●
アルダワ魔法学園は竜神山脈。迷宮以外での冒険も多くなって久しいが、ここ竜神山脈には未だ人が容易には立ち入れない場所がいくつもある。例えばこの溶岩がひたすらに湛えられた溶岩湖などはその一つだ、溶岩から吹き上がる熱と毒がその上を飛ぼうとするものを落とし、そして溶岩の一部にされてしまう危険な場所だ。
しかし不思議なことにその上を人が悠々と通れる程の管が走っており、もし用があるのならばそこを通って溶岩湖を超える事ができるらしい。もっともそれも簡単ではなく管の外ほどではないが中は暑く、時折流れ込んでくる溶岩が安易に踏み込んだ物を焼き払い灰にして押し流してしまう。こんな物を誰がどのように作ったのかは未だに分かってはいない。ただ用途だけが伝わっており、溶岩湖の対岸にいるという火竜の元へ至る道だという。ある種の巡礼路だったのかもしれない。
そしてその火竜に危機が起きつつあるのを知らせたのはグリモアによる予知だった。
●
「こんにちは! エンドブレイカー世界が開かれたね! 同時に厄介な事が起き始めているのも聞いているよね?」
リアナ・トラヴェリア(ドラゴニアンの黒騎士・f04463)が集まった猟兵達にまずはそう切り出した。
「エンドブレイカーの世界の人たちが戦っていたエリクシル……歪んだ願いを叶えて世界を滅ぼす存在が別の世界にも滅ぼそうと侵略しているみたいなんだ」
エリクシルはオブリビオンではない存在だ、だからといって油断できる存在では全く無い。
「で、今回はアルダワ魔法学園の竜神山脈に現れたエリクシルを倒してほしいんだ。竜神山脈に住んでいる火竜ラヴィダードをマスカレイドっていう存在を合体させて操ろうとしてるんだ。ドラゴンはアルダワの中でも一際強い存在だからもし止められないと大変な事になっちゃう。……それにドラゴンたちはこの世界の大切な仲間なんだ、絶対助けたいと私は思ってる」
そしてそのためにはまず危険な溶岩湖をその上を通るパイプ迷宮を超えて進まないといけないという。
「火竜のところにまで行くためのパイプ迷宮は中が暑い上に時折溶岩が流れ込んでくるんだ、坂道や真下に穴が空いてるところもあるからそこを使って上手く避けてね。あとバルバっていう獣人も隠れて守ってるみたいだからそっちの対処も必要だよ」
バルバ達はマスカレイドに合体させられた火竜ラヴィダードが生み出しているらしい。
「火竜ラヴィダードは自我を奪われて苦しみながら、でもマスカレイドの持つ悪意と闘争心に突き動かされて襲ってくるよ。本当なら自分の体で真っ先に災魔に挑むような竜なんだけど合体させられたマスカレイドのせいで隠れてバルバを生み出して襲わせるような戦いになっちゃってる。本来の戦い方を思い出させればマスカレイドを払えるはず、つまりなんとかして直接その鱗の下の肉にダメージを与えればマスカレイドの側が怯んで消えちゃうよ」
荒っぽいが多少の傷は多めに見てくれるはずだという。爪と牙と吐息で戦えない事が最も恥だと考えているkら。
「マスカレイドを払ったら、異常を察知したエリクシルがやって来るから火竜と協力して撃破してね。巨大化したりダメージの影響を受けなかったりするけど、退かずに戦えばきっと勝てるよ」
何より半端な防御こそが勝機を逸するだろうという、火竜は共に傷つく者がいればいるほど力を貸してくれるとも。
「エリクシルっていう新しい敵がこれから何をもたらすか分からないけれど……オブリビオン共々負けるわけにはいかないから頑張ろうね!」
西灰三
いつもお世話になっています、西灰三です。
今回はエンドブレイカー!の、アルダワ魔法学園が舞台のシナリオをお送りします。
詳しい内容はオープニングの通りです。
シナリオの進行はゆっくりめになるかと思います。
なるべくプレイングは流さないようにするつもりですが、流してしまった場合は再度プレイングを送っていただければ幸いです。(オーバーロードでも問題はありません)
以上です。
それでは皆様のプレイングをお待ちしています。
第1章 冒険
『パイプ迷宮』
|
POW : 力技・肉体で解決を図る
SPD : 速さ・技量で解決を図る
WIZ : 魔法・賢さで解決を図る
👑7
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
ワルター・ハント
噂には聴いてたが
本当に外の世界にまで
エリクシルが出て行ってやがるのか
実入りは少ねェ仕事だろうが
火竜とやらには興味がある
それに、別部族のバルバどもに落とし前も付けてェ
…行くかァ
溶岩に加えて敵バルバにも警戒が必要っつーと…
よし、来い【ファルコンスピリット】
力借してくれ
ファルコンに先導させて
少しばかり先の地形を把握
オレ自身は『気配感知』で
溶岩と敵バルバ、双方の動向を警戒・察知
役割分担して慎重に進んでく
溶岩は先を急ぐなり
地形に身を隠すなりしてやり過ごすつもりだが
タイミング次第で利用もできねェか?
例えば、敵バルバがすぐ近くにいる場合
ファルコンを敵群にわざと突っ込ませ、釣り出して溶岩で丸焦げに…とかなァ?
●
「……噂には聴いてたが本当に外の世界にまでエリクシルが出て行ってやがるのか」
異世界の嗅ぎ慣れない空気を吸い込み、その中にある独特のエリクシルが放つ異臭を感じ取ってワルター・ハント(獣道・f38994)は呟いた。
茹で上がるような熱に炙られながらパイプ迷宮に踏み込んだ彼は耳を立てながら慎重に進んでいく。狩り場までの道程はそれ自体が一つの障害であり、今回の狩りでもそれは変わらない。
(「実入りは少なねぇ仕事だろうが火竜とやらには興味がある」)
それは獣の本能かそれとも狩猟者の矜持か。いずれにせよやることはいつもどおりだ。気配を殺しつつ管の中をゆっくり進んでいく。壁に手を当てながら慎重に歩みを進める彼が止まったのは耳と手に異なるものを感じたからだ。
「……振動と足音か足音のほうが近いな」
それが話に聞くバルバのものであるというのは間違いない、ワルターは都合の良さそうな丁字路にまで移動すると鷹のスピリットを呼び出す。
「よし、来てくれたな。ちょっとあいつらを案内してきてくれ」
そして彼の視界とスピリットの視界が共有される、スピリットが飛んで数秒後にはバルバの群れがいた。
(「……確かにバルバだが……なんか違うな。ユーベルコードとやらで生み出されたやつか? まあいいか」)
バルバの群れの方もスピリットを見つけるとそのあとを追いかけてくる、それ程頭は良くないようだ。その先に何があるのかも考えてはいないらしい。故に彼らは流れ込んできた溶岩にあっさりと飲み込まれて燃え尽きていった。
「あっけねえな、この先にいるのもこれくらいなら楽なんだろうけどな」
ワルターはため息を一つついてから火竜を目指し向かうのであった。
大成功
🔵🔵🔵
イクシア・レイブラント
【青春少女隊】、WIZ
ポーラさん、がんばっているけど大丈夫? 溶けたりしない? 耐熱防御バリア、いい魔法ね。
私も自分にできることをするね。索敵用のドローンを先行させて[存在感、気配察知、索敵]、危険な場所を[撮影、情報収集]。バルバたちの居場所と安全なルートを探して皆をナビゲートする。
バルバたちと出会ったら会話を試みる。私たちは火竜ラヴィダードを解放したい。あなたちと協力し合うことはできない?
