【サポート優先】闇の中の一歩
これはサポート参加者を優先的に採用するシナリオです(通常参加者を採用する場合もあります)。
「ヒーローズアースにて、オブリビオンが現れたようです」
グリモアベース。
エラ・ディフォニー(エルフの精霊術士・f39155)は集まった猟兵達に説明を始めていた。
1999年に発生した善悪の決戦「ジャスティス・ウォー」――今回はその禍根に関わる事件なのだという。
「各地に甚大な被害を齎したその戦いは、当時戦いに加わったヒーローやヴィラン達にも心身の傷を残したと言います」
そんなスピリットヒーローの一人が、オブリビオン残党によって悪夢の世界に囚われてしまったのだ。
「オブリビオンは、眠らせたスピリットヒーローにジャスティス・ウォーのトラウマを再現した悪夢を見せつけて……その力を暴走させたのです」
その結果、現実と悪夢の世界が繋がり――悪夢の脅威が現実に具現化しようとしている。
「ですが、これはこちらからも悪夢の世界に攻め込める事を意味します」
スピリットヒーローは今現実で、病院に収容されている。その体に触れる事で、悪夢の世界に侵入する事が出来るだろう。
「皆さんにはそこでオブリビオンの陰謀を打ち砕いてください」
夢の中ではまず、『機械鎧『ドミニオン』の着用兵士』の敵集団が現れるという。
「これはスピリットヒーローの方の……心の傷の原因となった出来事に関わる敵のようです」
ヒーローの名はセントリウス。
風を操り勇敢に戦うヒーローだったが、ジャスティス・ウォーにて追い詰められ……味方が自分の身代わりになったという過去がある。
その味方は命をとりとめたものの、長らくヒーローとして活動できない傷を負った。
セントリウス自身も無事では済まず、その戦場で大敗を喫した。その時の敵がドミニオンの着用兵士だったようだ。
セントリウスの恐怖心によって、悪夢内でのその敵は超強化されてしまっている。
「彼は無力感と、敵に対峙する恐怖心に苛まれています。もう一度勇気を取り戻させ、トラウマを克服させる事が出来れば……敵を弱体化して倒す事が出来るでしょう」
彼を守り身代わりとなったヒーローは、現在は無事に活動が出来ている。
そのヒーローもセントリウスの復活を望んでいる事を上手く伝えられれば、彼も勇気を取り戻せる筈だ。
「ドミニオンの着用兵士を倒す事が出来れば……敵の首魁はこちらを排除する為に自分から悪夢へ飛び込んでくるでしょう」
強敵に間違いはないだろうが、これを打倒する事ができればセントリウスは無事に目覚める事が出来る筈だ。
「人の心を弄ぶような行いを、許す事は出来ません」
現実の世界の平和を守るためにも、と。
「戦いへ、参りましょう」
崎田航輝
このシナリオはサポート優先シナリオです。
ヒーローズアースでの戦闘シナリオとなります。
●現場状況
スピリットヒーロー、セントリウスの悪夢の中です。
巨大な筒の内側のような崖。崖に沿って存在する螺旋階段以外は、ほぼ垂直の壁のような環境です。
●各章について
一章は集団戦で、『機械鎧『ドミニオン』の着用兵士』 との戦闘です。
セントリウスにトラウマを打破させれば敵を弱体化出来ます。
二章はボス戦、『堕悪魂『ダークソウル』』 との戦闘です。
格闘能力や飛翔能力が脅威となる相手です。
第1章 集団戦
『機械鎧『ドミニオン』の着用兵士』
|
POW : シフト:ペネトレイトランス
技能名「【鎧砕き】【串刺し】【怪力】」の技能レベルを「自分のレベル×10」に変更して使用する。
SPD : シフト:クイックスタン
技能名「【早業】【先制攻撃】【マヒ攻撃】」の技能レベルを「自分のレベル×10」に変更して使用する。
WIZ : シフト:カウンタースペル
技能名「【呪詛】【ハッキング】【カウンター】」の技能レベルを「自分のレベル×10」に変更して使用する。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
|
青原・理仁(サポート)
人間
年齢 17歳 男
黒い瞳 金髪
口調 男性的(俺、呼び捨て、だ、だぜ、だな、だよな?)
性格面:
やさぐれ、ぶっきらぼう
積極的な人助けはしないが、見捨てきれずに手を貸してしまう
戦闘:
武器は使わず、殴る・蹴る・投げるなど、技能「グラップル」「怪力」を生かしつつ徒手空拳で戦う
構え方は古武術風
雷属性への適性があり、魔力やら気やらを雷撃に変換し、放出したり徒手空拳の際に纏わせたりします
ミスティ・ストレルカ(サポート)
基本方針は専守防衛・他者フォローです
サポート故、連携重視のお任せ
知らない人にはどうにも気後れしてしまうけど
それでも他の人が怪我するのも嫌なので押すところは押すのですよ
主にサモン・シープ等攻撃系のUCで他者行動の隙を消す様に立ち回るのです
中遠距離をとり全体を掴む感じですね
防御系の技能で時間稼ぎも行けますので
生まれながらの光での前線維持、魔力性防御障壁の囮役も…ちょっと怖いけど
でもでも、みんなの居場所を守るのですよー
そうそう、えっちなのはいけないと思います。
興味がない…訳ではないですがひつじさんが怖い雰囲気纏って凄い勢いで止めにツッコんでくるのです
年齢制限がどうとか、らしいです
桜井・乃愛(サポート)
桜の精のパーラーメイド×咎人殺しの女の子です。
普段の口調は「元気(私、~さん、だ、だね、だろう、だよね?)」、偉い人には「丁寧(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。
性格は明るく天真爛漫で、少し天然ボケな感じの少女。
一番好きな花は桜で、その他の植物も好き。
強敵にも怖気づく事は少なく、果敢に挑む。
人と話す事も好きなので、アドリブ歓迎。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
ニノン・トラゲット(サポート)
『容赦なんてしませんから!』
『アレ、試してみちゃいますね!』
未知とロマンとお祭りごとを愛してやまない、アルダワ魔法学園のいち学生です。
学生かつ魔法使いではありますが、どちらかと言えば猪突猛進でちょっと脳筋っぽいタイプ、「まとめてぶっ飛ばせばなんとかなります!」の心で広範囲への攻撃魔法を好んでぶっ放します。
一人称はひらがな表記の「わたし」、口調は誰に対しても「です、ます、ですよね?」といった感じのあまり堅苦しくない丁寧語です。
基本的にはいつも前向きで、ネガティブなことやセンチメンタルっぽいことはあまり口にしません。
その他の部分はマスターさんにお任せします!
