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セイヨウ・リバイバル1~テロリストの暗躍

#クロムキャバリア #お祭り2022 #ハロウィン #マクドナルド・クエスト


●予知:相互理解のハロウィンパーティ。
 クロムキャバリアの小国家の一つ、高い山の頂上に築かれた平和な国家マクドナルド王国。
 その地下に存在した古代魔法帝国『西妖帝国』の末裔、セイヨウ帝国との戦いから数ヶ月が過ぎていた。
 尋常ならざる容姿と強力な特殊能力を持つセイヨウ帝国の住民たちは、当初こそ生け捕りにされた黒幕『ドクター・フランケンシュタイン』と同じく国の監視下におかれ、軟禁生活を余儀なくされていたのだが……。
 地上への襲撃は黒幕ドクターによる教唆であったこと、国民全体の気風が素朴で穏やかなことから、徐々に行動制限が解除されていた。

 そして、この度。ハロウィンの季節がやってきた。
 ハロウィンといえば西洋妖怪の出番である。
 これを彼らと親睦を深める絶好の機会であると判断したマクドナルド王国の王家は『エンペラー・ノーライフ』と話し合い、国を挙げての仮装パーティを開催することとしたのだ。
 順調に準備が進み、周知もされ、開催が待ち遠しいと両国の臣民が浮足立っていた。
 ハロウィンパーティを中止しろ、セイヨウ帝国の残党を処刑しろ、という旨の怪文書が王宮に届く事案がありながらも、誰も気にすることはなく。
 無事に開催当日を迎えた。

 当日の早朝。
 パーティ会場では現地入りしたセイヨウ帝国の参加者たちが、歌や踊りや一発芸など、場を盛り上げる用意をしていた。
 西洋妖怪たちが特設ステージの上でそれぞれの特殊能力を活かしたパフォーマンスを披露し、会場に訪れるマクドナルド王国の参加者たちからたくさんの感情を得ようというのだ。
 悪感情だけでなく、楽しみや親しみといった良感情も糧となることがわかった今、セイヨウ帝国の面々は人々を喜ばせる手段の模索を行っているのだ。

「「「トリック、オア、トリート!」」」

 妖怪たちが芸を披露トリックし、人々が打ち解けるトリート
 そんな和気あいあいとしたパーティのために、一般西洋妖怪たちに混ざって幹部たちも練習をしている。
 キング・スケルトンはジャグリングを、キング・ゾンビは創作ダンスを、キング・ヴァンパイアは脱出マジックを、キング・ゴーレムは瓦割りを、キング・インビシブルとキング・デュラハンは漫才を。
 各々が思い思いの支度を整えていた。

「おはようございます。朝から精が出ますね」
「おはようございます。開始が正午からとはいえ、張り切ってしまって」
「イービイビイビ。ところで、そっちのトレーラーはいったい?」

 そんな会場に搬入業者が現れ、いくつものキャバリア……? を降ろしていく。
 武装しているようには見えない、おちゃめな装飾を施した量産型だ。

「仮装パーティということで、キャバリアに仮装をさせて皆さんとの模擬戦を開催すると聞いていたのですが……。
 連絡が届いてませんか?」
「ゾビ? 初耳だなぁ。聞き逃したかな?
 まあそういうことなら喜んでお相手させてもらおう」
「しかし、模擬戦ですか……。……まあ、このキャバリアならそんなに武装もないし、危険はなさそうですが。
 ……どうやって動かすんですか、これ」

 エヴォルグなどのオブリビオンマシンの操縦に精通しているセイヨウ帝国の幹部たちも、眼前の人型ですらないキャバリアには面を食らうようだ。
 手足すらないのだから。

「それならまだ時間もありますし、試乗してみますか?
 操縦はそれほど難しくないですよ」
「ボネ……じゃあやってみるか。練習の息抜きにもなるし」
「ゴーレムレムレム。デハ、誰が最初ニ、動かせるカ、勝負するカ」
「ヴァーンパイパイア! 構わんが、壊すなよー?」

 ぞろぞろとキャバリアに乗り込んでいくセイヨウ帝国の西洋妖怪たち。
 その様子を、運送業者の男が忌々し気に見つめている。

「……チッ。化け物共め。天誅を受けるがいい」

●招集:テロを防いでパーティを!
「ハーイ、エブリワン! マクドナルド王国の新たな事件であります!」

 グリモア猟兵のバルタン・ノーヴェがプロジェクターを設置して、居合わせた猟兵たちに声をかける。
 今回の予知の行き先は、クロムキャバリアにあるマクドナルド王国だ。
 マクドナルド王国は、セイヨウ帝国との戦いに決着がつき平和な日々を送っていたはずだ。
 だが、ハロウィンパーティが開かれるという話を聞いたバルタンがグリモアを覗くと、過激な思想の持ち主によるテロ事件が発生する予知を見たというのだ。

「発覚が遅れてしまったので未然に事件を防ぐのは間に合いマセーン!
 現地に転移したら、テロリストに騙されたセイヨウ帝国の方々がオブリビオンマシンに乗せられていることデショー!
 そのオブリビオンマシンはAIによる自動操縦で、パイロットは不要という代物なのデスガ……犯人は、コックピットにセイヨウ帝国の方々を乗せることで彼らの犯行だと偽装し、国民感情を悪化させようという卑劣な策に出ているのデース!」

 真偽はどうあれ、暴走したキャバリアからセイヨウ帝国のものが出てくれば、猜疑心が刺激されることになる。
 それを防ぐには、パーティ会場が台無しになる前に鎮圧してコックピットから彼らを救出し、そもそも事件はなかったと隠蔽する他ない。
 マクドナルド王国とセイヨウ帝国の和睦を象徴するハロウィンパーティを中止させる訳にはいかないのだ。

「用意された量産型キャバリアも、どうやらマクドナルド王国でもセイヨウ帝国でも見たことのない未知のロボットとのこと!
 素性は気になりマスガ、まずは事件を防ぐことを優先してくだサーイ!」

 マクドナルド王国では王家がスーパーロボット部隊を管理運用している関係上、キャバリアの数が多くない。
 今回の事件で用意されたオブリビオンマシンがどこから来たのか……それを探るのは、事件が終わってからになるだろう。
 そして、件のオブリビオンマシンだが……。

 たい焼きの姿をしている。
 その名は、食量産型キャバリア『Type-Yacky』。
 本来製造されることのない機体であり、そのすべてがオブリビオンマシンとして出現する、世にも珍しい可食キャバリアだ。
 ……。はい。可食なのだ。
 なんで?

「このオブリビオンマシンを破壊あるいは停止させてセイヨウ帝国の方々を救助すれば、あとは犯人を捕らえるだけ!
 しっかりと予知にも映っているので指名手配することはできマスガ……。
 どうやら、この犯人は独自に自分用のオブリビオンマシンを用意しているようであります!
 追い詰めれば、おそらくバトルになると思われマース! ご注意くだサーイ!」

 画面が切り替わり、全身白い装甲に包まれた軽装甲のキャバリアが映し出される。
 飛翔能力はないようだが、機動力に優れているようだ。
 犯人が逃亡の為に用いるか、自棄になって暴れ回るかは、その時にならなければ判断はできないが……放置するという選択はない。

「地上に移住してきたセイヨウ帝国の住民たちと、マクドナルド王国の国民たちの友好の証となる大事なイベント!
 このようなことで中止させてはならないであります!
 皆様、ご加勢をよろしくお願いしマース!」

 バルタンがグリモアを掲げて、ゲートを開く。
 その先では、ハロウィンパーティを待ち望む人々が、悪しき陰謀の毒牙にかけられようとしている。
 彼らを救い、無事にパーティを行わせるために……猟兵たちはマクドナルド王国へと出撃していく。


リバーソン
 こんにちは。リバーソンです。
 マスターとして皆様に喜んでいただけるよう、つとめさせていただきます。

 今回の舞台はクロムキャバリア。マクドナルド王国という平和な国家の首都デカプリオです。
 ハロウィンパーティをテロリストから守るのが目的です。
 今回はキャバリアに乗らずとも戦闘は可能です。ご安心ください。

 マクドナルド王国のシナリオでは王国が所有するスーパーロボット部隊をレンタルすることができます。
 スーパーロボットは個別に大きな卵型の格納ケースに封入されており、起動するために接触した人物に合わせて形状を変化させることができます。
 そのため、どのようなスーパーロボットを借りたのかは猟兵が決定することができます。

 第一章:食量産型キャバリア『Type-Yacky』との戦闘です。
  AIによる自動操縦であり、元々市街地で暴れることだけを想定しているため、まともな武装はありません。
  キャバリア戦を含めて、まともな反撃はしてこないでしょう。
  とはいえ飛翔しますので、体当たりや激突、および摂食による精神的ダメージリアクション芸に注意してください。
  中にいるセイヨウ帝国の連中は『Type-Yacky』を破壊すれば救出できるでしょう。
  プレイングボーナスは、『オブリビオンマシンからセイヨウ帝国の連中を救助すること』です。

 第二章:謎の過激派テロリストの操縦するオブリビオンマシン『H・O・P・E』との戦闘です。
  第一章でパーティ会場に被害を出さないように立ち回れば、パーティを台無しにしようと攻勢に打って出てくるようです。
  素性や信条など、尋ねれば何かしらの情報が得られるかもしれません。
  プレイングボーナスは、断章にて公開されます。

 登場人物:マクドナルド王国とセイヨウ帝国の方々。
  バルタン・ノーヴェの旅団、『ショッピングセンター・ダマスカス』にて調査資料を公開しております。
  必要ではありませんが、ご参考に使用しても構いません。

 オープニング公開後、断章を公開します。
 プレイングの受付期間はタグにてお知らせいたします。
 皆様、よろしくお願いいたします。
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第1章 集団戦 『『食量産型』Type-Yacky』

POW   :    Health management
全身を【個包装】で覆い、自身の【食の衛生管理のレベル】に比例した戦闘力増強と、最大でレベル×100km/hに達する飛翔能力を得る。
SPD   :    Traditional handmade
【食量産型キャバリア】を操縦中、自身と[食量産型キャバリア]は地形からの激突ダメージを受けず、攻撃時に敵のあらゆる防護を無視する。
WIZ   :    Over reaction
自身が戦闘不能となる事で、【自身の体の一部を口にした】敵1体に大ダメージを与える。【対象が自身の美味しさ】を語ると更にダメージ増。
👑11
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●断章:今回のビックリドッキリキャバリア。

 数人の西洋妖怪が奇怪なキャバリアに乗り込む様子を、セイヨウ帝国の皇帝『エンペラー・ノーライフ』は眺めていた。
 模擬戦の話は聞いていなかったが、サプライズやビックリドッキリ企画なのだろうと思っているのだ。

「銃器も刃物もないし、怪我することもないだろう」

 そう楽観視し、余も乗ってみるかなと足を踏み出したその時。
 慌てた様子でマクドナルド王国の王子、ジョニーがパーティ会場に駆け付けた。
 寝ぐせを直す余裕もなかったのか、はねた髪を気にすることなくエンペラー・ノーライフに近寄っていく。