UCは決裂したときの備え。使わないに越したことはない。
アイシャ・ソルラフィス
【青春少女隊】
アドリブOK
WIZ
イクちゃんと一緒に空飛んで迷宮を進みます。
熱さ対策として[全力魔法]と[属性攻撃]を組み合わせた『精霊魔法』で氷の精霊さんの力を借りて、
それを[全力魔法]と[盾受け]を組み合わせた『魔法障壁』に付与して、〈耐熱防御バリア〉を生成。
これでボクの周辺に限って熱いのは大丈夫!
イクちゃんとポーラちゃんもこの中に入る?
バルバさんたちとはまず話し合います。
[コミュ力][流行知識][魔獣知識][世界知識][グルメ知識]を総動員!
あ、バルバさんたちが好きそうな食べ物を持っていこうっと!
それでも戦いを回避できなかったら……[空中機動]を駆使して全力で空飛んで逃げる!!
ポーラリア・ベル
【青春少女隊】
溶けるわ!冬だけど、溶岩に挑戦するね!
一応【火炎耐性】で頑張って耐えるけど、【天候操作】で熱波を押し返そうともするよ
あいあい(アイシャ)の耐熱バリアの中に入ってく!わぁい、ありがとーあいあいー!
雪兎軍団(UC)で索敵、溶岩に向かわせて、逐次凍らせていくよ!
バルバさんは【動物と話す】で会話できないかしら。各々の通訳を任されたりとかできる?
だめそうなら、雪兎で凍らせるね
●
「……溶けるわ!」
ポーラリア・ベル(冬告精・f06947)、つまり冬の妖精たる彼女の大声が管の中を反響する。もっともこの溶岩上の迷宮に挑戦すると決めたのは彼女自身である。最低限の耐性はあるけれど、それはそれとして暑いものは暑い。
「ポーラさん、がんばっているけど大丈夫? 溶けたりしない?」
イクシア・レイブラント(翡翠色の機械天使・f37891)が心配そうにふらふらと揺れる彼女に声をかける。冒険に来た【青春少女隊】の彼女たちは思いがけない環境の厳しさに戸惑っていた。特にポーラリアが。
「ならこうしよう!」
精霊術士でもあるアイシャ・ソルラフィス(隣ん家の尚くんを毎朝起こす当番終身名誉顧問(願望)・f06524)が自らの騎乗する杖の先を光らせる。すると集った氷の精霊達がにわかに彼女たちの周囲の温度を下げる。
「これが〈耐熱防御バリア〉だよ! これでボクの周辺に限って熱いのは大丈夫! イクちゃんとポーラちゃんもこの中に入る?」
「わぁい、ありがとーあいあいー!」
風を起こしてなんとか耐えようとしていたポーラリアが即座にアイシャの魔法の影響下に飛び込む。正直な所彼女がしていたのは熱風をかき回していたくらいのことであった。余裕の出てきたポーラリアは雪うさぎを呼んでこちらに来るであろう溶岩を冷やして固めて進行を遅らせていく。
「耐熱防御バリア、いい魔法ね。……私も自分にできることをするね」
イクシアは囮兼索敵用のドローンを先行させて道を進む。相変わらず周囲は暑いが冷却魔法のお陰でなんとか体力の消費を抑えられている。彼女たちが和気あいあいと話しながら進んでいるとイクシアが唇に指を当てて移動とお喋りを静止する。
「バルバ達がいるみたい」
「よし、それじゃあ話し合おう!」
「あっ」
杖の速度を上げてバルバ達の元へと急ぐアイシャ。一足先にバルバ達の元へと到着し、荷物の中から食べ物を取り出す。
「こんにちは! バルバさんたち!」
追いついたイクシアとポーラリアも彼女に倣いバルバ達に平和的に通して貰えないかと言葉をかける。
「バルバたちと出会ったら会話を試みる。私たちは火竜ラヴィダードを解放したい。あなたちと協力し合うことはできない?」
武器を手にしていたバルバ達は彼女たちを睨みつけている。どう考えても友好的なそぶりはない。
「言葉が通じていない……ってわけじゃないよね」
バルバは言葉や道具を扱うことのできる存在だ、つまり猟兵由来の「言葉が通じる」という能力の範疇に入る存在であり、その上でこの反応ということはつまりそういうことである。最初に与えられた情報でもバルバ達はマスカレイドに合体させられた火竜ラヴィダードが生み出しているらしいとされている以上、マスカレイド由来のバルバなのだろう。そして容赦なくバルバ達は襲いかかってきた。
「……逃げ!」
「対象確認、思考接続完了……眠りなさい」
「ウィンターアーミー! セット! だよ!」
バルバ達を即座に鎮圧し、彼女たちは場所に不釣り合いな冷や汗をかくのであった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
リューイン・ランサード
最近は猟書家もおとなしめでアルダワ世界も平和になってきたと思ったら、新しい敵が攻めてきましたか!?
ドラゴンを乗っ取られたら世界が世界が大ピンチなので頑張ります!
…怖いけど。
パイプ迷宮かあ、溶岩浴びたらさすがに死んじゃうなあ<汗>。
なのでUC:式神具現で呼び出した式神を進行路の各所に配置して、溶岩の動きや回避に使えそうな場所を第六感で把握しながら進みます。
勿論、隠れたバルパも見つけ出して、風の属性攻撃・全力魔法・高速詠唱・範囲攻撃で生み出した竜巻による斬り裂きで倒します。
近接戦に持ち込まれたらビームシールド盾受けとオーラ防御で防ぎつつ、光の属性攻撃を宿した双剣による2回攻撃で斬り倒します。
●
「最近は猟書家もおとなしめでアルダワ世界も平和になってきたと思ったら、新しい敵が攻めてきましたか!? ドラゴンを乗っ取られたら世界が世界が大ピンチなので頑張ります!」
と説明を受けて意気込みを語ったのはリューイン・ランサード(
波濤踏破せし若龍・f13950)。パイプ迷宮に足を踏み入れた瞬間に、既にその意気込みはどこへやら。
(「……もう怖いけど」)
バルバも溶岩もその気配がない内からこうである。ましてや溶岩なぞは危険極まりない。
「パイプ迷宮かあ、溶岩浴びたらさすがに死んじゃうなあ」
冷や汗はすぐに蒸発した、おそらく実際に溶岩に飲み込まれれば彼も蒸発するだろう。無傷で済む猟兵がいそうなのも恐ろしいところだが。ともかく彼は慎重に慎重を期すために式神を呼び出し先行させて状況を調べながら進んでいく。
(「あ、あれが……バルバ? バルパ? ともかく敵か」)
索敵に成功し、先に気づいた彼はルーンソードとフォースソードを握る。気づかれる前に踏み込んだ彼は片方の剣で竜巻を放ち足止めをしてから、接近し返す刃であっさりと切り捨てる。怖がりな彼はそれ故に猟兵の中でも有数の強さを持つ人物であった。
大成功
🔵🔵🔵
クヤク・サンガ
他者との絡み歓迎
誰かと会話をするときは敬語混じり
うちの世界のアレのこともまあそうなんだけど、他の世界というものを見てみたくて
アルダワ世界…ラッドシティみたいなとこだと思ってたけど、こんな場所もあるんだ
そうだよな、人や築いた文明だけが世界じゃないもんな
この大きなパイプも凄いなあ
とまあ、色んな事に興味津々で意識をもっていかれつつ
猟兵になって身に付けた「技能」というのもよくわかってないので、色々試してみながら進もうかと
取り敢えず環境耐性と火炎耐性というのはどれくらい利くものなのかな
気配感知というのはどれくらい敵を察知できるのだろう
練度低いからそこまであてにはしないし
敵には天地無双剣の反撃で保険をかけ、溶岩は流石に穴に退避する等で避けるけど
多少の怪我は止む無し
敵からの生命力吸収で体力そこそこに保っておけばよしの姿勢で