大豪傑・麗刃(サポート)
一人称は『わたし』『麗ちゃん』
どんなシリアスでも一度はネタをやりたい。一応敵を倒す意思はあるので状況が悪化する行為はさすがにやらない。一見悪化するけどネタとして許されるならむしろやりたい。
超どシリアスのためギャグ絶対不可ならシリアスオンリーも一応できなくはないがその時は頭痛が痛くなるのだ(強調表現としての二重表現肯定派)
大軍に無策で挑むのは無謀といろいろ策を考えるが結論は「正面から突っ込んで全員やっつければ(斬れば)いいのだ!」
ユーベルコードが
近接系:何も考えずに突っ込んでって無双狙い
集団系:なるべく多数引き付けて一網打尽狙い
ギャグ系:お手数かけますがなんとかお願いします!
それ以外:まー適当に
アトシュ・スカーレット(サポート)
性格
悪ガキから少し成長したが、やっぱり戦うのは好き
大人になろうと背伸びしてる途中
目の前で助けられる人がいるなら積極的に救おうとする
口調は「〜だな。」など男性的
最近の悩みは性別を間違えられることと年相応に見えないこと
最悪【幻想憑依・無想式】を使って誤魔化す
戦闘
【呪詛(腐敗)】と「棘」を組み合わせ、万物を強引に腐敗させる方法をついに編み出した
前衛も後衛もやれる万能型だが、前衛の方が好き
複数の武器を同時に操ることも可能
高速戦闘も力任せの戦闘も状況に応じて使い分ける
(装備していれば)キャバリアにも対応可
非戦闘
聞き耳などを駆使した情報収集を中心とする
化術で動物に化けて偵察することも
まるで、永遠に落ち続ける奈落だ。
病院に収容されたスピリットヒーロー、セントリウスの体に触れる事で入り込む事に成功した――悪夢の世界。
そこは三百六十度を崖に囲まれた景色だった。
空は遥かに遠く、下方を見れば漆黒の闇だけがどこまでも続いていて……それは夢の主の心を、形にしたかのような眺め。
「厄介な場所だな」
青原・理仁(青天の雷霆・f03611)は――唯一の地面と言える、崖沿いの螺旋階段に着地して呟いていた。
音がなく、ただ冷たい風だけが吹いている。
寂しく、暗い場所だ。
けれど……それ故に、すぐに夢の主を見つける事も出来た。
それは階段の一角に蹲るようにして座る青年。
現実と同じ姿をした……セントリウスだ。
理仁は歩み寄って彼へ言葉をかける。
「よう」
「君達は……」
セントリウスは顔を上げ、不思議そうな目でこちらを見る。
だから理仁はまず、手早く状況を説明した。
「お前を助けないと現実の世界が危険なんだ」
「……そう、ですか。でも僕は」
セントリウスは俯いた。
「勇気を持つなんて、出来ない」
その言葉には恐怖心が滲む。
同時、硬質な機械音が鳴った。
見れば、オブリビオン――機械鎧『ドミニオン』の着用兵士が一体、二体と上方から階段を降り始めてきている。
わななくセントリウス。そんな彼へ、ミスティ・ストレルカ(白羽に願う・f10486)はそっと尋ねた。
「どうして、勇気を持つ事が出来ないの?」
「あんな敵と、戦うなんて出来ない。俺はあの敵に負けそうになって……仲間を身代わりに」
「でも、自分でそうしたかった訳じゃないんでしょ?」
桜井・乃愛(桜花剣舞・f23024)はそう語りかけた。
事情は全て、聞いている。あの戦場では、全てが不可抗力で起きた事だった。
セントリウスは首を振る。
「それでも、やってしまった事は事実だ。戦う資格なんてない。戦えない」
「でも、セントリウスさんはそんな自分を変えたいって思ってるんじゃないですか?」
そう言葉をかけたのはニノン・トラゲット(ケットシーの精霊術士・f02473)だった。
難しい事は判らない。
当時の事だって、その場にいなかったから偉そうな事は言えない。
でもセントリウスの顔を見て、ニノンは確かにそう思った。
「そう思ってるから、今、いっぱい悩んでるんじゃないですか?」
「……、俺は……」
セントリウスは俯く。
言葉は事実だったろう。
前を向きたい。そんな思いが全くないのなら、心が苦しくなることだって、きっとないのだ。
大豪傑・麗刃(24歳児・f01156)は腰に手を当てていった。
「少なくとも、きみを守ったヒーローは今も無事だ」
「……」
「そしてきみの復活を願っている。きみはそれに応えるか、否か」
選ぶのは、最後は自分だといってみせるように。
セントリウスは呟いた。
「……俺は、また戦ってもいいんだろうか」
「自分がそう思うならな」
アトシュ・スカーレット(神擬の人擬・f00811)はそう言ってみせた。
「そうするべきだと思うなら、そうすりゃいい。自分の心に従って、人を助ける為に戦う。ヒーローってのはそういうものなんだろ?」
言葉尻は少しだけ乱暴だったけれど、それは決して突き放すような声音ではなかった。
少なくとも、セントリウスはもう大丈夫だろうと――それが判ったから。
アトシュは近づく敵影に、一歩歩んでゆく。
「ここはオレ達がどうにかする。後は、目が覚めてから考えりゃ良い」
「……ありがとう」
セントリウスは静かに、けれどしっかりと頷いた。
そうして彼の姿が薄れてゆくと……ほんの少しだけ、暗い崖の世界に光が差し込み始める。