「エンペラー・ノーライフさん!」
「む? おお、ジョニー王子。おはよう」
「おはようございます。ではなくて! なんですか、あれは!?」

 ジョニーがたい焼き型のキャバリアを指さす。
 そのたい焼きは、マクドナルド王国の認可外の謎の存在なのだ。
 当然、通報される。
 通報を受けて、身だしなみもそこそこにジョニーはダッシュで来たのだ。

「なに、とは? 王国が用意してくれた模擬戦用の仮装キャバリアだと聞いたのだが」
「模擬戦、ですか? そんな予定はありませんよ! ……誰がそんなことを?」
「そこの業者の……あれ? いない」

 キャバリア輸送用のトレーラーをそのままに、運送業者の男は姿を消していた。
 互いにキャバリアの出所を知らないと理解し、エンペラー・ノーライフとジョニーが目を合わせる。

「……ハロウィンパーティの余興ではなく?」
「セイヨウ帝国の方々のサプライズではなく?」

 そして二人の視線が『Type-Yacky』に向けられる。
 数秒の沈黙ののち、たい焼きたちが勢いよく跳ね回り、飛翔し始める。
 コックピットにいる連中の声は外には届かないが、おそらく絶叫を上げていることだろう。シートベルトもないのだ。

「うわああああ!?」
「うわああああ!?」

 迫るたい焼きの群れからダッシュで逃げ惑う一同。
 そこへ……予知を聞いて駆け付けた猟兵たちが参上するのだった。
国栖ヶ谷・鈴鹿
◎アドリブOKです

👗急ぎで来たので、今日の仮装はチャイナドレス風のメイド服。
去年に着たのだね。

阿穹羅で行けば、食べる必要はないけど、中の人の無事が最優先だよね。

叢雲ユニット展開!
なんだかもったいない気もしないではないけど、しょうがない!
表面を覆って機能だけ停止させて……窒息はしないと思うけど、ちょっとだけ覆わないでおこう。

……なんだかアルミで包んだ鯛焼きみたいになっちゃったけど、機能停止してれば大丈夫かな?

阿穹羅、丁寧にカットしてあげて、中の人が出てこれるようにね。

鯛焼き……こんな変わった機体があるのはちょっと驚き。
ハロウィンならでは、なのかなぁ?



●ジヰニアスな鯛焼き捌き。

「やあ! 急ぎで来たから今日の仮装はチャイナドレス風のメイド服だよ」
「ああ! 猟兵さん! 来てくれたんですね!」
「おお、猟兵の方か! すまぬ、余の部下たちを助けてやってくれ!」
「もちろん! ここはぼくたちに任せてよ!」

 跳ね回る食量産型オブリビオン『Type-Yacky』たちの前に、超機械技術を結集したハイカラでアバンギャルドな超人型決戦機が推参する。
 重厚な自作のキャバリア『SR-ARX01 阿穹羅』に乗るのは、天真爛漫なパーラーメイド。
 国栖ヶ谷・鈴鹿(命短し恋せよ乙女ハイカラさん・f23254)だ。

「それにしても、食べられるキャバリアか。
 なんだかもったいない気もしないではないけど、中の人の無事が最優先だよね。しょうがない!」

 『Type-Yacky』がパーティ会場を台無しにする前に、そして何より跳ね回るキャバリアの中のパイロットたちを無事に救出するために。
 鈴鹿は未知のキャバリアに対する試食より、迅速な解体を選択する。
 迫るたい焼きの群れに動じることなく、鈴鹿は『阿穹羅』を操縦して素早くユーベルコードを展開する。

「フィールド展開よし! 叢雲ムラクモユニット散布!」

 出現するのは、最新鋭のナノマシンユニット。
 それは、かつて鈴鹿がアックス&ウィザーズにて竜帝プラチナから獲得した戦闘データより解析した、キャバリア用の武装。
 敵にダメージを与える侵蝕型粒子金属片と味方を治癒する修復型レアメタリックナノマシンの合わせ技。
 《超微細希金機械群・叢雲(レアメタルナノマシンユニツト・ムラクモ)》だ!
 白金に輝く大量の粒子が周囲131m範囲内に散らばり、間合いの中を飛び交う『Type-Yacky』を包み込んでいく。

「機体の表面を覆って機能だけ停止させて……窒息はしないと思うけど、ちょっとだけ覆わないでおこう」

 セイヨウ帝国の西洋妖怪の大部分はゾンビやスケルトンのような呼吸をしなくても生存できるタイプだが、中には半魚人や狼男のような呼吸をするタイプも存在する。
 しっかりと保護対象に配慮した鈴鹿の思惑は彼らの意識を喪失させずに済むことだろう。実際安全だ。

 ほどなくして、ピチピチと跳ね回る『Type-Yacky』たちが包装され、次々に戦闘不能になっていく。
 そして、ちょっとだけ見える箇所から美味しそうな香りを漂わせ、食欲をそそってくる。
 それこそ、『Type-Yacky』の奥の手(初手)。
 自身の体の一部を口にした敵に大ダメージを与える、可食オブリビオンの有する必殺のユーベルコード。
 《Over reaction過剰反応》である!
 一度口にしてしまえば、あまりの美味しさに食レポや精神的ダメージリアクション芸を披露することは避けられまい!

「……なんだかアルミで包んだ鯛焼きみたいになっちゃったけど、機能停止してれば大丈夫かな?」

 だが、それも口にしなければ意味はないのだ。
 拘束されていなければ、死に際の最後のあがきで口目掛けて飛んでくることもできるだろうが……しっかり包装されてるのでそれも不可能であった。
 救助優先の鈴鹿は誘惑されることもなく、『Type-Yacky』に容赦なく切り込みを入れていく。
 『阿穹羅』に指示を出し、パイロットを傷つけないよう丁寧に切り開いて、中にいる者たちを助け出していく。

「はぁ、はぁ……た、助かったギョ」「生きてるラミィ……」
「ボ、ボネ……いったい何が……。あ、ありがとうございます」

 這う這うのていで散らばった骨を再集合させたキング・スケルトンが頭を振り、『阿穹羅』に乗る鈴鹿に礼を告げる。
 パッと見たところ、大きな怪我を負っている人はいないようだ。

「どういたしまして! 無事で何よりだよ!
 ……鯛焼き……こんな変わった機体があるのはちょっと驚き。
 ハロウィンならでは、なのかなぁ?」

 幾人かのセイヨウ帝国の救助してから、改めて鈴鹿は中身を晒す『Type-Yacky』を見つめる。
 香ばしい匂いを漂わせ、食べさせようとしてくるオブリビオンマシンの出所が気になるようだ。
 それは……きっと、テロリストに聞けば、わかるのでは、ない、だろうか、か?

大成功 🔵​🔵​🔵​

リア・アストロロジー
●偏った情報源
いいでしょう! 一度は対戦して食べてみたいと思っていた相手です。
日本に詳しいスカウト偵察兵のマイケルも言っていました。TAIYAKIはとれたてがおいしいと。
さあいきますよ……ちゅんちゅんさん!

「……ちゅーん?」(え? 喰え、と? という顔)

●戦闘
ちゅんちゅんさんに乗ってついばみに。

「頭から……はなんかめがこわいので、しっぽからいきましょう! ちゅんちゅんさん、GO!」

Gravityで重力を制御したい焼きさんをつかまえたら、中身が出るまでついばんでいきます。

「ねえ……おいしい? どんな味ですか? わ、わたしも一口……」

(その後精神ダメージを受けるも、難を逃れるもお任せ)



●好奇心は鯛焼きを食らう。

「いいでしょう! 一度は対戦して食べてみたいと思っていた相手です」

 堂々とハロウィンパーティ会場に現れたのは、幼くも立派に大人びて振舞うフラスコチャイルドの少女。
 星読のソーシャルディーヴァ、リア・アストロロジー(M2-Astrology・f35069)だ。
 リアはマクドナルド王国から譲渡されたスズメ型スーパーロボット『ちゅんちゅんさん』の上に乗り、元気よく跳びはねる『Type-Yacky』を高みから見下ろしている。

「日本に詳しいスカウト偵察兵のマイケルも言っていました。TAIYAKIはとれたてがおいしいと!」

 Hey、マイケル。それは本当かい? 青空に浮かぶマイケルの笑顔は何も答えない。
 そもそも、マイケル、イズ、誰?
 ……偏った情報源の発信元すら不明瞭だが、どうやらリアはその話を信じているようだ。
 つまり、おやつの時間である。

「さあいきますよ……ちゅんちゅんさん!」
「……ちゅーん?」

 え? 喰え、と? という表情を浮かべる『ちゅんちゅんさん』。
 その通りでございますExactly.
 リアの指令に従って、パタパタと羽根を羽搏かせて『ちゅんちゅんさん』が眼下の『Type-Yacky』に強襲を仕掛ける。
 一機の『Type-Yacky』の背中に目掛けて爪を立て、急降下攻撃を開始する。

「はなしませんよ!」

 爪が勢いよく『Type-Yacky』の上部装甲を掴むと共に、リアのユーベルコード《Gravity(グラヴィティ)》が発動される。
 リアと、リアに触れた対象の倍率を操作可能にした引力と斥力を奪ったり、逆に与えたりできる重力制御能力で、『Type-Yacky』をしっかりと捕獲する。
 『Type-Yacky』はピチピチと抵抗するが、《Gravity》によって引き寄せられている状態では離れることはできない。

「頭から……はなんかめがこわいので、しっぽからいきましょう!
 ちゅんちゅんさん、GO!」
「ちゅ……ちゅーん!」

 そして、捕食が始まった。
 丸っこくてもふもふしているように見えても、『ちゅんちゅんさん』はスーパーロボットである。
 その立派な嘴が、『Type-Yacky』のアツアツの装甲生地を剥ぎ取り、啄ばんでモグモグと咀嚼していく。
 少しして、『ちゅんちゅんさん』が小刻みに震え出す。
 どうやら、『ちゅんちゅんさん』の味覚に強烈なダメージを与えているようだ。

「ちゅん、ちゅんちゅちゅーん♪」
「ねえ……おいしい? どんな味ですか?」
「ちゅん! ちゅーん♪」

 『ちゅんちゅんさん』は、クワッ! と目を見開き、喜びを表現するように羽を振り回す。
 最初は怖気づいていた様子が一変して、パクパクと食べ続けている。
 心なしか、感動に打ち震えているようにも見える。
 ゴクリと、リアは唾を飲み込んだ。

「……わ、わたしも一口……」

 『ちゅんちゅんさん』が食べ進めていくことでコックピットにいたセイヨウ帝国の人を救出することができたが、あまりにも美味しそうに食べている様子にリアは好奇心を刺激されたようだ。
 リアがいそいそと、『ちゅんちゅんさん』から降りていく。

