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【サポート優先】勇気の航路

#グリードオーシャン #【Q】 #戦後


 これはサポート参加者を優先的に採用するシナリオです(通常参加者を採用する場合もあります)。

「集まって頂き、ありがとうございます」
 グリモアベース。
 エラ・ディフォニー(エルフの精霊術士・f39155)は猟兵達に説明を始めていた。
「皆さんにお願いしたいのは、グリードオーシャンでの移民船の護衛です」
 グリードオーシャンには多くの島があり、豊かな環境があればそうでない場所もある。
 中には侵略によって荒廃してしまった島もあり……そんな島の一つで、人々が新天地への航海に出ようとしているのだという。
「今暮らしている島でも、当面は暮らしていけない事はないのでしょう。けれど、それもいつまで続くかは分かりませんし――」
 そして彼らも冒険心と新天地へのあこがれがある。
 ただ、海は無論、危険に満ちている。
「そこで彼らの希望を形にするため……船を守り、人々を新たな島へと送り届けてほしいのです」

 航海は、島から南の海へと進むものになるだろう。
「その先に手つかずの無人島がある、という噂があるらしく……そこを目指す事になるでしょう」
 ただ、それも簡単にとは行かない。
「航海自体、短いものでは済まなくなりそうですし……道中には、“不可視海域”と呼ばれる場所もあるようです」
 そこは冷たい濃霧と小雨によって常に視界が遮られる環境。
 だけでなく風と海流が舵取りを誤らせる危険もあるようだ。
「水面下にも暗礁が潜んでいる可能性があります。ぶつかってしまえば、座礁も免れないでしょう」
 移民達の力だけでは突破できない環境だろう。皆さんの能力を活かし、安全な航海を手助けしてあげて下さい、と言った。
 その海域を越えられれば、目指す島までは長くはないはずだ。
「ただ、安心は出来ないでしょう。コンキスタドールなどが現れないとも限りません」
 戦闘が起こる事も予想して準備をしておくと良いでしょう、と言った。
「島の人々にとっては、命を懸けた航海になるでしょう」
 けれど危険を冒してでも、手に入れたいものがあるのだ。
「その勇気に、是非、寄り添ってあげて下さい」


崎田航輝
 このシナリオはサポート優先シナリオです。
 グリードオーシャンでの冒険と戦闘シナリオとなります。

●現場状況
 グリードオーシャンの海。

●各章について
 一章は冒険で、不可視海域の突破を目指します。
 冷たい濃霧と小雨による視界不良、風と海流による舵の不安定、暗礁による危険などに対処して、海域を安全に越えて下さい。

 二章は集団戦で、『ディープ・ライダー』 との戦闘です。
 船を守りつつの戦いとなるでしょう。突破できれば島への到達となります。
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第1章 冒険 『不可視海域の突破』

POW   :    力ずくで櫂(オール)を漕ぎ、風や海流をものともせず船を進ませる。

SPD   :    巧みな操船や鋭敏な感覚で、暗礁を発見・回避して船を進ませる。

WIZ   :    魔法や科学の力で霧を吹き飛ばし、視界を確保して船を進ませる。

👑7
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御形・菘(サポート)
※語尾に「のじゃ」は不使用
はっはっは、妾、推っ参!
敵は決してディスらんよ、バトルを彩るもう一人の主役なのでな!
強さも信念も、その悪っぷりも誉める! だが妾の方が、もっとスゴくて強い!

バトルや行動は常に生中継+後で編集しての動画配信(視聴者が直視しては危ない系は除く!)
いかにカッコ良く魅せるか、見映えの良いアクションが最優先よ
とはいえ自身の不利は全く気にせんが、共にバトる仲間にまで不利を及ぼす行動はNGだぞ?

戦法は基本的に、テンションをアゲてボコる! 左腕とか尾で!
敵の攻撃は回避せず、受けて耐える! その方がカッコ良いからのう!
はーっはっはっは! さあ全力で来るがよい、妾も全力で応えよう!


数宮・多喜(サポート)
『アタシの力が入用かい?』
一人称:アタシ
三人称:通常は「○○さん」、素が出ると「○○(呼び捨て)」

基本は宇宙カブによる機動力を生かして行動します。
誰を同乗させても構いません。
なお、屋内などのカブが同行できない場所では機動力が落ちます。

探索ではテレパスを活用して周囲を探ります。

情報収集および戦闘ではたとえ敵が相手だとしても、
『コミュ力』を活用してコンタクトを取ろうとします。
そうして相手の行動原理を理解してから、
はじめて次の行動に入ります。
行動指針は、「事件を解決する」です。

戦闘では『グラップル』による接近戦も行いますが、
基本的には電撃の『マヒ攻撃』や『衝撃波』による
『援護射撃』を行います。


琳谷・花咲音(サポート)
自身とよく似た姿の影(背格好は同じ、性別とロングヘアが違う)悪魔【影(エイ)】を召喚するガジェッティア。

柔らかな口調と行動で男女どちらともとれないジェンダーレスな雰囲気。
女の子になりたい訳じゃない、男女の垣根はなく自分は自分。
友人(感情を結んでいる人)以外には『僕』。
友人には『私』。