それを受けて、ドミニオンの着用兵士達の体が軋んだ。
夢の主が暴走した力に抗った事で――侵入者であるオブリビオン達が弱体化し始めたのだ。
今ならばもう、十二分に打倒できる存在だ。
ミスティはふわりと羽ばたいて、戦闘態勢を取る。
「後は、戦いを頑張るだけなのです」
「そうだね。皆、準備はいい?」
乃愛の言葉に、猟兵達は肯定を返して――走り始めた。
ドミニオンの着用兵士は、既に数え切れぬ程の敵数になっていた。
上方を仰げば、螺旋階段に今も新しい兵士が降り立っている。
「夢の主も、俺達の事も。奈落に落とすつもりだったか」
理仁はそこへ真っ向から迫ってゆく。
事実、敵が今も手出しの出来ぬ存在のままであったなら、こちらは夢で永遠に奈落へ落ち続けていたかもしれない。
けれど、夢の主は目覚めを望んだ。
だったら。
「落ちるのはお前達だよ」
接近する理仁に、先頭の兵士が槍を突き出そうとする。
だが理仁は怯むでもなく更に踏み込んで。クロスカウンターを決めるように、強烈な拳を兵士の顔面に撃ち込んでいた。
顔が砕けたその一体は、倒れ込んで崖から落ちてゆく。
理仁は止まらず、次の一歩を踏み出しながら二撃目。隙を作らず逆の拳を放って二体目を上半身ごと破砕した。
それに後続の兵士が敵意を発露するよう、纏まってかかってくる。
だが、理仁にとって数の差は脅威ではない。
「鎧を着込んでたのは不運だったな」
言葉と共に、理仁は拳を強く握り込んだ。
すると奈落の世界に眩い雷光が瞬いたように、そこに弾ける光が凝集されてゆく。
兵士達は悪い予感を抱いてか、突撃してくるが――遅い。
「纏めて倒れてろ」
刹那、理仁は大きく振り上げた拳を、地面に打ち付ける。
その瞬間、収束されていた雷が解放。大地を伝い、空気に乗って、四方八方へ苛烈な稲妻となって放出された。
機械の体が、それに耐え抜く事は出来ない。爆裂するような衝撃を受け、兵士達は火花と共に倒れていった。
ドミニオンの着用兵士は、螺旋階段の下方からも現れる。
元より、侵入者がいれば挟撃して退ける予定でもあったのだろう。前進していく理仁に、後ろから迫ろうとするが――
「行かせないのです」
ひらりとその面前に降り立ったのがミスティだった。
兵士達は既に攻撃態勢に入り、槍を突き出そうとしてくるが……それでもミスティは動かない。
何故なら、守りこそミスティの本懐でもあるのだから。
「きかないのっ!」
瞬間、ミスティは翼を広げながら防御態勢をとった。
すると流動する魔力が翼を巡り、全身を纏って……ミスティ自身を眩く輝かす。それは強固な障壁ともなって――相手の槍を全て受け止めていた。
僅かな余波が、衝撃の残滓を齎すが……それはミスティにとってはもはや、そよ風のようなもの。
兵士達は焦燥するように二撃目、三撃目を繰り出すが――そのダメージも光が飲み込んで、ミスティ自身にダメージを及ばせはしない。
尤も、それでは敵を倒せず、襲来するその数が増えていくばかりだが。
「そろそろ良さそうなの」
呟くミスティは次の手も考えてあった。
連続する相手の攻撃が僅かに緩む、その間隙を縫って防御態勢を解くと……次の攻撃が来る前に高く飛び上がる。
そして――
「おいで、ひつじさん!」
宙で光を渦巻かせ、そこから召喚した白羊に乗っていた。
白羊はデフォルメされたかのような見目で、もこもこと柔らかい。けれど同時に、雷の魔力を備えていて。
「突撃するの!」
声と共に地に降り立つと、疾走。強烈な雷光を撒きながら……その場の兵士達を全て弾き飛ばしていった。
敵兵達は、階段に沿って進軍するだけでは勝てぬと判断したろう。
一体、二体と壁を蹴り……上方から飛び降りての急襲を狙ってきていた。
降り掛かられれば只では済まない、だが見上げる乃愛は――それを予想済み。
「悪いけど、やらせないよ」
奔って相手の着地点から間合いを取りながら、じゃきりとその手に構えるのは軽機関銃“ブルーミング・ファイア”。
刹那、その狙いを空に向けて発砲。マズルフラッシュを瞬かせながら弾丸をばら撒いた。
弾丸は花が咲くが如く、美しく舞っては弾けてゆく。それが兵士の胸部を穿ち、首筋を貫いて……着地を許さず撃破してゆく。
中には仲間を盾にする事で、乃愛の傍へ降りる事に成功する個体もいた。
だが、射撃は決して近距離のものだけではない。
「近づけさせないから!」
乃愛は素早く銃口を下ろし、狙いを眼前へ。そのまま弾幕を張る形でその兵士達を蜂の巣にしていった。
桜色に閃いて瞬く火花は、まるで花吹雪。
その壁を突破出来ぬ兵士達は、腕から、足から、猛烈な射撃を受けて瓦解し、散ってゆく。一瞬の静寂が訪れる頃には、乃愛の周りの敵は全てが絶えていた。
けれど、乃愛は油断しない。
「今度は……下からだね」
見れば、兵士が階段を上ってくるばかりでなく……崖を伝って直接乃愛の足元へ辿り着こうとしていた。
速度も決して遅くはなく、乃愛は相手の槍の一撃に足を掠められるが――それでも、ダメージはそれだけ。
「喰らいたいなら、遠慮はしないからね!」
乃愛は高く跳ぶと、宙で銃口を下に向ける。
直後、繰り出すのは豪雨の如き連射。