…うん。エリクシルのこともあるからこんなこと思うのもなんなんだけど
新しい世界、新しい力
ちょっとわくわくする
火竜さんに会うのも楽しみだ
●
「他の猟兵……だったな、はもう先に行っちゃったか」
念には念を込めてと準備してきたせいだったかとクヤク・サンガ(徒人・f38921)は一人ごちた。だがそれも仕方ない部分もあるだろう。
「
うちの世界のアレの事もそうなんだけど、他の世界というものを見たくて」
とグリモア猟兵に軽く語ったのは少し前、なんでもこの件の担当のグリモア猟兵の出身世界でもあるらしい。魔法と蒸気文明というのが発達した世界だと言っていた。
「アルダワ世界……ラッドシティみたいなとこだと思ってたけど、こんな場所もあるんだ」
その言葉だけで想像していたのとは全く違う世界が広がっていた。ラッドシティ、というのは見た目的にはアルダワのそれとよく似ているが、紫煙と呼ばれる半エネルギー的なものを利用した都市国家だった。
「そうだよな、人が築いた文明だけが世界じゃないもんな」
管の迷宮の内径を小突きながらクヤクは中を進んでいく。いかんせん彼にとってみれば猟兵としての初仕事でもある。これまでの常識が通用しないのは十分考えられる、彼がエンドブレイカー世界から持ち込んだ道具もどことなく違う力を持っているように感じ取れる。
「『技能』って言ってたか? アビリティを強化するようなものかな」
環境耐性や火炎耐性など種類ごとにそう呼ばれているものらしい。それらがどの程度の効果を持つのかは分からないが、余裕を持って思考と独り言を言えるくらいの効果はあるようだ。
「あとは気配感知……ん?」
クヤクは考えるよりも前に背中で重さを主張していたアックスソードを構える、と同時に十字路の角からバルバの群れが現れる。
「せっかく違う世界に来たのに見慣れた敵と戦う事になるとはね」
その言葉を言い切るよりも速く彼の体は動きバルバの1体を屠る、その状態の彼にバルバが棍棒を振り下ろすがアックスソードの斧部分でがっちりと受け止め、空いた手でナイフを抜いてその敵の胸に突き刺して絶命させる。手早く仲間を2体倒された彼らはいきり立って襲いかかるものの似たようなやり方で全滅させられる。
「っと、間に合った」
バルバを全滅させたクヤクが横穴に入ると溶岩がバルバ達の死体を飲み込みながら流れていく。それをちらりと見送ってから、手を開いては握る。
「……うん。エリクシルのこともあるからこんなこと思うのもなんなんだけど……、新しい世界、新しい力か」
久しぶりの未知の領域で自分の力が通じる事を理解したクヤクは顔をあげる。
「……ちょっとわくわくする。火竜さんに会うのも楽しみだ」
足取りも軽く彼は行く。彼の新しい冒険はこうして始まった。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 ボス戦
『白婦人』
|
POW : 魔女の護り
対象を【薔薇の蔓】で包む。[薔薇の蔓]は装甲と隠密力を増加し、敵を攻撃する【薔薇の棘】と、傷を癒やす【純白の果実】を生やす。
SPD : ジャグランツ・パレード
レベル×1体の【バルバ『ジャグランツ』】を召喚する。[バルバ『ジャグランツ』]は【猛獣】属性の戦闘能力を持ち、十分な時間があれば城や街を築く。
WIZ : マザーコール
自身が【危機意識】を感じると、レベル×1体の【バルバ『ジャグランツ』】が召喚される。バルバ『ジャグランツ』は危機意識を与えた対象を追跡し、攻撃する。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴
|
ワルター・ハント
オレ達の世界の狩猟者にとって
ドラゴンは特別な存在だ
お目にかかれただけで光栄なんだろうが
それだけで帰るつもりはねェ
つーことで、火竜よォ
歯ァ食いしばれ
本来の、正気のテメェを見せてみろや
ジャグランツどもが邪魔くせェな
【パラライズニードル】と【コール・ウインド】
併用で突破するかァ
麻痺効果と向かい風で
ジャグランツの動きを牽制してる間に
オレ自身は追い風を受けて加速
敵群へ突っ込む
そのまま抜け出して一気に火竜までの距離を詰めるぞ
おい、火竜
テメェが望んでんのは
身体張った戦いなんだろ?
マスカレイドなんざに
忘れされられてんじゃねェよ!
『心眼』で柔らかい部位を見定め
加速の勢い乗せたトマホークでぶん殴る
目ェ覚ませやァ!
●
エンドブレイカー世界には狩猟者というジョブが存在する。その名の通り人の居住地域の外で獲物を狩り生活する技能を持つ者たちの総称だ、そのさらにその中でドラゴンを追う者もいるという。ワルター・ハント(獣道・f38994)はそのドラゴンを追う者であった。
(「お目にかかれたのは光栄なんだろうが、それだけで帰るつもりはねえ」)
大顎に炎を湛えた火竜ラヴィダードはその戦意に比して目の輝きが失われている、それは自分以外のものに突き動かされているからだろう。
「火竜よぉ、歯ァ食いしばれ。本来の、正気のテメェを見せてみろや」
牙をむき出しにした彼を阻むようにバルバ・ジャグランツの群れが現れ彼の道行を阻む。
「邪魔くせえな、……風よ毒針を送りつけろ!」
ぱら撒かれた麻痺毒を秘めた毒針がジャグランツ達をその場に縫い止め、無防備になった敵を薙ぎ払いながらワルターは火竜の元へと駆ける。
「おい、火竜! テメェが望んでんのは身体張った戦いなんだろ? マスカレイドなんざに忘れされられてんじゃねェよ!」
ジャグランツを踏み台にし軽く跳び横薙ぎに握ったトマホークを火竜の腹に叩きつける。すると炎のブレスとともに火竜の叫びが巻き起こる。
「目ェ覚ませやァ!」
吠える獣の一撃は確かに火竜の臓腑にまで届く。それは中に潜む仮面にもヒビを入れただろう。
大成功
🔵🔵🔵
ナーダ・セッツァー(サポート)
顔を隠し、喪服に身を包み、兄弟と半分に分けたロザリオを身につける。
兄弟と同じ装丁の仕込み杖を持ち、隠すのは槍。
オラトリオの翼は出さない。
髪に咲く花は山荷葉。
弱者を救済し、悪を裁く。
全ては亡き我が神のため。
憐れなるモノに神の御加護を。
その為ならばこの身が、手が紅く染まろうと悔いはない。
尊大な口調だが他人を下に見ている訳では無い。
他人には他人の価値がある。
だが我が神を侮辱するのは万死に値する。
神のみもとに逝くがいい。
戦闘は仕込み杖(槍)での肉弾戦、又は硝子のような山荷葉の花を風に舞わせて切り刻む。
回復?殺られる前に殺れば必要ないな。
●
「これがこの地の『神』に親しいものか」
尊厳を破壊するものの気配に惹かれたのか、神敵を討つ事に身も心も捧げたナーダ・セッツァー(地に満たせ神の威光・f35750)という猟兵、つまりは生物の軛から解き放たれてしまった哀れな女は音も無く溶岩満ちる崖の上に現れた。
「仮面……マスカレイドとやらはあらゆるものに取り付き操ると、忌まわしい」
広がる棘が爪のように彼女の体を切り裂いていくが彼女は意も介さずに歩いていく、その生きているかどうかすら怪しい足取りで。そして今彼女の目の前にいる火竜の中には彼女が果たすべき困難が潜んでいる。それで止まらぬならと火竜から炎の吐息が溢れ出すが、それもまた彼女の黒い衣装を焦がしただけで歩みを止められない。
「全ては我が神のため」