戦闘時にはガジェットを臨機応変に変化させて戦う。
火力はないので手数で押す…又は牽制などサポートの立ち位置にいる事が多い。

【影】は本人と鏡合わせのような行動をとる事が多い。

生贄として、魔法媒体として様々な因子を詰め込まれた存在。
その影響で召喚したものを身に宿して戦う降霊術も得意とするが、その戦い方は好きではない。


音駆螺・鬱詐偽(サポート)
世界に蔓延る悪を懲らしめるネガティブアイドル鬱詐偽さん
ただいま参上。
・・・って、どうしてこんな恥ずかしいセリフを言わないといけないのよ。
うう、これも番組の為なのね。



自身の命綱である番組の為、多少の苦難や困難は仕方なく行います。
むしろ持ち前の不運によりおいしい場面を呼び込んでくれるかと思います。
ただし、ネガティブとはいえアイドルですのでマイナスイメージとなる仕事はすべて却下でお願いします。
ユーベルコードや技能はご自由に使わせてください。
どうぞ、当番組のネガティブアイドルをお役立てください。
                      プロデューサーより


諏訪野・啓太郎(サポート)
『唯のろくでなしの旅烏ですよ。』
 スペースノイドのスターライダー×電脳魔術士、31歳の男です。
 普段の口調は「男性的(俺、呼び捨て、だ、だぜ、だな、だよな?)」、負傷した仲間には「元気に(俺、~くん、~さん、だね、だよ、~かい?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


響納・リズ(サポート)
「皆様のお役に立てるよう、頑張りますわね」

移動時には、急ぐ要素があれば、ライオンライドを使って移動します。
洞窟など罠が予想される場所では、慎重に進み、万が一、けが人が出た場合は、回復UCにてすぐに癒します。
調査の際は、タロットを使っての失せもの探しや、礼儀作法を使っての交渉。聞き耳等を駆使して、情報を得ようとします。
交渉時は相手の機嫌を損ねないよう気遣いながら、気持ちよく話してくれるように進めます。

共同で進む際は、足手まといにならないよう、相手を補佐する形で参加したいと思います。

アドリブ、絡みは大歓迎で、エッチなのはNGです。



 急造の船着き場は決して立派なものではなかった。
 ――蒼の浅島。
 そう呼ばれる島の人々は、海辺にて出立の準備を進めている。
 船へと乗り込む彼らは、新たな生活を夢見る移民だ。
 そして帰るつもりのない航海に出る旅人でもある。
 遥かな海へ進み出す事への覚悟は、もう決まっているようだが……同時に不安を浮かべるものも多かった。
 だからこそ彼らは――島に降り立った猟兵達の助力を、心から喜んでくれた。
「本当に力を貸していただいていいんですか」
 若者の代表だという青年、サンタは桟橋で振り返ってそう猟兵に問う。
 それに「ええ」と頷いたのは響納・リズ(オルテンシアの貴婦人・f13175)だった。
「勿論ですわ。私達でお役に立てるなら」
 笑顔で告げられたその言葉に、サンタは深く礼を述べながら――それでも何処か、恐縮そうでもあって。
「海は危険かと思いますが――」
「いいさ」
 だから数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)は、敢えて気安い声音で言ってみせる。
「多少の荒事なら、慣れてる。それに危ないならなおさら助けが必要だろ?」
「ええ。……本当に、ありがとうございます」
 サンタはそう改めて感謝を述べた。
 後はもう、弱気な言葉は零さぬようにと――甲板から皆の乗船を確認していく。
 その間、琳谷・花咲音(気ままな異邦人・f35905)は船の周りの海を見て回り、安全を確認してしていた。
「とりあえず危険はないね」
 その言葉に応ずるように戻ってくるのは、花咲音によく似た姿の悪魔――影。花咲音と反対側へ回り、異常が無い事を確かめてきている。
「まずは無事に出向できるかな」
 そう花咲音が仰ぐ先……宇宙バイクに乗って高度を上げているのが諏訪野・啓太郎(さすらいのライダー・f20403)だ。
 そのまま飛び上がって帆を開き、出航の準備を助力する。
 人々の礼には「いいさ」とだけ応えながら、前を見る。その内に『出航!』と声が上がり……船がゆっくりと進み始めた。
 その中で、音駆螺・鬱詐偽(帰ってきたネガティブアイドル・f25431)は――乗り遅れた者がいないかを見て回った後で、撮影用ドローンを浮かべる。
 そして高い位置からひらりと甲板に降りてポーズ。
「世界に蔓延る悪を懲らしめるネガティブアイドル鬱詐偽さん、ただいま参上。今日は未踏の海へ船を導くわ」
 活躍をお楽しみに、と。
 ひらひらと手を振って……一度ドローンを止めてから、少々厭世的に俯いた。
「……うぅ、何度言っても慣れないわ」
 番組の為の収録だから仕方がないものの、恥ずかしいセリフを言うのが未だに大変なのだった。
「ほう、アイドルとは!」
 と、それを見て興味深げなのは、同様に撮影機能を搭載したドローンを浮かべる御形・菘(邪神様のお通りだ・f12350)。
 零す感心の声音に、鬱詐偽も目を向ける。
「あなたも撮影を?」
「うむ、今日はコラボ配信となりそうだな!」
 菘が宙にウインドゥを表示すると――同時接続数がぐんぐんと鰻登りになっている。
「これは楽しみだ!」
 そして場面の切り替えも兼ねて、ドローンのカメラを海へ向ける。
 自身もまた、遠い水平線を望んだ。
 人々が目指す南の先。そこには何が待っているだろうか、と。