薬莢を山と積み上げながら、逃げ場のない射撃で兵士達を頭上から襲い――その全てを撃ち抜いていた。
猟兵達の猛攻によって、兵士の群が押され始めていた。
ただ、兵士達はそれでも下がりはしない。ただ命ぜられたまま、敵を討つ事だけを目的に――素早い猛攻を狙ってきた。
それは数での進軍より、少数でのチームワークを取った攻め方だろう。小さく散開し、こちらの一人ひとりを囲おうという策だ。
「何と、囲まれてしまいましたね」
そんな包囲を、ニノンもまた見回す。
猟兵それぞれが少数の敵に、同じ形を取られた状態だ。なれば仲間に助けを求める事も難しいが――
「とりあえず、どうにかしましょう!」
苦境に怯むニノンではない。
直後には、手にした杖に煌々と魔力を輝かせ――幾重もの色彩を渦巻かせていた。
まず燃え盛るのは炎の魔力。そこに水の魔力を織り込んで、熱する事で……巨大な水蒸気爆発の如き衝撃を発散させる。
するとそれに耐えきれず、兵士達がそれぞれ後退。包囲の輪が緩まった。
「あっ、これなら――」
と、反射神経で状況を把握したニノンは、即座に眼前の敵へ杖を突き出して。今度は翠色に明滅する魔力を放出した。
それは風の力を持った光の塊。
着弾と共に、進行方向に猛烈な強風を生み出して……その兵士を反対側の崖まで吹っ飛ばしていく。
同時にニノン自身も足元で風の魔力を発散させる事で、包囲の穴から飛び出した。
一気に対角の階段まで辿り着いたニノンを、兵士達は慌てて追いかけてくる。
だがそれこそ、ニノンにとって良い的だ。
「んー、この状況なら……」
少々思案を巡らせたニノンは、思いついて杖を真っ直ぐに翳す。
そして詠唱と共に白炎を収束させ始めた。
それは時間と共に威力を増す、強大なる魔法。
刹那、兵士達が射程に入ったところで溜めた焔の全てを解放し――灼熱の耀きを放出。兵士達を跡形もなく灼ききった。
敵兵の数は、確実に減り始めていた。
故にだろう、兵士達は悪戯には攻めずにこちらの様子を窺い始めていた。
戦いの中に生まれる、僅かな隙を探して付け込んでくるつもりだろう。
こちらも容易には攻められず……緊張した膠着状態になろうとしていた。
……が。
そんな中――ずごごごご!
急に地鳴りのような音が響いて、猟兵と、それから兵士達も思わず目を向けた。
「うおおおおお! 誰か止めてくれ~!」
それは何故か大型トラックに乗り込んでいた、麗刃。猛スピードで壁をぎゃりぎゃりと削りながら、火花を上げて階段を下る方向に走っていた。
実は、「夢なら便利なキャバリアあたりを具現化出来ないか?」と試みていたのだが……実際に現れたのがトラック。
仕方がないから乗ってみようと走らせたら……ブレーキが付いていなかった。
「ハンドルまで利かなくなってきたのだぁ~!」
麗刃は運転席でハンドルをめちゃくちゃに回す。と、それがバキッと外れてしまった。
するとトラックは完全に制御不能。
剛速のまま戦場に入り……兵士を猛烈な勢いで轢き始めた。
兵士達も慌てて逃げ出そうとするが、トラック自体が道幅よりでかいのでそれも難しい。その内に上り側の兵士を全て轢き倒してしまった。
が、そこで止まらないのが暴走トラック。
猟兵達が急いで避難する中……今度は下方の敵を薙ぎ倒し始めてゆく。
戦果としては勿論、大きすぎるほど。だが――後ろの方の敵は流石に逃げる準備をしていて、階段から飛び降りる事でトラックを避けていた。
となると、麗刃は敵もいない道をひたすら走るしか無い。
「ど、どけどけぇ~! いや、どいたら困るのだ!」
麗刃はしょうがないので、車内から止める方法を探す。
するとわかりやすい場所にボタンがあったので、ぽちっと押してみた。
『自爆2秒前です』
「うおおおお! カウントダウンが短すぎるのだ!」
それでは逃げる事も出来ない。麗刃はそのまま、階段から逃げ遅れた敵兵も巻き込んで――大爆発していった。
「何だったんだ……」
アトシュは呟きながらも――即座に目を細めて下方を見ていた。
敵は未だ下に残っている。そこに周りに比して少しばかり、濃密な気配を感じたのだ。
兵士達も、個体差は皆無ではない。
おそらく……まだ強力な個体が残っていたのだろう。
「お前か」
アトシュは素早く後ろに跳ぶ。
すると一瞬前までアトシュのいた所に、鋭い槍が突き刺さった。直後に崖を飛び上がり、降り立った兵士のものだ。
その個体が素早く槍を回収すると、そこに別の個体も続いてくる。
その全てが、弱くはない敵だろうと判った。
「……成程。いいぜ」
だがアトシュは怯まず、寧ろ好戦的な笑みを浮かべてみせた。
成長はしても、戦いが好きなのは否定出来ない。
だから――やってやる、と。
相手の兵士が踏み出した瞬間、アトシュもまた地を蹴っていた。
行く先は、相手を僅かに躱す方向。それを相手が見取って、方向転換をしてくる前に――アトシュは大きく腕を振り抜いた。
すると宙を奔った何かが、兵士の体に突き刺さる。
それは、棘。
「これでもう、呪われた」
アトシュの言葉が一瞬理解できず、兵士はそのまま攻め込んで来ようとした。
が、その足が動かない。
見れば足元の装甲が軋み、腐食し……動作が伝わらなくなっていたのだ。
これこそ、アトシュの呪詛の力。