「ふう、助かりました。ありが……えっ?」

 そして、コックピットから出てきたデュラの人もといキング・デュラハンの前には、『Type-Yacky』の生地装甲をもぎ取って口に運ぶリアがいた。

「はむ……。っ、ん、ん~! んんん~~~♪」

 流石は可食オブリビオンマシンというところだろうか。
 『Type-Yacky』のユーベルコード、《Over reaction過剰反応》が発動していた。
 戦闘不能となった『Type-Yacky』の体の一部を口にしたことで、あまりの美味しさにリアは精神に大ダメージを受けていた。
 あまりの美味しさに、リアは手が止まらない。止められない。

「お、美味しいです、これが、TAIYAKI……! はむ。もぐもぐ、ごくん。
 もっちりとした食感は食べ応えがあって、柔らかくて! 
 あんこの甘味もくどくなくって、いっぱい食べられそうな……!
 美味しいですー!」
「ちゅんちゅん、ちゅーん!」
「え、ええ……キャバリアを……食ってる……」

 呆然とするキング・デュラハンを置き去りにして、リアと『ちゅんちゅんさん』は『Type-Yacky』をまるまる一機食べ尽くした。
 ……そう。食べ尽くしてしまったのだ。
 大部分は『ちゅんちゅんさん』が摂取したとはいえ、キャバリア(5m)サイズの鯛焼きを食べたことで膨大なカロリーを摂取してしまったことに、リアはいつ気づくのだろうか……。
 その時こそ、リアは最大の(精神的な)ダメージを負うことになるのかもしれない。

「ふわぁ、おなかいっぱいです……ごちそうさまでした」

成功 🔵​🔵​🔴​

久遠寺・遥翔
アドリブ連携歓迎

ほーい、こっちは任せて避難しなー
たいやき? あんなキャバリアもあるのか……
なんにせよ状況開始だ
敵機を破壊し、パイロットを無事に保護し、周囲にも被害を与えない
うん、おっけー

イグニシオンに[騎乗]
UCを起動
敵を焼きながら味方に癒しの効果を与える領域を展開する
敵機に取り込まれたパイロットも味方と認識するぜ
さらに敵機のコックピットは[オーラ防御]の[結界術]で保護する
これで多少は無茶をしても大丈夫だ

しかし奴の攻撃はこっちの守りを無視する
ならば[戦闘知識]からなる予測と[第六感]による[見切り]で[残像]回避
こちらからは領域の焔と太刀の[範囲攻撃]で外装を斬り裂き[焼却]するぜ



●鯛焼きを焼き上げる黒焔。

 ハロウィンパーティ会場から逃げる人々を守るように。
 暴れるオブリビオンマシンたちの前に白い装甲のキャバリア『イグニシオン』が立ちふさがる。
 『イグニシオン』に騎乗するのは、マクドナルド王国とセイヨウ帝国の両国を救った正義の味方。
 オブリビオン・イグニスの骸魂を宿した黒焔の神剣に選ばれた焔黒騎士フレアライザー
 久遠寺・遥翔(焔の機神イグニシオン/『黒鋼』の騎士・f01190)だ。

 遥翔の視線の先では、数機の食量産型『Type-Yacky』が元気に動いていた。
 今はまだ大きな被害は出ていないが、このまま見過ごせばパーティ会場がめちゃくちゃにされ、人的被害も生じることだろう。

「たいやき? あんなキャバリアもあるのか……。なんにせよ状況開始だ」

 遥翔の作戦方針は、三つ。
 敵機を破壊し、パイロットを無事に保護し、周囲にも被害を与えない。
 どれもこなさなければならない。だが、遥翔と『イグニシオン』ならば可能である。

「うん、おっけー」

 気負うことない自然体で、遥翔はユーベルコードを起動する。
 跳ね回り、飛び回る『Type-Yacky』たちに向けて、『イグニシオン』の手をかざす。
 そこから発生するのは、原初の真焔結界。

「原初起動(イグニッション)。最先より在りし焔よ、醒めよ」

 《真焔なる世界(プリミティブ・イグニッション)》。
 戦場全体に130分間、敵には終焉の黒焔の攻撃を、味方には再誕の白焔の回復をもたらす結界を展開するユーベルコードである。
 『Type-Yacky』のAIや内燃機関が動かなくなるまで焼きながら、取り込まれたパイロットたちを味方と認識して回復させる。
 さらに、コックピット内部にオーラ防御による結界を施すことで、跳ね回る『Type-Yacky』の中でシェイクされている西洋妖怪たちを保護している。
 安全性への配慮もばっちりである。

「これで多少は無茶をしても大丈夫だ」

 しかし、『Type-Yacky』もただ焼かれているばかりではない。
 遥翔が己が体を食わないのならばと、無秩序な突進攻撃《Traditional handmade伝統的な手作り》を敢行する。
 それは、敵のあらゆる防護を無視する効果がある原理不明の『Type-Yacky』による体当たりだ。
 単純故に強力。油断して直撃してしまえば、『イグニシオン』といえど痛打を受けることになるだろう。

 なればこそ、油断しなければ問題はない。
 AIによる直線的な動きは、遥翔の戦闘知識からなる経験則を以てすれば見切ることは容易いものだった。
 当たらないように残像が出る程の機動で回避し、すれ違いざまに『機神太刀"迦具土カグツチ"』で『Type-Yacky』の外装生地だけを的確に切り裂いていく。
 剥離された部位は誰かが口にすることが無いよう《真焔なる世界》の黒焔で焼却し、遥翔は次々に突撃して来る『Type-Yacky』を淡々と処理していく。
 切り裂かれた機体の断面から、コックピットにいた西洋妖怪たちが這い出てくる。

「ヴァ……おお、クオンジ……! 来てくれたのか!」
「キング・ヴァンパイアか、無事だな? 良かった」

 幾人かの西洋妖怪を救出し、遥翔は顔見知りの幹部の安全も確認する。
 オーラ防御の結界や《真焔なる世界》の再誕の白焔による回復により、かすり傷もなくなっているようだ。

「いったい、何が起きているんだ? こいつに乗り込んだら操縦桿もないし、勝手に動き出すし……」
「こいつらはオブリビオンマシンらしい。
 こっちは俺たちに任せて、ヴァンパイアたちは安全なところに避難してくれ」
「よし、わかった! あとは任せたぞ!」

 遥翔の避難指示を速やかに受諾して、キング・ヴァンパイアは救出されたセイヨウ帝国の者たちを連れて素早く離脱していく。
 なんの迷いのないその動きは、猟兵に対する、遥翔に対する信頼の証左といえるだろう。
 彼らが安全な場所まで離れる様子を見届けて、遥翔は再び『Type-Yacky』たちへと視線を向ける。
 まだ囚われている人々を解放するために、焔を燃やす。

「さて、と。せっかくのパーティを台無しにはさせないぜ!」

 『迦具土』を構え、遥翔は『イグニシオン』を奔らせた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

桃枝・重吾
アドリブ絡み歓迎
⬛心情
おー、
ここがスーパーロボットで有名なマクドナルド王国?
あー、確かにイマガワ星名物のエビデツルを派手にした見たいのいるもんなぁ
ああ言うのもいるんだなぁ
食欲をそそる外見なのに残念だなぁ(片手にガイドブック
⬛残念なお知らせ
スペオペ民の重吾はまともなスパロボもキャバリアも知りません
⬛たった一つの冴えたやり方

え?
なんて?
星降?
解析結果食べれるから食べろと、
あのサイズを?
私が最近は大好物の甘いものも我慢してるのはイエロー体型予防のためだって知ってるよね?
カロリーがたいへんなぁぁぁ(無情にも脱出装置併用トラクタービームアンカーで射出され敵に取り付いてガチキマイラもあわせて食べ進め大食い



●鯛焼きを処理するための冴えたやり方。

「おー、ここがスーパーロボットで有名なマクドナルド王国?」

 クロムキャバリアに降り立ったのは、大柄なライガー系のキマイラおじさん。
 もふもふのたてがみで前髪とふさふさ眉毛が同化しているフードファイターにしてスターライダー。
 桃枝・重吾(スペースデコトラ使いXLスペース食べ歩き道中・f14213)がデコトラに乗ってやってきた。

「あー、確かにイマガワ星名物のエビデツルを派手にした見たいのいるもんなぁ。
 ああ言うのもいるんだなぁ」

 スペースオペラワールド出身であり、猟兵になってまだ間もない重吾はクロムキャバリアの情報を学んでいる最中だ。
 知識不足であるためか、スーパーロボットも量産型キャバリアも、目の前の食量産型『Type-Yacky』も、詳細な差異を区別できていないようだ。
 しかしどうやら、重吾の知るエビデツルという存在と『Type-Yacky』の外見は似通っているらしく、『Type-Yacky』が敵であると識別することはできている。

「あれを倒さなきゃいけないのか。食欲をそそる外見なのに残念だなぁ」

 そう言いつつ、何処で手に入れたのかガイドブックを片手にデコトラのハンドルを握りつつ、飛び跳ね回る『Type-Yacky』を見つめていた。
 そして、重吾に気づいたのか、あるいはたまたまなのか。
 何機かの『Type-Yacky』が重吾に突っ込んでいく。
 それは、《Traditional handmade伝統的な手作り》と称される『Type-Yacky』の突撃攻撃である。
 激突しても地形からのダメージを受けず、その突進は相手のあらゆる防護を無視する貫通能力を有している。
 何故かはわからない。『Type-Yacky』の神秘である。

「む。こっちに来るか。ひとまず避けてから……え? なんて? 星降?」

 だが、迫る『Type-Yacky』を前にして、重吾は自身のデコトラに意識を向けていた。
 それは、デコトラ型後方支援兼輸送機コアユニット、スペースデコトラ『星降丸』。
 兎に角でかくて丈夫何処でも走る、言いくるめやグルメ知識に精通している重吾の相棒だ。
 その『星降丸』が、重吾に意思を告げている。

 ―――食べろ、と。

「解析結果食べれるから食べろと、……あのサイズを?」

 唖然とした様子で、『Type-Yacky』を見る重吾。
 重吾の目の前には、5mサイズのオブリビオンマシンが群れを成して襲い掛かっている。
 回避するにしろ、迎撃するにしろ、決断しなければ間に合わないだろう。
 すなわち、『Type-Yacky』を食うか、食わないか。

「星降、私が最近は大好物の甘いものも我慢してるのはイエロー体型予防のためだって知ってるよね?」

 ―――関係ない。食べろ、と。
 『星降丸』が告げている。それが最適解だと、重吾を言いくるめている。
 何故なら、重吾が避けると背後のパーティ会場の設備が突撃攻撃を受けるから。
 被害を出さないためにも、身体を張れと『星降丸』が告げるのだ。

「あああ、もう! カロリーがたいへんなぁぁぁ!!」

 無情にも、『星降丸』が『脱出装置併用トラクタービームアンカー』を射出して『Type-Yacky』を逃がさないよう拘束した。
 荷台固定ユニット群『ビームロープの寅さん』がいい仕事をしたとばかりにドヤ顔を浮かべているような気がする。表情はないのだが。
 重吾は仲間たちの無言の声援による後押しを受け、覚悟を決めてデコトラから飛び出す。