 始めは穏やかな航海が続いた。
 空は青く、海は静かで……進む船は波に揺れる事もなく順調に航路を伸ばしていく。
 人々もそんな船旅を楽しみつつあった、けれど。
 程なく変化は現れた。
「そろそろ、突入するようですわね」
 リズは甲板の前方へと歩み、その先を見やる。すると表に出ていた人々も間をおかずしてその異変に気づいた。
 空が、濁っている。
 分厚い雲が垂れ込めて、もはや澄んだ青色はそこにはない。水平線もその方角だけが望めず、広がるのは先の見通せない灰色だけだった。
「あれが不可視海域ですのね」
「成程、確かに容易に突破は出来ないようだな」
 菘の零す言葉の通り――その海域に突入すると、雨粒までもが甲板を叩く。
 雲、霧、雨。全てが視界を閉ざすように幾重にも重なって……もはや数メートル先すら容易に視認出来なかった。
 風が吹いてくれば、船が何処へ向かっているのかも判然としない。
 が、菘は慌てる事はなかった。
「視界が閉ざされているのなら、晴らせばよいな」
「ええ」
 リズも頷く。
 それから不安を見せる人々へ振り返って。
「今、私達が対処いたしますわ。ですから少しだけ、待っていてくださいね」
 そうして皆を落ち着けながら……タロットカードを素早く広げていた。
 失せ物探しに効力を発揮するそれは、船が見失った“方角”をも見つける力を持つ。
 数枚を繰って頷いたリズは、舵を取る担当へ「今のままで前進を」と告げ、まずは大まかな進路を確定させた。
 それでも今のままでは、全く前が見えないが――そこには菘。
「さあ、征くぞ」
 言葉と共にドローン“天地通眼”を変形。バイクのような姿にして騎乗すると船の前へと飛び出していく。
 そうして立ち込める霧と雨に向かい……真っ直ぐに手を翳していた。
「とくと見るが良い――全てを花に散らす様を!」
 刹那、菘の腕から光の粒子が発散される。
 風に舞うように流動したその煌めきは、空に昇って魔法陣を形成、まるで弾けるように……無数の花弁を降り注がせていた。
 花吹雪となって吹き抜けるそれは、雨も霧も、視界を曇らせるものを吹き飛ばしていく。一瞬の後には船の前方が広く見渡せるようになっていた。
 それでも、雲自体が消えたわけではなく、少しの時間を置いてまた視界が悪くなってゆくが――
「私も助力を」
 言ってリズがフルートで流麗な音色を奏でていた。
 するとそのフルートが白薔薇へと変遷。菘の生んだ花弁と共に風を美しく彩り始めてゆく。
 その鮮やかな花風は、再度大きな力を持ったように曇りを晴らして……船の前に澄んだ空気と青空を広げていた。