錆び一つ無い機械であろうとも、関係はない。一撃、二撃――放つ棘を次々に兵士に命中させ、その体を腐らせていく。
兵士はそれでも腐食した足を引きずり、槍を突き出してくる。
が、アトシュの武器は決して一つではなく。直後に抜き放った魔剣で槍を払い、そのまま裂帛の斬撃を叩き込んでいた。
その個体が倒れる頃には……周りの兵士も腐食で倒れ、そのまま絶えていた。
皆もまた残る敵を倒していて――気づけば夢の世界は静寂。
まずは倒すべき敵を倒せた事に、アトシュは仲間と頷き合っていた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
第2章 ボス戦
『堕悪魂『ダークソウル』』
|
POW : dye打撃
【ダークエナジー 】を籠めた【ダーク手刀やダーク握撃】による一撃で、肉体を傷つけずに対象の【精神やプログラム】のみを攻撃する。
SPD : dye変身
全身を【目の前の相手の悪落ちした時の姿 】で覆い、自身の【ダークエナジーと相手の強さ】に比例した戦闘力増強と、最大でレベル×100km/hに達する飛翔能力を得る。
WIZ : dye邪身
戦場で死亡あるいは気絶中の対象を【ダークエナジーで強化された悪堕ちヒーロー】に変えて操る。戦闘力は落ちる。24時間後解除される。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
|
アス・ブリューゲルト(サポート)
「手が足りないなら、力を貸すぞ……」
いつもクールに、事件に参加する流れになります。
戦いや判定では、POWメインで、状況に応じてSPD等クリアしやすい能力を使用します。
「隙を見せるとは……そこだ!」
UCも状況によって、使いやすいものを使います。
主に銃撃UCやヴァリアブル~をメインに使います。剣術は相手が幽霊っぽい相手に使います。
相手が巨大な敵またはキャバリアの場合は、こちらもキャバリアに騎乗して戦います。
戦いにも慣れてきて、同じ猟兵には親しみを覚え始めました。
息を合わせて攻撃したり、庇うようなこともします。
特に女性は家族の事もあり、守ろうとする意欲が高いです。
※アドリブ・絡み大歓迎、18禁NG。
ベルベナ・ラウンドディー(サポート)
「戦闘は得意な方に譲りますよ」
自称偵察専門、宇宙出身の竜派ドラゴニアン青年
単純明快が信条、焦るとラフが混ざるも概ね穏やかな物腰です
宇宙や汚染地などの悪環境下に特に強く、変装・偵察・工作など非戦闘活動を得意と自負する一方で他猟兵達の戦闘関連の技量に感心しがちです
全部80点で100点は取れないタイプ
●特徴として
功夫・衝撃波による砲撃戦・結界術の3種が戦術の主体です
全て「偵察任務遂行のためついでに取得した」とのこと
こいつを活躍させるよりも話の調整役として扱ったほうが背後は喜びます
設定や背景を描写する際の進行役や負傷や撤退でオブリビオンの見せ場などの
演出素材としてもお役立てください
七星・桜華(サポート)
『天魔流免許皆伝、更なる高みへと!』
『これが闘うための意志と覚悟だよ!』
『一か八かの勝負?必要無いね!私達の勝ちだ!』
『後は派手に騒ぐんだ!誰も倒れないようにね!』
隠れ里に伝わる『天魔流』歴代最年少で派生流派も含めての免許皆伝。
腰に挿している六振りの刀と扇子を振るう。
物理的な技術を異能のUCにまで昇華させた。
闘う姿は艶やかな舞踏が如く空中戦もできる。
殺気や覇気を残像に残し分身と勘違いさせる事も。
防御無視の内部破壊を当たり前に行う。
柔剛の技を扱い両立させる。
第六感による閃きで様々な戦場で勝利に導く。
勝利に辿り着く道筋を最短最善で進む。
優れた第六感で賭け事も強い。
家事も万能。
両親と妹も猟兵である。
向・存(サポート)
もし手助けが必要でしたらお手伝いするのですよぉ~。
ユーベルコードの出し惜しみをするつもりはありませんけどぉ、だからと言って乱発すればいいってものでもないですよねぇ~。
使いどころに迷ったときはぁ、ご同輩に相談すればいいでしょうかぁ~?
けどぉ、非道なことをなされる方には手加減無用、全力で参らせていただきますねぇ~。
あとは最後まで油断大敵、【咄嗟の一撃】も放てるように【逃亡阻止】は意識しておきましょう~。
大丈夫ですよぉ~、手足の二・三本くらいもげてもなんとかなりますのでぇ~。
荒事以外の御用ならめいっぱい楽しんじゃいますよぉ~。
特に読み物なんかは好きですねぇ~。
※アドリブ・連携歓迎
シェーラ・ミレディ(サポート)
※OK:シリアス
※NG:エロ、ネタ、コメディ、心情系
※傭兵的なスポット参戦
称号通り、僕の身体を維持するための金儲けと、弱者をいたぶる醜い行いが許せぬ義侠心が行動指針だ。
美しいものは愛でるべきだが、恋愛には結びつかないなぁ。
性格ブスは醜い。見るに堪えん。
複数の精霊銃をジャグリングのように駆使する、彩色銃技という技(UC)を使って、敵を攻撃しようか。
敵からの攻撃は基本的に回避する。が、護衛対象がいるならかばうのも検討しよう。
……嗚呼、僕を傷付けたなら、代償は高くつくぞ!
