撃で手元を狂わせたり、顔面を狙う射撃や【光】で視界を奪って突進の方向を狂わせたりしようと思います。

アドリブ連携喜んで



●補助の重要性
 ……激痛のせいで、呼吸すらもままならない。
 ミノタウロスは満身創痍ではあるが、辛うじてまだ生存している。しかし、このままではやがて息絶えるだろう。何か、何か……使う事は無いと思っていた、腰に下げていた野菜の存在を思い出す。見た目は肉食獣に見えるが、牛は草食動物だ。故に、この先の村で農作物を奪おうとしていたのだろう。
 野菜を手にして、口を開ける。食べ終えて、多少傷が塞がった後は……奴らに報復をしなければ。
「そうはさせませんよ」
 ――手にした筈の野菜が落ちる。
 違う、落とされたのだ。手を撃ち抜かれ、力が入らない。
 ミノタウロスが銃弾が飛んできた方向に視線を向けると……岩陰から身を出して、拳銃を構える春霞・遙(子供のお医者さん・f09880)の姿。銃口からは硝煙が揺らめいていた。
 小手先の攻撃では充分なダメージを与えられないと、これまで彼女はサポートに徹していたのだ。回復行動も考えていたが、他の猟兵達はミノタウロスの攻撃を受ける事無く済んでいた為、基本は拳銃を用いた狙撃行動を行っていた様だ。
「(あと、もう少し……)」
 オブリビオンは専門外だが、医師としての職業柄。そして、第六感で理解したのだろう。回復行動さえ妨げれば、直に倒れる筈。
 ミノタウロスも生存本能のままに、生きる為に落とした野菜を……今は己の命綱とも言える其れに手を伸ばす。伸ばそうとして……不意に目が眩む。春霞による、天から降り注ぐ聖なる光が直撃していたのだ。
 ダメージを与えるものではなく、本来は回復の為の光だが。目くらまし程度にはなるだろうと考えた結果、良い方向に向かった。額に流れる汗が彼女の疲労を物語るが……それでも、彼女は確りと拳銃を構え続ける。ミノタウロスが倒れるまで、妨害行動を繰り返す。
「――ッ!!!」
 咆哮に力は無い、あの身体では大斧を再び振り回す事も出来ない筈……!
 敵が再度戦える様になる事を防ぐ、此れもまた戦い。根比べならば負けない。春霞は光を照らし、野菜を取ろうとするミノタウロスの手を撃ち抜く。
 ――そして、その時は来たのだ。
 ミノタウロスが唐突に動きを止める。最期に呻き声を上げて……鈍い音を立てて、地面へと横たわる。彼女の粘り強さの勝利だ。
 漸く終わった、と……岩に身体を凭れさせて、彼女はほっとした様に息を吐いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『温泉でリフレッシュ!』

POW   :    熱い温泉で耐久チャレンジ!

SPD   :    打たせ湯でコリをほぐそう!

WIZ   :    魔法の電気が流れてる温泉で血行を促進!

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●疲れた後は温泉だ!
 ――村の人々も利用している、魔法の温泉。
 偶々村へ辿り着いた人々も客人としてもてなし、長旅の疲れを癒してもらおうと温泉を利用してもらう事もあるらしい。今回参加した猟兵達も例に漏れず、村人達は猟兵を冒険者と思い込み、笑顔で迎え入れる。
「長旅でさぞや、お疲れでしょう。宜しければ温泉に浸かっていきませんか?」
 村人の説明によると、基本的には男湯と女湯に分かれている。
 だが、水着を着用すれば混浴出来る所もある様だ。
 熱い温泉で仲間と耐久チャレンジをしても良し、魔法の電気が流れる温泉で血行促進を図っても良し、打たせ湯もある。お風呂上りに牛乳を飲むのもいいだろう。

 ……日々、戦いに明け暮れる猟兵達よ。
 今此の時は羽を伸ばして、のんびりと過ごそうではないか!
【お知らせ】
 プレイング受付開始は『3月7日(木)8時30分』以降となります。
ニレッド・アロウン
【同行希望】
ふと私思ったのですが……【無敵城塞】、どれくらい耐えられるのでしょうか?