 船は道筋を見失わず、前進を続けていく。
 甲板で作業する人々もまた、菘とリズの力によって視界を塞がれずに済むようになっていた。
 ただ、多喜はその間も油断はしていない。
「波が、強くなってきたね」
 それはその言葉を零す間にも、如実に感じられていた。
 大きく、船体が揺れる。
 轟々という波音が響き、飛沫が飛び散る。
 視界が明瞭になったからこそ見えたものがあった。それは前方の彼方から幾重にもなって続いてくる大波だ。
 鬱詐偽もそれを見つめて呟く。
「波自体は、防ぎようが無さそうね……」
「ああ」
 多喜もそれは否定せずに頷いた。
 人々がこの揺れにさらされる事自体は避けられないという事だ。
 多喜は船内に入る事の出来る者にはそうして貰い、甲板に出る人数を必要最小限にする。
 ただ、それでも大きな船だ。全員が、という訳にはいかない。
 その内に、波に持っていかれそうになったロープを掴んでいた一人が、その勢いで船の外へ投げ出されそうになるが――
 多喜はそれを見逃さない。
 甲板を蹴りながら宇宙カブに乗り、そのまま空中へ出ると……飛ばされそうになっていた一人をしかと掴まえて甲板に戻す。
「大丈夫かい?」
「はい、ありがとうございます……」
 その一人が深く礼を述べる、その反対側では鬱詐偽もまた波に足を取られていた人々を抑えて留めていた。
 危険だが――こうして見張っていれば人々の無事を確保する事は出来るだろう。
 ただ……この苦境の中で、彼らの顔から明るさがなくなっている事が、鬱詐偽には強く感じられる。
(こんな環境だもの。仕方ないわよね)
 人々が後ろ向きになってしまうその気持ちが、鬱詐偽には痛いほど判る。
 その鬱詐偽の表情を、撮影用ドローンも見つめていたが……それを見て、鬱詐偽はすぐに気を取り直す。
 番組の為でもあるけれど、人々の為に――自分がするべき事があるから。
「安心して。必ず、あなた達は私達が送り届けるから」
 そう人々へ言葉をかけると……鬱詐偽はそっと息を吸って、歌を歌い始めた。
『――』
 それは柔らかで、静かな響きの声音。
 けれど聴くものに、不思議な安心感と力を与えてくれるものでもあって。メロディーが紡がれるたび、人々はどこか勇気づけられたように明るさを取り戻していた。
 一方、多喜も操舵室へ。
 海中で波に押されてか、殆ど利かなくなっている舵を握るサンタに――
「貸してみな」
 言って舵を代わる。
 すると確かに固く、容易に動かなさそうではあったが……多喜は自身の腕に念動力のアシストを加え、常識を超えた力を発揮した。
 そして軽々と舵を動かし――船の制動を取り戻していく。
「凄い……」
「暫く、舵はやっておくよ」
 多喜の言葉にサンタは頷き、船内の人々の安全確認に向かった。
 それが済む頃には、波も徐々に収まって……甲板の人々も、鬱詐偽の歌によって士気が高らかに高揚している。
 菘もそこに、演出として美しい花吹雪を添えてコラボ。
「さあ、どんどん海を進んで征くぞ!」
 その言葉に人々も威勢よく応え、航海は続いてゆく。

 波も収まり、船は安定を取り戻していた。
 ただその最中も、啓太郎は警戒を怠らず――宇宙バイクで周囲を飛行。海の流れと、海中に異変がないかをつぶさに確かめている。
 そうして、海流が大きくうねっているところを見つけると――
(怪しい、か)
 船の先を行って、軽く精神を集中。
 光り輝く演算魔法陣を展開し……その中心に機械兵器を召喚する。
「頼む」
 啓太郎が言うと、兵器達はその意を汲んで水中へ。一体、また一体を潜ってゆき……付近の環境を正確に把握した。
 その情報を遠隔で受け取った啓太郎は、成程と呟く。
「暗礁か」
 海上からは、全くその存在を視認は出来ない。だが確かに、そこに巨大な岩場が形成されているのが判った。
 このまま船が進んでくれば乗り上げてしまうだろう。最悪、故障だ。
 素早く戻って伝えると、頷くのは花咲音だった。
「船の軌道を、変えないとね」
 既に話を聞いて、舵を取っている仲間は横に逸れようと尽力している。だが暗礁までの距離は短く……このままでは曲がりきれないと予想された。
 だから花咲音は、まずガジェットを二つに分離。一つを複数の穴の開いた自動式ポンプに変形させ、海へ投げ込む。
 するとそのポンプは強烈な力で水を吸い込み、片一方から排出し始めた。
 それによって生まれるのは、小さな波だ。
 それが船に対して横からの力を加え始めると……花咲音は残る一つのガジェットを水中プロペラに変形。
「これで、と」
 ひらりと海へ飛び込むと、同じ側面の方の船艇に直接装着させた。
 プロペラは押し寄せる波と、自ら発動した力で猛烈に回転を開始。徐々に船を暗礁から避ける方向に押し流し始める。
 ただ、それ単体ではまだまだ力が足りないが――
(ん、大丈夫そうかな)
 花咲音が横を見ると、影が魔力によって全く同様の推進力を生み出して……船を押す力を二倍に底上げしていた。
 それでも掠めるぎりぎりではあるが――そこに啓太郎も機械兵器を動員。直接船を押す形で、余裕を持って座礁を免れていた。
「後は……心配はなさそうだ」
 前方を確認した啓太郎がそう呟く。
 見れば、雲が晴れ、霧がなくなり……雨も上がっていて。南に爽やかな蒼空が広がっているのが見えていた。
「何とかなったみたいだね」
 花咲音が小さく息をつくと、船に乗る人々からも歓声が上がる。
 彼らが改めて感謝の言葉を告げると、花咲音はううんと首を振った。
「僕も見てみたいと思ってたから」
 この海域の先に何が有るのか、と。
 それは多分、偽らぬ心だったろう。
 花咲音は甲板の縁に少し体重を預けて、南方を望む。
 人々が夢見た海の先。
 そこにある島は、遠くないような気がした。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​