「いただきまぁす!!」

 重吾が大きく口を開け、そして胴体に大きなライオンの頭部を形成する。
 種族キマイラの共通するユーベルコード、《ガチキマイラ》による変形だ。
 自身の口とライオンの口、二つの口で拘束された『Type-Yacky』に噛みついて大食い、食べ進めていく。
 《Traditional handmade》の衝突のエネルギーで少なくないダメージを負ったが、当の『Type-Yacky』を食べることでその生命力を奪い、治療するというプラスマイナス帳消しの攻撃方法で難を逃れている。
 ただしカロリーは据え置きだ。その精神ダメージは、《ガチキマイラ》でも癒せない。

「くぅ! 美味しいなぁ! 健康診断が怖い!
 けど食べないと助けられないって言い訳できるから食べ進められるんだよねぇ!!
 おかわりかかってこーい!!」

 雄々しく『Type-Yacky』を貪っていく重吾。
 その琥珀色の瞳から流れる雫が見受けられたのは気のせいだろうか。

 ほどなくして、摂食されたことで『Type-Yacky』のコックピットからミノタウロスやケンタウロスといった獣系西洋妖怪が解放された時、彼らの目の前には『Type-Yacky』を食べておなかを膨らませている重吾の姿があったという。
 重吾がイエロー体型から逃れることができたのか……それは、ここではまだわからないことである。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

メサイア・エルネイジェ
お…お…おタイヤキですわ〜!
本当にお鯛焼きのキャバリアなのですわねぇ
美味しそうですけれどこんなの食べたら血糖値がオーバーブーストマキシマイザーしてしまいますわ〜!
食べ物を粗末にするのはよろしくありませんけど!ここは止む無しですわ!
ヴリちゃん!クロムジェノサイダーで参りますわよ!

しっかし乗ってる方を傷付けないようにするにはどうしたら…
なんですヴリちゃん?
中身が無くなればへにょへにょになって動けなくなる?
なるほど!ヴリちゃんは賢いですわね!

ではアンカークロー発射!
引き寄せてパイルブレイク!
大穴を開けて餡子ダダ漏れにしてさしあげますわ〜!
物凄く勿体無いですけれど仕方な…ヴリちゃんが食べ始めましたわ…



●捕らえ貫き鯛焼きを貪る竜。

「お……お……おタイヤキですわ~!」

 ハロウィンパーティ会場で飛び交う食量産型キャバリア『Type-Yacky』を見て絶叫するのは、クロムキャバリアのアーレス大陸西部に位置するエルネイジェ王国の姫。
 猟兵として覚醒し、世界を戦乱に陥れるオブリビオンマシンから人々を救うため国を発った正義感の強いアンサーヒューマン。
 メサイア・エルネイジェ(放浪皇女・f34656)である。

 メサイアが驚くのも無理はない。食べられるキャバリアなど、前代未聞……いや、どこかほかの国でも存在していた気がするが……。
 閑話休題それはさておき

「本当にお鯛焼きのキャバリアなのですわねぇ。
 美味しそうですけれど……こんなの食べたら血糖値がオーバーブーストマキシマイザーしてしまいますわ~!」

 すでに数人の猟兵が『Type-Yacky』を食しているが、その様子を眺める限り迂闊に口にするとレッドアラート一直線になることだろう。
 『Type-Yacky』は、一人で食べるようなものではない。

「食べ物を粗末にするのはよろしくありませんけど! ここは止む無しですわ!
 ヴリちゃん! クロムジェノサイダーで参りますわよ!」

 メサイアの愛機、エルネイジェ王家に代々受け継がれているキャバリア『ヴリトラ』が目を赤く輝かせて、形態変化する。
 巨大なシールドとハサミを装備し、インファイトを得意とする格闘戦特化仕様の姿。
 『ヴリトラ・クロムジェノサイダー』である。
 『ヴリトラ』が吼え、メサイアが『Type-Yacky』たちを睨みつける。

「しっかし乗ってる方を傷付けないようにするにはどうしたら……。
 え? なんですヴリちゃん?」

 跳ね回っている『Type-Yacky』そのものを切り裂くのは、メサイアにとって難しくはない。
 だが、その中に囚われているセイヨウ帝国の者を傷つけずに助け出すのならば、よほど自身の技に自信がなければ不安がよぎる。
 故に、打つ手を考えるメサイアであったが……解決策は『ヴリトラ』から提示された。

「ふむふむ……中身が無くなればへにょへにょになって動けなくなる?
 なるほど! ヴリちゃんは賢いですわね!」

 『ヴリトラ』の意を汲み取ったメサイアが、両腕に装備する有線式の『RXS-Aアンカークロー』を発射する。
 すると、猟兵からの攻撃を感知したのか、『Type-Yacky』に搭載されているAIが《Health management衛生管理》を起動する。
 全身を個包装で覆い、食の衛生管理のレベルを向上させることで戦闘力の増強を行うユーベルコードだ。
 ついでにマッハで飛翔する。

 高速で飛翔を開始する『Type-Yacky』の軌道を読み切ったメサイアの操縦により、『アンカークロー』ががっちりと『Type-Yacky』を掴み取り、引き寄せる。
 フィッシングのように強引に引っ張り、メサイアは『ヴリトラ』の次なる武装を展開する。
 すなわち、高威力高命中の防御破壊効果を持つ『RX-Aインナーパイル』である。

「風通しを良くしてさしあげますわ!」

 《パイルブレイク》!
 格闘攻撃が命中し捕縛したた対象に対してパイルバンカーを叩き込む、初撃を外すと次も当たらない高威力を誇るユーベルコードだ!
 ガチガチの重装甲ですら貫通する杭が、個包装ごと『Type-Yacky』のさくさくとした生地装甲に大穴を開ける!

「大穴を開けて餡子ダダ漏れにしてさしあげますわ~!」

 ピクピクと痙攣する『Type-Yacky』の側面から、上質の餡子がこぼれ落ちていく。
 中身を失ってしまえば、オブリビオンマシンといえどまともに動くことは適わない。ただの巨大な鯛焼きのガワだけとなるだろう。
 何故かは聞かないでいただきたい。

「物凄く勿体無いですけれど仕方な……ヴリちゃんが食べ始めましたわ……」

 そして、こぼれる餡子を無駄にしない『ヴリトラ』の精神は『Type-Yacky』による精神ダメージを凌駕しているのか。
 『ヴリトラ』は特別なリアクションは見せることなく、もっしゃもっしゃと『Type-Yacky』を貪っていく。
 コックピットは食べなかったため、口の端から西洋妖怪が零れ落ちるということも、

「イビィィィ!? 助かったと思ったら食われるぅぅぅ!?」
「あら……。……大丈夫だから、よしですわ!」

 ……誰も、何も見えなかったので大丈夫である。
 キング・インビシブルほか、餡子と共に流れ出されたセイヨウ帝国の者たちは無事に救助されていくのだった。
 ……無事である。

成功 🔵​🔵​🔴​

川西・晴空
●POW&アドリブ歓迎

仮装なぁ…
よくよく考えればおいらの鎧甲冑姿もジャイアントキャバリアが着装するもんだったし、この連中から見ればキャバリアみてぇな格好か
しっかし、見れば見るほどたい焼きじゃねぇか
美味いけど巨人のおいらにゃあ腹がそんなに膨れねぇから食い出のあっけど、食ったら何かやべぇ感じがすんし…ぶった切るか!

おわ!?
飛びやがった!
どういう原理で飛んでんだよアレ…
しゃあねぇ、おいらも噴射筒で『ROCKET DIVE!』でかっ飛んで、地べたに叩き落としてやらやぁ!

あー…捌こうにも何処にセイヨウ帝国の連中が居るか分からねぇわ
クジラの腹わたを取り出すみてぇに、腹辺りを掻っ捌いて中身を出すかね



●鯛焼きの腹開き。

「仮装なぁ……。よくよく考えればおいらの鎧甲冑姿もジャイアントキャバリアが着装するもんだったし、この連中から見ればキャバリアみてぇな格好か」

 クロムキャバリア極東に位置する島国『日出国』育ちの巨人にして、ジャイアントキャバリア用の具足を身に纏い、戦場を駆け抜ける姿はまさに鬼武者。
 川西・晴空(日出る国の鬼武者・f36334)がマクドナルド王国に降り立った。

 本人の言うように、その姿はまさにキャバリアの仮装をしているようにも見受けられる。
 通常のキャバリアに匹敵する身長の晴空は眼前で跳ねている食量産型キャバリア『Type-Yacky』を見て、銘刀『鬼包丁鋼丸』を抜き放つ。

「しっかし、見れば見るほどたい焼きじゃねぇか。
 美味いけど巨人のおいらにゃあ腹がそんなに膨れねぇから食い出のあっけど、食ったら何かやべぇ感じがすんし……ぶった切るか!」

 晴空が故郷で鍛造されたジャイアントキャバリア用の巨大刀を振りかぶり『Type-Yacky』を両断しようと迫るが、『Type-Yacky』たちは危険を感知したのか《Health management衛生管理》を発動させて飛翔する。
 このユーベルコードにより、『Type-Yacky』は全身を個包装で覆い、食の衛生管理のレベルを向上させることで戦闘力の増強を行い、音速を越えて飛翔することができるのだ。
 元気に空へと飛びあがった『Type-Yacky』に、流石の晴空も驚く。

「おわ!? 飛びやがった!
 どういう原理で飛んでんだよアレ……!」

 それは誰にもわからない。
 宙を舞い、角度を変えて、再び地上へと……すなわち、晴空へと狙いを済ませて『Type-Yacky』たちが突進しようと向かって来る。
 その様を見て晴空は笑みを浮かべて『鬼包丁鋼丸』を肩に担ぎ、ユーベルコードを起動する。

「しゃあねぇ、おいらも噴射筒で……《ROCKET DIVE!》でかっ飛んで、地べたに叩き落としてやらやぁ!」

 《ROCKET DIVE!》!
 それは、エネルギーインゴットを燃料とするジャイアント・キャバリア用ロケットエンジン『背負い式連装噴進筒』によるロケット噴射で時速10900kmの速度で飛翔し、装備重量×スピードに比例した激突ダメージを与えるユーベルコード!
 相対的に、向かって来る『Type-Yacky』とのスピードと、ジャイアントキャバリア用に誂えられた晴空のための和鎧『鬼の大具足』の重量が乗算され、途轍もない威力を生み出す!