四王天・焔(サポート)
『こんにちは、焔だよー。』
妖狐の人形遣い×ガジェッティアの女の子です。
普段の口調は「無邪気(自分の名前、~さん、だね、だよ、だよね、なのかな? )」、家族には「甘えん坊(自分の名前、相手の名前+ちゃん、だね、だよ、だよね、なのかな? )」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。
無邪気で感情の起伏が激しい性格の少女、
武器はからくり人形とドラゴンランスを主に使います。
植物、特に花が好きです。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
スピリットヒーロー、セントリウスの見る悪夢の世界。
無限に続く崖の中の螺旋階段に降り立ったベルベナ・ラウンドディー(berbenah・∂・f07708)は……周囲の景色を確認していた。
「問題はなさそうですね」
先陣の猟兵達の戦いによって、跋扈していた敵の殆どは潰えている。
夢の主であるセントリウスも、今は勇気を取り戻して目覚めを待つばかりで……事態の収束は遠くはない事が窺えた。
ただ、ベルベナは同時に大きな気配が近づく事にも気づいている。
「まだひとり、敵が残っていますからね――」
「そうですねぇ~、丁度、来られたみたいですよぉ~」
と、空を仰ぐのは向・存(葭萌の幽鬼・f34837)。崖の中心、その空中に……闇色のシルエットが現れるのを見ていた。
それこそセントリウスへ悪夢を見せ、その力を暴走させた首魁。悪夢と現実を繋げる事で、現実の破壊を目論む張本人。
堕悪魂『ダークソウル』。
七星・桜華(深紅の天魔流免許皆伝・f00653)は下げた鞘から刀をすらりと抜いて……見据えながら口を開く。
「君が元凶か。人の心の傷を抉り、自分の目的の為に利用する――許される事じゃないよ」
『傷を抉る、か。ひどい言い方じゃないか』
ダークソウルは、まるで空間そのものに響かせるような声音で言った。
『僕は人の負の心から生まれた。邪悪な感情、後ろ向きな思い……それはいつだって、誰にだってあるものなんだよ』
だから自分は何も特別な事なんてしていない、というように。
『侵略はついでさ。僕は当たり前にあるものに、触れただけ。それで負の心に飲み込まれてしまうなら……それがその人の本来の姿なのさ』
尤も、それこそが僕にとっては好都合なことだけれど、と。
続くダークソウルの言葉に――アス・ブリューゲルト(蒼銀の騎士・f13168)はただ一度だけ目を閉じて、銃のグリップに手をかけていた。
「言い訳はそれで十分か」
『……何?』
「貴様が如何な道理を嘯こうと、他者の人生を弄んで良い理由などにはならない。ましてや、現実世界の破壊など」
許されるはずもないと、そう言ってみせるように。
ダークソウルは微かに闇色の相貌を歪めたようだった。
『僕は心というものの本来の姿の話を、しているだけだよ。判らないなら――判らせてあげるよ』
そして自身を負の力で取り巻き始める。
邪悪な心と力で飲みこめば、己の思惑通りになると踏んでいるのだろう。
だからアスは既に戦闘態勢を取っていた。
「元より、言っても無駄か」
「そのようだな。まあ、向こうがそのつもりならば――こちらも受けて立つだけだよ」
言って精霊銃を手に握るのはシェーラ・ミレディ(金と正義と・f00296)。
人の弱みにつけ込むその行為は、紛れもない悪だろう。
そしてそれが言葉の通じる相手じゃないのなら……やるべきは一つだから。
「始めようか」
「うん」
こくりと頷く四王天・焔(妖の薔薇・f04438)も人形を手にしながら……青の小竜、フローレにも目を向けて。
「頑張ろう」
すると応えるようにフローレはランスへ変化。焔の手に収まった。
それを構えて焔が走ると、皆もまた戦いへと飛び込んでゆく。
『なら、君達を邪悪な心で貫いてあげるよ!』
猟兵を見下ろすダークソウルは、渦巻かせた負の力を腕に収束。それを黒色の光線として放ってきた。
背後は壁で、逃げ場はない。
だからこそアスは引かず、銃口をその射線へ翳していた。
「いいだろう」
相手の言う負の力。それにこちらも自分の力で真っ向から対決しよう、と。
瞬間、アスは引き金を引いて斜め上方へ発射。眩く明滅する熱線を、狙い違わず相手の光線へぶつけていた。
蒼に輝く灼熱と、邪悪なる黒色が一直線に繋がり、互いを押し合う。
それ自体は相殺し合うように、小爆発を起こして双方が散っていったが……無論アスの射撃は一撃で終わるはずもなく。
「何度でも、撃ってやるさ」
相手が光線を撃ってくるならこちらもぶつけ、決して届かせない。そして相手が一呼吸を置く、その僅かな隙に――アスは二丁の銃を合わせた。
「これを貫けるか」
刹那、そこに強大な熱量を揺蕩わせ……槍の如き巨大なレーザーを発射する。
ダークソウルも即座に光線を撃ってくるが、今度ばかりは相殺出来ない。輝く槍はそのままダークソウルに到達し、体を強烈に穿っていた。
それは相手の“邪悪”を、打ち砕いた瞬間。
よろけて高度を落としてきたダークソウルに、アスはフォースセイバー――サイキックエナジーの刃を翳して肉迫する。
「心が取り得るのは、負の形ばかりではない」