のぼせてしまうかもしれないという阿呆みたいな【覚悟】をキメ、転送した猟兵さんにも慰労という名の監視をお願いし、かなり熱めの温泉に身を浸らせて【無敵城塞】を発動し、どれだけ耐えられるか試してみましょう。まー、今回はミノタウロスと力比べみたいなことをして疲れてもいるので、疲れを取るためにもしっかりと休めていきましょう……【無敵城塞】発動して休まるかどうかは兎も角ですけどね。
あ、誰かに助けてもらえる前提で混浴の方に行って、他の人がいるならのんびり話をしたりしながら、熱湯に対して耐えてみます。

※アドリブ・他者絡み歓迎


仙城・蒼汰郎
「へぇ、これが例の温泉ってぇ奴か!
せっかくだから有難く使わせてもらうぜ!
…しかし、その、なんだ。ここも結構古いんだろ?そしたらよ…」

【SPD】
「こいつぁ良いな!今日の疲れが吹っ飛んで行きそうだぜ!」
普段の仕事上、手や肩は特に疲れてっからせっかくならと打たせ湯を使用。
…が、段々と目線は女性用が向かいにあるであろう壁に。
「…いや、違うぞ。覗こうってんじゃねぇ。ほら、長年使ってると古くて傷んでる箇所もあるだろ?例えばこの壁が傷んでたら大変じゃねぇか、なぁ!」
自問するように言い訳をしながら2章の口走りを果たさんと壁へ。(確定天罰でOK)
…後に、反省しつつトホホとしっかり温泉の外装補修作業もして行くぜ。



●無敵城塞の可能性
 まずは『無敵城塞』というユーベルコードについて、軽く説明しよう。
 独自の工夫を凝らしている猟兵も存在するだろうが、基本的には己の全身を『超防御モード』と呼ばれる、あらゆる攻撃に対してほぼ無敵の状態にする技である。但し、使用している間は全く動けなくなるというデメリットも生じる。
 守りに特化したユーベルコードであるが、ふとニレッド・アロウン(水晶鋏の似非天使・f09465)は考えた。
「私、思ったのですが……無敵城塞、どれくらい耐えられるのでしょうか?」
 ――そして、現状の説明をしよう。
 混浴可の温泉にて、水着を着用しているニレッドが熱湯にて耐久チャレンジをしている……という図である。尚、村人の許可を得た上で眼帯はそのまま着用。
 監視は頼まれた事もあるが面白そうだからと、グリモア猟兵である明(アキラ)が担当していた。逆上せた時の為に、クーラーボックスの中に冷たいタオルを用意している様だ。そして、彼女の疑問は結果的にどうだったかと言うと……。
「……熱いですね」
 そりゃあ、熱かった。まだ浸かり続けてはいるが、熱い。
 ……そもそもの疑問なのだが、温泉の熱は攻撃に分類されるのだろうか。
 兎に角、熱湯風呂でも血行促進効果等はあるだろうが、そんな効果が出ているのか判断出来ないくらいには熱かった。其れでも浸かり続けていられるのはプラシーボ効果か、或いはニレッドの覚悟の強さによるものか。
「ニレッド、大丈夫かー?タオルいる?」
「大丈夫です、まだ平気ですよ」
 明の言葉に感謝を述べつつ、其れでもまだニレッドは耐え続ける。
 一体何が、彼女をそうさせるのか。彼女の行動の原動力が気になる所だが……流石に目の前で倒れるのも困る。明は監視という名の救出要員として、其の場に座り続けていた。