「おらぁ!!」

 飛び上がった晴空と『Type-Yacky』がぶつかった。
 爽快な打撃音がハロウィンパーティ会場の空に響き渡る。
 晴空は飛翔している『Type-Yacky』を、次から次へと殴り飛ばし、広場スペースへと叩き落していった。
 勢いよく地面に叩きつけられた『Type-Yacky』は、個包装のおかげで爆散することなく原型は保っているようだ。

「これで、最後だぁ!」

 あらかた落とし終えた晴空が地上に戻ると、横になった『Type-Yacky』たちがピクピクと痙攣している。
 落下の衝撃に、AIは耐えられなかったようだ。
 中身(餡子およびコックピットにいるセイヨウ帝国の人)も無事なようです。

「あー……捌こうにも何処にセイヨウ帝国の連中が居るか分からねぇわ。
 クジラの腹わたを取り出すみてぇに、腹辺りを掻っ捌いて中身を出すかね」

 コックピットの場所がピンとこない晴空は、『鬼包丁鋼丸』をその名の通りの目的で構え、『Type-Yacky』の腹を掻っ捌いて中身を取り出していく。
 『Type-Yacky』の中でシェイクされていたキング・ゾンビをはじめとする西洋妖怪たちが無事比較的に救出されていく。

「もう大丈夫だぜ、おいらたちが来たからな! 早く避難しな!」
「ゾ、ゾビ……た、助かったぜ……ありがとうよ、猟兵っ!」

 ハロウィンパーティ会場の命運を猟兵たちに託して、西洋妖怪たちは晴空に礼を告げて『Type-Yacky』から離れて避難していった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

魔女・ウィッチ
魔女装束姿で黒猫と共に箒へ乗って現れ、果実を一齧り。
「我が名はウィッチ!先の決戦にてドクター・フランケンシュタインを捕らえし偉大なる魔女(自称)なり!
我を崇めよ!そして恐れよ!その恐怖こそが我が糧となるのじゃ!!」
『にゃー!』

 西洋妖怪「ウィッチ」の魔女×レトロウィザードよ。
「この偉大なる魔女の使い魔にしてやるわ。光栄に思いなさい!」
「おばあちゃんが言っていたわ!◯◯だって!」

 左手に魔女導書を開き、右手に魔女揮杖を構えるわ!

 オブリビオンとかを自分の使い魔にするのを目的に行動よ!成功なら指輪へ捕獲!ドジを踏んで意図せず他の猟兵に迷惑をかける事も有るかもしれないけどわざとじゃないのよ!?



●鯛焼きを調伏する魔女の秘術。

 魔女装束の姿で黒猫と共に箒へ乗って現れ、果実を一齧り。
 誰がどう見ても魔女である彼女こそ、西洋妖怪の偉大なる魔女。
 かつて地下のセイヨウ帝国に挑み戦果を挙げた魔女・ウィッチ(偉大なる魔女の伝説グランソルシエール・サーガ・f33446)が再びマクドナルド王国に舞い降りた。

「我が名はウィッチ! 先の決戦にてドクター・フランケンシュタインを捕らえし偉大なる魔女(自称)なり!
 我を崇めよ! そして恐れよ! その恐怖こそが我が糧となるのじゃ!!」
「にゃー!」
「おお、魔女ハピ……!」「すごく魔女だレム」「可愛いギョ」

 先陣に救助され避難中のセイヨウ帝国の西洋妖怪たちも、西洋妖怪の猟兵であるウィッチの登場に様々な感情を向けている。
 喜び、驚き、敬い、ちょっぴり慈愛。
 そういった様々な感情を捧げられて、ウィッチは気分上々に力をつけていく。
 魔女使猫ウィッチグリマルキンの『ルナ・ノワール』が見守る中、ウィッチは颯爽と魔女灯箒ウィッチブルームから降りて跳ね回る食量産型オブリビオンマシン『Type-Yacky』に向き合った。

「あんたたち! この偉大なる魔女の使い魔にしてやるわ。光栄に思いなさい!」
「「「!」」」

 左手に『魔女導書ウィッチグリモワール』を開き、右手に『魔女揮杖ウィッチタクト』を構え、ウィッチはユーベルコードを紡ぎ出す。
 用意するのは、魔女の大鍋。
 キャバリアが入っても大丈夫なほどの、大きな鍋である。

「おばあちゃんが言っていたわ!
 『医食同源』『毒が変じて薬となり、薬も過ぎれば毒となる』って!
 知識があれば、猛毒への対処も容易よ!
 さあ、たい焼きたち! 我の大鍋に入りなさい!」

 《欲望具現術「魔女の秘密超理法」(ウィッチクラフト・フォーミュレーション)》!
 薬品調合、医術、毒使いにドーピングと、料理から成る様々な技能を1110レベルで発揮する、ウィッチの秘密の超理法だ。
 創造される千品を超える霊薬や料理をうまく使いこなすことで、どんな欲望へも対処できるという……!

 ウィッチが大鍋をかき混ぜ、『Type-Yacky』を招き寄せる。
 霊薬が上手く反応すれば、オブリビオンマシンをウィッチの使い魔として調伏することができるのだ。
 失敗しても、美味しくお汁粉にジョブチェンジするだけである。

 暴れ回ることなく礼儀正しく順番を待って、『Type-Yacky』たちが一機ずつ大鍋の中に入っていく。
 一瞬で完成させられるのだが、ウィッチは雰囲気を出すべく『大鍋をかき混ぜる魔女』としての姿を見せるために態と時間かけてゆっくりと煮込んでいく。
 ほどなくして、何機かの『Type-Yacky』が無事に使い魔として捕獲され、ウィッチの『魔女従環ウィッチリング』へと収納されて消えていく。

「ふふん! 成果は上々ね! 相性がいいのかしら」

 二機、三機と、『Type-Yacky』が順調に封じられていく。
 『Type-Yacky』の中にいたセイヨウ帝国の者たちは諸共に取り込まれるということはなく、大鍋の中に浮かび排出されていた。
 煮え滾っている訳ではないので特に火傷するということもなく、西洋妖怪たちはいそいそと大鍋から脱出していく。
 自力で脱出できない西洋妖怪に対しては、ウィッチの『魔女法力ウィッチフォース』による念動力を駆使して引っ張り上げて、補助していた。

「ゴ、ゴォォォォレム……! し、沈ム……助けテ……!」
「あんたは……汝は、キング・ゴーレムじゃな!
 よかろう、その望みを叶えてあげるのじゃ!」
「ああ……ありがとウ」

 こうして、猟兵たちの活躍によりセイヨウ帝国の者たちは、誰一人欠けることなく救助することができた。
 ハロウィンパーティ会場も、リカバリーが効く範囲の損傷に抑えられている。
 ひとまず、『Type-Yacky』の暴走を食い止めることに成功したのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『H・O・P・E』

POW   :    Harmony=Origin
【高速】で敵の間合いに踏み込み、【爪による攻撃】を放ちながら4回攻撃する。全て命中すると敵は死ぬ。
SPD   :    Origin=Peaceful
【機械仕掛けの無数の羽根】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
WIZ   :    Peaceful=Emotion
【操縦サポートAIが起動し、自動操縦モード】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

●断章:テロリストの主張。

 セイヨウ帝国の西洋妖怪たちが乗っていたすべての『Type-Yacky』が無力化された。
 いくつかはしっかり捕食され、ほとんどは動かないよう破壊され、何機かは鹵獲され、一安心といった状況だ。
 だが、この事件を引き起こした犯人がまだ残っている。
 猟兵たちが油断せず待ち構えていると、白い装甲に機械仕掛けの羽根を纏った軽量型キャバリアがハロウィンパーティ会場に乱入してきた。

 その機体の名称は、『H・O・P・E』。
 役割を求めて搭乗者の精神を蝕み、自身の行動が人々の『希望』であると信じ込ませるオブリビオンマシンだ。
 その搭乗者、トレーラーで『Type-Yacky』を搬入してきたテロリストが、その場にいる猟兵たちを認識して声を張り上げる。

「なんでだよ……! なんであなたたちが邪魔をするんだよ、猟兵さん!
 そいつらは、化け物なんだぞ!」

 安全な避難所で拡声器越しにその声を聴いたマクドナルド王国のジョニー王子が、猟兵たちに連絡する。
 このキャバリアのパイロットは、マクドナルド王国の首都デカプリオのとあるホテルで働いていたパン屋のせがれだという。
 ……誰? と思う方も多いだろう。
 わかりやすく伝えると、セイヨウ帝国に父親を拉致されそうになった息子、ということだ。
 彼も父親も猟兵たちの活躍によって無事であったが……セイヨウ帝国との間に、被害者と加害者という因縁があるのだ。

「結果的に父さんは無事だったし、あなたたちのおかげでこの国は助けられた。感謝はしている!
 けど、なんでそいつらを受け入れなくちゃいけないんだ!
 攻め込んできたことはいい! いや良くはないけど、恨みとか憎しみとか、そういう後ろ暗い感情はこの際関係ない!
 問題なのは、セイヨウ帝国の連中は怪物だってことだ!」

 実際、セイヨウ帝国の国民たちはみんな西洋妖怪ではある。

「吸血鬼とか半魚人とか、人間に近い奴はまだわかるさ、個性だって言い聞かせれば……。
 だけど! 骨とか死体が動くのはおかしいだろ!? 異常だろ!
 普通の人間は首が取れたら死ぬんだよ! 親玉に至っては不死だって!?
 なんなんだよ、怖いよ! 化け物だよ!!」

 ヘイトスピーチを聞いた西洋妖怪たちが身をすくめる。
 パン屋の倅の言葉に込められる感情は、純粋な未知への恐怖心だった。

 猟兵たちは、普段実感にないことかもしれない。
 世界によって選ばれた猟兵は、生命体の埒外にあるものだ。
 それ故に、各世界のもたらす加護によって全ての世界で言葉が通じ、どんな外見でも住民に違和感を与えないという、地味だが有益な特性を持っている。
 UDCアースで異形の姿の猟兵が闊歩でき、サムライエンパイアでキャバリアによる行動が制限されないのも、こうした加護によるものだ。

 だが、セイヨウ帝国の西洋妖怪たちは、猟兵ではない。
 彼らは世界による加護を持たず、だからこそその容貌を用いて対象を脅かすことにより、糧となる恐怖の感情をかき集めることができたのだ。
 それ故に、その異形を忌避する声は……恐れる感情は、避けられない。

「そいつらが地上を闊歩する前に、地下に追い返さなきゃいけないんだ!
 じゃないと、何をされるかわかったもんじゃないだろ!?
 だから……俺が、この国を守るんだ!
 こんなパーティ、あの人からもらったこのキャバリアで台無しにしてやる!
 天誅だー!」

 オブリビオンマシンによる精神汚染か、あるいは『あの人』とやらに唆されているのか。
 セイヨウ帝国への恐怖心を過剰に刺激されたパン屋の倅は、居並ぶ猟兵たちに目もくれず特設ステージめがけて『H・O・P・E』を加速させる。

 彼は、猟兵に対して悪感情を抱いている訳ではない。
 交戦を避け、ひたすらにパーティ会場の設営されたステージやテーブル席を破壊しようと躍起になることだろう。
 本人もキャバリアの操縦技能が優れているわけではない。
 猟兵たちならば……鎮圧することは難しくないはずだ。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 ※パン屋の倅の乗るキャバリア『H・O・P・E』との戦闘です。
  パン屋の倅はキャバリア操縦の素人ですが、操縦サポートAIを搭載しているため動かすことができています。
  能力値WIZを選択した場合は自動操縦にすべてをゆだねることになります。