第2章 集団戦 『ディープ・ライダー』

POW   :    怨みの一撃
【怨念を纏う巨大な三叉槍】が命中した箇所を破壊する。敵が体勢を崩していれば、より致命的な箇所に命中する。
SPD   :    海の底から来る者
【突如地中より溢れ出す黒く濁った海水】と共に、同じ世界にいる任意の味方の元に出現(テレポート)する。
WIZ   :    猛毒の細針
レベル×5本の【猛毒】属性の【ウニの一種、ガンガゼのような細長い毒針】を放つ。
👑11
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姫神・咲夜(サポート)
 桜の精の死霊術士×悪魔召喚士、女性です。
 普段の口調は「丁寧(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」、
 片思いの人には「無口(わたし、あなた、呼び捨て、ね、わ、~よ、~の?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

清楚で女流階級風の口調で、お淑やかな性格です。
基本的に平和的な解決を望みますが
戦わざるを得ない時は果敢に戦いに向かう勇敢さを持っています。

 あとはおまかせです。よろしくおねがいします!


御梅乃・藍斗(サポート)
一人称:僕
二人称:君、あなた
他人にはさん付け
基本的に敬語(ですます調)、動揺した時など男子っぽい口調になるのも可
まじめで負けず嫌い
積極的に他人と親しくする方ではないが任務に必要であれば協力は惜しまない
必要時サバイバル、捕縛、居合、受け流しなど活用
敵からの攻撃には激痛耐性や狂気耐性で耐える
名家の出であり、力あるものはそうでないものを守る義務があると考えている
サキュバスだが種族ゆえに性的な要素を警戒あるいは期待されることを厭っており、下世話な話題には嫌悪感を示す潔癖な性格
UCは活性化した物をどれでも使用
迷惑行為や公序良俗に反する行動はしない


ルクス・キルクルス(サポート)
『私、あんた、しばく。ドゥーユーアンダスタン?』

人間の剣豪×バトロワシューターの女です。
普段の口調は「自由人(私、あんた、だ、だね、だろう、だよね?)」
怒った時は「喧嘩は高価買取(私、てめぇ、ぜ、だぜ、じゃん、じゃねぇの? )」です。

自由に自分の好きなことを好きなようにやるのがモットー。
基本は剣をメインにした近接戦闘で、状況に応じて銃も使います。

ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
アドリブ連携◎ エログロ× あとはおまかせ。
よろしくおねがいします!


メアリアン・ダレモイマ(サポート)
ご機嫌いかがですか Sir/Ma'am?
お招きありがとうございます。
迷える子どもも、大人も。様々な世界に居ますこと。
お困りなら、手を貸しましょうね。

・口調
敬語を崩さず 誰に対しても丁寧に。
二人称は 〇〇様、貴方、お嬢さん、旦那さま等。

・行動指針
非戦闘員の保護を最優先。
以降は味方がいる場合はサポートをするように動きます。

・戦闘方法
主な武器はクロスボウ。


使用武器やUCはご随意に。
頑張りましょうね。


氷咲・雪菜(サポート)
 人間のサイキッカー×文豪、15歳の女です。
 普段の口調は「何となく丁寧(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」、
 独り言は「何となく元気ない(私、あなた、~さん、ね、よ、なの、かしら?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

氷や雪が好きな女の子で、好きな季節は冬。
性格は明るく、フレンドリーで良く人に話しかける。
困っている人は放ってはおけない。
戦闘は主にブリザード・キャノンを使って戦う。
 あとはお任せ。宜しくお願いします!


鳶沢・成美(サポート)
『え、これが魔導書? まあどうしよう?』
『まあどうでもいいや、オブリビオンなら倒すだけですよ』

故郷UDCアースの下町の古書店でたまたま見つけた魔導書を読んで覚醒した自称なんちゃって陰陽師

昨今でいう陽キャラ? みたいな行動は正直よくわからないのでマイペースに行動
でも集団での行動も嫌いじゃないですよ
元ボランティア同好会でつい気合い入れて掃除しちゃったりしなかったり
一応木工好きでゲートボール好きキャラのはず……たぶん