或いはこの仮面という存在が万能宝石というものにつながっており、それが神の復活につながるからかもしれない。だとしてもその万能宝石も相当に『加護』を与えねば裏切りそうだが。ともかく彼女の槍による一撃は大きく突き刺さり、火竜の中に潜む仮面に突き刺さる。
「消えるがいい、穢すものよ」
成功
🔵🔵🔴
リューイン・ランサード
「アルダワ魔法学園の生徒として、あなたが世界を護る為に災魔と戦ってきた事をよく知っています。マスカレイドを追い出して、本来のあなたに戻す為に挑ませて頂きます(正直怖いけど)。」と、礼儀正しく語り掛けてUC使用。
ラヴィダードさんやジャグランツの攻撃は第六感・瞬間思考力で(ニュータイプ並みに)感じ取ってUC効果+見切りで回避。
ジャグランツはUC効果+風の属性攻撃・全力魔法・高速詠唱・範囲攻撃で生み出した竜巻で一網打尽に斬り裂く。
ラヴィダードさんにはエーテルソードに光の属性攻撃・破魔・浄化を宿しての鎧無視攻撃で鱗ごとその下の肉体を斬り裂き、マスカレイドの影響を排除して自我を取り戻せるようにします。
●
パイプ迷宮を抜けて対岸にようやくたどり着いたリューイン・ランサード(
波濤踏破せし若龍・f13950)を待ち受けていたのは火竜ラヴィダード、しかしその目には理性の光はなく、今にも彼にブレスを放たんと顎の中に炎を湛えている。
「僕の名前はリューイン・ランサード。ランサード家の長男です。武門の子として、アルダワ魔法学園の生徒として、あなたが世界を護る為に災魔と戦ってきた事をよく知っています」
それに対する返答は言葉でもなく嘶きでもなく、炎。しかし彼は落ち着いて避け言葉を続ける。
「マスカレイドを追い出して、本来のあなたに戻す為に挑ませて頂きます」
暑い戦場だというのに冷や汗は止まらない、けれどそれはすぐに蒸発してしまう。まるで気を強く持てと言うように。彼の細かな動きに対しては別の手段の方がいいと考えたのかラヴィダードの奥に潜むマスカレイドはジャグランツを無数に呼び出しリューインにけしかける。
「……っ!」
リューインの恐怖心が彼の体を動かし勇気がその場から逃げ出さないよう戒める、危難を見切り少ない戦意を束ねて風を起こしジャグランツを切り捨てていく。彼は恐怖で足が固まる前に風の勢いに乗って火竜の元へと躍り出る。
「マスカレイドだけを……!」
赤い鱗を貫き肉を裂き、その奥にいるマスカレイドに向けて光の魔法剣を突き立てた。
大成功
🔵🔵🔵
クヤク・サンガ
「バルバを生み出して襲わせる」…ああ、そういう
見たことある顔だけど、再度見るとは思わなかったし、見慣れたくもないな…
ここの火竜さん、俺とタイプが多少被る方とお見受けする
ご挨拶と薔薇の蔓の装甲を破る意味も込めてデスストライク
技の前後に隙ができるから、発動は相手が魔女の守りを使った瞬間を狙う
受けるダメージは生命力吸収で取り返す
相手の回復はそれを上回るダメージを与えればいい
攻撃は最大の防御って昔の人が言ってた
言葉での揺さぶりは他の方に任せよう
必要であれば補助にも入る
婦人を含めた範囲攻撃とか、婦人以外をぶっ飛ばして距離を離させたりとか
各々がやりたいことをやれる環境を作る一助になれたら
…多少ってどれくらいなんだろうな
いや、強い存在なら、猟兵になったばかりの俺からのダメージなんて大したことないか
鱗の下に届くまで長くなることは覚悟しないと
別に拳で語ることが趣味なわけでは決して絶対ないけど、バトルトークができないのは残念だ
思いっきり行こう
死ななきゃ生きてる
俺も火竜も
●
「『バルバを生み出して襲わせる』……ああ、そういう」
クヤク・サンガ(徒人・f38921)はその能力で眼の前の火竜に埋め込まれている敵の正体に目算が付いた。
「見たことある顔だけど、再度見るとは思わなかったし、見慣れたくもないな……」
直接は戦っていない、はずだ。何せ大分昔の話でもある。しかし白婦人という名前でジャグランツを生み出すのはそれ以外にいないはずだ。そんなロクでもない物を植え付けられた火竜には同情してしまう。
(「ここの火竜さん、俺とタイプが多少被る方とお見受けする」)
他のご同輩のお陰で邪魔する敵は片付けられている、もっともゆっくりと相手をしている暇もない、今の相手は時間が無くてもジャグランツを産めるのだ。
「……!」
火竜が吠えるとその体に棘が纏わりつく逆に言えばその僅かな時間には隙がある。だから彼は分かりやすく当たり前の事を行った。
「避けてくれるなよ」
防御を捨てての全力攻撃。無防備を晒して相手の防備を断つ、ユーベルコードと言うには破壊力を除けば余りにも単純な一撃。しかしそれは確かに棘の防御をいともたやすく打ち砕き、同時に尻尾の反撃で彼の体をたやすく吹き飛ばした。
「……っ!」
気管に入りそうになった吐血を直ぐ様吐き出して斧剣を握り直す。『攻撃は最大の防御』とは誰が言ったのだろうか。痛すぎて笑えてきてしまう。幸い痛いのは向こうも同じようなので、そこでふとグリモア猟兵の『多少の傷を与えるくらいなら多目に見てくれる』という言葉を思い出す。
「……どれくらいなんだろうな」
再度立ち上がり今度は火竜の動きを見ながら立ち回る。強い存在なら猟兵になったばかりの自分からのダメージなんて大したことないかもしれないが。それは結果が教えてくれるだろう、とにかく今は殴った傷口から生命力を奪わないといけない。奪命剣で息を整えて再度対峙する。
「鱗の下に届くまで長くなることは覚悟しないと。……別に拳で語ることが趣味なわけでは決して絶対ないけど、バトルトークができないのは残念だ」
異界に来てまで仮面と棘が邪魔しに来るというのは難儀なものだ。しかし武器を振るえば振るうほどに、火竜の目に光が戻っている気がしなくもない。現に彼のその呟きにマスカレイドのユーベルコードではない炎のブレスで返事が返ってきた。
(「なら思いっきり行こう」)
死ななきゃ生きてる、俺も火竜も。
空間に轟音が鳴り響く、それは戦いの中で命が主張する音だ。
大成功
🔵🔵🔵
村崎・ゆかり
【ドヴェルグ】
遅れてごめん。ここから合流する。
みんな近くに寄って。
「全力魔法」「範囲攻撃」斬撃の「属性攻撃」「仙術」「道術」で風吼陣を展開する。
無数の刀剣を宿した竜巻よ。敵味方の判別は出来ないから、行動起こす時は気をつけてね。
暴風に乗せた無数の刃物で、召喚してきたバルバを「なぎ払い」「吹き飛ばし」一掃する。マスカレイドに取り憑かれた火竜も、効果範囲に取り込んで切り裂くわ。
魔女の護り、引っぺがす!
アイシャ、絶陣の強化ありがとう。本当に、皆が巻き添えにならない事を願うわ。
細かな操作が出来ない術式でね。
風に乗った薄く鋭い刃なら、竜鱗の隙間にだって刺し込める。これで目を覚ましなさい、火竜ラヴィダード!
イクシア・レイブラント
ゆかりさん来てくれたのね。敵の数が多い、広範囲攻撃は行ける?
日野さんが大事な家族を優先して心配するのは当然。気にしなくていい。
残念だけど風吼陣の中で私は活動できない。接近戦は日野さんとポーラさんの2人に任せるね。
私は全周囲をドローンで警戒し強襲支援。浮遊砲台のエクスターミネイターで[レーザー射撃、弾幕、威嚇射撃]、バルバたちを足止めする。万が一、風吼陣を突破してきた時は私が立ち塞がってゆかりさんとアイシャさんを守る。
……? ここは安全圏なのにアイシャさんの服、破れてない?
バリアフィールド展開。[環境耐性、結界術、かばう]で傍にいる2人を術の余波から保護しつつ推移を見守る。
アイシャ・ソルラフィス
【ドヴェルグ】
尚くん(f01298)、ユッカ(f01658)、待ってたよ!……って、メール?
そうゆう尚くんだって、ボクに内緒でちょくちょくポーラちゃんと二人っきりで、オブリビオン退治しに行くクセに~……
って、みんなの竜巻すごっ!?
じゃあボクも竜巻のお手伝いするよ~!
ボクのUCでみんなのUCを強化!
更に【全力魔法】【属性攻撃】【多重詠唱】【なぎ払い】の技能で、風の精霊さんに竜巻をもっと強力にしてもらって、ついでに沢山の真空刃もおまけして、どーんっていっちゃおう!
竜巻の強化をやりすぎてる自覚はあるから、竜巻の中心にいるユッカにヒシっとくっつきます。
強化しすぎてボクまで竜巻にスパスパ斬られそう!
日野・尚人
【ドヴェルグ】
(先行するみんなに合流)
あーちゃん、ポーラ、無事か!?
いや、「火竜さんを助けに溶岩湖へ行って来るねー」なんてメールが届いてたら驚くだろ!?
慌てて帰っても誰も居ないしさ;
溶岩地帯とか2人には不利な環境だし怪我でもしたら・・・
あ、イ、イクシアの事も勿論心配してたぞ?
ともあれここからは俺たちも協力・・・って、凄まじいな村崎;
なら俺も!(UC発動)
俺の嵐に村崎の刃の竜巻もポーラの氷の竜巻も巻き込みながら加速<ダッシュ>!
行く手を阻む全てを吹っ飛ばし火竜に接近!
で、速度と魔力を乗せた「確りしろよパンチ(<魔力溜め+部位破壊+鎧無視攻撃>)」!
へへ♪こういう時は拳で語るもんだよな♪
ポーラリア・ベル
【ドヴェルグ】
火竜さんを苦しめるマスカレイドさんはいやんなの!
ここが正念場。みんなでやっつけよう!
ベル鳴らし、【天候操作】【属性攻撃】【凍結攻撃】の氷の竜巻を起こすの。
この竜巻とゆかゆか(ゆかり)の刃の竜巻で
襲い来るジャグランツさんや炎を凍らせ切り刻みつつ
刃の風中を【見切り】で縫う様に飛んで突破!
皆を守る様に前に飛び出て、踊る様にUC「冬妖精の輪舞」を放つよ。
例え茨で隠密しても無差別に周囲を凍結粉砕。
防御も炎も癒しの果実さえも凍らせて貫通し破壊するよ!
――なおなお(尚人)!?来てくれたんだ!
前に出るの一人で少し心細かったの。百人力だよ!
氷晶を乗せた氷の嵐、二人でやろう!
おねつをさげるよー!
●
ついに火竜ラヴィダードの元にまでたどり着いたイクシア・レイブラント(翡翠色の機械天使・f37891)、アイシャ・ソルラフィス(隣ん家の尚くんを毎朝起こす当番終身名誉顧問(願望)・f06524)、ポーラリア・ベル(冬告精・f06947)の三人。しかし彼女たちの前には不気味な棘で武装されたバルバ『ジャグランツ』が無数に待ち受けていた。
「数が多いわね」
「……どうしようか、私がサポートする?」
「じゃあ直接なんとかするのは私にまかせて!」
三人は即座に多数の相手と戦うためのフォーメーションを組む。ポーラリアが術を編むまでに足止めに動いたのはイクシアだ。
「エクスターミネイター展開、索敵完了。強襲支援を実行する」
イクシアの操作する浮遊砲台からジャグランツに向かって無数の弾幕が放たれる。それは致死性というよりは相手の出鼻を挫き勢いを削ぐための攻撃である。
「今のうちに!」
イクシアの作った短い時間の間にアイシャが杖を掲げ、自分以外の二人を対象にユーベルコードを強化する。より強くなった弾幕は更に敵の進行を遅らせ、そしてポーラリアの完成された術がジャグランツを包み込む。
「これで凍って壊れちゃえ!」
冬告精から放たれたキラキラと光る細かな氷の粒が、ジャグランツとそれを包む棘を凍てつかせ破壊していく。
「よーし、このまま……え?」
瞬間、火竜が吠えた。すると棘に生えていた純白の果実がひび割れたジャグランツの肌に染み込みその傷を癒やしていく。それだけではなく数が減ったジャグランツを補うように、ユーベルコードによってまた新たなジャグランツが生まれてくる。
「……新たな敵戦力を確認。これは……」
「ちょっと厳しいかも……?」
ジャグランツを倒しても敵の圧がすぐに回復してくる。アイシャの援護も代償がある以上ずっと続ける訳にはいかないし、イクシアの弾幕も結局は遅らせることはできても倒す事は難しい。いざとなればグリモア猟兵が撤退させてくれるだろうが……と彼女たちが考えた頃、そのグリモアの光が目の前で閃いた。
「あーちゃん、ポーラ、無事か!?」
「遅れてごめん。ここから合流する」
グリモアベースから転送されてきたのは日野・尚人(あーちゃんの早朝襲撃に断固抵抗する会終身(?)会長・f01298)と村崎・ゆかり(“紫蘭パープリッシュ・オーキッド”/黒鴉遣い・f01658)だった。
「なおなお!? 来てくれたんだ!」
「メール見て飛んできた!」
「尚くん、ユッカ、待ってたよ! ……って、メール?」
戦場において割りとピンチな状態だがなんとなくいつもの会話である。さっきまでの緊張感はどこかへ行ってしまったようだ。
「いや、「火竜さんを助けに溶岩湖へ行って来るねー」なんてメールが届いてたら驚くだろ!? 慌てて帰っても誰も居ないしさ。……溶岩地帯とか2人には不利な環境だし怪我でもしたら……」
よほどその時は焦ったのであろうが、そんな彼にちょっとアイシャは冷たい。
「そうゆう尚くんだって、ボクに内緒でちょくちょくポーラちゃんと二人っきりで、オブリビオン退治しに行くクセに~……」
「あ、イ、イクシアの事も勿論心配してたぞ?」
話を逸らすついでに妙な戦線を拡大する尚人だが、そのイクシアはゆかりと次の算段を話し合っていた。
「敵の数が多い、広範囲攻撃は行ける? ――日野さんが大事な家族を優先して心配するのは当然。気にしなくていい」
聞こえていたようだ。日野・尚人、気の多い青年である。ともかく。
「……みんな近くに寄って」
これからゆかりが放つのは攻撃に全力を傾けた大技である。
「古の絶陣の一を、我ここに呼び覚まさん。天上までも響き渡る破壊の風よ。その身に宿せし無限の剣刃により触れるもの悉くを裁断せよ。疾!」
それは高名な仙人の絶陣を模した術、無数の刀剣が強風に乗り絶えず舞う領域を作り出す危険な術だ。アイシャの加護によって強化されたその刃はジャグランツを棘ごと切り裂いて回復を許さない。
「……? ここは安全圏なのにアイシャさんの服、破れてない?」
「あ、本当だ。強化しすぎちゃったかな」
バリアバングルを起動し力場で二人を守るイクシア。彼女たちを後ろに果敢に刃の嵐の中へと尚人とポーラリアは進み出る。
「凄まじいな村崎……」
危険な環境での戦い、その彼の肩の上にポーラリアがちょこんと腰掛ける。
「なおなお、前に出るの一人で少し心細かったの。来てくれて百人力だよ!」
「よし、なら俺達も協力しようぜ!」
「うん!」
そして彼が扱うのはポーラリアから教えられたユーベルコード。『領域』の中の物を加減速させる魔法の嵐を呼び出す術だ。そしてそれに合わせてポーラリアの放つ氷晶が再度放たれる。
「俺の『領域』でもっと飛ばしてやるぜ!」
「静寂の中に舞い降りる光と氷の輪舞。 全ては儚い刹那の煌めき……おねつをさげるよー!」
全てが加速する炎の嵐の中、刃が氷晶がジャグランツを、そして火竜の中にいるマスカレイドを断ち割っていく。加速する『領域』の中、尚人がダッシュしての拳を火竜の腹に叩き込む。
「へへ♪ こういう時は拳で語るもんだよな♪ ……っておわっ!?」
彼が慌ててその場に伏せると鋭い剣がちょうどさっきまで彼の首があった部分を通り過ぎ火竜へと突き刺さっていた。
「これで目を覚ましなさい、火竜ラヴィダード!」
彼女が叫ぶと同時に何か平たいものが割れた音がする。それと共にラヴィダードの体が力が抜け、どうと大きな音を立てる。それと同時に残っていたジャグランツも消失していく、どうやらマスカレイドを撃破できたようだ。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『鮮血の女王』
|
POW : 鮮血光線
【王冠のエリクシル】からレベルmまでの直線上に「神殺しの【真紅の光】」を放つ。自身よりレベルが高い敵には2倍ダメージ。
SPD : エリクシルの女王
【エリクシルの輝き】を纏った真の姿に変身する。変身中は負傷・疲労・致命傷の影響を一切受けず、効果終了後に受ける。
WIZ : 願われし力
【完全なる肉体を持つエリクシルの女王】に変身する。変身後の強さは自身の持つ【願望宝石エリクシルの数×大きさ】に比例し、[願望宝石エリクシルの数×大きさ]が損なわれると急速に弱体化する。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
●
『エンドブレイカー、猟兵』
火竜ラヴィダードが内部にいたマスカレイドの破壊により気を失ってすぐ、虚空からその動きを察知した生首のようなエリクシルが現れた。
『お前達は望まないのか。望めば叶うというのに』
しかしエリクシルに望むということが何をもたらすのかということをエンドブレイカーを含む猟兵達は知っていた。望みを歪んだ形で叶えさせ世界に滅びをもたらすものであるということを。
「ふん、だからこの儂を操りその消失を外の奴に望ませようとしたのか」
不意に猟兵達の頭上から声が聞こえた、それは目覚めた火竜ラヴィダードのものだった。
「中々良い痛みだった、本来ならお前達と試練の戦いをしたい所だが……この万能宝石とやらを先に潰しておかんとな」
アルダワ魔王戦争の時の話を聞いているのかラヴィダードは目の前のエリクシルを万能宝石だと見抜いているらしい。
「手を貸すぞ猟兵、思い通りにさせようなんてモノこの地には必要ない。焦がし砕き溶岩の中に叩き込んでくれよう!」
『その望みには答えられない』
※ラヴィダードは以下のユーベルコードで援護します。
POW
バーンソウル
【魂をも焦がす炎の吐息】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD
ヒートマインド
【炎】を宿した【自身の爪や牙】で、「自分や仲間が取得した🔴の総数×1回」攻撃する。
WIZ
フレアスピリット
自身が【闘争心】を感じると、レベル×1体の【竜型の火霊】が召喚される。竜型の火霊は闘争心を与えた対象を追跡し、攻撃する。
クヤク・サンガ
よし、世界が赤い!痛い!
…試練って何だ、この世界の文化的な何かか?
これさっきの攻撃を謝ったら逆に失礼になるやつかな
軽く名乗って、お力お借りしますとだけ伝えよう
体力消しとびそうだから暫く攻撃援護兼ねて生命力吸収で回復
味方の反対側に位置取り敵の意識を逸らしたりとちょっかいかけつつ
相手の動き、攻撃が通りやすそうな箇所等を観察・分析
1人で戦うわけじゃなし、こちらの攻撃の隙もさっきより埋められるだろう
行けそうと思ったらデスストライクを入れていく
ダメージを負ったら再度攻撃援護に回る
自分への光線は軌跡を見切るかオーラ防御でどうにか
火竜さんに向かって出す兆候があれば、敵を吹き飛ばすように攻撃して光線を逸らそう
その隙にでかいのを一撃入れていただけるとありがたい
「その望みには答えられない」って、さすがの返事だなあ
先に悪意があって、望みを口にした者に責任転嫁させてるだけじゃないか
まだ使い方次第と思えたエリクシルの妖精より随分と進化したもんだ
赤は火の色で、血の色
人間にとっては生命の色だ
お前が纏うのが気に食わない
●
「よし、世界が赤い! 痛い!」
「いずれも生きている証だ、良いことではないか」
最初からダメージがかさんでいるクヤク・サンガ(徒人・f38921)に対し火竜ラヴィダードは価値観の違う切り返しを行う。
「それで……試練って何だ、この世界の文化的な何かか?」
「試練の戦いとはその者が儂の力を借りるに値する強者か否かを確かめるためのものだ、嘗ての魔王との戦いの際にも行ったぞ。そしてお前はそれに準ずる戦いを熟した」
「合格って事ね。ならお力お借りします」
「いいだろう、こちらとしても不埒者を成敗したいところだった」
クヤクとラヴィダードの所に一直線に伸びてきた光線を左右に分かれ回避する二人、威力を見る限り体力が減ったままのクヤクでは長期戦は難しそうだ。
「しばらく相手を願います!」
「応よ!」
目潰しをするようにエリクシルの顔面に炎を吹き付けて幾何かの時間稼ぎを行うラヴィダード、火傷しそうな戦場の中をクヤクは駆け火竜と挟み撃ちにするような格好でエリクシルの背後に回り奪命剣を振るって体力の回復を図る。
『傷を癒したいのならば願うべきでしょう』
「冗談はやめてくれよ、それにもっと必要な望みは『応えられない』って最初に言ってたじゃないか」
斧剣を盛大に叩きつけて彼は言う。
「先に悪意があって、望みを口にした者に責任転嫁させてるだけじゃないか」
「それなら儂も聞いた事があるな、詐欺と人は呼ぶのだったか」
光線を受け、或いは避けながらもクヤクとラヴィダードは着実にエリクシルにダメージを蓄積させていく。クヤクからすれば先ほどよりも随分と戦いやすい。
「まだ使い方次第と思えたエリクシルの妖精より随分と進化したもんだ」
『しかし妖精を用意した魔女はもういません。戒めは外れた今こそ真に願いが叶うべき時』
「どれもこれも禄でもない話だ」
クヤクがエリクシルを上へとかち上げるとそれに合わせてすさまじい炎が赤い宝石を飲み込んでいく。先ほどまで死闘を繰り返していたからか、無言での連携が上手く決まった。
「赤は火の色で、血の色だ」
それはエンドブレイカー世界でもそうだった、始まりのイヴの棘は確かに赤かった。
「人間にとっては命の色だ、その色をお前が纏うのが気に食わない」
赤々と燃える赤い宝石に、彼は更にもう一太刀を浴びせる。飄々とした彼の胸の奥では炎が風を受けて炎が燃え盛っていた。
大成功
🔵🔵🔵
リューイン・ランサード
かつて理想に燃えていた僕の心をポキッと軽快な音と共に折ってくれやがった大魔王。
こいつが同類の魔物というのであれば許してはおけません!
ラヴィダードさん援護お願いいたします。
自分の翼で飛翔。
第六感・瞬間思考力で相手の攻撃(主に真紅の光)を読み、空中戦・見切りで回避(オーラ防御も展開)。
道術で嵐を呼び、仙術で自分の分身を多数生み出す事で、相手の視覚を初めとする索敵機能を幻惑します。
その上でUC:オリジナル・ライトを使用。
創世の光を両手で持ち、上記方法で幻惑しつつ空を飛んで接近。
光の属性攻撃・鎧無視攻撃・貫通攻撃を上乗せして一刀両断!
そのまま消滅まで追い込みます。
この世界をお前達の好きにはさせません。
●
「かつて理想に燃えていた僕の心をポキッと軽快な音と共に折ってくれやがった大魔王。こいつが同類の魔物というのであれば許してはおけません」
リューイン・ランサード(
波濤踏破せし若龍・f13950)が苦い過去を振り返りながらアルダワ魔王戦争の時の事を思い返す。
「という訳でラヴィダードさん援護お願いします」
「お前、躊躇いが微塵もなかったな」
ラヴィダードがやや呆れた声で言う、もっともここまで態々踏破までして自身と刃を交えた相手の頼んだ事ではあるので断る理由も火竜にはなかったのだが。その癖にリューイン自体は逃げることを禁じる事で武器の力を開放していたりと、正直そっちの気があるのではなかろうか。
ともかくエリクシルの放つ光線を受けながらもラヴィダードと共に果敢に挑みかかるリューイン。それはアルダワの人間としては十分に名誉たる戦いではある。異界の魔術を交え相手を惑わしながら戦うその姿は英雄的と言っていい。言うべきか、というと少し考えどころだが。
「ふっ! これが大魔王の仲間の強さか。今の僕なら怖くない!」
「いやそこまでの圧は感じんが。概ね多数いる雑魚の一匹というところだろう」
「御免なさい調子乗ってました」
おそらく大魔王の仲間はエンドブレイカー!の戦争で大挙してやってくるんじゃなかろうか。ならばこの程度の相手に手間取っているわけにはいかないだろう。
「この世界をお前たちの好きにはさせません」
全てを光に返す剣の一撃を放ちエリクシルを斬るリューイン、彼の過去を克服するための戦いは始まったばかりだ。
大成功
🔵🔵🔵
日野・尚人
【ドヴェルグ】
何で生首なんだよ;
騙すならそれらしい姿ってもんが・・・あー、まあ良いや!それじゃ頼むぜ火竜のおっさん!
俺は<ダッシュ>や<軽業>でエリクシルを撹乱しながら戦うぞ!
・
・
・
なーんてフリをしつつUC発動。
気付かれないよう<オーラ防御+迷彩>で隠蔽した≪略奪者の鋼線≫を<投擲>するぜ!
狙いは<地形の利用>もしたエリクシルの拘束、そして本命はその頭の王冠だ!
こいつを奪えば弱体化させられるはず。
おまけに奪った魔力で強靭化したワイヤーに俺の魔力も流して<凍結攻撃>!
急激な温度変化は
石にはキツイよな♪
大体望みなんてもんは自分で叶えなきゃ意味無いだろ?(あーちゃんとポーラを横目でチラ見)
イクシア・レイブラント
【ドヴェルグ】
エリクシルは他者の願いを歪めた形で叶え、その間は自身の戦闘力も向上する。
だけど、叶える願いがなければエリクシルは実力を発揮できない。なにも願わずいつも通り戦えば大丈夫。
行こう。前衛は任せて。
各部を翡翠色に発光させ[存在感、陽動、おびき寄せ]、[推力移動]で接近、大型フォースブレイドで[空中戦、鎧防御無視、なぎ払い]。
敵の意識を飛行する私に向けて、鮮血光線は[空中機動]で回避。
日野さんの地形の利用もしたワイヤー拘束や、ゆかりさんの竜脈操作による地面崩落の準備時間を稼ぐ。
準備ができたら【最大稼働】。敵を掴んで高速飛翔、溶岩湖に叩き込もう。
村崎・ゆかり
【ドヴェルグ】
ああ、噂の生首がご登場ね。オブリビオンですらない有害物は、さっさと始末しましょう。
ラヴィダード卿、バーンソウルを命中率重視でオーダーしていいかしら?
あたしは「全力魔法」炎の「属性攻撃」「破魔」の不動明王火界咒をエリクシルに行使するわ。
白紙のトランプが敵に当たって初めて発火する術式だから、ポーラの氷雪系コードと食い合うことはないはず。
ここはまさに竜穴。少し手繰るだけで力が滾々と湧いてくるわ。
火界咒の炎にエリクシルが苦しんでこちらから目を離した隙に、「竜脈使い」で溶岩を操り、「地形の利用」併用でエリクシルの足場を崩し溶岩湖に飲み込ませましょう。
そのまま溶岩湖の底まで行ってらっしゃい!
アイシャ・ソルラフィス
【ドヴェルグ】
……うわ~ 生首だ。(汗
奇麗なお顔してるのに、噓みたいだよ。エリクシルなんだよ、これで……
…………うん。なんとなく言ってみたかっただけ。(元ネタ、何人分かるかな~/(-_-;))
そんな綺麗なお顔にはお花が似合うと思うよ。その長い髪にユベコのお花を差してあげるね!
ん! よく似合うよ~
じゃあ後はラヴィダードさんたちに任せて、ボクは後方から[属性攻撃]+[全力魔法]による『精霊魔法』で支援攻撃するね!(属性はMSさんにお任せ)
ところでボクの望みは自分で叶えないと意味のないものだからエリクシルさんはこのままお休みしててね!
恋は人から与えられるものじゃなくて自分でつかみ取るものなんだから!
ポーラリア・ベル
【ドヴェルグ】
あかくて…でかくて…やばいのがきたわ!
倒すのね!ドラゴンさんも協力してくれるんだ!
がんばるー!
あいあい(アイシャ)を庇う様に前に出て
UC 冬妖精の輪舞で、ひたすら破壊の氷晶を振りまくの。
飛んでくるエリクシル光線は、UCを【アート】で改変した氷晶の鏡で反射していくよ!
そのお顔に氷晶がくっつけば、ばっきんばっきん壊れちゃう!
冷えた所にゆかゆか(ゆかり)や火竜さんの炎を入れてあげると
温度差で更にばっきーんって壊れるはず!
わ、なおなお(尚人)に見られた。照れる。
皆で頑張って叶えたものは美味しいんだから、そうよね!
勝利したらなおなおの上で決めポーズを取るわ!
ドラゴンさんはお幸せにーなの!
●
「あかくて……でかくて……やばいのがきたわ!」
「うわ~……」
「これが噂の」
「なんで生首なんだよ!」
現れたエリクシル……敵の姿にポーラリア・ベル(冬告精・f06947)とアイシャ・ソルラフィス(隣ん家の尚くんを毎朝起こす当番終身名誉顧問(願望)・f06524)、村崎・ゆかり(“紫蘭パープリッシュ・オーキッド”/黒鴉遣い・f01658)や日野・尚人(あーちゃんの早朝襲撃に断固抵抗する会終身(?)会長・f01298)がその異形に顔をしかめた。これまで猟兵が戦ってきた相手の中で生首の敵がいなかったかと問われればそんなこともないはずだが、それはそれ。
「綺麗なお顔してるのに、嘘みたいなんだよ。エリクシルなんだよ、これで……」
残念ながらこの生首のエリクシルは病院で静かに横になってくれているようなものではない、というか病院にいたらほぼ確実に被害をばら撒く類の存在だろう。
「騙すならそれらしい姿ってもんが……」
「願いが叶えられにくい、というのはこちらにとっては都合のいいものなのではないのでしょうか」
イクシア・レイブラント(翡翠色の機械天使・f37891)は尚人の突っ込みに対して真顔で切り返す。確かに見た者がおののくような姿の方が被害自体は小さくなりそうではある。
「エリクシルは他者の願いを歪めた形で叶え、その間は自身の戦闘力も向上する。だけど、叶える願いがなければエリクシルは実力を発揮できない。相手の姿形に惑わされず、何も願わずいつも通り戦えば大丈夫」
イクシアが緑色のサイキックエナジーを帯びてエリクシルの前へと意識を自分に向けさせるために飛び立つ。しかし敵から放たれる光線は彼女だけではなく同じドヴェルグの仲間たちや火竜ラヴィダードをも巻き込みダメージを与えてくる。
「いったあ、危ないなあ。そんな綺麗なお顔にはお花が似合うと思うよ。その長い髪にユベコのお花を差してあげるね!」
そう言ってアイシャが広げたのは淡く光る精霊花の花畑、高く伸びた花に触れたエリクシルの攻撃頻度が若干ながら下がる。ただ敵にとっては溶岩の上に出れば逃れられる以上それ程有効には働かないだろう。だがその僅かな間に猟兵達も戦う態勢を整えていく。
「ラヴィダード卿、ブレスをオーダーしていいかしら?」
「ふむ、任せておけ。いくらでも焼いてやろう」
「ドラゴンさんも協力してくれるんだ! がんばるー!」
ゆかりに頼まれたラヴィダードが炎を吐き、逃れ続けるエリクシルを追う。合わせてゆかり自身も炎を吹くトランプを投げ、ポーラリアもアイシャを守るように前に出て先ほど使っていた氷晶を放ちエリクシルを砕かんとする。だが無論エリクシルも無防備にそれらの攻撃を受けるわけはなく、再び冠から光線を放ち猟兵達を容赦なく追い詰めていく。
「むー、温度差でもっと簡単に壊れると思ったのにー!」
ポーラリアが頬を膨らませて抗議する、少なくとも万能宝石と呼ばれる謎物質がその程度で簡単に壊れるような存在かどうかと言えばはなはだ怪しいだろう。そしてユーベルコードによる防御も、それ自体が防御を指向したものではないので効果もほとんどない。かろうじて敵の光線の威力が僅かに下がる程度だ。ともかく次第に追い込まれていくドヴェルグの面々、この状況を打破したのはこれまで静かに潜んでいた尚人だった。
「へへ♪ 悪いがそいつはいただくぜ♪」
尚人の放ったワイヤーが光線を放っていたエリクシルの王冠を捉え引きずり落とす、ついでに冷却攻撃も行うがそれも威力はさほど出ない。それよりも本命は彼の不意打ちに合わせてこれまで大型フォースブレイドで白兵戦をしていたイクシアだ。これまで以上の意思の力を速度へと変えてエリクシルに飛び掛かる。
「このまま溶岩へ……!」
エリクシルも彼女の勢いに飲まれまいと必死に溶岩の上で耐える、だがそんなエリクシルを溶岩へと取り込むためにゆかりが龍脈を操る。
「ここはまさに竜穴。少し手繰るだけで力が滾々と湧いてくるわ。そのまま溶岩湖の底まで行ってらっしゃい!」
「ボクの望みは自分で叶えないと意味のないものだからエリクシルさんはこのままお休みしててね!」
アイシャがダメ押しの風魔法で完全にエリクシルを溶岩の中へと叩き込むとそのままエリクシルは溶岩の中へと消えてしまう。
「恋は人から与えられるものじゃなくて自分でつかみ取るものなんだから!」
溶岩へ消えたエリクシルに向けてアイシャは呟く。その彼女の頭の上でポーラリアが勝ちポーズを(意中の人に見られた事で顔を赤くしながら)決めているのを尚人は目を細めて見る。
「大体望みなんてもんは自分で叶えなきゃ意味無いだろ?」
と、彼が格好良く決めた瞬間、首から下の体が生えてきた真の姿のエリクシルが溶岩の中から現れた。もちろんものすごく怒った表情で。どうも王冠を盗んだのにキレたらしい。かくして彼らの第二ラウンドは始まりを迎え、ラヴィダードが格闘戦をする中、這う這うの体で戦場を脱出するのであった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ワルター・ハント
馬鹿馬鹿しいなァ
エリクシルに何ぞ頼まねェよ
望む物は自力で勝ち取りに行きてェ性分だしな
さーて、火竜よォ
手を貸す、はこっちの台詞だ
お前が一番割を食わされただろ?
存分に、本来のやり方で暴れてくれや
つーことで、オレは火竜のサポートに回る
力貸してくれ【ディノスピリット】!
ディノに乗って駆けつつ
弓矢で敵に攻撃を加える
例えるなら弓兵の戦い方だ
『心眼』で弱い部分を見抜いて狙い
『野生の勘』や『聞き耳』で動作を察知して回避に繋げる
敵の放つ光は直線的だ
ディノ、軌道から外れるように走れ
オレの攻撃が決定打にならなくても構わねェ
敵の注意を引くのが目的だからなァ
…今だ、やれ!
魂をも焦がす炎の吐息、竜の本気をぶつけてやれェ!
●
「馬鹿馬鹿しいなァ」
今更にして顔を、いや頭を出してきたエリクシルに向けてワルター・ハント(獣道・f38994)の口から零れ落ちたのはそんな言葉だった。
「望みがあってもエリクシルに何ぞ頼まねえよ、そういうのは自力で勝ち取りに行きてェ性分なもんでな」
ワルターは狩猟者である、そんな彼が与えられるだけのことを良しとする理由なかった、そして彼を見下ろす火竜もその発言に犬歯を剥いて笑う。
「それでこそ儂の元に来た勇者よ、竜鱗を断ち仮面を割り赤き石と向かい合うお前は何を望む?」
「はっ! さっきお前は手を貸すつってたな? あれはオレの台詞だ。こっちがお前に手を貸してやる。お前が一番アレに割を食わされただろ? 存分に本来のやり方で暴れてくれや」
「……ククク……ハハハ! 面白い!」
ワルターから出てきた意外な申し出に火竜は火を吹きながら笑うと大きく翼を広げ戦闘態勢に移る。
「そこまで言うのなら好きにやらせてもらおう! 簡単に炭になるような動きはするなよ!」
「おう、こっちだってそのつもりだ。【ディノスピリット】!」
恐竜型のスピリットにまたがったワルターはラヴィダードに先んじてエリクシルに向けて駆けていく。もちろんエリクシルも赤い光線を放ち彼の進撃を防がんとするが、ディノの足元が弾ける程度にしかとらえる事が出来ない、逆に反撃の矢も彼から放たれてはいるが空中で焼かれるか固い宝石の表面に弾かれるかしてしまう。だが、それでいい。彼の目的はそこにはない。
「……今だ! やれ!」
空中からやはり光線を回避しながら様子をうかがっていたラヴィダードにワルターは叫んだ、エリクシルの視線が上に向いたところですかさずその下に潜り込み、ディノの背を足場にして飛び上がり斧を叩きつける。すると光線の目測は外れ、一気に火竜が肉薄しため込んだ炎をエリクシルに浴びせかけた。
「魂をも焦がす炎の吐息、竜の本気をぶつけてやれェ!」
「不遜なる宝石よ! この世に貴様たちのいるべき処はない! 魂ごと灰へと変えてやろう!」
至近距離からのブレスを受けたエリクシルは急激な熱変化を受けてか一気に罅が入り、瞬間的に砕けてしまう。粉々になった赤い粉末も翼による風に飛ばされ溶岩の一部となってしまう。
「ふん、他愛なし。しかし、久方ぶりの戦いであった、礼を言うぞ獣の猟兵よ」
「こっちもいいもの見せてもらったぜ。今度機会があったらまた来るぜェ」
「その時こそ邪魔の無い戦いをしようぞ、何、命までは取らん」
ワルターが軽い笑い声で返事をすると、彼の体が別の世界へと転送されていく。一つの狩りが終わり、また次の狩りが彼を待っているのだろう。
大成功
🔵🔵🔵