●いざ、楽園へ
 場所を変えて、男湯に移そう。
 男湯では打たせ湯でコリを解そうとしている、仙城・蒼汰郎(迅蜘蛛・f06062)の姿があった。リラックスしている様子でふう、と息を吐く。
「こいつぁ良いな!今日の疲れが吹っ飛んで行きそうだぜ!」
 ロープを利用した動きは軽快にこなしている様にも見えるが、実はかなりの重労働なのだろう。疲れは取れる内に、とのんびりしていた仙城だったが……視線は何故か、明後日の方向へ。詳しく説明するならば、男湯の向こう側へ。
「……いや、違うぞ。覗こうってんじゃねぇ。ほら、長年使ってると古くて傷んでる箇所もあるだろ?例えばこの壁が傷んでたら大変じゃねぇか、なぁ!?」
 ……現状、猟兵達の貸し切り状態なのだが。一体、仙城は誰に向かって言い訳をしているのだろうか。自問のつもりなのだろうが声に出ていますよ、迅蜘蛛さん。
 しかし、彼は行くのだ。善は急げと打たせ湯から離れて、足音を立てない様に壁に近付き始める。壁の向こう側、夢の楽園。
 慎重に、慎重に近付き……丁度良さそうな傷んでいる場所を発見し、穴を覗き見る。湯煙が邪魔であまり見えないが、もう少し……湯煙が晴れた――ッ!
「何をしていやがるんですが」
「ギャーッ!?」
 ――見えたのはベルトの様な眼帯だった。
 そして、普段より少し低くなった声が耳から離れない。実は混浴可の温泉を挟んだ、更に向かい側が女湯だったらしい。現実は厳しい。そして、混浴可の温泉にはニレッドがいて……。
「い、いやー、ニレッド奇遇だな!つい、足が滑っちまって……」
「ふふっ、声は聞こえていましたからね?言い残す事はありませんね?」
「ちょっ、マジでタンマって――」
 ……覗き未遂、許すまじ。
 仙城が彼女から何の罰を受けたのかは、敢えて伏せておこう。
 しかし、暫くした後、全身ボロボロとなっていた仙城が温泉の外装補修を行っている所を何人もの村人が見ていたそうな……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

シエン・イロハ
シノ(f04537)と参加
アドリブ歓迎

(酒を持ち込めるようなら強化ガラスの小瓶に入った酒を煽りつつ、シノの持ち込んだ酒も奪い
花がないのはどうでもいいが大して強くもねぇのに此処で飲むんじゃねぇよ
心配?馬鹿言ってんじゃねぇ
酔ったら置いて帰るからな(容赦なく奪った酒飲みつつ

大体他の奴ら連れてきたところで混浴に入るとは言わねぇだろあいつら
誘って武器投げられる姿が目に浮かぶわ

下手に目立てば妙なの呼び寄せかねないからな
のんびりできりゃいいんだろ、此処の奴らは
あんま人が殺到しても地元の奴らが入りづらくなるしな

まだ食うつもりだったのか
煮込まれてる気分に浸る前に灰汁まみれになるんじゃね?
風呂に入った意味がねぇな


シノ・グラジオラス
シエン(f04536)と参加
アドリブなど歓迎

この温泉って持ち込み大丈夫なのか?
と言うか、酒を持ち込みたい。うん?普段そんなに飲まないのに何で今回はだって?
当然だろ!野郎2人で温泉とか花が無いんだ、酒くらい飲まんとやってられんだろ!
持ち込みダメなら素直に風呂上りにするわ

ここの温泉って魔法の温泉なんだな
この村もこれをもう少し前面に出せば観光名所にはなりそうなもんだが、
そう言うのは望んでなさそうだな

それにしても電気が流れる温泉…(少し考え)あのミノタウロス
ここの源泉漬けこんだら食用ワンチャンあるんじゃないか?
ああでも、牛の出汁が出てる温泉とかこっちが煮込まれてる気分になるか
止めた。別の方法考えるわ