戦い方は直接殴るより術をとばす方が好みです
範囲攻撃とかロマンですよね
例え好みの容姿だろうと、事情があろうと敵ならスパッと倒すだけですよ

アドリブ・絡み・可



 穏やかな波音の響く蒼海。
 雨は既に止み、分厚い雲も遥かに遠く。
 新天地を求めて進む移民船は――先だって人々に力を貸した猟兵達の働きによって、順調に航路を伸ばしていた。
 目指す島までは、残り僅か。
 事実、船からでも遠方にそれらしきシルエットを望む事も出来ている。
 だが――
「やはり、容易には辿り着けないようですね」
 姫神・咲夜(静桜・f24808)は南の彼方を見て、そっと声を零す。
 視線の先、島のシルエットを隠すように……無数の影が水平線から染み出していた。
 それは髑髏の躰と海洋生物が融合した異形。
 ――ディープ・ライダー。
 まるで獲物を求めるように、海上を這って動き始めている。
 御梅乃・藍斗(虚ノ扉・f39274)はそれを見据え、静かに口を開いた。
「あれを避けて島まで到達するのは、不可能でしょうね」
「だからこそ――私達の出番だね」
 言葉と共に、刃の柄を握るのはルクス・キルクルス(36の世界の果てまで・f38588)。
 無数の敵影を目に、見せるのは怯みでも怖気でもなく好戦的な色で。
「立ちはだかるなら、どかせばいいだけだよ」
「そう」
 嫋やかに、頷きを見せたのはメアリアン・ダレモイマ(Nobody・f31615)。そっと船の中へと視線を向けている。
「ここには守るべき子たちも、いますから」
 移民達に、あれを退ける力はない。
 なれば自分達こそが前に出よう、と。
 その言葉に氷咲・雪菜(晴天の吹雪・f23461)も頷いていた。
「そうですね。船の安全のためにも――早期に撃破しましょう」
 言って、腕に魔力増幅器“ブリザード・キャノン”を嵌める。
 小さな氷華を揺蕩わせながら、そこへ凍気を流動させてゆくのが、雪菜の戦闘態勢の証。
「皆、来るよ」
 鳶沢・成美(三角定規の除霊建築士・f03142)の言葉を合図に、皆は甲板の前方へと歩み出す。
 ディープ・ライダーの群が、こちらを獲物と定めて距離を詰め始めていた。
 船も人も、全てを喰らい尽くす目論見だろう。
 故にこそ猟兵は、誰一人引かず――戦いへと向かう。

 ディープ・ライダーは海面を這いながら、まずは真っ直ぐに船へ接近してきた。
 あわよくばそのまま船へ這い上がろうという腹だろう。
 が、その敵群を――船首から見下ろすのが咲夜だ。
「辿り着かせは、しません」
 耳に優しい、美しい声音。
 けれどそれは決して慈悲の心の表れではない。
 周囲には、桜の花びらがひらひらと舞い踊っていた。
 淡い色の桜は、美しさと共に儚い死をも思わせる。
 その概念を知らしめるかのように……咲夜は小さく呪文を唱え、桜の中から凄絶なまでにまばゆい光を降臨させていた。
 光が晴れた場所に居たのは――灼熱の獄炎を瞬かせる悪魔、アスモデウス。
 敵群をゆるりと睥睨してみせたアスモデウスは、直後にその焔を放出。まずは戦闘の数体を高熱に飲み込み、跡形もなく焼き尽くした。
 後続のディープ・ライダー達は歯を鳴らし、敵意を発露する。
 だがそれらの個体が飛び上がってきても、アスモデウスは微動だにする事はなく。真正面から炎を撃ち下ろし、強大な熱量で全てを灰に変えていく。
 ディープ・ライダーはその脅威に慄きながら、それでも逃げる選択肢は無いのだろう。前衛が焼かれる間にも、後衛の個体がその横をすり抜けようとした。
 が、咲夜自身がそれを見逃さない。
「桜の花々よ――」
 口遊む言葉に導かれ、揺蕩う桜が意思を持つ。
 瞬間、方向性を持って吹き抜けた花吹雪が、無数の刃となってディープ・ライダーの全身を斬り裂き始めた。
「私達には、為すべき事があるのです」
 その為に譲れるものはない、と。
 凛として響く咲夜の言葉に誘われて、桜は一層その鋭さと美しさを増してゆく。苛烈なまでの衝撃の応酬に、敵の前衛は次々と散っていった。

 正面突破を不利と見た敵群は、西方向に回り込もうとしていた。
 側面から船に飛び込もうという目論見なのだろう、が。
「……そこまでです」
 逆光を浴びながら、船からひらりと跳躍するのが藍斗。ひらりと岩礁に飛び乗り、敵に対しての壁となる。
 ディープ・ライダーは無論、引き下がりはしない。数の有利で押し切ろうとするように、一気に岩礁に攻め込んできた。
 が、藍斗は見据えたまま、焦りを見せる事はない。
 ただ静かな表情で……刀の柄を握り込み、腰を僅かにだけ低く落としていた。
 そうして敵三体ほどが眼前へ迫ったのと同時。神速の抜刀を見せ、一息に刃を横一閃に振り抜く。
 それは後から風が遅れてやってくるほどの剣速。
 ディープ・ライダーは槍を突き出そうとして……始めて自身の腕が動かない事に気づく。直後、その躰は二つに分断され、藻屑となっていった。
 続く数体のディープ・ライダーは、まだ何が起きたかすら気づいていない。その間に藍斗は二の太刀を振るい、その数体を纏めて斬り捨てる。
 そこまでの事態が起きて、残る敵はようやく藍斗が剣技を使ったのだと気づいた。
 だがその頃には……藍斗の方から疾駆。
 まずは縦に斬撃を放ち、一体の腕を斬り落とす。それに相手が惑っている間に、別の一体を斬り上げて海へ落としていた。
 もう一体は僅かに奥に位置しているが……相手に攻撃される前に藍斗は跳躍。高くから刃を突き下ろす事で躰を貫いた。
 腕を落とされた個体が、遅れて逆の腕で槍を拾って突き出すが――藍斗はそれも刀の腹で受け流して。
 ――斬る。
 それがシンプルにして、明確な勝利への答えだと示すように。
 藍斗の放った斬閃は、相手に死の実感すら与えぬ内に……その命を斬って捨てていた。