そして言葉と共に一閃。
放つ斬撃がダークソウルの体を深く斬り裂いた。
『そんなのは、詭弁だよ……』
ダークソウルは傷口を押さえながら、しかし言葉を減らさない。
『人は負の感情を突きつけられれば、すぐに荒れる。暴れる。悲しい思いに俯いて、絶望に打ちひしがられるんだ』
言いながら、更に光線を連射する。
が、アスの体が光の障壁に守られ、光線が霧散した。
ダークソウルはとっさに他の猟兵へも攻撃を放つが、そちらもまた光が防護するように攻撃を通さない。
僅かに間を置いてから……ダークソウルはベルベナを見ていた。
『君か』
向けられた言葉にベルベナは心の中で息をつく。
(すぐに気づかれてしまいましたか)
そう、皆を守っていたのはベルベナの張った結界。外部の存在を拒むその力を、ベルベナは仲間に施して回っていたのだ。
が、悟られるのは想定内。
ダークソウルがこちらに光線を集中させてくると――それが壊れない間、ベルベナは相手の攻撃の速度、頻度、威力をつぶさに観察していた。
ダークソウルが容易に結界を破れぬと判断し、物理攻撃に移ってくればそれも重畳。安全な内に相手の別の攻撃を引き出せたと、ベルベナは更に観察を深める。
無論、結界もそのうちに破壊されてしまうが……ベルベナにとっては十二分。
接近戦となれば余裕もなくなってしまうけれど――ダークソウルの放つ手刀を、ベルベナはすんでのところで避けて。
「今度はこちらから、失礼しますよ」
そのまま風で加速して相手の横合いを取り、一撃。高速で体を翻し、強烈な蹴りを叩き込んでいった。
ダークソウルが下方へ落ちてゆく間に、ベルベナが観察した情報は全て仲間に共有された。
それは射撃も近接も、相手の攻撃を受ければ非常に大きなダメージを受けるであろうという事実を示すものでもあったが――
「いいさ。それでもやる事に変わりはないよ」
桜華は勇壮に言ってみせる。
相手が強いなら、こちらはそれ以上の力を示せばよいだけ。
「腕っていうのは、そうやって磨いていくもんだからね」
死線の中で、更に高みを目指す。
故にこそ、ここで倒れるつもりはないのだから。
ダークソウルが下方から昇ってくるのが見えると――攻撃されるより先に、桜華は崖を蹴って宙へ舞った。
その姿を仰ぎ、ダークソウルは光線を撃ち上げる。
が、桜華は空中で一回転。縦一閃の斬撃を放って光線を両断し、そのまま虚空に散らせた。
そして回転力のまま、上方に風を追いやって……下向きに加速。一息にダークソウルへ肉迫していく。
『……!』
ダークソウルははっとして腕を振り上げようとする。
が、桜華の方が疾い。速度を活かして刃を振り下ろした桜華は、鮮やかなまでの斬閃で相手の腕先を切り飛ばした。
『く……』
呻きながらふらついたダークソウルは、加速して壁際へ。間合いを取ってから闇色の光を集める。
『どうしてそこまで迷いなくいられる。僕を討ったところで何も変わらない。君だって……負の心に飲まれるかも知れないんだ』
そうして言葉と共に巨大な光線を放った。
が、桜華はそこからも退かない。
迫る光線を、一刀、二刀、三刀……持てる刃を振るって斬り裂いて。
「負の心か。それも、斬って捨てるさ」
自身も壁を蹴って加速。ダークソウルへ再び肉迫し、裂帛の斬撃を見舞った。
ダークソウルはこちらを近づけさせるのは得策でないと踏んだのだろう。今度は空の方向へ高く飛び上がり始めていた。
そこから光線の雨を降らせ、間合いを詰めさせないつもりだろう、が。
その体が突如空中で止まり……引き戻される。
ダークソウルの体を下方に繋ぎ留めるものがあった。それは――存の体から伸びている、赤い糸。
「これで結ばれてしまいましたからぁ~」
崖沿いの螺旋階段の一角。
そこに立つ存は、相手を見上げながら糸を掴んで。
「死ぬまで、解けませんよぉ~?」
それは文字通りの、偽りのない言葉。
瞬間、引いた糸が強大な力で縮み……ダークソウルを元の高度にまで落下させた。
ダークソウルはそれでも空中で体勢を整え、糸を断ち切ろうと腕を振り上げる。が、その間隙に存が階段を蹴って肉迫していた。
「次は、こちらですよぉ~」
言ってその手に握るのは鋭い剣。
零距離に至ると共に振り抜く事で――大きなダメージを与えるだけでなく、闇色の体に深い裂傷を刻み込んでいる。
癒える事のないそれは、ただの傷ではなく“呪い”。
「何が起こるでしょうかぁ~」
存が糸を伸ばして距離を取ると、その呪いが形を持って現れるように――崖の一部が崩落。強大な重量の塊となってダークソウルへ降り掛かった。
ダークソウルは呻きながらも掻い潜ろうとするが……赤い糸が自由を許さない。
そのまま崩落に巻き込まれ全身にダメージを負うと――宙へ投げ出されたところで存が再度接近。
「では、続けましょうかぁ~」
糸でダークソウルを引き寄せながら、再び苛烈な剣撃を叩き込んでいった。
『……僕を、怒らせたな』
螺旋階段の一端へ叩きつけられたダークソウルは、呻きながら起き上がる。
そうして周囲に黒色の霧を揺蕩わせ――無数の人影を立ち上がらせていた。
「これは……」
シェーラは視線を巡らせ、目を微かに細める。
ゆらゆらと歩み出すその人影は、機械鎧を着た兵士。先陣の猟兵に倒されたはずの、オブリビオンの集団だった。