  パン屋の倅はハロウィンパーティ会場の蹂躙を最優先するため、拘束する、足止めをするといった行為で会場に近づけないことを推奨します。
  パン屋の倅は猟兵に好印象を抱いているため、会話には応じます。疑問点を投げかければ、わかる範囲で回答を得られるでしょう。
  ただし、説得が成功するかは判定の結果次第となります。

  プレイングボーナスは、『ハロウィンパーティ会場を守ること』です。
  皆様、よろしくお願いいたします。
久遠寺・遥翔
アドリブ連携歓迎
ったく、しょうがねえなぁ

イグニシオンに[騎乗]
[オーラ防御]を乗せた[結界術]を展開、パーティ会場を覆い守りを固めるぜ
そして説得するためにもまずはUCを起動、焔の籠に閉じ込めて足止めを試みつつ焔の効果で戦意を奪い喪失させるぜ

高速だろうが所詮AIサポート
培った[戦闘知識]に研ぎ澄ました[第六感]も重ねて[見切り]
敵機の爪は[残像]回避だ

あんたの思いは間違っちゃいない
ただ手段を間違えている
だから俺たちはあんたを止める。倒すんじゃなくな
今からでも話しあう気があるなら手を貸すぜ
セイヨウ帝国が悪さするなら俺たちが止めてやるからまずは話してみな?
落ち着いたらあの人についても聞きたいな


メサイア・エルネイジェ
へ…ヘイトスピーチ…!
そんな事仰られても仕方ないではありませんの
妖怪が怖いのは当たり前ですわ
怖くない妖怪など餡子の入ってないお鯛焼きのようなものですわ
ところであの人とはどの人なんですの?
ははーん、さてはその人とやらに唆されましたわね
ぶん殴って正気に戻して差し上げますわ〜!

すばしっこい機体ですわね
追いかけっこしたら会場がめちゃくちゃになってしまいますわ
こんな時は向こうから寄って来させればよろしいのですわ
盾を構えて待ち受けるのですわ
ヘイ!カモン!

素早い踏み込みですわね
しかーし!カウンターエッジ!
ギロチンシザーで腕を切り落として差し上げますわ
これでご自慢の爪も使い物にならないでしょう?
観念なさって?


鍋島・小百合子
SPD重視
絡みアドリブ可

国の祭りに興が乗った矢先になんじゃこの騒ぎは・・・

鋼機【勝鳥】騎乗
会場を守る立ち回りを最優先に行動
弩型びーむらいふる「鴉羽」の一射で牽制、敵の放つ機械羽を範囲攻撃で一掃後一気に接敵、至近距離まで来ればUC「転移速射【胸部機関砲】」発動
脚部からの胸部機関砲で敵機の脚を部位破壊後倅との話に入る

一連の事件における父君の事は気の毒であった
帝国の者を恐れる気持ちは誰にも持ちうるものである事も
じゃが刃を以って他者を蹂躙する事、それはかつて自分がされた嫌な事であろう?同じ事を正義の下で行うのかえ?
何もかもが違う他者を無条件で受け入れろとは言わぬ
今の倅の行いを今一度振り返ってみよ


リア・アストロロジー
●説得?
まずはたいやきのお礼を。
ごちそうさまでした! とってもおいしかったです!

食べ過ぎてもわたしならGravityがあるし安心安全!(?)
そしてハーピーの仮装中。実際、軽やか……軽やかです!

言いたいことは分かりました。
怖いという気持ちも、理解できます。
けど、それでも止めさせていただきます!
さぁ、ちゅんちゅんさん、早く飛ぶのー!!

射撃は斥力場で空に逸らすようにし、接近戦を誘発。
なるべく会場から引き離すように高速機動。
捕まえられたら重力操作で押さえつけてついばみ無力化していきます。

……天誅だとか、神罰だとか、そう言って暴力を正当化することは、わたしは好きではありません。
あなた自身が怖いと感じたなら、理由はそれだけで良いんです。

だけど、怖いならもっといい方法だってあるんじゃないでしょうか。
猟兵とか、パン屋さんとか、妖怪だとかそんな肩書きで人を見るんじゃなくて……
話をしましょう。
その方がきっと良く分かるから。
わたしはリア。
デュラの人もゾンビさんたちも――あなたのことも、もっと聞かせてください。


桃枝・重吾
アドリブ絡み歓迎
◼️心情
パン屋デウカリオンの息子(違)
これは黒歴史の香りがする…

◼️真の姿兵装
🔴エネルギー装填による武装解放?
最近装備やら充実して来たけど、まさか、星降が…
デレた!?
(荷台から長砲身形態の平練卜零さんがゆっくり(敵UC対策)せり上がりUCを装填、本来のものを一発に収束)
『UC粒子加速開始』から始まる詠唱と、
断続的に低速で投擲した寅さんによる高速自動射撃よる引き付けと牽制しつつ、
敵コックピット付近にビーコン設置
◼️説得
取り敢えず言わせてもらうと、
こういう人たち珍しくないぞ?(宇宙基準)
早めに慣れないと田舎者みたいに思われるし(宇宙基準)
もしやホラー苦手で、彼女に秘密とかなのか?


川西・晴空
●POW

H・O・P・E希望』、ねぇ
乱心しておいて、それが希望だなんて抜かせばヘソで茶が沸くぜ
希望はもうあるじゃねぇか
合戦りあった連中と同じ釜の飯を食ってるって希望がよ!

つっても、今は話を聞く頭はねぇか
昔の偉ぇ武芸者が言ってたらしいが、どんな揉め事も相撲で決めりゃ丸く収まるってな
そんなのに頼らねぇで、テメェの身体でブチ当たれってんだ!

そう啖呵挑発を切ってみたが、流石にすぐ後ろの会場を守りながら拠点防御のチャンバラは決め手に欠けるな
どっちから仕掛けねぇと埒が明かねぇが、相手が痺れを切らせばこっちのもんだ
仕掛けてきたらヤマ勝負感読んで、【知恵捨賭】で勝負決闘


シャルロット・ゴッドハンド
「んぅー♪たーやきたいやきおいひーねぇ♪」むしゃむしゃ」

あっ、シャルロットが持ち上げて鬼ごっこしたホテルの…(察し
今回に限りシャルロットの宿敵の様な物では?

ちゃんと【てかげん】するやさしい幼精
思い切り遊んでブン殴っても死なないからへーきへーき!
一般人相手に手加減しないとシャルロットがでこぴんした余波だけで消し飛ぶから!

妖怪や怪物を凌駕し、恐怖させる化け物ようせいがいる事、一方的に殴られる痛さと怖さを教えてあげよう!

即死耐性(極)とUC全状態異常完全無効耐性を持ってるので残念ながら効きません!

捕まえて押さえ込んで動けなくしよう!

父親と同じ末路を辿らせてあげよう!(死んでない)


魔女・ウィッチ
くっ、誰にもナイショじゃが見た目だけで恐怖させられるのは西洋妖怪としては少しだけ羨ましいのじゃ!我も見た目は究極超絶美少女な人間じゃしな!(可愛いとか愛らしいと言った感情を向けられる事が多い)
ともかく、我の事も恐れよ!

機体の四肢を破壊してしまえば動けないじゃろう!
高速詠唱+多重詠唱+無酸素詠唱+自動射撃+スナイパーで慈剣を飛ばし包囲するのじゃ!
複数の慈剣から誘導弾を発射して敵の全方位から包囲攻撃で脚と腕を狙うのじゃ!

UCで時間凍結している間に、詠唱して魔法剣を増殖させて解除と同時に一切発射じゃ!

戦後
会場に被害が出てたら欲望具現術で元通り回復や復元するのじゃ!



●集結した猟兵たち。

「まずはたいやきのお礼を。
 ごちそうさまでした! とってもおいしかったです!」
「ちゅんちゅん♪」
「パン屋デウカリオンの息子。これは黒歴史の香りがする……」

 パン屋がデウカリオンなのかどうかはさておき。
 桃枝・重吾は膨れたおなかをフードファイターの気合と根性で引っ込ませて、高速機動型オブリビオンマシン『H・O・P・E』を見据えている。
 その近くでは、重吾と同じように『Type-Yacky』を摂食していたリア・アストロロジーとその相方の『ちゅんちゅんさん』が満足気に感謝を述べており。
 そして。

「んぅー♪ たーやきたいやきおいひーねぇ♪」
「うわああああ!!」「落ち着け、キング・ゴーレム! あれは敵じゃない!」

 現在進行形で倒された『Type-Yacky』の残骸をむしゃむしゃと食べている生ける天災。
 シャルロット・ゴッドハンド(クロムキャバリアの都市伝説「妖怪・怪力全裸幼精」・f32042)がいつの間にか、いた。
 何を隠そう、パン屋の倅の父親であるパン屋が被害にあった事件の際、そのホテルを担いで避難させたのはこの小さなフェアリーなのである。
 パン屋の倅は、実質的にシャルロットと因縁が深い相手恐怖の遠因である。
 避難所で状況を見守っている西洋妖怪の一部でも不定の狂気トラウマが発症したようだが、そちらは気にしなくて大丈夫です。

「わぁ……リアさんといい、あの子といい、いい食べっぷりだねぇ」
「ふふ……! 食べ過ぎてもわたしなら《Gravity》があるので安心安全!(?)
 そして今はハーピーの仮装中。実際、軽やか……軽やかです!」
「しゃぅもいーっぱい、たべれるよぉ♪」

 『ちゅんちゅんさん』の頭を上でひらひらと仮装姿を披露するリア。
 小さなシャルロットと並ぶと、とても愛らしい様相である。
 重量倍率を操作できるユーベルコード《Gravity(グラヴィティ)》がある限り、食べ過ぎによる加重も怖くない!
 来いよ体重計、針なんか捨ててかかって来い!