●花が無ければ、酒を飲めばいいじゃない(但し成人に限る)
「……っ、はーっ!風呂で酒ってのも乙なもんだな!」
「酔ったら置いて帰るからな」
「ヤーダー、シエン先輩ってば冷たーい」
「写真、動画」
「ナンデモアリマセン」
 魔法の言葉とは時に便利な物である。
 シエン・イロハ(迅疾の魔公子・f04536)はそんな取り留めのない事を脳裏に過ぎらせながら、強化ガラスの小瓶に入っている酒を呷る。温泉に浸かりながら飲む酒だからか、普段よりも尚更美味い。
 ……ついでにと言う様に、目の前の悪友――シノ・グラジオラス(火燼・f04537)の酒もひょいと奪う。そして、一気に飲む。彼が普段そんなに飲まないのは理解している。だからこそ、シエンとしては本当に酔い潰れられても面倒だったのだろう。
「いい加減止めとけ、普段飲まねぇ癖に」
「当然だろ!野郎二人で温泉とか花が無いんだ、酒くらい飲まんとやってられんだろ!」
「誘った所で、武器投げられる姿が目に浮かぶわ」
 ちなみに温泉での飲酒に関しては、村人も良くやるとの事らしい。
 勿論、温泉を汚さない様に注意してほしいが、其の点さえ守ってくれれば問題ないそうだ。
 そして、飲まないとやっていられないと断言するシノの様子はと言うと……旧知の仲であるシエンが彼の酒を強奪した、という事実で察して頂きたい。
「そういや、此処の温泉って魔法の温泉なんだな」
 成程。確かに戦闘の疲労が取れ始めている、気がする。
 これ程までの効能なら、観光名所にでもなりそうな物だが……そんな様子も無く。彼らが其れを望んでいる様子も無い。
「……下手に目立てば妙なの呼び寄せかねないからな」
 持参した酒をまた呷り、シエンがはっきりと言い切って。
 多くの人が集まる事は良い事だが、其れに伴うデメリットが生まれる。村の皆の温泉であっても、村の人々が入れなくなっては意味がない。
 ……のんびりとした空気も偶には悪くない。そう思えるのは元からか、其れともこれまでの――。
「あのミノタウロス……ここの源泉漬け込んだら食用ワンチャンあるんじゃないか?」
「おい、お前な……まだ食うつもりだったのか」
 神妙な心持ちで思案している所に、シノのまさかの食用発言が投下される。
 何を言っているんだか、呆れた様にシエンが息を吐くと、シノが電気が流れる温泉ならワンチャンあるだろ!などと言い出す。
 ……絶対に酔っている、気がする。至って真剣なシノの様子が、酔っている様にしか感じられなかった。そして、シノはまた考え込む素振りを見せて。
「ああでも、牛の出汁が出てる温泉とかこっちが煮込まれてる気分になるか」
「……煮込まれてる気分に浸る前に、灰汁塗れになるんじゃね?」
「だな。……止めた、別の方法考えるわ」
「どうしても食いてぇのかよ、普通の肉食えよ」
 風呂から上がってからもこの調子ならば、絶対に写真に収めた上で旅団の女性陣に送り付けよう。残りの酒を飲みながら、シエンは静かに決意を固めたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

辰神・シエル
【同行希望】
【POW】にて行動をする。
「っす、メイの瞬間どうせアキラに変わんだろ?だったら耐久勝負しようぜアキラ!」
と、明に向かって提案します。
多分、却下されそうな気がするので
買ったらアイスを奢るとか、パフェを奢るとかで釣ろうと試みます。
「お前が勝ったら甘いもんなんでも食わせてやっから」