 敵群は東側にも多くの個体を差し向けていた。
 そちらには岩礁や陸地はなく――ディープ・ライダー達は水面を滑って既に船を目の前にしつつある。 
 が、それらの個体が突如、見えぬ壁に阻まれたように進行を止めた。
 先頭の数体が槍を突き出すが貫けない、それは……硬質な硝子によって作られた迷路。船べりに立つメアリアンが手を伸ばし、空間に張り巡らせたものだ。
「迷い子を毒牙にかけるおつもりならば、貴方方へもまた、迷いの路を」
 空間が軋み、固まってゆく音が響く。
 メアリアンが虚空を撫ぜるたび、風が凍るように硝子へ変質してゆく。それによって生まれた道は幾重にも入り組んで……船への距離を更に遠ざけていた。
 だけでなく、硝子は深い曇りも内包し始め、一寸先をも見通させない。
 ディープ・ライダー達はそれでも通路を総当たりにするように、時間をかけて出口を探す。
 その内に数体が脱出を叶え、ようやく自由を得た、が。
 それこそがメアリアンの策。
 迷路の出口は船から離れた下方に設置されていた。そこは船には上りにくく、船上からは捕捉しやすい位置で――
「静かな眠りを」
 メアリアンが構えるのはクロスボウ。
 そこに矢を番え、予め出てくると判っているその場所へ狙いを定めていた。
 ディープ・ライダーは遅れてそれに気づき、焦燥と共に回避を試みる。が、間に合うはずもなく……抵抗も出来ぬまま飛来した矢に貫かれた。
 後続の敵個体はそれで、圧倒的に不利な状況だと悟ったろう。
 が、だとしても迷路の出口以外に行き場はない。
 苦し紛れに、出口から出た一体が矢を受け止めようとして槍を構えるが――メアリアンはそこへ三本の矢を番え、一度に放っていた。
 言うまでもなく、三本の衝撃全てが強力。
 一本を槍で受け止めたディープ・ライダーは、残る二本に躰を貫かれ……そのまま海へ沈みながら消滅した。

 正面と側面の三方が無理だと判断した敵個体は、大きく迂回。真後ろからの襲撃を狙い始めていた。
 が、それを見逃さないのがルクス。
「待ってたよ」
 ここまで来たら、敵ももう全力で攻めてくるしかないだろう。
 だからこちらも全力であたってやるのだと――刀を握って戦気を高めていた。
 すると予想に違わず、ディープ・ライダーは数と力で押そうとするように大挙して船尾側から侵攻を開始する。
 故にルクスは――
「さあ、行くよ」
 真っ直ぐに船尾を疾駆。
 その先端を思い切り蹴って空中へ踊り……まずは眼前に飛んでくる個体へ縦一閃、苛烈な斬撃を叩き込んで真っ二つにしてみせていた。
 ルクスはそのまま止まらず、降下しながら後続の個体へ更に連撃。硬質な骨も甲殻の躰も、全てを叩き割るように斬って捨ててゆく。
 そうして海面に到達すると、水上に浮かんでいる敵を見定めて蹴撃。刃を突き立てながら、その躰を足場にして再度跳躍した。
 後を追うように、複数の個体がそちらへ跳び上がってくるが……ルクスは勿論、好きにはさせず。
「これでも、喰らいな!」
 空中で廻転しながら速度をつけて一刀。空間を斬り裂きながら衝撃波を飛ばし、下方の敵を水面へと吹き飛ばす。
 耐え抜こうと空中で足掻く個体がいれば、その場で踏み台にしながら蹴り落とし……勢いで高くへ上がりながら、ルクスは再び船上に戻った。
 そこにもまた、別の個体が登ってきつつあったが――
「悪いけど、ここは立入禁止だよ」
 ルクスは一体へ刺突を放って撃破すると、傍の一体には刃をそのまま振り抜いて斬撃を見舞う。
 そして高く跳ぶ事でこちらの頭上から迫ってきた相手には……素早く刃を翳す事で、槍の一撃を防御して。
「これで終わりだよ」
 懐が開いた所へ、跳びながら一閃。
 鮮やかなまでの斬撃を繰り出して、相手の躰を千々に散らせていった。