『どうだい。君達に討たれた事で、より邪悪な心を持って蘇ったんだ』
「……成程。ものは言いようだな」
シェーラは襲い来るその兵士へ、精霊銃を発砲。光の直線を描きながら一人、また一人と斃してゆく。
兵士達は、悲鳴を上げる事すらしなかった。ただ苦悶の内に倒れては、幾度も霧に取り巻かれて復活するばかり。
そこに兵士そのものの心など、既に介在していない事は明らかだった。
有るとすればそれは、ダークソウルによって植え付けられただけの心。傀儡とする為だけの、操りの糸だ。
「死者までもを愚弄するような行い、という訳か。――醜いな」
シェーラは言葉と共にダークソウルを見据えていた。
ダークソウルは兵士を盾に、半ば余裕の様相でこちらへ光線を放ってくる。だから――シェーラは真正面からその闇色の輝きを撃ち抜いた。
相手は更に光線を撃って応戦しようとするが……シェーラが銃をジャグリングのように入れ替えては連射する、その速度の方が疾い。
その内に肩口を貫かれると、ダークソウルは焦燥して距離を取ろうとするが――
「無駄だ」
シェーラは空へ空砲を撃っていた。
刹那、空から無数の煌めきが襲来する。
――彩色銃技・花燭洞房。
それは射撃をしながら飛ばしておいた精霊によって作られた、立体積層型魔法陣による攻撃。
月長石の流星群となって降り注いだ光の雨は、兵士達を浄化して消滅させながら……ダークソウルをも貫き、灼いてゆく。
『ぐぅ……っ』
体力を大幅に失ったダークソウルは――呻きを零しながらも接近を試みてきた。
もはや守りを重視する段階ではないと悟ったのだろう。こちらの数を一人でも減らそうと、肉弾戦を仕掛けてくる。
が、ダークソウルの放った蹴りを、正面からランスで受け止めたのが焔だった。
「わっ、すごい力だね――」
言葉を零しながらも、揺らがない。
それは如何に相手の攻撃が強力であろうとも……ランスとなったフローレを信じているから。
事実、握るその槍は敵の一撃を受けてもびくともしない。
ならば、自分さえ退かなければ、決して負ける事はない、と。
「えいっ!」
瞬間、一瞬の相手の力の緩みを感じ取り、焔は反撃。足を払いながら刺突を繰り出し……闇色の体を深々と穿ってみせる。
『……っ!』
ダークソウルは唸りながらもその場で飛び上がり、こちらの頭上を取ろうとする。
けれど焔は機動性でも譲るつもりはなかった。
――符よ、妖の郷への扉を開け。
「おいでませ白の御狐様!」
焔がそう喚んだ瞬間、薄靄が面前に煌めく。
直後、そこから白狐が現れて……焔を乗せたまま跳び上がっていた。
白狐の纏う妖力は、焔の力を高めながら白狐自身をも強化する。その全力で壁を蹴った白狐は、剛速で焔と共にダークソウルの上方に至っていた。
ダークソウルははっとして、こちらへ光線を放ってくる。
が、迫りくるその濁った輝きを――白狐の吐く蒼い狐火が焼き尽くした。
「行くよー!」
そのまま、焔は相手が次の攻撃に移る暇も与えずに降下。
重力加速度も乗せながら……ランスでの強烈な一撃で、ダークソウルの体を貫いていった。
ダークソウルは、壁に叩きつけられて階段の端に転げる。
その闇色の力は薄まり、既に体力が尽きかけているのは明白だった。
だがそれでも、戦意を収めはしない。
『全ての存在を、負の心で満たすんだ――』
言って再度黒色の霧を渦巻かせようとする。だから焔は白狐と共に飛び込んで……そこへ槍撃を叩き込んでいった。
「させないよー!」
その衝撃にダークソウルが吹き飛ぶと、時を同じくシェーラも射撃。狙い違わず魔力の輝きを放ち、相手の体に風穴を開けていく。
「皆、このまま連撃を」
「了解ですよぉ~」
と、応える存が糸を引っ張りダークソウルの面前へ。
勢いのままに剣を突き刺し、深いダメージを与えると――ベルベナもまた横合いから補助するように衝撃波を放出。相手の体を宙へ投げ出させる。
「今のうちに、いけますか」
「ああ」
静かに声を返したアスは、二丁の銃から放つ熱線を束ね、強大な熱量の塊にしてダークソウルを包み込む。
そこへ跳んだ桜華が空から舞い降りて。
「終わらせもらうよ」
地をも突き破るような、凄絶な縦一閃。ダークソウルを両断し……その体を跡形もなく霧散させていった。
悪夢が薄らいで、消えてゆく。
猟兵達はその世界から抜け出して、現実へ帰還。スピリットヒーロー、セントリウスの居る病室に戻り……その目覚めと無事を確認していた。
ありがとうございました、と頭を下げるセントリウスは――心の傷とももう、向き合う強さを備えている。
悪夢の脅威も消滅し、ヒーローズアースそのものにも被害はない。
だから猟兵達は、セントリウスと別れを告げてそれぞれの帰る場所へと去っていった。
その後、退院したセントリウスは……病院の外で少しの間だけ猟兵達の姿を探す。
けれどすぐに、思い直して首を振った。
礼は言った。別れも告げた。
ならば後は、自分の力で歩くだけだから。
猟兵達が示してくれたように、後ろを向かず。同時に彼らの事を決して忘れぬようにと心に留めて――セントリウスは真っ直ぐに、道を進み出す。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