温泉我慢対決に関しての結果はマスターさまにおまかせします。
アドリブも歓迎。
自由に動かしてくださって構いません。



●仁義なき兄妹の戦い
「っす、メイ!」
「うげー、馬鹿兄貴……」
「んだよ、アキラかよ」
 グリモア猟兵の人格がどちらか判明した直後、わざとらしく残念そうな表情を浮かべたのは辰神・シエル(ペネトレイトアロー・f02627)だった。血の繋がりは無いが、明の兄である。
 どうやら別の猟兵の監視、及び介抱を終えた後に再び混浴へ戻ってきたタイミングで、シエルと合流した様だ。シエルもまた、水着を着用している。
「まァ、折角アキラと風呂ってーなら……うし、耐久勝負しようぜ!」
 普通に風呂でのんびりするよりは、彼女となら其の方が楽しいとシエルは判断したのだろう。ちなみに彼女の人格がメイだったならば、普通にのんびりと過ごす事も考えていた……かもしれない。どちらにしても、妹にデレデレである。
 提案を受けた本人は、先程の監視行動で熱湯の熱さを知っていたからか……心底嫌そうだった。
「んなの、勝手に一人でやって――」
「オレに買ったらアイス奢ってやらァ」
「…………」
「それとも、負けるのが怖ェのか?じゃあ、しゃーねぇなァ……」
 ――流石、兄。どちらの人格だろうと、妹の扱いはお手の物。
 彼自身、素でやっている可能性も否めないが。シエルの二言で、アキラは簡単に勝負に同意したのであった。
 二人で熱湯風呂に直行!同タイミングにてダイブ!良い子のみんなは、温泉は静かに入る様に。本来は共用の場所で騒いではいけません、マナーは大事!
 ……さて、勢い良く飛び込んだ彼らの様子はどうだろうか。
「アキラ、先に出るなら出てもいいんだぜ?」
「ハッ、馬鹿兄貴こそ出ちまえ」
 憎まれ口を叩き合っているが、兄妹の気持ちは一致していた。マジで熱ィ。
 ……その後、脱衣所で茹でダコ状態のまま横になっている兄妹の姿が見られたそうな。

大成功 🔵​🔵​🔵​

春霞・遙
いろんな世界の温泉行ってみたけど、どこも特徴あって面白いなあ。
電気はきっと湯の花みたいなお土産にはならないよね。電気療法みたいな感じかな。ここに来なければ入れなかった温泉、楽しみ!

簡単に髪を束ねてかけ湯して。
家のお風呂よりのびのびできるし、背伸びしたりストレッチしたりゆっくり過ごそう。
あ、もしできるなら飲泉してみたい。電気ってどんな味なのか。電気まで含まれてるか分からないけども。ものは経験で、さ。ピリリとからいのかな?



●ゆったりと過ごす時間
 場所は女湯、其の場所に在る電気風呂。
 本来は身体に害が無い程度の電流が流れているそうだが、どうやら魔法の電流も仕組みは同様らしい。しかし、魔法と銘打つだけあって、普通の電流より効果はある様だ。そして……村人皆が利用するからか、とても広い。
 色々な世界の温泉に行ったが、何処も特徴があって面白いなと春霞・遙(子供のお医者さん・f09880)は背伸びをしながら思った。長い焦げ茶色の髪は束ねて、湯の中に入らない様にしている。
「疲れが取れるって聞いたけれど、本当に極楽……」
 先程の戦闘も大変だったが、本業で蓄積されていた疲労まで取れそうだ。
 ふう、とホッとした様に息を吐いて。温泉に浸かりながらストレッチをすると、より一層効果を感じられる気がした。
「(電気風呂の飲泉は、流石に駄目だよね)」
 他の村人も利用している以上、例えば子供が真似をしてしまうと危険もある。此処に来る前に念の為、村人に確認を取ったが同上の理由で禁止しているとの事。
 代わりに別の場所に在る源泉ならば、飲泉をしても良いと確認は取れている。後で行ってみよう、と彼女は思いつつ……今は此の電気風呂を楽しもうと。
「そういえば……何か、お土産とかあるのかな?」
 魔法の電気は湯の花の様なお土産にはならないだろうが、其れとは別に村の特産品があるかもしれない。
 折角の機会、此処に来なければ入れなかった温泉だけではなく、此処に来たからこそ買えるお土産を買ってみるのもいいだろう。
 ……戦闘は得意ではなかったが、それでも。こんなにも癒される温泉を守り、楽しめたのだから。頑張って良かったな、と春霞は思うのだ。
 
 ――よし、また明日からも頑張ろう。
 魔法の温泉を充分に満喫した猟兵達は皆、明日への英気を充分に養って帰路についたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年03月10日


挿絵イラスト