 猟兵達の猛攻は、確実に敵群の侵攻を抑えていた。
 が、ディープ・ライダー側も撃退されるだけではない。仲間の傍へとテレポートする能力を繰り返す事で、徐々に船内へと踏み入り始めていた。
 ただ、それも猟兵達は予想済み。
「問題はなさそうですね」
 雪菜は甲板を見回してから改めて敵に向き直る。
 そう、ここまで敵が来る事は想定してあった。故に甲板に居た人々には船内に籠もっていて貰ってあるのだ。
 船室は完全に締め切って防護を固めてある為、甲板で敵を撃退できれば問題ない。
 だから雪菜は焦りもなく――その腕に纏う凍気を一層色濃く収束させる。
 すると氷の粒が渦巻き、その一帯だけがまるで厳寒となったかのように低温の風が吹き抜けていた。
 甲板に登ったディープ・ライダーは、危険を察知したか攻撃を仕掛けてこようとするが――
「遅いですよ」
 雪菜は既にその腕を突き出している。
 刹那、蒼く輝く光の塊が射出された。
 それは魔力によって固められた氷の弾丸。鋭さと濃密な魔力、そして実弾を凌ぐ重量が強烈な威力を生み出して……躯の躰を一撃で四散させる。
 それを脅威と認識した他の敵個体が、雪菜を囲うように攻め込んでくる、が。
「同じ事ですよ」
 雪菜は軽くステップを踏むように、その場で回転。魔力を連続で注ぎ込むことで、まるで機関銃の如き連射を繰り出していた。
 無数の氷の弾丸に穿たれ、貫かれ、ディープ・ライダー達は雪菜に触れる事すら出来ぬまま散ってゆく。
 それでも一塊になった敵群が、数の力で雪菜を押しつぶそうと迫るが――
「今です。往きなさい、氷の騎士たち」
 瞬間、雪菜の言葉に呼応して氷色の光が閃く。
 そこへ召喚されたのは、無数の鎧騎士。
 眼前の敵を凌駕する数で前進を開始した騎士は……氷の刃で一体を砕き、氷の矢でまた一体を貫いて猛攻。面前の敵を圧倒的戦力で蹴散らしていった。

「まだまだ残ってるな……」
 眼前の一体に、魔力の塊をぶつけて海へ叩き落とす。それを終えて一度息をついた成美は――甲板へ素早く視線を走らせていた。
 仲間の戦いもあり、ディープ・ライダーの数は加速度的に減りつつある。
 だが守りを捨てた敵個体が次々と甲板に現れてもいて、予断を許さぬ状況でもあった。
「……っと」
 成美はバックステップ。
 他の猟兵に倒された一体の、その傍に別の敵個体がワープしてきたのだ。
(厄介な能力だな……)
 この力がある限り、敵はいつでも間近に出現する可能性がある。即ち、一体でも残っていれば脅威になるという事でもあるが――
「ま、それなら殲滅させればいいだけか」
 成美はそう呟いて惑わない。
 それは……ここが戦場ならば戦うしかないと覚悟が出来ているから。
 高揚した戦意という訳では無い。ただ、いつもと変わらぬ温度の思考で行き着いた、当たり前の結論だった。
 だから成美は迷わず――素早く印を組む。
 刹那、虚空から生み出された氷の塊が剛速で飛翔し、現れたディープ・ライダーを撃ち砕いていった。
 すると甲板に残る敵個体が、大きく散開するように動いた。
 標的を一体に絞らせぬよう、こちらを包囲しながら攻撃を仕掛けるつもりだろう。が、それならば成美にも打つ手はある。
「少し、集中は必要になるけどね」
 言いながらも、既に成美の周囲に凄絶な氷気が収束されつつあった。
 ディープ・ライダーも四方から踏み込んで槍を突き出そうとしてくるが……成美の方が一瞬疾い。
 瞬間、そこに巨大な竜巻が渦巻いた。
 それは成美の魔力によって作り出された、無数の氷の粒によるもの。
 強烈な風によって勢いづいたそれは、一つ一つが弾丸の如き威力となってディープ・ライダーを貫き始めてゆく。
 敵は槍で受け止めようとするものの、攻撃は風の吹く全ての範囲に及んでいる。到底避けきれるはずもなく……一体、また一体と躰に無数の風穴を開けて倒れていった。
 残る一体は這いながらも刺突を繰り出すが――成美はそれを避け、更に重ねた氷の術で一撃。氷の塊で押しつぶすようにその個体を撃破した。
「これで最後か」
 そう呟く頃には、辺りに穏やかな静けさが戻っている。
 仲間も戦いを終えていて――そこにはもう、敵影は一つも残っていなかった。

 勝利を告げると、船内から出た人々は喜びに歓声を上げていた。
 そうして航海を再開すれば、南方に島の姿がはっきりと見えてくる。
 それは噂に違わぬ新天地。手つかずの環境ではあるが、それ故に自然に溢れた無人島。
 ここで前の島と同じような生活を築いてゆくのには、時間もかかるだろう。
 だが上陸した人々は笑顔に溢れている。
 苦労はあろうとも、そこには夢も希望も存在するから。
 帰り道のない旅に出た人々の航海は、猟兵達の力によって成功に終わった。その感謝の言葉を聞きながら、猟兵達は自身の帰るべき場所へ帰ってゆく。
 人々はその島でいつまでも手を振っていた。
 蒼空に爽やかな風が吹き抜けていく。
 生まれる波は、穏やかで優しくて――島の人々と去りゆく猟兵を、まるで祝福しているかのようだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2022年12月17日


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