 それはさておき。
 そうしててんやわんやとしている間に、シャルロットと同じく駆け付けた猟兵がシリアスに『H・O・P・E』と向き合っていた。

「国の祭りに興が乗った矢先になんじゃこの騒ぎは……」

 彼女もまた、マクドナルド王国、セイヨウ帝国と縁の深い女武者。
 義を重んじる猟兵、鍋島・小百合子(朱舞の女丈夫・f04799)が愛機であるスーパーロボット『鋼機【勝鳥カチガラス】』に騎乗して会場に馳せ参じた。
 幾度となくセイヨウ帝国と矛を交えた小百合子は、目を細めて眼前に立つ『H・O・P・E』を、その中にいるパン屋の倅を見つめる。

「一連の事件における父君の事は気の毒であった。
 帝国の者を恐れる気持ちは誰にも持ちうるものである事も……。
 じゃが、刃を以って他者を蹂躙する事。それはかつて自分がされた嫌な事であろう?」

 パン屋の倅が、機体の中で言葉に詰まる。
 暴力を振るうという行為、騙し討ちのようにテロを実行する振舞い。
 それが悪事だという分別は、ついているのだろう。

「同じ事を正義の下で行うのかえ?
 何もかもが違う他者を無条件で受け入れろとは言わぬ
 今の貴殿の行いを今一度振り返ってみよ」
「そ、それでも……! お、俺は……!」

「あんたの思いは間違っちゃいない。ただ手段を間違えている」
「『H・O・P・E希望』、ねぇ。
 乱心しておいて、それが希望だなんて抜かせばヘソで茶が沸くぜ」

 震えるパン屋の倅に。
 『イグニシオン』に乗る久遠寺・遥翔と『大具足』を纏った川西・晴空。
 二人の青年が並び立ち、言葉をかける。

「希望はもうあるじゃねぇか。
 合戦りあった連中と同じ釜の飯を食ってるって希望がよ!」
「だから俺たちはあんたを止める。倒すんじゃなくな。
 だけど、今からでも話しあう気があるなら手を貸すぜ」

 この国を、マクドナルド王国を救った猟兵の言葉に揺らぐパン屋の倅。
 それでも、オブリビオンマシンの精神汚染が。
 その心に沸き上がった恐怖心が、操縦桿を放させない。

「俺は……! あの人の言うように、天誅を……!
 化け物から、西洋妖怪からこの国を守らなきゃ……!」

「……つっても、今は話を聞く頭はねぇか」
「ったく、しょうがねえなぁ。まずは落ち着かせなきゃならないか」

 遥翔と晴空が頭をかく傍らで、『ヴリトラ・クロムジェノサイダー』形態の中でメサイア・エルネイジェが身震いする。

「へ……ヘイトスピーチ……!」

 世論に敏感な王族のさがか、メサイアはパン屋の倅の人種差別発言に震えていた。

「しかし……そんな事仰られても仕方ないではありませんの。
 妖怪が怖いのは当たり前ですわ。
 怖くない妖怪など餡子の入ってないお鯛焼きのようなものですわ」
「えっ」

 その言葉を聞いて、魔女・ウィッチがビックリしている。
 可愛らしい見た目ゆえに、愛らしいとか慈しいとかいった感情を向けられることが多いウィッチもまた、立派な西洋妖怪なのである。
 『ヴリトラ』越しに目と目が合うメサイアとウィッチ。
 ヘ、ヘイトスピーチ……!

「くっ、誰にもナイショじゃが見た目だけで恐怖させられるのは西洋妖怪としては少しだけ羨ましいのじゃ!
 我も見た目は究極超絶美少女な人間じゃしな!」
「……ところであの人とはどの人なんですの? ははーん、さてはその人とやらに唆されましたわね! ぶん殴って正気に戻して差し上げますわ~! お覚悟っ!」

 矢継ぎ早に話題を切り替えて『RX-Bラージシールドでっけぇシールド』と『RX-Bギロチンシザーでっけぇハサミ』を構えるメサイアに、一同も戦闘態勢を整える。

「だから! あなたたちを潜り抜けて、パーティ会場を台無しにするんだ!」
「はっ、いい気合だねぇ!
 昔の偉ぇ武芸者が言ってたらしいが、どんな揉め事も相撲で決めりゃ丸く収まるってな。
 そんなのに頼らねぇで、テメェの身体でブチ当たれってんだ!」
「ともかく、我の事も恐れよ!
 我こそは偉大なる魔女グランソルシエール、マルグリッドであるぞ!」

 晴空が銘刀『鬼包丁鋼丸』を構え、ウィッチが『魔女揮杖ウィッチタクト』を振りかざす。
 遥翔が『イグニシオン』に思念を送りユーベルコードをチャージさせ、小百合子が『勝鳥』の弩型ビームライフル『鴉羽』を構える。

「結界を展開してパーティ会場の守りは固めた」
「わらわたちが、会場を蹂躙はさせぬよ」

 シャルロットがいっぱいたい焼きを食べ終えて、元気充填やる気十分にふわふわと浮き上がる。
 武器を持たず、無邪気な様子て小さな手を振り上げる。

「よーし! 思い切り遊んでブン殴っても死なないからへーきへーき!
 一般人相手に手加減しないとシャルロットがでこぴんした余波だけで消し飛ぶから!」
「大丈夫? パン屋の倅、死なない……? ……おや、星降の様子が……」
「ゴゴゴッゴゴゴ……!」「ああ! キング・ゴーレムが泡を噴いてる……!」

 そして、重吾の乗るスペースデコトラ『星降丸』がエネルギーを充填させている。
 重吾はその様子に心当たりがあるのか、驚きつつもハンドルを握り締めている。

「言いたいことは分かりました。怖いという気持ちも、理解できます。
 けど、それでも止めさせていただきます!
 さぁ、ちゅんちゅんさん、早く飛ぶのー!!」
「ちゅんちゅん、ちゅーん!」

 パタパタと羽搏き、颯爽と戦場の上空へ飛び立つリアと『ちゅんちゅんさん』が皮切りとなり。
 猟兵たちとパン屋の倅が交戦を開始した。


●圧倒的な連携プレイ。

 まず最初に手を打ったのは、遥翔とウィッチだ。
 二人は合わせてオーラ防御を乗せた結界術を展開することで、パーティ会場の防護を固め、流れ弾で設営されたステージや装飾が吹き飛ばされないように施した。
 そして、ウィッチが膨大な魔力を紡ぐ間に、遥翔がユーベルコードを起動する。
 『イグニシオン』から溢れる焔が龍の姿を形成し、戦場に立つ『H・O・P・E』へと放たれる。

「説得するためにもまずは足止め、あんたの戦意を奪うぜ。
 熱情を食らいて燃え上がれ、焔籠!」
「う、うわあああ!?」

 《戦意を食む焔籠(ネガティブ・プリズン)》!
 射程距離130m半径内を熱を持たない焔の籠で覆い、触れた敵から戦意を吸収するユーベルコードだ。
 実際にダメージを負うことは無いが視覚的な圧迫感プレッシャーに襲われて、パイロットとして特に訓練を受けた訳でもないパン屋の倅はたちまち委縮する。
 だが、『H・O・P・E』は止まらない。

 パン屋の倅が戦闘に対応できないと判断した操縦サポートAIが勝手に起動し、強制的に自動操縦モードに変化する。
 正常な判断能力理性を失う代わりに超攻撃力と超耐久力を得る、《Peaceful=Emotion》だ。
 元より狂っているオブリビオンマシンである『H・O・P・E』は、搭乗者であるパン屋の倅の意志を理解曲解して、その意に応じようとパーティ会場に武装を向ける。

 『H・O・P・E』の全身に纏う機械仕掛けの無数の羽根を放ち、自身から一定半径内の指定した全ての対象を攻撃するユーベルコード。
 《Origin=Peaceful》である。
 戦場を覆う焔の籠の中から、大量の機械仕掛けの羽根が放たれ、パーティ会場を蹂躙しようと飛来する。

「させません!」

 しかし、射出された無数の羽根たちは急上昇するように空へと舞い上がっていく。
 上空に飛び上がった『ちゅんちゅんさん』、その上にいるリアのユーベルコード。
 重力制御の《Gravity》により『ちゅんちゅんさん』の引力倍率を引き上げ、『H・O・P・E』の射撃攻撃を空へと引き寄せて逸らしているのだ。
 『H・O・P・E』の攻撃を防いだことで、ウィッチの詠唱も完了する。
 それは、迎撃のための欲望具現術ウィッチクラフト

「さあ、片付けの時間だわ! 遊びは終わりよっ!!
 時よ止まれ! 我こそは偉大なる魔女……全ての世界を支配する者よ!」

 《欲望具現術「魔女の終世滅光破」(ウィッチクラフト・エンド・オブ・ザ・ワールド)》。
 戦場全体の時間を、ウィッチの体感でおよそ2分間時間凍結させた。
 その間に、ウィッチは高速詠唱により魔力で無限に具現できる『魔女慈剣ウィッチスパーダ』を増殖させ、一先ず『H・O・P・E』の周囲に1140本展開する。
 時間凍結が解除されると同時に、包囲した『魔女慈剣』の一斉発射で『H・O・P・E』の羽根を打ち砕いていく。
 無数の羽根と無限の魔法剣がぶつかり合い、相殺されていく。

「うわ、うわあ、ああああ!?」

 コックピットにいるパン屋の倅を配慮することなく、『魔女慈剣』の包囲から脱しようと『H・O・P・E』が高速機動を開始する。
 すなわち。高速で敵の間合いに踏み込み、爪による四回攻撃を行う《Harmony=Origin》。
 四回すべての攻撃が命中すると、対象は致命傷を負うことになる強力な連続攻撃だ。
 居並ぶ猟兵たちの間をすり抜けて特設ステージを破壊するべく、『H・O・P・E』が加速する。

 そして、そうはさせまいと。
 メサイアと『ヴリトラ』が素早く横から割り込んだ。

「すばしっこい機体ですわね。ヘイ! カモン!」

 追いかけっこをすれば機動力の差で追いつけず、あるいは余波で会場がしっちゃかめっちゃかになる恐れがある。
 ならば、相手に寄って来てもらえば良いと考えたメサイアは、『EPサイドイオンブースター』による瞬発力で横っ飛びして注意を引き付けたのだ。
 速く動く物を無差別攻撃するという《Peaceful=Emotion》を発動させたAIの弱点をつき、『ヴリトラ』への攻撃を誘導する。
 一撃目の爪を副腕で保持した盾で受け止める直前、メサイアはキランと目を光らせる。

「素早い踏み込みですわね。
 しかーし! カウンターエッジ!」

 《反撃の刃(カウンターエッジ)》。
 それは、敵の攻撃発動前に切断攻撃で割り込むカウンター・ユーベルコード。
 『RX-Bギロチンシザー』による攻撃が命中した『H・O・P・E』の右腕を容易く切断する。

「寸前まで引き付けるのがコツですわ。手元を狙うと尚良しですわ!」
「え!? 今、何が、えっ!?」
「これでご自慢の爪も使い物にならないでしょう? 観念なさって?」

 メサイアの言葉に応じることなく、『H・O・P・E』は残る左腕で『ヴリトラ』を貫こうと手を伸ばす。
 至近距離からの四回連続攻撃を浴びれば、『ヴリトラ』は機能停止死亡に陥るだろう。
 だが。
 晴空とシャルロット。
 生身でキャバリアと渡り合える二人が、メサイアに対峙する『H・O・P・E』へと急接近する。

啖呵挑発を切ってみたが、まっすぐ来てくれるならありがたい!
 流石に後ろの会場を守りながら拠点防御のチャンバラは決め手に欠けるからな」
「しゃぅも、いくよー♪」

 これも、猟兵たちによる連携の賜物である。
 攻勢を仕掛けたAIの挙動をヤマ勝負感読んで、晴空が勝負決闘に出る。
 妖怪や怪物を凌駕し、恐怖させる化け物ようせいがいる事、一方的に殴られる痛さと怖さを教えてあげようと、シャルロットが瞬速移動で接近する。

「(……雑念を捨てろ。智を捨て、意識を剣と化させ研ぎ澄ませ。
 賭するは己の命にあらず……真に賭すは空と無我の一撃のみ!)」

 それこそ、剣を打ち込む以外の雑念を捨てたチェスト。
 一切の防御を捨て、全ての攻撃が致命傷になってでも攻撃を叩き込むという意思を纏って振り下ろす渾身の一撃。
 《智恵捨賭(チェスト)》が『H・O・P・E』の左腕を両断する。

「え、あ! 腕が落ちて、両方とも!?」
「えへへ♪ つーかまーえた♪」

 諸々の耐性能力を有しているシャルロットは怯える様子もなく『H・O・P・E』の首元に縋りつき、小さな手で機体を取り押さえた。
 その気になれば、『H・O・P・E』をスクラップに粉砕できるパワーを有しているシャルロットだが、そうすると中にいるパン屋の倅もミンチになってしまうので、すべての攻撃が非殺傷の気絶攻撃と化し、周囲の被害が最小限になる《てかげん》により動きを抑えるだけにしている。
 そう。
 敢えて相手よりも弱くなる事で、相手との実力差や周囲への被害を気にせずに思い切り戦える。
 この状態なら力負けしても仕方無い。なんてやさしい幼精なのだろうか。

「せがれくんも、おとーさんといっしょにしてあげるねぇ♪」
「本当かーっ!? 本当にやさしいのかーっ!?」「落ち着け、キング・ゴーレム!」

 父親と同じ末路を辿らせてあげよう! というシャルロットのやさしさである。
※パン屋は無事です。

 シャルロットの身体は《てかげん》の作用により全状態異常完全無効耐性と超防御力を強化しているため、もし攻撃に巻き込まれても支障はない。
 リアが上空から《Gravity》による重力操作で押さえつけ、『H・O・P・E』の機動力を封じ込めた。
 羽根も魔法剣に撃ち落とされ、爪も腕ごと失った。
 メサイアと晴空が『H・O・P・E』を刺激しないようゆっくりとスペースを空けて、戦闘能力を失ったオブリビオンマシンに向けて……重吾と小百合子がトドメを構える放つ。


●フィニッシュラッシュ!

「最近装備やら充実して来たけど、まさか、星降が……デレた!?」

 重吾ではなく『星降丸』が真の姿を解放したというのだろうか。
 スペースデコトラの荷台から、長砲身形態の超古代試作機『平練卜零さん』高次圧縮型超長距離弾成形変換ユニットがゆっくりとせり上がる。
 『平練卜零さん』に装填されるのは、一発のユーベルコード。
 トラクター・アンカーロープ・バラージュセイヴァー(ユニヴァーサルビームロープ)だ。

「音声認識コード承認、対象スケール計測完了、お客様各位に申し上げます。
 危険ですので当機荷台より離れることを推奨します安全確認了発射」
「えっ」

 何が起こるというのだろうか。
 『星降丸』が詠唱を完了すると、1020本のステルスビーコンが射出される。
 複雑な幾何学模様を描いて『H・O・P・E』の機体にビーコンが付着して、続いて低速で投擲された荷台固定ユニット群『ビームロープの寅さん』によって雁字搦めにされていく。
 もはや『H・O・P・E』は身動ぎすら叶わなくなった。
 そしてコックピット付近に設置されたビーコンから、パン屋の倅の位置を特定した『星降丸』が、選択保護を行う。
 それは、遠慮は無用になったということだ。

「……うん。今だよ!」
「ここまでお膳立てされたのであれば……外す訳にもいくまい」

 重吾の掛け声に応じ、小百合子は『勝鳥』の手にした『鴉羽』を降ろす。
 牽制射撃や機械仕掛けの羽根への掃射のために構えていた武装は、居合わせた仲間たちの活躍により放つことはなくなった。
 代わりに放たれるのは、トドメの攻撃。
 《転移速射【胸部機関砲】(カラダカラトビデルムスウノタマ)》。
 任意の部位より128分の1秒の速射で『胸部機関砲』を発射できるユーベルコードである。

「光速の弾幕を張るのは胸部にあらず……撃ち貫く!」

 『勝鳥』の胸部に在る機関砲を脚部へと転移させ、『H・O・P・E』の脚部を粉々に破壊する。
 自重を支えられなくなった偽りの『H・O・P・E希望』は、リアの重力とシャルロットのパワーによって地面に叩きつけられる。
 猟兵たちは誰も傷つくことなくオブリビオンマシンを撃破し、無事にパン屋の倅を回収することに成功するのだった。


●戦いの後の和解と、残響。そして宴。

 戦いは猟兵たちの活躍により、大きな被害を出すことなく終わった。
 それでも、石畳や避難の際に倒れた椅子など、パーティ会場に多少の損傷はあった。
 そうしたこまごまとした被害を、ウィッチは欲望具現術で元通りに復元し、回復させて回っていく。
 この調子ならば、正午の開催に十分間に合うことだろう。
 現地のセイヨウ帝国の者たちから、崇敬の感情が捧げられていく様子が見られている。

 そして、オブリビオンマシンによる精神汚染から解放されたパン屋の倅と、猟兵たちの尋問話し合いの場が設けられた。
 遥翔、メサイア、小百合子、リア、重吾、晴空。
 会話に興味はないのか、残ってる『Type-Yacky』を持ってキング・ゴーレムのところに向かったシャルロットと会場の復旧作業を手伝っているウィッチを覗いた六人の前で、パン屋の倅が正座している。

「この度はご迷惑をおかけして本当に……」
「謝罪をする前に、じゃ。何が悪かったのかわかっているであろうな?
 何故このようなことを引き起こしたのじゃ」

 小百合子の言葉に、パン屋の倅は首肯する。

「怖いからといって、相手のことを知ろうともせず排斥しようとしました……。
 近づくのが怖くて、なのにパーティが始まると聞いて、ドンドン不安がこみ上げてきて……。
 それを溜め込んでて……」
「取り敢えず言わせてもらうと、こういう人たち珍しくないぞ?」

 重吾のスペースオペラワールド基準では、実際西洋妖怪の容姿は誤差であろう。
 星人がいっぱいいるのだ。

「早めに慣れないと田舎者みたいに思われるし……もしやホラー苦手で、彼女に秘密とかなのか?」
「いや、父さんが拉致されそうになって、働いてたホテルも土地ごと動かされて……。
 こんなとんでもないことができる連中が近くにいると思うと……怖くて」

 捕捉すると、ホテルごと拉致しようとしたのはセイヨウ帝国側だが、実際にホテルを持ち上げて動かしたのはシャルロットである。
 地盤はキング・ゴーレムが削っていたので、ホテルの解体は不可避であったが。

「セイヨウ帝国が悪さするなら俺たちが止めてやるからさ。
 まずは話してみな? それと、落ち着いたらあの人についても聞きたいな」
「そうですわね。その、あの人とやらと何があったのですの?」

 遥翔とメサイアに促され、パン屋の倅は事件の詳細を告げる。

「昨日の夜、だったかな。
 一人で酒場Barで飲んでたら、見知らぬ人が声をかけて来たんだ。
 俺が不安を抱えてることを見通してたみたいで。
 腹に抱えていることがあるなら吐き出してみないかって」

 一人でいる時に知らない人に声をかけられたら怪しもう。

「仮装パーティの話題で街中賑わってて、家族や友人もパーティに好意的だったから、打ち明けることもできなかったんだけど……。
 知らない人ならいいかなって思って、愚痴を吐いて、飲んでいるうちに……気がついたらあのキャバリアのところに案内されて……。
 そこから、セイヨウ帝国を排除しなきゃ、天誅を下さなきゃって、頭の中がいっぱいになって、今朝になります」

 酔った勢いにオブリビオンマシンの精神汚染が合わさってやらかしてしまったということらしい。
 後ほどご家族に説教してもらわなければならないだろう。
 だが、話を聞いて晴空が違和感に気づく。

「……あ? おい、倅。おめぇ脅迫状は送ってないのか?」
「脅迫状? 何のことですか?」

 晴空の問いかけに、心当たりがないというパン屋の倅。
 事前の予知で聞かされていた、王宮に届いたという怪文書。
 それにパン屋の倅が関わっていないというのであれば。あの人とやらがセイヨウ帝国を排除したいという存在であり、脅迫状を送り付けた本人なのだろう。

「……それで、あの人について何か知ってることはあるのか?」
「うーん、俺が話してばっかりだから、どういう人柄かは……。
 外見は、白髪で、髭を生やしてて、白いスーツで……。
 あ、そういえば誰かに『大佐カーネル』って呼ばれてた気がする」
「大佐、か……」

 このマクドナルド王国の軍事力は、王家が保有するスーパーロボット部隊で構成されている。
 民間で使用するようなキャバリアはあれど、職業軍人は存在しない。
 『Type-Yacky』も『H・O・P・E』も、その『大佐』を名乗る人物、あるいはその勢力が外部から用意したものだろう。
 今後もまだ騒動が起こりそうだと、一同が顔を見合わせる。

 そして、リアがパン屋の倅の前に立ち。
 その手を取って、目を合わせる。

「……天誅だとか、神罰だとか、そう言って暴力を正当化することは、わたしは好きではありません。
 あなた自身が怖いと感じたなら、理由はそれだけで良いんです」

 リアはフラスコチャイルドの精神感応能力を使わない。
 純粋な意志で、じっとパン屋の倅に語り掛ける。

「だけど、怖いならもっといい方法だってあるんじゃないでしょうか。
 猟兵とか、パン屋さんとか、妖怪だとかそんな肩書きで人を見るんじゃなくて……。
 ―――話をしましょう。
 その方がきっと良く分かるから」

 パン屋の倅は、いや。
 リアと対話している彼は、自分よりも若い、幼い少女の言葉に、真摯に耳を傾けて、唇を震わせる。
 瞳から溢れる液体が零れないよう、表情を引き締めてリアと向き合っている。

「わたしはリア。
 デュラの人もゾンビさんたちも―――あなたのことも、もっと聞かせてください」
「はい……俺は、スティーヴン。パン屋のセガレ、スティーブンです」

 わずかな沈黙を経て、反省したスティーブンはリアと、その場にいる人々と話し合う。
 彼がこの後のハロウィンパーティに参加したのか、西洋妖怪たちと打ち解けることができたのか。
 それは、この場に居合わせた猟兵たちが知っている。

 一波乱の騒動を片付けて、仮装パーティが始まる。
 マクドナルド王国の民もセイヨウ帝国の民も、猟兵たちも楽しいという感情を放出するのだった。
 ハッピーハロウィン!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2022年10月31日


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#クロムキャバリア
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#お祭り2022
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#ハロウィン
#マクドナルド・クエスト


30




種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠斑星・夜です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト